本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。なお、実施の形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1から図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態1においては、照明装置の一例として液晶TV等の液晶表示装置又はシーリングライトを挙げることができ、光源モジュールとして液晶表示装置のバックライトを挙げることができる。ただし、照明装置及び光源モジュールは、これに限定されるものではない。
〔光源モジュールの構成〕
図1に、実施形態1の光源モジュールの概略図を、図2に構成要素を示す分解斜視図を示す。
最初に、本実施形態1における光源モジュールの構成について、図1および図2を参照して説明する。
本実施形態1の光源モジュール1は、図1および図2に示すように、シャーシ2、光源としてのLED基板3、反射シート6、複数枚備えた導光体としての導光板10、導光体間上に配置される調光部材5、拡散部材としての拡散板7及び上記構成部材を支持するフレーム8を備えている。上記構成要素の配置について、図1の正面図および右側面図に基づいて下から順に説明すると、シャーシ2、反射シート6、導光板10、調光部材5、拡散板7が配置されており、導光板10と調光部材5、拡散板7との間にはそれぞれ空気層が設けられている。また、隣り合う導光板10の間にも空気層を設けている。ここで、本実施形態1の光源モジュール1では、導光板10の発光面側(拡散板7側)を上側として説明するが、光源モジュール1がシーリングライト等の照明装置に使用される場合には、発光面側が下向きになるよう配置される。
本実施形態1においては、光源モジュール1の導光板10のひとつの側端面である入射面11に対向してLED基板3が設けられている。この結果、光源モジュール1は、導光板10側面から入射された光を面状に出射させるサイドエッジ(サイドライト又はエッジライトともいう)型光源モジュールとなっている。
ここで、本実施形態1の光源モジュール1では、図1に示すように導光板10は間隔を空けて配置されており、隣り合う導光板10間上には、開口部を有する調光部材5が配置されている。
以下、光源モジュール1における各構成要素について説明する。
(シャーシ)
シャーシ2は、光源モジュール1を保護する筐体及び支持部材であり、図1および図2に示すように、発光する面とは反対側から導光板10及びLED基板3を覆うように設けられている。このシャーシ2は、ヒートシンクの機能も有している。
(LED基板)
LED基板3は、複数のLED群(図示しない)を備えている。LED群に含まれるLEDは、LED基板3に互いに間隔を置いてそれぞれ配置されている。また、LED基板3は、導光板10の入射面11に対向して配置されている。
平面図左側のLED基板3に搭載されたLED群から出射された光は、左側の導光板10の入射面11に入射され、右側のLED基板3に搭載されたLED群から出射された光は、右側の導光板10の入射面11にそれぞれ入射される。
上記LED基板3は、例えば熱伝導が高い接着部材にてシャーシ2に固定する。または、ビス等によって機械的に固定してもよい。
なお、本実施形態1では、光源としてLED群を用いた場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば蛍光管等、LED群以外の光源を用いる構成を採用してもよい。
また、本実施形態1では、入射面11を導光板10の側端面の内のひとつとしたが、必ずしもこれに限るものではなく、導光板10の両側端面にLED基板3が設けられ、両側端面から光が入射されてもよい。或いは、導光板10を方形とした場合に、隣り合う導光板10への方向以外の全ての辺の端面から光が入射される構成を採用してもよい。複数の側端面を活用することにより、設置密度が同じLED群を用いて輝度を向上させることができる。
(反射シート)
反射シート6は、導光板10の出射面12と反対側の面(以降「裏面」と表記する)に対向して配置されるものである。
反射シート6は、例えば、発泡PET(Polyethylene Terephthalate)等に代表されるポリエステルから形成されており、光の反射特性を有している。
反射シート6は、導光板10の裏面から漏れた光を反射して導光板10内を透過させて出射面12側に光を反射させる機能を有している。具体的には、導光板10の裏面から外へ出射される光を反射して再び導光板10に入射させる。また、反射シート6は、図1に示すように、導光板10に設けられた光取り出しパターン15によって散乱された光を反射させて、出射面12から出射させる効果も有している。
