JP6676460B2 - 通信装置、制御方法、および、プログラム。 - Google Patents

通信装置、制御方法、および、プログラム。 Download PDF

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Description

本発明は、同期制御を行う通信装置に関する。
ネットワークに接続された各装置間の時刻同期を可能とするプロトコルとして、IEEE1588 Precision Time Protocol(以下、PTP)がある。
PTPでは、基準時刻を提供するマスタ装置と、マスタ装置と同期するスレーブ装置とが定義されている。スレーブ装置は、マスタ装置とスレーブ装置との間で送受信されるPTPメッセージに基づいてスレーブ装置が有する時計の時刻を補正して、マスタ装置と同期する。
ここで、マスタ装置から送信されるPTPメッセージは、イーサネット(登録商標)フレームによりスレーブ装置へ伝達される。
特許文献1に記載されているように、マスタ装置は、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信する。また、マスタ装置は、PTPメッセージをイーサネットフレームに含まれるUDP/IPパケットのペイロードとして送信することもできる。
特開2007−20183号公報
マスタ装置とスレーブ装置の間の通信経路にルーティング装置(ルータ)が存在する場合がある。このような場合、マスタ装置がPTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信してしまうと、当該イーサネットフレームがスレーブ装置に届かない場合がある。一般的にルータは、レイヤ3以上のアドレスに関する通信経路制御を行うため、UDP/IPヘッダを含まないイーサネットフレームは転送されないからである。
一方、マスタ装置が、PTPメッセージをイーサネットフレームに含まれるUDP/IPパケットのペイロードとして送信する場合、各装置はUDP/IPの処理を行う必要があるため、処理負荷が高くなってしまう。その結果、ネットワークにおける同期精度が低下してしまう場合がある。
上記の課題を鑑み、本発明は、ネットワーク構成に応じた送信方法で同期メッセージを送信できるようにすることを目的とする。
本発明の通信装置は、他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、前記他の通信装置と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信手段と、を有する。
また、本発明の別の側面の通信装置は、複数の他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、前記複数の他の通信装置の各々と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記複数の他の通信装置に送信する、前記通信装置と前記複数の他の通信装置の各々とが同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信手段と、を有する。
また、本発明の別の側面の通信装置は、他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、前記同期ネットワークにルーティング装置が存在するか否かを判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信手段と、
を有する。
また、本発明の別の側面の通信装置は、他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、前記同期ネットワークのネットワーク構成を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージのフレームに、IP(Internet Protocol)ヘッダを含めるか否かを決定する決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記同期メッセージを送信する送信手段と、を有する。
また、本発明の別の側面の通信装置は、他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、前記同期ネットワークのネットワーク構成を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージのフレームを、イーサネットフレームのペイロードとして送信するか、UDP(User Datagram Protocol)/IP(Internet Protocol)パケットのペイロードとして送信するかを決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記同期メッセージを送信する送信手段と、を有する。
本発明によれば、ネットワーク構成に応じた送信方法で同期メッセージを送信することができる。
同期ネットワークのシステム構成図 PTPメッセージのフレームフォーマットを示す図 マスタ装置のハードウェア構成図 PTPメッセージによる時刻同期のシーケンス図 マスタ装置が実現するフローチャート
図1に、IEEE1588 Precision Time Protocol(以下、PTP)に準拠した同期ネットワークの構成を示す。
同期ネットワーク100は、同期ネットワーク100における基準時刻を提供するマスタ装置101と、マスタ装置101と同期するスレーブ装置102〜105とを有する。なお、IEEE1588では、ネットワーク上の複数のマスタ候補装置の中から1台のマスタ装置を選択するアルゴリズムが規定されている。マスタ装置101は前述のアルゴリズムによって選択された装置である。
スイッチングハブ111、112は、受信したイーサネットフレームに含まれる宛先MACアドレスを解析し、イーサネットフレームを転送するブリッジ機能を有する。
ルーティング装置(以下、ルータ)121は、受信したイーサネットフレームに含まれる宛先IPヘッダを解析し、イーサネットフレームを転送するルーティング機能を有する。なお、IPとはInternet Protocolの略である。
