JP6676261B2 - 衝撃波発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃波発生装置に関する。
従来知られている食品の代表的な加工法としては、火や赤外線を用いた加熱加工、包丁等の刃物を用いる細片化加工、応力を加えて行う圧潰加工・破砕加工等、乾燥空気や冷気で含水率を減少させる乾燥加工、電子レンジ等の電磁波を用いて分子振動を加速する電磁波加工、等が知られている。その一方で、近年、先進的な調理方法として、水中で爆発させた爆薬が発生する衝撃波を用いる食品の加工(以下、衝撃波加工)に注目が集まっている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の衝撃波加工は、果物、野菜、穀物及び農作物からなる食品を衝撃波発生源と共に衝撃波の伝搬媒体としての液体中に設置した後、液体中で発生させた5MPaより大きく500MPa以下の圧力を伴う衝撃波を食品に与えることにより、食品中の細胞壁を破壊して軟化させる技術である。衝撃波加工においては、衝撃波によって瞬間的に細胞壁を破壊するため食品を加熱しない。このため、食品の香りや栄養分を損なわずに瞬時に食品を軟化、粉砕することができる。
すなわち、衝撃波加工を用いると、食品本来の味、色、香りを加熱によって損なわずに軟化することができる。例えば、サラダ等の生食品を真空パックした状態で衝撃波加工することにより、咀嚼が困難な高齢者や病人であっても生食品本来の味、色、香りを楽しむことができる。
特開2012−147800公報
上述した特許文献1には、衝撃波発生源の具体例として、電気雷管を使用して導爆線を起爆させて発生させた爆発エネルギーを利用して衝撃波を発生させるものが記載されている。その他、電気的エネルギーを利用するもの、機械的エネルギーを利用するもの、等も利用可能である旨記載されている。電気的エネルギーを利用する衝撃波発生源としては、電気パルスを利用して衝撃波を発生させる電気パルス発生装置が例示されている。機械的エネルギーを利用する衝撃波発生源としては、液体中への金属球の打ち込みを利用して衝撃波を発生させる手法が例示されている。
ただし、爆薬を利用して衝撃波を発生させる手法は、爆発物取扱資格が必要であり、しかも爆薬を使うためには事前準備及び事後処理に非常に手間がかかる。このため、電気的エネルギーを利用した衝撃波発生源、具体的には水中放電で発生する水蒸気爆発を利用する衝撃波発生装置の開発が行われている。
しかしながら、水中放電を利用する衝撃波発生装置は、水中に配設された端子間に瞬間的に大電流を流す必要があるため、電流の導通を切り替えるスイッチに高耐圧、大電流が要求される。このようなスイッチは、高価且つ大型の特注品になる傾向が有り、装置の小型軽量化、低価格化が難しかった。また、特注品のスイッチであっても大電流で破壊される可能性があることも、装置の小型軽量化、低価格化を難しくしていた。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、水中で衝撃波を発生する衝撃波発生装置の小型化及び低価格化を実現することを目的とする。
本発明の態様の1つは、電極間に電圧を加えつつ電極間に電流が流れない程度に電極端部を離間させた第1電極と第2電極の端部空隙に導電性液体を侵入させて電極端部間を液中放電によって導通させ、導電性液体を介して電極端部間で発生する液中放電により発生する導電性液体の蒸気爆発によって衝撃波を発生させることを特徴とする衝撃波発生装置である。
このように構成した衝撃波発生装置においては、第1電極と第2電極との端部間を離間させて端部空隙を設けてあり、第1電極と第2電極の間に電圧を加えても電極間で放電(真空放電又は空気中放電)して電流が流れない程度に(絶縁破壊が生じない程度に)、第1電極と第2電極の端部間を離間させてある。一方、第1電極と第2電極の端部空隙に水等の導電性液体を侵入させて導電性液体が第1電極と第2電極とを電気的に接続すると、端部空隙に液中放電が発生し、この液中放電によって発生する蒸気爆発が衝撃波を発生することになる。このように、第1電極と第2電極の間の端部空隙を、衝撃波発生のスイッチとして機能させつつ衝撃波の発生源ともなるため、別途に半導体スイッチ等の回路素子を用意する必要が無く、装置の小型化及び低価格化を実現することができる。
