本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、照明システム1の構成例を示す図である。照明システム1は、照明(光源部)を駆動するシステムである。照明システム1は、直流変換器2と、調光器3と、光源駆動装置4と、第1光源部5とを備える。
直流変換器2は、入力された交流電圧(AC Voltage)を直流電圧(DC Voltage)に変換する機器である。直流変換器2は、直流電圧を光源駆動装置4に出力する。
調光器3は、調光信号を生成する機器である。調光信号は、例えば、DMXの方式(例えば、DMX−512A)における指示信号、DALIの方式(例えば、IEC62386−102)における指示信号、または、PWMの方式における指示信号である。調光器3は、各方式のうちの少なくとも一つの方式に対応している。調光器3は、各方式のうちから予め選択された例えば1種類の方式の調光信号を、光源駆動装置4に出力する。
光源駆動装置4は、光源部を駆動する装置である。以下、パルス幅制御信号に応じたパルス幅の電流信号を「パルス電流信号」という。光源駆動装置4は、直流変換器2から入力された直流電圧と、調光器3から入力された調光信号とに基づいて、光源部を駆動するパルス電流信号を生成する。光源駆動装置4は、生成されたパルス電流信号を、第1光源部5に出力する。
第1光源部5は、発光するデバイスであり、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第1光源部5は、光源駆動装置4から入力されたパルス電流信号に応じた調光率で発光する。第1光源部5の色は、単色であり、例えば昼光色である。
次に、照明システム1の各構成の詳細を説明する。
直流変換器2は、交流入力端子20と、力率改善部21と、定電圧制御部22とを備える。交流入力端子20には、交流電圧が入力される。交流の電圧は、例えば、100Vまたは200Vである。交流の周波数は、例えば、50Hzまたは60Hzである。力率改善部21は、入力された交流電流の力率(power factor)を改善する。定電圧制御部22は、スイッチング処理を実行することによって、交流電圧から一定の直流電圧を生成する。生成された直流電圧は、交流成分を含んでいてもよい。
光源駆動装置4は、切替部40と、電源検出部41と、駆動制御部42と、駆動電流生成部43と、直流入力端子100と、グランド端子101と、シールド入力端子102と、信号入力端子103〜104と、信号出力端子105〜107と、アノード接続端子108と、カソード接続端子109とを備える。
駆動制御部42は、第1インタフェース420と、第2インタフェース421と、第3インタフェース422と、決定部423と、信号生成部424と、点灯処理部425と、最大電流設定部426と、記憶部427とを備える。駆動制御部42の各機能部の一部又は全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部427に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。駆動制御部42の各機能部の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
駆動電流生成部43(調光ドライバ)は、発光部を駆動する電流を生成する機能部である。駆動電流生成部43は、定電圧制御部430と、電流検出部431と、エラーアンプ432と、定電流制御部433と、パルス幅調光部434と備える。
直流入力端子100には、定電圧と交流成分を含む直流電圧とのうちのいずれかが、直流変換器2から入力される。グランド端子101(GND)は、直流変換器2のグランド端子に接続される。シールド入力端子102と、信号入力端子103〜104とは、調光器3に接続される。シールド入力端子102には、DMXの調光信号を保護するシールド線(撚線)が接続される。信号入力端子103〜104には、DMXの信号線と、DALIの信号線と、PWMの信号線とのうちの1種類の方式の信号線が接続される。このように、信号入力端子103〜104は、異なる方式の調光信号に共用される入力端子である。
DMX(第1方式)の調光信号(デジタル信号)を調光器3が光源駆動装置4に出力する場合、信号入力端子103には、DMXのプラス極性の調光信号を伝送する信号線が接続される。信号入力端子104には、DMXのマイナス極性の調光信号を伝送する信号線が接続される。
DALI(第2方式)の調光信号(デジタル信号)を調光器3が光源駆動装置4に出力する場合、信号入力端子103には、DALIのプラス極性(DA+)の調光信号を伝送する信号線が接続される。信号入力端子104には、DALIのマイナス極性(DA−)の調光信号を伝送する信号線が接続される。第2インタフェース421に極性自動反転回路が備えられている場合、信号入力端子103にDALIのマイナス極性(DA−)の信号線が接続され、信号入力端子104にDALIのプラス極性(DA+)の信号線が接続されてもよい。
