JP6667865B1 - 会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム - Google Patents

会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6667865B1
JP6667865B1 JP2019208676A JP2019208676A JP6667865B1 JP 6667865 B1 JP6667865 B1 JP 6667865B1 JP 2019208676 A JP2019208676 A JP 2019208676A JP 2019208676 A JP2019208676 A JP 2019208676A JP 6667865 B1 JP6667865 B1 JP 6667865B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
record
variable
value
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019208676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021081975A (ja
Inventor
大介 宮川
大介 宮川
哲平 宇宿
哲平 宇宿
近藤 聡
聡 近藤
研吾 白木
研吾 白木
美希 菅
美希 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KPMG AZSA LLC
Original Assignee
KPMG AZSA LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KPMG AZSA LLC filed Critical KPMG AZSA LLC
Priority to JP2019208676A priority Critical patent/JP6667865B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6667865B1 publication Critical patent/JP6667865B1/ja
Publication of JP2021081975A publication Critical patent/JP2021081975A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Abstract

【課題】財務諸表の変数の異常を精度よく検出する。【解決手段】会計データ生成部1は、会計データを生成する。欠損値処理部2は、会計データのレコードの変数の欠損値にかかる処理を行う。レコード選別部3は、会計データにからノイズとなるレコードを除外する。正規化処理部4は、レコードの各変数を正規化する。データ分割部5は、正規化されたレコードを分割する。回帰分析部6は、訓練用データを用いてL1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得する。検出精度評価部7は、訓練済みモデルを用いてモデル選別用データのレコードの各変数の異常度の検出精度に応じて訓練済みモデルのL1正則化項を特定し、これに対応する訓練済みモデルを評価用モデルとして決定する。異常度出力部8は、未知のデータセットのレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出する。【選択図】図4

Description

本発明は、会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラムに関する。
機械学習やディープラーニングなどのAI技術を利用して、会計監査における異常検出を行う試みが進展している。例えば、複数の勘定科目の変動にVAR(Vector Auto-Regression)構造を仮定してLASSO(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)よるスパース(sparse)化を行って、異常な勘定科目の原因となる仕訳を検出する技術が提案されている(特許文献1)。この技術にかかる財務分析装置では、第1ベクトル生成部が、会計データの第1期間内の各勘定科目の各変動値を要素とする第1ベクトルを生成する。推定部が、複数の第1期間を含む第2期間内における複数の第1ベクトルに基づいて第1期間内における複数の勘定科目の各変動値を推定する。残差検出部が、変動値と実際の変動値との残差を検出する。異常候補特定部が、残差に相関する値が閾値を超える特定の第1期間における特定の勘定科目の変動値を抽出する。仕訳限定部が、特定の第1期間内の各仕訳の複数の勘定科目の各変動値を要素とする第2ベクトルを行方向に並べた第2行列を生成する。仕訳抽出部が、第2行列から、残差に相関する値が閾値を超える勘定科目を含む仕訳を抽出する。異常仕訳抽出部が、抽出された仕訳に含まれる異常を検知する異常検知部と、異常が検知された仕訳を抽出する。
また、上述のLASSOの手法の一類型として、グラフィカルlasso(Graphical LASSO:GLASSO)が知られている(非特許文献1)。
特開2019−67086号公報
井出 剛、「依存性にスパース化を入れる − グラフィカルlassoの話」、岩谷データサイエンス、Vol.5、2016年、岩波データサイエンス刊行委員会編、pp.48-63、インターネット、2019年11月7日検索、<URL: http://ide-research.net/papers/2016_Iwanami_Ide.pdf> Tsuyoshi Ide, et.al., "Proximity-Based Anomaly Detection using Sparse Structure Learning", Proceedings of 2009 SIAM International Conference on Data Mining, インターネット、2019年11月7日検索、<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?rep=rep1&type=pdf&doi=10.1.1.217.2750>
特許文献1の手法では、複数の勘定科目の変動にVAR構造を仮定してスパース化を行っている。この手法では、異なる要素、すなわち異なる勘定科目間の偏相関関係を考慮することなく機械的にスパース化を行っているため、複数の勘定科目を要素とする正確な同時分布を保証することが原理的にできない。そのため、異常検出結果の精度の信頼性の点で懸念がある。
また、勘定科目の変動に着目しているため、勘定科目の値そのものの異常を検出することはできない。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、財務諸表の勘定科目の異常を精度よく検出することを目的とする。
一実施の形態にかかる会計情報処理装置は、
単一の企業の単一の期間の財務データに含まれる複数の勘定科目の値を示す複数の変数と、前記複数の変数の1つに訂正があったことを示すラベル情報と、を少なくとも含むレコードを、複数の企業及び複数の期間に対応する分だけ含むデータセットを生成する会計データ生成部と、
前記データセットに含まれるレコードの変数の欠損値にかかる処理を行う欠損値処理部と、
前記データセットに含まれるレコードから、ノイズとなるレコードを除外するレコード選別部と、
