以下、本発明の照明モジュールおよび大型照明装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施形態1]
図1および図2は、実施形態1に係る照明モジュール1を説明するために示す図である。図1(a)は照明モジュール1の平面図であり、図1(b)は照明モジュール1の要部拡大図である。図2(a)は図1(a)におけるA1−A1断面図であり、図2(b)は図1(a)におけるA2−A2断面図である。なお、拡散板50は白色であるため、本来は拡散板50よりも下に位置する導光板20、LED光源30、フレーム40、凸条部51の内側端面54などは平面図においては視認できないが、図1(a)においては、導光板20,LED光源30、フレーム40、凸条部51の内側端面54などを破線で図示する。図6、図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17及び図18についても同様である。また、図1(b)においては、導光板20についてのみ実線で図示し、LED光源30、フレーム40及び拡散板50については破線で図示する。図3、図8(b)、図9(b)及び図10(b)についても同様である。
図3は、光拡散領域25を説明するために示す図である。図3(a)は光拡散領域25の形成領域を示す平面図であり、図3(b)は光拡散領域25の平面構造を示す平面図である。図4は、光拡散領域25の断面構造を説明するために示す図である。図4(a)は光拡散領域25の断面図であり、図4(b)は図4(a)の一部拡大断面図である。図5は、光拡散領域25の別の断面構造を説明するために示す図である。図5(a)は光拡散領域25の別の断面図であり、図5(b)は図5(a)の一部拡大断面図である。
実施形態1に係る照明モジュール1は、図1に示すように、左辺側の第1光源部11と右辺側の第2光源部12とを備える。なお、第1光源部11と第2光源部12とは、互いに対向するように配置されているが両者共に共通の構成を有するため、各実施形態においては両者を代表して左辺側の第1光源部11を用いて説明することとする。
実施形態1に係る照明モジュール1は、上方向から見た外形が四角形であり、上下方向に偏平なパネル型をなしている。照明モジュール1は、図1及び図2に示すように、導光板20と、導光板20の左辺側の端面21に沿って配列された複数のLED光源30と、LED光源30を支持しつつ、LED光源30が出射した光が直接拡散板50に入射されないように遮蔽する取付部としてのフレーム40と、導光板20の表面側に重ねて配置される拡散板50等を備える。第1光源部11は、照明モジュール1において、端面21と、LED光源30と、フレーム40と、拡散板50の凸条部51と、導光板20の凸条部51と対向する部分である周縁部26とが配置される部分をいう。
なお、実施形態1においては、光源としてLED光源30を用いた場合を例示しているが、光源としては、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極蛍光管)、電球(たとえば白熱電球)や蛍光灯などを用いることが可能であって、特に光源の種類には限定されない。しかし、LED光源は、他の光源と比べ、消費電力が小さい、発熱量が小さい、小型化しやすい、低コストなどで優れている。したがって、以下に説明する各実施形態においては、光源としてLED光源30を用いた場合を例示して説明する。
実施形態1に係る照明モジュール1には、図2に示すように、導光板20の裏面側(拡散板50とは反対方向)に反射板60が配置されている。さらに、反射板60の裏面側にはLED光源30の駆動制御を行う回路70が配置されている。なお、反射板60は、反射シートであってもよく、省略してもよい。
導光板20は、LED光源30から出射される光が入射される左辺側の端面21と右辺側の端面22と、拡散板50と対向する第1光出射面としての第1主面23と、第1主面23と対向する(つまり、裏面側の)面である第2主面24とを備える。端面21,22は、LED光源30から出射される光の入射面であり、第1主面23は、導光板20から拡散板50に対して光を出射する光出射面である。第2主面24は、反射板60と密接され、第2主面24は、導光板20の内部を進行する光反射面として機能する。なお、導光板20としては、後述する光散乱粒子を多数含有する光散乱導光体が用いられている。導光板20に光散乱導光体を用いることで、導光板20内に入射した光は導光板20内で散乱され、第1主面23から出射する光の照度分布の均斉化を図ることができる。
LED光源30は、図1(a)に示すように、導光板20の左辺側の端面21に沿って複数個がほぼ一定の間隔を有して配置されており、右辺側の端面22にも複数個がほぼ一定の間隔を有して配置されている。LED光源30は、導光板20の厚さ範囲に配置されるが、導光板20の厚さ方向のほぼ中央に配置すればなおよい。中央に配置することで、中央に配置しない場合に比べて第1主面23から出射する光の光量が多くなる。
なお、図1では、LED光源30は、導光板20の左辺側と右辺側とにそれぞれ9個ずつ備えられた場合を例示しているが、LED光源30の数は、照明モジュール1の平面サイズ、要求される明るさになどによって適宜選択される。
実施形態1においては、LED光源30を構成するLED素子の一つ一つは、白色LED素子であって、制御回路70からの入力信号によって、各LED素子からの発光を制御する。なお、LED素子として、赤色LED素子、緑色LED素子および青色LED素子がひとつにパッケージされたタイプのLEDランプを用いることも可能で、制御回路70からの入力信号によって、各色のLED素子からの発光、混色により指定色の発光を行うことができる。なお、LED光源30は、LED基板35に実装されて、取付部材としてのフレーム40の基部41に支持されている。
フレーム40は、図2に示すように、金属製の板を曲げ折りして成形されており、端面21に沿う基部41と、基部41から導光板20の第1主面23側に延長された光遮蔽部42と、反射板60側に延長された光遮蔽部43とを備える。フレーム40は、光遮蔽部42と光遮蔽部43との間に導光板20と反射板60とを挟み込むことにより、照明モジュール1に取り付けられている。また、フレーム40は、光遮蔽部42と光遮蔽部43とで、導光板20と反射板60とを挟み込むようにして、導光板20と反射板60とを密接させている。光遮蔽部42では、LED光源30から出射される光がそのまま拡散板50に入射しないように、つまり、LED光源30の光を、LED光源30よりも図示上方向に配置される拡散板50に直接入射させない光遮蔽機能を有する。光遮蔽部43では、LED光源30からの光を反射板60の裏面側の外部に漏れさせない光遮蔽機能を有する。
反射板60は、平面視において導光板20とほぼ同じ形状を有する板部材であって、導光板20の第2主面24に密接され、導光板20内を進行する光を反射面61において反射する。なお、図2に示すように、反射板60の左辺側の端面62の位置は、導光板20の端面21の位置と一致させているが、LED光源30の下方にまで延長させてもよい。なお、右辺側も同様である。
拡散板50は、平面視において四角形であり、照明モジュール1の平面形状および平面サイズを規定している。つまり、拡散板50は、導光板20の外周端面27(端面21、端面22および前後の端面29a,29b)およびフレーム40の外側面44が配置される面と同一面内に配置されるか、外周端面27および外側面44よりも左右および前後に突出している。拡散板50には、導光板20の第1主面23に向かって突設された凸条部51が形成されている。凸条部51は、拡散板50の全周(四辺)にわたって形成されている。凸条部51の導光板20に対向する先端部平面は、第1光出射面である第1主面23から出射された光が入射される第2光入射面としての光入射面52である。周縁部26は、凸条部51の光入射面52と対向する部分である。なお、実施形態1に係る照明モジュール1において、凸条部51は、拡散板50の全周(四辺)にわたって形成されているが、拡散板50の周縁部のうち、LED光源30が配置される側である左右の周縁部に形成されていてもよい。
