JP6678934B2 - 単一細胞凝集塊形成用培養容器 - Google Patents

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Description

本開示は、単一細胞凝集塊形成用培養容器に関する。
胚性幹細胞(ES細胞)は、様々な組織細胞に分化する多分化能を有する。このため、病気や事故等で失われた細胞を補修し、組織を修復する、いわゆる再生医療の分野での応用に向けて様々な研究が行われている(例えば、特許文献1)。
ES細胞は種々の細胞に分化しうる多様性を持つ。それには細胞間の相互関係が関係しており、その一つとして胚様体(embryonic body:EB)と呼ばれる細胞塊の形成がある。この細胞塊は、ES細胞やiPS細胞などを浮遊培養することにより形成され、細胞塊が形成された状態で2週間程度培養すると様々な細胞種への分化が観察される。このため、胚様体は、細胞の分化多能性を調べる一般的な方法の一つとして用いられている。
ES細胞を浮遊状態で培養する方法としては、最も広く用いられている方法としてハンギングドロップ培養がある。ハンギングドロップ培養は、水滴状に垂れ下げた培養液の中で細胞を培養する方法である。しかしながらこの方法は、胚様体形成の成功率が低い、顕微鏡観察ができない、操作が煩雑である等といった問題がある。この問題を解決するために、例えば、容器内面に水溶性樹脂被膜を硬化させた非水溶性硬化被膜が形成された培養容器が提案されている(例えば、特許文献2)。
上述の特許文献1(特開2008−99662号公報)、及び特許文献2(特開2008−178367号公報)は、参照により本明細書に組み込まれる。
特開2008−99662号公報 特開2008−178367号公報
上記特許文献1、2に記載の培養容器において、単一の細胞凝集塊を形成する点において改善の余地を有していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、本発明は、単一の細胞凝集塊を形成するための単一細胞凝集塊形成用培養容器を提供することを目的とする。
本発明によれば、
ウェルの内部において、複数個の細胞を浮遊培養することにより単一の細胞凝集塊を形成するための単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
2個以上の前記ウェルを有し、
前記ウェルは、筒状の胴部と、前記胴部の一端に設けられた漏斗形状の底部とを有し、
前記底部は、中心に向かって縮径する傾斜面と、前記傾斜面の一端に形成された部分球状の中心部と、を有し、
前記中心部の内面は、凹曲面であり、
前記底部の断面視において、対向する前記傾斜面がなす角の開き角度は、60度〜100度であり、
前記底部の前記中心部の内面の曲率半径は、0.5mm〜1.5mmであり、
前記胴部と前記底部との接続部分が、曲面で構成される、
単一細胞凝集塊形成用培養容器が提供される。
本開示にかかる培養容器によれば、単一の細胞凝集塊を形成するための単一細胞凝集塊形成用培養容器を提供することができる。
図1は、実施形態1における培養容器におけるウェルの断面図である。 図2は、実施形態1における培養容器の斜視図である。 図3は、実施例1におけるヒトES細胞培養時の細胞凝集塊形状の顕微鏡写真である。 図4は、比較例1におけるヒトES細胞培養時の細胞凝集塊形状の顕微鏡写真である。
本開示にかかる培養容器は、ウェル底部の形状を開き角度が60〜100度である漏斗形状とし、かつその中心部を凹状の丸みを持たせることによって、ヒトES細胞から効率よく胚様体を形成できる、という知見に基く。
本開示にかかる培養容器がヒトES細胞の培養に適しており、本開示にかかる培養容器を用いることによってヒトES細胞から効率よく胚様体を形成できる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推定される。ウェル底部が、開き角度が60〜100度の傾斜面を有しているため、単細胞分散状態の細胞をウェルに分注した場合、上部から観察した細胞集合箇所の面積が狭くなることから、細胞集合部の端部での細胞密度が濃く、それにより単一の細胞凝集体が形成しやすくなると考えられる。また、ウェル底部の中心部が、凹曲面であることで、ウェル最底部付近の細胞が凝集体に組み込まれやすく単一の細胞凝集体が形成しやすくなると考えられる。但し、本開示はこれらのメカニズムに限定されない。
すなわち、本開示は、以下の一又は複数の実施形態に関しうる;
[1] ヒト胚性幹細胞(ヒトES細胞)を培養するための容器であって、
2個以上のウェルを有し、
前記ウェルは、筒状の胴部と、前記胴部の一端に設けられた漏斗形状の底部とを有し、
