JP6667799B2 - 遠心機の設計方法、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、材料を自転及び公転させることによって処理する遠心機の設計方法、及びその製造方法に関する。
容器を公転させながら自転させることによって、当該容器に収納された材料を処理する遠心機が知られている。この遠心機は、各種の用途に利用され、例えば、材料の撹拌処理と脱泡処理とを同時に行う撹拌・脱泡装置として利用される(特許文献1)。また、この遠心機は、材料を粉砕するボールミルとしても利用される(特許文献2参照)。さらに、この遠心機は、材料を乳化する乳化装置等としても利用される(特許文献3参照)。
特許第4084493号公報 特開2002-143706号公報 特開2010-194470号公報
上述のような遠心機は、一般に、ユーザからの要望にこたえるため、被処理材料の処理体積の異なる複数の機種がラインナップされる。ユーザからの要望は多種多様であるが、その中に、同一の種類の被処理材料を、実験段階において少量処理し、量産化段階において大量に処理したいというものがある。この場合には、処理体積の異なる別の機種の遠心機であっても、同一の種類の被処理材料を一定の品質で処理できなければならない。
本発明は、上記事情を鑑みなされたものである。その目的は、被処理材料の処理体積の異なる機種であっても、所望の処理能力を発揮する遠心機の設計方法、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
すなわち、ある観点に従う発明は、被処理材料が収納された容器を、公転軸線を中心に公転させつつ、自転軸線を中心に自転させることで前記被処理材料を処理する遠心機の設計方法であって、前記被処理材料のパラメータを付与する付与ステップと、当該遠心機のパラメータを、下式より求まる判定値が所定要件を満たすように決定する決定ステップと、を含む。
上式において、式中、ρは前記被処理材料の密度[kg/m]であり、μは前記被処理材料の粘度[Pa・s]であり、hは前記被処理材料の投入高さ[m]であり、rは前記容器の半径[m]であり、ωは当該遠心機の自転角速度[rad/sec]であり、
Rは当該遠心機の公転半径[m]であり、Ωは当該遠心機の公転角速度[rad/sec]であり、k、a、b、c、d、e、f、及びgは係数である。
ここで、前記決定ステップにおいて、前記判定値が基準値以上となる場合に前記所定要件を満たすと判断し得る。
また、前記決定ステップにおいて、前記判定値が基準値と等しい場合に前記所定要件を満たすと判断し得る。
また、数式1において、各係数を、0<k<1、0<a<1、−1<b<0、0<c<1、0<d<1、−2≦e≦2(但し、e≠0)、0<f<1、0<g≦2の範囲に設定し得る。
また、ある観点に従う発明は、上述の何れかの遠心機の設計方法を、コンピュータに実施させるためのプログラムである。
また、ある観点に従う発明は、上述のプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体である。
また、ある観点に従う発明は、上述の何れかの遠心機の設計方法により設計された遠心機を製造する遠心機の製造方法である。
また、ある観点に従う発明は、被処理材料が収納された容器を、公転軸線を中心に公転させつつ、自転軸線を中心に自転させることで処理する遠心機において、数式1より求まる判定値が所定要件を満たすか否かにより、前記被処理材料を処理できるか否かを判定する判定方法である。
また、ある観点に従う発明は、被処理材料が収納された容器を、公転軸線を中心に公転させつつ、自転軸線を中心に自転させることで前記被処理材料を処理する遠心機において、下式により求まる撹拌所要動力の値により、前記被処理材料の処理中の温度変化を推定する温度推定方法である。
上式において、式中、ρは前記被処理材料の密度[kg/m]であり、μは前記被処理材料の粘度[Pa・s]であり、hは前記被処理材料の投入高さ[m]であり、rは前記容器の半径[m]であり、ωは当該遠心機の自転角速度[rad/sec]であり、
Rは当該遠心機の公転半径[m]であり、Ωは当該遠心機の公転角速度[rad/sec]であり、k、a、b、c、d、e、f、及びgは係数である。
