JP6671584B2 - 水蒸発冷却による冷房装置 - Google Patents
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Description
この装置では主に室内空気からなる処理される空気、及び主に室外空気からなる処理する空気との間で熱移動及び湿氣の移動を行って処理される空気の冷却と除湿を行う、即ち冷房を行う事を目的としている。
確かに、これらの技術は建物の内部空間から単純に室内空気を排気する方式に比べて換気空気のエンタルピーを高めて廃棄し、それによる空調エネルギーの損失が減少する効果を生じている。しかも何れも換気エレメント乃至は全熱交換器と呼ばれる室内外空気間の温度と湿度即ち全熱の熱交換器を設置して換気によるエネルギー損失を低減させている効果も有しているし、デシカント除湿機能や除湿運転機能を備えている点では湿度制御による空調の快適性確保という点でも優れたシステムである。
しかしながら、前述した加熱乃至は冷却にエネルギーを消費している事に加え、デシカ
ント除湿機能と排気を利用した換気空調の間には相乗効果が無く、消費エネルギー削減効
果が限定的である。即ち特許文献1では冷却器と再熱器の実現に多大なエネルギーを消費
しており、特許文献2では冷却器6、7と加熱再手段4にやはり多大なエネルギーを消費
している。
具体的には、冷却する空気の温度を散水によって湿球温度近くまで低温度化した上で冷却される空気と接触させて、効果的に冷却を実現しようとするもので、所謂水蒸発間接冷却器に関するものである。例えば双方の空気が同じ温度でも冷却する空気に散水して湿球温度近くまでその温度を下げ、それで冷却される空気と熱交換させれば冷却される空気を冷却することができるわけで、この原理を利用すれば湿度の低い時には、室内空気を、室外空気の湿球温度によって冷却することが可能になるわけで、冷凍サイクルや、吸着装置、デシカント装置を使うことなく冷房ができるわけである。
通常、この種の熱交換器で、双方の空気間で顕熱熱交換する場合、対向流で流す場合は空気の流れ方向に従って温度分布は変わり、全伝熱面が同じ温度に成らない。その効果により冷却伝熱量が増加するのが普通である。
今回の水蒸発潜熱を利用するケースでは冷却用の水を大量に供給して循環させると水の温度は伝熱面に渡って均一化されてしまい、空気を対向流で流してその間の伝熱量を増やそうとする場合、其の対向流による温度傾斜による伝熱量が増える効果は失われてしまうからである。
以上の冷却方式では水の蒸発による冷却効果が需要である。水が蒸発した結果水に含まれるシリカ成分などの硬質水成分が析出しやすくなり、当該熱交換器やドレンパンにスケールやごみとなって堆積する。これを有効に防止する方法の実現が課題である。
この冷房装置を実現する基本的な方式に関する発明を請求項1に示す。この空気対空気熱交換器は冷却される空気と、冷却する空気を別々に一つおきの通風路に通風させて、通風路を構成する伝熱面を通して熱交換させるもので、冷却する空気の通る通風路側の伝熱面上には冷却させるための水を散水して蒸発冷却を行う。この伝熱性能を高めるには両方の空気を対向する様に流して対向流熱交換を行わせることが重要である。並行流では両方の空気の温度変化の和は両方の空気の最初の温度差を超えることは無いが、それが対向流であれば最初の温度差を越えて、夫々が相手の最初の温度に近づくことが可能である。即ち伝熱効率が向上する。