選別されたレコードについて、変数ごとに値を正規化する正規化処理部と、
正規化されたレコードを分割して、訓練用データ、モデル選別用データ及びスコア算出用テストデータを作成するデータ分割部と、
前記訓練用データを用いて、L1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得する回帰分析部と、
取得した前記訓練済みモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各変数の異常度の検出精度を評価し、前記検出精度に応じて前記訓練済みモデルの前記L1正則化項を特定し、特定した前記L1正則化項に対応する前記訓練済みモデルを、評価対象となる企業の会計データの変数の不正の検出に用いる評価用モデルとして決定する検出精度評価部と、
前記評価用モデルを用いて、未知のデータセットに含まれるレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出する異常度出力部と、を有するものである。
一実施の形態にかかる会計情報処理方法は、
会計データ生成部によって、単一の企業の単一の期間の財務データに含まれる複数の勘定科目の値を示す複数の変数と、前記複数の変数の1つに訂正があったことを示すラベル情報と、を少なくとも含むレコードを、複数の企業及び複数の期間に対応する分だけ含むデータセットを生成し、
欠損値処理部により、前記データセットに含まれるレコードの変数の欠損値にかかる処理を行い、
レコード選別部により、前記データセットに含まれるレコードから、ノイズとなるレコードを除外し、
正規化処理部により、選別されたレコードについて、変数ごとに値を正規化し、
データ分割部は、正規化されたレコードを分割して、訓練用データ、モデル選別用データ及びスコア算出用テストデータを作成し、
回帰分析部により、前記訓練用データを用いて、L1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得し、
検出精度評価部により、取得した前記訓練済みモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各変数の異常度の検出精度を評価し、前記検出精度に応じて前記訓練済みモデルの前記L1正則化項を特定し、特定した前記L1正則化項に対応する前記訓練済みモデルを、評価対象となる企業の会計データの変数の不正の検出に用いる評価用モデルとして決定し、
異常度出力部により、前記評価用モデルを用いて、未知のデータセットに含まれるレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出するものである。
一実施の形態にかかる会計情報処理プログラムは、
単一の企業の単一の期間の財務データに含まれる複数の勘定科目の値を示す複数の変数と、前記複数の変数の1つに訂正があったことを示すラベル情報と、を少なくとも含むレコードを、複数の企業及び複数の期間に対応する分だけ含むデータセットを生成する処理と、
前記データセットに含まれるレコードの変数の欠損値にかかる処理を行う処理と、
前記データセットに含まれるレコードから、ノイズとなるレコードを除外する処理と、
選別されたレコードについて、変数ごとに値を正規化する処理と、
正規化されたレコードを分割して、訓練用データ、モデル選別用データ及びスコア算出用テストデータを作成する処理と、
前記訓練用データを用いて、L1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得する処理と、
取得した前記訓練済みモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各変数の異常度の検出精度を評価し、前記検出精度に応じて前記訓練済みモデルの前記L1正則化項を特定し、特定した前記L1正則化項に対応する前記訓練済みモデルを、評価対象となる企業の会計データの変数の不正の検出に用いる評価用モデルとして決定するする処理と、
前記評価用モデルを用いて、未知のデータセットに含まれるレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出する処理と、をコンピュータに実行させるものである。
本発明によれば、財務諸表の勘定科目の異常を精度よく検出することができる。
実施の形態1にかかる会計情報処理装置を実現するためのシステム構成の一例を示す図である。 実施の形態1にかかる会計データの基本構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる会計データADを表形式にて示す図である。 実施の形態1にかかる会計情報処理装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる会計情報処理装置100での勘定科目の異常検出処理のフローチャートである。 図5のステップS2での処理を示すフローチャートである。 図5のステップS3での処理を示すフローチャートである。 図5のステップS4での処理を示すフローチャートである。 図5のステップS5での処理を示すフローチャートである。 図5のステップS6での処理を示すフローチャートである。 ROC曲線とAUCの一例を示す図である。 モデル選別用データを使用して、純資産に着目した場合の資産の異常検出精度AUCを示す図である。 最適なハイパーパラメータとスコア算出用テストデータを用いて、純資産に着目して資産不正を検出した場合の異常検出精度AUCの分布を示す図である。 最適なハイパーパラメータとスコア算出用テストデータを用いて、売上総利益に着目して売上高不正を検出した場合の異常検出精度AUCの分布を示す図である。 最適なハイパーパラメータとスコア算出用テストデータを用いて、各レコードの変数の異常度の平均値に着目して資産不正を検出した場合の異常検出精度AUCの分布を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
実施の形態1にかかる会計情報処理装置100について説明する。会計情報処理装置100は、企業の財務諸表に含まれる複数の勘定科目から異常な勘定科目を検出できるように構成される。
図1に、実施の形態1にかかる会計情報処理装置100を実現するためのシステム構成の一例を示す。会計情報処理装置100は、専用コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータ110により実現可能である。但し、コンピュータは、物理的に単一である必要はなく、分散処理を実行する場合には、複数であってもよい。図1に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13を有し、これらがバス14を介して相互に接続されている。尚、コンピュータを動作させるためのOSソフトなどは、説明を省略するが、この会計情報処理装置を構築するコンピュータも当然有しているものとする。
バス14には、入出力インターフェイス15が接続されている。入出力インターフェイス15には、入力部16、出力部17、通信部18及び記憶部19が接続される。
入力部16は、例えば、キーボード、マウス、センサなどより構成される。出力部17は、例えば、LCDなどのディスプレイ装置やヘッドフォン及びスピーカなどの音声出力装置により構成される。通信部18は、例えば、ルータやターミナルアダプタなどにより構成される。記憶部19は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶装置により構成される。
