JP6663014B2 - ガス化システム及びプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、炭素質材料の部分燃焼による合成ガスの製造のためのガス化システム及びプロセスに関する。
炭素質材料は、例えば、粉炭、バイオマス、(重)油、原油残留物、バイオ油、炭化水素ガス、若しくは任意の他のタイプの炭素質材料、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
シンガス又は合成ガスは、本明細書で使用される場合、水素、一酸化炭素、及び場合により幾らかの二酸化炭素を含むガス混合物である。シンガスは、例えば、燃料として、合成天然ガス(SNG)を生成する際の中間物、及び、アンモニア、メタノール、水素、ろう、合成炭化水素燃料又は油生成物を製造するための中間物として、又は他の化学プロセスのための原料として、使用することができる。
本開示は、シンガスを調製するためのガス化反応器と、反応器からシンガスを受けるための冷却チャンバーとを含むシステムを対象とする。反応器のシンガス出口は、管状の浸漬管を通じて冷却チャンバーと流体接続されている。例えば、米国特許第4828578号及び同第5464592号で示されるタイプの部分酸化ガス化装置は、耐火煉瓦又は耐火ライニングとも称される、耐火粘土煉瓦のような断熱材料又は耐火材料の1つ又は複数の層に取り囲まれ、かつ、外側の鋼製のシェル又はベッセルにより包み込まれる(encased)高温反応チャンバーを含む。
国際公開第95/32148号に記載されるように、液体炭化水素含有燃料の部分酸化のためのプロセスを、上で参照した特許で示されたタイプのガス化装置を用いて使用することができる。米国特許第9032623号、同4443230号及び同第4491456号で開示されるようなバーナーは、酸素及びまた場合により減速材ガスと共に液体炭化水素含有燃料を、ガス化装置の反応チャンバーに下方向に又は横方向に供給するために、上で参照された特許で示されるタイプのガス化装置で使用することができる。
燃料がガス化装置内で反応した場合、反応生成物の1つはガス状硫化水素、腐食剤であることがある。溶融又は液体スラグはまた、燃料と酸素含有ガスとの間の反応の副産物として、ガス化プロセス中に形成されることがある。反応生成物と、スラグの量とは、使用する燃料のタイプに依存することがある。石炭を含む燃料は、典型的に、例えば重油残留物を含む液体炭化水素含油燃料より多くのスラグを生成する。液体燃料については、シンガスの上昇した温度及び腐食剤による腐食が、より顕著である。
スラグはまた、周知の腐食剤であり、ガス化装置の内壁に沿って下向きに水浴に徐々に流れる。水浴は、反応チャンバーから出るシンガスを冷却し、水浴中に落下したスラグをまた冷却する。
下降流のシンガスが水浴に達する前に、シンガスはガス化反応器の床部にある中間部を通じて、及び水浴に向かう浸漬管を通じて流れる。
上述したようなガス化装置はまた、典型的に、冷却リングを有する。冷却リングは、耐腐食材料、例えば、クロムニッケル鉄合金又はインコロイ(R)のようなニッケル系合金で形成されることができ、浸漬管の内面に対するクーラントとして水をスプレー又は噴射するように配置される。米国特許第4828578号明細書及び同第5464592号明細書のガス化装置は、スラグを生成する、石炭及び水のスラリーを含む液体燃料を対象としている。冷却リングの一部は、下向きに流れる溶融スラグの流路内にあり、したがって、冷却リングは、溶融スラグと接触する場合がある。スラグに接触する冷却リングの部分は、約1800〜2800゜F(980〜1540℃)の温度を受けることがある。したがって、従来技術の冷却リングは、熱的損傷及び熱的化学分解を受けやすい。原料に応じて、スラグはまた、冷却リング上で固化することがあり、そして蓄積して、シンガス開口部を制限するか又は最終的に閉鎖する場合がある詰まりを形成することがある。さらに、冷却リング上でのスラグ蓄積によって、その冷却機能を発揮するための冷却リングの能力が低減される。
1つの公知のガス化装置において、反応チャンバーの金属床部は、逆さまの円錐台シェルの形態である。金属床部は、ガス化装置シェル又はベッセルと同一の圧力ベッセル冶金から作られることがある。中間部は、ガス化装置床部の中央のシンガス出口開口部で、スロート構造を含むことができる。
金属ガス化装置床部は、金属床部を覆うセラミック煉瓦のような耐火材料を支持し、ガス化装置床部上のガス化装置ベッセルの内面を覆う耐火材料をまた支持する。ガス化装置床部はまた、下部の冷却リング及び浸漬管を支持することができる。
中間部でのガス化装置床部の周辺エッジはまた、先端エッジとしても知られており、高温・高速のシンガス(原料の性質に応じて、浸食性の灰の混入粒子を有することがある)及びスラグの過酷な条件にさらされることがある。ここで、スラグの量はまた、原料の性質に依存することがある。
従来のガス化システムにおいて、金属床部は、(ガス化装置の中心軸から)半径方向における損耗を受け、それは、先端エッジから始まり、高温のシンガスによりもたらされる過酷な条件が下部の冷却リングの冷却効果と平衡になるまで放射状に外向きに進行する。したがって、金属損耗作用は、それが「平衡」点又は「平衡」半径に達するまでガス化装置の中心軸から放射状に外向きに進行する。
平衡半径は、時々、床部の先端エッジ及びガス化装置の中心軸から十分に離れ、そうすると、床部が上にある耐火物を保持することができなくなるリスクが生じる。耐火物の支持部が危険にさらされている場合、ガス化装置は、極めて時間がかかり労力を要する処置である、床部上での再建作業及びスロート耐火物の交換のために、早期の停止を要することがある。
