JP6678220B2 - 電気めっき浴用の添加剤としてのビス無水物及びジアミンの反応生成物 - Google Patents

電気めっき浴用の添加剤としてのビス無水物及びジアミンの反応生成物 Download PDF

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Description

本発明は、電気めっき浴用の添加剤としてのビス無水物及びジアミンの反応生成物を対象とする。より具体的には、本発明は、良好な均一電着性を有する電気めっき浴を提供する電気めっき浴用の添加剤としての、ビス無水物及びジアミンの反応生成物を対象とする
物品を金属コーティングで電気めっきするための方法は一般的に、めっき液中で2つの電極間に電流を流すことを伴い、これらの電極のうちの一方が、めっきされる物品である。典型的な酸性銅めっき液は、浴に導電性を付与するのに十分な量の、硫酸などの酸性電解質である溶解された銅、一般には硫酸銅、ハロゲン化物源、ならびにめっきの均一性及び金属析出の質を改善するための専用添加剤を含む。かかる添加剤は、とりわけ、レベラー、促進剤、及び抑制剤を含む。
電解銅めっき液は、装飾及び防食コーティングなどの様々な産業用途、ならびにエレクトロニクス産業、特にプリント回路基板及び半導体の製造に使用される。回路基板の製造に関して、典型的には、プリント回路基板の表面の選択された部分にわたって、ブラインドビア及びトレンチ内に、そして回路基板母材の表面の間に通る貫通孔の壁上に、銅が電気めっきされる。ブラインドビア、トレンチ、及び貫通孔の露出表面、すなわち、壁及び床は、銅がこれらの孔の表面上に電気めっきされる前に、無電解金属めっきなどにより、初に導電性にされる。めっきされた貫通孔は一方の基板表面から他方の基板表面への導電経路を提供する。ビア及びトレンチは回路基板内層間に導電経路を提供する。半導体製造に関して、ビア、トレンチ、またはこれらの組み合わせなどの様々な特徴を有するウェハの表面にわたって、銅が電気めっきされる。ビア及びトレンチが金属化されて、半導体デバイスの様々な層間に導電性がもたらされる。
プリント回路基板(「PCB」)の電気めっきなどの、めっきのある特定の分野において、電気めっき浴におけるレベラーの使用が基材表面上の均一な金属析出の実現に重要であり得ることは周知である。不規則なトポグラフィーを有する基材の電気めっきは困難となる場合がある。電気めっき中、典型的に、表面と孔との間に不均一な金属析出をもたらす場合がある電圧降下が表面の孔内で生じる。電気めっきの不規則性は、電圧降下が比較的極端である場所、つまり、孔が狭く、長い場所で悪化する。したがって、実質的に均一な厚さの金属層は、エレクトロニクスデバイスの製造においてしばしば困難なステップである。エレクトロニクスデバイスにおいて実質的に均一または平坦な銅層をもたらすために、レベリング剤が銅めっき浴においてよく使用される。
エレクトロニクスデバイスの機能性の増加と組み合わせた携帯性の傾向が、PCBの小型化を進めてきた。貫通孔相互接続を有する従来の多層PCBは、常に実用的な解決策であるわけではない。ブラインドビアを利用するシーケンシャルビルドアップ技術などの高密度相互接続のための代替えアプローチが開発されてきた。ブラインドビアを使用する工程における目的の1つは、ビアと基材表面との間の銅析出における厚さ変動を 小限に抑えながら、ビアの埋め込みを 大にすることである。これは、PCBが貫通孔及びブラインドビアの両方を有する場合、特に困難である。
レベリング剤は、基材表面にわたって析出を平坦にするために、及び電気めっき浴の均一電着性を改善するために、銅めっき浴において使用される。均一電着性は、貫通孔中心銅析出厚さと表面の銅厚さとの比率として定義される。貫通孔及びブラインドビアの両方を有するより新しいPCBが製造されている。現在の浴添加剤、特に現在のレベリング剤は、基材表面と埋め込まれた貫通孔及びブラインドビアとの間に常に平坦な銅析出をもたらすわけではない。ビア埋め込みは、埋め込まれたビアにおける銅と表面との間の高さの差を特徴とする。したがって、当該技術分野において、浴の均一電着性を強化しながら平坦な銅析出をもたらすPCB製造のために、金属電気めっき浴において使用するためのレベリング剤の必要性が尚も存在する。
一級または二級アミン部分を含む1つ以上のジアミン及び式:
Figure 0006678220
を有する1つ以上の化合物の反応生成物であって、式中、Rは連結基である、反応生成物。
組成物は、1つ以上の金属イオン源、電解質、ならびに、一級または二級アミン部分を含む1つ以上のジアミン及び式:
Figure 0006678220
を有する1つ以上の化合物の反応生成物を含み、式中、Rは連結基である。
方法は、基材を提供することと、1つ以上の金属イオン源、電解質、ならびに、一級または二級アミン部分を含む1つ以上のジアミン及び式:
Figure 0006678220
を有する1つ以上の化合物(式中、Rは連結基である)の1つ以上の反応生成物を含む組成物を提供することと、基材を組成物と接触させることと、電流を基材に印加することと、金属を基材上にめっきすることとを含む。
この反応生成物を含む電気めっき浴は、基材にわたって、たとえ小さい特徴を有する基材上及び様々な特徴サイズを有する基材上でも実質的に平坦な金属層をもたらす。本金属めっき組成物は、良好な均一電着性を有し、ブラインドビア及び貫通孔に金属を効果的に析出させる。