CPU11は、ROM12に記憶されている各種プログラム、又は記憶部19からRAM13にロードされた各種プログラムに従って各種の処理を行うことが可能である。本実施の形態においては、CPU11は、例えば後述する会計情報処理装置100の各部の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータや、CPU11の処理の結果として得られたデータなどを記憶してもよい。
通信部18は、ネットワーク30を介して、サーバ40と双方向の通信を行うことが可能である。通信部18は、CPU11から提供されたデータをサーバ40へ送信したり、サーバ40から受信したデータをCPU11、RAM13及び記憶部19などへ出力することができる。通信部18は、他の装置との間で、アナログ信号又はディジタル信号による通信を行ってもよい。記憶部19はCPU11との間でデータのやり取りが可能であり、情報の保存及び消去を行う。
入出力インターフェイス15には、必要に応じてドライブ20が接続されてもよい。ドライブ20には、例えば、磁気ディスク21、光ディスク22、フレキシブルディスク23又は半導体メモリ24などの記憶媒体が適宜装着可能である。各記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされてもよい。また、必要に応じて、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータや、CPU11の処理の結果として得られたデータなどを各記憶媒体に記憶してもよい。
次いで、取り扱う会計データの形式について説明する。本実施の形態にかかる会計データADは、企業を識別するための企業識別情報、決算期間(または、会計期間)を示す会計識別情報、複数の勘定科目のデータ値及び不正ラベルを含む変数が関連付けられた表形式のデータセットとして構成される。なお、ここでいうデータ値とは、数値データ及び文字データ(テキストデータ)の両方を含むものとする。図2に、本実施の形態にかかる会計データADの基本構成を模式的に示し、図3に、本実施の形態にかかる会計データADを表形式にて示す。会計データADの1つのレコードに関連付けられるフィールド、すなわち表の列方向には、企業識別情報、会計識別情報、複数の勘定科目のデータ値及び不正ラベルが配列される。また、当然のことながら、表の行方向には複数のレコードが配列される。図2に示す様に、1つの企業識別情報に対して複数の会計識別情報が組み合わされ得るので、会計データADには1つの企業に対応する複数のレコードが含まれ得る。
企業識別情報は、企業名などのテキストデータでもよいし、識別番号(企業ID)などの数値データであってもよい。なお、図2及び3では、企業識別情報として企業IDを用いている。また、企業識別情報は、必要に応じて、企業の業種を示す変数などの他の変数を含んでもよい。
会計識別情報は、少なくとも決算期間(または会計期間)を含む。決算期間(または会計期間)の長さは限定されるものではなく、年、半期、四半期、半期、月、日などの任意の期間としてもよい。決算期間が年の場合には、例えば西暦で表示してもよい。また、必要に応じて、会計識別情報は決算の区分(連結又は単体)及び会計基準(日本基準、国際会計基準又は米国会計基準)などを他の変数を含んでもよい。決算の区分(連結又は単体)は、例えば連結の場合には「1」、単体の場合には「0」のように特定の値で表示してもよい。会計基準(日本基準、国際会計基準又は米国会計基準)についても、日本基準の場合には「0」、国際会計基準の場合には「1」及び米国会計基準の場合には「2」のように特定の値で表示してもよい。
変数には、貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書の各項目が含まれる。また、変数には、貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書の各項目以外の情報が含まれてもよい。
不正ラベルは、全変数のうちの特定の変数のいずれかに訂正が有った場合に付されるものである。本実施の形態では、「売上高」、「当期純利益」及び「純資産」のいずれかに訂正があった場合に、不正ラベルが付される。例えば、「売上高」について過大計上が有ったことを理由として「売上高」の訂正があった場合に不正ラベルは「1」となり、訂正がない場合には「0」となる。費用の過少計上があり、その結果「当期純利益」が過大計上されたことを理由として「当期純利益」の訂正が有った場合には不正ラベルは「1」となり、訂正がない場合には「0」となる。「純資産」について過大計上が有ったことを理由として「純資産」の訂正があった場合には不正ラベルは「1」となり、訂正がない場合には「0」となる。
次いで、会計情報処理装置100の構成及び処理について説明する。本実施の形態では、会計情報処理装置100は、複数の企業の複数の決算期間(会計期間)の財務諸表データを含む上述の会計データADから、不正ないしは異常と認められる変数を検出するように構成される。
図4に、実施の形態1にかかる会計情報処理装置100の構成を模式的に示す。会計情報処理装置100は、ハードウェア上では、各処理は実際にはソフトウェアと上記CPU11などのハードウェア資源とが協働することで実現される。会計情報処理装置100は、会計データ生成部1、欠損値処理部2、レコード選別部3、正規化処理部4、データ分割部5、回帰分析部6、検出精度評価部7及び異常度出力部8を有する。
図5に、実施の形態1にかかる会計情報処理装置100での変数の検出処理のフローチャートを示す。会計情報処理装置100は、図5に示すステップS1〜S8の処理を実行することで、異常な変数を検出するための学習を行う。
ステップS1:会計データ生成
会計データ生成部1は、企業データを取り込み、図2及び3を参照して説明した会計データADを作成する。なお、企業データは、例えば記憶部19に格納可能であり、CPU11などで構成される会計データ生成部1が必要に応じて読み出すことが可能である。
ステップS2:欠損値処理
企業の状況や、企業データの収集方法などによっては、各レコードの変数に欠損値が含まれるおそれがある。そのため、まず、欠損値処理部2は、図6に示すステップS21〜S23を実行して、会計データADの各変数に含まれる欠損値の除外及び補填を行う。これにより、欠損値による影響を抑制し、各レコードに対して同様の処理を行えるように会計データADが整形される。
ステップS21
全レコードの各変数を参照し、値が欠損しているセル(欠損値セルと称する)を探索する。そして、欠損値の存在割合が欠損閾値THL以下の変数を残し、欠損値の存在割合が欠損閾値THLよりも大きな変数を会計データADから除外する。本実施の形態では欠損閾値THLを99%とするが、欠損閾値THLは必要に応じて任意の値としてもよい。
ステップS22
残存している変数の欠損値セルを探索し、欠損値セルを含むレコードと同じ企業のレコードを特定する。そして、特定したレコードについて、着目する欠損値セルと同じ変数の値の平均値を算出し、算出した平均値で欠損値セルの値を補填する。なお、ここでは上記の平均値で欠損値を補填しているが、平均値以外の0、中央値及び同業種における平均値などの任意の値としてもよい。
ステップS23
