JP6680802B2 - 細胞活性化用複合材料、細胞活性化用複合材料の製造方法、及び細胞培養キット - Google Patents

細胞活性化用複合材料、細胞活性化用複合材料の製造方法、及び細胞培養キット Download PDF

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Description

本発明は、細胞活性化用複合材料、細胞活性化用複合材料の製造方法、細胞培養キット、及び細胞活性化用複合材料の使用に関する。
再生医療やin vitroで産生した細胞外基質の利用など、細胞の活性を利用した治療などが盛んに行われている。このため、細胞の活性を高め、細胞外基質の産生量を向上させる技術について広く検討されている。そのうち、幹細胞を含めた各種動物細胞等の増殖培養及び分化誘導培養において、培養細胞の増殖や分化誘導を促進するとともに、動物幹細胞等の分化能を増殖中に効果的に維持し、かつ、免疫反応を抑制し、従来の培養方法と比較して多くの動物細胞を得ることが可能な培養方法が知られている。さらに、積極的に産生させた細胞外基質を治療部位へ用いるための移植物なども知られている。
増殖培養及び分化誘導培養において、培養動物細胞の増殖や分化誘導を促進すべく、例えば、培養細胞にサイトカイン等の因子を添加することが行われている(特許文献1)。また、移植する間葉系幹細胞の免疫抑制機能を維持可能な培地が知られている(特許文献2)。さらに、間葉系細胞、上皮系細胞、軟骨前駆細胞、又は線維芽細胞由来の細胞外基質の存在下において、増殖を促進しながら動物細胞を培養することが知られている(特許文献3)。また、産生した細胞外基質を乾燥して得られる、生体適合性に優れた乾燥物を移植することで、特異的な免疫拒絶を免除できることが知られている(特許文献4)。
一方、事故等によって損傷した組織や不全となった臓器を治療すべく、種々の生体組織再生に用いられる移植物などが研究されている。例えば、スポーツ障害や変形性関節症等を治療するための、軟骨細胞と細胞外基質で構成される移植物が知られている(特許文献5)。
また、均一かつ安定して保持及び生着させた細胞を良好に増殖及び生存させるための多孔性支持体が知られている(特許文献6)。さらに、移植用の細胞を静電場雰囲気内に置いて活性化する方法(特許文献7)や、細胞を増殖させることなく、細胞外マトリックスの産生のみを増大させる方法(特許文献8)などが知られている。
特表2011−516436号公報 国際公開第2011/111787号 特開2006−000059号公報 特表2010−504093号公報 国際公開第2004/052418号 特開2004−216119号公報 国際公開第2006/085534号 特表2004−507237号公報
しかし、従来の技術においては、厳密に条件を整えた培養操作が必要であるとともに、使用する際にその都度細胞を培養して製造する必要があるため、予め製造しておいたものを保管しておくことはできなかった。また、in vivo及びin vitroのいずれにおいても培養細胞や損傷組織の細胞を活性化させうる材料は、これまで存在しなかった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、in vivo及びin vitroのいずれにおいても、培養細胞や損傷組織の細胞を有効に活性化させてその増殖や分化誘導を促進させることが可能な、取り扱いが容易な細胞活性化用複合材料を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記の細胞活性化用複合材料の製造方法を提供することにある。さらに、本発明の課題とするところは、上記の細胞活性化用複合材料を用いた細胞培養キット、及び培養細胞の増殖を促進させて培養するための上記細胞活性化用複合材料の使用を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、生体親和性材料からなる多孔性の支持体の内部に細胞を担持させて得た複合材料前駆体を凍結乾燥することによって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す細胞活性化用複合材料が提供される。
[1]生体親和性材料からなる多孔性の支持体の内部に細胞を担持させた複合材料前駆体を凍結乾燥して得られるものであり、前記支持体と、前記支持体の細孔内に担持された、前記細胞が凍結乾燥した凍結乾燥細胞と、を含み、前記凍結乾燥細胞が集まった凍結乾燥細胞塊が形成されている細胞活性化用複合材料
[2]前記支持体の前記細孔内に担持された、培地含有成分、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の化学修飾物、硫酸鉄(FeSO)、コンドロイチン硫酸、及びサイトカインからなる群より選択される少なくとも一種をさらに含む前記[]に記載の細胞活性化用複合材料。
