JP6680248B2 - 流量測定装置及び流量測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流量測定装置及び流量測定方法に関する。
従来、流体の流れる流路に配置されて流体を加熱するヒータと、ヒータに対して流路の上流側に配置された第1の感温素子と、ヒータに対して流路の下流側に配置された第2の感温素子とを有するセンサ素子と、第1の感温素子から出力される第1の出力信号と、第2の感温素子から出力される第2の出力信号との間の差分に基づいて、流体の流量を表す信号を出力する出力回路と、第1の出力信号と第2の出力信号との間の関係の基準を定めた基準的関係を予め記憶する記憶部と、第1の感温素子から出力された第1の出力信号と、第2の感温素子から出力された第2の出力信号との間の関係を、基準的関係と比較して、第1および第2の感温素子に関する異常の有無を判定する異常判定部とを備える熱式流量計が提案されていた(例えば、特許文献1)。
また、被測定媒体である気体を加熱するヒータをチップ上に備えたヒータ付きセンサチップにおいて、ダイアフラム上に形成されたヒータが破損していない状態で、ヒータを加熱するための電圧が、ヒータが正常に作動している状態における電圧の範囲を超えて電源電圧に近づいた場合に、気体中の水蒸気が結露してヒータ付きセンサチップ表面が水で覆われたことを知らせる異常発生信号を出力する異常検知装置も提案されている(例えば、特許文献2)。
特許第5835182号公報 特許第5062657号公報
ヒータの上流側の感温素子及び下流側の感温素子の出力信号の関係に基づいて行う異常判定は、異物の付着を検出することを目的としたものといえる。すなわち、ヒータの上流側の感温素子にも下流側の感温素子にも同様に異常が生じた場合、両者の関係に基準的関係との差が表れず、異常と判定できないという問題があった。例えば結露の場合、ヒータの上流側の感温素子にも下流側の感温素子にも同様に水滴が付着するため、異常だと判定できなかった。また、異常判定に流量検出用のヒータを異常検知に用いる場合は、結露を検知したとしても流量特性まで変わってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、流量測定装置において、結露の発生を検出するための新規な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る流量測定装置は、流路を流れる測定対象流体の流量に応じた値を出力する流量検出部と、流量検出部に接続され、流量に応じた値に基づいて測定対象流体の流量を算出する制御部と、制御部に接続され、結露により短絡して出力値が変動する結露検出部とを備える。また、制御部は、結露検出部が出力する出力値に基づいて流量測定装置に結露が生じたことを検出し、結露の発生に応じた処理を行う。
このようにすれば、結露検出部からの出力値に基づいて、結露により短絡したことがわ
かるため、流量測定装置において、結露の発生を検出できるようになる。すなわち、算出された測定対象流体の流量が正確でない可能性があることがわかる。
また、結露検出部は、近接して設けられた第1の導体パターン及び第2の導体パターンによって形成される開回路部を備えるようにしてもよい。このような導体パターンを設けることで、短絡の発生により出力値を変動させることができる。
また、回路基板の表面において、第1の導体パターンの少なくとも一部と第2の導体パターンの少なくとも一部とが交互に複数設けられるようにしてもよい。このような導体パターンを設けることで、短絡が複数の箇所で起こり易くなると共に、短絡した箇所の数に応じて出力値を変動させ、間接的に結露の程度を検出することができる。
また、第1の導体パターンの一部は、第2の導体パターンに向けて凸状に形成された凸部であり、第2の導体パターンの一部は、第1の導体パターンに向けて凸状に形成された凸部であり、第1の導体パターンの凸部と第2の導体パターンの凸部とが交互に噛み合うように配置されるようにしてもよい。このような導体パターンによっても、短絡が複数の箇所で起こり易くなると共に、短絡の数に応じて出力値を変動させ、間接的に結露の程度を検出することができる。
また、結露検出部は、測定対象流体の流れ方向と直交する方向に並んで配置された、第1の温度検出部及び第2の温度検出部、並びにこれらの間に設けられる加熱部をさらに備え、第1の導体パターンは第1の温度検出部の一端に接続され、第2の導体パターンは第1の温度検出部の他端に接続され、出力値は、第1の温度検出部側の合成抵抗値に応じた値としてもよい。結露検出部が2つの温度検出部及び加熱部を備えるようにすれば、流量検出部が出力する測定対象流体の流量に応じた値には影響を与えることなく短絡の発生を検出することができるようになる。
また、結露検出部は、加熱部の温度を変化させた前後における、温度検出部により検出された測定対象流体の温度の差に基づいた物性値を出力し、制御部は、物性値に基づいて、測定対象流体の流量を補正するようにしてもよい。このようにすれば、測定対象流体の熱伝導率や比熱、粘度によって変わる熱拡散率に応じた補正をさらに行うことができるようになる。
また、結露の発生に応じた処理は、結露検出部が出力する出力値に基づいて、測定対象流体の流量を補正する処理としてもよい。このようにすれば、結露が生じた場合も、測定精度の低下を抑えつつ、流量の測定を継続することができる。
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段に示した流量測定装置の内容は、方法又はプロセッサ等の演算装置に実行させるプログラム、若しくはプログラムを格納する媒体として提供することができる。
流量測定装置において、結露の発生を検出するための新規な技術を提供できるようになる。
実施形態に係る流量測定装置の一例を示す分解斜視図である。 流量測定装置の一例を示す透視図である。 副流路部を示す平面図である。 センサ素子の一例を示す斜視図である。 センサ素子の仕組みを説明するための断面図である。 流量検出部の概略構成を示す平面図である。 物性値検出部の概略構成を示平面図である。 回路基板の機能構成を示すブロック図である。 回路基板の模式的な回路図である。 開回路部の一例を示す模式的な図である。 路基板の表面に結露を生じさせて抵抗値を変化させた場合の温度検出部の出力の差を示すグラフである。 導体パターンの凸部の数を変えた場合のコンダクタンスの変化を示すグラフである。 流量測定処理の一例を示す処理フロー図である。 変形例に係る流量測定処理の一例を示す図である。 特性値取得処理の一例を示す処理フロー図である。 縦軸にセンサ感度比、横軸に熱伝導率を示すグラフである。 縦軸にセンサ感度比、横軸にΔTを示すグラフである。 開回路部の他の例を示す模式的な図である。 開回路部の他の例を示す模式的な図である。 開回路部の他の例を示す模式的な図である。 開回路部の他の例を示す模式的な図である。