本発明によれば、被処理材料の処理体積の異なる機種であっても、所望の処理能力を発揮する遠心機の設計方法、及びその製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る設計方法及び製造方法の対象となる遠心機の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る設計方法及び製造方法の対象となる遠心機に搭載される容器の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法について確認するために行った実験結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法について確認するために行った実験結果を示す図である。 チクソトロピーインデックスを平均せん断速度で制御できることを確認するために行った実験結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。なお、本発明は、各数値を実質的に判断する。例えば、第1の数値と第2の数値とが等しいという場合において、本発明では、両者の値が数学的に厳密に等しい場合に発揮される効果と同等の効果を発揮するのであれば、両者の値に差があったとしても、両者の値が等しいとして取り扱う。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る設計方法及び製造方法の対象となる遠心機の概略構成を示す断面図である。同図に示すように、遠心機1は、公転体10と、自転体20と、支持基板30とを含み構成される。その他、遠心機1は、図示しない駆動機構や、バランスウエイト等を含み構成される。
公転体10は、軸部11と、第1アーム12と、第2アーム13とを含み構成される。公転体10は、軸部11を支持基板30に回転可能に支持されて、図示しない駆動機構により、仮想の直線である公転軸線L1を中心に回転させられる。
第1アーム12は、公転軸線L1に直交する第1の方向に延びて、途中で屈曲するように構成され、自転体20を取り付けられる。第2アーム13は、第1の方向と反対方向である第2の方向に延びて、公転体10の回転時のバランスを取り、静寂性等を向上させるための図示しないバランスウエイトを取り付けられる。
自転体20は、軸部21及びホルダ部22を含み構成される。自転体20は、軸部21を、公転体10の第1アーム12の屈曲した部分より先端側に回転可能に保持されて、図示しない駆動機構により、仮想の直線である自転軸線L2を中心に回転させられる。なお、上述の配置に基づき、自転軸線L2は、公転軸線L1に対して所定の傾斜角度を有する。
ホルダ部22は、有底筒状に構成されて、軸部21と反対の端面が開口している。ホルダ部22は、当該開口した部分より、図2に示す容器40を底部より受け入れて保持する。
以上のように構成される遠心機1は、被処理材料Mを収納した容器40を自転体20のホルダ部22に保持した状態で、公転軸線L1を中心に公転体10を回転させつつ、自転軸線L2を中心に自転体20を回転させる。これにより、容器40が公転軸線L1を中心に公転しつつ、自転軸線L2を中心に自転するので、該容器40に収納されている被処理材料Mが処理される。
図2は、本発明の一実施形態に係る設計方法及び製造方法の対象となる遠心機に搭載される容器の概略断面図である。同図に示すように、容器40は、一方向に開口した有底筒状に形成されており、被処理材料Mを収納する。容器40は、一般的に有底円筒形状であり、図示しない蓋が開口部に取り付けられるように構成してもよい。容器40は、その中心を通る仮想の直線である中心線CLが、自転軸線L2と重なるように図1に示すホルダ部22に搭載される。
被処理材料Mは、流体として挙動するものであればよく、その組成や用途を特に限定されない。被処理材料Mとしては、流体成分(樹脂等)のみを含む材料や、流体成分のほかに粒状成分(粉状成分)を含む材料等を適用できる。例えば、被処理材料Mとしては、接着剤、シーラント剤、液晶材料、LEDの蛍光体と樹脂とを含む混合材料、半田ペースト、歯科用印象材料、歯科用セメント(穴埋め剤等)、液状の薬剤等の材料を適用できる。また、被処理材料Mとしては、粒状(粉状)材料と、これを粉砕するためのメディア(例えばジルコニアボール)を適用することも可能である。あるいは、被処理材料Mとして、乳化処理の対象となる流体を適用することも可能である。
以下では、本実施の形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法について説明する。まず、本設計方法及び本製造方法にて使用する数式等を説明する。
遠心機1における単位時間当たりの撹拌エネルギーPは下式により求まる。
上式において、ρは被処理材料Mの密度[kg/m]である。μは被処理材料Mの粘度[Pa・s]である。hは被処理材料Mの投入高さ[m]である(図2参照)。rは容器40の半径[m]である(図2参照)。ωは自転角速度[rad/sec]である(図1参照)。Rは公転半径[m]である(図1参照)。Ωは公転角速度[rad/sec]である(図1参照)。また、k、a、b、c、d、e、f、及びgは係数である。
また、遠心機1における撹拌所要動力(単位時間、単位体積あたりの撹拌エネルギー)Pvは下式により求まる。すなわち、撹拌所要動力Pvは、撹拌エネルギーPを被処理材料Mの処理体積で除することで求まる。
ここで、判定値Npは、次式の通り定義される。