ルータ121は、IPヘッダの解析を行ってイーサネットフレームを転送するので、受信したイーサネットフレームにIPヘッダが含まれていない場合、当該イーサネットフレームを転送することが出来ない。
マスタ装置101とスレーブ装置102〜105は、PTPに準拠したメッセージ(PTPメッセージ)を送受信する。そして、スレーブ装置102〜105の各々は、PTPメッセージに基づいてスレーブ装置が有する時計の時刻を補正して、マスタ装置101と同期する。
同期処理を行う。即ち、PTPメッセージは、同期情報を含む同期メッセージであると言うことができる。なお、本実施形態においてPTPメッセージは、イーサネットフレームに格納されたデータとして送受信される。
PTPメッセージをイーサネットフレームのデータとして格納する方法には、図2に示す2種類がある。1つは、イーサネットフレームがUDP/IPパケットを含み、UDP/IPパケットのペイロードとしてPTPメッセージを格納する方法である。ここで、UDPとはUser Datagram Protocolの略である。
この場合、イーサネットフレームはUDP/IPパケットを含むため、当該イーサネットフレームには後述するIPヘッダやUDPヘッダが含まれる。このように、UDP/IPパケットのペイロードとしてPTPメッセージを格納する場合、PTPメッセージがUDP/IPパケットのペイロードであると称する。
もう1つの方法は、イーサネットフレームのペイロードとして、PTPメッセージをそのまま格納する方法である。この方法によれば、IPヘッダやUDPヘッダはイーサネットフレームに含まれない。このように、イーサネットフレームのペイロードとして、PTPメッセージをそのまま格納する場合、PTPメッセージがイーサネットフレームのペイロードであると称する。このようなイーサネットフレームにはIPヘッダが含まれないため、ルータ121は当該イーサネットフレームを転送することができない。
これら2種類の方法のメリットとデメリットをまとめると次のようになる。
PTPメッセージがUDP/IPパケットのペイロードである場合、各装置は、UDP/IPに関するプロトコル処理を実行する必要があるため、各装置の処理負荷が増加し、同期精度が低下しやすいというデメリットがある。一方、当該PTPメッセージはルータ121によって転送されるというメリットがある。
また、PTPメッセージがイーサネットフレームのペイロードである場合、各装置は、UDP/IPに関するプロトコル処理を実行する必要が無いため、各装置の処理負荷の増加が抑えられ、同期精度が高いというメリットがある。一方、当該PTPメッセージはルータ121によって転送されないというデメリットがある。
ここで、PTPメッセージを含むイーサネットフレームのフレームフォーマットについて、図2を用いて簡単に説明する。プリアンブルフィールド201は、イーサネットフレームの始まりを示す8バイトのフィールドである。
DA(Destination Address)フィールド202は、宛先MACアドレスを示す6バイトのフィールドである。SA(Source Address)フィールド203は、送信元MACアドレスを示す6バイトのフィールドである。
TYPEフィールド204は、イーサネットフレームの種別を示す4バイトのフィールドである。なお、一般的に、DAフィールド202、SAフィールド203およびTYPEフィールド204を総称してイーサネットヘッダと呼ばれる。
IPヘッダフィールド205には、イーサネットフレームの発信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスが含まれる。さらに、パケット長やヘッダチェックサムなども、IPヘッダフィールド205に含まれる。
UDPヘッダフィールド206には、発信元ポート番号、宛先ポート番号、UDPデータ長およびチェックサム値が含まれる。PTPメッセージ207には、後述するSync/Follow_up/Delay_Req/Delay_Respの4種類のメッセージのいずれかが含まれる。FCSフィールド208は、フレームの誤りを検出するためのチェックサム値を含む4バイトのフィールドである。
図3に、マスタ装置101のハードウェア構成を示す。下記に示す各ハードウェアブロックは、バス300を介して互いにアクセスやデータ転送が可能である。なお、下記に示す1つのハードウェアブロックを複数のハードウェアモジュールで構成してもよいし、複数のハードウェアブロックを1つのハードウェアモジュールで構成してもよい。
記憶部301はROMやRAM等のメモリにより構成され、後述する各種動作を行うためのプログラムを格納する。また、記憶部301は、データ用のバッファメモリとしての役割も担う。なお、記憶部301として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。また、記憶部301が複数のメモリ等を備えていてもよい。
制御部302はCPUやMPU等のプロセッサにより構成され、記憶部301に記憶されたプログラムを実行することによりマスタ装置101全体を制御する。なお、CPUはCentral Processing Unitの略であり、Micro Processing Unitの略である。
また、制御部302は、記憶部301に記憶されたプログラムとOS(Operating System)との協働によりマスタ装置101全体を制御するようにしてもよい。また、制御部302がマルチコア等の複数のプロセッサを備え、複数のプロセッサによりマスタ装置101全体を制御するようにしてもよい。
また、制御部302は、スレーブ装置102〜105に同期処理を行わせるための各主処理、例えば、PTPメッセージの生成処理や受信処理等を行う。また、制御部302は、機能部303を制御して、撮像や印刷、投影等の所定の処理を実行する。機能部303は、マスタ装置101が所定の処理を実行するためのハードウェアである。例えば、マスタ装置101がネットワークカメラである場合、機能部303は撮像部であり、撮像処理を行う。
時刻部304は、GPS(Global Positioning System)信号などの時刻基準信号に基づいて、マスタ装置101内の時刻情報を補正し、管理する。なお、時刻基準信号として、CDMA(Code Division Multiple Access)に準拠した時刻基準信号を用いてもよい。通信部305は、マスタ装置101をネットワークに接続する。各種データの送受信およびPTPメッセージの送受信は、通信部305を介して行われる。計測部306は、制御部302の負荷、例えばマスタ装置101のCPUの使用率を計測する。また、計測部306は、通信部305の負荷、例えば単位時間当たりの通信量を計測する。