従来のガス化装置の中間部又はスロート部での別の問題は、冷却リングの上側の曲面がガス化装置の反応チャンバーから完全な放射熱、並びに、灰及びスラグを含む場合がある高速・高温のシンガスの腐食性及び/又は浸食性効果にさらされることである。そのような過酷な条件はまた、冷却リングの損耗の問題をもたらす場合があり、それは、十分に重大である場合に、必要な修復作業のためにガス化運転を終了することを強いる場合がある。この問題は、上側床部が大きく損耗し、冷却リングの大部分を高温のガス及びスラグにさらすこととなった場合に悪化する。
上述した設計は、耐火煉瓦、金属床部及び冷却リングの腐食及び損耗のようなよく起こる不具合を受けることが報告されている。スロート部、すなわち、反応器と冷却部との間の境界部は、以下の問題を有することがある:
−反応器出口及び中間部の底部での金属支持構造物が、高温及び腐食性の高温ガスによりもたらされる損耗を受けやすい;
−高温乾燥反応器と冷却領域との間の境界部が汚染を受けやすい;及び
−冷却リングが高温シンガスにより過熱されるリスクがある。
米国特許第4801307号明細書では、耐火ライニングであって、中央経路の下流端にある耐火ライニングの平坦裏面の後方部が冷却リングカバーにより支持され、耐火ライニングの前方部が冷却リングの面及びカバーの鉛直脚部に張り出している、耐火ライニングを開示している。張り出し部は、約10〜約30°の範囲の角度で下方向に傾いている。張り出し部は、高温ガスから遮蔽された内面を提供する。耐火性保護リングは、冷却リングの内面の前方部に固定することができる。
米国特許第7141085号明細書では、スロート部と、スロート部においてスロート開口部を持つ金属床部とを有するガス化装置であって、金属床部内のスロート開口部が、金属ガス化装置床部の内側周辺エッジにより画定されている、ガス化装置を開示している。ガス化装置金属床部は、上にある耐火材を有し、金属床部の内側周辺エッジでの張り出し耐火煉瓦が、付属部を含む床部を有し、鉛直範囲を有する付属部が、金属ガス化装置床部の内側周辺エッジの一部に張り出すように選択される。冷却リングは、ガス化装置床部の内側周辺エッジで、ガス化装置床部の下方にあり、付属部が、冷却リングの上面を覆うのに十分に長い。
米国特許第9057030号明細書では、冷却リングの内部の円周面内に配置された保護障壁を含む冷却リング保護システムを有するガス化システムを開示している。冷却リング保護システムは、滴る溶融スラグが冷却リングから離れて配置されるように構成されたドリップエッジを含み、保護障壁は、冷却リングの軸に沿った軸方向において、軸寸法の部分のおよそ50%超に沿って内部の円周面に重なり、保護障壁は耐火材を含む。
米国特許第9127222号明細書では、反応器と底の冷却部との間で冷却リング及び移行領域を保護するためのガス遮蔽システムを開示している。冷却リングは、ガス化反応器の金属床部の水平部の下に位置する。
特許文献によれば、多くの共通する腐食スポットの1つは、冷却リングの前方部にあり、冷却リングとは、耐火物が終端する位置で、浸漬管の内部に水の膜を噴射する装置である。冷却リングは、高温シンガスに直接さらされるだけでなく、ガスが上部に収集された場合に不十分な冷却をもたらすことがあり、熱的過負荷及び/又は腐食が発生する場合がある。
上述した従来の設計の長期間の運転は、幾つかの問題を示唆している。例えば、その設計は、耐火層により高温面側から金属床部を保護しているが、高温シンガスは耐火煉瓦の接合部を通じて侵入することができ、最終的に金属床部に達する。耐火煉瓦は、浸食されるか又は損耗されることがあり、その場合は、金属床部の保護は失われる。また、従来の張り出し煉瓦は、冷却リングを保護することを意図しているが、煉瓦及びその張り出し部が浸食されることあるため、冷却リングが過熱されるリスクは未だに比較的高い。張り出し煉瓦と共に冷却リングでの損傷及びクラックが産業界で報告されている。最後に、反応器からのシンガスは、典型的に、すす粒子及び灰粒子を含有し、それは、乾燥面上に貼りつき、例えば冷却リング上で堆積し始める。冷却リングでのすす及び灰の堆積は、冷却リングの水分配器出口を邪魔することがある。冷却リングの水分配が阻害されると、浸漬管は乾燥部がもたらされる場合があり、過熱を生じ、再び浸漬管に損傷をもたらす。
また、浸漬管の材料は、堆積物の積層を防ぎ浸漬管の壁を冷却する、浸漬管の内面上の水膜で保護さる。浸漬管の内部では、浸漬管の壁部が不適切に冷却されるか又は交互のウェット−ドライサイクルを受ける場合、深刻な腐食が発生することがある。
本開示の対象は、上述した課題の少なくとも1つを防止する、改善したガス化システム及び方法を提供することである。
本発明は、炭素質原料を部分酸化して、合成ガスを少なくとも供給するためのガス化システムであって、システムが、
炭素質原料を収容し、部分的に酸化するための反応器チャンバーと、
液体クーラントの浴を保持するための、反応器チャンバーの下にある冷却部と、
反応器チャンバーを冷却部に接続する中間部とを含み、中間部が、
反応器チャンバーが冷却部と連通して、反応器チャンバーから冷却部の浴中に合成ガスを導く反応器出口開口部を備えた反応器チャンバー床部と、
反応器チャンバー床部上に配置され、反応器チャンバー床部により支持されており、かつ、反応器出口開口部を囲っている少なくとも1層の耐火煉瓦とを含み、システムが、
反応器出口開口部から冷却チャンバーの浴まで延在し、幅広頂部を有する浸漬管をさらに含むシステムを提供する。
1つの実施形態において、浸漬管の幅広頂部は、反応器出口開口部の外面を囲っている。
