JP6659741B2 - ポリペプチド並びにポリヌクレオチド、並びに薬剤および生物製剤生産のための薬剤標的としてのその利用 - Google Patents

ポリペプチド並びにポリヌクレオチド、並びに薬剤および生物製剤生産のための薬剤標的としてのその利用 Download PDF

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Description

(関連出願)
本発明の請求項は、いずれも2007年9月4日に出願された、米国仮出願第60/969,865号、第60/969,799号、第60/969,780号、60/969,806号、第60/969,769号、および第60/969,788号に基づく優先権を享受するものであり、該仮出願は、参照によりその全体が取り込まれる。
(技術分野)
本発明は、特定の組織に特異的に発現する特定のタンパク質、並びに治療および診断標的としてのその利用に関する。より具体的に、本発明は、特定の癌で特異的に発現し、それ故に免疫療法、癌治療および薬剤開発に適している、VSIG1タンパク質およびその変異体、FXYD3およびその変異体、ILDR1およびその変異体、LOC253012およびその変異体、AI216611およびその変異体、並びにC1ORF32およびその変異体に関する。さらに、本発明は、VSIG1タンパク質およびその変異体、FXYD3およびその変異体、ILDR1およびその変異体、LOC253012およびその変異体、AI216611およびその変異体、並びにC1ORF32およびその変異体の、免疫療法、癌治療および薬剤開発に適している細胞外領域の発明に関する。
また、本発明のいくつかのタンパク質は、そのB7−様構造から、免疫共刺激に関与していると思われるため、本発明は、免疫調節因子としての、並びに免疫治療、特に癌および自己免疫疾患などの免疫関連疾患を治療するための、これらのタンパク質の利用またはこれらのタンパク質を(作動剤および拮抗剤的に)調節する薬剤に、さらに関する。さらにより具体的に、本発明は、予防および治療抗体並びに、本発明のタンパク質若しくはその可溶性または分泌部分、特に細胞外領域に、特異的に結合する同抗体および抗体断片を用いる治療法および診断法に関する。
腫瘍抗原は、バイオマーカーおよび薬剤標的として理想的に位置し、単独療法または従来の癌療法と合せて用いられる、能動および受動免疫療法剤の新しいストラテジーの開発において重要な役割を果たしている。腫瘍抗原は、腫瘍細胞にのみ発現し、正常組織には発現していない腫瘍特異抗原(TSA)または、腫瘍細胞に過剰に発現し正常組織でも低いレベルで発現している腫瘍関連抗原(TAA)のいずれかに分類される。
TAAおよびTSAは、免疫寛容を破り、免疫系を刺激するストラテジーを用いる受動(抗体)療法および能動免疫療法の標的として有効であることが証明されている。これらの療法のアプローチによって標的とされる抗原エピトープは、非腫瘍細胞と比べて腫瘍細胞において過剰に発現され、機能活性を妨げ、細胞増殖を阻害し、細胞死を誘発する抗体によって標的にされる。
モノクローナル抗体が試験されてきた腫瘍関連抗原、または癌治療として使用されている腫瘍関連抗原の数が増加してきている。ヒト悪性腫瘍に発現する新しい腫瘍抗原の特定とその分子的特性の解析は、腫瘍免疫学の分野で盛んに行われている。免疫療法の標的候補として腫瘍関連抗原を特定するために、ゲノミクスやプロテオミクスに基づいたハイスループットのバイオインフォマティクスのアプローチなどの、いくつかのアプローチがとられてきた。新規のTAAまたはTSAを特定することによって、免疫認識の標的対象となる腫瘍抗原の範囲が広がり、非改変または複合のモノクローナル抗体などの、受動的免
疫療法の治療剤開発のための新しい標的分子が提供される。また、そのような新しい抗原は、能動または養子免疫療法のより効果的な治療ワクチンへの方向性を示し得る。
癌ワクチンは、腫瘍抗原の投与を伴い、並びに、免疫寛容を破り、腫瘍に対する活性化T細胞応答を誘発する。ワクチン療法は、裸のDNA、ペプチド、組み換えタンパク質および患者自身の腫瘍細胞が、ワクチンの供給源として用いられる全細胞療法を含む。特異的な腫瘍抗原を特定することで、樹枝状細胞に関連タンパク質またはペプチドに取り込ませる、若しくはベクターDNAまたはRNAをトランスフェクションして、ワクチンをより頻繁に、樹枝状細胞療法によって実施する。
癌の治療に対する抗TAA抗体の主な用途は、裸の抗体を用いた療法、薬剤抱合抗体を用いた療法、細胞性免疫との融合療法である。その発見以来、抗体は、薬剤、毒素、放射性同位体など毒性のある剤を、標的としない正常組織に影響を及ぼすことなく、罹患部位に特異的に運ぶと思われる「特効薬(magic bullets)」として想定されていた。実際、抗体および特に抗体断片は、放射性同位体、薬剤および毒素などの細胞毒性物質の担体として機能することができる。そのような免疫抱合体を用いる免疫療法は、裸の抗体を用いる療法より効果的である。
裸の抗体(リツキサン(Rituxan)およびキャンパス(Campath)など)並びに抱合抗体(ベキサール(Bexxar)およびゼヴァリン(Zevalin)など)の血液悪性腫瘍での非常に大きな成功とは対照的に、固形腫瘍の免疫療法ではわずかな成功が達成されたのみであった。免疫療法の固形腫瘍への成功利用における主な制限のひとつは、完全な免疫グロブリンの大きな分子サイズであり、その大きさのため、血中半減期は長いが、腫瘍への浸透および取り込みは乏しい。実際、投与した抗体の、非常に少量(わずか0.01%)のみが、腫瘍に達する。そのサイズに加え、固形腫瘍の細胞表面に発現する標的抗原に達する前に、抗体は、他の障害物と遭遇する。障害としては、大きな腫瘍における不十分な血流、血管内皮の透過性、腫瘍間質の間質液圧の上昇、および異種の抗体発現が挙げられる。
抗体工学の出現にともない、向上した腫瘍浸透を示す低分子量抗体断片が、作成されてきた。そのような抗体断片は、細胞毒性分子に抱合されていることが多く、それら抗体を癌細胞に選択的に運ぶように設計されている。しかし、免疫抱合抗体断片をもってしても、固体腫瘍は、依然として大変な難題である。
最適化のストラテジーの新しい波は、固形腫瘍による障害を調節する生体改変因子の利用を含む。つまり、抗体または抱合抗体断片と組み合わせて、様々な作用因子が、腫瘍血流を改善し、血管浸透性を向上し、間質細胞および細胞外基質成分を調節して、腫瘍間質液圧を下げ、標的抗原の発現を増加し、治療剤の浸透および保持を向上するために、使用されている。
抗体を用いる免疫療法は、化学療法などの標準的な療法との組み合わせ、および多岐にわたる生体作用因子との組み合わせの絶好の機会を表し、相乗効果を生みだす。実際、抱合されないmAbは、他の抗体を含めた他の治療剤と組み合わせて使用した場合、より効果的である。
免疫療法に対する免疫系応答の他の構成要素は、細胞性応答、特に、T細胞応答および細胞傷害性T細胞(CTL)の活性化である。腫瘍退縮を媒介するにあたっての免疫系の効率は、生理的免疫監視、ワクチンによる感作またはにT細胞の養子免疫伝達を通した抗体−特異的T細胞応答の誘発に依存する。多様な腫瘍関連抗原が特定され、免疫療法の方法が試されてきているが、客観的臨床応答は稀である。この理由としては、効果的なT細
胞応答を生む現在の免疫療法のアプローチ、T細胞応答を妨げる制御細胞の存在、負の共刺激分子の発現を通した細胞傷害性T細胞の不活性化などの腫瘍が進行する他の回避機構が挙げられる。癌に対する効果的な免疫療法は、適当な腫瘍特異抗原の使用、抗原性ペプチド、APCおよびT細胞の間の相互作用の最適化、および免疫療法の効果を損なう負の制御機構の同時遮断が必要であろう。
T細胞活性化は、防御免疫応答および病原性免疫応答を進めるにあたり中心的な役割を果たし、多くの重要な事象によって先制または中断され得る、注意深く編成された一連の特異的な段階の完了を必要とする。未感作T細胞は、生産的に活性化されるために、抗原提示細胞(APC)から2つの独立したシグナルを受けなければならない。まず、シグナル1は、抗原特異的で、T細胞抗原受容体がAPC上の適当な抗原−MHC複合体と出会う際に生じる。第2の抗原と独立したシグナル(シグナル2)は、APCに発現したリガンドとかかわるT細胞共刺激分子を通して伝わる。共刺激シグナルが無ければ、T細胞活性化は、弱められ中断される。これによって、(T細胞アネルギーとして知られる)抗原特異的非応答またはT細胞アポトーシス死となる。
共刺激シグナルは、刺激性(正の共刺激)または阻害的(負の共刺激または共阻害)であり得る。正の共刺激は、未感作T細胞の最適な活性化のために必要であり、負の共刺激は、自身に対する免疫寛容の獲得、エフェクターT細胞機能の停止に必要である。また、共刺激シグナル、特に正の共刺激シグナルは、B細胞の活動の調節に関与している。例えば、B細胞の活性化および胚中心B細胞の生き残りは、抗原による刺激に加えT細胞由来のシグナルを必要とする。
正および負の共刺激シグナルはともに、細胞性免疫応答の制御において重要な役割を果たし、これらのシグナルを媒介する分子は、免疫調節のための効果的な標的であることが証明されている。この知見に基づいて、共刺激分子を標的とするいくつかの治療アプローチが開発されてきており、癌および自己免疫疾患の予防および治療、並びに同種移植の拒絶に有用であることが示された。それは、それぞれ、これら病態をもつ対象における免疫応答の作動すること、または停止を阻止することによる。
通常、共刺激分子対は、APC上に発現するリガンドとT細胞に発現するその同族受容体からなる。良く特徴付けられたB7/CD28およびCD40/CD40L共刺激分子は、初期T細胞活性化において重要である。近年、さらにいくつかの共刺激分子が特定され、それらは、B7/CD28またはTNF/TNF−R遺伝子ファミリーに属する。共刺激TNFRファミリーメンバーの効果は、しばしば、機能的に、時間的に、空間的に、CD28ファミリーメンバーの効果およびファミリー内のメンバーの効果と互いに分けて考えら得る。異なる共刺激因子による、T細胞活性化/生存シグナルの順次的および一時的制御は、T細胞生存を厳格にコントロールしつつ、その応答の長い持続を可能にするように機能し得る。
B7ファミリーは、免疫応答を制御するリンパ球上の受容体と結合する、構造的に関連した、細胞表面タンパク質リガンドからなる。B7−ファミリーメンバーとその対応する共刺激受容体、通常、CD28−関連ファミリーとの相互作用は、免疫応答を増強し、一方、CTLA4などの共阻害受容体との相互作用は、免疫応答を減衰する。B7ファミリーのメンバーは、構造的に関連し、20〜40%のアミノ酸同一性をもち、可変および定常免疫グロブリン領域に関連したタンデム領域を含む細胞外領域を有する。
現在、7つのファミリーメンバーが知られている。B7.1(CD80)、B7.2(CD86)、B7−H1(PD−Ll)、B7−H2(ICOS−L)、B7−DC(PD−L2)、B7−H3、およびB7−H4であり、それぞれ、独自の機能をもつが、多
くは重複する機能をもつ。明らかに、免疫系において個々のB7分子は、不可欠な独自の特定分野を発達してきた。B7ファミリーメンバーの特有の特定分野が、細かく調べられるにつれて、その診断および治療の可能性は、より明らかになってきている。B7スーパーファミリーメンバーの多くは、最初は、T細胞共刺激分子として特徴付けられた。しかし、最近になって、それらは、またT細胞応答を共阻害し得ることが明らかになった。つまり、B7ファミリーメンバーは、免疫応答において反対の効果をもち得る。
免疫系の正常な機能の中心となるのは、自己とそれ以外非自己とを区別する能力である。それをし損なうことは、自己免疫疾患の発症を招き得る。たいていの自己免疫疾患は、自己反応性T細胞および/または自己抗体を伴う。従って、自己反応性リンパ球を阻害または除去する能力を有する薬剤は、有望な治療可能性がある。そのうえ、そのような免疫抑制活性を呈する薬剤の使用は、移植を受けた患者におけるアロ抗原に対する通常の免疫応答を阻害するためにも有益であるはずである。つまり、病原体に対して防御する免疫系の能力を損なうことなしに、共刺激シグナルを調節することができる新しい薬剤は、そのような病態の治療および予防に非常に有利である。
自己およびアロ抗原への免疫応答を制御におけるB7ファミリーメンバーの重要性は、B7−ファミリー遺伝子に突然変異をもつマウスにおける免疫不全および自己免疫疾患の発現によって示された。従って、B7リガンドによって伝わるシグナルを操作することは、自己免疫、炎症性疾患および移植拒絶反応の治療における可能性を示してきた。このアプローチは、少なくとも部分的に、自己またはアロ反応性T細胞の最終的な除去に依り、それはおそらく、(細胞生存遺伝子を誘発する)共刺激なしには、T細胞はアポプトーシスの誘発を極めて受けやすくなるからである。
慢性疾患を治療するために免疫系を抑えることは、免疫療法の主要な目標である。能動および受動免疫療法が、効果的な治療戦略として、有能であることが示されてきた。モノクローナル抗体または受容体Fc−融合タンパク質を用いる受動免疫療法は、十分に発達し、臨床での大きな成功を示してきた。そのような治療剤の認可数は伸びてきており、同種移植拒絶反応の防止または自己免疫疾患および癌の治療に対して、臨床試験中である。能動免疫療法(すなわち、ワクチン)は、通常、急性の自己限定的感染症を引き起こし、続いて免疫をもたらす病原体に対して効果的で、人類を苦しめる感染症を予防する取り組みの最前線にある。しかし、能動免疫療法は、癌または慢性感染症に対して効果は少ない。これらは、正常な免疫応答を回避するストラテジーを発達させるからである。これらにはいるのが、B7−H1およびB7−H4などのB7ファミリーの負の共刺激因子であり、それらはある種の腫瘍に多く発現し、免疫細胞が媒介する攻撃からの局地的な防御を可能にする。
腫瘍退縮を媒介することにおける免疫系の効率は、生理的免疫学的監視、ワクチンによる感作を通しての、またはT細胞の養子移植に続いての、抗原特異的T細胞応答の誘発に依る。多種の腫瘍関連抗原が特定され、多くの免疫療法の方法がテストされてきているが、客観的な臨床における応答は、稀である。この理由としては、現在の免疫療法アプローチは、効率的なT細胞応答を生むことができないこと、T細胞応答を阻害する制御細胞が存在すること、負の共刺激分子の発現を通した細胞傷害性T細胞の不活性化などの、腫瘍が進行する他の回避機構が挙げられる。癌に対する効果的な免疫療法は、適当な腫瘍特異的抗原の使用、抗原ペプチド、APCおよびT細胞の間の相互作用の最適化、並びに免疫治療効果を妨げる負の制御機構の同時遮断を要すると思われる。
B7ファミリーの共刺激因子は、抗腫瘍免疫応答の活性化および阻害において重要な役割を担っている。これら分子を標的にした新規の薬剤は、免疫応答の調節および癌免疫療法の改善において重要な用途を見出され得るであろう。そのような薬剤は、患者において
抗原に対する免疫応答を高める役割をするアジュバントとして、腫瘍特異的抗原と共に投与され得であろう。さらに、そのような薬剤は、腫瘍特異的T細胞集団が拡大し、腫瘍細胞を攻撃し破壊するように導く、養子免疫療法などの他の種類の癌免疫療法にも有用であり得であろう。そのような抗腫瘍応答を増強できる薬剤は、大きな治療可能性を有し、腫瘍免疫療法の障害を乗り越える取り組みにおいて有益であり得る。
受動腫瘍免疫療法は、免疫系の優れた選択性および溶解能(lytic capability)を利用する。腫瘍特異的な抗原を標的とし、正常組織への損傷を最小限にして、悪性腫瘍疾患を治療する。いくつかのアプローチが、免疫療法の標的の候補としての新しい腫瘍関連抗原の特定に利用されてきた。新規の腫瘍特異的抗原の特定は、免疫認識に利用可能な抗原標的の範囲を広げ、非改良または複合モノクローナル抗体などの、受動免疫療法の治療薬剤の開発のための新規の標的分子をもたらす。そのような新しい抗原は、能動免疫療法または養子免疫療法のためのより効果的な治療ワクチンへの方向性を示し得る。
共刺激遮断の臨床開発は、関節リウマチに対するCTLA4Ig(アバタセプト(abatacept))の認可となって実を結んだ。この可溶性融合タンパク質は、B7/CD28共刺激経路の競合阻害剤として働き、乾癬および多発性硬化症などの他の免疫疾患、並びに移植拒絶反応に対して臨床試験中でもある。そのリガンドB7.1およびB7.2(それぞれ、CD80およびCD86)に対する結合親和性を高めた加工CTLA4Igであるベラタセプト(belatacept)では、腎移植の臨床試験第II相において、有望な結果が得られている。2つの完全ヒト抗CTLA4モノクローナル抗体イピリムマブ(Ipilimumab)およびトレメリムマブ(tremelimumab)は、CTLA4/B7阻害性相互作用を取り消し、転移性黒色腫および他の癌ならびにHIV感染に対する臨床(試験)第III相である。ガリキシマブ(Galiximab)は、CD80を標的とした霊長類化モノクローナル抗体であり、関節リウマチ、乾癬、および非ホジキンリンパ腫に対する第II相にある。
共刺激を遮断するために単独の薬剤を用いるストラテジーが不十分であるとしばしばわかることに注目することは重要である。種々の共刺激分子の多様性を考慮して、これからのストラテジーは、いくつかの選ばれた経路の同時遮断、若しくは免疫関連不全に対する免疫抑制剤または癌に対する細胞毒性薬などの従来の薬剤との併用療法を含み得る。
癌生物学および癌治療の理解、並びに免疫応答に係る分子に関するより良い理解において近年の進歩があるにもかかわらず、癌療法および自己免疫疾患の治療における成功率は、依然として低い。従って、癌および自己免疫不全をともに成功裡に治療することができる新規の治療には、対処されていないニーズがある。
本発明の目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3タンパク質の少なくとも1つ、若しくは本明細書で開示された新規のスプライス変異体の1つを含む新規の治療および診断組成物を提供することである。並びにこれら新規のVSIG1スプライス変異体、具体的に、ILDR1スプライス変異体、LOC253012スプライス変異体、AI216611sスプライス変異体、C1ORF32スプライス変異体、およびFXYD3スプライス変異体、並びにこれらをコードする核酸配列若しくはこれらの断片、特に、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質および/またはスプライス変異体の細胞外領域若しくは分泌形をコードする核酸配列を供給することである。
本発明の別の目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質および/またはスプライス変異体に特異的に結合する薬剤、並びに/若しくは他の部位(othermoieties)の、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質および/またはスプライス変異体への結合を作動または拮抗する薬剤の開発のための新規の標的として、前記タンパク質、スプライス変異体および核酸配列を利用することである。
さらに、本発明の別の目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に関連する生物活性の少なくとも1つを調節(作動または拮抗)する薬剤を提供することである。そのような薬剤として、例えば、抗体、小分子、ペプチド、リボザイム、アンチセンス分子、siRNAが挙げられる。これら分子は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3DNA若しくはその1部またはその変異体によって誘発される活性を直接的に結合または調節し得る、若しくは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3の相方受容体または内在性リガンドへの結合を調節することによってなど、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3に関連する活性、または分子の、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3並びにその一部および変異体への結合を間接的に調節し得る
より具体的な実施形態において、本発明は他の部位(other moieties)の、VSIG1タンパク質への結合を作動または拮抗する、並びに/若しくは少なくとも1つのVSIG1関連生物活性を調節(作動または拮抗)する診断マーカーおよび/または治療剤として利用され得る、公知タンパク質であるV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(配列番号11)(RefSeqaccessionidentifierNP_872413、synonyms:RP5−889N15.1、1700062D20Rik、GPA34、MGC44287、dJ889N15.1)の新規のスプライス変異体、またはそれをコードするポリヌクレオチドを供給する。
1つのより具体的な実施形態によると、新規のスプライス変異体は、AI581519_T10(配列番号9)、AI581519_T11(配列番号10)のいずれか1つに記載の核酸配列またはそれに相同な配列をもつ核酸を含む単離されたポリヌクレオチドである。別の実施形態によると、単離されたポリヌクレオチドは、AI581519_T10(配列番号9)、AI581519_T11(配列番号10)のいずれか1つに少なくとも95%の相同性がある。
さらに別のより具体的な実施形態によると、新規のスプライス変異体は、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)のいずれか1つに記載のアミノ酸配列または、それに相同な配列をもつ単離されたタンパク質またはポリペプチドである。別の実施形態によると、単離されたポリペプチドは、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)のいずれか1つと少なくとも95%の相同性がある。
本発明の別の具体的な目的は、VSIG1タンパク質の可溶性細胞外領域(ECD)およびその断片を含む分子および単離されたポリペプチド、並びに、前記可溶性細胞外領域をコードする核酸配列、並びにその断片および抱合体、並びに(免疫共刺激を促進または阻害する)免疫治療におけるその利用を含む、治療剤としてのその利用を供給することで
ある。
より具体的な実施形態では、本発明は、配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基26−293に相当する細胞外領域の異なる部分、若しくはそれに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくはそれに95、96、97、98または99%の配列同一性をもつその変異体を含むVSIG1タンパク質の別の部分を供給する。
別のより具体的な実施形態によると、本発明は、他の部位(other moieties)の、ILDR1タンパク質への結合を作動または拮抗する、並びに/若しくは少なくとも1つのILDR1関連生体活性を調節する(作動または拮抗する)診断マーカーおよび/または治療剤として利用されることができる、公知のタンパク質である免疫グロブリン様領域含有受容体1(配列番号21)(RefSeqaccessionidentifierNP_787120、ILDR1alpha、ILDR1beta、ILDR1としても知られている)の新規のスプライス変異体、またはそれをコードするポリヌクレオチドを供給する。
1つの具体的な実施形態では、新規のスプライス変異体は、AA424839_1_T7(配列番号20)に記載の核酸配列またはそれに相同な配列をもつ核酸を含む単離されたポリヌクレオチドである。別の実施形態によると、単離されたポリヌクレオチドは、AA424839_1_T7(配列番号20)に少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
さらに別の具体的な実施形態によると、新規のスプライス変異体は、AA424839_1_P11(配列番号24)に記載のアミノ酸配列若しくはそれに相同な、すなわちそれと少なくとも80または90%の配列同一性をもつ配列をもつ単離されたタンパク質またはポリペプチドである。別の関連した実施形態によると、単離されたポリペプチドは、は、AA424839_1_P11(配列番号24)に少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
本発明の別の実施形態は、ILDR1タンパク質の可溶性細胞外領域(ECD)およびその断片を含む分子および単離されたポリペプチド、並びに前記可溶性細胞外領域をコードする核酸配列、並びにその断片および抱合体並びに、(免疫共刺激を促進または阻害する)免疫治療におけるその利用を含む、治療剤としてのその利用を供給することである。
さらなる実施形態によると、本発明は、配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AA424839_P3(配列番号22)およびAA424839_P5(配列番号11)の残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する
、AA424839_P7(配列番号23)の残基24−457、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)の残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160に相当する細胞外領域の異なる部分、若しくはそれに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくはそれに95、96、97、98または99%の配列同一性をもつその変異体を含むILDR1タンパク質の別の部分を供給する。
本発明の別の実施形態は、可溶性免疫グロブリン領域または断片などの非ILDR1タンパク質または核酸配列に直接的または間接的に付加してもよいILDR1タンパク質の細胞外領域を有するまたはコードする単離されたまたは精製された可溶性タンパク質、若しくは核酸配列を供給することである。
ある実施形態によると、本発明は、他の部位(other moieties)の、LOC253012タンパク質への結合を作動または拮抗する、若しくはLOC253012関連生体活性の少なくとも1つを調節する(作動するまたは拮抗する)診断マーカーおよび/または治療薬剤として利用されることができる、公知の仮説に基づいたタンパク質LOC253012アイソフォーム1(配列番号35)(RefSeq受入番号(accessionidentifier)NP_001034461)の新規のスプライス変異体または、それをコードするポリヌクレオチドを供給する。
1つの実施形態よると、新規のLOC253012スプライス変異体は、H68654_1_T8(配列番号28)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(配列番号31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、またはH68654_1_T20(配列番号34)のいずれか1つに記載の核酸配列、若しくはそれに相同な配列をもつ核酸を含む単離されたポリヌクレオチドである。別の実施形態によると、単離されたポリヌクレオチドは、H68654_1_T8(配列番号28)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(配列番号31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、またはH68654_1_T20(配列番号34)のいずれか1つに少なくとも95%相同である。
さらに別の実施形態によると、新規のLOC253012スプライス変異体は、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)のいずれか1つに記載のアミノ酸配列若しくはそれに相同な配列をもつ単離されたタンパク質またはポリペプチドである。別の実施形態によると、単離されたポリペプチドは、は、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)のいずれか1つに少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
本発明の別の目的は、LOC253012タンパク質の可溶性細胞外領域(ECD)およびその断片を含む分子および単離されたポリペプチド、並びに、前記可溶性細胞外領域をコードする核酸配列、並びにその断片および抱合体並びに、(免疫共刺激を促進するまたは阻害する)免疫治療におけるその利用を含む、治療剤としてのその利用を供給することである。
さらなる実施形態によると、本発明は、配列番号144に示されるアミノ酸配列に相当
する、配列H68654_1_P2(配列番号35)の残基38−349、または配列番号145に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654__1_P14(配列番号40)の残基19−337、または配列番号300に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H68654_1_P5(配列番号36)の残基1−335に相当する細胞外領域の異なる部分、若しくはそれに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくはそれに95、96、97、98または99%の配列同一性をもつその変異体を含むLOC253012タンパク質の別の部分を供給する。
本発明の別の目的は、可溶性免疫グロブリン領域または断片などの非LOC253012タンパク質または核酸配列に直接的または間接的に付加してもよいLOC253012タンパク質の細胞外領域を有するまたはコードする単離されたまたは精製された可溶性タンパク質若しくは核酸配列を供給することである。
ある実施形態によると、本発明は、他の部位(other moieties)の、AI216611タンパク質への結合を作動するまたは拮抗する、若しくはAI216611関連生体活性・活動の少なくとも1つを調節する(作動するまたは拮抗する)診断マーカーおよび/または治療薬剤として利用されることができる、AI216611の新規のスプライス変異体、またはそれをコードするポリヌクレオチドを供給する。
1つ実施形態によると、新規のAI216611スプライス変異体は、AI216611_T1(配列番号42)に記載の核酸配列またはそれに相同な核酸配列をもつ核酸を含む単離されたポリヌクレオチドである。別の実施形態によると単離されたポリヌクレオチドは、AI216611_T1(配列番号42)に少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
