JP6664923B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、遊技を行うスロットマシンに関する。
所定の賭数を設定し、スタート操作が行われたときに、複数種類の識別情報(例えば、図柄)の可変表示が行われるスロットマシンがある。このように識別情報の可変表示を実行可能に構成されたスロットマシンでは、可変表示部において識別情報の可変表示の表示結果が所定の表示結果となった場合に、所定の遊技価値(例えば、大当たり状態への移行など)を遊技者に与えるように構成されたものがある。
こうしたスロットマシンにおいて、ボーナス内部当選時に遊技の進行を停止させるフリーズ(遅延制御演出)を行い、そのフリーズ中にプレミアム演出を実行するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のフリーズは、特典としてのボーナスの付与が決定されたことを契機に実行されるものとなっている。
特開2011−045476号公報
しかしながら、特許文献1では、特典の付与決定を契機としてフリーズが実行されるので、遊技の興趣を好適に高めることができないという問題がある。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遅延制御演出に対する遊技者の注目をより集め、遊技の興趣を向上させるスロットマシンを提供することである。
(1)各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、左リール2L、中リール2C、右リール2R等)を備え、前記可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、第1条件の成立に応じて、第1有利状態に制御する第1権利の付与を決定する第1付与決定手段と、第1権利にもとづいて第1有利状態に制御する第1有利状態制御手段と、第1条件と異なる第2条件の成立に応じて、第2有利状態に制御する第2有利状態制御手段と、遊技の進行を遅延させる遅延制御を実行する遅延制御手段と、を備え、前記第1付与決定手段は、すでに第1権利が付与されている場合であっても第1権利の付与を決定可能であり、前記遅延制御手段は、前記第2条件が成立した場合に、付与されている第1権利の数にもとづいて前記遅延制御を実行する
このような構成によれば、既に付与されている特典の価値に応じて遅延制御が実行されるので、遅延制御の実行に遊技者をより注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、特定の契機は特典付与条件の成立契機とは異なり、前記特典付与決定手段は、特定の契機では特典の付与を決定しない(例えば、BB終了時にはARTストックを付与しない等)ことを特徴とする。
このような構成によれば、過度に特典を付与しない。
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、特定の契機(例えば、BB終了時等)は、前記特典付与決定手段により付与が決定される特典(例えば、ARTストック等)とは異なる特典(例えば、BB等)の付与決定に応じて生じることを特徴とする。
このような構成によれば、特定の契機に遊技者がより注目する。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、前記遅延制御手段は、前記有利度合い判定手段により判定された特典の有利度合い(例えばARTストック数が5〜7、ARTストック数が8以上等)に応じて、異なる態様の遅延制御(例えばARTストック数が5〜7の場合にはショートフリーズ、ARTストック数が8以上の場合にはロングフリーズ等)を実行することを特徴とする。
このような構成によれば、遅延制御の態様に遊技者を注目させ興趣を向上する。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、前記遅延制御手段は、前記特典付与決定手段により付与が決定された特典に応じた有利状態が継続している期間内(例えば、ARTが継続している期間内等)に、遅延制御を予め定められた回数(例えば、ロングフリーズ及びショートフリーズは、各々3回等)しか実行しないことを特徴とする。
このような構成によれば、遅延制御の希少性を増し、遊技者に特定演出の実行を注目させる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、前記特典付与決定手段により一の特典付与条件の成立に応じて決定される特典の最大の有利度合(例えば、ARTストック数が4等)は、前記遅延制御手段により遅延制御が実行される有利度合い(例えば、ARTストック数が5以上等)よりも低いことを特徴とする。
このような構成によれば、過度に特典を付与しない。
(7) 上記(1)から(6)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、遅延制御を実行する旨が決定されたことに応じてフラグを設定する(例えば、図12のSr7またはSr10等)とともに、前記遅延制御手段により該フラグにもとづいて遅延制御が実行され(例えば、図10のSn2等)、該遅延制御が終了した後、他の処理を実行する前に該フラグを初期化する(例えば、図10のSn4等)ことを特徴とする。
このような構成によれば、誤動作を防止することができる。
本発明が適用された実施形態のスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの内部構造図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 メイン制御部が実行する初期設定処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するメイン処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するストック決定処理の制御内容を示すフローチャートである。 ストック抽選処理で用いられるストック付与テーブルによる決定割合の一例を示す図である。 メイン制御部が実行するフリーズ関連処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するART1ゲーム終了処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部が実行するフリーズ判定処理の制御内容を示すフローチャートである。 演出画面例を示す図である。 演出画面例を示す図である。 フリーズテーブルを示す図である。 リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。 メダルの払出のある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。 リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。 メダルの払出直後にメダルOUT信号を出力する場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。 メイン制御部がメイン処理においてタイマカウンタの値を判定する際の制御内容を示すフローチャートである。 RAMにおけるタイマカウンタの格納領域を示す図である。 メイン制御部が時間カウンタ更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施形態について、図面を用いて説明すると、本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1、図3に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄(所定の順序でそれぞれ21個ずつ描かれている互いに識別可能な複数種類の図柄のうちの3つの図柄)が前面扉1bに設けられた透視窓3からそれぞれ見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの内側には、リール2L,2C,2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)と、リール2L,2C,2Rを背面から照射するリールLED55(図4参照)と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L,2C,2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bを介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、クレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報が表示される等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L,8C,8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L,8C,8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図4参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図4参照)、所定の契機(たとえば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