浸漬管の幅広頂部は、液体クーラントを浸漬管の内面に提供するための冷却リングを備えることができる。冷却リングの下端部は、反応器出口開口部の下端部の上に、ある距離で配置されることができる。例えば、冷却リングは、反応器出口開口部の内面に対してある水平距離で配置することができる。
1つの実施形態において、幅広頂部は湾曲部を含む。
任意選択で、反応器チャンバー床部は、円錐部と、円錐部に交差部で接続された水平部とを含み、浸漬管の幅広頂部は、浸漬管と反応器チャンバー床部との間の隙間を画定する。前記隙間の最小距離は、浸漬管の幅広頂部の壁と、反応器チャンバー床部の交差床部との間に位置することができる。最小距離は、5cm以下に制限されることがある。
1つの実施形態において、ガス化システムは、浸漬管と反応器チャンバー床部との間の隙間に向けられた、洗浄又はパージのための少なくとも1つのブラストノズルを含む。
浸漬管は、幅広頂部に接続された円筒状の中央部を含むことができ、中央部は、反応器出口開口部の内径と実質的に等しい浸漬管の内径を有する。浸漬管の中央部は、中央部の外側上に冷却筐体を備えることができる。冷却筐体は、閉鎖上端部及び閉鎖下端部を持つ円筒状部材を含むことができ、円筒状部材と浸漬管の中央部の外形との間に、冷却流体を循環させるための環状空間が設けられる。
別の態様によれば、本開示は、請求項1に記載のガス化システムを使用することを含む、炭素質原料を部分酸化して合成ガスを少なくとも提供するためのガス化プロセスを提供する。
本発明のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が、同一の特徴が図面を通して同一の部分を示す添付の図面を参照して読まれた際に、より良好に理解される。
ガス化装置の例示の実施形態の概略図を示す。 ガス化装置の中間部の実施形態の図式的な断面図を示す。 図2Aの実施形態の詳細部を示す。 ガス化装置の中間部の別の実施形態の図式的な断面図を示す。 ガス化装置の中間部のまた別の実施形態の斜視図を示す。 図4の実施形態の断面図を示す。
以下で詳細に説明される、開示される実施形態は、原料を合成ガスに変換するように構成された反応チャンバーと、合成ガスを冷却するように構成された冷却チャンバーと、水流を冷却チャンバーに提供するように構成された冷却リングとを含むガス化システムに適している。反応チャンバーから冷却チャンバーまで通過する合成ガスは、高温であることがある。したがって、幾つかの実施形態において、ガス化装置は、反応器と冷却チャンバーとの間に、反応チャンバー中で生成されることがある溶融スラグ及び/又は合成ガスから冷却リング又は金属部品を保護するように構成された中間部の実施形態を含む。合成ガス及び溶融スラグは、ガス化の高温生成物と総称されることがある。ガス化方法は、反応チャンバー中で原料をガス化して合成ガスを生成することと、冷却チャンバー中で合成ガスを冷却して合成ガスを冷却することとを含むことができる。
図1は、ガス化装置10の例示の実施形態の概略図を示す。中間部11は、反応チャンバー12と冷却チャンバー14との間に配置されている。保護障壁16は、反応チャンバー12を画定することができる。保護障壁16は、物理的障壁、熱的障壁、化学的障壁、又はそれらの任意の組み合わせとして作用する。
保護障壁16のために使用することができる材料の例としては、限定されないが、耐火材、耐火金属、非金属材料、粘土、セラミック、サーメット、並びにアルミニウム、ケイ素、マグネシウム、及びカルシウムの酸化物が挙げられる。また、保護障壁16のために使用される材料は、煉瓦、キャスタブル、コーティング、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。本明細書において、耐火材は、高温でその強度を保持するものである。ASTM C71は、「1000°F(538℃)超の環境にさらされる、システムの構成部材として又は構造物に適用させることができる、化学的及び物理的特性を有する非金属材料」として、耐火材を規定している。
反応器12及び耐火被覆材16は、保護シェル2により囲われることができる。シェルは例えば鋼で作られる。シェル2は、好ましくは、反応器の内側の設計運転圧力と、典型的には大気圧、すなわち約1気圧である工場敷地における圧力との間の圧力差に少なくとも耐えることができる。本明細書において、1標準大気(atm)は、101325Pa又は14.696psiに等しい。
原料4は、酸素6と、蒸気のような任意の減速材8と共に、ガス化装置10の反応チャンバー12中に1つ又は複数の入口を通じて導入することができ、スラグ及び他の汚染物質をまた含むことがある未反応(raw)又は未処理の合成ガス、例えば、一酸化炭素(CO)及び水素(H2)の組み合わせに変換される。原料、酸素及び減速材のための入口は、1つ又は複数のバーナー9で組み合わせられることができる。示された実施形態において、ガス化装置は、反応器の上端部に単一のバーナー9が備えられる。例えば、反応器の側面部に追加のバーナーを含めることができる。幾つかの実施形態において、空気又は酸素濃度を高めた空気を、酸素6の代わりに使用することができる。酸素濃度を高めた空気の酸素含有量は、80〜99%、例えば約90〜95%の範囲であることができる。未処理の合成ガスはまた、未処理ガスとして記載されることがある。
ガス化装置10中での変換は、ガス化装置10の種類及び用いる原料に応じて、例えばおよそ20〜100bar、又は35〜55barのような上昇した圧力と、例えばおよそ1300〜1450℃の温度とで、原料を蒸気及び酸素にさらすことで達成することができる。
