JP6679321B2 - 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関し、特に、ホワイトバランスを調整するために用いて好適なものである。
撮像装置では、撮像素子から得られる複数の色信号を用いてホワイトバランスを補正することが行われる。ホワイトバランスの制御方式の一つとしてホワイトバランスセットがある。ホワイトバランスセットは、予め、撮影環境下で基準となる白い被写体を撮影しながら、ホワイトバランスゲインを操作することで、基準の白が適正な白になるようにホワイトバランスを補正するものである。
具体的には、信号処理回路から得られる色差信号(R(赤)−Y(輝度)、B(青)−Y(輝度))を所定の映像領域分だけ抽出して、ホワイトバランスを補正する手法が知られている。即ち、所定の映像領域を複数の領域に分割し、分割領域毎に抽出した色差信号(RY信号、BY信号)の平均値がゼロ近辺の目標範囲となるまで、ホワイトバランスのRゲインおよびBゲインをそれぞれ徐々に変更し、撮影している基準の白を無彩色に変更する。
一方、近年のデジタルビデオカメラでは、多画素化や多機能化に伴うデータ量の増加のため、回路規模の縮小が求められている。そのため、色差信号(RY信号、BY信号)の検出分解能を低くせざるを得ない場合がある。このような場合、分割領域毎の値を利用すると、色差信号の平均値が目標範囲内になるようにホワイトバランスゲインを制御しても、色差信号の検出分解能が低いため、基準の白を無彩色に引き込みきれない。そこで、分割領域毎ではなく所定の領域の全画素の色差信号の積算値を利用(即ち、分割領域毎に平均化され丸められていたデータまで利用)することで、回路規模の縮小前と同等の性能で、基準の白を無彩色に引き込むようにすることが考えられる。
しかしながら、画素毎の色差信号(RY信号、BY信号)の積算値を用いる場合は、映像信号に生じるランダムノイズ等のノイズの影響を受ける虞がある。撮像装置におけるノイズを低減する技術として特許文献1には、カメラの撮影条件に応じて色ノイズ成分を判定して補正する際の補正パラメータを制御することが記載されている。
特開2014−165891号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ノイズを除去するための回路を別途設けなければならない。前述したように、回路規模の縮小のために、画素毎の色差信号の積算値を用いてホワイトバランスゲインを調整する。従って、ノイズを低減するために回路規模を増やす対応は避ける必要がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、回路規模を大幅に増大させることなく、ホワイトバランスゲインを調整する際に受ける映像信号のノイズの影響を低減することを目的とする。
本発明の画像処理装置の第1の例は、映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が無彩色の目標範囲に入るように、当該映像に対するホワイトバランスゲインを調整する調整手段と、前記映像におけるノイズ量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像におけるノイズ量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更する変更手段と、を有することを特徴とする。
本発明の画像処理装置の第2の例は、映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が無彩色の目標範囲に入るように、当該映像に対するホワイトバランスゲインを調整する調整手段と、前記映像における前記ホワイトバランスゲインの変化に対する前記色評価値の変化量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像における前記ホワイトバランスゲインの変化に対する前記色評価値の変化量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更する変更手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、回路規模を大幅に増大させることなく、ホワイトバランスゲインを調整する際に受ける映像信号のノイズの影響を低減することができる。
デジタルビデオカメラの構成を示す図である。 画像処理部の構成の第1の例を示す図である。 ホワイトバランスセット処理を説明するフローチャートである。 Rゲインと色差信号の平均値との関係の第1の例を示す図である。 画素と色差信号との関係の一例を示す図である。 映像信号中のノイズ量の判定処理を説明するフローチャートである。 ゲイン値とベースノイズ量とを記憶するテーブルを示す図である。 補正ノイズ量と無彩色の目標範囲との関係を示す図である。 画像処理部の構成の第2の例を示す図である。 Rゲインと色差信号の平均値との関係の第2の例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態を説明する。
図1は、撮像装置の一例であるデジタルビデオカメラ100の構成の一例を示す図である。尚、デジタルビデオカメラ100のハードウェアは、公知の技術で実現することができる。従って、ここでは、デジタルビデオカメラ100の構成の概要を示し、詳細な説明を省略する。例えば、図1に示す以外の構成をデジタルビデオカメラ100が有していてもよい。
撮像光学系101は、被写体像を結像させるレンズ群、撮像部102に入力される光量を調整する絞り、および減光(ND)フィルタ等を有する。撮像部102は、光学像を電気信号に変換する撮像素子を有する。撮像素子として、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)またはCMOS素子を用いることができる。また、撮像部102は、電子シャッターによる電荷の蓄積の制御、アナログゲインの変更、および電荷(画像信号)の読み出し速度の変更等の機能も備える。