本発明の選択的な態様の1つは、本衝撃波発生装置は、更に、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加する電源部と、対向離間配置された前記第1電極と前記第2電極の電極端部を包括的且つ水密に覆蓋する遮蔽部と、前記遮蔽部の外部を浸漬する導電性液体を保持する保持容器と、前記遮蔽部に覆蓋された前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入する液導入部と、を備えることを特徴とする衝撃波発生装置である。
このように構成した衝撃波発生装置においては、保持容器内に保持した導電性液体を、第1電極と第2電極の間の端部空隙に侵入させる導電性液体として利用できるとともに、端部空隙で発生する液中放電によって生じる衝撃波が、保持容器内の導電性液体を媒体として伝搬することになる。すなわち、第1電極と第2電極の間の導通に用いる導電性液体と、衝撃波を伝搬させる媒体としての液体を共通化することで、装置構成をシンプル化することができる。また、電極端部と保持容器内の導電性液体とを遮蔽部で仕切る構成としてあるため、遮蔽部による仕切りを解除するだけで、第1電極と第2電極の間の導通及び液中放電の発生、保持容器内の導電性液体を伝搬する衝撃波の発生、の順に装置を動作させることができる。
本発明の選択的な態様の1つとしては、前記液導入部は、前記遮蔽部を前記第1電極又は第2電極に沿ってスライド移動させることにより、前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入することを特徴とする衝撃波発生装置である。
このように構成した衝撃波発生装置においては、遮蔽部を第1電極又は第2電極に沿ってスライド移動させる構成を採用しているため、遮蔽部による電極端部と保持容器内の導電性液体との仕切の解除が容易であり、しかも、端部空隙に導電性液体が侵入するよりも早く端部空隙に面しない位置まで遮蔽部を移動させれば、衝撃波による影響が遮蔽部に及ばずに済む。すなわち衝撃波によって遮蔽部が破損せずに済むため、遮蔽部を繰り返し利用可能となる。
本発明の選択的な態様の1つとしては、前記液導入部は、前記遮蔽部を破断して前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入することを特徴とする衝撃波発生装置である。
このように構成した衝撃波発生装置においては、遮蔽部を破断するというシンプルな方法で遮蔽部による電極端部と保持容器内の導電性液体との仕切の解除が可能である。すなわち、遮蔽部を移動させるための構成が不要であり、装置構成をシンプルにできる。
本発明の選択的な態様の1つとしては、前記電源部は、高電圧発生回路と容量素子とを有し、前記容量素子の一方の端子が前記第1電極に接続され、前記容量素子の他方の端子が前記第2電極に接続されており、前記高電圧発生回路が前記容量素子を充電した後、前記液導入部が前記遮蔽部に覆蓋された前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入し、当該導電性液体によって前記第1電極の端部と前記第2電極の端部の間が電気的に接続される、ことを特徴とする衝撃波発生装置である。
このように構成した衝撃波発生装置においては、容量素子に充電した電圧を利用して第1電極と第2電極の端部間に電圧を印加する構成を採用しているため、1回の衝撃波発生を行うにあたり、第1電極と第2電極の間に流れる電流量を容量素子の容量に応じた量に調整することができる。
なお、以上説明した衝撃波発生装置は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。