前記底部の中心部は、凹曲面であり、
前記底部の開き角度は、60〜100度である、ヒトES細胞用培養容器;
[2] 前記底部の中心部内面の曲率半径は、0.5〜1.5mmである[1]記載の培養容器;
[3] 前記ウェルの少なくとも底部の内面は、下記式(Ia)又は(Ib)で表される水溶性樹脂を用いて形成された被覆層が形成されている、[1]又は[2]に記載の培養容器、
(式(Ia)中、Rはカルボニルとアミンとを有するアルキル基、r1は1〜1000、r2は40〜4995、r3は0〜4000、nは1、2又は3を示す。)
(式(Ib)中、Rはカルボニルとアミンとを有するアルキル基、r1は1〜1000、r2は40〜4995、r3は0〜4000を示す。)
[4] 前記ウェルは、側壁内面が略平行となる側壁面と、前記側壁面の一端に形成された側壁内面が底面に向かって縮径する傾斜面と、前記傾斜面の一端に形成された部分球状の中心部とを有する、[1]から[3]のいずれかに記載の培養容器;
[5] 前記筒部は、略円筒状である、[1]から[4]のいずれかに記載の培養容器;
[6] 前記ウェルにおいて、前記胴部の中心線を通る断面形状は、前記胴部が矩形であり、前記底部が略V字形状であって前記底部の中心部が弧状である、[1]から[5]のいずれかに記載の培養容器;
[7] 96ウェルプレートである、[1]から[6]のいずれかに記載の培養容器;
[8] 培養容器を用いて、ヒト胚性幹細胞を培養する方法であって、
前記培養容器は、2個以上のウェルを有し、
前記ウェルは、筒状の胴部と前記胴部の一端に設けられた漏斗状の底部とを有し、
前記底部の中心部は、凹曲面であり、
前記底部の開き角度は、60〜100度である、培養方法;
[9] 前記底部の中心部内面の曲率半径は、0.5〜1.5mmである、[8]記載の培養方法;
[10] [1]から[7]のいずれかに記載の培養容器を用いてヒト胚性幹細胞を培養する方法。
[培養容器]
本開示は、一又は複数の実施形態において、ヒトES細胞を培養するための容器に関する。前記ヒトES細胞用培養容器は、2個以上のウェルを有する。本開示にかかる培養容器によれば、ヒトES細胞から効率よく胚様体を形成することができる。また、本開示にかかる培養容器は、効率よく胚様体を形成できる点から、ES細胞の中でもヒトES細胞の培養に適しており、例えばマウスES細胞と比較してヒトES細胞の培養に適している。
ウェルは、筒状の胴部と、胴部の一端に設けられた漏斗形状の底部とを有し、底部の中心部は曲面である。すなわち、底部は、頂点部分が部分球状の逆円錐形ということができる。胴部は、例えば、略円筒状であってもよい。ウェルの一又は複数の実施形態において、ウェルの中心線を通る断面形状は、胴部が矩形であり、底部が中心部が弧状の略V字形状であるということもできる。ウェルの一又は複数の実施形態において、胴部と底部との接続部分は、曲面であることが好ましい。
また、ウェルは、一又は複数の実施形態において、側壁内面が略平行となる側壁面と、側壁面の一端に形成された側壁内面が底面に向かって縮径する傾斜面と、傾斜面の一端に形成された部分球状の中心部とを有する形状であってもよい。
底部の開き角度は、60〜100度であり、細胞播種時の上部から観察した細胞集合箇所の面積を狭くするという理由から、60度を超え100度以下が好ましく、70〜100度がより好ましく、さらに好ましくは80〜90度である。本開示における「開き角度」とは、ウェルの底部の対向する傾斜面がなす角をいい、例えば、図1においてθで示す角度である。
底部の中心部内面における曲率半径は、ウェル最底部付近の細胞が凝集体に組み込まれやすくなると理由から、0.5〜1.5mmが好ましく、細胞凝集体の光学顕微鏡観察における観察のしやすさという理由から、0.7〜1.2mmがより好ましく、より好ましくは0.9〜1.1mmである。本開示における「中心部内面の曲率半径」とは、ウェル底部の先端部の曲面をいい、例えば、図1においてRで示す曲率である。中心部内面の曲率半径は、レーザー距離計、または成型品の切断断面の実測により測定できる。
一又は複数の実施形態において、ウェルの少なくとも底部の内面は、細胞低接着性処理が行われていることが好ましい。本開示における「細胞低接着性処理」とは、細胞に対するウェル内面の接着性が低減するための処理をいう。接着性が低減するとは、例えば、ウェル内面と細胞とが接着しにくくなること、及びウェル内面と細胞とが接着しなくなることを含む。