PWM(第3方式)の調光信号を調光器3が光源駆動装置4に出力する場合、信号入力端子103には、PWMのプラス極性の調光信号を伝送する信号線が接続される。信号入力端子104には、PWMのマイナス極性の調光信号を伝送する信号線が接続される。第3インタフェース422に極性自動反転回路が備えられている場合、信号入力端子103にPWMのマイナス極性の調光信号の信号線が接続され、信号入力端子104にPWMのプラス極性の調光信号の信号線が接続されてもよい。
光源駆動装置4の内部において、信号出力端子105は、シールド入力端子102と接続される。信号出力端子106は、信号入力端子103と接続される。信号出力端子107は、信号入力端子104と接続される。
アノード接続端子108は、第1光源部5を駆動するパルス電流信号を、第1光源部5のアノード端子に出力する。カソード接続端子109は、第1光源部5を駆動するパルス電流信号を、第1光源部5のカソード端子に出力する。第1光源部5を駆動するパルス電流信号のデューティ比は、100%でもよいし、100%未満でもよいし、100%および100%未満が混在してもよい。
切替部40は、例えば、スライドスイッチまたはトグルスイッチである。切替部40の切替状態は、光源駆動装置4のユーザによって予め設定される。切替部40は、信号入力端子103〜104から入力された調光信号を、切替状態の設定に応じて、第1インタフェース420と、第2インタフェース421と、第3インタフェース422とのうちのいずれかの出力先に出力する。
電源検出部41は、直流入力端子100の電圧に基づいて、直流変換器2の出力がオフであるか否か(電圧が0Vであるか否か)を判定する。電源検出部41は、判定結果を駆動制御部42に出力する。
第1インタフェース420は、DMXのインタフェースである。第1インタフェース420と切替部40とが接続された場合、第1インタフェース420には、DMXの調光信号を保護するシールド線(撚線)が接続される。第1インタフェース420には、第1インタフェース420と切替部40とが接続された場合、DMXの調光信号が切替部40から入力される。
第2インタフェース421は、DALIのインタフェースである。第2インタフェース421と切替部40とが接続された場合、第2インタフェース421には、DALIの調光信号が切替部40から入力される。
第3インタフェース422は、PWMのインタフェースである。第3インタフェース422と切替部40とが接続された場合、第3インタフェース422には、PWMの調光信号が切替部40から入力される。
決定部423は、信号入力端子103〜104に調光器3から入力されている調光信号がDALIとDMXとPWMとのうちのいずれの調光信号であるかを判定する。決定部423は、調光信号の方式の種類の判定結果に基づいて、調光信号が表す調光信号値を調光率に変換する。調光信号値とは、デジタル信号である調光信号が表す値に限られず、例えば、PWMの調光信号のデューティ比でもよい。決定部423は、例えば、調光信号の方式において定められた変換データテーブルに基づいて、調光信号値を調光率に変換する。
信号生成部424は、光源部を駆動する電流のパルス幅を制御する信号(以下「パルス幅制御信号」という。)を、決定部423から取得された調光率に基づいて、所定周期で生成する。信号生成部424は、パルス幅制御信号をパルス幅調光部434に出力する。
点灯処理部425は、定電流制御部433がパルス幅調光部434に出力する定電流の最大電流値を第1光源部5の定格電流仕様に基づいて決定する。第1光源部5を駆動する電流の電流値が大きいほど、第1光源部5の発光率は高くなる。点灯処理部425は、決定された最大電流値を示す信号(以下「最大電流値信号」という。)を、最大電流設定部426に出力する。最大電流設定部426は、信号生成部424によって決定された最大電流値を、定電流制御の基準値としてエラーアンプ432に設定する。
記憶部427は、例えば、プログラム、調光特性データ(調光カーブデータ)を記憶する。記憶部427は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)が好ましい。記憶部427は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記録媒体を備えてもよい。
定電圧制御部430は、駆動制御部42の電源(DC)端子と、グランド(GND)端子とに接続される。定電圧制御部430は、定電圧が直流入力端子100に入力された場合、入力された定電圧を直流入力端子100から取得する。定電圧制御部430は、交流成分を含む直流電圧が直流入力端子100に入力された場合、入力された直流電圧を直流入力端子100から取得する。定電圧制御部430は、直流入力端子100における電圧から降圧された定電圧の直流電圧を、駆動制御部42を駆動する電源として生成する。