a(図2参照)、所定の契機(たとえば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b(図2参照)、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(図4参照)を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図2参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、前述したリール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図2参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなるリールユニット2(図2参照)、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図2参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図2参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図2参照)からなるホッパーユニット34(図2参照)、電源ボックス100(図2参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図2参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
このように、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員などが所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員などの者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。また、本実施形態では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せが揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインLN上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、メダルを用いることなく賭数が自動設定されて次のゲームを行うことが可能な再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
なお、本実施形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×20(1リール当たりの図柄コマ数)=1600コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
また、電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU(Central Processing Unit)41a、ROM(Read Only Memory)41b、RAM(Random Access Memory)41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施形態では0〜65535の整数)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される乱数値格納ワークから、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データを読み出す。乱数値格納ワークに格納された数値データは、新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。また、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、サブ制御部91にコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。
なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、内部抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)等の3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
なお、メイン制御部41が行う抽選の当選確率、サブ制御部91が行う抽選の当選確率の少なくとも一方または双方の当選確率を設定値に応じて変更することで、メダルの払出率が変わる構成であってもよい。
本実施形態におけるスロットマシン1における入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、465枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、上段ベル、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー(強チェリー)、角チェリー(弱チェリー)が含まれる。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7リプレイ、青7リプレイが含まれる。
本実施形態では、遊技状態(通常状態、ART状態、BB状態、及びRB状態)によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。なお、抽選対象役として、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。
メイン制御部41は、ARTに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、ナビ演出を実行させる。本実施形態においてメイン制御部41は、ARTに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。
本実施形態のナビ報知は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。
例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。
また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
本実施形態においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にARTに制御するか否かを決定する抽選(以下、ART抽選と称する)を行う。抽選条件は、スイカに当選することである。また、メイン制御部41は、ART、BBまたはRBの終了時に、複数のゲーム数から規定ゲーム数を選択するとともに、ART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBのいずれにも継続して制御されないゲーム数を計数する。規定ゲーム数は、1〜399ゲーム、600ゲームのいずれかのゲーム数から選択される。
そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選すること、またはART、BBまたはRBの終了時からART、BB、RBのいずれにも継続して制御されないゲーム数が規定ゲーム数に到達することでARTに制御する。
本実施形態のARTのゲーム数は1セットで50ゲームである。1セット分のゲーム数を1つのARTストックとして貯めておくこともできる。メイン制御部41は、ARTの制御を開始すると、50ゲームをRAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
また、ART中において、メイン制御部41は、ARTストック(以下、単に「ストック」とも称する)の付与を決定するストック決定処理を実行する。このストック決定処理においてストックが付与することが決定された場合には、メイン制御部41は、付与されることが決定されたストック数を、RAM91cに記憶する。ストック決定処理の詳細については後述する。
ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合には、ARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後にARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開するまた、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、ARTの制御を終了する。
以下、本実施形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、フリーズ解除コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、および判定用役当選コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を特定できるようになっている。以下、各コマンドのうち、本実施形態で用いられるコマンドについて説明する。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(ゲームの進行を所定時間遅延させる制御状態)の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
