以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3内には、発射装置(図示せず)により発射された遊技球が流下可能な遊技領域5が表面に区画形成された矩形状の遊技盤6(図2参照)を収納可能としている。また、前面枠3の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の上部の左右両側には、効果音を発する上スピーカ11を備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を配置している。そして、透明部材保持枠8の一側縁(図1中、右側縁)には、パチンコ遊技機1の機種名やメーカー名を表記する等して装飾を施した保持枠突出部8aを前方へ突設し、隣の席から当該パチンコ遊技機1の遊技進行が覗き見られることを保持枠突出部8aにより抑制するように構成されている。また、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、発射装置を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、下皿ユニット14の左右両側方には、効果音を発する下スピーカ16を備え、上皿ユニット13の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出ボタン17を備えている。
遊技盤6は、図2に示すように、遊技板19の表面に複数のサイドケース20を枠状に連結した状態で止着して遊技領域5を区画形成した遊技ベースユニット21を基部とし、遊技領域5の上寄りには、中央部分が開口されたセンターケース23を配設している。そして、該センターケース23の左右両側には、遊技球が通過可能なケース球流下路(右側に位置する第1ケース球流下路26,左側に位置する第2ケース球流下路27)を備え、第1ケース球流下路26の下流側には普図始動ゲート28を配設し、普図始動ゲート28に入賞(通過)した遊技球をゲートスイッチ29により検出可能としている。そして、遊技球の普図始動ゲート28への入賞(詳しくは、ゲートスイッチ29による遊技球の検出)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、第1ケース球流下路26の下流部のうち普図始動ゲート28よりも上流側に位置する箇所の側方には大入賞口31を配設し、第1ケース球流下路26の上流部には一般入賞口32を配設している。なお、大入賞口31の構成については、後で詳細に説明する。
また、センターケース23の中央部分の下方には、左側の第1始動入賞口36と右側の第2始動入賞口37とが左右に並んで備えられた始動入賞ユニット38を配設し、当該始動入賞ユニット38の上部に開設された球受入口38aから遊技球が進入すると、始動入賞ユニット38内で揺動する振分部材が遊技球を振り分けて第1始動入賞口36または第2始動入賞口37のいずれかに入賞させるように構成されている。さらに、始動入賞ユニット38の一側方(図2中、右側方)には、普通電動役物(開閉部材)41aが備えられた第2始動入賞装置41を配設し、他側方(図2中、左側方)には一般入賞口42を配設している。また、第1始動入賞口36には、当該第1始動入賞口36に入賞した遊技球を検出可能な第1始動口スイッチ46を備え、第2始動入賞口37には、当該第2始動入賞口37に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ47を備え、第2始動入賞装置41には、当該第2始動入賞装置41に入賞した遊技球を検出可能な第2始動装置スイッチ48を備えている。そして、第1始動入賞口36への遊技球の入賞(詳しくは、第1始動口スイッチ46による遊技球の検出)を始動条件として特図1変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞口37または第2始動入賞装置41への遊技球の入賞(詳しくは、第2始動口スイッチ47または第2始動装置スイッチ48による遊技球の検出)を始動条件として特図2変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特図1変動表示ゲームの実行中に遊技球が第1始動入賞口36へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図1変動表示ゲームの実行を特図1始動記憶として予め設定された上限数(本実施形態では2つ)まで記憶して保留する。また、特図2変動表示ゲームの実行中に遊技球が第2始動入賞口37または第2始動入賞装置41へ入賞した場合には、この入賞に基づく新たな特図2変動表示ゲームの実行を特図2始動記憶として予め設定された上限数(本実施形態では2つ)まで記憶して保留する。なお、保留された始動記憶の数を表示する構成については、後で詳細に説明する。
さらに、始動入賞ユニット38の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口49を開設し、遊技領域5のうち、センターケース23や始動入賞ユニット38等の遊技用部材の取付部分を除いた箇所には風車や複数の障害釘(いずれも図示せず)を植設している。そして、サイドケース20の一側の下部(図2中、右下部)には一括表示装置51を備え、該一括表示装置51において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)、遊技状態の表示等を行うように構成されている。
また、遊技ベースユニット21の裏面側には、図3に示すように、中央部が透光性を有する制御ユニット(裏面構成体)55を装着し、該制御ユニット54の裏側には表示装置55を装着して制御ユニット54の中央部(透光部)およびセンターケース23の中央部から表示装置55の表示部55aを前方へ臨ませ、複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)を表示部55aで表示可能としている。そして、制御ユニット54の下部には入賞球流路56を備え、該入賞球流路56を始動入賞ユニット38等の入賞装置の後部へ接続し、遊技領域5を流下して入賞装置に入賞した遊技球(入賞球)を入賞球流路56へ回収可能としている。さらに、制御ユニット54の裏側のうち表示装置55の下方には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置58を装着し、表示装置55の裏側には、遊技における演出動作を制御する演出制御装置59を装着している。
次に、センターケース23について説明する。
センターケース23は、図4および図5に示すように、透光性を有する枠状のケースベース61を当該センターケース23の基部として備え、該ケースベース61の中央部分には、表示装置55を視認可能とするケース窓部62を開設している。また、ケースベース61の上辺部の前面には、センターケース23の前方へ向けて突出した庇状の鎧部63をセンターケース23の左右両側へ向けて下り傾斜した円弧状態で配置し、該鎧部63とケース窓部62との間には、発光により装飾演出を実行可能な発光装飾部64を配置している。
さらに、鎧部63の傾斜下端に左右両側のケース球流下路26,27の上流開口をそれぞれ臨ませ、ケース窓部62と各ケース球流下路26,27との間には、遊技球がケース球流下路26,27からケース窓部62への侵入を阻止する球侵入阻止壁66を前方へ向けてそれぞれ突設している。そして、第1ケース球流下路26を左右方向へ蛇行する状態に形成し、該第1ケース球流下路26の下流開口をセンターケース23の下方へ開放している。また、第2ケース球流下路27の下流部には、上下方向に離間した一対の球転動棚67を配置して当該下流部を横向き姿勢で上下に分岐し、各分岐路をセンターケース23の下方へ開放している。
そして、下側の球転動棚67の下方には保留表示部70を備え、該保留表示部70内に特図1保留数表示部71、特図2保留数表示部72、特図1第4図柄表示部73、特図2第4図柄表示部74をそれぞれLED等の発光部材により構成して配設している。具体的には、保留表示部70の上部に2つの特図2保留数表示部72を横に並べて配設し、保留表示部70の上下方向の中間部に2つの特図1保留数表示部71を横に並べて配設し、保留表示部70の下部においては、一側(図2中、左側)に特図1第4図柄表示部73を配設し、他側(図2中、右側)に特図2第4図柄表示部74を配設している。特図1保留数表示部71では特図1変動表示ゲームの実行保留数を発光数により表示し、特図2保留数表示部72では特図2変動表示ゲームの実行保留数を発光数により表示する。また、特図1第4図柄表示部73では、変動図柄の停止態様と合わせて特図1変動表示ゲームの結果を報知するための特図1第4図柄を発光により表示し、特図2第4図柄表示部74では、変動図柄の停止態様と合わせて特図2変動表示ゲームの結果を報知するための特図2第4図柄を発光により表示する。なお、保留表示部70の下部に配設された2つの発光部材を用いて、特図1変動表示ゲームの結果、あるいは特図2変動表示ゲームの結果を報知するための第4図柄を発光により表示するように構成してもよい。また、保留表示部70に保留表示や図柄を表示せず、その代わりに表示装置55の表示部55aに保留表示や図柄を表示してもよい。
また、ケースベース61の下辺部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ転動可能なステージ部76を配置している。さらに、ステージ部76の左右方向の中央部には、遊技球をステージ部76上からステージ部76の前方および下方へ案内する案内溝77を備えている(図2参照)。また、ステージ部76の後方には、ステージ部76上の遊技球が後方の表示装置55側へ進入することを規制する透光性の進入規制壁78を立設し、ステージ部76の一側端(図2中、左側端)には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)79を設けている。そして、球導入路79の入口を第2ケース球流下路27の中流部へ開放し、球導入路79の出口をステージ部76へ向けて開放し、遊技球が第2ケース球流下路27から球導入路79を通ってステージ部76上へ到達できるように構成されている。さらに、ケースベース61のうちステージ部76を挟んで球導入路79とは反対側(図5中、右側)には、遊技の進行(具体的には、大当り状態の発生)に伴って発光による遊技状態の報知を実行可能な発光報知部80を備えている。
第1ケース球流下路26の側方に設けられた大入賞口31は、図4および図5に示すように、ケースベース61のうち普図始動ゲート28の上方からステージ部76側(図5中、左側)へずれた位置に開設された大入賞開口83と、遊技球が第1ケース球流下路26から大入賞開口83へ流下することを許容したり阻止したりする羽根状の大入賞開閉部材84と、該大入賞開閉部材84に開閉動作を行わせる大入賞口ソレノイド85と、大入賞開口83を通過した遊技球(入賞球)を検出可能なカウントスイッチ(大入賞口スイッチ)86とを備えて構成されている。さらに、遊技球の大入賞口31への入賞を阻止する閉状態においては、大入賞開閉部材84が縦向き姿勢となり(図2参照)、遊技球の大入賞口31への入賞を許容する開状態において、大入賞開閉部材84が下端部を回動中心として回動して上端部を第1ケース球流下路26側へ移動するように構成されている(図4および図5参照)。
さらに、ケースベース61のうち大入賞開閉部材84と球侵入阻止壁66との間に位置する箇所には透光性を有する大入賞装飾窓部88を備え、該大入賞装飾窓部88の後方には大入賞発光ユニット89を装着し、該大入賞発光ユニット89から発生する光を大入賞装飾窓部88から大入賞口31の前方へ透過させて発光による装飾を実行可能としている。また、大入賞発光ユニット89の後方には、金属製の放熱板90に装着された大入賞口ソレノイド85を配置するとともに、該大入賞口ソレノイド85をソレノイドカバー91により後方から被覆し、大入賞口ソレノイド85のプランジャと大入賞開閉部材84の回動軸とをクランク部材92で連結している。なお、大入賞発光ユニット89は、発光ユニットベース89aの前側に、LED等の発光体が前面に実装された大入賞発光基板89bを装着し、該大入賞発光基板89bを発光ユニットカバー89cにより前方から被覆し、大入賞発光基板89b上の発光体を発光ユニットカバー89cの透光孔から前方へ臨ませている。また、発光ユニットカバー89cの前側には透光性を有する大入賞装飾パネル89dを装着し、大入賞発光基板89b上の発光体からの光が透光孔、大入賞装飾パネル89d、大入賞装飾窓部88を通ってセンターケース23の前方へ照射されるように構成されている。
そして、図5に示すように、ケースベース61のうち大入賞開口83および球侵入阻止壁66を挟んで大入賞開閉部材84とは反対側(言い換えると、球侵入阻止壁66よりもケース窓部62側)には、大入賞開閉部材84と対をなす装飾開閉部材94を回動可能な状態で備え、該装飾開閉部材94を装飾開閉ソレノイド95により開閉動作を行わせるように構成されている。具体的には、装飾演出を実行していない常態においては、装飾開閉部材94が縦向きの閉姿勢となり(図2参照)、装飾演出を実行した状態においては、装飾開閉部材94が下端部を回動中心として回動して上端部をケース窓部62側へ移動するように構成されている(図4および図5参照)。なお、装飾開閉ソレノイド95は、大入賞口ソレノイド85の横に並んで放熱板90に装着されるとともにソレノイドカバー91により後方から被覆されており、当該装飾開閉ソレノイド95のプランジャと装飾開閉部材94の回動軸とをクランク部材96で連結している。
次に、制御ユニット54について説明する。
制御ユニット54は、図3および図6に示すように、遊技ベースユニット21の裏面に止着されるユニットケース100を前側が開放した状態で備え、該ユニットケース100の後部には矩形状の表示開口窓100aを前後方向へ貫通して開設し、ユニットケース100の後方に装着された表示装置55の表示部55aを表示開口窓100aに臨ませている(図3参照)。さらに、ユニットケース100の前側開放部には、遊技の進行に伴って動作可能な可動役物ユニット(可動演出装置)を複数個(本実施形態では5つ)組み合わせて収納している。具体的に説明すると、ユニットケース100のうち表示開口窓100aの前方に位置する箇所には、中央部が透光性を有する矩形状の中央役物ユニット(第1役物ユニット)101を配置し、該中央役物ユニット101の前側の下部には横長な下側役物フロントユニット(第2役物ユニット)102を装着し、該下側役物フロントユニット102の下部の前方に入賞球流路56を配置している(図6および図7参照)。また、中央役物ユニット101の前側のうち上部から第2ケース球流下路27側の側縁部(図7中、左側縁部)に亘る箇所には倒L字状を呈する上側役物ユニット(第3役物ユニット)103を装着し、中央役物ユニット101の前側のうち第1ケース球流下路26側の側縁部(図7中、右側縁部)には縦長な側縁役物ユニット(第4役物ユニット)104を装着している。さらに、中央役物ユニット101の後側の下部には横長な下側役物リアユニット(第5役物ユニット)105を装着している。そして、下側役物フロントユニット102、上側役物ユニット103、側縁役物ユニット104がセンターケース23の後方においてケース窓部62の開口縁に沿って枠状に位置し、ケースベース61、進入規制壁78、ケース窓部62を通して遊技盤6の前方から視認できるように構成されている(図2参照)。
中央役物ユニット101は、図8に示すように、中央部分が矩形状に開口されて当該中央役物ユニット101の基部となる額縁状の中央ユニットベース(演出ベース)110と、該中央ユニットベース110の上辺部に係合する中央可動機構111と、中央ユニットベース110の表側に装着される矩形状の導光演出機構112とを備えて構成されている。中央可動機構111は、図8から図10に示すように、中央ユニットベース110の上辺部および左右両側辺部の後方に離間した状態で配置される倒コ字状の可動機構ベース115を備え、該可動機構ベース115の上辺部の前面には、左右方向に離間した一対の中央可動アーム116の各上端部をそれぞれ回動可能な状態で軸着し、各中央可動アーム116のうち上端部(軸着部)から下方へずれた箇所には、円弧状の中央アームガイド溝116aを開設し、可動機構ベース115から前方に延設された中央アームガイド突起115aを中央アームガイド溝116aに摺動可能な状態でそれぞれ係合している。さらに、各中央可動アーム116の下端部を互いに左右方向へ離間し、この状態で横長な中央役物部材(可動部材)117へそれぞれ軸着して、各中央可動アーム116により中央役物部材117を昇降可能な状態で支持している。
さらに、各中央可動アーム116の軸着部には、中央可動アーム116と共回りする中央アームギア118をそれぞれ備え、該中央アームギア118同士を複数(本実施形態では3枚)の中央伝達ギア119を介して噛合している。また、可動機構ベース115の上辺部の前面の一側(図9(a)中、右側)には、中央可動機構111の駆動源である中央役物駆動モータ120を備え、該中央役物駆動モータ120の出力軸と共回りする中央駆動ギア121(図9(b)参照)を一側(図9(b)中、左側)の中央アームギア118に噛合している。そして、中央役物駆動モータ120を駆動して回動力を出力すると、この回動力が中央駆動ギア121および中央伝達ギア119を介して各中央アームギア118に伝達されて各中央可動アーム116が同位相で上下方向に回動し、中央可動アーム116同士の間に装着された中央役物部材117が横向き姿勢を維持した状態で上下方向へ移動するように構成されている。
