以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図38を参照し、第1実施形態として、本発明をスロットマシン10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるスロットマシン10の正面図である。図2は、前扉12を閉じた状態のスロットマシン10の斜視正面図であり、図3は、前扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視正面図である。図4は、前扉12からリールユニット41を背面側に開いた状態の前扉12の斜視背面図である。図5は、前扉12の背面図であり、図6は筐体11の正面図である。なお、図1では、補助表示部15の正面側に配設される遊技パネル30が取り外された状態が図示される。また、図1では、後述する各有効ライン表示部32,33,34が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図1に示す状態のスロットマシン10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。さらに、図1に示す状態のスロットマシン10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。また、図中の矢印U−D,L−R,F−Bは、スロットマシン10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1から図6に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3及び図6に示すように、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d、及び、右側板11eからなり、隣接する各板11aから11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として正面側(矢印F方向側)の一面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂材料または金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
また、筐体11の底板11bには、筐体11の開放側(矢印F方向側)の内面に、板状体からなる金属製の金属プレート11b1が配置される。これにより、後述する前扉12が筐体11の正面(開放)側に配設される場合に、前扉12の一部を金属プレート11b1に乗り上げさせて配設でき、この際に筐体11の底板11bが擦れて脆くなることを抑制できる。また、前扉12の一部を金属プレート11b1の正面側に乗り上げて配設することで、前扉12を筐体11の底面11bで支えることができる(即ち、金属プレート11b1を補強として利用できる)。これにより、後述する筐体11の支軸25a,25b、及び、前扉12の支持金具26a,26bが破損することを抑制できる。
筐体11の正面側(矢印F方向側)には、前面開閉扉としての前扉12が開閉可能に取り付けられている。即ち、筐体11の左側板11dには、図6に示すように、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前扉12には、図5に示すように、各軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される軸支孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させたうえで前扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向(矢印U−D方向)へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖できるように構成されている。
なお、以下の説明では、図2に示すように前扉12が筐体11に対して閉鎖された状態(筐体11の開放面に前扉12が配設された状態)を閉鎖状態として、図3に示すように前扉12が筐体11に対して開放された状態(筐体11の開放面が開放された状態)を開放状態として説明する。また、以下の説明では、特段の説明がない限り、前扉12が筐体11に対して閉鎖された閉鎖状態での説明をするものとする。
前扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前扉12の右端側(矢印R方向側)の下部(矢印D方向部分)には、図1に示すように、解錠操作部のキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定キー操作によって施錠状態が解錠されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前扉12の右端側、すなわち前扉12の開閉軸の反対側(矢印R方向側)には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図3及び図5に示すように、上下方向に延び前扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前扉12の前方に突出した状態で設けられている。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。
連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前扉12を閉鎖した際(閉鎖状態)には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23(図6参照)に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前扉12の施錠状態が解除される。
前扉12の中央部上寄り(矢印U方向寄り)には、遊技パネル30を介して補助表示部15と、その補助表示部15の下方にリールユニット41が配設される(図1参照)。なお、以下の説明では、補助表示部15が配設される液晶枠部材600(図12参照)の下方側から遊技パネル30を介してリールユニット41が視認可能とされる領域を「可視領域」と称す。
図4に示すように、リールユニット41は、複数の板部材を枠状に組み合わせて形成される枠ユニット45の内側に取り付けられる。また、枠ユニット45の上部には、音を出力するスピーカー46が配設される。また、スピーカー46は、音の出力面を背面側に向けて配設されており、スピーカー46から出力される音が筐体11の内側に反響される。これにより、スロットマシン10全体から遊技者に音を伝達することができ、遊技者に音による興趣を与えやすくできる。
枠ユニット45の左側(矢印L方向側)には、上下一対の第2支軸45a,45bが設けられている(図7参照)。第2支軸45a,45bは、下方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前扉12には、図5に示すように、各軸45a,45bに対応して当該支軸45a,45bの軸部が挿入される軸支孔を備えた支持金具26c,26dが設けられている。そして、各支持金具26c,26dの上方に各支軸45a,45bを配置したうえで枠ユニット45を降下させることにより、支持金具26c,26dの挿入孔に支軸45a,45bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、枠ユニット45は、前扉12に対して両支軸45a,45bを結ぶ上下方向(矢印U−D方向)に沿う(平行な)開閉軸線を中心として回動可能に支持される。よって、図4に示すように、前扉12を筐体11に対して前方側(矢印F方向側)に回転させた後に枠ユニット45を背面側(矢印B方向側)に回転させることで、枠ユニット45(リールユニット41)の正面側を開放できる。
リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設される。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、リール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように遊技パネル30を介して遊技者に視認される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは右リール42Rを例に挙げて図7に基づいて説明する。なお、図7は枠ユニット45の分解斜視図である。
右リール42Rは、円筒上のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に添付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部には、ボス部51が形成されており、円板状のボス補強板52を介して右リール用ステッピングモータ61Rの駆動軸に取り付けられている。従って、右リール用ステッピングモータ61Rの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、右リール42Rが円環上のリール面に沿って周回するようになっている。
右リール用ステッピングモータ61Rは、リールユニット41(図4)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、右リール42Rと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Rが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Rは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Rの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が可視領域から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を可視領域から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を可視領域から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、後述する液晶枠部材600の下方から遊技パネル30を介して全体を視認可能な図柄数は、主とし可視領域の上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図8には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、次回の遊技がメダルの投入無しに実行可能なリプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を変動表示する表示装置の一例であり、表示装置はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を変動表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、可視領域から視認される各リール42L,42M,42Rの図柄を結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、各有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン、及び、下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン、及び、右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
なお、本実施形成では、各有効ライン表示部32,33,34が有効化された場合には、リールユニット41のモータプレート53に配設されるLED等の発行装置により、各有効ラインに対応する部分が発光される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M、及び、右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合が外れとなり、この場合には一切メダル払出は行われない。
遊技パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち図柄の変動表示を開始させるべく始動操作が行われる始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作するレバーであり、内蔵されるバネにより手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、図1に示すように、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
可視領域の下方右側には、図1に示すように、遊技を行うための遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は遊技媒体を受入可能な受入口を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、図4に示すように、前扉12の背面に設けられたセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材84が設けられ、そのメダル通路切替部材84の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前扉12の正面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返却される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図6に示すように、リールユニット41の下方に配置される。また、ホッパ装置91は、図3に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93と、により構成されている。払出装置93は、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。
ホッパ装置91の右方には、図6に示すように、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、図2に示すように、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、この返却スイッチ76が押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、図2に示すように、遊技媒体としてクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状に形成された第2クレジット投入スイッチ78、及び、第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75と共に遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、図2に示すように、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値、及び、遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン、及び、下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32、及び、第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前扉12の上部には、上方ランプユニット13が配設される。上方ランプユニット13は、その内部にスロットマシン10の上辺(上方ベース部材27)に沿って横長の形状に形成された上方ランプ13aを備える。上方ランプ13aは、光を出射可能なLED(発光装置)を複数個備えており、そのLEDを遊技の進行に伴い点灯したり点滅させたりすることができる。
補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化、及び、表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上方ランプ13aやスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、ランプ13、及び、スピーカ14の形状や位置、数等は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、図2に示すように、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の背面側(矢印B方向側)には、図6に示すように、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、図6に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
図9は、セレクタ83の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
メダル通路切替部材84は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片84aと、この通路切替片84aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片84aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片84aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
通路切替片84aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材84のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路85の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材84のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が順次検出される。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。図10は、スロットマシン10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する第1投入メダル検出センサ86、及び、第2投入メダル検出センサ87(以下、これら各センサを総称する場合、投入メダル検出センサ86,87ともいう)、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
また、投入メダル検出センサ86,87の検出信号は検出信号ラッチ回路88にも入力される。この検出信号ラッチ回路88は、第1投入メダル検出センサ86からの検出信号と第2投入メダル検出センサ87からの検出信号とを入力する信号検出回路部と、該信号検出回路部の出力信号をラッチするラッチ回路部とを備える。信号検出回路部はOR回路を主要な構成としており、第1投入メダル検出センサ86からの検出信号、第2投入メダル検出センサ87からの検出信号の少なくとも一方の検出信号が入力されることで、それらの論理和に相応する信号がラッチ回路部に出力され、更にラッチ回路部から主制御装置131にラッチ信号が出力される。検出信号ラッチ回路88のラッチ信号出力状態は、主制御装置131から信号解除指令が入力されるまで保持される。詳細は後述する。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ83に設けられたメダル通路切替部材84、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、ランプ13を構成する上方ランプ13a、投入異常ランプ13b、スピーカ14並びに補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に各ランプ13a,13b、スピーカ14、及び、補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図10参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
次いで、図11から図37を参照して、前扉12に配設される変位ユニット300について説明する。初めに、図11及び図12を参照して、変位ユニット300が配設される前扉12の全体構成について説明する。図11は、前扉12の分解斜視正面図であり、図12は、前扉12の分解斜視背面図である。
図11及び図12に示すように、前扉12の上部は、上述した筐体11の天板11aの正面側(矢印F方向側)に位置し、左右方向(矢印L−R方向)に延設される上方ベース部材27と、その上方ベース部材27の延設方向の両端から下方に向かって延設される左右一対の左方ベース部材28、及び、右方ベース部材29と、を備え、それら上方ベース部材27、左方ベース部材28、及び、右方ベース部材29により、正面視において門型に形成される。
また、前扉12は、上述した上方ベース部材27、左方ベース部材28、及び、右方ベース部材29により門型に形成される内側の領域の正面側に遊技パネル30が配設され、その遊技パネル30の周囲を取り囲む位置に、上方ランプユニット13、左方ランプユニット38、及び、右方ランプユニット39が配設される。
上方ランプユニット13は上方ベース部材27の正面側に、左方ランプユニット38は左方ベース部材28の正面側に、右方ランプユニット39は、右方ベース部材29の正面側に、それぞれ配設される。
また、遊技パネル30は、門型に形成される上方ベース部材27、左方ベース部材28、及び、右方ベース部材29と、それらの正面側に配設される上方ランプユニット13、左方ランプユニット38、及び、右方ランプユニット39と、の間に介設される。これにより、前扉12に遊技パネル30が取り付けられる。
なお、上方ランプユニット13は上方ランプ13aを、左方ランプユニット38は左方ランプ38aを、右方ランプユニット39は右方ランプ39aを、それぞれ内側に備え、それら各ランプ13a,38a,39aから出射される光によりスロットマシン10の周囲を発光させることができる。なお、各ランプ13a,38a,39aは、それぞれ個別に異なる色を出射させることができる。
また、右方ランプユニット39は、正面側に後述する変位ユニット300が配設され、右方ランプ39aから出射された光が変位ユニット300の内側を通過して、変位ユニット300の正面側(遊技者側)から出射可能に構成される。即ち、右方ランプ39aにより変位ユニット300を発光させることができる。
門型に形成される上方ベース部材27、左方ベース部材28、及び、右方ベース部材29の背面側(矢印B方向側)には、上述したリールユニット41(図3参照)よりも上方(矢印U方向)に配設される液晶枠部材600と、その液晶枠部材600の背面側に配設される補助表示部15と、を備える。
液晶枠部材600は、補助表示部15に表示される画像を遊技者側から視認させやすくするため部材であり、補助表示部15の画像表示面の周囲を取り囲む枠状に形成される。また、液晶枠部材600は、上述した上方ベース部材27、左方ベース部材28、及び、右方ベース部材29に締結固定され、正面側が、遊技パネル30の背面側に当接した状態で前扉12に配設される。即ち、遊技パネル30と液晶枠部材600との間に隙間が形成されることが抑制される。これにより、補助表示部15に表示された画像が、遊技パネル30と液晶枠部材600との間に隙間が形成された部分(遊技パネル30の背面および液晶枠部材600の正面)で反射して、その反射した光(映像)が遊技者に視認されることを抑制できる。その結果、遊技者に補助表示部15に表示された画像を視認させやすくできる。
なお、液晶枠部材600は、全体が黒色で形成される。これにより、液晶枠部材600が白色で形成される場合に比べて、スロットマシン10の外側から液晶枠部材600に照射される光を液晶枠部材600で吸収しやすくできる。その結果、スロットマシン10の外側から液晶枠部材600に照射される光が液晶枠部材600に反射して、その反射した光が補助表示部15に入射されることを抑制できる。よって、補助表示部15に表示される画像が遊技者から視認され難くなることを抑制できる。
また、液晶枠部材600は、上述したように補助表示部15の画像表示面の周囲を取り囲む正面視枠状に形成され、リールユニット41(図3参照)よりも上方に配設されるので、遊技パネル30を介して視認される補助表示部15の画像表示面と、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rと、の2箇所の領域を上下に分割することができる。
次いで、図13から図15を参照して、変位ユニット300の全体の構成について説明する。図13(a)は、変位ユニット300の正面図であり、図13(b)は、図13(a)のXIIIb方向における変位ユニット300の側面図であり、図13(c)は、図13(a)のXIIIc−XIIIc線における変位ユニット300の断面摸式図である。図14は、変位ユニット300の分解斜視正面図である。図15は、変位ユニット300の分解斜視背面図である。
図13から図15に示すように、変位ユニット300は、上述した右方ランプユニット39(図11参照)の正面側(矢印F方向側)に配設されるベースユニット390と、そのベースユニット390の正面側にコイルばねSP1を間に挟んで配設される中間部材380と、その中間部材380の正面側に配設される操作ユニット320と、その操作ユニット320の一部(回転ユニット340)を内側に収容して操作ユニット320の変位を案内する案内ユニット350と、それら操作ユニット320、案内ユニット350、中間部材380、コイルばねSP1、及び、ベースユニット390を内側に収容する円環部材310と、を主に備える。
円環部材310は、前後方向(矢印F−B方向)に貫通する中空の環状(円筒状)に形成される環状部311と、その環状部311の正面側端部の内周面から環状部311の内側に向かって立設される規制壁312と、を備える。
環状部311は、後述する案内ユニット350、及び、ベースユニット390を内側に収容可能な大きさに形成される。また、環状部311には、案内ユニット350、及び、ベースユニット390に背面側から挿通したネジを締結する締結孔が複数個所に形成される。これにより、案内ユニット350、及び、ベースユニット390を円環部材310に締結固定できる。
なお、環状部311は、前後方向(矢印F−B方向に)貫通した内縁(内周面)が、背面側から正面側に向かって上方側に傾斜して形成される(図13(c)参照)。これにより、環状部311の内側に配設される操作ユニット320、案内ユニット350、中間部材380、コイルばねSP1、及び、ベースユニット390も同様に正面側に向かって上方に傾斜して配設されるが、以下の説明では理解を容易とするために操作ユニット320、案内ユニット350、中間部材380、コイルばねSP1、及び、ベースユニット390の重ね方向を前後方向として説明する。
規制壁312は、円盤状に形成されると共に、開口312aを備え、外周部分が環状部311の内周面に接続される。開口312aは、正円の円形状に開口形成され、その開口幅(内径)が、後述する案内ユニット350の外径よりも小さく設定される。これにより、円環部材310に案内ユニット350を配設する場合に、案内ユニット350を円環部材310の背面側から円環部材310の内側に挿入して案内ユニット350の正面側を規制壁312の背面側に当接させることができる。
操作ユニット320は、正面側に配設される把持ユニット330と、その把持ユニット330の背面側(矢印B方向側)に連結される回転ユニット340と、を備える。
把持ユニット330は、側面視において前後方向(矢印F−B方向)に長く形成される。また、把持ユニット330は、遊技者が把持する部分であり、上述した円環部材310の開口312aを介して、正面側(矢印F方向側)の端部が円環部材310よりも正面側(遊技者側)に突出され、正面側の端部を遊技者が把持(操作)可能とされる。
なお、把持ユニット330に対する遊技者の操作の態様は、把持ユニット330を把持する態様に限られず、例えば、把持ユニット330を把持せずに、把持ユニット330を矢印B方向へ押し込む態様や矢印F方向へ引き出す態様であっても良い。
回転ユニット340は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う(平行な)軸を有する略円柱状に形成され、正面側(矢印F方向側)の端面に把持ユニット330の背面側(矢印B方向側)の端部が接続される。これにより、把持ユニット330が遊技者に把持(操作)されて変位されることに連動して、回転ユニット340を変位させることができる。
また、回転ユニット340は、後述する案内ユニット350の内側に収容され、案内ユニット350の内側に形成される案内溝351によりその変位が規制(案内)される。従って、回転ユニット340に連動される把持ユニット330は、その変位が案内ユニット350に形成される案内溝351により規制(案内)される。なお、案内溝351についての詳しい説明は後述する。
案内ユニット350は、回転ユニット340よりも正面側(矢印F方向側)に配設され、回転ユニット340の正面側への変位を規制する正面側案内ユニット360と、回転ユニット340よりも背面側(矢印B方向側)に配設され回転ユニット340の背面側への変位を規制する背面側案内ユニット370と、を備える。
正面側案内ユニット360は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う(平行な)軸を有する略円筒状に形成され、その内径が回転ユニット340の外径よりも大きく形成される。また、正面側案内ユニット360は、前後方向の外形寸法が回転ユニット340の外形寸法よりも大きく設定され、正面側案内ユニット360の内側に回転ユニット340を収容可能とされる。
背面側案内ユニット370は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う(平行な)軸を有する略円環状に形成される第1部371を備え、その第1部371の内径が回転ユニット340の外径よりも小さく形成される。よって、正面側案内ユニット360の内側に回転ユニット340を収容した後に、正面側案内ユニット360と背面側案内ユニット370とを締結することで、案内ユニット350の内側に回転ユニット340が収容される。なお、背面側案内ユニット370の構成、及び、回転ユニット340の変位についての詳しい説明は後述する。
中間部材380は、コイルばねSP1の付勢力を回転ユニット340に伝達する部材であり、回転ユニット340の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される。また、中間部材380は、円盤状に形成され、その外径が案内ユニット350の背面側案内ユニット370の内径よりも小さく設定される。これにより、中間部材380は、案内ユニット350の内側を変位可能とされる。
中間部材380は、円盤状の中心位置に円形状に開口する第1開口部381と、その第1開口部381の中心から径方向外側に離れる位置で前後方向(矢印F−B方向)に開口する第2開口部382と、その第2開口部382と周方向に異なる位置で前後方向に開口する第3開口部383と、外周部分の一部から径方向外側に突設される突設部384と、を備える。
第1開口部381は、回転ユニット340に対する中間部材380の位置を合わせる(位置決めを行う)ための開口である。中間部材380は、後述する回転ユニット340の背面側から突出する挿入部342aが第1開口部381に挿入されることで、回転ユニット340に対する位置が合わせられる。
また、中間部材380は、第1開口部381の内縁に沿う背面側(矢印B方向側)から立設される円筒状の立設部385を備える。立設部385は、コイルばねSP1の正面側(矢印F方向側)が外嵌される部分であり、外径がコイルばねSP1の内径よりも小さく設定される。従って、コイルばねSP1は、立設部385に外嵌されるので、中間部材380に対する位置がコイルばねSP1の弾性変形によってずれることを抑制できる。
第2開口部382は、中間部材380の軸を中心とする円弧に沿って湾曲する長孔形状の開口(即ち、中間部材380の軸と同芯の円環形状を周方向に分断した形状の開口)として形成される。第2開口部382は、後述する回転ユニット340の係合片342bを挿通させる開口であり、係合片342bの変位軌跡と干渉しない大きさ(領域)に形成される。
第3開口部383は、上述した右方ランプユニット39からベースユニット390を通過し回転ユニット340(操作ユニット320)の内部に延設される配線(図示せず)を挿通する開口である。また、中間部材380は、第3開口部383の内縁に沿う背面側(矢印B方向側)から立設される壁部386を備える。壁部386は、第3開口部383の内縁に沿って連続する壁部として形成される。
これにより、ベースユニット390から延設された配線を第3開口部383を介して(挿通して)回転ユニット340(操作ユニット320)の内部に連結できる。さらに、中間部材380が変位された場合に、回転ユニット340の内部に連結される配線が中間部材380とベースユニット390との間に挟まることを壁部386で抑制して、配線が断線することを抑制できる。
突設部384は、後述する案内ユニット350の凹欠部371aの内側に挿入され、案内ユニット350と係合する突起であり、その突設部384の外形形状は、凹欠部371aの内面形状と対応する形状に形成される。従って、突設部384が凹欠部371aの内側に挿入された状態では、中間部材380を案内ユニット350に対して軸を中心に回転変位させる外力が中間部材380に入力されても、突設部384が凹欠部371aの内面に当接されていることで、中間部材380の案内ユニット350に対する回転が抑制(規制)される。
ベースユニット390は、円環部材310の背面側(矢印B方向側)を覆設して、円環部材310の内部に収容される操作ユニット320、案内ユニット350、中間部材380が背面側に抜け出ることを規制する部材であり、円環部材310の背面視における内縁形状と外縁が略同一に形成され、円環部材310の背面側内部に締結固定される。
また、ベースユニット390は、上述した右方ベース部材29の挿通孔にその背面側から挿通したネジの先端が螺合される締結孔392a3を背面側に複数個備える。よって、右方ベース部材29(図11参照)の背面側から挿通されたネジを締結孔392a3に螺合することで、複数の構成要素が一体とされた変位ユニット300が前扉12に配設される。従って、変位ユニット300を前扉12に締結するネジの頭部を右方ベース部材29の背面側に位置させることができるので、遊技者側から不正に変位ユニット300が取り外されることを抑制できる。
次いで、図16から図19を参照して、操作ユニット320の把持ユニット330、及び、回転ユニット340について説明する。図16(a)は、操作ユニット320の正面図であり、図16(b)は、図16(a)のXVIb方向視における操作ユニット320の側面図であり、図16(c)は、操作ユニット320の背面図である。図17(a)は、操作ユニット320の斜視正面図であり、図17(b)は、操作ユニット320の斜視背面図である。図18は、操作ユニット320の分解斜視正面図であり、図19は、把持ユニット330の分解斜視図である。
図16から図19に示すように、把持ユニット330は、正面視右側に配設される右側カバー部材331と、正面視左側に配設される左側カバー部材332と、それら右側カバー部材331、及び、左側カバー部材332の間に配設される振動装置333と、を主に備える。
右側カバー部材331は、前後方向(矢印F−B方向)に長く形成される把持ユニット330の正面側(矢印F方向側)に位置し円形の板状に形成される円形部331aと、その円形部331aの外縁から円形状の径方向外方(矢印B方向側)へ向かって突設され把持ユニット330の背面側(矢印B方向側)に位置する突設部331bと、円形部331aの内面(左側カバー部材332との対向面)から左側カバー部材332側(矢印L方向側)に向かって突設(立設)される円環状の右側第1壁部331cと、突設部331bの前後方向(矢印F−B方向)に延びる外縁から左側カバー部材332側に向かって突設(立設)される右側第2壁部331dと、右側第1壁部331cよりも内側(円形状の中心側)に位置し円形部331aの内面から右側第1壁部331cと略同芯の円環状に突設(立設)される右側第3壁部331eと、突設部331bの背面側端部から背面側に向かって突出する突出部331fと、を備える。
なお、左側カバー部材332は、右側カバー部材331を左右方向(矢印L−R方向)に反転した略同一形状(右側カバー部材331との合わせ面を対称面とする略面対称の形状)に形成される。よって、左側カバー部材332は、右側カバー部材331と同様に、前後方向に長く形成される把持ユニット330の正面側(矢印F方向側)に位置し円形の板状に形成される円形部332aと、その円形部332aの外縁から円形状の径方向外方(矢印B方向側)へ向かって突設され把持ユニット330の背面側(矢印B方向側)に位置する突設部332bと、円形部332aの内面(右側カバー部材331との対向面)から右側カバー部材331側(矢印R方向側)に向かって突設される左側第1壁部332cと、突設部332bの前後方向(矢印F−B方向)に延びる外縁から右側カバー部材331側に向かって突設(立設)される左側第2壁部332dと、左側第1壁部332cよりも内側(円形状の中心側)に位置し円形部332aの内面から右側第1壁部331cと略同芯の円環状に突設(立設)される左側第3壁部332eと、突設部332bの背面側端部から背面側に向かって突出する突出部332fと、を備える。
従って、以下の説明では、右側カバー部材331を代表例として説明をし、左側カバー部材332についての説明は省略する。なお、右側カバー部材331と左側カバー部材332との異なる部分については後述する。
円形部331aは、遊技者が把持ユニット330を把持する際の右側側面であり、円形状の中央部が平面状に形成され、中央部よりも外側(外縁側)の円環状の部分が左側カバー部材332側に向かって傾斜して形成される。これにより、遊技者が把持する部分の把持ユニット330の厚みを中央部で大きくして、遊技者に把持ユニット330を把持させやすくできる。即ち、円形部331aは、外側の円環状の部分が傾斜されるので、把持ユニット330の外側部分の厚みを小さくできる。これにより、遊技者が把持ユニット330を把持する場合に、遊技者の手が円形部331aの端部に引っ掛かることを抑制でき、遊技者に把持ユニット330を回転操作させやすくできる。
突設部331bは、操作ユニット320が背面側に変位された場合に、把持ユニット330の円形部331aが背面側に変位する量を確保する部分であり、上下方向における寸法が後述する案内ユニット350の縮径部361bの内側の直径よりも小さく設定される。これにより、突設部331bを縮径部361bを挿通させて案内ユニット350の内側に挿入できる。また、突設部331bが正面側(矢印F方向側)に縮径部361bから突設される長さ分、操作ユニット320を背面側に変位させた場合に、円形部331aが案内ユニット350に当接することを抑制できる。
右側カバー部材331の右側第1壁部331c、及び、右側第2壁部331dは、左側カバー部材322側に向かって立設され、左側カバー部材332の左側第1壁部332c、及び、左側第2壁部332dは、右側カバー部材321側に向かって立設され、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを組み合わせた場合には、各壁部の立設先端面どうしが当接される。よって、円形部331a、及び、突設部331bと、円形部332a、及び、突設部332bと、の間に隙間(空間)が形成され、その隙間に振動装置333が配設される。
右側第1壁部331cは、係合部331c1と、位置決め突起331c2とを備える。係合部331c1は、右側第1壁部331cの正面側(矢印F方向側、突設部331bと反対側)に位置し、右側第1壁部331cの立設先端側(矢印L方向側)の内周面から径方向内側(矢印B方向側、突設部331b側)へ突設される。位置決め突起331c2は、右側第1壁部331cの内周面に接続されつつ、右側第1壁部331cの立設先端よりも左側カバー部材332側に突出される。
一方、左側第1壁部332cは、被係合部332c1と、位置決め突起332c2とを備える。被係合部332c1は、左側第1壁部332cの正面側(矢印F方向側、突設部332bと反対側)に位置し、左側第1壁部332cの立設先端側(矢印R方向側)の内周面から径方向内側(矢印B方向側、突設部332b側)へ突設される。被係合部332c1は、左側第1壁部332cの内周面から径方向内側へ突設される第1の部位と、その第1の部位の突設先端から右側カバー部材331側へ突出する第2の部位と、その第2の部位の突出先端から正面側(矢印F方向側)へ折り返され第1の部位と略平行に延出される第3の部位とから、断面略コ字状に形成される。位置決め突起332c2は、左側第1壁部332cの内周面に接続されつつ、左側第1壁部332cの立設先端よりも右側カバー部材331側に突出される。