拡散板50は、図2に示すように、LED光源30の配列方向に直交する平面における断面(A1−A1断面,A2−A2断面)において、左右の凸条部51の間に凹部50Aが形成される。凹部50Aの底面(第1主面23に対向する面)である第1光入射面55としての凸条部内側底面は、第1主面23から出射した光が入射する光入射面である。外周端面53は、空気に接する面である。また、内側側面54も凹部50Aに面し、空気に接する面である。したがって、凸条部51の内側から外周端面53に臨界角を超えて入射する光は、外周端面53で全反射する。また、凸条部51の内側から内側側面54に臨界角を超えて入射する光は、内側側面54で全反射する。外周端面53と内側側面54とは互いに平行な面であり、光入射面52は、外周端面53と内側側面54とに直交する面である。拡散板50としては、光散乱粒子が多数含有される光散乱導光体が用いられている。拡散板50に光散乱導光体を用いることで、拡散板50内に入射した光が拡散板50内で散乱され、第2光出射面としての光出射面56から出射する光の照度分布の均斉化を図ることができる。
凸条部51の光入射面52は、LED光源30あるいは第1主面23(特に周縁部26)から出射する光が光遮蔽部42により遮蔽される領域である遮蔽領域Bと、光遮蔽部42により遮蔽されることなく入射する領域である入射領域Cとを有する。すなわち、凸条部51の光入射面52と、導光板20のLED光源30が配置される側の周縁部26との間に光遮蔽部42を配置することにより、周縁部26から出射した光が光入射面52に入射する光量を制限することができる。遮蔽領域Bは、LED光源30から出射された光を導光板20を介さずに直接拡散板50に入射させない広さ(左右方向の幅寸法)を少なくとも有する。また、実施形態1では、遮蔽領域Bの広さ(左右方向の幅寸法)と入射領域Cの広さ(左右方向の幅寸法)とは、第1主面23から光入射面52に入射する光が光出射面56から出射する際に、光出射面56の全体の明るさが均一となるように設定される。第1主面23から光入射面52に入射した光は主に、光出射面56の周縁部から出射することになる。光出射面56の周縁部の明るさが、該周縁部よりも内側の明るさに近づくように、遮蔽領域Bの広さおよび入射領域Cの広さが設定される。
拡散板50は、凸条部51の光入射面52でフレーム40の光遮蔽部42と密接されている。照明モジュール1は、導光板20および反射板60を重ねた状態で、端部側(端面21および端面62)側をフレーム40の光遮蔽部42と光遮蔽部43との間に挟み込み、光遮蔽部43側から導光板20に図示外の螺子を貫通させ、導光板20と反射板60とフレーム40を固定することができる。なお、互いの接触面において光透過率の高い接着剤等で固定して一体化してもよい。拡散板50は、光入射面52の遮光領域Bにおいて、フレーム40の光遮蔽部42と接着剤により固定することができる。
続いて、実施形態1に係る照明モジュール1において、LED光源30から出射された光が光出射面56から出射するまでの光の経路について、図2を参照しながら説明する。なお、図2においては、図2(a)及び図2(b)のうち、図2(a)のみに光線の軌跡を図示する。左辺側の第1光源部11のLED光源30から出射された光の一部は、導光板20の端面21から導光板20内に進入し、たとえば、破線L1で示すように、導光板20の第1主面23および第2主面24で全反射されながら右辺側に向かって進み、また、光散乱粒子で散乱されながら進み、いずれは、第1主面23から拡散状態で出射される。第1光源部11のLED光源30から出射された光の他の一部には、第1主面23または第2主面24で全反射されることなく、光散乱粒子で散乱されながら進み、第1主面23から拡散状態で出射するものもある。
右辺側の第2光源部12のLED光源30から出射された光も左辺側と同様に導光板20の右辺側の端面22から導光板20内に進入する。導光板20内に入射された光は、導光板20の第1主面23および第2主面24で全反射および光散乱粒子で散乱されることで、いずれは、第1主面23から出射する。
第1光源部11のLED光源30および第2光源部12のLED光源30から出射し導光板20に入射し第1主面23から拡散状態で出射される光は、導光板20内において、第1主面23および第2主面24で全反射および光散乱粒子で散乱されることで照度の均斉化が図れられた状態となっている。
導光板の第1主面23から出射された光は、拡散板50の凸条部51の内側底面55、および凸条部51の光入射面52に入射され、拡散板50内を進行して光出射面から出射される。拡散板50には光散乱粒子が含有されている。そのため、拡散板50内に入射した光が拡散板50内で散乱され、光出射面56から出射する光の照度分布の均斉化を図ることができる。
LED光源30から出射される光は、LED光源30に近い位置では明るく、遠くなるにしたがい暗くなる。しかしながら、実施形態1に係る照明モジュール1では、左辺側の第1光源部11と右辺側の第2光源部12とを備えており、相互に右辺側、左辺側に向かって光が進行するので、左辺側からの光と右辺側からの光とが互いに補完しあうことで、導光板20の第1主面23の明るさが均斉化される。
導光板20のLED光源30に近い周縁部26には、図2に示すように、フレーム40の光遮蔽部42が配置されている。光遮蔽部42により、LED光源30および周縁部26から凸条部51へ入射する光が制限され、光入射面52の一部は遮蔽領域Bとなっている。つまり、LED光源30から出射され光入射面52に向かう光の一部は遮蔽領域Bすなわち光遮蔽部42より遮蔽される。一方、入射領域Cでは、第1主面23から凸条部51の光入射面52に向けて出射された光の一部が入射される。凸条部51の光入射面52から入射された光の一部は、破線L2で示すように、凸条部51の内側側面54と外周端面53とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進み、拡散板50の光出射面56の主として凸条部51の配置領域上方、すなわち光出射面56のLED光源30が配置される側の周縁部から出射される。すなわち、凸条部51内に入射された光の一部は、内側側面54と外周端面53とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進むことで、光出射面56から拡散状態で出射される。凸条部51に入射した光は主として凸条部51の配置位置上方から出射する。
実施形態1に係る照明モジュール1において、導光板20の第1光出射面23には、図1及び図2に示すように、複数のLED光源30のうち隣接する2つのLED光源30の間のそれぞれに位置し、LED光源30の配列方向に沿った幅が端面21から離れるに従って狭くなるような構造を有する複数の光拡散領域25が形成されている。そして、図3(a)に示すように、光拡散領域25におけるLED光源30の配列方向に沿った幅L2は、「隣接する2つのLED光源30間の中心線上にある所定の点Pを頂点とし、隣接する2つのLED光源30の対向する端部を結ぶ線分を底辺Bとする三角形T」におけるLED光源の配列方向に沿った幅L1よりも広い。なお、光拡散領域25とは、図3(a)及び図3(b)に示すように、微細光散乱体25のうち最外周の微細光散乱体を外接するように複数の線分で連結してできる領域である。上記三角形Tは二等辺三角形である。なかでも、底角が60°である二等辺三角形、又は、所定の点Pの位置が凸条部51の内側側面54上に位置するような二等辺三角形であることが特に好ましい。