電流検出部431は、定電流制御部433によって生成された定電流の電流値を検出する。エラーアンプ432は、最大電流設定部426によって設定された最大電流値と、定電流検出部431によって検出された定電流の電流値との差の増幅値を表す信号を、定電流制御部433に出力する。定電流制御部433は、直流入力端子100に入力されている定電圧または直流電圧から、エラーアンプ432の出力(増幅値を表す信号)に基づいて設定された最大電流値となるように定電流を生成する。定電流制御部433は、設定された最大電流値の定電流を、パルス幅調光部434に出力する。
パルス幅調光部434は、パルス電流信号を、定電流制御部433によって生成された定電流から生成する。パルス幅調光部434は、光源部を駆動する電流として、パルス電流信号を生成する。パルス幅調光部434は、生成されたパルス電流信号を、第1光源部5に出力する。
次に、切替部40および駆動制御部42の詳細構成例を説明する。
図2は、切替部40および駆動制御部42の構成例を示す図である。切替部40は、調光信号の方式ごとに、接点を備える。図2では、切替部40は、接点400−1〜400−3と、接点401−1〜401−3と、接点402−1〜402−3とを備える。シールド入力端子102と信号入力端子103と信号入力端子104とは、接点400〜402のうちのいずれか一つに、切替状態の設定に応じて予め接続される。図2では、切替状態の設定の一例として、シールド入力端子102は接点400−1に接続され、信号入力端子103は接点400−2に接続され、信号入力端子104は接点400−3に接続されている。
信号入力端子の個数は、例えば、互いに異なる方式の調光信号の信号線の本数のうちで、最も多い本数に応じて定められる。例えば、DMXの調光信号の信号線の本数は3本(DMXシールド、DMX+、DMX−)であり、DALIの調光信号の信号線の本数は2本(DA+、DA−)であり、PWMの調光信号の信号線の本数は2本(PWM+、PWM−)である。第1実施形態では、シールド入力端子102と信号入力端子103と信号入力端子104との端子数(=3個)は、互いに異なる方式の調光信号の信号線の本数のうちで、最も多い信号線の本数(=3本)に応じて定められる。
駆動制御部42は、第1インタフェース420と、第2インタフェース421と、第3インタフェース422と、決定部423と、信号生成部424とを備える。第1インタフェース420と第2インタフェース421と第3インタフェース422とは、例えば、プロセッサの周辺回路(ペリフェラル回路)を用いて実現される。決定部423は、駆動制御部42が対応する調光信号の方式の種類ごとに、判定部を備える。図2では、決定部423は、第1判定部500と、第2判定部501と、第3判定部502とを備える。決定部423は、調光率変換部503を更に備える。第1判定部500と第2判定部501と第3判定部502と調光率変換部503とは、決定部423におけるソフトウェア機能部として実現される。
第1インタフェース420は、DMXの調光信号を受信するインタフェースである。第1インタフェース420は、切替部40から入力されたDMXの調光信号を、第1判定部500に出力する。第2インタフェース421は、DALIの調光信号を受信するインタフェースである。第2インタフェース421は、切替部40から入力されたDALIの調光信号を、第2判定部501に出力する。第3インタフェース422は、PWMの調光信号を受信するインタフェースである。第3インタフェース422は、切替部40から入力されたPWMの調光信号を、第3判定部502に出力する。
第1判定部500は、予め定められたDMXの方式に基づいて、第1判定部500に入力された調光信号がDMXの調光信号であるか否かを判定する。第1判定部500は、第1判定部500に入力された調光信号がDMXの調光信号である場合、DMXの調光信号を調光率変換部503に出力する。
第2判定部501は、予め定められたDALIの方式に基づいて、第2判定部501に入力された調光信号がDALIの調光信号であるか否かを判定する。第2判定部501は、第2判定部501に入力された調光信号がDALIの調光信号である場合、DALIの調光信号を調光率変換部503に出力する。
第3判定部502は、予め定められたPWMの方式に基づいて、第3判定部502に入力された調光信号がPWMの調光信号であるか否かを判定する。第3判定部502は、第3判定部502に入力された調光信号がPWMの調光信号である場合、PWMの調光信号を調光率変換部503に出力する。なお、第1判定部500と第2判定部501と第3判定部502とが調光信号の方式の種類を判定する順番は、予め定められてもよい。
調光器3から入力された調光信号の方式の種類と、切替部40の切替状態との不一致により、第1判定部500による判定結果と第2判定部501による判定結果と第3判定部502による判定結果とが全て否となる場合がある。この場合、決定部423は、例えば第1光源部5を一定周期で点滅させる等の予め定められた通知機能を実行することで、不一致であることをユーザに通知する。なお、このような通知機能の動作は、一例であり、特定の通知動作に限定されない。