係合部331c1と被係合部332c1とは、対応する位置(同位相)に配設され、係合部331c1と被係合部332c1とが係合された状態で、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを組み合わせ可能とされる。詳細には、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを組み合わせて締結すると、被係合部332c1の第1の部位と第2の部位との対向間に係合部331c1が挿入(配置)され、これにより、右側カバー部材331と左側カバー部材332との合わせ面の正面側(遊技者側)が係合され、かかる合わせ面が開放されることを抑制できる。
また、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを組み合わせると、右側カバー部材331の位置決め突起331c2は、左側カバー部材332の左側第1壁部332cの内周面に内接され、左側カバー部材332の位置決め突起332c2は、右側カバー部材331の右側第1壁部331cの内周面に内接される。これにより、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを径方向に位置決めできる。
なお、位置決め突起331c2と位置決め突起332c2とは、第1壁部331c,332cの周方向に異なる位置(異なる位相)に形成され、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを組み合わせる場合に位置決め突起331c2と位置決め突起332c2とが干渉することが抑制される。
右側第3壁部331eは、振動装置333を内側に収容する壁部(突起)であり、振動装置333の外形に沿う円環形状に形成される。これにより、振動装置333に電力が付与され、振動装置333が振動された場合に、その振動を右側第3壁部331e、及び、円形部331aを介して把持ユニット330の外部(把持ユニット330を操作する遊技者の手)に伝達できる。これにより、振動装置333を振動させて、遊技者に変位ユニット300を操作するタイミングであることを認識させたり、遊技状態が遊技者にとって有利な状態であることを認識させることができる。
突出部331fは、回転ユニット340と締結される部分であり、回転ユニット340側(背面側)から挿通されたネジが螺合される締結孔(図示せず)が突出先端部の複数箇所に形成される。また、突出部331fは、後述する凹設部341a1の凹設形状と対応する外形に形成される。よって、把持ユニット330は、回転ユニット340の凹設部341a1に突出部331fが収容された状態で回転ユニット340に締結される。
また、右側カバー部材331の突出部331fには、左右方向(矢印L−R方向)に貫通する貫通孔331f1が形成される。一方、左側カバー部材332の突出部332fには、ネジを螺合する締結孔332f1が形成される。また、貫通孔331f1と締結孔332f1とは左右方向に同軸上に形成され、貫通孔331f1を挿通したネジを締結孔332f1に螺合することで、右側カバー部材331と左側カバー部材332とが締結される。
即ち、貫通孔331f1と締結孔332f1との螺合により、右側カバー部材331の背面側が左側カバー部材332の背面側(矢印B方向側)に締結される。上述したように、右側カバー部材331と左側カバー部材332と(把持ユニット330)は、正面側が係合部331c1と被係合部332c1とにより係合される。従って、係合部331c1と被係合部332c1とが係合した状態で、貫通孔331f1に挿通したネジを締結孔332f1に螺合させることで、右側カバー部材331と左側カバー部材332とが取り外し不能とされる。
この場合、把持ユニット330を回転ユニット340に連結すると、右側カバー部材331と左側カバー部材332とを締結するネジ(突出部331f,332f)は、回転ユニット340の凹設部341a1に収容される。従って、変位ユニット300が組み立てられた状態では、把持ユニット330を分解され難くできる。その結果、把持ユニット330が遊技者により不正に分解されることを抑制できる。
回転ユニット340は、把持ユニット330に連結される正面側部材341と、その背面側部材342から径方向外側に向かって突設される円柱状の軸部材343と、その軸部材343の周囲を取り囲む(回転可能に外嵌された)状態で配設される円環状の被案内部材344と、を主に備える。
正面側部材341は、把持ユニット330側(正面側)に位置し正面視円形状に形成される連結部341aと、その連結部341aの外縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される円筒状の立設壁341bと、を備える。
連結部341aは、立設壁341bの内側(背面側)に向かって凹設される凹設部341a1と、その凹設部341a1により凹設された内側部分に貫通形成される開口341a2と、を備える。
凹設部341a1は、上述した把持ユニット330が連結される部分であり、凹設底面に複数の挿通孔(図示せず)が穿設される。凹設部341a1の挿通孔は、把持ユニット330の突出部331f,332fの複数箇所(本実施形態では4箇所)に形成される締結孔(図示せず)のそれぞれと対向する位置に開口する。よって、凹設部341a1の挿通孔を挿通したネジを突出部331f,332fに形成される締結孔に締結することで、把持ユニット330と、回転ユニット340(正面側部材341)とが締結される。
開口341a2は、上述した把持ユニット330の振動装置333に連結される配線(図示せず)を回転ユニット340側から把持ユニット330側に挿通する開口であり、把持ユニット330の突設部331b及び突設部332bの対向間の空間に連通される。よって、開口341a2を挿通された配線は、突設部331b及び突設部332bの対向間の空間から把持ユニット330の内側に挿通されて、振動装置333に連結される。
立設壁341bは、後述する案内ユニット350に対して、回転ユニット340(操作ユニット320)の姿勢を規制する部分であり、前後方向(矢印F−B方向)に所定の長さを有する円筒状に形成される。なお、立設壁341bの外径は、後述する案内ユニット350の第2円環部材362における複数の突出部362a1のそれぞれに対し外接する仮想円(仮想線KS1(図21(a)参照))の直径よりも若干小さい径に設定される。これにより、回転ユニット340が案内ユニット350の内側に収容された場合に、立設壁341bの外周面が案内ユニット350の第2円環部材362における複数の突出部362a1の先端(外周面)に当接して、操作ユニット320の案内ユニット350に対する姿勢が規制される。
また、立設壁341bは、外周面から径方向外側に向かって突出する規制片341b1を備える。規制片341b1は、案内ユニット350に対する回転ユニット340の回転範囲(回転量)を規定する部分であり、後述する案内ユニット350の第2円環部材362の収容凹部362a5の内側に配設される。回転ユニット340が案内ユニット350に対して相対的に回転変位された場合には、収容凹部362a5の一方の内面または他方の内面に規制片341b1が当接されることで、回転ユニット340の案内ユニット350に対する一方向への回転または他方向への回転が規制される。これにより、回転ユニット340の回転範囲(回転量)が規定される。
背面側部材342は、立設壁341bの外径と略同一の直径を有する円盤形状に形成され、その中心の軸が立設壁341bの軸と同軸となる位置において立設壁341bに配設される。また、背面側部材342は、背面(正面側部材341と反対側の面)の中心(軸部分)から突出する円柱状の挿入部342aと、その挿入部342aから径方向外側に離れて位置し背面から突出する係合片342bと、その係合片342bと周方向に異なる位置に開口する挿通開口342cと、正面から立設される円環状の立設部342dと、を備える。
挿入部342aは、上述したように、中間部材380の第1開口部381に挿入される部分であり、その外径が、第1開口部381の内径と同等または若干小さい径に設定される。よって、挿入部342aが第1開口部381に挿入されることで、回転ユニット340に対して中間部材380の位置が径方向(軸直角方向)にずれることが抑制される。即ち、回転ユニット340と中間部材380とが、径方向の相対位置が位置決めされた状態で相対回転可能に連結される。
係合片342bは、後述するベースユニット390の第1変位部材396と係合して、回転ユニット340の変位を変位ユニット395に伝達する部分である。係合片342bの長さ寸法は、中間部材380(図15参照)の第2開口部382に挿通された状態(変位ユニット300の組み立て状態)において、その挿通された先端が中間部材380の背面からベースユニット390側に突出する寸法に設定される。
また、係合片342bは、第1片342b1と第2片342b2とから断面略T字状に形成される。第1片342b1は、正面側部材341の中心(軸)側を中心として周方向に延びる断面形状に形成され、その断面形状を維持しつつ正面側部材341の背面から立設される。第2片342b2は、断面矩形状に形成され、第1片342b1の内周面から挿入部342aへ向けて突出される。即ち、第2片342b2は、第1片342b1の長手方向に沿って延出される。これにより、係合片342bの剛性を高めて、係合片342bを第1変位部材396に係合させた場合に係合片342bが破損(折れる)ことを抑制できる。
挿通開口342cは、上述したように、中間部材380の第3開口部383を通って回転ユニット340側に挿通される配線(図示せず)を回転ユニット340の内部に挿通させる開口である。これにより、右方ランプユニット39(図11参照)からベースユニット390、及び、中間部材380を介して回転ユニット340に挿通される配線を、回転ユニット340の正面側部材341の開口341a2を挿通させて、把持ユニット330の振動装置333に連結できる。
立設部342dは、背面側部材342の外縁よりも径方向内側に入り込んだ位置から正面側部材341側(正面側)へ向かって立設される円筒状の部位であり、その外径が背面側部材342の外径よりも小さな寸法に設定される。また、立設部342dの外径は、正面側部材341の立設壁341bの内径よりも若干小さく形成され、正面側部材341と背面側部材342とが組み合わされた場合に、立設部342dが正面側部材341の立設壁341bの内側に配設(内嵌)される。従って、正面側部材341と背面側部材342とを組み合わせる場合に、立設部342dを立設壁341bに挿入して、正面側部材341に対する背面側部材342の位置決めを行いやすくできる。また、立設部342dが立設壁341bに挿入(内嵌)されることで、両者の結合を強固として、回転ユニット340の剛性を確保できると共に、正面側部材341と背面側部材342との合わせ面から内部空間へ針金やピアノ線などの異物が挿入されることを抑制できる。
立設部342dは、径方向(板厚方向(背面側部材342の軸と直交する方向))に貫通する軸支孔342d1を備える。軸支孔342d1は、後述する軸部材343を挿通する孔である。また、軸支孔342d1は、一対が背面側部材342の軸を挟んで対向する位置(位相を180度異ならせた位置)に形成される。
軸部材343は、円柱状に形成される部位と、その円柱状の部位の軸方向一端側に径方向外側に向かって拡径して形成される拡径部343aと、円柱状の部位の軸方向他端側に溝状に凹設される溝部343bと、を備える。なお、軸部材343は、溝部343bが形成される軸方向他端側を背面側部材342の中心に向けた姿勢で、後述する被案内部材344及び軸支孔342d1にそれぞれ挿通される。
拡径部343aは、被案内部材344が軸方向一端側に抜け出ることを規制する規制部であり、その外径が、被案内部材344の内径よりも大きな径に設定される。
溝部343bは、周方向全周に連続する凹溝として形成され、その凹溝(溝部343b)には、背面側部材342の軸支孔342d1の内径よりも大きい外径のEリングCが嵌め込まれる。これにより、軸部材343が軸支孔342d1から脱落不能とされる。
被案内部材344は、後述する案内ユニット350の案内溝351(図22(d)参照)に案内される円筒状(ローラー状)の部材であり、上述したように、軸部材343が内周側に挿通される。なお、被案内部材344は、その内径が軸部材343の拡径部343aを除く部分(円柱状に形成される部位)の外径よりも大きく設定される。
これにより、被案内部材344は、軸部材343に回転可能に保持(軸支)される。よって、被案内部材344が、案内ユニット350の案内溝351に案内される場合には、被案内部材344を案内溝351の内面に対して回転(転動)させて背面側部材342(回転ユニット340)を変位させることができる。
次いで、図20及び図21を参照して、案内ユニット350について説明する。図20(a)は、案内ユニット350の正面図であり、図20(b)は、案内ユニット350の斜視正面図であり、図20(c)は、案内ユニット350の斜視背面図であり、図20(d)は、図20(a)のXXd−XXd線における案内ユニット350の断面図である。図21(a)は、案内ユニット350の分解斜視正面図であり、図21(b)は、案内ユニット350の分解断面図である。なお、図21は、図20(d)の断面図と対応する。
上述したように、案内ユニット350は、正面側(矢印F方向側)に配設される正面側案内ユニット360と、その正面側案内ユニット360の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側案内ユニット370と、を備える。
図20及び図21に示すように、正面側案内ユニット360は、正面視円環状に形成される円筒状の2部材を軸方向に組み合わせて形成され、正面側(矢印F方向側)に配設される第1円環部材361と、その第1円環部材361の背面側(矢印B方向側)に配設される第2円環部材362と、を備える。
第1円環部材361は、円筒状の筒状部361aと、その筒状部361aの正面側(矢印F方向側)の端部から縮径する(径方向内方へフランジ状へ張り出す)縮径部361bと、筒状部361aの背面側(矢印B方向側)の端部から径方向外側に向かって部分的に膨出して(張り出して)形成される取着部361cと、を備える。
筒状部361aは、外径が上述した円環部材310(図14参照)の開口312aの内径と略同一または若干小さな径に設定される。これにより、円環部材310に案内ユニット350が配設された場合に、円環部材310の開口312aに筒状部361a(案内ユニット350)を内嵌させ、開口312aの内周面と筒状部361aの外周面との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、遊技者がスロットマシン10(図1参照)の正面側から変位ユニット300の内部に不正な部材(例えば、針金やピアノ線等)を挿入することを抑制できる。
縮径部361bは、その内径が上述した把持ユニット330の円形部331a,332a(図17参照)の直径よりも小さな径に設定される。よって、例えば、回転ユニット340が破損して、回転ユニット340が規定の変位量よりも大きく変位される場合に、把持ユニット330の円形部331a,332aを縮径部に361bの内縁に当接させることができ、把持ユニット330(円形部331a,332a)の全体が案内ユニット350の内側に押し込まれることを抑制できる。
取着部361cには、第1円環部材361と第2円環部材362とを締結するネジが螺合される螺合孔(図示せず)が背面側に形成される。
第2円環部材362は、円筒状に形成される第1円筒部362aと、その第1円筒部362aの外周側に位置し第1円筒部362aを取り囲む円筒状の第2円筒部362bと、第1円筒部362aの外周面と第2円筒部362bの内周面とを連結する連結部と、を備える。
第1円筒部362aは、内周面から突出する複数の突出部362a1と、第1円筒部362aの背面側(矢印B方向側)端部に位置し、第1円筒部362aの内周面に凹設される凹設部362a2及び収容凹部362a5と、を備える。
突出部362a1は、上述したように、回転ユニット340の立設壁341bの外周面と当接して、案内ユニット350に対する回転ユニット340(操作ユニット320)の姿勢(位置)を規制する部分であり、第1円筒部362aの周方向に所定間隔を隔てつつ複数個(本実施形態では11個)が分散配置される。複数の突出部362a1は、正面視(第2円環部材362の軸方向視)において、それら複数の突出部362a1の先端面(外周面)に対して仮想円が外接する形態に形成される。仮想円(仮想線KS1)の直径は、回転ユニット340の立設壁341bの外径と略同等または若干大きい径に設定される。
これにより、回転ユニット340(操作ユニット320)が変位される場合に、回転ユニット340の立設壁341bと案内ユニット350の第1円筒部362aとが接触する面積を少なくできる。従って、回転ユニット340(操作ユニット320)を変位させる際の抵抗を小さくでき、回転ユニット340を変位させやすくできる。
凹設部362a2は、回転ユニット340の被案内部材344が内側に配設される部分であり、回転ユニット340に一対配設される被案内部材344に対応して、第1円筒部362aの軸を挟んで反対側となる位置(位相を180度異ならせた位置)に一対形成される。変位ユニット300の組み立て状態では、凹設部362a2に回転ユニット340の被案内部材344が収容され、被案内部材344が凹設部362a2の内壁に沿って移動(転動)されることで、操作ユニット320の操作方向(変位方向)が案内される。
収容凹部362a5は、上述したように、回転ユニット340の規制片341b1が内側に収容される部分であり、回転ユニット340が変位された場合には、収容凹部362a5の周方向に対向する内壁に規制片341b1を当接させて、回転ユニット340の回転を所定範囲内に規制する。なお、本実施形態では、収容凹部362a5は、第1円筒部362aの軸を中心として中心角略45度の範囲に凹設され、回転ユニット340(操作ユニット320)の回転可能範囲(角度)が略45度に設定される。
第2円筒部362bは、正面側(矢印F方向側)の端部が第1円筒部362aの外周面に連結され、それら第2円筒部362bと第1円筒部362aとを連結する部分には、ネジを挿通する貫通孔(図示せず)が形成される。この貫通孔に挿通したネジを第1円環部材361の取着部361cに螺合することで、第1円環部材361と第2円環部材362とが締結固定される(正面側案内ユニット360が組み上げられる)。
背面側案内ユニット370は、円環状に形成される第1部371と、その第1部371から正面側に突出される第2部372と、第1部371の外縁に沿って正面側に立設される第3部373と、を備えて形成される。
第1部371は、その外径が上述した第1円筒部362aの外径よりも大きな径に設定され、内径が上述した立設壁341bの外径よりも小さな径に設定される。また、第1部371には、内縁の一部から径方向外側に向かって凹設される凹欠部371aが形成される。
凹欠部371aは、上述したように中間部材380の突設部384が収容される部分であり、凹欠部371aに突設部384を収容することで、案内ユニット350に対する中間部材380の回転が規制される。
第2部372は、第1部371の内縁に沿って位置し第2円環部材362側(正面側)へ向かって突設される。第2部372は、図20(d)に示すように、上述した第2円環部材362の凹設部362a2に配設される部分であり、その突出先端面が凹設部362a2の内壁(凹設部362a2の内周面と第1円筒部362aの内周面とを連結する段差面)に当接される。
これにより、図20(d)に示すように、組立状態の案内ユニット350には、凹設部362a2の凹設底面および第1円筒部362aの内周面の連結面と、背面側案内ユニット370の第1部371及び第2部372と、により凹設部362a2の一部が囲われる案内溝351が第1円筒部362aの中心を挟んで対向する位置に一対形成される。
案内溝351は、上述した回転ユニット340の被案内部材344を案内する溝であり、溝幅が、被案内部材344の外径よりも大きく設定される。なお、案内溝351についての詳しい説明は後述する。
第3部373は、その内径が第2円環部材362の第1円筒部362aの外径と略同一または若干大きな径に設定され、第2円環部材362(正面側案内ユニット360)の背面側に背面側案内ユニット370が配設された場合に、第1円筒部362aに外嵌される。これにより、正面側案内ユニット360に背面側案内ユニット370を配設する際の位置決めを簡易にできる。また、第1円筒部362aに第3部373が外嵌されることで、案内ユニット350の剛性を確保できる。特に、第2円環部材362の剛性を確保して、案内溝351の変形を抑制できる。よって、案内溝351による被案内部材344の案内を安定化して、操作ユニット320の操作性を向上できる。
次いで、図22から図24を参照して、案内ユニット350に対して操作ユニット320が変位される際の案内構造について説明する。
図22(a)、図23(a)及び図24(a)は、操作ユニット320、及び、案内ユニット350の斜視正面図であり、図22(b)、図23(b)及び図24(b)は、操作ユニット320、及び、案内ユニット350の正面図であり、図22(c)、図23(c)及び図24(c)は、図22(b)、図23(b)及び図24(b)のXXIIc−XXIIc線、XXIIIc−XXIIIc線およびXXIVc−XXIV線における操作ユニット320、及び、案内ユニット350の断面図であり、図22(d)、図23(d)及び図24(d)は、図22(a)、図23(a)及び図24(a)のXXIId−XXIId線、XXIIId−XXIIId線およびXXIVd−XXIVd線における操作ユニット320、及び、案内ユニット350の断面図である。
なお、図22(c)、図23(c)及び図24(c)では、案内ユニット350に配設される操作ユニット320の外形線のみが2点鎖線で図示される。また、図22から図24は、案内ユニット350に対する操作ユニット320の遷移状態が順に図示される。図22では、遊技者から操作がされておらず、操作ユニット320が初期位置に配置された状態が図示され、図24では、遊技者により操作され、操作ユニット320が可動範囲の終端となる位置(以下「終端位置」と称す)に配置された状態が図示され、図23では、操作ユニット320が初期位置と終端位置との間の位置(以下「中間位置」と称す)に配置された状態が図示される。
図22に示すように、案内ユニット350に対して操作ユニット320が初期位置に配置された状態では、把持ユニット330の右側カバー部材331及び左側カバー部材332の円形部331a,332aの中心線が水平方向(矢印L−R方向)と平行とされ(即ち、円形部331a,332aの中央の平坦面が矢印L−R方向と直交し)、操作ユニット320の回転ユニット340の正面側が第1円環部材361の縮径部361bの背面に当接する位置に配置される(図23(c)参照)。
なお、上述したように、操作ユニット320は、回転ユニット340の被案内部材344が案内ユニット350の案内溝351に配設され、被案内部材344が案内溝351に沿って変位(案内)されることで、操作ユニット320の案内ユニット350に対する変位が規定される。
ここで、案内溝351について説明する。案内溝351は、図22(d)に示すように、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370によって形成され、それら第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の周方向に延設される。なお、案内溝351の一部は、傾斜して形成される。
案内溝351は、被案内部材344の移動(転動)を案内する内壁として、第2円環部材362により形成される第1案内面351a及び第2案内面351bと、背面側案内ユニット370により形成される第3案内面351c及び第4案内面351dとを備える。また、案内溝351は、被案内部材344の移動(転動)を規制する内壁として、背面側案内ユニット370により形成される第1端部351eと、第2円環部材362により形成される第2端部351fとを備える。
ここで、ベース部材とベース部材に形成される溝に沿って変位する変位部材とを備える遊技機では、変位部材に形成される突起をベース部材の溝に挿通させる必要がある。この場合、変位部材の突起をベース部材の溝に挿通させる際に他の部材が変位部材に干渉する位置に配設されると、変位部材を他の部材との干渉を回避しつつベース部材に配設する必要があり、ベース部材、変位部材、及び、他の部材の形状が限定され、設計の自由度が低下する。
これに対し、本実施形態では、案内溝351が、第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の2部材から形成されるので、案内溝351の内側に配置される被案内部材344(操作ユニット320)を第2円環部材362(正面側案内ユニット360)に配置した後に、第2円環部材362と背面側案内ユニット370とを組み合わせて、操作ユニット320を案内ユニット350に組み付けることができる。
即ち、第2円環部材362側の案内溝351に被案内部材344を配設することで、第2円環部材362への操作ユニット320の配設が他の部材に干渉することを抑制できる。その結果、案内ユニット350及び操作ユニット320の設計の自由度を高めることができる。
特に、円環状に形成される案内ユニット350に案内溝351を金型で成型する場合には、その金型の構造が複雑となるところ、案内溝351を第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の2部材で形成し、その分割面に案内溝351を形成し、2部材の分割方向を金型の引き抜き方向に設定することで、案内ユニット350を環状に形成できる。また、それぞれの金型の構造を簡易にすることができ、さらに、案内溝351を成型した後の金型からの型抜きを簡易にできる。
なお、案内溝351は、案内ユニット350(第2円環部材362)の内周面に形成される場合について説明したが、案内溝351は、案内ユニット350の径方向に貫通して形成されるものであってもよい。
また、円環状に形成される案内ユニット350の内側に、その案内ユニット350に沿って変位する操作ユニット320を配設する場合には、案内ユニット350に形成される案内溝351に被案内部材344を挿入しつつ、操作ユニット320を案内ユニット350の内側に挿入する必要があるため、操作ユニット320と案内ユニット350との組み立て作業が複雑になることろ、案内溝351の内側に配置される被案内部材344(操作ユニット320)を第2円環部材362(正面側案内ユニット360)に配置した後に、第2円環部材362と背面側案内ユニット370とを組み合わせて、操作ユニット320を案内ユニット350に組み付けることができるので、その組み立て作業を簡易にできる。
第1案内面351a、及び、第3案内面351cは、所定間隔を隔てつつ対向して配設される。これら第1案内面351a、及び、第3案内面351cの対向間隔は、被案内部材344の直径よりも大きく設定される。これにより、被案内部材344は、第1案内面351a又は第3案内面351cのいずれか一方により移動が案内される。なお、以降の説明では、案内溝351のうち、第1案内面351a、及び、第3案内面351cの対向間で形成される領域(被案内部材344の移動領域)を「第1案内領域」と称して説明する。
第1案内領域(第1案内面351a、及び、第3案内面351c)は、初期位置から進行する(第1端部351eから離間する)に従って背面側(矢印B方向側)へ近接しつつ周方向に延設される傾斜した案内路として形成される。よって、第1案内領域に沿って被案内部材344が案内されることで、操作ユニット320は、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸を中心として回転しつつ、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸方向(矢印F−B方向)に変位される。
なお、操作ユニット320への外力が非入力とされる(遊技者による操作がされていない)場合には、回転ユニット340が、上述したコイルばねSP1により正面側(矢印F方向側)へ向かって付勢されると共に、後述するベースユニット390(コイルバネSP2)により正面視左回り方向(初期位置へ復帰する回転方向)へ付勢される。よって、被案内部材344が第1案内領域にある状態で、操作ユニット320への外力が非入力とされると(例えば、遊技者が操作ユニット320から手を離すと)、コイルばねSP1,SP2の付勢力により、被案内部材344が第1案内面351aに沿って第1端部351eまで案内され、初期位置に復帰される。また、初期位置では、コイルばねSP1,SP2の付勢力により、被案内部材344が第1端部351eに当接する位置に維持される。
第2案内面351b、及び、第4案内面351dは、互いが対向して形成される。また、第4案内面351dは、その案内面が水平方向と平行となる方向に延設される。一方、第2案内面351bは、第2円環部材362、及び、第1部371の周方向において第1案内面351aとの連結部分に近づくにつれて正面側に向かって傾斜する案内面として形成される。
第2案内面351b、及び、第4案内面351dは、第1案内領域(第1案内面351a、及び、第3案内面351c)の背面側(矢印B方向側、即ち、第1端部351eと反対側)の端部に連結される。これにより、第1案内領域を背面側(矢印B方向側)へ向けて被案内部材344が移動されると、かかる被案内部材344は、第2案内面351b、及び、第4案内面351dの対向間に受け入れられる。
第2案内面351b、及び、第4案内面351dは、所定間隔を隔てつつ対向して配設される。これら第2案内面351b、及び、第4案内面351dの最小の対向間隔は、被案内部材344の直径よりも大きく設定される。これにより、被案内部材344は、第2案内面351b又は第4案内面351dのいずれか一方により移動が案内される。なお、以降の説明では、案内溝351のうち、第2案内面351b、及び、第4案内面351dの対向間で形成される領域(被案内部材344の移動領域)を「第2案内領域」と称して説明する。
第2案内面351bは、第1案内面351aとの連結部分に近づくに従って(即ち、第2端部351fから離間するに従って)正面側(矢印F方向側)へ近接しつつ周方向へ延設される傾斜した案内面として形成され、第4案内面351dは、その案内面が、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸に垂直は仮想面に平行な姿勢で周方向に延設される案内面として形成される。
従って、第2案内領域の第2案内面351bに沿って被案内部材344が案内される場合には、操作ユニット320は、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸を中心として回転しつつ、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸方向(矢印F−B方向)に変位される。
なお、第2案内面351bの傾斜角度は、第1案内面351aの傾斜角度よりも小さい角度に設定される。よって、単位回転あたりの操作ユニット320の軸方向への変位量は、第2案内面351bに沿って被案内部材344が案内される場合よりも第1案内面351aに沿って被案内部材344が案内される場合の方が大きな変位量とされる。
一方、第2案内領域の第4案内面351dに沿って被案内部材344が案内される場合には、操作ユニット320は、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸方向(矢印F−B方向)には変位されず、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸を中心とする回転のみが行われる。
なお、被案内部材344が第2案内領域に位置する状態において、操作ユニット320への外力が非入力される(例えば、遊技者が操作ユニット320から手を離す)と、コイルばねSP1,SP2の付勢力により、被案内部材344が第2案内面351bに沿って第1案内領域へ向けて案内され、その後、初期位置に復帰される。この場合、第2案内領域では、第2案内面351bが傾斜されているので、初期位置への復帰をスムーズに行わせることができる。
第1端部351eは、第1案内領域の始端(第2案内領域との連結側と反対側の端部)に形成され、初期位置を形成する。即ち、被案内部材344の変位が第1端部351eにより規制されることで、操作ユニット320が初期位置に位置される。
第2端部351fは、第2案内領域の終端(第1案内領域との連結側と反対側の端部)に形成され、終端位置を形成する。即ち、被案内部材344の変位が第2端部351fにより規制されることで、操作ユニット320が終端位置に位置される。
図23に示すように、遊技者の操作(例えば、遊技者により把持された把持ユニット330の円形部331a,332aが回転される)により操作ユニット320が正面視右回りに回転される、又は、遊技者の操作(例えば、把持ユニット330の右側カバー部材331及び左側カバー部材332の合わせ面(外周面)のうちの遊技者に対面する側の外周面が遊技者により押し込まれる)により操作ユニット320が遊技者から見て前方側(矢印B方向側)へ向けて押し込まれると、操作ユニット320(回転ユニット340)の被案内部材344が案内溝351の第1案内領域により案内される。
この場合、いずれの操作(回転または押し込み)であっても、被案内部材344が案内溝351(第1案内領域)により案内されることで、操作ユニット320は、周方向に回転されつつ、背面側(矢印B方向側)へ変位(スライド)される。
即ち、把持ユニット330(円形部331a,332a)が正面視右回りに回転された場合(回転操作のみされた場合)には、コイルばねSP1の付勢力により第1案内面351aに当接された(押し付けられた)被案内部材344が、かかる第1案内面351aに沿って案内(転動)され、操作ユニット320が、周方向に回転されつつ、背面側(矢印B方向側)へ変位(スライド)される。
一方、把持ユニット330が背面側(矢印B方向側)へ押し込まれた場合(押し込み操作のみされた場合)には、コイルばねSP1の付勢力に抗して被案内部材344が第3案内面351cに当接され(押し付けられ)、かかる第3案内面351cに沿って被案内部材344が案内(転動)されることで、操作ユニット320が、周方向に回転されつつ、背面側(矢印B方向側)へ変位(スライド)される。
このように、本実施形態によれば、遊技者の把持ユニット330を操作する方向(本実施形態では、回転操作時の周方向と押込み操作時の矢印B方向)が異なる場合でも、操作ユニット320(把持ユニット330)に同様の変位を与えることができる。これにより、遊技者に操作ユニット320を操作する方向を任意に選択させることができる。その結果、遊技者の興趣を高めやすくできる。
また、ボタンやレバーのように一方向への押圧操作や一方向への傾倒操作で、一方向にスライド変位や一方向に回転変位するものでは、その操作が単調になりやすく、ボタンやレバーの操作に興趣を与えにくいという問題があるのに対し、本実施形態では、操作ユニット320が、押し込む操作または回転操作によるスライド変位または回転変位により、その操作による変位方向と異なる方向の回転変位またはスライド変位を形成することができるので、操作ユニット320の操作に興趣を与えやすくできる。
なお、操作ユニット320の背面側への押し込み方向と、操作ユニット320の回転操作時の回転軸方向と、は平行に設定される。これにより、遊技者の把持ユニット330を操作する方向(本実施形態では、回転操作時の周方向と押込み操作時の矢印B方向)が異なる場合でも、操作ユニット320(把持ユニット330)を変位させやすくできる。
図23に示す状態から操作ユニット320(把持ユニット330)が更に操作されると、被案内部材344が第1案内領域と第2案内領域との連結部分に到達される。この状態からは、回転操作(又は、回転と押し込みとを組み合わせた操作)により把持ユニット330(円形部331a,332a)が正面視右回りに回転されることで、被案内部材344が第2案内領域に案内される。その後、被案内部材344が第2端部351fに当接されることで、図24に示すように、操作ユニット320(把持ユニット330)が終端位置に配置される。
この場合、第2案内領域では、操作ユニット320(把持ユニット330)が回転操作されると(即ち、軸回りの回転力のみが作用されると)、コイルばねSP1の付勢力により第2案内面351bに当接された(押し付けられた)被案内部材344が、かかる第2案内面351bに沿って案内(転動)されることで、操作ユニット320は、周方向に回転されると共に、第2案内面351bの傾斜に伴って、背面側(矢印B方向側)へも変位(スライド)される。
また、回転と押し込みとを組み合わせた操作により操作ユニット320(把持ユニット330)が操作されると、かかる操作の押し込み力により第4案内面351dに当接された(押し付けられた)被案内部材344が、かかる第4案内面351dに沿って案内(転動)されることで、操作ユニット320は、周方向に回転のみされる。
一方、第2案内領域では、押し込み操作のみでは、操作ユニット320(把持ユニット330)は変位されない。即ち、第2案内領域では、第4案内面351dが、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸に垂直は仮想面に平行な案内面として形成されるので、把持ユニット330が背面側(矢印B方向側)へ押し込まれ、コイルばねSP1の付勢力に抗して被案内部材344が第4案内面351dに当接され(押し付けられ)ても、被案内部材344を第4案内面351dに沿って転動させる力成分(即ち、操作ユニット320(把持ユニット330)を回転させる方向への力成分)が発生されない。よって、被案内部材344が第1案内領域と第2案内領域との連結部分(又は、第4案内面351d上)に留まり、操作ユニット320(把持ユニット330)は、押し込み方向(矢印B方向)及び回転方向のいずれの方向へも変位されない。
このように、本実施形態によれば、第2案内領域を備えることで、遊技者の把持ユニット330を操作する方向(本実施形態では、回転操作時の周方向および押込み操作時の矢印B方向)が異なる場合に、操作ユニット320(把持ユニット330)の変位態様を異ならせることができる(本実施形態では、回転操作(又は、回転と押し込みとを組み合わせた操作)では操作ユニット320を回転させ、押し込み操作のみでは操作ユニット320を停止させる)。これにより、遊技者に操作ユニット320を操作する方向を任意に選択させることができる。その結果、遊技者の興趣を高めやすくできる。
さらに、本実施形態では、初期位置から操作ユニット320を背面側に押し込み操作し、第1案内領域を案内されて、第2案内領域に達した後には、操作する方向を変更する(即ち、回転操作する)ことで、操作ユニット320(把持ユニット330)を終端位置まで変位させることができる。従って、初期位置から終端位置までの間(途中)で遊技者に操作方向を変更させることができる。その結果、遊技者が操作ユニット320の操作に飽きることを抑制できる。
また、操作ユニット320が背面側に押し込み(スライド)操作される場合には、被案内部材344が背面側案内ユニット370の第3案内面351c及び第4案内面351dに当接しつつ案内される。一方、操作ユニット320が正面視右回りに回転操作される場合には、被案内部材344が第2円環部材362の第1案内面351a及び第2案内面351bに当接しつつ案内される。
即ち、操作ユニット320の操作方向で被案内部材344が当接する部材を変更できる。これにより、被案内部材344との当接面を操作ユニット320の操作方向に適した形状、及び、材質に設定することができる。
例えば、操作ユニット320の押し込み操作時には、被案内部材344が第4案内面351dに案内された際に第4案内面351dに当接してその変位が規制されるため、変位を規制する際の衝撃が背面側案内ユニット370に大きく作用するところ、背面側案内ユニット370を衝撃に強い材料に設定する。一方、操作ユニット320の回転操作時には、被案内部材344が第1案内面351a及び第2案内面351bに沿って摺動して変位しやすいところ、第2円環部材362を摩耗に強い材料に設定する。これにより、案内溝351の一部の案内面のみが、集中して変形(劣化)することを抑制できる。その結果、案内溝351の耐久性を向上できる。
他には、案内溝351の案内面を階段状に形成して、案内面を摺動する振動を操作ユニット320を操作する遊技者に伝達させてもよい。この場合、第3案内面351c及び第4案内面351dと、第1案内面351a及び第2案内面351bと、でその内面形状を異なるものとして、それぞれの案内面を摺動する際の振動が同じ速度で変位された場合にそれぞれ異なる振動数となるように設定してもよい。これにより、操作ユニット320を操作する操作感をそれぞれの案内面で異ならせることができる。
また、操作ユニット320を押し込み(スライド)操作した場合と、操作ユニット320を回転操作した場合と、で被案内部材344が案内される案内面を、背面側案内ユニット370の第3案内面351c及び第4案内面351dと、第2円環部材362の第1案内面351a及び第2案内面351bと、に分けることができる。