本明細書全体を通して使用されるように、以下の略語は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、以下の意味を有するものとする。A=アンペア、A/dm=アンペア毎平方デシメートル=ASD、℃=摂氏度、g=グラム、mg=ミリグラム、ppm=百万分率=mg/L、mol=モル、L=リットル、μm=ミクロン=マイクロメートル、mm=ミリメートル、cm=センチメートル、PO=プロピレンオキシド、EO=エチレンオキシド、DI=脱イオン、mL=ミリリットル、Mw=重量平均分子量及びMn=数平均分子量、ならびにv/v=容積対容積。全ての数値範囲は境界値を含み、任意の順序で組み合わせ可能であるが、かかる数値範囲が合計で100%になるよう制限されることが明白である場合を除く。
本明細書全体を通して使用されるように、「特徴」は基材の形状を指す。「孔」は貫通孔及びブラインドビアを含む陥凹特徴を指す。本明細書全体を通して使用されるように、用語「めっき」は金属電気めっきを指す。「析出」及び「めっき」は本明細書全体を通して交換可能に使用される。「ハロゲン化物」は、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物を指す。「促進剤」は電気めっき浴のめっき速度を増加する有機添加剤を指し、かかる促進剤は増白剤としても機能し得る。「抑制剤」は電気めっき中の金属のめっき速度を抑制する有機添加剤を指す。「レベラー」は、実質的に平坦または平面状の金属層をもたらすことが可能である有機化合物を指す。用語「レベラー」及び「レベリング剤」は本明細書全体を通して交換可能に使用される。用語「プリント回路基板」及び「プリント配線板」は本明細書全体を通して交換可能に使用される。用語「部分」は、部分構造として全官能基または官能基の一部のいずれかを含み得る分子またはポリマーの一部を意味する。用語「部分」及び「基」は本明細書全体を通して交換可能に使用される。不定冠詞「a」及び「an」は単数及び複数を指す。
化合物は、一級または二級アミン部分を含む1つ以上のジアミン及び式:
Figure 0006678220
を有する1つ以上の化合物の反応生成物であり、式中、Rは、共有結合により無水物環の窒素と結合した連結基である。かかる連結基は有機部分である。好ましくは、Rは以下の構造:
Figure 0006678220
(式中、R及びRは、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、カルボキシル、カルボキシ(C−C)アルキル、及び(C−C)アルコキシを含み、好ましくは、R及びRは、水素、または直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキルを含み、より好ましくは、R及びRは水素であり、mは、1〜15、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜3の整数である)、
Figure 0006678220
(式中、R及びRは上記のように定義され、R及びRは、同一または異なってよく、R及びRと同じ基であり、R及びRは、同一または異なってよく、水素、カルボキシル、及びカルボキシ(C−C)アルキルを含み、好ましくは、R及びRは、同一または異なってよく、水素及びカルボキシルであり、mは上記に定義された通りであり、nは、1〜15、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜3の整数であり、好ましくは、m及びnは同じである)、
Figure 0006678220
(式中、R、R、R及びR10は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキル、直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシ(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルコキシを含み、好ましくは、R、R、R及びR10は、同一または異なってよく、水素直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキルであり、より好ましくは、R、R、R及びR10は水素であり、q、r、及びtは、同一または異なってよく、1〜10、好ましくは2〜3の整数である)、及び
Figure 0006678220
(式中、R11及びR12は、同一または異なってよく、水素、または直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキルであり、好ましくは、R11及びR12は水素であり、Arは、5〜6個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を有するアリール基であり、より好ましくは、式(V)のRは、以下の構造:
Figure 0006678220
を有し、nは上記に定義された通りである)を有する。
ジアミンは、一般式:
Figure 0006678220
を有する化合物を含み、式中、R’は、共有結合により末端窒素と結合した連結基である。かかる連結基は有機部分である。好ましくは、R’は以下の構造:
Figure 0006678220
置換もしくは非置換(C−C18)アリール、
Figure 0006678220
を有し、式中、R13及びR14は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C−C12)アルキル、アルキレンオキシ、または置換もしくは非置換(C−C18)アリールを含む。アリール基上の置換基は、直鎖状もしくは分枝状(C−C12)アルキル、直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシ(C−C12)アルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、直鎖状もしくは分枝状カルボキシ(C−C12)アルキル、ニトロ基、メルカプト基、直鎖状もしくは分枝状メルカプト(C−C12)アルキル、直鎖状もしくは分枝状ハロ(C−C12)アルキルを含むが、これらに限定されず、好ましくは、アリールは6員環であり、より好ましくは、アリールは非置換6員環であり、変数p及びsは、同一または異なってよく、独立して、1以上、好ましくは1〜10の整数であり、変数eは、0〜3、好ましくは1〜2の整数であり、より好ましくは、eは1であり、変数a、b、c、及びdは、同一または異なってよく、1以上、好ましくは1〜10の数であり、R13及びR14がアルキレンオキシであるとき、アルキレンオキシ基の末端炭素は一緒に環を形成してもよいが、但し、R13及びR14が一緒に結合して環を形成するとき、R’もアルキレンオキシ基であるものとし、R15〜R22は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキル、直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシ(C−C)アルキル、または直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルコキシを含み、Zは炭素原子または窒素原子であり得る。
ジアミンは、以下の式:
Figure 0006678220
を有する複素環式飽和非芳香族化合物も含むが、これに限定されず、式中、R23及びR24は、同一または異なってよく、水素またはアミノ(C−C10)アルキルであり、好ましくは、R23及びR24は、水素またはアミノ(C−C)アルキルである。
一般に、反応生成物は、撹拌及び加熱しながら、または室温で撹拌しながら、ジメチルホルムアミド(DMF)などの有機溶媒中に1つ以上のビス無水物化合物を混合することにより調製される。次いで、加熱及び撹拌しながら1つ以上のジアミンを混合物に滴下して添加する。加熱は、典型的には、50℃〜150℃の範囲で行われる。この混合物は、次いで、撹拌しながら2時間〜15時間加熱された後、続いて温度が室温に下げられ得る。無水エタノールを添加することによって生成物を沈殿させてもよい。反応体の量は変動し得るが、一般に、ビス無水物とアミン反応体のモル比が1:0.1〜1:2、好ましくは1:0.5〜1:2の範囲である生成物をもたらすのに十分な量の各反応体が添加される。
反応生成物は、式:
Figure 0006678220
を有するものなどの分子内塩を有するポリマーであり得、式中、R及びR’は、上記に定義される通りであり、変数vは、2以上である。好ましくは、vは、2〜200である。
めっきの組成物及び方法は、プリント回路基板などの基材上に実質的に平坦なめっき金属層を提供するのに有用である。また、めっきの組成物及び方法は金属で基材の孔を埋め込むのに有用である。また、金属析出は良好な均一電着性を有する。
金属が電気めっきされ得る任意の基材は本発明に有用である。かかる基材は、プリント配線板、集積回路、半導体パッケージ、リードフレーム、及び相互接続を含むが、これらに限定されない。集積回路基材はデュアルダマシン製造工程に使用されるウェハであり得る。かかる基材は典型的には、いくつかの特徴、特に様々なサイズを有する孔を有する。PCBにおける貫通孔は、直径が50μm〜2mmなど、様々な直径を有し得る。かかる貫通孔は、35μm〜15mm以上など、深さが変動し得る。PCBは、 大直径200 μm及び深さ150μmなど、多種多様のサイズを有するブラインドビアを有し得る。
金属めっき組成物は、金属イオン源、電解質、及びレベリング剤を含有し、レベリング剤は、上述の反応生成物である。金属めっき組成物は、ハロゲン化物イオン源、促進剤、及び抑制剤を含有し得る。組成物から電気めっきされ得る金属は、銅、スズ、及びスズ/銅合金を含むが、これらに限定されない。
好適な銅イオン源は銅塩であり、硫酸銅、銅ハロゲン化物(塩化銅など)、酢酸銅、硝酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、アルキルスルホン酸銅、アリールスルホン酸銅、スルファミン酸銅、過塩素酸銅、及びグルコン酸銅を含むが、これらに限定されない。例示的なアルキルスルホン酸銅としては、(C−C)アルキルスルホン酸銅、より好ましくは(C−C)アルキルスルホン酸銅が挙げられる。好ましいアルキルスルホン酸銅は、メタンスルホン酸銅、エタンスルホン酸銅、及びプロパンスルホン酸銅である。例示的なアリールスルホン酸銅としては、ベンゼンスルホン酸銅及びp−トルエンスルホン酸銅が挙げられるが、これらに限定されない。銅イオン源の混合物が使用されてもよい。銅イオン以外の金属イオンのうちの1つ以上の塩が本電気めっき浴に添加されてもよい。典型的には、銅塩は、めっき液の10〜400g/Lの銅金属量をもたらすのに十分な量で存在する。