]前記生体親和性材料が、ゼラチン、コラーゲン、及び合成ペプチドの少なくともいずれかの生体内分解性材料である前記[1]又は[2]に記載の細胞活性化用複合材料。
]前記支持体がスポンジ状支持体である前記[1]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化用複合材料。
]前記細胞が、間葉系幹細胞、体細胞、遺伝子組み換え細胞、癌細胞株、及び不死化細胞株からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化複合材料。
]生菌を実質的に含まない前記[1]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化用複合材料。
]内部の任意の領域を走査型電子顕微鏡により500倍に拡大して観察した場合に、球状の前記凍結乾燥細胞が5個以上集まった前記凍結乾燥細胞塊が観察される前記[]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化用複合材料。
また、本発明によれば、以下に示す細胞活性化用複合材料の製造方法が提供される。
]前記[1]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化用複合材料の製造方法であって、生体親和性材料からなる多孔性の支持体の細孔内に細胞を担持させて複合材料前駆体を得る工程(1)と、得られた前記複合材料前駆体を凍結乾燥する工程(2)と、を有する細胞活性化用複合材料の製造方法。
]前記工程(2)における、前記複合材料前駆体を凍結する温度が−50℃以下である前記[]に記載の細胞活性化用複合材料の製造方法。
さらに、本発明によれば、以下に示す細胞培養キットが提供される。
10]前記[1]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化用複合材料を備えた細胞培養キット。
11]培養容器をさらに備え、前記培養容器は、培養細胞を収容する培養細胞収容部と、前記培養細胞収容部内に収容された前記培養細胞と直接的又は間接的に接触する位置に前記細胞活性化用複合材料を配置する複合材料収容部と、を有する前記[10]に記載の細胞培養キット。
また、本発明によれば、以下に示す細胞活性化用複合材料の使用が提供される。
12]培養細胞を培養するための、前記[1]〜[]のいずれかに記載の細胞活性化用複合材料の使用。
本発明の細胞活性化用複合材料は、in vivo及びin vitroのいずれにおいても、培養細胞や損傷組織の細胞を有効に活性化させてその増殖や分化誘導を促進させることが可能な、取り扱いが容易なものである。また、本発明の細胞活性化用複合材料の製造方法によれば、上記の細胞活性化用複合材料を製造することができる。さらに、本発明によれば、上記の細胞活性化用複合材料を用いた細胞培養キット、及び培養細胞の増殖を促進させて培養するための上記細胞活性化用複合材料の使用を提供することができる。
本発明の細胞培養キットを構成する培養容器の一例(セルカルチャープレート)を示す模式図である。 本発明の細胞培養キットを構成する培養容器の他の例(シャーレ)を示す模式図である。 本発明の細胞培養キットの一実施形態を示す模式図である。 V79細胞の培養結果を示すグラフである。 実施例1の細胞活性化用複合材料の微細構造を示す電子顕微鏡写真である。 実施例2の細胞活性化用複合材料の微細構造を示す電子顕微鏡写真である。 実施例3の細胞活性化用複合材料の微細構造を示す電子顕微鏡写真である。
<細胞活性化用複合材料>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の細胞活性化用複合材料(以下、単に「複合材料」とも記す)は、生体親和性材料からなる多孔性の支持体の内部に細胞を担持させた複合材料前駆体を凍結乾燥して得られるものである。以下、その詳細について説明する。
動物などの生きた細胞を、生体親和性材料からなる多孔性の支持体の細孔内に担持した状態で凍結乾燥すると、一部の細胞については細胞膜が破れることなく保持され、元の形状を維持した凍結乾燥細胞が形成される。一方、残りの細胞については、凍結乾燥により細胞膜が破れてしまい、細胞内成分が流出する。本発明の複合材料は、凍結乾燥細胞及び細胞内成分が支持体の細孔内に担持されている。より具体的には、内部の任意の領域を走査型電子顕微鏡により500倍に拡大して観察した場合に、球状の凍結乾燥細胞が5個以上集まった凍結乾燥細胞塊が観察されるものである。