請求項1は伝熱面の水濡れ性を良好にし、且つ伝熱面の温度分布を保持した状態に維持するという双方の効果を満たす技術として、断続的に散水することを提示している。実験ではアルミ板の伝熱面の場合、30秒間連続最大量散水を行い、6分間散水を停止する方式が有効であった。この繰り返しにより上記の効果を実現できることを確認している。30秒間の多量の散水により伝熱面のほぼ全面に水が行き渡る、散水を停止すると数秒後には伝熱面の各点の温度、即ち水の温度は空気側の条件によって其の分布を変える。この結果、全面が均一な温度であるより多量の伝熱が行われることが確認できている。双方の空気が対向流であれば前述した通りに、より多くの伝熱を行わせえることができるし、対向流でない場合でも、其の伝熱量増加への影響は小さくない。6分間の散水停止時間は伝熱面の状態、即ち水を保持しやすいか否かによって最適時間を選定する。
この様にして高い伝熱性能で冷却された空気は室内に直接吹き出すことにより室内を冷房する。または、室内を冷房する為の循環水をこの冷却された空気を用いて熱交換させて冷却した後に各部屋、各部処にこの循環水を循環させる方式も有効である。この循環水を導き、天井、壁面、床面に冷却器を設置して空間内を冷却・冷房させる方式である。これとは別に当該空間内の空気を除湿する機能を持たせれば、高い快適性の冷房を行わせることができる。
そこで請求項3では伝熱面上に水平方向に渡って保水のための溝を形成する方法である。溝の上下巾は3mm程度で溝の深さは0.7mm程度で溝ピッチは6mm程度が選ばれる。伝熱面に水を散水すると各溝の中に水が保持され、5〜6分間伝熱面の冷却に有効に働くことが解って居る。
水道水の供給水圧には夫々の地域で差があるから、水道水供給部に定圧供給弁を設置するか、装置を設置する時に供給水量を設定した水量に調節できる機構を設置する方法などが有効である。
この冷房機に置いて冷却される空気を冷却する手段は、以上に述べてきた冷却する空気による水状蒸発冷却器によるものと、屋外空気による水蒸発冷却によるものの足しあわ
せた効果により冷房することができる。請求項9はこの屋外空気による冷却を前記空気対空気熱交換器の冷却される空気の入口となる部分に熱交換部を設け、前記空気対空気熱交換器に於いて冷却する空気で冷却される空気を水蒸発冷却する前段で、屋外空気で冷却される空気を水蒸発冷却させることを提示している。後述する実施例で詳細を述べるが、双方の冷却部分を一体化することにより、冷却性能の向上と冷房機のコンパクト化が図れる。
1、水蒸発潜熱を有効に使って、ファンモータと水ポンプ以外に熱源や動力源を使わ
ずに室内空気の冷却を行う冷房装置を提供できる。
2、以上の冷房装置は圧縮機や冷凍サイクルを用いた従来の冷房装置に比べ、製造減価の低減が期待でき、また一次エネルギー使用量の少ない冷房装置を実現できる。
3,高い伝熱特性による高性能な空気対空気熱交換を実現でき、これを用いた冷房装置の高性能化、小型化、コスト低減が実現できる
4,冷却用の水の最適利用が実現でき、水の使用量の削減とスケールや汚れの発生を少なくし、製品の長寿命化が実現できる。
5,環境エネルギー装置として今後の普及が期待される燃料電池、バイオマス発電装置、太陽光ハイブリッド発電温熱装置などの電力と温熱をハイブリッドで出力する装置の電力と温熱を夫々本冷房機のファンモータ電力とデシカント再生用温熱に利用して作動させるシステムの実現に適している。
6,本冷房機の低温度及び低湿度化技術を駆使して、低温度出力空気で冷却水をつくりそれを冷房空間の外周壁や床や天井の冷却に利用し、低湿度空気をその冷房空間に送り、合わせて極めて快適な未来型冷房を簡単なシステムで実現することができる可能性がある。
一方、奥のシロッコファンに吸い込まれた室内空気は直接冷却器14に送られ、冷却されて其の出口では19.5℃、RH70%になる。この空気と手前のファンで送られた20℃相対湿度40%の空気の約50%は合流し、加湿器16で加湿調整され且つ冷却されて、室内吹出し空気として室内に送られ室内を冷房する。
以上の様にして通常の冷房運転を行うことは可能であるが、最終段の加湿を行なわなけれ