本発明に係る衝撃波発生装置によれば、水中で衝撃波を発生する衝撃波発生装置の小型化及び低価格化を実現することができる。
本実施形態に係る衝撃波発生装置の構成例を説明する図である。 衝撃波発生装置の動作を説明する図である。 衝撃波発生装置の動作を説明する図である。 衝撃波発生装置の動作を説明する図である。 衝撃波発生装置の動作を説明する図である。 衝撃波発生部が真空状態の衝撃波発生装置に流れる放電電流の測定結果である。 衝撃波発生部に空気が存在する衝撃波発生装置に流れる放電電流の測定結果である。 従来の衝撃波発生装置を用いた場合の放電電流の測定結果である。 従来の衝撃波発生装置を説明する図である。 衝撃波に曝された対象物である林檎の写真である。
本実施形態に係る衝撃波発生装置は、電極間に電圧を印加しつつ電極間が通電しない程度に電極端部を離間させた2つの電極の端部空隙に導電性液体を注入することにより、導電性液体を介して電極端部間を液中放電により導通させ、この導電性液体を介した液中放電により導電性液体を蒸気爆発させて衝撃波を発生させるものである。すなわち、蒸気爆発を発生させるための導電性液体が、通常は非通電状態に維持されている2つの電極間を導通させるスイッチとしての役割をも果たす構成も担っている。
このため、従来の水中放電を用いる水蒸気爆発式の衝撃波発生装置において必要なスイッチ素子が本実施形態に係る衝撃波発生装置では不要化し、水中放電を用いる水蒸気爆発式の衝撃波発生装置に比べて装置の小型軽量化、低価格化を図ることができる。むろん、爆薬を用いて衝撃波を発生させる衝撃波発生装置に比べて事前準備及び事後処理の手間が簡単になることは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係る衝撃波発生装置の構成例を説明する図である。
同図に示す衝撃波発生装置100は、衝撃波の伝搬媒体11となる液体(水等)を保持する保持容器10、保持容器10内の液体中に配置されて液中放電(水中放電等)による蒸気爆発(水蒸気爆発等)によって衝撃波を発生させる衝撃波発生部20、及び、衝撃波発生部20に電源電圧を供給する電源部30を備えている。
なお、以下では、保持容器10内に保持される伝搬媒体11として導電性液体である水を例に取り、液中放電として水中放電を例に取って説明を行う。また、後述する絶縁解除部25によって放電部23に侵入する導電性液体についても水を例に取り説明を行う。
衝撃波発生部20においては、衝撃波発生時に衝撃波発生部20内で流れる電流経路の一部として衝撃波の発生源となる水中放電の放電路が組み込まれている。すなわち、衝撃波発生部20は、放電路の水中放電の有無が電流のスイッチとして機能しており、その電流経路の一部である放電路において水中放電が発生すると電流が流れて衝撃波を発生し、当該放電路において水中放電が発生しない間は電流が流れず、衝撃波が発生しない構成となっている。
具体的には、衝撃波発生部20においては、離間状態の第1電極21と第2電極22の間を水中放電の放電路とする構成が採用されており、第1電極21と第2電極22の間の隙間として設けられる放電部23が絶縁媒体(非絶縁破壊状態の空気、真空、等)で満たされて絶縁状態に保たれた状態と、放電部23に水が侵入して第1電極21と第2電極22との間で発生する水中放電によって第1電極21と第2電極22との間が電気的に接続された状態と、を切り替えるための構成を有している。なお、第1電極21と第2電極22との間を電気的に接続する水は、保持容器10が保持する水でもよいし、保持容器10が保持する水以外の水でもよい。
衝撃波発生部20は、第1電極21と第2電極22の間を絶縁状態に保つべく放電部23を外部の水から遮蔽する遮蔽部24と、遮蔽部24に覆蓋された第1電極21と第2電極22の電極端部間の放電部23に水を導入する液導入部としての絶縁解除部25(不図示) と、を有する。絶縁解除部25は、遮蔽部24による放電部23の遮蔽を解除したり、遮蔽部24の遮蔽を維持しつつも放電部23へ水を導入したりすることにより、第1電極21と第2電極22との間に水中放電を発生させて第1電極21と第2電極22の間の絶縁を解除する。