凍結乾燥細胞の内部には、生きた細胞を活性化させてその増殖や分化誘導を促進させる因子(例えば、FGF、HGF、VEGF、TIMP等。以下、単に「各種因子」とも記す)が細胞内成分として含まれている。そして、凍結乾燥によって細胞膜が破れた細胞から流出した細胞内成分(各種因子)は、周囲に存在する支持体の細孔内に担持されていると考えられる。このため、本発明の複合材料を培養細胞や損傷組織と接触するように配置すると、培養開始又は治癒開始の初期には、細孔内に担持されていた各種因子が支持体から比較的速やかに放出される。そして、細胞膜が破れることなく元の形状が維持された凍結乾燥細胞からは、長期間にわたって各種因子が徐々に放出される。このため、本発明の複合材料を用いれば、培養細胞や損傷組織に長期にわたって有効に作用し、細胞を活性化させることができる。
また、本発明の複合材料は、多孔性の支持体の内部(より具体的には細孔内)に凍結乾燥細胞と各種因子を含む細胞内成分が担持されているものであるため、支持体を有しない凍結乾燥細胞自体と比べて取扱いが容易である。さらに、支持体によって細胞の活性化が阻害されることもないため、培養細胞や損傷組織の細胞を有効に活性化させてその増殖や分化誘導を促進させることができる。
(支持体)
本発明の複合材料を構成する多孔性の支持体は、生体親和性材料によって形成されている。生体親和性材料は、生体内分解性であっても、生体内非分解性であってもよい。また、生体親和性材料は、天然物及び合成物のいずれであってもよい。これらの材料は、硫酸基等の官能基で化学修飾されたものであってもよい。
生体親和性材料のうちの天然物の具体例としては、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、フィブロイン、アルブミン等のタンパク質;ヒアルロン酸、セルロース、キチン、キトサン、でんぷん、ペクチン、アルギン酸、アガロース、寒天等の多糖類;及びこれらの誘導体を挙げることができる。また、これらの天然物を原料とした市販品を用いることも可能である。生体親和性材料のうち、合成物の具体例としては、ペプチド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−ε−カプロラクトン等の重合体;これらの重合体を構成するモノマーの共重合体;セラミックス等を挙げることができる。これらの生体親和性材料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの生体親和性材料のうち、生体内分解性材料については架橋などの不溶化処理をすることが好ましい。これらの生体親和性材料のなかでも、生体内分解性材料であるゼラチン、コラーゲン、及び合成ペプチドの少なくともいずれかを用いることが、組織へ固着性があるために好ましい。合成ペプチドとしては、有機合成される合成ペプチドや、遺伝子工学的に作製される合成ペプチドなどを用いることができる。より具体的には、天然のペプチドを模した人工コラーゲン及び人工ゼラチンの他、新規な物性を有するペプチドなどを使用することができる。
支持体の内部には、凍結乾燥細胞が保持される多数の細孔が形成されている。支持体としては、スポンジ状支持体の他、不織布や織布などを用いることができる。細孔の孔径は、5〜1000μmであることが好ましく、10〜500μmであることがさらに好ましい。細孔の孔径が上記の範囲内であると、例えば、本発明の複合材料を製造しようとして支持体に接触させた、液体培地に細胞を懸濁させた細胞懸濁液が細孔内に進入しやすい。しかも、細孔内に進入した細胞懸濁液のうち、細胞は細孔から流出しにくいが、液体培地は容易に流出するために好ましい。
本発明の複合材料は、培養細胞や損傷組織の細胞を有効に活性化させてその増殖や分化誘導を促進させるために用いられる。このため、支持体の形状維持期間は、細胞の増殖や分化誘導が完了するまでの期間(in vivoであれば、患部の治療や修復が完了するまでの期間)であることが好ましい。
支持体を構成する生体親和性材料として生体内分解性材料を用いる場合、支持体の形状維持期間は、生体内分解性材料に分子間架橋を導入すること等によって調整することができる。生体内分解性材料がタンパク質である場合には、化学的架橋、物理的架橋、又は酵素を用いた架橋などによって架橋することができる。化学的架橋に際しては、ホルマリン、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネート等の化学架橋剤を用いることができる。物理的架橋に際しては、γ線、紫外線等を用いることができる。また、酵素を用いた架橋に際しては、トランスグルタミナーゼ等の酵素を用いることができる。一方、生体内分解性材料が多糖類である場合には、上記の化学架橋剤の他、カルボジイミド等の脱水剤や、Ca塩等を用いて架橋することができる。