中央可動アーム116の動作により移動可能な中央役物部材117は、図8に示すように、透光性を有する前側カバー部124と、中央可動アーム116が軸着される後側ベース部125との間に中央役物発光基板126を収容し、中央役物発光基板126に実装されたLED等の中央役物発光部材126aが光を発生すると、この光が前側カバー部124を通って遊技盤6の前方へ照射されるように構成されている。また、中央役物部材117の上部には中央役物ガイド突起127を備え、中央ユニットベース110の上辺部に開設された縦向き円弧状の中央可動ガイド溝110aに中央役物ガイド突起127を摺動可能な状態で係合している。言い換えると、中央役物部材117は、中央可動ガイド溝110aおよび中央役物ガイド突起127を介して中央ユニットベース110に動作可能な状態で装着されている。さらに、中央役物部材117の側端部(図9(a)中、左側端部)には中央役物位置検出片128を突設し、可動機構ベース115に設けられた中央役物位置検出センサ129により中央役物位置検出片128を検出可能としている。
このような構成を備えた中央可動機構111においては、中央役物駆動モータ120を駆動して各中央可動アーム116を回動することにより中央役物部材117を昇降し、中央役物ガイド突起127を中央可動ガイド溝110aの上端部へ係合して中央役物部材117を演出非実行位置(上死位置)に配置すると(図9参照)、中央役物部材117が中央ユニットベース110の上辺部と可動機構ベース115の上辺部との間に収容されて上側役物ユニット103および発光装飾部64の後方に隠れ、遊技盤6の前方から視認不能となる(図2参照)。このとき、中央役物位置検出センサ129が中央役物部材117の中央役物位置検出片128を検出して、中央役物部材117が演出非実行位置に配置されていることを把握することができる。また、中央役物ガイド突起127を中央可動ガイド溝110aの下端部へ係合して中央役物部材117を演出実行位置(下死位置)に配置すると(図10参照)、中央役物部材117が中央ユニットベース110の上辺部と可動機構ベース115の上辺部との間から下方へずれて表示装置55の表示部55aの上部の前方に重なり、遊技盤6の前方から視認可能となる(図6参照)。
導光演出機構112は、図8に示すように、表示装置55の表示部55aの前方に重なって配置される透明な導光板131と、該導光板131を左右両側から保持する導光ホルダー132と、導光板131の外方(詳しくは、図8中、右側方)に配置された導光演出発光基板133とを備えて構成されている。そして、導光ホルダー132を中央ユニットベース110の左右両側縁に止着して、導光板131を中央ユニットベース110の中央開口の前方に配置している。また、一側(図8中、右側)の導光ホルダー132と可動機構ベース115との間に縦長な導光演出発光基板133を挟持し、該導光演出発光基板133の上部を基板ブラケット134により可動機構ベース115へ係止して、導光演出発光基板133に実装されるフルカラーLED等の導光演出発光部材135を導光板131の側方(図11(a)中、左側方)に配置している。
導光板131は、透明樹脂や透明ガラスなどの透光性部材で形成された平板であり、遊技者が当該導光板131および中央ユニットベース110の中央開口を通して表示装置55の表示部55aを視認できるように構成されている。また、表示部55a側を向いた裏面には、半球粒状の微細な透明突起137(例えば、粒径が数十μmの半球状突起(図11(a)参照))を複数突設して、キャラクターの描画等を表現するドットパターンDPを施し、演導光演出発光部材135から光を発生させて導光板131の側方から進入させると、この光が各透明突起137内で屈曲して導光板131の前方へ拡散して、遊技者側から目視するとドットパターンDPが発光した状態で見えるように構成されている(図11(b)参照)。
ここで、複数の透明突起137で構成されるドットパターンDPは、例えば、液状の透明樹脂を吐出可能な液体吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)を用いて導光板131に施工されている。また、ドットパターンDPを構成する透明突起137においては、図11(b)に示すように、導光演出発光基板133から遠ざかるにつれて透明突起137の粒径を次第に小さくして、透明突起137の配置数の密度(言い換えると、光が屈曲する箇所の密度)が次第に高くなる状態に設定している。これにより、導光演出発光基板133から遠い場所と近い場所とで、ドットパターンDPの発光の明暗が極端に異なる不都合を抑制するように構成されている。
なお、図11(c)に示すように、導光板131の裏面に透明なコーティング剤等を用いて保護層138を形成して透明突起137を保護すれば、微細な透明突起137が不用意に導光板131から脱落する不都合を避けようとすることができて好適である。また、透明突起137から導光板131の裏側に進行しようとする光を保護層138により反射させて透明突起137の前方へ進行させ易くなり、ドットパターンDPの発光効果を高めようとすることができる。
次に、下側役物フロントユニット102について説明する。
下側役物フロントユニット102は、図12および図13に示すように、横長なフロントユニットベース141の前側に横長なフロントユニットカバー142を装着し、フロントユニットベース141とフロントユニットカバー142の間には横長な下側役物発光ユニット143を収容している。また、下側役物発光ユニット143には、下側役物発光基板144の表面にLED等の下側役物発光部材145を横に並べた状態で複数個実装し、この下側役物発光基板144を裏面側から下側役物基板ホルダー146で保持し、下側役物発光基板144の前方には、各下側役物発光部材145を被覆する透光性の下側役物発光レンズ部材147を装着している。そして、フロントユニットカバー142のうち下側役物発光レンズ部材147の前方に位置する箇所には、透光性を有する下側役物透光パネル148を備え、下側役物発光部材145からの光が下側役物発光レンズ部材147および下側役物透光パネル148を通して下側役物フロントユニット102の前方へ照射されるように構成されている。
また、下側役物発光ユニット143のうち左右方向の中央部分には、花の形状を模した下側役物回転体150を下側役物回転駆動モータ151により回転可能な状態で備え、下側役物透光パネル148の中央部分に開設された回転開口部148aを通して下側役物発光ユニット143の前方へ臨ませている。さらに、フロントユニットカバー142の前面の左右両側には、左右方向にスライドして開閉可能な下側役物スライドパネル152をそれぞれ備え、各下側役物スライドパネル152の下部には縦長なパネル駆動係合溝153をそれぞれ開設している。また、フロントユニットベース141とフロントユニットカバー142の間のうち下側役物発光ユニット143の下方にはパネル駆動モータ154を備えて出力軸にパネル駆動ギア155を共回り状態で軸着し、該パネル駆動ギア155の左右両側にはスライド伝達ギア156をそれぞれ噛合している。そして、各スライド伝達ギア156のうち回転中心から外れた位置からスライド係合突起157を突設してパネル駆動係合溝153へそれぞれ係合し、この状態でパネル駆動モータ154を駆動してスライド伝達ギア156と共にスライド係合突起157を回転させると、下側役物スライドパネル152同士が横並びで当接してフロントユニットカバー142の前面を覆う閉成状態(図13(a)参照)、下側役物スライドパネル152同士が左右方向に離間してフロントユニットカバー142の左右方向の中央部分が露出する開放状態(図13(b)参照)とに変換するように構成されている。
さらに、各下側役物スライドパネル152の中央部分には、横長なパネル透光開口152aをそれぞれ開設して後方の下側役物透光パネル148の一部(詳しくは下側役物透光パネル148のうち発光体の前方に位置する箇所)を臨ませ、各下側役物スライドパネル152のうち下側役物回転体150側の側縁部(言い換えると下側役物フロントユニット102の左右方向の中央寄りに位置する側縁部)には、半円状のパネル切欠き部152bをそれぞれ開設している。そして、各下側役物スライドパネル152を閉成状態に変換すると、パネル切欠き部152b同士が隣り合って単一の円形の開口を形成し、この開口から下側役物回転体150の中央部分のみが前方へ露出し、下側役物回転体150の外周部が開口の縁部の後方に隠れるように構成されている(図13(a)参照)。
次に、上側役物ユニット103について説明する。
上側役物ユニット103は、図14に示すように、該上側役物ユニット103の基部となる倒L字状の上側ユニットベース161に複数種類(本実施形態では大きさが異なる2種類)の上側役物回転体162を備えて構成されている。上側ユニットベース161は、前側から上側ユニットパネル163、上側基板ホルダー164、上側機構ケース165の順に重ねて構成されており、上側基板ホルダー164の表側には、LED等の上側役物発光部材166が実装された上側役物発光基板167を装着し、上側ユニットパネル163を透光性部材で構成して上側役物発光部材166からの光を上側役物ユニット103の前方へ照射可能としている。
また、上側機構ケース165の裏側には、回動力を出力する上側役物駆動モータ169を備え、上側機構ケース165の表側には、上側役物回転体162と共回りする複数の上側役物回転ギア170と、該上側役物回転ギア170に上側役物駆動モータ169からの回動力を伝達する複数の上側役物伝達ギア171とを備えている(図15(a)参照)。そして、上側役物回転ギア170と上側役物伝達ギア171とを交互に噛合して上側ユニットギア群172を構成して、上側基板ホルダー164と上側機構ケース165との間に回動可能な状態で配置されている。さらに、上側役物駆動モータ169には、当該上側役物駆動モータ169の出力軸と共回りする上側役物駆動ギア173を軸着し、該上側役物駆動ギア173を上側ユニットギア群172へ噛合している。
上側役物回転体162(第1上側回転体162a,第2上側回転体162b)は、表面に花の形状を模した装飾を施した円板状の部材であり、上側ユニットパネル163に設けられた軸受に回動可能な状態で軸着され、軸受を貫通した回動軸を上側役物回転ギア170へ共回り状態で接続している。また、図15(b)に示すように、上側役物ユニット103の前後方向に配置をずらして、当該上側役物回転体162同士が干渉することを避けている。なお、上側役物回転体162の一種である第1上側回転体162aは、他の上側役物回転体162である第2上側回転体162bよりも直径が大きく設定されている。また、第1上側回転体162aと共回りする上側役物回転ギア170(第1上側ギア170a)の歯数を、第2上側回転体162bと共回りする上側役物回転ギア170(第2上側ギア170b)の歯数よりも多く設定して、第1上側回転体162aと第2上側回転体162bとの間で回転周期を異ならせている。さらに、各上側役物回転ギア170には治具係合穴170cをそれぞれ開設し、上側役物ユニット103の組立時において各上側役物回転ギア170を治具に係合して回動を規制し、この状態で上側役物回転体162を上側役物回転ギア170に接続して、各上側役物回転体162の装飾模様を当初の設計と位相が異ならずに設定することができるように構成されている。
そして、上側役物ユニット103は、図14および図15(a)に示すように、上側ユニットギア群172に上側役物回転位置検出センサ175を噛合し、該上側役物回転位置検出センサ175の裏面側には、一部が切り欠かれた円環状の上側起立壁175aを突設している。また、上側機構ケース165には上側役物回転位置検出センサ176を備えて上側起立壁175aを検出可能とし、上側役物回転位置検出センサ176が上側起立壁175aの切欠き部を検出することで、各上側役物回転ギア170と共回りする各上側役物回転体162が予め設定された初期回転位相(初期状態)に変換したことを検出できるように構成されている。
次に、側縁役物ユニット104について説明する。
側縁役物ユニット104は、図16に示すように、該側縁役物ユニット104の基部となる縦長な側縁ユニットベース181に、複数種類(本実施形態では大きさが異なる2種類)の側縁役物回転体182と、第1ケース球流下路26の一般入賞口32に入賞した遊技球(入賞球)を回収する縦長な入賞球回収樋183とを備えて構成されている。側縁ユニットベース181は、前側から側縁ユニットパネル184、側縁基板ホルダー185、側縁機構ケース186の順に重ねて構成されており、側縁基板ホルダー185の表側には、LED等の側縁役物発光部材187が実装された側縁役物発光基板188を装着し、側縁ユニットパネル184を透光性部材で構成して側縁役物発光部材187からの光を側縁役物ユニット104の前方へ照射可能としている。そして、側縁ユニットベース181の上部には、一般入賞口32と入賞球回収樋183とを連通する入賞回収連通路181aを開設している。
また、側縁機構ケース186の裏側には、回動力を出力する側縁役物駆動モータ189を備え、側縁機構ケース186の表側には、側縁役物回転体182と共回りする複数の側縁役物回転ギア190と、該側縁役物回転ギア190に側縁役物駆動モータ189からの回動力を伝達する複数の側縁役物伝達ギア191とを備えて構成されている。そして、側縁役物回転ギア190と側縁役物伝達ギア191とを交互に噛合して側縁ユニットギア群192を構成して、側縁基板ホルダー185と側縁機構ケース186との間に回動可能な状態で配置している。さらに、側縁役物駆動モータ189には、該側縁役物駆動モータ189の出力軸と共回りする側縁役物駆動ギア193を軸着し、該側縁役物駆動ギア193を側縁ユニットギア群192へ噛合している。
側縁役物回転体182(第1側縁回転体182a,第2側縁回転体182b)は、表面に花の形状を模した装飾を施した円板状の部材であり、側縁ユニットパネル184に設けられた軸受に回動可能な状態で軸着され、軸受を貫通した回動軸を側縁役物回転ギア190へ共回り状態で接続している。また、図16(b)に示すように、側縁役物ユニット104の前後方向に配置をずらして、当該側縁役物回転体182同士が干渉することを避けている。なお、側縁役物回転体182の一種である第1側縁回転体182aは、他の側縁役物回転体182である第2側縁回転体182bよりも直径が大きく設定されている。また、第1側縁回転体182aと共回りする側縁役物回転ギア190(第1側縁ギア190a)の歯数を、第2側縁回転体182bと共回りする側縁役物回転ギア190(第2側縁ギア190b)の歯数よりも多く設定して、第1側縁回転体182aと第2側縁回転体182bとの間で回転周期を異ならせている。さらに、各側縁役物回転ギア190には治具係合穴190cをそれぞれ開設し、側縁役物ユニット104の組立時において各側縁役物回転ギア190を治具に係合して回動を規制し、この状態で側縁役物回転体182を側縁役物回転ギア190に接続して、各側縁役物回転体182の装飾模様を当初の設計と位相が異ならずに設定することができるように構成されている。
入賞球回収樋183は、側縁機構ケース186の裏側に装着された縦長な回収樋であり、当該入賞球回収樋183の上流開口を側縁ユニットベース181の入賞回収連通路181aを介して一般入賞口32に連通し、当該入賞球回収との下流開口を入賞球流路56の上部の一側(図6中、右側)へ連通している。
そして、側縁役物ユニット104は、図16(a)に示すように、側縁ユニットギア群192に側縁役物回転位置検出ギア195を噛合し、該側縁役物回転位置検出ギア195の裏面側には、一部が切り欠かれた円環状の側縁起立壁195cを突設している。また、側縁機構ケース186には側縁役物回転位置検出センサ196を備えて側縁起立壁195cを検出可能とし、側縁役物回転位置検出センサ196が側縁起立壁195cの切欠き部を検出することで、各側縁役物回転ギア190と共回りする各側縁役物回転体182が予め設定された初期回転位相(初期状態)に変換したことを検出できるように構成されている。
次に、下側役物リアユニット105について説明する。
下側役物リアユニット105は、図17および図18に示すように、横長なリアユニットベース201を備え、該リアユニットベース201の前側には、傾倒姿勢の三日月形状を呈する下側役物部材202を備え、該下側役物部材202の裏面側から突設した下側役物ガイド突起203をリアユニットベース201に開設された縦長なリアガイド溝201aに摺動可能な状態で係合して、下側役物部材202を上下方向へ移動可能としている。下側役物部材202は、当該下側役物部材202の基部となる下側役物ベース205を備え、該下側役物ベース205の前方に透光性の下側役物装飾パネル206を装着している。また、該下側役物装飾パネル206と下側役物ベース205との間には、LED等の下側役物装飾発光部材207が実装された下側役物装飾発光基板208を配置して、下側役物装飾発光部材207からの光を下側役物部材202の前方へ照射可能としている。さらに、下側役物部材202の側部(図17中、左側部)には下側役物位置検出片209を突設し、リアユニットベース201に設けられた下側役物位置検出センサ210により下側役物位置検出片209を検出可能としている。