ガス化装置の運転中、典型的な反応チャンバーの温度は、およそ2200°F(1200℃)〜3300°F(1800℃)の範囲であることができる。液体燃料については、反応チャンバー中の温度は、約1300〜1500℃であることができる。運転圧力は、10〜200大気の範囲であることができる。液体燃料について、圧力は、30〜70大気の範囲であることができる。したがって、バーナーノズルを通過する燃料を含む炭化水素は、通常、ガス化反応器の内部の運転温度で自然発火性である。
これらの条件下では、スラグは溶融状態であり、溶融スラグと称される。別の実施形態において、溶融スラグは、完全に溶融状態でないことがある。例えば、溶融スラグは、溶融スラグ中に懸濁した固体(非溶融)粒子を含むことがある。
液体原料、例えば、精製所からの重油残留物は、金属酸化物を含有する灰を生成することがある。重油残留物のような液体燃料に関連する特定の損耗としては、
−浸食:金属酸化物のような硬質粒子と、高い速度とが組み合わさった結果として;
−粘着性灰:より低い融点を持つ部材がスラグ化する場合がある;
−硫化:原料中の比較的高い硫黄成分が硫化することにより腐食をもたらす;並びに
−カルボニル形成:油残留物中のニッケル(Ni)及び鉄(Fe)が、CO存在下で、水に不溶である{Ni(CO)4 Fe(CO)5}を形成することがあり、したがって冷却後のガス処理に持ち越される;
を挙げることができる。
反応チャンバー12からの高圧・高温の未処理の合成ガスは、矢印20で示されるように、保護障壁16の底端部18にあるシンガス開口部52を通じて冷却チャンバー14に入ることができる。シンガス開口部は、反応器チャンバー床部50に設けられる。床部50は、保護障壁16が設けられ、かつ、保護障壁16を支持する支持部54を含むことができる。
一般に、冷却チャンバー14は、未処理の合成ガスの温度を下げるために使用することができる。幾つかの実施形態において、冷却リング22を、保護障壁16の底端部18に隣接して配置することができる。冷却リング22は、冷却チャンバー14に冷却水を提供するように構成されている。
図示されるように、例えばガススクラバーユニットからリサイクルされた冷却水23は、冷却水入口24を通じて冷却チャンバー14中に収容されることができる。一般に、冷却水23は、冷却リング22を通じて、浸漬管26の下へ、冷却チャンバー水だめ28中に提供され、かつ、流入することができる。そのように、冷却水23は、未処理の合成ガスを冷却することができ、それにより、その後、矢印32で示されるように、冷却後に合成ガス出口30を通じて冷却チャンバー14を出ることができる。
他の実施形態において、同軸の吸出管36は、浸漬管26を囲って、未処理の合成ガスが上昇することができる環状経路38を作り出すことができる。吸出管36は、典型的に、浸漬管26の下側部の外側に同心円状に配置され、圧力ベッセル2の底で支持されることができる。更なる実施形態において、スプレー冷却システム40を、未処理の合成ガスを冷却するのを助けるために使用することができる。
合成ガス出口30は、一般的に、冷却チャンバー水だめ28から離れてかつ上部に位置することができ、未処理の合成ガス及び水を、例えば、1つ又は複数の処理ユニット33に送るために使用することができる。処理ユニットとしては、限定されないが、すす除去ユニット、水処理ユニット、及び/又は処理ユニットを挙げることができる。例えば、すす除去ユニットは、微細な固形粒子及び他の汚染物質を除去することができる。スクラバーのような処理ユニットは、混入した水を未処理の合成ガスから除去することができ、次いで、それは、ガス処理装置10の冷却チャンバー14内で冷却水として使用することができる。ガススクラバーユニットからの処理後合成ガスは、最終的に、例えば、ガスタービンエンジンの燃焼器又は化学プロセスに送られることがある。
図2Aは、本開示に係る中間部11の実施形態を示す。浸漬管26は、幅広頂部200が備えられている。頂部200は、浸漬管26の中央部204の内径ID204より大きい内径ID200を有する。部204は、水浴まで延在することができ、したがって、下側部をまた形成する。浸漬管の上側部200は、例えば、広がっているか又はトランペット形状であることができる。上側部200は、例えば、図2Aで示されるように断面部において湾曲した湾曲部202を含むことができる。湾曲部202は、浸漬管の円筒部204に接続されることができる。
図2に示されるように、トランペット形状は、直径ID200が頂部200の少なくとも一部に沿って連続的に増加することを示すことができる。直径ID200は、上側部の上側エッジ206に向かって連続的に増加することができる。好ましくは、頂部200の少なくとも一部は、シンガス出口52で金属床部54を囲う。上側エッジ206は、内径ID206を示している。
冷却リング22は、幅広頂部200の上端部206に配置されることができる。冷却リングは、典型的に水である冷却流体のための供給ライン208に接続される。好ましくは、冷却リングは、シンガス出口52の外面を囲う。
1つの実施形態において、冷却リングは、壁部210を含むことができる。壁部210は、浸漬管の上端部206に接続されることができる。壁部210は鉛直であることがあるか(図2A)又は鉛直に対して(わずかに)傾斜することがある(図3)。また、冷却リングは、壁部210を囲う管状流体容器212を含むことができる。流体容器は、壁部210の上エッジ215を囲うへり部214を含むことができ、へり部と壁210の頂部との間に十分な空間を提供するスリット217をその間に作り出し、冷却流体の経路をもたらす。