さらに別の実施形態によると、新規のAI216611スプライス変異体は、AI216611_P1(配列番号44)に記載のアミノ酸配列またはそれに相同な配列をもつ単離されたタンパク質またはポリペプチドである。別の実施形態によると、単離されたポリペプチドは、AI216611_P1(配列番号44).に少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
本発明の別の目的は、AI216611タンパク質の可溶性細胞外領域(ECD)およびその断片を含む分子および単離されたポリペプチド、並びに、前記可溶性細胞外領域をコードする核酸配列、並びにその断片および抱合体並びに、(免疫共刺激を促進するまたは阻害する)免疫治療におけるその利用を含む、治療剤としてのその利用を供給することである。本発明のさらなる実施形態によると、配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)の残基29−147、または配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145に相当する細胞外領域の異なる部分、若しくはそれに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくはそれに95、96、97、98または99%の配列同一性をもつその変異体を含むAI216611タンパク質の別の部分がある。
本発明の別の目的は、可溶性免疫グロブリン領域または断片などの、非AI216611タンパク質または核酸配列に直接的または間接的に付加されてもよい、AI216611タンパク質の細胞外領域を有するまたはコードする、単離または精製された可溶性タン
パク質若しくは核酸配列を供給することである。
本発明の別の目的は、AI216611、その分泌または可溶形および/若しくはAI216611タンパク質のECDおよびその変異体もしくは、前記のものいずれかを含有するポリペプチド抱合体を発現する、プラスミドおよび組み換えウィルスベクターなどのベクター並びに含有宿主細胞を供給することである。
ある実施形態によると、本発明は、他の部位(other moieties)の、C1ORF32タンパク質への結合を作動または拮抗する、若しくはC1ORF32関連生体活性の少なくとも1つを調節する(作動または拮抗する)診断マーカーおよび/または治療薬剤として利用し得することができる、公知の仮説に基づいたタンパク質LOC387597(配列番号47)(RefSeq受入番号(accession identifier)NP_955383、同義語(synonyms):NP_955383;LISCH−like、C1ORF32、RP4−782G3.2、dJ782G3.1)の新規のスプライス変異体または、それをコードするポリヌクレオチドを供給する。
ある実施形態によると、新規のLOC387597スプライス変異体は、H19011_1_T8(配列番号45)、H19011_1_T9(配列番号46)いずれか1つに記載の核酸配列または、それに相同な配列をもつ核酸を含む単離されたポリヌクレオチドである。別の実施形態によると、単離されたポリヌクレオチドは、H19011_1_T8(配列番号45)、H19011_1_T9(配列番号46)いずれか1つに少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
さらに別の実施形態によると、新規のスプライスLOC387597変異体は、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)のいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそれに相同性のある配列をもつ単離されたタンパク質またはポリペプチドである。別の実施形態によると、単離されたポリペプチドは、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)のいずれか1つに少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
本発明の別の目的は、C1ORF32タンパク質の可溶性細胞外領域(ECD)およびその断片を含む分子および単離されたポリペプチド、並びに、前記可溶性細胞外領域をコードする核酸配列、並びにその断片および抱合体並びに、(免疫共刺激を促進するまたは阻害する)免疫治療におけるその利用を含む、治療剤としてのその利用を供給することである。
本発明のさらなる実施形態によると、配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基21−186、または配列番号148に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P9(配列番号50)の残基21−169、または配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184に相当する細胞外領域の異なる部分、若しくはそれに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくはそれに95、96、97、98または99%の配列同一性をもつその変異体を含むC1ORF32タンパク質の別の部分がある。
本発明の別の目的は、可溶性免疫グロブリン領域または断片などの非C1ORF32タンパク質または核酸配列に直接的または間接的に付加してもよいC1ORF32タンパク質の細胞外領域を有するまたはコードする単離されたまたは精製された可溶性タンパク質若しくは核酸配列を供給することである。
ある実施形態によると、本発明は、他の部位(other moieties)の、FXYD3タンパク質への結合を作動または拮抗する、若しくはFXYD3関連生物活性の少なくとも1つを調節する(作動または拮抗する)診断マーカーおよび/または治療薬剤として利用されることができる、公知のタンパク質であるFXYD3、FXYDドメイン含有イオン輸送レギュレータ3前駆体(FXYDdomain−containing ion transport regulator3 precursor)(配列番号70)(SwissProt受入番号(accession identifier)FXYD3jHUMAN、同義語(synonyms)塩素コンダクタンスインデューサー(Chloride conductance inducer)タンパク質Mat−8、Mammary tumor 8kDaタンパク質、ホスホレマン様(Phospholemman−like)としても知られる)の新規のスプライス変異体またはそれをコードするポリヌクレオチドを供給する。
1つの実施形態によると、新規のFXYD3スプライス変異体は、R31375_T19(配列番号65)、R31375_T25(配列番号66)、R31375_T26(配列番号67)、R31375_T29(配列番号68)、R31375_T39(配列番号69)のいずれか1つに記載の核酸配列またはそれに相同な配列をもつ単離されたポリヌクレオチドである。別の実施形態によると、単離されたポリヌクレオチドは、R31375_T19(配列番号65)、R31375_T25(配列番号66)、R31375_T26(配列番号67)、R31375_T29(配列番号68)、R31375_T39(配列番号69)のいずれか1つに少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
さらに別の実施形態によると、新規のFXYD3スプライス変異体は、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)のいずれか1つに記載のアミノ酸配列またはそれに相同な配列をもつ単離されたタンパク質またはポリペプチドである。別の実施形態によると、単離されたポリペプチドは、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)のいずれか1つに少なくとも、95、96、97、98または99%の相同性がある。
本発明の別の目的は、FXYD3タンパク質の可溶性細胞外領域(ECD)およびその断片を含む分子および単離されたポリペプチド、並びに、前記可溶性細胞外領域をコードする核酸配列、並びにその断片および抱合体並びに、癌免疫治療におけるその利用を含む、治療剤としてのその利用を供給することである。
本発明のさらなる実施形態によると、配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基21−65、または配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P33(配列番号74)の残基21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基1−63に相当する細胞外領域の異なる部分、若しくはそれに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、さらに好ましくはそれに95、96、97、98または99%の配列同一性をもつその変異体を含むFXYD3タンパク質の別の部分がある。
本発明の別の目的は、可溶性免疫グロブリン領域または断片などの、非VSIG1、非ILDR1、非LOC253012、非AI216611、非C1ORF32または非FXYD3タンパク質または核酸配列に直接的または間接的に付加されてもよいVSIG1
、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3タンパク質の細胞外領域をもつまたはコードする単離されたまたは精製された可溶性タンパク質若しくは核酸配列を供給することである。
本発明の別の目的は、本発明のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3新規変異体のいずれか1つ若しくはそのホモログまたはその断片のエッジ部、尾または頭部(edge portion、tail or head portion)を含む分子および単離されたポリペプチド並びに前記エッジ部、尾または頭部(edge portion、tail or head portion)をコードする核酸配列並びにその断片および抱合体、並びに治療剤としておよび/または診断ためのその利用を供給することである。
本発明のさらなる目的は、配列番号284−295のいずれか1つに示されたブリッジ、エッジ部、尾または頭部(bridge、edge portion、tail or
head portion)を含む分子および単離されたポリペプチド若しくはそのホモログまたはその断片、並びにエッジ部、尾または頭部(edge portion、tail or head portion)をコードする核酸配列並びにその断片並びに抱合体、並びに治療剤としておよび/または診断のためのその利用を供給することである
本発明の別の目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3のいずれか1つ、その分泌または可溶形並びに/若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3タンパク質のECDおよびその変異体若しくは前記のものいずれかを含むポリペプチド抱合体を発現するプラスミドおよび組み換えウィルスベクターなどのベクター、並びにベクターを含む宿主細胞を供給することである。
本発明の別の目的は、前記VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、断片またはその変異体および/または前記のものいずれか1つを含む抱合体を生産するために、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3のいずれか1つ、その分泌または可溶形並びに/若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32のECD、またはFXYD3タンパク質およびその変異体若しくは前記のものいずれかを含むポリペプチド抱合体を発現するプラスミドおよび組み換えウィルスベクターなどこれらのベクター並びに含有宿主細胞を利用することである
本発明の別の目的は、前記のものを含む医薬または診断組成物を供給することである。
本発明の別の目的は、癌、自己免疫不全、移植拒絶反応、移植片対宿主病の治療または予防、および/若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3またはC1ORF32ポリペプチドによって媒介される免疫共刺激の遮断または促進に適している、VSIG1細胞外領域若しくはその断片またはその変異体を含む化合物を供給および利用することである。
本発明の具体的な目的は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68
654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19O11_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)からなる群から選ばれる完全長VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原、その分泌形および/若しくはそのECD若しくはその抱合体またはその断片に特異的に結合する新規のモノクローナルまたはポリクローナル抗体および抗体断片および含有抱合体を開発することである。これら抗体は、潜在的に治療および/または診断薬剤(invitroandinvivo診断方法とも)として有用である、特に、含まれるのは、ADCC(抗体依存性細胞障害活性)またはCDC(補体依存性細胞障害活性)活性を通して細胞を標的とする抗体または断片などの免疫活性化または免疫抑制する抗体および断片である。
本発明の別の目的は、例えば、免疫組織化学的アッセイ、放射性イメージングアッセイ、生体内イメージング、放射免疫定量法(RIA)、ELISA、スロットブロット、競合的結合測定法、蛍光定量イメージング測定法、ウェスタンブロット、FACS、などを含む、前記のものいずれかの利用を含む診断法を供給する。特にこれは、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)からなる群から選ばれる完全なVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3タンパク質、その可溶形、そのECD、および/若しくはその抱合体、断片または変異体に特異的に結合するキメラまたは非ヒト抗体または断片を用いるアッセイを含む。
本発明の別の目的は、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、脾臓、腎臓、膀胱、頭と頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの、他の非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの種々の癌および悪性腫瘍で、それが非転移性、浸潤性、または転移性である癌などの、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原若しくはその分泌または可溶形またはECDおよび/若しくはその部分またはその変異体が差次的に発現している病態を治療するために、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654
_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375^P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)からなる群から選ばれるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原のいずれかに対する治療上効果的な新規のポリクローナルまたはモノクローナル抗体および断片、抱合体、および変異体を利用することである。
本発明の別の目的は、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片対宿主病を含む、免疫不全などの非悪性不全疾患を治療するための、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)からなる群から選ばれるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原、並びにその断片、その抱合体および変異体のいずれか1つに対する新規の治療上有効なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を利用することである。
本発明の具体的な目的は、VSIG1抗原、その分泌または可溶形またはECDおよび/若しくはその変異体、抱合体または断片に対する抗体および抗体断片並びにその断片および変異体を、この抗原が差次的に発現されている肺癌および/または卵巣癌を治療または診断するために利用することである。
本発明の具体的な実施形態は、ILDR1抗原、その分泌または可溶形またはECDおよび/若しくはその変異体、抱合体または断片に対する抗体および抗体断片並びにその断片および変異体を、この抗原が差次的に発現されている結腸癌および/または卵巣癌を治療または診断するために利用することである。
本発明の具体的な目的は、LOC253012またはC1ORF32抗原、その分泌または可溶形またはECDおよび/若しくはその変異体、抱合体または断片に対する抗体および抗体断片並びにその断片および変異体を、この抗原が差次的に発現されている肺癌、特に小細胞肺癌、を治療または診断するために利用することである。
本発明の具体的な目的は、AI216611抗原、その分泌または可溶形またはECDおよび/若しくはその変異体、抱合体または断片に対する抗体および抗体断片並びにその断片および変異体を、この抗原が差次的に発現されている結腸癌を治療または診断するために利用することである。
本発明の具体的な目的は、FXYD3野生型抗原(R31375_P0(配列番号70))に対する抗体および抗体断片、若しくはその分泌または可溶形またはECDおよび含有抱合体に対する抗体および抗体断片を、この抗原が差次的に発現されている卵巣癌を治
療または診断するために利用することである。
本発明の別の目的は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)からなる群から選ばれたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原に対する抗体および抗体断片並びに含有抱合体を、免疫を調節する(促進または阻害する)ことに、利用することであり、その抗体は、免疫共刺激、特に、B7関連免疫共刺激を活性化または抑制し、癌細胞に対するT細胞活性の正の刺激および自己免疫および他の免疫不全の治療のためのT細胞活性の負の刺激を通して、関連する治療用途を扱うことができる抗体を含む。
本発明の具体的な目的は、配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基26−293に相当する細胞外領域の異なる部分を含むVSIG1タンパク質の別の部分に対する抗体および抗体断片を生成することである。
本発明の別の具体的な実施形態は、配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AA424839_P3(配列番号22)およびAA424839_P5(配列番号11)の残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P7(配列番号23)の残基24−457、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)の残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160に相当する細胞外領域の異なる部分を含むILDR1タンパク質の別の部分に対する抗体および抗体断片を生成することである。
本発明の別の具体的な目的は、配列番号144に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H68654_1_P2(配列番号35)の残基38−349、または配列H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H6865
4_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)の残基19−337、または本明細書に開示されたLOC253012タンパク質配列の配列番号300に示されるアミノ酸配列に相当する、H68654_1_P5(配列番号36)の残基1−335、に相当する細胞外領域の異なる部分を含む、LOC253012タンパク質の別の部分に対する、抗体または抗体断片を生産することである。
本発明の別の具体的な目的は、配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)の残基29−147、または本明細書に開示された配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145、に相当する細胞外領域の異なる部分を含む、AI216611タンパク質の別の部分に対する、抗体または抗体断片を生産することである。
本発明の別の具体的な目的は、配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、H19011_1_P8(配列番号48)の配列に含まれるC1ORF32タンパク質配列の残基21−186、または配列番号148に示されるアミノ酸配列に相当する、H19011_1_P9(配列番号50)の配列に含まれるC1ORF32タンパク質配列の残基21−169、または配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184、に相当する細胞外領域の異なる部分を含む、C1ORF32タンパク質の別の部分に対する、抗体または抗体断片を生産することである。
本発明の別の具体的な目的は、配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の配列に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、R31375_P14(配列番号72)の配列に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基21−65、または配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、R31375_P33(配列番号74)の配列に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基1−63、に相当する細胞外領域の異なる部分を含む、FXYD3タンパク質の別の部分に対する、抗体または抗体断片を生産することである。
本発明の具体的な目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3タンパク質、その可溶形、そのECD並びに/若しくは変異体およびその断片に特異的に結合する抗原結合部位を含むポリクローナルおよびモノクローナル抗体並びにその断片またはその抗原結合断片を供給することである。
本発明の具体的な目的は、癌の治療または予防および/または免疫共刺激系において標的の活性を調節(活性化または阻害する)ために、このような抗体およびその断片を利用することである。
本発明の関連した目的は、自己免疫不全、移植拒絶反応、GVHDの治療または予防、並びに/若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3ポリペプチドによって媒介される免疫共刺激の遮断または促進に適している、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体並びにその断片を選択することである。
本発明の具体的な目的は、例えば肺癌、卵巣癌、結腸癌、並びに限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、脾臓、腎臓、膀胱、頭と頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの、他の非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの癌で、それが非転移性、浸潤性、または転移性である癌の治療および診断のために、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原、可溶形、ECDまたは断片若しくはその変異体のいずれかに対する抗体を利用することである。
肺癌に関して、疾患は、扁平上皮細胞肺癌、肺腺癌、カルチノイド、小細胞肺癌または非小細胞肺癌からなる群から選ばれる。
本発明の別の目的は、自己免疫の治療などの免疫調節、並びに、好ましくは、自己免疫疾患:多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、退廃的リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化から選ばれた自己免疫疾患を治療するにあたって有用である、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原のいずれか、その可溶形、若しくはECDおよび変異体またはその断片、並びに、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の細胞外領域を含む可溶ポリペプチド若しくはその一部に対する、抗体および抗体断片を供給および利用することである。
本発明の別の目的は、癌、自己免疫不全、移植拒絶反応、GVHDの治療または予防に有用で、並びに/若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3ポリペプチドに媒介される免疫共刺激を遮断または増強するための、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原、のいずれか1つに結合する小分子、ペプチド、抗体および断片などの薬剤、並びに、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3核酸配列若しくは、その断片またはその変異体を標的とするリボザイムまたはアンチセンスまたはsiRNAなどの化合物を供給および利用することである。
本発明の別の目的は、癌、自己免疫不全疾患、移植拒絶反応、GVHDの治療または予防、および/またはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3ポリペプチドによって媒介される免疫共刺激を遮断または増強にあたって有用である、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原のいずれかに結合する小分子、ペプチド、抗体および断片、並びに、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3核酸配列またはその断片またはその変異体を標的とするリボザイムまたはアンチセンスまたはsiRNAなどの薬剤を含む化合物を提供および利用することである。
好ましい目的は、本明細で開示されたVSIG1タンパク質配列の配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の残基26−293に特異的に結合する、前記のものいずれかを治療または診断するにあたって有用な治療および診断抗体並びに断片および含有抱合体を提供することである。
好ましい実施形態は、配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P3(配列番号22)およびAA424839_P5(SEQIDNOSl)の配列に含まれるILDR1タンパク質配列の残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P7(配列番号23)の配列に含まれるILDR1タンパク質配列の残基24−457、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)の配列に含まれるILDR1タンパク質配列の残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160に相当する細胞外領域の異なる部分に特異的に結合する、前記のものいずれかを治療または診断するにあたって有用な治療および診断抗体並びに断片および含有抱合体を提供することである。
好ましい目的は、配列番号144に示されるアミノ酸配列に相当する、H68654_1_P2(配列番号35)の配列に含まれるLOC253012タンパク質配列の残基38−349、または配列番号145に示されるアミノ酸配列に相当する、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)の配列に含まれるLOC253012タンパク質配列の残基19−337、または配列番号300に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H68654_1_P5(配列番号36)の残基1−335に特異的に結合する、前記のものいずれかを治療または診断するにあたって有用な治療および診断抗体並びに断片および含有抱合体を提供することである。
好ましい目的は、配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)の配列に含まれるAI216611タンパク質配列の残基29−147、または配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145に特異的に結合する、前記のものいずれかを治療または診断するにあったて有用な治療および診断抗体並びに断片および含有抱合体を提供することである。
好ましい目的は、配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、H19011_1_P8(配列番号48)の配列に含まれるC1ORF32タンパク質配列の残基21−186、または配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、H19011_1_P9(配列番号50)の配列に含まれるC1ORF32タンパク質配列の残基21−169、配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184に相当する細胞外領域の異なる部分に特異的に結合する