以下、本発明の実施形態に係る流量測定装置について、図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は、流量測定装置の一例であり、本発明に係る流量測定装置は、以下の構成には限定されない。
<装置構成>
図1は、本実施形態に係る流量測定装置1の一例を示す分解斜視図である。図2は、流量測定装置1の一例を示す透視図である。流量測定装置1は、例えばガスメータや燃焼機器、自動車等の内燃機関、燃料電池、その他医療等の産業機器、組込機器に組み込まれ、流路を通過する気体の量を測定する。なお、図1及び図2の破線の矢印は、流体の流れる方向を例示している。図2に示すように、本実施形態では、流量測定装置1は主流路部2から分岐した副流路部3の内部に設けられる。また、流量測定装置1は、流量検出部11と、物性値検出部12とを備える。流量検出部11及び物性値検出部12は、マイクロヒータによって形成される加熱部とサーモパイルによって形成される温度検出部とを含む熱式のフローセンサである。なお、物性値検出部12は、本実施形態では「物性値検出部」と呼ぶが、気体の流量を検出する流量検出部11とは別に設けられた流量検出部以外のセンサであれば物性値を検出するものでなくてもよい。本実施形態では、物性値検出部12を利用して結露の発生を検出する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る流量測定装置1は、主流路部2と、副流路部3と、シール4と、回路基板5と、カバー6とを備えている。
主流路部2は、長手方向に貫通した管状部材である。主流路部2の内周面には、測定対象流体の流れ方向に対して、上流側に流入口(第1流入口)34Aが形成され、下流側に流出口(第1流出口)35Aが形成されている。例えば主流路部2の軸方向の長さは約50mmであり、内周面の直径(主流路部2の内径)は約20mmであり、主流路部2の外径は約24mmであるが、このような例には限定されない。
副流路部3は、主流路部2の上に設けられており、その内部および上面には、副流路が
形成されている。副流路部3は、一端が流入口34Aに連通し、他端が流出口35Aに連通している。流量測定装置1では、副流路部3は、流入用流路34と、物性値検出用流路32と、流量検出用流路33と、流出用流路35とから構成されている。
流入用流路34は、主流路部2を流れる測定対象流体を流入させて、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に分流させるための流路である。流入用流路34は、主流路部2と垂直な方向に、副流路部3を貫通して形成されており、一端が流入口34Aに連通し、他端は主流路部2の上面で開口して、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に連通している。これにより、主流路部2を流れる測定対象流体の一部を、流入用流路34を介して、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に分流させることができる。
物性値検出用流路32は、副流路部3の上面に形成された、主流路部2と平行な方向に延在する、縦断面が略コ字型の流路である。物性値検出用流路32は、長手方向(主流路部2と平行な方向)に延在する部分に、測定対象流体の物性値を検出するための物性値検出部12が配置されている。物性値検出用流路32の一端は、流入用流路34を介して流入口34Aに連通しており、他端は、流出用流路35を介して流出口35Aに連通している。
流量検出用流路33は、副流路部3の上面に形成された、主流路部2と平行な方向に延在する、縦断面が略コの字型の流路である。流量検出用流路33は、長手方向(主流路部2と平行な方向)に延在する部分に、測定対象流体の流量を検出するための流量検出部11が配置された流量検出用流路33を有している。流量検出用流路33の一端は、流入用流路34を介して流入口34Aに連通しており、他端は、流出用流路35を介して流出口35Aに連通している。なお、物性値検出部12および流量検出部11は、回路基板5に実装された状態で物性値検出用流路32または流量検出用流路33に配置される。
流出用流路35は、物性値検出用流路32および流量検出用流路33を通過した測定対象流体を、主流路部2に流出させるための流路である。流出用流路35は、主流路部2と垂直な方向に、副流路部3を貫通して形成されており、一端が流出口35Aに連通し、他端は主流路部2の上面で開口して、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に連通している。これにより、物性値検出用流路32および流量検出用流路33を通過した測定対象流体を、流出用流路35を介して、主流路部2に流出させることができる。
このように、同じ流入口34Aから流入させた測定対象流体を、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に分流させることで、物性値検出部12および流量検出部11は、温度、密度などの条件が等しい測定対象流体に基づいて物性値または流量を検出することができる。したがって、流量測定装置1の測定精度を向上させることができる。
なお、流量測定装置1では、副流路部3にシール4を嵌め込んだ後、回路基板5が配置され、さらにカバー6によって回路基板5を副流路部3に固定することで、副流路部3の内部の気密性を確保している。
図3は、図1に示される副流路部3を示す平面図である。図3に示されるように、物性値検出用流路32は、略コの字型の一端が流入用流路34に連通し、他端が流出用流路35に連通している。同様に、流量検出用流路33は、略コの字型の一端が流入用流路34に連通し、他端が流出用流路35に連通している。
また、物性値検出用流路32と流量検出用流路33との両端部も互いに連通しており、物性値検出用流路32および流量検出用流路33は、副流路部3の上面において矩形状の
流路を構成している。