以上の効果を有する反射シート6を用いることによって、それまでシャーシ2側に吸収されていた光を有効に利用できるため、出射面12から出射される光量を増やすことができる。つまり、反射シート6により、光源モジュール1の輝度を向上させることができる。
なお、反射シート6は、入射した光が正反射するシートであってもよいが、乱反射するシートを用いることがより好ましい。反射シート6は、入射した光が乱反射するシートを用いることによって、入射角と異なる角度の反射成分を含んで光を反射させることができる。
(導光板)
導光体、もしくは導光部材としての導光板10は、LED基板3から出射される光を入射面11にて受光し、受光した光を出射面12と裏面との間、及び導光方向に平行な両側面の間において全反射させつつ導光板10の内部で伝播させると共に、主に出射面12から出射させるものである。このため、導光板10は、光透過性の高い透明材料からなり、例えば、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)、及びPS(ポリスチレン)等からなっている。
また、導光板10は、本実施形態1では、板状で出射面12が四角形状としているが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば、導光板10の出射面12の面形状が三角形又は五角形等の多角形や曲線を含む形状を採用してもよい。
導光板10の裏面には、図1に示すように、光拡散部である複数の光取り出しパターン15が互いに間隔を置いて形成されている。なお、光取り出しパターン15は、導光板10の出射面12側に配置してもよい。
光取り出しパターン15は、例えば、光散乱微粒子をポリマー中に分散させ、その後、該ポリマーを導光板10の裏面に印刷することにより形成されている。なお、光散乱粒子としては、例えば蛍光体を用いればよいが、これに限定されるものではない。
また、本実施形態1では、導光板10の裏面に上記ポリマーを印刷することにより、光拡散部としての光取り出しパターン15を形成する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、導光板10の裏面にプリズム等の微細な凹凸形状を形成することによって光拡散部を形成する方法を採用してもよい。或いは、導光板10の裏面にレーザー加工又はブラスト処理等を施すことによって光拡散部を形成する方法、又は導光板10内に拡散材を混入させる方法を採用してもよい。
また、光取り出しパターン15は、例えばドット状に形成されている。導光板10の出射面12から光を均一に出射するために、光取り出しパターン15のドット径は、入射面11側から距離が離れるに伴い大きくなるように導光板10に形成されている。なお、導光板10の両側の端面から光が入射される場合には、両端面のそれぞれから導光板10の中央部に向かうに伴って、光取り出しパターン15の径が大きくなる、すなわち中央部において最も大きくなるように形成される。
また、光取り出しパターン15は、導光板10の光入射方向を向く仮想軸線に対して、対称となるように設けられている。なお、導光板10は、上記仮想軸線がLED基板3の中央に一致するように配置される。
以上のように光取り出しパターン15を設けることにより、導光板10は輝度のばらつきを抑制しつつ、効率よく拡散板7へ導光することができる。
また、光取り出しパターン15のドット径は、例えば、0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましい。なお、本実施形態1では、光取り出しパターン15がドット状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光取り出しパターン15が線状、楕円状又は矩形状等の形状に形成されていてもよい。つまり、光取り出しパターン15は、光を拡散する機能を有し、大きさ(長さ)によって拡散光量を調整するように設計され、形成されていればよい。
上述のように導光板10の裏面に光取り出しパターン15を形成することにより、導光板10内を伝播する光の光路を変更することができる。具体的には、導光板10内を伝播する光が導光板10の裏面に形成されている光取り出しパターン15に入射すると、光取り出しパターン15は光を拡散し、導光板10内における光の進行方向を変える。この結果、光取り出しパターン15で拡散された光の少なくとも一部は、出射面12で全反射せずに、出射面12から外部に出射されることになる。これによって、導光板10は、輝度ムラなく出射面12の全域から光を出射させることができる。