細胞低接着性処理としては、例えば、ウェル内面の親水化処理が挙げられる。親水化処理としては、例えば、水溶性樹脂を用いた被覆層の形成、及び親水性樹脂を用いた被覆層の形成等が挙げられる。本開示における「水溶性樹脂」とは、水分子とのイオン結合又は水素結合により水和して水に溶解するものであって、25℃の水100gに対して1.0g以上溶解可能なものをいう。また、水溶性樹脂としては、水に溶解するために分子内の主鎖に対して必要充分な量のイオン性又は極性の側鎖を有するものが挙げられる。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ポリペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリジエチレングリコールジアクリレート、及びそれらを構成するモノマー同士の共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと他のモノマー(例えばブチルメタクリレート等)との共重合体等が挙げられる。これらの中でもポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールの中から選ばれる1種以上と後述する官能基とからなる構造が好ましい。これにより、種々の細胞に対する刺激を抑制し、細胞凝集塊の形成速度、形成率、及び形成した細胞凝集塊の質を向上することができる。
ポリ酢酸ビニルのケン化物としては、例えば、ポリビニルアルコール又はビニルアルコールと他の化合物との共重合体、親水基変性、疎水基変性、アニオン変性、カチオン変性、アミド基変性又はアセトアセチル基のような反応基変性させた変性酢酸ビニルとビニルアルコールとのケン化物等が挙げられる。重合体の平均重合度は、特に限定されないが、培養容器の内面に均一な被膜が形成しやすく、かつ作業性が良好となる点から、100〜10,000が好ましく、200〜5,000がより好ましい。ポリ酢酸ビニルのケン化物のケン化度は、特に限定されないが、該ポリ酢酸ビニル全体の20〜100mol%が好ましく、50〜95mol%がより好ましい。
水溶性樹脂は、硬化させるための官能基を側鎖に有する水溶性樹脂が好ましい。硬化させるための官能基としては、例えば、放射線反応性、感光性、熱反応性の官能基等が挙げられる。感光性の官能基としては、例えば、ジアゾ基、アジド基、シンモナイル基等が挙げられる。熱反応性及び放射線反応性の官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基等を挙げることができる。これらの中でも硬化処理を迅速におこなうことができ、簡易な設備で硬化させることができる点から、感光性の官能基を有する水溶性樹脂が好ましい。
水溶性樹脂としては、300〜500nmの波長で均一な被覆層が形成でき、細胞の接着量を低減して細胞凝集塊の形成効率を向上できることから、アジド基を有する水溶性樹脂が好ましく、より好ましくは下記式(Ia)又は(Ib)で表される水溶性樹脂である。
式(Ia)及び(Ib)において、Rはカルボニルとアミンとを有するアルキル基を示し、極性の側鎖の合成が容易となる点から、下記式(II)で表される基が好ましい。
式(Ia)において、r1は1〜1000、r2は40〜4995、r3は0〜4000、nは1、2又は3を示す。式(Ib)においてr1は1〜1000、r2は40〜4995、r3は0〜4000を示す。
親水性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ポリ−HEMA)、ホスホリルコリン基含有高分子化合物、ポリエチレングリコール鎖含有高分子化合物等が挙げられる。
被覆層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、細胞が基材(ウェル)から受ける物理的な刺激を低減しつつ、被覆層に取り込まれるタンパク質量を低減してタンパク質を介して細胞のウェルへの接着を抑制し細胞凝集塊形成効率をさらに向上できる点から、例えば、100〜5,000nmが好ましく、150〜1,000nmがより好ましい。
本開示にかかる培養容器の材質は特に制限されるものではないが、培養容器をディスポーザルタイプとすることができ、かつ成形が容易である点から、樹脂が好ましい。樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、プロピオネート樹脂等の繊維素系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、培養容器に求められる成形性、及び滅菌性の点から、ポリスチレン樹脂が好ましい。
本開示にかかる培養容器の形態としては、例えば、マルチウェルプレート、シャーレ(ディッシュ)、及びフラスコ等の容器類が挙げられる。その他の形態としては、細胞が培養できる環境下に設置して使用できるものであればよく、例えば、シート状の成形品であってもよい。これらの中でも、細胞凝集塊を用いた評価、研究の精度を向上させることができる点から、バイオリアクターの生成または薬効や毒物の評価、人工臓器の開発研究等で用いられるマルチウェルプレートやシャーレが好ましい。マルチウェルプレートにおけるウェルの数は特に制限されるものではないが、例えば、6、12、24、48、96、又は384個である。