会計データADから各企業のレコードを参照し、決算期間(または会計期間)で示される全期間で欠損している変数を特定する。そして、全企業及び全期間のレコードについて、特定した変数の値の平均値を算出し、算出した値で特定した企業の変数の全期間の欠損値を補填する。なお、ここでは上記の平均値で欠損値を補填しているが、平均値以外の0、中央値及び同業種における平均値などの任意の値としてもよい。
ステップS3:レコード選別
次いで、レコード選別部3は、図7に示すステップS31及びS32を実行して、不正ラベルがポジティブなレコードの選別を行う。なお、不正ラベルがポジティブであるとは、着目する変数に訂正が有った場合を意味し、例えば不正ラベルの値が「1」であることを意味する。一方、不正ラベルがネガティブであるとは、着目する変数に訂正が無かった場合を意味し、例えば不正ラベルの値が「0」であることを意味する。
ステップS31
不正ラベルがポジティブのレコードのうち、訂正対象となった変数の訂正割合が訂正割合閾値THMよりも小さなレコードを、会計データADから除外する。本処理によって、変数が訂正されているものの、訂正が軽微であり、実質的に訂正されたとは認められないレコードが除外される。これにより、不正ラベルがポジティブであるが、実質的には不正が行われていないレコードをノイズと見なして除去することができる。本実施の形態では、訂正割合閾値THMを0とするものとする。なお。訂正割合閾値THMの値が0であるのは例示に過ぎず、必要に応じて任意の値としてもよい。
ステップS32
各企業のレコードを参照し、不正ラベルがネガティブであるレコードが所定の決算期間分以上ある企業のレコードを残し、それ以外の企業のレコードを除外する。これにより、十分な期間の会計データが得られない企業のレコードが除外される。本実施の形態では、所定の年数を5年間とするが、所定の年数は必要に応じて5年間以外の任意の年数としてもよい。
ステップS4:正規化処理
正規化処理部4は、企業ごとに、図8に示すステップS41〜43を実行して、全レコードの各変数の値xを正規化する。
ステップS41
不正ラベルがネガティブであるレコードを抽出してネガティブテーブルを作成し、各企業について、各変数の平均値μ及び標準偏差σを算出する。
ステップS42
企業ごとに、全レコードの各変数の値xを正規化する。本実施の形態では、算出した各変数の平均値μ及び標準偏差σを用いて各変数の標準得点z(z得点、z値又はzスコアとも称される)を算出し、全レコードの各変数の値xを算出した標準得点zで置換する。
Figure 0006667865
ステップS43
正規化後、標準偏差σが0となり、標準得点zが定義されない場合には、正規化後の値を0に置換する。一般に、各企業の財務諸表の各変数には、長期にわたって値が変動しないものが存在しうる。例えば、資本金に着目した場合、増資などが行われない場合には、資本金の額は長期にわたって一定のまま推移することが考え得る。このような場合には、資本金の標準偏差は0となりうるので、標準得点が定義できなくなってしまう。標準得点が定義できないセルを残存させてしまうと正規化を行った意義が損なわれてしまうので、ここでは、標準得点が定義できないセルについては、値を0に置換して対応している。
ステップS5:データ分割
データ分割部5は、図9に示すステップS51〜S54を実行して、後述するグラフィカルlassoでの回帰分析処理に用いる訓練データを作成する。
ステップS51
会計データADを、任意に設定した基準時に基づいて、基準時よりも前の決算期間のレコードからなるモデル構築用データと、基準時以降の決算期間のレコードからなるスコア算出用テストデータと分割する。
ステップS52
以下のステップでは、モデル構築用データを、グラフィカルlassoでのモデリングに用いる訓練用データと、モデリング後の最適モデルの探索に用いるモデル選別用データと、に分割する。まず、モデル構築用データを、不正ラベルがネガティブであるレコードと、不正ラベルがポジティブであるレコードと、に分割する。
ステップS53
不正ラベルがネガティブのみである企業を、訓練用企業が8割、モデル選別用企業が2割となるように分割する。このとき、訓練用企業とモデル選別用企業とがなるべく均質となるように、換言すればランダムに分割が行われることが望ましい。
ステップS54
不正ラベルがネガティブである訓練用企業のレコードを訓練用データとして分割する。また、不正ラベルがネガティブであるモデル選別用企業のレコードと、不正ラベルに1回でもポジティブが含まれる企業の全レコードと、をモデル選別用データとして分割する。よって、グラフィカルlassoでのモデリングに用いる訓練用データには、不正ラベルがポジティブであるレコードは含まれていない。つまり、本実施の形態のグラフィカルlassoでのモデリング(訓練)では、出現頻度が少ない不正イベント(不正ラベルがポジティブであるレコード)を用いることなくモデリング(訓練)を行うことが理解できる。
ステップS6:回帰分析
回帰分析部6は、図10に示すステップS61〜S66を実行して、訓練用テーブルを用いて、グラフィカルlassoによる重回帰分析処理を行う。
ステップS61
訓練用テーブルの各変数の平均値を算出する。以下では、訓練用テーブルの列番号をi、行番号をjで表示する。第i列の変数の平均値をμと表記する。
ステップS62
訓練用テーブルの共分散行列Sを作成する。
ステップS63
以下、訓練用テーブルに、グラフィカルlasso(非特許文献1を参照)を適用する。グラフィカルlassoは、以下の式で示される最適化問題を解くことを目的とするものである。なお、以下の式は、非特許文献1の式(9)に対応するものである。

Figure 0006667865
上式において、Λは精度行列、Tr(ΛS)は行列ΛSのトレース(又は跡)、
Figure 0006667865
はL1正則化項を示している。L1正則化項は、係数(L1正則化項に付随するハイパーパラメータ)ρと
Figure 0006667865
の積であり、
Figure 0006667865
は以下の式で定義される。
Figure 0006667865
上式において、Λi,jは、行列Λの(i,j)成分、つまり、第i列第j行の成分である。|Λi,j|は、Λi,jの絶対値を示している。Mは、変数の数を示している。なお、こうした同時分布の推定に当たっては、複数の周辺分布を結合して同時分布を形成する関数(コピュラ)などを用いた最尤法推定で行うことも可能である。
ステップS64
L1正則化項に付随するハイパーパラメータρを離散的に変化させて、すなわち複数の値を与え、L1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値ごとに行列Λを計算する。
ステップS65
L1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値ごとに算出した精度行列Λのそれぞれについて、平均値μを用い、テスト用テーブルに含まれる各レコードの変数を成分とする標本ベクトルxの異常度a(x)を算出する。なお、以下の式は、非特許文献1の式(27)に対応するものである。
Figure 0006667865
なお、m=μである。上式によって、テスト用テーブルに含まれる各レコードの各変数の異常度を算出することができる。
ステップS66
同様に、L1正則化項に付随するハイパーパラメータρを離散的に変化させて、L1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値ごとに偏相関行列Pを計算する。上述で算出した精度行列Λのそれぞれの逆行列を計算することで、偏相関行列を得ることができる。
