JP6660326B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
NAND型フラッシュメモリを用いた遊技機において、データエラーの訂正を図り、データエラーが発生した領域を冗長領域で代替するものが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2016−77819号公報
上記特許文献1に記載の技術によると、データの読出時間が長期化した場合に、違和感を生じさせる不適切な演出が実行されるおそれがあった。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、適切な演出を実行できる遊技機の提供を目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願の請求項に係る遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えば演出データメモリ123など)と、前記記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段(例えばCPU131、VDP135など)と、前記表示手段とは異なる演出手段を用いた補助演出を実行可能な補助演出手段(例えばスピーカ8L、8R、演出用点灯役物90、演出用可動部材32A、32Bなど)とを備え、前記補助演出手段は、前記表示手段の表示に関する表示補助演出(例えば動画像再生によるリーチ演出など)と、該表示補助演出とは異なる予告に関する予告補助演出(例えば予告演出YA1など)とを実行可能であり、前記記憶手段に関する所定事象が発生した場合には、前記表示手段の表示が停止する停止期間に応じて前記表示補助演出を遅延して実行可能であり(例えば図30における動画像再生開始、動画像再生終了を参照)、前記所定事象が発生しなかった場合には、前記表示補助演出を遅延せずに実行可能であり、前記停止期間においても前記予告補助演出を実行可能(例えば図30における動画再生開始より前に予告演出YA1を実行可能)であり、前記予告補助演出として、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることを発光手段の発光により予告する演出を、前記停止期間においても遅延せずに実行可能であり、前記記憶手段は、通常使用領域と、代替使用領域とを含み、前記所定事象として、データエラーの発生に基づいて前記記憶手段の通常使用領域に記憶されたデータを前記記憶手段の代替使用領域に記憶させる処理を実行する。
このような構成によれば、適切な演出を実行できる。
なお、識別情報の可変表示を実行する可変表示手段を備え、前記可変表示手段は、前記所定事象が発生しなかった場合に可変表示の表示結果を表示可能としてから所定期間の経過後に識別情報を確定停止態様で表示し、可変表示時間が短い場合よりも長い場合の方が、前記所定期間が長くなるように設定されてもよい。
また、遊技者の動作を検出可能な検出手段と、遊技者が複数回の動作を行う連続動作の検出に基づいて特定演出を実行可能な特定演出手段とを備え、前記特定演出実行手段は、所定期間が経過するまでは前記連続動作とは異なる所定動作の検出に基づいて、前記連続動作が実行されたとみなして前記特定演出を実行可能であり、前記所定期間が経過した後に前記所定動作の開始が検出されても前記連続動作が実行されたとみなさず、前記所定期間が経過する前と、前記所定期間が経過した後とで、前記表示手段の表示を異ならせてもよい。
(2)上記(1)の遊技機において、前記補助演出手段は、前記予告補助演出を、可変表示がリーチ状態となる前後にわたり実行可能であり(例えば図32を参照)、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることを予告可能であってもよい(例えば図31(B)を参照)。
このような構成においては、適切な演出を実行できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、演出音の出力を制御可能な音声制御手段(例えば音声処理回路136など)を備え、前記記憶手段には、表示制御に関するデータと、演出音の出力制御に関するデータとが、一連のデータ(例えば動画像データなど)として記憶され、前記表示制御手段による制御と、前記音声制御手段による制御とを同期して実行可能であってもよい(例えば図14を参照)。
このような構成においては、適切な演出を実行できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、可変表示が開始されてから表示結果が導出される前に、前記所定事象の発生により遅延した制御を実行可能な期間(例えば飾り図柄の揺れ表示が行われる期間など)が設けられてもよい。
このような構成においては、適切な演出を実行できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えばプッシュボタン31B、プッシュセンサ35Bなど)と、前記検出手段により検出有効期間において遊技者が複数回の動作を行う連続動作(例えばプッシュボタン31Bの連打操作など)が検出されたことに応じて特定演出(例えば連打操作演出など)を実行可能な特定演出実行手段(例えば画像表示装置5など)とを備え、前記特定演出実行手段は、遊技者による前記連続動作とは異なる所定動作(例えばプッシュボタン31Bの長押し操作など)に基づいて、前記連続動作が実行されたとみなして前記特定演出を実行可能であり(例えば連打演出処理におけるステップSA10〜SA12、SA18、SA19を参照)、前記検出有効期間において、所定期間が経過するまでは前記所定動作に基づいて前記連続動作が実行されたとみなし(例えば連打演出処理におけるステップSA6にてYの場合、SA7〜SA12を参照)、当該所定期間が経過した後に前記所定動作が開始されても前記連続動作が実行されたとみなさないようにしてもよい(例えば連打演出処理におけるステップSA6にてNの場合を参照)。
このような構成においては、適切な演出を実行できる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 演出制御基板に搭載された各種回路などを示す構成図である。 遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの設定例を示す図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 制御中メモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。 制御中演出データ転送処理の一例を示すフローチャートである。 メモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。 演出データメモリにおける記憶領域の構成例を示す図である。 動画像データの構成例などを示す図である。 演出制御実行データの構成例を示す図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知実行例などを示す図である。 リーチ後演出制御例を示すシーケンス図である。 リーチ後演出制御例を示すシーケンス図である。 リーチ後演出実行例などを示す図である。 操作有効期間の残り時間を更新する場合のタイミング図などである。 エラー報知制御例を示すシーケンス図である。 エラー報知制御例を示すシーケンス図である。 エラー報知実行例を示す図である。 予告演出制御例を示すシーケンス図である。 予告演出制御例を示すシーケンス図である。 予告演出実行例などを示す図である。 予告演出を実行する場合のタイミング図である。 特定連打演出の実行例を示す図である。 操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。 特定連打演出の作用設定テーブルの構成例を示す図である。 連打演出処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数といった、未だ開始されていない可変表示に関する情報(保留記憶情報)に基づいて、その保留数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の上部には、円形の演出用点灯役物90が設けられている。演出用点灯役物90の内部にはランプあるいはLEDなどの発光体が内蔵されている。演出用点灯役物90は、例えば回転自在に構成され、回転(動作)しているときに点灯するように構成されてもよい。画像表示装置5の上部や下部といった、画像表示装置5の周囲には、画像表示装置5における表示画面の前面に進出して合体可能な演出用模型(演出用役物装置)を構成する複数の演出用可動部材32A、32Bが設けられている。これらの演出用可動部材32A、32Bは、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5における表示画面の前面に進出して合体することによって、所定の演出を実行するための演出用模型として用いられる。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘などが設けられている。第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、画像表示装置5の周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために、遊技者等によって操作される。例えば、遊技者等による打球操作ハンドルの操作量(回転量)に応じて、遊技球の弾発力を調整することができる。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、遊技者の動作として、トリガボタンに対する押引操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、図2に示すコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。コントローラセンサユニット35Aは、遊技者の動作として、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含んでいればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、図2に示すプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。プッシュセンサ35Bは、遊技者の動作として、プッシュボタン31Bに対する押下操作を検知する。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図2に示す演出制御基板12での制御により、画像表示装置5の表示演出が変更されたり、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出などにおいて使用されるものであればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、ランプドライバ基板13、モータドライバ基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御と消灯制御あるいは発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用点灯役物90、演出用可動部材32A、32Bといった演出用の電気部品による演出の進行を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示態様や、遊技効果ランプ9および演出用点灯役物90その他の装飾用LEDなどにおける点灯態様の全部または一部、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様の全部または一部、演出用可動部材32A、32Bの動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
ランプドライバ基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ駆動信号生成用の基板であり、演出制御基板12からのランプ制御信号に基づき、遊技効果ランプ9および演出用点灯役物90その他の装飾用LEDなどの点灯と消灯を切替可能にする駆動信号が生成されるドライバ回路などを含んでいればよい。モータドライバ基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたモータ駆動信号生成用の基板であり、演出制御基板12からのモータ制御信号に基づき、可動部材駆動モータ33A、33Bの回転、停止、回転速度、回転角度(位相)などを切替可能にする駆動信号が生成されるドライバ回路などを含んでいればよい。可動部材駆動モータ33Aは演出用可動部材32Aと所定のリンク機構を介して連結され、演出用可動部材32Aの動作や位置を変更可能にする動力を供給できればよい。可動部材駆動モータ33Bは演出用可動部材32Bと所定のリンク機構を介して連結され、演出用可動部材32Bの動作や位置を変更可能にする動力を供給できればよい。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)が設けられてもよい。主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示内容を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDの点灯態様などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、可動部材駆動モータ33A、33Bの動作などを制御するために用いられるモータ制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。ROM101は、読出専用の半導体メモリとして構成されたものであればよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
主基板11では、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の乱数回路104、あるいは、RAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、生成可能であればよい。このように、遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって一部または全部が更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって一部または全部が更新されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図3は、演出制御基板12に搭載された各種回路の構成例を示している。図3に示す演出制御基板12には、入力回路121、メモリコントローラ122、演出データメモリ123、CPU131、ROM132、RAM132、ウォッチドッグタイマ134、VDP135、音声処理回路136、ランプ制御回路137、モータ制御回路138が搭載されている。VDP135は、命令デコーダ141、デマルチプレクサ142、映像デコーダ143、VRAM144、表示駆動回路145を備えている。音声処理回路136は、音声デコーダ151を備えている。図3に示す構成の一部または全部は、演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。例えば、CPU131、VDP135、音声処理回路136、ランプ制御回路137、モータ制御回路138を統合化した演出制御用のマイクロプロセッサが用いられてもよい。
入力回路121は、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信するためのバッファ回路などを備えていればよい。メモリコントローラ122は、CPU131やVDP135から供給される要求信号に応じて、演出データメモリ123の記憶データに対する各種処理を実行する。演出データメモリ123は、画像表示装置5における表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。演出データメモリ123が記憶する画像データには、静止画像データと動画像データとが含まれていればよい。静止画像データとして、画像表示装置5の画面上において可変表示される複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データとなるスプライト画像データが用意されていればよい。また、画像表示装置5の画面上に表示されるキャラクタ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データが、予め演出データメモリ123に記憶されていればよい。画像データの他にも、演出データメモリ123には、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ123には、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDなどに対する点灯駆動に用いられるランプ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ123には、可動部材駆動モータ33A、33Bに対する回転駆動に用いられるモータ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ123は、例えばNAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリであればよい。ただし、パチンコ遊技機1における演出の進行が制御される通常使用の状態では、演出データメモリ123は読出専用の記憶装置として使用される。メモリコントローラ122は、例えば512バイトのセクタがデータ転送の最小単位である場合に、512バイトの整数倍のサイズのデータを、演出データメモリ123から読出可能であればよく、演出データメモリ123に対して書込可能であればよい。
メモリコントローラ122は、CPU131からの要求信号に対応するセクタデータを、演出データメモリ123から読み出す。メモリコントローラ122は、読み出したセクタデータに対し、エラー検出やエラー訂正を行うことができればよい。セクタデータのエラー検出では、エラービット数やエラービット位置を特定する。このときには、エラー訂正が可能か否かを判定する。エラー訂正が可能な場合には、エラー訂正を実行して、セクタデータをRAM133やVRAM144などに転送して格納できればよい。演出データメモリ123には、消去単位ブロックの管理情報が記憶されていればよい。消去単位ブロックは、演出データメモリ123の記憶データを消去する場合の消去単位である。消去単位ブロックの管理情報は、各消去単位ブロックにおいて実行された消去処理の回数を示す情報を含んでいればよい。メモリコントローラ122は、セクタデータを含む消去単位ブロックの管理情報を読み出し、エラービット数の情報などに基づいて、演出データメモリ123におけるセクタデータのメモリセルをリフレッシュ(データリフレッシュ)するか否かを判定する。
演出データメモリ123では、記憶データの消去やリードディスターブなどの要因により、メモリセルの劣化が発生する。リードディスターブは、演出データメモリ123の記憶データに対する読出回数が増加した場合に、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子が徐々に引き抜かれて、トランジスタのしきい値電圧が変化することにより発生する。また、リードディスターブが発生しない場合でも、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子は、極めてゆっくりとした速度で徐々に放出されて、トランジスタのしきい値電圧を変化させるデータリテンションが発生する場合もある。リードディスターブやデータリテンションによるメモリセルの劣化は、メモリセルをリフレッシュすることにより回復可能である。記憶データの消去によるメモリセルの劣化は、メモリセルの余命を減少させ、メモリセルをリフレッシュしても回復不能となる場合がある。この場合、回復不能となったメモリセルを含むブロックを不良ブロック(不良エリア)とし、別個に設けられた代替ブロック(代替エリア)にデータ移転する代替処理が実行される。
CPU131は、演出制御用のコンピュータプログラムに従って制御処理を実行する。ROM132は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM133は、CPU131のワークエリアを提供する。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタの設定に基づいてカウントアップまたはカウントダウンするカウンタ回路を有し、計測時間が監視時間(タイムアウト時間)を経過してタイムアウトが発生したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させる。タイムアウト信号は、CPU131をリセット状態にして再起動させる信号であればよい。ウォッチドッグタイマ134は、ROM132のプログラム管理エリアに記憶されるリセット設定により、起動方法が設定されてもよい。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタに含まれるWDTスタートレジスタに格納されるWDTスタートデータに応じて、タイムアウト時間の経過によるリセット動作を有効化または無効化できればよい。ウォッチドッグタイマ134は、内蔵レジスタに含まれるWDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータが順番に書き込まれることにより、カウンタ回路の格納値であるカウント値をクリアして、カウント動作をリスタートさせる。CPU131は、WDTクリアレジスタにWDTクリアデータを定期的に設定すれば、ウォッチドッグタイマ134をクリアしリスタートさせることができる。その一方で、何らかの障害などによりCPU131の処理に遅延が発生して、ウォッチドッグタイマ134をクリアできずに計測時間が監視時間を経過したときには、タイムアウト信号が発生してCPU131がリセットされる。
CPU131は、ROM132から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出用の電気部品による演出の進行を制御するための処理を実行する。この処理には、例えばCPU131がROM132から固定データを読み出す固定データ読出処理や、CPU131がRAM133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込処理、CPU131がRAM133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出処理、CPU131が外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、CPU131が外部へと各種信号を出力する送信処理、あるいは、これらの処理の一部または全部を含んでいてもよい。