支持体の大きさ及び形状については特に限定されず、用途に応じた大きさ及び形状とすればよい。支持体の形状の具体例としては、立方体、円柱、シート状などを挙げることができる。なお、シート状の不織布又は織布を巻いて所望の形状にしてもよい。
(凍結乾燥細胞)
凍結乾燥細胞は、多孔性の支持体の内部に担持させた細胞を凍結乾燥させることによって形成される。細胞としては、例えば、非ヒト胚幹細胞株、ヒト胚幹細胞株、誘導多能性幹細胞、精原幹細胞、胚幹細胞、間葉系幹細胞、内皮幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、神経冠幹細胞、胃腸幹細胞等の幹細胞;骨髄、脂肪組織、胎盤組織、臍帯組織、臍帯血、及び歯髄などの組織に由来する間葉系幹細胞;ヒト皮膚線維芽細胞、内皮細胞、胃腸の上皮細胞、乳腺上皮細胞、メラノサイト、肺上皮細胞、腎上皮細胞、角化細胞、尿路上皮細胞、肝細胞、角膜細胞、レンズ細胞、骨芽細胞、骨細胞、象牙芽細胞、軟骨細胞、靭帯細胞、腱細胞、脳下垂体細胞、唾液腺細胞、副腎細胞、外分泌腺膵細胞、内分泌腺膵細胞、ライディッヒ細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、網膜細胞、ドーパミン作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、グルタミン作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、アドレナリン作動性ニューロン、星状細胞、乏突起膠細胞、シュワン細胞、平滑筋細胞、平滑筋芽細胞、骨格筋細胞、骨格筋芽細胞、心筋細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ、好中性、樹状細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球、ナチュラルキラー細胞、M細胞、マイクログリア等の体細胞;遺伝子組換え細胞;HeLa、HeLaS3、CCF−STTG1、HepG2、SK−MEL−5、Saos−2、WERI−Rb−1等の癌細胞株;NuLi、CuFi、CHON−001、BJ−5ta、hTERT−HME1(ME16C)、hTERT−HPNE、hTERT RPE−1、NeHepLxHT、HESC、HOS細胞、OUMS27、NB−1、T98G、KP−N−RT−BM−1等の不死化細胞株等を挙げることができる。
(その他の成分)
本発明の複合材料は、凍結乾燥細胞及び細胞内成分以外の成分(その他の成分)が支持体の細孔内にさらに担持されていてもよい。その他の成分としては、培地含有成分、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の化学修飾物、硫酸鉄(FeSO4)、コンドロイチン硫酸、及び各種のサイトカインなどを挙げることができる。これらの成分が支持体の細孔内にさらに担持された複合材料を用いることで、免疫寛容性と恒常性を維持することができる。
(細胞活性化用複合材料)
本発明の複合材料の構成する多孔性の支持体については、プリオンなどの汚染リスクのない飼育管理された動物から採取された原料や、汚染フリーの合成材料を用いて製造されたものであることが好ましい。さらに、本発明の複合材料は、生菌を実質的に含まないものであることが好ましい。生菌を実質的に含まないことで、培養細胞の培養や、細胞や組織が欠損等している生体(ヒト、又はヒト以外の動物など)内の部位への移植により好適に用いることができる。なお、本明細書における「生菌を実質的に含まない」とは、日本薬局方一般試験法に規定する「無菌試験法」に準じて試験した場合に、微生物(細菌又は真菌等)が検出されないことを意味する。生菌を実質的に含まない複合材料を製造するには、例えば、無菌的な操作で複合材料を製造すればよい。
(細胞活性化用複合材料の使用方法)
次に、本発明の複合材料の使用方法について説明する。in vitroでは、例えば、(i)細胞を培養している培地中に複合材料を配置する、或いは(ii)透過性を有する膜を備えたチャンバーに複合材料をのせ、細胞を培養している培地中に複合材料を浮かせた状態で配置する。本発明の複合材料をこのように用いることで、複合材料から放出される各種の因子を培養細胞に有効に作用させ、培養細胞の増殖や分化誘導を促進させることができる。
また、in vivoでは、例えば、細胞や組織が欠損等している生体(ヒト、又はヒト以外の動物など)内の部位に複合材料を移植する。本発明の複合材料をこのように用いることで、複合材料から放出される各種の因子を周囲の細胞に有効に作用させ、細胞の増殖や分化誘導を促進させて治癒を促進させることができる。本発明の複合材料は、培養細胞そのものではなく、細胞の増殖や分化誘導を促進させる各種の因子を利用するものである。このため、本発明の複合材料は、いわゆる再生医療の規制対象外のものであり、広く普及させることが容易である。