これにより、操作ユニット320の変位態様に応じて、被案内部材344を異なる案内面に沿って案内することができ、案内面が受ける負荷を分散することができる。即ち、ベース部材に形成される案内面に沿って変位する変位部材が、常に案内面の一部に沿って移動される場合には、案内面の一部に負荷が集中して、案内面が破損しやすくなるところ、本実施形態では、操作ユニット320の変位態様に応じて、被案内部材344を異なる案内面に沿って案内することができるので、一部の案内面に負荷が集中することを抑制できる。その結果、案内溝351が形成される背面側案内ユニット370及び第2円環部材362が破損することを抑制できる。
さらに、2部材から形成される案内溝351の第2円環部材362と背面側案内ユニット370との連結部分は、被案内部材344の案内面と異なる位置に形成される。正確には、第2円環部材362と背面側案内ユニット370との連結部分は、第1端部351e及び第1案内面351aの連結部分(接続部)と、第2端部351f及び第4案内面351dの連結部分(接続部)と、に設定される。
ここで、第2円環部材362と背面側案内ユニット370との連結部分が案内溝351の案内面に設定される場合には、第2円環部材362と背面側案内ユニット370との組み合わせ時の誤差(組立公差)や第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、案内溝351の案内面に段差ができる恐れがあり、案内溝351を案内される被案内部材344がその段差を通過する際に段差に引っ掛かり摩耗しやすくなる恐れがある。
これに対し、2部材から形成される案内溝351の第2円環部材362と背面側案内ユニット370との連結部分は、被案内部材344の案内面と異なる位置に形成されるので、案内溝351を案内される被案内部材344の摩耗が早くなることを抑制できる。
なお、第2円環部材362と背面側案内ユニット370との連結部分は、被案内部材344が案内される場合に当接しない位置に設定されるものであればよく、例えば、第2円環部材362と背面側案内ユニット370との連結部分が第1端部351eから被案内部材344の半径よりも小さい値で離間する位置で第1案内面351a又は第3案内面351cに形成されてもよく、第1端部351e及び第2端部351fに形成されてもよい。
また、操作ユニット320の回転操作時と押し込み操作時とで異なる案内面に沿って案内させることができ、その案内面が異なる部材で形成されるので、案内溝351を設計変更する際に、その設計変更を簡易にできる。例えば、押し込み時の操作ユニット320の変位態様を変更する場合には、第2円環部材362の形状を変更する必要がなく、背面側案内ユニット370の第3案内面351c及び第4案内面351dの形状のみを変更すればよい。
なお、操作ユニット320(把持ユニット330)の操作方向は、遊技者が適宜選択するようにしても良いし、スロットマシン10の演出内容に応じて、操作方向を遊技者に伝達(補助表示部15への表示または音声による報知)して、その伝達に基づいて、遊技者に操作方向を変更させるようにしても良い。
次いで、図25及び図26を参照して、操作ユニット320(把持ユニット330)を初期位置から終端位置まで変位させる際の案内溝351による被案内部材344の案内態様(当接面の変化)について説明する。
図25(a)から図25(c)及び図26(a)から図26(c)は、操作ユニット320、及び、案内ユニット350の断面摸式図であり、図25(a)、図25(b)及び図25(c)と、図26(a)、図26(b)及び図26(c)とは、それぞれ図22(c)、図23(c)及び図24(c)に対応する。
なお、図25(a)から図25(c)では、遊技者が操作ユニット320(把持ユニット330)を回転操作した場合における被案内部材344の遷移状態が順に図示され、図26(a)から図26(c)では、遊技者が操作ユニット320(把持ユニット330)を案内ユニット450側(背面側(矢印B方向側))へ押し込み操作した後、操作ユニット320を回転操作した場合における被案内部材344の遷移状態が順に図示される。
また、図25(a)及び図26(a)では、操作ユニット320が初期位置に配置された状態が、図26(c)及び図26(c)では、操作ユニット320が終端位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図25(b)及び図26(b)では、第2案内領域の始端(第1案内領域側の端部)となる位置(以下「第1位置」と称す)に被案内部材344が配置された状態が図示される。
図25(a)及び図25(b)に示すように、操作ユニット320(把持ユニット330)が遊技者に回転操作される場合(把持ユニット330に軸回りの回転力のみが付与される場合)には、被案内部材344は、上述したように、操作ユニット320(回転ユニット340)がコイルばねSP1により正面側(矢印F方向側)に付勢されていることから、案内溝351の第1案内面351aと当接し、かかる第1案内面351aに沿って案内溝351を周方向(図25左右方向)に移動して、第1案内領域を案内される。
第1案内領域を通過して第2案内領域の第1位置に到達された被案内部材344は、図25(b)に示すように、第2案内領域の正面側の面(即ち、第2案内面351b)に当接する位置に配置される。
図25(b)及び図25(c)に示すように、第2案内領域の第1位置(この場合は、第2案内面351bの始端)に被案内部材344が位置する状態から操作ユニット320(把持ユニット330)が更に遊技者に回転操作される(把持ユニット330に軸回りの回転力のみが付与される)と、被案内部材344は、上述したように、操作ユニット320(回転ユニット340)がコイルばねSP1により正面側(矢印F方向側)に付勢されていることから、案内溝351の第2案内面351bと当接し、かかる第2案内面351bに沿って案内溝351を周方向(図25左右方向)に移動して、第2案内領域を終端位置(第2端部351fと当接する位置)まで案内される。
上述したように、案内溝351の第2案内面351bは、第2円環部材362、及び、第1部371の周方向(図25(c)左右方向)に延設され、第1案内面351aとの連結側に向かうに従って正面側に近接する向きに傾斜して形成される。
従って、操作ユニット320が初期位置から終端位置まで回転操作により変位される場合(即ち、把持ユニット330に軸回りの回転力のみが付与される場合)には、第1案内面351a及び第2案内面351bの傾斜に伴って、操作ユニット320は、回転(周方向に変位)されつつ、背面側(矢印B方向側)に変位される。
このように、操作ユニット320が初期位置から終端位置まで回転操作される場合には、それぞれの延設方向が異なる第1案内領域と第2案内領域に被案内部材344が案内されることで、操作ユニット320の回転量に対する背面側へのスライド変位量が変更される。即ち、操作ユニット320が回転変位される途中で、背面側への変位態様が変更される。これにより、操作ユニット320の操作に興趣を与えることができる。
図26(a)及び図26(b)に示すように、操作ユニット320(把持ユニット330)が背面側に向かって押し込み操作される場合(把持ユニット330に軸方向の押し込み力のみが付与される、又は、把持ユニット330に軸方向の押し込み力が付与されつつ軸回りの回転力も付与される場合)には、被案内部材344は、案内溝351の第3案内部351cと当接し、かかる第3案内面351cに沿って案内溝351を周方向(図26左右方向)移動して、第1案内領域を案内される。
第1案内領域を通過して第2案内領域の第1位置に到達された被案内部材344は、図26(b)に示すように、第2案内領域の背面側の面(即ち、第4案内面351d)に当接する位置に配置される。
ここで、操作ユニット320(把持ユニット330)に軸方向の押し込み力のみが付与され、軸回りの回転力が付与されていない場合には、被案内部材344が第1案内領域(第3案内面351c)を通過して第2案内領域の第1位置(この場合は、第4案内面351dの始端)に到達されると、被案内部材344が第4案内面351d(第2案内領域)に案内された直後に、操作ユニット320(把持ユニット330)の変位が停止される。
即ち、第4案内面351dは、上述したように、第4案内面351dは、第2円環部材362及び背面側案内ユニット370の軸に垂直は仮想面に平行な姿勢で周方向に延設される案内面として形成されるので、押し込み操作のみにより被案内部材344が第2案内領域の第1位置(第4案内面351dの始端)に到達されると、被案内部材344に作用する力の方向と第4案内面351dの延設方向とが略直交する方向とされ、回転方向(周方向、図26(b)左右方向)への力成分が発生されないので、操作ユニット320(把持ユニット330)を変位させることができない。
なお、第3案内面351cと第4案内面351dとは、それぞれの案内面が第2円環部材362、及び、第1部371の周方向(図25(b)左右方向)において直線状に形成され、それら第3案内面351cと第4案内面351dとの交差角度が所定の角度(略165度以上かつ略135度以下が好ましく、本実施形態では略150度)に設定される。
これにより、被案内部材344が第3案内面351c(第1案内領域)から第4案内面351dの始端(第2案内領域の第1位置)に案内される場合に、衝撃の発生を抑制しつつ、第1位置へ確実に案内可能とできる。即ち、公差角度が大きすぎると、被案内部材344が第2案内領域に到達した際の衝撃が大きくなる一方、公差角度が小さすぎると、被案内部材344を周方向(回転方向)へ変位させるための力成分が不足して、第1案内領域から第2案内領域への被案内部材344の移行がスムーズに行われない。これに対し、上記公差角度とすることで、被案内部材344が第2案内領域に到達した際の衝撃を抑制しつつ、第1案内領域から第2案内領域への被案内部材344の移行をスムーズに行うことができる。
その結果、操作ユニット320(把持ユニット330)に軸方向の押し込み力のみが付与され、軸回りの回転力が付与されていない場合に、被案内部材344を毎回同一の位置(第1位置)で停止させやすくできる。その結果、操作ユニット320を操作する遊技者の操作感(操作量)を同一にできるので、遊技者が操作ユニット320の操作に違和感を感じることを抑制できる。
図26(b)及び図26(c)に示すように、第2案内領域の第1位置(この場合は、第4案内面351dの始端)に被案内部材344が位置する状態から操作ユニット320(把持ユニット330)が更に遊技者に操作される(把持ユニット330に軸方向の押し込み力が付与されつつ軸回りの回転力も付与される)と、被案内部材344は、案内溝351の第4案内面351dと当接し、かかる第4案内面351dに沿って案内溝351(第2案内領域)を周方向(図26左右方向)に移動して、第2案内領域を終端位置(第2端部351fと当接する位置)まで案内される。
操作ユニット320を押し込み操作およびスライド操作して、被案内部材344を第2端部351fと当接する位置まで操作した後に、操作ユニット320を遊技者が非操作とする場合には、操作ユニット320に作用するコイルばねSP1,SP2の付勢力により、被案内部材334が第2案内面351b及び第1案内面351aに沿って始端位置まで案内される。
従って、操作ユニット320が押し込み操作およびスライド操作される場合には、それらの操作により被案内部材344が案内される案内面(第3案内面351c及び第4案内面351d)と、コイルばねSP1,SP2の付勢力により被案内部材344が案内される案内面(第2案内面351b,第1案内面351a)と、を異ならせることで、被案内部材344の当接により受ける負荷を効率的に分散できる。
なお、第2案内領域の第1位置(第4案内面351dの始端)に被案内部材344が位置する状態から操作ユニット320(把持ユニット330)が回転操作される(即ち、把持ユニット330に軸回りの回転力のみが付与される)と、被案内部材344は、上述したように、操作ユニット320(回転ユニット340)がコイルばねSP1により正面側(矢印F方向側)に付勢されていることから、案内溝351の第2案内面351bと当接し、かかる第2案内面351bに沿って案内溝351を周方向に移動して、第2案内領域を終端位置(第2端部351fと当接する位置)まで案内される(図25(c)参照)。
次いで、図27から図30を参照して、ベースユニット390について説明する。図27(a)は、ベースユニット390の正面図であり、図27(b)は、ベースユニット390の斜視正面図であり、図27(c)は、図27(a)のXXVIIc−XXVIIc線におけるベースユニット390の断面図である。図28は、ベースユニット390の分解斜視正面図である。図29(a)は、基部ユニット391の正面図であり、図29(b)は、図29(a)のXXIXb−XXIXb線における基部ユニット391の断面図である。図30(a)は、変位ユニット395の正面図であり、図30(b)は、変位ユニット395の背面図であり、図30(c)は、図30(a)のXXXc−XXXc線における変位ユニット395の断面図である。
なお、図27(a)から図27(c)では、変位ユニット395がコイルばねSP2に付勢され、かかる変位ユニット395が、第2変位部材397に基部ユニット391の規制片392fが当接される位置(以下「初期付勢位置」と称す)に配置された状態が図示される。
図27から図30に示すように、ベースユニット390は、基部ユニット391と、その基部ユニット391に配設される変位ユニット395と、基部ユニット391に対して変位ユニット395を付勢するコイルばねSP2と、を主に備える。
基部ユニット391は、上述した変位ユニット300の円環部材310(図15参照)における背面側(矢印B方向側)の内周縁形状に対応する外形(外周縁形状)に形成されその内周縁側に配設(内嵌)されるベース部材392と、そのベース部材392に配設される板ばね393及び検出装置394と、を主に備える。
ベース部材392は、ベース板392aと、そのベース板392aの正面側(矢印F方向側)から立設され、正面視円弧形状(略C字形状)に形成される第1壁部392bと、その第1壁部392bと同軸で且つ第1壁部392bよりも大径の正面視円弧形状(略C字形状)に形成され、ベース板392aの正面側から立設される第2壁部392cと、その第2壁部392cと同軸で且つ第2壁部392cよりも大径の正面視円環形状に形成され、ベース板392aの正面側から立設される第3壁部392hと、ベース板392aの正面側から突設されるバネ係合片392k、内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2と、ベース板392aを正面視略U字状に切り欠いた内側に形成される規制片392fと、を主に備える。
第1壁部392bは、中間部材380(図14参照)との間に配設されるコイルばねSP1の背面側端部を収容(保持)する部分であり、その内周面の内径がコイルばねSP1の外径よりも大きく設定されると共に中間部材380の立設部385(図15参照)と同軸となる位置に形成(立設)される。なお、ベース板392aにおける第1壁部392bの内側部分(第1壁部392bに取り囲まれた部分)は、ベース板392aにおける他の部分よりも背面側(矢印F方向側)に後退されている。これにより、第1壁部392bにより取り囲まれた空間の深さ寸法を確保できるので、自由長の大きなコイルばねSP1を採用可能として、耐久性と操作感の向上を図ることができると共に、そのような自由長の長いコイルばねSP1であっても安定して収容(保持)できる。
第2壁部392cは、その直径が第1壁部392bの直径よりも大きい寸法に設定され、第1壁部392bとの間に所定の間隔を隔てる位置に形成(立設)される。第2壁部392cは、後述する第1変位部材396(変位ユニット395)の変位を案内する壁部であり、第1変位部材396の変位軌跡に沿って延設される。即ち、第2壁部392cは、その内径が、第1変位部材396の変位軌跡の外径と同一または若干大きな寸法に設定される。なお、詳しい説明は後述するが、変位ユニット395は、第1壁部392bと第2壁部392cとの対向間に変位可能な状態で配設される。
第2壁部392cは、立設先端側の内周面から径方向内側へ向かって突設される外側第1係合片392e1、及び、外側第2係合片392e2を備える。外側第1係合片392e1と外側第2係合片392e2とは、変位ユニット395の変位軌跡上(正面視において変位軌跡に重なる位置)にそれぞれ位置し、第2壁部392cの周方向に沿って所定の間隔を隔てた位置に形成される。
外側第1係合片392e1、及び、外側第2係合片392e2は、基部ユニット391に取り付け(装着)された変位ユニット395の正面側(矢印F方向側)への脱落を規制する突起であり、ベース板391aとの間の対向間隔が、変位ユニット395(第1変位部材396)の前後方向(矢印F−B方向)の厚みと同一または若干大きな寸法となる位置に形成される。これにより、ベース板391aの正面に配設される変位ユニット395を、ベース板391aと外側第1係合片392e1及び外側第2係合片392e2との間に変位可能に配設できる(図27(c)参照)。
第3壁部392hは、その外径が、第2円環部材362の第2円筒部362b(図14参照)の外径と略同一の寸法に設定され、かかる第2円筒部362bと同軸となる位置に形成される。これにより、変位ユニット300の組立状態では、第2円筒部362bの背面側端部に第3壁部392hの正面側端部(立設先端面)が当接される。これにより、変位ユニット300の内部への外部からの不正なアクセスを抑制できる。
バネ係合片392kは、後述する変位ユニット395を付勢するコイルばねSP2の一端を係合させる部分であり、ベース板392aの正面側から突設されると共に突設先端が変位ユニット395と反対側へ向けて屈曲された側面視L字状に形成される。
内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2は、後述する変位ユニット395の変位を案内すると共にその脱落(取り外し)を規制する部材である。これら内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2は、正面視において変位ユニット395の変位軌跡の径方向内方に位置し、ベース板392aの正面側(矢印F方向側)から立設される第1の部分(立設部分)と、その第1の部分の突設先端から径方向内方へ向けて突設され、変位ユニット395の変位軌跡上(正面視において変位軌跡に重なる位置)に位置する第2の部分(突設部分)とを備える。
内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第1の部分(立設部分)が、変位ユニット395の内周面と対面する位置に配設されることで、かかる第1の部分(立設部分)により、変位ユニット395の周方向への変位が案内されると共に、変位ユニット395の径方向内方への変位が規制される。
なお、内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第1の部分(立設部分)は、その外周面(変位ユニット395に対面する側の面)が、正面視において第1壁部392bと同心の円形となる円周面として形成される。これにより、変位ユニット395の周方向への変位をスムーズに案内することができる。
内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第2の部分(突設部分)とベース板391aとの間の対向間隔は、変位ユニット395(第1変位部材396)の前後方向(矢印F−B方向)の厚みと同一または若干大きな寸法に設定される。これにより、ベース板391aの正面に配設される変位ユニット395を、ベース板391aと内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第2の部分(突設部分)との間に変位可能に配設できる(図27(c)参照)。
規制片392fは、変位ユニット395の一方側への変位を規制する(初期付勢位置を規定する)部材であり、正面視において第1壁部392bと第2壁部392cとの間であって、変位ユニット395の変位軌跡と正面視において重なる位置に形成される。
規制片392fは、ベース板392aを正面視において略U字状に切り欠くことで、基端がベース板392aに連結されると共にその基端から延設された一端側が自由端とされる弾性片として形成される。規制片392fは、その基端側から一端側が延設される方向が、コイルばねSP2の付勢方向(変位ユニット395を初期付勢位置へ向けて付勢する力の方向)と反対方向とされる。規制片392fは、その一端側の正面(矢印F方向側の面)から突設される凸部392f1を備え、その凸部392f1が変位ユニット395(第2変位部材397)に当接されることで、変位ユニット395の一方側への変位が規制される(変位ユニット395が初期付勢位置に配置される)。
ベース板392aは、正面側(矢印F方向側)から突設され第1壁部392bの外周面と第2壁部392cの内周面との間に位置する立設部392jを備える。立設部392jは、変位ユニット395の他方側への変位を規制する(変位ユニット395の変位の終端を規定する)部分であり、変位ユニット395の変位軌跡の終端に対面する位置に形成される。
ベース板392aには、第3壁部392hの内周側(第3壁部392hとコイルばねSP2との対向間)に開口部392gが開口形成される。開口部392gを介して、振動装置333(図18参照)から延設される配線(図示せず)を変位ユニット300の背面側(外部)へ取り回すことができる。
板バネ393は、変位ユニット395が変位される際に第2変位部材397との当接により弾性変形される板状のバネ(板ばね)であり、変位ユニット395の変位軌跡と隣り合う位置(変位軌跡の内周側)に配設される。また、板バネ393は、ベース板392aへ向けて突設される突起393aを備える。
突起393aは、ベース板392aに凹設される凹部392mに挿入される。これにより、板バネ393が第2変位部材397との当接により弾性変形され、その後、第2変位部材397の通過に伴い、板バネ393が弾性回復される場合に、突起393aを凹部392mの内側面に当接(衝突)させることができる。
なお、板バネ393は、弾性変形された状態でベース板392aに配設されている。即ち、変位ユニット395(第2変位部材397)が板バネ393に非当接とされる状態では、板バネ393は、その弾性回復力により突起393aを凹部392mの内側面に当接(押圧)させた状態とされる。
また、板バネ393は、突起393aが凹部392mの内側面に非当接と(押圧が解除)され弾性回復した状態では、板バネ393が変位ユニット395(第1変位部材396)当接する位置に配置される。これにより、板バネ393の突起393aが破損した場合には板バネ393を第1変位部材396に当接させることができる。従って、板バネ393の突起393aが破損した場合でも、板バネ393が第2変位部材397との当接により弾性変形され、その後、第2変位部材397の通過に伴い、板バネ393が弾性回復されることで、板バネ393を第1変位部材396に当接(衝突)させることができる。
検出装置394は、変位ユニット395の位置を検出するセンサ装置であり、光を照射する照射部とその照射部から照射された光を受光可能に対向配置される受光部とを備え、それらの対向間に変位ユニット395の検出片396fが配置されて光が遮断されることに基づいて、変位ユニット395の位置を検出する。
変位ユニット395は、第1変位部材396と、その第1変位部材396に回転可能に軸支される第2変位部材397と、を主に備える。
第1変位部材396は、正面視において円弧状に湾曲した形状(円環形状を2箇所(位相を180度異ならせた位置)で分断した形状)に形成される本体部396aと、本体部396aの長手方向(周方向)一端側に略C字状に形成されるバネ係合部396cと、本体部396aの長手方向(周方向)他端側に本体部396aの円弧中心(径方向内方)へ向かって突設される突設部396bと、本体部396aの内縁に沿って位置し他の部分よりも薄肉の部分として形成される係合部396dと、本体部396aの外周側の縁部を切り欠いて形成される外側凹設部396eと、本体部396aの外周側の縁部から径方向外側に向かって突設される検出片396fと、本体部396aの背面に円柱状に突設される軸部396hと、を主に備える。
本体部396aは、外径がベース板392aの第2壁部392cの内径よりも小さな径に設定されると共に、内径(係合部396dの内径)がベース板392aの第1壁部392bの外径よりも大きな径に設定される。これにより、第1変位部材396を、ベース板392aの第1壁部392bと第2壁部392cとの間に配設できる。
なお、詳細には、本体部396a(係合部396d)の内径は、第1壁部392bと同心の仮想円であって内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第1の部分(立設部分)の外周面を通過する仮想円の直径と同一または若干大きな径に設定される。これにより、係合部396dの内周側が、内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第1の部分(立設部分)の外周面を摺動することで、第1変位部材396の周方向への変位が案内される。
また、本体部396aの背面(矢印B側の面)は、長手方向(周方向)他端側(突設部396b側)の背面となる第1面396a1と、その第1面396a1よりも正面側(矢印F方向側)に位置し、長手方向(周方向)一端側(バネ係合部396c側)の背面となる第2面396a2とから形成され、それら第1面396a1と第2面3969a2との間の前後方向(矢印F−B方向)の段差が壁面396gにより連結される。第1面396a1と第2面396a2とは、互いに平行に形成される。
壁面396gは、背面視においてクランク状に屈曲して形成され、そのクランク部分に第2変位部材397を係合させて、第2変位部材397の変位を規制する部位であり、第1クランク面396g1と、第2クランク面396g2と、それらを連結する当接面396g3とを備える。
第1クランク面396g1は、本体部396aの径方向外側(外周側)に位置し、第2クランク面396g2は、本体部396aの径方向内側(内周側)に位置する。第2クランク面396g2が第1クランク面396g1よりも本体部396aの長手方向(周方向)一端側(バネ係合部396c側)へ後退して位置されることで、これら第1クランク面396g1と第2クランク面396g2との間に段差が形成され、その段差が当接面396g3により連結される。
突設部396bは、操作ユニット320の係合片342bの変位軌跡上であって、操作ユニット320が初期位置から終端位置へ向けて変位される場合の係合片342bの変位方向側(進行方向前側)となる位置に配設される。
よって、操作ユニット320(把持ユニット330)が初期位置から終端位置へ向けて変位される場合には、突設部396bが、係合片342bに押されることでその係合片342bの変位方向へ連動され、変位ユニット395が初期付勢位置から変位される。これにより、コイルばねSP2が弾性的に伸張され、そのコイルばねSP2の付勢力により、操作ユニット320(把持ユニット330)の操作に所定の操作感が付与される。
一方、終端位置(或いは、始端位置と終端位置との間)で操作ユニット320(把持ユニット330)の操作が解除された場合(例えば、把持ユニット330から遊技者が手を離した場合)には、弾性的に伸張されているコイルばねSP2の弾性回復力により変位ユニット395が初期付勢位置へ向けて変位(復帰)される。これにより、上述した場合とは逆に、係合片342bが、突設部396bにより押されることで、その突設部396bの変位方向へ連動され、操作ユニット320(把持ユニット330)が初期位置へ変位(復帰)される。
なお、コイルばねSP2は、一端がベース板392aのバネ係合片392kに係合されると共に、他端が変位ユニット395(第1変位部材396)のバネ係合部396cに係合され、初期付勢位置では、弾性的に伸張された状態で配設される。よって、変位ユニット395(第1変位部材396)は、コイルばねSP2の弾性回復力により初期付勢位置へ向けて付勢される。
係合部396dは、その前後方向(矢印F−B方向)の厚みが、本体部396aの前後方向の厚みよりも小さい寸法に設定され、その背面(矢印B方向側の面)を本体部396aの背面と連ならせて形成される。即ち、係合部396dの正面(矢印F方向側の面)は、本体部396aの正面よりも背面側(矢印B方向側)に後退して位置される。
ここで、係合部396dは、第1変位部材396(変位ユニット395)をベース部材392(基部ユニット391)に配設(取着)した場合に、ベース板392aと、内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2の第2の部分(突設部分)との対向間に配設される。従って、係合部396dの厚みが本体部396aの厚みよりも小さく(薄く)形成されることで、内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2のベース板392aからの突設寸法(第1の部分(立設部分)の立設高さ)を小さく(短く)できる。その結果、内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2の剛性を確保して、内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2が弾性変形または破損することを抑制できる。その結果、第1変位部材396を安定して変位させることができる。
係合部396dは、径方向内方側(第1壁部392b側)の縁部から本体部396a側(径方向外方側)に向かって部分的に切り欠かれて正面視略矩形に形成される内側第1凹設部396d1及び内側第2凹設部396d2を備える。内側第1凹設部396d1、及び、内側第2凹設部396d2は、第1変位部材396(変位ユニット395)をベース部材392(基部ユニット391)に配設(取着)する際に内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2の第2の部分(突設部分)を係合部396dの正面側に挿通させるための切り欠きであり、それら内側第1凹設部396d1及び内側第2凹設部396d2の周方向への離間寸法が、内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2の周方向への離間寸法と同一の寸法に設定される。
外側凹設部396eは、第1変位部材396(変位ユニット395)をベース部材392(基部ユニット391)に配設(取着)する際に外側第2係合片392e2を第1変位部材396の本体部396aの正面側に挿通させるための切り欠きである。よって、外側凹設部396eは、ベース部材392の内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2を内側第1凹設部396d1及び内側第2凹設部396d2にそれぞれ挿通させる際に、外側第2係合片392e2を受け入れ(挿通)可能な位置に形成される。
なお、内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2及び外側第2係合片392e2を内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部396d2及び外側凹設部396eにそれぞれ挿通可能となる位置に第1変位部材396(変位ユニット395)が配置された状態では、外側第1係合片392e1は、第1変位部材396の長手方向(周方向)他端側に隣接して(即ち、正面視において第1変位部材396に重ならない位置に)配置される(図31参照)。
また、外側凹設部396eは、本体部396aの延設方向において内側第1凹設部396d1及び内側第2凹設部396d2の間に形成される。これにより、凹設されることで剛性が低くされる部分を、本体部396aの延設方向に分散させることができる。その結果、本体部396aの一部に剛性の低い分部が集中することで、本体部396aが破損することを抑制できる。
検出片396fは、その厚さが、本体部396aの厚さよりも小さい(薄い)寸法に設定され、正面を第1変位部材396の正面よりも正面側(矢印F方向側)に嵩上げして形成される。ベース部材392の第2壁部392cには、検出片396fの変位軌跡と正面視において重なる領域に凹欠部392c1が切り欠き形成(凹設)され、この凹欠部392c1を介して、検出片396fが第2壁部392cの径方向外側に突出される。これにより、第2壁部392cと検出片396fとの干渉を抑制できる。
軸部396hは、第2変位部材397を回転可能に軸支する円柱状の軸であり、本体部396aの第2面396a2から背面側へ向かって突設される。
軸部396hの第2面396a2からの突設寸法(突設高さ)は、第1面396a1から本体部396aの背面側端部までの前後方向における距離T1(図30(c)参照)よりも小さい寸法に設定される。これにより、第1変位部材396(変位ユニット395)がベース部材392に対して変位する場合に、軸部396hの突設先端がベース部材392のベース板392aに当接することを抑制できる。これにより、軸部396hの折損を抑制できる。また、摩擦抵抗を抑制して、第1変位部材396の変位を安定化できる。
第2変位部材397は、正面視略三角形の板状に形成され、その板状体の略中央に軸支孔397aが前後方向に貫通形成される。なお、以下の説明では、第2変位部材397の正面視における3箇所の先端部(角部)を第1角部397b、第2角部397c及び第3角部397dと称す。
軸支孔397aは、第1変位部材396の軸部396hが挿入される孔であり、その内径が、軸部396hの外径と略同一または若干大きい径に設定される。これにより、第2変位部材397は、軸部396hを中心として回転可能とされる。
なお、第2変位部材397は、前後方向(矢印F−B方向)における厚み寸法T2(図30(c)参照)が第1面396a1から本体部396aの背面側端部までの前後方向における距離T1(図30(c)参照)よりも小さな寸法に設定される(T2>T1)。
これにより、第1変位部材396に第2変位部材397を配設した場合に、第2変位部材397が、第1変位部材396の第2面396a2とベース部材392のベース板392aとの対向間に挟まれることを抑制できる。その結果、第2変位部材397を確実に回転させることができる。
第1角部397bは、第1変位部材396の本体部396aにおける径方向内方側(本体部396aの円弧の中心側、第1壁部392b側)に配置される。第1変位部材396に対して第2変位部材397が変位(回転)されると、第1角部397bは、正面視において、本体部396aの径方向内方の内縁よりも径方向内方(本体部396aの円弧の中心側、第1壁部392b側)に突出する位置(第1位置(図37(b)参照))と、その第1位置よりも径方向外側の位置(第2位置(図38(c)参照))と、の間で変位される。なお、第1位置では、第1変位部材396が変位された際の第1角部397bの変位軌跡の一部が基部ユニット391の板バネ393と重なる位置に設定され、第2位置では、第1変位部材396が変位された際の第1角部397bの変位軌跡が基部ユニット391の板バネ393と重ならない(異なる)位置に設定される。
第2角部397cは、軸支孔397a(軸部396h)よりも壁面396g側に配置される。正面視において、軸支孔397a(軸部396h)の中心から第2角部397cの先端部までの距離T3(図30(b)参照)は、壁面396gの第1クランク面396g1から軸支孔397a(軸部396h)の中心までの距離T4(図30(b)参照)よりも小さい寸法に設定され(T4>T3)、且つ、壁面396gの第2クランク面396g2から軸支孔397a(軸部396h)の中心までの距離T5(図30(b)参照)よりも大きい寸法に設定される(T3>T5)。
これにより、第2変位部材397が第1変位部材396に対して軸支孔397a(軸部396h)を中心として回転される際の第2角部397cの変位軌跡を壁面396gの当接面396g3と重なる位置に設定できる。その結果、第2角部397cにおける第1角部397b側の側壁を、当接面396g3に当接させて、第2変位部材397の第1変位部材396に対する回転(変位)を規制できる。
従って、本体部396aの第1面396a1と第2面396a2との段差により形成される壁面396gを利用して、第2変位部材397の回転(変位)を規制できるので、本体部396aに新たに第2変位部材397の変位を規制する部分を形成する必要がない。よって、変位ユニット395が大型化することを抑制して、変位ユニット395の配設スペースを確保しやすくできる。
第3角部397dは、軸支孔397a(軸部396h)を挟んで、第1角部397bと反対側(第1変位部材396の本体部396aにおける径方向外方側(本体部396aの円弧の中心と反対側、第2壁部392c側))に配置される。
第3角部397dは、その先端から軸支孔397a(軸部396h)の中心までの距離が、軸支孔397a(軸部396h)から本体部396aの径方向外方側の縁部までの距離よりも大きい寸法に設定され、第1変位部材396に対する第2変位部材397の回転(変位)により、本体部396aの径方向外方側の縁部から突出する位置と、本体部396aの第2面396a2と前後方向(矢印F−B方向)に重なる位置との間で変位される。
次いで、図31から図33を参照して、基部ユニット391に変位ユニット395を取着する取着方法について説明する。図31は、ベースユニット390の正面図である。図32(a)は、図31のXXXIIa−XXXIIa線におけるベースユニット390の部分断面摸式図であり、図32(b)は、図31のXXXIIb−XXXIIb線におけるベースユニット390の部分断面摸式図である。図33(a)は、図27(a)のXXXIIIa−XXXIIIa線におけるベースユニット390の部分断面摸式図であり、図33(b)は、図27(a)のXXXIIIb−XXXIIIb線におけるベースユニット390の部分断面摸式図である。
なお、図31、図32(a)及び図32(b)では、基部ユニット391に対して変位ユニット395を背面側(矢印B方向側)へ向けて押し込む位置(以下「位置決め位置」と称す)に配置された状態(即ち、初期付勢位置に配置される前の状態)が図示され、図33(a)及び図33(b)では、変位ユニット395が初期付勢位置に配置された状態が図示される。
図31及び図32に示すように、基部ユニット391に変位ユニット395を取着(配設)するには、初めに、第1変位部材396(変位ユニット395)の内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部396d2、及び、外側凹設部396eが、ベース部材392(基部ユニット391)の内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2、及び、外側第2係合片392e2に対して、正面視において重なる位置に第1変位部材396(変位ユニット395)を配置し、第1変位部材396(変位ユニット395)をベース部材392(基部ユニット391)のベース板392aに向かって(矢印B方向に)押し込む。
変位ユニット395は、図32(a)及び図32(b)に示すように、第2変位部材397を、ベース板392aの規制片392fの凸部392f1の突設先端に正面側(矢印F方向側)から当接させ、規制片392fを背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形させつつ、ベース板392aに向かって押し込まれる。これにより、第1変位部材396(変位ユニット395)が位置決め位置に配設される。
ここで、第2変位部材397は、軸支孔397aに第1変位部材396の軸部396hが挿入されるのみであり(即ち、抜け止めが配設されておらず)、軸部396hから軸方向に変位可能とされる。従って、変位ユニット395を基部ユニット391に取着(配設)する場合には、第2変位部材397が第1変位部材396から脱落しない(軸部396hから抜け落ちない)ように組み立てる必要がある。この場合、作業者が第2変位部材397を手指で保持しつつ作業したのでは、作業効率が悪くなる。
これに対し、本実施形態では、変位ユニット395を位置決め位置に配置する場合に、規制片392fの凸部392f1の突設先端を第2変位部材397に当接させつつ、変位ユニット395を基部ユニット391に組み付けることができ、これにより、第1変位部材396の軸部396hから第2変位部材397が脱落(抜け落ちる)することを抑制できる。その結果、作業者が手指により第2変位部材397を保持する必要がなくなり、その分、作業効率を向上できる。
特に、規制片392fの凸部392f1は、変位ユニット395側へ向けて突出されているので、変位ユニット395を基部ユニット391に組み付ける際には、早い段階から規制片392fの凸部392f1の突設先端を第2変位部材397に当接させることができる。よって、変位ユニット395を基部ユニット391に組み付ける際の作業性をより向上させることができる。
変位ユニット395を位置決め位置に配置した後は(図32参照)、次に、変位ユニット395を、その本体部396aの周方向他端側(突設部396bが形成される側、図33(a)及び図33(b)の下方側)をベース板329aの立設部392jへ近接させる方向へ変位させる。