ROM132には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM132には、CPU131が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンや演出制御実行データの一部または全部は、ディスプレイリストとして構成されていてもよい。ディスプレイリストは、VDP135に実行させる一連の転送命令などを画像処理の順番などにあわせて記述した命令群のデータである。ディスプレイリストには、表示制御用の命令群、音声制御用の命令群、ランプ制御用の命令群、モータ制御用の命令群が、混在して含まれていてもよい。このようなディスプレイリストを用いて演出の進行を制御することにより、演出用の電気部品を連携して制御できればよい。RAM133には、演出用の電気部品を制御するために用いられるプログラムや各種データが記憶される。CPU131は、ROM132に格納されているプログラムやデータの読出時間よりも短い読出時間で、RAM133に記憶されたプログラムやデータを読み出すことができればよい。
VDP135は、CPU131からの表示制御指令やレジスタ設定などに基づいて、画像表示装置5における画像表示の制御内容を決定する。例えばVDP135は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。VDP135は、高速描画機能や動画像データ分離機能、映像デコード機能といった画像データ処理機能を有する画像プロセッサである。なお、VDP135は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。
VDP135は、命令デコーダ141、デマルチプレクサ142、映像デコーダ143、VRAM144、表示駆動回路145を含んで構成されていればよい。命令デコーダ141は、CPU131からの表示制御指令に含まれる命令部(命令コード)を解読して、解読結果に応じた画像処理などを指示する。例えば解読結果に含まれる表示制御用の命令群は、VDP135の内部回路に供給される。また、解読結果に含まれる音声制御用の命令群は音声処理回路136に供給されてもよい。解読結果に含まれるランプ制御用の命令群はランプ制御回路137に供給されてもよい。解読結果に含まれるモータ制御用の命令群はモータ制御回路138に供給されてもよい。デマルチプレクサ142は、演出データメモリ123から読み出された動画像データが入力され、映像データと音声データとに分離して出力する。デマルチプレクサ142から出力された映像データは、映像デコーダ143に入力される。デマルチプレクサ142から出力された音声データは、音声処理回路136の音声デコーダ151に入力される。映像デコーダ143は、圧縮符号化された映像データを伸張して出力する。映像デコーダ143から出力された映像データは、VRAM144の所定領域に記憶される。VRAM144は、画像データを一時記憶して、VDP135による画像データ処理のワークエリアを提供する。VRAM144には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、キャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域を提供できればよい。CG用バッファは、VDP135による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。
VRAM144の内部またはVRAM144とは別個のメモリモジュールには、フレームバッファが設けられる。フレームバッファは、VDP135による描画処理で作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファに記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などに基づいてVDP135が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、フレームバッファには、例えば画像表示装置5の画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、画像表示装置5の画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファの仮想表示領域にて画像表示装置5の表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP135により読み出された仮想表示領域の表示データが表示駆動回路145へと供給されることで、画像表示装置5の側に出力されるようにしてもよい。フレームバッファの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられる。画像表示領域には、画像表示装置5の画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、画像表示装置5の画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP135からCPU131に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP135からCPU131に対して出力される。Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にて画像表示装置5に向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
表示駆動回路145は、画像表示装置5の画面上に各種画像を表示させる信号を出力するための回路である。表示駆動回路145は、VDP135が作成した表示データに応じた色信号(階調制御信号)とともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)を画像表示装置5に出力すればよい。
音声処理回路136は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づいて、スピーカ8L、8Rを用いた音声出力を可能にする音声信号を生成する。音声処理回路136の音声デコーダ151には、VDP135のデマルチプレクサ142から出力された音声データが入力される。音声デコーダ151は、圧縮符号化された音声データを伸張して、音声信号を生成可能にする。また、音声処理回路136は、動画像データに含まれない音声データを予め記憶可能な音声データメモリを含んでいてもよい。音声処理回路136は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づいて、音声データメモリから読み出した音声データを伸張するなどして、音声信号を生成してもよい。
ランプ制御回路137は、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDといった発光部材の点灯、消灯、点滅などの点灯態様(発光態様)を制御する。ランプ制御回路137は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づいて、ランプ制御データを生成し、ランプドライバ基板13へと出力する。モータ制御回路138は、可動部材駆動モータ33A、33Bの回転、停止、回転速度、回転角度(位相)などの作動状態を制御する。モータ制御回路138は、CPU131やVDP135からの命令やレジスタ設定に基づいて、モータ制御データを生成し、モータドライバ基板14へと出力する。
演出制御基板12では、演出の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出の進行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵または外付の乱数回路、あるいは、RAM133の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、生成可能であればよい。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。第1開始条件が成立することで、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。第2開始条件が成立することで、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、例えば29.5秒間あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示をリーチ可変表示という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
画像表示装置5の画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、画像表示装置5の画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図5は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御基板12では、CPU131が演出制御メイン処理を実行する。
図6は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す演出制御メイン処理において、CPU131は、まず、初期化処理を実行する(ステップS51)。ステップS51の初期化処理では、例えばRAM133における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。また、ステップS51の初期化処理により、ウォッチドッグタイマ134におけるタイムアウト値の設定や計測開始の設定が行われてもよい。
ステップS51の初期化処理に続いて、電源投入時のメモリ検査設定を行う(ステップS52)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122に対して検査要求信号を供給する。メモリコントローラ122は、検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理を実行することにより、演出データメモリ123の記憶データを検査する。ステップS52における設定の後には、メモリ検査のインターバル設定を行う(ステップS53)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122による検査結果に基づいて、次回のメモリ検査処理を実行するまでのインターバル(待機時間)を設定すればよい。次に、電源投入時に対応して、初期演出データとして予め定められた演出データの転送設定を行う(ステップS54)。例えばCPU131は、電源投入時に対応して用意された転送要求信号を、メモリコントローラ122に対して供給する。メモリコントローラ122は、転送要求信号が供給されたことに基づいて、演出データメモリ123に格納されて各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定められた初期データ(プログラムモジュールを構成するバイナリコードを含む)を、RAM133やVDP135のVRAM144などへと転送する。また、CPU131は、ROM132に格納されたプログラムやデータのうちで、予め定められた初期データを、RAM133やVDP135のVRAM144などへと転送してもよい。
その後、演出制御メイン処理において演出用乱数更新処理(ステップS55)が実行され、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御基板12にて演出制御用マイクロコンピュータに内蔵または外付された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
演出用乱数更新処理を実行した後には、タイマ割込みが発生したか否かを判定する(ステップS56)。ステップS56では、例えばCTCに含まれるタイマ回路から出力されるタイマ割込み信号がオンであるときに、タイマ割込みが発生したと判定すればよい。あるいは、例えばRAM133の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンであるときに、タイマ割込みが発生したと判定してもよい。タイマ割込みが発生した場合には、例えばCTCに含まれるタイマ回路をリスタートさせたり、タイマ割込みフラグをクリアしてオフとしたりすることにより、次回のタイマ割込みが発生するまでの時間計測を再開させてもよい。
ステップS56にてタイマ割込みが発生していない場合には(ステップS56;No)、ステップS55の演出用乱数更新処理を繰返し実行する。これに対し、タイマ割込みが発生した場合には(ステップS56;Yes)、演出制御用のタイマ割込み処理を実行する。演出制御用のタイマ割込み処理は、コマンド解析処理(ステップS57)、演出制御プロセス処理(ステップS58)、制御中メモリ検査処理(ステップS59)、エラー報知処理(ステップS60)、制御中演出データ転送処理(ステップS61)を含んでいる。
CPU131は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能である。コマンド受信用の割込み処理では、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを取得する。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばRAM133の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS57のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS58の演出制御プロセス処理では、演出用の電気部品による演出の進行を制御するために、主基板11から送信された演出制御コマンドや演出の進行状況に応じた判定、決定、設定などが行われる。ステップS59の制御中メモリ検査処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したことに応じて、演出データメモリ123の記憶データを検査するための設定が行われる。ステップS60のエラー報知処理では、パチンコ遊技機1における各種のエラー検出に基づいて、異常の発生を報知するための設定が行われる。ステップS61の制御中演出データ転送処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、演出データを転送するための設定が行われる。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS58にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、CPU131は、始動入賞時演出設定(ステップS161)を行った後に、RAM133の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに記憶された演出プロセスフラグの値に応じて、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から選択された処理を実行する。演出プロセスフラグの値に応じて実行される処理には、可変表示開始待ち処理(ステップS170)、可変表示開始設定処理(ステップS171)、可変表示中演出処理(ステップS172)、特図当り待ち処理(ステップS173)、大当り中演出処理(ステップS174)、エンディング演出処理(ステップ175)が含まれている。
図7に示すステップS161の始動入賞時演出設定は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、主基板11から送信された演出制御コマンドの受信に応じて、始動入賞記憶表示エリア5Hでの保留表示を更新する設定が含まれていればよい。保留表示の更新とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知してもよい。ステップS161での設定は、始動入賞の発生を報知するための設定を含んでいればよい。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置5MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。可変表示開始待ち処理において、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したと判定された場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行された場合には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理において、CPU131は、RAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。演出制御パターンから読み出された終了コードに基づいて表示制御を行うことにより、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。可変表示中演出処理において、飾り図柄の可変表示結果を導出表示する制御などを行った後には、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。大当り開始指定コマンドを受信したことにより、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始されると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。これに対し、大当り開始指定コマンドを受信せずに待機時間が経過したことにより、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されないと判定した場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り中演出処理において、CPU131は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出制御を実行する。大当り中演出処理における演出制御には、演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させるための制御、スピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させるための制御、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様を変更するための制御、その他の演出制御のうち、一部または全部が含まれていればよい。大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。エンディング演出処理において、CPU131は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行されるエンディング演出(大当り終了演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出制御を実行する。エンディング演出処理における演出制御により、演出画像の表示や音声の出力、各種発光部材の点灯や消灯あるいは点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応したエンディング演出を実行可能にすればよい。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図8は、可変表示開始設定処理として、図7のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す可変表示開始設定処理では、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などが決定される(ステップS201)。最終停止図柄は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて決定される。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。非リーチ組合せの確定飾り図柄やリーチハズレ組合せの確定飾り図柄は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ組合せの確定飾り図柄に含まれる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄となるように決定される。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、最終停止図柄は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。さらに、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。
ステップS201における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS202)。ステップS202では、予告演出の有無と予告パターンとを決定できればよい。予告演出の有無は、予告演出を実行するか否かに対応している。予告パターンは、予告演出を実行する場合に決定され、複数種類の演出態様に対応して、複数の予告パターンが予め用意されていればよい。CPU131は、乱数回路や演出用ランダムカウンタなどにより更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM132に予め記憶されて用意された予告決定テーブルを参照することなどにより、予告演出の有無と予告パターンを決定すればよい。
ステップS202による決定の後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS203)。例えば、CPU131は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する。また、CPU131は、ステップS202にて決定された予告パターンに対応して、複数用意された演出制御パターン(予告演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとして設定してもよい。なお、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンとして、別個の演出制御パターンを決定するものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンを決定するものであってもよい。