これによって、光源駆動装置4は、光源駆動装置4に入力される調光信号の方式の種類に応じて調光信号の入力端子の個数が増加することを抑止することが可能である。また、光源駆動装置4は、調光信号の入力端子だけでなく、入力端子と同数の出力端子も備えてもよい。複数の光源駆動装置4が調光制御を同時に実行する場合がある。この場合、複数の光源駆動装置4は、各光源駆動装置4に備えられた入力端子および出力端子を介して、デイジーチェーン(数珠つなぎ)で互いに接続される。第1の光源駆動装置4に備えられた入力端子から入力された調光信号は、第1の光源駆動装置4に備えられた出力端子を介して、第1の光源駆動装置4に接続された第2の光源駆動装置に入力される。これによって、光源駆動装置4は、光源駆動装置4に入力される調光信号の方式の種類に応じて調光信号の出力端子の個数が増加することも抑止することが可能である。
調光率変換部503は、第1判定部500に入力された調光信号がDMXの調光信号である場合、DMXの調光信号を第1判定部500から取得する。調光率変換部503は、第2判定部501に入力された調光信号がDALIの調光信号である場合、DALIの調光信号を第2判定部501から取得する。調光率変換部503は、第3判定部502に入力された調光信号がPWMの調光信号である場合、PWMの調光信号を第3判定部502から取得する。調光率変換部503は、取得された調光信号における調光信号値を、調光率に変換する。調光率変換部503は、変換結果である調光率を、信号生成部424に出力する。
図3は、調光信号値および調光率の関係例(調光特性)を示す図である。図3における上段は、DMXまたはDALIにおける、調光信号値および調光率の関係例を示す。DMXまたはDALIの調光信号値の変化に応じて、調光率は線形に変化してもよいし非線形(例えば対数の形)に変化してもよい。DMXまたはDALIの調光信号値の変化に応じて調光率が非線形に変化する場合、調光信号値の値が小さいほど、調光率の分解能が高くなってもよい。
DMXまたはDALIにおいて、線形変化する調光信号値の範囲は、DMXは1〜255、DALIは1〜254である。調光信号値「1」は、調光率「約0.4%」を表す。DMXの調光信号値「255」およびDALIの調光信号値「254」は、調光率「100%」を表す。DMXまたはDALIにおいて、非線形変化する調光信号値の範囲は、DMXは1〜255、DALIは1〜254である。調光信号値「1」は、調光率「0.1%」を表す。DMXの調光信号値「255」およびDALIの調光信号値「254」は、調光率「100%」を表す。
図3における下段は、PWMの調光信号値および調光率の関係例を示す。PWMの調光信号値の変化に応じて、調光率は線形に変化してもよいし非線形に変化してもよい。PWMの調光信号値の変化に応じてPWMの調光率が非線形に変化する場合、調光信号値の値が大きいほど、調光率の分解能が高くなってもよい。PWMにおいて、調光信号値(調光信号のデューティ比)の範囲は、0〜100%である。PWMの調光信号値が大きいほど、調光器3の調光信号値の仕様に基づいて調光率は低くなる。調光器3の調光信号値の仕様において調光信号値(デューティ比)と調光率との対応順が逆である場合、調光信号値が大きいほど、調光器3の調光信号値の仕様に基づいて調光率は高くなる。
図4は、調光信号値および最大電流値の関係例を示す図である。図4の上段の縦軸は、調光器3から光源駆動装置4に出力された調光信号値に応じた調光率を示す。図4の下段の縦軸は、エラーアンプ432に設定された最大電流値に対する調光率を示す。図4の各横軸は、時間を示す。
点灯処理部425は、調光信号値が変化しているか否かを判定する。例えば、点灯処理部425は、点灯開始時刻t1における調光信号値と時刻t2における調光信号値とが同じであるか否かを判定する。時刻t1における調光信号値と時刻t2における調光信号値とが異なる場合、点灯処理部425は、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していると判定する。また、時刻t1における調光信号値と時刻t2における調光信号値とが等しい場合、点灯処理部425は、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していないと判定する。なお、点灯処理部425は、時刻t1からt2の間に複数回の調光信号値の比較を行い、この比較結果に基づいて調光信号値が変化しているか否かを判定しても良い。