また、リアユニットベース201のうちリアガイド溝201aの側方(図17中、右側方)には、下側役物部材202の駆動源となる下側役物昇降駆動モータ215を備え、下側役物部材202の下方には、下側役物昇降駆動モータ215側へ向けて横向きに延在する下側役物アーム216を備えて一端部(図17中、下側役物昇降駆動モータ215側である右端部)をリアユニットベース201へ回動可能な状態で軸着している。そして、下側役物アーム216の軸着部には下側アームギア217を備え、該下側アームギア217を下側役物昇降駆動モータ215の出力軸と共回りする下側役物駆動ギア218に下側アームギア217を噛合している。さらに、下側役物アーム216の他端部(図17中、リアガイド溝201a側である左端部)を下側役物部材202の下部に係合するとともに、リアユニットベース201に開設された下側アームガイド溝(詳しくは、リアガイド溝201aと平行な下側アームガイド溝)219へ摺動可能な状態で係合している。
このような構成を備えた下側役物リアユニット105においては、下側役物昇降駆動モータ215を駆動して下側役物アーム216を回動することにより下側役物部材202を昇降し、図18(a)に示すように、下側役物ガイド突起203をリアガイド溝201aの下端部へ係合して下側役物部材202を演出非実行位置(下死位置)に配置すると、下側役物部材202が側縁役物ユニット104および下側役物フロントユニット102の後方に隠れて遊技盤6の前方から視認不能となる(図2参照)。このとき、下側役物位置検出センサ210が下側役物位置検出片209を検出して、下側役物部材202が演出非実行位置に配置されていることを把握することができる。また、図18(b)に示すように、下側役物ガイド突起203をリアガイド溝201aの上端部へ係合して下側役物部材202を演出実行位置(上死位置)に配置すると、下側役物部材202が側縁役物ユニット104および下側役物フロントユニット102の後方から表示装置55の表示部55aの中央寄りにずれて位置し、遊技盤6の前方から視認可能となる(図6参照)。
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置58を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置58は、図19に示すように、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための制御プログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAM、入力部(入力インターフェース)、出力部(出力インターフェース)等から構成されている。そして、各種検出装置(磁気センサ223、電波センサ224、第1始動口スイッチ46、第2始動口スイッチ47、第2始動装置スイッチ48、ゲートスイッチ29、各一般入賞口32,42への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ225、カウントスイッチ86、前面枠開放検出スイッチ226、透明部材保持枠開放検出スイッチ227、電源装置228等)からの検出信号を受けて、特別遊技状態(大当り状態)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置59を介して各役物ユニット(中央役物ユニット101、下側役物フロントユニット102、上側役物ユニット103、側縁役物ユニット104、下側役物リアユニット105)の動作や装飾開閉ソレノイド95の動作を制御する制御手段として機能したり、あるいは、払出制御装置231、大入賞口ソレノイド85、普通電動役物41aを開閉駆動するための普電ソレノイド232、一括表示装置51、外部情報端子234等に指令信号を送信したりして、遊技を統括的に制御する。
演出制御装置59は、図20に示すように、演出制御を司るCPU、演出制御を実行するための制御プログラムを格納したPROM、画像データ等を格納した画像ROM、映像表示のための画像処理を行うVDP、入力インターフェース、出力インターフェース等から構成されている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、遊技制御装置58からの制御信号、遊技演出ボタン17に設けられた演出ボタンスイッチ237からの信号、各役物ユニット101〜105に設けられたセンサからの信号等に基づいて、各役物ユニット101〜105の演出動作を制御する。詳しくは、表示装置55の表示部55aの表示、上スピーカ11や下スピーカ16からの効果音出力、遊技盤6に設けられた盤装飾装置240(導光演出発光基板133等)の発光や透明部材保持枠8に設けられたLED等の枠装飾装置241の発光、遊技盤6に設けられた盤演出装置242(各役物ユニット101〜105のモータ等)や透明部材保持枠8に設けられた演出部材(図示せず)を駆動するモータ等の枠演出装置243の駆動を制御する。
次に、パチンコ遊技機1の作用、特に大当り状態における遊技盤6の演出動作について説明する。
遊技領域5を流下する遊技球が始動入賞ユニット38(第1始動入賞口36,第2始動入賞口37)や第2始動入賞装置41へ入賞したことに基づいて特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム,特図2変動表示ゲーム)が実行され、この特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果態様)であった場合には、遊技制御装置58が特別遊技状態(大当り状態)を発生させるコマンドを送信し、演出制御装置59が遊技制御装置58からのコマンドに基づいてファンファーレ処理を行ってスピーカ11,16からの効果音の出力等を実行し、ファンファーレ処理の終了後に、大当り状態における動作処理(複数回のラウンドの進行に伴う大入賞口31の開閉処理)を実行する(図21参照)。
大当り状態における動作処理では、図22に示すように、大入賞口ソレノイド85とともに装飾開閉ソレノイド95を駆動して、大入賞開閉部材84と装飾開閉部材94とを同時に開閉動作させる。そして、遊技球が大入賞口31に入賞してカウントスイッチ86に検出されると、このカウントスイッチ86の検出信号に基づいて演出制御装置59が表示装置55の演出表示制御を実行し、表示装置55の表示部55aのうち開状態の装飾開閉部材94の上方に位置する箇所に、装飾開閉部材94に向かって流下する遊技球の動画を表示する。したがって、遊技者は、大入賞口31への遊技球の入賞に伴って、装飾開閉部材94が遊技球を大入賞口31へ誘導するかのような演出を見て楽しむことができる。なお、遊技球の動画の表示は、遊技球の大入賞口31への入賞(カウントスイッチ86の検出)の有無に拘らず、装飾開閉部材94の開動作(装飾開閉ソレノイド95の駆動)のタイミングに合わせて実行してもよい。また、装飾開閉部材94が演出制御装置59によって制御されるように設定してもよく、ラウンドによって開かない場合、大入賞開閉部材84の開放パターンが短開放であった場合は動作しないなど、装飾開閉部材94と大入賞開閉部材84とを非同期(独立して)動作可能としてもよい。このように設定することで、各ソレノイド85,95による熱がこもり難くなり、各ソレノイド85,95が故障しにくくなる。
また、図21および図23に示すように、ファンファーレ処理の開始に伴って、上側役物ユニット103の上側役物駆動モータ169および側縁役物ユニット104の側縁役物駆動モータ189をそれぞれ駆動して、上側役物回転体162および側縁役物回転体182を遊技盤6の前方から見て時計方向へ回転する。この回転動作により、上側役物回転体162が鎧部63側となる上縁部を遊技盤6の左側から右側へ移動させるとともに、側縁役物回転体182が第1ケース球流下路26側となる側縁部(図23中、右側部)を遊技盤6の上側から下側へ移動させて、遊技者に所謂右打ち(遊技球をセンターケース23の上方を通過させて第1ケース球流下路26へ流下させるように発射操作を行うこと)を指示し、遊技球の大入賞口31への入賞を促す。また、表示装置55の表示部55aには「右打ち」の文字を表示する。
大当り状態が終了すると、演出制御装置59は、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189の駆動を停止して右打ち指示の演出を終了し、エンディング処理を実行して表示装置55の表示部55aにエンディング画像を表示する等の処理を行う。そして、大当り状態の終了後に遊技状態が所謂電サポ状態(普図変動表示ゲームにおける当りの確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物41aの開閉動作を頻発させて第2始動入賞装置41に遊技球を入賞し易くした普電サポート状態)に設定されると、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189を再び駆動して上側役物回転体162および側縁役物回転体182を遊技盤6の前方から見て時計方向へ回転する。この回転動作により、遊技者に所謂右打ちを指示し、遊技球を第1ケース球流下路26へ流下させて第2始動入賞装置41へ入賞させることを促す。
なお、大当り状態における上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189の制御を、駆動と停止とを交互に繰り返して実行する態様に設定してもよい。例えば、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189を予め定められた条件(第1上側回転体162aおよび第1側縁回転体182aの1回転または2回転の動作完了、または、設定時間の経過)が成立するまで駆動し、その後に一定期間に亘って一時停止するように設定し、この駆動と一時停止とを交互に繰り返して実行してもよい。また、図24(a)に示すように、上側役物駆動モータ169と側縁役物駆動モータ189とを互いに異なる周期で駆動と停止とを交互に実行するように設定してもよい。なお、図24(a)においては、側縁役物駆動モータ189の駆動時間(側縁役物回転体182の回転時間)を上側役物駆動モータ169の駆動時間(上側役物回転体162の回転時間)よりも長く設定しているが、上側役物駆動モータ169の駆動時間(上側役物回転体162の回転時間)よりも短く設定すれば、上側役物演出ユニットよりも大入賞口31や第2始動入賞装置41に近い側縁役物ユニット104の演出動作を目立たせて、大入賞口31や第2始動入賞装置41への遊技球の入賞を遊技者に促し易くなって好適である。
さらに、図24(b)に示すように、大当り状態だけではなく電サポ状態における演出動作においても、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189の駆動と一時停止を交互に繰り返してもよい。このとき、大当り状態での停止時間と電サポ状態での停止時間とを異なる設定にすれば、各役物回転体162,182の演出態様の相違により大当り状態であるか電サポ状態であるかを把握することができる。また、一般的に電サポ状態の期間が大当り状態の期間よりも長く設定されることから、各役物駆動モータ169,189の電サポ状態での一時停止時間を大当り状態での一時停止時間よりも長く設定すれば、電サポ状態における各役物駆動モータ169,189の累積駆動時間を短縮することができ、各役物駆動モータ169,189を使い過ぎて寿命が短くなる不都合を抑えようとすることができる。そして、電サポ状態の途中で所定の演出(例えば、表示装置55における表示演出)が実行される場合には、各役物駆動モータ169,189の駆動を中止して各役物回転体162,182による演出動作(回転動作)を直ちに終了すれば、遊技者が所定の演出に注目し易くなって好適である。
また、パチンコ遊技機1においては、遊技実行状態または客待ち状態にて停電が発生して電力供給が遮断された場合、電力供給が再開して停電からの復旧作業を行うときに、中央役物部材117および下側役物部材202の動作チェックを行う。動作チェックでは、まず、演出制御装置59が各役物駆動モータ169,189(中央役物駆動モータ120、下側役物昇降駆動モータ215)を駆動して各役物部材117,202を停電発生時に停止していた状態から演出動作(昇降動作)させて演出非実行位置に戻す。そして、各役物位置検出片(中央役物位置検出片128、下側役物位置検出片209)が各役物位置検出センサ(中央役物位置検出センサ129、下側役物位置検出センサ210)により検出されて役物部材117,202がそれぞれ演出非実行位置に戻ったことを確認したならば、引き続き各役物駆動モータ169,189を駆動して役物部材117,202を演出非実行位置から演出実行位置へ移動し、さらに演出非実行位置へ再び戻す。
このようにして動作チェックを行い、各役物位置検出センサ129,210による各役物位置検出片128,209の検出(言い換えると、各役物部材117,202の演出非実行位置への移動)が予め設定されたチェックインターバル時間を空けて2回確認された場合には、各役物部材117,202が正常に動作したと判定する。一方、チェックインターバル時間が経過しても2回目の検出が確認できないとき、あるいは、チェックインターバル時間が経過する前に2回目の検出が確認されたときには、各役物部材117,202の動作が異常であると判定し、異常を知らせる報知出力(スピーカ11,16からの報知音出力や表示装置55におけるエラー表示等)を実行する。
なお、動作チェックにおいて、各役物部材117,202を停電時の停止位置から演出非実行位置へ戻さず、その代わりに演出実行位置へ移動させ、その後に演出非実行位置へ移動して、動作チェックを実行してもよい。この場合には、各役物部材117,202が演出実行位置に到達したときに各役物位置検出片128,209を検出可能な演出実行検出センサ(図示せず)を各役物位置検出センサ129,210とは別個に設け、演出実行検出センサによる各役物位置検出片128,209の検出と、役物位置検出センサ129,210による各役物位置検出片128,209の検出との発生間隔を判定して、各役物部材117,202の動作の良否を判定する。このようにして各役物部材117,202の往復動作をせずに動作チェックを実行すれば、動作チェックに要する時間の短縮、ひいては停電から復旧するまでの時間の短縮を図ることができる。
次に、遊技制御装置58のメイン処理について説明する。なお、遊技制御装置58における制御処理は、電源投入時処理およびループ処理を含むメインルーチンであるメイン処理(図25および図26参照)と、メイン処理中のループ処理に対する割込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図27参照)とからなる。
メイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図25に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、遊技制御装置58の入力ポートの状態を読み込む処理(ステップS4)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS5)を行う。
次に、電源投入ディレイタイマの設定(ステップS6)、および停電監視信号のチェック回数の設定(ステップS7)を行い、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップS8)。停電監視信号がオンである場合には、ステップS7で設定したチェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS8)。そして、チェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続している場合、すなわち、停電が発生していると判定された場合には待機し、チェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続していない場合には、ステップS8に戻って停電監視信号の判定を再び実行する。また、ステップS8において停電監視信号がオンではない場合、すなわち、停電が発生していないと判定された場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS10)、電源投入ディレイタイマが0になったか否かを判定し(ステップS11)、0でない場合にはステップS7に戻る。そして、ステップS11において電源投入ディレイタイマが0である場合には、読出し書込み可能なRAMのアクセスを許可し(ステップS12)、出力部の全ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(ステップS13)、シリアルポートを設定する処理を行う(ステップS14)。