、前記のものいずれかを治療または診断するにあたって有用な治療および診断抗体並びに断片および含有抱合体を提供することである。
好ましい目的は、配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の配列に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、R31375_P14(配列番号72)の配列に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基21−65、または残基または、配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、R31375_P33(配列番号74)の配列に含まれるFXYD3タンパク質配列の残基21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基1−63に特異的に結合する、前記のものいずれかを治療または診断するにあたって有用な治療および診断抗体および断片および含有抱合体を提供することである。
また、好ましい目的は、抗体が、キメラ、ヒト化、完全ヒト抗体および/または標的細胞でCDCまたはADCC活性をもつ抗体または抗体断片である、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3および上記で特定された特定の残基およびその断片に結合する抗体およびその断片を提供することである。
また、好ましい目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3および上で特定された特定の残基およびその断片に結合するキメラおよびヒト抗体およびその断片および含有抱合体を提供することである。
本発明の別の具体的な目的は、限定はされないが、Fab、F(ab’)2、FvまたはscFv断片を含む、前記の治療および関連する診断法において有用な抗体断片および含有抱合体を提供することである。
また、本発明の目的は、対象抗体および断片を、検出可能マーカーなどのマーカーおよび他のエフェクター部位、若しくは酵素、毒素、治療剤、または化学療法剤などのエフェクター部位に、直接的または間接的に付加することである。
好ましい実施形態では、本発明の独創的な抗体または断片は、放射性同位元素、金属キレート剤、酵素、蛍光化合物、生物発光化合物または化学発光化合物に、直接的または間接的に付加されてもよい。
また、本発明の目的は、本発明の抗体または抗体断片の治療または診断に効果的な形を含む、医薬および診断組成物を提供することである。
本発明の別の具体的な目的は、患者でのVSIG1発現する細胞の増殖を阻害することであって、それは、前記患者に、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)またはVSIG1として、本明細書で参照される抗原に特異的に結合する抗体を投与することを含む。
本発明の別の具体的な目的は、患者に、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、A
I581519_P10(配列番号16)またはVSIG1に特異的に結合するモノクローナル抗体の有効量を投与することを含む、癌を治療または予防する方法を提供することである。
本発明のより好ましい目的は、肺癌および卵巣癌からなる群から選ばれ、肺癌または卵巣癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である癌を治療するためにこれら抗体を利用することであり、好ましくは、抗体は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)の細胞外領域に特異的な抗原結合領域を有する。
本発明の別の目的は、患者に、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)に特異的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体または断片または含有抱合体の有効量を投与することを含む、自己免疫疾患を治療または予防する方法を提供することである。
本発明の別の具体的な実施形態は、患者においてILDR1を発現する細胞の増殖を阻害することであって、それは、前記患者に、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)またはILDR1として、本明細書で参照される抗原に特異的に結合する抗体を投与することを含む。
本発明の別の具体的な実施形態は、患者に、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)またはILDR1に特異的に結合するモノクローナル抗体の有効量を投与することを含む、癌を治療または予防する方法を提供することである。
本発明のより好ましい実施形態は、結腸癌および卵巣癌からなる群から選ばれ、結腸癌または卵巣癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である癌を治療するためにこれら抗体を利用することであり、好ましくは、抗体は、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)の細胞外領域に特異的な抗原結合領域を有する。
本発明の抗癌ワクチンは、患者に、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)に特異的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体または断片の有効量を投与することを含む、自己免疫疾患を治療または予防する方法を提供することである。
本発明の別の具体的な目的は、患者においてLOC253012を発現する細胞の増殖を阻害することであって、それは、前記患者に、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)またはLOC253012として、本明細書で参照される抗原に特異的に結合する抗体を投与することを含む。
本発明の別の具体的な目的は、患者に、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)またはLOC253012に特異的に結合するモノクローナル抗体の有効量を投与することを含む、癌を治療または予防する方法を提供することである。
本発明のより好ましい目的は、肺癌、特に、小細胞肺癌からなる群から選ばれ、肺癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である癌を治療するためにこれら抗体を利用することであり、好ましくは、抗体は、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)の細胞外領域に特異的な抗原結合領域を有する。
本発明の別の目的は、患者に、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)に特異的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体または断片または含有抱合体の有効量を投与することを含む、自己免疫疾患を治療または予防する方法を提供することである。
本発明の別の具体的な目的は、患者に、AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)に特異的に結合するモノクローナル抗体の有効量を投与することを含む、癌を治療または予防する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、患者に、AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)に特異的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体または断片または含有抱合体の有効量を投与することを含む、自己免疫疾患を治療または予防する方法を提供することである。
本発明の別の具体的な目的は、患者においてC1ORF32を発現する細胞の増殖を阻害することであって、それは、前記患者に、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、またはC1ORF32として、本明細書で参照される抗原に特異的に結合する抗体を投与することを含む。
本発明の別の具体的な目的は、患者に、AH19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)またはC1ORF32に特異的に結合するモノクローナル抗体の有効量を投与することを含む、癌を治療または予防する方法を提供することである。
本発明のより好ましい目的は、肺癌、特に、肺小細胞癌からなる群から選ばれ、肺癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である癌を治療するためにこれら抗体を利用することであり、好ましくは、抗体は、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)の細胞外領域に特異的な抗原結合領域を有する。
本発明の別の目的は、患者に、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)に特異的に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体または断片または含有抱合体の有効量を投与することを含む、自己免疫疾患を治療または予防する方法を提供することである。
本発明の別の具体的な目的は、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)として、本明細書で参照される抗原に特異的に結合する抗体を投与することを含む。
本発明の別の具体的な目的は、限定はされないが、卵巣癌を含む、癌の免疫療法のために抗癌ワクチンとして投与するために、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3の細胞外領域またはその変異体および含有抱合体の一部またはすべてを使用することである。
本発明の別の具体的な目的は、患者に、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)に特異的に結合するモノクローナル抗体の有効量を投与することを含む、癌を治療または予防する方法を提供することである。
本発明のより好ましい目的は、肺癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である肺癌を治療するためにこれら抗体を利用することであり、好ましくは、抗体は、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)の細胞外領域に特異的な抗原結合領域を有する。
本発明の別の実施形態では、癌は、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、肺、卵巣、胸、前立腺、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍からなる群から選ばれ、癌は、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る。
好ましい実施形態では、自己免疫疾患は、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化を含む。
本発明の具体的な目的は、患者に、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号
48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)に特異的に結合する抗体の有効量を投与することを含む、任意の臓器移植の拒絶反応および/または移植片体宿主病を治療または予防する方法を提供することである。また、前記の方法で、抗体が、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)の細胞外領域に特異的な抗原結合領域をもつことが好ましい。
本発明によると、下記のひとつひとつは、いくつかの共刺激経路の同時遮断とともに、または、免疫抑制剤または癌用細胞毒性薬細胞毒性薬などの従来薬を用いた併用療法において、利用されることができる:本発明のVSIG1細胞外領域、ILDR1細胞外領域、LOC253012細胞外領域、AI216611細胞外領域、C1ORF32細胞外領域またはFXYD3細胞外領域、FXYD3抗原のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32に結合する抗体および断片、癌、自己免疫不全疾患、移植拒絶反応、GVHDの治療または予防および/またはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3ポリペプチドによって媒介される免疫共刺激を遮断または増強するにあたって有用である、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3核酸配列またはその断片またはその変異体を標的とする小分子、ペプチド、およびリボザイムまたはアンチセンスまたはsiRNAなどの薬剤を含む化合物。
本発明の別の目的は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654J_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)タンパク質の有無を、生体試料または個体において、生体外または生体内で検出するためのアッセイを提供することであり、それは、試料とAI581519_P3(配列番号11)、AI581519.P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、A
A424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)ポリペプチドまたはその組み合わせに対して特異性を有する抗体と接触すること、および、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)タンパク質の結合を、試料中で検出することを含む。
本発明の別の目的は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)の発現を検出することを含む、疾患を検出し、疾患を診断し、疾患の進行または治療の効果または疾患の再発を観察する若しくは疾患に対する療法を選択する方法を提供することである。
関連する目的では、検出された疾患は、癌は非転移性、浸潤性、または転移性である、肺癌、卵巣癌、結腸癌などの癌、および限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む、他の非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍を含むであろう。
肺癌に関して、疾患は、非転移性、浸潤性、転移性の肺癌、扁平上皮細胞肺癌、肺腺癌、カルチノイド、小細胞肺癌または非小細胞肺癌、肺転移(原発腫瘍に対する)中の過剰発現の検出、例えば、非小細胞肺癌(例えば腺癌、扁平上皮細胞癌、またはカルチノイド、または大細胞癌)などの肺癌中の過剰発現の検知、原発肺癌から由来の原因不明の転移
の同定、限定はされないが、骨肉腫および軟部組織肉腫、結腸直腸、子宮、頚部並びに体腫瘍、頭頚部、胸、睾丸および唾液腺癌、黒色腫、並びに膀胱および腎臓腫瘍を含む、肺を源としない肺に存在する悪性腫瘍組織の評価、異なるタイプの肺癌(例えば、小細胞対非小細胞腫瘍)を潜在的に識別すること(よって、治療の選択に影響する)、原因不明の呼吸困難、慢性咳および/または喀血の分析、胸水の起源の鑑別診断、限定されないが、肺病変および浸潤巣、ぜん鳴、喘鳴、気管閉塞、食道圧迫、嚥下障害、反回神経麻痺、嗄声、片側横隔膜が挙上した横隔神経麻痺およびホルネル症候群を含む、限定はされないが肺の症状および徴候の非悪性の原因を含む、肺癌として同様の症状、徴候および合併症を持っており、それらと肺癌の間の鑑別診断が臨床に重要である病態の診断、若しくは限定はされないが、拒食症、悪液質、体重減少、発熱、高カルシウム血症、低リン酸血症、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌異常症候群、高ANP、高ACTH、低カリウム血症、撥指形成、神経筋障害症候群および血栓性静脈炎を含む、悪性腫瘍を示唆する任意の病状の原因の検出、からなるグループから選ばれる。
卵巣癌に関して、本発明の化合物は、非転移性、浸潤性、または転移性の卵巣癌の診断、治療または予後の評価、病期と悪性度を関連させること、原発卵巣癌から由来の原因不明の転移の同定、良性および悪性卵巣嚢胞間の鑑別診断、不妊症の原因の診断(例えばその様々な原因の鑑別診断)の原因の分析、卵巣に関連するマーカーの血清レベルを上げ得る、限定はされないが、子宮内膜、頚部、ファロピアン管、膵臓、胸、肺および結腸の癌、妊娠、子宮内膜症、骨盤炎症性疾患および子宮類繊維腫などの非悪性の病態を含む1つ以上の非卵巣癌病態の検知、限定はされないが、良性の卵巣嚢胞、子宮類繊維腫、子宮内膜症、良性の卵巣の新生物および炎症性腸障害を含む、限定はされないが、骨盤内腫瘤の非悪性な原因を含む、卵巣癌として同様の症状、徴候および合併症を持っており、それらと肺癌の間の鑑別診断が臨床に重要である病態の診断、限定はされないが、拒食症、悪液質、体重減少、発熱、高カルシウム血症、低リン酸血症、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌異常症候群、高ANP、高ACTH、低カリウム血症、撥指形成、神経筋障害症候群および血栓性静脈炎を含む、悪性腫瘍を示唆する任意の病状の原因の決定において、用いられることができる。
別の関連する目的では、検出された疾患は、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化からなる群から選ばれた自己免疫および腫瘍性障害を含むであろう。
別の関連する目的では、検出された疾患は、任意の臓器移植の拒絶反応および/または移植片体宿主病を含むであろう。
関連する局面では、前記のアッセイは、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(SEQIDNO.16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839J_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(
配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654J_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19O11_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)タンパク質に特異的に結合する抗体を用いて、疾患によって影響された細胞を検出すると思われ、アッセイは、生体外または生体内で達成され得り、RIA、ELISA、蛍光定量測定法、FACS、スロットブロット、ウェスタンブロット、免疫組織化学的アッセイ、放射性イメージングアッセイなどを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、患者において疾患を診断する方法を提供し、それは、その患者または前記患者から得られた試料において、次から成る群から選ばれたポリペプチドまたはポリヌクレオチドの少なくとも1つを検出することを含む。
配列番号11−16、21−34、35−40、43−44、48−50、70−76、138−151、296、298−302のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
配列番号284〜295のいずれか1つの、ブリッジ、エッジ部、尾または頭部(bridge、edge portion、 tail or head portion)を含むポリペプチドまたはそのホモログまたはその断片。
配列番号1−10、17−20、25−34、41−42、45−46、51−69のいずれか1つに記載の核酸配列を含むポリヌクレオチド。
配列番号284−295のいずれか1つの、ブリッジ、エッジ部、尾または頭部(bridge、edge portion、tail or head portion)を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド。
配列番号187、190、193、196、199、202、205、208、211、214、217、220、223、226、229、232、235、238、241、244、247、250、253に記載の核酸配列をもつオリゴヌクレオチド。
さらなる実施形態によると、本発明のポリペプチドを検出することは、配列番号284−295のいずれか1つの、ブリッジ、エッジ部、尾または頭部(bridge、edge portion、tail or head portion)を含むポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドの少なくとも1つのエピトープに特異的に結合することができる抗体を用いることを含む。1つ実施形態によると、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの存在を検出することは、疾患の存在および/またはその重症度および/または進行を示す。別の実施形態によると、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの発現および/またはレベルの、健常な対象またはそれから得られた試料中のその発現および/またはレベルと比べての変化は、疾患の存在および/またはその重症度および/または進行を示す。さらなる実施形態によると、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの発現および/またはレベルの、健常な対象またはそれから得られた試料中のその発現および/またはレベルと比べての初期の変化は、疾患の進行を示す。さらなる実施形態によると、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの存在並びに/若しくはその発現および/またはレベルの相対的な変化は、治療の選択および/または疾患の試料の観察に有用である。
1つ実施形態によると、本発明のポリペプチドを検出することは、配列番号187、190、193、196、199、202、205、208、211、214、217、2
20、223、226、229、232、235、238、241、244、247、250、253に記載の核酸配列をもつポリヌクレオチドまたはそれに相同なポリヌクレオチドの少なくとも1部に特異的にハイブリダイズすることができる単離されたオリゴヌクレオチドの対を含むプライマー対を用いることを含む。
別の実施形態によると、本発明のポリペプチドを検出することは、配列番号185−186、188−189、191−192、194−195、197−198、200−201、203−204、206−207、209−210、212−213、215−216、218−219、221−222、224−225、227−228、230−231、233−234、236−237、239−240、242−243、245−246、248−249、251−252に記載の単離されたオリゴヌクレオチドの対を含むプライマー対を用いることを含む。
本発明は、また、次の具体的な実施形態を含む。
1つの実施形態では、本発明は、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)または断片またはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体から選ばれる単離されたポリペプチドを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記のポリペプチドのいずれか1つを含む断片または抱合体を含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン領域に融合された前記のポリペプチドのいずれか1つを含む。
別の実施形態では、本発明は、検出可能なまたは治療のための部位に付加された前記のポリペプチドのいずれか1つを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記のポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸配列を含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_T10(配列番号9)、AI581519_T11(配列番号10)、AA424839_1_T7(配列番号20)、H68654_1_T8(配列番号28)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(配列番号31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、H68654_1_T20(配列番号34)、AI216611_T1(配列番号42)、H19011_1_T8(配列番号45)、H19011_1_T9(配列番号46)、R31375_T19(配列番号65);R31375_T25(配列番号66)、R31375_T26(配列番号67)、R31375_T29(配列番号68)、R31375_T39(配列番号69)から選ばれた核酸配列または断片またはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性を含む変異体および抱合体のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、単離されたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3細胞外領域ポリペプチド、または断片またはその抱合体を含む。
別の実施形態では、本発明は、配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基26−293、または配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AA424839_P3(配列番号22)またはAA424839_P5(SEQIDNOSl)のアミノ酸残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸残基24−456、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)のアミノ酸残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160、または配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)のアミノ酸残基29−147、または配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145、または配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸残基21−186、または配列番号148に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P9(配列番号50)の残基21−169、または配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184、または配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基21−65、または配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P33(配列番号74)の残基21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基1−63に、少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつアミノ酸残基の配列を含む、前記のポリペプチドのいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、ポリペプチド、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0
(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)の細胞外領域を含む前記のポリペプチドのいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、検出可能または治療のための部位に付加される前記ポリペプチドのいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域ポリペプチドおよび含有抱合体のいずれか1つをコードする前記核酸配列のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記核酸配列を含む発現ベクターを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記発現ベクター若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域ポリペプチドまたは断片またはその抱合体をコードする核酸配列を含むウィルスを含む宿主細胞であって、細胞が、DNA切片によってコードされるポリペプチドを発現する宿主細胞を含む。