調光器3が調光信号値のフェード機能に対応している場合について説明する。調光信号値線600は、調光信号値のフェード機能に対応している調光器3から出力された調光信号値の時間変化を表す線の例である。フェード機能に対応している調光器3は、初期の調光率から目標の調光率まで時間に応じて変化する調光信号値を示す調光信号を、第1光源部5の点灯開始時刻t1から時刻t3までの間、光源駆動装置4に出力する。図4では、調光信号値線600は、調光率「0%」の調光信号値を、点灯開始時刻t1において示す。調光信号値線600は、目標とする例えば調光率「90%」の調光信号値を、点灯開始時刻t1以降の時刻t3において示す。点灯処理部425は、点灯開始時刻t1の調光信号値と時刻t2の調光信号値とが異なることから、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していると判定し、調光信号値に応じて変化する最大電流値を表す最大電流値信号を生成する。調光率線700は、調光信号値に応じて変化する最大電流値の時間変化を表す線の例である。調光器3が調光信号値のフェード機能に対応している場合、調光率線700の曲線(カーブ)は、調光信号値線600の曲線に応じて定まる。
調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していない場合について説明する。調光信号値線601は、調光信号値のフェード機能に対応していない調光器3から出力された調光信号値の時間変化を表す線の例である。調光信号値のフェード機能に対応していない調光器3は、目標とする調光率の調光信号値を示す調光信号を、第1光源部5の点灯開示時刻t1から時刻t3まで、光源駆動装置4に出力する。図4では、調光信号値線601は、目標とする例えば調光率「90%」の調光信号値を、点灯開始時刻t1と時刻t2と時刻t3とにおいて示す。点灯処理部425は、点灯開始時刻t1の調光信号値と時刻t2の調光信号値とが等しいことから、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していないと判定し、予め定められた変化率で変化する最大電流値を表す最大電流値信号を生成する。調光率線701は、その予め定められた変化率で変化する最大電流値の時間変化を表す線の例である。すなわち、調光率線701の曲線形状は、その予め定められた変化率に応じて定まる。変化率データは、例えば、記憶部427に予め記憶されている。
光源駆動装置4は、調光率を時間に応じて連続的に変化させる場合、最大電流値を制御する信号である最大電流値信号を用いて最大電流値を変更する代わりに、パルス幅制御信号を用いてパルス電流信号のデューティ比(パルス幅)を変更してもよい。
調光器3が調光信号値のフェード機能に対応している場合について説明する。信号生成部424は、調光信号値に応じて変化するデューティ比(パルス幅)を表すパルス制御信号を生成する。調光率線700は、調光信号値に応じて変化するデューティ比の時間変化を表す線の例である。調光器3が調光信号値のフェード機能に対応している場合、調光率線700の曲線(点灯カーブ)は、調光信号値線600の曲線に応じて定まる。
調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していない場合について説明する。信号生成部424は、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していない場合、予め定められた変化率で変化するデューティ比(パルス幅)を表すパルス制御信号を生成する。調光率線701は、その予め定められた変化率で変化する最大電流値の時間変化を表す線の例である。すなわち、調光率線701の曲線(点灯カーブ)の形状は、その予め定められた変化率に応じて定まる。
なお、調光率を時間に応じて連続的に変化させる場合、デューティ比(パルス幅)の制御結果と最大電流値の制御結果とが競合しないように、すなわち、デューティ比の制御と最大電流値の制御との両方が実行されないように、決定部423は、信号生成部424に出力される調整率と、点灯処理部425に出力される調整率とを異ならせてもよい。決定部423は、調光率を時間に応じて連続的に変化させる場合、デューティ比の制御結果と最大電流値の制御結果とが競合しないように調整しながら、デューティ比の制御と最大電流値の制御との両方を実行(複合実行)してもよい。
これによって、光源駆動装置4は、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していない場合でも、第1光源部5の点灯時の調光率を時間に応じて連続的に変化させることが可能である。したがって、光源駆動装置4は、第1光源部5の点灯の品位を向上させることが可能である。
決定部423および点灯処理部425は、直流変換器2の出力がオフであるか否かの判定結果に基づいて、第1光源部5の消灯の品位を向上させてもよい。すなわち、点灯処理部425は、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していない場合でも、第1光源部5の消灯の際に、予め定められた変化率で最大電流値を減少させてもよい。同様に、決定部423は、調光器3が調光信号値のフェード機能に対応していない場合でも、予め定められた変化率でパルス電流信号のパルス幅を減少させてもよい。なお、直流変換器2の出力がオフとなった時刻t1から時刻t3まで第1光源部5の消灯の調光率を制御できるように、光源駆動装置4は、第1光源部5および駆動制御部42を駆動するためのバッテリを備えてもよい。