この場合、変位ユニット395は、第2変位部材397を規制片392fの凸部392f1に当接させつつ移動し、第2変位部材397が規制片392fの凸部392f1を通過すると、図33に示すように、弾性変形されていた規制片392fが初期形状へ回復され(弾性変形されていない状態に復帰され)、変位ユニット395が初期付勢位置に配置される。
変位ユニット395が初期付勢位置に配置されると、規制片392fの凸部392f1の側面が第2変位部材397の側面に当接されることで、変位ユニット395が位置決め位置(図32に示す位置)へ変位することが規制される。
なお、初期付勢位置では、上述したように、コイルばねSP2は、その弾性回復力により変位ユニット395を位置決め位置へ向けて変位させる方向(第2変位部材397の側面を規制片392fの凸部392f1の側面に当接させる方向、図33(a)及び図33(b)の上方側)へ付勢する。
また、変位ユニット395が初期付勢位置に配置されると、第1変位部材396(変位ユニット395)の内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部396d2、及び、外側凹設部396eが、ベース部材392(基部ユニット391)の内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2、及び、外側第2係合片392e2のそれぞれに対して、正面視において重ならない位置(異なる位置)に配置される。
これにより、内側第1係合片392d1、及び、内側第2係合片392d2の第2の部分(突設部分)とベース板392aとの対向間に変位ユニット395の係合部396dが配設される。また、外側第1係合片392e1、及び、外側第2係合片392e2とベース板392aとの対向間に変位ユニット395の本体部396aが配設される。
即ち、正面視において、内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2の第2の部分(突設部分)が、変位ユニット395(第1変位部材396)の係合部396dにおける内側第1凹設部396d1及び内側第2凹設部396d2の非形成領域に、外側第1係合片392e1及び外側第2係合片392e2が、変位ユニット395(第1変位部材396)の本体部396aにおける外側凹設部396eの非形成領域に、それぞれ重なる位置に配置される。
その結果、変位ユニット395(第1変位部材396)の基部ユニット391に対する正面側(矢印F方向)への変位は、内側第1係合片392d1及び内側第2係合片392d2が変位ユニット395(第1変位部材396)の係合部396dに、外側第1係合片392e1及び外側第2係合片392e2が変位ユニット395(第1変位部材396)の本体部396aに、それぞれ係合されることで、規制される。これにより、変位ユニット395は、周方向への変位のみが許容された状態で、基部ユニット391に保持される。
ここで、例えば、第1変位部材396に内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部396d2及び外側凹設部396eが形成されていない構造では、変位ユニット395を、内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2、外側第1係合片392e1及び外側第2係合片392e2と正面視において重ならない位置において、ベースユニット390(ベース板392a)へ押し込む(規制片392fを弾性変形させる、図32参照)必要がある。そのため、その押し込んだ位置から初期付勢位置までの変位ユニット395の変位量が大きくなり、組み付け作業の作業性が低下する。また、その分、ベースユニット390(ベース板392a)に、変位ユニット395を押し込むためのスペースを確保しておく必要があり、リブを立設したり他の部位を形成することができなくなるため、スペース効率が悪くなる。
これに対し、本実施形態では、第1変位部材396に内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部396d2及び外側凹設部396eが形成され、これら各凹設部396d1,396d2,396eにベース部材392の内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2及び外側第2係合片392e2を挿通させる。即ち、変位ユニット395をベースユニット390(ベース板392a)へ押し込む位置での変位ユニット395と変位ユニット395の変位軌跡との重なり代を大きくできる。その結果、押し込んだ位置(位置決め位置)から初期付勢位置までの変位ユニット395の変位量を小さくして、組み付け作業の作業性を向上できる。また、その分、変位ユニット395を押し込むためにベースユニット390(ベース板392a)に確保しておくスペースを小さくできるので、スペース効率を向上できる(リブを立設したり他の部位を形成するスペースを確保できる)。
また、規制片392fの正面側には、本体部396aの第2面396a2が配置され、正面視において規制片392fが視認不能とされる。これにより、基部ユニット391の正面側から規制片392fにアクセスしにくくでき、規制片392fによる変位ユニット395の規制が不正に解除されることを抑制できる。
なお、本体部396aの延設方向における規制片392fの凸部392f1と第2変位部材397との当接位置から第2面396a2の先端部(バネ係合部396c側端部)までの距離は、第1変位部材396(変位ユニット395)の変位可能な距離よりも大きく設定される。これにより、第1変位部材(変位ユニット395)が変位した後でも、基部ユニット391の正面側から規制片392fにアクセスしにくくできる。
さらに、規制片392fの凸部392f1は、本体部396aの第1面396a1と第2面396a2との段差により形成される空間に突出される。これにより、ベース部材392に変位ユニット395を配設した場合の前後方向における基部ユニット391の厚みが厚くなることを抑制できる。
次いで、図34及び図35を参照して、変位ユニット395の変位について説明する。図34は、変位ユニット300の斜視分解図であり、図35(a)から図35(c)は、ベースユニット390の正面図である。
なお、図34では、変位ユニット300がベースユニット390と中間部材380との間で分解され、ベースユニット390と中間部材380との間に配設されるコイルばねSP1の図示が省略される。また、図35(a)から図35(c)では、操作ユニット320の背面側部材342の係合片342bの外形が鎖線で図示される。
図35(a)では、操作ユニット320が初期位置に配置され、変位ユニット395が初期付勢位置に配置された状態が図示され、図35(c)では、操作ユニット320が終端位置に配置され、変位ユニット395が初期付勢位置から最大変位された位置(以下「終端連動位置」と称す)に配置された状態が図示され、図35(b)では、操作ユニット320が初期位置から変位され、操作ユニット320の係合片342bが変位ユニット395に当接する位置(以下「当接位置」と称す)に配置された状態が図示される。
図34及び図35(a)に示すように、背面側部材342の係合片342bは、変位ユニット300の組み立て状態において、その先端が、第1変位部材396の突設部396bの側面(内側第1凹設部396d1に連なる側面)に対面する位置に配置される。なお、操作ユニット320が初期位置に配置された状態では、係合片342bは、突設部396bの側面との間に所定の間隔を隔てて配設される。
図35(b)に示すように、操作ユニット320が案内ユニット350に対して変位されると、係合片342bが操作ユニット320と同じ方向に回転(変位)される。これにより、係合片342bが突設部396bの側面に当接される。
この突設部396bが係合片342bに当接される際の操作ユニット320の位置は、初期位置と第1位置との間に設定される。これにより、上述したように、遊技者が操作ユニット320を初期位置から押し込み操作した場合に、被案内部材344が第2案内領域の第4案内面351d(図26(b)参照)に当接する前に、係合片342bを突設部396bに当接させることができる。よって、被案内部材344が第1位置(被案内部材344が第4案内面351d)に到達する前に、把持ユニット330の押し込み方向に対向する抵抗力(コイルばねSP2の付勢力)を作用させることができる。その結果、被案内部材344が第4案内面351dに当接する際の衝撃を抑制して、被案内部材344や第4案内面351dの破損を抑制できる。
図35(b)及び図35(c)に示すように、係合片342bが突設部396bに当接された後は、操作ユニット320が終端位置まで変位される間、係合片342bが操作ユニット320と同じ方向に回転(変位)される。即ち、係合片342bと突設部396bとの当接が維持されるので、コイルばねSP2の付勢力(弾性回復力)を、操作ユニット320を操作する際の操作感として作用させ続けることができる。
なお、操作ユニット320が終端位置に配置された際の突設部396bと隣合う位置(終端位置へ向けて進行する際の突設部396bの進行方向前方側)には、ベース板392aから立設される立設部392jが配置される。これにより、変位ユニット395のコイルばねSP2や被案内部材344が破損した場合に、変位ユニット395を立設部392jに当接させて、変位ユニット395が終端連動位置を越えて変位されることを抑制できる。
変位ユニット395の第2変位部材397の変位軌跡上には、基部ユニット391に配設される板バネ393が配設される。よって、変位ユニット395が初期付勢位置から終端連動位置まで変位される際には、その変位の途中(本実施形態では、終端連動位置に到達する直前)において、変位ユニット395の第2変位部材397が、板バネ393に当接して、かかる板バネ393を弾性変形させることができる。なお、板バネ393についての詳細は後述する。
変位ユニット395は、上述したように、コイルばねSP2の付勢力(弾性回復力)により初期付勢位置側へ向けて付勢されている。従って操作ユニット320の操作が解除された場合(例えば、遊技者が把持ユニット330から手を離した場合)には、変位ユニット395が初期付勢位置へ向けて変位されることに伴って、変位ユニット395の突設部396bにより係合片342bが押し戻され、その結果、操作ユニット320が初期位置に復帰される。
次いで、図36から図38を参照して、板バネ393について説明する。図36は、ベースユニット390の正面図であり、図37及び図38は、ベースユニット390の部分拡大正面図である。
なお、図36から図38では、第1変位部材396が透明視されて図示され、第1変位部材396の外形が2点鎖線で図示される。また、図36では、変位ユニット395が初期付勢位置に配設された状態が図示される。
図37(a)から図38(d)では、変位ユニット395が初期付勢位置から終端連動位置まで変位される際の遷移状態が順に図示され、図38(a)から図38(d)では、変位ユニット395が終端連動位置から初期付勢位置まで変位される際の遷移状態が順に図示される。
図36に示すように、板バネ393は、ベース部材392に固定された一端側と反対側の他端側が自由端とされ、板面を変位ユニット395(第1変位部材396)へ対面させる姿勢で配設される。よって、板バネ393は、他端側を変位ユニット395へ近接または離間させる方向に弾性変形可能とされる。なお、板バネ393は、一端側が他端側よりもコイルばねSP2側となる姿勢で配置される。
板バネ393は、一端側と他端側との間に正面視略三角形状に屈曲して形成され変位ユニット395(第1変位部材396)へ向けて屈曲先端を突出させる突出部を備える。板バネ393の突出部は、正面視において、第2変位部材397の変位軌跡と重なる位置に屈曲先端側の少なくとも一部が配置され、変位ユニット395が変位される際には、後述するように、突出部の側面が第2変位部材397に当接(押圧)され、これにより、板バネ393が弾性変形される。
板バネ393は、他端側の縁部から背面側(矢印B方向)へ向けて突設される突起393aを備える。突起393aは、ベース板392aの凹部392mの内側に挿入され、板バネ393が初期位置に配置された状態(板バネ393が無負荷とされる状態)では、突起393aが凹部392mの内面に当接される。
図36及び図37(a)に示すように、変位ユニット395が初期付勢位置に配置された状態では、コイルばねSP2の付勢力により、第2変位部材397の第2側壁397f(第1角部397bと第3角部397dとを連結する側面)が、ベース板392aの規制片392f(凸部392f1)に当接される。これにより、第2変位部材397は、正面視において、第1角部397bの先端部を、第1変位部材396(本体部396a)の径方向内方側に張り出した姿勢に配置される。
操作ユニット320の操作により、変位ユニット395が初期付勢位置から終端連動位置へ向かって変位されると、図37(b)及び図37(c)に示すように、第2変位部材397の第1側壁397e(第1角部397bと第2角部397cとを連結する側面)のうちの第1角部397b側の部分が、板バネ393(突出部の側面)に当接して、板バネ393を弾性変形させる。
この場合、第2変位部材397は、第2角部397c(第2角部397c側の第1側壁397e)が第1変位部材396の当接面396g3に当接されているので、弾性変形された板バネ393の弾性回復力を受けて、第2変位部材397が軸支孔397a(軸部396h)を中心として回転されることが規制される。即ち、第1角部397bの先端部が第1変位部材396(本体部396a)の径方向内方側に張り出す張出量は変化されない。
そのため、変位ユニット395が終端連動位置まで変位される際には、第1角部397bが板バネ393の突出部の側面を押圧することで、板バネ393を変位ユニット395と反対側へ弾性変形させ、図37(d)に示すように、第1角部397bが板バネ393の突出部(突出先端)を乗り越えると、板バネ393の弾性変形が回復される(板バネ393が無負荷状態での形状に復帰される)。なお、板バネ393の弾性変形量は、第2変位部材397の第1角部397bが板バネ393の突出部(突出先端)を乗り越える際に最大とされる。
この場合、板バネ393の弾性変形に伴い、突起393aがベース板392aの凹部392mの内面から離間され、板バネ393の弾性変形が回復されると、突起393aが凹部392mの内面に当接(衝突)される。これにより、操作ユニット320(変位ユニット395)が終端位置(終端連動位置)に変位された場合に、突起393aと凹部392mとの当接(衝突)による衝撃を発生させることができる。その結果、操作ユニット320(把持ユニット330)を操作(把持)する遊技者の手に振動を伝達させ、操作ユニット320が終端位置まで変位されたことを遊技者に認識させやすくできる。
また、操作ユニット320を終端位置まで操作した際に、遊技者の手に振動を伝達させることができるので、操作感の向上を図ることができる。
同様に、第2変位部材397の第1角部397bが板バネ393の突出部(突出先端)を乗り越えることで、その乗り越え動作の前後で操作ユニット320を操作する遊技者が板バネ393から受ける反力(弾性回復力)を反転させることができる。即ち、第1角部397bが板バネ393の突出部における突出先端(頂部)に到達するまでの間は、板バネ393からの反力を徐々に増加させ、乗り越える際に最大の反力を発生させる一方で、乗り越えた直後に反力を急激に減少させることができる。これにより、操作ユニット320を操作する際に、クリック感を形成して、操作感を向上できる。特に、このクリック感が形成される際には、上述した突起393aの凹部392mへの衝突による振動を伝達させることができるので、これらの結合によって、操作感をより向上できる。
図38(a)から図38(d)に示すように、変位ユニット395が終端連動位置から初期付勢位置に変位する際には、第2変位部材397の第2側壁397f(第1角部397bと第3角部397dとを連結する側面)のうちの第1角部397b側の部分が板バネ393の突出部の側面に当接される。
この場合、変位ユニット395が初期付勢位置に向かって変位されることに伴って、第2変位部材397が、第2角部397c(第2角部397c側の第1側壁397e)を第1変位部材396の当接面396g3から離間させる回転方向(図38(a)〜図38(c)における反時計回り)に回転される。これにより、第2変位部材397の第1角部397bが板バネ393から離間する方向へ後退される。その結果、板バネ393はほぼ弾性変形されない。よって、変位ユニット395(操作ユニット320)を初期付勢位置(初期位置)へスムーズに復帰させることができる。
変位ユニット395が初期付勢位置に到達される際には、図38(c)及び図38(d)に示すように、第1角部397bが板バネ393の突出部(屈曲先端)を通過した後、第2変位部材397の第2側壁397f(第1角部397bと第3角部397dとを連結する側面)のうちの第3角部397d側の部分が規制片392f(凸部392f1)に当接される。これにより、第2変位部材397が、第2角部397c(第2角部397c側の第1側壁397e)を第1変位部材396の当接面396g3に当接させる回転方向(図38(d)における時計回り)に回転され、第1角部397bが板バネ393へ近接する方向へ前進(突出)される。即ち、第2変位部材397を初期位置に復帰させることができる。その結果、上述したように、変位ユニット395が初期付勢位置から終端連動位置へ向かって変位される際の振動の伝達やクリック感を確実に形成することができる。
なお、変位ユニット395の終端連動位置から初期付勢位置への変位(復帰)は、コイルばねSP2の弾性回復力により行われるため、初期付勢位置に到達した際に、第2変位部材397(第2側壁397f)が規制片392f(凸部392f1)に当接(衝突)される。このように、本実施形態では、第2変位部材397(第2側壁397f)に当接(衝突)される対象が、規制片392f(凸部392f1)であるため、かかる規制片392f(凸部392f1)を弾性変形させて、当接(衝突)の際の衝撃を緩和することができる。その結果、第2変位部材397を軸支する軸部396hの損傷(曲がりや折損)を抑制できる。
次いで、図39及び図40を参照して、第2実施形態における変位ユニット2395について説明する。上記第1実施形態では、変位ユニット395が回転変位される場合について説明したが、第2実施形態では、変位ユニット2395が直線変位される場合について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図39(a)から図39(c)は、第2実施形態におけるベースユニット2390の正面図であり、図40(a)から図40(c)は、図39(a)のXLa−XLa線におけるベースユニット2390の断面摸式図である。
なお、図39(a)では、操作ユニット320(図16(a)参照)が初期位置に配置され、変位ユニット2395が初期付勢位置に配置された状態が図示され、図39(c)では、操作ユニット320が終端位置に配置され、変位ユニット2395が終端連動位置に配置された状態が図示され、図39(b)では、操作ユニット320が初期位置から変位され、操作ユニット320の係合片342bが変位ユニット2395(突設部396b)に当接する当接位置に配置された状態が図示される。また、図39及び図40では、操作ユニット320の係合片342bの外形のみが鎖線で図示される。さらに、図40(a)は図39(a)に、図40(b)は図39(b)に、図40(c)は図39(c)に、それぞれ対応する状態が図示される。
図39及び図40に示すように、第2実施形態におけるベースユニット2390は、基部ユニット2391と、その基部ユニット2391に配設される変位ユニット2395と、基部ユニット2391に対して変位ユニット2395を付勢するコイルばねSP2と、を主に備える。
基部ユニット2391は、変位ユニット300の円環部材310(図15参照)の背面側(矢印B方向側)の内側に配設されるベース部材2392と、そのベース部材2392に配設される板バネ393と、ベース部材2392に配設される検出装置394と、を主に備える。
ベース部材2392は、ベース板2392aと、そのベース板2392aから正面側(矢印F方向側)へ向かって立設され正面視半円弧形状に形成される第1壁部392bと、その第1壁部392bよりも第1壁部392bの径方向外側に立設される第2壁部2392cと、ベース板2392aから正面側へ向かって立設される第3壁部2392hと、ベース板2392aから正面側へ向かって突設されるバネ係合片2392k、及び、内側第1係合片2392d1と、ベース板2392aを正面視略U字状に切り欠いた内側に形成される規制片2392fと、を主に備える。
なお、第2実施形態におけるベース板2392aは、正面視縦長の矩形状に形成される。また、ベース部材2392が配設される円環部材310は、その内周縁形状がベース板2392aの外形(外周縁形状)よりも大きく形成される。
第2壁部2392cは、後述する変位ユニット2395の変位を案内する壁部であり、正面視において変位ユニット2395と隣り合う位置に形成され、変位ユニット2395の変位軌跡に沿って正面視直線状に延設される。
また、第2壁部2392cには、その立設先端側(正面側)から変位ユニット2395側へ向かって外側第1係合片2392e1、及び、外側第2係合片2392e2が突設される。これら外側第1係合片2392e1、及び、外側第2係合片2392e2は、基部ユニット2391に配設された変位ユニット2395の正面側(矢印F方向)への脱落を規制する部分であり、それぞれ第2壁部2392cの延設方向(変位ユニット2395の変位方向)に沿って所定の距離離れた位置に形成される。
外側第1係合片2392e1、及び、外側第2係合片2392e2は、基部ユニット2391に配設された変位ユニット2395の正面側(矢印F方向)への脱落を規制する部分であり、基部ユニット2391に配設される変位ユニット2395(第1変位部材2396)の前後方向(矢印F−B方向)における厚み分だけベース板2392aから離間する位置に形成される。これにより、変位ユニット2395(第1変位部材2396)を、ベース板2392aと外側第1係合片2392e1及び外側第2係合片2392e2との間に挟んだ状態で配設できる(図40(a)参照)。
第3壁部2392hは、ベース板2392aの縁部に沿って形成され、上方側(図39上側)の正面視形状が第1壁部392bと同軸の半円形状に湾曲して形成される。また、ベースユニット2390が締結される第2円環部材362の第2円筒部362b(図示せず)は、背面視における外形が第3壁部2392hの外形と同形状に形成される。これにより、ベースユニット2390を操作ユニット320に締結した場合に、第2円筒部362bの背面側と第3壁部2392hとを当接させて、スロットマシン10の外部から第2円筒部362bの内部に不正な部材が挿入されることを抑制できる。
バネ係合片2392kは、変位ユニット2395を付勢するコイルばねSP2の一端を係合させる部分であり、ベース板2392aの正面側から突設され、変位ユニット2395の変位方向と反対側に向かって先端が屈曲した側面視L字状に形成される。
内側第1係合片2392d1は、変位ユニット2395の正面側(矢印F方向)への脱落(取り外し)を防止する部材であり、変位ユニット2395の変位軌跡に沿う位置(正面視において重なる位置)に形成される。内側第1係合片2392d1は、ベース板2392aの正面側(矢印F方向側)から立設される第1の部分(立設部分)と、その第1の部分の突設先端から第2壁部2392c側へ向けて突設され、変位ユニット2395の変位軌跡上(正面視において変位軌跡に重なる位置)に位置する第2の部分(突設部分)とを備える。これにより、ベース板2392aの正面に配設された変位ユニット2395をベース板2392aと内側第1係合片2392d1の第2の部分(突設部分)との間に挟んだ状態で配設できる(図40(a)参照)。
規制片2392fは、変位ユニット2395の一方側(初期付勢位置側)への変位を規制する部分であり、第2壁部2392cに沿って配設される変位ユニット2395の背面側に形成され、変位ユニット2395の変位軌跡と正面視において重なる位置に形成される。
規制片2392fは、ベース板2392aを正面視において略U字状に切り欠いて形成され、一端側がベース板2392aに連結され、他端側が自由端とされる弾性片として形成される。規制片2392fの他端側には、正面側(変位ユニット2395側、矢印F方向側)へ向かって突設される凸部392f1を備え、その凸部392f1に変位ユニット2395が当接されることで、変位ユニット2395の一方側への変位が規制される。
変位ユニット2395は、正面視において全体が直線状(正面視略長方形状)に形成される第1変位部材2396と、その第1変位部材2396に軸支される第2変位部材397と、を主に備える。
第1変位部材2396は、直線状に延設される本体部2396aと、その本体部2396aの長手方向一端側に正面視略C字状に形成されるバネ係合部396cと、本体部2396aの長手方向他端側の側面からベース板2392aの第1壁部392bへ向かって突設される突設部396bと、本体部2396aの第2壁部2392cと反対側の側面から突設される係合部2396dと、本体部2396aの第2壁部2392c側の縁部を切り欠いて形成される外側凹設部2396eと、本体部2396aの第2壁部2392c側の側面から突設される検出片396fと、本体部2396aの背面から突設され円柱状に形成される軸部396hと、を主に備える。
本体部2396aは、長手方向(直線形状に延設された方向)の長さが、第2壁部2392cの延設寸法よりも短い寸法に設定される。また、変位ユニット2395の変位量は、第2壁部2392cの延設寸法と本体部2396aの長手方向長さとの差分よりも小さい寸法(変位量)に設定される。これにより、第1変位部材2396(変位ユニット2395)を第2壁部2392cに沿って変位させた場合に、常に本体部2396aを第2壁部2392cに隣り合う位置に配置できる。
また、本体部2396aは、長手方向他端側の背面を形成する第1面396a1と、その第1面396a1よりも正面側に位置し、長手方向一端側の背面を形成する第2面396a2と、それら第1面396a1及び第2面396a2を前後方向(矢印F−B方向)に連結する壁面396gと、を備える。
なお、第2実施形態では、コイルばねSP2が係合されるベース板2392aのバネ係合片2392kは、変位ユニット2395の変位軌跡の延長線上に形成される。コイルばねSP2は、変位ユニット2395の変位方向(第1変位部材2396の長手方向)に沿った姿勢となる位置でバネ係合片2392kに係合され、弾性的に引っ張り変形された状態で配設される。よって、コイルばねSP2は、初期付勢位置に向かう方向への付勢力(弾性回復力)を変位ユニット2395に付与可能とされる。
係合部2396dは、その前後方向(矢印F−B方向)の厚み寸法が、本体部2396aの厚み寸法よりも小さい寸法に設定され、本体部2396aの背面と連なる位置に形成される。即ち、係合部2396dの正面は、本体部2396aの正面よりも背面側に位置される。
また、係合部2396dは、第1変位部材2396がベース部材2392(基部ユニット2391)に配設された状態において、ベース板2392aと、内側第1係合片2392d1の第2の部分(突設部分)との対向間に配設される部分である。従って、係合部2396dの厚み寸法が本体部2396aの厚み寸法よりも小さい(薄い)寸法に設定される分、内側第1係合片2392d1のベース板2392aからの突設距離(第1の部分(立設部分)の立設高さ)を短くできる。その結果、内側第1係合片2392d1の剛性を確保して、第1変位部材2396(変位ユニット2395)から作用される反力で、内側第1係合片2392d1が破損することを抑制できる。
係合部2396dは、本体部2396aの長手方向に沿う外縁を部分的に切り欠いて形成される内側第1凹設部2396d1を備える。内側第1凹設部2396d1は、第1変位部材2396をベース部材2392(基部ユニット2391)に配設する場合に内側第1係合片2392d1の第2の部分(突設部分)を係合部2396dの正面側に挿通させる切り欠きであり、内側第1係合片2392d1の屈曲部分の正面視形状よりも大きい内縁形状で切り欠き形成される。
外側凹設部2396eは、第1変位部材2396をベース部材2392(基部ユニット2391)に配設する場合に外側第2係合片2392e2を第1変位部材2396の本体部2396aの正面側に挿通させる切り欠きであり、内側第1凹設部2396d1と反対側となる本体部2396aの長手方向に沿う外縁において、外側第2係合片2392e2の正面視形状よりも大きい内縁形状で切り欠き形成される。
なお、本体部2396aの延設方向(長手方向)における外側凹設部2396e、及び、内側第1凹設部2396d1の離間距離は、変位ユニット2395の変位方向における外側第2係合片2392e2、及び、内側第1係合片2392d1の離間距離と略同一に設定される。
これにより、第1実施形態の場合と同様に、ベース部材2392の内側第1係合片2392d1、及び、外側第2係合片392e2を、第1変位部材2396の内側第1凹設部2396d1、及び、外側凹設部396eにそれぞれ挿通させることで、第1変位部材2396(変位ユニット2395)をベース部材2392(基部ユニット2391)に配設できる。
ベースユニット2390は、図39(a)及び図40(a)に示すように、操作ユニット320(図15参照)の係合片342bの先端が、第1変位部材2396の本体部2396aと突設部396bとにより囲まれる領域に配置され、操作ユニット320が初期位置に配置される場合には、突設部396bと係合片342bの先端とが所定間隔を隔てて配設される。
操作ユニット320(図15参照)が初期位置から遊技者に操作されて、操作ユニット320の係合片342bが回転(変位)されると、図39(b)及び図40(b)に示すように、係合片342bが変位ユニット2395の突設部396bに当接される。
第2実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、突設部396bに係合片342bが当接される位置は、操作ユニット320が初期位置と第1位置との間に変位された位置とされる。これにより、遊技者が操作ユニット320を初期位置から押し込み操作した場合に、被案内部材344が第2案内領域の第4案内面351d(図26(b)参照)に当接する前に、係合片342bを突設部396bに当接させることができる。
よって、被案内部材344が第1位置(被案内部材344が第4案内面351d)に到達する前に、把持ユニット330の押し込み方向に対向する抵抗力(コイルばねSP2の付勢力)を作用させることができる。その結果、被案内部材344が第4案内面351dに当接する際の衝撃を抑制して、被案内部材344や第4案内面351dの破損を抑制できる。
操作ユニット320が当接位置から終端位置まで変位される(即ち、係合片342bが突設部396bに当接する位置から操作ユニット320がさらに回転変位される)と、図39(c)及び図40(c)に示すように、係合片342bの変位に伴って、変位ユニット2395(第1変位部材2396)がその長手方向に沿って直線変位(直動)される。その結果、変位ユニット2395が変位終端位置に配置される。
この場合、第1実施形態の場合と同様に、係合片342bが突設部396bに当接された後は、操作ユニット320が終端位置まで変位される間、係合片342bが操作ユニット320と同じ方向に変位される。即ち、係合片342bと突設部396bとの当接が維持されるので、コイルばねSP2の付勢力(弾性回復力)を、操作ユニット320を操作する際の操作感として作用させ続けることができる。
変位ユニット2395の第2変位部材397の変位軌跡上には、基部ユニット2391に配設される板バネ393が配設される。よって、変位ユニット2395が初期付勢位置から終端連動位置まで変位される際には、その変位の途中(第1実施形態の場合と同様に、終端連動位置に到達する直前)において、変位ユニット2395の第2変位部材397が、板バネ393に当接して、かかる板バネ393を弾性変形させることができる。なお、変位ユニット2395の変位に伴う板バネ393の弾性変形は、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
変位ユニット2395は、上述したように、コイルばねSP2の付勢力(弾性回復力)により初期付勢位置側へ向けて付勢されている。従って操作ユニット320の操作が解除された場合(例えば、遊技者が把持ユニット330から手を離した場合)には、変位ユニット2395が初期付勢位置へ向けて変位されることに伴って、変位ユニット395の突設部396bにより係合片342bが押し戻され、その結果、操作ユニット320が初期位置に復帰される。
このように、第2実施形態では、直線変位(直動)される第1変位部材2396(変位ユニット2395)に対して、回転変位される操作ユニット320の係合片342bを当接させて、第1変位部材2396を変位させるので(係合片342bが突設部396b上を摺動する)、操作ユニット320が変位された際の係合片342bの周方向の変位距離に対して、変位ユニット2395の直線方向の変位距離を小さくできる。これにより、変位ユニット2395を変位させる場合に操作ユニット320を操作するために必要な力を小さくできる。その結果、遊技者に操作ユニット320を操作させやすくできる。また、変位ユニット2395を配設するために必要なスペースを小さくできるので、ベースユニット2390の小型化を図ることができる。
なお、突設部396bにおける係合片342bが当接される当接面は、正面視直線状の平坦面として形成され、正面視において、変位ユニット2395の変位方向(第1変位部材2396の長手方向)に対して傾斜して形成される。かかる突設部396bの当接面の傾斜方向は、突設部396bの突設先端側(本体部396aと反対側)に向かうに従って係合片342bから離間する方向の傾斜とされる。また、係合片342bにおける突設部396bに当接する側面は、正面視において突設部396bへ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これらにより、係合片342bが回転方向へ変位され、突設部396bが直線方向へ変位される場合であっても、係合片432bを突設部396bに対して摺動させやすくでき、両者の変位を安定化できる。
ここで、第2実施形態では、操作ユニット320(変位ユニット2395)が終端位置(終端連動位置)に配置された状態において、突設部396bに係合片342bが当接し、操作ユニット320(係合片342b)の回転の中心と係合片342bとを結ぶ方向が、変位ユニット2395の直線変位(直動)の方向と正面視において平行となり、且つ、突設部396bの係合片342bが当接される面が変位ユニット2395の直線変位(直動)の方向と正面視において直交するように構成しても良い。即ち、係合片342bの回転方向と、変位ユニット2395の直線変位の方向とが直交する位置関係に構成してもよい。これによれば、案内ユニット350の第2案内面351b(図22(d)参照)を操作ユニット320の押込み方向(矢印F−B方向)に対して直交する方向に設定することで、遊技者により操作ユニット320が終端位置まで回転変位された後に、操作ユニット320を終端位置に維持できる。即ち、コイルばねSP1(図14参照)、及び、コイルばねSP2の付勢力で操作ユニット320が初期位置に戻ることを抑制できる。その結果、操作ユニット320の操作方法にバリエーションを付与して遊技者の興趣の向上を図ることができる。
次いで、図41を参照して、第3実施形態におけるベースユニット3390について説明する。上記第1実施形態では、第1変位部材396の内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部396d2及び外側凹設部396eに、ベース部材392の内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2及び外側第2係合片392e2を挿入可能な位置(位相)において、規制片392fを弾性変形させつつ、変位ユニット395をベース部材392に対して背面側(矢印B方向)へ押し込んだ後、変位ユニット395を回転(第2壁部392cに沿ってスライド変位)させることで、変位ユニット395を基部ユニット391に配設する場合について説明したが、第3実施形態では、変位ユニット3395をベース部材3392に対して背面側(矢印B方向)へ押し込むのみで(即ち、内側第1係止部3392d3、内側第2係止部3392d4及び外側第1係止部3392e3、外側第2係止部3392e4を弾性変形させるのみで)、変位ユニット3395が基部ユニット3391に配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図41(a)は、第3実施形態におけるベースユニット3390の正面図であり、図41(b)は、図41(a)のXLIb−XLIb線におけるベースユニット3390の断面模式図であり、図41(c)は、図41(a)のXLIc−XLIc線におけるベースユニット3390の断面摸式図である。
図41に示すように、第3実施形態におけるベースユニット3390は、基部ユニット3391と、その基部ユニット3391に配設される変位ユニット3395と、基部ユニット3391に対して変位ユニット3395を付勢するコイルばねSP2と、を主に備える。
基部ユニット3391は、変位ユニット300の円環部材310(図15参照)の背面側(矢印B方向側)の内周縁形状と対応する外形に形成され、円環部材310の内側に配設されるベース部材3392と、そのベース部材3392に配設される板ばね393と、ベース部材3392に配設される検出装置394と、を主に備える。
ベース部材3392は、ベース板3392aと、そのベース板3392aの正面側(矢印F方向側)に向かって半円弧形状に立設される第1壁部392bと、その第1壁部392bの中心と同軸上の半円弧形状に形成され、ベース板3392aから正面側に向かって立設される第2壁部3392cと、第1壁部392b、及び、第2壁部392cと同軸上の円環形状に形成され、ベース板3392aから正面側に向かって立設される第3壁部392hと、ベース板3392aから正面側に向かって突設されるバネ係合片392k、内側第1係止部3392d3、内側第2係止部3392d4及び凸部3392f1と、規制片392fと、を主に備える。
第2壁部3392cは、第1壁部392bの直径よりも大きい直径に設定され、第1壁部392bと所定の距離を隔てる位置に形成される。第2壁部3392cは、後述する第1変位部材3396(変位ユニット3395)の変位を案内する壁部であり、第1変位部材3396(変位ユニット3395)の変位軌跡に沿う直径の円弧状に湾曲して形成される。
また、第2壁部3392cは、その立設先端側からベース板3392a側へ向けて所定の深さ(切り欠き寸法)でスリット状に切り欠き形成される複数の切欠部3392c2を備える。本実施形態では、切欠部3392c2は、第2壁部3392cに沿う周方向に所定の距離を隔てる一対の切欠部3392c2が、周方向の2箇所(合計4箇所)に形成される。
一対の切欠部3392c2は、第2壁部3392cの径方向内側から径方向外側に亘って切欠き形成される。即ち、各切欠部3392c2は、第2壁部3392cをその板厚方向(径方向)に貫通して形成される。
一対の切欠部3392c2は、ベース板3392a側(矢印B方向側)への切り欠き寸法(深さ)が、第2壁部3392cのベース板3392aからの立設寸法よりも小さく設定される。即ち、各切欠部3392c2は、第2壁部3392cの基端まで達しておらず、第2壁部3392cは、その基端側が周方向(変位ユニット3395の変位方向)に沿って連なった状態とされる(連続して形成される)。
第2壁部3392cには、一対の切欠部3392c2の間に位置する第2壁部3392cの内周面から第2壁部3392cの径方向内側(変位ユニット3395側)へ向かって外側第1係止部3392e3及び外側第2係止部3392e4が突設される。
外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4は、後述する変位ユニット3395のベース部材3392(基部ユニット3391)への取り付けを許容しつつ、変位ユニット3395の脱落(取り外し)を規制する突起であり、正面視において、変位ユニット3395の変位軌跡に重なる位置まで突設される。
外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4は、正面(矢印F方向側の面)が、第2壁部3392cから離間するに従って背面側(矢印B方向側)に下降傾斜して形成される一方、背面(矢印B方向側の面)が、ベース板3392aの正面と平行な平面に形成される。
外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4の背面とベース板3392aの正面との間の対向間隔(矢印F−B方向寸法)は、変位ユニット3395(第1変位部材3396)の前後方向(矢印F−B方向)における厚み寸法と略同一または若干大きな寸法に設定される。これにより、変位ユニット3395を、ベース板3392aの正面と、外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4の背面との間に挟んだ状態で変位可能に配設できる(図41(c)参照)。