ステップS203により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS204)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動(可変表示)を開始させるための設定を行う(ステップS205)。このときには、例えばステップS203にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP135に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS205にて変動表示の開始設定を行った後には、可変表示開始時における保留表示の更新設定を行う(ステップS206)。ステップS206では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、実行が開始される可変表示に対応する保留表示を消去して、その他の保留表示を移動(シフト)させる。なお、実行が開始させる可変表示に対応する保留表示を、アクティブ表示エリアに移動(シフト)させ、アクティブ表示の更新が行われるようにしてもよい。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS207)、可変表示開始設定処理を終了する。
図9は、可変表示中演出処理として、図7のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す可変表示中演出処理では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS221)。このときに、可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップS221;No)、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新する(ステップS222)。ステップS222では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。続いて、制御データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS223)。ステップS223では、演出制御プロセスタイマのタイマ値が、演出制御パターンに設定されている演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かを判定する。演出制御プロセスタイマのタイマ値と判定値とが合致した場合には、制御データ読出条件が成立したと判定する。これに対し、演出制御プロセスタイマのタイマ値と判定値とが合致しない場合には、制御データ読出条件が成立していないと判定し(ステップS223;No)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS223にて制御データ読出条件が成立した場合には(ステップS223;Yes)、対応する制御データを読み出す(ステップS224)。ステップS224では、演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致した演出制御プロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど)を読み出せばよい。その後、ステップS224にて読み出した制御データが音声制御データを含むか否かを判定する(ステップS225)。音声制御データを含むと判定した場合には(ステップS225;Yes)、スピーカ8L、8Rによる音声出力を制御(音声制御)するための設定を行う(ステップS226)。ステップS226では、音声制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP135または音声処理回路136に供給すればよい。
ステップS225にて音声制御データを含まないと判定した場合や(ステップS225;No)、ステップS226の設定を行った後には、ステップS224にて読み出した制御データがランプ制御データを含むか否かを判定する(ステップS227)。ランプ制御データを含むと判定した場合には(ステップS227;Yes)、各種の発光部材における点灯態様(発光態様)を制御(ランプ制御)するための設定を行う(ステップS228)。ステップS228では、ランプ制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP135またはランプ制御回路137に供給すればよい。ステップS227にてランプ制御データを含まないと判定した場合や(ステップS227;No)、ステップS228での設定を行った後には、ステップS224にて読み出した制御データがモータ制御データを含むか否かを判定する(ステップS229)。モータ制御データを含むと判定した場合には(ステップS229;Yes)、可動部材用駆動モータ33A、33Bの作動状態を制御(モータ制御)するための設定を行う(ステップS230)。ステップS230では、モータ制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP135またはモータ制御回路138に供給すればよい。
ステップS229にてモータ制御データを含まないと判定した場合や(ステップS229;No)、ステップS230での設定を行った後には、ステップS224にて読み出した制御データが表示制御データを含むか否かを判定する(ステップS231)。表示制御データを含まないと判定した場合には(ステップS231;No)、可変表示中演出処理を終了する。これに対し、表示制御データを含むと判定した場合には(ステップS231;Yes)、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS232)。ステップS232では、例えばRAM133の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられたメモリ検査中フラグがオンである場合に、メモリ検査中であると判定すればよい。メモリ検査中フラグは、図6および図10に示すステップS59の制御中メモリ検査処理にてメモリ検査が開始されるときにセットされてオンとなり、メモリ検査が終了するとクリアされてオフとなればよい。
ステップS232にてメモリ検査中ではないと判定された場合には(ステップS232;No)、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS233)。ステップS233では、例えばRAM133の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられた演出データ読出中フラグがオンである場合に、演出データ読出中であると判定すればよい。演出データ読出中フラグは、図6および図11に示すステップS61の制御中演出データ転送処理にて演出データの読出中設定が行われるときにセットされてオンとなり、読出終了制御が行われるとクリアされてオフとなればよい。
ステップS233にて演出データ読出中ではないと判定された場合には(ステップS233;No)、画像表示装置5における表示態様を通常制御(通常表示制御)するための設定を行い(ステップS234)、可変表示中演出処理を終了する。ステップS234では、表示制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP135に供給すればよい。これに対し、ステップS232にてメモリ検査中であると判定した場合(ステップS232;Yes)、または、ステップS233にて演出データ読出中であると判定した場合(ステップS233;Yes)、画像表示装置5における表示態様を簡易制御(簡易表示制御)するための設定を行い(ステップS235)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS235では、例えばVRAM144に記憶されている画像データのみを用いて簡易な表示を行うための設定が行われてもよい。メモリ検査中や演出データ読出中の場合には、演出データメモリ123の記憶データをリアルタイムに読み出して画像表示に用いることができない。そこで、例えば複数種類の飾り図柄に対応した画像データ(スプライト画像データ)のように、初期データとしてVRAM144に転送されて記憶される画像データを用いて、飾り図柄の可変表示などを行うようにしてもよい。その一方で、例えば動画像データを用いた動画像再生が行われるリーチ演出のように、演出データメモリ123の記憶データを読み出す必要がある画像表示については、表示を行わずに表示停止としてもよい。なお、ステップS232にてメモリ検査中であると判定した場合や、ステップS233にて演出データ読出中であると判定した場合には、ステップS235での設定を行うことなく、可変表示中演出処理を終了してもよい。これらの場合には、VRAM144などに設けられたフレームバッファの記憶データが更新されないことで、画像表示装置5の画面上では、画像表示が更新されずに表示停止した状態になる可能性がある。あるいは、フレームバッファの記憶データが消去(クリア)されることで、画像表示装置5の画面上では、画像表示が行われずに表示停止(ブラックアウト)した状態になる可能性もある。
図9に示す可変表示中演出処理では、ステップS232にてメモリ検査中であるか否かを判定し、ステップS233にて演出データ読出中であるかを判定する。これらの判定に代えて、例えばメモリコントローラ122から出力される読出待機信号がオンであるかオフであるかを判定してもよい。メモリコントローラ122から出力される読出待機信号は、演出データメモリ123の記憶データを読出中であるときと、演出データメモリ123におけるメモリ検査を実行中であるときに、オンとなり、その他の期間ではオフとなる信号であればよい。
ステップS221にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS221;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS236)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS236;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー発生が報知されるようにしてもよい。
ステップS236にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS236;Yes)、例えばVDP135に対する命令やレジスタ値の供給により、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS237)。続いて、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS238)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS239)、可変表示中演出処理を終了する。
図10は、制御中メモリ検査処理として、図6のステップS59にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す制御中メモリ検査処理において、CPU131は、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS251)。ステップS251では、例えばメモリ検査中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、メモリ検査中であるか否かを判定すればよい。ステップS251にてメモリ検査中ではないと判定した場合には(ステップS251;No)、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS252)。CPU131は、例えばCTCに含まれるタイマ回路から出力されるタイムアウト信号がオンであるときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。あるいは、CPU131は、例えばRTC(リアルタイムクロック)を用いて特定される現在時刻が、メモリ検査のインターバルとして設定された時刻を経過したときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。
ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には(ステップS252;Yes)、デモ表示中であるか否かを判定する(ステップS253)。ステップS253では、パチンコ遊技機1における遊技が進行しておらず、画像表示装置5の画面上にデモンストレーションとなる演出画像を表示するデモ表示が実行されているときに、デモ表示中であると判定すればよい。なお、ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、メモリ検査のインターバルが再度設定されるようにすればよい。ステップS253にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS253;No)、制御中検査待機時間として予め定められた所定時間(例えば10分間など)を設定し(ステップS254)、制御中メモリ検査処理を終了する。ステップS254にて制御中検査待機時間として設定される所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過した以後にデータリフレッシュやデータ移転が実行される場合に対応して、演出データメモリ123の記憶データを正常に回復可能あるいは移転可能(代替可能)となるように、データリフレッシュやデータ移転が正常に実行できる範囲内で設定すればよい。例えば制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行された演出データメモリ123の読出回数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行された演出データメモリ123の読出回数が予め定められた回数判定値以上である場合には、回数判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。あるいは、制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに発生したエラービット数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに検出されたエラービット数が予め定められたエラー判定値以上である場合には、エラー判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。
ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過していない場合には(ステップS252;No)、ステップS254にて設定された制御中検査待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS255)。制御中検査待機時間が経過していない場合には(ステップS255;No)、デモ表示中となったか否かを判定する(ステップS256)。ステップS256にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS256;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。
ステップS253にてデモ表示中であると判定した場合や(ステップS253;Yes)、ステップS255にて制御中検査待機時間が経過した場合(ステップS255;Yes)、あるいは、ステップS256にてデモ表示中であると判定した場合には(ステップS256;Yes)、演出制御中において演出データメモリ123の記憶データを検査する制御中メモリ検査を、メモリコントローラ122に対して開始させるように制御する(ステップS257)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122に対して検査要求信号を供給する。メモリコントローラ122は、検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理を実行することにより、演出データメモリ123の記憶データを検査する。このときには、例えばメモリ検査中フラグをセットしてオンにするなど、メモリ検査中に対応する設定を行い(ステップS258)、制御中メモリ検査処理を終了する。なお、ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、ステップS253にてデモ表示中であるか否かを判定することなく、ステップS257に進み、直ちに制御中メモリ検査を開始させるようにしてもよい。
ステップS251にてメモリ検査中であると判定した場合には(ステップS251;Yes)、メモリ検査が完了したか否かを判定する(ステップS259)。ステップS259では、メモリコントローラ122からメモリ検査の完了通知を受けた場合に、メモリ検査が完了したと判定すればよい。メモリ検査が完了していないと判定した場合には(ステップS259;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。これに対し、メモリ検査が完了したと判定した場合には(ステップS259;Yes)、制御中メモリ検査の終了に対応する制御を行う(ステップS260)。例えばCPU131は、メモリ検査の実行により読出不可となっていた演出データを読み出させるために、メモリコントローラ122やVDP135などに命令やレジスタ値を供給してもよい。このときには、例えばメモリ検査中フラグをクリアしてオフにするなど、メモリ検査後に対応する設定を行い(ステップS261)、制御中メモリ検査処理を終了する。
図11は、制御中演出データ転送処理として、図6のステップS61にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す制御中演出データ転送処理において、CPU131は、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS271)。ステップS271では、例えば演出データ読出中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、演出データ読出中であるか否かを判定すればよい。ステップS271にて演出データ読出中ではないと判定した場合には(ステップS271;No)、演出データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS272)。ステップS272では、例えば演出制御パターンに含まれる演出制御実行データの内容から、演出データメモリ123の記憶データをRAM133やVRAM144に転送する必要がある場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。あるいは、メモリコントローラ122やVDP135から伝送される信号に基づいて、演出データメモリ123の記憶データが読み出される場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立していないと判定した場合には(ステップS272;No)、通常時WDTクリア設定を行う(ステップS273)。ステップS273では、演出データメモリ123の記憶データが読み出されない場合に対応して、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ134をクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えばCPU131は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウォッチドッグタイマ134を定期的にクリアすればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立した場合には(ステップS272;Yes)、演出データの読み出しを、メモリコントローラ122に対して開始させるように制御する(ステップS274)。例えばCPU131は、メモリコントローラ122に対して読出要求信号を供給する。なお、CPU131がメモリコントローラ122に読出要求信号を供給する場合に限定されず、例えばVDP135がメモリコントローラ122に読出要求信号を供給してもよい。メモリコントローラ122は、読出要求信号が供給されたことに基づいて、演出データメモリ123の記憶データを読み出し、RAM133やVRAM144に転送して格納させればよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをセットしてオンにするなど、演出データ読出中に対応する設定を行い(ステップS275)、制御中演出データ転送処理を終了する。また、ステップS275では、読出中クリア時間として予め定められた一定時間が設定される。
ステップS271にて演出データ読出中であると判定した場合には(ステップS271;Yes)、演出データの読出完了となったか否かを判定する(ステップS276)。ステップS276では、メモリコントローラ122からデータ読出の完了通知を受けた場合に、演出データの読出完了であると判定すればよい。演出データの読出完了であると判定した場合には(ステップS276;Yes)、演出データ読出の終了に対応する制御を行う(ステップS277)。例えばCPU131は、演出データ読出の実行により進行停止となっていた演出を進行再開させるために、VDP135などに命令やレジスタ値を供給してもよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをクリアしてオフにするなど、演出データ読出後に対応する設定を行い(ステップS278)、制御中演出データ転送処理を終了する。
ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定した場合には(ステップS276;No)、読出中クリア時間が経過したか否かを判定する(ステップS279)。このとき、読出中クリア時間が経過していれば(ステップS279;Yes)、読出中クリア回数が予め定められたクリア上限判定値に達しているか否かを判定する(ステップS280)。読出中クリア回数は、ステップS274での制御により演出データが読出開始となってから、ステップS281の設定によりウォッチドッグタイマ134がクリアされた回数を示している。例えばステップS275では、読出中クリアカウンタのカウント初期値として「0」が設定され、ステップS282の設定により、そのカウント値が1加算されるように更新すればよい。
ステップS279にて読出中クリア時間が経過していない場合や(ステップS279;No)、ステップS280にてクリア上限判定値に達している場合には(ステップS280;Yes)、制御中演出データ転送処理を終了する。これに対し、ステップS280にてクリア上限判定値に達していない場合には(ステップS280;No)、読出中WDTクリア設定を行う(ステップS281)。ステップS281では、演出データメモリ123の記憶データが読み出されている場合に対応して、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ134をクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。ステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われた場合には、読出中クリア回数を1加算するなどして更新し(ステップS282)、制御中演出データ転送処理を終了する。