以下、図1を参照しつつ、第1の構成例について具体的に説明する。
第1電極21は、端部21aを除いて防水性の絶縁皮膜21bで覆われており、端部21a以外の部位は保持容器10内の水と絶縁されている。同様に、第2電極22も、端部22aを除いて防水性の絶縁皮膜22bで覆われており、端部22a以外の部位は保持容器10内の水と絶縁されている。第1電極21及び第2電極22は、電極表面と絶縁皮膜21b,22bとの間を密着、又はグリース等の撥水性充填剤が充填されており、電極表面と絶縁皮膜21b,22bの間に浸水しないようになっている。
第1電極21の端部21aと第2電極22の端部22aは、その絶縁皮膜21b、22bから露出した端面同士が対向配置されており、端部21aと端部22aの間に放電部23としての隙間が形成されるように離間配置される。放電部23は真空状態であってもよいし空気が存在してもよい。なお、隙間としての放電部23は、常時設けられている必要は無く、端部21aと端部22aの間に電圧が印加される以前に形成され、端部21aと端部22aの間で水中放電による蒸気爆発が発生して衝撃波が発生した後まで維持されていればよい。
放電部23における端部21aと端部22aの離間距離は、放電部23に水を注入する前の状態(真空又は空気が存在する状態)において端部21aと端部22aの間に印加される電圧によって絶縁破壊が生じない程度以上の距離とする。
電源部30は、第1電極21と第2電極22の間に電圧を印加するものであり、当該印加電圧に応じた電圧が端部21aと端部22aの間に発生する。電源部30は、例えば、高電圧発生回路31と容量素子32とを有する。
高電圧発生回路31の高電圧側出力端子31aは第1電極21に接続され、高電圧発生回路31の低電圧側出力端子31bは第2電極22に接続される。高電圧発生回路31は、不図示の商用電源等から供給される電源電圧を所望の高電圧まで昇圧する昇圧回路の構成を有する。なお、高電圧発生回路31は、不図示の制御部によって、昇圧電圧の出力タイミング、昇圧して出力する電圧値、等を制御される。
容量素子32の一方の端子32aは第1電極21に接続され、容量素子32の他方の端子32bは第2電極22に接続される。同時に、容量素子32の一方の端子32aは高電圧発生回路31の高電圧側出力端子31aに接続され、容量素子32の他方の端子32bは低電圧側出力端子31bに接続される。すなわち、高電圧発生回路31と容量素子32は第1電極21と第2電極22に対して並列に接続されている。このため、端部21aと端部22aとの間が絶縁状態に維持されている場合、高電圧発生回路31が高電圧側出力端子31aと低電圧側出力端子31bの間に電圧を印加すると、この電圧によって容量素子32が充電される。
遮蔽部24は、第1電極21の絶縁皮膜から露出した端部21a、第2電極22の絶縁皮膜から露出した端部22a、及び、端部21aと端部22aの間に形成される放電部23を包括的且つ水密に覆蓋して外部の水から遮蔽している。遮蔽部24の外部は保持容器10内に保持された水の中に浸漬されている。この状態においては、遮蔽部24によって覆蓋された放電部23の中には水が存在せず、端部21aと端部22aの間は絶縁状態に維持されている。
絶縁解除部25は、端部21aと端部22aの間の絶縁状態を解消する。具体的には、放電部23に水を侵入させることにより、端部21aと端部22aの間の絶縁状態を解消する。すなわち、端部21aと端部22aの間を水によって電気的に接続する。
絶縁解除部25は、遮蔽部24によって覆蓋されている放電部23に水を侵入させることができれば様々な構成を採用可能であり、例えば、遮蔽部24をスライドさせて遮蔽部24による遮蔽を解除することで放電部23を保持容器10内の水に対して開放する構成、遮蔽部24を破断して遮蔽部24による遮蔽を解除することで保持容器10内の水を放電部23に流入させる構成、注射器等の液注入器を用いて遮蔽部24内に水を注入する構成、等が考えられる。