A/D変換器103は、撮像部102から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号(画像データ)に変換する。A/D変換器103から出力される画像データは、制御部104を介してメモリ105に書き込まれる。メモリ105は、RAMを有し、撮像部102によって撮像され、A/D変換器103によりデジタル信号に変換された画像データ等を格納する。メモリ105は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器106は、メモリ105に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部107に出力する。表示部107は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を有する。表示部107は、D/A変換器106から出力されるアナログの画像信号に応じた表示を行う。また、表示部107は、電子ビューファインダとしての機能を有する。
画像処理部108は、A/D変換器103から出力された画像データや、メモリ105に記憶されている画像データに対して、色変換処理、ガンマ補正、デジタルゲインの付加等の処理を行う。また、画像処理部108は、画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算の結果を制御部104に送信する。
不揮発性メモリ109は、電気的に消去・記録が可能なメモリである。不揮発性メモリ109として、例えばEEPROMが用いられる。不揮発性メモリ109には、制御部104の動作用の定数や、プログラム等が記憶される。プログラムには、後述するフローチャートを実行するためのプログラムが含まれる。
制御部104は、不揮発性メモリ109に記憶されているプログラムを実行することによりデジタルビデオカメラ100の各部を制御する。このプログラムは、メモリ105に展開される。また、制御部104は、画像処理部108の演算の結果に基づいて、露出制御、測距制御、およびホワイトバランス制御等を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、およびAWB(オートホワイトバランス)処理等が行われる。
操作部110は、ユーザーがデジタルビデオカメラ100に対する指示を行うための各種の操作部材(例えば、スイッチ、ボタン、十字キー)を有する。また、表示部107は、タッチパネルを有する。ユーザーは、このタッチパネルの操作によってもデジタルビデオカメラ100に対する指示を行うことができる。例えば、ユーザーは、操作部110を操作することによって、制御部104における動作モードを、動画撮影モード、静止画撮影モード、及び再生モードのいずれかに切り替えることができる。このように本実施形態のデジタルビデオカメラ100は、動画像と静止画像の撮影が可能であるものとする。
次に、画像処理部108の内部構成の一例を説明する。図2は、画像処理部108の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2において、ゲイン制御部201は、画像データ(A/D変換器103から出力される画像データや、メモリ105に記憶されている画像データ等)に対し、所定のデジタルゲインの付加(画素値にゲインを掛けること)等を行う。ホワイトバランス制御部202は、後述の色評価値取得部208が取得した映像の色評価値の情報に基づいて、Rゲイン(赤成分の出力に対するゲイン)、Bゲイン(青成分の出力に対するゲイン)を制御することにより、白いものが白く映るよう画像を補正する。
ガンマ補正部203は、映像の入出力特性(いわゆるガンマ特性)を変更する。色変換部204は、RGB信号を色差信号Y、RY、BY(Y(輝度)、R(赤)−Y(輝度)、B(青)−Y(輝度))へ変換する。ノイズリダクション部205は、色差信号に対して空間フィルタを掛けることで映像を平滑化し、映像のノイズ成分を低減する。輪郭強調部206は、映像中の周波数成分を抽出し、輪郭部を強調する。色補正部207は、色差信号に色差ゲインを掛けることにより映像の彩度を変更する。
色評価値取得部208は、映像領域の中心に設定された領域であって、映像領域全体の縦横1/2の大きさの領域を対象領域として、当該対象領域の全画素の色差を色情報の一例として抽出し、その色差の平均値を色評価値の一例として取得する。色評価値取得部208により取得された色評価値はホワイトバランス制御部202へ送られ、ホワイトバランスセット等の、白いものを白くするホワイトバランス制御に利用される。
ノイズ量判定部209は、ゲイン制御部201におけるゲインの量と、ホワイトバランス制御部202におけるRゲインおよびBゲインの量と、ガンマ補正部203におけるガンマ特性とを取得する。また、ノイズ量判定部209は、ノイズリダクション部205におけるノイズリダクションの補正量と、輪郭強調部206における輪郭強調のための映像の各画素の画素値に対する補正量と、色補正部207における色差ゲインの量とを取得する。ノイズ量判定部209は、これらの情報に基づいて、映像信号中のノイズ量を導出し、補正する。ノイズ量判定部209により得られた映像信号中のノイズ量は、ホワイトバランス制御部202へ送られる。
これまでの画像処理部では、映像信号中のノイズ量を考慮せずに、ホワイトバランス制御部において、基準の白を無彩色に引き込む際の無彩色の目標範囲が決められていた。即ち、これまでの画像処理部は、図2に示すノイズ量判定部209を有していない。これに対し、本実施形態の画像処理部108では、映像信号中のノイズ量を判定し、映像信号中のノイズ量に応じて、基準の白を無彩色に引き込む際の無彩色の目標範囲を決定する。以下に、その処理の一例を説明する。ここでは、ユーザーがホワイトバランスセットの実行指示を行う場合の処理を例に挙げて説明する。かかる処理は、例えば、制御部104が不揮発性メモリ109に格納されたプログラムをメモリ105に展開して実行することにより実現される。