なお、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合とは異なる周期で、ウォッチドッグタイマ134をクリアするように設定されてもよい。例えば、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも長い周期で、ウォッチドッグタイマ134をクリアする。この場合、ステップS273における通常時WDTクリア設定は、毎回の設定によりウォッチドッグタイマ134をクリアするのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定は、複数回の設定が行われることでウォッチドッグタイマ134をクリアしてもよい。WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に設定することによりウォッチドッグタイマ134がクリアされるものでは、ステップS273における通常時WDTクリア設定が1回行われたときに複数のWDTクリアデータをすべて順番に設定するのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定が1回行われたときには1のWDTクリアデータのみが設定され、複数回の読出中WDTクリア設定が繰り返されることで、複数のWDTクリアデータが順番に設定されるようにしてもよい。逆に、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも短い周期で、ウォッチドッグタイマ134をクリアしてもよい。
このように、制御中演出データ転送処理では、ステップS273の通常時WDTクリア設定が行われる場合に、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ134による計測時間を初期化する。また、ステップS274での制御により演出データの読み出しを開始した後、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定が行われると、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ134による計測時間を初期化する。これにより、演出データの読出時間が長期化した場合に、ウォッチドッグタイマ134を適切にクリアしてCPU131の不適切なリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図11に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS271にて演出データ読出中であるか否かを判定することにより、演出データメモリ123の記憶データを読み出している読出期間中であるか否かを判定する。この読出期間中にて、演出データメモリ123におけるデータリフレッシュやデータ移転(代替処理)が実行される場合には、読出期間が長期化して、ステップS273での通常時WDTクリア設定を行うことができなくなるおそれがある。そこで、ステップS271にて演出データ読出中と判定されるとともに、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定により、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ134による計測時間を初期化できるようにしている。この場合には、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達していないと判定されたときに、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行うことができる。ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行わないので、ウォッチドッグタイマ134による計測時間の初期化が制限される。このように、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した後には、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させて、CPU131をリセット状態にして再起動する。なお、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合には、ウォッチドッグタイマ134の監視時間が経過するまで待機することなく、直ちにCPU131をリセット状態にして再起動してもよい。例えばステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定されたときに、CPU131のリセット割込みを発生させて、CPU131をリセット状態にしてもよい。
図12は、メモリコントローラ122によって実行されるメモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。メモリコントローラ122は、CPU131からの検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理の実行を開始すればよい。このように、メモリコントローラ122は、CPU131からの信号供給を条件に、メモリ検査処理を実行できればよい。あるいは、メモリコントローラ122は、CPU131からの信号供給を条件とすることなく、電源投入時の設定や、メモリ検査のインターバルが終了したことなどに基づいて、メモリ検査処理を実行できるようにしてもよい。
図12に示すメモリ検査処理において、メモリコントローラ122は、演出データメモリ123などに記憶されているステータス情報を読み出す(ステップS451)。ステータス情報は、消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報などを含んでいればよい。エラービット数の管理情報は、演出データメモリ123からセクタデータが読み出されるごとに作成され、各セクタデータのエラー検出で特定されたエラービット数を示す情報であればよい。エラー訂正の管理情報は、演出データメモリ123から読み出したセクタデータのエラー訂正が行われた場合に作成され、各セクタデータのエラー訂正ができたか否かを示す情報であればよい。データリフレッシュの管理情報は、演出データメモリ123に記憶されたセクタデータのデータリフレッシュが行われた場合などに作成され、データリフレッシュが行われた回数や実行日時などを示す情報であればよい。
続いて、ステップS451にて読み出したステータス情報の内容などに基づいて、データリフレッシュ条件が成立したか否かを判定する(ステップS452)。例えば、エラービット数の管理情報に示されるエラービット数が、予め定められたエラーしきい値を超えているセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定すればよい。また、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立した場合には(ステップS452;Yes)、データリフレッシュを実行するための制御を行う(ステップS453)。ステップS453では、例えばデータリフレッシュの対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。そして、記憶データを読み出した消去単位ブロックについて、記憶データを消去してから、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。あるいは、記憶データを読み出した消去単位ブロックとは異なる消去単位ブロックに、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。復元した正しいデータを書き込んだときには、書き込んだデータを再度読み出して、書込前のデータと比較することなどにより、正常にデータリフレッシュが終了したか否かを判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立していない場合や(ステップS452;No)、ステップS453の制御を行った後には、データ移転条件が成立したか否かを判定する(ステップS454)。例えば、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。また、データリフレッシュの管理情報に示されるデータリフレッシュが行われた回数が、予め定められた移転しきい値を超えているセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。ステップS453にて正常にデータリフレッシュが終了しなかった場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。
ステップS454にてデータ移転条件が成立していない場合には(ステップS454;No)、メモリ検査処理を終了する。これに対し、データ移転条件が成立した場合には(ステップS454;Yes)、データ移転を実行するための制御を行ってから(ステップS455)、メモリ検査処理を終了する。ステップS455では、例えばデータ移転の対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。このとき、記憶データを読み出した消去単位ブロックを、不良エリアとしての不良ブロックに設定する。そして、復元したデータを、冗長領域内の代替エリアとなる代替ブロックに書き込むようにすればよい。また、アドレス変換テーブルに含まれる配置情報を更新するなどして、不良ブロックに代えて代替ブロックの記憶データが読出可能となるように設定する。
図12に示すメモリ検査処理では、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立したときに、ステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行可能にする。これにより、演出データメモリ123において、リードディスターブやデータリテンションなどの要因で劣化したメモリセルが生じた場合でも、記憶データを正しいデータに復元して保護することができる。さらに、ステップS454にてデータ移転条件が成立したときに、ステップS455での制御によりデータ移転を行う代替処理を実行可能にする。これにより、演出データメモリ123において、メモリセルをリフレッシュしても回復不能な不良エリアとなる不良ブロックがある場合に、不良エリアの記憶データを代替エリアとなる代替ブロックに移転して保護することができる。
図6に示す演出制御メイン処理では、ステップS52にて電源投入時メモリ検査設定が行われ、CPU131からメモリコントローラに検査要求信号が供給される。この検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリコントローラ122は、図12に示すメモリ検査処理を、電源投入時に実行する。このときには、ステップS453での制御によりデータリフレッシュが実行される場合や、ステップS455での制御によりデータ移転が実行される場合がある。例えば前回の電源遮断前といった、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されてから、演出データメモリ123のステータス情報が更新され、データリフレッシュ条件が成立し得る状態や、データ移転条件が成立し得る状態になることがある。しかしながら、データリフレッシュやデータ移転を行うことなく電源切断により電力供給が終了すると、メモリセルの劣化が放置された状態さらには進行していく状態になり、演出データメモリ123の記憶データが多くの誤りを含むものになるおそれがある。そこで、再び電源投入により電力供給が開始されたときに、図12に示すメモリ検査処理が実行されることで、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立すればステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行し、ステップS454にてデータ移転条件が成立すればステップS455での制御によりデータ移転を実行する。また、図6に示す演出制御メイン処理では、ステップS53にてメモリ検査のインターバルが設定される。
図10に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合に、ステップS253またはステップS256にてデモ表示中であると判定されたこと、あるいは、ステップS255にて制御中検査待機時間が経過したと判定されたことを条件に、ステップS257での制御により制御中のメモリ検査を実行可能にする。このように、電源投入時だけでなく、演出の進行を制御中であっても、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データリフレッシュやデータ移転を実行可能なので、電源投入時からの電力供給が停止されずに長時間が経過した場合でも、演出データメモリ123の記憶データを保護するための処理を実行することができる。特に、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データ移転する代替処理を実行できるので、メモリセルをリフレッシュしても回復不能なデータエラーが発生する不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、代替エリアとなる代替ブロックに、適切に移転して記憶させることができる。
図13は、演出データメモリ123における記憶領域の構成例を示している。演出データメモリ123の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を有している。データ領域と冗長領域には、管理テーブルと各種の演出データを記憶可能である。演出データは、静止画像データおよび動画像データを含む画像データの他に、音声データ、ランプ駆動データ、モータ駆動データなどであってもよい。データ領域は、演出データメモリ123の通常アクセスに使用される通常使用領域である。演出の進行を制御するためのプログラムや演出を実行するために使用される演出データは、アクセスに支障がない限り、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域のうちで、書き込みや読み出しに支障のある不良エリアに代替して使用可能な代替使用領域である。データ領域においてアクセスに支障があると判断された不良ブロックなどの不良エリアは、使用禁止に設定され、不良エリアの記憶データは冗長領域における代替ブロックなどの代替エリアに記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリアとの関係を示す対応関係情報などを記憶する制御情報領域である。対応関係情報として、例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報が記憶される。データ領域のアドレスや冗長領域のアドレスは、ページ番号やブロック番号で指定されてもよいし、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよい。データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報は、アドレス変換テーブルにまとめて記憶されてもよい。アドレス変化テーブルは、CPU131やVDP135から演出データメモリ123へのアクセスを要求する際に指定される論理ブロックアドレスを、実際の記憶領域に割り当てられた物理ブロックアドレスに変換可能とする配置情報のテーブルデータにより構成されていればよい。
図13に示すデータ領域には、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。この場合、冗長エリアには、不良エリアA、B、Dの記憶データが移転された代替エリアA、B、Dが設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの対応関係を指定する配置情報A、B、Dが記憶される。冗長領域には、履歴情報が書き込まれてもよい。履歴情報は、演出データメモリ123においてデータ移転が行われた履歴を示す情報であればよく、例えばデータ移転が行われた日付情報を含んでいればよい。図13に示す冗長領域には、履歴情報Cが記憶されている。制御領域には、履歴情報Cに対応する配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアとの対応関係を示す配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履歴情報を記憶している冗長領域のアドレス情報とを含んでいればよい。履歴フラグがオンである配置情報に含まれるアドレス情報を読み取ることにより、冗長領域に記憶された履歴情報を読み出すことができる。履歴情報に含まれるデータ移転の日付情報などから、演出データメモリ123においてデータ移転が行われた回数を特定し、演出データメモリ123の使用を継続できるか廃棄すべきかを判定してもよい。制御領域には、配置情報の他にも、例えば消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報といった、ステータス情報を構成する様々な管理情報が記憶されてもよい。
図14(A)は、演出データメモリ123に記憶される演出データのうちで、画像データに含まれる動画像データの構成例を示している。図14(B)は、動画像データを映像データと音声データとに分離して復号化する動作例を示している。図14(C)は、動画像データを用いた動画再生の実行例を示している。動画像データは、それぞれが圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されていればよい。動画像データでは、ヘッダ情報に続けて、パケット化された映像データが格納される映像データブロックや、パケット化された音声データが格納される音声データブロックが、所定の順番で配置されていればよい。演出データメモリ123から読み出された動画像データは、VDP135のデマルチプレクサ142に入力されて、映像データと音声データとに分離される。デマルチプレクサ142から出力された映像データは、VDP135の映像デコーダ143に供給される。デマルチプレクサ142から出力された音声データは、音声処理回路136の音声デコーダ151に供給される。映像デコーダ143は、デマルチプレクサ142から供給された映像データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。音声デコーダ151は、デマルチプレクサ142から供給された音声データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。
このように、映像データと音声データとが多重化されて構成された動画像データを用いて、映像データと音声データとを分離して復号化した後、タイムスタンプにあわせて出力される。これにより、映像出力と音声出力とが同期した動画像の再生が可能になる。演出データメモリ123には、画像表示装置5の表示制御に関する映像データと、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御に関する音声データとが、一連の動画像データとして記憶されている。VDP135と音声処理回路136は、演出データメモリ123から読み出された動画像データを用いて動画像を再生することにより、画像表示装置5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行することができる。
図15は、ROM132に記憶される演出制御実行データの構成例を示している。演出制御実行データは、演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けて記憶されてもよい。また、演出制御実行データは、例えば始動入賞の発生、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者の動作検出といった、特定のイベント発生を条件として、読出可能に記憶されてもよい。演出制御実行データは、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど、各種の制御データの一部または全部を含んで構成されていればよい。
表示制御データは、画像表示装置5の表示状態を指定するデータとして構成され、表示制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んでいればよい。表示制御データによる指定内容は、動画再生を指定する場合と、静止画表示を指定する場合とを含んでいればよい。表示制御データにより動画再生を指定した場合には、演出データメモリ123から読み出された動画像データを用いて動画像を再生表示するための制御が実行される。表示制御データにより静止画表示を指定した場合には、VRAM144に予め記憶された静止画像データを用いて、または演出データメモリ123から読み出された静止画像データを用いて、静止画像を画面表示するための制御が実行される。静止画像の画面表示は、各フレームの表示を短時間で切り替えることにより、各種の演出画像が円滑に変更表示されるアニメーション表示を実行可能であればよい。音声制御データは、スピーカ8L、8Rの音声出力状態を指定するデータとして構成され、音声制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。ランプ制御データは、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDといった発光部材の点灯態様(発光態様)を指定するデータとして構成され、ランプ制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。モータ制御データは、可動部材駆動モータ33A、33Bの作動状態を指定するデータとして構成され、モータ制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。操作検出制御データは、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを操作する遊技者の動作検出状態を指定するデータとして構成され、検出制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。
図15に示す演出制御実行データは、表示制御データとともに、音声制御データおよびランプ制御データを含んでいる。これに対し、音声制御データとランプ制御データとを含む演出制御実行データは、表示制御データを含む演出制御実行データとは別個に構成されていてもよい。演出制御パターンとして、演出制御プロセスタイマ判定値と、音声制御データおよびランプ制御データを含む演出制御実行データとが対応付けられた組合せが複数格納された音声ランプ制御パターンが用意されてもよい。また、演出制御パターンとして、演出制御プロセスタイマ判定値と、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが対応付けられた組合せが複数格納された表示制御パターンが用意されてもよい。