以下では、遮蔽部24をスライドさせて遮蔽部24による放電部23の遮蔽を解除する構成について説明する。
遮蔽部24は、第1電極21又は第2電極22の外形と略一致する内形を有する筒型に構成され、第1電極21又は第2電極22の外面と遮蔽部24の筒内面との間にOリング等のシール部材26を介装し、第1電極21又は第2電極22の外面と遮蔽部24の筒内面との間に気密性を高めるシリコーングリース等の潤滑性を充填する。遮蔽部24は、放電部23への水の侵入を防ぐものであり、放電部23が真空の場合は1気圧程度の耐圧があればよく、放電部23が空気の場合は水中で形状を維持できれば耐圧は殆ど不要である。また、第1電極21と第2電極22の間は絶縁皮膜21b、22b及び、放電部23の気体で確実に絶縁されているので、遮蔽部24が耐電圧を有する必要はない。従って、遮蔽部24は導体の金属で構成してもよい。そして、絶縁解除部25は、遮蔽部24に牽引部材27(ワイヤーやバネ等)を接続し、牽引部材27を用いて第1電極21又は第2電極22の外表面に沿って遮蔽部24の筒内面が摺動するように駆動する。
絶縁解除部25が牽引部材27を介して遮蔽部24を第1電極21又は第2電極22の外形に沿ってスライド移動させる と、放電部23が外部に開放され、保持容器10内の水が放電部23に流入する。これにより、端部21aと端部22aの間が水を介して導通し、端部21aと端部22aの間で水中放電が発生し、水中放電によって水が急速に蒸発膨張する蒸気爆発が発生し、衝撃波が発生する。
図2〜図5は、衝撃波発生装置100の動作を説明する図である。本実施形態に係る衝撃波発生装置100は、初期状態において端部21aと端部22aは接触状態としてあり、放電部23の隙間は未形成としてある(図2)。
衝撃波を発生させるには、まず、不図示の駆動装置を用いて第1電極21と第2電極22とが互いに離間する方向に第1電極21と第2電極22の少なくとも一方を牽引する。これにより、端部21aと端部22aとが離間して放電部23の隙間が形成される(図3)。このとき、端部21aと端部22aが遮蔽部24によって包括的且つ水密に覆蓋されており、第1電極21又は第2電極22の外面と遮蔽部24の筒内面との間にOリング等のシール部材26が介装されるとともに、第1電極21又は第2電極22の外面と遮蔽部24の筒内面との間に気密性を高めるシリコーングリース等の潤滑材を充填してあるため、放電部23には水や空気が流入せず、放電部23を真空状態とすることができる。
なお、真空状態の放電部23を形成する方法としては、当初密着状態の端部21aと端部22aとを離間させて形成する他、当初から端部21aと端部22aとを離間させて空気を充填した状態の放電部23を吸引機で真空吸引して形成してもよい。真空吸引する場合、具体的には、第1電極21又は第2電極22の内部に電極の長さ方向に沿って延びる細長い空洞を形成しておき、放電部23と反対側の空洞開口に吸引ホースの一端を接続し、吸引ホースの他端を吸引機に接続する。このような真空吸引で真空状態の放電部23を形成する場合、第1電極21と第2電極22の少なくとも一方を牽引する駆動装置が不要であり、真空吸引後に放電部23に水を侵入させるだけで衝撃波を発生させることが可能になる。
端部21aと端部22aとを離間させて放電部23を形成した後、高電圧発生回路31の高電圧側出力端子31aと低電圧側出力端子31bの間に電圧を発生させ、この電圧によって容量素子32の充電を開始する。
そして、容量素子32に十分に充電された後、絶縁解除部25が牽引部材27を介して遮蔽部24を第1電極21又は第2電極22の外形に沿ってスライド移動させ、遮蔽部24が放電部23を覆蓋しない状態、すなわち放電部23が保持容器10の水に対して開放された状態に変化させる(図4)。