ステップS7:検出精度評価
検出精度評価部7は、異常検出精度が最大となるL1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値を決定する。具体的には、L1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値ごとに、不正の検出対象の変数である売上高と関連性が高い変数、ここでは売上総利益に着目してROC曲線を生成し、そこから売上高不正の検出精度を示すAUCを計算する。なお、言うまでもないが、着目する変数は、売上総利益以外の任意の変数であってもよい。
ROC曲線とAUCについて簡潔に説明する。図11に、ROC曲線とAUCの一例を図示する。ROC曲線は、真陽性の割合と偽陽性の割合として定義される点が描く軌跡に対応する曲線である。ROC曲線の縦軸は真陽性の割合(True Positive Rate)であり、検出結果の横軸上に設定した閾値以上の範囲におけるpositiveを示す実線Pと横軸とに囲まれる部分の面積に対応する。ROC曲線の横軸は偽陽性の割合(False Positive Rate)であり、予測結果の横軸上に設定した閾値以上の範囲におけるnegativeを示す破線Nと横軸とに囲まれる部分の面積に対応する。
例として、ROC曲線の横軸上に閾値THを設定し、閾値THに対応するROC曲線上の点Pを示した。点Pにおける真陽性の割合(True Positive Rate)TPR1は、検出結果の横軸上に設定した閾値TH以上の範囲におけるpositiveを示す実線Pと横軸とに囲まれる部分(細線ハッチングが施された部分)の面積に対応する。点Pにおける偽陽性の割合(False Positive Rate)FPR1は、検出結果の横軸上に設定した閾値TH以上の範囲におけるnegativeを示す破線Nと横軸とに囲まれる部分(太線ハッチングが施された部分)の面積に対応する。
AUCは、ROC曲線よりも下の部分(ハッチングが施された部分)の面積である。一般に、AUCの値は、事象の発生がランダムである場合には0.5となり、イベントの発生及び未発生の予測精度が高くなるほど1に近づくこととなる。
以下、モデル選別用データを用いた検出精度評価を行って、ハイパーパラメータρの最適値を決定する方法について説明する。ここでは、資産に訂正があった場合に不正フラグがポジティブとなっている会計データを用いた。図12に、モデル選別用データを使用して、純資産に着目した場合の資産の異常検出精度AUCを示す。図12では、L1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値が0.02のときにAUCの中央値が最大となっている。よって、この場合、L1正則化項に付随するハイパーパラメータρの値として0.02を採用することで、最も高精度に資産の不正を検出できることが確認された。これにより、未知の会計データに対する資産不正検出の準備は完了となる。
ステップS8:異常度出力
ここでは、実際に、未知の会計データに含まれる勘定科目の異常度算出を行う。異常度出力部8は、未知の会計データに含まれる変数の異常度を出力する。ここでは、ステップS7で決定した最適なハイパーパラメータ(ρ=0.02)を用い、訓練データとは決算期間が異なるスコア算出用テストデータを、不正検出の対象となる未知の会計データとして用い、異常度を算出する変数を純資産とした第1の実施例について説明する。異常度出力部8は、スコア算出用テストデータの純資産の異常度(式7)を計算し、各企業の資産不正を検出する。不正検出にあたっては、異常度に閾値を設け、算出した異常度が閾値よりも大きな場合に、資産不正の蓋然性が高いものとして検出する。図13に、最適なハイパーパラメータとスコア算出用テストデータを用いて、純資産に着目して資産不正を検出した場合の異常検出精度AUCの分布を示す。図13に示すように、未知の会計データの不正検出を良好な精度で行えることが理解できる。
以上、本構成によれば、稀な現象である、会計データに含まれる不正を高精度に検出することができる。
他の不正検出の実施例について、以下に例示する。まず、第2の実施例として、最適なハイパーパラメータ(ρ=0.03)を用い、スコア算出用テストデータを未知の会計データとして用い、異常度を算出する変数を売上総利益として売上高不正を検出する場合について説明する。なお、最適なハイパーパラメータはステップS7の手順で決定したものであり、決定手順の詳細については説明を省略する。図14に、最適なハイパーパラメータとスコア算出用テストデータを用いて、売上総利益に着目して売上高不正を検出した場合の異常検出精度AUCの分布を示す。図14に示すように、不正検出の対象となる変数が変更された場合でも、未知の会計データの不正検出を良好な精度で行えることが理解できる。
上記では、特定の変数の異常度に着目して、不正フラグの対象となる変数(資産及び売上高)の不正を検出する例について説明した。しかしながら、各レコードに含まれる複数の変数に着目して、不正検出を行うことも可能である。第3の実施例として、最適なハイパーパラメータ(ρ=0.3)を用い、スコア算出用テストデータを未知の会計データとして用い、各レコードの変数に関する異常度の平均値に着目して資産不正を検出する場合について説明する。不正検出にあたっては、平均値に閾値を設け、算出した平均値が閾値よりも大きな場合に、資産不正があったものとして検出する。図15に、最適なハイパーパラメータとスコア算出用テストデータを用いて、各レコードの変数の異常度の平均値に着目して資産不正を検出した場合の異常検出精度AUCの分布を示す。図15に示すように、不正検出の判定基準を、単一の変数から複数の変数の平均値に置き換えた場合でも、未知の会計データの不正検出を良好な精度で行えることが理解できる。
以上、変数の異常度の平均値を用いて各レコードの不正検出を行う例について説明したが、平均値以外の統計量を用いてもよい。すなわち、最大値、最小値、中央値及び最頻値など、任意の統計量を用いてもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる会計情報処理装置100によれば、不正を検出する変数に応じてL1正則化項に付随するハイパーパラメータρを最適な値に設定し、上述の会計データADと同じ形式に整形された不正の検出対象となる未知の会計データに含まれる変数の不正を精度よく検出することができる。
また、上述の通り、本実施の形態のグラフィカルlassoでのモデリング(訓練)では、出現頻度が少ない不正イベント(不正ラベルがポジティブであるレコード)を用いることなくモデリング(訓練)を行うことができる。つまり、不正がないレコードのみを用いて訓練を行うだけで高精度の不正検出が可能であり、かつ、出現頻度の低い不正が行われたレコードを訓練に用いる必要が無い。そのため、不正が行われたレコードを必要とする教師有り学習と比べた場合、より広範な企業データの不正検出を行うことが可能となる。
また、着目する変数を変更することで、不正が生じている変数と、異常度の大きな他の変数との関係性を知ることができる。よって、特定の変数の不正との関係が強いと考え得る変数を見出すことも可能である。これにより、各変数の依存性を分析する上で有利である。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、ステップS53において説明したように、訓練用企業とモデル選別用企業とがなるべく均質となるように、換言すればランダムに分割が行われることが望ましい。例えば、ステップS53での企業の分割(サンプリング)を100パターン用意し、各パターンを用いてグラフィカルlassoでのモデリング及び不正検出精度の評価を行い、パターンの違いによる検出精度の分布を考慮した上で、最適なハイパーパラメータρを決定してもよい。
