次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持(支持)する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄を変動表示する演出を実行可能な演出実行手段としての演出表示部(表示手段)17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明部材13bを窓口13aに備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記演出表示部17は、後述する始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として演出用の図柄(飾図という場合もある)を表示部(画像表示面)17aに変動表示させる図柄変動演出を行うよう構成される。また演出表示部17では、図柄変動に関連して実行される各種の表示演出を表示部17aに表示し得るようになっている。実施例では、前記演出表示部17として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
図1に示す如く、前記前枠13には、窓口13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記演出表示部17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出等)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記ランプ装置18やスピーカ19は、演出表示部17と同様に演出実行手段としての機能を有している。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
前記前枠13には、図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された後述する第1球流下経路21aをパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された後述する第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。
前記パチンコ機10の後側には、図示しないが、球払出装置を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(図4参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aから出力された制御信号が払出制御基板に入力され、該制御信号に基づいて払出制御基板が球払出装置を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の後面側に、前記演出表示部17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22により画成される略円形の遊技領域21に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置29、特別入賞装置40、ゲート部材48、普通入賞部45等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口24が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して演出表示部17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成される。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口(特別入賞手段)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘23が設けられると共に、遊技領域21を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材23aが回転自在に支持されており、遊技釘23や回転案内部材23aとの接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成される。前記回転案内部材23aは、回転中心から放射状に複数の接触片を有する所謂「風車」とも称される部材であって、該接触片に対するパチンコ球の接触に伴って回転案内部材23aが回転することでパチンコ球を弾くように左右方向へ放出するようになっている。実施例では、前記枠状装飾体25の左側方(すなわち第1球流下経路21a)に回転案内部材23aを配設してある。
(枠状装飾体25について)
前記枠状装飾体25は、前記装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部(図示せず)と、該枠状基部に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域21と演出表示部17の表示部17aを区切る庇状部25bと、該庇状部25bの後縁から外方に延出する薄板状の台板部25cとを備える(図2参照)。そして、前記枠状基部を装着口に挿入すると共に台板部25cを遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部25cをネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられて、該枠状装飾体25の外側、具体的には庇状部25bと案内レール22との間にパチンコ球が流下する遊技領域21(第1および第2球流下経路21a,21b)が画成されるようになっている。なお、枠状装飾体25を遊技盤20に取り付けた状態で、庇状部25bの後端縁から外方に延出する台板部25cが遊技盤20の前面に沿って延在して、該台板部25cの前側をパチンコ球が通り得るようになっている。
前記枠状装飾体25の庇状部25bは、枠状装飾体25(台板部25c)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記演出表示部17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇状部25bは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部25b上で滞ることなく枠状装飾体25の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、枠状装飾体25の外側に画成される遊技領域21は、図2に示す如く、該枠状装飾体25の左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路21aおよび枠状装飾体25の右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路21bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域21内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1球流下経路21aか、或いは第2球流下経路21bの何れかを流下するよう構成される。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1球流下経路21aを流下する場合に較べて特別入賞装置40の特別入賞口41にパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
前記枠状装飾体25には、図2に示す如く、表示窓口25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)に、ステージ26が設けられると共に、表示窓口25aの左側に、前記第1球流下経路21a(遊技領域21)に開口して該第1球流下経路21aを流下するパチンコ球を枠状装飾体25の内側(ステージ26)に取り込む球導入部27が設けられ、該球導入部27がステージ26に連通するよう構成される。そして、球導入部27からステージ26に通出されたパチンコ球は、ステージ26上を左右に転動した後に、前記各始動入賞口30,31が設けられている遊技領域21に排出される。
前記遊技盤20には、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口30,31,41,46が適宜の位置に設けられており、各入賞口30,31,41,46へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサ34,35,44,47の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄変動演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)30,31と、後述する特別遊技としての当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する普通入賞口46とが設けられている。具体的に、前記始動入賞口30,31は、前記第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bの合流部(アウト口24の真上)に設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域21の第2球流下経路21bに設けられると共に、前記普通入賞口46は、遊技領域21の第1球流下経路21aに設けられている。なお、実施例のパチンコ機10では、当り遊技として、当り遊技後の遊技状態が当り遊技の種類に応じて定まる大当り遊技が設定されている。
(始動入賞装置29について)
前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、始動入賞装置29が設けられている。始動入賞装置29には、上側に第1始動入賞口(始動入賞手段)30が設けられると共に、該第1始動入賞口30の下側に第2始動入賞口(始動入賞手段)31が設けられている。第1始動入賞口30は、遊技領域21内で常に上方へ開口する常時開放型の入賞口とされ、枠状装飾体25の下側の遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能に構成される。始動入賞装置29には、第2始動入賞口31を開閉する始動用開閉部材(開閉部材)33,33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図4参照)の駆動に伴って始動用開閉部材33,33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されて、始動用開閉部材33,33の開放によって遊技領域21を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31に入賞可能に構成される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記始動用開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域21を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記始動用開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、始動用開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域21を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域21を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記始動用開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31を開放させるようにしてもよい。
また、前記第1および第2始動入賞口30,31は、該第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(図4参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の後側に配設されたメイン制御基板60(図4参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口30に対応した始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31に対応した始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を異なるようにしてもよい。