ここで、本実施形態1の光源モジュール1では、LED基板3からの光を取り込む入射面11において、LED群の厚みよりも導光板10の厚みが厚いほうが効率よく光を入射可能であり、こうすることで出射面12からの出射光の輝度が向上する。その一方で、導光板10の厚みを増し過ぎると、光源モジュール1の大型化、厚み増化及び重量増加を招くため、導光板10の厚みはそれらを鑑みて設計されればよい。
本実施形態1では、前述したシャーシ2によって、LED基板3及び導光板10における入射面11の厚み方向の位置の関係が調整されている。また、導光板10は、連結部材(図1および図2には図示しない)によって、シャーシ2に固定されており、これによって、導光板10とLED基板3とのクリアランスが一定に保たれている。
隣り合う導光板10の間隔は、熱及び吸湿による伸縮を考慮し、室温状態では1mm以上の距離を設けることが好ましい。さらに、隣り合う導光板10の間隔が3mm以下の場合、導光板10間の輝度ムラ変化率が大きいため、3mmより大きい間隔を空けることが、より好ましい。但し、導光板10の間隔を空けすぎると、導光板10間の体積あたりに出射される光が低下するため、光が不足し、導光板10間に暗線が生じやすくなる。導光板10の間隔はそれらを鑑みて設計されればよい。
なお、本願で言う導光板10の「間隔」とは、上記および以降特に断らない限り、隣り合う導光板10と導光板10の間の空間的隙間のことを指すものであって、導光板10の配される距離の周期を指すものではないものとする。また、上記間隔のことを「隙間」とも表現する。
(拡散板)
拡散部材としての拡散板7は、透過性と拡散性の機能を有しており、導光板10から出射する光量のムラつまり輝度ムラを抑制する機能を有している。また、本実施形態1では、拡散板7は図1に示すように、調光部材5と空間を設けて、つまり空気層を介して配置されている。実際にはフレーム8に支持されて配置されている。これにより、導光板10の出射面12からの出射光と、調光部材5上(隣り合う導光板10間)の出射光とが空気層内で混ざり合い、拡散板7へと入射されるため、輝度ムラを抑制することができる。例えば、拡散板7がない場合、導光板10にゴミまたは埃が付着したり、導光板10に傷が生じたりした場合、付着物や傷の部分から光が取出され、輝度ムラが発生してしまう。しかし、導光板10の出射面12に対して、空気層を介して拡散板7を設けることによって、その輝度ムラが緩和されて視認され難くなる。従って、品位が良く、信頼性の高い構造を有する光源モジュール1を提供することができる。
なお、本実施形態1では、拡散板7は、厚さ5mmの拡散板を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、拡散板7は透過性と拡散性の機能を有し、輝度ムラを抑制すればよく、形状についても板に限るものではなく、拡散部材、あるいは光拡散用カバーと表現できるものであってもよい。例えば、厚さ2mm以下のフィルムや布を採用してもよい。また、材質も、例えば、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)、及びPS(ポリスチレン)等を限定されずに使用することができる。
(調光部材)
調光部材5は、導光板10の間の出射光を調整する機能を有している。また、本実施形態1では、調光部材5は、図1に示すように拡散板7、導光板10と空間を設けて、つまり空気層を介して配置され、フレーム8にて支持されている。出射光の調整手段は、調光部材5に開けた穴の開口率で調整しており、穴のサイズもしくは密度で調整する。
調光部材5の効果について、比較例を用いて図3から図5に基づいて説明する。
比較例として、調光部材5を持たないこと以外は実施形態1と同じ装置構成・機能の光源モジュールを用いた。実施形態1と比較例を比較することで調光部材5の有無による差異および調光部材5の効果について説明する。
図3に、隣り合う導光板10間周辺における光の振る舞いを示す。図3(a)は比較例の場合、(b)は実施形態1の場合を示している。
実施形態1、比較例のいずれにおいても、隣り合う導光板10はそれぞれ端面14を有し、お互いに対向している。いずれの導光板10も入射された光を効率よく導き出射面12全域から出射するよう設計されてはいるものの、端面14から拡散板7方向に出射する光も無視できない。端面14から出射する光は、出射面12からの総光量に比べると比較的小さいながらも、拡散板7における端面14直上の周辺に着目した場合、その輝度が周囲との連続性を保てず、輝線ひいては輝度ムラとなってしまう。