本開示にかかる培養容器は、以下のようにして製造することができる。
まず、上述の樹脂材料を用いて、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形等によって所望の形状に成形する。
培養容器の用途が、発光又は蛍光現象を用いた標識物質を測定用である場合、ウェル間を遮光し、発光又は蛍光が隣接するウェルに漏れないようにすることが好ましい。その方法としては、例えば、着色樹脂で成形する方法、透明樹脂で成形した後、容器を不透過性塗料等で塗装する方法、鍍金や蒸着により金属皮膜を形成し不透過性を付与する方法等があり、操作が簡便である点から、着色樹脂で成形する方法が好ましい。また、透明樹脂に顔料を加えて混練、成形してもよいし、透明樹脂と顔料とを混練した成形樹脂材料を用いて成形してもよく、顔料の分散性の点から、透明樹脂と顔料とを混練した成形樹脂材料を用いて成形することが好ましい。顔料としては、特に限定されるものではなく、着色する色に応じて適宜決定でき、例えば、白色顔料、黒色顔料等が挙げられ、より良好な測定感度が得られ、細胞凝集塊の状態の確認や培養液の有無の確認が容易となる点からは、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、例えば、酸化チタン等が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。顔料の量としては、充分な遮光性と充分な強度を示す樹脂成形品を得る点から、酸化チタンの場合は7〜15重量%が好ましく、カーボンブラックの場合は3〜10重量%が好ましい。遮光の程度は、隣接するウェルへの光透過率が少なければ少ないことが好ましく、例えば、1%以下であり、好ましくは0.1%、より好ましくは0.01%以下である。
次に、成形した容器に細胞低接着性処理を行う。
水溶性樹脂を用いた被覆層を形成する場合、まず、上述の水溶性樹脂をウェル内面に接触させる。接触させる方法としては、例えば、スピンコート、ディッピング、水溶性樹脂溶液をウェル面に分注すること等が挙げられる。水溶性樹脂は、水溶性樹脂を溶媒に溶解した状態で接触させることが好ましい。溶媒としては、水、水と有機溶媒との混合物等が挙げられる。接触させる水溶性樹脂の濃度は、特に制限されるものではないが、均一な被覆層が得られ、充分な細胞低接着性効果が得られ、良好な細胞凝集塊が形成される点から、例えば、0.01〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%である。
水溶性樹脂を乾燥させた後、水溶性樹脂を硬化させる。これにより、密度の高いイオン性又は極性の側鎖を有する樹脂被覆層を形成される。この表面に構築されたイオン性もしくは極性の側鎖は、培養液と接触した際に、静電相互作用もしくは水素結合により水分子と水和し、培養容器表面は実質的に水分子の密な水和層となり、この水和層は細胞に対する基材表面からの刺激を抑制し、質的に良好な細胞凝集塊が迅速に形成されることとなる。こうすることで、培養液を接触させた際に、水溶性樹脂の被覆層が溶解、遊離することを防ぎ、培養容器として必要な耐水性を獲得することができる。
一方、親水性樹脂を用いて被覆層を形成する場合、例えば、ポリ−HEMAの2%エタノール溶液をウェル内に100μL分注しエタノールを蒸発させることによってポリ−HEMAの層を形成させることができる。蒸発後、超純水や緩衝液で洗浄することで、容器表面に吸着していない余分なポリ−HEMA分子を除去することができる。
そして、上述の細胞低接着性処理を行った後、滅菌する。滅菌は、例えば、エチレンオキサイドガス滅菌、乾熱滅菌、蒸気滅菌、放射線滅菌等が挙げられ、γ線又は電子線を用いた放射線滅菌が好ましく、大量生産を行う点からは、放射線透過性の点でγ線滅菌がより好ましい。
[培養方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、培養容器を用いたヒトES細胞を培養する方法に関する。本開示にかかる培養方法に用いる培養容器は、2個以上のウェルを有し、ウェルは、筒状の胴部と前記胴部の一端に設けられた漏斗状の底部とを有し、前記底部の中心部は、凹曲面であり、底部の開き角度は、60〜100度である。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示にかかる培養容器を用いてヒト胚性幹細胞を培養する方法に関する。本開示にかかる培養方法によれば、上記の培養容器を用いるため、ヒトES細胞から胚様体を効率よく形成することができる。