流量測定装置1では、物性値検出用流路32および流量検出用流路33は、何れも副流路部3の上面と垂直な方向から見たときの形状が正方形であり、流入用流路34と流出用流路35とを結ぶ直線に対して対称となる位置にそれぞれ形成されている。
また、矢印P及びQは、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に分流する測定対象流体の流量を表す。本実施形態では、物性値検出用流路32には流量Pの測定対象流体が分流され、流量検出用流路33には流量Qの測定対象流体が流れるように、物性値検出用流路32および流量検出用流路33の幅が設定されている。
この流量Pおよび流量Qの値は、主流路部2を流れる測定対象流体の流量によって変動するものであるが、通常の使用態様において、流量Pは物性値検出部12の検出レンジ内の値となり、流量Qは流量検出部11の検出レンジ内の値となるように、物性値検出用流路32および流量検出用流路33の幅がそれぞれ設定されている。物性値検出用流路32及び流量検出用流路33の幅は例示であり、図3の例には限定されない。
このように、流量測定装置1では、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に分流する測定対象流体の流量を、それぞれの幅を調整することで個別に制御することが可能である。このため、物性値検出部12の検出レンジに応じて物性値検出用流路32を流れる測定対象流体の流量を制御し、流量検出部11の検出レンジに応じて流量検出用流路33を流れる測定対象流体の流量を制御することができる。
したがって、物性値検出部12は、固有の検出レンジに応じた最適な流量で、測定対象流体の物性値を検出することができるので、物性値検出部12の検出精度を高めることができる。
同様に、流量検出部11は、固有の検出レンジに応じた最適な流量で、測定対象流体の流量を検出することができるので、流量検出部11の検出精度を高めることができる。
物性値検出用流路32および流量検出用流路33は、何れも略コ字型に形成された構成には限定されない。すなわち、物性値検出用流路32および流量検出用流路33は、物性値検出用流路32および流量検出用流路33を通過する測定対象流体の流量が制御可能な幅に設定されていれば、他の形状を採用するようにしてもよい。
また、本実施形態では、物性値検出用流路32および流量検出用流路33の形状を正方形としているが、本発明はこれに限定されない。物性値検出用流路32および流量検出用流路33の形状は、物性値検出部12または流量検出部11が配置可能であればよく、配置される物性値検出部12および流量検出部11の形状に応じて決定される。
したがって、例えば、物性値検出用流路32の幅よりも、物性値検出部12のサイズが小さい場合には、物性値検出用流路32の幅を物性値検出部12の幅に一致させてもよい。この場合、物性値検出用流路32の長手方向に延在する部分は、直線形状に形成されることとなる。なお、流量検出用流路33についても同様である。
図4は、流量検出部及び物性値検出部に用いられるセンサ素子の一例を示す斜視図である。また、図5は、センサ素子の仕組みを説明するための断面図である。センサ素子100は、マイクロヒータ(加熱部)101と、マイクロヒータ101を挟んで対称に設けられたサーモパイル(温度検出部)102とを備える。これらの上下には絶縁薄膜が形成され、シリコン基台上に設けられている。また、マイクロヒータ101及びサーモパイル1
02の下方のシリコン基台には、キャビティ(空洞)が設けられている。マイクロヒータ101は、例えばポリシリコンで形成された抵抗である。図5は、破線の楕円によって、マイクロヒータ101が発熱した場合の温度分布を模式的に示している。なお、破線が太いほど温度が高いものとする。空気の流れがない場合、図5の上段(1)に示すようにマイクロヒータ101の両側の温度分布はほぼ均等になる。一方、例えば図5の下段(2)において破線の矢印で示す方向に空気が流れた場合、周囲の空気が移動するため、マイクロヒータ101の風上側よりも風下側の方が、温度は高くなる。センサ素子は、このようなヒータ熱の分布の偏りを利用して、流量を示す値を出力する。センサ素子の出力電圧ΔVは、例えば次のような式(1)で表される。

なお、Thはマイクロヒータ101の温度、Taはサーモパイル102の外側に設けられる周囲温度センサが測定した温度、Vfは流速の平均値、A及びbは所定の定数である。
また、流量測定装置1の回路基板5は、IC(Integrated Circuit)等により実現される制御部(図示せず)を備え、流量検出部11の出力に基づいて流量を算出したり、物性値検出部12の出力に基づいて結露を検知したり、所定の特性値を算出し、特性値を用いて流量を補正したりする。
<流量検出部及び物性値検出部>
図6は、図1に示した流量検出部11の概略構成を示す平面図であり、図7は、図1に示した物性値検出部12の概略構成を示す平面図である。流量測定装置1では、物性値検出用流路32と流量検出用流路33とは、長手方向に延在する流路の幅がそれぞれ異なっており、物性値検出用流路32の物性値検出部12が配置された流路の幅は、流量検出用流路33の流量検出部11が配置された流路の幅よりも狭くなっている。これにより、流量測定装置1では、物性値検出用流路32および流量検出用流路33に分流される測定対象流体の流量を、それぞれ個別に制御している。
図6に示すように、流量検出部11は、測定対象流体の温度を検出する第1サーモパイル(流量検出部内第1温度検出部)111および第2サーモパイル(流量検出部内第2温度検出部)112と、測定対象流体を加熱するマイクロヒータ113とを備えている。マイクロヒータ113と、流量検出部内第1温度検出部111および流量検出部内第2温度検出部112とは、流量検出部11内において、測定対象流体の流れ方向Pに沿って並んで配置されている。また、マイクロヒータ113、流量検出部内第1温度検出部111、および流量検出部内第2温度検出部112の形状は、平面視においてそれぞれ略矩形であり、各々の長手方向は測定対象流体の流れ方向Pと直交する。
流量検出部内第1温度検出部111および流量検出部内第2温度検出部112は、マイクロヒータ113の上流側に流量検出部内第1温度検出部111が配置され、下流側に流量検出部内第2温度検出部112が配置されて、マイクロヒータ113を挟んで対称な位置の温度を検出する。
流量測定装置1では、物性値検出部12および流量検出部11に、実質的に同一構造のセンサが用いられており、測定対象流体の流れ方向に対する配置角度を90度異ならせて配置されている。これにより、同一構造のセンサを物性値検出部12または流量検出部11として機能させることが可能となるため、流量測定装置1の製造コストを低減することができる。