フリーズ解除コマンドは、実行中のフリーズを解除したことを特定可能なコマンドであり、フリーズの解除時に送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、該特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行い、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を説明する。
メイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。
その後、メイン制御部41は、HWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、図5のフローチャートに示す初期設定処理を行う。初期設定処理では、まず、割込マスタ許可フラグの値を割込禁止を示す値に設定することで割込を禁止する(Sa1)。メイン制御部41は、割込禁止の状態で起動することとなるが、Sa1では、再度、割込を禁止する。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAMパリティを計算する(Sa9)。そして、計算したRAMパリティが0になるか否かを判定する(Sa10)。RAMパリティが0にならない場合にはSa13に進み、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。
RAMパリティが0になる場合には、破壊診断用データをRAM41cから取得する(Sa11)。そして、取得した破壊診断用データが正しいか否かを判定し(Sa12)、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。
次いで、設定キースイッチ37がON状態か否かを判定する(Sa14)。設定キースイッチ37がON状態の場合には、タイマ割込の設定を行う(Sa19)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込がかかるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路509のレジスタの設定を行なう。本実施形態では約0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定されることで、約0.56ms毎に定期的にタイマ割込が発生することとなる。また、タイマ回路509ではレジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。Sa19におけるタイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。
一方、設定キースイッチ37がOFF状態の場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sa15)。Sa15では、RAM異常フラグが設定されているか否か、Sa10、Sa12の判定に基づきRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sa16)。尚、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、RAM異常フラグがセットされておらず、かつSa10においてRAMパリティが0であると判定され、さらにSa12において破壊診断用データが正しいと判定された場合である。
Sa16の後、全レジスタを復帰し(Sa17)、Sa19と同様のタイマ割込みの設定を行う(Sa18)。そして、タイマ割込処理(メイン)のSd24の処理に移行する。これにより電断前に実行していた処理に復帰することとなる。
また、Sa15においてRAM41cの記憶内容が破壊されている場合には、RAMの開始アドレス(0000h)をレジスタにセットし(Sa20)、指定したアドレスから使用可能領域の最終アドレス(0FFFh)までの領域、すなわち使用可能領域全ての領域を初期化する(Sa21)。
次いで、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa22)、エラー処理に移行する。
エラー処理では、遊技の進行が不能化される。また、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除され、元の状態に復帰することはない。
また、図5の初期設定処理において、RAM異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をON状態にして電源スイッチ39をONにすることによって、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合には、RAM異常フラグが設定されたままであり、再びエラー状態となる。
上述した設定変更処理では、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値のデータをRAM41cに格納し、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットし、メイン処理に移行する。
次に、メイン制御部41が実行するメイン処理について説明する。なお、メイン処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
図6に示すように、メイン制御部41は、まず、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を禁止する(Sc1)。次いで、初期化対象RAMの最終アドレスをセットする(Sc2)。
次いで、メイン制御部41は、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする(Sc3)。このとき、設定変更処理後にメイン処理が開始された場合は、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスからSc2で指定したアドレスまでが初期化される。これにより、RAM41cの格納領域のうち、重要ワーク、一般ワークが初期化される。また、一単位の遊技の終了時には、Sc9で指定したアドレスからSc2で指定したアドレスまでが初期化される。これにより、RAM41cの格納領域のうち、一般ワークが初期化される。そして、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)の割込を許可する(Sc4)。
次いで、メイン制御部41は、遊技開始待ち処理を実行する(Sc5)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
次いで、メイン制御部41は、内部抽選処理を実行する(Sc6)。内部抽選処理では、Sc5のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理が行われる。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。なお、内部抽選により特別役(BBまたはRB)に当選した場合は特別役持ち越しフラグセットされる。そして、上記したように特別役持ち越しフラグの有無を判定することによって特別役の持ち越しの有無を判定し、持ち越しの有無に応じた当選役(特別役持ち越し中には特別役は内部抽選の対象から除外される)について判定処理が行われる。
次いで、メイン制御部41は、リール制御処理を実行する(Sc7)。リール制御処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sd2のステップにおける内部抽選の結果および遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
次いで、メイン制御部41は、遊技終了時設定処理を実行する(Sc8)。遊技終了時設定処理では、Sc7の処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。なお、特別役が入賞した場合には本処理において特別役持ち越しフラグがクリアされる。そして、入賞が発生したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
遊技終了時設定処理が終了すると、メイン制御部41は、遊技毎終了時の初期対象RAMの先頭アドレスをセットして、Sc1に戻る。メイン制御部41は、Sc1に戻るとSc2で初期化対象RAM最終アドレスをレジスタにセットし、Sc3で指定した領域のRAMをクリアする。これにより、遊技毎にRAMがクリアされる。
図7は、メイン制御部41が図5のSc6において実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
図7に示すように、メイン制御部41は、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定数を読み出す(Sl1)。
次いで、メイン制御部41は、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Sl1にて読み出した規定数と一致するか否かを判定する(Sl2)。メイン制御部41は、メダルの投入枚数が規定数と一致すればSl3に進み、メダルの投入枚数が規定数と一致しなければSl4に進む。