好適なスズ化合物は、塩(スズハロゲン化物など)、硫酸スズ、アルカンスルホン酸スズ(メタンスルホン酸スズなど)、アリールスルホン酸スズ(ベンゼンスルホン酸スズなど)、及びトルエンスルホン酸スズを含むが、これらに限定されない。これらの電解質組成物中のスズ化合物の量は典型的には、5〜150g/Lの範囲のスズ含有量をもたらす量である。スズ化合物の混合物は、上述の量で使用され得る。
本発明に有用な電解質はアルカリ性または酸性であり得る。典型的には、電解質は酸性である。好適な酸性電解質は、硫酸、酢酸、フルオロホウ酸、アルカンスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、及びトリフルオロメタンスルホン酸など)、アリールスルホン酸(ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸など)、スルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、クロム酸、及びリン酸を含むが、これらに限定されない。酸の混合物は、有利に本金属めっき浴において使用され得る。好ましい酸は、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、塩化水素酸、及びこれらの混合物を含む。酸は1〜400g/Lの範囲の量で存在し得る。電解質は一般的に、様々な供給元から市販されており、更に精製することなく使用され得る。
かかる電解質は、任意選択でハロゲン化物イオン源を含有し得る。典型的には、塩化物イオンが使用される。例示的な塩化物イオン源としては、塩化銅、塩化スズ、塩化ナトリウム、及び塩化水素酸が挙げられる。広範囲のハロゲン化物イオン濃度が本発明において使用され得る。典型的には、ハロゲン化物イオン濃度は、めっき浴に基づいて0〜100ppmの範囲である。かかるハロゲン化物イオン源は一般的に市販されており、更に精製することなく使用され得る。
めっき組成物は好ましくは、促進剤を含有する。任意の促進剤(増白剤とも称される)は、本発明において使用するのに好適である。かかる促進剤は当業者に周知である。促進剤は、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル、3−メルカプト−プロピルスルホン酸ナトリウム塩、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸カリウム塩を有する炭酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステル、ビス−スルホプロピルジスルフィド、ビス−(ナトリウムスルホプロピル)−ジスルフィド、3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)プロピルスルホン酸ナトリウム塩、ピリジニウムプロピルスルホベタイン、1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホネート、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホエチル)エステル、3−メルカプト−エチルプロピルスルホン酸−(3−スルホエチル)エステル、3−メルカプト−エチルスルホン酸ナトリウム塩、3−メルカプト−1−エタンスルホン酸カリウム塩を有する炭酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステル、ビス−スルホエチルジスルフィド、3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)エチルスルホン酸ナトリウム塩、ピリジニウムエチルスルホベタイン、及び1−ナトリウム−3−メルカプトエタン−1−スルホネートを含むが、これらに限定されない。促進剤は様々な量で使用され得る。一般に、促進剤は0.1ppm〜1000ppmの量で使用される。好ましくは、促進剤の濃度は0.5ppm〜100ppmの範囲である。より好ましくは、促進剤の濃度は0.5ppm〜50ppmの範囲、 も好ましくは0.5ppm〜25ppmの範囲である。
金属めっき速度を抑制することが可能な任意の化合物は、本電気めっき組成物において抑制剤として使用され得る。好適な抑制剤は、エチレンオキシド−プロピレンオキシド(「EO/PO」)コポリマー及びブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーを含む、ポリプロピレングリコールコポリマー及びポリエチレングリコールコポリマーを含むが、これらに限定されない。好適なブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーは、100〜100,000、好ましくは500〜10,000の重量平均分子量を有するものである。かかる抑制剤が使用されるとき、それらは典型的には、組成物の重量に基づいて、1〜10,000ppm、より典型的には
5〜10,000ppmの範囲の量で存在する。