CPU131は、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS203にて演出制御パターンを決定し、この演出制御パターンに含まれる演出制御実行データに従って、飾り図柄の可変表示中における各種演出の制御内容を設定する。例えば,図9に示す可変表示中演出処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値が演出制御パターンに設定されている演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときに、ステップS223にて制御データ読出条件が成立したと判定される。このときには、ステップS224にて読み出された制御データに従って、ステップS226では音声出力の制御内容が設定され、ステップS228ではランプ出力の制御内容が設定され、ステップS230ではモータ出力の制御内容が設定され、ステップS234では表示出力の制御内容が設定される。例えばステップS234での設定に従って、表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を可変表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった静止画像を用いた演出画像、あるいは、リーチ演出における動画像を用いた演出画像などを、画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。例えばステップS226での設定に従って、音声制御データにより指定される音声出力状態でスピーカ8L、8Rから演出音を出力させる制御を行う。例えばステップS228での設定に従って、ランプ制御データにより指定される点灯態様(発光態様)で遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDといった発光部材を点灯または消灯させる制御を行う。ステップS230での設定に従って、モータ制御データにより指定される作動状態で可動部材駆動モータ33A、33Bを駆動させ、演出用可動部材32A、32Bを移動または停止させる制御を行う。また、操作検出制御データにより指定される動作検出状態で、スティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bなどを操作する遊技者の動作を検出させる制御を行えばよい。
演出制御実行データにおける表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データに含まれる命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)は、CPU131からVDP135などに供給される。VDP135では、例えば命令デコーダ141が命令を解読して、解読結果に応じた画像処理などを指示する。例えば動画像再生命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データを演出データメモリ123から読み出してデマルチプレクサ142に供給する。あるいは静止画像表示命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される画像データがVRAM144に予め記憶されていれば、フレームバッファの所定位置に配置するように描画を行い、1画面分の表示用データを作成する。あるいは音声出力命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される音声データを音声処理回路136に供給する。
動画像データは、他の演出データに比べて、データ容量が大きくなりやすい。データ容量が大きな動画像データは、VRAM144などに予め記憶させておくと、VDP135のワークエリアが圧迫されてしまうおそれがある。そのため、データ容量が大きな動画像データは、VRAM144などに予め記憶させておくことが困難であり、使用される機会ごとに、演出データメモリ123から読み出す必要がある。VDP135は、CPU131からの動画像再生命令が供給されたときに、メモリコントローラ122に動画像データ読出要求を送ることで、演出データメモリ123に記憶されている動画像データを読み出させる。
図16〜図18は、動画像再生命令が供給された場合に対応して、動画像の再生制御例を示すシーケンス図である。図16は、演出データメモリ123から読み出した動画像データ(読出データ)の検査結果が正常である検査OKの場合を示している。図17は、演出データメモリ123においてデータリフレッシュが成功したデータリフレッシュ成功の場合を示している。図18は、演出データメモリ123において不良ブロックが検出された不良ブロック検出の場合を示している。
図16に示すように、VDP135では、CPU131からの動画像再生命令を受けると、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データの読み出しを要求する動画像データ読出要求を、メモリコントローラ122に供給する。メモリコントローラ122は、動画像データ読出要求を受けたことに対応して、CPU131に向けて出力する読出待機信号をオンに設定する。その後、動画像データの読み出しを開始する。動画像データの読み出しが終了すると、読み出した動画像データのエラー検出およびエラー訂正を行う。これにより、動画像データが読出完了になると、VDP135では画像表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始させる。なお、すべての動画像データが読出完了になるまで動画像の再生表示が開始されないものに限定されず、所定単位の動画像データが読出完了になるごとに、読み出された動画像データを用いて順次に動画像の再生表示が進行するものであってもよい。また、図14(A)〜(C)に示したように、動画像の再生表示では、画像表示装置5における映像出力と、スピーカ8L、8Rにおける音声出力とが、同期して実行され、連携して進行すればよい。
また、メモリコントローラ122では、エラー検出やエラー訂正の実行結果を用いて、読出データの検査を行う。例えばエラー検出で特定されたエラービット数がエラーしきい値を超えているか否かや、エラー訂正で訂正できなかったセクタデータがあるか否かに応じて、読出データの検査結果を判定する。このとき、読出データの検査結果が正常であると判定すれば、演出データメモリ123の記憶データが正常に読出完了となったので、CPU131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。その後、VDP135などの制御による動画像の再生表示が終了したときには、VDP135からCPU131に対して動画像再生完了を通知すればよい。
図17に示す場合では、メモリコントローラ122にて、読出データの検査結果が異常であると判定される。この場合には、演出データメモリ123に記憶されたセクタデータに対し、データリフレッシュが開始される。その後、データリフレッシュが正常に終了すると、演出データメモリ123の記憶データを新たに読出可能となるので、CPU131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュは、エラー検出やエラー訂正の実行結果に応じて実行されるので、VDP135などの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、演出データメモリ123の記憶データに対するデータリフレッシュが実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、データリフレッシュが終了するまで、VDP135などの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、動画像の再生表示に遅延が生じることになる。
図18に示す場合では、メモリコントローラ122にて、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたことにより、データリフレッシュが中断されている。この場合には、不良ブロックの検出に対応して、演出データメモリ123に記憶された消去単位ブロックのセクタデータに対し、データ移転が開始される。その後、演出データメモリ123では、データ領域における不良エリアとなる不良ブロックから、冗長領域における代替エリアとなる代替ブロックへのデータ移転が終了して、演出データメモリ123の記憶データを新たに読出可能になると、CPU131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検出結果に基づくデータリフレッシュに続いて実行されるデータ移転は、データリフレッシュと同様に、VDP135などの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、演出データメモリ123の記憶データに対するデータ移転が実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、不良エリアから代替エリアへのデータ移転が終了するまで、VDP135などの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、データリフレッシュが正常に終了した場合と比較して、動画像の再生表示にさらなる遅延が生じることになる。
図17および図18に示す場合では、読出データの検査結果が異常であると判定されたときに、続けてデータリフレッシュが開始される。図18に示す場合では、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたときに、続けてデータ移転が開始される。このように、演出データメモリ123の読出データに対する検査結果に応じて、読み出しが行われた直後に、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。これに対し、演出データメモリ123の読出データに対するエラー検出やエラー訂正の実行結果を、演出データメモリ123に記憶しておき、メモリ検査のインターバルが経過したときに、データリフレッシュ条件やデータ移転条件が成立したことに対応して、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。
図16〜図18に示す動画像の再生制御例では、CPU131からVDP135に対して動画像再生命令が供給されると、VDP135がメモリコントローラ122に動画像データ読出要求を供給して、動画像データの読み出しを開始している。これに対し、動画像データ読出要求に対応する命令は、CPU131からメモリコントローラ122に供給されてもよい。CPU131では、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データなどから動画像の再生開始を決定したときに、図11に示す制御中演出データ転送処理のステップS272にて、演出データ読出条件が成立したと判定する。そこで、ステップS274の制御により、CPU131からメモリコントローラ122に対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給すればよい。ただし、CPU131からVDP135に対して動画像再生命令を供給するとともに、CPU131からメモリコントローラ122に対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給する場合には、CPU131の処理負荷が増大するおそれがある。他方において、図16〜図18に示す動画像の再生制御例のように、VDP135がCPU131から供給された動画像再生命令を受けたときに、VDP135からメモリコントローラ122に動画像データ読出要求を供給することで、動画像データを読み出すための処理負荷が分散されるので、CPU131の処理負担を軽減することができる。
動画像の再生表示を開始する場合には、様々な要因により遅延が生じることがある。例えば図17および図18に示された動画像の再生制御例のように、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュやデータ移転による遅延が生じることがある。その他にも、図10に示す制御中メモリ検査処理のステップ257にて制御中メモリ検査を開始させる制御が行われると、演出データメモリ123の記憶データが読出不可となり、制御中メモリ検査が終了するまで、動画像の再生表示に遅延が生じることがある。さらに、NAND型フラッシュメモリを用いて構成された演出データメモリ123では、ランダムアクセスによる記憶データの読み出しを要因として、動画像の再生表示に遅延が生じることもある。NAND型フラッシュメモリを用いて構成された演出データメモリ123は、セクタ単位で記憶データが読み出される。動画像データは、他の演出データに比べてデータ容量が大きくなりやすいので、演出データメモリ123にて複数のセクタにまたがって記憶される場合がある。演出データメモリ123では、動画像データなどの演出データが複数のセクタにまたがって記憶されている場合に、それぞれのセクタにアクセスして記憶データを読み出さなければならない。この場合には、演出データメモリ123に対するランダムアクセスが頻繁に発生することで、記憶データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示にも遅延の影響が及んでしまうことになる。
パチンコ遊技機1において実行される演出のうちには、動画像の再生表示が実行される場合のように、演出データメモリ123の読出許否状態に応じて、遅延が生じやすい演出がある。その一方で、演出データメモリ123の読出許否状態にかかわらず、遅延なく実行可能な演出もある。例えばROM132に記憶される演出制御実行データには、始動入賞報知SH1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。始動入賞報知SH1は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知する。また、ROM132に記憶される演出制御実行データには、リーチ後演出AR1やリーチ後演出AR2を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。リーチ後演出AR1は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、例えば動画像の再生表示が正常に開始される期間に対応して、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ演出の開始を報知する。その他、ROM132に記憶される演出制御実行データには、エラー報知EH1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。エラー報知EH1は、各種のエラーが発生したエラー発生時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDにおける点灯態様、これらの一部または全部の組合せにより、異常の発生を報知する。あるいは、ROM132に記憶される演出制御実行データには、予告演出YA1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。予告演出YA1は、飾り図柄の可変表示中にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材32A、32Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する。
図19および図20は、始動入賞報知SH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図19は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図20は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図19および図20に示す制御例では、リーチ演出開始までの制御が共通している。具体的には、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信される。例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図4に示す遊技制御プロセス処理のステップS112にて、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行う。演出制御基板12では、可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、CPU131が図7および図8に示すステップS171の可変表示開始設定処理を実行し、ステップS205での設定などにより、飾り図柄の可変表示を開始する。こうして、特別図柄の可変表示開始に対応して、飾り図柄の可変表示開始設定が行われ、飾り図柄の可変表示が開始される。その後、リーチ前演出BR1が実行されてもよい。リーチ前演出BR1は、例えば「滑り」や「擬似連」の可変表示演出といった、飾り図柄の可変表示態様により、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ前演出BR1は、例えば予告演出といった、飾り図柄の可変表示態様によらず、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。その後、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に達したことに対応して、リーチ演出の実行が開始されるリーチ演出開始となる。
図19に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時にて、始動入賞報知SH1が実行される。始動入賞報知SH1は、始動入賞の発生に対応してROM132に記憶された演出制御実行データを読み出すことにより、始動入賞時に遅延なく実行可能である。始動入賞報知SH1は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口、または普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口といった、遊技球が通過可能な通過領域(始動領域)を、遊技球が通過したことに関する通過補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図19に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図19に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図20に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合には、表示停止期間であっても始動入賞報知SH1が実行される。例えば始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、始動入賞報知SH1を実行可能にすればよい。例えばCPU131は、図7に示す演出制御プロセス処理のステップS161にて始動入賞時演出設定を行うときに、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合に対応して用意された演出制御実行データを、ROM132から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて始動入賞報知SH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても始動入賞報知SH1を実行することができる。
図20に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。確定表示の対象となる飾り図柄は、飾り図柄の可変表示における表示結果として導出される確定飾り図柄であり、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS201にて決定される最終停止図柄であればよい。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図20に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図21は、始動入賞報知SH1の実行例などを示している。例えば図21(A)に示すように、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口といった、通過領域に含まれる始動領域を遊技球が通過したときには、例えば図21(B1)に示す「ピコーン!」の音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、始動入賞報知SH1が実行される。あるいは、始動領域を遊技球が通過したときには、例えば図21(B2)に示すように、普通可変入賞球装置6Aの内部または周辺に設けられた装飾用LEDを、青色または黄色といった、所定の発光色(ランプ点灯色)で発光(点灯)させることにより、始動入賞報知SH1が実行される。
図21(C)に示すように、入賞時判定結果に応じて異なる入賞時実行割合により、複数の保留表示色のそれぞれに対応して、音声出力の内容やランプ点灯色が異なる始動入賞報知SH1を実行してもよい。入賞時判定結果は、例えば図4に示す遊技制御プロセス処理のステップS12にて抽出された乱数値を示す数値データを用いて、有利状態としての大当り遊技状態に制御されるか否かを判定した結果であればよい。ステップS12において判定を行うことにより、大当り遊技状態に制御するか否かの決定前に、大当り遊技状態に制御されるか否かを判定できればよい。入賞時判定結果は、大当り遊技状態に制御される場合の「大当り」と、大当り遊技状態に制御されない場合の「ハズレ」とを含んでいればよい。あるいは、入賞時判定結果は、「大当り」と「ハズレ」に代えて、または「大当り」と「ハズレ」に加えて、例えばスーパーリーチのリーチ演出といった特定の演出が実行される特定変動パターンに決定される場合の判定結果と、特定変動パターンに決定されない場合の判定結果とを含んでいてもよい。保留表示色は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示色である。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示に関する保留記憶情報に基づいて、可変表示の保留数を特定可能な保留表示が行われる。図21(C)に示すように、保留表示色に対応した音声出力の内容やランプ点灯色が設定されることにより、保留表示の表示態様に応じて異なる演出態様により始動入賞報知SH1を実行できる。なお、図21(C)に示す例では、保留表示色に対応して、音声出力の内容およびランプ点灯色の両方が設定される。これに対し、保留表示色に対応して、音声出力の内容またはランプ点灯色の一方のみが設定され、他方は保留表示色にかかわらず一定内容が設定されてもよい。