実施形態1に係る照明モジュール1においては、光拡散領域25の平面形状は、釣り鐘形状である。光拡散領域25には、多数の微細光散乱体28が形成されている。微細光散乱体28は、図4及び図5に示すように、レンズ状凸部(図4)又はレンズ状凹部(図5)からなる。そして、光拡散領域25においては、図3(b)に示すように、隣接する2つのLED光源30間の中心線から光源の配列方向に沿って離れるに従って密から粗となるように、かつ、LED光源30が配置されている端面から当該端面に直交する方向に沿って離れるに従って密から粗となるように微細光散乱体28が配置されている。LED光源30から出射される光は、LED光源30から光出射方向に沿って離れるに従って周囲との明るさの差が少なくなる。また、LED光源30から端面21に沿って離れるに従って光量が小さくなる。従って、上記のように構成することが、光の均斉化にとってより好ましいからである。
微細光散乱体28は、第1主面23の所定位置を粗面化処理するによって形成することができる。粗面化処理としては、表面に微細な凹凸構造を有する金型を樹脂製の導光板に押し付ける処理、樹脂製又はガラス製の導光板の表面の所定位置にレーザー光を照射する処理などを例示することができる。
実施形態1に係る照明モジュール1においては、光拡散領域25は、第2光入射面52と対向する領域からLED光源30の出射方向側に突出しない、すなわち、光拡散領域25は、凸条部51の内側側面54からLED光源30の出射方向側に突出しない。複数のLED光源30のうち両端部に位置するLED光源30と端面21に直交する別の端面29a,29bとの間においても、端面21から離れるに従って狭くなるような構造を有する第2の光拡散領域25a,25bがそれぞれ形成されている。
以上説明したように、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、拡散板50は、導光板20側に突出し、導光板20の第1光出射面23の周縁部のうち少なくとも光源30が配列される端面21側の周縁部に対向する位置に設けられ、周縁部から出射する光が入射する第2光入射面52を有する凸条部51を有することから、導光板20の周縁部から出射し凸条部51の光入射面52に入射した光の一部は、凸条部51の内側側面と外周端面とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進行し、拡散板50の第2光出射面56の周縁部から出射する。これにより、拡散板50の第2光出射面56の周縁部が縁取りされたように暗くならなくなる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、導光板20の第1光出射面23には、複数の光源30のうち隣接する2つの光源30の間のそれぞれに位置し、光源30の配列方向に沿った幅L2が端面21から離れるに従って狭くなるような構造を有する複数の光拡散領域25が形成されていることから、光拡散領域25において光が拡散されて当該光拡散領域25が明るくなり、第1光出射面23において、光源30の光出射方向の直近と、その周辺部分との明るさの差を少なくすることができる。その結果、凸条部51を設けることとの相乗効果で、拡散板50の周縁部が縁取りされたように暗くならず、拡散板50の周縁部を含めて第2光出射面56全体の明るさを均斉化できる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、光拡散領域25における光源30の配列方向に沿った幅L2は、「隣接する2つの光源30間の中心線上にある所定の点Pを頂点とし、隣接する2つの光源30の対向する端部を結ぶ線分を底辺Bとする三角形T」における光源30の配列方向に沿った幅L1よりも広いことから、従来の照明モジュール901の場合よりも、光拡散領域が端面21から離れる方向へ長くなることを抑えながら、光拡散領域の面積を大きくできる。従って、光拡散領域25から出射する光のうち、光拡散領域25の凸条部51よりも内側(凹部50A側)の第1光入射面55に入射する光が、第2光出射面56から輝点となって出射することを抑制することができる。また、第1光出射面23において、LED光源30の光出射方向の直近と、その周辺部分との明るさの差をより一層少なくすることができ、拡散板50の周縁部を含めて第2光出射面56全体の明るさをより一層均斉化できる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、光拡散領域25は、第2光入射面52と対向する領域からLED光源30の出射方向側(凸条部51よりも凹部50A側)に突出しないという条件下のもとにおいても、上記光拡散領域25の面積を大きくできる。
光拡散領域25は、導光板20内の光の全反射条件が破れ易く光が出射し易い部分である。一方、拡散板50の凹部50Aは、拡散版50の凸条部51に比べて厚さが薄い。そのため、第2光入射面52と対向する領域からLED光源30の出射方向側に光拡散領域25が突出すると、この突出した部分から出射した光が、第2光出射面56に輝点を発生させ易い。そこで、光拡散領域25を第2光入射面52と対向する領域よりもLED光源30の出射方向側に突出させないことで、光拡散領域25から出射した光のうち、拡散版50の凹部50Aの部分に直接入射してしまう光の光量を抑えることができる。従って、第1光出射面23において、光源30の光出射方向の直近と、その周辺部分との明るさの差をより一層少なくすることができ、拡散板50の周縁部を含めて第2光出射面56全体の明るさをより一層均斉化できる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1には、フレーム40の光遮蔽部42により遮蔽領域Bが形成されている。これにより、LED光源30の出射光が、拡散板50に直接入射することを防止されている。また、導光板20に入射された光の一部は、導光板20の第1主面23と第2主面24とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら、第1主面23から拡散光として出射され、拡散板50に入射される。そして、第1主面23から出射した光は、拡散板50を透過し、この拡散板50でさらに拡散された状態で光出射面56から出射される。さらに、実施形態1に係る照明モジュール1においては、拡散板50のLED光源30の配置位置側の周縁部に凸条部51が形成されている。凸条部51が設けられることで、空気に接する外周端面53および内周側面54が形成される。そのため、導光板20の周縁部26から出射し凸条部51の光入射面52に入射した光の一部は、凸条部51の内側側面54と外周端面53とで全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進み、拡散板50の光出射面56の周縁部から拡散光を出射させられる。
つまり、光遮蔽部42で遮蔽領域Bを形成することで、LED光源30の出射光を拡散板50に直接入射させることなく導光板20に入射させることができる。導光板20に入射した光の一部は、導光板20の第1主面23と第2主面24とで全反射されながら、また、光散乱粒子で拡散されながら、第1主面23から拡散光として出射し、拡散板50に入射される。これにより、光を出射している光出射面56を見たときに、LED光源30
の部分が点光源のように見えることを防止できる。
また、拡散板50のLED光源30の配置位置の周縁部に凸条部51を形成し、凸条部51の光入射面52から、導光板20の周縁部26から出射した光を凸条部51内に導光させ、凸条部51の内側側面54と外周端面53とで全反射させながら、また、光散乱粒子で散乱されることで、拡散板50の光出射面56の周縁部から拡散光を出射させている。これにより、光遮蔽部42を備える構成とした場合にも、光出射面56の光遮蔽部42が備えられる側の周縁部に、光遮蔽部42により遮光され縁取りされたような暗部が生じることを防止できる。