図2Bに示されるように、冷却リングの下端部218は、シンガス出口52の下端部68の上に距離72で配置されることができる。冷却リングの上端部216は、下端部68の上に距離74で配置されることができる。へり部214の下側エッジ219は、シンガス出口の下端部68の上に距離73で位置することができる。したがって、冷却リングは、少なくとも水平距離70、鉛直距離でシンガスから遮蔽され、シンガス出口52の床部54及び保護障壁16により遮蔽される。
浸漬管の頂部200は、ガス化装置床部54に対して最小距離234で配置され、隙間230が設けられる。
冷却リングは、例えば、冷却流体を鉛直壁部210又は直接的に湾曲部202上に提供するように構成されることができる。
図3を参照すると、浸漬管が、円筒状の中央部204を含むことができる。頂部200は、中央部204に接続される。湾曲部202は、中央部の頂部に設けられ、曲率半径211を有する。直線部209は、湾曲部202の上端部に設けられることができる。
図2Bは、中間部11のそれぞれの部材間の距離を概略的に示している。図2Bは、シンガス出口52の内面224に対して水平距離70に配置された冷却リング22を示している。冷却リング22の下端部218は、出口52の下端部68の上に鉛直距離72で配置される。冷却リング22の上端部216は、出口52の下端部68に距離74で配置される。
図2B及び図3はまた、浸漬管の頂部200と反応器12の床部54との間の隙間230を示す。前記隙間230の最小距離234は、例えば、床部54及び86の交差部232と浸漬管の壁との間に位置する。
図2Bを参照すると、水平距離70及び鉛直距離72、74は、浸漬管と、シンガス出口52の外面及び/又は反応器床部54の外面との間に空間140を作りだす。空間140は、冷却リング22により提供される冷却流体膜240からの放射冷却のために、比較的低温である(図3)。流体膜240の厚さは、浸漬管の上側部200の内径が徐々に減少するため、浸漬管の中央部204に向けて増加するにつれ、流体膜により提供される冷却効果も増加する。
また、隙間230により提供される制限された空間のために、出口52を出た高温シンガスの空間140に向かう循環が制限される。
任意選択で、浸漬管部204の内径ID204をシンガス出口の内径ID52と実質的に同一にすることにより、シンガスの循環をさらに制限することができる。
囲われた空間140は、さらに、例えば封鎖プレート114によりその上端部で閉鎖することができ、空間140内のガス循環を制限し、隙間230を通じて高温シンガスが進入するのを制限する。
本開示の実施形態は、シンガス出口52の内面と浸漬管との間の遮断部242を制限する。遮断部242において、領域140に向かうシンガスの循環は、コアンダ効果により制限され、それは、シンガス流を、浸漬管の壁に向かって、そして下降流の冷却液体膜240に近づけさせる。浸漬管の上部200の設計及び形状は、この効果を最大にするように最適化することができる。図5に示されるような浸漬管の設計は、この効果を最適化したものを示すことができる。本明細書において、シンガス出口の円筒状の内面は、実質的に同一の内径を有する浸漬管部204の円筒状の内面に実質的に引き継がれており、その間で最小限の遮断部242のみが設けられる。
冷却リングは、シンガス出口52の下側エッジ68の上に、ある距離で位置している。したがって、冷却リングは、運転中に比較的低温で維持され、高温シンガス並びにスラグ及び灰から遮蔽される。これは、冷却リングの損耗及び腐食を低減し、寿命を大きく伸ばす。浸漬管の中央部204のような高温シンガスにさらされる部品は、冷却流体膜240により冷却されることができ、損耗が制限される。
出口52の内面は、所定の厚さを有する保護障壁の層により保護される。出口52の近く又は出口52において、保護障壁16の耐火煉瓦間の境界部を通るシンガスの可能性のある漏れは、気密性の床部54、86によりブロックされる。前記床部は、流体膜240から放射冷却することで冷却され、金属床部の温度を、所定の温度閾値に制限することができ、したがって、金属床部の腐食を制限する。好ましい実施形態において、金属床部54の温度を、所定の温度範囲に制限することができる。したがって、冷却リング22への流体供給を調整することで、流体膜240の厚さを構成することができる。
図3の実施形態において、中間部は、1つ又は複数の任意のブラストノズル又はパージノズル250を備えることができる。ブラストノズルは、床部54と冷却リング22との間の空間140内に配置されることができる。ノズル250は、例えば灰及び固形物を除去するために、隙間230に向けて、加圧したパージガス又はパージ液体を送るように構成されることができる。例えば周期的に、隙間をパージ及び洗浄することにより、隙間の中に又は湾曲した浸漬管部202上にすす粒子が堆積すること又は可能性のある固形物が堆積することを防ぐことができる。したがって、パージノズルは、再循環シンガスからの灰を防ぐことができ、反応器床部と浸漬管との間の隙間をブロックする。
代替的に、ブラストノズル250の1つ又は複数は、反応器床部54、86の外面に向けられることがあるか又は反応器床部の追加の冷却のために作動することがある。追加の冷却流体を金属支持床部54上にスプレーすることで、高温シンガスが不要な進入をした場合に金属支持部が過熱するのを防ぐことができる。
第2のパージノズル252は、浸漬管の上側エッジ206の端部に沿って向けられるか又は端部上に向けられて、浸漬管上端部200の傾斜部209上に、及び/又は、上側エッジ206の近くに堆積する、冷却リング水からの可能性のある固形物堆積を除去する。