<細胞活性化用複合材料の製造方法>
次に、本発明の細胞活性化用複合材料の製造方法について説明する。本発明の細胞活性化用複合材料の製造方法は、生体親和性材料からなる多孔性の支持体の細孔内に細胞を担持させて複合材料前駆体を得る工程(工程(1))と、得られた複合材料前駆体を凍結乾燥する工程(工程(2))とを有する。以下、その詳細について説明する。
工程(1)では、前述の多孔性の支持体の細孔内に細胞を担持させて複合材料前駆体を得る。支持体の細孔内に細胞を担持させるには、例えば、液体培地に細胞を懸濁させた細胞懸濁液を支持体に接触させ、細孔内に細胞懸濁液を進入させ(染み込ませ)ればよい。これにより、支持体の細孔内に細胞が担持された複合材料前駆体を得ることができる。なお、複合材料前駆体中の細胞の数は、支持体の見かけ体積125mm3当たり、104個以上とすることが好ましく、107個以上とすることがさらに好ましい。
工程(2)では、上記工程(1)で得られた複合材料前駆体を凍結乾燥する。これにより、本発明の細胞活性化用複合材料を得ることができる。なお、支持体の細孔内に細胞を進入させた後、所定の時間が経過してから凍結乾燥することが好ましい。すなわち、支持体の細孔内に細胞を進入させてから所定の時間が経過するまで放置することで、支持体の細孔の内壁に細胞を有効に接着させることができる。所定の時間としては、短時間が好ましく、60分以内とすることが好ましい。60分を超えると、細胞に望ましくない影響が現れる場合がある。
細胞を凍結乾燥する際に一般的に用いられるジメチルスルホキシド(DMSO)やグリセリンなどの水溶性の凍結乾燥保護剤を用いることなく、複合材料前駆体を凍結乾燥することができる。なお、凍結乾燥保護剤を用いずに凍結乾燥することで、得られる複合材料から凍結乾燥保護剤を除去する等の手間を省くことができる。また、複合材料前駆体を−50℃以下で凍結することが好ましく、−80℃以下で凍結することがさらに好ましい。より低い温度条件下で複合材料前駆体を凍結してから乾燥することで、増殖や分化誘導を促進させる能力により優れた複合材料を得ることができる。
凍結乾燥は、例えば、一般的なフリーザーの他、ディープフリーザーなどの極低温フリーザーを使用して実施することができる。また、炭酸ガス(−78.5℃)、液体窒素(−196℃)、液体ヘリウム(−269℃)などの冷却媒体(液化ガス)を用いて複合材料前駆体を凍結させてから乾燥することが好ましい。なかでも、窒素やヘリウムなどの不活性ガスの液化ガスを用いて凍結乾燥することが、細胞に対する影響が少ないとともに、安全性も高いために好ましい。なお、段階的に温度を下げて凍結してもよく、一度に温度を下げて凍結してもよいが、一度に温度を下げて複合材料前駆体を凍結することが、増殖や分化誘導を促進させる能力により優れた複合材料を得ることができるために好ましい。具体的には、細胞膜が破れることなく元の形状が維持された凍結細胞の割合を上げることができるので、増殖や分化誘導を促進させる能力がより高い複合材料となる。凍結後は、直ちに減圧下で水を昇華させて乾燥することが好ましく、昇華による乾燥中に複合材料前駆体が凍結していればよい。凍結乾燥機を用いて乾燥してもよく、凍結後に素早く密閉容器内に入れ、減圧して乾燥してもよい。
<細胞培養キット>
本発明の細胞培養キットは、上述の本発明の細胞活性化用複合材料を備える。上述の複合材料は、培養細胞に有効に作用し、培養細胞を活性化させて増殖を促進させることができる。このため、この複合材料を用いることで、これまで増殖速度が遅く、培養が困難であった各種培養細胞を培養することが可能な細胞培養キットを構成することができる。
本発明の細胞培養キットの構成は、上述の複合材料を備えること以外、一般的な従来の細胞培養キットと同様の構成とすることができる。例えば、図1に示すような、複数のウェル5を有するセルカルチャープレートを培養容器10として用いることができる。すなわち、この培養容器10のウェル5内に複合材料を収容することで細胞培養キットとすることができる。なお、ウェルのサイズ(直径)や、1つのセルカルチャープレート当たりのウェルの数などは特に限定されない。ウェルの直径は、例えば、0.64〜35mmなどである。また、1つのセルカルチャープレート当たりのウェルの数は、例えば、4〜96などである。
また、図2に示すようなシャーレを培養容器20として用いることもできる。すなわち、この培養容器20内に複合材料を収容することで細胞培養キットとすることができる。なお、シャーレのサイズ(直径)などは特に限定されない。シャーレの直径は、例えば、35〜150mmなどである。セルカルチャープレートやシャーレは、いずれも市販のものを用いることができる。