また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する当りとなるかを判定する当否判定(以下、大当り判定という)が行われるよう構成されている。そして、大当り判定の結果に基づいて前記演出表示部17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、大当り判定が当りの判定結果である場合には、前記演出表示部17での図柄変動演出の結果、該演出表示部17に所定の当り表示(大当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が停止表示された後に遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号が入力されると、前記払出制御基板に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域21(第2球流下経路21b)に配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域21に開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する特別用開閉部材(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図4参照)の駆動に伴って特別用開閉部材43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図4参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサ44からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞部45について)
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記遊技領域21の左下部位置において、パチンコ球が入賞(入球)可能な普通入賞口46が開口するように普通入賞部45が設けられている。普通入賞部45は、前記遊技領域21内において普通入賞口46が一定の開口幅で開口するよう設けられており、普通入賞部45の配置位置まで遊技領域21(具体的には第1球流下経路21a)を流下したパチンコ球が常時開口する普通入賞口46に一定の確率で入球し得るようになっている。実施例では、遊技盤20の第1球流下経路21aに3つの普通入賞口46が設けられた普通入賞部45が配設されている。ここで、普通入賞部45は、普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ47(図4参照)を備えており、当該普通入賞検出センサ47がメイン制御基板60に配線接続されている。そして、前記普通入賞口46にパチンコ球が入ること(普通入賞検出センサ47によるパチンコ球の検出)を契機として賞球の払出条件が成立するよう設定されており、普通入賞検出センサ47からメイン制御基板60への検出信号の入力に伴って所定数(実施例では4個)の賞球が払い出されるようになっている。
(ゲート部材48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域21の第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材48が設けられている。前記ゲート部材48にはゲートセンサ49(図4参照)が配設されており、該ゲート部材48を通過するパチンコ球をゲートセンサ49で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り抽選(普図当り判定)が行われるよう構成される。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動用開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ49によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞検出センサ34,35の何れかがパチンコ球を検出することを契機として各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り判定(当り判定)が行われる。具体的には、センサ34,35の検出に伴って取得された各種入賞情報がメイン制御RAM60cに第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報として一時的に記憶されて、所定の特図当り判定を実行するタイミングでメイン制御RAM60cに記憶された第1特図始動保留情報または第2特図始動保留情報が読み出されて判定が行われるよう構成されている。そして、特図当り判定の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記演出表示部17において図柄変動演出が実行されるようになっている。また、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示(大当り表示)となる図柄が確定停止表示されると共に、前記演出表示部17での図柄変動演出の結果として、該演出表示部17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40(特別入賞口41)を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域21外の左下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、図2に示す如く、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、右打ち表示部58等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体により覆蓋保護されており、カバー体を介して遊技情報表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部50A,50Bは、前記始動入賞口30,31への入賞を契機として作動するものであって、実施例では、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34の検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35の検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなる。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの変動表示(以下、特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示(当り表示)としての特図が表示されることで、大当り表示に対応した大当り遊技(当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後述する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留情報)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留情報)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技情報表示部Mに、第1特図始動保留情報の保留数を表示する第1特図保留表示部52および第2特図始動保留情報の保留数を表示する第2特図保留表示部53が設けられている(図4参照)。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(例えば「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。また、実施例では、後述するように、前記第2始動入賞口31への入賞を、第1始動入賞口30への入賞に優先して特図始動保留情報を読み出して大当り判定等を行うよう構成されている。
(右打ち表示部58について)
前記遊技情報表示部Mに設けられた右打ち表示部58は、前記第2球流下経路21bへパチンコ球を打ち出して遊技を実行する右打ち遊技状態であることを特定可能に表示する表示部である。すなわち、右打ち遊技状態では、第2球流下経路21bへパチンコ球を打ち出して遊技を行うことで、第1球流下経路21aへパチンコ球を打ち出して遊技を行う場合と比べて、遊技者により多くの特典が付与される状態であり、右打ち表示部58が右打ち遊技状態であることを報知するようになっている。具体的に、前述のように第2球流下経路21bに、特別入賞装置40が配置された実施例のパチンコ機10では、後述する変短状態が付与された状態および大当り遊技(当り遊技)が付与された状態等が右打ち遊技状態に該当する。なお、前記右打ち表示部58は、前記特図表示部50A,50Bに特図が確定停止されて右打ち遊技状態に移行した後に右打ち遊技状態の報知を開始し、右打ち遊技状態が終了するのに伴い報知を終了するようになっている。
(演出表示部17について)
前記演出表示部17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な左図柄列L、中図柄列C、右図柄列Rの3列の図柄列が左右横並び状に設定されており、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として、各図柄列L,C,Rの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の演出表示部17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な有効停止位置が設定されており、図柄変動演出により、各図柄列L,C,Rの有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。すなわち、実施例の演出表示部17には、1つの停止図柄有効ラインが設定されている。また、演出表示部17は、始動入賞口30,31への入賞(具体的には、始動入賞検出センサ34,35による球検出)を始動条件として、該始動条件(所定条件)の成立を契機として複数の飾図(図柄)を変動させる図柄変動演出を実行するよう構成されている。
また、前記演出表示部17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列L,C,Rの有効停止位置に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列L,C,Rの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列L,C,Rにおいて、有効停止位置に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列L,C,Rにおいて有効停止位置に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列L,C,Rにおいて有効停止位置に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと演出表示部17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと演出表示部17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
実施例に係る演出表示部17には、各図柄列L,C,Rに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列L,C,Rで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。
そして、前記演出表示部17における各図柄列L,C,Rの有効停止位置(停止図柄有効ライン)に確定停止表示された各図柄列L,C,Rの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技(当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示部17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示部17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、演出表示部17の有効停止位置に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、演出表示部17のはずれ表示となる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列Lおよび右図柄列R)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列C)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列Lおよび右図柄列Rに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列Lおよび右図柄列R)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列C)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
前記演出表示部17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、演出表示部17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、演出表示部17の各図柄列L,C,Rに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(普図表示部55について)
前記遊技情報表示部Mには、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出を契機として作動する普図表示部55が設けられている(図2参照)。この普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われる。そして、普図表示部55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。すなわち、普図表示部55は、普図当り判定の判定結果を示す普通図柄を変動および停止表示する普通図柄表示手段である。実施例では、普図表示部55で2種類の普図当りを表示すると共に、1種類の普図はずれを表示し得るよう構成されている。