まず、ホワイトバランスセット処理の一例について説明する。ここでは、ハロゲン灯等の所定の光源下で、無彩色、且つ、輝度・色のムラが無い被写体を画面いっぱいに撮影した画像を用いてホワイトバランスをセットする場合を例に挙げて説明する。尚、光源や、被写体は任意であり、特に限定されるものではない。
図3は、本実施形態におけるホワイトバランスセット処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ホワイトバランス制御部202は、制御部104から出力される信号に基づいて、ホワイトバランスセットの実行指示の有無を判定する(S301)。ホワイトバランスセットの実行指示は、例えば、ユーザーが操作部110を操作することにより行われる。この判定の結果、ホワイトバランスセットの実行指示が無ければ、図3のフローチャートによる処理を終了する。一方、ホワイトバランスセットの実行指示があれば、ホワイトバランス制御部202は、色評価値取得部208が取得した、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が、無彩色の目標範囲に入っているか否かを判定する(S302)。理想的な無彩色の色評価値は色差信号RY、BYともゼロである。無彩色の目標範囲は、例えば、−5から+5の範囲である。尚、無彩色の目標範囲の決定処理については後述する。
この判定の結果、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が目標範囲外であれば、ホワイトバランス制御部202は、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が無彩色に近づくように、ホワイトバランスのRゲインを変更する(S303)。具体的にホワイトバランス制御部202は、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が目標範囲の上限値よりも大きければ、Rゲインを変更可能な最小ステップ分だけ、Rゲインを下げる。一方、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が目標範囲の下限値よりも小さければ、ホワイトバランス制御部202は、Rゲインを変更可能な最小ステップ分だけ、Rゲインを上げる。そして、以下のS304に進む。
一方、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が目標範囲内であれば、以上のS303の処理を行わずに、以下のS304に進む。
次に、ホワイトバランス制御部202は、色評価値取得部208が取得した、色差信号BYの平均値(BY_AVE)が無彩色の目標範囲に入っているか否かを判定する(S304)。この判定の結果、色差信号BYの平均値(BY_AVE)が無彩色の目標範囲外であれば、ホワイトバランス制御部202は、色差信号BYの平均値(BY_AVE)が無彩色に近づくようホワイトバランスのBゲインを変更する(S305)。具体的にホワイトバランス制御部202は、色差信号BYの平均値(BY_AVE)が目標範囲の上限値よりも大きければ、Bゲインを変更可能な最小ステップ分だけ、Bゲインを下げる。一方、色差信号BYの平均値(BY_AVE)が目標範囲の下限値よりも小さければ、ホワイトバランス制御部202は、Bゲインを変更可能な最小ステップ分だけ、Bゲインを上げる。そして、以下のS306に進む。
一方、色差信号BYの平均値(BY_AVE)が目標範囲内であれば、以上のS305の処理を行わずに、以下のS306に進む。
次に、ホワイトバランス制御部202は、ホワイトバランスセットの実行の処理時間が、予め設定された処理時間SET_TIMEを超えているか否かを判定する(S306)。処理時間SET_TIMEは、例えば、以下のようにして設定される。即ち、S302〜S305の処理によって色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)が無彩色の目標範囲内に入る時間を、各種の光源下で無彩色を映した映像のそれぞれを用いて測定する。そして、測定した時間の最大時間以上となるように処理時間SET_TIMEを設定する。
この判定の結果、ホワイトバランスセットの実行の処理時間が、処理時間SET_TIMEを超えていない場合には、S302の処理に戻る。そして、色差信号が目標範囲内か否かを判定し、この判定の結果、色差信号が目標範囲内でなければホワイトバランスゲインを変更することを繰り返す。そして、ホワイトバランスセットの実行の処理時間が、処理時間SET_TIMEを超えると、図3のフローチャートによる処理(ホワイトバランスのセット)を終了する。
次に、映像信号中のノイズ量と、ホワイトバランスゲインの変化に対する色差信号の平均値(RY_AVE、BY_AVE)の変化量について説明する。尚、Rゲイン、色差信号RYの平均値(RY_AVE)と、Bゲイン、色差信号BYの平均値(BY_AVE)は、色成分が異なるだけである。従って、ここでは、Rゲインと、色差信号RYの平均値(RY_AVE)についての説明を行い、Bゲインと、色差信号BYの平均値(BY_AVE)についての詳細な説明を省略する。
図4は、白一面を撮像した画像における、Rゲインと、色差信号RYの平均値(RY_AVE)との関係の一例を、ノイズ量が相対的に多い場合と少ない場合のそれぞれについて示す図である。
図5は、白一面を撮像した画像における、画素と色差信号RYとの関係の一例を、Rゲインの値が50、51、52の場合のそれぞれについて示す図である。図5(a)は、ノイズ量が相対的に多い場合のグラフを示し、図5(b)は、ノイズ量が相対的に少ない場合のグラフを示す。尚、前述したように、色差信号RYの平均値(RY_AVE)は、色評価値取得部208で取得される色評価値の一つである。