したがって、LED光源30が点光源に見えることにより見栄えが悪くなることを排除しながら、光出射面の周縁部が縁取りされたように暗くならずに、周縁部を含めて光出射面56の全体の明るさを均斉化する照明モジュールを提供できる。
なお、凸条部51の光の入射領域Cの大きさは、凸条部51の幅寸法を大きくする、または小さくすることで調整可能であり、そのことによって、導光板20から出射された光の凸条部51への入射量を調整すれば、拡散板50の光出射面における中央部と周縁部の明るさの均斉化を容易にはかることができる。
つまり、入射領域C幅(左右方向の寸法)を調整することにより、第1主面23から凸条部51に入射する光量を調整でき、これにより、拡散板50の光出射面56の周縁部から出射する光量を調整できる。たとえば、入射領域C幅(左右方向の寸法)を調整することで、拡散板50の光出射面56の周縁部とその内側から出射する光量の差が少なくすることができ、光出射面56の全体の照度の均斉化を図ることができる。なお、入射領域C幅(左右方向の寸法)の調整は、光遮光部42の幅を調整することで行うことができる。
実施形態1に係る照明モジュール1において、遮光領域Bは、フレーム40に設けられた光遮蔽部42により形成されている。フレーム40に光遮蔽部42を設けることで、テープや塗料の省略といった部材の削減や貼着あるいは塗付工程の省略を行うことができる。なお、遮蔽領域Bは、たとえば、光入射面52に遮光性を有するテープを貼着したり、あるいは、遮光性を有する塗料の塗布を施すことで形成してもよい。
実施形態1に係る照明モジュール1によれば、光拡散領域25が、隣接する2つの光源30間の中心線から光源30の配列方向に沿って離れるに従って密から粗となるように、かつ、光源30が配置されている端面21から当該端面21に直交する方向に沿って離れるに従って密から粗となるように微細光散乱体28が配置されていることから、光源からの光が浅い角度で入射し入射光量が小さい領域については、微細光散乱体28による光散乱の程度を高くするとともに、光源からの光が深い角度で入射し入射光量が大きい領域については、微細光散乱体28による光散乱の程度を低くすることができる。また、端面21に近接した領域において明るさの差が大きい領域については、微細光散乱体28による光散乱の程度を高くするとともに、端面から遠ざかって明るさの差が少なくなる領域については、微細光散乱体28による光散乱の程度を低くすることができる。その結果、第1光出射面において、光源の光出射方向の直近と、その周辺部分との明るさの差をより一層少なくすることができ、拡散板の周縁部を含めて第2光出射面全体の明るさをより一層均斉化できる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、光拡散領域25が第2光入射面52と対向する領域よりも光源30の出射方向側に突出しないことから、凸条部50の凹部50Aにおいては、微細光散乱体25による輝点が生成され難い。また、光拡散領域25で散乱される光はほぼすべて凸条部51に入射されるようになることから、凸条部51の内側側面54や外側側面53で全反射されてから光出射面56から出射するようになり、さらには、拡散板50の中央部よりも厚い凸条部51でより散乱された状態で光出射面56から出射するようになるため、凸条部に対応する部分で第2光射出面56の輝度が高くなることがなくなる。その結果、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、第2光射出面56の輝度の均斉化を図ることができる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1においては、複数の光源30のうち両端部に位置する各光源30と端面21に直交する別の端面29a,29bとの間においても、端面21から離れるに従って狭くなるような構造を有する第2の光拡散領域25a,25bがそれぞれ形成されている。その結果、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、LED光源30間の暗くなる位置や、LED光源30が配置されない端部位置における明るさの落ち込みを低減し、導光板20の光射出面である第1主面23の明るさを均斉化することができる。
また、実施形態1に係る照明モジュール1によれば、導光板20の第1主面23の中央部(光拡散領域25が形成されていない広い面積領域)にも別の微細光散乱体28aを点在させている。このように、微細光散乱体28aを点在させることによって、輝度むらの発生を抑えることができる。
[試験例]
本試験例は、本発明の照明モジュールが従来の照明モジュールよりも、光出射面全体の明るさをより一層均斉化できる照明モジュールであることを確認するための試験例である。試験は、基本的には実施形態に係る照明モジュール1と同様の構成の照明モジュール(実施例に係る照明モジュール1a)と、基本的には従来の照明モジュール901と同様の構成の照明モジュール(比較例に係る照明モジュール1x)について、第2光出射面56の輝度をシミュレーションすることによって行った。シミュレーションは、サイバネットシステム株式会社の照明設計解析ソフトウェア「ライトツールズ(Light Tools)」を用いて行った。
図6は、試験例で用いる照明モジュール1a,1xを説明するために示す図である。図6(a)は実施例に係る照明モジュール1aの平面図であり、図6(b)は比較例に係る照明モジュール1xの平面図である。図7は、試験例の結果を説明するために示す図である。図7(a1)は照明モジュール1aの光出射面における輝度分布を等輝度線を用いて示す図であり、図7(a2)は図7(a1)の位置X=70mmの位置で縦方向(奥行き方向)に沿った輝度分布を示すグラフであり、図7(a3)は図7(a1)の位置Y=0mmの位置で横方向(左右方向)に沿った輝度分布を示すグラフであり、図7(a4)は輝度と画面上の濃淡との関係を示す図である。また、図7(b1)は照明モジュール1xの光出射面における輝度分布を等輝度線を用いて示す図であり、図7(b2)は図7(b1)の位置X=70mmの位置で縦方向(奥行き方向)に沿った輝度分布を示すグラフであり、図7(b3)は図7(b1)の位置Y=0mmの位置で横方向(左右方向)に沿った輝度分布を示すグラフであり、図7(b3)は輝度と画面上の濃淡との関係を示す図である。なお、図7(a1)及び図7(b1)においては、端部21,22の近傍における輝度変化についての視認性を高めるため、これらの図面の間で輝度と画面の濃淡の関係を変えている。すなわち、等輝度線の間隔を変えている(図7(a4)及び図7(b4)参照。)。
試験例におけるシミュレーションは、拡散板50の第2光出射面56の輝度を、第2光出射面56と直交する方向から所定の開口数の輝度測定装置で測定したものとして算出することにより行った。輝度測定装置の開口数は0.26とした。
試験例の結果、図7からも明らかなように、実施形態1に係る照明モジュール1aは、比較例に係る照明モジュール1xよりも、光出射面全体の明るさをより一層均斉化できる照明モジュールであることが確認できた。すなわち、図7(a1)及び図7(a2)と、図7(b1)及び図7(b2)とを比較することにより、実施例に係る照明モジュール1aのほうが比較例に係る照明モジュール1xよりも、端部21,22近傍において、輝度が均一であることが分かった。比較例に係る照明モジュール1xにおいては、端部21,22近傍においてLED光源30の直上で輝度が高く、LED光源30とLED光源30との間で輝度が低くなっている。また、図7(a1)及び図7(a3)と、図7(b1)及び図7(b3)とを比較することにより、実施例に係る照明モジュール1aのほうが比較例に係る照明モジュール1xよりも、端部21,22近傍における輝度が全体的に高いことも分かった。比較例に係る照明モジュール1xにおいては、端部21,22近傍において輝度が低くなっている。