図4及び5は、ガス化装置の中間部11の実施形態を示す。中間部11は、円錐形状であることができる反応器床部50を含むことができる。反応器床部50は、底部において反応器出口52で終端することができる。円錐形状の反応器床部50は、反応器の鉛直垂直線58に対して適切な角度α(図5)、例えば30〜70°の範囲、例えば約60°で与えられた内面を有することができる。円錐の全体角度、すなわち、2αは、約100〜140°、例えば、約120°であることができる。
保護障壁16は、耐火煉瓦又はキャスタブルの層を含むことができる。反応器床部で、例えば耐火煉瓦を含む保護障壁18は金属床部54により支持されることができる。円錐状床部54の底では、床部が保護障壁の下側端部96を支持するための水平部86を含むことができる。
保護障壁16は、例えば、多くの層の耐火煉瓦、例えば、2つ又は3つの層を含むことができる。保護障壁の下側部18は、同一の数の層を含むことができる。これらの層の煉瓦の種類は、保護障壁の円筒状中央部19に含まれる煉瓦と同一であることができる。
シンガス開口物52の近くの反応器床部の底部で、保護障壁16は、開口部52の内径ID52のような出口寸法を画定することができる。開口部52の内径は、その鉛直長さに沿って実質的に一定であることができる。
任意選択で、保護ライナが、水平壁部の底部の少なくとも一部、及び/又は保護障壁16の下側端部62に設けられることができる。保護ライナは、高温シンガスによる可能性のある過熱及び腐食に対する追加の保護を提供することができる。保護ライナは、例えば、保護障壁の下側面を覆う一体型ライニングを作るために使用されるキャスタブル耐火材を含むことができる。
耐火キャスタブルとして適切である、様々な原材料が存在しており、例えば、シャモット、アンダルサイト、ボーキサイト、ムライト、コランダム、板状アルミナ、炭化ケイ素、及びパーライトとバーミキュライトとの両方を、断熱プロセスのために使用することができる。適切な高密キャスタブルは、1300〜1800℃の温度に耐えることができる高アルミナ(Al23)セメントを用いて作ることができる。
キャスタブルライニング66は一体型であることができ、それは接合部がないことを意味し、したがってシンガスの進入を防ぎ、水平床部86を保護する。
保護障壁の下端部68は、水平床部86の内側周辺エッジを超えて延在することができ、シンガス流の方向において、角度βで下向きに傾斜することができる。角度βは、15〜60°の範囲、例えば約30°又は45°であることができる。
任意選択で、密閉部は、冷却チャンバーから空間140を密閉することができる。密閉オプションは、曲がった又は折り畳んだ密閉プレート114(図4)を含む。本明細書において、密閉プレート114における1つ又は複数の折り畳みは、各々の材料間の拡張係数の差に適合することができる。別のオプションは、例えば冷却リングの頂部216と床部54との間に、水平な密閉プレート(図示せず)を含む。
好ましい実施形態において、浸漬管の内面上の水膜240は、金属床部54、86の温度をシンガスの露点より上に維持するために、放射冷却により十分な冷却を提供し、したがって、金属の露点腐食を防ぐ。例えば、以下のパラメータの1つ又は複数を、所定の冷却能力を達成するために調整することができる:
−冷却リングにより提供されるような冷却流体の流動を調整して、その冷却能力を増加させる;
−冷却流体の温度を調整して、例えば減少させて、冷却能力を増加させる;及び/又は
−床部54、86及び浸漬管の上端部を、お互いの距離を最小にするように設計することができる。例えば、隙間230での距離234を低減して、冷却流体膜240により床部の放射冷却を増加させることができる。
図中に示される距離は、上述した利点を最適化するために好ましい範囲内であることができる。水平距離70は、好ましくは、所定の最小閾値を超えて、冷却リングの最適な遮蔽を確実にして、及び/又はメンテナンスのために冷却リングに容易にアクセスできるようにする。隙間230の最小距離234を、上側閾値に制限することができ、空間140内の循環を制限し、シンガスが空間140を循環して進入するのを防止する。水平距離70は、例えば10〜15cmを超えることができる。水平距離は、30〜50cmの範囲であることができる。
鉛直距離72、74は、高温シンガス及びその中の腐食要素から冷却リングを適切に遮蔽することを確実にするために、最小閾値を超えることがある。鉛直距離72は10cmを超えることができ、例えば、少なくとも15cmである。鉛直距離74は30cmを超えることができる。
出口52の直径は、例えば、少なくとも60cmである。ID52は、1mのオーダーであることができる。浸漬管の中央部204のID204は、ID52のオーダーであることができる。浸漬管の内径ID204は、出口内径ID52に実質的に等しいことができ、シンガスの乱流及び循環を制限する。内径ID52は、例えば、約60cm以上の最小の要求を有する(マンホール基準、すなわち、好ましくは人が通過することができるべきである)。
開口部230の距離234は、数cmのオーダーであることができる。距離234は、約1〜5cmの範囲であることができる(図2B、3)。
浸漬管の湾曲部202の半径211は、20〜50cmであることができる。冷却リングより供給される冷却水は、水浴28の下方向に浸漬管26の内面に沿って流れることができる。
図3に示されるように、任意選択の冷却筐体を、浸漬管の外側に配置することができる。冷却筐体は、例えば、閉鎖上端部93及び閉鎖下端部95を持つ円筒状部材92を含み、シリンダ92と浸漬管部204の外面との間に環状空間94が設けられる。水のような冷却流体は、冷却流体供給ライン118により環状空間94を通じて供給され、循環することができる。環状部94は、1〜10cmのオーダーの幅を有することができる。