次に、駆動電流生成部43の動作例を説明する。
図5は、パルス電流信号の第1例を示す図である。図5における左側は、定電流制御部433からパルス幅調光部434に出力される定電流の例を表す。図5における右側は、パルス幅調光部434から第1光源部5に出力されるパルス電流信号の例を表す。パルス電流信号のデューティ比(パルス電流信号のパルス幅)は、100%でなくてもよい。パルス電流信号では、パルス電流信号の電流値が0A(パルス電流信号のオフ)となる期間が存在する分だけ、定電流制御部433から出力された定電流の電流値よりもパルス電流信号の電流値が一時的に高くなる期間が存在する。決定部423は、定電流制御部433から出力された定電流の実効値と、パルス電流信号の電流の実効値とが同じとなるように、パルス電流信号のデューティ比および電流値を決定する。
決定部423は、定電流制御部433から出力される定電流値、パルス電流信号の電流値およびデューティ比のいずれかを固定、あるいは各々を変化させ、組合せることで定電流制御部433から出力された定電流を変化させた場合の実効値とパルス電流信号の電流の実効値とが同じとなるようにパルス電流信号のデューティ比および電流値を決定してもよい。例えば、決定部423は、定電流制御部433から出力される定電流およびパルス電流信号の電流値を最大電流値に固定し、定電流制御部433から出力された定電流を変化させた場合の実効値とパルス電流信号の電流の実効値とが同じとなるようにパルス電流信号のデューティ比のみを決定してもよい。
図6は、パルス電流信号の第2例を示す図である。縦軸は電流値を示す。横軸は時間を示す。予め定められた期間に出力される複数のパルス電流信号は、調光率の規格として要求される分解能(要求分解能)に応じて組み合わされてもよい。図6では、一例として時刻t4から時刻t7までの4個のパルス電流信号が組み合わされている。
組み合わされた複数のパルス電流信号のデューティ比は、互い異なってもよい。図6では、パルス電流信号200のデューティ比は、一例として0.01%である。パルス電流信号201のデューティ比は、一例として0.02%である。パルス電流信号202のデューティ比は、一例として0.03%である。
仮にパルス電流信号のデューティ比の分解能が0.01%刻みであり、複数のパルス電流信号のデューティ比が0.01%のみである場合、調光率の分解能は、10000(=1/0.0001)階調である。これに対して、4個のパルス電流信号が組み合わされている場合、調光率(0〜100%)の分解能は、4個のパルス電流信号のデューティ比の平均を用いて、40000(=4/0.0001)階調となる。例えば、図6の下から2番目の段では、光源駆動装置4は、パルス電流信号201−1のデューティ比「0.02%」と、パルス電流信号200−2のデューティ比「0.01%」と、パルス電流信号200−3のデューティ比「0.01%」と、パルス電流信号200−4のデューティ比「0.01%」とを用いて、これらの平均のデューティ比「0.0125%(=(0.02+3×0.01)/4)」を表現する。このように、光源駆動装置4は、パルス電流信号200のデューティ比「0.01%」よりも小さいデューティ比「0.0025%」を表現することが可能である。
これによって、光源駆動装置4は、調光率の分解能を向上させることが可能である。したがって、光源駆動装置4は、時間に応じてきめ細かい滑らかな調光を実現することが可能である。光源駆動装置4は、特にパルス電流信号のパルス幅が狭くなる調光率の下限域における調光率の分解能を向上させることが可能である。
なお、組み合わされた各パルス電流信号の電流値は、互いに異なっていてもよい。これによって、光源駆動装置4は、組み合わされた各パルス電流信号のパルス幅のみを制御する場合と比較して、調光率の分解能をさらに向上させることが可能である。
以上のように、第1実施形態の光源駆動装置4は、信号入力端子103〜104と、切替部40と、第1判定部500等の各判定部と、調光率変換部503と、駆動電流生成部43とを備える。信号入力端子103〜104には、互いに異なる方式(DMX、DALI、PWM)のうちから予め選択された方式の調光信号が入力される。切替部40は、方式ごとに予め定められた切替状態に応じて、複数の信号入力端子に入力された調光信号の出力先の選択を切り替える。各判定部は、出力先として選択された場合、入力された調光信号の方式を判定する。調光率変換部503は、入力された調光信号の方式の判定結果に基づいて、入力された調光信号が表す調光信号値を調光率に変換する。駆動電流生成部43は、第1光源部5を駆動する電流を調光率に応じて生成する。光源駆動装置4は、信号出力端子105〜107を備えてもよい。