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係る照明モジュール2を説明するために示す図である。図8(a)は照明モジュール2の平面図であり、図8(b)は照明モジュール2における光拡散領域25を示す要部拡大図である。
実施形態2に係る照明モジュール2は、基本的には実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、光拡散領域25が、凸条部51の第2光入射面52と対向する領域からLED光源30の出射方向側に突出する点で実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態2に係る照明モジュール2においては、図8に示すように、光拡散領域25が、凸条部51の内側側面54からLED光源30の出射方向側に突出する。
ところで、光拡散領域25が、凸条部51の第2光入射面52と対向する領域からLED30の出射方向側に突出することで、突出した部分から出射した光は、第2光入射面56の凸条部51よりも内側の部分(凹部50A)に入射する。光拡散領域25のうち、第2光入射面52と対向する領域よりもLED30の出射方向側に突出した部分から出射した光が、第2光入射面56の凸条部51よりも内側の部分に入射すると、第2光出射面56に輝点を発生させ易い。しかしながら、突出した部分の微細光散乱体28の配置の密度を低くすることで輝点の発生を抑えながら、第2光入射面56の中央側に入射する光の光量を増やすことができる。一方、光拡散領域25のうち、第2光入射面52と対向する領域の面積を大きくすることで、凸条部51に入射される光の光量を多くすることができる。対向する領域から出射した光は、拡散板50の中央部よりも厚い凸条部51の内側側面54や外側側面53で全反射され、十分に拡散された状態で光出射面56から出射する。そのため、光拡散領域25のうち、第2光入射面52と対向する領域の面積を大きくしても輝点になり難い。従って、上記のような構成とすることにより、拡散板50の周縁部を含めて第2光出射面56全体の明るさをより一層均斉化できる。
なお、実施形態2に係る照明モジュール2は、光拡散領域25が、凸条部51の第2光入射面52と対向する領域からLED光源30の出射方向側に突出する点以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態3]
図9は、実施形態3に係る照明モジュール3を説明するために示す図である。図9(a)は照明モジュール3の平面図であり、図9(b)は照明モジュール3における光拡散領域25を示す要部拡大図である。
実施形態3に係る照明モジュール3は、基本的には実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、微細光散乱体28の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態3に係る照明モジュール2においては、図9に示すように、微細光散乱体28が連続した微細光散乱体(Λ字状筋もしくはV字状溝からなる微細光散乱体)からなる。
このように、実施形態3に係る照明モジュール2は、微細光散乱体28の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なるが、それ以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
また、実施形態3に係る照明モジュール3によれば、微細光散乱体28がΛ字状筋またはV字状溝からなるため、プリズム効果を有するようになる。Λ字状筋またはV字状溝からなる微細光散乱体28は、光拡散領域25の範囲内において、最も密度の高い位置(釣り鐘の底辺部)から放射状に広がるように配置される。
[実施形態4]
図10は、実施形態4に係る照明モジュール4を説明するために示す図である。図10(a)は照明モジュール4の平面図であり、図10(b)は照明モジュール4における光拡散領域25を示す要部拡大図である。
実施形態4に係る照明モジュール4は、基本的には実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、光拡散領域25の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態4に係る照明モジュール4においては、図10に示すように、光拡散領域25が平面視台形形状を有する。
このように、実施形態4に係る照明モジュール4は、光拡散領域25の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なるが、それ以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
なお、実施形態4に係る照明モジュール4においては、図10に示すように、光拡散領域25が、第2光入射面52と対向する領域からLED光源30の出射方向側に突出しないものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。光拡散領域25が、第2光入射面52と対向する領域から光源30の出射方向側に突出するものであってもよい。このようにすることにより、光拡散領域の面積をより一層大きくできる。従って、第1光出射面において、光源の光出射方向の直近と、その周辺部分との明るさの差をより一層少なくすることができ、拡散板の周縁部を含めて第2光出射面全体の明るさをより一層均斉化できる。この場合、光拡散領域25が、第2光入射面52と対向する領域から光源30の出射方向側に突出する部分においては、微細光散乱体の形成密度を低くして、突出部分における光拡散領域からの散乱光量を減じることにより、突出部分に対応する部分で第2光射出面56の輝度が高くなることが抑制され、これに起因して第2光射出面56の輝度が不均一になることが抑制される。
[実施形態5]
図11は、実施形態5に係る照明モジュール5を説明するために示す図である。
実施形態5に係る照明モジュール5は、基本的には実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、導光板20の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態5に係る照明モジュール5は、図11に示すように、光拡散領域25の形状が台形であり、光拡散領域25が4つの端面すべてに形成された導光板を有する。
このように、実施形態5に係る照明モジュール5は、導光板20の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なるが、それ以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態6]
図12は、実施形態6に係る照明モジュール6を説明するために示す図である。
実施形態6に係る照明モジュール6は、基本的には実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、導光板20の両面(上面及び下面)に拡散板50が配設された点で実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態6に係る照明モジュール6は、図12に示すように、導光板20の両面(上面及び下面)に拡散板50が配設されている。
このように、実施形態6に係る照明モジュール6は、導光板20の両面(上面及び下面)に拡散板50が配設された点で実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なるが、それ以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果を有する。
また、実施形態6に係る照明モジュール6は、照明モジュールの両面(裏表面)から光が出射されるため、照明モジュールの表側のみならず裏側をも照明したというニーズに応えた照明モジュールとなる。