また、電源装置228に設けられた初期化スイッチがONになっているか否かを判定し(ステップS15)、初期化スイッチがONでないと判定された場合には、RAM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(ステップS16)、停電検査領域1の値が正常であれば、RAM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(ステップS17)、停電検査領域2の値が正常であれば、RAMに記憶されているデータが正常なものであるか否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否か調べる。具体的には、RAM内の領域のチェックサムを算出し(ステップS18)、算出されたチェックサムと、停電があった際にRAMに記憶されていたチェックサムとが一致するか否かを判定する(ステップS19)。そして、チェックサムが正常であると判定された場合、すなわちRAMに記憶されているデータが正常であると判定された場合には、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし(ステップS20)、RAM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態(詳しくは、特図変動表示ゲームの結果態様が大当りとなる確率が通常の遊技進行時よりも高く設定された状態)であるか否かを判定し(ステップS21)、高確率状態であると判定された場合には、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS22)、一括表示装置51に設けられる高確率報知LEDを点灯させるオンデータをセグメント領域に設定する(ステップS23)。そして、ステップS21において高確率状態ではないと判定された場合、またはステップS23において高確率報知LEDを点灯させる準備を行った場合には、特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置59へ送信する(ステップS24)。
一方、ステップS15にて初期化スイッチがオンであると判定された場合、またはステップS16,S17にて停電検査領域の値が異常であると判定された場合、またはステップS19にてチェックサムが異常であると判断された場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域のクリア(ステップS25)、およびアクセス禁止領域より後の全スタック領域のクリア(ステップS26)を実行し、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS27)。さらに、点灯確認実行フラグ領域に実行フラグをセーブし(ステップS28)、電源投入時のコマンドを演出制御装置59へ送信する(ステップS29)。
そして、ステップS24にて停電復旧時のコマンドを演出制御装置59に送信した後、またはステップS29にて電源投入時のコマンドを演出制御装置59に送信した後には、タイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動し(ステップS30)、乱数生成回路を起動設定する(ステップS31)。さらに、電源投入時の乱数生成回路内のソフト乱数レジスタの値を抽出して各種初期値乱数(特図変動表示ゲームにおける大当り図柄を決定する乱数の初期値、または普図変動表示ゲームにおける当たり図柄を決定する乱数の初期値)としてRAMにセーブし(ステップS32)、ステップS1で禁止された割込みを許可し(ステップS33)、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(ステップS34)。
ステップS34にて初期値乱数更新処理を実行したならば、停電が発生したか否かを判定するために、電源装置228から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS35)、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS36)。停電監視信号がオンではない場合、すなわち、停電が発生していないと判定された場合にはステップS34に戻り、上記初期値乱数更新処理(ステップS34)、停電監視信号のチェック回数の設定(ステップS35)、停電監視信号の判定(ステップS36)を繰り返し行う。一方、停電監視信号がオンである場合には、ステップS35で設定したチェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS37)。そして、チェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続していない場合には、ステップS36に戻って停電監視信号の判定を再び実行し、チェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続している場合、すなわち、停電が発生していると判定された場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS39)を行う。さらに、各停電検査領域に停電検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS40,S41)、電源遮断時におけるRAMのチェックサムを算出する処理(ステップS42)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS43)、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、パチンコ遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。
タイマ割込み処理は、図27に示すように、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAMに移してレジスタ退避の処理を行い(ステップS51)、各種検出装置(磁気センサ223、電波センサ224、第1始動口スイッチ46、第2始動口スイッチ47、第2始動装置スイッチ48、ゲートスイッチ29等)からの入力を取込む入力処理(ステップS52)、各種処理でセットされた出力データに基づいてソレノイド(大入賞口ソレノイド85、普電ソレノイド232)等のアクチュエータを駆動制御する出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置231に出力する払出コマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、第1始動口スイッチ46、第2始動口スイッチ47、入賞口スイッチ225等の遊技球検出用センサから正常な信号の入力があるか否かの監視や、前面枠3や透明部材保持枠8が開放されていないか等のエラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、振分状態更新処理(ステップS58)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS59)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS60)を行う。
各変動表示ゲームの処理を実行したならば、一括表示装置51における各変動表示ゲームの表示内容や遊技に関する各種情報の表示内容を編集するセグメントLED編集処理(ステップS61)、磁気センサ223からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気不正監視処理(ステップS62)、電波センサ224からの検出信号をチェックして異常がないか判定する電波不正監視処理(ステップS63)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS64)を行う。そして、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言し(ステップS65)、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰し(ステップS66)、割込みを許可(ステップS67)してタイマ割込み処理を終了する。
次に、演出制御装置59にて行われる制御について説明する。演出制御装置59による制御処理は、主に、メイン処理と、所定時間周期(例えば、2ミリ秒)に行われる割込み処理とからなる。メイン処理においては、図28に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップS71)、CPUの初期設定(ステップS72)、VDPの初期設定(ステップS73)を行い、割込みを許可する(ステップS74)。さらに、表示データの生成を許可し(ステップS75)、乱数シードを設定し(ステップS76)、演出制御装置59のうち初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS77)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watch dog timer)をクリアし(ステップS78)、遊技演出ボタン17の操作に基づく入力信号から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップS79)を行う。次いで、パチンコ遊技機1における発光の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や変更が遊技店の店員や遊技者によって行われた場合にこの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理(ステップS80)、演出ポイント制御処理(ステップS81)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップS82)を行い、遊技制御装置58から送信されるコマンドを正しく受信したか否かを判定する受信コマンドチェック処理(ステップS83)を行う。さらに、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定する演出表示編集処理(ステップS84)、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップS85)。
ステップS85の終了後、フレームの切替タイミングが到来するまで待機し(ステップS86;No)、到来したならば(ステップS86;Yes)、画面描画をVDPに指示する(ステップS87)。次いで、スピーカ11,16からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップS88)、盤装飾装置240、枠装飾装置241のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップS89)、盤演出装置242、枠演出装置243のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップS90)を行う。次いで、中央役物ユニット101の導光板131による発光装飾の制御を行う導光板制御処理(ステップS91)を行い、WDTをクリアする処理(ステップS78)に戻る。
一方、演出制御装置59の割込み処理においては、図29に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップS101)を行う。次いで、演出制御装置59に入力される信号を処理する入力処理(ステップS102)、演出制御装置59から出力する信号を処理する出力処理(ステップS103)を行う。次いで、遊技制御装置58から演出制御装置59へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップS104)を行って、割込み処理を終了する。
ところで、上記第1実施形態の中央役物ユニット101においては、中央役物部材117を中央可動アーム116のみにより支持して昇降可能としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図30に示す第2実施形態の中央役物ユニット101′では、基本的には第1実施形態と同じ構成であるが、中央可動ガイド溝110aおよび中央役物ガイド突起127とは別個に中央役物部材117を中央ユニットベース110へ係合する機構を備えている点で異なる。なお、第2実施形態の遊技盤6においては、中央役物ユニット101′の導光演出機構112および下側役物リアユニット105′の駆動機構も第1実施形態とは異なる構成を備えている。導光演出機構112および下側役物リアユニット105′については、後で詳細に説明する。
まず、第2実施形態において中央役物部材117を係合する構成について具体的に説明すると、中央役物ユニット101′は、図30に示すように、中央ユニットベース110と、該中央ユニットベース110に動作可能な状態で装着される中央役物部材117との間には、中央役物部材117の中央役物ガイド突起127(言い換えると、中央役物部材117のうち中央ユニットベース110への装着箇所)とは異なる箇所を中央ユニットベース110に繰り返し係脱可能とする演出係脱機構250を備えている。なお、第2実施形態の中央役物部材117は、後側ベース部125の下縁部に中央装飾パネル251を装着して当該中央役物部材117の前方へ臨ませている(図31参照)。
演出係脱機構250は、中央役物部材117の上部に設けられた部材側係脱部253と、中央ユニットベース110に設けられ、部材側係脱部253に係脱可能なベース側係脱部254とを備えて構成されている。部材側係脱部253は、中央役物部材117の上方を向いた平面部であり、磁力が作用し得る金属製の吸着部255を後側ベース部125に装着して構成されている(図31参照)。また、ベース側係脱部254は、中央ユニットベース110のうち中央役物部材117および中央可動アーム116の上方に位置する箇所に配置された構成であり、ベース側係脱部254の基部となる横長な係脱部本体256を備え、該係脱部本体256の長手方向の一端部(図30中、左端部)を中央ユニットベース110の係脱回動軸258(図32(b)および図33(b)参照)へ回動可能な状態で軸着し、係脱部本体256の自由端部となる他端部(図30中、右端部)には、吸着部255を磁力により吸着可能な磁石部257を揺動可能な状態で軸着している。さらに、係脱部本体256の他端部から前方の中央ユニットベース110側へ向けて係脱ガイド突起259を突設し、中央ユニットベース110の上辺部に開設された縦向き円弧状の係脱ガイド溝260(図32(b)参照)に係脱ガイド突起259を摺動可能な状態で係合している。そして、図32に示すように、係脱部本体256の長手方向の中間部にはコイルばね等の係脱付勢部材261の下端部を係止し、該係脱付勢部材261の上端部を中央ユニットベース110の上縁部へ係止して、係脱付勢部材261の付勢力によりベース側係脱部254を常時上方へ付勢している。
磁石部257は、図32(a)に示すように、磁石ホルダー264内に永久磁石265を収納して構成されており、当該磁石部257の下面を係脱接触面266(図34参照)として部材側係脱部253へ接触可能(詳しくは、面接触可能)とし、磁石ホルダー264の上部をベース側係脱部254の自由端部へ揺動可能な状態で軸着して、係脱接触面266の傾斜姿勢(ベース側係脱部254の長手方向に沿って傾斜する傾斜姿勢(図32(a)中、左右方向の傾斜姿勢))を当該磁石部257の揺動により変更可能としている。そして、磁石部257のベース側係脱部254への軸着箇所のはめあいを中間嵌めや隙間嵌めに設定する等して、磁石部257が自重では回動できずに傾斜姿勢を変えることができないが、外力が加わると回動して傾斜姿勢が変わるように構成されている。
このような構成の演出係脱機構250を備えた中央役物ユニット101′において、中央役物部材117を演出非実行位置に配置した常態では、図33および図34に示すように、ベース側係脱部254が係脱付勢部材261の付勢力により上方へ回動し、係脱ガイド突起259を係脱ガイド溝260の上端部へ係合して上死状態(最上昇状態)に設定される。そして、上死状態のベース側係脱部254が磁石部257の係脱接触面266を部材側係脱部253に面接触させて、磁石部257に部材側係脱部253を吸着する。このようにして、演出係脱機構250が中央役物部材117と中央ユニットベース110とを予め設定された強さの係合力(吸着力,磁力)で係合する。したがって、中央役物ユニット101′は、演出係脱機構250により中央役物部材117の状態を維持することができ、不用意に中央役物部材117が設定とは異なる動作を実行する不都合(詳しくは、演出非実行位置から下方へずれる不都合)を避けようとすることができる。