図22および図23は、リーチ後演出AR1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図22は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図23は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図22および図23に示す制御例でも、図19および図20の制御例と同様に、可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図22に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、リーチ後演出AR1が実行される。リーチ後演出AR1は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて、飾り図柄の可変表示中に遅延なく実行可能である。リーチ後演出AR1は、例えばプッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により演出実行条件が成立したときに実行されてもよい。あるいは、リーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出結果にかかわらず、飾り図柄の可変表示中における演出実行タイミングに達したときに実行されてもよい。遊技者による動作の検出結果により演出実行条件が成立するリーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出に関する検出補助演出に含まれる。遊技者による動作の検出結果にかかわらず、例えば可動部材駆動モータ33A、33Bの駆動力により演出用可動部材32A、32Bを動作させるリーチ後演出AR1は、可動物の動作に関する動作補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図22に示す制御例でリーチ後演出AR1が実行された後には、さらにリーチ後演出AR2が実行されてもよい。リーチ後演出AR2は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR2は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図22に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図23に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、演出実行条件が成立した場合、または演出実行タイミングに達した場合には、表示停止期間であってもリーチ後演出AR1が実行される。例えばリーチ後演出AR1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、リーチ後演出AR1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、リーチ後演出AR1を実行可能にすればよい。例えばCPU131は、図9に示す可変表示中演出処理のステップS222にて更新した演出プロセスタイマのタイマ値に基づいて、ステップS223にて制御データ読出条件が成立したと判定されたときに、図8に示すステップ203にて決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データを読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いてリーチ後演出AR1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においてもリーチ後演出AR1を実行することができる。
図23に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、図22の場合と同様に、リーチ後演出AR2が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図23に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図24は、リーチ後演出AR1の実行例などを示している。例えば図24(A)に示すように、プッシュボタン31Bを繰返し押下操作する連打操作といった、遊技者による動作が検出されたことに基づいて、演出実行条件が成立したときには、例えば図24(B1)に示す「チャーンス!」の音声をスピーカ8L、8Rから出力させる音声出力により、リーチ後演出AR1が実行される。あるいは、演出実行条件が成立したときには、例えば図24(B2)に示すように、演出用点灯役物90を点灯させる点灯態様により、リーチ後演出AR1が実行される。あるいは、演出実行条件が成立したときには、例えば図24(B3)に示すように、可動部材駆動モータ33A、33Bの駆動力により演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させることで、リーチ後演出AR1が実行される。リーチ後演出AR1は、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行可能な演出であればよい。
図24(C)に示すように、可変表示結果に応じて異なる操作時実行割合により、リーチ後演出AR1を実行可能にしてもよい。可変表示結果は、例えば図4に示す遊技制御プロセス処理のステップS102にて乱数値を用いて決定した結果であればよい。可変表示結果は、大当り遊技状態に制御される場合に対応した「大当り」と、大当り遊技状態に制御されない場合に対応した「ハズレ」とを含んでいればよい。あるいは、可変表示結果は、「大当り」と「ハズレ」に代えて、または「大当り」と「ハズレ」に加えて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に対応した「確変」と、大当り遊技状態の終了後に確変状態とならない場合に対応した「非確変」とを含んでいてもよい。図24(C)に示す操作時実行割合は、可変表示結果が「大当り」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、リーチ後演出AR1が実行されやすくなる。なお、可変表示結果に応じて操作時実行割合を異ならせるものに限定されず、可変表示結果に応じて異なる割合でリーチ後演出AR1の演出態様が決定されてもよい。この場合には、リーチ後演出AR1の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される期待度を、異ならせることができる。また、変動パターンに応じて操作時実行割合を異ならせてもよいし、変動パターンに応じて異なる割合でリーチ後演出AR1の演出態様が決定されてもよい。
リーチ後演出AR1は、遊技者の動作を促す促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により演出実行条件が成立したときに実行されてもよい。動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間にて、遊技者の動作を促す促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果によりリーチ後演出AR1を実行可能にしてもよい。
遊技者の動作を促す促進報知として、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示により、操作有効期間の残り時間が報知されてもよい。操作有効期間は、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を、有効に検出する有効検出期間である。動画像の再生表示が遅延により開始されずに表示停止となる表示停止期間では、操作有効期間の残り時間が報知されなくなったり、残り時間の表示が更新されなくなったりすることがある。表示停止期間にて促進報知が適切に実行されなくなった場合に、演出の進行を制御する上で、操作有効期間の残り時間は、遅延のない通常の場合と同様に減少させ続けてもよいし、遅延のない通常の場合とは異なり減少させないように、残り時間の計測を一旦停止させてもよい。操作有効期間にてプッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作が検出されるごとに、図24(C)に示すような可変表示結果に応じて操作時実行割合で、リーチ後演出AR1を実行するか否かを決定すればよい。そして、リーチ後演出AR1を実行すると決定された場合に、図24(B1)〜(B3)に示された音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ後演出AR1を実行すればよい。
図25は、操作有効期間の残り時間を更新する場合の制御例を示すタイミング図などである。図25(A1)および(A2)は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図25(B1)〜(B3)は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図25(A1)に示す動画再生が「なし」から「あり」に変更されるタイミングは、演出制御パターンを構成する演出制御実行データに含まれる表示制御データなどにより指定される再生開始設定タイミングであり、設計の段階で動画像の再生開始として設定されたタイミングである。
例えば図25(A1)に示すように、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合は、再生開始設定タイミングと対応して、操作有効期間の残り時間に、図25(A2)に示すような初期設定時間T0が設定される。操作有効期間の残り時間は、例えばRAM133の所定領域(演出制御タイマ設定部)などに設けられた有効期間タイマのタイマ値を用いて計測できればよい。図25(A2)に示すように、再生開始設定タイミングと対応して初期設定時間T0が設定された後には、時間の経過に伴い操作有効期間の残り時間を減少させる。そして、操作有効期間の残り時間が「0」になると、操作有効期間が終了する。なお、操作有効期間の残り時間が「0」になる前に、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作の検出結果に基づいて、操作有効期間の終了条件が成立した場合には、その時点で操作有効期間を終了させてもよい。操作有効期間の終了条件は、例えば図24(C)に示された操作時実行割合でリーチ後演出AR1を実行すると決定されたときなど、動作の検出に基づいて成立可能となるように、予め定められていればよい。
例えば図25(B1)に示すように、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合にも、再生開始設定タイミングと対応して、操作有効期間の残り時間には、図25(B2)および(B3)に示すような初期設定時間T0が設定される。その後における制御の一例として、図25(B2)に示すように、操作有効期間の残り時間は、読出遅延なしの場合と同様に減少させ、その残り時間が「0」になると、操作有効期間が終了してもよい。他の一例として、図25(B3)に示すように、操作有効期間の残り時間は、動画像の再生開始が遅延することにあわせて、減少させないように一旦停止させてもよい。この場合には、読出遅延なしの場合とは異なり、動画像の再生開始が遅延して表示停止となる表示停止期間では、有効期間タイマのタイマ値を更新させずに維持するタイマ停止の制御を行うようにすればよい。
図25(C)は、促進報知の実行例として、メータ画像MT1の表示例を示している。この表示例では、画像表示装置5の画面上に、「押せ!」のメッセージを報知する文字を示す演出画像MS1や、プッシュボタン31Bに対応するキャラクタを示す演出画像BT1とともに、メータ画像MT1が表示される。メータ画像MT1は、動画像データから分離された映像データを用いて、更新可能に表示されてもよい。この場合、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありによって、表示停止期間ではメータ画像MT1の表示も更新が停止される。そのため、例えば図25(B2)に示すように、読出遅延ありの場合でも読出遅延なしの場合と同様に操作有効期間の残り時間を減少させるものでは、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間とに、相違が生じてしまうおそれがある。そこで、例えば図25(B3)に示すように、読出遅延ありの場合に操作有効期間の残り時間を減少させないように一旦停止させれば、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間との相違がなくなり、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。ただし、タイマ停止の制御を行うことにより、設計段階よりも長い操作有効期間が設けられることになるので、設計段階では意図しなかったタイミングでの遊技者による動作を検出して、リーチ後演出AR1が実行されてしまうことによる不具合が発生するおそれもある。
図25(C)に示すメータ画像MT1は、動画像データとは別個に用意された静止画像データを用いて、アニメーション表示などにより更新可能に表示されてもよい。メータ画像MT1の更新表示に用いられる静止画像データは、予めVRAM144の所定領域などに記憶されていてもよい。メータ画像MT1の更新表示は、CPU131がROM132から読み出した演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて制御されてもよい。この場合、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありによって、表示停止期間ではメータ画像MT1の表示も更新が停止されることがある。なお、表示停止期間であっても、VRAM144に予め記憶された静止画像データを用いることで、メータ画像MT1の表示を更新できるようにしてもよい。表示停止期間にてメータ画像MT1の更新表示が停止される場合でも、表示停止期間が終了したときには、演出制御実行データでの設定に応じて、読出遅延なしの場合と同様の表示状態となるように、メータ画像MT1の表示が更新されてもよい。これにより、例えば図25(B2)に示すように、読出遅延ありの場合でも読出遅延なしの場合と同様に操作有効期間の残り時間を減少させるものでは、少なくとも表示停止期間が終了した後に、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間との相違がなくなり、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。ただし、表示停止期間が終了したときに、メータ画像MT1の表示状態が不連続に変化する場合があるので、メータ画像MT1の表示に違和感が生じて不具合が発生するおそれもある。また、例えば図25(B3)に示すように、読出遅延ありの場合に操作有効期間の残り時間を減少させないように一旦停止させるものでは、少なくとも表示停止期間が終了した後に、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間とに、相違が生じてしまうおそれがある。CPU131やVDP135では、表示停止期間にて有効期間タイマに対するタイマ停止の制御が行われる場合に、メータ画像MT1の更新表示も停止させる更新表示停止の制御が行われるようにしてもよい。これにより、違和感ない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
図24(B3)に示す演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させるリーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出結果にかかわらず実行される場合があってもよい。例えば飾り図柄の可変表示を開始するときには、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS203にて、変動パターンに対応する演出制御パターンが決定される。そして、特定の変動パターンに対応して決定された特定の演出制御パターンでは、演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けた演出制御実行データに含まれるモータ制御データとして、演出実行タイミングに達したときに演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させるリーチ後演出AR1の実行に用いられるデータが、予め設定されていてもよい。こうした特定の演出制御パターンは、可変表示結果に応じて異なる割合で決定されてもよい。その決定割合は、可変表示結果が「大当り」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも高くなるように設定されていてもよい。この設定により、可変表示結果が「大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、リーチ後演出AR1が実行されやすくなる。なお、可変表示結果に応じて演出用可動部材32A、32Bを動作させるリーチ後演出AR1の実行割合を異ならせるものに限定されず、可変表示結果に応じて異なる割合で演出用可動部材32A、32Bの動作態様が決定されてもよい。この場合には、演出用可動部材32A、32Bの動作態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される期待度を、異ならせることができる。
図26および図27は、エラー報知EH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図26は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図27は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図26および図27に示す制御例でも、図19および図20の制御例と同様に、可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図26に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、エラーの発生が検出されたエラー検出時にて、エラー報知EH1が実行される。エラー報知EH1は、エラー発生の検出に対応してROM132に記憶された演出制御実行データを読み出すことにより、エラー検出時に遅延なく実行可能である。エラー報知EH1は、パチンコ遊技機1における異常の発生の報知に関する異常報知補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図26に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図26に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図27に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、パチンコ遊技機1におけるエラーの発生が検出された場合には、表示停止期間であってもエラー報知EH1が実行される。例えばエラー報知EH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、エラー報知EH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、エラー報知EH1を実行可能にすればよい。例えばCPU131は、図6に示す演出制御メイン処理において、ステップS60のエラー報知処理を実行するときに、エラーの発生が検出された場合に対応して予め用意された演出制御実行データを、ROM132から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いてエラー報知EH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においてもエラー報知EH1を実行することができる。
図27に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図27に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図28は、エラー報知EH1の実行例を示している。例えばスイッチ電源の短絡異常によるエラーといった、電源異常に関するエラー(電源異常エラー)の発生が検出された場合には、図28(A)に示すように、「電源異常を検出しました」のメッセージを報知する音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される。あるいは、前面扉が開放状態であることによるエラー(ドア開放エラー)の発生が検出された場合には、図28(B)に示すように、「扉が開いています」のメッセージを報知する音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される。あるいは、下皿が遊技球で満タン状態であることによるエラー(満タンエラー)の発生が検出された場合には、図28(C)に示すように、「玉を抜いてください」のメッセージを報知する音声をスピーカ8L、8Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される。
図6に示す演出制御メイン処理では、ステップS60にてエラー報知処理が実行されたときに、主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに応じて、複数のエラーのうちで、いずれのエラーが発生したかを判定する。この判定結果に対応して、ROM132に記憶されたエラー報知用の演出制御実行データを選択して読み出し、読み出した演出制御実行データを用いてエラー報知EH1を実行する。これにより、判定された異常に応じて異なる演出態様により、異常報知補助演出に含まれるエラー報知EH1を実行すればよい。