実施形態6に係る照明モジュール6は、導光板20と、導光板20の左辺側の端面21に沿うように配列された複数のLED光源30と、LED光源30を支持しつつ、導光板20の左辺側の周縁部26の光を遮蔽するフレーム40と、導光板20の第1主面23側に配置される拡散板50と、第2主面24側に配置される拡散板50等を備える。なお、上側の拡散板50と下側の拡散板50とは、共通仕様とすることができる。
導光板20は、実施形態1に係る照明モジュール1の場合と同様に、LED光源30から出射される光を入射する左辺側の端面21と右辺側の端面22(図1参照)と、拡散板50と対向する第1主面23と、第1主面23と対向する第2主面24と、を備える。LED光源30も第1の実施の形態(図1参照)と同様に、導光板20の左辺側の端面21に沿うように複数個がほぼ一定の間隔を有して配列されており、右辺側の端面22にも複数個のLED光源30がほぼ一定の間隔を有して配列されている。LED光源30は、導光板20の厚さ方向のほぼ中央に配置される。
フレーム40は、左辺側の端面21に沿う基部41と、基部41から導光板20の第1主面23に延長された光遮蔽部42と、第2主面24に延長された光遮蔽部43とを備える。なお、右辺側についても同じ構成のため説明を省略する。光遮蔽部42では、LED光源30から出射される光がそのまま上側の拡散板50に入射されないように、また、光遮蔽部43では、LED光源30から出射される光がそのまま下側の拡散板50に入射されないように遮蔽している。
上側の拡散板50のLED光源30が配置される周縁部には、導光板20の第1主面23に向かって突設された凸条部51が形成され、下側の拡散板50のLED光源30が配置される周縁部には、導光板20の第2主面に向かって突設された凸条部51が形成されている。凸条部51,51それぞれの先端面は、導光板20から出射された光が入射される光入射面52,52である。上側の拡散板50の導光板20とは反対側の表面である第2主面24は、第1光出射面として機能し、下側の拡散板50の導光板20とは反対側の表面は、第2光出射面として機能する。そして、導光板20の両面(第1光出射面及び第2光出射面)において、光拡散領域25が形成されている。
以上説明した実施形態6に係る照明モジュール6は、表裏両面から発光可能となり、しかも、裏表の光出射面56,56共に、各実施形態の構成を踏襲できることから、拡散板50の周縁部が縁取りされたように暗くなることをなくし、周縁部を含めて均斉化された明るさを実現できる。
[実施形態7]
なお、実施形態1に係る照明モジュール1において、フレーム40の光遮蔽部42の形状を工夫することによって、光射出面56の明るさをさらに均斉化させることができる。図13は、実施形態7に係る照明モジュール7を説明するために示す図である。図13(a)は照明モジュール7の左辺側の構造を示す平面図であり、図13(b)はその要部拡大図である。導光板20および拡散板50などの構成は、上記した各実施形態と同じなので説明は省略し、共通部分には、同じ符号を付している。
図13に示すように、フレーム40の光遮蔽部42は、複数のLED光源30の配列方向に沿って交互に配置される凸部42aおよび凹部42bを備える。凸部42aは、LED光源30の拡散板50側の上部を覆い、凸部42aの形成範囲において、LED光源30から出射される光を、拡散板50の凸条部51に直接入射しないように遮蔽している。凹部42bは、隣り合うLED光源30の間を開口しており、LED光源30から出射される光は、凸部42aを廻りこみながら拡散板50の凸条部51に入射される。
実施形態7に係る照明モジュール1においては、導光板20の端面21近傍が光遮蔽部42で覆われないことから、この部分においても微細光散乱体25を形成して、この部分における散乱光の光量を増大させている。実施形態7に係る照明モジュール7においては、端面側ぎりぎりぎりまで光拡散領域25が形成されており、実施形態1に係る照明モジュール1においてよりも光拡散領域25の大きさが大きい。
上記したように、実施形態7においては、フレーム40の光遮蔽部42に、LED光源30から出射される光を遮蔽する凸部42aと、開口する凹部42bを設けている。このことによって、光遮蔽部42に凸部42aおよび凹部42bがないフレーム40を有する実施形態(実施形態1)に比べ、LED光源30間において、LED光源30に近い位置と、離れた位置における凸条部51に入射する光の明るさの差を小さくすることができる。その結果、光出射面56全面の明るさをより均斉化可能な照明モジュールを提供できる。
凸部42aの形状は、図示したように長方形でなくても、先端が細くなる台形や、三角形、先端部を円形にしてもよく、凹部42bと共に、凸条部51に入射する光の明るさの差を小さくできる縦横寸法や形状を設定すればよい。また、凸部42aおよび凹部42bを備えるフレーム40は、以下に説明する各実施の形態に用いることが可能である。
なお、実施形態7に係る照明モジュール7は、光遮蔽部42の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なるが、それ以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態8]
実施形態8に係る照明モジュール8について、図14を参照しながら説明する。図14は、実施形態8に係る照明モジュール8を説明するために示す図である。図14(a)は照明モジュール8の左辺側の構造を示す平面図であり、図14(b)はその要部拡大図である。
実施形態8に係る照明モジュール8は、基本的には、実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、フレーム40の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態8に係る照明モジュール8においては、図14に示すように、光遮蔽部42を有しないフレーム40が配設されている。
このように、実施形態8に係る照明モジュール8は、フレーム40の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なるが、それ以外の点においては実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明モジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態9]
実施形態9に係る照明モジュール9について、図15を参照しながら説明する。図15は、実施形態9に係る照明モジュール9を説明するために示す図である。図15(a)は照明モジュール9の左辺側の構造を示す平面図であり、図15(b)はその要部拡大図である。
実施形態9に係る照明モジュール9は、基本的には、実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、拡散板50の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態9に係る照明モジュール9においては、図15に示すように、凸条部51の光の入射領域Cに接続する内側側面54には、複数のLED光源30の配列方向に沿うように波型の凹凸57が形成されている。なお、図15では、波型の凹凸57を誇張して表している。また、波型の凹凸57のピッチとLED光源30の配列ピッチ、および凹凸57の深さ(または高さ)は、任意に設定できる。
次に、実施形態9に係る照明モジュール9における凸条部51内の光の進行について図15(及び図2)を参照しながら説明する。LED光源30から射出された光は、導光板20の端面21から導光板20内に進入する。導光板20内に入射された光の一部は、入射領域Cにおいて凸条部51の光入射面52に入射する。凸条部51の光入射面52から入射した光の一部は、凸条部51の内側側面54、外周端面53を全反射されながら、また、光散乱粒子で拡散されながら進み、拡散板50の光出射面の主として凸条部51の配置位置上方から出射する。