また、中央役物駆動モータ120の駆動により中央可動アーム116を下方へ回動して中央役物部材117を演出非実行位置から下降させ始めると、図35に示すように、中央役物部材117とともに下降する部材側係脱部253(吸着部255)がベース側係脱部254を引き下げて、係脱付勢部材261の付勢力に抗して下方へ回動(言い換えると、中央役物部材117の動作方向に沿って移動)する。したがって、中央役物部材117が昇降動作中であったとしても、演出係脱機構250により中央役物部材117が中央ユニットベース110に係合して保持される状態を維持することができ、中央役物部材117が不用意に設定とは異なる動作を実行する不都合を避けようとすることができる。したがって、多彩な動作態様であったとしても中央役物部材117の動作を安定させ易くなり、遊技の興趣を高めることができる。さらに、磁石部257をベース側係脱部254に回動可能な状態で備えて係脱接触面266の姿勢を変更可能としているので、部材側係脱部253とベース側係脱部254とが支障なく係合し続けることができ、中央役物部材117の動作を一層安定させ易い。
引き続き中央可動アーム116を下方へ回動して中央役物部材117の下降を継続すると、ベース側係脱部254が係脱ガイド突起259を係脱ガイド溝260の下端部へ係合して下死状態(最下降状態)に変換し、この状態でさらに中央役物部材117を下降すると、下死状態であるベース側係脱部254の磁石部257と、引き続き下降しようとする中央役物部材117の部材側係脱部253(吸着部255)とを離間させる力(言い換えると、中央役物部材117と中央ユニットベース110とを離間させる力)が作用する。そして、この離間力が次第に大きくなって、磁石部257と吸着部255との間に働く吸着力(係合力)以上の大きさになると、図36に示すように、磁石部257と吸着部255とが吸着力に抗して離間し、演出係脱機構250が中央役物部材117を中央ユニットベース110へ係合して保持する状態を解除する。このとき、係脱接触面266の一側縁(図36(a)中、右側縁)が他側縁(図36(a)中、左側縁)よりも磁石部257の回動軸側に寄せて設定されているため、係脱接触面266の一側縁に作用する吸着力(磁力)の回動軸まわりの回転モーメントが、他側縁に作用する吸着力(磁力)の回動軸まわりの回転モーメントよりも大きくなる。この結果、磁石部257が係脱接触面266を中央可動アーム116の軸着部側へ向ける方向(図36(a)中、矢印で示す反時計方向)に回動して係脱接触面266の一側縁を先に部材側係脱部253から離脱させ、続いて他側部を部材側係脱部253から離脱させる。このようにして磁石部257の回転を利用して磁石部257と吸着部255とをスムーズに離脱させることができる。
磁石部257と吸着部255とが離間すると、図37および図38に示すように、ベース側係脱部254が磁石部257の回動を戻さずに係脱付勢部材261の付勢力により上方へ回動し、係脱ガイド突起259を係脱ガイド溝260の上端部へ係合して上死状態に戻る。また、中央役物駆動モータ120を引き続き駆動して中央可動アーム116を下方へ回動すると、中央役物部材117が演出実行位置に到達する
そして、中央役物駆動モータ120を逆回転駆動して中央可動アーム116を上方へ回動すると、中央役物部材117が演出実行位置から上昇し、上死状態のベース側係脱部254に近づく。このとき、磁石部257が部材側係脱部253から離脱したときの回動状態を維持しているため、係脱接触面266のうち部材側係脱部253から先に離脱した一側縁(図39中、左側縁)が、後に離脱した他側縁(図39中、右側縁)よりも部材側係脱部253から離れている。したがって、図39に示すように、部材側係脱部253と係脱接触面266の他側縁とが先に当接(吸着)し、さらに中央役物部材117が引き続き上昇して演出非実行位置に到達すると、中央役物部材117の押圧力および磁石部257と吸着部255との間に作用する吸着力により磁石部257が回動し、部材側係脱部253と係脱接触面266の一側縁とが当接する。この結果、部材側係脱部253と係脱接触面266とが面接触状態で吸着する。
このようにして中央役物部材117を係脱可能とする演出係脱機構250においては磁石部257と部材側係脱部253(吸着部255)との間に発生する吸着力(磁力)により中央役物部材117と中央ユニットベース110とを係合して保持するので、中央役物部材117の動作を安定させる機構を簡単な構成で実現することができる。
次に、第2実施形態の導光演出機構112′について説明する。
第2実施形態の導光演出機構112′は、基本的には第1実施形態と同じ構成であるが、2枚の導光板を前後に重ねた状態で備えている点で異なる。具体的に説明すると、図40(a)〜(c)に示すように、前側の第1導光板271と後側の第2導光板272とを前後に重ねて配置し、第1導光板271の側方(図40(a)中、右側方)には複数の第1側方発光部材(フルカラーLED)275を第1導光板271の側縁に沿って並べて配設し、第1導光板271の下方には複数の第1下方発光部材(フルカラーLED)276を第1導光板271の下縁に沿って並べて配設している。また、第2導光板272の側方(図40(b)中、右側方)には複数の第2側方発光部材(単色LED)277を第2導光板272の側縁に沿って並べて配設している。
そして、第1導光板271の裏面の中央の周辺部には、複数の微細な透明突起により折れ線の描画を表現する第1周辺ドットパターン(エフェクト表示)DPEを施し、該第1周辺ドットパターンDPEの各透明突起には、第1側方発光部材275から照射される光(第1導光板271へ側辺から進入する光)のみを導光演出機構112′の前方へ屈曲する屈曲部(図示せず)を備えている。また、第1導光板271の中央部には、複数の微細な透明突起によりキャラクターの描画を表現する第1中央ドットパターン(キャラクター表示)DPCを施し、該第1中央ドットパターンDPCの各透明突起には、第1下方発光部材276から照射される光(第1導光板271へ下辺から進入する光)のみを導光演出機構112′の前方へ屈曲する屈曲部(図示せず)を備えている。さらに、第2導光板272の裏面全体には、複数の微細な透明突起により複数の星印の描画を表現する第2ドットパターン(シャッター表示)DPSを施し、該第2ドットパターンDPSの各透明突起には、第2側方発光部材277から照射される光(第2導光板272へ側辺から進入する光)のみを導光演出機構112′の前方へ屈曲する屈曲部(図示せず)を備えている。なお、第2導光板272の裏面の一部(図40(c)中、右上隅部)には、第2ドットパターンDPSの形成を避けた第2導光窓部272aを設定し、表示装置55の表示部55aのうち第2導光窓部272aの後方に表示される内容(例えば、変動表示ゲームの図柄変動や「右打ち」の指示文)が第2ドットパターンDPSと重ならずに遊技者側から見えるように構成されている(図40(d)および(e)参照)。
このような構成を備えた導光演出機構112′においては、第2側方発光部材277を発光させずに第1側方発光部材275および第1下方発光部材276を発光させて、第1導光板271のみに光を進入させると、図40(d)に示すように、第1中央ドットパターンDPCおよび第1周辺ドットパターンDPEが発光する発光装飾が実行される。また、第1側方発光部材275および第1下方発光部材276を発光させずに第2側方発光部材277を発光させて、第2導光板272のみに光を進入させると、図40(e)に示すように、第2ドットパターンDPSが発光する発光装飾が実行される。なお、導光演出機構112′による発光装飾の実行タイミングや実行態様は、どのように設定してもよい。例えば、表示装置55で行われる表示内容が飾り特図変動表示ゲームのリーチ状態から次の演出表示に移行するときに、第1中央ドットパターンDPCまたは第1周辺ドットパターンDPEの少なくともいずれかを発光させる演出(言い換えると、第1側方発光部材275または第1下方発光部材276の少なくともいずれかの発光)を実行してもよい。また、遊技者に遊技球の右打ち操作を促すときに、表示装置55の表示部55aに「右打ち」の指示文を表示して第2導光窓部272aから前方に臨ませるとともに、第2側方発光部材277を発光させて第2ドットパターンDPSを発光させてもよい(図40(e)参照)。
さらに、側方発光部材の発光数を次第に増減させることで、ドットパターンの発光箇所が段階的に増減する演出を実行できるように構成されている。例えば、図41(a)に示すように、表示装置55の表示部55aにて飾り特図変動表示ゲームを表示しているときに第1導光板271での発光装飾を実行する場合において、飾り特図変動表示ゲームの進行に伴って第1側方発光部材275の発光数を上側から順に増加すれば、第1周辺ドットパターンDPEを上側から下側へ段階的に広がる態様で発光装飾を行うことができる。また、図41(b)に示すように、第2導光板272での発光装飾を実行する場合において、第2側方発光部材277の発光数を上下両側から順に増加すれば、第2ドットパターンDPSが表示部55aの表示内容を上下両縁から次第に被覆していく態様(シャッターが閉じるような態様)で発光装飾を行うことができる。
次に、第2実施形態の下側役物リアユニット105′について説明する。
第2実施形態の下側役物リアユニット105′は、基本的には第1実施形態と同じ構成であるが、下側役物部材202が演出実行位置に到達すると、下側役物部材202の装飾パネルの姿勢が変化するように構成された点で異なる。具体的に説明すると、図42および図43に示すように、第2実施形態における下側役物部材202は、リアユニットベース201に上下方向へ移動可能な状態で装着される下側役物ベース205′と、該下側役物ベース205′の前側に配置される下側役物装飾パネル206′とを備えて構成されている。また、下側役物装飾パネル206′を傾倒姿勢の三日月形状に構成し、左右方向の中央部を下側役物ベース205′へ回動可能な状態で軸着し、この軸着部よりも下側役物昇降駆動モータ215側(図42(a)中、右側)には、パネル揺動突起281を突設して下側役物ベース205′の揺動ガイド溝282に摺動可能な状態で係合している。さらに、下側アームギア217の上方には揺動アームギア283を噛合し、該揺動アームギア283から揺動アーム284を延設して揺動アーム284の先端部をパネル揺動突起281に係合可能とし、下側役物部材202が演出非実行位置に配置される常態においては、揺動アーム284が下側役物昇降駆動モータ215側(図42(a)中、右側)に延在して当該揺動アームギア283の先端部をパネル揺動突起281から十分に離間させている。なお、揺動アーム284の先端部には、図42(b)および(c)に示すように、揺動アーム284の延在方向に対して傾斜する傾斜面284aを形成してパネル揺動突起281が係合し易い広さに設定してもよいし、あるいは、パネル揺動突起281が係合可能な切欠き部284bを備えてもよい。
このような構成を備えた下側役物リアユニット105′においては、下側役物昇降駆動モータ215を駆動して下側役物アーム216を上方へ回動すると、下側アームギア217に噛合する揺動アームギア283とともに揺動アーム284が回動して下側役物部材202に近づく。そして、図42(d)に示すように、下側役物部材202が演出実行位置(上死位置)に到達する直前に、揺動アーム284の先端部がパネル揺動突起281に係合する。さらに、下側役物昇降駆動モータ215を引き続き駆動して下側役物部材202が演出実行位置(上死位置)に到達すると、図43に示すように、揺動アーム284の先端部がパネル揺動突起281を押圧し、この押圧力により下側役物装飾パネル206′が回動して傾倒姿勢から起立姿勢に変換する。なお、揺動アーム284は、演出実行位置における下側役物装飾パネル206′のパネル揺動突起281を押圧することができれば、どのような機構で回動させてもよい。例えば、下側役物昇降駆動モータ215とは別個に駆動モータ(図示せず)を下側役物リアユニット105′に備え、該駆動モータの駆動により揺動アーム284を動作させてもよい。
そして、第2実施形態の遊技盤6は、第1実施形態とは異なる構成を用いて様々な演出を実行することができる。例えば、図44に示す演出実行例では、導光演出機構112′は、遊技者に右打ちを促す場面で他の構成とともに演出を実行する。具体的には、上側役物回転体162および側縁役物回転体182を遊技盤6の前方から見て時計方向へ回転して、遊技者に遊技球の右打ちを促す演出時には、導光演出機構112′の第2側方発光部材277を全て発光して第2ドットパターンDPSを発光表示し、表示装置55の表示部55aには「右打ち」の文字と縮小状態の変動表示図柄とを表示して第2導光窓部272aから前方に臨ませる。これにより、遊技球の右打ち指示を遊技者(特に、遊技のやり方に慣れていない初心者)に強くアピールすることができ、遊技球が入賞し難い方向へ無駄に発射されること、ひいては、遊技の興趣が低減することを抑えようとすることができる。
なお、導光演出機構112′の演出動作を制御する導光板制御処理(ステップS91)は、図45に示すように、まず、第1中央ドットパターン(キャラクター表示)DPCの発光表示を行うタイミングであるか否かを判定し(ステップS111)、第1中央ドットパターンDPCの発光表示のタイミングが到来した場合には、第1下方発光部材276を全て発光する旨の設定を行う(ステップS112)。ステップS112の実行後、またはステップS111において第1中央ドットパターンDPCの発光表示のタイミングではないと判定された場合には、第1周辺ドットパターン(エフェクト表示)DPEの順次発光表示(図41(a)参照)を行うタイミングであるか否かを判定し(ステップS113)、第1周辺ドットパターンDPEの順次発光表示のタイミングが到来した場合には、第1側方発光部材275の発光数を次第に増加する旨(順次発光)の設定を行う(ステップS114)。ステップS114の実行後、またはステップS113において第1周辺ドットパターンDPEの順次発光表示のタイミングではないと判定された場合には、第1周辺ドットパターン(エフェクト表示)DPEの全部発光表示(図40(a)参照)を行うタイミングであるか否かを判定し(ステップS115)、第1周辺ドットパターンDPEの全部発光表示のタイミングが到来した場合には、第1側方発光部材275の全てを一斉に発光する旨(全部発光)の設定を行う(ステップS116)。
ステップS116の実行後、またはステップS115において第1周辺ドットパターンDPEの全部発光表示のタイミングではないと判定された場合には、第2ドットパターン(シャッター表示)DPSの順次発光表示(図41(b)参照)を行うタイミングであるか否かを判定し(ステップS117)、第2ドットパターンDPSの順次発光表示のタイミングが到来した場合には、第2側方発光部材277の発光数を次第に増加する旨(順次発光)の設定を行う(ステップS118)。ステップS118の実行後、またはステップS117において第2ドットパターンDPSの順次発光表示のタイミングではないと判定された場合には、第2ドットパターン(シャッター表示)DPSの全部発光表示(図40(c)および図44参照)を行うタイミングであるか否かを判定し(ステップS119)、第2ドットパターンDPSの全部発光表示のタイミングが到来した場合には、第2側方発光部材277の全てを一斉に発光する旨(全部発光)の設定を行う(ステップS120)。ステップS120の実行後、またはステップS119において第2ドットパターンDPSの全部発光表示のタイミングではないと判定された場合には、導光板制御処理を終了する。
また、図46および図47に示す演出実行例では、遊技者に所謂左打ち(遊技球を第2ケース球流下路27へ流下させるように発射操作を行うこと)を指示して遊技球の始動入賞ユニット38への入賞(詳しくは、遊技球が第2ケース球流下路27から球導入路79、ステージ部76を通って始動入賞ユニット38内に進入すること)を促すために、上側役物回転体162、側縁役物回転体182、導光演出機構112′、下側役物部材202が演出動作を行う。
具体的に説明すると、図47(a)に示すように、電サポ状態が終了すると、演出制御装置59は、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189の駆動を停止して右打ち指示の演出(上側役物回転体162および側縁役物回転体182の時計方向への回転)を終了し、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189を電サポ状態での駆動とは逆回転で駆動して上側役物回転体162および側縁役物回転体182を遊技盤6の前方から見て反時計方向へ回転する。この回転動作により、上側役物回転体162が鎧部63側となる上縁部を遊技盤6の右側から左側へ移動させるとともに、側縁役物回転体182が第1ケース球流下路26側となる側縁部(図46中、右側部)を遊技盤6の下側から上側へ移動させて、遊技者に所謂左打ちを指示する。また、導光演出機構112′の第2側方発光部材277を発光して第2ドットパターンDPSを発光表示し、表示装置55の表示部55aには「左打ち」の文字と、特図1保留数の数字表示(図46中、「0」で示される表示)と、特図2保留数の数字表示(図46中、「4」で示される表示)とを表示して第2導光窓部272aから前方に臨ませ、縮小状態の変動表示図柄を表示して表示部55aのうち第2ドットパターンDPSから下方にずれた位置から前方に臨ませる。さらに、下側役物昇降駆動モータ215を駆動して、下側役物部材202を演出非実行位置から演出実行位置へ上昇させて下側役物装飾パネル206′を傾倒姿勢から起立状態へ変換させ、下側役物装飾パネル206′の上部を第2ケース球流下路27に沿った縦向き姿勢でセンターケース23のケース窓部62から前方に臨ませる。