すると、保持容器10内の水が放電部23に流入し、端部21aと端部22aの間が水を介して導通する。これにより、端部21aと端部22aの間で水中放電が発生し、水中放電によって水が急速に蒸発膨張する蒸気爆発が発生し、衝撃波が発生する(図5)。なお、衝撃波の影響で遮蔽部24が破損等しないようにするためには、遮蔽部24のスライド移動の速度を十分に大きくして、端部21aと端部22aの間が水で接続される前に、遮蔽部24を放電部23に面する位置から退避させる。むろん、1回の衝撃波発生毎に遮蔽部24も破損するものとして、遮蔽部24を消耗品として交換する構成としてもよい
放電部23で急速に蒸発膨張する水によって生じる衝撃波は、端部21aと端部22aの間の水中放電によって発生するため、端部21aと端部22aとを結ぶ線に対して略垂直な方向が伝搬方向となる。衝撃波は、放電部23の外に伝搬すると端部21aと端部22aとを結ぶ線の方向にも拡散しつつ保持容器10内の水を伝搬する。従って、放電部23近くに対象物(図中に示す林檎等)を配置する程、対象物に対して強力な衝撃波加工を行うことができる。なお、衝撃波加工は、林檎等の食品加工に限るものではなく、様々な物質の軟化、粉砕、衝撃波で板金を金型に押圧して行う型取り加工、食品や植物等からの有用成分の抽出、殺菌等、様々な分野で利用することができる。
図6,図7は、放電中の上述した衝撃波発生装置100の端子間電圧(放電電圧Vout)及び衝撃波発生装置100から流れ出る電流(放電電流Iout)の測定結果である。図8は、従来の衝撃波発生装置を用いた場合の放電電圧Vout及び放電電流Ioutの測定結果である。図8に示す測定結果は、図9に示すように、遮蔽部等を設けずに直接に電極を水中に配置し、水の外に配置したメカニカルスイッチを、容量素子と電極とを接続する線路上に設けてある。このメカニカルスイッチをオン/オフすることで、水中の電極間に放電電流Ioutを発生させる構成である。
図6〜図8は、デジタルオシロスコープで測定したものであり、チャンネル1は高圧プローブを用いた容量素子の両端電圧の測定結果であり(感度は1kV/div)、チャンネル2は電圧/電流比が0.5mV/Aのロゴスキーコイルを用いた第1電極21に接続される配線に流れる電流の測定結果である(表示上は1V/div、電流換算では2kA/div)。なお、チャンネル2には、電流が流れる配線の軟銅撚線の1本をロゴスキーコイルに咬ませて測定しており、実際に配線を流れる電流の1/17.4の電流に相当する電圧値が表示されている。従って、チャンネル2の実際の感度は、34.7kA/div、である。
容量素子32には200μFのキャパシタを用い、3.5kVまで充電した。放電電流Ioutが流れる配線ケーブルの寄生インダクタンス(約0.8μH)とキャパシタとでLC直列共振が生じるため、図6〜図8に示す電流・電圧波形は振動している。以下、図6,図7に示す測定結果と図8に示す測定結果とを比較する。
まず、スイッチがオンした瞬間を比較すると、初期電圧値は図6,図7に示す測定結果と図8に示す測定結果とのいずれも約3.5kVであるが、放電電流Ioutについては、図8に示す測定結果の方が値が小さい。これは、メカニカルスイッチがオンした瞬間、このスイッチ部分においてエネルギー消費による損失が発生し、放電電流が小さくなるためである。一方、本実施形態に係る衝撃波発生装置100ではこのような損失が無く、容量素子32に充電されたエネルギーをほとんど損失なく水中放電に利用することができる。
また、ピーク値の推移は、図6,図7に示す測定結果において、放電電流Ioutの各ピーク値(1回目の正の最大値(P1)、1回目の負の最大値(P2)、2回目の正の最大値(P3))を比較すると、P1<P3<P2、の関係となっている。これは、水中放電が発生した直後に放電部23内の水がプラズマ状態となり、急速に温度が上昇して電極間の抵抗が時間と共に減少していくことにより放電電流の最大値が増加したためである。また、図6,図7に示す測定結果では、図8の測定結果に比べて放電電流Ioutの平均値が約2.15倍に上っている。