凸条部51の内側側面54には、波形の凹凸57が形成されていることから、光は、図示矢印で示すように波形の凹凸57面で拡散されて凸条部51内に反射され易い。このようにすれば、拡散板50の周縁部を明るくして、拡散板50の周縁部が縁取りされたように暗くならないようにできる。このことによって、拡散板50の光出射面全体の明るさをより一層均斉化できる。
[実施形態10]
次に、実施形態10に係る照明モジュール10について、図16を参照しながら説明する。図16は、実施形態10に係る照明モジュール10を説明するために示す図である。図16(a)は照明モジュール10の左辺側の構造を示す平面図であり、図16(b)はその要部拡大図である。図16(c)は照明モジュール10を導光板20の端面21側から見た凹部側面図である。
実施形態10に係る照明モジュール10は、基本的には、実施形態1に係る照明モジュール1と同様の構成を有するが、拡散板50の構成が実施形態1に係る照明モジュール1の場合と異なる。すなわち、実施形態10に係る照明モジュール10においては、図16に示すように、拡散板50には、凸条部51の第2光入射面52に、凸条部51を横断する(外周端面53から内側側面54に至る)V字状溝58が形成されている。V字状溝58は、光のプリズム効果を有するものであって、図16(c)に示すように、LED光源30から出射された光は、凸条部51の光入射面52の入射領域Cから入射され、入射された光の一部は、図示矢印のように、V字状溝58のプリズム効果(屈折効果)により拡散されて凸条部51内に入射し、凸条部51の外周端面53と内側側面54との間で全反射されながら、また、光散乱粒子で散乱されながら進み、拡散板50の光出射面56の主として凸条部51の配置位置上方から出射する。
したがって、導光板20から出射された光は、光入射面52で拡散され凸条部51内に入射される。このことによって、凸条部51が配置される光出射面の周縁部を明るくして、周縁部が縁取りされたように暗くなることがなくなり、光出射面全体の明るさを均斉化できる。
なお、図16では、V字状溝58は誇張されて表している。このV字状溝58は、光のプリズム効果があればよく、LED光源30に対する相対位置、溝58の深さ、ピッチは任意に設定することが可能である。したがって、V字形状の溝58として、いわゆるプリズムシートを用いることも可能である。
また、図16において、V字形状の溝58は、凸条部51の外周端面53から内側側面54まで横断しているが、光の入射領域Cの範囲に形成しても同じ効果が得られる。また、凸条部51を縦断するように(前辺後辺方向に)構成してもよい。
なお、上記した各実施形態においては、照明モジュール単品について説明したが、本発明は、複数の照明モジュールを並列させて大型照明装置を構成することに有効である。そのことについて、図17及び図18を参照して説明する。
[実施形態11]
図17は、実施形態11に係る大型照明装置1000を説明するために示す図である。実施形態11に係る大型照明装置1000は、図17に示すように、実施形態1に係る照明モジュール1を2個並列して配置した大型照明装置である。そして、実施形態11に係る大型照明装置1000においては、照明モジュール1を互いの第1光源部11において、拡散板50の外周端面53同士を密接させて構成している。
単品の照明モジュール1は、前述したように、光出射面の周縁部が縁取りされたように暗くならず、周縁部を含めて明るさが均斉化されている。したがって、二つの照明モジュール1を並列させたときにも、つなぎ目部分が縁取りされたようにならずに、見栄えのよい大判の大型照明装置1000を実現できる。
照明モジュール1は、図2に示すように、拡散板50の凸条部51が設けられる側の外周の側面である外周端面53と、フレーム40の基部41の外側面44とは、同一面内に配置されている。つまり、第2光出射面56の外周の縁部である外周端縁59は、外側面44と同一面内に配置されている。そのため、照明モジュール1を並列させたときに、並列される光出射面56間の隙間を小さくできるため、光出射面56を連続的に連ならせ、並列された光出射面56間の隙間が目立たない大判の大型照明装置1000を実現できる。
なお、大型照明装置1000としては、照明モジュール1の配列の仕方は限定されない。たとえば、照明モジュール1の配列数は3個以上でもよく、配列の方向も特に限定されない。たとえば、第1光源部11と第2光源部12とを密接させたり、第1光源部11または第2光源部12と他の辺とを密接させたりして配列してもよい。
なお、単品の照明モジュール1を複数個並列する場合、拡散板50の4辺の外周端縁59の位置をフレーム40の外側面44および導光板20の外周端面27の位置に一致させるか、または突出させ、拡散板50の外周端縁59同士を密接させる。このようにすることで、隣り合う拡散板50の隙間を排除し、個々の拡散板50の周縁部が縁取りされたように暗くならずに、光出射面56全体が均斉化された明るさを有する大型照明装置9を実現できる。
[実施形態12]
図18は、実施形態12に係る大型照明装置1001を説明するために示す図である。図18(a)は大型照明装置1001の平面図であり、図18(b)は大型照明装置1001の平面図であり、図18(b)は照明モジュール1単体の明るさ分布図であり、図18(c)は照明モジュール1を2個並列させたときの明るさの分布図である。なお、図18(b)及び図18(c)は、図18(a)におけるA3−A3方向を視認したときの図である。
実施形態12に係る大型照明装置1001は、図18(a)に示すように、実施形態1に係る照明モジュール1を4個並列して配置した大型照明装置である。そして、実施形態12に係る大型照明装置1001は、照明モジュール1を横方向に、右辺側の第2光源部12の端面と左辺側の第1光源部11の端面とを密接させ、縦方向に、導光板20のLED光源30が配置されていない側の端面29aと端面29bとを密接させ、照明モジュール1を縦横に2個ずつ4個並列させたものである。
続いて、大型照明装置1001における明るさの分布について説明する。図18(b)に示すように、照明モジュール1が単体の場合の明るさの分布は、拡散板50のLED光源30が配置されていない側の端面29aと端面29bに近い位置では、それぞれの端面から光が漏れてしまい、光射出面56の照射に向かわない。このことから、光射射出面56の端面29a,29bに近い位置では中央部の明るさに対して暗くなってしまう。なお、図中、端面29a,29bからの光の漏れを破線で模式的に示している。
しかし、拡散板50の端面29aと端面29bとを密接させると、図18(c)に示すように左方の照明モジュール1の端面29aから漏れた光は、右方の照明モジュール1の端面29bに入射される(図中において、反時計回りの矢印で表す)。また、右方の照明モジュール1の端面29bから漏れた光は、左方の照明モジュール1の端面29aから入射されることになる(図中において、時計回りの矢印で表す)。
このように、LED光源30が配置されていない側の端面同士を密接させれば、照明モジュール1を並列させたときの接続部においても明るさが低下せずに、光射出面56の明るさが均斉化された大型照明装置1001を実現できる。
実施形態12に係る大型照明装置1001の場合のように、LED光源30が配置されていない端面同士を密接させるには、導光板20の端面29a,29bの位置を、端面29a、29bと同位置の拡散板50の外周端面59の位置を一致させる。しかし、2つの拡散板50の外周端面59を密接させたときに、導光板20の端面29aと端面29bとの間に僅かな隙間があっても、上記効果を呈することができる。