床部54、86は接続され、好ましくは、反応器12から冷却リング22まで合成ガスの可能性のある漏れを防止するための気密性障壁を提供する。
本開示の実施形態は、高温シンガスから遮蔽された円錐部50の後方に隠れた冷却リングを提供する。浸漬管の幅広上端部は、浸漬管中央部204の改善した冷却を提供する。上端部206から中央部204に向かう滑らかな曲線を持つ減少する径は、上部202より下の浸漬管の内面上に厚い水膜を作り出す。浸漬管端部202の内面上の水膜は、例えば放射により、反応器床部の金属床部54、86に冷却を提供する。また、水膜は、金属床部の少なくとも一部に関与することができる。本開示の実施形態は、浸漬管の中央部が減少した内径を有することを可能とする。浸漬管の中央部の内径は、例えば、シンガス出口の内径に実質的に制限されることがある。シンガス出口は、シンガス循環を最小化し、灰及び固形物の堆積を防止する。ID204は、例えば、ID52の約95〜110%の範囲であることができる。反応器出口のID52は、0.5〜1.5m、例えば、約0.6〜1mの範囲であることができる。上側エッジ206の内径ID206は、約1.5〜2mであることができる。ID206は、ID52を少なくとも10〜50%超えることがある。
本発明は、冷却リングが相対的にさらに外側に配置されている、反応器と冷却チャンバーとの間の改善した中間部を提供する。結果として、冷却リングは、システムの大部分、例えば、浸漬管の内面に保護及び冷却水膜を提供することができる。したがって、本開示のシステムは、浸漬管の内面上で乾燥スポットを防ぎ、したがって、腐食を防止し寿命を延ばす。
冷却リングは、熱放射から遮蔽された領域において、高温シンガスから離れて位置する。したがって、冷却リング表面及び/又は反応器床部を冷却するための追加の能動的な冷却部材を不要にすることができる。
構造床部、例えば、反応器金属床部の水平部86及び円錐部54の一部は、膜から金属床部に放射温度が移動するために、浸漬管の内面上の水膜によって同様に保護される。したがって、金属床部上の能動的な冷却をまた不要にすることができる。
また、本開示の実施形態は、金属床部上の保護障壁の厚さが実質的に一定である保護障壁16の配置を可能とする。少なくとも、反応器床部54のような金属部品間の断面において、大きな段差又は階段状の変化、及び障壁16の反応器の接面を不要にすることができる。結果として、本発明は、
−反応器中及び反応器出口を通るシンガスの最適化された流れパターン;これは、限定されたシンガスの循環及び限定された乱流を含む。
−灰、付着物及び固形物の堆積のための表面の制限又は最小化;
−冷却チャンバーの容積の最小化;ガス化装置は、コストを制限する、より短いものであることができる(CAPEX)。
−比較的アクセス可能である位置に冷却リングを配置すること;アクセス可能な位置はメンテナンスを簡略化し、結果として停止時間及び運転上の出費を制限する。冷却リングを、相対的に多くの利用可能な空間を持つ冷却チャンバーの位置に配置することができ、かつ、冷却チャンバーにおける相対的に空間が存在する部分を通じてアクセスすることができる。
−冷却リングと、任意選択の追加の浸漬管冷却システムとの組み合わせ;追加の浸漬管冷却システムは、例えば、中央部204に、例えば、浸漬管の外面の一部を囲う円筒状部材を含む。
−ガス化システムの延長した寿命及び改善した信頼性(又は故障及び障害への影響の低減);並びに
−ガス化装置床部の金属支持床部を保護及び冷却するための冷却設備の最小化
を可能とする。
単純なセットアップは、設備のための費用並びにメンテナンス費用を制限する。
実際の実施形態において、反応器チャンバー中の温度は、典型的に、1300〜1700℃の範囲であることができる。重油及び/又は油残留物を含む流体炭素質原料を使用する場合、反応器中の温度は、例えば、1300〜1400℃の範囲である。反応器チャンバー中の圧力は、25〜70barg、例えば約50〜65bargの範囲であることができる。
本開示は、上述したような実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内で多くの変更が考えられる。各々の実施形態の特徴は、例えば組み合わせることができる。
本開示は以下も包含する。
[1]
炭素質原料を部分酸化して合成ガスを少なくとも提供するためのガス化システムであって、前記システムが、
前記炭素質原料を収容し、部分的に酸化するための反応器チャンバーと、
液体クーラントの浴を保持するための、前記反応器チャンバーの下方にある冷却部と、
前記反応器チャンバーを前記冷却部に接続する中間部とを含み、前記中間部が、
前記反応器チャンバーが前記冷却部と連通して、前記反応器チャンバーから前記冷却部の前記浴中に合成ガスを導く反応器出口開口部を備えた反応器チャンバー床部と、
前記反応器チャンバー床部上に配置され、前記反応器チャンバー床部により支持されており、かつ、前記反応器出口開口部を囲っている少なくとも1層の耐火煉瓦とを含み、
前記システムが、前記反応器出口開口部から冷却チャンバーの前記浴まで延在し、かつ、幅広頂部を有する浸漬管をさらに含む、ガス化システム。
[2]
前記浸漬管の前記幅広頂部が、前記反応器出口開口部の外面を囲っている、上記態様1に記載のガス化システム。
[3]
前記浸漬管の前記幅広頂部が、前記浸漬管の内面に液体クーラントを提供するための冷却リングを備えている、上記態様1又は2に記載のガス化システム。
[4]
前記冷却リングの下端部が、前記反応器出口開口部の下端部の上に、ある距離で配置されている、上記態様3に記載のガス化システム。
[5]