別の実施形態では、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域ポリペプチドまたは断片またはその抱合体のいずれかを生成する方法を含み、それは、DNA切片または核酸によってコードされるポリペプチドを発現する前記宿主細胞を培養すること、および前記ポリペプチドを回収することを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記単離された可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域のいずれかを含み、前記ポリペプチドは、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519LP4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839JP5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375JP33(配列番号74)または断片またはその変異体の、対応する機能的な相方との相互作用を遮断または阻害する。
別の実施形態では、本発明は、前記単離された可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域を含み、前記ポリペプチドは、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5
(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)または断片またはその変異体の、対応する機能的な相方との相互作用を置換または増強する。
別の実施形態では、本発明は、非VSIG1、非ILDR1、非LOC253012、非AI216611、非C1ORF32、非FXYD3タンパク質配列に、それぞれ、連結された前記単離された可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域のいずれかを含む融合タンパク質を含む。
別の実施形態では、本発明は、非VSIG1、非ILDR1、非LOC253012、非AI216611、非C1ORF32、非FXYD3タンパク質が、少なくとも免疫グロブリン分子の一部である、前記融合タンパク質のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、ポリエチレングリコールなどのポリアルキルオキシド部位が、ポリペプチドに付加している前記融合タンパク質のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖定常領域が、Fc断片である前記融合タンパク質のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、配列番号103−108に示されるアミノ酸配列のいずれか1つに記載の、マウスFcに融合されたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32およびFXYD3ECDのタンパク質配列のいずれか1つ、または、マウスFcに融合されたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32およびFXYD3ECDをコードする核酸配列を含む。本発明はさらに、配列番号97−102に示される配列のいずれか1つに記載の、マウスFcに融合されたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32およびFXYD3ECDをコードする核酸配列を含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫グロブリン重鎖定常領域が、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgE、IgAおよびIgDからなる群から選ばれるアイソタイプである前記融合タンパク質のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、ポリペプチドが、VASP領域に融合される前記融合タンパク質のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、融合タンパク質が、リンパ球活性化を調節する前記融合タンパク質のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記ポリヌクレオチド配列のいずれかを含み、薬理学的に許容される希釈剤または担体をさらに含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記ベクターを含み、薬理学的に許容される希釈剤また
は担体をさらに含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記宿主細胞を含み、薬理学的に許容される希釈剤または担体をさらに含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域のいずれかを含み、薬理学的に許容される希釈剤または担体をさらに含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記ポリペプチドのいずれかを含み、薬理学的に許容される希釈剤または担体をさらに含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記融合タンパク質を含み、薬理学的に許容される希釈剤または担体をさらに含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌を治療または予防する方法を含み、それを必要とする患者に、配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基26−293、または配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AA424839_P3(配列番号22)またはAA424839_P5(SEQIDNOSl)のアミノ酸残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸残基24−456、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)のアミノ酸残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160、または配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)のアミノ酸残基29−147、または配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145、または配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸残基21−186、または配列番号148に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P9(配列番号50)の残基21−169、または配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184、または配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基21−65、または配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P33(配列番号74)の残基21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基1−63
に、少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつアミノ酸残基の配列を含む、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドの細胞外領域または断片またはその抱合体、若しくはポリペプチド、若しくは、それをコードする核酸配列をもつ可溶性分子を含む医薬品組成物を投与することを含む。
別の実施形態では、本発明は、癌が、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫などの血液悪性腫瘍および胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの軟部または固形腫瘍からなる群から選ばれ、癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である、前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌が、肺癌、卵巣癌または結腸癌からなる群から選ばれ、肺癌、卵巣癌または結腸癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患または移植拒絶反応などの免疫関連病態を治療または予防する方法を含み、それを必要とする患者に、配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基26−293、または配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AA424839_P3(配列番号22)またはAA424839_P5(配列番号21)のアミノ酸残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸残基24−456、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)のアミノ酸残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160、または配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)のアミノ酸残基29−147、または配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145、または配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸残基21−186、または配列番号148に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P9(配列番号50)の残基21−169、または配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184、または配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基21−65、または配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P33(配列番号74)の残基
21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基1−63に、少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつアミノ酸残基の配列を含む、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドの細胞外領域または断片またはその抱合体、若しくはポリペプチド若しくはそれをコードする核酸配列をもつ可溶性分子を含む医薬品組成物を投与することを含む。
別の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患が、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全;良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis
colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化からなる群から選ばれる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫関連障害が、移植拒絶反応または移植片体宿主病から選ばれる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(SEQIDNOSO)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)から選ばれるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドのいずれか1つまたは断片またはその変異体をコードする転写産物に結合し、その発現を阻害するsiRNA、アンチセンスRNAまたはリボザイムを含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839JJ7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、
R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)から選ばれるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドのいずれか1つまたは断片またはその変異体および含有抱合体に特異的に結合する、および/またはそれによって誘発される活性を調節するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)に含まれるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドのいずれか1つまたは断片またはそれに少なくとも80%同一であるその変異体に特異的に結合する抗原結合部位を含むモノクローナルまたはポリクローナル抗体若しくはその抗原結合断片を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記抗体が、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)の1つ、若しくは断片またはその変異体の相方の活性または機能との相互作用を遮断または阻害する前記抗体またはその断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記抗体が、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列
番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)の1つ若しくは断片またはその変異体の相方の活性または機能との相互作用を置換または増強する前記抗体またはその断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、リンパ球活性を調節する方法を含み、それは、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)陽性リンパ球を、VSIG1媒介、ILDR1媒介、LOC253012媒介、AI216611媒介、C1ORF32媒介またはFXYD3媒介シグナリングを調節することができる生理活性剤と、少なくとも1つのリンパ球活性を調節するのに有効な量で接触することを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記薬剤が、VSIG1媒介、ILDR1媒介、LOC253012媒介、AI216611媒介、C1ORF32媒介シグナリングの拮抗剤またはFXYD3媒介シグナリングを含み、前記接触が、そのようなシグナリングによって媒介されるリンパ球活性の減衰を阻害する前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記接触が、リンパ球活性を増加する前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記拮抗剤が、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3抗原の、その相方との機能的な相互作用を妨げることができる遮断剤を含む前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、B7様共刺激系におけるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質のいずれかひとつの活性を調節することによって、癌の治療または予防に適している前記抗体または断片を含む。
別の実施形態では、本発明は、投与された抗体または断片が、癌細胞に対するT細胞活性の負の刺激を阻害する前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌が、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫などの血液悪性腫瘍および胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの軟部組織または固形腫瘍からなる群から選ばれる癌であって、並びに癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である、前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、B7様共刺激系におけるVSIG1、ILDR1、LO
C253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質のいずれかの活性を調節することによる自己免疫疾患または移植拒絶反応などの免疫関連障害の治療または予防に適している前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、関節炎uratica、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化から選ばれる自己免疫疾患の治療に適している前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、移植拒絶反応または移植片体宿主病の治療に適している前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、アミノ酸:配列番号138に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P3(配列番号11)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−234、または配列番号139に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P4(配列番号12)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−270、または配列番号140に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−296、または配列番号141に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P7(配列番号14)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−193、または配列番号142に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P9(配列番号15)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−203、または配列番号143に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P10(配列番号16)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基23−231、または配列番号302に示されるアミノ酸配列に相当する、AI581519_P5(配列番号13)の配列に含まれるVSIG1タンパク質配列の残基26−293、または配列番号75に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AA424839_P3(配列番号22)またはAA424839_P5(SEQIDNOSl)のアミノ酸残基24−162、または配列番号76に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸残基24−456、または配列番号296に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P11(配列番号24)のアミノ酸残基24−105、または配列番号301に示されるアミノ酸配列に相当する、AA424839_1_P3(配列番号22)の残基50−160、または配列番号146に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)またはAI216611_P1(配列番号44)のアミノ酸残基29−147、または配列番号298に示されるアミノ酸配列に相当する、配列AI216611_P0(配列番号43)の残基1−145、または配列番号147に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸残基21−186、または配列番号148に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P9(配列番号50)の残基21−169、または配列番号299に示されるアミノ酸配列に相当する、配列H19011_1_P8(配列番号48)の残基1−184、または配列番号149に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P0(配列番号70)またはR31375_P31(配列番号73)の残基21−36、または配列番号150に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R
31375_P14(配列番号72)の残基21−65、または配列番号151に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P33(配列番号74)の残基21−25、または配列番号297に示されるアミノ酸配列に相当する、配列R31375_P14(配列番号72)の残基1−63、若しくはその変異体または断片またはエピトープに特異的に結合する前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、抗原結合部位が、約3−7個の連続または非連続のアミノ酸、より典型的に、少なくとも5個の連続または非連続のアミノ酸を含む前記抗体または断片のいずれかを含む。これらの結合部位は、立体配座および非立体配座エピトープを含む。
別の実施形態では、本発明は、抗体が、完全ヒト抗体である前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、抗体が、キメラ抗体である前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、抗体が、ヒト化または霊長類化抗体である前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、断片が、Fab、Fab’、F(ab’)2、F(ab’)、F(ab)、FvまたはscFv断片および最小認識単位からなる群から選ばれる前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、抗体または断片が、検出可能マーカーまたはエフェクター部位に連結されている前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、エフェクター部位が、酵素、毒素、治療剤または化学療法剤である前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、検出可能マーカーが、放射性同位元素、金属キレート剤、酵素、蛍光化合物、生物発光化合物または化学発光化合物である前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記抗体またはその断片のいずれかを含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記抗体またはその断片を含む医薬組成物を含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫応答を誘発または増強する方法を含み、その方法は、それを必要としている患者に前記抗体または断片を投与すること、および前記免疫応答の誘発または増強を検出することを含む。
別の実施形態では、本発明は、患者における抗原に対する2次免疫応答を増強する方法を含み、その方法は、前記抗体または断片のいずれかの有効量を投与することを含む。
別の実施形態では、本発明は、抗原が、好ましくは、癌抗原、ウェイルス抗原または細菌抗原であり、好ましくは、抗癌ワクチンまたはウィルスワクチンを用いる治療を受ける前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、患者に前記抗体または断片のいずれかの有効量を投与することを含む、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3陽性悪性腫瘍をもつ患者を治療する方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、化学療法剤を併用投与することをさらに含む前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記悪性腫瘍が、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫などの血液悪性腫瘍、並びに胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの軟部または固形腫瘍からなる群から選ばれ、癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である、前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記悪性腫瘍が、肺癌、卵巣癌、結腸癌から成る群から選ばれ、肺癌、卵巣癌または結腸癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、生体試料中における、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654J_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片またはその変異体の存在を検出するアッセイを含み、そのアッセイは、試料を前記のものいずれか1つの抗体と接触すること、および試料中において、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片またはその変異体の結合を検出することを含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581
519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片またはその変異体の発現を検出することを含む、疾患を検出し、疾患を診断し、疾患の進行または治療の効果または疾患の再発を観察する若しくは、疾患に対する療法を選択する方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654J_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片またはその変異体の発現の検出が、生体内または生体外で施される前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、疾患が、肺癌、卵巣癌、結腸癌から成る群から選ばれ、肺癌、卵巣癌または結腸癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、疾患が、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症または軟骨石灰化である、前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、患者における、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_I_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列
番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19O11_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)から選ばれるポリペプチドまたは断片またはその変異体を発現する細胞の増殖を阻害する方法を含み、その方法は、前記患者に前記抗体または断片のいずれかを投与することを含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片または少なくとも80%の同一性をもつ変異体に特異的に結合する抗体または結合断片の治療有効量の投与を含む、癌を治療または予防する方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌が、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫などの血液悪性腫瘍、並びに胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの軟部または固形腫瘍からなる群から選ばれ、癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌が、肺癌、卵巣癌、結腸癌からなる群から選ばれ、肺癌、卵巣癌または結腸癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記方法を含む
別の実施形態では、本発明は、抗体が、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体若しくは抗原結合断片である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、抗体または断片が、直接的または間接的にエフェクター部位に付加されている前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、エフェクターが、薬剤、毒素、放射性核種、フルオロフォア、および酵素から選ばれる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、自己免疫または移植関連疾患などの免疫不全疾患を治療または予防する方法を含み、その方法は、患者に次に特異的に結合する抗体の治療有効量を投与する:AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P1