図18(a)では、照明モジュールを4個並列させた例を示しているが、上述した構成にすれば、照明モジュールの数は限定されず、さらに大判の大型照明装置を提供できる。なお、本発明の大型照明装置においては、左辺側の第1光源部11のLED光源30の配置位置が、右辺側の第2光源部12のLED光源30の配置位置の間に位置するように構成されていてもよい。このようにすれば、第1光源部11のLED光源30の間の明るさの低下を、第2光源部12のLED光源30で補完することができる。なお、左辺側の第1光源部11のLED光源30の配置と、右辺側の第2光源部12のLED光源30の配置とを同じ位置に配置(つまり、第1光源部11のLED光源30に向かい合うように第2光源部12を配置)しても、隣接する導光板20の接続部の明るさを低下させることがなく、導光板20の光射出面である第1主面23の中央部と同じ明るさにすることができる。
また、実施形態6において示した表裏両面が発光可能な照明モジュール6を複数個並列させて、大判の表裏両面が発光可能な大型照明装置を実現することもできる。
また、複数の照明モジュール1を並列させたとき、拡散板50の厚さの範囲であれば、照明モジュール1毎に光出射面56の高さを変えてもよい。
実施形態11に係る大型照明装置1000及び実施形態12に係る大型照明装置1001は、実施形態1に係る照明モジュール1を複数個含むものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。実施形態2〜実施形態10のいずれかに係る照明モジュールを複数個含むものであってもよい。
上記した各実施形態においては、拡散板50は、平面視において四角形の例を示したが、三角形、五角形等の多角形とすることもできる。
上述の各実施形態においては、周縁部26と第2光入射面52との間に、周縁部26から出射した光が第2光入射面52に入射する光量を制限する光遮蔽部42が備えられているが、光遮蔽部42を備えない構成としてもよい。光遮蔽部42を備えない構成とした場合であっても、拡散板50に凸条部51を設けることで、周縁部26から出射した光が光入射面52に入射し光出射面56の周縁部から出射させることができる。そのため、光出射面56の全面から光を出射させることができる。しかしながら、光入射面52に入射する光量の調整が必要な場合には、光遮蔽部42を備えることで周縁部26(第1主面23)から出射し光入射面52に入射する光量を調整できる。つまり、拡散板50の光出射面56の周縁部26から出射する光量を調整できる。
また、導光板20および拡散板50については、光散乱粒子が含有されていることで、導光板20および拡散板50の内部を進行する光を散乱させる構成としているが、導光板20の光出射面である第1主面23や拡散板50の光出射面56を微細な凹凸形状を形成することによって光を散乱させるための処理である粗面化処理や、凸レンズ形状、凹レンズ形状、円錐形状の凹凸やV字形状の溝を形成してもよい。このような微細な凹凸形状を形成することによって、光散乱粒子を含まない透明な導光板20および拡散板50であっても、第1主面23や光射出面56において光を散乱させることができる。
上述した光散乱粒子は、たとえば、以下に説明するシリコーン粒子により形成することができる。導光板20および拡散板50(以下、導光板20等と記載する。)は、体積的に一様な散乱能が与えられた導光体であり、光散乱粒子としての球形粒子を多数含んでいる。導光板20等の内部に光が入射すると、その光はシリコーン粒子(光散乱粒子)によって散乱することになる。
ここで、光散乱粒子(シリコーン粒子)の理論的な基礎を与えるMie散乱理論について説明する。Mie散乱理論は、一様な屈折率を有する媒体(マトリックス)中に該媒体と異なる屈折率を有する球形粒子(光散乱粒子)が存在するケースについてマックスウェルの電磁方程式の解を求めたものである。光散乱粒子に相当する光散乱粒子によって散乱した散乱光の角度に依存した強度分布I(Α、Θ)は下記(1)式で表される。Αは、光散乱粒子の光学的大きさを示すサイズパラメータであり、マトリックス中での光の波長λで規格化された球形粒子(光散乱粒子)の半径rに相当する量である。角度Θは散乱角で、入射光の進行方向と同一方向をΘ=0°にとる。
また、(1)式中のi1、i2は(4)式で表される。そして、(2)〜(4)式中の下添字ν付のaおよびbは(5)式で表される。上添字1および下添字νを付したP(cosΘ)は、Legendreの多項式、下添字ν付のa、bは1次、2次のRecatti−Bessel関数Ψ*、ζ*(ただし、「*」は下添字νを意味する。)とその導関数とからなる。mはマトリックスを基準にした光散乱粒子の相対屈折率で、m=nscatter/nmatrixである。なお、mはマトリックスを基準にした光散乱粒子の相対屈折率であり、マトリックスの屈折率nmatrixおよび光散乱粒子の屈折率nscatterとm=nscatter/nmatrixの関係にある。
図19は、上記(1)〜(5)式に基づいて、単一真球粒子による強度分布I(Α、Θ)を示すグラフである。この図17では、原点Gの位置に光散乱粒子としての真球粒子があり、図19における下方から入射光が入射した場合の散乱光強度の角度分布I(Α、Θ)を示している。そして、原点Gから各曲線までの距離が、それぞれの散乱角方向の散乱光強度である。ひとつの曲線はΑが1.7であるときの散乱光強度、別の曲線はΑが11.5であるときの散乱光強度、さらに別の曲線はΑが69.2であるときの散乱光強度である。なお、図19においては、散乱光強度を対数目盛で示している。このため、図17では僅かな強度差として見える部分が、実際には非常に大きな差となる。
図19に示すように、サイズパラメータΑが大きくなればなるほど(ある波長λで考えた場合は真球粒子の粒径が大きくなればなるほど)、図17における上方(照射方向の前方)に対して指向性が高く光が散乱されていることがわかる。また、実際のところ、散乱光強度の角度分布I(Α、Θ)は、入射光波長λを固定すれば、散乱子の半径rと、媒体および光散乱粒子の相対屈折率mとをパラメータとして制御することができる。
このような、単一真球粒子がN個含まれる導光板20等に光が入射すると、光は真球粒子により散乱される。散乱光は導光板20等中を進み、他の真球粒子により再度散乱される。ある程度以上の体積濃度で粒子を添加した場合には、このような散乱が逐次的に複数回行われた後、光が導光板20等から出射する。このような散乱光がさらに散乱されるような現象を多重散乱現象と呼ぶ。このような多重散乱においては、透明ポリマーでの光線追跡法による解析は容易ではない。しかし、モンテカルロ法により光の挙動を追跡し、その特性を解析することはできる。それによると、入射光が無偏光の場合、散乱角の累積分布関数F(Θ)は下記の(6)式で表される。
ここで(6)式中のI(Θ)は、(1)式で表されるサイズパラメータΑの真球粒子の散乱強度である。強度Ioの光が導光板20等に入射し、距離yを透過した後、光の強度が散乱によりIに減衰したとすると、これらの関係は下記の(7)式で表される。
上記の(7)式中のτは濁度と呼ばれ、媒体の散乱係数に相当するものであり、下記の(8)式のように粒子数Nに比例する。なお、(8)式中、σsは散乱断面積である。
(7)式から長さLの導光板20等を散乱せずに透過する確率Pt(L)は下記の(9)式で表される。
反対に光路長Lまでに散乱される確率Ps(L)は下記の(10)式で表される。
これらの式からわかるように、濁度τを変えることにより、導光板20等内での多重散乱の度合いを制御することができる。
以上の関係式により、光散乱粒子のサイズパラメータΑと濁度τとの少なくとも1つをパラメータとして、導光板20等内での多重散乱が制御可能である。
ここで、導光板20等に含有されている光散乱粒子は、たとえば、平均粒径が2.4μmの透光性のシリコーン粒子とすることができる。また、光散乱粒子による散乱係数に相当する散乱パラメータである濁度τは、τ=0.49(λ=550nm)とすることができる。