判定値Npは、遠心機1における被処理材料Mの処理の効率を表す指標であり、言い換えれば、遠心機1における被処理材料Mの処理の可否を示す指標である。したがって、判定値Npを利用することで、遠心機1の設計等を行うことができる。例えば、被処理材料Mの処理体積が異なる複数の種類の遠心機1は、判定値Npを利用することで、同一の種類の被処理材料Mを一定の品質で処理できるようにそれぞれ設計及び製造できる。また、特定の密度ρ、粘度μ、及び処理体積である被処理材料Mを処理するための遠心機1は、判定値Npを利用することで、当該被処理材料Mを最適に処理できるよう設計及び製造できる。
さらに、判定値Npを利用することで、既存の遠心機1の被処理材料Mの処理性能を解析できる。具体的には、既存の遠心機1が処理可能な被処理材料Mの密度ρ、粘度μ、及び処理体積の範囲を求めることができる。なお、判定値Npは撹拌エネルギーP及び撹拌所要動力Pvに基づき定義される値であり、判定値Npを利用して遠心機1の設計等を行うことは、撹拌エネルギーP又は撹拌所要動力Pvを利用して遠心機1の設計等を行うことともいえる。
ここで、各係数は、0<k<1、0<a<1、−1<b<0、0<c<1、0<d<1、−2≦e≦2(但し、e≠0)、0<f<1、0<g≦2の範囲に設定する。このように各係数を設定することで、判定値Npが基準値以上となる場合において、遠心機1での被処理材料Mの処理が可能となる。また、判定値Npが前記基準値である場合において、遠心機1での被処理材料Mの処理効率が最大となる。ここで、判定値Npの基準値は、各係数の値等に応じて定まる。また、各係数の値は、環境等の影響も受け得るため、上述した範囲を有している。各係数のより具体的な値は、後述するような実験等を行い、それに基づき決定することが好ましい。このように各係数の値をより具体的に決定することは、判定値Npを利用した遠心機1の設計等の精度を一層高めることにつながる。
図3は、本発明の一実施形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法を説明するフローチャートである。
まず、遠心機1で処理する被処理材料Mのパラメータが決定される(S301)。被処理材料Mのパラメータとは、被処理材料Mの密度ρ、粘度μ、投入高さh、及び容器40の半径rである。なお、投入高さh及び容器40の半径rは、被処理材料Mの処理体積を先に決定した上で、それに基づき決定してよい。続いて、遠心機1のパラメータが仮決めされる(S302)。遠心機1のパラメータとは、公転半径R、公転角速度Ω、及び自転角速度ωである。
続いて、遠心機1のパラメータ及び被処理材料Mのパラメータを数式5に代入し、判定値Npが所定の条件を満たすか否かが判断される(S303)。この際、被処理材料Mの処理が可能であることが必要であれば、判定値Npが基準値以上であるか否かを判断する。一方、所望の処理効率で被処理材料Mを処理することが必要であれば、判定値Npが所定の値に等しいか否かを判断する。特に、最高の処理効率で被処理材料Mを処理することが必要であれば、判定値Npが基準値に等しいか否かを判断する。
判定値Npが所定の条件を満たさない場合(S303でNo)、仮決めしている遠心機1のパラメータを変更し(S304)、S303に戻る。一方、判定値Npが所定の条件を満たす場合(S303でYes)、遠心機1のパラメータを仮決めしている値に最終決定する(S305)。以上で、遠心機1の設計が完了する。
続いて、S305で最終決定したパラメータに基づき、遠心機1を製造する(S306)。具体的には、S305で最終決定したパラメータを実現できる公転体10、自転体20、及び駆動機構等を製造し、これらを組み立てることで遠心機1を製造する。このように製造された遠心機1では、所望する被処理材料Mの処理を実現できる。
なお、上述した遠心機1の設計方法は、プログラム化されて、コンピュータが該プログラムを読み込み実行することで実現されてよい。したがって、当該プログラムは、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体として提供される。記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等があげられる。また、前記プログラムを通信回線によって外部のコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法について確認するために行った実験の結果を示す図である。具体的には、被処理材料Mの密度ρ、被処理材料Mの投入高さh、容器40の半径r、自転角速度ω、公転半径R、及び公転角速度Ωからなるパラメータ群が異なる3つのパターン(パターンA、B、及びC)について、被処理材料Mの粘度μを変化させた際の撹拌所要動力Pvの値の変化を示す図である。