本開示にかかる培養容器において、底部中心部内面の曲率半径は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
以下に、本開示にかかる培養容器を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本開示は、以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかる培養容器のウェルの断面図であり、図2は実施形態1にかかる培養容器(96ウェルマルチウェルプレート)の斜視図である。図1に示すように、実施形態1にかかる培養容器のウェル1は、略円筒状の胴部2と、漏斗形状である底部3とを有し、底部3の中心部4は半球状である。底部3は開き角度(θ)は85度である傾斜面を有し、底部中心部内面の曲率半径は1.0mmである。開き角度(θ)は、図1に示すように、底部3の対向する傾斜面がなす角を測定することにより得ることができる。
ウェルの開口部の直径は、マルチディスペンサーを使用する場合の操作性に優れる点から、例えば、4.0mm以上が好ましく、培養容器一つ当たりのウェルの数を増やす点から、11.0mm以下が好ましい。
ウェル1個当たりの容量は、特に制限されるものではないが、胚様体を形成するのに十分な量の培地を添加できる点から、例えば、80〜500μLが好ましく、培地や試薬の使用量を低減する点から、80〜200μLがより好ましい。
以下、本開示を以下の実施例及び比較例に基いて説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
[培養容器の製造]
ポリスチレン樹脂(PSジャパン社製、商品名:HF77)を用いて、射出成形により96ウェルマルチウェルプレート(横:127.6mm、縦:85.8mm、高さ:14.0mm)を成形した。各ウェルの形状は図1に示す形状とし、底部の開き角度(図1におけるθ)は85度、底部中心部における内面の曲率半径は1.0mmとした。
得られたプレートにプラズマ処理装置(BRANSON/IPC社製 SERIES7000)を用いてプラズマ処理(酸素プラズマ10分)を行った。これにより、プレート表面に濡れ性を付与した。
(水溶性樹脂を用いた表面処理)
ウェルの表面処理を行うために、水溶性樹脂として側鎖にアジド基を有するポリビニルアルコール(東洋合成工業社製 AWP(Azide-unit pendant Water soluble Photopolymer、r1=1〜1000、r2=4〜4995、r3=0〜4000、n=1,2、または3、Rはカルボニルとアミンを有するアルキル基):下記式(Ia)で表される化合物(水溶性樹脂の平均重合度1600、感光基の導入率0.65mol%))を着色樹脂にて遮光したポリプロプレン容器中で、25容量%エタノール水溶液に溶解し、0.3重量%の水溶性樹脂溶液を調製した。
プラズマ処理したプレートに、自動分注機(BioTec社製、オートセラウォッシャーAMW−96SX)を使用して、1ウェルにつき200μLの調製した水溶性樹脂溶液を加えて1分間浸漬した後、プレートを裏返して溶液を充分廃棄した。ついで、25℃で17時間一次乾燥した後、UVランプで250nmのUV光を1.0mW/cm×30秒間照射して水溶性樹脂を硬化させた。超純水で3回繰り返し洗浄し、乾燥させた後、γ線を吸収線量5.8kGyで照射(ラジエ工業株式会社製装置)して培養容器(プレート)を得た。
[単一分散させたヒトES細胞を用いたSFEBq法による細胞凝集塊形成]
Suemoriら, Biochem Biophys Res Commun. 345, 926-32 (2006)に記載された方法に従い、細胞のフィーダー層としてマウス胎児線維芽細胞(マイトマイシン処理で不活化、MEF)を蒔いたプラスチック培養皿の上で未分化ヒト胚性幹細胞を37℃、2% CO下で培養した。なお、Suemoriら, Biochem Biophys Res Commun. 345, 926-32 (2006)は、参照により本明細書に組み込まれる。培養液は、D−MEM/F12(Sigma D6421)に最終濃度20%のKSR(Invitrogen/Gibco-BRL)、1×NEAA(非必須アミノ酸;Invitrogen/Gibco BRL)、2mM L−グルタミン酸、0.1mM 2−メルカプトエタノール及び5ng/ml bFGF(Upstate)を添加したものを使用した。植え継ぎは3−4日毎に行った。解離液(リン酸バッファー緩衝生理学的食塩水に0.25%トリプシン、1mg/mlコラゲナーゼIV液、1mM CaCl、最終濃度20%のKSRを添加したもの;全てInvtrogen/Gibco-BRL)を用いて、ヒトES細胞をフィーダー層から解離し、ピペッティングで小細胞塊(約10−20個)に分散した後、前日にMEFを播種し形成させたフィーダー層の上に蒔いた。なお、ヒト胚性幹細胞は、京都大学再生医科学研究所中辻憲夫研究室で樹立したヒト胚盤胞由来の胚性幹細胞(KhES−1、KhES−2及びKhES−3)を、ヒト胚性幹細胞に関する政府指針に従い分与を受け、使用した(主にKhES-1)。