これによって、第1実施形態の光源駆動装置4は、光源駆動装置4に入力される調光信号の方式の種類に応じて調光信号の入力端子の個数が増加することを抑止することが可能である。第1実施形態の光源駆動装置4は、光源駆動装置4が信号出力端子を備える場合、光源駆動装置4から出力される調光信号の方式の種類に応じて調光信号の出力端子の個数が増加することを抑止することが可能である。光源駆動装置4では、信号入力端子および信号出力端子の個数が少なく、光源駆動装置4の筐体が大きくない。このため、第1光源部5が設置される天井に設けられた穴の径が小さい場合でも、光源駆動装置4の筐体の幅はその穴の径以下であるため、光源駆動装置4は天井裏に設置可能である。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1光源部と第2光源部とを照明システムが備える点が、第1実施形態と相違する。第2実施形態では、第1実施形態との相違点を説明する。
図7は、照明システム1aの構成例を示す図である。照明システム1aは、照明(光源部)を駆動するシステムである。照明システム1aは、直流変換器2と、調光器3と、光源駆動装置4aと、第1光源部5と、第2光源部6とを備える。
光源駆動装置4aは、光源部を駆動する装置である。光源駆動装置4aは、直流変換器2から入力された直流電圧と、調光器3から入力された調光信号とに基づいて、光源部を駆動するパルス電流信号を生成する。光源駆動装置4aは、パルス電流信号を第1光源部5および第2光源部6に出力する。
光源駆動装置4aは、切替部40と、電源検出部41と、駆動制御部42aと、駆動電流生成部43aと、直流入力端子100と、グランド端子101と、シールド入力端子102と、信号入力端子103〜104と、信号出力端子105〜107と、アノード接続端子108と、カソード接続端子109と、信号入力端子110〜111と、信号出力端子112〜113と、アノード接続端子114と、カソード接続端子115とを備える。シールド入力端子102と、信号入力端子103〜104と、信号入力端子110〜111とは、調光器3に接続される。
PWMの調光信号を調光器3が光源駆動装置4に出力する場合、信号入力端子103には、調光用のPWMのプラス極性の調光信号を伝送する信号線が接続される。信号入力端子104には、調光用のPWMのマイナス極性の調光信号を伝送する信号線(第1チャンネル、第2チャンネル用)が接続される。信号入力端子110には、調色用のPWMのプラス極性の調光信号(調色信号)を伝送する信号線が接続され、信号入力端子111には、調色用のPWMのマイナス極性の調光信号(調色信号)を伝送する信号線(第1チャンネル、第2チャンネル用)が接続される。第4インタフェース428に極性自動反転回路が備えられている場合、信号入力端子110にPWMのマイナス極性の調光信号(調色信号)を、信号入力端子111にPWMのプラス極性の調光信号(調色信号)が接続されてもよい。
信号出力端子112は、信号入力端子110と接続される。信号出力端子113は、信号入力端子111と接続される。アノード接続端子114は、第2光源部6を駆動するパルス電流信号を、第2光源部6のアノード端子に出力する。カソード接続端子115は、第2光源部6を駆動するパルス電流信号を、第2光源部6のカソード端子に出力する。第2光源部6を駆動するパルス電流信号のデューティ比は、100%でもよいし、100%未満でもよいし、100%および100%未満が混在してもよい。
第1光源部5は、発光するデバイスであり、例えば、LEDである。第1光源部5は、光源駆動装置4から入力されたパルス電流信号に応じた調光率で発光する。第1光源部5の色は、単色であり、例えば昼光色である。第1光源部5を駆動するパルス電流信号のチャンネルは、第1チャンネルである。
第2光源部6は、発光するデバイスであり、例えば、LEDである。第2光源部6は、光源駆動装置4から入力されたパルス電流信号に応じた調光率で発光する。第2光源部6の色は、例えば電球色である。第2光源部6を駆動するパルス電流信号のチャンネルは、第2チャンネルである。
調光信号は、例えば、DMXの方式(例えば、DMX−RDM)の指示信号、DALIの方式(例えば、IEC62386−209)の指示信号、または、PWMの指示信号である。調光器3は、各方式のうちの少なくとも一つの方式に対応している。調光器3は、各方式のうちから予め選択された一つの方式がDMXの方式である場合、第1チャンネルの調光信号と第2チャンネルの調光信号とを、光源駆動装置4の信号入力端子103および104に出力する。調光器3は、各方式のうちから予め選択された一つの方式がDALI方式の場合、調光および調色信号を、光源駆動装置4の信号入力端子103および104に出力する。調光器3は、各方式のうちから予め選択された一つの方式がPWMの方式である場合、調光信号を光源駆動装置4の信号入力端子103および104に出力する。調光器3は、各方式のうちから予め選択された一つの方式がPWMの方式である場合、調色用の調光信号を光源駆動装置4の信号入力端子110および111に出力する。