比較例の場合、上述のように導光板10の端面14から拡散板7方向に出射した光は、図3(a)に示すように、遮られることなく拡散板7に到達する。これらの光は導光板10の隙間だけでなく出射面12直上部分にも及び、導光板10の端面14であるエッジの部分が最も明るく輝線として観察され、輝度ムラが生じる。これに対し実施形態1の場合、図3(b)に示すように、調光部材5の開口部を通過した光だけが拡散板7に到達し、開口部以外に到達した光は遮られて拡散板7に到達しないため、上記輝度ムラを緩和抑制することができる。調光部材5の開口部の大きさを予め調整しておくことによって、通過する光を所望の光量に調整することができる。
上述した調光部材5の作用について、図4に基づいて詳細に説明する。
図4に図3(a)(b)に示した比較例および実施形態1の各光源モジュールについて、導光体端面14から出射された光線の拡散板への照射状況を示す。図3と同様に、図4(a)には比較例の、(b)には実施形態1の状況を示す。出射光18a、18bはそれぞれ比較例、実施形態1における、端面14上端から出射した光の照射範囲を灰色ハッチングで示す。出射光19a、19bは端面14下端から出射した光の照射範囲を同様に縦線ハッチングで示す。なお、紙面左側の導光板10の端面14からの出射光のみを図示しているが、実際には、紙面右側の導光板10の端面14からも同様に光が出射されているが、導光板10の隙間の中心線に対して対称と考えてよいため、簡単のため省略する。なお、断面図の上方には、拡散板7へ到達した光の照射領域を、拡散板7の上方から見た場合を模式的に示している。
比較例においては、図4(a)に示すように、端面14上端からの出射光18aは遮るものがないため、図示する領域に照射される。一方、端面14下端からの出射光19aは、紙面右側の導光板10に一部を遮られて図示する領域に照射される。その結果、拡散板7への照射領域では特に隙間上方において、出射光18aおよび出射光19aが照射される。実際には、端面14の上端下端だけでなく中間領域からも光が出射しており、出射光18aと出射光19aの間の領域を照射するため、端面14からの出射光を総合すると導光板10の隙間上方に集中することが分かる。
これに対し、実施形態1においては、図4(b)に示すように、出射光の一部が調光部材5によって遮られ、一部が拡散板7へ到達する。例えば端面14上端からの出射光18bは調光部材5によって一部が遮られ、比較例における出射光18aよりも狭い領域に照射される。具体的には導光板10の隙間上方へは到達せず、周囲領域にのみ到達する。また、端面14下端からの出射光19bは、同様に調光部材5によって一部が遮られ、比較例における出射光19aよりも狭い領域に照射される。具体的には導光板10の隙間上方の狭い領域に到達する。その結果、拡散板7への照射領域では出射光18bおよび出射光19bの照射領域は重複しない。実際には、端面14の上端下端だけでなく中間領域からも光が出射しており、出射光18bと出射光19bの間の領域を照射するが、比較例に比べると、端面14からの出射光が導光板10の隙間上方に集中することを抑制できている。
以上に説明したように、実施形態1の構成では、比較例と比較して、導光板10の端面14からの出射光が拡散板7へ到達する割合を制限することで、輝度ムラを緩和抑制することができる。
つまり、調光部材5の開口率を変更することで端面からの出射光の透過光量を制御できるので、複数の導光体間の間隔により異なる輝度ムラに対して容易に輝度調整できる。この結果、導光体間の間隔や輝度が異なる場合においても開口率の変更により容易に輝度制御ができる。
なお、図3、図4で説明した出射光の状況は一例であり、実際には、導光板10の厚さ、隙間の幅、調光部材5の厚さ、開口率、導光板10と調光部材5との距離、導光板10と拡散板7との距離、などに影響を受ける。上記を始めとする各パラメータは、導光板10の隙間上方において拡散板7の輝度ムラが緩和抑制されるように適宜設計されてよい。
次に、具体的な実験例をもとに説明する。
図5に本実施形態1と比較例における輝度測定結果を示す。図5(a)には、拡散板7上における発光面写真を、(b)には、(a)のAA’、BB’のそれぞれにおける平面横方向に対する輝度の分布を示す。なお、比較のため、横方向距離は導光板10の隙間中央を基準とし、輝度の値は相対値としている。
図5に示す通り、比較例の場合、隣り合う導光板10の隙間が明るくなり、輝線が生じて輝度ムラとして視認されるのに対し、実施形態1の場合、調光部材5により出射光が制御され、導光板10間の輝度分布はなめらかな輝度変化となり、輝度ムラは緩和抑制され、視認されにくくなっている。
以上に説明してきたように、実施形態1の構成によれば、複数配置された導光体の境界で生じる端面からの出射光を、調光部材により調整できるので、輝度ムラを抑制することができる。従って、導光体の複数配置と輝度ムラ抑制を両立できるので、大型かつ輝度ムラの少ない高品位な光源モジュールを提供することができる。さらには、大型かつ輝度ムラの少ない高品位な照明装置を提供することができる。