1(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)、
若しくは断片またはそれに少なくとも80%の配列同一性をもつその変異体。
別の実施形態では、本発明は、抗体が、前記VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドのいずれかひとつの細胞外領域に特異的な抗原結合領域をもつ前記方法の方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、抗体または断片が、自己免疫効果を生み出したT細胞活性の正の刺激を阻害するやり方で、B7/共刺激系を調節する前記方法の方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、治療が、自己免疫または移植拒絶反応病態を治療するにあたって有用である部位と組み合わされる前記方法の方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、部位が、サイトカイン抗体、サイトカイン受容体抗体、薬剤または他の免疫調節剤である前記方法の方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患が、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis
colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化からなる群から選ばれる前記方法の方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫不全疾患が、移植拒絶反応または移植片体宿主病である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、
R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片またはその変異体の差次的発現によって特徴付けられる腫瘍または炎症部位の生体内イメージングのために、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)若しくは断片またはその変異体に特異的に結合する抗体または抗原結合性断片を利用する方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌の予後または治療プロトコールを評価するために用いられる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、患者において疾患をスクリーニングする方法を含み、その方法は、その患者または前記患者から得られた試料において、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375JP33(配列番号74)のいずれかひとつに記載のアミノ酸配列に少なくとも85%相同である配列をもつポリペプチド、またはAI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(SEQIDNO:70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)のいずれか1つの細胞外領域を含む配列をもつポリペプチドを検出することを含む。
別の実施形態では、本発明は、疾患のスクリーニングが、疾患、障害、病態の存在また
は重症度の検出、若しくは対象の予後、若しくは前記対象に対する治療の選択、若しくは前記対象に対する治療観察を含む前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、疾患が、肺癌、卵巣癌、結腸癌からなる群から選ばれる癌であって、肺癌、卵巣癌および結腸癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、疾患が、自己免疫疾患であって、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化から選ばれる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、検出が、免疫アッセイによって行われる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、免疫アッセイが、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)のいずれかひとつに記載のアミノ酸配列に少なくとも85%相同である配列をもつポリペプチド、またはAI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、およびR31375_P33(配列番号74)のいずれか1つの細胞外領域を含む配列をもつポリペプチドに特異的に相互作用する抗体を用いる前記方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記タンパク質を発現する癌細胞のアポトーシスまたは溶解を誘発する、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、およびR31375_P33(配列番号74)、若しくは断片またはその変異体に特異的な抗体を含む。
別の実施形態では、本発明は、前記アポトーシスまたは溶解が、抗体のCDCまたはADCC活性を含む前記抗体または断片を含む。
別の実施形態では、本発明は、癌細胞が、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫などの血液悪性腫瘍、並びに胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの軟部または固形腫瘍からなる群から選ばれる前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、癌細胞が、肺、卵巣または結腸癌細胞である前記抗体または断片のいずれかを含む。
別の実施形態では、本発明は、前記ポリペプチドまたは断片またはその変異体が、癌免疫療法のための抗癌ワクチンとして用いられる、前記の単離された可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3細胞外領域ポリペプチドのいずれかに関する。
別の実施形態では、本発明は、配列番号284−295のいずれか1つに記載の配列に少なくとも80%、85%、90%、95、96、97、98または99%、100%の相同性をもつアミノ酸配列を含む任意の単離されたポリペプチド若しくはその断片に関する。
別の実施形態では、本発明は、187、190、193、196、199、202、205、208、211、214、217、220、223、226、229、232、235、238、241、244、247、250、253からなる群から選ばれる核酸配列をもつアンプリコンを含む任意の単離されたポリヌクレオチドまたはそれに相同なポリヌクレオチドに関する。
別の実施形態では、本発明は、上記アンプリコンを増幅することができる単離されたオリゴヌクレオチドの対を含む任意のプライマー対に関する。
配列番号185−186、188−189、191−192、194−195、197−198、200−201、203−204、206−207、209−210、212−213、215−216、218−219、221−222、224−225、227
−228、230−231、233−234、236−237、239−240、242−243、245−246、248−249および251−252からなる群から選ばれる配列をもつ単離されたオリゴヌクレオチドの対を含むプライマー対
本発明は、患者において疾患、障害、病態をスクリーニングする方法であって、その方法は、その患者または前記患者から得られた試料において、配列番号1−10、17−20、25−34、41−42、45−46、51−69、187、190、193、196、199、202、205、208、211、214、217、220、223、226、229、232、235、238、241、244、247、250および253にいずれか1つに記載の核酸配列に少なくとも85%相同な配列をもつポリヌクレオチドを検出することを含む。
別の実施形態では、本発明は、疾患のスクリーニングが、疾患、障害、病態の存在または重症度の検出、若しくは対象の予後、若しくは前記対象に対する治療の選択、若しくは治療観察を含む前記の方法。
疾患が、肺癌、結腸癌および卵巣癌からなる群から選ばれる癌であって、肺癌、結腸癌および卵巣癌が、非転移性、浸潤性、または転移性である前記の方法。
疾患が、自己免疫疾患である前記の方法。
検出が、配列番号1−10、17−20、25−34、41−42、45−46、51−69、187、190、193、196、199、202、205、208、211、214、217、220、223、226、229、232、235、238、241、244、247、250および253に記載の核酸配列に少なくとも85%相同な核酸配列の少なくとも一部にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチド対を用いて実施される上記の方法。
検出が、配列番号185−186、188−189、191−192、194−195、197−198、200−201、203−204、206−207、209−210、212−213、215−216、218−219、221−222、224−225、227−228、230−231、233−234、236−237、239−240、242−243、245−246、248−249および251−252のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド対を用いて実施される上記の方法。
図1は、定量リアルタイムPCR解析の図解要約を示す。 図2は、MEDディスカバリーエンジン(discovery engine)を用いるすべての組織および条件のバーチャルパネル上での、VSIG1タンパク質をコードするAI581519転写産物の発現を示す散布図であり、正常肺試料と比較した肺癌におけるAI581519転写産物の過剰発現を示している。 図3Aは、公知のVSIG1タンパク質NP_872413(配列番号11)およびQ86XK7_HUMANに対する、AI581519_P4タンパク質の比較アライメントを示す。 図3Bは、公知のVSIG1タンパク質NP_872413(配列番号11)およびQ86XK7_HUMANに対する、AI581519_P5タンパク質の比較アライメントを示す。 図3Cは、公知のVSIG1タンパク質NP_872413(配列番号11)およびQ86XK7_HUMANに対する、AI581519_P7タンパク質の比較アライメントを示す。 図3Dは、公知のVSIG1タンパク質NP_872413(配列番号11)およびQ86XK7_HUMANに対する、AI581519_P9タンパク質の比較アライメントを示す。 図3Eは、公知のVSIG1タンパク質NP_872413(配列番号11)およびQ86XK7_HUMANに対する、AI581519_P10タンパク質の比較アライメントを示す。 図4は、正常および癌性卵巣組織における、配列名AI581519_seg7(配列番号190)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図5は、正常および癌性肺組織における、配列名AI581519_seg7(配列番号190)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図6Aは、様々な正常組織における、配列名AI581519_seg7(配列番号190)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図6Aは、卵巣試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図6Bは、様々な正常組織における、配列名AI581519_seg7(配列番号190)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図6Bは、肺試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図7は、正常および癌性卵巣組織における、配列名 AI581519_seg7−9(配列番号187)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図8は、正常および癌性肺組織における、配列名AI581519_seg7−9(配列番号187)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図9は、血液特異的パネルにおける、配列名 AI581519seg7−9(配列番号196)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図10は、正常および癌性肺組織における、配列名AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図11は、正常および癌性卵巣組織における、配列名AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図12Aは、様々な正常組織における、配列名AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図12Aは、肺試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図12Bは、様々な正常組織における、配列名AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図12Bは、卵巣試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図13は、血液特異的パネルにおける、配列名AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)で示されるアンプリコンによって検出可能である、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(V−set and immunoglobulin domain containing 1)(VSIG1)AI581519転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図14は、MEDディスカバリーエンジン(discovery engine)を用いるすべての組織および条件のバーチャルパネル上での、ILDR1タンパク質をコードするAA424839転写産物の発現を示す散布図であり、正常卵巣試料と比較した卵巣癌におけるAA424839転写産物の過剰発現を示している。 図15は、MEDディスカバリーエンジン(discovery engine)を用いるすべての組織および条件のバーチャルパネル上での、ILDR1 タンパク質をコードするAA424839転写産物の発現を示す散布図であり、正常結腸試料と比較した結腸癌におけるAA424839転写産物の過剰発現を示している。 図16Aは、公知のILDR1タンパク質Q86SU0_HUMANおよびNP_787120(配列番号21)に対する、AA424839_P3タンパク質の比較アライメントを示す。 図16Bは、公知のILDR1タンパク質Q86SU0_HUMANおよびNP_787120(配列番号21)に対する、AA424839_P7タンパク質の比較アライメントを示す。 図16Cは、公知のILDR1タンパク質Q86SU0_HUMANおよびNP_787120(配列番号21)に対する、AA424839_1_P11タンパク質の比較アライメントを示す。 図17は、正常および癌性卵巣組織における、配列名AA424839_segl8wt(配列番号199)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(immunoglobulin−like domain containing receptor 1)(ILDR1)AA424839転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図18は、様々な正常組織における、配列名AA424839_segl8wt(配列番号199)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(immunoglobulin−like domain containing receptor 1)(ILDR1)AA424839転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図19は、正常および癌性卵巣組織における、配列名AA424839_segl4−16(配列番号202)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(immunoglobulin−like domain containing receptor 1)(ILDR1)AA424839転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図20は、様々な正常組織における、配列名AA424839_segl4−16(配列番号202)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(immunoglobulin−like domain containing receptor 1)(ILDR1)AA424839転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図21は、血液特異的パネルにおける、配列名AA424839segll−14F3R3(配列番号205)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(immunoglobulin−like domain containing receptor 1)(ILDR1)AA424839転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図22は、正常および癌性結腸組織における、配列名AI216611_junc4−6F2R2(配列番号 208)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図23は、様々な正常組織における、配列名AI216611_junc4−6F2R2(配列番号208)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図24は、正常および癌性結腸組織における、配列名AI216611_seg2WT(配列番号211)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図25は、様々な正常組織における、配列名AI216611_seg2WT(配列番号211)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図26は、血液特異的パネルにおける、配列名AI216611_junc4−6(配列番号214)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図27は、血液特異的パネルにおける、配列名AI216611_junc2−4seg5F2R2(配列番号220)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図28は、正常および癌性結腸組織における、配列名AI216611_junc2−4seg5F2R2(配列番号220)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図29は、MEDディスカバリーエンジン(discovery engine)を用いるすべての組織および条件のバーチャルパネル上での、LOC253012タンパク質をコードするH68654転写産物の発現を示す散布図であり、正常肺試料と比較した肺癌におけるH68654転写産物の過剰発現を示している。 図30Aは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P7タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Bは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P7タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Cは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P12タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Dは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P12タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Eは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P13タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Fは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P13タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Gは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P14タンパク質の比較アライメントを示す。 図30Hは、公知のLOC253012タンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)に対する、H68654_1_P14タンパク質の比較アライメントを示す。 図31は、正常および癌性肺組織における、配列名H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図32は、様々な正常組織における、配列名H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図33は、正常および癌性肺組織における、配列名H68654_seg7−12WT(配列番号223)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図34は、様々な正常組織における、配列名H68654_seg7−12WT(配列番号223)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図35Aは、血液特異的パネルにおける、配列名H68654seg3F2R2(配列番号226)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図35Bは、血液特異的パネルにおける、配列名H68654seg7−12F1R1(配列番号223)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図36は、正常および癌性肺組織における、配列名H68654_seg0−3(配列番号229)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図37は、正常および癌性肺組織における、配列名H68654_seg2−3(配列番号232)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図38Aは、公知のC1ORF32タンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)に対する、H19011_1_P8(図38A)タンパク質の比較アライメントを示す。 図38Bは、公知のC1ORF32タンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)に対する、H19011_1_P9(図38B)タンパク質の比較アライメントを示す。 図39は、正常および癌性結腸組織における、配列名H19011_segl3F2R2(配列番号235)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図40は、正常および癌性肺組織における、配列名H19011_segl3F2R2(配列番号235)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図41Aは、様々な正常組織における、配列名H19011_segl3F2R2(配列番号235)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図41Aは、結腸試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図41Bは、様々な正常組織における、配列名H19011_segl3F2R2(配列番号235)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図41Bは、肺試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図42は、正常および癌性肺組織における、配列名H19011_seg8−13FlRl(配列番号238)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図43は、正常および癌性肺組織における、配列名H19011_junc8−10segl3(配列番号241)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図44は、正常および癌性結腸組織における、配列名H19011_junc8−10segl3(配列番号241)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図45Aは、様々な正常組織における、配列名H19011_junc8−10segl3(配列番号241)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図45Aは、結腸試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図45Bは、様々な正常組織における、配列名H19011_junc8−10segl3(配列番号241)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。図45Bは、肺試料の中間値に相対的な各試料の発現を示す。 図46は、血液特異的パネルにおける、配列名H19011_junc8−10segl3(配列番号241)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図47は、正常および癌性肺組織における、配列名H19011_junc6−10FlRl(配列番号244)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図48は、正常および癌性結腸組織における、配列名H19011_junc6−10FlRl(配列番号244)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、染色体1オープンリーディングフレーム32(chromosome 1 open reading frame 32)、H19011 転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図49Aは、公知のFXYD3タンパク質NP_068710(配列番号71)、FXYD3_HUMAN(配列番号70)、NP_005962およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)に対する、R31375_P14タンパク質の比較アライメントを示す。 図49Bは、公知のFXYD3タンパク質NP_068710(配列番号71)、FXYD3_HUMAN(配列番号70)、NP_005962およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)に対する、R31375_P31タンパク質の比較アライメントを示す。 図49Cは、公知のFXYD3タンパク質NP_068710(配列番号71)、FXYD3_HUMAN(配列番号70)、NP_005962およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)に対する、R31375_P31タンパク質の比較アライメントを示す。 図49Dは、公知のFXYD3タンパク質NP_068710(配列番号71)、FXYD3_HUMAN(配列番号70)、NP_005962およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)に対する、R31375_P33タンパク質の比較アライメントを示す。 図49Eは、公知のFXYD3タンパク質NP_068710(配列番号71)、FXYD3_HUMAN(配列番号70)、NP_005962およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)に対する、R31375_P33タンパク質の比較アライメントを示す。 