そして、予め設定された左打ち指示演出時間が経過すると、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189の駆動の停止、第2側方発光部材277の発光停止、表示装置55の表示部55aにおける左打ち指示表示の停止を実行する。さらに、下側役物昇降駆動モータ215を駆動して下側役物部材202を演出実行位置から演出非実行位置へ下降させるとともに、起立姿勢から傾倒姿勢へ戻す。このようにして、遊技球の左打ちの指示を上側役物回転体162、側縁役物回転体182、導光演出機構112′、下側役物部材202の演出動作により実行すれば、遊技者に左打ちの指示を強くアピールすることができる。なお、左打ち指示の演出においても、上側役物駆動モータ169および側縁役物駆動モータ189の制御を、駆動と停止とを交互に繰り返して実行する状態に設定してもよい。
また、図47(b)に示すように、左打ち指示演出の実行中に別個の所定演出の割込み実行が指令され、この所定演出において下側役物部材202の昇降動作が設定されている場合には、所定演出の実行の開始のタイミングで下側役物昇降駆動モータ215を駆動して下側役物部材202を演出非実行位置に戻し、演出非実行位置に戻った下側役物部材202を改めて上昇させて所定演出の実行を行う。なお、所定演出の実行の開始のタイミングから下側役物部材202の演出非実行位置への戻りまでの時間のずれが許容範囲を越える場合には、所定演出としての下側役物部材202の昇降動作を取り消してもよい。また、所定演出の割込み実行を開始すると、左打ち指示演出における上側役物回転体162、側縁役物回転体182、導光演出機構112′の演出動作は中断される。
そして、図48から図50に示す演出実行例では、大当り状態のラウンド遊技(大入賞口31が20秒間の開放、または遊技球が10個入賞するまでの開放を行う遊技)の進行に伴い、装飾開閉部材94の開閉動作および遊技球の動画表示に加えて、中央役物部材117と導光演出機構112′とが演出動作を実行するように構成されている。具体的に説明すると、大当り状態において遊技球が大入賞口31に入賞してカウントスイッチ86に検出されると、このカウントスイッチ86の検出信号に基づいて演出制御装置59が中央役物ユニット101′の中央役物駆動モータ120の駆動を制御し、中央役物部材117を演出非実行位置から下降させる。そして、当該中央役物部材117とともに移動するベース側係脱部254が下死状態(係脱ガイド突起259を係脱ガイド溝260の下端部へ係合する状態)となるタイミングで下降動作を停止してベース側係脱部254と部材側係脱部253との離間を避け、停止状態の中央役物部材117の下縁部をセンターケース23のケース窓部62から前方に臨ませる(図48から図50参照)。さらに、中央役物駆動モータ120の駆動を制御して、中央役物部材117を停止位置から上昇させて演出非実行位置に戻す。
このようにして、遊技球が大入賞口31へ入賞する度に中央役物部材117が見え隠れする演出を実行すれば、遊技者は、遊技球の大入賞口31への入賞の様子とともに中央役物部材117の演出動作を見て楽しむことができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、中央役物部材117は、演出係脱機構250を介して中央ユニットベース110に係合して保持された状態で昇降動作を行うので、不用意に中央役物部材117が設定とは異なる動作を実行する不都合を避けようとすることができる。
また、導光演出機構112′においては、遊技球が大入賞口31へ入賞する度に第1周辺ドットパターンDPEの発光範囲を次第に広げる演出を実行する。例えば、第1周辺ドットパターンDPEの発光範囲を3段階に分けて上部から次第に広がるようにするために、複数の第1側方発光部材275を上側、中央、下側の範囲に3分割して設定しておく(図41(a)参照)。そして、ラウンド遊技の開始後に1個目の遊技球が大入賞口31に入賞してカウントスイッチ86に検出されると、このカウントスイッチ86の検出信号に基づいて演出制御装置59が第1側方発光部材275のうち上側範囲に設定されたものを発光操作する。すると、図48に示すように、第1周辺ドットパターンDPEの上部が発光表示される。
次に、ラウンド遊技の開始後から5個目の遊技球が大入賞口31に入賞してカウントスイッチ86に検出されると、このカウントスイッチ86の検出信号に基づいて演出制御装置59が第1側方発光部材275のうち中央範囲に設定されたものの発光操作を追加して行う。すると、図49に示すように、第1周辺ドットパターンDPEの上部に加えて中央部が発光表示される。さらに、ラウンド遊技の開始後から10個目の遊技球が大入賞口31に入賞してカウントスイッチ86に検出されると(言い換えると、大入賞口31への遊技球の入賞個数がラウンド遊技の終了条件を満たすと)、このカウントスイッチ86の検出信号に基づいて演出制御装置59が第1側方発光部材275のうち下側範囲に設定されたものの発光操作を追加して行う。すると、図50に示すように、第1周辺ドットパターンDPEの上部および中央部に加えて下部が発光表示される。すなわち、第1周辺ドットパターンDPEの全体が発光表示される。また、表示装置55の表示部55aのうち第1中央ドットパターンDPCと前後に重なる箇所には「次ラウンド!」の文字を表示して、この文字の周辺を第1周辺ドットパターンDPEにより発光装飾する態様の演出を行う。このようにしてラウンド遊技の進行に伴って第1周辺ドットパターンDPEの発光範囲を次第に広げる演出を実行すれば、遊技者は、ラウンド遊技の進捗を容易に把握することができる。
なお、第2実施形態においては、遊技の進行に伴う装飾演出において、中央役物部材117の昇降動作と他の役物部材の演出動作とを連動させて装飾演出を実行するように設定してもよい。このとき、中央役物部材117が演出係脱機構250を介して中央ユニットベース110に係合して保持されているときには、中央役物部材117が予め設定された動作とは異なる動作(例えば、急激な下降)を行うことを抑制することができるため、他の役物部材(特に、演出実行位置に配置された下側役物部材202)と中央役物部材117とが不用意に衝突して損傷する不都合を阻止しようとすることができる。
また、第2実施形態の演出係脱機構250は、磁力を利用して中央役物部材117と中央ユニットベース110とを係脱可能としたが、本発明はこれに限定されない。要は、可動演出装置の演出ベースと可動部材とを予め設定された係合力で係合し、この係合力以上の力が作用して役物部材と演出ベースとを離間させると、可動部材と演出ベースとの係合状態を解除することが可能であれば、係合力を発生させる構成は問わない。例えば、演出係脱機構250に面ファスナーを採用して係合力を発生させてもよいし、あるいは粘着シートを採用して係合力を発生させてもよい。
ところで、上記各実施形態においては、遊技者側から視認可能な状態で遊技盤6に設けられた電気回路基板(例えば、センターケース23の発光装飾部64や各役物ユニットに収納される発光基板)に対して工夫を施す旨を適用していないが、本発明はこれに限定されない。例えば、図51に示す第3実施形態におけるセンターケース23の発光装飾部64′は、発光部材が実装されている電気回路基板において情報の表示態様を工夫して、遊技盤6の装飾効果の減衰を避けることができるように構成されている。
具体的に説明すると、発光装飾部64′は、図51(a)および(b)に示すように、透光性を有するパネル状の装飾部材291の後方(言い換えると、装飾部材291よりも遊技者側とは反対側となる後方)に発光装飾基板(電気回路基板)292を備えて構成されている。また、発光装飾基板292のうち装飾部材291側へ向けた表面(実装面である前面)には、白色LEDである発光部材293を含めて電気部品を複数個実装し(図51(b)および(c)参照)、発光部材293から発生した光が装飾部材291を通って発光装飾部64′の前方へ照射して、発光装飾部64′が発光装飾を実行するように構成されている。さらに、発光装飾基板292の表面を、回路配線パターン(図示せず)を含めて白色系に彩色している。そして、図51(d)に示すように、発光装飾基板292の裏面のうち各発光部材293の実装箇所の裏側に位置する箇所には、発光装飾基板292の構成に関する基板構成情報294として、発光部材293の設計上の名称(LED1,LED2等)を表示している。なお、基板構成情報294は、シルクスクリーン印刷を施して表示されているが、どのような表示手段を用いて表示してもよい。
このようにして、基板構成情報294が発光装飾基板292の表面に表示されることを避ければ、装飾部材291を通して遊技者が発光装飾基板292上の基板構成情報294を目視する不都合、ひいては、装飾部材291の意匠に基づく装飾効果や、発光部材293の発光に基づく装飾効果が減衰して遊技の興趣が損なわれる不都合を阻止することができる。また、発光装飾基板292の表面を白色系に彩色し、発光部材293として白色LEDを実装しているので、発光部材293から発生した白色光が発光装飾基板292の表面全体に亘って広がり、輝度の低下を抑えた状態で前方の装飾部材291側へ反射し易くなる。したがって、発光部材293の実装数を少なく抑えたとしても、発光装飾部64′をムラなく発光させようとすることができる。さらに、装飾部材291が有色透明な部材で構成される場合には、装飾部材291の発色を鮮やかに見せることができ、発光装飾部64′の装飾効果の向上を図ることができる。
なお、発光装飾基板292を電気回路基板として例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、透光性の装飾部材を通して遊技者側から視認可能であれば、どのような電気回路基板であってもよい。また、基板構成情報として実装部品(発光部材293)の名称を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、電気回路基板の構成に関する内容を示すものであれば、どのような態様の基板構成情報であってもよい。例えば、実装される電気部品についての情報を表示する場合では、当該電気部品の仕様(コンデンサの容量やダイオードの実装の向き、電圧値等)、当該電気部品の型番や設計上の部品番号、当該電気部品の実装箇所を文字、記号、描画、彩色により表示してもよい。また、電気回路基板自体についての情報を表示する場合では、当該電気回路基板の遊技盤に対する装着態様を示す情報(表裏の向き、上下の向き、左右の向き等)、当該電気回路基板を支持する支持部への取り付け位置(ビス止め箇所や係止箇所等)、遊技盤の稼働テストのためにテスト端子が接続される端子受部の場所を文字、記号、描画、彩色により表示してもよい。
さらに、電気回路基板に配線コネクターを実装する場合には、配線コネクターに関する基板構成情報(一の電気部品に関する基板構成情報)の表示態様を、他の電気部品に関する基板構成情報とは異なる表示態様に設定して、配線コネクターに関する基板構成情報を把握し易いようにしてもよい。例えば、図52(a)に示すように、発光装飾基板292の裏面に配線コネクター300を実装する場合には、配線コネクター300の実装箇所を発光装飾基板292の縁部に寄せて発光部材293の基板構成情報(部品番号情報)294から離し、配線コネクター300の情報として表示される基板構成情報301(文字情報(部品情報)301aおよび矩形描画で表示される実装箇所指示情報301b)のうち文字情報301aの向きを発光部材(他の電気部品)293の基板構成情報(部品番号情報(部品情報))294とは異なる向きに設定してもよい。
また、発光装飾基板292の表面に配線コネクター300を実装する場合においては、図52(b)に示すように、配線コネクター300の基板構成情報301をも発光装飾基板292の表面に表示して、該基板構成情報301が他の電気部品に関する基板構成情報(例えば、発光部材293の基板構成情報294)と同時に目視されることを避けるように構成してもよい。このとき、図52(c)に示すように、配線コネクター300を実装する前の発光装飾基板292において、ピン番号を示す文字情報301aを実装箇所指示情報301bの内側に表示しておき、発光装飾基板(電気回路基板)292に配線コネクター(電気部品)300を実装すると、文字情報(基板構成情報)301aが配線コネクター(電気部品)300に覆われて見えなくなるように構成してもよい。あるいは、図52(d)および(e)に示すように、配線コネクター300の基板構成情報301を発光装飾基板292の表面ではなく裏面に表示するが、他の電気部品に関する基板構成情報(例えば、発光部材293の基板構成情報294)とは離間して基板構成情報301を目視し易くしてもよい。なお、図52(a)〜(e)に示した各変形例では、配線コネクター300の文字情報301aとして、配線コネクター300のピン番号(「1」,「4」の番号)および設計上の部品番号(「CN1」,「CN2」の文字)を例示したが、配線コネクター300に関する他の情報を文字情報301aとして表示してもよい。
そして、電気回路基板の同じ面に回路配線パターンと基板構成情報とが配設される場合には、図53(a)に示すように、電気回路基板(例えば、発光部材293が実装された発光装飾基板292)の回路配線パターンPに基板構成情報(例えば、発光部材293の基板構成情報294)を重ねて配置してもよいが、基板構成情報294の内容が把握し難くなる虞がある。そこで、基板構成情報の一部を回路配線パターンPからずらして表示してもよい。例えば、図53(b)に示すように、発光部材293の基板構成情報294のうち発光部材293の配置箇所を示す矩形状の実装箇所指示情報294aを回路配線パターンPに重ねて表示するが、基板構成情報294のうち設計上の部品番号等を示す文字情報294bを回路配線パターンPからずらして表示するようにしてもよい。また、図53(c)に示すように、基板構成情報294の一部として予め設定された特定表示情報(例えば、回路配線パターンPの幅寸法以下の幅で表示される小さな三角形状のマーク)294cのみを回路配線パターンPからずらして表示するようにしてもよい。このようにして、基板構成情報294の一部を回路配線パターンPからずらして表示すれば、基板構成情報294の一部が把握し難くなる不都合を避けることができる。
さらに、隣接して実装される複数の電気部品に関して、各電気部品に関する基板構成情報を電気回路基板上に表示する場合には、基板構成情報の表示態様、特に、文字で表示される情報(設計上の部品番号等)の表示態様を各電気部品の密集度合いに応じて異ならせてもよい。例えば、電気回路基板上に実装された電気部品同士の間隔が狭く設定されて所定の大きさの文字情報が電気部品の実装箇所の近傍に表示できない場合には、複数の電気部品の一群を実装部品群として設定し、この実装部品群の実装箇所から外れた箇所に、実装部品群に関する情報を基板構成情報として表示することが好適である。具体的には、図54(a)に示す発光装飾基板292においては、発光装飾基板292の表面に実装された複数(例えば、9個)の発光部材293を実装部品群310として設定し、発光装飾基板292の裏面には、実装部品群310に関する基板構成情報312の一部として矩形状の実装箇所指示情報(実装部品群を示す実装部品群指示情報)314を表示して実装部品群310の実装箇所を示し、実装箇所指示情報314から外れた箇所(実装部品群指示情報の表示位置から外れた位置)には、基板構成情報312の一部である実装部品群情報(実装部品群を構成する電気部品に関する部品情報を内部に表示する実装部品群情報)315を実装箇所指示情報314よりも大きく表示し、該実装部品群情報315と実装箇所指示情報314との間に接続線(実装部品群指示情報と実装部品群情報とを関連付ける関連付け情報)316を描画している。そして、該実装部品群情報315内には、実装部品群310を構成する各発光部材293の設計上の部品番号等の文字情報(部品情報)315aを表示し、各文字情報315aの配列を実装部品群310の各発光部材293の配列に合わせて設定している。このような構成の実装部品群情報315を採用すれば、複数の基板構成情報の内容をまとめて把握することができる。また、複数の電気部品が密集状態で実装されているときには、支障なく各電気部品に関する基板構成情報を見やすく表示することができる。なお、実装部品群情報315は、実装箇所指示情報314よりも大きく設定することに限定されず、実装箇所指示情報314以下の大きさに設定してもよい。
また、図54(b)に示すように、実装箇所指示情報314で示される領域内に実装部品群310の構成部品とは異なる群外構成(例えば、発光装飾基板292にビス等の止着具を通すための貫通孔317)が配置されている場合には、群外構成を省略して実装部品群情報315を表示してもよい。このとき、実装部品群情報315の内部においては、群外構成の配置箇所に相当する部分(群外構成の配置相当分のスペース)を空けて文字情報315aを表示してもよいし、空けずに文字情報315aを詰めて表示してもよい。