メイン制御部41は、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1〜6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定する(Sl3)。メイン制御部41は、設定値が1〜6の範囲であればSl5に進み、1〜6の範囲でなければSl4に進む。
RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定された場合には、メイン制御部41は、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sl4)、上述したエラー処理に移行する。
次いで、メイン制御部41は、当該ゲームに用いる乱数を取得する乱数取得処理を実行し(Sl5)、抽選処理を実行する(Sl6)。乱数取得処理では、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出し、抽出した乱数に対して所定の論理演算を行い、その結果を乱数として取得する。そして、メイン制御部41は、入賞の発生を許容するか否かを決定するための抽選処理を実行する。
抽選処理の後、メイン制御部41は、ARTフラグがオンか否かを判定する(Sl7)。このARTフラグは、ART中であればオンとなり、ART中でなければオフとなる。
Sl7において、ARTフラグがオフの場合には、メイン制御部41は、ART開始判定処理を実行する(Sl8)。このART開始判定処理では、2つの判定が実行される。2つの判定のうちの1つは、抽選処理においてスイカに当選した場合に、ART抽選を実行し、実行されたART抽選によってARTに当選したか否かの判定である。もう1つの判定は、ARTの終了時から、規定ゲーム数に到達したか否かの判定である。この2つの判定のいずれかで肯定判定された場合には、ART開始判定結果は、ARTを開始することを示すこととなる。いずれも否定判定された場合には、ART開始判定結果は、ARTを開始しないことを示すこととなる。
ART開始判定処理の結果から、メイン制御部41は、ARTを開始するか否かを判定する(Sl9)。Sl9において、ARTを開始しないと判定された場合は、抽選処理による内部抽選結果を特定する内部当選コマンドをサブ制御部91に送信して(Sl10)、処理を終了する。
Sl9において、ARTを開始すると判定された場合は、ARTフラグをオンにして(Sl11)、内部当選コマンドをサブ制御部91に送信して(Sl10)、処理を終了する。
上記Sl7において、ARTフラグがオンの場合には、メイン制御部41は、後述するストック決定処理を実行し(Sl12)、内部当選コマンドをサブ制御部91に送信して(Sl10)、処理を終了する。
次に、Sl12のストック決定処理について説明する。図8は、メイン制御部41が実行するストック決定処理の制御内容を示すフローチャートである。上述したように、本実施形態では、ART中にチェリーが当選した場合には、上乗せするストック数を抽選する。
図8において、メイン制御部41は、抽選処理においてチェリーに当選したか否かを判定する(Sp1)。チェリーに当選していない場合、メイン制御部41は、処理を終了する。チェリーに当選した場合、メイン制御部41は、後述するストック付与テーブルを用いてストック抽選処理を実行する(Sp2)。
次いで、メイン制御部41は、ストックカウンタSCにストック抽選処理において付与されたストック数を加算して(Sp3)、処理を終了する。このストックカウンタSCは、ストック数を示すカウンタである。
図9は、図8のストック抽選処理(Sp2)で用いられるストック付与テーブルによる決定割合の一例を示す図である。図9に示される判定値の数は、弱チェリー及び強チェリー当選時に付与されるストック数の決定割合を示し、付与されるストック数は、0〜4となっている。このストック付与テーブルはROM41bに記憶されている。
図9に示されるストック付与テーブルにおいて、弱チェリーが当選した場合、付与ストック数が0となる決定割合は20%である。付与ストック数が1となる決定割合は30%である。付与ストック数が2となる決定割合は30%である。付与ストック数が3となる決定割合は20%である。付与ストック数が4となる決定割合は0%である。
一方、強チェリーが当選した場合、付与ストック数が0となる決定割合は0%である。付与ストック数が1となる決定割合は35%である。付与ストック数が2となる決定割合は35%である。付与ストック数が3となる決定割合は20%である。付与ストック数が4となる決定割合は10%である。
ストック決定処理、及びストック付与テーブルに示されるように、本実施形態における特典付与条件はチェリー当選である。また、特典はストックである。そしてメイン制御部41は、チェリー当選の成立に応じて、ストック付与テーブルを用いてストックの付与を決定する。
図10は、メイン制御部41が図5のSc7のリール制御処理内でリールの回転開始前に実行するフリーズ関連処理の制御内容を示すフローチャートである。図10において、メイン制御部41は、LフラグまたはSフラグがオンか否かを判定する(Sn1)。Lフラグは、遅延制御の一態様であるロングフリーズを実行する場合にオンとなり、ロングフリーズを実行しない場合にオフとなる。Sフラグは、遅延制御の一態様であるショートフリーズを実行する場合にオンとなり、ショートフリーズを実行しない場合にオフとなる。Lフラグ及びSフラグは、図5のSc8の遊技終了時設定処理でセットされる。ショートフリーズは、リール2L、2C、2Rを所定期間停止させることで、遊技を遅延させる演出である。ロングフリーズは、リール2L、2C、2Rを所定期間より長い期間停止させることで、遊技を遅延させる演出である。以下の説明では、ショートフリーズとロングフリーズとを特に区別しない場合は、単にフリーズと称する。
Lフラグ及びSフラグがオフの場合には、メイン制御部41は、処理を終了する。LフラグまたはSフラグがオンの場合には、メイン制御部41は、フリーズ制御処理を実行する(Sn2)。具体的に、メイン制御部41は、Lフラグがオンの場合には、ロングフリーズを実行し、Sフラグがオンの場合には、メイン制御部41は、ショートフリーズを実行する。また、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、フリーズを開始するときにフリーズコマンドを送信し、フリーズを終了するときにフリーズ解除コマンドを送信する。
メイン制御部41は、フリーズ制御が終了したか否かを判定し(Sn3)、フリーズ制御が終了すると、実行したフリーズに対応するフラグを初期化する(Sn4)。具体的に、メイン制御部41は、実行したフリーズがロングフリーズの場合には、Lフラグをオフにし、実行したフリーズがショートフリーズの場合には、Sフラグをオフにする。
メイン制御部41は、実行したフリーズ(ロングフリーズまたはショートフリーズ)の種類と回数を保持し(Sn5)、処理を終了する。
図11は、メイン制御部41が図5のSc8の遊技終了時設定処理内で実行するART1ゲーム終了処理の制御内容を示すフローチャートである。この処理はART中に1ゲームが終了するたびに実行される処理である。
メイン制御部41は、当該1ゲームの終了により、ART1セットが終了したか否か判定する(Sq1)。ART1セットが終了した場合には、メイン制御部41は、ストックカウンタSCが0か否か判定する(Sq2)。ストックカウンタSCが0の場合には、メイン制御部41は、ARTフラグをオフにして(Sq3)、報知済みカウンタNCを0にして(Sq4)、処理を終了する。報知済みカウンタNCは、フリーズにより報知したストック数を示すカウンタである。この報知済みカウンタNCは、報知済みのストックを再び報知させないために用いられる。Sq2において、ストックカウンタSCが0ではない場合には、メイン制御部41は、ストックカウンタSCからストック1つ分を減算して(Sq5)、処理を終了する。また、Sq3においては、ARTフラグをオフとするとともに、上記Sn5において保持された実行したフリーズの種類と回数は初期化される。
Sq1において、ART1セットが終了していない場合には、メイン制御部41は、当該ゲームにおいてBBに入賞したか否か判定する(Sq6)。BBに入賞した場合には、メイン制御部41は、払出枚数のカウントを開始するとともに、BBフラグをオンにして(Sq7)、処理を終了する。BBフラグとは、BB中の場合にオンとなり、BB中ではない場合にオフとなる。
Sq6において、当該ゲームにおいてBBに入賞していない場合には、メイン制御部41は、BBフラグがオンか否かを判定する(Sq8)。BBフラグがオフの場合には、メイン制御部41は、処理を終了する。BBフラグがオンの場合には、メイン制御部41は、フリーズ判定処理を実行し(Sq9)、処理を終了する。
次に、Sq9のフリーズ判定処理について説明する。図12は、メイン制御部41が実行するフリーズ判定処理の制御内容を示すフローチャートである。図12において、メイン制御部41は、BB中の払出枚数が規定数を超えたか否か判定する(Sr1)。BB中の払出枚数が規定数を超えていない場合には、メイン制御部41は、処理を終了する。
BB中の払出枚数が規定数を超えた場合には、BB終了となるので、メイン制御部41は、BBフラグをオフとする(Sr2)。次いで、メイン制御部41は、ストックカウンタSCから報知済みカウンタNCを減算することで未報知分ストック数Dを算出する(Sr3)。