図29および図30は、予告演出AY1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図29は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図30は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図29および図30に示す制御例でも、図19および図20の制御例と同様に、可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図29に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、予告演出YA1が実行される。予告演出YA1は、例えば予告演出パターンに対応して決定された演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて、飾り図柄の可変表示中に遅延なく実行可能である。予告演出YA1は、飾り図柄の可変表示中において、演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などに対応して、予め定められた予告実行タイミングに達したときに実行される。予告演出YA1は、予告に関する予告補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図29に示す制御例で予告演出YA1が実行された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図29に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図30に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、予告実行タイミングに達した場合には、表示停止期間であっても予告演出YA1が実行される。例えば予告演出YA1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、予告演出YA1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、予告演出YA1を実行可能にすればよい。例えばCPU131は、図9に示す可変表示中演出処理のステップS222にて更新した演出プロセスタイマのタイマ値に基づいて、ステップS223にて制御データ読出条件が成立したと判定されたときに、図8に示すステップ203にて決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データを読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて予告演出YA1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても予告演出YA1を実行することができる。
図30に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、図29の場合と同様に、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図5に示す変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図30に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図31は、予告演出YA1の実行例などを示している。予告実行タイミングに達したときには、例えば図31(A1)に示す「激熱だ!」の音声をスピーカ8L、8Rから出力させる音声出力により、予告演出YA1が実行される。あるいは、予告実行タイミングに達したときには、例えば図31(A2)に示すように、演出用点灯役物90を点灯させる点灯態様により、予告演出YA1が実行される。あるいは、予告実行タイミングに達したときには、例えば図31(A3)に示すように、可動部材駆動モータ33A、33Bの駆動力により演出用可動部材32A、32Bを動作(進出)させることで、予告演出YA1が実行される。予告演出YA1は、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行可能な演出であればよい。
図31(B)に示すように、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに応じて異なる割合で、予告演出の有無として、予告演出YA1を実行するか否かが決定されてもよい。この場合、CPU131は、例えば図8に示す可変表示開始設定処理のステップS202にて、図31(B)に示すような変動パターンに応じて異なる割合で、予告演出YA1を実行するか否かを決定する。図31(B)に示す例では、変動パターンPA2−3の場合と、変動パターンPA3−3の場合に、所定割合で予告演出YA1を実行することができる。図5に示すように、変動パターンPA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応して、リーチ状態となった後に、ノーマルのリーチ演出、スーパーAのリーチ演出、スーパーBのリーチ演出を、順番に実行可能な変動パターンである。変動パターンPA3−3は、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、リーチ状態となった後に、変動パターンPA2−3と同様のリーチ演出を実行可能な変動パターンである。図31(B)に示す決定割合は、変動パターンPA3−3の場合に、変動パターンPA2−3の場合よりも予告演出YA1が実行される割合が高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、予告演出YA1が実行されやすくなる。また、変動パターンPA2−3や変動パターンPA3−3に対応して実行されるスーパーBのリーチ演出は、ノーマルのリーチ演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」になる割合が高くなるスーパーリーチのリーチ演出である。予告演出YA1は、例えば動画像の再生表示によるスーパーAのリーチ演出が開始されることに対応して、スーパーBのリーチ演出が開始される前に実行可能であってもよい。予告演出YA1が実行された場合には、変動パターンPA2−3または変動パターンPA3−3に対応して、スーパーBのリーチ演出が実行されることを予告できるので、可変表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感を、飛躍的に高めることができる。
変動パターンに応じて異なる割合で予告演出YA1を実行するか否かが決定されるものに限定されず、変動パターンに応じて異なる割合で予告演出YA1の演出態様が決定されてもよい。この場合には、予告演出YA1の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される期待度や、スーパーBのリーチ演出といった特定演出が実行される期待度を、異ならせることができる。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応したリーチ変動パターンであれば、その変動パターンにかかわらず、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で予告演出YA1を実行するか否かが決定されてもよいし、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で予告演出YA1の演出態様が決定されてもよい。
予告演出YA1は、リーチ後演出AR1の場合と同様に、操作有効期間にてプッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作の検出結果に基づいて、実行されてもよい。この場合には、遊技者の動作を促す促進報知が実行されてもよいし、例えば動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間にて、促進報知が実行されなくてもよい。促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により予告演出YA1を実行可能にしてもよい。
予告演出YA1が実行される予告演出期間は、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間の全部を含んでもよいし、表示停止期間の一部を含んでもよい。あるいは、表示停止期間が予告演出期間の全部を含んでもよいし、表示停止期間が予告演出期間の一部を含んでもよい。このように、予告演出期間と表示停止期間は、少なくとも互いの一部の期間が重複する場合に、表示停止期間であっても予告演出期間であれば予告演出YAを実行可能に制御すればよい。
図32は、予告演出YA1を実行する場合の制御例を示すタイミング図である。図32(A)は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合における動画再生の制御例を示している。図32(B)は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合における動画再生の制御例を示している。図32(C)は、予告演出YA1を実行する制御例を示している。図32(A)に示す動画再生が「なし」から「あり」に変更されるタイミングは、演出制御パターンを構成する演出制御実行データに含まれる表示制御データなどにより指定される再生開始設定タイミングであり、設計の段階で動画像の再生開始として設定されたタイミングである。
例えば図32(A)に示すような動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合であるか、図32(B)に示すような動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合であるかにかかわらず、予告演出YA1は、図32(C)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立より前に、予告実行タイミングに達することにより、実行が開始される。その後、再生開始設定タイミングをまたがって予告演出期間が終了するまで、予告演出YA1が実行される。図32(B)に示す読出遅延ありの場合は、動画像の再生開始に遅延が生じるものの、予告演出期間が終了するより前に、動画再生が開始される。この場合、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間の全部を含んでいる。予告演出YA1は、予告演出パターンに対応して決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データなどを用いて、表示停止期間であるか否かにかかわらず、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行される。
例えば表示停止期間が長期化した場合に、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、表示停止期間が終了するより前に、終了することがあってもよい。あるいは、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、再生開始設定タイミングより後に開始されてもよい。この場合には、表示停止期間が開始されてから、その表示停止期間が終了するより前に、予告実行期間が開始されることがある。また、表示停止期間が長期化した場合には、表示停止期間が終了するより前に、予告実行期間が終了することがある。このように、予告演出YA1が実行される予告演出期間と、表示停止期間との前後関係がどのような関係であっても、予告演出YA1は演出制御パターンを構成する演出制御実行データを用いて実行が制御されることにより、予め定められた予告演出期間において実行できればよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば上記実施の形態で示した特徴のうちで、不具合の発生を防止する特徴、記憶データを適切に保護するための特徴、適切な演出を実行するための特徴のいずれか1つの特徴、あるいは、これらの少なくとも一部を組み合わせた特徴を、備えたものであればよい。
上記実施の形態では、動画像データとして、図14(A)に示すように、圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されたデータを用いて、映像出力と音声出力とが同期した動画像を再生するように、画像表示装置5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行するものとして説明した。これに対し、例えばROM132に記憶された演出制御パターンを構成する演出制御実行データの設定により、動画像の再生において、画像表示装置5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行できるようにしてもよい。この場合には、演出データメモリ123に記憶された画像データや音声データを読み出すときに、いずれか一方の記憶データの読み出しに生じた遅延を検出すると、他方の記憶データを用いた制御の進行を待機させて、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行してもよい。
例えば予告演出YA1として、操作演出が実行されてもよい。操作演出は、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどの操作手段を操作する遊技者の動作を検出した結果に基づいて実行される動作演出であればよい。動作演出としては、例えば遊技者がプッシュボタン31Bを押下操作する動作により演出が進行可能なバトル演出が実行される。バトル演出は、遊技者の味方である味方キャラクタと遊技者の敵である敵キャラクタとがバトル(戦い)を行い、味方キャラクタが勝ったときに可変表示結果が「大当り」となり、敵キャラクタが勝ったときには可変表示結果が「ハズレ」となることを報知する演出である。バトル演出においては、遊技者がプッシュボタン31Bを押下する動作に応じて、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃するという所定の作用をする作用演出が実行可能である。予告演出YA1の他にも、リーチ後演出AR1、リーチ後演出AR2あるいはリーチ後演出AR10のいずれかとして、操作演出が実行されてもよい。動画像の再生表示によるリーチ演出の一部として、操作演出が実行されてもよい。
バトル演出における攻撃表示のような動作演出は、例えば遊技者がプッシュボタン31Bを連続して複数回の押下操作(連打操作)をする動作が検出された場合に、実行可能であればよい。ここで、連続して複数回の押下操作をする動作に代えて、例えば遊技者がプッシュボタン31Bを継続して押下操作(長押し操作)する動作が検出された場合のように、検出有効期間に遊技者の1の動作が継続して検出された場合にも、動作演出を実行可能なオート連打機能(自動連打機能)を設けてもよい。オート連打機能では、例えばCPU131を含めた演出制御用マイクロコンピュータの機能として、プッシュボタン31Bに対する長押し操作が、4秒間などの第1期間にわたり継続して検出されたことに基づいてオート連打の機能による動作検出が開始され、1.0などの第2期間が経過するごとに検出回数を1増加するように更新する。これにより、プッシュボタン31Bに対する長押し操作が検出された場合でも、あたかも連打が行われているような演出が実行される。
例えば特定の変動パターンによる可変表示において、特定連打演出が実行可能になってもよい。特定連打演出は、遊技者による特定動作を検出可能な検出有効期間中に、例えばプッシュボタン31Bの連打操作といった、遊技者が複数回の動作を行う連続動作が検出されたことに応じて実行される。
図33は、特定連打演出の実行例を示している。図33に示す特定連打演出は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に対応して演出実行タイミングに達したときに、バトル演出に伴い実行可能である。バトル演出が開始されるときには、図33(A)に示すように、バトルの開始前の事前表示として、味方キャラクタ94と敵キャラクタ95とが登場し、「シンプルバトル」というような、シンプルバトル演出を特定する文字が表示される事前表示が所定期間(例えば2〜3秒間)にわたり行われる。事前表示としては、さらに、敵キャラクタ95のライフ(耐久力)をレベル表示するライフ表示領域99が表示される。シンプルバトル演出は、パチンコ遊技機1で実行可能なバトル演出のうち、比較的簡素な演出が実行されるバトル演出である。
シンプルバトル演出においては、図33(B)および(C)に示すように、遊技者がプッシュボタン31Bを連打操作する動作の検出に応じて、味方キャラクタ94と敵キャラクタ95とが対戦するバトル演出が進行する。シンプルバトル演出においては、連打操作に応じ、特定演出として、味方キャラクタ94が敵キャラクタ95を攻撃し、その攻撃に対応して敵キャラクタ95に対応するライフ表示領域99でのライフのレベル表示が減少する。このように、シンプルバトル演出においては、連打操作に応じた特定演出として、連打操作の実行がライフ表示領域99でのライフのレベル表示に作用する作用演出が行われる。
可変表示結果として大当り組合せの確定飾り図柄が導出される場合には、図33(D)に示すように、バトル演出においてライフ表示領域99でのライフ表示が最低レベル(0)になり、味方キャラクタ94が勝ったことを示す勝利表示(例えば「WIN」という文字の表示など)が行われ、大当り表示結果が表示される。これに対し、可変表示結果としてハズレ組合せの確定飾り図柄が導出される場合には、バトル演出においてライフ表示領域99でのライフ表示が最低レベル(0)にならず、味方キャラクタ94が負けたことを示す敗北表示(例えば「LOSE」という文字の表示など)が行われ、はずれ表示結果が表示される。
シンプルバトル演出では、遊技者がプッシュボタン31Bを連打操作する動作の検出に応じて演出が進行する。検出される連打操作としては、遊技者がプッシュボタン31Bを自力で連打することにより実行される自力連打の操作と、遊技者がプッシュボタン31Bを特定時間(例えば1秒間以上など)にわたり長押し操作(継続押し操作)することにより実行されるオート連打の操作とのうち、いずれかの操作を実行可能であればよい。連打操作に応じた演出が実行されるときの演出モードとして、自力連打の操作に応じた演出が実行されているときの演出モードは自力連打モードとも称し、オート連打の操作に応じた演出が実行されているときの演出モードはオート連打モードとも称する。
シンプルバトル演出における連打操作の検出有効期間は、予め定められた期間(例えば10秒間など)に設定されている。オート連打は、プッシュボタン31Bを特定時間(例えば1.0秒間など)にわたり長押し操作したことに基づいて、オート連打の機能による操作の検出が開始される。その後、長押し操作の継続期間として0.5秒間といった期間が経過するごとに検出回数を1増加させるように更新し、あたかもプッシュボタン31Bが連打操作された場合のような検出結果に応じた演出が実行可能になる。オート連打の検出有効期間としては、特定期間(例えば4.5秒間など)が設定されている。
シンプルバトル演出が実行される演出期間においては、オート連打が開始可能な期間と、オート連打が開始不可能な期間とが設けられている。オート連打開始可能期間においては、例えば図33(B)に示すような「連打!!長押しでオート連打」というメッセージ画像を表示して、オート連打開始可能期間であることを報知する。オート連打開始不可能期間においては、例えば図33(C)に示すような「連打!!自力連打」というメッセージ画像を表示して、オート連打開始不可能期間であることを報知する。
図34は、特定連打演出における自力連打およびオート連打に関する操作演出制御タイミングを示すタイミングチャートである。特定連打演出においては、連打操作の有効期間が、例えばリーチ状態の開始時のような第1タイミングから、可変表示終了直前時のような第2タイミングまでといった、所定期間(例えば10秒間など)に設定されている。自力連打開始可能期間は、連打操作の有効期間の全期間に対応して設定されている。オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から予め定められた期間(例えば0.5秒間)経過時から開始され、特定期間(例えば連打操作の有効期間における前半期間)経過時までの期間が設定されている。オート連打開始可能期間としては、連打操作の有効期間中における期間開始時から開始されてもよい。オート連打開始不可能期間としては、連打操作の有効期間中におけるオート連打開始可能期間の経過後の期間が設定されている。
自力連打開始可能期間中においては、自力連打の実行に応じたライフ表示領域99への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合以下の度合に制御される自力連打低作用設定期間と、自力連打の実行に応じたライフ表示領域99への作用演出の作用態様(ライフ減少態様)の度合が所定度合よりも高い度合に制御される自力連打高作用設定期間とが含まれている。これにより、同じ自力連打開始可能期間中でも、自力連打低作用設定期間と、自力連打高作用設定期間とで、自力連打に対応して実行される作用演出の作用態様(作用度合)が異なる。このように、自力連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間に応じて、作用演出の作用態様が異なるように設定されている。
自力連打開始可能期間と連打操作有効期間とが同じであるので、連打操作有効期間中は、基本的にいつでも自力連打操作をすることが可能であり、その自力連打操作に応じて、作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打低作用設定期間には、自力連打に基づいて低作用の作用演出が実行可能である。自力連打開始可能期間中における自力連打高作用設定期間には、自力連打に基づいて高作用の作用演出が実行可能である。
自力連打開始可能期間のうち、前半部を自力連打低作用設定期間とし、後半部を自力連打高作用設定期間とすることにより、自力連打に応じた作用演出が可変表示結果の導出タイミングに対応するように、演出を連携させることができる。例えば自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打低作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打に応じて、自力連打低作用設定によるゆっくりとした作用演出が進行し、その後、期間経過により自力連打高作用設定期間となったときは、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、可変表示結果の導出前のタイミングで、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを可変表示結果に応じた値にする演出が行われる。可変表示結果が「大当り」の場合には、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを導出前に「0」にし、可変表示結果が「ハズレ」の場合には、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを導出直前に「1」以上の特定のレベルにする演出が行われる。
例えば自力連打開始可能期間中において、自力連打の開始タイミングが自力連打高作用設定期間中のタイミングであるときは、自力連打高作用設定により、自力連打開始当初から、自力連打に応じて、早急な作用演出が進行し、可変表示結果の導出前のタイミングで、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを可変表示結果に応じた値にする演出を実行可能とされている。