内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4は、変位ユニット3395のベース部材3392(基部ユニット3391)への取り付けを許容しつつ、変位ユニット3395の脱落(取り外し)を規制する部材であり、ベース板3392aの正面から第2壁部3392cと同じ方向(矢印F方向)へ向かって立設される。
内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4の立設先端には、その内周面から第2壁部3392c側へ向けて爪部が突設される。爪部(立設先端における内周面から第2壁部3392c側へ突設される部分)は、正面視において、変位ユニット3395の変位軌跡に重なる位置まで突設される。
内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4は、爪部(突設部分)の正面(矢印F方向側の面)が、第2壁部3392c側(爪部の突設方向先端側)に向かうにつれて背面側(矢印B方向側)に下降傾斜して形成される一方、背面(矢印B方向側の面)が、ベース板3392aの正面と平行な平面に形成される。
内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4の爪部(突設部分)の背面とベース板3392aの正面との間の対向間隔(矢印F−B方向寸法)は、変位ユニット3395(第1変位部材3396の係合部396d)の前後方向(矢印F−B方向)における厚み寸法と略同一または若干大きな寸法に設定される。これにより、変位ユニット3395(第1変位部材3396の係合部396d)を、ベース板3392aの正面と、外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4の背面との間に挟んだ状態で変位可能に配設できる(図41(c)参照)。
なお、ベース部材3392(ベース板3392a)は、樹脂材料から形成され、外側第1係止部3392e3、外側第2係止部3392e4、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4が、弾性変形可能とされる。
内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4の立設部分(ベース板3392aから立設される部分)の板厚(図41(c)左右方向寸法)は、ベース板3392aの板厚(前後方向(矢印F−B方向)寸法)よりも小さく形成される。これにより、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4を、爪部を変位ユニット3395へ近接または離間させる方向に弾性変形させやすくできる。
なお、一対の切欠部3392c2の内側部分(外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4が形成される部分)の第2壁部3392cの径方向の板厚(図41(c)左右方向寸法)を、ベース板3392aの板厚(前後方向(矢印F−B方向)寸法)よりも小さい寸法に設定しても良い。これにより、一対の切欠部3392c2の内側部分の第2壁部3392cを、外側第1係止部3392e3及び外側第2係止部3392e4を変位ユニット3395へ近接または離間させる方向に弾性変形させやすくできる。
凸部3392f1は、初期付勢位置に配置される変位ユニット3395の第2変位部材397と正面視において隣り合う位置に形成され、変位ユニット3395が初期付勢位置に配置される場合に、第2変位部材397に当接することで、かかる第2変位部材397の第1変位部材3396に対する配置を規定する部位として機能する。即ち、凸部3392f1は、第1実施形態における392fの凸部392f1と同一の位置に配置され、初期付勢位置での第2変位部材397に対する作用(配置の規定)は、上述した第1実施形態の場合(凸部392f1)と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
変位ユニット3395は、コイルばねSP2により初期付勢位置側に付勢されており、初期付勢位置で第2変位部材397が凸部3392fに当接して、変位ユニット3395が初期付勢位置に維持される(変位ユニット3395が初期付勢位置を超えて変位することが抑制される)。
変位ユニット3395は、第1変位部材3396と、その第1変位部材3396に回転可能に軸支される第2変位部材397と、を主に備える。
第1変位部材3396は、正面視において円弧状に湾曲した形状(円環形状を2箇所(位相を180度異ならせた位置)で分断した形状)に形成される本体部396aと、本体部396aの長手方向(周方向)一端側に略C字状に形成されるバネ係合部396cと、本体部396aの長手方向(周方向)他端側に本体部396aの円弧中心(径方向内方)へ向かって突設される突設部396bと、本体部396aの内縁に沿って位置し他の部分よりも薄肉の部分として形成される係合部3396dと、本体部396aの外周側の縁部を切り欠いて形成される外側凹設部396eと、本体部396aの外周側の縁部から径方向外側に向かって突設される検出片396fと、本体部396aの背面に円柱状に突設される軸部396hと、を主に備える。
係合部3396dは、その前後方向(矢印F−B方向)の厚みが、本体部396aの前後方向の厚みよりも小さい寸法に設定され、その背面(矢印B方向側の面)を本体部396aの背面と連ならせて形成される。即ち、係合部396dの正面(矢印F方向側の面)は、本体部396aの正面よりも背面側(矢印B方向側)に後退して位置される。
係合部3392dは、第1変位部材3396をベース部材3392(基部ユニット3391)に配設した場合に、ベース板3392aの正面と、内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4の爪部の背面との対向間に配設される。従って、係合部3396dの厚みが本体部3396aの厚みよりも小さい(薄い)寸法に形成される分、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4のベース板3392aからの立設高さを低くできる。
その結果、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4の剛性を確保できる。よって、変位ユニット3395がベース部材3392から正面側(矢印F方向側)へ脱落することを抑制できる。また、径方向内方(図41(c)右方向)への変位ユニット3395を受け止める際の荷重(衝撃)により、内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4が破損(折損)することを抑制できる。変位ユニット3395の径方向外方への変位は、第2壁部3392c全体で受け止めることができるのに対し、変位ユニット3395の径方向内方への変位は、内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4のみにより受け止める必要があるため、内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4の剛性を高めることが特に有効となる。
なお、第3実施形態における変位ユニット3395は、第1実施形態のように第1変位部材396に凹設部(内側第1凹設部396d1、内側第2凹設部d2、外側凹設部396e)が凹設されない点を除き、その他の構成は変位ユニット395と同一に形成される。
ベースユニット3390(基部ユニット3391)への変位ユニット3395の取り付けは、変位ユニット3395を基部ユニット3391の正面に配置し、その後、変位ユニット3395を背面側(ベース板3392a側)に押し込む。
この場合、第1変位部材3396の径方向外側の縁部の背面(傾斜して形成される面)が、ベース部材3392の外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4の正面に当接され、外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4が第2壁部3392cの径方向外側に押し出され、第2壁部3392c(一対の切欠部3392c2の間の部分)が径方向外側に弾性変形される。
同様に、第1変位部材3396の径方向内側の縁部(係合部3396d)が、ベース部材3392の内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4の爪部の正面(傾斜して形成される面)に当接され、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4の爪部が第2壁部3392cの径方向内側に押し出され、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4の立設部分が弾性変形される。
その後、第1変位部材3396の径方向外側の縁部が、外側第1係止部3392e3及び外側第2係止部3392e4と、内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4の爪部とを通過すると、第2壁部3392c(一対の切欠部3392c2の間の部分)と、内側第1係止部3392d3及び内側第2係止部3392d4の立設部分とが弾性回復して、初期位置(無負荷状態の位置)へ復帰される。これにより、変位ユニット3395の基部ユニット3391への取り付けが完了される。
以上のように、ベースユニット3390によれば、第1実施形態のように変位ユニット3395を基部ユニット3391に配設する場合に、変位ユニット3395を規定の位置(位置決め位置)に位置合わせする必要がなく、変位ユニット3395をその変位領域の正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって押し込むのみで、変位ユニット3395を基部ユニット3391に取着(配設)できる。また、第1実施形態の場合のように、背面側(矢印B方向側)に向かって押し込んだ後に、変位ユニット3395をスライド変位(変位軌跡に沿って回転)させる必要もない。その結果、変位ユニット3395を基部ユニット3391に配設する際の操作(組み付け作業)を簡易にできる。
また、第3実施形態では、変位ユニット3395をその変位軌跡(初期付勢位置から終端連動位置までの間で変位ユニット3395が通過する領域)内における正面側から配設できるので、上記第1実施形態のように、変位ユニット395の変位領域外に変位ユニット395の配設スペースを確保する必要がない(第1実施形態では、位置決め位置では変位ユニット395の一部が変位領域外にはみ出す)。よって、その分、その他の部品(例えば、コイルばねSP2又は検出装置394、或いは、補強のためのリブ等)の配設スペースを確保しやすくできる。
上述したように、各切欠部3392c2は、第2壁部3392cの基端まで達しておらず、第2壁部3392cは、その基端側が周方向(変位ユニット3395の変位方向)に沿って連なった状態とされる(連続して形成される)。
よって、変位ユニット3395(第1変位部材3396)が変位する際には、その変位を、第2壁部3392cの基端側(切欠部3392c2が形成されていない領域)で受け止めることができる。よって、第2壁部3392cの内の外側第1係止部3392e3及び外側第2係止部3392e4が突設される部分(一対の切欠部3392c2の間に位置する部分)が破損(折損)することを抑制できる。
また、変位ユニット3395(第1変位部材3396)を第2壁部3392cの基端側(切欠部3392c2が形成されていない領域)で案内できる(周方向に連続する基端側の内周面を摺動させることができる)ので、第1変位部材3396の外縁が切欠部3392c2の内縁に引っ掛かり、欠損や摩耗することを抑制できる。
次いで、図42を参照して第4実施形態におけるベースユニット4390について説明する。上記第1実施形態では、第1変位部材396の径方向内側部分と径方向外側部分とに凹設される凹設部(内側第1凹設部396d1等)にベース板392aに形成される突設部(内側第1係合片392d1等)を挿入して、変位ユニット395を基部ユニット391に配設する場合について説明したが、第4実施形態では、第1変位部材4396の一方側にのみ凹設部が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図42(a)は、第4実施形態におけるベースユニット4390の正面図であり、図42(b)は、図42(a)のXLIIb−XLIIb線におけるベースユニット4390の断面模式図である。
図42に示すように、第4実施形態におけるベースユニット4390は、基部ユニット4391と、その基部ユニット4391に配設される変位ユニット4395と、基部ユニット4391に対して変位ユニット4395を付勢するコイルばねSP2と、を主に備える。
基部ユニット4391は、変位ユニット300の円環部材310(図15参照)の背面側(矢印B方向側)の内側に配設されるベース部材4392と、そのベース部材4392に配設される板バネ393と、ベース部材4392に配設される検出装置394と、を主に備える。
ベース部材4392は、ベース板2392aと、そのベース板2392aから正面側(矢印F方向側)に向かって半円弧形状に立設される第1壁部392bと、その第1壁部392bよりも第1壁部392bの径方向外側に立設される第2壁部2392cと、ベース板から正面側に向かって立設される第3壁部2392hと、ベース板2392aから正面側に向かって突設されるバネ係合片2392k、及び、内側第1係合片4392d1と、ベース部材2392を正面視略U字状に切り欠いた内側に形成される規制片2392f(図40(a)参照)と、を主に備える。
内側第1係合片4392d1は、後述する変位ユニット4395の脱落(取り外し)を防止する部材であり、変位ユニット4395の変位軌跡に沿う位置に突設される。また、内側第1係合片4392d1は、ベース板2392aから正面側に向かって突設され、突設先端が第2壁部2392c側に向かって屈曲される。
また、内側第1係合片4392d1は、屈曲部分からベース板2395aまでの対向間距離が後述する変位ユニット4395(第1変位部材4396の係合部4396d)の前後方向(矢印F−B方向)における厚み寸法よりも長く突設される。
なお、内側第1係合片4392d1の屈曲部分における第2壁部2392c側への延設距離T6は、内側第1係合片4392d1の屈曲部分とベース板2392aとの対向間の距離T7よりも小さく設定される(T7>T6)。
第2壁部4392cは、後述する変位ユニット4395の変位を案内する壁部であり、正面視において変位ユニット4395と隣り合う位置に形成され、変位ユニット2395の変位軌跡に沿って延設される。
また、第2壁部4392cは、その立設先端側からベース板2392a側に切り欠き形成される複数の切欠部4392c2を備える。本実施形態では、切欠部4392c2は、第2壁部4392cの延設方向に沿って所定の距離を隔てる一対の切欠部4392c2が、延設方向の2箇所(合計4箇所)に形成される。
一対の切欠部4392c2は、第2壁部4392cの延設方向と直交する方向に切欠き形成される。また、一対の切欠部4392c2は、ベース板2392a側(矢印B方向側)への切り欠き寸法が、第2壁部4392cのベース板2392aからの立設寸法よりも小さく設定される。即ち、第2壁部4392cは基端側(ベース板2392a側)が連なった状態とされる。
また、一対の切欠部4392c2の対向間に位置する第2壁部4392cの変位ユニット4395側の側面から変位ユニット4395側に向かって突設される外側第1係止部4392e3、外側第2係止部4392e4が形成される。
外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4は、後述する変位ユニット4395のベース部材4392(基部ユニット4391)への取り付けを許容しつつ、変位ユニット4395の脱落(取り外し)を規制する突起であり、変位ユニット4395の変位軌跡に沿う位置に突設される。
また、外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4は、正面側(矢印F方向側)が、第2壁部4392cから離間するに従って背面側(矢印B方向側)に傾斜して形成される。一方、外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4は、背面側がベース板4392aの正面と平行な平面に形成される。
さらに、外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4の背面は、変位ユニット4395(第1変位部材4396)の前後方向における厚み寸法よりも離間する位置に形成される。これにより、ベース板4392aの正面に配設される変位ユニット4395をベース板4392aと、外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4と、の間に挟んだ状態で配設できる(図42(b)参照)。
また、一対の切欠部4392c2の内側部分(外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4が形成される部分)の第2壁部4392cの板厚は、ベース板2392aの板厚(ベース板2392aの前後方向の厚み)よりも小さく形成される。これにより、一対の切欠部4392c2の内側部分の第2壁部4392cを径方向に弾性変形させやすくできる。
変位ユニット4395は、正面視において全体が直線状に形成される第1変位部材4396と、その第1変位部材4396に軸支される第2変位部材397と、を主に備える。
第1変位部材4396は、直線状に形成される本体部2396aと、直線状に延設された本体部2396aの一端側に略C字状に形成されるバネ係合部396cと、直線状に延設された本体部2396aの他端側にベース板2392aの第1壁部392bの中心に向かって突設される突設部396bと、変位ユニット4395に沿って形成される第2壁部2392cと反対側の側面から突設される係合部4396dと、本体部2396aの第2壁部2392c側の側面から突設される検出片396fと、本体部2396aの背面に円柱状に突設される軸部396hと、を主に備える。
係合部4396dは、第2実施形態における係合部2396dから内側第1凹設部2396d1を省いた形状であるので、その詳しい説明は省略する。
以上のように構成されるベースユニット4390の基部ユニット4391への変位ユニット3395の取り付け方法は、初めに、変位ユニット4395の係合部4396d側をベース板2392aに近づけて、変位ユニット4395をベース板2392aの正面に対して斜めにした状態で、係合部4396dを内側第1係合片4391d1の屈曲部分の内側に押し入れる。
なお、上述したように、内側第1係合片4391d1は、内側第1係合片4392d1の屈曲部分における第2壁部2392c側への延設距離T6(図42(b)参照)が、内側第1係合片4392d1の屈曲部分と、ベース板4391aと、の対向間の距離T7(図42(b)参照)よりも小さく(短く)設定されるので、係合部4396dを斜めに配置した状態で内側第1係合片4391d1の屈曲部分の内側に押し入れた後に、係合部4396d側を中心に変位ユニット4395をベース板4392a側に回転させることができる。
次に、ベース板2392aの正面に対して斜めに配置された状態の変位ユニット4395を係合部4396d側を軸に変位ユニット4395をベース板4392a側に回転させて、係合部4396dと反対側をベース板4392a側に変位させる。
これにより、第1変位部材4396の係合部4396dと反対側の縁部が、外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4に当接して、外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4を第2壁部3392c側に押し出して、第2壁部3392cを弾性変形させる。
これにより、変位ユニット4395の係合部4396dと反対側をベース板4392a側に変位させるためのスペースを確保でき、変位ユニット4395を基部ユニット3391に取り付けることができる。
また、上述したように、本体部4396aの前後方向の板厚は外側第1係止部4392e3、及び、外側第2係止部4392e4からベース板2392aの正面までの距離よりも小さく設定される。
よって、変位ユニット4395がベース板2392aの正面まで押し込まれると、外側第1係止部3392e3、外側第2係止部3392e4、及び、第1変位部材4396の当接が解除され、外側第1係止部3392e3、及び、外側第2係止部3392e4の弾性変形が戻される(解除される)。
以上のように構成されるベースユニット4390によれば、変位ユニット4395の一側(係合部4396d側)を内側第1係合片4391d1の屈曲部分の内側に係合させ、その係合側を支点として、変位ユニット4395の他側をベース板4392a側へ向けて押し込むことで、変位ユニット4395を基部ユニット4391に配設できる。
よって、第3実施形態のように、変位ユニット3395を基部ユニット4391に配設する場合に、変位ユニット3395の両側に形成される外側第1係止部3392e3、外側第2係止部3392e4、内側第1係止部3392d3、及び、内側第2係止部3392d4をそれぞれ弾性変位させる必要がない。即ち、変位ユニット3395の両側の各係止部3392e3,33992d3等をそれぞれ均一に弾性変形させつつ押し込む必要がない。従って、変位ユニット4395の基部ユニット4391への配設を簡易にできる。
また、内側第1係合片4391dを弾性変形させる必要が無いので、内側第1係合片4391dの剛性を比較的(第3実施形態の内側第1係止部4391d3に比べて)高いものとでき、変位ユニット4395が変位された場合に内側第1係合片4391dが変形することを抑制できる。
特に、内側第1係合片4391dを弾性変形させない構成を採用できることで、変位ユニット4395の保持性能(脱落を防止する性能)の向上を図ることができるだけでなく、不正な部材(例えば、針金やピアノ線)を利用して、変位ユニット4395が不正に取り外されることを抑制しやすくできる。この場合には、内側第1係合片4391dの配設位置を、外側第1係止部4392e3及び外側第2係止部4392e4の配設位置よりも不正な部材が挿入される側に近接させることが好ましい。
次いで、図43から図46を参照して、第5実施形態にけるベースユニット5390について説明する。上記第1実施形態では、操作ユニット320が遊技者に操作されることで変位ユニット395が変位される場合について説明したが、第5実施形態におけるベースユニット5390では、駆動装置5398により変位ユニット5395が変位可能とされ、その変位ユニット5395の変位で操作ユニット320が変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図43及び図44を参照して第5実施形態におけるベースユニット5390の構成について説明する。図43(a)は、第5実施形態における基部ユニット5391の正面図であり、図43(b)は、図43(a)のXLIIIb−XLIIIb線における基部ユニット5391の断面摸式図である。図44(a)は、変位ユニット5395の正面図であり、図44(b)は、変位ユニット5395の背面図であり、図44(c)は、図44(a)のXLIVc−XLIVcの変位ユニット5395の断面図である。
図43及び図44に示すように、第5実施形態におけるベースユニット5390は、基部ユニット5391と、その基部ユニット5391に配設される変位ユニット5395と、基部ユニット5391に対して変位ユニット5395を付勢するコイルばねSP2(図45(a)参照)と、基部ユニット5391の背面側に配設される駆動装置5398(図46(a)参照)と、を主に備える。
基部ユニット5391は、上述した変位ユニット300の円環部材310(図15参照)の背面側(矢印B方向側)の内周縁形状と対応する外形に形成され、円環部材310の内側に配設されるベース部材5392と、そのベース部材5392に配設される板ばね393と、ベース部材392に配設される検出装置394と、を主に備える。
ベース部材5392は、ベース板5392aと、そのベース板5392aに半円形状に形成され、ベース板5392aの正面側(矢印F方向側)に向かって立設される第1壁部392bと、その第1壁部392bの中心と同軸上の半円形状に形成され、第1壁部392bと同軸上の円環形状に形成され、ベース板392aから正面側に向かって立設される第3壁部392hと、ベース板5392aから正面側に向かって突設されるバネ係合片392k及び凸部3392f1と、第1壁部5392bの径方向外側に位置し、ベース板5392aに長孔状に貫通形成される摺動溝5392a2と、を主に備える。
挿通孔5392a1は、基部ユニット5391の背面側に配設される駆動装置5398(図46(a)参照)の軸を挿通する孔であり、駆動装置5398と対応する位置に形成される。なお、駆動装置5398は、挿通孔5392a1を挿通した軸にピニオン5398aが装着され、そのピニオン5398aを後述する変位ユニット5395の歯部5396kに歯合させることで、駆動装置5398を駆動して変位ユニット5395を変位させることができる。
摺動溝5392a2は、後述する変位ユニット5395の変位を案内する溝であり、変位ユニット5395のローラ5396jが挿入される。また、摺動溝5392a2は、第1壁部392bと同軸の円弧状に形成される。
変位ユニット5395は、正面視において全体が略半円弧形状に形成される第1変位部材5396と、その第1変位部材5396に軸支される第2変位部材397と、を主に備える。
第1変位部材5396は、円弧状に形成される本体部396aと、円弧状に延設された本体部396aの一端側に正面視略C字状に形成されるバネ係合部396cと、円弧状に延設された本体部396aの他端側に本体部396aの円弧の中心に向かって突設される突設部5396bと、本体部396aの外周側の縁部に沿って複数個列設される歯部5396kと、本体部396aの外周側の縁部から径方向外側に向かって突設される検出片396fと、本体部396aの背面に円柱状に突設される軸部396hと、を主に備える。
また、本体部396aの第1面396a1には、周方向に異なる位置の2箇所から背面側に向かって円柱状に突出する回転軸部5396iと、その回転軸部5396iの回りに回転可能な状態で配設される円環形状のローラ5396jと、回転軸部5396iと異なる周方向の2箇所から背面側に向かって鉤状に突設される鉤部5396mと、を備える。
回転軸部5396iは、ローラ5396jを保持する軸であり、ローラ5396jの内径よりも小さい外径に設定され、ローラ5396jよりも軸方向の長さが長く設定される。また、回転軸部5396iは、中心にネジを螺合する孔が形成される。これにより、ローラ5396jが回転軸部5396iの周囲に配設された後にネジを回転軸部5396iに螺合させることで、ローラ5396jが回転軸部5396iに回転可能な状態で配設される。
ローラ5396jは、上述したようベース板5392aの摺動溝5392a2の内側に配設される部分であり、摺動溝5392a2の幅寸法よりも外径が小さく設定される。また、2箇所の回転軸部5396iに配設されるそれぞれのローラ5396jは、本体部396aの円弧の中心を軸に周方向に離間する角度θ1(図44(b)参照)が、摺動溝5392a2の円弧の中心を軸に周方向に延設される角度θ2(図43(a)参照)よりも小さく設定される。これにより、2箇所のローラ5396jを、摺動溝5392a2に沿って変位させることができ、角度θ1と角度θ2との差分、変位ユニット5395を回転変位させることができる。
突設部5396bは、操作ユニット320(図15参照)の係合片342bの変位軌跡上に形成される。また、突設部5396bには、前後方向(矢印F−B方向)に貫通する係合孔5396b1が形成される。
係合孔5396b1は、操作ユニット320の係合片342bが挿入される孔であり、変位ユニット5395が初期付勢位置に配置される場合に、初期位置に配置される操作ユニット320の係合片342b(図16(b)参照)と対応する位置に形成される。従って、第5実施形態では、操作ユニット320とベースユニット5390が組み立てられると、係合片342bが係合孔5396b1に挿入される。
また、本体部396aの中心を軸とする係合孔5396b1の周方向の大きさが、本体部396aの中心を軸とする係合片342bの周方向の大きさと略同一に設定される。これにより、変位ユニット5395と操作ユニット320とを常に連動させることができる。
歯部5396kは、円弧状に延設された本体部396aの他端から一端側に向かって、本体部396aの径方向外側の縁部に沿って複数個(本実施形態では、11個)列設される。歯部5396kは、基部ユニット5391に配設される駆動装置5398の軸に配設されるピニオン5398aと歯合する部分である。これにより、駆動装置5398の駆動でピニオン5398aが回転すると変位ユニット5395が変位される。
2箇所の鉤部5396mは、本体部396aから略L字状に先端が屈曲した状態で突設される。また、2箇所の鉤部5396mは、本体部396aの円弧の中心を軸に周方向に異なる位置に配置される2箇所の回転軸部5396iの間に形成され、本体部396aの円弧の中心から径方向にそれぞれ異なる位置に突設される。
さらに、2箇所の鉤部5396mは、本体部396aの円弧の中心から径方向にそれぞれ反対の方向に屈曲されており、径方向の内側に向かって屈曲する一方の鉤部5396mは、上述した摺動溝5392a2の内径側の縁部に沿う位置から突設され、径方向の外側に向かって屈曲する他方の鉤部5396mは、摺動溝5392a2の外径側の縁部に沿う位置に突設される(図46(e)参照)。
また、鉤部5396mは、ベース板5392aと係合して、変位ユニット5395が正面側に脱落することを抑制する部材であり、鉤部5396mの先端の屈曲部分が摺動溝5392a2の周囲のベース板5392aと前後方向において重なる位置に設定され、屈曲部分から第1面396a1までの対向間距離が、ベース板5392aの板厚よりも大きく設定される。
さらに、鉤部5396mは、突設先端面が屈曲先端側に向かって正面側に傾斜して形成される。これにより、変位ユニット5395を基部ユニット5391に配設する場合に、先端の屈曲部分が摺動溝5392a2の周囲のベース板5392aと前後方向に重なる鉤部5396mを、鉤部5396mの突設先端面の傾斜を利用して摺動溝5392a2の内側に弾性変形させることができる。また、鉤部5396mの屈曲部分がベース板5392aの背面を超える位置に配置されることで、鉤部5396mの弾性変形を戻して鉤部5396mの先端の屈曲部分を摺動溝5392a2の周囲のベース板5392aと前後方向において重なる位置に配置できる。即ち、鉤部5396mは、変位ユニット5935が基部ユニット5391に配設されることを許容し、変位ユニット5935が基部ユニット5391から脱落することを抑制できる。
また、2箇所の鉤部5396mは、本体部396a側(基端側)の径方向におけるそれぞれの対向方向外側の離間距離が、上述したローラ5396jの外径よりも小さく設定される。これにより、変位ユニット5395がベース板5392aに対して変位する場合に、摺動溝5392a2の内側に配設される鉤部5396mが摺動溝5392a2の内面にこすれて破損することを抑制できる。
以上のように構成されるベースユニット5390によれば、ラックとして構成される第1変位部材5396(変位ユニット5395)は、鉤部5396mを摺動溝5392a2に係合させるのみで基部ユニット5391に配設される。即ち、基部ユニット5391に変位ユニット5395を配設した後の操作(例えば、ネジを締結させる操作)を必要としない。よって、ベースユニット5390を組み立てる作業者の作業を簡易にできる。
また、摺動溝5392a2に、変位ユニット5395の変位を案内する案内部としての役割と、鉤部5396mを係合させる被係合部としての役割とを備えさせる(兼用させる)ことができる。従って、変位ユニット5395を案内する案内部分と、鉤部5396mを係合させる被係合部分と、をそれぞれベース板5392aに別々に形成する必要がなくなり、ベース板5392aに他の部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
また、第1実施形態の場合のように、内側第1係合片392d1や外側第1係合片392e1をベース板392aに設け、これら内側第1係合片392d1や外側第1係合片392e1を変位ユニット395(第1変位部材396)に係合させる構成では、第1変位部材396の外縁のうち、変位ユニット395が変位する際に内側第1係合片392d1や外側第1係合片392e1と対面(干渉)する部分には歯部5396kを設けることができない。
これに対し、第5実施形態によれば、第1変位部材5396の背面側から鉤部5396mを突設させ、かかる鉤部5396mを摺動溝5392a2に係合させる構成なので、第1変位部材5396の外縁における歯部5396kを配設可能な領域を確保しやすくできる。
次いで、図45及び図46を参照して、第5実施形態における変位ユニット5395の変位について説明する。図45(a)から図45(c)は、ベースユニット5390の正面図であり、図46(a)から図46(c)は、図45(a)のXLVIa−XLVIa線におけるベースユニット5390の断面図であり、図46(d)は、図46(a)のXLVId−XLVId線におけるベースユニット5390の断面図である。図46(e)は、図46(a)のXLVIe−XLVIe線におけるベースユニット5390の断面図である。
なお、図45(a)から図45(c)及び図46(a)から図46(c)では、操作ユニット320の係合片342b(図16(b)参照)の外形が鎖線で図示される。また、なお、図45(a)及び図46(a)では、初期付勢位置に配置された状態のベースユニット5390が図示され、図45(c)及び図46(c)では、終端連動位置に配置された状態のベースユニット5390が図示され、図45(b)及び図46(b)では、初期付勢位置と終端連動位置との中間の位置に配置された状態のベースユニット5390が図示される。
図45及び図46に示すように、変位ユニット5395は、駆動装置5398の駆動で回転するピニオン5398aにより、歯部5396kを介して駆動が伝達される。なお、第5実施形態では、正面視においてピニオン5398aが左回りに回転されることで変位ユニット5395が初期付勢位置から終端連動位置側に変位される。一方、正面視においてピニオン5398aが右回りに回転されることで、変位ユニット5395が終端連動位置から初期付勢位置側に変位される。
なお、初期付勢位置では、2箇所のローラ5396jのうちの本体部396aの一端側に配設されるローラ5396jが摺動溝5392a2の周方向一端側の端部と隣り合う位置に配置される。また、連動終端位置では、2箇所のローラ5396jのうちの本体部396aの他端側に配設されるローラ5396jが摺動溝5392a2の周方向他端側の端部と隣り合う位置に配置される。これにより、変位ユニット5395が初期付勢位置または終端連動位置を超えて変位することを抑制できる。
また、変位ユニット5395の初期付勢位置から終端連動位置までの回転角度は、操作ユニット320の初期位置から終端位置までの回転角度と同一に設定される。上述したように、初期付勢位置に配置される変位ユニット5395の係合孔5396b1に初期位置に配置される操作ユニット320の係合片342bが挿入されるので、変位ユニット5395が終端連動位置まで回転されると、操作ユニット320が終端位置まで回転される。
次いで、図47を参照して第6実施形態におけるベースユニット6390について説明する。上記第1実施形態では、規制片392fのベース板392aに連結される側が、コイルばねSP2により変位ユニット395が付勢される方向に設定される場合について説明したが、第6実施形態では、規制片6392fのベース板6392aに連結される側が、コイルばねSP2により変位ユニット395が付勢される方向と反対方向に設定される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図47(a)は、第6実施形態における基部ユニット6391の正面図であり、図47(b)は、ベースユニット6390の正面図であり、図47(c)は、図47(b)のXLVIIc−XLVIIc線におけるベースユニット6390断面摸式図である。
図47に示すように、第6実施形態におけるベースユニット6390は、基部ユニット6391と、その基部ユニット6391に配設される変位ユニット395と、基部ユニット391に対して変位ユニット395を付勢するコイルばねSP2と、を主に備える。
基部ユニット6391は、変位ユニット300の円環部材310(図15参照)の背面側(矢印B方向側)の内周縁形状と対応する外形に形成され、円環部材310の内側に配設されるベース部材392と、そのベース部材6392に配設される板ばね393と、ベース部材392に配設される検出装置394と、を主に備える。
ベース部材6392は、ベース板6392aと、そのベース板6392aに半円形状に形成され、ベース板392aの正面側(矢印F方向側)に向かって立設される第1壁部392bと、その第1壁部392bの中心と同軸上の半円形状に形成され、ベース板392aから正面側に向かって立設される第2壁部392cと、第1壁部392b、及び、第2壁部392cと同軸上の円環形状に形成され、ベース板392aから正面側に向かって立設される第3壁部392hと、ベース板392aから正面側に向かって突設されるバネ係合片392k、内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2と、ベース板392aを正面視略U字状に切り欠いた内側に形成される規制片6392fと、を主に備える。
規制片6392fは、後述する変位ユニット395の一方側への変位を規制する部材であり、正面視において第1壁部392b、及び、第2壁部392cとの間に形成される。また、規制片6392fは、第1壁部392bと第2壁部392cとの間に配設される変位ユニット395の変位軌跡と重なる位置に形成される。
なお、規制片6392fは、ベース板6392aを正面視において略U字状に切り欠いて形成されており、ベース板6392aに連結される一端側がコイルばねSP2により変位ユニット395が付勢される方向と反対方向に設定される。また、規制片6392fは、他端に正面側(変位ユニット395側)に向かって突設される凸部392f1を備え、その凸部392f1を変位ユニット395に当接させて変位ユニット395の一方側への変位を規制できる。
第6実施形態における規制片6392fによれば、変位ユニット395が終端連動位置側から初期付勢位置側へ変位された場合に、第2変位部材397を規制片6392fの凸部392f1に当接させて、変位ユニット395を初期付勢位置に維持できる。
規制片6392fは、ベース板6392aに連結される一端側がコイルばねSP2により変位ユニット395が付勢される方向と反対方向に設定されるので、初期付勢位置側に変位ユニット395が変位しつつ規制片6392fに当接した場合の力を、規制片6392fをその延設方向に引っ張る方向の力として作用させることができる。
よって、第1実施形態における規制片392fのように、変位ユニット395が当接した場合に規制片6392fがその基部側(ベース板392aとの連結部分)を支点として屈曲する姿勢に弾性変形することを抑制できる。即ち、規制片6392fの基部側の負担を軽減して、耐久性の向上を図ることができる。
また、第2変位部材397に規制片6392fの凸部392f1が当接されて、変位ユニット395が初期付勢位置に維持された状態では、第1実施形態の場合では、基部側(ベース板392aとの連結部分)を支点として屈曲した姿勢となる癖が規制片392fにつく恐れがある。このような癖がつくと、第2変位部材397に対する規制片392f(凸部392f1)の相対位置が変化して、第2変位部材397に規制片6392fの凸部392f1に当接させられない、或いは、当接により規制片6392fの基部の屈曲がより大きくなる。これに対し、第6実施形態のように、引っ張り変形されることで、規制片392fの姿勢を初期の姿勢に維持できる。
なお、変位ユニット395を基部ユニット6391に配設する場合には、第1実施形態における規制片392fと同様に規制片6392fを背面側に弾性変形させて、変位ユニット395を基部ユニット6391に配設できる。この場合、凸部392f1の第2変位部材397に対する位置は第1実施形態の場合と同様であるので、第6実施形態においても、変位ユニット395を基部ユニット6391に配設する際には、凸部3921f1を利用して(当接させて)、第2変位部材397の脱落(軸部396hからの抜け出し)を抑制できる。