上述の通り、企業データには、会計基準、連結決算及び単独決算の区別、業種などの情報が変数として含まれてもよい。この場合、会計データの作成時、グラフィカルlassoでの回帰分析処理時、最適なハイパーパラメータの選定時などの任意のタイミングで、会計基準、連結決算及び単独決算の区別、業種などの情報にもとづいて、用いるレコードを選別してもよい。また、同様に、任意のタイミングで、用いるレコードを決算期間に基づいて選別してもよい。
上記で説明した会計情報処理装置が実行する処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む半導体処理装置を用いて実現されてもよい。また、これらの処理は、少なくとも1つのプロセッサ(e.g. マイクロプロセッサ、CPU、GPU、MPU、DSP(Digital Signal Processor))を含むコンピュータシステムにプログラムを実行させることによって実現されてもよい。具体的には、これらの送信信号処理又は受信信号処理に関するアルゴリズムをコンピュータシステムに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 会計データ生成部
2 欠損値処理部
3 レコード選別部
4 正規化処理部
5 データ分割部
6 回帰分析部
7 検出精度評価部
8 異常度出力部
14 バス
15 入出力インターフェイス
16 入力部
17 出力部
18 通信部
19 記憶部
20 ドライブ
21 磁気ディスク
22 光ディスク
23 フレキシブルディスク
24 半導体メモリ
30 ネットワーク
40 サーバ
100 会計情報処理装置
110 コンピュータ

Claims (20)

  1. 単一の企業の単一の期間の財務データに含まれる複数の勘定科目の値を示す複数の変数と、前記複数の変数の1つに訂正があったことを示すラベル情報と、を少なくとも含むレコードを、複数の企業及び複数の期間に対応する分だけ含むデータセットを生成する会計データ生成部と、
    前記データセットに含まれるレコードの変数の欠損値にかかる処理を行う欠損値処理部と、
    前記データセットに含まれるレコードから、ノイズとなるレコードを除外するレコード選別部と、
    選別されたレコードについて、変数ごとに値を正規化する正規化処理部と、
    正規化されたレコードを分割して、訓練用データ、モデル選別用データ及びスコア算出用テストデータを作成するデータ分割部と、
    前記訓練用データを用いて、L1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得する回帰分析部と、
    取得した前記訓練済みモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各変数の異常度の検出精度を評価し、前記検出精度に応じて前記訓練済みモデルの前記L1正則化項を特定し、特定した前記L1正則化項に対応する前記訓練済みモデルを、評価対象となる企業の会計データの変数の不正の検出に用いる評価用モデルとして決定する検出精度評価部と、
    前記評価用モデルを用いて、未知のデータセットに含まれるレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出する異常度出力部と、を備える、
    会計情報処理装置。
  2. 前記欠損値処理部は、前記データセットに含まれる複数の前記レコードの各変数の前記欠損値が所定の割合よりも多い場合には、前記欠損値が所定の割合よりも多い前記変数を前記データセットから除外する、
    請求項1に記載の会計情報処理装置。
  3. 前記欠損値処理部は、第1の値で前記欠損値を補填する、
    請求項2に記載の会計情報処理装置。
  4. 前記第1の値は、前記欠損値を含むレコードと同じ企業のレコードに含まれる、前記欠損値と同じ変数の平均値である、
    請求項3に記載の会計情報処理装置。
  5. 前記欠損値処理部は、各企業のレコードを参照し、全ての値が欠損値となっている変数を有する企業のレコードを、第2の値で補填する、
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載の会計情報処理装置。
  6. 前記第2の値は、全ての値が欠損値となっている変数を有する企業以外の企業の前記欠損値と同じ変数の平均値で補填する、
    請求項5に記載の会計情報処理装置。
  7. 前記レコード選別部は、訂正があった前記変数のうちで値の訂正割合が第3の値よりも小さなものが有る場合、前記値が訂正された変数を含むレコードを前記データセットから除外する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の会計情報処理装置。
  8. 前記レコード選別部は、前記ラベル情報がネガティブであるレコードが所定の期間分よりも少ない企業のレコードを、前記データセットから除外する、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の会計情報処理装置。
  9. 前記正規化処理部は、
    前記ラベル情報がネガティブのレコードを用いて平均及び標準偏差を算出し、
    各企業の各変数を、各変数の標準得点で置換する、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の会計情報処理装置。
  10. 前記正規化処理部は、各企業の各変数の標準偏差が0となる場合、前記標準偏差が0となる変数を第4の値で置換する、
    請求項9に記載の会計情報処理装置。
  11. 前記データ分割部は、前記会計データを、グラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得するために用いられるモデル構築用データと、評価用モデルを用いたスコア算出に用いられるスコア算出用テストデータと、に分割する、
    請求項9又は10に記載の会計情報処理装置。
  12. 前記モデル構築用データは、前記会計データのうちで、所定の期間以前のレコードからなり、
    前記スコア算出用テストデータは、前記会計データのうちで、前記所定の期間よりも後のレコードからなる、
    請求項11に記載の会計情報処理装置。
  13. 前記データ分割部は、
    前記モデル構築用データに含まれる前記ラベル情報がネガティブのレコードの企業を、訓練用企業と、モデル選別用企業と、に分割し、
    前記モデル構築用データを、前記訓練用企業のレコードからなる訓練用データと、前記モデル選別用企業のレコード及び前記ラベル情報がポジティブのレコードからなるモデル選別用データと、に分割する、
    請求項11又は12に記載の会計情報処理装置。
  14. 前記回帰分析部は、前記訓練用データを用いて、グラフィカルlassoによる回帰分析を行うにあたり、前記L1正則化項に付随するハイパーパラメータとして複数の値を与えることで複数のモデルを取得し、