単一細胞分散後のヒト胚性幹細胞の再凝集に対するウェル形状の効果は、下記のように検討した。細胞をフィーダー層から分離する1時間前に、上記のように培養したヒトES細胞にROCK阻害剤Y−27632を10μMの濃度で添加した後、フィーダー細胞からヒトES細胞を小細胞塊として解離した。さらに混入するフィーダー細胞を除去するために、解離した小細胞塊を細胞接着性の培養プレート(0.1% ゼラチンコート)に配置し、維持培養液中で37℃、1時間培養し、これにより、混入するフィーダー細胞を培養プレートに吸着させた。フィーダー細胞を除去したヒトES細胞塊を、0.05mg/ml DnaseI(Roche)とROCK阻害剤Y−27632とを10μM含むTrypLE Expressによって単一細胞に分散させ、1ウェルあたり9×10細胞になるように100μlの分化培地に浮遊させた状態で表面処理を行った培養容器配置し、凝集塊を速やかに形成させた後、37℃、5%COで6日間インキュベーションを行い、再凝集した細胞塊の状態を評価した。分化培地は、G−MEM(Invitrogen)に最終濃度20%のKSR、20μM Y−27632を、1×NEAA、1mM ピルビン酸、0.1mM 2−メルカプトエタノール、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを添加したものを使用した。
評価は、下記A〜Cの基準に分けて行った。その結果を下記表1に示す。なお、評価は、n=5〜10で行った。また、ヒトES細胞培養して形成された細胞凝集塊を顕微鏡観察して得られた写真を図3に示す。図3に示す顕微鏡写真は、左から順に0.5時間、18時間、6日間培養した後の細胞塊の形状を示す写真である。
A:ウェル内に単一の凝集塊が形成
B:凝集塊が形成するも周囲に小さな凝集塊が複数形成
C:凝集塊が形成されない
(比較例1)
市販品のU底のマルチウェルプレートを使用した以外は、実施例1と同様にしてマルチウェルプレートを得て、それを用いて細胞凝集塊形成及び評価を行った。その結果を下記表1に示す。市販品のマルチウェルプレートは、住友ベークライト社製 MS−309URを使用した(横:127.6mm、縦:85.8mm、高さ:14.0mm、ウェルの開口部直径:7.0mm、ウェルの深さ:10.0mm、底部内面の曲率半径:3.2mm)。なお、評価は、n=5〜10で行った。また、形成された細胞凝集塊を顕微鏡観察して得られた写真を図4に示す(培養時間:2日間)。
(比較例2)
市販のマルチウェルプレート(住友ベークライト社製 MS−9096M、紡錘底、開き角度:19度、底面曲率半径:2.0mm)を使用した以外は、実施例1と同様にしてマルチウェルプレートを得て、それを用いて細胞凝集塊形成及び評価を行った。その結果を下記表1に示す。
表1に示すように、実施例1の培養容器においては、全てのウェルで単独の凝集塊の形成が認められた。一方、比較例1及び2のプレートでは凝集塊の形成効率が大幅に落ち、それぞれ42%−73%及び18−52%のウェルで、複数の凝集塊が形成した。
図3に示すように、実施例1においては培養開始後18時間から単一の凝集塊が認められ、最終的にはウェル内に単一の凝集塊が形成された。一方、比較例1においては図4に示すように、大きな凝集塊の周囲にサイズの小さな凝集塊が複数観察された。比較例2の図は提示しないが、図4と同等の小さな凝集塊が認められた。
本開示は、例えば、ヒトES細胞の研究、再生医療等といった医療分野等で有用である。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本開示の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。

Claims (14)

  1. ウェルの内部において、複数個の細胞を浮遊培養することにより単一の細胞凝集塊を形成するための単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    2個以上の前記ウェルを有し、
    前記ウェルは、筒状の胴部と、前記胴部の一端に設けられた漏斗形状の底部とを有し、