一方、図7に示すように、物性値検出部12は、測定対象流体の温度を検出する第1サーモパイル(物性値検出部内第1温度検出部)121および第2サーモパイル(物性値検出部内第2温度検出部)122と、測定対象流体を加熱するマイクロヒータ(物性値検出部内加熱部)123とを備えている。物性値検出部内加熱部123と、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122とは、物性値検出部12内において、測定対象流体の流れ方向Qと直交する方向に並んで配置されている。また、物性値検出部内加熱部123、物性値検出部内第1温度検出部121、および物性値検出部内第2温度検出部122の形状は、平面視においてそれぞれ略矩形であり、各々の長手方向は測定対象流体の流れ方向Qに沿っている。また、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122は、物性値検出部内加熱部123を挟んで左右対称に配置されており、物性値検出部内加熱部123の両側の対称な位置の温度を検出する。したがって、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122の測定値はほぼ同一であり、いずれか一方の値を採用するようにしてもよい。本実施形態では、物性値検出部内第1温度検出部121を物性値の検出に利用し、物性値検出部内第2温度検出部122は結露の検出に利用するものとする。
ここで、測定対象流体の流れによって温度分布は下流側に偏るため、流れ方向と直交する方向の温度分布の変化は、測定対象流体の流れ方向の温度分布の変化に比べて小さい。このため、物性値検出部内第1温度検出部121と、物性値検出部内加熱部123と、物性値検出部内第2温度検出部122とを、この順で測定対象流体の流れ方向と直交する方向に並べて配置することにより、温度分布の変化による物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122の出力特性の変化を低減することができる。したがって、測定対象流体の流れによる温度分布の変化の影響を低減して、物性値検出部12による検出精度を向上させることができる。
また、物性値検出部内加熱部123の長手方向が測定対象流体の流れ方向に沿って配置されているため、物性値検出部内加熱部123は測定対象流体の流れ方向に亘って広範囲に測定対象流体を加熱することが可能となる。このため、測定対象流体の流れによって温度分布が下流側に偏った場合であっても、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122の出力特性の変化を低減することができる。したがって、測定対象流体の流れによる温度分布の変化の影響を低減して、測定対象流体の流れによる温度分布の変化の影響を低減して、物性値検出部12による検出精度を向上させることができる。
さらに、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122の長手方向が測定対象流体の流れ方向に沿って配置されているため、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122は測定対象流体の流れ方向に亘って広範囲に温度を検出することが可能となる。このため、測定対象流体の流れによって温度分布が下流側に偏った場合であっても、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122の出力特性の変化を低減することができる。したがって、測定対象流体の流れによる温度分布の変化の影響を低減して、物性値検出部12による検出精度を向上させることができる。
<機能構成>
図8は、流量測定装置1が備える回路基板5の機能構成を示すブロック図である。また、図9は、回路基板5の模式的な回路図である。流量測定装置1は、流量検出部11と、物性値検出部12と、制御部13と、開回路部14とを備えている。流量検出部11は、流量検出部内第1温度検出部111と、流量検出部内第2温度検出部112とを備える。物性値検出部12は、物性値検出部内第1温度検出部121と、物性値検出部内第2温度
検出部122とを備える。なお、図6に示したマイクロヒータ113及び図7に示したマイクロヒータ(物性値検出部内加熱部)123は、図示を省略している。
流量検出部11は、流量検出部内第1温度検出部111および流量検出部内第2温度検出部112から出力された温度検出信号に基づいて、測定対象流体の流量を示す値を検出する。具体的には、流量検出部11は、流量検出部内第1温度検出部111から出力された温度検出信号と流量検出部内第2温度検出部112から出力された温度検出信号との差分を算出し、差分に基づいて測定対象流体の流量を示す値を求める。そして、流量検出部11は、流量を示す値を制御部13に出力する。
物性値検出部12は、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122から出力された温度検出信号を流量算出部133に出力する。具体的には、物性値検出部12は、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122から出力された温度検出信号の平均値を求める。また、図6に示した物性値検出部内加熱部123は、例えば制御部13による制御に応じて温度を変更する。これにより、物性値検出部内第1温度検出部121及び物性値検出部内第2温度検出部122は、物性値検出部内加熱部123の温度変化の前後における出力値を求めることができる。物性値検出部12は、取得した出力値を制御部13に出力する。
また、制御部13は、補正処理部131と、特性値算出部132と、流量算出部133と、異常検出部134とを含む。流量算出部133は、流量検出部11の検出値に基づいて測定対象流体の流量を算出する。特性値算出部132は、物性値検出部12の物性値検出部内第1温度検出部121の検出値に基づいて特性値を算出する。具体的には、特性値算出部132は、物性値検出部12のマイクロヒータの温度を変化させ、変化の前後においてサーモパイルが検出した測定対象流体の温度の差に所定の係数を乗じて特性値を算出する。補正処理部131は、特性値を用いて、流量算出部133が算出した流量を補正する。異常検出部134は、物性値検出部12の物性値検出部内第1温度検出部121の検出値、及び物性値検出部12の物性値検出部内第2温度検出部122の検出値に基づいて、回路基板5に生じた結露を検出する。