連打操作有効期間中におけるオート連打開始可能期間中では、オート連打の実行に応じたライフ表示領域99への作用演出の作用態様(ライフ減少)の度合が、一定の度合に制御される。これにより、オート連打開始可能期間は、操作有効期間の残期間によらず、作用演出の作用態様が一定となるように設定されている。
オート連打開始可能期間では、プッシュボタン31Bを予め定められた時間(例えば1秒間)以上にわたり長押し操作する動作の検出に基づいて、連打操作が実行されたとみなしてオート連打が開始可能である。その後、オート連打操作に応じて、作用演出が実行可能になる。連打操作有効期間中におけるオート連打開始不可能期間には、プッシュボタン31Bを予め定められた時間(例えば1秒間)以上にわたり長押し操作する動作が検出されても、連打操作が実行されたとみなさず、オート連打が開始不可能である。オート連打開始可能期間中においては、オート連打に基づいて、自力連打開始可能期間中とは異なり、一定の作用態様での作用演出が実行可能である。オート連打開始可能期間に開始されたオート連打に応じて、オート連打作用設定による一定の作用演出が進行し、可変表示結果の導出前のタイミングで、ライフ表示領域99のライフ表示のレベルを可変表示結果に応じた値にする演出を実行可能とされている。
オート連打開始可能期間は、自力連打低作用設定期間と同一期間に設定されてもよい。オート連打開始不可能期間は、自力連打高作用設定期間と同一期間に設定されてもよい。図34に示すように、オート連打開始可能期間を自力連打低作用設定期間とは異なる期間に設定する場合には、例えば期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。オート連打開始不可能期間を自力連打高作用設定期間とは異なる期間に設定する場合には、例えば期間の始まりと期間の終りとのうち少なくとも一方が異なる期間に設定されてもよい。
図35は、特定連打演出の作用設定テーブルの構成例を示している。特定連打演出の作用設定テーブルは、例えばディスプレイリストとして、ROM132に記憶されていればよい。自力連打低作用設定期間内の自力連打の実行に応じた作用演出、自力連打高作用設定期間内の自力連打の実行に応じた作用演出、または、オート連打開始可能期間内のオート連打の実行に応じた作用演出が実行されるときに、CPU131により参照され、設定データを用いた作用演出が実行される。
図35に示す作用設定テーブルでは、自力連打低作用設定期間内の自力連打の実行時に、自力連打における1打(1自力打)に対応する動作の検出ごとにライフ表示領域99において5レベル分のライフ表示を減少させる作用演出態様が設定される。自力連打高作用設定期間内の自力連打の実行時には、自力連打における1打(1自力打)に対応する動作の検出ごとにライフ表示領域99において20レベル分のライフ表示を減少させる作用演出態様が設定される。オート連打開始可能期間内のオート連打の実行時には、長押し操作に基づくオート連打における1打(1オート打)に対応する動作の検出ごとにライフ表示領域99において10レベル分のライフ表示を減少させる作用演出態様が設定される。このように、特定連打演出においては、自力連打の実行に応じた作用演出をする第1作用演出と、オート連打の実行に応じた作用演出をする第2作用演出とが含まれる。
自力連打については、2つの設定期間のうち、プッシュボタン31Bが操作されたときにおける連打操作有効期間の残り時間が短い自力連打高作用設定期間は、プッシュボタン31Bが操作されたときにおける連打操作有効期間の残り時間が長い自力連打低作用設定期間中と比べて、作用演出での作用規模、すなわち、ライフ表示の減少量が大きくなるように設定されている。連打操作有効期間の残り期間に応じて、作用演出の作用態様が異なることにより、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、連打操作有効期間の残り期間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなることにより、残り期間が少なくても連打操作演出の面白みを担保することが可能となるので、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
オート連打の実行時は、作用演出の作用度合が、自力連打の実行時とは異なる。これにより、連打操作演出のバリエーションが豊富化されて演出の面白みが増し、遊技の興趣を向上させることができる。また、オート連打の実行時には、作用演出の作用度合が一定であり、作用演出の作用度合が相違する自力連打低作用設定期間と自力連打高作用設定期間とを含む自力連打の実行時と比べて、作用演出の作用態様が異なる。これにより、連打操作演出のバリエーションが豊富化されて、より一層、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
自力連打高作用設定期間内の自力連打の実行時には、連打に応じた作用演出の作用度合が、自力連打低作用設定期間内の自力連打の実行時と比べて高くなる。したがって、自力連打を開始したタイミングが遅くなっても、例えば可変表示結果が「大当り」の場合にはライフ表示領域99のレベルを導出前に「0」にし、可変表示結果が「ハズレ」の場合にはライフ表示領域99のレベルを導出直前に「1」以上の特定のレベルにするなど、可変表示結果を導出する前のタイミングまでに、自力連打による作用演出の進行を間に合わせることができる。
オート連打は、オート連打開始可能期間の経過後、オート連打開始不可能期間において、連打操作が開始されても実行されない。これに対し、連打操作有効期間の全期間にわたり自力連打が実行可能である。また、オート連打開始不可能期間においては、自力連打高作用設定により作用演出の作用規模が大きくなる。したがって、遊技者がオート連打を開始させ損ねてオート連打開始可能期間が経過したときであっても、その後に遊技者が自力連打をすれば、高作用設定演出により面白みがある演出を遊技者に提供することができる。
図36は、連打演出処理の一例を示すフローチャートである。連打演出処理は、例えば図9に示す可変表示中演出処理のステップS223にて読み出した制御データに基づいて実行すればよい。図36に示す連打演出処理では、特定連打演出における連打演出有効期間中であるか否かを判定する(ステップSA1)。ステップSA1では、例えば特定の変動パターンによる可変表示中に予め定められた演出実行タイミングに達した以降の所定期間にて、連打演出有効期間中であると判定すればよい。連打演出有効期間中ではない場合には(ステップSA1;N)、連打演出処理を終了する。
ステップSA1にて連打演出有効期間中である場合には(ステップSA1;Y)、オート連打モード演出の実行中であるか否かを判定する(ステップSA2)。ステップSA2では、オート連打モードフラグがセットされている場合に、オート連打モード演出の実行中であると判定すればよい。オート連打モードフラグは、オート連打実行条件が成立したときにセットされてオンとなる。ステップSA2にてオート連打モード演出中ではないと判定されたときは(ステップSA2;N)、プッシュセンサ35Bからの検出信号の入力の有無に基づいて、プッシュボタン31Bを押下操作する動作が検出されたか否かを判定する(ステップSA3)。操作の検出がない場合には(ステップSA3;N)、連打演出処理を終了する。操作の検出がある場合には(ステップSA3;Y)、プッシュボタン31Bを長押し操作する動作が検出されたか否かを判定する(ステップSA4)。例えばCPU131は、タイマ割込み処理が実行されるごとに、プッシュセンサ35Bからの入力があれば長押しカウンタの値を1加算するように増加する一方、プッシュセンサ35Bからの入力がなければ長押しカウンタをクリアして値を「0」にする。そして、長押しカウンタの値が長押し判定値に達したときに、長押し操作の検出があったと判定すればよい。
ステップSA4にて長押し操作の検出があると判定されたときは(ステップSA4;Y)、オート連打判定中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSA5)。オート連打判定中フラグは、オート連打の実行条件を満たす長押し操作(例えば1秒間以上の長押し操作)がされたか否かを判定中であるときにセットされてオンとなる。ステップSA5にてオート連打判定中フラグがセットされていないときは(ステップSA5;N)、オート連打開始可能期間の終了前(オート連打開始可能期間の開始前における連打操作有効期間も含む)であるか否かを判定する(ステップSA6)。ステップSA6では、演出制御プロセスタイマの値や特定連打演出の演出制御パターンなどから、オート連打開始可能期間の終了前であるか否かを判定すればよい。ステップSA6にてオート連打開始可能期間の終了前である場合には(ステップSA6;Y)、オート連打判定中フラグをセットして(ステップSA7)、連打演出処理を終了する。オート連打開始可能期間の終了前ではない場合には(ステップSA6;N)、ステップSA7に進むことなく連打演出処理を終了する。
ステップSA5にてオート連打判定中フラグがセットされている場合には(ステップSA5;Y)、オート連打開始可能期間の終了後であるか否かを判定する(ステップSA8)。オート連打開始可能期間の終了後である場合には(ステップSA8;Y)、オート連打判定中フラグをリセットして(ステップSA9)、連打演出処理を終了する。このように、長押し操作がオート連打の実行条件を満たすか否かの判定は、オート連打開始可能期間の終了タイミングを跨ぐ場合に、長押し操作がされてもオート連打の実行条件を満たさないと判定して、オート連打が実行されない。長押し操作の期間が1秒間以上となるタイミングがオート連打開始可能期間の終了タイミングを超過する場合には、長押し操作がされてもオート連打は実行されない。なお、オート連打開始可能期間の終了前に長押し操作が開始された場合には、オート連打開始可能期間が終了した後でも、その長押し操作が終了するまでは、オート連打の実行条件を満たすか否かの判定が行われるようにしてもよい。このように、オート連打開始可能期間にて開始された長押し操作については、オート連打開始可能期間の終了後であっても、オート連打の実行条件を満たすことが可能であり、オート連打を実行可能であってもよい。
ステップSA8にてオート連打開始可能期間の終了後ではない場合には(ステップSA8;N)、オート連打の実行条件が成立したか否かを判定する(ステップSA10)。ステップSA10では、1秒間以上の長押し操作がされている場合に、オート連打の実行条件が成立したと判定する。オート連打の実行条件が成立していない場合には(ステップSA10;N)、連打演出処理を終了する。オート連打の実行条件が成立した場合には(ステップSA10;Y)、オート連打判定中フラグをリセットする(ステップSA11)。このときには、オート連打の作用演出態様設定を選択して、オート連打モードでの演出を開始させてから(ステップSA12)、連打演出処理を終了する。これにより、一定の作用演出が行われるオート連打演出が実行される。ステップSA12では、オート連打モードフラグをセットしてオンとすればよい。
ステップSA2にてオート連打モード演出中であると判定された場合には(ステップSA2;Y)、プッシュボタン31Bの長押し操作中であるか否かが判定される(ステップSA18)。長押し操作中である場合には(ステップSA18;Y)、実行中のオート連打モードでの演出を実行(実行継続)させて(ステップSA19)、連打演出処理を終了する。ステップSA18にて長押し操作中ではない場合には(ステップSA18;N)、実行中のオート連打モードでの演出を終了させて(ステップSA20)、連打演出処理を終了する。ステップSA20では、オート連打モードフラグをリセットしてオフとすればよい。
ステップSA4にて長押し操作の検出がないと判定された場合には(ステップSA4;N)、オート連打判定中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSA13)。オート連打判定中フラグがセットされているときは(ステップSA13;Y)、オート連打判定中フラグをリセットする(ステップSA14)。ステップSA13にてオート連打中フラグがセットされていない場合や(ステップSA13;N)、ステップSA14にてオート連打判定中フラグをリセットした後には、自力連打低作用設定期間中であるか否かを判定する(ステップSA15)。自力連打低作用設定期間中であると判定されたときは(ステップSA15;Y)、自力連打低作用演出の態様設定を選択して、自力連打モードでの1打に対応する演出を実行し(ステップSA16)、連打演出処理を終了する。自力連打低作用設定期間中ではないと判定された場合には(ステップSA15;N)、自力連打高作用設定期間中であることに対応して、自力連打高作用演出の態様設定を選択して、自力連打モードでの1打に対応する演出を実行し(ステップSA17)、連打演出処理を終了する。
このような連打演出処理では、ステップSA6にてオート連打開始可能期間の終了前と判定された場合に、ステップSA7にてオート連打判定中フラグをセットするので、その後にステップSA8にてオート連打開始可能期間の終了後と判定されるまで、ステップSA10〜SA12による判定や設定が可能になる。そして、ステップSA10にてオート連打の実行条件が成立すれば、ステップSA12にてオート連打モードでの演出を開始できるので、プッシュボタン31Bを長押し操作する動作の検出に基づいて連打操作が実行されたとみなす。これに対し、ステップSA6にてオート連打開始可能期間の終了前ではないと判定された場合には、ステップSA7によりオート連打判定中フラグがセットされないので、プッシュボタン31Bを長押し操作する動作が検出されても連打操作が実行されたとみなさない。こうして、操作有効期間においてオート連打開始可能期間が経過したか否かに基づいて、連打操作が実行されたとみなす場合と、みなさない場合とを設けることにより、演出の面白みを向上させて、遊技の興趣を向上させることができる。
自力連打の実行に応じた作用演出として、図33(C)に示すようなオート連打開始不可能期間における報知などを行う演出が設けられている。オート連打の実行に応じた作用演出として、図33(B)に示すようなオート連打開始可能期間における報知などを行う演出が設けられている。また、図35に示すような特定連打演出の作用設定テーブルを用いることにより、自力連打の場合とオート連打の場合とでは、作用演出における演出態様が異なるので、多様な演出を実行可能にして遊技の興趣を向上させることができる。
図35に示すような特定連打演出の作用設定テーブルを用いることにより、連打操作有効期間の残り時間に応じて、自力連打の実行に応じた作用演出における演出態様が異なるので、多様な演出を実行可能にして遊技の興趣を向上させることができる。
図35に示すような特定連打演出の作用設定テーブルを用いることにより、連打操作有効期間の残り時間が短いときには自力連打高作用設定になり、自力連打低作用設定よりもライフ表示のレベルの減少量が大きくなるので、残り時間が少なくなるにしたがって作用演出の作用規模が大きくなり、多様な演出を適切に実行可能として遊技の興趣を向上させることができる。
図35に示すような特定連打演出の作用設定テーブルを用いることにより、オート連打の実行時には、ライフ表示のレベルの減少量が一定になるので、残り時間にかかわらず作用演出の作用態様が一定になり、自力連打の場合とは異なる演出態様による作用演出を実行可能とし、多様な演出を適切に実行して遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、遊技制御を行うための遊技制御用マイクロコンピュータを含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成や各種の動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技機において実行される遊技は、任意の遊技であればよく、少なくとも遊技者にとって有利な有利状態に制御可能なものであってもよいし、遊技者にとって有利な遊技価値を付与可能なものであってもよい。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1などの遊技機では、図11に示す制御中演出データ転送処理のステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われることにより、不適切なCPU131のリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図10に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS252にてメモリ検査のインターバルが経過したと判定されたことに基づいて、ステップS257での制御によりメモリ検査を実行し、データ移転条件が成立すれば不良エリアの記憶データを代替エリアに移転する代替処理を実行できるので、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図20に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、始動入賞報知SH1を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図23に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、リーチ後演出AR1を実行できるので、遊技者による動作の検出に関する演出を、適切に実行できる。
図23に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、リーチ後演出AR1を実行できるので、演出用可動部材32A、32Bに関する演出を、適切に実行できる。
図27に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、エラー報知EH1を実行できるので、異常の発生の報知に関する演出を、適切に実行できる。
図30に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、予告演出YA1を実行できるので、予告に関する演出を、適切に実行できる。
図13に示すように、演出データメモリ123の記憶領域は、通常使用領域となるデータ領域と、代替使用領域となる冗長領域とを含んでいるので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図12に示すメモリ検査処理のステップS455では、データ領域の不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、冗長領域の代替エリアとなる代替エリアに移転する制御を行うので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図11に示す制御中演出データ転送処理のステップS271では、演出データメモリ123に記憶された演出データを読出中であるか否かを判定するので、不具合の発生を防止できる。
図14(A)に示すように、動画像データは、表示制御に関する映像データと、演出音の出力制御に関する音声データとが、一連のデータとして多重化して構成され、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行できるので、適切に演出を実行できる。
図20、図23、図27および図30に示す制御例では、揺れ表示期間といった、可変表示の表示結果が導出される前の期間にて、遅延した動画像の再生表示などの制御を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図11に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合に、ステップS281での設定によるウォッチドッグタイマ134のクリアを制限するので、不具合の発生を防止できる。
図36に示す連打演出処理では、ステップSA6にてオート連打開始可能期間の終了前と判定されるか否かに応じて、プッシュボタン31Bを長押し操作する動作の検出に基づいて連打操作が実行されたとみなす場合と、プッシュボタン31Bを長押し操作する動作の検出に基づいて連打操作が実行されたとみなさない場合とがある。これにより、演出の面白みを向上させて、遊技の興趣を向上させることができる。
1 … パチンコ遊技機
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
32A、32B … 演出用可動部材
33A、33B … 可動部材駆動モータ
35A … コントローラセンサユニット
35B … プッシュセンサ
90 … 演出用点灯役物
122 … メモリコントローラ
123 … 演出データメモリ
131 … CPU
132 … ROM
133 … RAM
134 … ウォッチドッグタイマ
135 … VDP
136 … 音声処理回路
137 … ランプ制御回路
138 … モータ制御回路
141 … 命令デコーダ
142 … デマルチプレクサ
143 … 映像デコーダ
144 … VRAM
145 … 表示駆動回路
151 … 音声デコーダ

Claims (2)

  1. 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段と、
    前記記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段と、
    前記表示手段とは異なる演出手段を用いた補助演出を実行可能な補助演出手段とを備え、
    前記補助演出手段は、
    前記表示手段の表示に関する表示補助演出と、該表示補助演出とは異なる予告に関する予告補助演出とを実行可能であり、
    前記記憶手段に関する所定事象が発生した場合には、前記表示手段の表示が停止する停止期間に応じて前記表示補助演出を遅延して実行可能であり、
    前記所定事象が発生しなかった場合には、前記表示補助演出を遅延せずに実行可能であり、
    前記停止期間においても前記予告補助演出を実行可能であり、
    前記予告補助演出として、遊技者にとって有利な有利状態に制御されることを発光手段の発光により予告する演出を、前記停止期間においても遅延せずに実行可能であり、
    前記記憶手段は、通常使用領域と、代替使用領域とを含み、
    前記所定事象として、データエラーの発生に基づいて前記記憶手段の通常使用領域に記憶されたデータを前記記憶手段の代替使用領域に記憶させる処理を実行する、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 識別情報の可変表示を実行する可変表示手段を備え、
    前記可変表示手段は、前記所定事象が発生しなかった場合に可変表示の表示結果を表示可能としてから所定期間の経過後に識別情報を確定停止態様で表示し、
    可変表示時間が短い場合よりも長い場合の方が、前記所定期間が長くなるように設定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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