また、導光板10の端面14のエッジの部分が最も明るく輝線として輝度ムラが生じやすいため、調光部材5は導光板10の端面14であるエッジ部分を覆うように配置することで、光量を確実に制御することができる。図3(b)に示したように、隣り合う導光板10の間隔つまり隙間よりも調光部材5の幅を広くすることで、導光板端面を確実に覆う構造とすることができる。その結果、導光体境界部の輝度制御が容易かつ確実となる。
図6に実施形態1の別の例を示す。図6(a)には、調光部材5aの幅が、隣り合う導光板10の間隔つまり隙間と少なくとも同程度である例を示す。具体的には、調光部材5aの幅が、端面14を導光板10の出射面12に垂直な方向に延長した端面延長面14aと一致している。この調光部材5aの構成であれば、拡散板7側から導光板10の出射面12に垂直な方向に見た場合に隙間を覆うことができ、光量を制御することができる。また、図6(b)に示すように、調光部材5aと同じく導光板10の隙間と同程度の幅を持つ調光部材5bを、導光板10の隙間に一部あるいは全部が入り込む構成としてもよい。この構成によっても、導光板端面を確実に覆う構造とすることができる。その結果、導光体境界部の輝度制御が容易かつ確実となる。
なお、ここで調光部材と導光板10の隙間との位置関係について詳細に説明する。
隣り合う導光板10の「隙間」とは導光板10の端面14と隣り合う導光板10の端面14に挟まれた空間を指すものとする。図6(b)の調光部材5bで説明したように、調光部材は導光板10の隙間に位置してもよいが、隙間の上方に位置してもよい。その理由は下記による。本願は拡散板7へ到達する光量を調整する技術であるため、図6(a)に示す調光部材5aのように、導光板10の厚さより拡散板7側に位置していても、拡散板7側から出射面12に垂直な方向に導光板10を見て、調光部材が導光体10の隙間の少なくとも一部を遮るように位置していれば本発明の効果が得られる。図6(a)に示した調光部材5aでは、その幅が端面延長面14aと一致する例を示した。これに対して図3(b)に示した調光部材5では、その幅が端面延長面14aを越えて導光板10の一部に至るので、導光板10の端面14を確実に覆う構造とすることができる。これにより導光体境界部の輝度制御が容易かつ確実となる。
以上のように、実施形態1の構成と作用効果について説明してきたが、本発明は実施形態1の構成に限られるものではなく、以下のような別の形態も可能である。
実施形態1では、穴形状を丸型としたが、楕円型、矩形型等でもよい。また、本実施形態1では、穴位置は一列であるが、二列や三列等でもよく千鳥配置でもよい。また、このような開口部の配置について、規則性や対称性を有していると光学設計や製造が容易になるため好ましいが、必ずしも限定されるものではない。本発明は拡散板7への到達光の一部を遮ることで拡散板7上方から見て輝度ムラを抑制すればよく、開口部の配置について規則性や対称性を持たず、無秩序に配置されていても構わない。
また、調光部材5の材質は高反射部材でも吸収部材でもよい。光の利用効率の観点ではおいては高反射部材の方が好ましいが、反射率が高すぎると、多重反射により、輝線などの輝度ムラが生じやすくなるので適宜設計することが好ましい。調光部材5の材質が吸収部材の場合、反射の影響が小さくなるので光の制御は容易になるが、出射光が不足した場合には、暗線が生じやすくなるので適宜設計することが好ましい。
また、実施形態1では、調光部材5が透過光量を調整する手段として開口部を有する例を示したが、開口部の代わりに、透光性材料からなる透光部を用いることもできる。同じ透光性材料を用いる場合は透光部の領域や厚さを変更することで端面からの出射光の透過光量を制御できるので、複数の導光体間の間隔により異なる輝度ムラに対して容易に輝度調整できる。また、同じ透光部の領域や厚さを用いる場合は透光性材料の光学濃度を変更することによっても同様の効果を得ることができる。この結果、導光体間の間隔や輝度が異なる場合においても透光部の厚さや透光性材料の光学濃度の変更により容易に輝度制御ができる。なお、開口部、透光部のいずれを用いた場合でも、調光部材5と拡散板7は空気層を介して配されているので、拡散板7において、暗部となり易い調光部材の開口部や透光部以外の部分の直上に対しても、光が出射され易くなる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば以下の通りである。実施形態2において説明すること以外の構成・機能は、実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7に実施形態2の光源モジュール20の概略図を示す。実施形態2の光源モジュール20は、本発明の効果を得るための最も単純な構成であり、シャーシ2、反射シート6および光取り出しパターン15を用いない。上記構成以外については、実施形態1の構成・機能と同一である。