さらに、図54に示す実施形態では、実装部品群310を発光部材293のみで構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数種類の電気部品を密集状態で電気回路基板上に実装して実装部品群として設定してもよい。また、電気回路基板上に実装部品群を複数組設定し、各実装部品群の情報が記載された実装部品群情報を電気回路基板上にそれぞれ表示してもよい。さらに、電気回路基板上に実装される全ての電気部品を単一の実装部品群として設定し、この実装部品群の情報が記載された実装部品群情報を電気回路基板上に表示してもよい。
また、図55(a)および(b)に示す発光装飾基板292においては、隣り合う電気部品の配置間隔を図54に示す発光装飾基板292と比較して広く設定して、電気部品の密集度合い(実装密度)を図54に示す発光装飾基板292よりも低くしている。そして、基板構成情報の表示態様を図54の基板構成情報312の表示態様とは異ならせている。具体的に説明すると、図55(a)においては、縦向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔が横向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔よりも狭く設定されており、各実装箇所指示情報294aの側方に文字情報294bを表示している。さらに、図55(b)においては、縦向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔が横向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔よりも広く設定されており、各実装箇所指示情報294aの上方または下方に文字情報294bを表示している。このようにして、電気部品の密集度合いに応じて基板構成情報の表示態様を異ならせれば、基板構成情報を目視するだけで電気部品の密集度合いを容易に把握することができる。
なお、電気部品の密集度合いだけではなく、表示される文字情報の文字数にも基づいて基板構成情報の表示態様を異ならせてもよい。例えば、図56(a)に示すように、縦向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔が横向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔よりも狭く設定されており、尚且つ文字情報294bの文字数が所定の文字規定数(例えば5文字)よりも多い場合には、各実装箇所指示情報294aの側方に文字情報294bを表示するように設定してもよい。あるいは、図56(b)に示すように、縦向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔が横向きに並んで実装される電気部品(発光部材293)同士の間隔よりも広く設定されており、尚且つ文字情報294bの文字数が所定の文字規定数(例えば5文字)よりも多い場合には、各実装箇所指示情報294aの上方または下方に文字情報294bを表示するように設定してもよい。
そして、上記実施形態では本発明の電気部品として発光部材や配線コネクターを例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明の電気回路基板上に実装される電気部品は、他の電気部品でもよい。例えば、本発明の電気部品としてIC、ROM、RAM、スイッチ、フォトカプラ、抵抗(抵抗アレイ)、リレー、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、コイルを適用してもよい。また、基板構成情報が記載される電気回路基板は、透光性を有する装飾部材により被覆された基板であることに限定されない。要は、電気部品を実装するものであれば、発光装飾基板に限らない。例えば、遊技制御装置を構成する基板(主基板)、演出制御装置や払出制御装置等を構成する基板(サブ基板)、電気信号を中継する中継基板等に本発明の基板構成情報を表示してもよい。
ところで、図51に示す第3実施形態では、発光装飾基板(電気回路基板)292の裏面に基板構成情報294を表示することにより装飾部材291の装飾効果の減衰を阻止したが、本発明はこれに限定されない。例えば、電気回路基板の表面に回路配線パターンが施される場合において、この回路配線パターンが装飾部材291上の模様に紛れて遊技者側から判別し難くなるように構成して、装飾部材291の装飾効果の減衰を阻止してもよい。具体的には、図57に示す変形例の発光装飾部64″においては、装飾部材291のうち発光装飾基板292の回路配線パターンPの前方に位置する箇所および周辺部に、遊技者側から見て回路配線パターンPに沿って延在する線状模様LPを突条、溝、彩色等により施し、遊技者が装飾部材291を目視すると、発光装飾基板292の表面の回路配線パターンPが装飾部材291上の線状模様LPの一部であるかのように見えるように構成してもよい。このようにして、装飾部材291の模様LPで回路配線パターンPをカムフラージュすれば、回路配線パターンPが目立って見えることを抑えることができ、装飾部材291の装飾効果が減衰して遊技の興趣が損なわれる不都合を阻止することができる。
そして、上記各実施形態では、遊技者が視認可能な発光装飾基板を本発明の電気回路基板として例示し、該発光装飾基板に表示される基板構成情報について様々な態様を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技者が視認不能な電気回路基板(遊技者側から不透光性の部材で被覆される電気回路基板等)に対して、上記した態様の基板構成情報を表示してもよい。このとき、電気回路基板の遊技者側、または遊技者とは反対側のどちらに基板構成情報を表示してもよい。さらに、遊技者が視認可能な電気回路基板であったとしても、該電気回路基板の遊技者側に基板構成情報を表示して、当該電気回路基板のうち遊技者とは反対側の領域に基板構成情報が表示されること避け、この反対側の領域を他の目的に有効活用できるようにしてもよい。
ところで、本発明では、遊技者が視認可能か否かに拘らず電気回路基板に基板構成情報を表示し、該基板構成情報の表示態様に様々な工夫を施してもよい。以下、基板構成情報が表示される電気回路基板について、他の実施形態を例示する。
図58に示す実施形態では、横長な電気回路基板320の縁部に沿って枠状の部品非実装領域321(図58中、ハッチングで示す領域)を設定し、該部品非実装領域321に電気部品322を実装すること、および基板構成情報の一種である文字情報324(詳しくは電気部品322の部品番号からなる文字情報324)を表示することを避けている。具体的に説明すると、電気回路基板320は、短冊形状を呈する複数の電気部品322(第1部品322a,第2部品322b,第3部品322c,第4部品322d)を実装している。そして、第1部品322aおよび第2部品322bを電気回路基板320の長手方向(横方向)に沿って延在する姿勢に設定し、第3部品322cを電気回路基板320の長手方向(横方向)とは直交する方向に沿って延在する姿勢に設定し、第4部品322dを電気回路基板320の長手方向(横方向)に対して傾斜した姿勢に設定している。
また、第1部品322aの側方には当該第1部品322aの文字情報(「R101」で示される第1部品番号情報)324aを縦書きで表示し、第1部品番号情報324aの最初の文字である「R」を部品非実装領域321から下方に離間している。さらに、第2部品322bの下方には当該第2部品322bの文字情報(「R102」で示される第2部品番号情報)324bを横書きで表示し、第2部品番号情報324bの最初の文字である「R」を部品非実装領域321から側方に離間している。そして、第3部品322cの側方には当該第3部品322cの文字情報(「R103」で示される第3部品番号情報)324cを囲み枠付きの横書き状態であり、且つ文字の並び方向が第3部品322cの長手方向に沿った状態で表示し、第3部品番号情報324cの囲み枠の一辺(図58中、上辺)を部品非実装領域321の境界に配置している。さらに、第4部品322dの下方には当該第4部品322dの文字情報(「R104」で示される第4部品番号情報)324dを文字の並び方向が第4部品322dの長手方向に沿った状態で表示し、第4部品番号情報324dの最後の文字である「4」を部品非実装領域321から上方に離間している。このようにして電気部品322および基板構成情報(文字情報324)が電気回路基板320の縁部に配置されることを避ければ、工具等が衝突して電気部品322や基板構成情報(文字情報324)が欠損する不都合を避けることができる。
図59に示す実施形態では、電気回路基板326上に、二次元コードや管理情報が印刷されている情報シール327を当該電気回路基板326の構成要素の一つとして貼付しており、この情報シール327の貼付箇所を示す貼付箇所指示情報328を電気回路基板326の基板構成情報として表示している。具体的に説明すると、図59(a)においては、電気回路基板326上に矩形枠状の貼付箇所指示情報328aを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、該貼付箇所指示情報328a内の空間部に情報シール327を貼付している。また、図59(b)においては、電気回路基板326上に矩形枠状の貼付箇所指示情報328bを配線回路パターンにより表示し、該貼付箇所指示情報328b内の空間部に情報シール327を貼付している。さらに、図59(c)においては、電気回路基板326上に、不連続の線分で表現された貼付箇所指示情報328cを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、該貼付箇所指示情報328に角部を合わせた状態で情報シール327を貼付している。そして、図59(d)においては、鋭角部を互いに近接させた2つの三角形マークで貼付箇所指示情報328dを表現して、電気回路基板326上へ印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、貼付箇所指示情報328d(詳しくは2つの三角形マークの鋭角部同士の近接箇所)に角部を合わせた状態で情報シール327を貼付している。このようにして、電気部品には含まれない部品(非電気部品)が電気回路基板326の一部を構成する場合においても、この非電気部品の配置箇所等の情報を基板構成情報として電気回路基板326に表示すれば、電気回路基板326の製造作業の効率を向上させることができる。なお、電気回路基板326の出荷時の完成品には実装されない部品(例えば、開発段階やテスト段階では実装されるが、工場からの出荷段階では電気回路基板326から外されるコネクター等の部品)についても、その配置箇所や部品番号等の情報を基板構成情報として電気回路基板326に表示してもよい。
図60に示す実施形態では、電気回路基板330に、設定を変更可能な電気部品としてスライドスイッチ331を実装しており、スライドスイッチ331の実装箇所の情報および仕様に関する情報を当該電気回路基板330の基板構成情報として表示している。具体的に説明すると、図60(a)に示すように、電気回路基板330には、基板構成情報としてスライドスイッチ331の実装箇所を示す実装箇所指示情報333を、スライドスイッチ331よりもひと回り大きな矩形枠で印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、該実装箇所指示情報333の枠内には、スライドスイッチ331の番号を示す文字情報(「1」,「2」で示される文字情報)334と、スライドスイッチ331の仕様の一種としてスライダの移動可能位置を示す目盛り335とを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。そして、スライドスイッチ331を電気回路基板330に実装すると、図60(b)に示すように、実装箇所指示情報333がスライドスイッチ331の周りを囲むが、文字情報334および目盛り335がスライドスイッチ331に被覆されて隠れるように構成されている。このようにして、電気部品の設定が変更可能である旨の情報を基板構成情報として表示すれば、電気回路基板330の組立作業時に作業者が誤った電気部品を実装する虞を抑制し易くすることができる。なお、設定が変更可能な電気部品は、スライドスイッチ331に限らず、他の種類の電気部品であってもよい。例えば、回転ダイヤルで設定を変更可能な電気部品であってもよい。
図61に示す実施形態では、電気回路基板337に、複数の電気部品338が近接状態(例えば、電気部品338同士の離間距離が電気部品338の外形寸法よりも十分に狭い状態)で実装されており、各電気部品338の実装箇所指示情報339を各電気部品338の周囲を囲む矩形枠で印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、各電気部品338に関する文字情報340を電気部品338同士の隙間の寸法に合わせて態様を異ならせて、印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。具体的には、第1電気部品338aと第2電気部品338bとを縦に並べて実装し、第1電気部品338aに関する文字情報340a(「LED1」)を横書き態様で第1電気部品338aの下方に表示し、第2電気部品338bに関する文字情報340b(「LED2」)を縦書き態様で第2電気部品338bの側方に表示している。このようにして、各電気部品338の実装箇所を実装箇所指示情報339で示し、各電気部品338に関する文字情報340を同一の態様に揃えずに表示すれば、電気部品338に関する情報を電気回路基板337の設計に応じて適切な態様で表示することができて好適である。
図62に示す実施形態では、一対の電気回路基板(第1基板343,第2基板344)を基板コネクター345で接続した基板ユニット346において、各基板343,344上に基板コネクター345(電気部品)に関する情報を基板構成情報として表示している。具体的に説明すると、基板ユニット346は、図62(a)に示すように、互いに対向する第1基板343と第2基板344とを基板コネクター345により接続して通電可能とし、第1基板343のうち第2基板344と対向するコネクター実装面343aに基板コネクター345のオス端子345aを実装し(図62(a)および(c)参照)、第2基板344のうち第1基板343に対向するコネクター実装面344aに基板コネクター345のメス端子345bを実装している(図62(a)および(d)参照)。また、第1基板343のうち基板ユニット346の外方を向いたコネクター非実装面343bには、図62(b)に示すように、オス端子345aの実装箇所を示す矩形状の実装箇所指示情報348と、オス端子345aのピン番号(「1」,「12」)を示す文字情報349と、オス端子345aのうち予め設定された特定ピンの位置(例えば、第1ピンの位置)を三角形状等の印で示すピン位置指示情報350とを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。さらに、第2基板344のうち基板ユニット346の外方を向いたコネクター非実装面344bには、図62(e)に示すように、メス端子345bの実装箇所を示す実装箇所指示情報351と、メス端子345bのうちオス端子345aの特定ピンが接続される特定ピン受部の位置を三角形状等の印で示すピン受位置指示情報352とを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。このようにしてピン位置指示情報351およびピン受位置指示情報352を基板構成情報として基板ユニット346に表示すれば、第1基板343と第2基板344との接続作業時にピン位置指示情報350およびピン受位置指示情報352の位置を確認して、第1基板343と第2基板344との位置合わせを容易に行うことができる。
図63に示す実施形態では、電気回路基板(第1基板355)上に装着スペーサー356を介して別個の電気回路基板(第2基板357)を装着して構成された基板ユニット360において、一方の電気回路基板に関する基板構成情報を他方の電気回路基板に表示している。具体的に説明すると、基板ユニット360は、図63(a)に示すように、第1基板355と第2基板357との間に、コ字状を呈する樹脂製の装着スペーサー356を配置して第1基板355と第2基板357とを離間させている。そして、第2基板357には電気部品362を実装し(図63(b)参照)、この電気部品362に関する情報(文字情報363および実装箇所指示情報364)を基板構成情報として、第1基板355のうち第2基板357が重合する重合領域355aに印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、この重合領域355aの三方を装着スペーサー356により囲んでいる(図63(c)参照)。このようにして第2基板357に関する基板構成情報を第1基板355に表示すれば、第2基板357に基板構成情報を表示できる領域を十分に確保できなかったとしても、第2基板357に関する基板構成情報の表示に支障を来たすことがない。