メイン制御部41は、未報知分ストック数Dが5未満か否かを判定する(Sr4)。本実施形態では、未報知分ストック数Dが5未満の場合には、いずれのフリーズも実行しない。未報知分ストック数Dが5未満の場合には、メイン制御部41は、処理を終了する。
未報知分ストック数Dが5以上の場合には、メイン制御部41は、未報知分ストック数Dが8以上か否かを判定する(Sr5)。未報知分ストック数Dが8以上の場合には、メイン制御部41は、ロングフリーズ(図ではLF)を3回実行済みか否かを、上記Sn5において保持された実行したフリーズの種類と回数から判定する(Sr6)。
ロングフリーズを3回実行済みの場合には、メイン制御部41は、処理を終了する。ロングフリーズを3回実行済みではない場合には、メイン制御部41は、Lフラグをオンとして(Sr7)、ストック8つ分が報知されることとなるため、報知済みカウンタNCに8を加算して(Sr8)、処理を終了する。このように、本実施形態では、未報知分ストック数が8以上で、ロングフリーズを3回実行済みではない場合には、ロングフリーズを実行する。
Sr5において、未報知分ストック数Dが8以上ではない場合には、未報知分ストック数Dは、5〜7である。本実施形態では、未報知分ストック数が5〜7の場合には、ショートフリーズを実行可能である。未報知分ストック数Dが5〜7の場合には、メイン制御部41は、ショートフリーズ(図ではSF)を3回実行済みか否かを、上記Sn5において保持された実行したフリーズの種類と回数から判定する(Sr9)。
ショートフリーズを3回実行済みの場合には、メイン制御部41は、処理を終了する。ショートフリーズを3回実行済みではない場合には、メイン制御部41は、Sフラグをオンとして(Sr10)、ストック5つ分が報知されることとなるため、報知済みカウンタNCに5を加算して(Sr11)、処理を終了する。このように、本実施形態では、未報知分ストック数が5〜7で、ショートフリーズを3回実行済みではない場合には、ショートフリーズを実行する。
以上説明したフリーズ判定処理におけるSr4、Sr5は、付与されることが決定されている特典の有利度合いを判定する処理である。また、Sr4、Sr5は、Sr1において払出枚数が規定数を超えた場合に実行される。すなわち、本実施形態において、付与されることが決定されている特典の有利度合いの判定する特定の契機は、BB終了である。
従って、本実施形態における特定の契機(BB終了)は、特典付与条件の成立(チェリー当選が成立)とは異なっている。また、ストックはBB終了では付与されないため、本実施形態では、特定の契機では特典の付与を決定しない。これにより、過度に特典を付与しないようになっている。
さらに、特定の契機であるBB終了は、ストック決定処理により付与が決定されるストックとは異なる特典であるBBの付与決定に応じて生じる。これにより、BB終了時に遊技者をより注目させることができる。
また、未報知分ストック数が5〜7で、ショートフリーズを3回実行済みではない場合には、ショートフリーズが実行され、未報知分ストック数が8以上で、ロングフリーズを3回実行済みではない場合にはロングフリーズが実行されることから、本実施形態では、Sr4、Sr5により判定された未報知分ストック数、すなわち特典の有利度合いに応じて異なる態様の遅延制御を実行する。これにより、遅延制御の態様に遊技者を注目させ興趣を向上できる。
さらに、ARTが継続している期間内に、ロングフリーズ及びショートフリーズは、各々3回までしか実行されないため、本実施形態では、付与が決定された特典に応じた有利状態が継続している期間内に、遅延制御を予め定められた回数しか実行しない。これにより、遅延制御の希少性を増し、遊技者に特定演出の実行を注目させることができる。
また、本実施形態では、未報知分ストック数が5未満の場合には、いずれのフリーズも実行されない。一方、一の特典付与条件の成立、すなわち一度のチェリー当選の成立に応じて決定される特典の最大の有利度合は、図9のストック付与テーブルに示されるように4つのストックである。従って、本実施形態では、一の特典付与条件の成立に応じて決定される特典の最大の有利度合(ストック数が4)は、遅延制御が実行される有利度合い(ストック数が5)よりも低い。これにより、過度に特典を付与しないとともに、特典付与条件の成立に遊技者をより注目させることができる。また、フリーズの発生により、5つ以上のストック数が得られたことを遊技者に対して報知できるので、遊技者の興趣を向上することができる。
さらに、本実施形態では、図12のフリーズ判定処理において、遅延制御を実行する旨が決定されたことに応じてSr7でLフラグを設定し、またはSr10でSフラグを設定する。そして、該フラグにもとづいて、図10のフリーズ関連処理のSn3において遅延制御が実行される。そして、該遅延制御が終了した後、フリーズ関連処理のSn4において他の処理を実行する前に該フラグを初期化する。このように、他の処理を実行する前にLフラグまたはSフラグを初期化することにより、誤動作を防止することができる。
以上説明した実施形態における演出画面例について、図13、図14を用いて説明する。図13、図14に示される演出画面例は、液晶表示器51に表示される。図13(a)は、ART中の演出画面例を示す図である。図13(a)に示されるように、サブ制御部91は、メイン制御部41により送信された押し順コマンドに従ってナビ報知を実行する。
次の図13(b)は、図13(a)に示したART中に、BBに当選し、BBに入賞した際の演出画面例を示す図である。次の図13(c)は、BBが終了したことを示す演出画面例を示す図である。このとき、図12のフリーズ判定処理が実行されて、フリーズを実行する場合には、LフラグまたはSフラグがセットされる。この図13(c)に示される演出画面が表示されている状態で、遊技者によりMAXBETスイッチ6が操作され、スタートスイッチ7が操作されると、図14に示される演出画面例が表示される。
図14は、スタートスイッチ7が操作された際に表示される演出画面例を示す図である。図14(a)は、未報知分ストック数が5未満の場合に表示される演出画面例を示す図である。未報知分ストック数が5未満の場合には、いずれのフリーズも実行されないため、ARTが再開される。
図14(b)は、未報知分ストック数が5〜7の場合に表示される演出画面例を示す図である。未報知分ストック数が5〜7で、ショートフリーズが3回実行されていない場合には、ショートフリーズが実行される。このとき、図14(b)に示される演出画面が表示され、ショートフリーズが実行された後、ARTが再開される。
図14(c)は、未報知分ストック数が8以上の場合に表示される演出画面例を示す図である。未報知分ストック数が8以上で、ロングフリーズが3回実行されていない場合には、ロングフリーズが実行される。このとき、図14(c)に示される演出画面が表示され、ロングフリーズが実行された後、ARTが再開される。
以上説明した実施形態では、未報知分ストック数が5〜7で、ショートフリーズを3回実行済みではない場合には、ショートフリーズが実行され、未報知分ストック数が8以上で、ロングフリーズを3回実行済みではない場合にはロングフリーズが実行される。このように、未報知分ストック数、すなわち付与されることが決定されている特典の有利度合いに応じて、一意にフリーズ態様が定められていた。
これに対し、変形例として、付与されることが決定されている特典の有利度合いに応じて、フリーズの実行有無や各々のフリーズ態様を実行する割合を予め定めておき、その割合で決定するようにしてもよい。図15は、割合で決定する場合のフリーズテーブルを示す図である。
図15において、未報知分ストック数が0〜2の場合、フリーズなしが決定される割合は100%であり、ショートフリーズが決定される割合は0%であり、ロングフリーズが決定される割合は0%である。未報知分ストック数が3の場合、フリーズなしが決定される割合は50%であり、ショートフリーズが決定される割合は50%であり、ロングフリーズが決定される割合は0%である。
未報知分ストック数が4の場合、フリーズなしが決定される割合は30%であり、ショートフリーズが決定される割合は70%であり、ロングフリーズが決定される割合は0%である。未報知分ストック数が5の場合、フリーズなしが決定される割合は0%であり、ショートフリーズが決定される割合は70%であり、ロングフリーズが決定される割合は30%である。
未報知分ストック数が6の場合、フリーズなしが決定される割合は0%であり、ショートフリーズが決定される割合は50%であり、ロングフリーズが決定される割合は50%である。未報知分ストック数が7の場合、フリーズなしが決定される割合は0%であり、ショートフリーズが決定される割合は30%であり、ロングフリーズが決定される割合は70%である。
未報知分ストック数が8以上の場合、フリーズなしが決定される割合は0%であり、ショートフリーズが決定される割合は0%であり、ロングフリーズが決定される割合は100%である。このように、割合で決定した場合には、特典の有利度合いが示唆されることとなるため、遊技の興趣を向上することができる。