実施形態1で説明したように、本発明の技術思想は、調光部材5により、隣り合う導光板10間における光を制御して輝度ムラを抑制するものである。実施形態1の図1および図2で説明してきた構成のうち、シャーシ2、反射シート6および光取り出しパターン15の3つの構成要素は光利用効率を向上させるために設けられるものであり、輝度ムラを抑制するという本発明の所期の目的には必ずしも必須の構成ではない。つまり、図1に示す実施形態1の構成から上記構成要素を除いた、図7の構成によって本発明の効果を得ることができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。実施形態3において説明すること以外の構成・機能は、実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態3では、両面発光とした光源モジュール30について説明する。
図8に実施形態3の光源モジュール30の概略図を示す。
実施形態3の光源モジュール30は実施形態1の光源モジュール1の構成の一部を変更して、両面発光としたものである。具体的には、図8に示すように、実施形態1の図1に示した光源モジュール1の構成のうち、裏面側のシャーシ2、反射シート6を取り除き、代わりに出射面12側と同様に調光部材5および拡散板7を設けている。導光板10における出射面12の反対側の面(実施形態1では「裏面」、以降、出射面13とする)からの出射光も面発光として利用する。上記構成以外については、実施形態1の構成・機能と同一である。
図8に示すように、LED基板3からの出射光を導光板10へ入射させ、導光板10の出射面12と出射面13の両面から主に光を出射し、導光板10の両面方向に配置された拡散板7へ出射する両面発光型の光源モジュールとなっている。調光部材5は、隣り合う導光板10の間を覆うように、表裏両側(各拡散板7側)にそれぞれ配置されている。
実施形態3の構成は、シャーシ2や反射シートがないので、図1の実施形態1の光源モジュール1を両面に配置して両面発光とした構成に比べると、薄型化に適した構成となっている。また、共通のLED基板3を利用して同時に両面発光させることができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。実施形態4において説明すること以外の構成・機能は、実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態4では、両面発光とした光源モジュール40について説明する。
図9に実施形態4の光源モジュール40の概略図を示す。
実施形態4の光源モジュール40は、図9に示すように、正面図の紙面下から、拡散板7、調光部材5、導光板10、反射シート6、共通シャーシ4、反射シート6、導光板10、調光部材5、拡散板7の順に配置している。図1の実施形態1の光源モジュール1をシャーシ2が対向するように表と裏に配置し、シャーシ2を共通化した共通シャーシ4となる構成であり、両面発光型の光源モジュール40となる。上記構成以外については、実施形態1の構成・機能と同一である。
実施形態4の構成によれば、光源モジュール40の表と裏で発光を各々制御可能である特徴を有している。また、共通シャーシ4を支持部材として構成できるため、強度の確保が容易となっている。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。実施形態5において説明すること以外の構成・機能は、実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10に実施形態4の光源モジュール50の概略図を示す。光源モジュール50では実施形態1で用いた調光部材5の代わりに調光部材16aを用いる。上記構成以外については、実施形態1の構成・機能と同一である。
図10(a)は光源モジュール50に調光部材16aを適用する前の状態を示し、(b)は調光部材16aを適用することで、端面14からの出射光を調整した状態を示している。実施形態1で説明した調光部材5は、隣り合う導光板10の隙間を覆うように設けられていたが、実施形態5の調光部材16aは、隣り合う導光板10の隙間に配されて、端面14からの出射光を調整する。
調光部材16aは、例えば光吸収体や光散乱体からなり、端面14から出射される光を吸収、もしくは散乱することで拡散板7に到達する光量を調整する。隣り合う導光板10の隙間に設けるため、調光部材16aの断面が例えば図10(b)に示すように長方形となっている。同様の断面形状がさらに導光板10の辺方向に伸びることで、調光部材16aとして直方体形状となっている。