(普図保留表示部56について)
また、前記遊技情報表示部Mには、前記ゲート部材48をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する普図保留表示部56が配設されており(図2参照)、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。
ここで、前記特図表示部50A,50Bの表示領域は、前記演出表示部17で実行される演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、演出表示部17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、特図表示部50A,50Bに表示される各情報を簡単には認識し難くなっている。なお、前記特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、右打ち表示部58等は、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、個別に点灯制御可能な複数のLEDからなる発光表示部で構成したり、または7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、168/65536)から高確率(実施例では、1516/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある(図3参照)。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてから実行される図柄変動演出(特図変動表示)の回数とすることができる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。なお、確変状態が付与される期間を図柄変動演出(特図変動表示)の回数(確変回数)とする場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域における確変回数カウンタに確変回数を設定し、該カウンタの値を、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)に1減算して、「0」になった場合に確変フラグを「0」に設定するようにすればよい。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する(入賞し易くなる)入賞容易状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動用開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動用開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、始動用開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動用開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞し易くなった入賞容易状態である。
実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が2000msに設定され、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い240msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、500msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで始動用開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では200ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動用開閉部材33,33は開放してから所定の開放時間が経過するまで開放状態を維持する開放動作を5回行うようになっている。具体的には、896ms,960ms,960ms,960ms,1024msの開放動作を行うと共に、各開放動作の間の始動用開閉部材33,33が閉鎖状態で保持されるインターバル時間が、640ms,560ms,560ms,560msに設定されている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動用開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限数(実施例では3個)が設定されており、前記始動用開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達した場合には、始動用開閉部材33,33の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。
ここで、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が定まるよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄A、図柄B、図柄a、図柄b)である場合に、確変状態が付与されている間継続して変短状態が付与されるよう変短回数が設定されている。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた別の図柄(実施例において後述する図柄C、図柄c)である場合に、大当り遊技終了後に付与される変短回数は50回に設定されている。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、図柄変動演出毎(特図変動表示毎)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の特別用開閉部材43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の特別用開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では4回または16回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別用開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の特別用開閉部材43の開放動作は、パチンコ球を所定の発射間隔(実施例では0.6秒間隔)で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作、および該長時間開放動作よりも特別用開閉部材43の開放時間が短く設定された短時間開放動作の何れかにより構成したり、当該長時間開放動作および短時間開放動作を適宜に組み合わせて構成することができる。この短時間開放動作としては、パチンコ球を所定の発射間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間に設定したり、或いはパチンコ球が入賞可能な開放時間であっても前記規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間に設定することができる。なお、実施例の大当り遊技は、特別用開閉部材43の開放動作として、長時間開放動作のみから構成されものが設定され、該長時間開放動作において特別用開閉部材43が最大で25秒間開放するよう設定される。また、大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した(当りの)場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技(当り遊技)の中から1つの大当り遊技(当り遊技)が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄Cの3つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄cの3つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに20種類、図柄Bに40種類、図柄Cに40種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに50種類、図柄bに10種類、図柄cに40種類が夫々振り分けられている。なお、大当り判定に当選して大当り遊技が決定されることについて、以後単に大当り遊技に当選するという場合がある。
(大当り図柄と大当り遊技との関係について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定(当り)の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄A、図柄B、図柄C)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定の場合に、20%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、40%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、40%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。同様に、前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄a、図柄b、図柄c)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定(当り)の場合に、50%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、40%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
ここで、図柄A〜C、図柄a〜cに対応した大当り遊技について、共通する部分を先に説明し、各大当り遊技に特有の構成については個別に説明する。すなわち、図柄A〜C、図柄a〜cに対応した各大当り遊技は、各ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する開放動作を特別用開閉部材43に行わせるよう設定されている。すなわち、大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する開放動作を特別用開閉部材43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、大当り遊技では、各ラウンド遊技において特別用開閉部材43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を特別用開閉部材43が繰り返すようになっている。また、各大当り遊技は、図3に示す如く、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記特別用開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、大当り遊技では、オープニング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aおよび図柄aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に次回の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、確変状態が継続する間、変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態および変短状態が次回の大当り遊技の当選まで継続して付与される。また、第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bおよび図柄bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に次回の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、確変状態が継続する間、変短状態が継続して付与されるよう設定されている。すなわち、第2の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、確変状態および変短状態が次回の大当り遊技の当選まで継続して付与される。また、第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。このように、第2の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典が少なく設定されている。
(第3の大当り遊技について)