図1に示す培養容器10を用いて培養細胞を培養するには、例えば、培養細胞及び培地などをウェル5内に収容するとともに、収容した培養細胞や培地と接触するように複合材料を配置すればよい。また、図2に示す培養容器20を用いて培養細胞を培養するには、例えば、培養細胞及び培地などを培養容器20に収容するとともに、収容した培養細胞や培地と接触するように複合材料を配置すればよい。
図3は、本発明の細胞培養キットの一実施形態を示す模式図である。図3に示す実施形態の細胞培養キット100は、培養細胞収容部35と、複合材料収容部45とを有する培養容器50を備える。培養細胞収容部35は、培養細胞31及び培地33を収容する部分(空間)である。また、複合材料収容部45は、複合材料43を配置する部分(空間)である。複合材料収容部45に収容された複合材料43は、複合材料収容部45の底部を構成する隔膜47を介在させた状態で、培養細胞収容部35内に収容された培養細胞31と間接的に接触する。なお、隔膜47は、複合材料43から流出する各種成分や培地成分は透過するが、載置された複合材料43は下方へと落下しない程度のサイズの孔が形成された膜である。図3に示すような構成とすることで、複合材料から放出される各種因子を、過度の負荷を掛けることなく培養細胞に作用させて、増殖や分化誘導を促進させつつ培養することができる。
用いる複合材料のサイズは、セルカルチャープレートのウェルやシャーレの大きさに応じて適宜設定すればよい。複合材料は、ウェル等の大きさを考慮して予め所望とするサイズとなるように製造してもよいし、所望とするサイズとなるように切断等してもよい。
本発明の細胞培養キットを用いて培養させることが可能な細胞(培養細胞)としては、例えば、前述の凍結乾燥細胞を形成するために用いる細胞と同様の細胞を挙げることができる。なかでも、間葉系幹細胞、プライマリ細胞などの増殖が遅い細胞を培養する場合に特に有効である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<複合材料の製造>
(実施例1)
架橋したゼラチンスポンジを直径6mm、高さ5mmの円柱状に無菌的にカットした。円柱状のゼラチンスポンジの上に、V79細胞(繊維芽細胞)の懸濁液(106cells/50μL、MEM培地+2mmol/Lグルタミン)を載置して30分間放置し、懸濁液をゼラチンスポンジに染み込ませて複合材料前駆体を得た。なお、V79細胞としては、JCRB細胞バンクより入手したもの(細胞登録番号JCRB0603、Lot No.10012012)を用いた。液体窒素を用いて複合材料前駆体を瞬時に凍結させた後、凍結乾燥機(商品名「FD−5N」、EYELA社製)に移し、直ちに吸引減圧して凍結乾燥し、複合材料を得た。
得られた複合材料の一部を無菌的にカットし、円柱状(直径6mm、高さ1mm)の無菌試験用の試料片を2枚作製した。作製した試料片を用いて、日本薬局方一般試験法に規定する「無菌試験法」に準じて無菌試験を行った。具体的には、作製した試料片を、液状チオグリコール酸培地及びソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地にそれぞれ入れ、14日間培養した。その結果、いずれの培地にも微生物の増殖は観察されなかったため、複合材料は実質的に無菌であると判断した。以下、製造したすべての複合材料について上記と同様の方法で無菌試験を行い、いずれの複合材料も実質的に無菌であることを確認した。
(実施例2)
実施例1で得た複合材料前駆体を、−80℃のディープフリーザー(品番「CLN−30UW」、日本フリーザー社製)に入れて凍結させた後、実施例1と同様に凍結乾燥して複合材料を得た。
(実施例3)
実施例1で得た複合材料前駆体を、−20℃のフリーザー(品番「MDF−MU300H−P」、パナソニックヘルケア社製)に入れた後、さらに液体窒素を用いて段階的に凍結させた。次いで、実施例1と同様に凍結乾燥して複合材料を得た。
(比較例1)
実施例1で用いた円柱状のゼラチンスポンジ(凍結乾燥細胞を含まないもの)を比較例1の材料とした。
(評価(1))
V79細胞50cellsを液体培地(MEM培地+2mmol/Lグルタミン+10質量%FBS(ウシ胎児血清、ライフ テクノロジーズ社製、Lot No.S09099S1820))2mLに懸濁させた。得られた懸濁物を3枚のセルカルチャープレート(24ウェル)の各ウェルに入れ、炭酸ガスインキュベーター内で18時間培養した。培養後、複合材料が落下しない程度の大きさの穴を開けたカルチャーインサート(ポアサイズ:8μm、Falcon社製)に、実施例1の複合材料を入れる、実施例2の複合材料を入れる、実施例3の複合材料を入れる、及び何も入れない(コントロール)の4つプレートに分け、炭酸ガスインキュベーター内で6日間培養した。培養後、液体培地を捨て、ホルムアルデヒドで培養細胞のコロニーを固定した。次いで、クリスタルバイオレット(0.5質量%溶液)を用いてコロニーを染色し、コロニー数をカウントして1ウェル当たりの平均値を算出した。そして、コントロールのコロニー数(平均値)を「100.0%」とする相対値(%)を算出した。結果を図4に示す。