    前記検出精度評価部は、前記複数のモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各レコードの所定の変数の異常度を算出し、前記所定の変数の異常度が第5の値よりも大きなレコードの前記ラベル情報がポジティブである場合の割合を示す検出精度に基づいて、前記複数のモデルから前記評価用モデルを決定する、
    請求項13に記載の会計情報処理装置。
  15. 前記検出精度評価部は、前記複数のモデルから、前記検出精度が最大となるモデルを前記評価用モデルとして決定する、
    請求項14に記載の会計情報処理装置。
  16. 前記異常度出力部は、
    前記評価用モデルを用いて、前記未知のデータセットに含まれるレコードの複数の変数の異常度を計算し、
    前記未知のデータセットに含まれる各レコードの前記複数の変数のうち1つの変数に着目し、
    着目した前記変数の異常度が第6の値よりも大きい場合には、前記着目した変数が含まれるレコードの不正を検出する対象となる変数に不正の蓋然性が高いと判定する、
    請求項14又は15に記載の会計情報処理装置。
  17. 前記異常度出力部は、
    前記評価用モデルを用いて、前記未知のデータセットに含まれるレコードの複数の変数の異常度を計算し、
    前記未知のデータセットに含まれる各レコードについて、前記複数の変数の異常度の統計量を計算し、
    前記未知のデータセットに含まれる各レコードについて計算した前記統計量に基づいて、各レコードの不正を検出する対象となる変数に不正の蓋然性が高いと判定する、
    請求項14又は15に記載の会計情報処理装置。
  18. 前記統計量は、最大値、最小値、平均値、中央値及び最頻値のいずれかであり、
    前記異常度出力部は、前記統計量が定められた閾値よりも大きな場合に、各レコードの不正を検出する対象となる変数に不正の蓋然性が高いと判定する、
    請求項17に記載の会計情報処理装置。
  19. 会計データ生成部によって、単一の企業の単一の期間の財務データに含まれる複数の勘定科目の値を示す複数の変数と、前記複数の変数の1つに訂正があったことを示すラベル情報と、を少なくとも含むレコードを、複数の企業及び複数の期間に対応する分だけ含むデータセットを生成し、
    欠損値処理部により、前記データセットに含まれるレコードの変数の欠損値にかかる処理を行い、
    レコード選別部により、前記データセットに含まれるレコードから、ノイズとなるレコードを除外し、
    正規化処理部により、選別されたレコードについて、変数ごとに値を正規化し、
    データ分割部は、正規化されたレコードを分割して、訓練用データ、モデル選別用データ及びスコア算出用テストデータを作成し、
    回帰分析部により、前記訓練用データを用いて、L1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得し、
    検出精度評価部により、取得した前記訓練済みモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各変数の異常度の検出精度を評価し、前記検出精度に応じて前記訓練済みモデルの前記L1正則化項を特定し、特定した前記L1正則化項に対応する前記訓練済みモデルを、評価対象となる企業の会計データの変数の不正の検出に用いる評価用モデルとして決定し、
    異常度出力部により、前記評価用モデルを用いて、未知のデータセットに含まれるレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出する、
    会計情報処理方法。
  20. 単一の企業の単一の期間の財務データに含まれる複数の勘定科目の値を示す複数の変数と、前記複数の変数の1つに訂正があったことを示すラベル情報と、を少なくとも含むレコードを、複数の企業及び複数の期間に対応する分だけ含むデータセットを生成する処理と、
    前記データセットに含まれるレコードの変数の欠損値にかかる処理を行う処理と、
    前記データセットに含まれるレコードから、ノイズとなるレコードを除外する処理と、
    選別されたレコードについて、変数ごとに値を正規化する処理と、
    正規化されたレコードを分割して、訓練用データ、モデル選別用データ及びスコア算出用テストデータを作成する処理と、
    前記訓練用データを用いて、L1正則化項を離散的に変化させながらグラフィカルlassoによる回帰分析処理を行って訓練済みモデルを取得する処理と、
    取得した前記訓練済みモデルを用いて前記モデル選別用データに含まれる各変数の異常度の検出精度を評価し、前記検出精度に応じて前記訓練済みモデルの前記L1正則化項を特定し、特定した前記L1正則化項に対応する前記訓練済みモデルを、評価対象となる企業の会計データの変数の不正の検出に用いる評価用モデルとして決定するする処理と、
    前記評価用モデルを用いて、未知のデータセットに含まれるレコードの異常度を算出し、不正の蓋然性が高いレコードを検出する処理と、をコンピュータに実行させる、
    会計情報処理プログラム。
JP2019208676A 2019-11-19 2019-11-19 会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム Active JP6667865B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208676A JP6667865B1 (ja) 2019-11-19 2019-11-19 会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208676A JP6667865B1 (ja) 2019-11-19 2019-11-19 会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6667865B1 true JP6667865B1 (ja) 2020-03-18
JP2021081975A JP2021081975A (ja) 2021-05-27

Family

ID=70000562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019208676A Active JP6667865B1 (ja) 2019-11-19 2019-11-19 会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6667865B1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6955286B1 (ja) * 2020-09-24 2021-10-27 Assest株式会社 不正経費検出プログラム
WO2022065363A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 Assest株式会社 不正経費検出プログラム
WO2022130650A1 (ja) * 2020-12-15 2022-06-23 株式会社KPMG Ignition Tokyo 分析支援プログラム、分析支援装置、及び分析支援方法
JP7143545B1 (ja) 2022-06-15 2022-09-28 有限責任監査法人トーマツ プログラム、及び情報処理装置