前記図柄Cおよび図柄cに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない大当り遊技として設定されている。また、第3の大当り遊技は、第3の大当り遊技の終了後に、50回の図柄変動演出(特図変動表示)が実行されるまでの間、継続して変短状態が付与されるよう設定されている。すなわち、第3の大当り遊技は、大当り遊技の終了後に、変短状態のみが所定期間の間だけ付与される。また、第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。このように、第3の大当り遊技は、第1の大当り遊技と比べて、1回の大当り遊技において遊技者に付与される特典が少なく、かつ第2の大当り遊技と比べて、大当り遊技の終了後に付与される特典が少ない大当り遊技として設定される。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図4に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、演出表示部17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示部17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御している。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図4に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ47、ゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、右打ち表示部58)が接続されて、各検出センサ34,35,44,48,47,49の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31を開閉する始動用開閉部材33,33に連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口41を開閉する特別用開閉部材43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33,43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別用開閉部材43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、特別用開閉部材43を長時間開放動作させる長時間開放制御を実行するよう構成される。
(変動パターンについて)
メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の大当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われない通常はずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、後述する演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、通常はずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、演出表示部17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
また、メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されている。前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。
(乱数について)
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の特図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する特図記憶領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
特図当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当り遊技を発生するか否かの大当り判定(当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「123」の全124通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が大当り遊技の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、演出表示部17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、演出表示部17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン決定用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「228」の全229通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン決定用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ49の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ49の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ49をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口31の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン決定用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1516個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では168個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した124種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「123」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が演出表示部17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン決定用判定値が記憶されている。特図変動パターン決定用判定値は、複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定するための判定値であり、特図変動パターン決定用乱数の取り得る「0」〜「228」の全229通りの整数が特図変動パターン毎に、特図変動パターン決定用判定値が所定数ずつ割当てられている。そして、取得された特図変動パターン決定用乱数に対応する判定値が割当てられた特図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定することで、図柄変動演出において実行される演出内容や演出時間(特図変動パターン)が特定される。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンに対応して普図変動パターン決定用判定値が記憶されている。普図変動パターン決定用判定値は、前記普図変動パターン決定用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された普図変動パターン決定用乱数に対応する普図変動パターン決定用判定値が割当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定を行った時点での遊技状態が変短状態か非変短状態であるかによって、割当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、非変短状態の場合に1つの普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば2000ms)を定める普図変動パターンが決定されるのに対し、変短状態の場合に複数(実施例では2つ)の普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割当てられて、各普図変動パターンに対する普図変動パターン決定用判定値の割当数に応じた割合で、所定時間の変動時間(例えば820ms)を定める普図変動パターンおよびこれと異なる変動時間(例えば200ms)を定める普図変動パターンの何れかの普図変動パターンが決定される。
(演出制御基板65について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図4に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄列L,C,Rの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各図柄列L,C,Rに飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
また、演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図4に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、演出表示部17が接続されている。表示制御ROM70bには、演出表示部17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31への入賞を契機として入賞情報(各種乱数)を取得する入賞情報取得手段としての機能を有すると共に、図柄変動演出の開始時に、入賞情報取得手段により取得された入賞情報に基づいて当りとなるかを判定する当否判定を行う当り判定手段としての機能を備えている。また、始動入賞口30,31への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターン(変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が当りとなる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が当りの場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。なお、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞することが、始動条件の成立として設定され、該始動条件の成立を契機に当り判定手段としてメイン制御CPU60aが当り判定を行うようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が当りの場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に、決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が当り(肯定判定)の場合に、始動入賞口30,31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。そして、当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定するメイン制御CPU60aは、パチンコ機10に設けられる複数種類の遊技状態の中から遊技状態を設定する遊技状態制御手段としての機能を備える。また、前記メイン制御RAM60cは、入賞情報取得手段が取得した入賞情報を始動保留情報として所定数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(演出表示部17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(演出表示部17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
(メイン制御基板での処理について)
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する処理について説明する。メイン制御CPU60aは、パチンコ機10への電源投入に伴いセキュリティーチェック等の初期設定処理を実行した後、パチンコ機10での遊技が可能な状態に移行する。この状態では、通常処理を所定の制御周期(4ミリ秒毎)に実行するようになっている。ここで、メイン制御CPU60aが実行する通常処理では、各種乱数を更新する乱数更新処理や、時間を計測するタイマ更新処理や、各種のコマンドを入出力するコマンド入出力処理や、遊技情報表示部Mでの表示内容に関する処理、フラグの設定処理、大当り遊技の実行に関する処理等を実行すると共に、始動部(始動入賞口)への入賞に関する特図入力処理や、特図当り判定(大当り判定)に関する特図開始処理を実行するようになっている。以下、特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図5に示すように、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、前記第1または第2始動入賞口30,31へパチンコ球が入賞した時点で既に前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1または第2特図始動保留情報に基づいて実行される図柄変動演出に跨った連続予告演出を行わせるか否かを判定する先読みコマンド設定処理を実行し(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。その後、メイン制御CPU60aが先読みコマンド設定処理を実行し(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図6に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび演出表示部17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り判定処理)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、168/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1516/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB31)。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に基づく変動であることを示す特図2変動指定コマンドや、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンド、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく大当り判定(図柄変動演出)が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により第1特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図8に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定を行う(ステップB32)。そして、ステップB32における大当り判定の判定結果が大当りの場合には(大当り遊技が発生する場合には)、大当りフラグに大当りの変動であることを示す「1」が設定される(ステップB33)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB34)。ここで、特図決定用乱数の値には、特図1の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。そして、大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいて大当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