前記冷却リングが、前記反応器出口開口部の内面に対して、ある水平距離で配置されている、上記態様3又は4に記載のガス化システム。
[6]
前記冷却リングと前記反応器チャンバー床部との間の空間を密閉するための密閉部を含む、上記態様3に記載のガス化システム。
[7]
前記幅広頂部が湾曲部を含む、上記態様1〜6のいずれかに記載のガス化システム。
[8]
前記反応器チャンバー床部が、円錐部と、前記円錐部に交差部で接続された水平部とを含み、
前記浸漬管の前記幅広頂部が、前記浸漬管と前記反応器チャンバー床部との間の隙間を画定している、上記態様1〜7のいずれかに記載のガス化システム。
[9]
前記隙間の最小距離が、前記浸漬管の前記幅広頂部の壁と、前記反応器チャンバー床部の交差床部との間に位置している、上記態様8に記載のガス化システム。
[10]
前記最小距離が5cm以下である、上記態様9に記載のガス化システム。
[11]
前記浸漬管と前記反応器チャンバー床部との間の前記隙間に向けられた、洗浄又はパージするための少なくとも1つのブラストノズルを含む、上記態様8に記載のガス化システム。
[12]
前記浸漬管が、前記幅広頂部に接続された円筒状の中央部を含み、前記中央部が、前記反応器出口開口部の内径と実質的に等しい浸漬管の内径を有する、上記態様1〜11のいずれかに記載のガス化システム。
[13]
前記浸漬管の前記中央部が、前記中央部の外側上に冷却筐体を備えている、上記態様12に記載のガス化システム。
[14]
前記冷却筐体が、閉鎖上端部及び閉鎖下端部を持つ円筒状部材を含み、前記円筒状部材と前記浸漬管の前記中央部の外径との間に、冷却流体を循環させるための環状空間が設けられている、上記態様13に記載のガス化システム。
[15]
前記炭素質原料が、少なくとも油又は重油残留物を含む液体原料である、上記態様1〜14のいずれかに記載のガス化システム。
[16]
上記態様1に記載のガス化システムを使用することを含む、炭素質原料を部分酸化して合成ガスを少なくとも提供するための、ガス化プロセス。

Claims (13)

  1. 炭素質原料を部分酸化して合成ガスを少なくとも提供するためのガス化システムであって、前記システムが、
    前記炭素質原料を収容し、部分的に酸化するための反応器チャンバーと、
    液体クーラントの浴を保持するための、前記反応器チャンバーの下方にある冷却チャンバーと、
    前記反応器チャンバーを前記冷却チャンバーに接続する中間部とを含み、前記中間部が、
    前記反応器チャンバーが前記冷却チャンバーと連通して、前記反応器チャンバーから前記冷却チャンバーの前記浴中に合成ガスを導く反応器出口開口部を備えた反応器チャンバー床部と、
    前記反応器チャンバー床部上に配置され、前記反応器チャンバー床部により支持されており、かつ、前記反応器出口開口部を囲っている少なくとも1層の耐火煉瓦とを含み、
    前記システムが、前記反応器出口開口部から冷却チャンバーの前記浴まで延在する浸漬管をさらに含み、
    前記浸漬管が幅広頂部を有し、
    前記幅広頂部が湾曲部を含み、
    前記浸漬管の前記幅広頂部が、前記浸漬管の内面に液体クーラントを提供するための冷却リングを備えており、
    前記冷却リングが、前記幅広頂部の上端部に配置されており、
    前記冷却リングの下端部が、前記反応器出口開口部の下端部の上に、ある距離で配置されている、ガス化システム。
  2. 前記浸漬管の前記幅広頂部が、前記反応器出口開口部の外面を囲っている、請求項1に記載のガス化システム。
  3. 前記冷却リングが、前記反応器出口開口部の内面に対して、ある水平距離で配置されている、請求項1又はに記載のガス化システム。
  4. 前記冷却リングと前記反応器チャンバー床部との間の空間を密閉するための密閉部を含む、請求項1に記載のガス化システム。
  5. 前記反応器チャンバー床部が、円錐部と、前記円錐部に交差部で接続された水平部とを含み、
    前記浸漬管の前記幅広頂部が、前記浸漬管と前記反応器チャンバー床部との間の隙間を画定している、請求項1〜のいずれか1項に記載のガス化システム。
  6. 前記隙間の最小距離が、前記浸漬管の前記幅広頂部の壁と、前記反応器チャンバー床部の交差床部との間に位置している、請求項に記載のガス化システム。
  7. 前記最小距離が5cm以下である、請求項に記載のガス化システム。
  8. 前記浸漬管と前記反応器チャンバー床部との間の前記隙間に向けられた、洗浄又はパージするための少なくとも1つのブラストノズルを含む、請求項に記載のガス化システム。
  9. 前記浸漬管が、前記幅広頂部に接続された円筒状の中央部を含み、前記中央部が、前記反応器出口開口部の内径と実質的に等しい浸漬管の内径を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のガス化システム。
  10. 前記浸漬管の前記中央部が、前記中央部の外側上に冷却筐体を備えている、請求項に記載のガス化システム。
  11. 前記冷却筐体が、閉鎖上端部及び閉鎖下端部を持つ円筒状部材を含み、前記円筒状部材と前記浸漬管の前記中央部の外径との間に、冷却流体を循環させるための環状空間が設けられている、請求項1に記載のガス化システム。
  12. 前記炭素質原料が、少なくとも油又は重油残留物を含む液体原料である、請求項1〜1のいずれか1項に記載のガス化システム。
  13. 請求項1に記載のガス化システムを使用することを含む、炭素質原料を部分酸化して合成ガスを少なくとも提供するための、ガス化プロセス。
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