一般に、反応生成物は、200〜10,000、典型的には300〜50,000、好ましくは500〜8,000の数平均分子量(Mn)を有するが、他のMn値を有する反応生成物が使用されてもよい。かかる反応生成物は、1,000〜50,000、典型的には5,000〜30,000の範囲の重量平均分子量(Mw)値を有し得るが、他のMwが使用されてもよい。
金属電気めっき組成物に使用される反応生成物(レベリング剤)の量は、選択された特定のレベリング剤、電気めっき組成物中の金属イオンの濃度、使用される特定の電解質、電解質の濃度、及び印加された電流密度に依存する。一般に、電気めっき組成物中のレベリング剤の総量は、めっき組成物の総重量に基づいて0.01ppm〜5,000ppmの範囲であるが、より多いまたはより少ない量が使用され得る。好ましくは、レベリング剤の総量は、0.1〜1000ppm、より好ましくは0.1〜500ppm、 も好ましくは0.1〜100ppmである。それらのレベリング活性に加えて、反応生成物は抑制剤としても機能し得る。
電気めっき組成物は任意の順序で構成成分を組み合わせることにより調製され得る。金属イオン源、水、電解質、及び任意選択のハロゲン化物イオン源などの無機構成成分を初に浴槽に添加した後、続いてレベリング剤、促進剤、抑制剤、及び任意の他の有機構成成分などの有機構成成分を添加することが好ましい。
電気めっき組成物は、任意選択で2つ以上のレベリング剤を含有し得る。かかる追加のレベリング剤は、本発明の別のレベリング剤であり得るか、ないしは別の方法としては任意の従来のレベリング剤であり得る。本レベリング剤と組み合わせて使用され得る好適な従来のレベリング剤は、Stepらに対する米国特許第6,610,192号、Wangらに対する第7,128,822号、Hayashiらに対する第7,374,652号、及びHagiwaraらに対する第6,800,188号に開示されるものを含むが、これらに限定されない。かかるレベリング剤の組み合わせは、レベリングの能力及び均一電着性を含む、めっき浴の特性を調整するために使用され得る。
典型的には、めっき組成物は10〜65℃以上の任意の温度で使用され得る。好ましくは、めっき組成物の温度は、10〜35℃、より好ましくは15〜30℃である。
一般に、金属めっき組成物は使用中に撹拌される。任意の好適な撹拌方法が使用されてもよく、かかる方法は当該技術分野において周知である。好適な撹拌方法は、エアスパージング、揺動撹拌、及び衝突を含むが、これらに限定されない。
典型的には、基材は基材をめっき組成物と接触させることにより電気めっきされる。基材は典型的には陰極として機能する。めっき組成物は可溶性または不溶性であり得る陽極を含有し得る。電位が典型的には電極に印加される。十分な電流密度が印加され、基材上に所望の厚さを有する金属層を析出させる、ならびにブラインドビア、トレンチ、及び貫通孔を埋め込む、または共形的に貫通孔をめっきするのに十分な時間期間の間、めっきが行われる。電流密度は、限定されないが、0.05〜10A/dmの範囲を含むが、より高いまたはより低い電流密度が使用されてもよい。比電流密度は、一部、めっきされる基材、めっき浴の組成、及び所望の表面金属厚さに依存する。かかる電流密度の選択は当業者の能力の範囲内である。
本発明の利点は実質的に平坦な金属析出がPCB及び他の基材上に得られる得ることである。「実質的に平坦な」金属層とは、ステップ高さ、すなわち、密な非常に小さい孔の領域と孔がないまたは実質的に孔がない領域との間の差が5μm未満、好ましくは1μm未満であることを意味する。PCBにおける貫通孔及び/またはブラインドビアは実質的に埋め込まれる。本発明の更なる利点は、広範囲の孔及び孔サイズが埋め込まれ得ることである。
均一電着性は、PCBサンプルの表面にめっきされた金属の平均厚さと比較した、貫通孔の中心でめっきされた金属の平均厚さの比率として定義され、率で報告される。均一電着性が高いほど、めっき組成物が共形的に貫通孔をより良好にめっきすることができる。
化合物は、基材にわたって、たとえ小さい特徴を有する基材及び様々な特徴サイズを有する基材上にも実質的に平坦な表面を有する金属層を提供する。めっき方法は、金属めっき組成物が良好な均一電着性及び低減された割れを有するように、貫通孔及びブラインドビアに金属を効果的に析出させる。
本発明の方法は一般的にプリント回路基板製造に関して記載されてきたが、本発明が、本質的に平坦または平面状の金属析出及び埋め込まれたまたは共形的にめっきされた孔が所望されるいずれの電解工程においても有用であり得ることが理解される。かかる工程は、半導体パッケージ及び相互接続の製造ならびにプラスチックのめっきを含むが、これらに限定されない。
以下の実施例は本発明を更に図示することを意図するが、その範囲を制限することを意図しない。
実施例1
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、10ミリモルのヘキサメチレンジアミン(構造A)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ヘキサメチレンジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。60mLの無水エタノールを添加することにより反応生成物を沈殿させ、次いで、アセトンによって洗浄し、真空下で乾燥させた。反応生成物は、構造(B)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