一方、ステップB32の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB37)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB37の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB38)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
また、ステップB37での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB40)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB41)。
ここで、ステップB35,B39,B41において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、所定の制御コマンドを設定する(ステップB36)。具体的には、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に基づく変動であることを示す特図1変動指定コマンドや、決定した特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドや、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを設定する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
ここで、特図開始処理において設定された各制御コマンドは、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理においてメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力すると共に、タイマ更新処理において特図変動パターンで特定された変動時間の計測をメイン制御CPU60aが開始し、これと同時に、メイン制御CPU60aが特図変動表示を開始させるように対応する特図表示部50A,50Bを制御する。そして、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを演出制御基板65に出力する。
ここで、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する種類の大当り図柄(大当り図柄A,B,a,b)の場合には、フラグ設定処理において当り遊技の終了後に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定する。この確変フラグは、確変状態の終了条件が満たされることで、フラグ設定処理においてメイン制御CPU60aが確変フラグを「0」に設定するようになっている。実施例では、確変状態の終了条件は、次の大当り遊技が開始する場合に成立するようになっており、メイン制御CPU60aが大当り遊技を開始するタイミングで確変フラグを「0」に設定するようになっている。すなわち、遊技状態特定情報としての確変フラグや前記変短フラグを参照することでメイン制御CPU60aが遊技状態を特定し得るようになっている。また、前述した通常処理におけるコマンド入出力処理において確変フラグの状態を示す確変状態指定コマンドや変短フラグの状態を示す変短状態指定コマンドをメイン制御CPU60aが演出制御基板65に対して出力するよう構成されている。
(演出制御について)
次に、演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、遊技状態特定情報としての確変状態指定コマンドや変短状態指定コマンド、特図1変動指定コマンド、特図2変動指定コマンドを参照して遊技状態を特定し、該遊技状態に対応するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。これにより、各種演出実行手段17,18,19において、遊技状態に対応する演出モードでの演出が実行されるようになっている。また、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。前記演出制御ROM65bには、演出モード毎に対応して演出内容を特定する複数種類の演出パターンが記憶されており、各演出パターンに対応して演出パターン振分用判定値が記憶されている。演出パターン振分用判定値は、演出制御CPU65aが演出パターン振分用乱数を用いて演出パターンの決定に用いる判定値であり、演出パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された演出パターン振分用乱数に対応する演出パターン振分用判定値が割当てられた演出パターンが特定されるようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、演出モードとして、第1特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される第1遊技モード(通常演出モード)と、第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が実行される第2遊技モード(特殊演出モード)と、図柄変動において後述する先読み演出が実行される先読み演出モードとが設けられている。そして、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aからのコマンド(特図1変動指定コマンド、特図2変動指定コマンド、先読みコマンド)から特定される演出モードに応じて、メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに対応するリーチ演出を実行する演出パターンやリーチ演出を実行しない演出パターンを決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが決定した変動パターンに基づいて、演出モードに応じて、複数の演出パターンの中から所定の演出パターンを決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、遊技状態に対応するモード指定コマンドを演出実行手段17,18,19に出力して、該演出実行手段17,18,19で遊技状態に対応する演出モードでの演出を実行させる演出制御CPU65aは、演出の実行態様を定める複数種類の演出モードの中から演出モードを設定する演出モード制御手段としての機能を備える。すなわち、実施例の演出制御CPU65aは、当否判定手段としてのメイン制御CPU60aによる当否判定が行われた後に、演出実行手段(演出表示部17)で実行する演出を演出モードに応じて決定する演出決定手段としての機能を有している。
ここで、前記演出モードは、前述のように、演出モード毎に対応して演出パターンが設定されており、演出モード毎に異なる遊技演出(表示演出や発光演出、音演出等)が実行されると共に、演出表示部17に表示される背景画像を異ならせて、各演出モードを容易に区別し得るよう構成されている。ここで、前記先読み演出モードで実行可能な特有の演出(先読み演出)として、図16、図17に示すように、先読み演出モードへの移行を示す突入演出と、突入演出を行った後に実行可能な先読み共通演出とが設定されており、後述のように、突入演出は先読み演出モードを実行する条件に応じて実行される一方、先読み共通演出は、先読み演出モードを実行する条件に関わらず先読み演出モードにおいて実行する演出とされている。なお、本実施例の先読み共通演出は、先読み演出モードの図柄変動が実行されていることを示す導入演出と、導入演出を行った後に実行可能で先読み演出モードの図柄変動であることを示すモード表示演出(後段演出)と、モード表示演出を行った後に実行可能で先読み演出モードの最終段階を示すモード実行演出(後段演出)とを設けてあるが、これに限られるものではない。
また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて演出表示部17に最終停止表示させる各図柄列L,C,Rの飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列L,C,Rの飾図(大当り図柄)を決定する。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列L,C,Rの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にサブタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、決定された演出パターンに設定された所定のタイミングにおいて、各図柄列L,C,Rの飾図を仮停止させる仮停止図柄指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aから前記全図柄停止コマンドが出力されると、飾図が確定停止するようになっている。
(表示制御)
前記表示制御基板70では、演出制御CPU65aから演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように演出表示部17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう演出表示部17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aから各図柄列L,C,Rの仮停止図柄指定コマンドが入力されると、対応する図柄列L,C,Rの有効停止位置に仮停止図柄指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列L,C,Rの有効停止位置に飾図指定コマンドで指示された飾図を表示部17aに確定停止表示させるように演出表示部17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された演出モードに対応する背景画像を表示させる。
(先読み演出について)
実施例のパチンコ機10は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる図柄変動(特図変動表示)の変動開始から変動停止までを1回の単位変動として、複数回の図柄変動において関連した演出を実行させる先読み演出を、演出実行手段17,18,19で実行可能に構成される。実施例では、演出実行手段としての演出表示部17において、先読み演出を、当り表示が表示される可能性を示唆する予告演出として実行する場合で説明する。なお、前記メイン制御RAM60cに記憶される複数の特図始動保留情報(第1特図始動保留情報、第2特図始動保留情報)について、図柄変動が行われる際の該図柄変動を特定するための特図始動保留情報について変動開始時特図始動保留情報と指称すると共に、図柄変動の開始(始動)が保留されているその他の特図始動保留情報について入賞時特図始動保留情報と指称して区別する場合がある。そして、実施例のパチンコ機10は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に取得した入賞情報に対応する特図始動保留情報(入賞時特図始動保留情報)に基づいて先読みコマンドをメイン制御CPU60aが作成し、該先読みコマンドで特定される情報に基づいて、演出制御CPU65aが先読み演出を行わせるか否かを決定するよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得された入賞情報(乱数値)を変動開始時特図始動保留情報として図柄変動(先読み演出の本変動演出)が行われた際に演出表示部17に当り表示が表示される可能性(大当りが発生する可能性)を前もって示唆し得るよう構成されている。