なお、図6,図7に示す測定結果を比較すると、放電部23を真空にした図6の方の放電電流Ioutが若干大きくなっているが、顕著な違いは現れていない。これは、図6に示す測定時は、遮蔽部24のスライド移動を手動で行ったため遮蔽部24のスライド速度が十分でなく、遮蔽部24が放電部23の全体を水に開放する前に放電部23へ水が侵入したためである。すなわち、遮蔽部24のスライド移動速度が十分に高速であれば、放電部23を真空にした方が放電開始の電流が更に大きくなり、より大きな衝撃波を発生できると考えられる。
図10は、衝撃波に曝された対象物である林檎の写真である。図10(a)は上述した衝撃波発生装置100を用いた結果、図10(b)は図9に示すメカニカルスイッチを用いた衝撃波発生装置を用いた結果である。図10(b)に示す林檎は果肉の半分ほどまでしか軟化できていないが、図10(a)に示す林檎は林檎全体で果肉が軟化されており、本実施形態に係る衝撃波発生装置100によって発生する衝撃波の方が強力であることが分かる。
なお、図10に示す林檎は、放電部23の中心部(端部21aの中心と端部22aの中心とを結ぶ線の中間部)からの距離を2〜3cmと近かったため、林檎の皮も破壊されているが、放電部23の中心部からの距離を離して平面波に近い衝撃波が対象物に当たるようにすれば、林檎の皮を破壊せずに内部の果肉のみを軟化させることも可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また、 本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
10…保持容器、11…伝搬媒体、20…衝撃波発生部、21…第1電極、21a…端部、21b…絶縁皮膜、22…第2電極、22a…端部、22b…絶縁皮膜、23…放電部、24…遮蔽部、25…絶縁解除部、26…シール部材、27…牽引部材、30…電源部、31…高電圧発生回路、31a…高電圧側出力端子、31b…低電圧側出力端子、32…容量素子、32a…端子、32b…端子、100…衝撃波発生装置

Claims (4)

  1. 電極間に電圧を加えつつ電極間に電流が流れない程度に電極端部を離間させた第1電極と第2電極の端部空隙に導電性液体を侵入させて電極端部間を液中放電によって導通させ、導電性液体を介して電極端部間で発生する液中放電により発生する導電性液体の蒸気爆発によって衝撃波を発生させるものであり、
    前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加する電源部と、対向離間配置された前記第1電極と前記第2電極の電極端部を包括的且つ水密に覆蓋する遮蔽部と、前記遮蔽部の外部を浸漬する導電性液体を保持する保持容器と、前記遮蔽部に覆蓋された前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入する液導入部と、を備えることを特徴とする衝撃波発生装置。
  2. 前記液導入部は、前記遮蔽部を前記第1電極又は第2電極に沿ってスライド移動させることにより、前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入することを特徴とする請求項に記載の衝撃波発生装置。
  3. 前記液導入部は、前記遮蔽部を破断して前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入することを特徴とする請求項に記載の衝撃波発生装置。
  4. 前記電源部は、高電圧発生回路と容量素子とを有し、前記容量素子の一方の端子が前記第1電極に接続され、前記容量素子の他方の端子が前記第2電極に接続されており、
    前記高電圧発生回路が前記容量素子を充電した後、前記液導入部が前記遮蔽部に覆蓋された前記第1電極と前記第2電極の電極端部間に前記導電性液体を導入し、当該導電性液体によって前記第1電極の端部と前記第2電極の端部の間が電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の衝撃波発生装置。
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