図4において、グラフ401は、ノイズ量が相対的に多い場合の特性であり、グラフ402は、ノイズ量が相対的に少ない場合の特性である。また、目標上限値403は、無彩色の目標範囲の上限値を示し、目標下限値404は、無彩色の目標範囲の下限値を示す。即ち、色差信号RYの平均値(RY_AVE)が目標上限値403と目標下限値404との間をとるならば、撮影している白一面が無彩色になったと判断される。
図5において、グラフ501は、色評価値取得部208へ入力される各画素の色差信号RY(RY_IN)を示す。グラフ502は、色評価値取得部208から出力される各画素の色差信号RY(RY_OUT)を示す。値503は、色評価値取得部208へ入力される各画素の色差信号RY(RY_IN)の平均値を示す。値504は、色評価値取得部208から出力される各画素の色差信号RY(RY_OUT)の平均値、即ち、色差信号RYの平均値(RY_AVE)を示す。本実施形態では、色評価値取得部208は、入力値を切り上げ処理する場合を例に挙げて説明する。従って、色評価値取得部208へ入力される各画素の色差信号RY(RY_IN)よりも、色評価値取得部208から出力される各画素の色差信号RY(RY_OUT)の方が必ず高い値をとる。
図4に示すように、ノイズ量が多い場合には、ホワイトバランスゲイン(Rゲイン)を1ステップずつ変えた時の、色差信号RYの平均値(RY_AVE)の変化は小さい。これに対し、ノイズ量が少ない場合には、ホワイトバランスゲイン(Rゲイン)を1ステップずつ変えた時の、色差信号RYの平均値(RY_AVE)の変化は、ある値で大きく変化する。
この理由を、図5を参照しながら説明する。
図5(a)に示すように、ノイズ量が多い場合には、被写体が白一面であってもノイズ成分が多いため、各画素が様々な値をとる。従って、色評価値取得部208から出力される各画素の色差信号RY(RY_OUT)502の平均値504は、ホワイトバランスのRゲインの変化(50→51→52)に対して緩やかに変化する。
これに対し、図5(b)に示すように、ノイズ量が少ない場合は、ホワイトバランスのRゲインを50から51に増やした際に、色評価値取得部208に入力される各画素の色差信号RY(RY_IN)501は変化する。一方、色評価値取得部208から出力される各画素の色差信号RY(RY_OUT)502の平均値504は変化しない。ノイズ量が少ない場合には、各画素における色評価値は相互に近い値をとり、更に、検波回路の分解能が低い。このため、或るホワイトバランスゲインまでは、色差信号の平均値は変化しない。よって、色評価値取得部208から出力される色差信号(RY_OUT)502の平均値504(RY_AVE)は19のままで変わらない。
そして、ホワイトバランスのRゲインを51から52へ増やした際に、全画素(多くの画素)において、一斉に色評価値が変わる。このため、色差信号RY(RY_OUT)502が全画素において増加し、色差信号(RY_OUT)502の平均値504(RY_AVE)は大きく変化する。
この関係は、Bゲイン、色差信号BYの平均値(BY_AVE)でも同じである。尚、以下の説明では、ホワイトバランスゲインの変化に対する色評価値(色差信号の平均値(RY_AVE、BY_AVE))の変化量を必要に応じて、色評価値の変化量と称する。
このように、色評価値の変化量は、映像信号中のノイズ量に依存する。即ち、ノイズ量が多い時には、色評価値の変化量は小さいが、ノイズ量が少ない時には、色評価値の変化量は大きくなる。ノイズ量によらずに、同一の無彩色の目標範囲を設定する場合には、ノイズ量が少ない時の色評価値の変化量の最大値に合わせて無彩色の目標範囲を広くしておく必要がある。尚、以下の説明では、色評価値の変化量の最大値を必要に応じて、色評価値の最大変化量と称する。
無彩色の目標範囲が、色評価値の最大変化量よりも狭い場合、ノイズ量が少ない状態でホワイトバランスセットを実行すると、無彩色の目標範囲を取れない被写体が存在する。このため、ホワイトバランスゲインが処理時間SET_TIMEを超えるまで変化し続けてしまいハンチングを起こす。従って、ノイズ量が少ない時の、色評価値の最大変化量に合わせて無彩色の目標範囲を広くしておく必要がある。
しかしながら、ホワイトバランスゲインのハンチングを避けるために無彩色の目標範囲を広げると、ノイズ量が多い場合には、無彩色の目標範囲の上限値または下限値付近の色評価値を取得できてしまう。ノイズ量が多い場合には、少ない場合に比べ、色差信号平均値(RY_AVE)504は、ホワイトバランスゲインの変化に対して緩やかに変化する。このため、ホワイトバランスゲインの変化に対し色評価値を無彩色の目標範囲に徐々に近づけることができる。よって、ノイズ量が多い場合には、無彩色の目標範囲の上限値または下限値付近のホワイトバランスゲインが得られた時点でステップS302、S304においてYesと判定される。そうすると、基準となる白を、より無彩色に近づけることができる色評価値があるとしても、その色評価値を取得することができない。このため、無彩色への引き込み精度が低下する。
本実施形態では、このような知見に基づいて、無彩色の目標範囲を、映像信号中のノイズ量によって変更することに想到した。
次に、ノイズ量の判定処理の一例について説明する。
本実施形態では、ゲイン制御部201におけるゲインの値から、基本となるノイズ量(ベースノイズ量)を判定する。そして、ゲイン制御部201より後段且つ色評価値取得部208より前段の、ホワイトバランス、ガンマ特性、ノイズリダクション、輪郭強調、および色差ゲインに応じて、ベースノイズ量を補正する場合を例に挙げて説明する。尚、ベースノイズ量を補正する際に用いるカメラパラメータは、これらのカメラパラメータに限定されない。即ち、ゲイン制御部201より後段且つ色評価値取得部208より前段において使用されるカメラパラメータであって、映像信号中のノイズ量に影響するカメラパラメータであれば、前述したもの以外のカメラパラメータを用いてベースノイズ量を補正してもよい。