(先読みコマンド設定処理について)
ここで、前述した先読み演出を実行するための先読みコマンド設定処理について説明する。なお、先読みコマンド設定処理は、前述のように、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)の特図入力処理の実行に行われる。すなわち、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞してから次の図柄変動(第1または第2特図変動表示)が開始されるよりも前に(特図開始処理が行われるよりも前に)、先読みコマンド設定処理が実行される。言い換えると、先読みコマンド設定処理は、図柄変動の前に実行するよう構成されている。ここで、先読みコマンド設定処理は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に、取得された入賞情報に対応する入賞時特図始動保留情報に基づいて演出制御CPU65aに伝達する先読みコマンド(特定情報)をメイン制御CPU60aが設定する処理である。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて先読みコマンド(特定情報)を特定する特定情報設定手段として機能している。
図9に先読みコマンド設定処理を示す。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時特図始動保留情報に基づいて、当該入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報とする前(変動開始時特図始動保留情報に基づき図柄変動(変動演出)が開始される前)に、演出制御CPU65aが、変動開始時特図始動保留情報に基づく図柄変動(第1または第2特図変動表示)の結果として演出表示部17に当り表示が表示されるかを事前判定するための先読みコマンドを作成する。具体的には、メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れかへ入賞したかを判定し(ステップC11)、何れかへの入賞があった場合には、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された入賞時特図始動保留情報の特図当り判定用乱数に基づいて、該入賞情報を取得した時点での遊技状態に対応する特図当り判定用判定値から事前当否情報(変動開始時特図始動保留情報に基づく本変動が大当りとなるか否かを示す情報)を設定する(ステップC12)。また、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された入賞時特図始動保留情報の特図決定用乱数および特図決定用判定値から事前特図情報(特図の種類)を設定し(ステップC13)、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された入賞時特図始動保留情報の特図変動パターン振分用乱数および特図変動パターン振分用判定値から事前特図変動パターン情報を設定する(ステップC14)。更に、メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れへの入賞に基づく先読みコマンドであるかを示す特図種別情報を設定し(ステップC15)、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点(特図入力処理の実行時点)において、前記メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の記憶数および第2特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報を設定(ステップC16)し、先読みコマンド設定処理を終了する。なお、ステップC11において第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れかにも入賞していないと判定した場合は、先読みコマンド設定処理を終了する。これにより、入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報としたときに図柄変動(変動演出)を特定するために必要となる各種情報を含む先読みコマンドが設定される。そして、この先読みコマンドは、次に特図開始処理が行われる前にメイン制御CPU60aから演出制御基板65に出力されることで、各種情報が演出制御CPU65aに伝達される。
(先読み演出モード移行決定処理について)
次に、前記先読みコマンドに基づいて先読み演出を実行可能な先読み演出モードに移行するかを決定する先読み演出モード移行決定処理について、図10を参照して説明する。演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから先読みコマンドが入力されると(ステップD11)、該先読みコマンドを演出制御RAM65cの所定の記憶領域に先読み始動保留情報として記憶する。ここで、先読み始動保留情報(先読みコマンド)は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点で取得した入賞情報に対応する入賞時特図始動保留情報に基づいて設定された、前記事前当否情報、事前特図情報、事前特図変動パターン情報、特図種別情報、保留数情報を含んでいる。従って、演出制御CPU65aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された入賞情報を変動開始時特図始動保留情報として行われる本変動としての図柄変動(第1または第2特図変動表示)において大当りが発生するか否かを事前当否情報に基づいて識別し得ると共に、当該図柄変動の変動時間や演出内容(リーチ演出)が行われるか否かを事前特図変動パターン情報に基づいて演出制御CPU65aが識別できる。
そして、演出制御CPU65aは、先読みコマンドが入力された場合に、当該先読みコマンドが第1始動入賞口30および第2始動入賞口31の何れへの入賞に基づくものかを判定し(ステップD12)、第2始動入賞口31への入賞に基づく先読みコマンドの場合には、演出制御CPU65aは先読み演出モード移行決定処理を終了する。すなわち、実施例では、第1始動入賞口30への入賞を契機として先読み演出モードに移行し得る一方で、第2始動入賞口31への入賞を契機としては先読み演出モードに移行しないよう構成されている。なお、ステップD12の処理を省略することで、第2始動入賞口31への入賞を契機として先読み演出モードに移行し得るようにすることができる。
次いで、演出制御CPU65aは、入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報として行われる本変動としての図柄変動(第1特図変動表示)においてリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップD13)。具体的には、先読みコマンドに含まれる事前特図変動パターン情報がリーチ演出を実行する演出パターンに対応するか否かを演出制御CPU65aが判定し、リーチ演出を実行する演出パターンに対応する場合にはステップD14に移行し、演出制御CPU65aは、先読み演出モードに移行するか否かを判定(移行可否判定)する一方で、リーチ演出を実行する演出パターンに対応していない場合には演出制御CPU65aは先読み演出モード移行決定処理を終了する。すなわち、実施例では、先読み演出の本変動においてリーチ演出が行われる場合に先読み演出モードに移行し得る一方で、本変動においてリーチ演出が行われない場合には先読み演出モードに移行しないよう構成され、先読み演出モードに移行することで大当りが生起される期待感を高めている。
ここで、前記演出制御ROM65bには、先読み演出モードへの移行可否判定で用いられる移行可否判定テーブルT1(図14参照)が設定されており、先読みコマンドの事前当否情報に基づいて本変動が大当りとなるか否かに応じて、演出制御CPU65aが移行可否判定テーブルT1に基づいて先読み演出モードへ移行するかを判定するよう構成されている。具体的に、移行可否判定テーブルT1は、本変動が大当りとなる場合に、移行可否判定に用いる移行判定値(「0」〜「99」の全100通り)が「移行する」に対して「移行しない」よりも多く割り当てられると共に、本変動が大当りとならない場合に、当該移行判定値が「移行する」に対して「移行しない」よりも少なく割り当てられている。また、移行可否判定に用いる移行判定乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、移行判定乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。そして、先読みコマンドが入力された際に取得した移行判定乱数の値が一致する移行判定値が割り当てられている「実行する」、「実行しない」の何れかを演出制御CPU65aが決定するようになっている。そして、演出制御CPU65aは、先読み演出モードへの移行を決定した場合に、所定の記憶領域に設けた先読み演出モードフラグの値を、先読み演出モードへの移行を示す「1」に設定する(ステップD15)。すなわち、実施例では、演出制御CPU65aは、入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報として行われる本変動が大当りとなる場合に、大当りとならない場合よりも先読み演出モードへの移行を決定し易くなるよう構成され、先読み演出モードに移行することで大当りが生起される期待感を高めている。
また、演出制御CPU65aは、先読み演出モードを実行する図柄変動の実行回数を、特図始動保留情報の範囲内で決定するよう構成される(ステップD16)。ここで、実施例では、第1特図始動保留情報に基づいて行われる連続した2回の図柄変動で先読み演出モードを実行し得るよう構成されている。そして、先読みコマンドで特定される第1始動保留情報数が「1」の場合は、演出制御CPU65aは先読み演出モードを実行する図柄変動の実行回数を1回に決定するよう構成されている。すなわち、先読み演出モードは、演出制御CPU65aにより先読み演出モードの移行の決定が行われる契機となる始動入賞情報を取得した際にメイン制御RAM60cが複数(2以上)の第1特図始動保留情報を記憶している場合に、2回の図柄変動を実行する間継続し得るように構成される。
また、実施例では、先読みコマンドで特定される第1始動保留情報数が「2」以上の場合は、先読みコマンドの事前当否情報に基づいて本変動が大当りとなるか否かに応じて、前記演出制御ROM65bに設定された実行回数決定テーブルT2(図15参照)に基づいて先読み演出モードを実行する図柄変動の実行回数を演出制御CPU65aが決定するよう構成されている。具体的に、実行回数決定テーブルT2は、本変動が大当りとなる場合に、実行回数の決定に用いる実行回数判定値(「0」〜「99」の全100通り)が「2回」に対して「1回」よりも多く割り当てられると共に、本変動が大当りとならない場合に、当該実行回数判定値が「2回」に対して「1回」よりも少なく割り当てられている。そして、実行回数の決定に用いる実行回数判定乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、演出制御CPU65aは、実行回数判定乱数を所定の周期(4ms)で1ずつ更新し、更新後の値を演出制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるように構成されている。そして、先読みコマンドが入力された際に取得した実行回数判定乱数の値が一致する実行回数判定値が割り当てられている「1回」、「2回」の何れかを演出制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、実施例では、演出制御CPU65aは、入賞時特図始動保留情報を変動開始時特図始動保留情報として行われる本変動が大当りとなる場合に、大当りとならない場合よりも先読み演出モードで実行される図柄変動の実行回数が多くなるようよう構成され、先読み演出モードが複数回(実施例では2回)の図柄変動で実行されることで大当りが生起される期待感を高めている。
そして、演出制御CPU65aは、先読み演出モードの実行回数を決定した場合に、所定の記憶領域に設けた実行回数フラグの値を、決定した実行回数に応じた値となるよう「1」または「2」に設定すると共に(ステップD17)、変動カウンタの値を先読みコマンドで特定される第1特図始動保留情報の記憶数となるよう設定し、演出制御CPU65aは先読み演出モード移行決定処理を終了する。
(演出決定処理について)
次に、変動開始時特図始動保留情報に基づいてメイン制御CPU60aが当否判定を実行した場合(特図開始処理が行われた場合)に、演出制御CPU65aが実行する演出決定処理について説明する。すなわち、演出決定処理は、変動開始時特図始動保留情報に基づいて当否判定が行われた場合に、当該当否判定に基づいて実行される図柄変動で実行する演出を決定する制御処理である。図11に示すように、変動開始時特図始動保留情報に基づいて当否判定が実行されると、演出制御CPU65aは、当該当否判定が第1特図始動保留情報に基づく判定か否かを判定する(ステップE11)。具体的に実施例では、メイン制御CPU60aから特図1変動指定コマンドが入力された場合に、第1特図始動保留情報に基づく当否判定が行われたものと演出制御CPU65aが判定するよう構成されている。なお、当否判定が第1特図始動保留情報に基づくものか、第2特図始動保留情報に基づくものかを識別し得る情報(コマンド)であれば何れのものでもよい。