Figure 0006678220
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りである。
実施例2
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造C)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。60mLの無水エタノールを添加することにより反応生成物を沈殿させ、次いで、アセトンによって洗浄し、真空下で乾燥させた。反応生成物は、構造(D)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りである。
実施例3
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造E)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。60mLの無水エタノールを添加することにより反応生成物を沈殿させ、次いで、アセトンによって洗浄し、真空下で乾燥させた。反応生成物は、構造(F)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りである。
実施例4
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造G)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。60mLの無水エタノールを添加することにより反応生成物を沈殿させ、次いで、アセトンによって洗浄し、真空下で乾燥させた。反応生成物は、構造(H)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りである。
実施例5
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造I)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。生成物を、減圧下でDMFを蒸発させることによって得た。反応生成物は、構造(J)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りである。
実施例6
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造K)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。生成物を、減圧下でDMFを蒸発させることによって得た。反応生成物は、構造(L)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りである。
実施例7
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造M)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。生成物を、減圧下でDMFを蒸発させることによって得た。反応生成物は、構造(N)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
式中、x=2.5である。
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りであり、「x」は上記に定義された通りである。
実施例8
EDTAビス無水物(10ミリモル)を30mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、以下に示される10ミリモルのジアミン(構造O)を30mLのDMFに溶解した。EDTAビス無水物溶液を、ジアミン溶液に滴下して添加した。窒素雰囲気下で混合物を60℃で12時間撹拌した。反応生成物を、減圧下でDMFを蒸発させることによって得た。反応生成物は、構造(P)により示される分子内塩を含んだ。
Figure 0006678220
式中、y=12.5であり、x+z=6であり、x=2.5であり、z=3.5である。
Figure 0006678220
変数vは上記に定義された通りであり、「x」、「y」、及び「z」は上記に定義された通りである。
実施例9
下の表1に開示される基本的な配合物を有する18個の水性酸性銅電気めっき浴を調製した。
Figure 0006678220
浴のpHは1未満であった。浴は、浴に含まれる反応生成物(レベラー)及び増白剤の量によって異なった。増白剤はビス(ナトリウム−スルホプロピル)ジスルフィドであった。各浴に含まれたレベラー及び増白剤の量及び種類は下の表2に開示される。
300μmの平均貫通孔直径を有する3.2mm厚の試験パネルを水性酸性銅電気めっき浴に浸漬した。銅めっきは25℃で80分間行われた。電流密度は2.16ASDであった。銅めっきされたサンプルを分析し、めっき浴の均一電着性(「TP」)及び以下の方法に従い割れパーセントを決定した。
均一電着性は、試験パネルの表面にめっきされた金属の平均厚さと比較した、貫通孔の中心でめっきされた金属の平均厚さの比率を決定することにより計算された。均一電着性は率として表2に報告される。