マーカー▲41、マーカー●42、及びマーカー■43は、それぞれ、パターンA、B、及びCついて実測した撹拌所要動力Pvの値を示す。また、実線44、破線45、及び一点鎖線46は、それぞれ、パターンA、B、及びCついて数式4を用いて求めた撹拌所要動力Pvの値を示す。なお、数式4においては、それを用いて算出される撹拌所要動力Pvの値が、実測した撹拌所要動力Pvの値と近似する値となるように各係数を設定した。また、この際の各係数の値は、パターンA、B、及びCの間で共通とし、0<k<1、0<a<1、−1<b<0、0<c<1、0<d<1、−2≦e≦2(但し、e≠0)、0<f<1、0<g≦2の範囲にあることも確認した。
同図より明らかであるように、各パターンにおいて、実測した撹拌所要動力Pvの値と、数式4を用いて求めた撹拌所要動力Pvの値とは、被処理材料Mの粘度μの値を問わず略一致した。このことから、数式4を用いて正しく撹拌所要動力Pvを求められることが確認された。
また、同図より、各パターンにおいて、実測及び数式4を用いて求めた撹拌所要動力Pvの値が、被処理材料Mの粘度μの値が所定値以上となる領域において低下することが確認された。この領域は、上述と同じ係数に設定とした数式5で求まる判定値Npが0.95未満となる領域であった。さらに、この領域では、被処理材料Mの処理が良好に行われていないことも、目視及び計器を用いた測定により確認された。したがって、本実験おける判定値Npの基準値は0.95であることが確認された。
図5は、本発明の一実施形態に係る遠心機の設計方法及び製造方法について確認するために行った実験の結果を示す図である。具体的には、被処理材料Mの密度ρ、被処理材料Mの粘度μ、被処理材料Mの投入高さh、容器40の容器40の半径r、自転角速度ω、公転半径R、及び公転角速度Ωからなるパラメータ群が異なる複数のパターンそれぞれにおける判定値Npを示す図である。なお、便宜上、同図では、横軸に判定値Npを所定値の係数であるnで除した値をとっている。
マーカー●51は、実測した判定値Npを示す。該実測した判定値Npとは、実際には、実測した撹拌所要動力Pvの値に基づくものである。具体的には、実測した撹拌所要動力Pvの値を下式に代入して求めた値を実測した判定値Npとした。なお、下式は、数式5を数式4に代入し変形したものである。
実線52は、数式5を用いて求めた判定値Npを示す。なお、数式5においては、それを用いて算出される判定値Npの値が、所定の値以上の領域で、実測した判定値Npの値と近似する値となるように各係数を設定した。また、この際の各係数の値は、各パターンの間で共通とし、0<k<1、0<a<1、−1<b<0、0<c<1、0<d<1、−2≦e≦2(但し、e≠0)、0<f<1、0<g≦2の範囲にあることも確認した。
同図より明らかであるように、判定値Npが0.95未満となる領域(判定値Npが破線53未満となる領域)では、実測した判定値Npと、数式5により計算した判定値Npとが乖離した。また、判定値Npが0.95未満となる領域では、被処理材料Mの処理が良好に行われていないことも、目視及び計器を用いた測定により確認された。したがって、本実験おける判定値Npの基準値は0.95であることが確認された。なお、本実験で得られた結果を利用して遠心機1を設計し製造する場合は、数式5における各係数を上述と同じ係数に設定すると共に、判定値Npの基準値を0.95とすれば良い。
[第2の実施形態]
本実施の形態では、遠心機の設計方法及び製造方法において、見かけ粘度μappを考慮する。
下記の式は、被処理材料Mの遠心機1での処理中の平均せん断速度γavを表す式である。なお、平均せん断速度γavは、本来、下式のようにγ上に・を付するべきであるが、便宜上省略する場合がある。
また、見かけ粘度μappと平均せん断速度γavとの関係は、粘度計を使用することでも求められる。以下では、粘度計を使用することで求めた見かけ粘度μappと平均せん断速度γavとの関係を流動曲線という。
見かけ粘度μappは、数式7及び流動曲線を利用し、下記の工程を行うことで精度よく求めることができる。
A.平均せん断速度γavの仮定値及び流動曲線を利用して、見かけ粘度μappを求める。
B.実測した撹拌所要動力Pvと、求めた見かけ粘度μappに基づき数式7を用いて平均せん断速度γavを求める。
C.求めた平均せん断速度γav、及び流動曲線を利用して、見かけ粘度μappを再び求める。
なお、B.及びC.の工程を複数回繰り返すことで、より精度よく見かけ粘度μappを求めてもよい。
以上のように求めた見かけ粘度μappは、数式5により判定値Npを求める際等に、粘度μに代わり用いることができる。見かけ粘度μappを用いることで、より高精度に判定値Np等が求まる。
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加してもよい。
また、数式4より求まる撹拌所要動力Pvの値を利用して、遠心機1における処理中の被処理材料Mの温度変化を推定してもよい。例えば、同一の種類の被処理材料Mを処理する場合において、撹拌所要動力Pvの値が同じであれば、被処理材料Mの処理体積や遠心機1のパラメータが異なる場合であっても、同様の温度変化となる。このことは、実験においても確認されている。