図4に、PTPメッセージを利用した時刻同期のシーケンス図を示す。
PTPでは、Sync/Follow_up/Delay_Req/Delay_Respの4種類のPTPメッセージが定義されている。これらのメッセージを利用して、スレーブ装置102〜105は、自装置が計測する時刻と、マスタ装置101が計測する時刻との時刻差(時刻オフセット)を導出し、時刻同期を行う。
ここでは、マスタ装置101とスレーブ装置102との間のシーケンス図を用いて説明するが、マスタ装置101とスレーブ装置103〜105も同様のシーケンスを実行することにより時刻同期を行う。
まず、マスタ装置101は、時刻T1にSyncメッセージをスレーブ装置102に送信する(S401)。この際、マスタ装置101はSyncメッセージを送信した時刻T1を記憶する(S402)。次に、マスタ装置101は、時刻T1を含むFollow_upメッセージをスレーブ装置102に送信する(S403)。
なお、Syncメッセージ、および、Follow_upメッセージは、各々、ユニキャストにより送信されてもよいし、マルチキャスト(同報送信)により送信されてもよい。
スレーブ装置102は、マスタ装置101からSyncメッセージを受信すると、受信時刻T2を記憶する(S404)。続いて、スレーブ装置102は、Follow_upメッセージを受信し、該Follow_upメッセージから、Syncメッセージの送信時刻T1を取得する(S405)。
これにより、スレーブ装置102は、マスタ装置101からスレーブ装置102までの通信遅延Tmsdを計算することができる。具体的には、マスタ装置101に対するスレーブ装置102の時刻オフセットをTmsとすると、マスタ装置101からスレーブ装置102までの通信遅延Tmsdは次に示す式のように表わすことができる。
Tmsd=(T2+Tms)−T1=(T2−T1)+Tms (1)
Follow_upメッセージを受信したスレーブ装置102は、時刻T3にDelay_Reqメッセージをマスタ装置101に送信する(S406)。この際、スレーブ装置102はDelay_Reqメッセージを送信した時刻T3を記憶する(S407)。
マスタ装置101は、Delay_Reqメッセージを受信すると、Delay_Reqメッセージの受信時刻T4を記憶する(S408)。次に、マスタ装置は、受信時刻T4を含むDelay_Respメッセージをスレーブ装置102に送信する(S409)。
スレーブ装置102は、マスタ装置101からDelay_Respメッセージを受信し、該Delay_Respメッセージから、マスタ装置101におけるDelay_Respメッセージの受信時刻T4を取得する(S410)。
これにより、スレーブ装置102は、スレーブ装置102からマスタ装置101までの通信遅延Tsmdを次のように計算することができる。
Tsmd=T4−(T3+Tms)=(T4−T3)−Tms (2)
なお、Tmsはマスタ装置に対するスレーブ装置の時刻オフセットである。
式(1)(2)からだけでは、時刻オフセットTmsを求めることはできない。そこで、通信経路が対称的であると仮定し、通信遅延をTdとする。
Tmsd=Tsmd=Td (3)
そして、式(1)(2)(3)の連立方程式を解くことにより、通信遅延Tdと時刻オフセットTmsを求めることができる。

スレーブ装置102は、式(5)に基づいて時刻オフセットを導出し、自装置の時計を補正し、マスタ装置101の時計と同期を取る。以上のように、時刻同期は実行される。
図5は、記憶部301に記憶されたプログラムを制御部302が読み出し、それを実行することで実現される処理の流れを示すフローチャートである。当該フローチャートは、IEEE1588に規定されたアルゴリズムに従ってマスタ装置101が、IEEE1588に規定されたマスタ装置として選択された際に実現される。
本フローにより、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信するか、UDP/IPパケットのペイロードとして送信するかを決定する。
また、図5に示すフローチャートの少なくとも一部をハードウェアにより実現してもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路を生成すればよい。FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの略である。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。この場合、以下のフローチャートにおける各ブロックは、ハードウェアブロックとして見做すことができる。
マスタ装置101は、ネットワーク上にルータが存在するかを判定する(S501)。ここでは、マスタ装置101は、インターネット制御メッセージプロトコル(ICMP)のルータ発見メッセージを送信し、応答を受信したかを確認する。応答を受信した場合には、ネットワーク上にルータが存在すると判定され、応答を受信しなかった場合には、ネットワーク上にルータが存在しないと判定される。なお、ICMPとはInternet Control Message Protocolの略である。
ルータが存在しない場合、マスタ装置101は、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信しても、全てのスレーブ装置まで、当該PTPメッセージを届けることができる。従って、ルータが存在しないと判定された場合(S502のNo)、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信すると決定する(S510)。この結果、各装置の処理負荷の増加が抑えられ、高い同期精度を得ることができる。その後、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信する(S511)。