CN116311297A (zh) * 2023-04-12 2023-06-23 国网河北省电力有限公司 基于计算机视觉的电子凭据图像识别解析方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113850523A (zh) * 2021-09-29 2021-12-28 平安科技(深圳)有限公司 基于数据补全的esg指数确定方法及相关产品

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019046312A (ja) * 2017-09-05 2019-03-22 株式会社日立製作所 計算機及び経費の監査方法
JP2019067086A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 新日本有限責任監査法人 財務分析装置、財務分析方法及び財務分析プログラム
JP2020179531A (ja) * 2019-04-24 2020-11-05 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6463532B1 (ja) * 2018-03-30 2019-02-06 株式会社Tkc 内部監査支援装置、内部監査支援方法および内部監査支援プログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019046312A (ja) * 2017-09-05 2019-03-22 株式会社日立製作所 計算機及び経費の監査方法
JP2019067086A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 新日本有限責任監査法人 財務分析装置、財務分析方法及び財務分析プログラム
JP2020179531A (ja) * 2019-04-24 2020-11-05 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤの製造装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6955286B1 (ja) * 2020-09-24 2021-10-27 Assest株式会社 不正経費検出プログラム
WO2022065363A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 Assest株式会社 不正経費検出プログラム
JP2022052879A (ja) * 2020-09-24 2022-04-05 Assest株式会社 不正経費検出プログラム
WO2022130650A1 (ja) * 2020-12-15 2022-06-23 株式会社KPMG Ignition Tokyo 分析支援プログラム、分析支援装置、及び分析支援方法
JP7143545B1 (ja) 2022-06-15 2022-09-28 有限責任監査法人トーマツ プログラム、及び情報処理装置
JP2023183187A (ja) * 2022-06-15 2023-12-27 有限責任監査法人トーマツ プログラム、及び情報処理装置
CN116311297A (zh) * 2023-04-12 2023-06-23 国网河北省电力有限公司 基于计算机视觉的电子凭据图像识别解析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021081975A (ja) 2021-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6667865B1 (ja) 会計情報処理装置、会計情報処理方法及び会計情報処理プログラム
US20200364586A1 (en) Explanation reporting based on differentiation between items in different data groups
CN110717824A (zh) 基于知识图谱的银行对公客群风险传导测算的方法及装置
US20190087737A1 (en) Anomaly detection and automated analysis in systems based on fully masked weighted directed
US11620474B2 (en) Model reselection for accommodating unsatisfactory training data
WO2018008708A1 (ja) 震央距離推定装置、震央距離推定方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
US10394631B2 (en) Anomaly detection and automated analysis using weighted directed graphs
EP3761133A1 (en) Diagnosis device and diagnosis method
CN111340086A (zh) 无标签数据的处理方法、系统、介质及终端
US20230325632A1 (en) Automated anomaly detection using a hybrid machine learning system
Dulá et al. DEA with streaming data
US20220327394A1 (en) Learning support apparatus, learning support methods, and computer-readable recording medium
JP6611068B1 (ja) 企業情報処理装置、企業のイベント予測方法及び予測プログラム
JP7146218B1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
CN114168788A (zh) 音频审核的处理方法、装置、设备及存储介质
CN111582313A (zh) 样本数据生成方法、装置及电子设备
US20150134564A1 (en) Predicting economic conditions
US20150134410A1 (en) Predicting economic conditions
KR20130086083A (ko) 리스크-프로파일 생성 장치
CN113689020A (zh) 业务信息预测方法、装置、计算机设备和存储介质
JP5118707B2 (ja) 検索ログ悪用防止方法及び装置
JP5826893B1 (ja) 変化点予測装置、変化点予測方法、及びコンピュータプログラム
JP7345744B2 (ja) データ処理装置
JP7286121B1 (ja) 情報処理装置、モデル構築方法及びモデル構築プログラム
JP7401747B2 (ja) 類別プログラム、類別装置及び類別方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191129

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191129

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6667865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250