(評価(2))
実施例1〜3の複合材料を導電テープで試料台に張り付けた。イオンスパッタ装置(商品名「E−101」、日立製作所社製)を使用してスパッタリングした後、走査型電子顕微鏡(商品名「S−4800」、日立製作所社製)を使用して微細構造を観察した。500倍に拡大したところ、いずれの複合材料についても、球状の凍結乾燥細胞が5個以上集まった凍結乾燥細胞塊が観察された。また、撮影した電子顕微鏡写真を図5〜7に示す。
(評価(3))
V79細胞50cellsを液体培地(MEM培地+2mmol/Lグルタミン+10質量%FBS(ウシ胎児血清、ライフ テクノロジーズ社製、Lot No.S09099S1820))2mLに懸濁させた。得られた懸濁物を3枚のセルカルチャープレート(24ウェル)の各ウェルに入れ、炭酸ガスインキュベーター内で18時間培養した。培養後、各ウェルに、実施例1の複合材料を入れる(評価例1)、比較例1の材料を入れる(評価例2)、及び何も入れない(評価例3)の3つプレートに分け、炭酸ガスインキュベーター内で6日間培養した。培養後、液体培地を捨て、ホルムアルデヒドで培養細胞のコロニーを固定した。次いで、クリスタルバイオレット(0.5質量%溶液)を用いてコロニーを染色し、コロニー数をカウントして1ウェル当たりの平均値を算出した。結果を表1に示す。
また、クリスタルバイオレットで染色したコロニーをエタノールで洗浄及び抽出して染色液を得た。得られた染色液をマイクロプレート(96ウェル)の各ウェルに1.0mLずつ入れ、プレートリーダーを使用して吸光度(590nm)を測定し、1ウェル当たりの平均値を算出した。結果を表1に示す。さらに、増殖率(評価例3の吸光度を「1.00」とする吸光度の相対値)を算出した結果を表1に示す。
Figure 0006680802
(評価(4))
V79細胞50cellsを液体培地(MEM培地+2mmol/Lグルタミン+10質量%FBS(ウシ胎児血清、ライフ テクノロジーズ社製、Lot No.S09099S1820))2mLに懸濁させた。得られた懸濁物を3枚のセルカルチャープレート(24ウェル)の各ウェルに入れ、炭酸ガスインキュベーター内で18時間培養した。培養後、複合材料が落下しない程度の大きさの穴を開けたカルチャーインサート(ポアサイズ:8μm、Falcon社製)に、実施例1の複合材料を入れる(評価例4)、比較例1の材料を入れる(評価例5)、及び何も入れない(評価例6)の3つプレートに分け、炭酸ガスインキュベーター内で6日間培養した。培養後、液体培地を捨て、ホルムアルデヒドで培養細胞のコロニーを固定した。次いで、クリスタルバイオレット(0.5質量%溶液)を用いてコロニーを染色し、コロニー数をカウントして1ウェル当たりの平均値を算出した。結果を表2に示す。
また、前述の「評価(3)」と同様の操作により得られた染色液をマイクロプレート(96ウェル)の各ウェルに1.0mLずつ入れ、プレートリーダーを使用して吸光度(590nm)を測定し、1ウェル当たりの平均値を算出した。結果を表2に示す。さらに、増殖率(評価例6の吸光度を「1.00」とする吸光度の相対値)を算出した結果を表2に示す。
Figure 0006680802
(実施例4)
V79細胞(繊維芽細胞)の懸濁液(105cells/50μL、MEM培地+2mmol/Lグルタミン)を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして複合材料を得た。
(評価(5))
上記の実施例4で得た複合材料を使用し、前述の「評価(4)」と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006680802
(実施例5)
架橋したゼラチンスポンジを直径6mm、高さ5mmの円柱状に無菌的にカットした。円柱状のゼラチンスポンジの上に、hMSC細胞(ヒト間葉系幹細胞)の懸濁液(106cells/50μL、MEM培地+2mmol/Lグルタミン)を載置して30分間放置し、懸濁液をゼラチンスポンジに染み込ませて複合材料前駆体を得た。なお、hMSC細胞としては、Lonza社より入手したものを用いた。液体窒素を用いて複合材料前駆体を瞬時に凍結させた後、凍結乾燥機に移し、直ちに吸引減圧して凍結乾燥し、複合材料を得た。
(比較例2)
実施例5で用いた円柱状のゼラチンスポンジ(凍結乾燥細胞を含まないもの)を比較例2の材料とした。