図6は、映像信号中のノイズ量の判定処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ノイズ量判定部209は、ゲイン制御部201で映像の各画素の画素値に対して掛けられるゲインの値から、ベースとなるノイズ量(ベースノイズ量)を判定する(S601)。例えば、ガンマ特性、ホワイトバランス、および色差ゲインの設定を、基準のカメラ設定とし、輪郭強調、ノイズリダクションの機能をオフにした状態で、ゲイン制御部201の各ゲインの値における映像のノイズ量を予め測定する。そして、その測定の結果に基づいて、図7に示すように、ゲイン値とベースノイズ量とを相互に関連付けてテーブル700に記憶する。ノイズ量判定部209は、このテーブル700を用いて、現在設定されているゲインの値からベースノイズ量の判定を行うことができる。
次に、ノイズ量判定部209は、ホワイトバランスゲインに応じて、ベースノイズ量を補正する(S602)。例えば、ノイズ量判定部209は、基準のカメラ設定におけるホワイトバランスゲインに対する、現在設定されているホワイトバランスゲインの比に、所定の係数を掛けた値をベースノイズ量に乗算して、ベースノイズ量を補正する。例えば、各ホワイトバランスゲインにおけるノイズ量の測定を行い、その測定の結果から、基準のカメラ設定におけるホワイトバランスゲインに対するホワイトバランスゲインの比と係数とを相互に関連付けて記憶するテーブルを予め作成しておく。ノイズ量判定部209は、このテーブルを用いることにより、ホワイトバランスゲインに応じて、ベースノイズ量を補正することができる。
次に、ノイズ量判定部209は、現在設定されているガンマ特性が、基準のカメラ設定におけるガンマ特性であるか否かを判定する(S603)。この判定の結果、現在設定されているガンマ特性が、基準のカメラ設定におけるガンマ特性でなければ、ノイズ量判定部209は、次の処理を行う。即ち、基準のカメラ設定におけるガンマ特性の出力に対する、現在設定されているガンマ特性の出力の比を、ガンマ特性のそれぞれの入力のそれぞれにおいて導出する。以下の説明では、この比を必要に応じてガンマ特性の出力比率と称する。ノイズ量判定部209は、ガンマ特性のそれぞれの入力における、ガンマ特性の出力比率の平均値に、所定の係数を掛けた値をベースノイズ量に乗算するよう補正する(S604)。例えば、各ガンマ特性におけるノイズ量の測定を行い、その測定の結果から、ガンマ特性の出力比率の平均値と係数とを相互に関連付けて記憶するテーブルを予め作成しておく。ノイズ量判定部209は、このテーブルを用いることにより、現在設定されているガンマ特性に応じて、ベースノイズ量を補正することができる。そして、以下のS605に進む。尚、ここでは、ガンマ特性の形状を表す指標の一例として、ガンマ特性の出力比率の平均値を用いる場合を例に挙げて説明したが、ガンマ特性の形状を表す指標であれば、ガンマ特性の出力比率の平均値を用いる必要はない。例えば、ガンマ特性の出力比率の中央値を用いてもよい。
一方、現在設定されているガンマ特性が、基準のカメラ設定におけるガンマ特性である場合には、S604を行わずに以下のS605に進む。
次に、ノイズ量判定部209は、ノイズリダクションの補正機能のオン・オフを判定する(S605)。この判定の結果、ノイズリダクションの補正機能がオンであれば、ノイズ量判定部209は、ノイズリダクション補正量に所定の係数を掛けた値でベースノイズ量を除算する(S606)。例えば、各ノイズリダクション補正量におけるノイズ量の測定を行い、その測定の結果から、ノイズリダクション補正量と係数とを相互に関連付けて記憶するテーブルを予め作成しておく。ノイズ量判定部209は、このテーブルを用いることにより、ノイズリダクション補正量に応じて、ベースノイズ量を補正することができる。そして、以下のS607に進む。
一方、ノイズリダクションンの補正機能がオフであれば、S606を行わずに以下のS607に進む。
次に、ノイズ量判定部209は、輪郭強調の補正機能のオン・オフを判定する(S607)。この判定の結果、輪郭強調の補正機能がオンであれば、輪郭強調によってノイズ成分が強調されることになる。このため、ノイズ量判定部209は、輪郭強調補正量に所定の係数を掛けた値をベースノイズ量に乗算する(S608)。例えば、各輪郭強調補正量におけるノイズ量の測定を行い、その測定の結果から、輪郭強調補正量と係数とを相互に関連付けて記憶するテーブルを作成しておく。ノイズ量判定部209は、このテーブルを用いることにより、輪郭強調補正量に応じて、ベースノイズ量を補正することができる。そして、以下のS609に進む。
一方、輪郭強調の補正機能がオフであれば、S608を行わずに以下のS609に進む。
次に、ノイズ量判定部209は、彩度が変更されている否かを、現在設定されている色差ゲインが基準の色差ゲインであるか否かによって判定する(S609)。この判定の結果、現在設定されている色差ゲインが基準の色差ゲインでなければ、ノイズ量判定部209は、基準の色差ゲインの値に対する、現在の色差ゲインの値との比に所定の係数掛けたをベースノイズ量に乗算する(S610)。例えば、各色差ゲインにおけるノイズ量の測定を行い、その測定の結果から、色差ゲインと係数とを相互に関連付けて記憶するテーブルを作成しておく。ノイズ量判定部209は、このテーブルを用いることにより、色差ゲインの値に応じて、ベースノイズ量を補正することができる。そして、図6のフローチャートによる処理を終了する。
一方、現在設定されている色差ゲインが基準の色差ゲインであれば、S610を行わずに、図6のフローチャートによる処理を終了する。
このように本実施形態では、ゲイン制御部201におけるゲインの値からベースノイズ量を判定し、ノイズに影響のあるカメラパラメータに応じて、ベースノイズ量を補正したノイズ量を導出する。以下の説明では、このノイズ量を必要に応じて、補正ノイズ量と称する。