一方、ルータが存在すると判定された場合(S501のYes)、マスタ装置101は、ルータが管理するサブネットワークに属する各装置からの応答を要求する問合せ信号を送信する(S502)。なお、複数のルータが存在する場合には、複数のルータの各々のサブネットワークに問合せ信号を送信する。ここでは、マスタ装置101は、ルータ121が管理するサブネットワークにARP信号を送信する。ここで、ARPとはAddress Resolution Protocolの略であり、ARP信号とはアドレス解決プロトコル(ARP)要求である。
そして、マスタ装置101は、問合せ信号に対する応答の有無を確認する(S503)。
問合せ信号に対する応答がなかった場合(S503のNo)、マスタ装置101とルータを介して接続されたスレーブ装置は存在しないと考えられる。そこで、このような場合、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信すると決定する(S510)。その後、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信する(S511)。
一方、問合せ信号に対する応答があった場合(S503のYes)、マスタ装置101とルータを介して接続された装置が存在する。本実施形態においては、マスタ装置101は、スレーブ装置105からARP信号に対する応答を受信することで、マスタ装置101とルータを介して接続された装置が存在すると判定する。
このような場合、マスタ装置101は、マスタ装置101とルータを介して接続された装置に対して、PTPメッセージをUDP/IPパケットのペイロードとして送信する(S504)。ここでは、マスタ装置101は、Syncメッセージ、および、Follow_upメッセージをスレーブ装置105へ送信する。その後、マスタ装置101は、マスタ装置101とルータを介して接続された装置(本実施形態におけるスレーブ装置105)からのDelay_Reqメッセージを、所定時間、待ち受ける(S505)。
そして、マスタ装置101は、マスタ装置101とルータを介して接続された装置(本実施形態におけるスレーブ装置105)からDelay_Reqメッセージを受信したかを確認する(S506)。
Delay_Reqメッセージを受信しなかった場合(S506のNo)、マスタ装置101とルータを介して接続された装置は、同期処理を行うスレーブ装置ではないと考えられる。従って、マスタ装置101とルータを介して接続されたスレーブ装置は存在しないと考えられるため、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信すると決定する(S510)。その後、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信する(S511)。
一方、Delay_Reqメッセージを受信した場合(S506のYes)、マスタ装置101とルータを介して接続された装置は、同期処理を行うスレーブ装置であると考えられる。このようなスレーブ装置に対して、マスタ装置101がPTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信してしまうと、ルータにおいてPTPメッセージが転送されず、スレーブ装置まで届かない。そこで、マスタ装置101はPTPメッセージをUDP/IPパケットで送信する必要がある。
マスタ装置101は、計測部306が計測したマスタ装置101の負荷が所定の閾値を超えているかを判定する(S507)。なお、当該閾値は、マスタ装置101がPTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信すると共にUDP/IPパケットのペイロードとして送信した場合に、マスタ装置101の同期精度に影響を与えるか否かを基準に選択された値である。マスタ装置101の負荷は、スレーブ装置が多数存在することによるPTPメッセージの増加や、同期コンテンツの通信量が多い場合などに、高くなる。
なお、ここでは、マスタ装置101のCPUの使用率が所定の閾値(第1の閾値)を超えているかを判定する。しかしながら、当該判定に代えて、通信部305における単位時間当たりの通信量が所定の閾値(第2の閾値)を超えているかを判定するようにしてもよい。また、スイッチングハブから単位時間当たりの通信量の情報を取得し、当該通信量が所定の閾値(第3の閾値)を超えているかを判定するようにしてもよい。
マスタ装置101の負荷が所定の閾値を超えていない場合(S507のNo)、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信すると共に、UDP/IPパケットのペイロードとして送信すると決定する(S508)。具体的には、マスタ装置101とルータを介して接続されたスレーブ装置105に対しては、PTPメッセージをUDP/IPパケットのペイロードとして送信すると決定する。そして、その他のスレーブ装置102〜104に対してはPTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信すると決定する。その後、マスタ装置101は、各スレーブ装置に対し、上述のように決定された送信方法に従ってPTPメッセージを送信する(S511)。
このように、スレーブ装置の接続形態に応じて、適切な方式でPTPメッセージを送信する。前述したように、PTPメッセージはイーサネットフレームのペイロードとして送信した方が、同期精度が高い。例えば、図4に示した同期ネットワーク100の中でスレーブ装置102のみ性能が低く、同期精度が低い場合、PTPメッセージをUDP/IPパケットのペイロードとして送信するのでは、要求する同期精度を満たせない可能性がある。このよう場合、スレーブ装置102は、同期から外れてしまう。しかし、PTPメッセージはイーサネットフレームのペイロードとして送信することで同期精度が向上し、スレーブ装置102も同期から外れる可能性を低減させることができる。
一方、マスタ装置101の負荷が所定の閾値を超えている場合(S507のYes)、PTPメッセージをUDP/IPパケットのペイロードとして送信すると決定する(S509)。その後、マスタ装置101は、スレーブ装置に対し、PTPメッセージをUDP/IPパケットのペイロードとして送信する(S511)。