また、回路基板5の表面には、所定の導体パターンにより形成された開回路部14が設けられている。開回路部14は、後述するように、近接して配置された2つの導体パターンを含み、結露により短絡し得るようになっている。なお、開回路部14は、図9においては破線で示した抵抗器の記号で表している。また、開回路部14は物性値検出部12の物性値検出部内第2温度検出部122と電気的に並列に接続されている。そして、開回路部14が短絡すると、開回路部14は、物性値検出部内第2温度検出部122と並列に接続された抵抗として機能し、物性値検出部内第2温度検出部122の抵抗値が変化する。開回路部14と、物性値検出部12とを総称して、「結露検出部」とも呼ぶものとする。なお、開回路部14は、物性値検出部内第1温度検出部121と並列に接続されるようにしてもよい。
開回路部14の構造は、2つの導体パターンが近接して略平行に配置されるものであってもよいし、いわゆる櫛歯形の2つの導体パターンが交互に噛み合うように配置されるものであってもよい。また、回路基板5が多層基板によって形成され、開回路部14は、回路基板5の表面においては、2つの導体のいずれかに接続されたドット状のパターンが少なくとも一次元方向に交互に配置されるようにしてもよい。
<開回路部の構成>
図10は、回路基板5上に設けられる開回路部14の一例を示す模式的な図である。図10の開回路部14は、回路基板5の縁に沿って全周の一部に設けられている。なお、図
1の回路基板5の上面に設けるようにしてもよいし、回路基板5の下面に物性値検出用流路32及び流量検出用流路33に沿って設けるようにしてもよい。ここで、結露が生じると、例えばマイクロヒータからサーモパイルに届く熱量が変化する。これを検出するためには、開回路部14は流量検出部11の近傍に設けられる方が好ましく、回路基板5において流量検出部11が設けられた面に設けられる方が好ましい。
また、開回路部14は、回路基板5の外側に設けられた第1の導体パターン141と、回路基板5の内側に設けられた第2の導体パターン142とを含む。また、第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とは略平行に設けられると共に、それぞれ櫛歯状の凸部を有し、一方から他方に向かって交互に凸部が噛み合うように配置されている。
第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とは、回路基板5の表面においては、電気的に接続されておらず、通常は閉回路を構成しない。すなわち、第1の導体パターン141は、物性値検出部内第2温度検出部122の一端に接続され、第2の導体パターン142は、物性値検出部内第2温度検出部122の他端に接続されている。また、回路基板5の表面に結露が生じた場合には、第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とが水滴で短絡するよう、第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とは近接して設けられている。結露により生じた水滴で第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とが短絡すると、水滴は図9に破線の抵抗器で示した開回路部14として作用する。
結露が生じていない場合、図9に破線の抵抗器で示した開回路部14は存在しないことになるため、図3に示したセンサ素子100である物性値検出部内第1温度検出部121と、物性値検出部内第2温度検出部122とはほぼ同じコンダクタンスになる。一方、結露が生じて第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とが短絡すると、図9の開回路部14として作用し、これを制御部13はコンダクタンスの変化により検出することができる。すなわち、結露で生じた水滴の抵抗値をR、物性値検出部内第2温度検出部122の抵抗値をRとすると、全体の合成抵抗値Rは以下の式(2)で表すことができる。
1/R=1/R+1/R ・・・(2)
また、開回路部14を図10に示すような第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142によって形成すると、櫛歯状の複数の箇所で短絡し、抵抗器が並列に接続された状態になり易くなる。複数生じた水滴の抵抗値がすべてRであるものとすると、並列にN個の水滴が第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とを短絡させた場合の開回路部14の理論的な抵抗値R14は以下の式(3)で表すことができる。
14=R/N ・・・(3)
並列に生じた短絡の数Nが大きいほど開回路部14の値は小さくなり、その逆数であるコンダクタンスはNの増加に伴い大きくなるといえる。したがって、式(2)に示した全体のコンダクタンスに与える影響が大きくなる。また、櫛歯状とすることで、第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とを近接させつつ短絡が複数の箇所で並列に起こり易くなる。したがって、制御部13は上述したコンダクタンスの変化を検出し易く、また、結露の程度を検出し易くなるといえる。
図11は、回路基板5の表面に結露を生じさせて抵抗値を変化させた場合の物性値検出部内第1温度検出部121と物性値検出部内第2温度検出部122との出力の差を示すグラフである。実線は出力の差を表し、破線は出力差が2000程度の位置に設定された閾値を表している。グラフの横軸は、開回路部14の抵抗値であり、縦軸は、物性値検出部内第1温度検出部121と物性値検出部内第2温度検出部122との出力の差である。ま
た、矢印に示すように、開回路部14の抵抗値の減少に伴い、物性値検出部内第1温度検出部121と物性値検出部内第2温度検出部122との出力の差が閾値を超えて変動する。図11に示すように、開回路部14の抵抗値がおおむね200kΩ以下になると、開回路部14が短絡していない初期状態と比較して物性値検出部内第1温度検出部121と物性値検出部内第2温度検出部122との出力の差が十分に表れることがわかった。