尚、映像信号中のノイズ量が少なければ、輝度信号Y、および色信号の一例である色差信号RY、BYは、全画素において相互に近い値となる。従って、例えば、ノイズ量判定部209は、映像の所定の領域における全画素の輝度信号Yと、色差信号RY、BYのうち、少なくとも何れか一つの最大値と平均値を算出し、その差分値に応じて、ノイズ量を判定してもよい。例えば、当該差分値と当該ノイズ量との関係を測定しておき、その測定の結果から、当該差分値と当該ノイズ量とを相互に関連付けて記憶するテーブルを作成し、当該テーブルを用いてノイズ量を判定することができる。また、ゲイン制御部201におけるゲインの値と、当該差分値との双方を用いて、ノイズ量を判定してもよい。
次に、補正ノイズ量に応じて、無彩色の目標範囲を変更する処理の一例について説明する。本実施形態では、各ノイズ量に対して、ホワイトバランスゲインの変化に対する色評価値の最大変化量を測定する。そして、その測定の結果に基づいて、図8(a)に示すように、ノイズ量が多いほど無彩色の目標範囲が狭くなるように補正ノイズ量と無彩色の目標範囲とを相互に関連付けて記憶するテーブル800を予め作成しておく。ノイズ量判定部209は、このテーブル800をもとに、補正ノイズ量に応じて無彩色の目標範囲を変更する。ノイズ量判定部209は、例えば、補正ノイズ量が30であるならば、無彩色の目標範囲を±8とし、補正ノイズ量が50であれば無彩色の目標範囲を±5とする。尚、図8(b)は、図8(a)に示すテーブル800の内容をグラフ化して示す図である。また、ホワイトバランス制御部202が、無彩色の目標範囲の変更を行うようにしてもよい。
以上のように本実施形態では、映像信号における色評価値が目標範囲内になければ、当該色評価値が目標範囲内に入るようにホワイトバランスゲインを変更するに際し、映像信号中のノイズ量が多いほど、目標範囲が狭くなるように目標範囲を変更する。従って、回路規模を増やさずに、映像信号中のノイズ量に応じて、無彩色の目標範囲を適切に変更することができる。このため、ホワイトバランスをセットする際に、ノイズ量によらずに無彩色への引き込み性能を略一定にすることができると共に、ホワイトバランスゲインのハンチングを抑制できる。
本実施形態では、ユーザーによる指示に基づいて、ホワイトバランスのセットを行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、映像中の白らしい領域を自動的に抽出し、抽出した白が適正な白になるように自動的に制御する所謂オートホワイトバランス制御においても、本実施形態で説明した手法を適応することが可能である。即ち、オートホワイトバランス制御における無彩色の目標範囲を、映像信号中のノイズ量に応じて変更してもよい。また、無彩色に引き込むための制御方法は任意であり、特定するものではない。
また、本実施形態では、色評価値の取得手段が一つである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、撮像装置が、ノイズの影響の少ない他の色評価値の取得手段を別途持つ場合には、撮影設定に応じて、色評価値の取得手段を選択して使い分けても良い。
例えば、撮像装置は、動画撮影モードでは、映像の彩度に応じた複数のルック(映像の見た目(色味)をオリジナルの画像に対して変更するモード)を選択して使用するができるのに対し、静止画撮影モードでは、1つのルックを使用するものとする。また、撮像装置は、彩度を変える色補正部の前段と後段にそれぞれ色評価値取得部を持ち、且つ、後段の色評価値取得部は、前段の色評価値取得部よりも色差の分解能が高くノイズの影響を受けにくい回路であるとする。
この場合、動画撮影モードでは、複数のルックで共通の色評価値を使用してホワイトバランス制御を行う(即ち、映像の見た目を変える前にホワイトバランス制御を行う)ために、前段の色評価値取得部を利用する。一方、静止画撮影モードでは、使用するルックが一つであるため後段のノイズの影響の少ない色評価値取得部を利用する。
また、例えば、映像の彩度を調整する設定に応じて、映像に含まれるノイズの量が変わるので、色評価値の取得手段を使い分けても良い。例えば、彩度が(所定値よりも)高い設定であるならば、色差の分解能が相対的に低い、色評価値の取得手段を利用する。一方、彩度が(所定値よりも)低い設定であるならば、色差の分解能が相対的に高くノイズの影響を受けにくい、色評価値の取得手段を利用する。
また、前述したように、ノイズ量を補正する際に用いるパラメータは、ゲイン制御部201よりも後段、且つ、色評価値取得部208よりも前段において映像に対して処理する際に用いるパラメータであれば、前述したカメラパラメータに限定されない。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、映像信号中のノイズ量に基づいて、無彩色の目標範囲を変更する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、ノイズ量そのものではなく、ノイズ量に応じて値が変化する指標に基づいて、無彩色の目標範囲を変更してもよい。その一例として、本実施形態では、ホワイトバランスゲインの変化に対する色評価値(色差信号の平均値)の変化量の最大値(色評価値の最大変化量)を判定し、判定した色評価値の最大変化量に基づいて、無彩色の目標範囲を変更する。この場合であっても、実質的には、ノイズ量に応じて無彩色の目標範囲を変更することとなる。
このように本実施形態と第1の実施形態とは、無彩色の目標範囲を変更する際の条件が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図8に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。例えば、本実施形態におけるデジタルビデオカメラのハードウェアの構成は、第1の実施形態のデジタルビデオカメラ100と同じである。