そして、第1特図始動保留情報に基づく当否判定の場合には、演出制御CPU65aは、先読み演出モードの演出を実行可能な状態か否かを判定する(ステップE12)。具体的に、先読み演出モードフラグの値が「1」か否か演出制御CPU65aが判定し、先読み演出モードフラグの値が「1」である場合には、ステップE13の特図1変動演出決定処理(図12、図13)に移行して、先読み演出モードの演出を実行可能な状態で実行する演出を決定する。一方、先読み演出モードフラグの値が「1」でない場合には、ステップE14に移行して1変動前(前変動)の図柄変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動か否か(第1遊技モードの演出を実行したか)を演出制御CPU65aが判定する。そして、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合には、第1遊技モードの演出の実行を演出制御CPU65aが決定し(ステップE15)、メイン制御CPU60aから入力される特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定する。これにより、当該第1特図始動保留情報に基づく図柄変動において第1遊技モードの演出が実行されるようになっている。
また、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動でない場合(前変動が第2特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合)には、演出制御CPU65aが当該図柄変動において第1移行演出の実行を決定し(ステップE16)、その後ステップE15に移行して特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定する。これにより、第2特図始動保留情報に基づく図柄変動(すなわち第2遊技モードの演出)が行われた次の図柄変動で第1特図始動保留情報に基づく図柄変動(すなわち第1遊技モードの演出)を実行する場合に、第1移行演出が実行され、第2遊技モードから第1遊技モードの移行を容易に判別し得るようにしている。
また、ステップE11において第1特図始動保留情報に基づく当否判定でない場合には、ステップE17に移行して1変動前(前変動)の図柄変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動か否か(第1遊技モードの演出を実行したか)を演出制御CPU65aが判定する。そして、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合には、演出制御CPU65aが当該図柄変動において第2移行演出の実行を決定し(ステップE18)、その後ステップE19に移行して特図変動パターン指定コマンドで特定された第2特図始動保留情報に基づく特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定する。これにより、第1特図始動保留情報に基づく図柄変動(すなわち第1遊技モードの演出)が行われた次の図柄変動で第2特図始動保留情報に基づく図柄変動(すなわち第2遊技モードの演出)を実行する場合に、第2移行演出が実行され、第1遊技モードから第2遊技モードの移行を容易に判別し得るようにしている。また、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動でない場合(前変動が第2特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合)には、第2遊技モードの演出の実行を演出制御CPU65aが決定し(ステップE19)、メイン制御CPU60aから入力される特図変動パターン指定コマンドで特定された第2特図始動保留情報に基づく特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定する。これにより、当該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動において第2遊技モードの演出が実行されるようになっている。このように、実施例では、先読み演出モードの演出を実行しない場合には、遊技モードの演出が切り替わる毎に第1移行演出または第2移行演出を実行して、遊技モードの切り替わりを識別し得るようにしている。
ここで、実施例のパチンコ機10は、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合に第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出し当否判定を実行するよう構になっている。すなわち、演出制御CPU65aは、第1遊技モードに応じた演出を決定可能な状態(第1特図始動保留情報を記憶した状態)において、第2始動入賞口31への入賞により第2特図始動保留情報を記憶した状態となること(所定の演出条件が成立すること)で第2遊技モードに応じた演出を決定すると共に、当該特殊演出モードの終了条件が成立すること(第2特図始動保留情報を記憶していない状態となること)で第1遊技モードに応じた演出を決定するよう構成されており、当該第1遊技モードおよび第2遊技モードの間を相互に移行し得るようになっている。
(特図1変動演出決定処理)
次に、特図1変動演出決定処理について図12および図13を用いて説明する。この特図1変動演出決定処理は、第1特図始動保留情報に基づいて行われる図柄変動において、先読み演出モードの演出を実行するか、第1遊技モードの演出を実行するかを決定する処理である。特図1変動演出決定処理において、演出制御CPU65aは、変動カウンタの値が「2」より大きいか否かを判定する(ステップF11)。そして、変動カウンタの値が「2」より大きい場合には、第1遊技モードの演出の実行を演出制御CPU65aが決定し(ステップF12)、メイン制御CPU60aから入力される特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定すると共に、変動カウンタの値を「1」減算し(ステップF13)、特図1変動演出決定処理を終了する。すなわち、実施例では、先読み演出モードの演出を実行可能な状態となった場合(先読み演出モードフラグ=「1」)には、本変動および本変動の1変動前の図柄変動以外で先読み演出モードの演出を実行しないようになっている。
また、変動カウンタの値が「2」より大きくない場合には、変動カウンタの値が「2」か否か(本変動の1変動前か否か)を演出制御CPU65aが判定する(ステップF14)。そして、変動カウンタの値が「2」の場合には、実行回数フラグの値が「2」であるかを演出制御CPU65aが判定し、実行回数フラグの値が「1」の場合には、前記ステップF12に移行して、メイン制御CPU60aから入力される特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定すると共に、変動カウンタの値を「1」減算し(ステップF13)、特図1変動演出決定処理を終了する。
そして、実行回数フラグの値が「2」の場合には、ステップF16に移行して1変動前(前変動)の図柄変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動か否か(第1遊技モードの演出を実行したか)を演出制御CPU65aが判定する。そして、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合には、先読み演出モードの突入演出および先読み導入演出の実行を決定し(ステップF17)、先読み演出モードの突入演出の実行を示す突入演出実行フラグの値を「1」に設定する(ステップF18)。
一方で、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動でない場合(前変動が第2特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合)には、演出制御CPU65aが当該図柄変動において第1移行演出の実行を決定し(ステップF20)、その後ステップF21に移行して特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定する。すなわち、実行回数フラグの値が「2」の場合には、前変動において第1遊技モードの演出が行われた場合に、先読み演出モードの突入演出を実行して、先読み演出モードへ移行したことを容易に判別し得るようにする一方、第2特図始動保留情報に基づく図柄変動(すなわち第2遊技モードの演出)が行われた次の図柄変動で第1特図始動保留情報に基づく図柄変動(すなわち第1遊技モードの演出)を実行する場合に、第1移行演出が実行され、第2遊技モードから第1遊技モードの移行を容易に判別し得るようにしている。
また、ステップF18およびステップF21の後に、演出制御CPU65aは、実行回数フラグの値をクリアすると共に(ステップF19)、変動カウンタの値を「1」減算して(ステップF13)、特図1変動演出決定処理を終了する。
また、ステップF14において変動カウンタの値が「2」でない場合(変動カウンタが「1」の場合(本変動となる場合))には、ステップG11に移行して1変動前(前変動)の図柄変動が第2特図始動保留情報に基づく図柄変動か否か(第2遊技モードの演出を実行したか)を演出制御CPU65aが判定する。そして、前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合(すなわち、第1遊技モードの演出または先読み演出モードの演出の場合)には、前変動で突入演出を実行したかを演出制御CPU65aが判定する(ステップG12)。具体的に、演出制御CPU65aは、突入演出実行フラグの値が「1」か否かを判定し、突入演出実行フラグの値が「1」の場合には、本変動において先読み演出モードの後段演出の実行を決定し(ステップG13)、先読み演出モードの突入演出の実行を示す突入演出実行フラグの値をクリアする(ステップG14)。次いで、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定する(ステップG15)。ここで、前述のように、実施例の先読み演出モードは、本変動においてリーチ演出を実行する場合に移行可能に構成されており、特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定することで、本変動において実行されるリーチ演出の内容が決定される。その後、演出制御CPU65aは、変動カウンタの値をクリアして(ステップG16)、特図1変動演出決定処理を終了する。
一方で、ステップG12において突入演出実行フラグの値が「1」でない場合(前変動が第1特図始動保留情報に基づく図柄変動で、かつ突入演出を実行していない場合)には、演出制御CPU65aが本変動において先読み演出モードの突入演出の実行を決定すると共に(ステップG17)、先読み演出モードの導入演出および後段演出の実行を決定する(ステップG18)。次いで、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定し(ステップG15)、本変動において実行するリーチ演出の内容を決定する。その後、演出制御CPU65aは、変動カウンタの値をクリアして(ステップG16)、特図1変動演出決定処理を終了する。
また、ステップG11において前変動が第2特図始動保留情報に基づく図柄変動の場合(すなわち、第2遊技モードの演出の場合)には、演出制御CPU65aが本変動において第1移行演出の実行を決定すると共に(ステップG19)、先読み演出モードの導入演出および後段演出の実行を決定する(ステップG20)。次いで、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンに対応した演出パターンを演出制御CPU65aが決定し(ステップG15)、本変動において実行するリーチ演出の内容を決定する。その後、演出制御CPU65aは、変動カウンタの値をクリアして(ステップG16)、特図1変動演出決定処理を終了する。
このように、実施例のパチンコ機10は、第1遊技モードの演出を実行する図柄変動の次の図柄変動から第1特図始動保留情報に基づいて2回の図柄変動を実行する間先読み演出モードへ移行させる場合に、先読み演出モードの移行後の1変動目となる1回目の図柄変動において当該先読み演出モードへの移行を報知する突入演出を実行させると共に、本変動となる2回目の図柄変動においてリーチ演出を実行させるよう構成される。また、第2遊技モードの演出を実行する図柄変動の次の図柄変動から第1特図始動保留情報に基づいて2回の図柄変動を実行する間先読み演出モードへ移行させる場合に、先読み演出モードの移行後の1変動目となる1回目の図柄変動において第1移行演出を実行させると共に、本変動となる2回目の図柄変動においてリーチ演出を実行させるよう構成されている。また、先読み演出モードの突入演出を実行する図柄変動の次の図柄変動が第2特図始動保留情報に基づいて実行する図柄変動の場合には、その後に行われる第1特図始動保留情報に基づく本変動となる2回目の図柄変動において第1移行演出を実行させた後にリーチ演出を実行させるようになっている。そして、先読み演出モードの移行後の1変動目となる1回目の図柄変動において第1移行演出を実行させると共に、この図柄変動の次の図柄変動が第2特図始動保留情報に基づいて実行する図柄変動の場合には、その後に行われる第1特図始動保留情報に基づく本変動となる2回目の図柄変動において第1移行演出および先読み共通演出を実行させた後にリーチ演出を実行させるよう構成されている。