次いで、図48を参照して、第7実施形態におけるベースユニット7390について説明する。上記第1実施形態では、第2変位部材397の第2側壁397fが平坦面に形成される場合について説明したが、第7実施形態では、第2変位部材7397の第2側壁7397fに凹部7397f1が凹設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図48は、第7実施形態におけるベースユニット7390の断面摸式図である。なお、図48は、図33(a)におけるベースユニット390の断面図に対応する。
図48に示すように、第7実施形態におけるベースユニット7390は、基部ユニット391と、その基部ユニット7391に配設される変位ユニット7395と、基部ユニット391に対して変位ユニット395を付勢するコイルばねSP2と、を主に備える。
基部ユニット7391は、変位ユニット300の円環部材310(図15参照)の背面側(矢印B方向側)の内周縁形状と対応する外形に形成され、円環部材310の内側に配設されるベース部材7392と、そのベース部材7392に配設される板ばね393と、ベース部材392に配設される検出装置394と、を主に備える。
ベース部材7392は、ベース板392aと、そのベース板392aに半円形状に形成され、ベース板392aの正面側(矢印F方向側)に向かって立設される第1壁部392bと、その第1壁部392bの中心と同軸上の半円形状に形成され、ベース板392aから正面側に向かって立設される第2壁部392cと、第1壁部392b、及び、第2壁部392cと同軸上の円環形状に形成され、ベース板392aから正面側に向かって立設される第3壁部392hと、ベース板392aから正面側に向かって突設されるバネ係合片392k、内側第1係合片392d1、内側第2係合片392d2と、ベース板392aを正面視略U字状に切り欠いた内側に形成される規制片7392fと、を主に備える。
規制片7392fは、後述する変位ユニット395の一方側への変位を規制する部材であり、正面視において第1壁部392b、及び、第2壁部392cとの間に形成される。また、規制片7392fは、第1壁部392bと第2壁部392cとの間に配設される変位ユニット395の変位軌跡と重なる位置に形成される。
なお、規制片7392fは、ベース板392aを正面視において略U字状に切り欠いて形成されており、一端がベース板392aに連結される。また、規制片7392fは、他端に正面側(変位ユニット7395側)に向かって突設される凸部7392f1を備え、その凸部7392f1を変位ユニット7395に当接させて変位ユニット7395の一方側への変位を規制できる。
さらに、凸部7392f1は、変位ユニット7395との当接面が変位ユニット7395の当接面(第2側壁7397f)側に突出する断面三角形状の第2凸部7392f2を備える。なお、第2凸部7392f2は、三角形状の断面がベース板7392aの平面に沿って凸部7391fの変位ユニット7395との当接面全域に亘って形成される。
変位ユニット7395は、正面視において全体が略半円弧形状に形成される第1変位部材396と、その第1変位部材396に軸支される第2変位部材7397と、を主に備える。
第1変位部材396は、円弧状に形成される本体部396aと、円弧状に延設された本体部396aの一端側に正面視略C字状に形成されるバネ係合部396cと、円弧状に延設された本体部396aの他端側に本体部396aの円弧の中心に向かって突設される突設部396bと、本体部396aの内縁に沿って突設される係合部396dと、本体部396aの外周側の縁部を切り欠いて形成される外側凹設部396eと、本体部396aの外周側の縁部から径方向外側に向かって突設される検出片396fと、本体部396aの背面に円柱状に突設される軸部396hと、を主に備える。
第2変位部材7397は、第1実施形態における第2変位部材397と同様に、正面視において全体が略三角形状に形成される。また、第2変位部材7397は、前後方向に貫通する軸支孔397aを備える。なお、第2変位部材7397には、上記第1実施形態における第2変位部材397と同様に、3箇所のそれぞれの先端部に第1角部397b、第2角部397c、第3角部397dの符号を付して説明する。
第1角部397bと第3角部397dとを連結する側壁の第2側壁7397fは、変位ユニット7395が初期付勢位置に配置される場合に、ベース板7392aの規制片7392fに当接される面であり、その側面の断面形状が、規制片7392fの第2凸部7392f2の断面形状と対応する三角形状に凹設される凹部7397f1を備える。
これにより、変位ユニット7395が初期付勢位置に配置され、コイルばねSP2により規制片7392f側に変位ユニット7395が付勢される場合に、第2凸部7392f2を凹部7397f1の内側に挿入して、規制片7392fと第2変位部材7397とを係合させることができる。よって、変位ユニット7395が初期付勢位置に配置された状態において、不正な部材(例えば、針金やピアノ線)を利用して、規制片7392fが背面側(矢印B方向側)に弾性変形されて、規制片7392fによる変位ユニット7395の規制が不正に解除されることを抑制できる。その結果、変位ユニット7395が位置決め位置まで変位されて、ベース板392aから変位ユニット7395が不正に取り外されることを抑制できる。
また、規制片7392fと第2変位部材7397とが係合されていることで、変位ユニット7395がコイルばねSP2の付勢力により初期付勢位置に維持された状態において、基部側(ベース板392aとの連結部分)を支点として屈曲した姿勢となる癖が規制片7392fにつくことを抑制できる。
次いで、図49から図53を参照して、第8実施形態における操作ユニット8320につい説明する。上記第1実施形態では、被案内部材344が正円の円環状に形成される場合について説明したが、第8実施形態における操作ユニット8320では、被案内部材8345が楕円の円環状に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図49を参照して、第8実施形態における操作ユニット8320、及び、案内ユニット8350の全体構成について説明する。図49(a)は、第8実施形態における操作ユニット8320の分解斜視正面図であり、図49(b)は、操作ユニット8320、及び、案内ユニット8350の断面図である。なお、図49(b)の断面図は、図22(d)における操作ユニット320、及び、案内ユニット350の断面図と対応する。
図49に示すように、第8実施形態における操作ユニット8320は、正面側に配設される把持ユニット330と、その把持ユニット330の背面側(矢印B方向側)に連結される回転ユニット8340と、を備える。
回転ユニット8340は、把持ユニット330側に配設され、把持ユニット330に連結される正面側部材341と、その正面側部材341の背面側に配設される背面側部材342と、その背面側部材342から径方向外側に向かって円柱状に突設される軸部材343と、その軸部材343の周囲を取り囲む状態で配設される円環状の被案内部材344、及び、被案内部材8345と、を主に備える。
なお、第8実施形態では、背面側部材342から径方向外側に向かって対向する2箇所から突設される軸部材343の一方側に被案内部材344が配設され、軸部材343の他方側に被案内部材8345が配設される。
被案内部材8345は、外形が楕円に形成され、内形が正円の円形に形成される。また、被案内部材8345は、軸部材343に締結固定された状態で配設され、軸部材343に対して軸回りに回転不能な状態で配設される。さらに、被案内部材8345は、後述する案内ユニット8350に形成される案内溝351、及び、案内溝8351のうち、案内溝8351の内側に配設される。なお、案内溝351の内側には、被案内部材344が配設される。
案内ユニット8350は、回転ユニット340よりも正面側に配設され回転ユニット340の正面側への変位を規制する正面側案内ユニット360と、回転ユニット340よりも背面側に配設され回転ユニット340の背面側への変位を規制する背面側案内ユニット370と、を備える。
また、案内ユニット8350には、凹設部362a2の凹設底面および第1円筒部362aの内周面の連結面と、背面側案内ユニット370の第1部371及び第2部372と、により凹設部362a2の一部が囲われる案内溝351、及び、案内溝8352が形成される。なお、案内溝351、及び、案内溝8352は、それぞれ案内ユニット8350の反対の位置に形成される。
案内溝8352は、図49(b)に示すように、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向に延設され、その一部が背面側に向かって傾斜する形状に形成される。
また、案内溝8352は、第2円環部材362側の被案内部材8344の案内面(被案内部材8344の移動を規制する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面351bと、背面側案内ユニット370側の被案内部材8344の案内面となる第3案内面8351c、及び、第4案内面8351dと、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向の端部となる第1端部351e、及び、第2端部351fと、を主に備える。
第1案内面351a、及び、第3案内面8351cは、互いが対向して形成される。また、第1案内面351a、及び、第3案内面8351cは、互いの対向間の間隔が被案内部材8344の短手方向における外形寸法よりも大きく設定される。これにより、被案内部材8344を第1案内面351a、及び、第3案内面8351cでその移動方向を規制しつつ移動させることができる。なお、以降の説明では、第1案内面351a、及び、第3案内面8351cの対向間で形成される被案内部材344の移動領域を「第1案内領域」と称して説明する。
また、第1案内面351a、及び、第3案内面8351cは、第2円環部材362、及び、第1部371の周方向に延設され、前後方向に傾斜する壁面として形成される。従って、第1案内領域を移動する被案内部材8344は、第2円環部材362、及び、第1部371の周方向に移動されつつ、案内ユニット350の前後方向に移動される。従って、操作ユニット320は、回転ユニット340の立設壁341bの中心を軸に回転しつつ、その立設壁341bの軸方向に移動する変位とされる。
なお、操作ユニット320にスロットマシン10(図1参照)の外側から力が非入力(遊技者が非操作)とされる場合には、回転ユニット340が上述したコイルばねSP1により正面側に向かって付勢されることで、被案内部材344が第1案内面351aに沿って第1端部351eまで案内される。これにより、初期位置では、被案内部材344が第1端部351eに当接する位置で維持される。
第2案内面351b、及び、第4案内面8351dは、互いが対向して形成される。また、第2案内面351bは、その案内面が水平方向と平行となる方向に延設される。一方、第4案内面8351dは、第2円環部材362、及び、第1部371の周方向において第1案内面351aとの連結部分に近づくにつれて正面側に向かう案内面として形成される。
第2案内面351b、及び、第4案内面8351dは、第1案内領域(第1案内面351a、及び、第3案内面351c)の背面側(矢印B方向側)の端部に連結される。これにより、上述した第1案内領域を背面側(矢印B方向側)に移動した被案内部材8344を第2案内面351b、及び、第4案内面8351dの対向間に受け入れることができる。
また、第2案内面351b、及び、第4案内面8351dは、互いが対向して形成される。また、第2案内面351b、及び、第4案内面8351dは、対向間の最小の間隔が被案内部材8344の短手方向における外形寸法よりも大きく設定される。これにより、被案内部材8344を第2案内面351b、及び、第4案内面8351dでその移動方向を規制しつつ移動させることができる。なお、以降の説明では、第2案内面351b、及び、第4案内面8351dの対向間で形成される被案内部材8344の移動領域を「第2案内領域」と称して説明する。
第2案内面351bは、その案内面が水平方向と平行となる方向に延設され、第4案内面8351dは、第2円環部材362、及び、第1部371の周方向において第1案内面351aとの連結部分に近づくにつれて正面側に向かう案内面として形成される。従って、第2案内領域の第2案内面351b側(正面側)を被案内部材8344が移動する場合には、被案内部材8344が第2円環部材362、及び、第1部371の周方向に移動されつつ、第2案内面の前後方向への傾斜分、被案内部材8344が案内ユニット350に対して前後方向(矢印F−B方向)に移動される。
また、第2案内領域の第4案内面8351d側(背面側)を被案内部材8344が移動する場合には、被案内部材8344が第2円環部材362、及び、第1部371の周方向に移動される。この場合、第4案内面8351dは、その案内面が水平方向と平行に延設されるので、被案内部材8344が案内ユニット350に対して前後方向(矢印F−B方向)に非変位とされる。
また、第3案内面8351c、及び、第4案内面8351dとの連結部分には、第3案内面8351cの案内面に沿って背面側案内ユニット370側に凹設される収容部8351mを備える。収容部8351mは、第1案内領域を案内された被案内部材8344を受け入れて、第2案内領域に被案内部材8344を侵入させるために被案内部材8344を回転させるための領域である。なお、第1案内領域から第2案内領域への被案内部材8344の変位については後述する。
次いで、図50から図53を参照して、第8実施形態における操作ユニット8320の操作について説明する。図50(a)、図51(a)、図52(a)及び図53(a)は、操作ユニット8320、及び、案内ユニット8350の正面図であり、図50(b)、図51(b)、図52(b)及び図53(b)は、操作ユニット8320、及び、案内ユニット8350の側面図であり、図50(c)、図51(c)、図52(c)及び図53(c)は、操作ユニット8320、及び、案内ユニット8350の断面摸式図である。
なお、図50から図53では、案内ユニット8350に対する操作ユニット8320の遷移状態が順に図示され、図50(a)から図50(c)では、操作ユニット8320が初期位置に配置された状態が図示され、図51(a)から図51(c)では、操作ユニット8320が第1位置に配置された状態が図示され、図52(a)から図52(c)では、第1位置に配置される操作ユニット8320が案内ユニット8350の軸方向に対して回転された状態が図示され、図53(a)から図53(b)では、操作ユニット8320が終端位置に配置された状態が図示される。
図50に示すように、操作ユニット8320が初期位置に配置される場合には、操作ユニット8320の把持ユニット330の左右のカバー部材331,332の円形部331a、及び、331bの中心線が水平方向と平行に配置される。また、案内溝8351の内側に配設される被案内部材8344は、第1案内領域の第1端部351e側に配置される。
次に、操作ユニット8320が遊技者に操作されて、把持ユニット330の左右のカバー部材331,332の円形部331a,332aの中心線が正面視において右回りに回転される、又は、操作ユニット320が遊技者により操作されて把持ユニット330が背面側(矢印B方向側)に押し込まれると、把持ユニット330と締結される回転ユニット340の被案内部材334が案内溝351の第1案内領域を移動する。
これにより、図51に示すように、把持ユニット330は、正面視において右回りに回転される。また、案内溝8351の内側に配設される被案内部材8344は、第1案内領域を摺動して、第1案内領域と第2案内領域との連結部分(収容部8351mの内側)に配置される。
第3に、操作ユニット8320が遊技者に操作されて、把持ユニット330の左右のカバー部材331,332の円形部331a,332aの中心線の延設方向に把持ユニット330が変位されると、把持ユニット330の変位に伴って被案内部材8344が案内溝7244の内側で回転され、被案内部材8344の長手方向が第2案内領域の延設方向と平行となる方向に配置される。これにより、被案内部材8344を第2案内領域を摺動可能にできる。
また、本実施形態では、操作ユニット8320の把持ユニット330の左右のカバー部材331,332の円形部331a,332aの中心線の延設方向への変位方向が上方側に設定される。これにより、操作ユニット8320の操作を遊技者が途中で中止した場合に、把持ユニット330の荷重を利用して、操作ユニット8320を第1位置(図41(a)から図41(c)に示す位置)に変位させることができる。
最後に、操作ユニット8320が、さらに遊技者に操作されて把持ユニット330が正面視において右回りに回転されると、把持ユニット330と締結される回転ユニット8340の被案内部材8334が案内溝351の第2案内領域を移動して、第2端部351fと当接する位置に配置される。
なお、第2案内領域では、第1案内領域と異なり被案内部材344が案内される案内溝351の背面側の案内面が水平方向と平行に延設されるので、遊技者が把持ユニット330を案内ユニット側(背面側(矢印B方向側))に押し込み操作する場合には、被案内部材344が第2案内領域を移動せず、被案内部材344が第1案内領域との連結部分に留まる状態とされる。
以上のように変位される第8実施形態の操作ユニット8320によれば、被案内部材8344が第1案内領域を移動する際の操作と、被案内部材8344が第2案内領域を移動する際の操作との間に、被案内部材8344が第2案内領域を移動可能にする際の操作が必要とされる。これにより、操作ユニット8320が不用意に終端位置に変位されることを抑制できる。
次に、図54を参照して、第9実施形態における操作ユニット320、及び、案内ユニット9350について説明する。上記第1実施形態では、被案内部材344が第1案内領域と第2案内領域を移動する場合について説明したが、第9実施形態では、被案内部材344が第1案内領域と第2案内領域と3案内領域とを移動する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図54(a)から図54(c)は、第9実施形態における操作ユニット320、及び、案内ユニット9350の断面摸式図である。なお、図54(a)から図54(c)は、図22(d)における操作ユニット320、及び、案内ユニット9350の断面に対応する。
図54に示すように、第9実施形態における案内ユニット9350に形成される案内溝9351は、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向に延設される部分と、正面側案内ユニット360、及び、背面側案内ユニット370の軸方向(矢印F−B方向)に延設される部分と、周方向に延設され、正面側に向かって傾斜する形状に形成される部分と、を備える。
また、案内溝9351は、第2円環部材362側の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規制する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面351bと、背面側案内ユニット370側の被案内部材344の案内面となる第3案内面351c、及び、第4案内面351dと、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向の端部となる第1端部351e、及び、第2端部351fと、第3案内面351c、及び、第4案内面351dの連結部分から背面側に向かって凹設される背面側凹設部9351kと、を主に備える。
背面側凹設部9351kは、被案内部材344の外形よりも大きい溝幅に形成され、背面側に向かって延設される。また、背面側凹設部9351kは、その延設方向に被案内部材344を移動可能とされ、その移動領域を「第3案内領域」と称して説明する。なお、第3案内領域は、第1案内領域と第2案内領域との連結部分に連なって形成されており、第1案内領域または第2案内領域を移動する被案内部材344を受け入れ可能とされる。
これにより、図54(b)に示すように、操作ユニット320が遊技者により操作されて把持ユニット330が背面側(矢印B方向側)に押し込まれると、把持ユニット330と締結される回転ユニット340の被案内部材334が案内溝351の第1案内領域を移動する。この場合、被案内部材344は、背面側の第3案内面351cに沿って案内されて、第1案内領域と第3案内領域との連結部分で、背面側凹設部9351kの内側に挿入される。これにより、第1案内領域を移動する被案内部材344を第3案内領域に移動させることができる。
一方、図54(c)に示すように、操作ユニット320が遊技者により操作されて、把持ユニット330の左右のカバー部材331,332の円形部331a,332aの中心線が正面視において右回りに回転されると、把持ユニット330と締結される回転ユニット340の被案内部材334が案内溝351の第1案内領域を移動する。この場合、被案内部材344は、正面側の第1案内面351aに沿って案内されて、第2案内面351bと第4案内面351dとの対向間に案内される。これにより第1案内領域を移動する被案内部材344を第2案内領域に移動させることができる。
以上のように構成される案内ユニット9350によれば、操作ユニット320の操作方向の違い(押し込み操作または回転操作の選択)により、操作ユニット320の変位を変えることができる。その結果、操作パターンを複数形成して遊技者に興趣を与えやすくできる。
なお、操作ユニット320の変位位置を検出するセンサ装置を設け、操作ユニット320が、第2案内領域に変位されたか(回転操作がされたか)、第3案内領域に変位されたか(押し込み操作がされたか)、を少なくとも検出する構成としても良い。
具体的には、操作ユニット320に被検出部(検出片)を形成し、その被検出部を検出するセンサ装置(例えば、光を照射する照射部とその照射部から照射された光を受光可能に対向配置される受光部とを備え、それらの対向間に操作ユニット320の被検出部が配置されて光が遮断されることに基づいて、操作ユニット320の変位位置を検出するもの)を、操作ユニット320が第2案内領域に変位された際の被検出部の変位軌跡上と、操作ユニット320が第3案内領域に変位された際の被検出部の変位軌跡上との2か所にそれぞれ配設する構成が例示される。
これにより、1の操作ユニット320であっても、その操作ユニット320の操作方向の違い(押し込み操作または回転操作の選択)により、2種類の入力を形成できる。よって、入力の種類と同数(本実施形態では2個)の操作子(操作ユニット320)を設けることを不要として、部品コストを削減できる。また、1の操作子(操作ユニット320)により複数(本実施形態では2種類)の入力を形成できるので、遊技者の操作性の向上を図る(即ち、把持ユニット330から手を離すことを不要とできる)ことができると共に、遊技者に興趣を与えやすくできる。
次いで、図55から図57を参照して、第10実施形態における操作ユニット10320について説明する。上記第1実施形態では、把持ユニット330と回転ユニット340とが連動する場合について説明したが、第10実施形態では、把持ユニット10330と回転ユニット340との連動を解除できる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図55及び図56を参照して、操作ユニット10320の全体構成について説明する。図55(a)は、第10実施形態における操作ユニット10320の側面図であり、図55(b)は、図55(a)のLVb−LVb線における操作ユニット10320の断面模式図である。図56は、把持ユニット10330の分解斜視図である。
図55及び図56に示すように、第10実施形態における操作ユニット10320は、正面側に配設される把持ユニット10330と、その把持ユニット10330の背面側(矢印B方向側)に連結される回転ユニット340と、を備える。
把持ユニット10330は、正面側に位置し、側面視円形状に形成される操作子10335と、その操作子10335の背面側に連結される連結部材10336と、から構成される。
操作子10335は、正面視右側に配設される右側カバー部材10331と、正面視左側に配設される左側カバー部材10332と、それら右側カバー部材10331、及び、左側カバー部材10332の間に配設される振動装置333と、を主に備える。
右側カバー部材10331は、円形の板状に形成される円形部331aと、円形部331aの外縁から左側カバー部材10332側(矢印L方向側)に向かって突設される右側第1壁部331cと、右側第1壁部331cよりも内側に位置し円形部331aから円環状に立設される右側第3壁部331eと、円形部331aから背面側に向かって半円の円柱状に突出する軸部10331gと、その軸部10331gの周囲から背面側に向かって突出する係合部10331hと、を主に備える。
なお、左側カバー部材10332は、右側カバー部材10331を左右方向(矢印L−R方向)に反転した略同一形状に形成されており、左側カバー部材10332も右側カバー部材10331と同様に、円形の板状に形成される円形部332aと、円形部332aの外縁から右側カバー部材10331側(矢印R方向側)に向かって突設される左側第1壁部332cと、左側第1壁部332cよりも内側に位置し円形部332aから円環状に立設される左側第3壁部332eと、円形部332aから背面側に向かって半円の円柱状に突出する軸部10332gと、その軸部10332gの周囲から背面側に向かって突出する係合部10332hと、を主に備える。
従って、以下の説明では、右側カバー部材10331を代表として説明をし、左側カバー部材332についての説明は省略する。なお、右側カバー部材331と左側カバー部材332との異なる部分については後述する。
軸部10331gは、左側カバー部材10332の軸部10332gと合わせられることで外形が円柱状とされる。また、軸部10331g,10332gにより円柱状に形成される部分は、後述する連結部材10336に軸支される軸であり、挿入側(背面側)の先端に径方向外側に膨出する膨出部10331g1,10332g1を備える。
膨出部10331g1,10332g1は、後述する連結部材10336に半円形状に凹設される凹設部10331i,10332iの内径よりも外径が大きくされる。これにより、軸部10331g,10332gの外側から連結部材10336を配設して、凹設部10331i,10332iの内側に軸部10331g,10332gの基端側を収容することで、連結部材10336に対して操作子10335を回転可能な状態で軸支できる。
右側カバー部材10331に形成される係合部10331hは、軸部10331gよりも下方(矢印D方向)に突設される。一方、左側カバー部材10332に形成される係合部10332hは、軸部10332gよりも上方(矢印U方向)に突設される。
連結部材10336は、正面視右側に配設される右側連結部材10336aと、正面視左側に配設される左側連結部材10336bと、を主に備える。なお、右側連結部材10336aは、上述した右側カバー部材10331の背面側に位置し、左側連結部材10336bは、上述した左側カバー部材10332の背面側に位置する。
右側連結部材10336aは、背面側(矢印B方向側)に向かって延設される突設部331bと、突設部331bの前後方向(矢印F−B方向)に延びる縁部から左側連結部材10336b側に向かって突設される右側第2壁部331dと、突設部331bの背面側端部から背面側に向かって突出する突出部331fと、突設部331bの正面側端部から左側連結部材10336b側に向かって突設される右側第3壁部10331jと、を備える。
なお、左側連結部材10336bは、右側連結部材10336aを左右方向に反転した略同一の形状に形成されており、背面側(矢印B方向側)に向かって延設される突設部332bと、突設部332bの前後方向(矢印F−B方向)に延びる縁部から右側連結部材10336a側に向かって突設される左側第2壁部332dと、突設部332bの背面側端部から背面側に向かって突出する突出部331fと、突設部331bの正面側端部から右側連結部材10336a側に向かって突設される左側第3壁部10332jと、を備える。従って、以下の説明では、右側連結部材10336aを代表として説明をし、左側連結部材10336bについての説明は省略する。
右側第3壁部10331jは、右側カバー部材10331の背面側と対向する位置に形成され、右側カバー部材10331の軸部10331gと対応する位置に半円形状に凹設される凹設部10331iを備える。また、凹設部10331iの上方に被係合部10331kを備える。
被係合部10331kは、把持ユニット10330の右側カバー部材10331、及び、左側カバー部材10332が回転された場合に左側カバー部材10332の係合部10332hが係合する突起であり、係合部10332hの変位軌跡と重なる位置に形成される。なお、操作ユニット10320が初期位置に配置される場合には、被係合部10331kと係合部10332hとが隣り合う位置に配置される(図16(b)参照)。
また、上述したように、操作子10335は、連結部材10336に対して回転可能な状態で軸支されるので、操作子10335が遊技者に把持されて正面視右回りに回転操作される場合には、被係合部10331kと係合部10332h(被係合部10332kと係合部10331h)が係合して操作子10335の回転に伴って連結部材10336が回転変位される。
一方、連結部材10336が正面視右回りに回転される場合には、被係合部10331kと係合部10332h(被係合部10332kと係合部10331h)との係合が解除され、連結部材10336のみが回転変位される。
次いで、図57を参照して、操作ユニット10320を遊技者が回転変位させた場合の操作ユニット10320の変位について説明する。図57(a)及び図57(b)は、操作ユニット10320、及び、案内ユニット350の正面図であり、図57(c)及び図57(d)は、操作ユニット10320の断面図である。なお、図57(c)及び図57(d)は、図55(b)における操作ユニット10320、及び、案内ユニット350の断面に対応する。また、図57(a)及び図57(c)では、初期位置の操作ユニット10320が図示され、図57(b)及び図57(d)では、第1位置の操作ユニット10320が図示される。
図57に示すように、操作ユニット10320の操作子10335が回転変位される場合には、被係合部10331kと係合部10332h(被係合部10332kと係合部10331h)が係合して操作子10335の回転に伴って連結部材10336が回転変位される。これにより、連結部材10336と締結される回転ユニット340が回転変位して、回転ユニット340の被案内部材344が案内ユニット350の案内溝351に沿って変位される。
次いで、図58を参照して、操作ユニット10320を遊技者が背面側に押し込み(スライド)操作した場合の操作ユニット10320の変位について説明する。図58(a)及び図58(b)は、操作ユニット10320、及び、案内ユニット350の側面図であり、図58(c)及び図58(d)は、操作ユニット10320の断面図である。なお、図58(c)及び図58(d)は、図55(b)における操作ユニット10320、及び、案内ユニット350の断面に対応する。また、図58(a)及び図58(c)では、初期位置の操作ユニット10320が図示され、図58(b)及び図58(d)では、位置の操作ユニット10320が図示される。
図58に示すように、操作ユニット10320の操作子10335が背面側に押し込み(スライド)操作される場合には、押し込み操作に連動して連結部材10336が背面側に押し込まれる。連結部材10336が背面側に押し込まれることで、連結部材10336と締結される回転ユニット340が背面側に押し込まれる。これにより、回転ユニット340の被案内部材344が案内ユニット350の案内溝351に案内されて回転ユニット340が回転される。従って、回転ユニット340が締結される連結部材10336も回転ユニット340の回転に伴って回転される。
一方で、連結部材10336と操作子10335とは、締結されていないので、操作子10335に対して連結部材10336のみが正面視右回りに回転される。従って、第10実施形態では、遊技者が操作ユニット10320を押し込んだ場合に、操作子10335が非回転とされるので、遊技者が操作子10335を押圧する手や指に対抗して操作子10335が回転されない。従って、遊技者に操作ユニット10320を操作させやすくできる。
次いで、操作ユニット10320を遊技者が左回りに回転変位させた場合について説明する。操作ユニット10320を左回りに回転変位させた場合には、被係合部10331kと係合部10332h(被係合部10332kと係合部10331h)との係合が解除され、操作子10335のみが正面視左回りに回転される。
これにより、例えば、遊技者が操作方法を誤って操作ユニット10320を正面視左回りに回転した場合に、操作方向が誤っていることを遊技者に知らせることができる。また、遊技を終えた遊技者が立ち上がる際の補助として操作ユニット10320を把持して立ち上がる場合に、操作子10335に入力される正面視左回りの力を操作子10335を正面視左回りに空回りさせて、その力が回転ユニット340に伝達されることを抑制できる。その結果、操作ユニット10320を操作する以外の目的で遊技者が操作子10335を把持する場合に、操作ユニット10320が破損することを抑制できる。
なお、操作子10335の正面視左回りの空回りは、被係合部10331kと係合部10331h(被係合部10332kと係合部10332h)とが当接する位置まで回転可能とされる(本実施形態では、正面視左回りに操作子10335を略160度回転できる)。
また、正面視左回りに回転された操作子10335の初期位置への復帰は、操作子10335の軸部10331g,10332gと、連結部材10336と、との間に介設されるバネ部材(図示せず)の付勢力により行われる。これにより、正面視左回りに回転された操作子10335の初期位置への復帰と、操作子10335の初期位置での維持と、を達成できる。
次いで、図59を参照して、第11実施形態における案内ユニット11350について説明する。上記第1実施形態では、操作ユニット320の初期位置から終端位置までの変位と、終端位置から初期位置までの変位とで、案内溝351の同じ領域を被案内部材344が案内される場合について説明したが、第11実施形態における案内ユニット11350は、操作ユニット320の初期位置から終端位置までの変位と、終端位置から初期位置までの変位とで、案内溝11351の異なる領域を被案内部材344が案内される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図59(a)は、第11実施形態における案内ユニット11350の正面図であり、図59(b)は、図59(a)のLIXb−LIXb線における案内ユニット11350の断面図である。
図59に示すように、第11実施形態における案内ユニット11350は、正面側に配設される正面側案内ユニット11360と、その正面側案内ユニット11360の背面側に配設される背面側案内ユニット11370と、を備える。
正面側案内ユニット360は、円環状に形成される2部材を組み合わせて形成され、正面側(矢印F方向側)に配設される第1円環部材361と、その第1円環部材361の背面側(矢印B方向側)に配設される第2円環部材11362と、を備える。
第2円環部材11362は、円筒状に形成される第1円筒部11362aと、その第1円筒部11362aの外周面から突出され第1円筒部11362aを取り囲む円筒状の第2円筒部362bと、を備える。
第1円筒部11362aは、内周面から突出する複数の突出部362a1と、第1円筒部11362aの背面側(矢印B方向側)端部に位置し、第1円筒部11362aの内周面側から第1円筒部11362aの径方向外側に向かって凹設される凹設部11362a2と、第1円筒部11362aの内周面側から第1円筒部11362aの径方向外側に向かって凹設される収容凹部362a5と、を備える。
凹設部11362a2は、回転ユニット340の被案内部材344が内側に配設される部分であり、第1円筒部の11362aの内周面の全周に亘って形成される。また、凹設部11362a2は、背面側端部から正面側に凹設される距離が最大とされる点A(図59(b)参照)が周方向に一定の間隔で形成される。なお、本実施形態では、点Aの間隔が周方向に略45度の間隔で形成される。
また、凹設部11362a2は、点Aに繋がる一方側が背面側(矢印B方向側)に向かう直線状に形成され、他方側が一方側の背面側端部に繋がる直線状に傾斜して形成される。
背面側案内ユニット11370は、円環状に形成される第1部371と、その第1部371から正面側に突出される第2部11372と、第1部371の外縁に沿って正面側に立設される第3部373と、を備えて形成される。
第2部11372は、第1部371の内縁側に沿って第2円環部材362側(正面側)に向かって突設される。第2部11372は、その突出先端面が上述した第2円環部材11362の凹設部11362a2の端部と前後方向(矢印F−B方向)に所定に間隔(被案内部材344の直径よりも大きい距離)を隔てる位置に設定される。
これにより、案内ユニット11350には、内周面の一部に径方向外側に向かって凹設される案内溝11351が形成される。案内溝11351は、回転ユニット340(図16(b)参照)のを案内する溝であり、溝幅が被案内部材344の外形よりも大きく設定される。
また、案内溝11351は、所定の形状を周方向に複数個連続して形成され、案内ユニット11350の内周面に一周亘って形成される。
案内溝11351は、第2円環部材11362側(正面側)の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規制する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面351bと、背面側案内ユニット370側(背面側)の被案内部材344の案内面となる第3案内面351c、及び、第4案内面351dと、第4案内面11351dから正面側に向かう案内面の第5案内面11351gと、第2案内面から正面側に向かう案内面の第6案内面11351hと、を主に備える。
第5案内面11351g、及び、第6案内面11351hは、互いが対向して形成される。また、第5案内面11351g、及び、第6案内面11351hは、互いの対向間の間隔が被案内部材344の直径よりも大きく設定される。これにより、被案内部材344を第5案内面11351g、及び、第6案内面11351hでその移動方向を規制しつつ移動させることができる。なお、以降の説明では、第5案内面11351g、及び、第6案内面11351hの対向間で形成される被案内部材344の移動領域を「第3案内領域」と称して説明する。
また、第5案内面11351gは、第3案内面351cとの連結側と反対側端部の第4案内面351dに一端側が連結され、第4案内面351dとの連結側と反対側端部の第3案内面351cに他端側が連結される。即ち、第5案内面11351gは、周方向に隣合う位置に形成される第3案内面351cと第4案内面351dとを前後方向に連結する。
第6案内面11351hは、第1案内面351aとの連結側と反対側端部の第2案内面351bに一端側が連結され、第2案内面351bとの連結側と反対側端部の第1案内面351aに他端側が連結される。即ち、第6案内面11351hは、周方向に隣合う位置に形成される第1案内面351aと第2案内面351bとを前後方向に連結する。
よって、第5案内面11351gと第6案内面11351hとの対向間で形成される第3案内領域は、第1案内領域との連結側と反対側端部の第2案内領域に一端側が連結され、第2案内領域との連結側と反対側端部の第1案内領域に他端側が連結される。これにより、第1案内領域から第3案内領域を周方向に複数個連続して形成できる。
以上のように形成される案内溝11351によれば、操作ユニット320(図16(a)参照)は、操作ユニット320にスロットマシン10(図1参照)の外側から力が非入力(遊技者が非操作)とされる場合には、回転ユニット340がコイルばねSP1(図14参照)により正面側(矢印F方向側)に向かって付勢されることで、被案内部材344が第1案内面351a(第1案内領域)または第3案内領域に沿って第1案内領域と第3案内領域との連結部分(点A側)まで案内される。これにより、操作ユニット320が非操作とされる場合には、操作ユニット320が正面側に押し出された位置で停止する(維持される)。
なお、第6案内面11351hは、第1案内領域(第1案内面351a)との連結部分に傾斜面11351h1を備える。傾斜面11351h1は、第3案内領域を背面側から正面側に向かって案内される被案内部材344をコイルばねSP1の正面側への付勢力を利用して第1案内領域に案内する面であり、操作ユニット320の押し込み(スライド)方向に対する第1案内面351aの傾斜方向と反対の方向に傾斜して形成される。また、傾斜面11351h1に案内されて第1案内領域に配置される被案内部材344は、その中心が第3案内面351cと操作ユニット320の押し込み(スライド)方向に重なる位置に配置される。これにより、被案内部材344が傾斜面11351h1に沿って第3案内領域から第1案内領域に案内された後の操作ユニット320が背面側に向かって押し込み操作された場合に被案内部材344を第3案内面351cに沿って案内させることができる。