この場合、PTPメッセージに関する処理負荷を抑えるため、マスタ装置101は、PTPメッセージをイーサネットフレームのペイロードとして送信することはしない。これにより、マスタ装置101の処理負荷が抑えられるので、マスタ装置101の処理負荷によってネットワーク内の同期精度の劣化を防ぐことが可能である。
このように、ネットワークの構成に合わせて、PTPメッセージ送信のフレームフォーマットを選択することで、ネットワークの同期精度の低下を抑えることが可能である。
なお、マスタ装置101は当該フローチャートを周期的に繰り返すようにしてもよい。また、これに代えて、もしくは、加えて、マスタ装置101が新規のスレーブ装置からPTPメッセージを受信した場合や、ネットワーク構成が変更された場合に、当該フローチャートを実行してもよい。
ネットワークの構成が変更されたかは、例えば、マスタ装置101が問合せ信号(例えば、ARP信号)を送信し、その応答を受信した際に、いずれの装置から応答を受信したかを確認することによって、判定することができる。即ち、新規の装置から応答を受信した場合には、ネットワーク構成が変更されたと判定することができる。また、マスタ装置101がARP信号を送信したにも拘わらず、その応答を既存の装置の少なくとも一部から受信できなかったことに応じて、ネットワーク構成が変更されたと判定することができる。
このようにすることで、ネットワーク構成が変更されたことに追随して、適切なPTPメッセージ送信のフレームフォーマットを選択でき、ネットワークの同期精度の低下を抑えることが可能である。
また、上述のフローチャートにおけるS502〜506を省略してもよい。これによれば、マスタ装置101の処理負荷を軽減することができる。
また、S507に代えて、ユーザ設定に従ってS508もしくはS509に進むようにしてもよい。これによれば、ネットワーク構成とユーザ設定に基づいて、適切なPTPメッセージ送信のフレームフォーマットを選択することができる。
また、S507に代えて、各スレーブ装置の機能情報や負荷情報に基づいてS508もしくはS509に進むようにしてもよい。具体的には、最も機能の低いスレーブ装置が有する機能が所定の閾値を超えている場合にはS508に進み、超えていない場合にはS509に進む。この際、最も機能の低いスレーブ装置が有する機能に代えて、マスタ装置とスレーブ装置のうち、最も機能の低い装置が有する機能としてもよい。
もしくは、最も負荷の高いスレーブ装置の負荷が所定の閾値を超えている場合にはS508に進み、超えていない場合にはS509に進む。この際、最も負荷の高いスレーブ装置の負荷に代えて、マスタ装置とスレーブ装置のうち、最も負荷の高い装置の負荷としてもよい。これにより、ネットワークを構成する装置の状況に応じたPTPメッセージ送信のフレームフォーマットを選択することができる。
上述のようにして、ネットワーク構成に応じた送信方法で同期メッセージを送信することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 同期ネットワーク
101 マスタ装置
102 スレーブ装置A
103 スレーブ装置B
104 スレーブ装置C
105 スレーブ装置D
121 ルータ

Claims (20)

  1. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、
    前記他の通信装置と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記同期ネットワークにルーティング装置が存在するかを確認する第1の確認手段と、
    前記第1の確認手段により前記同期ネットワークにルーティング装置が存在することが確認された場合、当該ルーティング装置が管理するサブネットワークに前記他の通信装置が属するか否かを確認する第2の確認手段と、
    を更に有し、
    前記第1の判定手段は、前記第1の確認手段による確認の結果と前記第2の確認手段による確認の結果とに基づいて、前記他の通信装置と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定することを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  3. 前記第1の確認手段は、ICMP(Internet Control Message Protocol)に準拠したメッセージを送信することにより、前記同期ネットワークにルーティング装置が存在するかを確認することを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  4. 前記第2の確認手段は、ARP(Address Resolution Protocol)に準拠したメッセージを送信することにより、前記ルーティング装置が管理するサブネットワークに前記他の通信装置が属するか否かを確認することを特徴とする請求項またはに記載の通信装置。
  5. 複数の他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、
    前記複数の他の通信装置の各々と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記複数の他の通信装置に送信する、前記通信装置と前記複数の他の通信装置の各々とが同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  6. 前記決定手段は、前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記複数の他の通信装置の各々について、前記同期メッセージの送信方法を決定することを特徴とする請求項に記載の通信装置。
  7. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、
    前記同期ネットワークにルーティング装置が存在するか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  8. 前記決定手段は、前記同期メッセージを送信するフレームに、IP(Internet Protocol)ヘッダを含めるか否かを決定することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の通信装置。