図10(a)に示すように端面14から出射される光は、端面14の上部から出射するだけでなく下部からも出射される。これに対し図10(b)に示すように調光部材16aを導光板10の隙間に設ければ、端面14下部からの出射光を吸収もしくは散乱することで拡散板7へ到達することを妨げ、端面14からの出射光を所望の光量に調整できる。その結果として、実施形態1と同様に導光板10隙間直上の輝度ムラを抑制することができる。調光部材16aの高さを調整しておく、例えばあらかじめ適切な高さの調光部材16aを準備しておけば、調光部材16aを設けることで適切な光量調節、輝度ムラ抑制が可能である。
上記では調光部材16aについて説明したが、端面14と調光部材との境界面に空気層を配置する構成とすることもできる。
図11に実施形態4の調光部材の別の例を示す。図11(a)に示す調光部材16bや(b)に示す調光部材16cは、端面14との接触部分を削減し、空気層を介する構成となっている。このような構成であれば、端面14から出射された出射光が空気層を介して調光部材に有効に吸収、もしくは散乱されるので好ましい。また、調光部材が直接端面14に接する部分が少ないので、導光板10への光学的な影響を抑制でき、本来の導光板10の光学設計による所望の光学機能を損なうことなく輝度ムラを抑制することができる。
以上のように、実施形態5の構成によれば、光源モジュール50の隣り合う導光板10の隙間に調光部材16aを配置させればよいため、設置が簡単であり、端面14からの光量調整について、調光部材16aの高さ、あるいは設置高さを変えることで調整できるため、調整が簡単である。
本発明に係る光源モジュールは、光源と、光源からの光を伝搬させる複数の導光体と、導光体からの光を拡散させる拡散部材を備えた光源モジュールであって、複数の導光体は、互いに隙間を設けて配置されており、光源モジュールは、さらに調光部材を備え、調光部材は、拡散部材側から見て導光体の隙間の少なくとも一部を遮るように配されていることを特徴としている。
上記構成によれば、複数配置された導光体の境界で生じる端面からの出射光を、調光部材により調整できるので、輝度ムラを抑制することができる。従って、導光体の複数配置と輝度ムラ抑制を両立できるので、大型かつ輝度ムラの少ない高品位な光源モジュールを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の光源モジュールにおいて、調光部材は透光部を有することが好ましい。
上記構成によれば、調光部材により、導光体境界部の輝度制御が容易かつ確実となるという効果を奏する。
また、本発明の光源モジュールにおいて、透光部は、開口部からなることが好ましい。
上記構成によれば、開口率を変更することで端面からの出射光の透過光量を制御できるので、複数の導光体間の間隔により異なる輝度ムラに対して容易に輝度調整できる。
この結果、導光体間の間隔や輝度が異なる場合においても開口率の変更により容易に輝度制御ができるという効果を奏する。
また、本発明の光源モジュールにおいて、透光部は、透光性材料からなることが好ましい。
上記構成によれば、同じ透光性材料を用いる場合は透光部の領域や厚さを変更することで端面からの出射光の透過光量を制御できるので、複数の導光体間の間隔により異なる輝度ムラに対して容易に輝度調整できる。また、同じ透光部の領域や厚さを用いる場合は透光性材料の光学濃度を変更することによっても同様の効果を得ることができる。この結果、導光体間の間隔や輝度が異なる場合においても透光部の厚さや透光性材料の光学濃度の変更により容易に輝度制御ができるという効果を奏する。
また、本発明の光源モジュールにおいて、調光部材の幅は、隙間の幅よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、導光板端面を確実に覆う構造とすることができる。その結果、導光体境界部の輝度制御が容易かつ確実となるという効果を奏する。
また、本発明の光源モジュールにおいて、調光部材と拡散部材の間に空気層を有することが好ましい。
拡散性の低い拡散部材を調光部材の直上に配置した場合、調光部材の開口部や透光部以外の部分の直上は暗部となり易い。
これに対し上記構成によれば、暗部となり易い調光部材の開口部や透光部以外の部分の直上に対しても、光が出射され易くなるという効果を奏する。
また、本発明に係る照明装置は、前記光源モジュールを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、導光体の複数配置と輝度ムラ抑制を両立できるので、大型かつ輝度ムラの少ない高品位な照明装置を提供することができるという効果を奏する。