図12は、回路基板5の第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142に設ける櫛歯状の凸部の数を変えた場合のコンダクタンスの変化を示すグラフである。グラフの横軸は、櫛歯状の凸部の本数であり、グラフの縦軸は、コンダクタンス(1/MΩ)である。第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142のピッチ幅は、0.35mmとした。また、細い実線で示す「理論値」は上述の式(3)を用いて求めた値である。菱形でプロットされた「実測」は、第1の導体パターン141と第2の導体パターン142との間に水滴を付着させ、櫛歯状の凸部の数だけ並列に短絡を生じさせたときの値であり、水滴の直径はおおむね0.65mmであった。丸でプロットされた「実測(噴霧)」は、第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142が設けられた回路基板5の表面を鉛直下方に向けて回路基板5を配置し、噴霧器によりミスト状の水を回路基板5に噴霧したときの値である。破線で示す「ターゲット」は、開回路部14のない初期状態と比較して物性値検出部内第1温度検出部121と物性値検出部内第2温度検出部122との出力の差が十分に表れる、開回路部14の抵抗値がおおむね200kΩ(コンダクタンス換算で5/MΩ)の値を示している。図12に示すように、櫛歯状の凸部を30本以上設けることにより、おおむね200kΩ以下となり、図11に示した結果と総合すると、物性値検出部内第1温度検出部121と物性値検出部内第2温度検出部122との出力の差が十分に表れることがわかった。なお、図11及び図12に図示した閾値は一例であり、開回路部14の形状等に応じて閾値は適宜設定することができる。
<流量測定処理>
図13は、流量測定処理の一例を示す処理フロー図である。図13に示すように、流量検出部11は、流量検出部内第1温度検出部および流量検出部内第2温度検出部112から温度検出信号を出力し、流量算出部133は、2つの温度検出信号に基づいて測定対象流体の流量を算出する(図13:S1)。
具体的には、流量検出部11は、流量検出部内第1温度検出部111から出力された温度検出信号と流量検出部内第2温度検出部112から出力された温度検出信号とを出力する。また、流量算出部133は、2つの温度検出信号の差分を算出し、差分に基づいて測定対象流体の流量を示す値を算出する。
なお、流量検出部内第1温度検出部111および流量検出部内第2温度検出部112から出力された温度検出信号に基づいて定対象流体の流量を算出する手法は、公知のものを用いることができる。流量検出部11は、算出した測定対象流体の流量を制御部13に出力する。
また、物性値検出部12は、物性値検出部内第1温度検出部121及び物性値検出部内第2温度検出部122から温度検出信号を出力し、異常検出部134は、2つの温度検出信号に基づいて回路基板5に生じた結露を検出する(S2)。本ステップでは、異常検出部134は、例えば物性値検出部内第1温度検出部121と、開回路部14に接続された物性値検出部内第2温度検出部122とのコンダクタンスの差に基づいて、結露が生じたことを検出する。なお、異常検出部134は、開回路部14に接続された物性値検出部内第2温度検出部122から過去に出力された出力値と、直近で出力された出力値とのコンダクタンスの差に基づいて結露が生じたことを検出するようにしてもよい。制御部13は、S1で取得した流量について、結露による特性の変化(換言すれば、特性の異常)があ
ったことを検知することができる。
本実施形態では、図4等に示したようなセンサ素子100を利用する物性値検出部12を利用することで、物性値の検出には用いない一方のサーモパイルを活用し、また、流量検出部11と部品であるセンサ素子100を共通化している。しかしながら、物性値検出部12は、流量検出部11とは別のセンサであれば、物性値を検出するものでなくても、流量の検出に影響を与えることなく結露を検出することができる。
また、制御部13の異常検出部134は、S2の処理の結果に基づいて、結露が発生したか判断する(S3)。結露が生じていない場合(S3:NO)、流量測定処理を終了する。なお、図13の流量測定処理は継続的にS1から実施されるものとする。
一方、結露が生じたと判断された場合(S3:YES)、異常検出部134は、結露の発生を出力する(S4)。結露が生じると、例えばマイクロヒータからサーモパイルに届く熱量が変化する。すなわち、S1で取得した流量を示す値が正確でない可能性がある。S4においては、S1で取得した流量を採用しないようにしてもよいし、S1で取得した流量と共に結露の発生を示す情報を記録又は出力するようにしてもよい。また、結露の発生を示す警告を出力するようにしてもよい。
<効果>
本実施形態では流量検出部11とは別のセンサである物性値検出部12を利用して、流量検出部11の出力に影響を与えずに結露を検出できる。すなわち、流量測定装置1は、流量検出部11が検出した流量について、結露による特性の変化があったことを検知することができる。また、流量検出部11及び物性値検出部12に、図4等に示したようなセンサ素子100を利用すれば、構成要素を共通化して製造コストを低減することができると共に、物性値の検出には用いないサーモパイルを結露の検出に活用することができる。
<流量測定処理の変形例1>
図14は、変形例に係る流量測定処理の一例を示す図である。なお、図13に示した流量測定処理と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本変形例では、結露が発生した場合(S3:YES)、補正処理部131は、物性値検出部12の出力値に応じて、流量検出部11が検出した流量の値を補正する(図14:S14)。例えば、結露の程度の大きさと、マイクロヒータからサーモパイルに届く熱量の大きさとの関係を示す情報を予め制御部13に記憶させておく。そして、本ステップにおいては、例えば、S2において物性値検出部12から取得した結露の程度を示す出力値に応じたパラメータを、S1において流量検出部11から取得した流量を示す出力値に乗じ、補正後の流量を算出する。このようにすれば、結露が生じた場合においても、測定精度の低下を抑えつつ、流量の測定を継続することができる。
<流量測定処理の変形例2>
流量測定装置1は、さらに物性値による流量の補正を行うようにしてもよい。図13又は図14に示した処理と並行して、例えば図15に示すような処理により特性値を取得し、特性値に基づいて、S1で取得した流量を補正する。なお、結露の検出に基づく流量の補正と、特性値に基づく流量の補正とは、任意の順に実行することができる。