次に、操作ユニット320が遊技者に操作されて把持ユニット330が正面視右回りに回転される、又は、操作ユニット320が遊技者により操作されて把持ユニット330が背面側(矢印B方向側)に押し込まれると、把持ユニット330と締結される回転ユニット340の被案内部材334が案内溝11351の第1案内領域を移動する。
よって、把持ユニット330が正面視右回りに回転された場合には、把持ユニット330に締結される回転ユニット340の被案内部材344が案内溝11351の第1案内領域を移動される。この場合、被案内部材344が、案内ユニット11350に対して背面側(矢印B方向側)に移動されることに伴って、回転ユニット340(操作ユニット320)が、案内ユニット11350の内側に挿入される方向(背面側)に変位される。
被案内部材344が第1案内領域を移動した後、継続して把持ユニット330が正面視右回りに回転されると、把持ユニット330と締結される回転ユニット340の被案内部材334が案内溝11351の第2案内領域を移動して、第5案内面11351gと当接する。これにより、操作ユニット320の正面視右回りの回転が規制される。
操作ユニット320の正面視右回りの回転が規制された位置(第5案内面11351gに被案内部材344が当接した位置)から遊技者が操作ユニット320の操作を非操作とする場合には、回転ユニット340がコイルばねSP1の付勢力により正面側に押し出されて被案内部材344が第3案内領域を移動する。よって、操作ユニット320の正面視右回りの回転が規制された位置で操作ユニット320を正面側に押し出して、操作ユニット320を初期位置に配置できる。即ち、操作ユニット320を正面視右回りに回転操作する度に操作ユニット320の初期位置が一定量右回りに回転した位置に変更される。
この場合、第3案内領域は、第1案内領域と第2案内領域とを合わせた領域よりも被案内部材344を移動させる距離が短く形成されるので、操作ユニット320を複数回連続して遊技者に操作させる場合に、操作ユニット320の初期位置への復帰にかかる時間を短くして、操作ユニット320を複数回連続して正面視右回りに回転操作させやすくできる。その結果、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
一方、操作ユニット320の正面視右回りの回転が規制された位置(第5案内面11351gに被案内部材344が当接した位置)から遊技者が操作ユニット320を反対側(正面視左回り)に回転してから、操作ユニット320の操作を非操作とする場合には、回転ユニット340がコイルばねSP1の付勢力により正面側に押し出されて被案内部材344が第2案内面351b、及び、第1案内面351aに沿って正面側に移動される。従って、初期位置に移動される操作ユニット320は、操作前の操作ユニット320の正面視における回転位置(位相)が同一の回転位置に配置される。
よって、第11実施形態では、操作ユニット320の正面視右回りの回転操作が規制された位置で、遊技者が操作ユニット320を正面視左回りに操作するか否かで、操作ユニット320が正面側に向かって押し出された際の回転位置を変更できる。その結果、操作ユニット320の操作にバリーエーションを付与できるので、遊技者に興趣を与えやすくできる。
また、初期位置の操作ユニット320が遊技者により背面側(矢印B方向側)に押し込み操作されて被案内部材344が第1案内領域を移動する場合には、被案内部材344が第2案内領域の第4案内面351dに当接して、第1案内領域と第2案内領域との連結部分で被案内部材344の移動が規制される。
第2案内領域の第4案内面351dに被案内部材344が当接してその移動が規制された後、遊技者が操作ユニット320の操作を非操作とする場合には、回転ユニット340がコイルばねSP1の付勢力により正面側に押し出されて被案内部材344が第1案内面351aに沿って正面側に移動される。従って、初期位置に移動される操作ユニット320は、操作前の操作ユニット320の正面視における回転位置(位相)が同一の回転位置に配置される。
一方、第2案内領域の第4案内面351dに被案内部材344が当接してその移動が規制された後、操作ユニット320が正面視右回りに回転操作される場合には、初期位置から操作ユニット320を回転操作した場合と同様に、被案内部材334が案内溝11351の第2案内領域を移動して、第5案内面11351gと当接して、操作ユニット320の正面視右回りの回転が規制される。
従って、第11実施形態では、初期位置に配置される操作ユニット320の正面視における回転位置(位相)が変わる操作ユニット320の操作と、初期位置に配置される操作ユニット320の正面視における回転位置(位相)が同一とされる操作ユニット320の操作と、とをさせることができる。よって、操作ユニット320の操作方法にバリエーションを設けることができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、第11実施形態では、操作ユニット320の前後方向における位置を検出するために、操作ユニット320の回転中心に回転ユニット340の背面側から円柱状の検出片(図示しない)が突設され、操作ユニット320が背面側に移動した位置に検出片を検出するセンサ装置(図示しない)が基部ユニット391(図14参照)に配設される。これにより、正面視において操作ユニット320がどの位相に配置されていたとしても、操作ユニット320の背面側への移動を検出することができる。
また、回転ユニット340には、操作ユニット320の回転軸を中心とする同一の円周上に複数個の突起(図示しない)が正面側に向かって突設される。また、複数個の突起は、操作ユニット320の回転軸を中心とする円周の半周に亘って分散配置される。さらに複数個の突起は、操作ユニット320の一回の回転操作により、操作ユニット320の初期位置が正面視において回転する分、隣会う突起と距離を隔てて形成される。
一方、案内ユニット11350の正面側案内ユニット360の縮径部361bには、初期位置に配置される操作ユニット320の複数個の突起と対向する位置にその突起を検出する検出センサが複数個配設される。これにより、複数個の検出センサに対して複数個の突起の検出位置と検出数とを検出して、初期位置の操作ユニット320の位相を検出できる。
さらに、操作ユニット320の回転変位により操作ユニット320に接続される配線が絡まることを抑制するため、回転ユニット340の回転中心位置を通過して操作ユニット320に配線が接続される。また、配線の一部には、ロータリーコネクター又はスリップリングが介設される。
次いで、図60を参照して、第12実施形態における案内ユニット12350の案内溝12351について説明する。上記第1実施形態では、案内溝351の第1端部351eと第2端部351fとがそれぞれ別部材(正面側案内ユニット360と背面側案内ユニット370と)に形成される場合について説明したが、第12実施形態では、案内溝12351の第1端部12351eと第2端部351fとが同一の部材(背面側案内ユニット370)に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図60(a)は、第12実施形態における案内ユニット12350の断面図であり、図60(b)は、案内ユニット12350の分解断面図である。
図60に示すように、第12実施形態における案内ユニット12350の案内溝12351は、上記第1実施形態の案内溝351と同様に、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向に延設され、その一部が背面側に向かって傾斜する形状に形成される。
また、案内溝12351は、第2円環部材362側(正面側)の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規制する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面351bと、背面側案内ユニット370側(背面側)の被案内部材344の案内面となる第3案内面351c、及び、第4案内面351dと、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向の端部となる第1端部12351e、及び、第2端部351fと、を主に備える。
第12実施形態における第1端部12351eは、正面側案内ユニット360に形成される。また、第2端部351fも同様に、正面側案内ユニット360に形成される。これら両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)は、操作ユニット320の操作終点を規定する部位であり、被案内部材344が衝突されるため、破損しやすい。よって、両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)が同一の部材(正面側案内ユニット360)に形成されることで、使用に伴い両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)が破損した場合には、1の部材(正面側案内ユニット360)のみを交換すれば良く、正面側案内ユニット360及び背面側案内ユニット370の2部材を交換することを不要とできる。ることで、案内溝12351の両端部を交換できる。
特に、正面側案内ユニット360は、周方向に連続する円筒形状に形成されると共に複数の突出部362a1が所定間隔を隔てて延設されることで、背面側案内ユニット370に比べて剛性が高くされているので、両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)に被案内部材344が衝突された際の破損を抑制しやすい。よって、交換サイクルを長くすることができる。
次いで、図61を参照して、第13実施形態における案内ユニット13350の案内溝13351について説明する。上記第1実施形態では、案内溝351の第1端部351eと第2端部351fとがそれぞれ別部材(正面側案内ユニット360と背面側案内ユニット370と)に形成される場合について説明したが、第13実施形態では、案内溝13351の第1端部351eと第2端部13351fとが同一の部材(背面側案内ユニット370)に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図61(a)は、第13実施形態における案内ユニット13350の断面図であり、図61(b)は、第13実施形態における案内ユニット13350の分解断面図である。
図61に示すように、第13実施形態における案内ユニット13350の案内溝13351は、上記第1実施形態の案内溝351と同様に、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向に延設され、その一部が背面側に向かって傾斜する形状に形成される。
また、案内溝13351は、第2円環部材362側(正面側)の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規制する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面351bと、背面側案内ユニット370側(背面側)の被案内部材344の案内面となる第3案内面351c、及び、第4案内面351dと、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向の端部となる第1端部351e、及び、第2端部13351fと、を主に備える。
第13実施形態における第2端部13351fは、背面側案内ユニット370に形成される。また、第1端部351eも同様に、背面側案内ユニット370に形成される。これら両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)は、操作ユニット320の操作終点を規定する部位であり、被案内部材344が衝突されるため、破損しやすい。よって、両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)が同一の部材(背面側案内ユニット370)に形成されることで、使用に伴い両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)が破損した場合には、1の部材(背面側案内ユニット370)のみを交換すれば良く、正面側案内ユニット360及び背面側案内ユニット370の2部材を交換することを不要とできる。
特に、背面側案内ユニット370は、案内ユニット13350の背面側を形成する部材であるため、かかる背面側案内ユニット370のみを交換しやすい。例えば、正面側案内ユニット360に両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)が形成される構成では、背面側案内ユニット370を取り外すと共に、正面側案内ユニット360を第1円環部材361と第2円環部材362とに分解し、且つ、この分解の際に操作ユニット320を取り外すことも必要となる。
これに対し、背面側案内ユニット370に両端部(第1端部12351e及び第2端部351f)が形成される構成であれば、背面側案内ユニット370のみを取り外せば良く、正面側案内ユニット360を第1円環部材361と第2円環部材362とに分解する必要がなく、また、操作ユニット320を取り外す必要もない。よって、交換工数を低減して、交換コストを低減できる。
次いで、図62(a)を参照して、第14実施形態における案内ユニット14350について説明する。上記第1実施形態では、案内溝351の第1案内領域と第2案内領域との周方向における変位方向が同一に設定される場合について説明したが、第14実施形態における案内溝14351は、第1案内領域と第2案内領域との周方向における変位方向が反対に設定される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図62(a)は、第14実施形態における案内ユニット14350の断面図である。なお、図62(a)の断面は図23(d)の断面と対応する。
図62(a)に示すように、第14実施形態における案内ユニット14350の案内溝14351は、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向に延設され、その一部が背面側に向かって傾斜する形状に形成される。
また、案内溝14351は、操作ユニット320が回転操作された際の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規定する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面14351bと、操作ユニット320が押し込み操作された際の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規定する壁面)となる第3案内面351c、及び、第4案内面14351dと、周方向の端部に形成される3箇所の第1端部351e、第2端部14351f、及び、第3端部14351iと、を備える。
第2案内面14351b、及び、第4案内面14351dは、互いが対向して形成される。また、第2案内面14351b、及び、第4案内面14351dは、第1案内面351a、及び、第3案内面351cとの対向間に形成される第1案内領域の終端(第1端部351eと反対側の端部)に連結され、第1案内領域の終端から水平方向(操作ユニット320の回転軸と直交する方向)に延設される。即ち、第2案内面14351b及び第4案内面14351dの対向間に形成される第2案内領域は、第2端部14351fを始端とし、第3端部14351iを終端として形成される。
なお、第2案内面14351b、及び、第4案内面14351dは、対向間の最小の間隔が被案内部材344の直径よりも大きく設定される。これにより、被案内部材344を第2案内面14351b、及び、第4案内面14351dでその移動方向を規制しつつ移動させることができる。
第14実施形態では、第1案内領域を第2案領域に向かって移動する際の被案内部材344の周方向における移動方向と、第2案内領域をその終端(第3端部14351i)へ向かって移動する際の被案内部材344の周方向における移動方向とが反対方向に設定される。
よって、遊技者は、操作ユニット320を初期位置から終端位置に変位させるためには、その途中で操作ユニット320の回転方向を反対方向(例えば、右回転から左回転)へ切り替える必要がある。その結果、遊技者に操作ユニットの複雑な操作をさせることができ、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、第2案内領域(第4案内面14351d)が水平方向(操作ユニット320の回転軸と直交する方向)に延設されるので、操作ユニット320を押し込み操作した場合には、被案内部材344を第2案内領域に沿って第3端部14351iまで移動させることができない。
さらに、第2案内領域における始端から終端までの被案内部材344の移動方向は、コイルばねSP2(図27(a)参照)の付勢力により被案内部材344が移動する方向と同一に設定され、コイルばねSP1(図14参照)の付勢力により正面側に押し出されて被案内部材344が当接する第2案内面14351bが水平方向に延設されるので、第2案内領域の終端まで案内された被案内部材344を第3端部14351iに当接した状態で維持することができる。
これにより、被案内部材344が第3端部14351iに当接する位置まで案内された状態の操作ユニット320を初期位置に復帰させる場合には、操作ユニット320を正面右回りに回転させる操作を遊技者にさせることができる。従って、操作ユニット320の操作を複雑にすることができ、操作ユニット320の操作が単調になって遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、終端位置に配置された操作ユニット320を復帰動作させる際の回転方向と、初期位置に配置された操作ユニット320を変位させる際の回転方向とが、同一の方向にできるので、遊技者が操作ユニット320の回転方向を間違えることを抑制できる。
このように、操作ユニット320を初期位置(被案内部材344が第1端部351eに配置される位置)から終端位置(被案内部材344が第3端部14351iに到達する位置)まで変位させる操作として、遊技者に二段階操作(回転方向を途中で切り替える操作)を必要とさせることができる。よって、操作感が単調となることを抑制できる。また、押し込み操作のみでは操作ユニット320を終端位置(被案内部材344が第3端部14351iに到達する位置)まで変位されることを回避できる。即ち、遊技者の不用意な操作により操作ユニット320が終端位置まで変位されないようにできる。
次いで、図62(b)を参照して、第15実施形態における案内ユニット15350について説明する。上記第1実施形態では、案内溝351の第1案内領域と第2案内領域との周方向における変位方向が同一に設定される場合について説明したが、第15実施形態における案内溝15351は、第1案内領域と第2案内領域との周方向における変位方向が反対に設定される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図62(b)は、第15実施形態における案内ユニット15350の断面図である。なお、図62(b)の断面は図23(d)の断面と対応する。
図62(b)に示すように、第15実施形態における案内ユニット15350の案内溝15351は、正面側案内ユニット360の第2円環部材362、及び、背面側案内ユニット370の第1部371の周方向に延設され、全体が背面側に向かって傾斜する形状に形成される。
案内溝15351は、操作ユニット320が回転操作された際の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規定する壁面)となる第1案内面351a、及び、第2案内面15351bと、操作ユニット320が押し込み操作された際の被案内部材344の案内面(被案内部材344の移動を規定する壁面)となる第3案内面351c、及び、第4案内面15351dと、周方向の端部に形成される3箇所の第1端部351e、第2端部15351f、及び、第3端部15351iと、を備える。
第2案内面15351b、及び、第4案内面15351dは、互いが対向して形成される。また、第2案内面15351b、及び、第4案内面15351dは、第1案内面351a、及び、第3案内面351cとの対向間に形成される第1案内領域の終端(第1端部351eと反対側の端部)に連結され、第1案内領域の終端からその第1案内領域と反対側へ傾斜しつつ周方向へ延設される。即ち、第2案内面15351b及び第4案内面15351dの対向間に形成される第2案内領域は、第2端部15351fを始端し、第3端部15351iを終端として形成される。
なお、第2案内面15351b、及び、第4案内面15351dは、対向間の最小の間隔が被案内部材344の直径よりも大きく設定される。これにより、被案内部材344を第2案内面15351b、及び、第4案内面15351dでその移動方向を規制しつつ移動させることができる。
また、遊技者が操作ユニット320を背面側に向かって押し込み(スライド)変位させる場合には、第1案内領域の第3案内面351c、及び、第2案内領域の第4案内面15351dに沿って、被案内部材344を移動させることができる。従って、遊技者が操作ユニット320を背面側に向かって押し込み変位させる場合には、操作ユニット320の変位方向を変更する必要なく操作ユニット320を初期位置から終端位置まで変位させることができる。
第15実施形態では、第1案内領域を第2案領域に向かって移動する際の被案内部材344の周方向における移動方向と、第2案内領域をその終端(第3端部14351i)へ向かって移動する際の被案内部材344の周方向における移動方向とが反対方向に設定される。
よって、遊技者は、操作ユニット320を初期位置から終端位置に変位させるためには、その途中で操作ユニット320の回転方向を反対方向(例えば、右回転から左回転)へ切り替える必要がある。その結果、遊技者に操作ユニットの複雑な操作をさせることができ、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、第15実施形態では、第2案内領域(第4案内面14351d)が傾斜して延設されるので、操作ユニット320の押し込み操作によっても、被案内部材344を第2案内領域に沿って第3端部14351iまで移動させることができる。
このように、操作ユニット320を初期位置(被案内部材344が第1端部351eに配置される位置)から終端位置(被案内部材344が第3端部14351iに到達する位置)まで変位させる操作として、回転操作であれば、遊技者に二段階操作(回転方向を途中で切り替える操作)を必要とさせることができる。よって、操作感が単調となることを抑制できる。一方で、押し込み操作であれば、操作ユニット320を初期位置(被案内部材344が第1端部351eに配置される位置)から終端位置(被案内部材344が第3端部14351iに到達する位置)まで一方向の操作により変位させることができる。
即ち、回転操作と押し込み操作のいずれの操作であっても、操作ユニット320を初期位置(被案内部材344が第1端部351eに配置される位置)から終端位置(被案内部材344が第3端部14351iに到達する位置)まで変位させることができるので、操作の種類を遊技者に任意に選択させることができる。その結果、操作感にバリエーションを与えることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成してもよい。
上記第1実施形態では、背面側案内ユニット370は、第1部371と第2部372とが連結される1部材から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面側案内ユニット370は、第1部371と第2部372とをそれぞれ別の部材から形成して、第1部371と第2部372とを組み上げるものであってもよい。
この場合、第1部371、及び、第2部372とを別々に形成することで、それら第1部371、及び、第2部372の形状を複雑しやすくできる。その結果、背面側案内ユニット370の設計の自由度を向上して、背面側案内ユニット370に沿って変位する被案内部材344の移動方向のバリエーションを増加できる。
上記第1実施形態では、案内溝351の第2案内面351bが第1案内面351aとの連結部分に近づくに従って正面側(矢印F方向側)へ近接しつつ周方向へ延設される傾斜した案内面として形成され、被案内部材344が第2端部351fに当接する位置まで案内された状態の操作ユニット320が非操作とされた場合に、コイルばねSP1の正面側への付勢力により第2案内面351bに沿って被案内部材344が第1案内領域に案内される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第2円環部材362の周方向における第2案内面351bの延設方向を水平方向と平行に延設してもよく、または、第2円環部材362の周方向における第2案内面351bの延設方向を第1案内面351aから離れつつ正面側に近接する方向に延設してもよい。
この場合、コイルばねSP1の正面側への付勢力により被案内部材344が第1案内領域側に移動することを抑制できる。即ち、被案内部材344を第2端部351fに当接する位置で維持できる。よって、被案内部材344が第2端部351fに当接する位置まで案内された状態の操作ユニット320を初期位置に復帰させる場合には、操作ユニット320を正面左回りに回転させる操作を遊技者にさせることができる。従って、操作ユニット320の操作を複雑にすることができ、操作ユニット320の操作が単調になって遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
なお、基部ユニット391のコイルばねSP2の付勢力により回転ユニット340の被案内部材344が第1案内領域側に向かって案内される場合には、第2円環部材362の周方向における第2案内面351bの正面側への傾斜角度を大きくすることで、被案内部材344を第2端部351fに当接する位置で維持できる。
また、第2円環部材362の周方向における第2案内面351bの延設方向を水平方向と平行に延設する場合には、操作ユニット320が初期位置から終端位置まで回転操作されると、それぞれの延設方向が異なる第1案内領域と第2案内領域に被案内部材344が案内されることで、操作ユニット320の回転量に対する背面側へのスライド変位が操作ユニット320の回転途中で非変位とされる。即ち、操作ユニット320が回転変位される途中で、背面側へのスライド変位が非形成とされる。これにより、操作ユニット320の操作に興趣を与えることができる。
上記第5実施形態では、2箇所の鉤部5396mにより変位ユニット5395がベース板5392aの正面側に変位することを抑制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、円環形状に形成されるローラ5396jの軸方向の一端側(背面側)を摺動溝5392a2の幅よりも拡径して、ローラ5396jで変位ユニット5395がベース板5392aの正面側に変位することを抑制してもよい。なお、この場合、ベース板5392aの正面に変位ユニット5395を配設した後に、ローラ5396jを取り付けて、基部ユニット5391に変位ユニット5395が配設される。
上記第5実施形態では、本体部396aの中心を軸とする係合孔5396b1の周方向の大きさが、本体部396aの中心を軸とする係合片342bの周方向の大きさと略同一に設定され、変位ユニット5395と操作ユニット320との変位を常に連動させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、本体部396aの中心を軸とする係合孔5396b1の周方向の大きさを、本体部396aの中心を軸とする係合片342bの周方向の大きさよりも大きく設定してもよい。この場合、係合孔5396b1と係合片342bとの本体部396aの中心を軸とする周方向の隙間分、変位ユニット5395を動作させるタイミングと操作ユニット320を動作させるタイミングとに差を設けることができる。
上記第5実施形態では、第1変位部材5396の回転軸部5396iに配設したローラ5396jと、ベース部材5392の摺動溝5392a2と、で第1変位部材5396(変位ユニット5395)の変位方向を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第1変位部材5396の回転軸部5396iを非形成(ローラ5396jを非搭載)として、第1変位部材5396(変位ユニット5395)の変位方向を2箇所の鉤部5396mと、ベース部材5392の摺動溝5392a2と、で規制してもよい。この場合、2箇所の鉤部5396mは弾性変形可能に形成されるので、第1変位部材5396の歯部5396kとピニオン5398aとの歯合状態が悪くなり歯部5396kとピニオン5398aとの抵抗が大きくされる場合に、鉤部5396mを弾性変形させて、歯部5396kとピニオン5398aとの歯合を安定させることができる。
なお、この場合、2箇所の鉤部5396mは、本体部396aの径方向におけるそれぞれの対向方向外側の離間距離が、摺動溝5392a2の幅方向と略同一に設定されることが好ましい。これにより、鉤部5396mが摺動溝5392a2との係合を解除される方向に弾性変形された場合に、鉤部5396mの先端とベース板5392aとの前後方向における重なり代がなくなることを抑制できる。その結果、鉤部5396mの摺動溝5392a2との係合が解除されることを抑制できる。
また、2箇所の鉤部5396mは、本体部396aの径方向におけるそれぞれの対向方向外側の離間距離が、摺動溝5392a2の幅方向よりも大きく設定されて、鉤部5396mを弾性変形させた状態で摺動溝5392a2に係合させてもよい。この場合、摺動溝5392a2との係合を解除する方向への鉤部5396mの弾性変形に必要な力を大きくすることができるので、鉤部5396mと摺動溝5392a2との係合が解除されることを抑制できる。
上記第7実施形態では、規制片7392fに第2凸部7392f2が形成され、第2変位部材7397に凹部7397f1が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、規制片7392fに凹部を形成して、第2変位部材7397に凸部を形成しても良く、変位ユニット7395が初期付勢位置に配置される場合に、規制片7392fと第2変位部材7397とが係合するものであれば良い。
上記第10実施形態では、操作子10335を連結部材10336に対して正面視左回りに空回り可能に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作子10335の膨出部10331g1,10332g1を異形にして、操作子10335が正面視左回りに回転される場合に、膨出部10331g1,10332g2を連結部材10336の突設部331b,332bに当接させて、操作子10335の正面視左回りの回転を規制するものであってもよい。
この場合、操作子10335を初期位置に復帰させる手段(例えば、バネ部材)を操作ユニット10320が備える必要がなくなるので、操作ユニット10320の部品点数を削減できる。又、操作ユニット10320の組み立てを簡易にできる。
上記第10実施形態では、正面視左回りに回転された操作子10335の初期位置への復帰をバネ部材の付勢力により行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、操作子10335の重心を初期位置に配置される操作子10335の下方位置に設定して、正面視左回りに回転された操作子10335の初期位置への復帰を操作子10335の自身の自重により行うものであってもよい。
上記第11実施形態では、案内溝11351が第1案内領域、第2案内領域、第3案内領域から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第2案内領域を省いて案内溝111351を第1案内領域、第3案内領域のみで形成してもよい。
この場合、遊技者が操作ユニット320を背面側に向かって押し込み操作すると、第1案内領域を移動する被案内部材344が第3案内面351cに沿って移動され、第1案内領域から第3案内領域に移動される。従って、遊技者が操作ユニット320を押し込み操作した後に操作ユニット320を非操作とする場合には、回転ユニット340がコイルばねSP1の付勢力により正面側に押し出されて被案内部材344が第3案内領域を正面側に向かって移動する。
第3案内領域は、第1案内領域よりも被案内部材344を移動させる距離が短く形成されるので、操作ユニット320を複数回連続して遊技者に操作させる場合に、操作ユニット320の初期位置への復帰にかかる時間を短くして、操作ユニット320を複数回連続して操作させやすくできる。その結果、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
上記第11実施形態では、操作ユニット320の前後方向における位置を検出するために、操作ユニット320の回転中心に回転ユニットの背面側から円柱状の検出片を突設する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作ユニット320の回転中心を軸とする円環状の突壁を回転ユニット340の背面側から突設して、その突壁を検出可能な位置にセンサ装置を配置してもよい。
上記第1,3,5〜7実施形態では、変位ユニット395,3395,5395,7395が正面視おいて回転変位される場合について説明したが、変位ユニット395,3395,5395,7395は、上記第2,4実施形態における変位ユニット2395,4395の直線変位されるものであってよく。反対に、上記第2,4実施形態では、変位ユニット2395,4395が直線変位される場合について説明したが、上記第1,3,5〜7実施形態における変位ユニット395,3395,5395,7395の回転変位されるものであってもよい。
上記第1実施形態から第7実施形態における変位ユニット395,2395,3395,4395,5395,7395をそれぞれ組み合わせてもよい。
上記実施形態では、本発明をスロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入およびメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入および球払出機能を持たせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは、球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおける、遊技価値たるメダルと球との別個の取り扱いによる設備上の負担や遊技機設置場所の制約といった問題を解消し得る。
また、本発明をパチンコ機に適用することも可能である。パチンコ機の場合、外枠に遊技機本体が装着されると共に、遊技機本体の前面側に扉部材が設けられる。遊技機本体には、遊技球飛翔領域としての遊技領域が形成されると共に作動口や液晶表示装置などが設置された遊技盤が搭載され、扉部材に設けられた視認窓により、遊技領域や液晶表示装置が視認可能となっている。そして、遊技球発射装置により発射された遊技球が作動口に入賞することに伴い、内部抽選が行われると共に液晶表示装置上にて絵柄の可変表示が行われる。かかるパチンコ機に上記実施形態の表示制御装置とサブ制御装置との構成を適用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<ベースユニット390を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材を前記ベース部材に保持する保持手段と、を備えた遊技機において、前記保持手段は、弾性変形可能に形成される弾性部を備え、前記ベース部材に前記変位部材を装着する際には、前記変位部材に当接した前記弾性部が弾性変形して、前記ベース部材への前記変位部材の装着が許容され、前記ベース部材に装着された前記変位部材が前記弾性部に当接されると、その当接する方向への前記変位部材の変位が前記弾性部により規制されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設される遊技機が知られている(例えば、特開2012−130539号)。かかる技術では、ベース部材に溝が開口され、その溝に変位部材の突部が挿通される。よって、溝の終端に突部が当接されることで、変位部材のスライド変位の終点が規定される。なお、突部の先端には、溝幅より大きいカラーが締結固定される。これにより、変位部材がベース部材に保持され、その脱落が防止される。
また、ベース部材から立設される壁部を変位部材の変位軌跡上に位置させ、その壁部に変位部材を当接させることで、スライド変位の終点を規定する遊技機も知られている(例えば、特開2017−29609号)。なお、ベース部材には、蓋部材が配設され、ベース部材と蓋部材との間に変位部材が収納される。これにより、変位部材がベース部材に保持され、その脱落が防止される。
しかしながら、上記例示した従来の遊技機では、カラーや蓋部材といった別部品が必要となるばかりか、これら別部品をベース部材にねじにより締結固定することが必要となり、工数が嵩む。そのため、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、弾性部が弾性変形されることで、変位部材がベース部材に装着され、その装着の後は、弾性回復した弾性部により変位部材の変位が規制される。即ち、変位部材がベース部材に保持される。よって、別部品が不要となるばかりか、かかる別部品を取り付ける工程も不要とできるので、その分、製品コストを低減できる。
遊技機A1において、前記変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位され、前記変位部材は、前記第1位置と第2位置との間で変位される際の変位軌跡の少なくとも一部に重なる位置において前記変位軌跡に直交する方向に変位された後、前記変位規制に沿って変位されることで、前記ベース部材に装着されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位される際の変位軌跡の少なくとも一部に重なる位置において変位軌跡に直交する方向に変位された後、変位規制に沿って変位されることで、ベース部材に装着されるので、変位部材をベース部材に装着する際に、変位部材の変位軌跡に変位部材を重ねることができる。よって、その重なり代の分、変位部材を装着する際に必要とされるベース部材上のスペースを小さくできる。
遊技機A2において、前記ベース部材または前記変位部材の一方から突設される突部と、その突部が通過可能に形成され、前記ベース部材または前記変位部材の他方に凹設される凹部とを備え、前記突部が前記凹部を通過されることで、前記変位軌跡の少なくとも一部と重なる位置において前記変位部材が前記変位軌跡に直交する方向に変位されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、突部が凹部を通過されることで、変位軌跡の少なくとも一部と重なる位置において変位部材が変位軌跡に直交する方向に変位されるので、変位部材をベース部材に装着する際の変位部材の変位軌跡と変位部材との重なり代をより大きくすることができる。よって、変位部材を装着する際に必要とされるベース部材上のスペースをより小さくできる。
遊技機A2又はA3において、前記変位部材が前記第1位置に配置された状態において、前記ベース部材または前記変位部材に前記弾性部が係合されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、変位部材が第1位置に配置された状態において、ベース部材または変位部材に弾性部が係合されるので、弾性部がベース部材または変位部材に当接される毎にその当接方向へ弾性変形することを抑制できる。よって、弾性部に変形癖がつくことを抑制できる。
遊技機A4において、前記変位部材を前記第1位置に保持する方向への付勢力を前記変位部材に付与する付勢手段を備えることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、変位部材を前記第1位置に保持する方向への付勢力を変位部材に付与する付勢手段を備えるので、弾性部がベース部材または変位部材に当接して係合された状態(弾性部の弾性変形が規制された状態)を維持できる。よって、弾性部が不正に弾性変形されて、変位部材が取り外されることを抑制できる。
<ベースユニット390を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材を前記ベース部材に保持する保持手段と、を備えた遊技機において、前記保持手段は、前記ベース部材または前記変位部材の一方に弾性変形可能に配設される弾性部を備え、前記変位部材は、前記ベース部材に前記弾性部により保持されることを特徴とする遊技機B1。
ここで、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設される遊技機が知られている(例えば、特開2012−130539号)。かかる技術では、ベース部材に溝が開口され、その溝に変位部材の突部が挿通される。よって、溝の終端に突部が当接されることで、変位部材のスライド変位の終点が規定される。なお、突部の先端には、溝幅より大きいカラーが締結固定される。これにより、変位部材がベース部材に保持され、その脱落が防止される。