すなわち、実施例の演出制御CPU65aは、当否判定手段としてのメイン制御CPU60aによる当否判定が行われた後に、演出実行手段(演出表示部17)で実行する演出を演出モードに応じて決定する演出決定手段として機能するものである。また演出制御CPU65aは、当否判定手段としてのメイン制御CPU60aによる当否判定が行われる前に、入賞情報取得手段が入賞情報を取得することを契機として先読み演出モードに移行するかを決定する事前演出モード決定手段として機能している。更に演出制御CPU65aは、演出決定手段が決定した演出に基づいて演出実行手段に演出を実行させる演出制御手段としての機能を有している。そして、演出制御CPU65aは、先読み演出モードへの移行を決定した場合に、当該移行決定の契機となった入賞情報に対応する始動保留情報に基づいて当否判定手段による判定が少なくとも行われた際(すなわち本変動を実行する際)に先読み演出モードに応じた演出を決定するよう構成されている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、遊技領域21を流下するパチンコ球が、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞すると、前記対応する始動入賞検出センサ34,35による球検出を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて大当り判定が行われる。また、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31へパチンコ球が入賞した際に、該始動入賞口30,31に入賞したときに取得した特図始動保留情報に基づいて先読みコマンドを作成する(図9参照)。そして、メイン制御CPU60aは、作成した先読みコマンドを、特図開始処理前に前記演出制制御CPU65aに出力し、該演出制制御CPU65aは入力された先読みコマンド(入賞時特図始動保留情報で特定される情報)を演出制御RAM65cの記憶領域に先読み始動保留情報として記憶する。また、演出制御RAM65cは、メイン制御CPU60aから出力された先読みコマンドが入力された際に、該先読みコマンドで特定される情報に基づいて、先読み演出モードの演出を実行するか(移行するか)を決定する。
ここで、先読み演出モードの演出を実行する場合に実行される演出の流れについて、図16〜図17を用いて説明する。先読み演出モードを実行する図柄変動の実行回数が1回に決定された場合には、第1特図始動保留情報に基づく先読み演出の本変動のみで先読み演出モードの演出が実行される。すなわち、図16(a)に示すように、本変動の1変動前(前変動)の図柄変動が第1特図始動保留情報に基づく第1遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図1変動)である場合には、第1特図始動保留情報に基づく先読み演出の本変動において、先読み演出モードの突入演出、導入演出、後段演出(モード表示演出およびモード実行演出)が実行され、その後にリーチ演出が行われる。一方で、図16(b)に示すように、本変動の1変動前(前変動)の図柄変動が第2特図始動保留情報に基づく第2遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図2変動)である場合には、第1特図始動保留情報に基づく先読み演出の本変動において、第2遊技モードから第1遊技モードへの移行を示す第1移行演出を実行した後に、先読み演出モードの導入演出、後段演出(モード表示演出およびモード実行演出)が実行され、その後にリーチ演出が行われる。
また、先読み演出モードを実行する図柄変動の実行回数が2回に決定された場合には、先読み演出の本変動の直前の第1特図始動保留情報に基づく図柄変動を1変動目として先読み演出モードの演出を実行可能となると共に、第1特図始動保留情報に基づく先読み演出の本変動を2変動目として先読み演出モードの演出が実行される。すなわち、図16(c)に示すように、先読み演出モードの1変動目となる図柄変動の1変動前(前変動)の図柄変動が第1特図始動保留情報に基づく第1遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図1変動)である場合には、当該先読み演出モードの1変動目となる図柄変動において、先読み演出モードの突入演出、導入演出が実行される。そして、この1変動目となる図柄変動に連続して先読み演出の本変動が実行される場合は、当該先読み演出の本変動において、先読み演出モードの後段演出(モード表示演出およびモード実行演出)が実行され、その後にリーチ演出が行われる。
一方で、図16(d)に示すように、先読み演出モードの1変動目となる図柄変動の1変動前(前変動)の図柄変動が第2特図始動保留情報に基づく第2遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図2変動)である場合には、当該先読み演出モードの1変動目となる図柄変動において、第2遊技モードから第1遊技モードへの移行を示す第1移行演出が実行されると共に第1遊技モードの演出が実行され、先読み演出モードの演出は実行されない。そして、この1変動目となる図柄変動に連続して先読み演出の本変動が実行される場合は、当該先読み演出の本変動において、先読み演出モードの突入演出、導入演出、後段演出(モード表示演出およびモード実行演出)が実行され、その後にリーチ演出が行われる。
また、図17(a)に示すように、先読み演出モードの1変動目となる図柄変動の1変動前(前変動)の図柄変動が第1特図始動保留情報に基づく第1遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図1変動)であって、当該1変動目となる図柄変動に連続する図柄変動が第2特図始動保留情報に基づく第2遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図2変動)となる場合(先読み演出モードの図柄変動の間に特図2変動が行われる場合)は、当該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動において、第1遊技モードから第2遊技モードへの移行を示す第2移行演出が実行されると共に第2遊技モードの演出が実行され、先読み演出モードの演出は実行されない。そして、第2特図始動保留情報に基づく図柄変動が実行された後に第1特図始動保留情報に基づく図柄変動が行われることで先読み演出の本変動が実行され、当該先読み演出の本変動において、第2遊技モードから第1遊技モードへの移行を示す第1移行演出を実行した後に、先読み演出モードの導入演出、後段演出(モード表示演出およびモード実行演出)が実行され、その後にリーチ演出が行われる。
一方で、図17(b)に示すように、先読み演出モードの1変動目となる図柄変動の1変動前(前変動)の図柄変動が第2特図始動保留情報に基づく第2遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図2変動)であって、当該1変動目となる図柄変動に連続する図柄変動が第2特図始動保留情報に基づく第2遊技モードの演出が行われる図柄変動(特図2変動)となる場合(先読み演出モードの図柄変動の間に特図2変動が行われる場合)は、当該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動において、第1遊技モードから第2遊技モードへの移行を示す第2移行演出が実行されると共に第2遊技モードの演出が実行され、先読み演出モードの演出は実行されない。そして、第2特図始動保留情報に基づく図柄変動が実行された後に第1特図始動保留情報に基づく図柄変動が行われることで先読み演出の本変動が実行され、当該先読み演出の本変動において、第2遊技モードから第1遊技モードへの移行を示す第1移行演出を実行した後に、先読み演出モードの導入演出、後段演出(モード表示演出およびモード実行演出)が実行され、その後にリーチ演出が行われる。
このように、第2遊技モードから第1遊技モードに移行する場合に第1移行演出を実行することで、第2特図始動保留情報に基づく図柄変動から第1特図始動保留情報に基づく図柄変動が行われる状態となったことを把握させることができる。また、第1遊技モードから先読み演出モードに移行する場合に1変動目(1回目)となる図柄変動において突入演出を実行することで、先読み演出モードとなったことを把握させて、本変動(2回目の図柄変動)において実行される先読み演出モードのリーチ演出に対する期待感を高めることができる。また、先読み演出モードの1変動目の図柄変動の後に第2特図始動保留情報に基づいて図柄変動が行われる場合に、先読み演出モードの2変動目となる本変動において第1移行演出を実行させた後に先読み演出モードのリーチ演出を実行させることで、演出モードの切り替わりを明確に把握させて、先読み演出モードの移行に対する遊技の興趣を向上することができる。
また、第2遊技モードから先読み演出モードに移行する場合に1変動目(1回目)の図柄変動において突入演出を実行することなく第1移行演出を実行することで、第2遊技モードが終了したことを把握させつつ、先読み演出モードを実行可能な第1特図始動保留情報に基づく図柄変動が行われる状態となったことを把握させて、2変動目(2回目)の図柄変動において先読み演出モードのリーチ演出が行われることに対する期待感を高めることができる。
第2特図始動保留情報を取得することを契機として先読み演出モードに移行しないようにすることで、第1移行演出が行われた後に、通常の第1遊技モードの演出が実行されるか、先読み演出モードの演出が実行されるかに対する関心を高め、遊技の興趣の向上を図ることができる。
そして、第2始動入賞口31への入賞を契機とした図柄変動から第1始動入賞口30への入賞を契機とした図柄変動へ移行する際に、第1移行演出を実行した後に第1遊技モードの演出が行われるケースと、当該第1移行演出を実行した後に先読み演出モードの演出が行われるケースとを生じさせることができ、演出を多様化して遊技の興趣の向上を図ることができる。また、遊技機では、第1始動入賞口30への入賞を契機とした図柄変動(第1遊技モード)と比べて、第2始動入賞口31への入賞を契機とした図柄変動(第2遊技モード)の方が大当りに伴って遊技者が得られる利益が高くなるよう構成されることがある。このような構成とした場合でも、第2遊技モードから第1遊技モードへの移行に伴って第1移行演出を実行した後に先読み演出モードの演出が行われるようにすることで、遊技者の関心を維持することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、先読み演出モードに移行させる場合に、突入演出および第1移行演出の何れかを実行した後に先読み共通演出を実行させるよう構成されている。このように、突入演出および第1移行演出の何れかを実行した後に先読み共通演出を実行することで、第1遊技モードおよび第2遊技モードの何れから先読み演出モードに移行した場合でも先読み演出の結果に対する期待感を損なうことがない。
また、本発明では、先読み演出モードでの図柄変動の実行回数が多くなることで(実施例では2回の図柄変動で実行される)場合に、本変動で大当りとなる期待感が高まるよう構成してある。ここで、先読み演出モードの実行回数が2回の場合には、第2遊技モードから先読み演出モードの1変動目に移行した場合に、当該1変動目の図柄変動において先読み演出モードの突入演出や導入演出が実行されない。すなわち、図16(d)や図17(b)に示すように、先読み演出モードの実行回数が2回であるにもかかわらず、実行される演出上は、図16(a)や図16(b)に示すように先読み演出モードの実行回数が1回の場合と見分けがつかない。このため、第2遊技モードの演出が行われた直後の図柄変動や、1変動後の図柄変動で先読み演出モードの演出が行われた場合の大当りに対する期待間を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、先読み演出モードの図柄変動の間に特図2変動が行われる場合に、第1遊技モードや第2遊技モードと先読み演出モードとが切り替わる毎に移行演出を実行するようにしたことで、遊技者の先読み演出モードに対する信頼を損なわないようにすることができる。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、演出表示部を用いて先読み演出を行うよう構成したが、専用の演出実行装置(演出実行手段)を設けて先読み予告演出を実行する構成を採用し得る。
(2) 実施例では、本変動においてリーチ演出を実行する場合に先読み演出モードに移行し得るように構成が、ステップD13を省略することでリーチ演出を実行しない場合に先読み演出モードに移行し得るよう構成することができる。
(3) 実施例では、先読み演出モードにおいて1回または2回の図柄変動が行われるよう構成したが、3回以上の図柄変動が行われるようにしてもよく、また、先読み演出モードにおいて常に一定回数(例えば2回)の図柄変動が行われるようにしてもよい。
(4) 実施例では、第1始動入賞口への入賞を契機とした先読みコマンドに基づいて先読み演出を実行可能に構成したが、先読み予告判定処理において第2始動入賞口への入賞を契機とした先読みコマンドに基づいて先読み演出を実行可能にするようにしてもよく、また第1始動入賞口および第2始動入賞口の何れかへの入賞を契機とした先読みコマンドに基づいて先読み演出を実行可能にするようにしてもよい。
(5) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(6) また、実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(7) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。