(実施例6)
hMSC細胞(ヒト間葉系幹細胞)の懸濁液(105cells/50μL、MEM培地+2mmol/Lグルタミン)を用いたこと以外は、前述の実施例5と同様にして複合材料を得た。
(評価(6))
hMSC細胞4×103cellsを液体培地(Lonza社製、MSCGM Bulletkit)2mLに懸濁させた。得られた懸濁物を4枚のセルカルチャープレート(24ウェル)の各ウェルに入れ、炭酸ガスインキュベーター内で18時間培養した。培養後、複合材料が落下しない程度の大きさの穴を開けたカルチャーインサート(ポアサイズ:8μm、Falcon社製)に、実施例5の複合材料を入れる(評価例11)、比較例2の材料を入れる(評価例12)、実施例6の複合材料を入れる(評価例13)、及び何も入れない(評価例14)の4つプレートに分け、炭酸ガスインキュベーター内で6日間培養した。生細胞数測定試薬(商品名「WST−8」(Cell Count reagent SF)、半井化学社製)を使用して細胞数をカウントして1ウェル当たりの平均値を算出した。結果を表4に示す。
また、前述の「評価(3)」と同様の操作により得られた染色液をマイクロプレート(96ウェル)の各ウェルに1.0mLずつ入れ、プレートリーダーを使用して吸光度(450nm)を測定し、1ウェル当たりの平均値を算出した。結果を表4に示す。さらに、増殖率(評価例14の吸光度を「1.00」とする吸光度の相対値)を算出した結果を表4に示す。
Figure 0006680802
本発明の細胞活性化用複合材料は、培養細胞や損傷組織の細胞を有効に活性化させ、その増殖や分化誘導を促進させるための材料として有用である。
5:ウェル
10,20,50:培養容器
31:培養細胞
33:培地
35:培養細胞収容部
43:複合材料
45:複合材料収容部
47:隔膜
100:細胞培養キット

Claims (12)

  1. 生体親和性材料からなる多孔性の支持体の内部に細胞を担持させた複合材料前駆体を凍結乾燥して得られるものであり、
    前記支持体と、前記支持体の細孔内に担持された、前記細胞が凍結乾燥した凍結乾燥細胞と、を含み、
    前記凍結乾燥細胞が集まった凍結乾燥細胞塊が形成されている細胞活性化用複合材料。
  2. 前記支持体の前記細孔内に担持された、培地含有成分、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の化学修飾物、硫酸鉄(FeSO)、コンドロイチン硫酸、及びサイトカインからなる群より選択される少なくとも一種をさらに含む請求項に記載の細胞活性化用複合材料。
  3. 前記生体親和性材料が、ゼラチン、コラーゲン、及び合成ペプチドの少なくともいずれかの生体内分解性材料である請求項1又は2に記載の細胞活性化用複合材料。
  4. 前記支持体がスポンジ状支持体である請求項1〜のいずれか一項に記載の細胞活性化用複合材料。
  5. 前記細胞が、間葉系幹細胞、体細胞、遺伝子組み換え細胞、癌細胞株、及び不死化細胞株からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜のいずれか一項に記載の細胞活性化複合材料。
  6. 生菌を実質的に含まない請求項1〜のいずれか一項に記載の細胞活性化用複合材料。
  7. 内部の任意の領域を走査型電子顕微鏡により500倍に拡大して観察した場合に、球状の前記凍結乾燥細胞が5個以上集まった前記凍結乾燥細胞塊が観察される請求項のいずれか一項に記載の細胞活性化用複合材料。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の細胞活性化用複合材料の製造方法であって、
    生体親和性材料からなる多孔性の支持体の細孔内に細胞を担持させて複合材料前駆体を得る工程(1)と、
    得られた前記複合材料前駆体を凍結乾燥する工程(2)と、を有する細胞活性化用複合材料の製造方法。
  9. 前記工程(2)における、前記複合材料前駆体を凍結する温度が−50℃以下である請求項に記載の細胞活性化用複合材料の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の細胞活性化用複合材料を備えた細胞培養キット。
  11. 培養容器をさらに備え、
    前記培養容器は、培養細胞を収容する培養細胞収容部と、前記培養細胞収容部内に収容された前記培養細胞と直接的又は間接的に接触する位置に前記細胞活性化用複合材料を配置する複合材料収容部と、を有する請求項10に記載の細胞培養キット。
  12. 培養細胞を培養するための、請求項1〜のいずれか一項に記載の細胞活性化用複合材料の使用。
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