図50は、正常および癌性卵巣組織における、配列名R31375_junc30−33(配列番号247)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3ドメイン含有イオン輸送レギュレータ3(FXYD3 domain containing ion transport regulator 3)R31375転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図51は、様々な正常組織における、配列名R31375_junc30−33(配列番号247)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3ドメイン含有イオン輸送レギュレータ3(FXYD3 domain containing ion transport regulator 3)R31375転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図52は、正常および癌性卵巣組織における、配列名R31375_seg33junc34−37(配列番号250)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3ドメイン含有イオン輸送レギュレータ3(FXYD3 domain containing ion transport regulator 3)R31375転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図53は、様々な正常組織における、配列名R31375_seg33junc34−37(配列番号250)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3ドメイン含有イオン輸送レギュレータ3(FXYD3 domain containing ion transport regulator 3)R31375転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図54は、正常および癌性卵巣組織における、配列名R31375_junc20−22seg30F6R6(配列番号253)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3ドメイン含有イオン輸送レギュレータ3(FXYD3 domain containing ion transport regulator 3)R31375転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図55は、様々な正常組織における、配列名R31375_junc20−22seg30F6R6(配列番号253)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3ドメイン含有イオン輸送レギュレータ3(FXYD3 domain containing ion transport regulator 3)R31375転写産物の発現を示すヒストグラムを表す。 図56Aは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Aは、FXYD3_T0_P0_EGFP DNA(996bp)(配列番号77)の完全長_EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Bは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Bは、FXYD3_T25_P14_EGFP DNA(1083bp)(配列番号78)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Cは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Cは、AI216611_T0_P0_EGFP DNA(1371bp)(配列番号79)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Dは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Dは、AI216611_T1_P1_EGFP DNA(1332bp)(配列番号80)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Eは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Eは、C1ORF32_T8_P8_EGFP DNA(1533bp)(配列番号81)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Fは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Fは、LOC253012_T4_P5_EGFP DNA(2085bp)(配列番号82)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56A−56Jは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Gは、ILDR1_T0_P3_EGFP DNA(2373bp)(配列番号83)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Hは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Hは、ILDR1_T2_P5_EGFP DNA(2241bp)(配列番号84)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Iは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Iは、VSIG1_T6_P5_EGFP DNA(2082bp)(配列番号85)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。図56Jは、VSIG1_T5_P4_EGFP DNA(2004bp)(配列番号86)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図56Jは、組み換え完全長EGFP ORFのヌクレオチド配列を表す。候補の完全長配列に相当する遺伝子特有の配列は太字で示されており、EGFP配列は太字でないイタリックであり、公知のSNP/サイレンス変異は下線が引かれている。図56Jは、VSIG1_T5_P4_EGFP DNA(2004bp)(配列番号86)の完全長EGFP ORF核酸配列を表す。 図57Aは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Aは、FXYD3_P0_EGFPタンパク質(331aa)(配列番号87)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Bは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Bは、FXYD3_P14_EGFPタンパク質(360aa)(配列番号88)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Cは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Cは、AI216611_P0_EGFPタンパク質(456aa)(配列番号89)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Dは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Dは、AI216611_P1_EGFPタンパク質(443aa)(配列番号90)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Eは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Eは、C1ORF32_P8_EGFPタンパク質(510aa)(配列番号91)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Fは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Fは、LOC253012_P5_EGFPタンパク質(694aa)(配列番号92)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Gは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Gは、ILDR1_P3_EGFPタンパク質(790aa)(配列番号93)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Hは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Hは、ILDR1_P5_EGFPタンパク質(746aa)(配列番号94)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Iは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Iは、VSIG1_P5_EGFPタンパク質(693aa)(配列番号95)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図57Jは、発明の完全長EGFP融合タンパク質の配列を表す。タンパク質の完全長配列に相当する候補の特有の配列は、太字で示されており、EGFP配列は、太字でないイタリックであり、公知のSNPにより改変されたアミノ酸は、下線が引かれている。図57Jは、VSIG1_P4_EGFPタンパク質(667aa)(配列番号96)の完全長EGFP ORFアミノ酸配列を表す。 図58Aは、発明のタンパク質の細胞膜への局在を示す。図58Aは、AI216611−EGFP_T0_P0およびAI216611−EGFP_T1_P1タンパク質の細胞内局在を示す。図58Dは、LOC253012−EGFP_T4_P5タンパク質の細胞内局在を示す。図58Eは、VSIG1−EGFP_T6_P5およびVSIG1−EGFP_T5_P4タンパク質の細胞内局在を示す。図58Fは、ILDR1−EGFP_T0_P3およびILDR1−EGFP_T2_P5タンパク質の細胞内局在を示す。すべてのイメージは、共焦点顕微鏡の対象40倍(4Ox)を用いて得られた。 図58Bは、発明のタンパク質の細胞膜への局在を示す。図58Bは、FXYD3−EGFP_T0_P0およびFXYD3−EGFP_T25_P14タンパク質の細胞内局在を示す。すべてのイメージは、共焦点顕微鏡の対象40倍(4Ox)を用いて得られた。 図58Cは、発明のタンパク質の細胞膜への局在を示す。図58Cは、C1ORF32−EGFP_T8_P8タンパク質の細胞内局在を示す。すべてのイメージは、共焦点顕微鏡の対象40倍(4Ox)を用いて得られた。 図58Dは、発明のタンパク質の細胞膜への局在を示す。図58Dは、LOC253012−EGFP_T4_P5タンパク質の細胞内局在を示す。すべてのイメージは、共焦点顕微鏡の対象40倍(4Ox)を用いて得られた。 図58Eは、発明のタンパク質の細胞膜への局在を示す。図58Eは、VSIG1−EGFP_T6_P5およびVSIG1−EGFP_T5_P4タンパク質の細胞内局在を示す。すべてのイメージは、共焦点顕微鏡の対象40倍(4Ox)を用いて得られた。 図58Fは、発明のタンパク質の細胞膜への局在を示す。図58Fは、ILDR1−EGFP_T0_P3およびILDR1−EGFP_T2_P5タンパク質の細胞内局在を示す。すべてのイメージは、共焦点顕微鏡の対象40倍(4Ox)を用いて得られた。 図59Aは、マウスFc:ECD_mFc ORFに融合された、本発明の候補タンパク質の細胞外領域のヌクレオチド配列を表す。ECD配列に相当する、候補のタンパク質特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は太字でないイタリック、およびIL6sp配列は太字のイタリックである。図59Aは、FXYD3_T25_P14_ECD−mFc DNA配列(924bp)(配列番号97)を示す。 図59Bは、マウスFc:ECD_mFc ORFに融合された、本発明の候補タンパク質の細胞外領域のヌクレオチド配列を表す。ECD配列に相当する、候補のタンパク質特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は太字でないイタリック、およびIL6sp配列は太字のイタリックである。図59Bは、AI216611_T0_P0_ECD_mFc DNA配列(1170bp)(配列番号98)を示す。 図59Cは、マウスFc:ECD_mFc ORFに融合された、本発明の候補タンパク質の細胞外領域のヌクレオチド配列を表す。ECD配列に相当する、候補のタンパク質特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は太字でないイタリック、およびIL6sp配列は太字のイタリックである。図59Cは、C1ORF32_T8_P8_ECD_mFc DNA配列(1287bp)(配列番号99)を示す。 図59Dは、マウスFc:ECD_mFc ORFに融合された、本発明の候補タンパク質の細胞外領域のヌクレオチド配列を表す。ECD配列に相当する、候補のタンパク質特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は太字でないイタリック、およびIL6sp配列は太字のイタリックである。図59Dは、LOC253012_T4_P5_ECD_mFc DNA配列(1740bp)(配列番号100)を示す。 図59Eは、マウスFc:ECD_mFc ORFに融合された、本発明の候補タンパク質の細胞外領域のヌクレオチド配列を表す。ECD配列に相当する、候補のタンパク質特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は太字でないイタリック、およびIL6sp配列は太字のイタリックである。図59Eは、ILDR1_T0_P3_ECD_mFc DNA配列(1167bp)(配列番号101)を示す。 図59Fは、マウスFc:ECD_mFc ORFに融合された、本発明の候補タンパク質の細胞外領域のヌクレオチド配列を表す。ECD配列に相当する、候補のタンパク質特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は太字でないイタリック、およびIL6sp配列は太字のイタリックである。図59Fは、VSIG1_T6_P5_ECD_mFc DNA配列(1641bp)(配列番号102)を示す。 図60Aは、ECD_mFc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。ECD配列に相当する候補タンパク質の特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は、太字でないイタリック、およびIL6sp配列は、太字イタリックである。図60Aは、FXYD3_T25_P14_ECD−mFcアミノ酸配列(307aa)(配列番号103)を示す。 図60Bは、ECD_mFc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。ECD配列に相当する候補タンパク質の特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は、太字でないイタリック、およびIL6sp配列は、太字イタリックである。図60Bは、AI216611_T0_P0_ECD_mFcアミノ酸配列(389aa)(配列番号104)を示す。 図60Cは、ECD_mFc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。ECD配列に相当する候補タンパク質の特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は、太字でないイタリック、およびIL6sp配列は、太字イタリックである。図60Cは、C1ORF32_T8_P8_ECD_mFcアミノ酸配列(428aa)(配列番号105)を示す。 図60Dは、ECD_mFc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。ECD配列に相当する候補タンパク質の特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は、太字でないイタリック、およびIL6sp配列は、太字イタリックである。図60Dは、LOC253012_T4_P5_ECD_mFcアミノ酸配列(579aa)(配列番号106)を示す。 図60Eは、ECD_mFc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。ECD配列に相当する候補タンパク質の特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は、太字でないイタリック、およびIL6sp配列は、太字イタリックである。図60Eは、ILDR1_T0_P3_ECD_mFcアミノ酸配列(388aa)(配列番号107)を示す。 図60Fは、ECD_mFc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。ECD配列に相当する候補タンパク質の特有の配列は、太字で示され、TEV切断部位配列は、下線が引かれ、mFc配列は、太字でないイタリック、およびIL6sp配列は、太字イタリックである。図60Fは、VSIG1_T6_P5_ECD_mFcアミノ酸配列(546aa)(配列番号108)を示す。 図61は、発現されたFXYD3_ECD_mFc(配列番号103)、AI216611 ECD_mFc(配列番号104)、C1ORF32_ECD_mFc(配列番号105)、LOC253012_ECD_mFc(配列番号106)、ILDR1_ECD_mFc(配列番号107)、VSIG1_ECD_mFc(配列番号108)のウェスタンブロット分析の結果を示す。レーンは次の通りである。レーン1 分子量マーカー(Amersham、full range ranbow、カタログ番号RPN800)、レーン2−LOC253012_ECD_mFc、レーン3−FXYD3_ECD_mFc、レーン4−AI216611 ECD_mFc、レーン5−C1ORF32_ECD_mFc、レーン6−ILDR1_ECD_mFc、レーン7−VSIG1_ECD_mFc 図62Aは、Fcが融合されたB7様タンパク質ECDの休止T細胞、またはConAで様々な時間にわたって活性化されたT細胞に対する結合を表す。図62Aは、Fcが融合されたVSIG1 ECDの結合結果を示す。 図62Bは、Fcが融合されたB7様タンパク質ECDの休止T細胞、またはConAで様々な時間にわたって活性化されたT細胞に対する結合を表す。図62Bは、Fcが融合されたLOC253012の結合結果を示す。 図62Cは、Fcが融合されたB7様タンパク質ECDの休止T細胞、またはConAで様々な時間にわたって活性化されたT細胞に対する結合を表す。図62Cは、Fcが融合されたC1ORF32 ECDの結合結果を示す。 図62Dは、Fcが融合されたB7様タンパク質ECDの休止T細胞、またはConAで様々な時間にわたって活性化されたT細胞に対する結合を表す。図62Dは、Fcが融合されたAI216611 ECDの結合結果を示す。 図62Eは、Fcが融合されたB7様タンパク質ECDの休止T細胞、またはConAで様々な時間にわたって活性化されたT細胞に対する結合を表す。図62Eは、Fcが融合されたFXYD3 ECDの結合結果を示す。 図63は、Fcが融合するB7様タンパク質 ECDの活性化されたT細胞への結合の用量応答を表す。精製されたT細胞は、48時間培養された。ConAは、最後の24時間加えられた。次いで、細胞は採取され、Fcが融合されたVSIG1、LOC253012、C1ORF32、AI216611、ILDR1またはFXYD3 ECDの増加する濃度(3、6、12、25および50μg/ml)で染められた。ネガティブコントロールとして、マウスIgG2aが同じ濃度で用いられた。 図64Aは、ECD−Fc融合タンパク質の、抗CD3Abで活性化した際の、T細胞増殖またはIL−2分泌への効果を表す。図64Aは、BrdU取り込みのレベルを示す。 図64Bは、ECD−Fc融合タンパク質の、抗CD3Abで活性化した際の、T細胞増殖またはIL−2分泌への効果を表す。図64Bは、IL−2分泌のレベルを示す。 図65Aは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3またはC1ORF32のFcが融合されたECDのリンパ球に対する結合を図解する。 図65Bは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3またはC1ORF32のFcが融合されたECDのリンパ球に対する結合を図解する。 図66Aは、ILDR1、C1ORF32およびAI216611のFcが融合されたECDのCD4+T細胞に対する結合を図解する。 図66Bは、ILDR1、C1ORF32およびAI216611のFcが融合されたECDのCD4+T細胞に対する結合を図解する。 図67は、B7様タンパク質の、T細胞活性化における効果を示す。「CD3」は、共刺激分子の存在なしでCD3のみを意味する。「CD3+B7.2」は、CD3+公知のB7刺激コントロール、B7.2を意味する。「CD3+B7H4」は、CD3およびB7H4、公知のB7阻害コントロールを意味する。「CD3+B7H3」は、CD3およびB7H3、公知のB7刺激タンパク質を意味する。「CD3+702」は、CD3+LOC253012−ECD−Fc融合(配列番号106)を意味する。「CD3+721」は、CD3+AI216611−ECD−Fc融合(配列番号104)を意味する。「CD3+754」は、CD3+C1ORF32−ECD−Fc融合(配列番号105)を意味する。「CD3+768」は、CD3+VSIG1−ECD−Fc融合(配列番号108)を意味する。「CD3+770」は、CD3+ILDR1−ECD−Fc融合(配列番号107)を意味する。「CD3+789」は、CD3+FXYD3−ECD−Fc融合(配列番号103)を意味する。図67A、BおよびCは、異なる3ドナーの3つの異なる実験を表す。 図67は、B7様タンパク質の、T細胞活性化における効果を示す。「CD3」は、共刺激分子の存在なしでCD3のみを意味する。「CD3+B7.2」は、CD3+公知のB7刺激コントロール、B7.2を意味する。「CD3+B7H4」は、CD3およびB7H4、公知のB7阻害コントロールを意味する。「CD3+B7H3」は、CD3およびB7H3、公知のB7刺激タンパク質を意味する。「CD3+702」は、CD3+LOC253012−ECD−Fc融合(配列番号106)を意味する。「CD3+721」は、CD3+AI216611−ECD−Fc融合(配列番号104)を意味する。「CD3+754」は、CD3+C1ORF32−ECD−Fc融合(配列番号105)を意味する。「CD3+768」は、CD3+VSIG1−ECD−Fc融合(配列番号108)を意味する。「CD3+770」は、CD3+ILDR1−ECD−Fc融合(配列番号107)を意味する。「CD3+789」は、CD3+FXYD3−ECD−Fc融合(配列番号103)を意味する。図67A、BおよびCは、異なる3ドナーの3つの異なる実験を表す。 図67は、B7様タンパク質の、T細胞活性化における効果を示す。「CD3」は、共刺激分子の存在なしでCD3のみを意味する。「CD3+B7.2」は、CD3+公知のB7刺激コントロール、B7.2を意味する。「CD3+B7H4」は、CD3およびB7H4、公知のB7阻害コントロールを意味する。「CD3+B7H3」は、CD3およびB7H3、公知のB7刺激タンパク質を意味する。「CD3+702」は、CD3+LOC253012−ECD−Fc融合(配列番号106)を意味する。「CD3+721」は、CD3+AI216611−ECD−Fc融合(配列番号104)を意味する。「CD3+754」は、CD3+C1ORF32−ECD−Fc融合(配列番号105)を意味する。「CD3+768」は、CD3+VSIG1−ECD−Fc融合(配列番号108)を意味する。「CD3+770」は、CD3+ILDR1−ECD−Fc融合(配列番号107)を意味する。「CD3+789」は、CD3+FXYD3−ECD−Fc融合(配列番号103)を意味する。図67A、BおよびCは、異なる3ドナーの3つの異なる実験を表す。 図68Aは、ILDR1−ECD−Fc(配列番号107)、C1ORF32−ECD−Fc(配列番号105)、AI216611−ECD−Fc(配列番号104)、LOC253012−ECD−Fc(配列番号106)、FXYD3−ECD−Fc(配列番号103)およびVSIG1−ECD−Fc(配列番号108)の休止B細胞に対する結合のFACSの結果を表す。 図68Bは、ILDR1−ECD−Fc(配列番号107)、C1ORF32−ECD−Fc(配列番号105)、AI216611−ECD−Fc(配列番号104)、LOC253012−ECD−Fc(配列番号106)、FXYD3−ECD−Fc(配列番号103)およびVSIG1−ECD−Fc(配列番号108)の活性化B細胞に対する結合のFACSの結果を表す 図68Cは、ILDR1−ECD−Fc(配列番号107)、C1ORF32−ECD−Fc(配列番号105)、AI216611−ECD−Fc(配列番号104)、LOC253012−ECD−Fc(配列番号106)、FXYD3−ECD−Fc(配列番号103)およびVSIG1−ECD−Fc(配列番号108)のBリンパ腫細胞株に対する結合のFACSの結果を表す。 図69は、AI216611およびB7H4の間の相互作用を示すBIACORE結果を示す。
本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3と呼ばれる抗原のいずれか1つ、その対応する核酸配列および一部およびその変異体および含有抱合体、並びに、治療または診断標的としてのその利用に関する。特に、本発明は、この抗原およびその個々の部分を、薬剤標的として、治療用小分子、ペプチド、抗体、アンチセンスRNAs、siRNA、リボザイムなどに用いる。より具体的に、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3および部分およびその変異体に結合する、診断および治療ポリクローナルおよびモノクローナル抗体およびその断片、特に、細胞外領域または部分またはその変異体を標的にするもの、特に、抗原AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0(配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P33(配列番号74)およびその変異体に特異的に結合する、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3によって誘発される活性を促進または阻害するものを含む、例えばB7関連共刺激などの免疫共刺激の調節に関するものを含む、ヒトまたはキメラモノクローナル抗体に関する。
ある実施形態では、本発明の抗体は、特定の重鎖および軽鎖生殖細胞系配列由来であり、並びに/または、特定のアミノ酸配列を含むCDR領域などの特定の構造的特徴を含む。本発明は、単離された抗体、そのような抗体を作成する方法、そのような抗体を含む免疫抱合体および二重特異性分子、並びに本発明の抗体、免疫抱合体または二重特異性分子を含む医薬および診断組成物を提供する。
本発明はまた、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3を検出するための、並びにVSIG1を差次的に発現する悪性腫瘍などの、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3の発現に関連する疾患を治療するための抗体および断片を用いる生体外および生体内の方法に関する。本発明はさらに、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3に特異的な抗体および断片を用いる、自己免疫不全疾患並びに生体移植および移植片体宿主病を治療するための方法に関する。従って、本発明はまた、本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、抗FXYD3抗体およびVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3を
調節する他の薬剤を用いる、悪性腫瘍を治療するための方法を提供する。それは、例えば、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む、非転移性、浸潤性または転移性であり得る、肺癌、卵巣癌、結腸癌、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍の治療などである。本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3を調節する、本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、抗FXYD3抗体および他の薬剤を用いる、限定はされないが、自己免疫不全疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む、免疫不全疾患などの非悪性障害を治療するための方法をさらに供給する。好ましくは、これら抗体は、癌細胞などの標的細胞に対するADCCまたはCDC活性をもつであろう。
また、本発明は、免疫療法において利用するための、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3抗原、およびVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3の細胞外領域を含有する可溶性ポリペプチド抱合体を含むその抗原の一部、並びに/若しくは、対応するDNAまたはベクター若しくはそれを発現する細胞に関する。さらに、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3抗原並びに個々の部分およびその変異体の発現のための、ベクター、含有細胞並びにその利用を提供する。また、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3関連活性に特異的に結合および/または調節するペプチド、アンチセンスRNA、siRNAs、炭水化物および他の小分子などの、非抗体に基づいたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3調節剤を提供する。
本発明がより容易に理解され得るために、いくつかの用語を最初に定義する。さらなる定義は、詳細な説明を通して、記載される。