次に、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、CPU41aが外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について図16〜図18に基づき説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール回転処理中の投入エラーおよび払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール回転処理中及び払出処理中の投入エラーは、例えば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転中又は払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール回転処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図16〜図18において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払出、賭数設定は、ゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払出は、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。賭数設定は、リプレイ当選後に賭数の設定処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、メダルOUT信号の出力状況を示す。具体的には、メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(例えば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図16は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつメダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
図17は、メダルの払出のある入賞が発生し、かつ払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施形態では、図示するとおり、払出処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、払出処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
図18は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつリプレイの入賞が発生した場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施形態では、図示するとおり、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、リプレイの入賞による賭数処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で賭数が設定されたことを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、図示する例では、賭数設定の横軸が長いが、実際は一瞬である。
なお、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出するタイミングは、図16,図18に示す例ではリールの回転中であり、図17に示す例では払出処理中であるが、これに限らない。例えば、ウェイト中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、フリーズ中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合や、精算中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合などにおいても、図16〜図18に記載の例と同様に、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。
これにより、各処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
なお、上述した例では、メダルの払出のある入賞が発生した場合には、払出処理の終了後にメダルOUT信号を出力しているが、これに限らない。例えば、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力するようにしてもよい。図19は、メダルの払出直後にメダルOUT信号を出力する場合におけるメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。
図示する例では、払出処理(メダル払出)を終了した後、最後のメダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。すなわち、この場合においても、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理(メダル払出)を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力する場合においても、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出しされたメダルを認識することができる。すなわち、メダルが1枚払出される毎に、メダルOUT信号を出力する場合においても、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。なお、この場合、メダルOUT信号のパルス幅よりも、収集ユニットがメダルOUT信号およびセキュリティ信号を収集する間隔を短くすることで、ホールコンピュータは、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することができる。これにより、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
また、上述した例では、異常(エラー)の例として「投入エラー(セレクターエラー)」や「払出エラー(ホッパーエラー)」を用いて説明したが、電波による異常や、振動によるエラーなど、どのような異常であっても本実施形態を適用可能である。
また、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、シリアル信号に変換してセキュリティ信号として出力されるが、これに限らない。例えば、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)をシリアル信号に変換せず、1種類のセキュリティ信号として出力するようにしてもよい。すなわち、どの異常が発生したとしても、1種類のセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。なお、この場合、ホールコンピュータは異常が発生したことを検出することはできるが、異常の内容を特定することができない。
次に、メイン制御部41が遊技の進行制御等に用いる時間間隔を計測するためのタイマカウンタについて説明する。
メイン制御部41は、計時開始条件が成立したときに、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタのタイマ値として計時時間に応じた初期値を設定するとともに、タイマ割込処理(メイン)において定期的にタイマ値を減算し、タイマ値が0となることで計時時間が経過したことを特定するようになっている。
詳しくは、メイン制御部41は、メイン処理において計時開始条件が成立したときに、当該条件に応じたタイマカウンタが割り当てられた領域に計時時間に応じたタイマ値の初期値を設定する。
設定されたタイマ値は、タイマ割込処理(メイン)の時間カウンタ更新処理において、約2.24ms毎に0となるまで1ずつ減算される。
そして、メイン処理では、図20に示すように、該当するタイマカウンタのアドレスを取得し(Sf1)、取得した値を読み出し(Sf2)、読み出した値が0でないか否かを判定し(Sf3)、読み出した値が0であると判定した場合に、計時時間が経過したことを特定する。
本実施形態において用いるタイマカウンタは、図21に示すように、初期値が1バイト以下の1バイトタイマA、1バイトタイマB、1バイトタイマC、初期値が1バイトを超え、2バイト以下の2バイトタイマA、2バイトタイマB、2バイトタイマC、2バイトタイマDを含む。
タイマカウンタは、1遊技の終了するタイミング、すなわち遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミング(1遊技の終了時または特定の遊技状態の終了時においてRAM41cの一部が初期化されるタイミング)を跨ぐ計測期間を計測するタイマカウンタと、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタと、を含むが、いずれのタイマカウンタも遊技の進行に応じたタイミングでは初期化されることのない特別ワークに割り当てられている。
これらタイマカウンタのうち1バイトタイマA〜Cは、RAM41cの連続する3バイトの領域(7E2Ch〜7E2Eh)に1バイトずつ割り当てられており、2バイトタイマA〜Dは、RAM41cの連続する8バイトの領域(7E2Fh〜7E35h)に2バイトずつ割り当てられている。さらに、1バイトタイマA〜C、2バイトタイマA〜DもRAM41cの連続する領域に割り当てられている。以下では、1バイトタイマA〜Cが割り当てられた領域を1バイトタイマ群と呼び、2バイトタイマA〜Dが割り当てられた領域を2バイトタイマ群と呼ぶ。すなわち1バイトタイマ群及び2バイトタイマ群はいずれも、所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されている。尚、所定の規則で連続するアドレスが割り当てられる領域とは、例えば、開始アドレス及び開始アドレスからN(Nは自然数)ずつ加算されるアドレスが割り当てられる領域である。