ば室内への吹き出し空気は19.8℃で温度降下7.2℃、絶対湿度降下0.003kg/kgとなり、乾いた空気が得られる。其の相対湿度は55%となり、この様な低湿度化運転が可能である。電動式の冷凍サイクル方式エアコンでは吹き出し空気の相対湿度は70%〜100%であり、その値は成り行き状態で決まるため、湿度制御が出来ないのに対し、この実施例では室内吹き出し空気は約60%〜95%の相対湿度に調整が可能であり、冷房運転の快適性確保、黴や臭い発生の防止に有効な運転を実現でる。
伝熱面の表側は図示した様に溝のある面で、冷却する空気が冷却水と共に流れる通風路を隣同士の伝熱面との間で構成する。裏側が冷却される空気の流れる通風路側である。冷却される通風路の伝熱面間の間隙は4mm、冷却する側の通風路の伝熱面間の間隙は1.5mmである。これは冷却される側の風量がする側の風量に比べ3〜5倍と多いからである。このピッチ寸法を精度良く保つて組み立てるために額縁状の枠体で伝熱面を保持する構成にしており、この事例では1つの枠体の両面に伝熱面を2枚、溝の形成している側を向き合うように貼り付け、その間を冷却する空気である換気する室内空気と散布水を流している。
冷却水として散水ノズル13から水道水を散水させる。最上部の散水ノズルは図2から推測できる様に8ケの散水ノズルから散水する。一方、屋外空気で冷却する部分は下の散水ノズルから横向きに散水する。いづれも30秒の散水時間と6分の停止時間を繰り返している。
熱交換器を用いており、且つその3列分のアルミフィンは一列毎に切断して列間の伝熱を最小に抑え、室内空気と冷却水を対向流に流して温度勾配を生じさせ、室内空気の到達湿度を最低湿度に成るように工夫している。
2 室内空気
3 屋外空気
4 室内吹き出し空気
5 冷却換気空気
6 デシカント熱交換器A
7 デシカント熱交換器B
8 熱源温水
9 壁
10 デシカント熱交換器切り替えアーム
11 室内空気送風機
12 屋外空気送風機
13 散水ノズル
14 水蒸発冷却器
15 ドレンパン
16 加湿器
17 水蒸発冷却器周囲壁
18 ドレパンニップル
19 水蒸発冷却器伝熱面
20 水蒸発冷却器保水溝
21 水蒸発冷却器伝熱面両端
Claims (1)
- 平面状の薄い仕切り壁を伝熱面として多数枚数の該伝熱面を所定の間隔の通風路を開けて垂直に設置し、該伝熱面の間の前記通風路に一つおきに流れる冷却する空気と冷却される空気を前記伝熱面を通して熱交換させる空気対空気熱交換器を利用し、
前記冷却する空気乃至は其の通過する通風路内に水を散水させて水の蒸発潜熱で当該通風路に面する伝熱面を冷却することにより当該伝熱面の裏面において前記冷却される空気を冷却し、冷却された当該空気を室内空間に吹き出させ、又は当該空気の冷気を室内空間に伝え、一方、前記冷却する空気を室外に排気させることを特徴とした冷房装置に於いて、
薄いアルミ板乃至は樹脂板を用い、当該伝熱面が鉛直に成るように配置し、且つ当該伝熱面の表面に垂直方向の断面が連続する凸凹があり、水平方向の断面が直線と成る様に、且つ散水された前記水を当該段差の窪み部で保持させる様に連続する凹凸の段差を形成した事を特徴とした前記伝熱面を用いた前記空気対空気熱交換器において、
水平方向に渡り形成される前記窪み部とそれを形成する連続する多数の段差が形成された多数枚数の前記伝熱面を保持する乃至は当該伝熱面の隣同士の通風路を形成する隙間を保持するための伝熱面保持枠体を樹脂乃至はアルミなどの金属で形成したものに於いて、
前記窪み部は前記伝熱面保持枠体の近傍で当該窪み部の展開を存在させないことにより、当該窪み部が枠体に接続する乃至は覆われることの無い構造とした空気対空気熱交換器とした事を特徴とする冷房装置。
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