図9は、本実施形態における画像処理部108の内部構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態の画像処理部108は、図2に示したノイズ量判定部209に替えて、色変化量判定部901を有する。色変化量判定部901は、ホワイトバランスゲインの変化に対する、色評価値の最大変化量ΔColorValueを判定する。
次に、本実施形態の画像処理部108の動作の一例について説明する。色変化量判定部901には、ゲイン制御部201から、映像の各画素の画素値に掛けられるゲインの値が送られる。各ゲインの値のそれぞれについて、色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)がゼロ付近、即ち、無彩色付近となる時の色評価値の最大変化量ΔColorValueを測定しておく。そして、ゲイン制御部201におけるゲインの値と色評価値の最大変化量ΔColorValueとを相互に関連付けて記憶するテーブルとして、色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)のそれぞれについてのテーブルを作成する。そして、これらのテーブルをデジタルビデオカメラ(色変化量判定部901)に予め記憶させておく。
本実施形態では、色変化量判定部901は、このテーブルを用いて、現在のゲインの値に対応する色評価値の最大変化量ΔColorValueを、色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)のそれぞれについて導出する。そして、色変化量判定部901は、導出した色評価値の最大変化量ΔColorValueの内、大きな値を採用する。
色変化量判定部901は、採用した色評価値の最大変化量ΔColorValueの2倍となるように、無彩色の目標範囲を変更する。このような制御を行うことで、Rゲイン・Bゲインの変化に対する、色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)の変化の比(傾き)が緩やかに変化する場合、即ち、ノイズ量が多い場合であるほど、無彩色の目標範囲を狭くすることができる。尚、ここでは、無彩色の目標範囲を、色評価値の最大変化量ΔColorValueの2倍とする場合を例に挙げて示すが、この倍率は任意であり、特定の値に限定するものではない。
次に、本実施形態の変形例として、色評価値の最大変化量ΔColorValueを、ゲイン制御部201におけるゲインの値を用いずに判定する手法について説明する。
まず、映像信号中のノイズ量と、ホワイトバランスゲインの変化に対する色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)の変化について再度説明を行う。尚、前述したように、色差信号RYの平均値(RY_AVE)は、色評価値取得部208により取得される色評価値である。また、Rゲイン、色差信号RYの平均値(RY_AVE)と、Bゲイン、色差信号BYの平均値(BY_AVE)は、色成分が異なるだけである。従って、ここでは、Rゲインと、色差信号RYの平均値(RY_AVE)についての説明を行い、Bゲインと、色差信号BYの平均値(BY_AVE)についての詳細な説明を省略する。
図10は、図4に示したのと同様に、白一面を撮像した画像における、Rゲインと、色差信号RYの平均値(RY_AVE)との関係の一例を、ノイズ量が相対的に多い場合と少ない場合のそれぞれについて示すグラフである。図10では、図4よりもRゲインが低い値からの特性の一例を示す。図10において、グラフ1001、1002は、それぞれ図4に示したグラフ401、402に対応し、目標上限値1003、目標下限値1004は、それぞれ図4に示した目標上限値403、目標下限値404に対応する。
図10に示すように、或るRゲインの範囲においては、色差信号RYの平均値(RY_AVE)がほとんど変化しない。これは、色評価値取得部208に入力される角画素の色差信号RYは変化しているが、色評価値取得部208から出力される各画素の色差信号RYは変化しないためである。映像信号中のノイズ量が多い時には、RゲインがR2〜R3の範囲において、色差信号RYの平均値(RY_AVE)はほとんど変化がない。また、映像信号中のノイズ量が少ない時には、RゲインがR1〜R4の範囲において、色差信号RYの平均値(RY_AVE)の変化がほとんど見られなくなる。このように、ホワイトバランスゲイン(Rゲイン)の変化に対して、色評価値(色差信号RYの平均値(RY_AVE))が変化しない領域が広いほど、色評価値の最大変化量ΔColorValueは大きい値を取る。
そこで、まず、無彩色の目標範囲にホワイトバランスゲインを近づける処理を行う際に、ホワイトバランスゲインの変化に対する色評価値(色差信号RY、BYの平均値(RY_AVE、BY_AVE)の変化量を観測する。そして、色変化量判定部901は、その色評価値の変化量が所定値以下となるホワイトバランスゲインの範囲を判定し、当該ホワイトバランスゲインの範囲に基づいて、色評価値の最大変化量ΔColorValueを判定する。
尚、色評価値の変化量が所定値以下をとるホワイトバランスゲインの範囲と、色評価値の最大変化量ΔColorValueとの関係は、例えば、予め、所定のカメラ設定で測定を行い、その測定の結果を、テーブルとして作成する。色変化量判定部901は、このテーブルを用いることにより、色評価値の変化量が所定値以下をとるホワイトバランスゲインの範囲に対応する色評価値の最大変化量ΔColorValueを導出することができる。
また、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、色評価値の最大変化量ΔColorValueを、カメラパラメータに応じて補正してもよい。例えば、色評価値取得部208より前段の、ホワイトバランス、ガンマ特性、ノイズリダクション、輪郭強調、および色差ゲインに応じて、色評価値の最大変化量ΔColorValueを補正してもよい。尚、色評価値取得部208より前段で用いられる、色評価値の最大変化量ΔColorValueに影響するカメラパラメータであれば、この他のカメラパラメータを用いて色評価値の最大変化量ΔColorValueを補正してもよい。