図15は、特性値取得処理の一例を示す処理フロー図である。制御部13の特性値算出部132は、物性値検出部12の物性値検出部内加熱部123に、第1の温度で加熱させる(図15:S21)。その後、物性値検出部12の物性値検出部内第1温度検出部121及び物性値検出部内第2温度検出部122は、第1の温度を検出する(S22)。本ステップは、例えば制御部13による制御に基づいて行うようにしてもよい。測定対象流体
を伝わる熱の速度は、熱伝導率、熱拡散率、比熱などの物性値によって決定される。また、物性値検出部内加熱部123と、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122との温度差を検出することによって、熱伝導率を求めることができる。例えば、物性値検出部内加熱部123と、物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122との温度差が大きいほど、熱伝導率は小さくなる。このような性質を利用して、本ステップでは、測定対象流体の流れ方向と直交する方向に配置された物性値検出部内第1温度検出部121および物性値検出部内第2温度検出部122によって測定対象流体の温度を検出する。
次に、制御部13の特性値算出部132は、物性値検出部12の物性値検出部内加熱部123に、第2の温度で加熱させる(S23)。その後、物性値検出部12の物性値検出部内第1温度検出部121及び物性値検出部内第2温度検出部122は、第2の温度を検出する(S24)。本ステップも、例えば制御部13による制御に基づいて行うようにしてもよい。このようにして、物性値検出部内加熱部123の温度変化の前後において物性値検出部内第1温度検出部121及び物性値検出部内第2温度検出部122により検出された温度を示す値が取得される。
また、特性値算出部132は、検出された温度を用いて特性値を算出する(S25)。本ステップでは、センサ感度比を求める。センサ感度比とは、基準となる気体を流した場合のセンサ出力値に対する、所定の気体を流した場合のセンサ出力値の比であり、熱拡散率を表す特性値である。センサ感度比αは、下記の式(4)で求められる。
α = β × ΔT ・・・(4)
βは所定の係数である。また、ΔTは、物性値検出部内加熱部123の温度変化の前後において物性値検出部内第1温度検出部121及び物性値検出部内第2温度検出部122により出力された検出値の差分である。
その後、制御部13は、特性値を用いて、流量算出部が算出した測定対象流体の流量を補正する(S26)。具体的には、制御部13は、下記の式(5)を用いて、補正後の流量を算出する。
補正後の出力 = 流量算出部の出力 × α ・・・(5)
本実施形態では、ヒータの温度を変化させた際にヒートパイルで検出される温度の変化量(ΔT)を用いることで、測定対象流体の熱拡散率を検出することができるようになる。ここで、熱式流量測定装置が出力する流量は、熱拡散率と相関がある。したがって、本実施形態に係る流量の補正処理によれば、あらゆる気体について適切に補正できるようになる。すなわち、熱拡散率が異なる測定対象流体について、流量の測定の精度を向上させることができる。
図16は、縦軸にセンサ感度比、横軸に熱伝導率を示すグラフである。ここで、図16に示すように、例えば組成の異なる混合ガスのように熱伝導率以外の物性値が異なる複数のガス群が存在する場合、物性値としてある熱伝導率が求められただけではいずれのセンサ感度比を用いて補正すればよいのか定まらない。すなわち、マイクロヒータの加熱温度とサーモパイルの検知温度とを1組用いて補正を行う手法では、所定のガス群に属する2以上の基準ガスに基づいて補正を行っていたところ、複数のガス群について適切に補正を行うことはできなかった。
図17は、縦軸にセンサ感度比、横軸にΔTを示すグラフである。図16に示した、センサ感度比と熱伝導率とが一直線に近似されないガスについても、センサ感度比とΔTとは一直線に近似される。したがって、本実施形態では熱拡散率が未知のガス群についても補正を行うことができる。
<開回路部の変形例>
図18は、開回路部14の他の例を示す模式的な図である。開回路部14の第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142は、図10に示すような構成には限定されない。図18の例では、第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142は、それぞれ直線形状であり、略平行に近接して配置されている。このような構成であっても、水滴によって第1の導体パターン141と第2の導体パターン142とが短絡することにより、結露の発生を検出することができる。なお、例えば回路基板5の裏面の配線により、第1の導体パターン141の各々は接続され、また、第2の導体パターン142の各々は接続されているものとする。
図19は、開回路部14の他の例を示す模式的な図である。本変形例では、開回路部14は、径が異なる第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142が交互に設けられた年輪状であって、互いに略平行に近接して配置されている。具体的には回路基板5の縁に沿って、第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142が設けられているが、このような例には限られず、任意の形状に略相似な形状の第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142を採用することができる。
図20A及び図20Bは、開回路部14の他の例を示す模式的な図である。本変形例では、回路基板5の表面及び裏面、又は多層基板である回路基板5の外層及び内層を利用して、開回路部14を形成している。例えば、図20Aは回路基板5の表面(又は外層)を示し、図20Bは回路基板5の裏面(又は内層)を示すものとする。また、例えば内部が白い矩形が第1の導体パターン141であり、内部にハッチングが施された矩形が第2の導体パターン142であるものとする。そして、表面(外層)と裏面(内層)との間で対応する太い実線の矩形は、層間を接続するビア(スルーホール)の位置を示すものとする。このようにして、第1の導体パターン141の各々は接続され、また、第2の導体パターン142の各々も接続されているものとする。図20A及び図20Bの例では、特にビアの周辺において、図面上の縦方向と横方向に相当する二次元方向に向かってそれぞれ交互に、2つの導体パターンである第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142が近接して設けられている。このようにすれば、ビアの周囲のどこかに水滴が生じれば、近傍に設けられた導体パターンとの間で短絡が発生するため、短絡を起こし易くなっているといえる。