図22は、時間カウンタ更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
時間カウンタ更新処理では、まず、1バイト用処理回数として、更新すべき1バイトのタイマカウンタの数(本実施形態では3)をセットし(Sg1)、1バイトタイマ群の先頭アドレス(7E2Ch)にポインタをセットする(Sg2)。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)に格納された1バイトの値が0でなければ指定アドレスの1バイトの値を1減算し(Sg3)、Sg1で設定した処理回数を1減算し(Sg4)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg5)。
Sg5で減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを1加算し(Sg6)、Sg3に戻る。これにより、未処理の1バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレスの1バイトの値が0でなければ減算される。
Sg5で減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了した場合には、2バイト用処理回数として、更新すべき2バイトのタイマカウンタの数(本実施形態では4)をセットし(Sg7)、ポインタを1加算する(Sg8)。これにより、2バイトカウンタ群の先頭アドレス(7E2Fh)にポインタが移動する。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)及び次のアドレスからなる領域に格納された2バイトの値が0でなければ指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値を1減算し(Sg9)、Sg7で設定した処理回数を1減算し(Sg10)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sg11)。
Sg11で減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを2加算し(Sg12)、Sg9に戻る。これにより、未処理の2バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値が0でなければ減算される。
Sg11で減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了した場合には、処理を終了する。
このように本実施形態では、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタの値を定期的に更新し、特定の値(0)となることで時間の経過を特定するようになっている。従来は、複数種類の時間間隔を計測する場合に、計時を要する複数種類の処理内で、タイマ値の設定及び更新を行っており、複数種類のタイマ値を更新するためのプログラムをそれぞれの処理内に設ける必要があるため、プログラム容量が増大する要因となっていた。また、複数種類のタイマカウンタは、それぞれが用いられる処理毎のデータ群として割り当てられているため、一の処理においてまとめて更新するためには、それぞれの関連性のないアドレスの値を読み出す必要があった。
これに対して本実施形態では、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新するので、複数種類のアドレスをそれぞれ指定して当該アドレスの値を更新する処理を個々の処理で行う場合よりもプログラム容量を削減することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、(1)各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、左リール2L、中リール2C、右リール2R等)を備え、前記可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、特典付与条件(例えば、チェリー当選等)の成立に応じて特典(例えば、ARTストック等)の付与を決定する特典付与決定手段(例えば、図8のストック決定処理等)と、特定の契機(例えば、BB終了時等)において、前記特典付与決定手段により付与されることが決定されている特典の有利度合いを判定する有利度合い判定手段(図12のSr4、Sr5等)と、前記有利度合い判定手段により判定された特典の有利度合いに応じて、遊技の進行を遅延させる遅延制御を実行する遅延制御手段(例えば、図10のSn2のフリーズ制御処理等)とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、既に付与されている特典の価値に応じて遅延制御が実行されるので、遅延制御の実行に遊技者をより注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では特典付与条件をチェリー当選としているが、他の役の当選を特典付与条件としてもよい。また、特典付与条件を1種類の役(チェリー)の当選としているが、2種類以上であってもよい。
なお、本実施形態における有利度合い判定手段は、図12に示されるようにストックを累積するストックカウンタに基づいて有利度合を判定している。すなわち、付与されることが決定されている特典を累積する特典累積手段(ストックカウンタ)に基づいて有利度合を判定している。よって、本実施形態に係るスロットマシン1は、特典付与決定手段により付与されることが決定されている特典を累積する特典累積手段を備えている。この特典累積手段を用いた場合、有利度合い判定手段は、前記特典累積手段により累積された特典の有利度合いを判定することとなる。
なお、本実施形態では特典をストックとしているが、他の特典であってもよい。例えば、BB、RB、ARTのゲーム数、チャンスゾーン突入、またはARTゲーム数上乗せ特化ゾーン突入等の特典であってもよい。また、スロットマシンがスマートフォンなどと連動して遊技者に付与する特典であってもよい。なお、特典をARTのゲーム数とする場合、上記特典累積手段は、ARTのゲーム数を累積し、特典をARTゲーム数上乗せ特化ゾーンとする場合、上記特典累積手段は、ARTゲーム数上乗せ特化ゾーンが継続するゲーム数を累積するようにしてもよい。
なお、本実施形態では特定の契機をBB終了時としているが、他の契機であってもよい。例えば、BBやRBの開始時、BB中やRB中、ART1セット開始時または終了時、チャンスゾーン突入時や終了時、またはARTゲーム数上乗せ特化ゾーン突入時や終了時等の契機であってもよい。
なお、本実施計では、遅延制御の例として、ショートフリーズ、及びロングフリーズを用いたがこれに限るものではない。例えば、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを遅延させる制御、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化するタイミングを遅延させる制御、各リール2L、2C、2Rの一部のみを回転する制御、各リール2L、2C、2Rを逆回転、低速または高速回転、または振動させる制御などであってもよい。さらに、遅延制御と連動して液晶表示器51における演出を実行してもよい。
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、特定の契機は特典付与条件の成立契機とは異なり、前記特典付与決定手段は、特定の契機では特典の付与を決定しない(例えば、BB終了時にはARTストックを付与しない等)ことを特徴とする。
このような構成によれば、過度に特典を付与しないことができる。
なお、本実施形態では、特定の契機はBB終了時であり、特典付与条件の成立契機はチェリーの当選であることから、特定の契機は特典付与条件の成立契機と無関係であったが、特定の契機が特典付与条件の成立契機と何らかの関係を持つようにしてもよい。例えば、特定の契機を特典付与条件の成立契機そのものとしてもよい。例えば、チェリー当選時に、ストック抽選及びBB抽選を行うスロットマシンがあるが、このようなスロットマシンにおいては、特定の契機が特典付与条件の成立契機そのものとなる。また、特典付与条件の成立契機が所定の数だけ発生した時を特定の契機としてもよい。このような場合であっても、遅延制御演出に対する遊技者の注目をより集め、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、特定の契機(例えば、BB終了時等)は、前記特典付与決定手段により付与が決定される特典(例えば、ARTストック等)とは異なる特典(例えば、BB等)の付与決定に応じて生じることを特徴とする。
このような構成によれば、特定の契機に遊技者がより注目することができる。