VSIG1という語は、本明細書で報告される、AI581519_T0(配列番号1)、AI581519_T1(配列番号2)、AI581519_T2(配列番号3)、AI581519_T3(配列番号4)、AI581519_T4(配列番号5)、AI581519_T5(配列番号6)、AI581519_T6(配列番号7)、AI581519_T8(配列番号8)、AI581519_T10(配列番号9)、AI581519_T11(配列番号10)転写産物のいずれか1つによってコードされるタンパク質を指し、特に、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)のいずれか1つに記載の、例えば、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る、肺癌および卵巣癌などの癌、並びに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害に差次的に発現するタンパク質およびその変異体を指す。
ILDR1という語は、本明細書で報告される、AA424839_T0(配列番号17)、AA424839_T2(配列番号18)、AA424839_T4(配列番号19)、AA424839_1_T7(配列番号20)転写産物のいずれか1つによってコードされるタンパク質を指し、特に、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)、AA424839_1_P11(配列番号24)のいずれか1つに記載の、例えば、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る、結腸癌および卵巣癌などの癌、並びに、限定はされな
いが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害に差次的に発現するタンパク質およびその変異体を指す。
LOC253012という語は、本明細書で報告される、H68654_1_T0(配列番号25)、H68654_1_T4(配列番号26)、H68654_1_T5(配列番号27)、H68654_1_T8(配列番号28)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(SEQIDNO.31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、H68654_1_T20(配列番号34)転写産物のいずれか1つによってコードされるタンパク質を指し、特に、H68654_1_P2(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)のいずれか1つに記載の、例えば、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る、肺癌、特に小細胞肺癌、などの癌、並びに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害に差次的に発現するタンパク質およびその変異体を指す。
AI216611という語は、本明細書で報告される、AI216611_T0(配列番号41)、AI216611_T1(配列番号42)転写産物のいずれか1つによってコードされるタンパク質を指し、特に、AI216611_PO(配列番号43)、AI216611_P1(SEQIDNO.44)のいずれか1つに記載の、例えば、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓および脳の癌を含む、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの癌、並びに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害に差次的に発現するタンパク質およびその変異体を指す。
C1ORF32という語は、本明細書で報告される、H19011_1_T8(配列番号45)、H19011_1_T9(配列番号46)転写産物のいずれか1つによってコードされるタンパク質を指し、特に、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)のいずれか1つに記載の、例えば、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る、肺癌、特に小細胞肺癌などの癌、並びに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害に差次的に発現するタンパク質およびその変異体を指す。
FXYD3という語は、本明細書で報告される、R31375_T0(配列番号51);R31375_T1(配列番号52);R31375_T10(配列番号61);R31375_T11(配列番号62);R31375_T12(配列番号63);R31375_T13(配列番号64);R31375_T2(配列番号53);R31375_T3(配列番号54);R31375_T4(SEQIDNO:55);R31375_T5(配列番号56);R31375_T6(配列番号57);R31375_T7(配列番号58);R31375_T8(配列番号59);R31375_T9(配列番号60):R31375_T19(配列番号65);R31375_T25(配列番号66);R31375_T26(配列番号67);R31375_T29(配列番号68);R31375_T39(配列番号69)転写産物のいずれか1つによってコードされるタンパク質を指し、特に、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)、R31375_P31(配列番
号73)のいずれか1つに記載の、例えば、非転移性、浸潤性、または転移性であり得る、卵巣癌、並びに、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓および脳の癌を含む、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの癌に差次的に発現するタンパク質およびその変異体を指す。
好ましくは、そのようなVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3の変異体は、それと少なくとも80%の配列同一性をもち、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性およびさらに好ましくは少なくとも95%の配列同一性をもつであろう。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32タンパク質のいずれか1つは、その領域の構造に基づいて、例えば、癌細胞に対して誘発されるT細胞応答を含むB7免疫共刺激に係り、および自己免疫効果を引き起こすなど免疫上の効果を誘発する免疫共刺激タンパク質、例えば、B7タンパク質ファミリーメンバーであると予想される。
VSIG1の「可溶性細胞外領域(ECD)」または「細胞外領域」という語は、(VSIG1タンパク質のシグナルペプチドおよびTMを含まない)下記のポリペプチド配列または対応する核酸配列を指す。
>AI581519_P3(配列番号11)残基23から234(配列番号138)
QVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHPEVG
>AI581519_P4(配列番号12)残基23から270(配列番号139)
QVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISHSSCLSTEGMEEKAVGQCLKMTHVRDARGRCSWTSEIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHPEVG
>AI581519_P5(配列番号13)残基23から296(配列番号140)
QVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISHSSCLSTEGMEEKAVGQCLKMTHVRDARGRCSWTSESPWEEGKWPDVEAVKGTLDGQQAELQIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHPEVG
>AI581519_P7(配列番号14)残基23から193(配列番号141)
QVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHPEVG
>AI581519_P9(配列番号15)残基23から203(配列番号142)
QVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFTNHRDFGHWKSDKF
>AI581519_P10(配列番号16)残基23から231(配列番号143)
QVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSRQ、
>AI581519_P5(配列番号13)残基26から293(配列番号302)
IPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISHSSCLSTEGMEEKAVSQCLKMTHARDARGRCSWTSESPWEEGKWPDVEAVKGTLDGQQAELQIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHP、
並びに、それに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、およびさらに好ましくはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体を指す。
ILDR1の「可溶性細胞外領域(ECD)」または「細胞外領域」という語は、(ILDR1タンパク質のシグナルペプチドおよびTMを含まない)下記のポリペプチド配列または対応する核酸配列を指す。
AA424839_1_P11(配列番号24)の残基24から105:配列番号296
ALSLGQDPSNDCNDNQREVRIVAQRRGQNEPVLGVDYRQRKITIQNRADLVINEVMWWDHGVYYCTIEAPGDTSGDPDKEVK(配列番号296);
AA424839_P3(配列番号22)およびAA424839_P5(配列番号21)の残基24から162:配列番号75
LLVTVQHTERYVTLFASIILKCDYTTSAQLQDVVVTWRFKSFCKDPIFDYYSASYQAALSLGQDPSNDCNDNQREVRIVAQRRGQNEPVLGVDYRQRKITIQNRADLVINEVMWWDHGVYYCTIEAPGDTSGDPDKEVK:
AA424839_P7(配列番号23)の残基24から457:配列番号76
LLVTVQHTERYVTLFASIILKCDYTTSAQLQDVVVTWRFKSFCKDPIFDYYSASYQAALSLGQDPSNDCNDNQREVRIVAQRRGQNEPVLGVDYRQRKITIQNPLARHRYMKQAQALGPQMMGKPLYWGADRSSQVSSYPMHPLLQRDLSLPSSLPQMPMTQTTNQPPIANGVLEYLEKELRNLNLAQPLPPDLKGRFGHPCSMLSSLGSEVVERRIIHLPPLIRDLSSSRRTSDSLHQQWLTPIPSRPWDLREGRSHHHYPDFHQELQDRGPKSWALERRELDPSWSGRHRSSRLNGSPIHWSDRDSLSDVPSSSEARWRPSHPPFRSRCQERPRRPSPRESTQRHGRRRRHRSYSPPLPSGLSSWSSEEDKERQPQSWRAHRRGSHSPHWPEEKPPSYRSLDITPGKNSRKKGSVERRSEKDSSHSGRSVVI;
AA424839_P3(配列番号36)の残基50から160:配列番号301
AQLQDVVVTWRFKSFCKDPIFDYYSASYQAALSLGQDPSNDCNDNQREVRIVAQRRGQNEPVLGVDYRQRKITIQNRADLVINEVMWWDHGVYYCTIEAPGDTSGDPDKE、
並びに、それに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、およびさらに好ましくはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体を指す。
LOC253012の「可溶性細胞外領域(ECD)」または「細胞外領域」という語は、(LOC253012タンパク質のシグナルペプチドおよびTMを含まない)下記のポリペプチド配列または対応する核酸配列を指す。
H68654_1_P2(配列番号35)残基38から349:(配列番号144)
SHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSL;
H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号3
9)、H68654_1_P14(配列番号:40)残基19から337:(配列番号145)GLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSL
H68654_1_P5(配列番号36)残基1から335(配列番号300):MWLKVFTTFLSFATGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGK、
並びに、それに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、およびさらに好ましくはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体を指す。
AI216611の「可溶性細胞外領域(ECD)」または「細胞外領域」という語は、(AI216611タンパク質のシグナルペプチドおよびTMを含まない)下記のポリペプチド配列または対応する核酸配列を指す。
>AI216611_P0(配列番号43)29から147(配列番号146)
LQSQGVSLYIPQATINATVKEDILLSVEYSCHGVPTIEWTYSSNWGTQKIVEWKPGTQANISQSHKDRVCTFDNGSIQLFSVGVRDSGYYVITVTERLGSSQFGTIVLHVSEILYEDLH、
>AI216611_P0(配列番号43)1から145(配列番号298)
MRPLPSGRRKTRGISLGLFALCLAAARCLQSQGVSLYIPQATINATVKED
ILLSVEYSCHGVPTIEWTYSSNWGTQKIVEWKPGTQANISQSHKDRVCTFDNGSIQ
LFSVGVRDSGYYVITVTERLGSSQFGTIVLHVSEILYED、
並びに、それに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、およびさらに好ましくはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体を指す。
C1ORF32の「可溶性細胞外領域(ECD)」または「細胞外領域」という語は、
(C1ORF32タンパク質のシグナルペプチドおよびTMを含まない)下記のポリペプチド配列または対応する核酸配列を指す。
>H19011_1_P8(配列番号48)残基21から186(配列番号147)
LQVTVPDKKKVAMLFQPTVLRCHFSTSSHQPAVVQWKFKSYCQDRMGESLGMSSTRAQSLSKRNLEWDPYLDCLDSRRTVRWASKQGSTVTLGDFYRGREITIVHDADLQIGKLMWGDSGLYYCIITTPDDLEGKNEGSLGLLVLGRTGLLADLLPSFAVEIMPE
>H19011_1_P9(配列番号50)残基21から169(配列番号148)
LQVTVPDKKKVAMLFQPTVLRCHFSTSSHQPAVVQWKFKSYCQDRMGESLGMSSTRAQSLSKRNLEWDPYLDCLDSRRTVRVVASKQGSTVTLGDFYRGREITIVHDADLQIGKLMWGDSGLYYCIITTPDDLEGKNEGSLGLLVLEWV、
>H19011_1_P8(配列番号48)残基1から184(配列番号299)
MDRVLLRWISLFWLTAMVEGLQVTVPDKKKVAMLFQPTVLRCHFSTSSHQPAVVQWKFKSYCQDRMGESLGMSSTRAQSLSKRNLEWDPYLDCLDSRRTVRVVASKQGSTVTLGDFYRGREITIVHDADLQIGKLMWGDSGLYYCIITTPDDLEGKNEDSVELLVLGRTGLLADLLPSFAVEIM、
並びに、それに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、およびさらに好ましくはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体を指す。
FXYD3の「可溶性細胞外領域(ECD)」または「細胞外領域」という語は、(FXYD3タンパク質のシグナルペプチドおよびTMを含まない)下記のポリペプチド配列または対応する核酸配列を指す。
>R31375_P0(配列番号70)、R31375_P31(配列番号73)21から36(配列番号149)
NDLEDKNSPFYYDWHS
>R31375_P14(配列番号72)21から65(配列番号150)
NDLEDKNSPFYYGAPYIFVKRMGGQMKRTQAGTEVPSTFLLDWHS
>R31375_P33(配列番号74)21から25(配列番号151)
NDLED
>R31375_P14(配列番号72)1から63(配列番号297)
MQKVTLGLLVFLAGFPVLDANDLEDKNSPFYYGAPYIFVKRMGGQMKRTQAGTEVPSTFLLDW、
並びに、それに少なくとも80%の配列同一性、より好ましくはそれに少なくとも90%の配列同一性、およびさらに好ましくはそれに少なくとも95、96、97、98または99%の配列同一性をもつ変異体を指す。
「免疫応答」という語は、例えば、リンパ球、抗原提示細胞、食細胞、顆粒球および上記細胞、若しくは肝臓または脾臓によって作られる細胞によって生成される、(抗体、サイトカインおよび補体を含む)可溶性巨大分子の作用を指し、結果として、侵入病原体、病原体に感染された細胞または組織、癌性細胞に対する、若しくは自己免疫または病的炎症の場合、正常ヒト細胞または組織に対する選択的な損傷、破壊、または人体からの除去となる。
「シグナル伝達経路」は、細胞のある1つの部分から別の部分へのシグナルの伝達に関与する多様なシグナル伝達分子間の生化学的関係を指す。
本明細書において、「細胞表面受容体」という句(phrase)は、例えば、シグナルを受けること、およびそのシグナルを、細胞膜をまたいで伝達することができる分子または分子の複合体を含む。
本明細書では、「抗体」という語は、全ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、並びに任意の抗原結合断片(すなわち、「抗原結合部」)またはその1本鎖を含む。「抗体」は、ジスルフィド結合またはその抗原結合部によって相互につながった少なくとも2つの重鎖(H)および軽鎖(L)を含む糖タンパク質を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(以下、VHと略す)および重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つの領域、CH1、CH2およびCH3から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(以下、VLと略す)、および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つの領域CLから構成される。VHおよびVL領域は、さらに、相補性決定領域と呼ばれる超可変性の領域、フレームワーク領域と呼ばれるより保存された領域がちりばめられた領域に分類される。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へ次の順に並んだ3つのCDRおよび4つのFRから構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合領域を含む。抗体の定常領域は、様々な免疫系の細胞(例えばエフェクター細胞)および古典的な補体系の第1成分(C1q)を含む、免疫グロブリンの宿主組織または因子への結合を媒介し得る。
本発明書において、抗体の「抗原結合部」という語(または、単に「抗体部」)は、抗原(例えば、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3)に特異的に結合する能力を保有する抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によってなされることが示されている。抗体の「抗原結合部」という語に含まれる例として、(i)Fab断片、VLight、VHeavy、Constant light(CL)およびCH1領域からなる1価の断片、(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片からなる2価の断片、(iii)VHおよびCH1領域からなるFd断片、(iv)抗体の単アーム(single arm)のVLおよびVH領域からなるFv断片、(v)VH領域からなるdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546)および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が、挙げられる。さらに、Fv断片の2つの領域、VLおよびVHは、別の遺伝子によってコードされているが、VLおよびVH領域が対
になって1価の分子を形成する1本鎖タンパク質鎖(1本鎖Fv(scFv)として知られる)として作成することができる人工リンカーにより、組換え法を用いて、連結されることができる。(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423−426 およびHuston et al. (1988) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883を参照のこと。)そのような1本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部」という語に含まれることを意図される。これら抗体断片は、当業者に公知の従来技術を用いて得られ、断片は、完全抗体と同じ方法で有用性に関してわけられる。
本明細書において、「単離された抗体」は、異なる抗原特異性をもつ他の抗体を実質的に含んでいない抗体を指すことを意図されている。(例えば、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に特異的に結合する単離された抗体は、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない。)しかし、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に特異的に結合する単離された抗体は、それぞれ、他の種のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3分子などの他の抗原に対する交差反応性をもち得る。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学薬品を実質的に含んでいない可能性がある。
本明細書において、「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体 組成物」という語は、単一分子組成の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、単一の結合特異性および特定のエピトープに対する親和性を示す。
本明細書において、「ヒト抗体」という語は、フレームワークおよびCDR領域がともに、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来である可変領域をもつ抗体を含むことを意図される。さらに、抗体が定常領域を含む場合、定常領域もまた、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来である。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされない(例えば、生体外におけるランダムにまたは部位特異的に導入された変異若しくは生体内における体細胞変異)アミノ酸残基を含み得る。しかし、本明細書において、「ヒト抗体」という語は、マウスなどの他の哺乳類種の生殖細胞由来のCDR配列が、ヒトフレームワーク配列上に接合された抗体を含むことを意図されない。
「ヒトモノクローナル抗体」という語は、フレームワークおよびCDR領域がともに、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列由来である可変領域をもつ、単一の結合特異性を示す抗体を指す。1つ実施形態では、ヒトモノクローナル抗体は、例えばトランスジェニックマウスなどの、トランスジェニックの非ヒト動物から得られ、ヒト重鎖トランス遺伝子および軽鎖トランス遺伝子を含むゲノムをもち、不死化細胞に融合されたB細胞を含むハイブリドーマによって生産される。
本明細書において、「組み換えヒト抗体」という語は、(a)ヒト免疫グロブリン遺伝子に対してトランスジェニックまたはトランスクロモソーマル(transchromosomal)である動物(例えばマウス)若しくはそれらから調製されたハイブリドーマ(さらに下で述べる)から単離された抗体、(b)抗体を発現するように形質転換された
宿主細胞、例えばトランスフェクトーマ(transfectoma)から単離された抗体、(c)組換えコンビナトリアル(combinatorial)ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、および(d)ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む他の組み換え手段によって、調製、発現、作製または単離された抗体などの、組み換え手段によって、調製、発現、作製または単離されたすべてのヒト抗体を含む。このような組み換えヒト抗体は、フレームワークおよびCDR領域が、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域をもつ。しかし、ある実施形態では、このような組み換えヒト抗体は、生体外突然変異誘発(または、ヒトIg配列に対して動物トランスジェニックが使用されるときは、生体内体細胞変異誘発)に供されることができる。したがって、組み換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系VHおよびVL配列に由来および関連する一方で、生体内ヒト抗体生殖系レパートリー内に天然に存在していない可能性がある配列である。
本明細書において、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgMまたはIgGl)を指す。
本明細書では、「抗原を認識する抗体」および「抗原に特異的な抗体」という句(phrase)は、「抗原に特異的に結合する抗体」と互換的に用いられる。
本明細書において、「ヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に特異的に結合する」抗体は、それぞれ、ヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3に結合する抗体で、好ましくは、5X10−8M以下、より好ましくは3X10−8M以下およびさらに好ましくは1X10−9M以下のKDをもつものを指すことを意図される。
本明細書において、「K−assoc」また「Ka」という語は、特定の抗体抗原相互作用の会合速度を指すことを意図され、一方、本明細書において、「Kdiss」または「Kd」という語は、特定の抗体−抗原相互作用の解離速度を指すことを意図する。本明細書において、「KD」という語は、KdのKaに対する比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表わされる解離定数を指すことを意図される。抗体に対するKD値は、当分野で確立された方法を用いて測定されることができる。抗体のKDを測定する好ましい方法は、表面プラズモン共鳴法を用いること、好ましくは、BiacoreRTM.システムなどのバイオセンサーシステムを用いることによる。
本明細書において、IgG抗体に対する「高親和性」という語は、標的抗原に対して10−8M以下、より好ましくは10−9M以下、およびさらに好ましくは10−10M以下のKDをもつ抗体を指す。しかし、「高親和性」結合は、他の抗体アイソタイプに対して変動することができる。例えば、IgMアイソタイプに対する「高親和性」結合は、10−7M以下、より好ましくは10−8M以下のKDをもつ抗体を指す。
本明細書において、「対象」という語は、いかなるヒトまたは非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」という語は、すべての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類、羊、犬、猫、馬、牛、鶏、両性類、爬虫類などの哺乳類および非哺乳類を含む。
本明細書において、「尾(tail)」という語は、本発明に記載のスプライス変異体に特有であるアミノ酸配列の末部にあるペプチド配列を指す。従って、このような尾(tail)をもつスプライス変異体は、スプライス変異体の少なくとも前半の部分が、典型
的に、対応する公知タンパク質の部分に高度に相同(しばしば100%同一)であり、後半の部分が尾(tail)を含むという点で、任意選択で、キメラとしてみなされ得る。
本明細書において、「頭(head)」という語は、本発明に記載のスプライス変異体に特有であるアミノ酸配列の末部にあるペプチド配列を指す。従って、このような頭(head)をもつスプライス変異体は、スプライス変異体の前半の部分が、頭(head)を含み、少なくとも後半の部分が、典型的に、対応する公知タンパク質の部分に高度に相同(しばしば100%同一)であるという点で、任意選択で、キメラとしてみなされ得る。