    前記底部は、中心に向かって縮径する傾斜面と、前記傾斜面の一端に形成された部分球状の中心部と、を有し、
    記中心部の内面は、凹曲面であり、
    前記底部の断面視において、対向する前記傾斜面がなす角の開き角度は、60度〜100度であ
    前記底部の前記中心部の内面の曲率半径は、0.5mm〜1.5mmであり、
    前記胴部と前記底部との接続部分が、曲面で構成される、
    単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  2. 請求項1に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記胴部が略円筒状であり、前記底部が逆円錐形である、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  3. 請求項1または2に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記開き角度は、60度を超え100度以下である、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記曲率半径は、0.7mm〜1.2mmである、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記ウェルの前記底部の内面に、水溶性樹脂を用いた被覆層が形成されている、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  6. 請求項5に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記水溶性樹脂は、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ポリペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリジエチレングリコールジアクリレート、及びそれらを構成するモノマー同士の共重合体、および2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートとの共重合体からなる群から選ばれる一または二以上を含む、
    単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  7. 請求項5に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記水溶性樹脂が、ポリ酢酸ビニルのケン化物を含む、
    単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記ウェルの前記底部の内面に、親水性樹脂を用いた被覆層が形成されている、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  9. 請求項8に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記親水性樹脂は、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ホスホリルコリン基含有高分子化合物、またはポリエチレングリコール鎖含有高分子化合物を含む、
    単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  10. 請求項5〜9のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記被覆層の厚みは、100nm〜5,000nmである、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    滅菌処理されてなる、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記ウェルが、透明樹脂と顔料とを含み、
    前記顔料が、白色顔料または黒色顔料を含む、
    単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記ウェルの開口部の直径が、4.0mm以上11.0mm以下である、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の単一細胞凝集塊形成用培養容器であって、
    前記ウェルの1個当たりの容量が、80μL〜500μLである、単一細胞凝集塊形成用培養容器。
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