  9. 前記決定手段は、前記同期メッセージを、イーサネットフレームのペイロードとして送信するか、UDP(User Datagram Protocol)/IP(Internet Protocol)パケットのペイロードとして送信するかを決定することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の通信装置。
  10. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、
    前記同期ネットワークのネットワーク構成を判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージのフレームに、IP(Internet Protocol)ヘッダを含めるか否かを決定する決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された前記同期メッセージを送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  11. 前記送信手段は、前記同期メッセージを含むイーサネットフレームを送信することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の通信装置。
  12. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置であって、
    前記同期ネットワークのネットワーク構成を判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージのフレームを、イーサネットフレームのペイロードとして送信するか、UDP(User Datagram Protocol)/IP(Internet Protocol)パケットのペイロードとして送信するかを決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定された前記同期メッセージを送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  13. 前記第1の判定手段による判定を周期的に繰り返すことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置。
  14. 前記同期メッセージは、PTP(Precision Time Protocol)に準拠したメッセージであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の通信装置。
  15. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置の制御方法であって、
    前記他の通信装置と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定する判定工程と、
    当該判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  16. 複数の他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置の制御方法であって、
    前記複数の他の通信装置の各々と前記通信装置とがルーティング装置を介して接続されているかを判定する判定工程と、
    当該判定の結果に基づいて、前記複数の他の通信装置に送信する、前記通信装置と前記複数の他の通信装置の各々とが同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  17. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置の制御方法であって、
    前記同期ネットワークにルーティング装置が存在するか否かを判定する判定工程と、
    当該判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージの送信方法を決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された送信方法に従って、前記同期メッセージを送信する送信工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  18. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置の制御方法であって、
    前記同期ネットワークのネットワーク構成を判定する判定手段と、
    当該判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージのフレームに、IP(Internet Protocol)ヘッダを含めるか否かを決定する決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された前記同期メッセージを送信する送信工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  19. 他の通信装置と同期ネットワークを構成する通信装置の制御方法であって、
    前記同期ネットワークのネットワーク構成を判定する判定工程と、
    当該判定の結果に基づいて、前記通信装置と前記他の通信装置が同期するための同期メッセージのフレームを、イーサネットフレームのペイロードとして送信するか、UDP(User Datagram Protocol)/IP(Internet Protocol)パケットのペイロードとして送信するかを決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された前記同期メッセージを送信する送信工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  20. コンピュータを、請求項1から14のいずれか1項に記載の通信装置として動作させるためのプログラム。
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