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
101:撮像光学系、102:撮像部、103:A/D変換器、108:画像処理部

Claims (11)

  1. 映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が無彩色の目標範囲に入るように、当該映像に対するホワイトバランスゲインを調整する調整手段と、
    前記映像におけるノイズ量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像におけるノイズ量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更する変更手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記映像におけるノイズ量を導出する導出手段を更に有することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  3. 前記導出手段は、前記映像の各画素に対して掛けられるゲイン、前記映像の所定の領域における輝度信号の最大値と平均値との差、および、前記映像の所定の領域における色信号の値の最大値と平均値との差の少なくとも何れか1つに基づいて、当該映像におけるノイズ量を導出することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  4. 前記映像におけるノイズに影響あるパラメータに基づいて、前記導出手段により導出された前記映像におけるノイズ量を補正する補正手段を更に有し、
    前記変更手段は、前記補正手段により補正された前記映像におけるノイズ量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像におけるノイズ量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更することを特徴とする請求項またはに記載の画像処理装置。
  5. 前記パラメータは、前記映像に対するホワイトバランスゲイン、前記映像に対してガンマ補正を行う際に用いられるガンマ特性の形状を表す指標、前記映像に対するノイズリダクションの量、前記映像における輪郭強調を行う際の当該映像に対する補正量、および前記映像の彩度を調整するための色差ゲインの少なくとも何れか1つを用いて得られるパラメータであることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が無彩色の目標範囲に入るように、当該映像に対するホワイトバランスゲインを調整する調整手段と、
    前記映像における前記ホワイトバランスゲインの変化に対する前記色評価値の変化量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像における前記ホワイトバランスゲインの変化に対する前記色評価値の変化量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更する変更手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
  7. 前記映像の色情報に基づいて、当該映像の色評価値を取得する取得手段を更に有し、
    前記取得手段は、相対的に高い精度で前記映像の色評価値を取得することと、相対的に低い精度で前記映像の色評価値を取得することとを行い、
    前記調整手段は、前記相対的に高い精度で取得される前記映像の色評価値と、前記相対的に低い精度で取得される前記映像の色評価値との何れかを、撮影設定に基づいて選択し、当該選択した前記映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が前記無彩色の目標範囲に入るように、前記映像に対するホワイトバランスゲインを調整することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記撮影設定は、動画像の撮影と静止画像の撮影の何れかを選択する設定と、前記映像の彩度を調整する設定との少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  9. 映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が無彩色の目標範囲に入るように、当該映像に対するホワイトバランスゲインを調整する調整工程と、
    前記映像におけるノイズ量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像におけるノイズ量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更する変更工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 映像の所定領域における色差の平均値に基づく色評価値が無彩色の目標範囲に入るように、当該映像に対するホワイトバランスゲインを調整する調整工程と、
    前記映像における前記ホワイトバランスゲインの変化に対する前記色評価値の変化量が相対的に小さい場合における前記無彩色の目標範囲が、前記映像における前記ホワイトバランスゲインの変化に対する前記色評価値の変化量が相対的に大きい場合における前記無彩色の目標範囲よりも狭くなるように、前記無彩色の目標範囲を変更する変更工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項1〜の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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