以上のように、開回路部14には、2つの導体パターンが近接して配置された様々な形状を採用することができる。特に、第1の導体パターン141の少なくとも一部と第2の導体パターン142の少なくとも一部とを交互に複数設ければ、第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142の間のどこかに水滴が付着し、結露を検知できる確率が向上するといえる。また、図10、図18〜図20A及び図20Bに示した開回路部14は、例えば第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142の先端が電気的に接続された閉回路としてもよい。このようにしても、第1の導体パターン141及び第2の導体パターン142の間に水滴が付着することにより、水滴の付着前とは抵抗値が変化するため、結露の発生を検出することができる。
また、結露検出部を構成する開回路部14は、流量検出部11側のサーモパイルと並列に接続されるようにしてもよい。すなわち、短絡時における開回路部14が、流量検出部11の流量検出部内第1温度検出部111又は流量検出部内第2温度検出部112と並列に接続されるように設けられていてもよい。流量検出部11の出力にも影響があるとしても、このような構成であっても結露の発生を検出することはできる。したがって、図13のS4のように結露の発生を出力する処理であれば行うことができる。また、開回路部14は、物性値を検出する物性値検出部12に設けられるのではなく、結露の検出を目的と
したセンサ素子に設けられるようにしてもよい。
1 :流量測定装置
100 :センサ素子
101 :マイクロヒータ
102 :サーモパイル
11 :流量検出部
111 :流量検出部内第1温度検出部
112 :流量検出部内第2温度検出部
113 :マイクロヒータ
12 :物性値検出部
121 :物性値検出部内第1温度検出部
122 :物性値検出部内第2温度検出部
123 :物性値検出部内加熱部
13 :制御部
131 :補正処理部
132 :特性値算出部
133 :流量算出部
134 :異常検出部
14 :開回路部
141 :第1の導体パターン
142 :第2の導体パターン
2 :主流路部
3 :副流路部
32 :物性値検出用流路
33 :流量検出用流路
34 :流入用流路
34A :流入口
35 :流出用流路
35A :流出口
4 :シール
5 :回路基板
6 :カバー

Claims (6)

  1. 流路を流れる測定対象流体の流量に応じた値を出力する流量検出部と、
    前記流量検出部に接続され、前記流量に応じた値に基づいて前記測定対象流体の流量を算出する制御部と、
    前記制御部に接続され、結露により短絡して出力値が変動する結露検出部と、
    を備える流量測定装置であって、
    前記制御部は、前記結露検出部が出力する前記出力値に基づいて流量測定装置に結露が生じたことを検出し、結露の発生に応じた処理を行い、
    前記結露検出部は、近接して設けられた第1の導体パターン及び第2の導体パターンによって形成される開回路部と、前記測定対象流体の流れ方向と直交する方向に並んで配置された、第1の温度検出部及び第2の温度検出部、並びにこれらの間に設けられる加熱部とを備え、
    前記第1の導体パターンは前記第2の温度検出部の一端に接続され、前記第2の導体パターンは前記第2の温度検出部の他端に接続され、
    前記出力値は、前記第2の温度検出部側の合成抵抗値に応じた値である
    流量測定装置。
  2. 回路基板の表面において、前記第1の導体パターンの少なくとも一部と前記第2の導体パターンの少なくとも一部とが交互に複数設けられる
    請求項に記載の流量測定装置。
  3. 前記第1の導体パターンの前記一部は、前記第2の導体パターンに向けて凸状に形成された凸部であり、前記第2の導体パターンの前記一部は、前記第1の導体パターンに向けて凸状に形成された凸部であり、前記第1の導体パターンの前記凸部と前記第2の導体パターンの前記凸部とが交互に噛み合うように配置される
    請求項に記載の流量測定装置。
  4. 前記結露検出部は、前記加熱部の温度を変化させた前後における、前記第1の温度検出部により検出された前記測定対象流体の温度の差に基づいた物性値を出力し、
    前記制御部は、前記物性値に基づいて、前記測定対象流体の流量を補正する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の流量測定装置。
  5. 前記結露の発生に応じた処理は、前記結露検出部が出力する前記出力値に基づいて、前記測定対象流体の流量を補正する処理である
    請求項1からのいずれか一項に記載の流量測定装置。
  6. 流量測定装置が実行する流量測定方法であって、
    流路を流れる測定対象流体の流量に応じた値を出力する流量検出部から、前記流量に応じた値を取得し、
    前記流量に応じた値に基づいて前記測定対象流体の流量を算出し、
    前記流量測定装置が備える回路基板に生じた結露により短絡して出力値が変動する結露検出部から、前記出力値を取得し、
    前記結露検出部から取得した前記出力値に基づいて結露の発生を検出し、結露の発生に応じた処理を行い、
    前記結露検出部は、近接して設けられた第1の導体パターン及び第2の導体パターンによって形成される開回路部と、前記測定対象流体の流れ方向と直交する方向に並んで配置された、第1の温度検出部及び第2の温度検出部、並びにこれらの間に設けられる加熱部とを備え、
    前記第1の導体パターンは前記第2の温度検出部の一端に接続され、前記第2の導体パターンは前記第2の温度検出部の他端に接続され、
    前記出力値は、前記第2の温度検出部側の合成抵抗値に応じた値である
    流量測定方法。
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