なお、「異なる特典の付与決定に応じて生じる」とは、「異なる特典の付与決定後に生じる」を意味する。従って、特定の契機は、異なる特典の付与決定後に生じる契機であればどのような契機であってよい。例えば異なる特典が本実施形態のようにBBであれば、BB付与決定後に生じる契機であるBB入賞時を特定の契機としてもよいし、BBの付与が決定されたゲームから例えば5ゲーム目を特定の契機としてもよい。BB入賞時という契機は、BBの付与決定に応じて生じる契機であり、またBB付与決定から5ゲーム目という契機もBBの付与決定に応じて生じる契機である。上述した「5ゲーム目」のようなゲーム数に代えて、例えば「1分後」、「ベル入賞5回目」などを特定の契機としてもよい。
特典の付与が決定されたことを契機に、その特典に対応する遅延制御演出を実行することは一般的な制御である。そこで、本実施形態のように、特定の契機が生じる特典を、付与が決定される特典(本実施形態ではストック)とは異なる特典(本実施形態ではBB)とすることで、新たな興趣を遊技者に与えることができる。具体的には、本実施形態では、付与が決定される特典とは異なる特典をBBとし、特定の契機をBB終了時としたが、BB終了時は、従来では単にBBが終了するだけのことが多く、遊技者の興趣を向上させるような要素は払出枚数程度であった。ところが、本実施形態のようにBB終了時を特定の契機とすることで、遊技者にとってBB終了時のスタートスイッチ操作が楽しみとなるため、従来にはなかった興趣を遊技者に与えることができる。また、上述した「1分後」、「ベル入賞5回目」などを特定の契機とした場合にも、遊技者は1分後またはベル入賞5回目が楽しみとなる。このように、特典の付与が決定されたことの契機とは異なる特定の契機を設けることで、従来にはなかった新たな興趣を遊技者に与えることができる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、前記遅延制御手段は、前記有利度合い判定手段により判定された特典の有利度合い(例えばARTストック数が5〜7、ARTストック数が8以上等)に応じて、異なる態様の遅延制御(例えばARTストック数が5〜7の場合にはショートフリーズ、ARTストック数が8以上の場合にはロングフリーズ等)を実行することを特徴とする。
このような構成によれば、遅延制御の態様に遊技者を注目させ興趣を向上することができる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、前記遅延制御手段は、前記特典付与決定手段により付与が決定された特典に応じた有利状態が継続している期間内(例えば、ARTが継続している期間内等)に、遅延制御を予め定められた回数(例えば、ロングフリーズ及びショートフリーズは、各々3回等)しか実行しないことを特徴とする。
このような構成によれば、遅延制御の希少性を増し、遊技者に特定演出の実行を注目させることができる。
本実施形態において、有利状態が継続している期間内は、ARTが継続している期間内としているが、この期間内には上述したようにBBとなっている期間も含まれる。すなわち、ART中にBBが発生し、再びARTに復帰した場合のように、ARTがBBにより中断された場合にもARTが継続している期間内としている。具体的に上述したフローチャートで説明すると、有利状態が継続している期間は、図7のSl11でARTフラグがオンとなってから、図11のSq3でARTフラグがオフとなるまでの期間である。
なお、スロットマシンの中には、ART中にBBが発生し、BBが終了すると、準備期間を経てARTに復帰するものや、ART中にストックがあるにもかかわらずARTを終了して、一旦ARTを潜伏させ、再びARTに復帰するものがあるが、このような準備期間や潜伏も含めてARTが継続している期間内としてもよい。
複数態様の遅延制御を実行可能な場合、遅延制御の実行回数を制限する制御例として、以下の3つの制御例A、B、Cが挙げられる。
A:複数態様の遅延制御のうちのいずれかの遅延制御が所定回実行された場合、全ての遅延制御を実行しない。
B:複数態様の遅延制御のうちのいずれかの遅延制御が所定回実行された場合、実行された遅延制御のみを実行しない。
C:複数態様の遅延制御のうちのいずれかの遅延制御が所定回実行された場合、実行された遅延制御に対応する有利度合い以下の有利度合いで実行される遅延制御を実行しない。
上記制御例A、B、Cにおいて、所定回を1回とした場合の制御例を本実施形態に適用すると、まず制御例Aでは、ショートフリーズまたはロングフリーズのいずれかを1回でも実行すると、それ以降はショートフリーズ及びロングフリーズが実行不可となる。
制御例Bでは、ショートフリーズを1回でも実行すると、それ以降はショートフリーズが実行不可となるが、ロングフリーズは実行可能である。また、ロングフリーズを1回でも実行すると、それ以降はロングフリーズが実行不可となるが、ショートフリーズは実行可能である。
制御例Cでは、ショートフリーズを1回でも実行すると、それ以降はショートフリーズが実行不可となるが、ロングフリーズは実行可能である。一方、ロングフリーズのいずれかが1回でも実行されると、それ以降はショートフリーズ及びロングフリーズが実行不可となる。
本実施形態では、図12に示したように、報知済みのストック数を除いたストック数で遅延制御の実行有無や態様を判定している。報知済みストック数を除いたストック数で判定しない場合、例えば、ボーナスが2連続したときは、フリーズが2回発生することとなる。そこで、本実施形態では、図12で示した判定により、2回目のフリーズを実行させないようにしている。
このように、報知済みのストック数を除いたストック数で遅延制御の実行有無や態様を判定してもよいが、報知済みのストック数も含めたストック数で遅延制御の実行有無や態様を判定してもよい。すなわち、単純に現在のストック数で判定してもよい。この場合、遅延制御の希少性は低下するが、フリーズは遊技者が一時的に操作を中断するほどインパクトがある演出であるため、フリーズを何度も見たい遊技者に対しては興趣を向上することができる。また、遊技者にとっては、ボーナス終了時に現在のストック数を確認できるという効果もある。
(6) 上記(1)から(5)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、前記特典付与決定手段により一の特典付与条件の成立に応じて決定される特典の最大の有利度合(例えば、ARTストック数が4等)は、前記遅延制御手段により遅延制御が実行される有利度合い(例えば、ARTストック数が5等)よりも低いことを特徴とする。
このような構成によれば、過度に特典を付与しないようにできる。
なお、有利度合いを差枚数で判定するようにしてもよい。この場合、一の特典付与条件の成立に応じて決定される特典の最大の差枚数(例えばメダル3000枚)が、遅延制御が実行される差枚数よりも低いようにする。また、ARTストック数の場合であっても、純増枚数により大体の差枚数が定まることから、ARTストック数により差枚数が算出できるので、ARTストック数であっても差枚数にもとづいて有利度合いを判定できる。差枚数で判定する場合、遊技者に対して、フリーズの発生により、最大の差枚数以上のメダルが得られることを報知できるので、遊技者の興趣を向上することができる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれか1項のスロットマシンにおいて、遅延制御を実行する旨が決定されたことに応じてフラグを設定する(例えば、図12のSr7またはSr10等)とともに、前記遅延制御手段により該フラグにもとづいて遅延制御が実行され(例えば、図10のSn2等)、該遅延制御が終了した後、他の処理を実行する前に該フラグを初期化する(例えば、図10のSn4等)ことを特徴とする。
このような構成によれば、誤動作を防止することができる。
[その他]
(1) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(2) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
(3) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
32、32L、32C、32R リールモータ
41 メイン制御部
41a メインCPU
41b ROM
41c RAM
51 液晶表示器
91 サブ制御部
91a サブCPU
91b ROM
91c RAM
1000 外部出力基板

Claims (1)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
    前記可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
    第1条件の成立に応じて、第1有利状態に制御する第1権利の付与を決定する第1付与決定手段と、
    第1権利にもとづいて第1有利状態に制御する第1有利状態制御手段と、
    第1条件と異なる第2条件の成立に応じて、第2有利状態に制御する第2有利状態制御手段と、
    遊技の進行を遅延させる遅延制御を実行する遅延制御手段と、
    を備え、
    前記第1付与決定手段は、すでに第1権利が付与されている場合であっても第1権利の付与を決定可能であり、
    前記遅延制御手段は、前記第2条件が成立した場合に、付与されている第1権利の数にもとづいて前記遅延制御を実行する、スロットマシン。
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