割れは、産業標準手順のIPC−TM−650−2.6.8.Thermal Stress,Plated−Through Holes(IPC(Northbrook,Illinois,USA)により出版、2004年5月付け、改訂E)に従い決定された。各めっきされたパネルを288℃で6回はんだフロートして、パネルの割れに対する抵抗を判定した。割れが観察されなかった場合、パネルは熱応力試験に合格であった。任意の割れが観察された場合、パネルは試験に不合格であった。均一電着性試験及び熱応力試験の結果は、表2に開示される。
Figure 0006678220
はんだフロート試験の質はパネルに関して変化したが、TP%は、良好から非常に良好にわたった。100%超のTPは、孔内の銅厚さが、表面上よりも高かったことを示した。100%超のTPはまた、レベラーが強い分極化を示したことを示した。

Claims (7)

  1. 1つ以上のイオン源、硫酸、塩化物イオン、ならびに、一級または二級アミン部分を含む1つ以上のジアミン及び式:
    Figure 0006678220
    を有する1つ以上の化合物の反応生成物を含む電気めっき組成物であって、式中、Rは、下記式(II)、(III)及び(IV)からなる群から選択される連結基であ
    Figure 0006678220
    式中、式中、R 、R 、R 、及びR は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C −C )アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシ(C −C )アルキル、カルボキシル、カルボキシ(C −C )アルキル及び(C −C )アルコキシからなる群から選択され、R 及びR は、同一または異なってよく、水素、カルボキシル、及びカルボキシ(C −C )アルキルからなる群から選択され、R 、R 、R 、及びR 10 は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C −C )アルキル、直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシ(C −C )アルキル、カルボキシ(C −C )アルキル、及び直鎖状もしくは分枝状(C −C )アルコキシからなる群から選択され、n及びmは、同一または異なってよく、1〜15の整数であり、q、r、及びtは、同一または異なってよい1〜10の整数であり、
    前記1つ以上のジアミンが、式:
    Figure 0006678220
    を有し、式中、R 13 及びR 14 は、同一または異なってよく、水素及び直鎖状もしくは分枝状(C −C 12 )アルキルからなる群から選択され、R’は下記式(VIII)、(IX)及び(X)からなる群から選択される連結基であり、
    Figure 0006678220
    式中、R 15 〜R 22 は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C −C )アルキル、直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシ(C −C )アルキル及び直鎖状もしくは分枝状(C −C5)アルコキシからなる群から選択され、p及びsは、同一または異なってよく、独立して1〜10の整数であり、並びにa、b、c、及びdは、同一または異なってよく、1〜10の数である、電気めっき組成物。
  2. Rが、
    Figure 0006678220
    であり、式中、R 及びは、同一または異なってよく、水素、及び直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキルからなる群から選択され、mは、2〜3の整数であ、請求項1に記載の電気めっき組成物。
  3. 13及びR14は、水素である、請求項1または2に記載の電気めっき組成物。
  4. R’が、下記式(VIII)及び(X)からなる群から選択され、
    Figure 0006678220
    中、R15〜R22は、同一または異なってよく、水素、直鎖状もしくは分枝状(C−C)アルキル、直鎖状もしくは分枝状ヒドロキシ(C−C)アルキル、または直鎖状もしくは分枝状(C−C5)アルコキシを含み、pは、〜10の整数でありa、b、c、及びdは、同一または異なってよく、1〜10の数である、請求項1〜のいずれか一項に記載の電気めっき組成物。
  5. 前記1つ以上のジアミンが、下記式(A)、(C)、(E)、(G)、(I)、(K)、(M)及び(O)からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気めっき組成物。
    Figure 0006678220
  6. a)金属めっきされる基材を、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気めっき組成物と接触させることと、
    b)前記基材に電流を印加することと、
    c)前記基材に金属をめっきすることと、を含む、方法。
  7. 前記基材が、複数の貫通孔及びビアを含む、請求項に記載の方法。
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