なお、第2基板357により被覆される第1基板355の重合領域355aには、テスト端子(図示せず)が接続される端子受部366を備え(図63(c)参照)、該端子受部366に関する情報(文字情報367)を基板構成情報として印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。そして、製品出荷前に実行される稼働テストにおいて、端子受部366にテスト端子を接続できるように構成されている。このように、使用頻度が限られた電気部品(端子受部366等)および当該電気部品に関する基板構成情報(文字情報367等)を重合領域355aに配置して目立たないように構成すれば、基板ユニット360の見た目が煩雑になることを抑制することができる。また、端子受部366のように普段使わないもの、熱を放出しないもの、目立たなくてもよいもの(例えば、スルーホールやビア等)を重合領域355aに配置して隠すことができるため、普段使わないもの等が基板ユニット360上で目立つことを避けることができ、基板ユニット360上のスペースの有効利用を図ることができる。
また、装着スペーサー356を介して第1基板355上に第2基板357を装着したが、第2基板357の代わりに他の構成(例えば、冷却ファンやヒートシンク)を装着し、他の構成に関する情報を基板構成情報として第1基板355の重合領域355aに表示してもよい。
図64に示す実施形態では、電気回路基板370上に設定された特定実装領域370aに特定電気部品372を実装し、該特定電気部品372に関する情報(基板構成情報)を特定実装領域370aの内外にそれぞれ表示している。具体的に説明すると、電気回路基板370は、当該電気回路基板370の表裏に亘る一部分(図64(a)および(b)に二点鎖線で示される部分)を特定実装領域370aに設定し、図64(a)に示すように、該特定実装領域370aの一方の面(実装面となる表面)には、複数の電気部品のうち予め設定された特定電気部品372(例えば、モータやソレノイドを制御するIC,コイル等のように、使用電圧値が他の電気部品よりも高い特定電気部品372)を実装している。また、特定実装領域370aのうち実装面とは反対側となる他方の面(裏面)には、図64(b)に示すように、他の配線回路パターン374よりも幅広に設定された複数のグランドパターンを特定配線回路パターン375として備え、各特定配線回路パターン375を含めて囲む矩形状の絶縁部370bを特定実装領域370aの境界に設定している。言いかえると、特定配線回路パターン375の外周に形成される絶縁部370bにより特定実装領域370aを区画し、該特定実装領域370a内に複数の特定配線回路パターン375を配置している。なお、特定電気部品372の端子ピンの一種であるグランドピン(図示せず)をグランドパターン(特定配線回路パターン375)に導通させてもよい。
さらに、特定実装領域370aの裏面には、特定電気部品372の実装箇所を示す矩形枠状の実装箇所指示情報378を印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、電気回路基板370の裏面のうち特定実装領域370aの外方に位置する箇所には、特定電気部品372の部品番号を示す文字情報(「A01」の文字情報)379を印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。また、グランドパターン(特定配線回路パターン375)のうち実装箇所指示情報378と特定実装領域370aの境界との間に位置する箇所には、複数のビア(電気回路基板370の表裏を貫通する穴部)376を開設して実装箇所指示情報378を囲み、該ビア376により特定配線回路パターン375を電気回路基板370の表面の配線パターン(図示せず)へ導通している。言い換えると、特定実装領域370a内のうち実装箇所指示情報378が表示されている領域をビア376で囲んでいる。このようにして、特定実装領域370a内に実装箇所指示情報378を表示する一方、特定実装領域370aの外方に文字情報379を表示すれば、これらの情報が近付き過ぎて混在する不都合を避けることができ、各情報を視認し易くすることができる。また、特定配線回路パターン375を広く設定することにより、絶縁部370bで囲まれる特定実装領域370aを広くすれば、特定電気部品372の周りに配置される電気部品を特定電気部品372から離すことができる。したがって、特定電気部品372から発生するノイズ等の悪影響が他の電気部品に及ぶことを抑制することができる。さらに、特定電気部品372を複数のビア376で囲んでいるので、特定電気部品372の実装場所(言い換えると、他の電気部品に影響を及ぼし得る特定電気部品372)を容易に確認することができる。なお、特定配線回路パターン375はグランドパターンであることに限定されない。要は、他の配線回路パターンよりも幅広に設定されていれば、どのような機能を有する配線回路パターンであってもよい。また、実装箇所指示情報378と文字情報379とが視認し易い状態であれば、双方の情報を特定実装領域370aの表面内に表示してもよい。あるいは、特定実装領域370aの表裏いずれかに拘らず、双方の情報を特定実装領域370a内に表示してもよい。また、特定実装領域370aを複数のビア376で囲んで区画することに限定されない。要は、電気回路基板の一方の面から他方の面を貫通する穴部であれば、どのような機能の穴部を特定実装領域に開設して備えてもよい。例えば、ビアの代わりに、スルーホールやICの端子が挿入される穴部を特定実装領域に開設して該特定実装領域を囲んでもよい。また、実装箇所指示情報は、一のグランドパターンと他のグランドパターンを跨いで表示されて、特定実装領域が一の区画された領域と他の区画された領域を含むように設定されていてもよい。
図65に示す実施形態では、複数の電気部品380の一群が実装部品群381として実装される電気回路基板382において、実装部品群381に関する情報を実装部品群情報384で表示し、該実装部品群情報384の表示態様を、実装部品群381の実装領域の輪郭を模した態様に設定している。具体的に説明すると、電気回路基板382は、図65(a)に示すように、当該電気回路基板382の一方の面(実装面となる表面)に複数(本実施形態では6個)の電気部品380を倒コ字状に配列された状態で実装し、実装面とは反対側になる他方の面(裏面)には、図65(b)に示すように、各電気部品380の実装箇所をそれぞれ示す矩形状の実装箇所指示情報386と、該実装箇所指示情報386を囲んで実装部品群381の実装領域388を示す倒コ字状枠の実装領域指示情報387(実装領域388の輪郭)とを基板構成情報の一部として印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示している。また、裏面のうち実装領域指示情報387から外れた箇所には、基板構成情報の一部である実装部品群情報384を表示し、該実装部品群情報384と実装領域指示情報387との間に接続線389を描画している。そして、実装部品群情報384には、実装部品群381の実装領域指示情報387(実装領域388の輪郭)を模した枠表示391を印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示して備え、該枠表示391内には、実装部品群381を構成する各電気部品380に関する情報(部品番号等)を部品情報392として印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、各部品情報392同士の相対姿勢(縦横の向きや配置方向)を実装部品群381の各電気部品380同士の相対姿勢に合わせて設定している。このような構成の実装部品群情報384を採用すれば、実装領域指示情報387と枠表示391とを照合することにより、実装部品群381に関する情報がどこに表示されているかを迅速に把握することができる。そして、複数の電気部品380が密集状態で実装されているときには、支障なく各電気部品380に関する基板構成情報を見やすく表示することができる。したがって、電気回路基板382上に表示される情報を視認し易くすることができる。また、各部品情報392同士の相対姿勢を実装部品群381の各電気部品380同士の相対姿勢に合わせて設定しているので、どの部品情報392がどの電気部品380に関する情報であるのかを簡単に把握することができる。
なお、実装領域指示情報387(実装領域388の輪郭)および枠表示391の形状は、上記した倒コ字状であることに限定されず、どのような形状に設定してもよい。例えば、図65(c)に示すように、実装部品群381を構成する電気部品380をY字状に配列し、この配列に合わせて実装領域指示情報387(実装領域388の輪郭)および枠表示391をY字状の枠に設定してもよい。また、図65(d)に示すように、電気部品380の配列態様(Y字状の配列態様)と実装領域指示情報387の態様(矩形状の枠)とが異なっている場合には、枠表示391を電気部品380の配列態様に合わせた態様(Y字状)に設定してもよい。このようにすれば、枠表示391を実装領域388の輪郭を模して表示する場合と比較して、枠表示391の表示に必要な領域を狭く抑えようとすることができ、電気回路基板382上の限られたスペースを有効に活用することができる。さらに、実装部品群情報384は、電気回路基板382のうち電気部品380が実装されている実装面に表示してもよい。
図66に示す実施形態では、複数の電気部品395の一群が実装部品群396として実装される電気回路基板397において、実装部品群396に関する情報を実装部品群情報399で表示し、該実装部品群情報399と実装部品群396の実装領域403とを関連付けるための表示を備えている。具体的に説明すると、電気回路基板397は、当該電気回路基板397の一方の面(実装面となる表面)に複数(本実施形態では縦横方向に整列した6個)の電気部品395から構成される実装部品群396を複数組(本実施形態では、第1部品群396aおよび第2部品群396bの2組)実装し、実装面とは反対側になる他方の面(裏面)には、基板構成情報の一部として、各電気部品395の実装箇所をそれぞれ示す矩形状の実装箇所指示情報402と、該実装箇所指示情報402を囲んで各実装部品群396の実装領域403を示す矩形状枠の実装領域指示情報404(第1領域指示情報404a,第2領域指示情報404b)とを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)によりそれぞれ表示している。また、裏面のうち各実装領域指示情報404から外れた箇所には、基板構成情報の一部である実装部品群情報399を実装部品群396の数に合わせて複数(本実施形態では、第1部品群情報399aおよび第2部品群情報399bの2つ)表示し、各実装部品群情報399内には、実装部品群396を構成する各電気部品395に関する情報(部品番号等)を文字情報405として印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)により表示し、各文字情報405同士の相対姿勢(縦横の向きや配置方向)を実装部品群396の各電気部品395同士の相対姿勢に合わせて設定している。
さらに、各実装部品群396の実装領域403のうち実装部品群情報399側を向いた縁部(図66中、右縁部)には、実装部品群396に割り当てられた部品群識別情報408と、当該実装領域403から見て実装部品群情報399(詳しくは、当該実装領域403内の電気部品395に関する情報を表示した実装部品群情報399)の方向を指し示す方向指標(矢印)409とを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)によりそれぞれ表示している。なお、図66に示す実施形態では、「イ」の文字を矩形枠で囲んだマークが第1部品群396aの部品群識別情報408として割り当てられており、「ロ」の文字を矩形枠で囲んだマークが第2部品群396bの部品群識別情報408として割り当てられている。
また、方向指標409は、実装部品群情報399の方向と、実装部品群396の実装領域403から実装部品群情報399までの離間距離を表示する距離標識とで表示されており、実装部品群情報399の方向を矢印の向きで表現し、実装部品群情報399までの離間距離を矢印の長さで表現している。そして、第1部品群396aの方向指標409を第2部品群396bの方向指標409よりも長く設定することで、第1部品群396aにおける実装領域403aと実装部品群情報399(第1部品群情報399a)との離間距離が第2部品群396bにおける実装領域403bと実装部品群情報399(第2部品群情報399b)との離間距離よりも長いことを表現するように構成されている。
そして、各実装部品群情報399のうち実装領域403側を向いた縁部(図66中、左縁部)には、当該実装部品群情報399にて関連情報が表示された実装部品群396の部品群識別情報408と同じ態様の識別情報412と、当該実装部品群情報399から見て実装部品群396の実装領域403の方向を指し示す実装方向指標(矢印)413とを印刷(例えば、シルクスクリーン印刷)によりそれぞれ表示している。なお、図66に示す実施形態では、第1部品群情報399aの識別情報412は、「イ」の文字を矩形枠で囲んだマーク(第1部品群396aの部品群識別情報408と同じマーク)であり、第2部品群情報399bの識別情報412は、「ロ」の文字を矩形枠で囲んだマーク(第2部品群396bの部品群識別情報408と同じマーク)である。
また、実装方向指標413は、実装部品群396の実装領域403の方向と、実装部品群情報399から実装部品群396の実装領域403までの離間距離を表示する距離標識とで表示されており、実装領域403の方向を矢印の向きで表現し、実装領域403までの離間距離を矢印の長さで表現している。そして、第1部品群情報399aの実装方向指標413を第2部品群情報399bの実装方向指標413よりも長く設定することで、第1部品群396aにおける実装領域403と実装部品群情報399(第1部品群情報399a)との離間距離が第2部品群396bにおける実装領域403と実装部品群情報399(第2部品群情報399b)との離間距離よりも長いことを表現するように構成されている。
このような構成の部品群識別情報408、方向指標409、識別情報412、実装方向指標413を実装部品群情報399とともに電気回路基板397上に表示すれば、電気部品395に関する情報の表示が混在することを避けて視認し易くすることができる。また、実装領域403と実装部品群情報399との間に接続線を描画しなくても、実装部品群396に関する情報の表示場所を容易に把握することができる。したがって、電気回路基板397上の限られたスペースを有効に活用することができる。なお、方向指標409および実装方向指標413を表現する距離標識の表示態様は、矢印であることに限定されない。要は、実装部品群情報399の方向や実装領域403の方向と、実装領域403と実装部品群情報399との離間距離とを表現することが可能な距離標識(方向と距離とを表現可能な距離標識)であればどのような態様であってもよい。例えば、人の手で方向を指し示すイラストを距離標識として採用し、イラストの大きさで離間距離の長短を表現してもよい。
また、部品群識別情報408、識別情報412の表示態様は、上記した実施形態に限定されず、どのように設定してもよい。例えば、英数字や平仮名や片仮名を円や三角形枠で囲んで表示してもよい。さらに、部品群識別情報408、識別情報412の表示位置は、邪魔にならない箇所であれば電気回路基板上の何処に表示してもよい。例えば、実装部品群情報の縁部に接する状態で表示してもよいし、実装部品群情報の内側(例えば中央部)に表示してもよい。さらに、方向指標409、実装方向指標413を矢印で表示する場合には、引き出し線の途中を屈曲してもよい。例えば、図67(a)に示すように、引き出し線を1回屈曲してもよいし、図67(b)に示すように複数回屈曲してもよい。要は、電気回路基板上の構成と重ならないように適宜屈曲してもよい。また、図67(c)に示すように、方向指標409、実装方向指標413の引き出し線が電気回路基板上の他の表示線と交差する場合には、矢印に×印を付加する等して、交差が生じている旨を示すことが好適である。
そして、上記実施形態毎や変形例毎に構成を異ならせて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、一の実施形態や一の変形例の構成内容の全部または一部を、他の実施形態や他の変形例に適用してパチンコ遊技機を構成してもよい。また、基板構成情報をシルクスクリーン印刷により表示することを例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、電気路基板上に基板構成情報を表示できれば、どのような表示手段を用いて表示してもよい。さらに、基板構成情報を、電気回路基板のうち電気部品が実装されている実装面に表示してもよい。
さらに、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らずどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機、スロットマシン等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。