また、ベース部材から立設される壁部を変位部材の変位軌跡上に位置させ、その壁部に変位部材を当接させることで、スライド変位の終点を規定する遊技機も知られている(例えば、特開2017−29609号)。なお、ベース部材には、蓋部材が配設され、ベース部材と蓋部材との間に変位部材が収納される。これにより、変位部材がベース部材に保持され、その脱落が防止される。
しかしながら、上記例示した従来の遊技機では、カラーや蓋部材といった別部品をベース部材にねじにより締結固定することが必要となるため、組み立てが煩雑であるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、保持手段が、ベース部材または変位部材の一方に弾性変形可能に配設される弾性部を備え、変位部材は、ベース部材に弾性部により保持されるので、カラーや蓋部材といった別部品をねじにより締結固定することを不要とできる。よって、組み立てを容易とできる。
遊技機B1において、前記変位部材は、一方向へ変位されることで、前記ベース部材に前記弾性部により保持されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、変位部材は、一方向へ変位されることで、ベース部材に弾性部により保持されるので、複雑な操作を行う必要がない。即ち、例えば、一方向へ押し込むなどの簡易な操作で、変位部材をベース部材に保持させることができる。よって、組み立てを容易とできる。
遊技機B2において、前記保持手段は、前記ベース部材または前記変位部材の一方に配設され前記ベース部材または前記変位部材の他方と係合可能に形成される係合部を備え、前記変位部材は、前記ベース部材または前記変位部材の他方が前記係合部に係合された状態で、一方向へ変位されることで、前記ベース部材に前記弾性部により保持されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、保持手段は、ベース部材または変位部材の一方に配設されベース部材または変位部材の他方と係合可能に形成される係合部を備え、変位部材は、ベース部材または変位部材の他方が係合部に係合された状態で、一方向へ変位されることで、ベース部材に弾性部により保持される。よって、係合部に係合された部分を支点として、一方向へ変位させることができるので、遊技機B2の奏する効果に加え、組み立てを容易とできる。
また、変位部材をベース部材に保持する部位として、弾性部に加え、係合部も利用できるので、保持強度を向上できる。よって、ベース部材から変位部材を脱落し難くできる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記保持手段は、前記ベース部材または前記変位部材の他方に開口され前記変位部材の変位方向に沿って延設される開口部を備え、その開口部に前記弾性部が挿通されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、保持手段は、ベース部材または変位部材の他方に開口され変位部材の変位方向に沿って延設される開口部を備え、その開口部に弾性部が挿通されるので、スペース効率を向上できる。即ち、開口部および弾性部に、ベース部材に対する変位部材の変位を案内する機能と、ベース部材に変位部材を保持させる機能との両機能を兼用させることができる。よって、両機能を別々に設ける場合と比較して、スペース効率を向上できる。
遊技機B4において、前記変位部材は、その外縁に沿って歯が刻設されたラックとして形成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、変位部材は、その外縁に沿って歯が刻設されたラックとして形成されるので、歯の刻設範囲を確保しやすくできる。即ち、上述したように、変位を案内する機能と保持する機能とを開口部および弾性部に担わせることができ、これら両機能を変位部材の外縁に設ける必要がない。よって、その分、変位部材の外縁に歯の刻設範囲を確保できる。
<ベースユニット390を一例とする発明の概念について>
遊技者の操作により変位可能に形成される操作子を備える遊技機において、所定の変位領域で前記操作子に当接する第1部材を備え、その第1部材との当接により前記操作子の操作感が変化されることを特徴とする遊技機C1。
ここで、操作子を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2017−29609号)。操作子としては、例えば、押下操作が可能なボタンや回転操作が可能なレバーなどが例示される。
しかしながら、上記例示した遊技機では、操作子の操作位置が把握し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、所定の変位領域で前記操作子に当接する第1部材を備え、その第1部材との当接により前記操作子の操作感が変化されるので、その操作感の変化に基づいて、操作子の操作位置を把握しやすくできる。
遊技機C1において、前記第1部材は、前記操作子が所定位置へ近づくに従って前記操作子へ作用させる反力を大きくすることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、第1部材は、操作子が所定位置へ近づくに従って操作子へ作用させる反力を大きくするので、操作子が所定位置に近づいたことを遊技者に認識させやすくできる。
遊技機C2において、前記操作子が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記第1部材は、前記操作子が前記所定位置を超えると、前記操作子または前記ベース部材に衝突されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、操作子が変位可能に配設されるベース部材を備え、第1部材は、操作子が所定位置を超えると、操作子またはベース部材に衝突されるので、その衝突により、操作子へ振動を伝達することができる。これにより、操作子が所定位置まで変位されたことを遊技者に認識させやすくできる。
遊技機C3において、前記第1部材は、前記操作子が前記所定位置を超えると、前記ベース部材に衝突することを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第1部材は、操作子が所定位置を超えると、ベース部材に衝突するので、操作子の破損を抑制できる。なお、操作子は、ベース部材に配設されるので、第1部材の衝突による振動は、ベース部材を介して、操作子に伝達できる。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記操作子との当接により弾性変形される弾性体として形成され、前記操作子が前記所定位置を超えると、前記操作子との当接が解除され、弾性回復により前記ベース部材または前記操作子に衝突されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C2からC4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材は、操作子との当接により弾性変形される弾性体として形成され、操作子が所定位置を超えると、操作子との当接が解除され、弾性回復によりベース部材または操作子に衝突されるので、構造を簡素化できる。即ち、第1部材の弾性変形およびその弾性回復により、操作子へ作用させる反力の形成と、操作子またはベース部材への衝突のための第1部材の変位とを形成でき、反力の形成や衝突させるためのアクチュエータを別途設けることを不要とできる。
遊技機C5において、前記第1部材は、前記操作子が所定位置を超えて変位されると、前記操作子との当接が解除され、その弾性回復により前記操作子または前記ベース部材に衝突することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、第1部材は、操作子が所定位置を超えて変位されると、操作子との当接が解除され、その弾性回復により操作子またはベース部材に衝突する、即ち、第1部材の弾性変形およびその弾性回復を利用する機械的な構造であるので、例えば、アクチュエータを用いて電気的に制御する場合と比較して、信頼性を向上できる。
遊技機C5又はC6において、前記第1部材は、前記ベース部材または前記操作子の一方に衝突する衝突部を備え、その衝突部が破損した場合には、前記第1部材の他の部分が前記ベース部材または前記操作子に衝突することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C5又はC6の奏する効果に加え、第1部材は、ベース部材または操作子の一方に衝突する衝突部を備え、その衝突部が破損した場合には、第1部材の他の部分がベース部材または前記操作子に衝突するので、操作子への振動の伝達を確実に形成できる。即ち、衝突部の破損が生じた場合でも、操作子が所定位置まで変位されたことを遊技者に認識させることができる。
遊技機C5からC7のいずれかにおいて、操作子は、前記第1部材と当接可能な第1位置と、前記第1部材と非当接とされる第2位置との間で変位可能な変位部材を備え、前記操作子が第1方向へ変位される場合には、前記変位部材が前記第1位置に配置され、前記操作子が前記第1方向と反対方向となる第2方向へ変位される場合には、前記変位部材が前記第2位置に配置されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C5からC7のいずれかの奏する効果に加え、操作子は、第1部材と当接可能な第1位置と、第1部材と非当接とされる第2位置との間で変位可能な変位部材を備え、操作子が第1方向へ変位される場合には、変位部材が第1位置に配置され、操作子が第1方向と反対方向となる第2方向へ変位される場合には、変位部材が第2位置に配置されるので、操作子を第1方向へ変位させる場合のみ操作感を変更し、操作子を第2方向へ変位させる場合には操作感を非変更とできる。よって、いずれの方向に操作子を変位させる場合にも操作感が変更されることを回避でき、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
遊技機C8において、前記変位部材は、前記操作子が前記第2方向へ変位される際に前記第1部材に当接されることで前記第1位置から前記第2位置に変位されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、変位部材は、操作子が第2方向へ変位される際に第1部材に当接されることで第1位置から第2位置に変位されるので、変位部材を変位させるための構成を別途設ける必要がなく、かかる構成を第1部材に兼用させることができる。よって、その分、部品点数を削減できる。
遊技機C9において、前記ベース部材は、前記操作子が前記第2方向の終端に配置される場合に前記変位部材を第2位置から第1位置に変位させる係合片を備えることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、前記ベース部材は、操作子が第2方向の終端に配置される場合に変位部材を第2位置から第1位置に変位させる係合片を備えるので、操作子が第1方向へ変位される場合に、変位部材を第1部材に当接させることができる。
遊技機C10において、前記係合片は、弾性変形可能に形成されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、係合片は、弾性変形可能に形成されるので、操作子が第2方向の終端に配置される際に、変位部材が係合片に衝突しても、その衝突による衝撃を係合片の弾性変形により吸収できる。よって、変位部材の破損を抑制できる。
<変位ユニット300(操作ユニット320)を一例とする発明の概念について>
遊技者の操作により第1位置から第2位置へ変位可能に形成される操作子を備えた遊技機において、第1方向への操作または前記第1方向とは異なる方向である第2方向への操作のいずれの方向への操作においても前記操作子が前記第1位置から前記第2位置へ変位されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、操作子を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2017−29609号)。操作子としては、例えば、押下操作が可能なボタンや回転操作が可能なレバーなどが例示される。
しかしながら、上記例示した従来の遊技機では、操作感が単調であるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、第1方向への操作または第1方向とは異なる方向である第2方向への操作のいずれの方向への操作においても操作子が第1位置から第2位置へ変位されるので、操作の種類を遊技者が任意に選択できる。その結果、操作感にバリエーションを与えることができる。
遊技機D1において、前記操作子は、前記第2位置から第3位置へ変位可能に形成され、前記第2方向への操作により前記操作子が前記第2位置から前記第3位置へ変位され、前記第1方向への操作では、前記操作子の前記第2位置から前記第3位置への変位が規制されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2方向への操作により操作子が第2位置から第3位置へ変位され、第1方向への操作では、操作子の第2位置から第3位置への変位が規制されるので、操作子を第1位置から第3位置へ変位させる操作を複雑化(一段階操作と二段階操作の混合を形成)できる。即ち、第1方向の操作では、第1位置から第3位置への操作子の変位を完了できず(その後、第2位置において第2方向の操作を更に行うことが必要)、一方で、第2方向の操作であれば、1動作で第1位置から第3位置への操作子の変位を完了できる。
遊技機D1において、前記操作子は、前記第2位置から第3位置へ変位可能に形成され、前記第1方向および前記第2方向の両者と異なる方向である前記第3方向への操作により前記操作子が前記第2位置から前記第3位置へ変位され、前記第1方向および前記第2方向への操作では、前記操作子の前記第2位置から前記第3位置への変位が規制されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1方向および第2方向の両者と異なる方向である第3方向への操作により操作子が前記第2位置から前記第3位置へ変位され、記第1方向および第2方向への操作では、操作子の第2位置から第3位置への変位が規制されるので、操作子を第1位置から第3位置へ変位させる操作として、二段階操作を必要とさせることができる。よって、操作感が単調となることを抑制できる。また、操作子が不用意に第2位置から第3位置へ変位(操作)されることを抑制できる。
即ち、第1方向への操作または第2方向への操作により操作子を第1位置から第2位置へ変位させた後は、次いで、それら第1方向または第2方向と異なる方向である第3方向への操作を行わなければ操作子を第3位置へ変位させることができない。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1方向の操作または前記第2方向の操作の一方は、前記操作子を回転させる操作であり、前記第1方向の操作または前記第2方向の操作の他方は、前記操作子を直動させる操作であることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、第1方向の操作または第2方向の操作の一方は、操作子を回転させる操作であり、第1方向の操作または第2方向の操作の他方は、操作子を直動させる操作であるので、操作方向の相違を顕著とできる。よって、異なる方向への操作による操作感の変化をより明確とできる。
遊技機D4において、前記第1方向の操作または前記第2方向の操作の一方における回転の回転軸の方向と、前記第1方向の操作または前記第2方向の操作の他方における直動の方向とが平行とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、第1方向の操作または第2方向の操作の一方における回転の回転軸の方向と、第1方向の操作または第2方向の操作の他方における直動の方向とが平行とされるので、第1方向への操作または第2方向への操作のいずれにおいても、操作子を第1位置から第2位置へ変位させやすくできる。
遊技機D5において、前記操作子が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材または前記操作子の一方に形成される案内部と、前記ベース部材または前記操作子の他方に形成され前記案内部に沿って案内される被案内部とを備え、前記被案内部が前記案内部に沿って案内されることで、前記操作子が少なくとも前記第1位置から前記第2位置へ変位されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、操作子が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材または操作子の一方に形成される案内部と、ベース部材または操作子の他方に形成され案内部に沿って案内される被案内部とを備え、被案内部が案内部に沿って案内されることで、操作子が少なくとも第1位置から第2位置へ変位されるので、構造を簡素化できる。また、第1方向の操作および第2方向の操作(例えば、直動および回転)において、被案内部が案内される案内部(案内面)を異ならせることができる。その結果、例えば、案内部(案内面)の形状を異ならせて、操作子の変位態様や操作感を異ならせることができる。
遊技機D6において、前記第1方向の操作または前記第2方向の操作の一方における回転の回転軸の方向視において、前記回転軸に重なる位置に前記操作子の前面が配設されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、第1方向の操作または第2方向の操作の一方における回転の回転軸の方向視において、回転軸に重なる位置に操作子の前面が配設されるので、操作子の押し込み操作する場合に、操作子を回転軸に対して傾斜させる方向の力成分を形成し難くできる。よって、押し込み操作された操作子をスムーズに直動させることができる。
遊技機D6又はD7において、前記第1方向の操作または前記第2方向の操作の一方における回転の回転軸に直交する方向視において、前記回転軸に重なる位置に前記操作子の対向する側面がそれぞれ配設されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6又はD7の奏する効果に加え、第1方向の操作または第2方向の操作の一方における回転の回転軸に直交する方向視において、回転軸に重なる位置に操作子の対向する側面がそれぞれ配設されるので、操作子の対向する側面を持ち手とできると共に、その対向する側面を把持して操作子を回転させやすくできる。
<変位ユニット300(操作ユニット320)を一例とする発明の概念について>
遊技者に一方向へ操作されて変位される操作子を備えた遊技機において、前記一方向への操作により、第1動作と、その第1動作と異なる第2動作とが前記操作子に形成されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、操作子を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2017−29609号)。操作子としては、例えば、押下操作が可能なボタンや回転操作が可能なレバーなどが例示される。
しかしながら、上記例示した従来の遊技機では、操作子は、一方向への操作により、一の動作が形成されるのみで、操作子の操作に興趣を与え難いという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、一方向への操作により、第1動作と、その第1動作と異なる第2動作とが操作子に形成されるので、操作子の操作に興趣を与えることができる。
なお、一方向への操作としては、例えば、操作子を押圧する押し込み操作、操作子を引っ張る引き出し(引き抜き)操作、操作子を傾ける傾倒操作、操作子をスライドさせるスライド操作、操作子を回転させる回転操作、これらの操作を組み合わせた操作などが例示される。また、第1動作および第2動作の態様としては、例えば、直線に沿って変位(直線変位)する動作、曲線に沿って変位(曲線変位)する動作、軸を中心に回転する動作、これらの変位を組み合わせた変位をする動作などが例示される。
遊技機E1において、前記一方向への操作の途中で、前記第1動作または前記第2動作の少なくとも一方の態様が変化されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、一方向への操作の途中で、第1動作または第2動作の少なくとも一方の態様が変化されるので、操作子の操作に興趣を与えることができる。
遊技機E2の態様としては、例えば、第1の態様として、押し込み操作(一方向への操作)により、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とが操作子に形成される態様であって、その押し込み操作の途中で、操作子の回転動作(第2動作)の回転方向が逆方向(例えば、右回転から左回転)に変化される態様が、第2の態様として、押し込み操作(一方向への操作)により、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とが操作子に形成される態様であって、その押し込み操作の途中で、押し込み操作の単位押し込み量あたりの操作子の回転量(回転角)が増加または減少(回転量が0となるものを含む)される態様が、第3の態様として、回転操作(一方向への操作)により、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とが操作子に形成される態様であって、その回転操作の途中で、回転操作の単位回転角あたりの操作子の直線変位量が増加または減少(直線変位量が0となるものを含む)される態様が、それぞれ例示される。
遊技機E1又はE2において、前記一方向への操作の途中で、前記第1動作または前記第2動作の一方が非形成とされることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、一方向への操作の途中で、第1動作または第2動作の一方が非形成とされるので、操作子の操作に興趣を与えることができる。
なお、一方向への操作の途中とは、その操作の範囲のいずれのタイミングであっても良い。即ち、第1動作または第2動作の一方が非形成とされるのは、第1動作と第2動作とが形成される前であっても後であっても良い。
よって、遊技機E3の態様としては、例えば、第1の態様として、押し込み操作(一方向への操作)の前半では、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とが操作子に形成され、押し込み操作の後半では、直線変位する動作(第1動作)のみが操作子に形成され、回転する動作(第2動作)が非形成とされる態様が、第2の態様として、押し込み操作(一方向への操作)の前半では、直線変位する動作(第1動作)のみが操作子に形成され、回転する動作(第2動作)が非形成とされ、押し込み操作の後半では、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とが操作子に形成される態様が、それぞれ例示される。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記操作子が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記操作子は、前記ベース部材に案内される基部材と、その基部材に回転可能に連結され遊技者に操作される部位となる被操作部材とを備えることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、操作子が変位可能に配設されるベース部材を備え、操作子は、ベース部材に案内される基部材と、その基部材に回転可能に連結され遊技者に操作される部位となる被操作部材とを備えるので、被操作部材を操作する際の操作感を向上できる。
例えば、押し込み操作(一方向への操作)により、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とが操作子に形成される態様では、第2動作(回転)の形成に伴い、操作子が操作者の手の平に対して回転される。そのため、手の平が操作子により擦られて、操作感の低下を招く。
これに対し、遊技機E4によれば、被操作部材が基部材に回転可能に連結されているので、押し込み操作(一方向への操作)により、直線変位する動作(第1動作)と、回転する動作(第2動作)とを基部材に形成できる一方で、被操作部材が遊技者の手の平に対して回転されることを抑制できる。よって、手の平が操作子により擦られることを抑制して、操作感を向上できる。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記操作子が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材または前記操作子の一方に形成される案内部と、前記ベース部材または前記操作子の他方に形成され前記案内部に沿って案内される被案内部とを備え、前記被案内部が前記案内部に沿って案内されることで、前記操作子が変位されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、操作子が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材または操作子の一方に形成される案内部と、ベース部材または操作子の他方に形成され案内部に沿って案内される被案内部とを備え、被案内部が案内部に沿って案内されることで、操作子が変位されるので、第1動作および第2動作を同時に形成可能としつつ、その構造を簡素化できる。
<変位ユニット300(操作ユニット320)を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機において、前記ベース部材または前記変位部材の一方に形成される被案内部と、前記ベース部材または前記変位部材の他方に形成され前記被案内部を案内する案内部と、を備え、前記被案内部は、前記変位部材の変位状態に応じて、前記案内部の異なる領域を案内されることを特徴とする遊技機F1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備え、変位部材から突設されたピンが、ベース部材に形成された溝に沿って摺動することで、変位部材の変位態様を規定する遊技機が知られている(例えば、特開2012−130539)。
しかしながら、上記例示した従来の遊技機では、変位部材の変位状態に関わらず、同一の領域を案内されるため、その領域に負荷が集中し、耐久性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、ベース部材または変位部材の一方に形成される被案内部と、ベース部材または変位部材の他方に形成され被案内部を案内する案内部とを備え、被案内部は、変位部材の変位状態に応じて、案内部の異なる領域を案内されるので、負荷を受ける領域を分散でき、一部の領域に負荷が集中することを抑制できる。その結果、耐久性を向上できる。
なお、変位部材の変位状態としては、例えば、変位部材の変位の方向、変位部材に作用される外力の態様などが例示される。
遊技機F1において、前記変位部材は、第1位置と第2位置との間を変位可能に形成され、前記被案内部が案内される前記案内部の領域は、前記変位部材が前記第1位置から前記第2位置へ変位される場合と、前記変位部材が前記第2位置から前記第1位置へ変位される場合とで異なることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、変位部材は、第1位置と第2位置との間を変位可能に形成され、被案内部が案内される案内部の領域は、変位部材が第1位置から第2位置へ変位される場合と、変位部材が第2位置から第1位置へ変位される場合とで異なるので、負荷を受ける領域を分散でき、一部の領域に負荷が集中することを抑制できる。その結果、耐久性を向上できる。
このように、変位部材が第1位置と第2位置との間を往復する場合には、変位部材は往路と復路とを交互に変位されるため、被案内部が案内される案内部の領域を、変位部材の往路と復路とで異ならせることで、負荷を受ける領域を効率的に分散できる。その結果、耐久性の向上に特に有効となる。
遊技機F1又は2において、前記変位部材は、遊技者により第1方向とその第1方向とは異なる第2方向のいずれの方向にも操作可能に形成され、前記被案内部が案内される前記案内部の領域は、前記変位部材が第1方向へ操作される場合と、前記変位部材が前記第2方向へ操作される場合とで異なることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、変位部材は、遊技者により第1方向とその第1方向とは異なる第2方向のいずれの方向にも操作可能に形成され、被案内部が案内される案内部の領域は、変位部材が第1方向へ操作される場合と、変位部材が第2方向へ操作される場合とで異なるので、負荷を受ける領域を分散でき、一部の領域に負荷が集中することを抑制できる。その結果、耐久性を向上できる。
このように、変位部材が遊技者により操作される操作子として形成され、第1方向とその第1方向とは異なる第2方向のいずれの方向にも操作可能とされる場合には、遊技状態に応じて操作の方向が選択され、同じ操作(操作方向)は繰り返され難いため、被案内部が案内される案内部の領域を、第1方向への操作と第2方向への操作とで異ならせることで、負荷を受ける領域を効率的に分散できる。その結果、耐久性の向上に特に有効となる。
遊技機F2において、第1部材と、第2部材とを備え、前記案内部は、前記変位部材が前記第1位置から前記第2位置へ変位される場合に前記被案内部が案内される領域が前記第1部材に形成され、前記変位部材が前記第2位置から前記第1位置へ変位される場合に前記被案内部が案内される領域が前記第2部材に形成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F3において、第1部材と、第2部材とを備え、前記案内部は、前記変位部材が前記第1方向へ操作される場合に前記被案内部が案内される領域が前記第1部材に形成され、前記変位部材が前記第2方向へ操作される場合に前記被案内部が案内される領域が前記第2部材に形成されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F4又はF5によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、案内部は、変位部材が第1位置から第2位置へ変位される場合または第1方向へ操作される場合に被案内部が案内される領域が第1部材に形成され、変位部材が第2位置から第1位置へ変位される場合または第2方向へ操作される場合に被案内部が案内される領域が第2部材に形成されるので、交換コストを低減できる。
即ち、1の部材に案内部が形成される場合には、案内部の領域の一部に破損や摩耗が生じたとしても、1の部材全体を交換する必要が生じる。これに対し、遊技機F4又はF5によれば、領域の一部に破損や摩耗が生じた場合には、その領域を形成する一方の部材(第1部材または第2部材の一方)のみを交換すれば良く、1部材全体の交換を不要とできる。よって、その分、交換コストを低減できる。
また、このように案内部を第1部材および第2部材から形成することで、一方の領域のみが破損や摩耗しやすい場合には、その領域を形成する一方の部材(第1部材または第2部材の一方)の材質のみ、他方の部材(第1部材又は第2部材の他方)よりも耐久性の高い材質とすることができる。これにより、材料コストを低減しつつ、耐久性の向上を図ることができる。
<変位ユニット300(案内ユニット350)を一例とする発明の概念について>
被案内部が突設される第1部材と、その被案内部を案内する溝状の案内部を有する第2部材とを備えた遊技機において、前記第2部材は、基部材と、その基部材に連結される連結部材とを備え、前記基部材と前記連結部材とにより前記案内部が形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備え、変位部材から突設されたピンが、ベース部材に形成された溝に沿って摺動することで、変位部材の変位態様を規定する遊技機が知られている(例えば、特開2012−130539)。
しかしながら、上記例示した従来の遊技機では、ベース部材と変位部材とを組み立てる際に、他の部材が存在すると、他の部材との干渉を回避しながら組み立てる(ピンを溝へ挿通させる)ことが必要となる場合がある。この場合には、他の部材との干渉を避けつつ作業する必要が生じるため、変位部材やベース部材、他の部材の形状が限定され、設計の自由度が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、第2部材は、基部材と、その基部材に連結される連結部材とを備え、基部材と連結部材とにより案内部が形成されるので、基部材または連結部材の一方に第1部材を配置した後、基部材または連結部材の他方を一方に連結して、全体を組み立てることができる。よって、他の部材との干渉を生じ難くできる。その結果、設計の自由度を高めることができる。
遊技機G1において、前記案内部は、前記被案内部を案内する方向に沿う案内面と、前記被案内部を案内する方向の終端を規定する終端面とを備え、前記基部材と前記連結部材との境界が、前記終端面、又は、前記終端面と前記案内面との接続部に形成されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、案内部は、被案内部を案内する方向に沿う案内面と、被案内部を案内する方向の終端を規定する終端面とを備え、基部材と連結部材との境界が、終端面、又は、終端面と案内面との接続部に形成されるので、寸法公差や組立公差に起因して段差が形成されやすい境界を被案内部が通過することを回避できる。よって、被案内部が段差を通過する際の衝撃や摩耗の発生を回避できる。その結果、被案内部をスムーズに変位させることができると共に、耐久性の向上を図ることができる。
遊技機G1又はG2において、前記案内部は、前記被案内部を案内する方向に沿う案内面と、前記被案内部を案内する方向の終端を規定する終端面とを備え、前記案内面は、対向配置される第1案内面と第2案内面とを備え、前記第1案内面が前記基部材により形成され、前記第2案内面が前記連結部材により形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、案内部は、被案内部を案内する方向に沿う案内面と、被案内部を案内する方向の終端を規定する終端面とを備え、案内面は、対向配置される第1案内面と第2案内面とを備え、第1案内面が基部材により形成され、第2案内面が連結部材により形成されるので、第1案内面と第2案内面とを別部材から形成することができる。その結果、第1案内面と第2案内面とに要求される特性に応じて、それぞれの材質を異ならせることができる。また、第1案内面または第2案内面の形状を変更する場合には、一方の部材のみを変更すれば良く、全体を変更することを不要とできる。
遊技機G3において、前記終端面は、前記被案内部を案内する方向の一側の終端を規定する第1終端面と、前記被案内部を案内する方向の他側の終端を規定する第2終端面とを備え、それら第1終端面と第2終端面とが前記基部材または前記連結部材の一方により形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、終端面は、被案内部を案内する方向の一側の終端を規定する第1終端面と、被案内部を案内する方向の他側の終端を規定する第2終端面とを備え、それら第1終端面と第2終端面とが基部材または連結部材の一方により形成されるので、破損しやすい箇所を1部品に集約して、部品の交換コストを低減できる。即ち、被案内部を案内する方向の終端を規定する面(部位)は、被案内部が衝突されるため、破損しやすいところ、かかる終端を規定する面(部位)が破損した場合には、基部材または連結部材の一方のみを交換すれば良く、全体を交換することを不要とできる。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記第1部材の第1方向に沿って形成される外面の周囲が前記第2部材に取り囲まれ、前記被案内部は、前記第1部材の外面から突設され、前記案内部は、前記連結部材の内面に形成され、前記基部材と前記連結部材とが前記第1方向に分割されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材の第1方向に沿って形成される外面の周囲が第2部材に取り囲まれ、記被案内部は、第1部材の外面から突設され、案内部は、連結部材の内面に形成され、基部材と連結部材とが第1方向に分割されるので、基部材と連結部材とを連続形状(環状)にできる。よって、被案内部を案内するための案内部が形成されるために剛性が要求される部材(基部材および連結部材)の剛性を向上できる。また、基部材と連結部材とに分割されることで、案内部の形成(型抜き)を容易とできる。
遊技機G3又はG4において、前記第1部材は、遊技者の操作により第1位置から第2位置へ変位可能に形成され、前記第1方向への操作により前記第1部材が前記第1位置から前記第2位置へ変位される場合には、前記被案内部が前記第1案内面により案内され、前記第1方向とは異なる方向である第2方向への操作により前記第1部材が前記第1位置から前記第2位置へ変位される場合には、前記被案内部が前記第2案内面により案内されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G3又はG4の奏する効果に加え、第1部材は、遊技者の操作により第1位置から第2位置へ変位可能に形成され、第1方向への操作により第1部材が第1位置から第2位置へ変位される場合には、被案内部が第1案内面により案内され、第1方向とは異なる方向である第2方向への操作により第1部材が第1位置から第2位置へ変位される場合には、被案内部が第2案内面により案内されるので、操作方向の種類(第1方向への操作または第2方向への操作)に応じた(適した)案内面(形状や材質)を採用できる。これにより、例えば、第1案内面と第2案内面の形状や材質を異ならせることで、操作感を異ならせることができる。或いは、摩耗の発生や衝撃の入力が大きい側には耐摩耗性や耐衝撃性の高い材質を採用する一方、摩耗の発生や衝撃の入力が小さい側には低コストの材質を採用することで、耐久性の向上と製品コストの低減とを達成できる。
遊技機A1からA5,B1からB5,C1からC11,D1からD8,E1からE5,F1からF5及びG1からG6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB5,C1からC11,D1からD8,E1からE5,F1からF5及びG1からG6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5,B1からB5,C1からC11,D1からD8,E1からE5,F1からF5及びG1からG6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備え、変位部材から突設されたピンが、ベース部材に形成された溝に沿って摺動することで、変位部材の変位態様を規定する遊技機が知られている(特開2012−130539号公報)。しかしながら、上記例示した遊技機では、耐久性が低下するという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、耐久性を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材とを備えたものであり、前記ベース部材または前記変位部材の一方に形成される被案内部と、前記ベース部材または前記変位部材の他方に形成され前記被案内部を案内する案内部と、を備え、前記被案内部は、前記変位部材の変位状態に応じて、前記案内部の異なる領域を案内される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記変位部材は、第1位置と第2位置との間を変位可能に形成され、前記被案内部が案内される前記案内部の領域は、前記変位部材が前記第1位置から前記第2位置へ変位される場合と、前記変位部材が前記第2位置から前記第1位置へ変位される場合とで異なる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記変位部材は、遊技者により第1方向とその第1方向とは異なる第2方向のいずれの方向にも操作可能に形成され、前記被案内部が案内される前記案内部の領域は、前記変位部材が第1方向へ操作される場合と、前記変位部材が前記第2方向へ操作される場合とで異なる。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、耐久性を向上できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、耐久性を向上できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、耐久性を向上できる。