また、被処理材料Mとして粒子成分と流体成分を含む場合において、粒子成分の分散状態を、数式7により求まる平均せん断速度γavを利用して制御してもよい。粒子成分の分散状態は、チクソトロピーインデックスT.I.で管理することが可能であり、該チクソトロピーインデックスT.I.は、平均せん断速度γavで制御できるためである。また、チクソトロピーインデックスT.I.に応じて粒子成分の分散状態が定まることは、実験においても確認されている。
図6は、チクソトロピーインデックスを平均せん断速度で制御できることを確認するために行った実験の結果を示す図である。マーカー●61は、数式4と数式7とを用いて算出した平均せん断速度γavと、実測したチクソトロピーインデックスT.I.との関係を示す。同図から明らかであるように、平均せん断速度γavと、チクソトロピーインデックスT.I.との間には、一方の値が定まることによって、他方の値が定まる関係が存在する。したがって、上述のように、チクソトロピーインデックスT.I.は、平均せん断速度γavで制御できる。
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
本発明は、自転公転式の遠心機の分野に広く利用することができる。
1…遠心機
10…公転体
11…軸部
12…第1アーム
13…第2アーム
20…自転体
21…軸部
22…ホルダ部
30…支持基板
40…容器

Claims (9)

  1. 被処理材料が収納された容器を、公転軸線を中心に公転させつつ、自転軸線を中心に自転させることで前記被処理材料を処理する遠心機の設計方法であって、
    前記被処理材料のパラメータを付与する付与ステップと、
    当該遠心機のパラメータを、下式より求まる判定値が所定要件を満たすように決定する決定ステップと、
    を含む遠心機の設計方法。

    (式中、ρは前記被処理材料の密度[kg/m]であり、
    μは前記被処理材料の粘度[Pa・s]であり、
    hは前記被処理材料の投入高さ[m]であり、
    rは前記容器の半径[m]であり、
    ωは当該遠心機の自転角速度[rad/sec]であり、
    Rは当該遠心機の公転半径[m]であり、
    Ωは当該遠心機の公転角速度[rad/sec]であり、
    k、a、b、c、d、e、f、及びgは係数である。)
  2. 前記決定ステップにおいて、前記判定値が基準値以上となる場合に前記所定要件を満たすと判断する請求項1に記載の遠心機の設計方法。
  3. 前記決定ステップにおいて、前記判定値が基準値と等しい場合に前記所定要件を満たすと判断する請求項1に記載の遠心機の設計方法。
  4. 数式1において、各係数を、0<k<1、0<a<1、−1<b<0、0<c<1、0<d<1、−2≦e≦2(但し、e≠0)、0<f<1、0<g≦2の範囲に設定する請求項1〜3の何れか1項に記載の遠心機の設計方法。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の遠心機の設計方法を、コンピュータに実施させるためのプログラム。
  6. 請求項5に記載のプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載された設計方法により設計された遠心機を製造する遠心機の製造方法。
  8. 被処理材料が収納された容器を、公転軸線を中心に公転させつつ、自転軸線を中心に自転させることで処理する遠心機において、下式より求まる判定値が所定要件を満たすか否かにより、前記被処理材料を処理できるか否かを判定する判定方法。

    (式中、ρは前記被処理材料の密度[kg/m]であり、
    μは前記被処理材料の粘度[Pa・s]であり、
    hは前記被処理材料の投入高さ[m]であり、
    rは前記容器の半径[m]であり、
    ωは当該遠心機の自転角速度[rad/sec]であり、
    Rは当該遠心機の公転半径[m]であり、
    Ωは当該遠心機の公転角速度[rad/sec]であり、
    k、a、b、c、d、e、f、及びgは係数である。)
  9. 被処理材料が収納された容器を、公転軸線を中心に公転させつつ、自転軸線を中心に自転させることで前記被処理材料を処理する遠心機において、下式により求まる撹拌所要動力の値により、前記被処理材料の処理中の温度変化を推定する温度推定方法。

    (式中、ρは前記被処理材料の密度[kg/m]であり、
    μは前記被処理材料の粘度[Pa・s]であり、
    hは前記被処理材料の投入高さ[m]であり、
    rは前記容器の半径[m]であり、
    ωは当該遠心機の自転角速度[rad/sec]であり、
    Rは当該遠心機の公転半径[m]であり、
    Ωは当該遠心機の公転角速度[rad/sec]であり、
    k、a、b、c、d、e、f、及びgは係数である。)
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