図8は、調光信号値および調光率の関係の第1例を示す図である。調光率線800は、第1チャンネルおよび第2チャンネルに共通する調光率の曲線である。調光器3の調光信号値の仕様に基づいて、信号入力端子103および104に入力されているPWMの調光信号の調光信号値(デューティ比)が大きいほど、第1光源部5および第2光源部6の調光率は低くなる。調光器3の調光信号値仕様が逆の場合は、調光信号値が大きいほど第1光源部5および第2光源部6の調光率は高くなる。調光率線800は、線形に限定されず、非線形であってもよい。
図9は、調色信号値および調光率の関係の第2例を示す図である。調光率線801は、第1チャンネルの調光率の曲線である。信号入力端子110および111に入力されているPWMの調色用調光信号の調光信号値(デューティ比)が大きいほど、第1チャンネルに対応する第1光源部5の調光率は低い。調光率線802は、第2チャンネルの調光率の曲線である。信号入力端子110および111に入力されているPWMの調色用調光信号の調光信号値(デューティ比)が大きいほど、第2チャンネルに対応する第2光源部6の調光率は高い。調光率線801および調光率線802は、線形に限定されず、非線形であってもよい。
図9では、第1チャンネルのPWMの調光信号が表す調光率と、第2チャンネルのPWMの調光信号が表す調光率との合計は一定である。このため、第1光源部5および第2光源部6による合計発光量は一定で、第1光源部5および第2光源部6の合成による発光色が変化する。
駆動制御部42aは、第1インタフェース420と、第2インタフェース421と、第3インタフェース422と、決定部423aと、信号生成部424aと、点灯処理部425と、最大電流設定部426aと、記憶部427と、第4インタフェース428とを備える。駆動制御部42aの各機能部の一部又は全部は、CPU等のプロセッサが、記憶部427に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。駆動制御部42aの各機能部の一部又は全部は、例えば、LSIやASIC等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
図10は、切替部40および駆動制御部42aの構成例を示す図である。第3インタフェース422は、調光用のPWMのインタフェースである。第3インタフェース422には、PWMの調光信号が切替部40から入力される。第4インタフェース428は、調色用のPWMのインタフェースである。第4インタフェース428には、PWMの調色用調光信号が、信号入力端子110および111から入力される。
決定部423aは、信号入力端子103〜104に調光器3から入力されている調光信号がDALIとDMXとPWMとのうちのいずれの調光信号であるかを判定する。決定部423aは、信号入力端子110〜111に調光器3から入力されている調光信号がPWMの調光信号であるか否かを判定してもよい。決定部423aは、駆動制御部42aが対応する調光信号の方式(種類)ごとに、判定部を備える。図10では、第1判定部500と、第2判定部501と、第3判定部502と、第4判定部504とを備える。
第4判定部504は、信号入力端子110〜111に調光器3から入力されている調光信号がPWMの調光信号であるか否かを判定する。第4判定部504は、信号入力端子110〜111に調光器3から入力されている調光信号がPWMの調光信号である場合、調色用のPWMの調光信号を、調光率変換部503に出力する。
以上のように、第2実施形態の光源駆動装置4は、信号入力端子103〜104と、信号入力端子110〜111と、切替部40と、第1判定部500等の各判定部と、調光率変換部503と、駆動電流生成部43aとを備える。信号入力端子103〜104と信号入力端子110〜111とには、互いに異なる方式(DMX、DALI、PWM)のうちから予め選択された方式の調光信号が入力される。切替部40は、方式ごとに予め定められた切替状態に応じて、複数の信号入力端子に入力された調光信号の出力先の選択を切り替える。各判定部は、出力先として選択された場合、入力された調光信号の方式を判定する。調光率変換部503は、入力された調光信号の方式の判定結果に基づいて、入力された調光信号が表す調光信号値を、第1チャンネルの調光率と第2チャンネルの調光率とに変換する。駆動電流生成部43aは、第1光源部5および第2光源部6を駆動する電流を調光率に応じて生成する。光源駆動装置4は、信号出力端子105〜107と、信号出力端子112〜123とを備えてもよい。
これによって、第2実施形態の光源駆動装置4は、調光および調色の制御を実行する場合でも、光源駆動装置4に入力される調光信号の方式の種類に応じて調光信号の入力端子の個数が増加することを抑止することが可能である。第2実施形態の光源駆動装置4は、光源駆動装置4が信号出力端子を備えており、調光および調色の制御を実行する場合でも、光源駆動装置4から出力される調光信号の方式の種類に応じて調光信号の出力端子の個数が増加することを抑止することが可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。