本明細書において、「エッジ部(edge portion)」は、本発明に記載のスプライス変異体の2つの部分の間の、野生型または公知のタンパク質ではつながっていなかった連結部(connection)を指す。エッジ(edge)は、任意選択で、例えば、変異体の上記「公知タンパク質」部分と尾(tail)との間の結合により生じて得る、および/または、野生型配列の内側部分がもはや存在しない場合、配列の2つの部分が、公知タンパク質では連続でなかったが、スプライス変異体中では連続であるように生じて得る。「ブリッジ(bridge)」は、任意選択で、上記エッジ部(edge portion)であってもよく、頭(head)と変異体の「公知タンパク質」部分の間の連結、または尾(tail)と変異体の「公知タンパク質」部分の間の連結、または挿入部と変異体の「公知タンパク質」部分の間の連結を含み得る。
いくつか実施形態では、尾(tail)または頭(head)または特有の挿入部と変異体の「公知タンパク質」部分の間のブリッジ(bridge)は、少なくとも1つのアミノ酸が尾(tail)/頭(head)/挿入部からで、および少なくとも1つのアミノ酸が変異体の「公知タンパク質」部分からである、少なくとも約10アミノ酸、若しくは、いくつか実施形態では、少なくとも約20アミノ酸、若しくは、いくつか実施形態では、少なくとも約30アミノ酸、若しくは、いくつか実施形態では、少なくとも約40アミノ酸を含む。いくつか実施形態では、ブリッジ(bridge)は、約10から約40までのアミノ酸の任意の数(例えば、長さ、10、11、12、13...37、38、39、40アミノ酸またはその間の任意の数)のアミノ酸を含み得る。
ブリッジ(bridge)が、いずれの方向にも配列長を超えて伸長されることはできないことは、特筆されるべきであり、各ブリッジ(bridge)の説明は、ブリッジ(bridge)の長さが配列そのものを超えて伸長しないという態度(manner)で、解されることは当然であると考えるべきである。
さらに、下記のある文脈においては、ブリッジ(bridges)は、スライドウィンドウ(sliding window)に関して、説明される。例えば、ブリッジ(bridges)のある説明は、次の様式を特徴としてもつ:2つのエッジ(edges)間のブリッジ(bridge)(公知のタンパク質の部分が、変異体に存在しない)は、任意選択で、次のように説明され得る:長さ「n」をもつポリペプチドをもつCONTIG−NAME_P1(タンパク質名を表している)のブリッジ部(bridge portion)であり、nが、少なくとも長さ約10のアミノ酸、任意選択で、少なくとも長さ約20のアミノ酸、好ましくは、少なくとも長さ約30のアミノ酸、より好ましくは、少なくとも長さ約40のアミノ酸および最も好ましくは、少なくとも長さ約50のアミノ酸であり、少なくとも2つのアミノ酸が、XX(ブリッジ(bridge)の中央の2つのアミノ酸、エッジ(edge)の各端から1つ)を含み、次の構造をもつ、(CONTIG−NAME_Plの配列に従った番号付け):任意のアミノ酸番号(例えば)49−xから49から始まり、任意のアミノ酸番号(例えば)50+((n−2)−x)で終わる配列、ここで、xは、0からn−2で変動する。この例ではまた、長さ10−50アミノ
酸の間の任意のアミノ酸の数である、ブリッジ(bridges)を含むこととして解釈されるべきである。さらに、ブリッジ(bridge)ポリペプチドは、配列を超えて伸長することはできない、よって、(例えば)49−xは、1より短くなく、(例えば)50 + ((n−2) − x) は、全配列長よりも長くないと、解釈されるべきである。
本発明の多様な局面を、さらに詳細に、次に続く副セクションで説明する。
核酸
「核酸断片」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、本明細書では、互換的に用いられ、核酸残基のポリマーを指す。本発明のポリヌクレオチド配列は、単離され、RNA配列、相補的ポリヌクレオチド配列(cDNA)、ゲノムポリヌクレオチド配列および/または混成(composite)ポリヌクレオチド配列(例えば、上記の組み合わせ)の形で与えられた1本鎖または2本鎖核酸配列を指す。
よって、本発明は、上記核酸配列、その断片、それにハイブリダイズ可能な配列、それに相同な配列(例えば、本明細書に記載の核酸配列に、少なくとも90%、少なくとも95、96、97、98または99%またはそれ以上同一である)、異なったコドン使用頻度で同じポリペプチドをコードする配列、天然また人工の、ランダムまたは標的にしたやり方で、1つ以上のヌクレオチドの削除、挿入または置換などの変異を特徴とする改変配列を含む。本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドに特有の配列領域を含む相同性核酸配列(すなわち、本発明のポリヌクレオチド配列の一部を形成する配列)を含む。
本発明のポリヌクレオチド配列が、これまで同定されていないポリペプチドをコードする場合、本発明はまた、以上に記述された単離されたポリヌクレオチドおよび対応するその核酸断片によってコードされる新規のポリペプチドまたはその部分を含む。
よって、本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドを含む。本発明はまた、これらポリペプチドのホモログを含み、このようなホモログは、下に記載のアミノ酸配列に少なくとも90 %、少なくとも95、96、97、98または99%またはそれ以上相同であることができ、それは、初期パラメータで用いて、National Center of Biotechnology Information (NCBI)のBlastPソフトウェアを使用して決めることができる。最後に、本発明はまた、天然また人工的に誘発された、ランダムまたは標的にしたやり方で、1つ以上のヌクレオチドの削除、挿入または置換などの変異をもつ、上記のポリペプチドおよびポリペプチドの断片を含む。
以上に述べたように、本発明の生物分子配列は、組織または病理マーカーとして、および疾患を治療または予防するための推定薬剤または薬剤標的として、効率的に使用されることができる。
本発明の方法を実施するために設計された(上記のように設計された)、本明細書で提供された配列のいずれかに対するオリゴヌクレオチドは、酵素合成または固相合成などの当業者に公知のいかなるオリゴヌクレオチド合成方法に従って生成されることができる。固相合成を行うための装置および試薬は、例えば、Applied Biosystemsから市販されている。その合成のための任意の他の手段も採用され得る。オリゴヌクレオチドの実際の合成は、当業者の能力の範疇に十分にある。
本発明のこの局面に従って用いられるオリゴヌクレオチドは、約10から約200塩基、好ましくは約15から約150塩基、より好ましくは、約20から約100塩基、最も
好ましくは約20から約50塩基の範囲から選ばれる長さをもつものである。
本発明のオリゴヌクレオチドは、3’−5’ホスホジエステル結合で結合された、プリンおよびピリミジン塩基からなる複素環ヌクレオチドを含み得る。
好ましいオリゴヌクレオチドは、骨格、ヌクレオチド間結合または塩基のいずれかにおいて、以下に概して記述されるように、修飾されたものである。そのような修飾は、しばしば、オリゴヌクレオチド取り込みおよび細胞内状態に対する耐性を容易にすることができる。
本発明のこの局面にしたがって有用な好ましいオリゴヌクレオチドの具体的な例として、修飾された骨格または非天然のヌクレオチド間結合を含むオリゴヌクレオチドが挙げられる。修飾された骨格をもつオリゴヌクレオチドとして、米国特許第4,469,863号、第4,476,301号、第5,023,243号、第5,177,196号、第5,188,897号、第5,264,423号、第5,276,019号、第5,278,302号、第5,286,717号、第5,321,131号、第5,399,676号、第5,405,939号、第5,453,496号、第5,455,233号、第5,466,677号、第5,476,925号、第5,519,126号、第5,536,821号、第5,541,306号、第5,550,111号、第5,563,253号、第5,571,799号、第5,587,361号、および第5,625,050号に開示された、骨格にリン原子を保有するものが挙げられる。
例えば、好ましい修飾オリゴヌクレオチド骨格として、ホスホロチオエート、鏡像異性ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホン酸塩および鏡像異性ホスホン酸塩を含むメチルおよび他のアルキルホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、ホスホロアミダート、3’−アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホロアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホロアミダート、チオノアルキルホスホトリエステル、並びに、正常な3’−5’結合をもつボラノホスフェート、これらの2’−5’結合アナログ、および、隣接した組のヌクレオチド単位が、3’−5’から5’−3’または2’−5’から5’−2’である逆の極性をもつものが挙げられる。様々な塩、混合塩および遊離酸の形もまた用いられることができる。
或いは、リン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオチド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルヌクレオチド間結合、若しくは1つ以上の短鎖ヘテロ原子または複素環ヌクレオチド間結合によって形成される骨格をもつ。これらとしては、米国特許第5,034,506号、第5,166,315号、第5,185,444号、第5,214,134号、第5,216,141号、第5,235,033号、第5,264,562号、第5,264,564号、第5,405,938号、第5,434,257号、第5,466,677号、第5,470,967号、第5,489,677号、第5,541,307号、第5,561,225号、第5,596,086号、第5,602,240号、第5,610,289号、第5,602,240号、第5,608,046号、第5,610,289号、第5,618,704号、第5,623,070号、第5,663,312号、第5,633,360号、第5,677,437号、および第5,677,439号に開示されたように、モルフォリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から一部形成された)、シロキサン骨格、スルフィド、スルフォキシド及びスルホン骨格、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファメート(sulfamate)骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、スルホネート及びスルホンアミド骨格、アミド骨格をもつもの、並びに混合N、O、Sお
よびCH2構成物の部分をもつ他のものが挙げられる。
本発明に従って用いられることができる他のオリゴヌクレオチドは、糖およびヌクレオチド内結合で修飾されたもの、すなわち、ヌクレオチド単位の骨格が新規のグループで置換されたものある。塩基単位は、適当なポリヌクレオチド標的との相補性のために維持されている。そのようなオリゴヌクレオチド模倣剤の例として、ペプチド核酸(PNA)がある。PNAオリゴヌクレオチドは、糖骨格が、アミド含有骨格、特に、アミノエチルグリシン骨格で置換されているオリゴヌクレオチドを指す。塩基は保持され、直接的または間接的に、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に結合される。PNA化合物の調製を教示する米国特許として、限定されないが、米国特許第5,539,082号、第5,714,331号、および第5,719,262号が挙げられ、それぞれは、参照により本明細書に取り込まれる。本発明で用いられることができる他の骨格修飾は、米国特許第6,303,374号に開示されている。
また、本発明のオリゴヌクレオチドは、塩基修飾または置換を含み得る。本明細書において、「非修飾」または「天然」塩基は、プリン塩基、アデニン(A)およびグアニン(G)、並びにピリミジン塩基、チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を含む。修飾塩基として、限定はされないが、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2ープロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5ープロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル(pseudouracil))、4−チオウラシル、8ーハロ、8ーアミノ、8−チオ、8ーチオアルキル、8ーヒドロキシルおよび他の8―置換アデニンおよびグアニン、5ーハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7‐メチルグアニンおよび7ーメチルアデニン、8−アザグアニンおよび8‐アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン、並びに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンなどの他の合成および天然塩基が挙げられる。さらなる塩基として、米国特許第3,687,808号に開示されたもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science and Engineering, pages 858−859, Kroschwitz, J. L, ed. John Wiley & Sons, 1990に開示されたもの、Englisch
et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613に開示されたもの、およびSanghvi, Y. S., Chapter 15, Antisense Research and Applications,pages 289−302, Crooke, S. T. and Lebleu, B., ed., CRC Press,
1993に開示されたものが挙げられる。そのような塩基は、本発明のオリゴマー化合物の結合親和性を増すので、特に有用である。これらとしては、5−置換ピリミジン、6‐アザピリミジン並びに2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシンを含むN−2、N−6およびO−6置換プリンが挙げられる。5−メチルシトシン置換は、核酸2本鎖安定性を0.6−1.2℃増加することが示されており(Sanghvi YS et al. (1993) Antisense Research and Applications, CRC Press, Boca Raton 276−278)、現在、とりわけ2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わされた場合、好ましい塩基置換である。
本発明のオリゴヌクレオチドの別の修飾は、活性、細胞分布または細胞のオリゴヌクレオチドと取り込みを増強する、1つ以上の部位(moieties)または抱合体を、オ
リゴヌクレオチドに化学的に連結すること含む。そのような部位(moieties)としては、限定的はされないが、米国特許第6,303,374号に開示されているように、コレステロール部分(moiety)、コール酸、チオエテール(例えばヘキシル−S−トリチルチオール)、チオコレステロール、脂肪族鎖(例えば、ドデカンジオールまたはウンデシル残基)、リン脂質、例えば、ジヘキサデシル−rac−グリセロールか、トリエチルアンモニウム1、2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホン酸塩、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖、
若しくは、アダマンタン酢酸、パルミチル部位(moiety)、オクタデシルアミン、若しくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部位(moiety)などの脂質部位(moieties)が挙げられる。
所与のオリゴヌクレオチド分子のすべての位置が、一様に修飾される必要はなく、実際、2つ以上の前記の修飾が、1つの化合物またはオリゴヌクレオチド内の1つのヌクレオチドにさえ取り込まれ得る。
ペプチド
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という語は、本明細書において互換的に用いられ、アミノ酸残基のポリマーを指す。その語は、天然のアミノ酸ポリマー同様、1つ以上のアミノ酸残基が、天然のアミノ酸のアナログまたは模倣物であるアミノ酸ポリマーに適用する。ポリペプチドは、例えば、炭水化物残基の付加によって修飾されることができ、糖タンパク質を形成する。「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という語は、糖タンパク質並びに非糖タンパク質を含む。
ポリペプチド生成物は、標準的な固相技術を用いることなどによって、生化学的に合成されることができる。そのような方法としては、排除固相合成(exclusive solid phase synthesis)、部分的な固相合成方法、断片濃縮、古典的な溶液合成が挙げられる。これら方法は、好ましくは、ペプチドが比較的短い(すなわち、10kDa)場合および/または組換え技術によって生成できず(すなわち、核酸配列でコードされない)異なる化学が関与する場合に用いられる。
固相ポリペプチド合成手順は、当分野で周知であり、さらに、John Morrow
Stewart and Janis Dillaha Young, Solid Phase Peptide Syntheses (2nd Ed., Pierce
Chemical Company, 1984)に記載されている。
合成ポリペプチドは、分取(preparative)高速液体クロマトグラフィーによって精製されることができ(Creighton T. (1983) Proteins, structures and molecular principles.
WH Freeman and Co. N.Y.)、その組成は、アミノ酸シーケンシングを通して確かめられることができる。
多量のポリペプチドが望まれる場合、Bitter et al., (1987) Methods in Enzymol. 153:516−544, Studier
et al. (1990) Methods in Enzymol. 185:60− 89, Brisson et al. (1984) Nature 310:511−514, Takamatsu et al. (1987) EMBO J.
6:307− 311, Coruzzi et al. (1984) EMBO J. 3:1671−1680 and Brogli et al., (1984)
Science 224:838−843, Gurley et al. (1986) MoI. Cell. Biol. 6:559−565 and Weissb
ach & Weissbach, 1988, Methods for Plant
Molecular Biology, Academic Press, NY, Section VIII, pp 421−463.に記載されているような組換え技術を用いて生成されることができる。
本発明の教示に従って特定されたペプチドが、分解産物、合成ペプチドまたは組み換えペプチド並びにペプチド模倣物、典型的に合成ペプチド、および、例えば体内でより安定である、または、細胞により浸透することができる修飾をもち得るペプチドアナログであるペプトイドおよびセミペプトイドであり得ることは理解されるであろう。そのような修飾として、限定はされないが、N末修飾、C末修飾、限定はされないが、CH2−NH、CH2−S、CH2−S=O、O=C−NH、CH2−O、CH2−CH2、S=C−NH、CH=CHまたはCF=CHを含むペプチド結合修飾、骨格修飾、および残基修飾が挙げられる。ペプチド模倣化合物を調製する方法は、当分野で周知であり、例えば、Quantitative Drug Design, CA. Ramsden Gd.,
Chapter 17.2, F. Choplin Pergamon Press
(1992)で明示され、それは、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。さらに、これに関する詳細を以下に提供する。
ペプチド内のペプチド結合(−CO−NH−)は、N−メチル化結合(−N(CH3)−CO−)、エステル結合(−C(R)H−C−O−O−C(R)−N−)、ケトメチレン結合(−CO−CH2−)、α−アザ結合(−NH−N(R)−CO−)、(ここで、Rは、任意のアルキル、例えば、メチル、カルバ(carba)結合(−CH2−NH−)、ヒドロキシエチレン(−CH(OH)−CH2−)、チオアミド結合(−CS−NH−)、オレフィン二重結合(−CH=CH−)、レトロアミド結合(retro amide bonds)(−NH−CO−)、ペプチド誘導体(−N(R)−CH2−CO)(Rは、「普通」の側鎖、天然に存在する炭素原子))と置換され得る。
これらの改変は、ペプチド鎖に沿った結合のいずれかおよび同時にいくつか(2−3)でさえも生じることができる。
天然芳香族アミノ酸、Trp、TyrおよびPheは、フェニルグリシン、TIC、ナフチルアラニン(naphthylelanine)(Nol)、Pheの環メチル化誘導体、Pheのハロゲン化誘導体またはo−メチル−Tyrなどの合成非天然酸で置換され得る。
上記に加えて、本発明のペプチドはまた、1つ以上の改変アミノ酸または1つ以上の非アミノ酸モノマー(例えば、脂肪酸、複合炭水化物(complex carbohydrates)など)を含み得る。
本明細書および、下の特許請求の範囲のセクションにおいて、「アミノ酸(amino
acid)」または「アミノ酸(amino acids)」という語は、20個の天然アミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、ホスホセリンおよびホスホトレオニンを含む、生体内で翻訳後にしばしば修飾されるアミノ酸、並びに、限定はされないが、2−アミノアジビン酸、ヒドロキシリジン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシンおよびオルニチンを含む他の稀なアミノ酸を含むものと理解される。さらに、「アミノ酸(amino acid)」という語は、D−およびL−アミノ酸をともに含む。
本発明のペプチドは、好ましくは、ペプチドが、不溶性の形であることが要求される治療において使用される。本発明のペプチドは、好ましくは、限定はされないが、ヒドロキシル含有側鎖のよってペプチド溶解性を増加することができるセリンおよびトレオニンを
含む、1つ以上の非天然または天然極性アミノ酸を含む。
本発明のペプチドは、好ましくは、直線状の形で使用される。環化が、ペプチドの性質を著しく妨げない場合、環状の形のペプチドもまた使用されることができることは理解されるであろう。
本発明のペプチドは、標準的な固相技術を用いることによってなど、生化学的に合成されることができる。これらの方法として、排除固相合成(exclusive solid phase synthesis)部分的な固相合成方法、断片濃縮、古典的な溶液合成が挙げられる。これら方法は、好ましくは、ペプチドが比較的短い(すなわち、10kDa)場合および/または組換え技術によって生成できず(すなわち、核酸配列でコードされない)、よって異なる化学が関与する場合に用いられる。
固相ポリペプチド合成手順は、当分野で周知であり、さらに、John Morrow
Stewart and Janis Dillaha Young, Solid Phase Peptide Syntheses (2nd Ed., Pierce
Chemical Company, 1984)に記載されている。
合成ポリペプチドは、分取(preparative)高速液体クロマトグラフィーによって精製されることができ、Creighton T. (1983) Proteins, structures and molecular principles.
WH Freeman and Co. N.Y.、その組成は、アミノ酸シーケンシングを通して確かめられることができる。
多量のポリペプチドが望まれる場合、Bitter et al., (1987) Methods in Enzymol. 153:516−544, Studier
et al. (1990) Methods in Enzymol. 185:60− 89, Brisson et al. (1984) Nature 310:511−514, Takamatsu et al. (1987) EMBO J.
6:307− 311, Coruzzi et al. (1984) EMBO J. 3:1671−1680 and Brogli et al., (1984)
Science 224:838−843, Gurley et al. (1986) MoI. Cell. Biol. 6:559−565 および Weissbach & Weissbach, 1988, Methods for Plant
Molecular Biology, Academic Press, NY, Section VIII, pp 421−463.に記載されているなどの組換え技術を用いて生成されることができる。
発現系
本発明のポリヌクレオチドの細胞発現を可能にするため、本発明に記載の核酸構築物が使用され得る。その核酸構築物は、少なくとも上記核酸配列の1つのコーディング領域を含み、さらに、少なくとも1つのシス作用調節因子を含む。本明細書において、「シス作用調節因子」という句は、ポリヌクレオチド配列、好ましくは、トランス作用調節因子に結合し、その下流に位置するコーディング配列の転写を制御するプロモーターを指す。
適切なプロモーター配列が、本発明の核酸構築物によって、用いられることができる。
好ましくは、本発明の核酸構築物によって用いられるプロモーターは、形質転換された特定の細胞集団において活性がある。例えば、細胞タイプ特異的および/または組織特異的プロモーターとして、肝臓特異的であるアルブミン(Pinkert et al.,
(1987) Genes Dev. 1:268−277)、リンパ特異的プロモーター(Calame et al., (1988) Adv. Immunol. 43:235−275)、特にT細胞受容体プロモーター(Winoto et al.,
(1989) EMBO J. 8:729−733)および免疫グロブリン(Banerji et al. (1983) Cell 33729−740)、ニューロフィラメントプロモーターなどニューロン特異的プロモーター (Byrne et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlunch et al. (1985) Science 230:912−916)、または乳清プロモーターなどの乳腺特異的プロモーター(U.S. Pat. No. 4,873,316 および European Application Publication No. 264,166)などのプロモーターが挙げられる。本発明の核酸構築物は、プロモーター配列に隣接するまたは離れていることができ、そこからの転写の亢進において機能するエンハンサーをさらに含むことができる。
本発明の核酸構築物は、好ましくは、適当な選択可能マーカーおよび/または複製起点をさらに含む。好ましくは、使用される核酸構築物は、E.coli(構築物が適当な選択可能マーカーおよび複製起点を含む)で増殖することができ、並びに細胞における増殖または選択された遺伝子および組織における組み込みに適応されることができるシャトルベクターである。本発明に記載の構築物は、例えば、プラスミド、バクミド、ファージミド、コスミド、ファージ、ウィルスまたは人工染色体であることができる。
例えば、好適な構築物としては、限定はされないが、pcDNA3、pcDNA3.1(+/−)、pGL3、PzeoSV2(+/−)、pDisplay、pEF/myc/cyto、pCMV/myc/cytoが挙げられ、各々、Invitrogen Co.(www.invitrogen.com)から市販されている。レトロウィルスベクターおよびパッケージング系の例は、Retro−XベクターpLNCXおよびpLXSNを含む、Clontech, San Diego, Calif.より販売されるものであり、それらは、マルチクローニングサイトへのクローニングが可能で、トランスジーンがCMVプロモーターから転写される。Mo−MuLV由来のベクターはまた、トランスジーンが、5’LTR プロモーターから転写されるであろうpBabeなどを含む。
現在好ましい生体内核酸導入技術としては、アデノウィルス、レンチウィルス、単純ヘルペス I ウィルスまたはアデノ随伴ウィルス(AAV)および脂質に基づいた系などのウィルスまたは非ウィルス構築物とのトランスフェクションが挙げられる。遺伝子の脂質に媒介される導入において有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、およびDC−Chol(Tonkinson et al., Cancer Investigation, 14(1): 54−65 (1996))である。遺伝子療法に用いるために最も好ましい構築物は、ウィルスであり、最も好ましくは、アデノウィルス、AAV、レンチウィルスまたはレトロウィルスである。レトロウィルス構築物などのウィルス構築物は、少なくとも1つの転写プロモーター/エンハンサーまたは遺伝子座規定エレメント(locus−defining elements)、若しくは選択的スプライシング、RNA核外輸送またはメッセンジャー(messenger)の翻訳後修飾などの他の手段によって遺伝子発現を制御する他の因子を含む。そのようなベクター構築物はまた、パッケージングシグナル(packaging signal)、長端末反復(LTR)またはその一部、並びに、ウィルス構築物にすでに存在しない場合、用いられるウィルスに適切である正および負の(positive and negative)鎖プライマー結合部位を含む。加えて、そのような構築物は、典型的に、それが置かれた宿主細胞からのペプチドの分泌のためのシグナル配列を含む。好ましくは、この目的のためのシグ
ナル配列は、哺乳類シグナル配列、または本発明のポリペプチドのシグナル配列である。任意選択で、構築物はまた、ポリアデニル化を導くシグナル、並びに1つ以上の制限酵素認識部位および翻訳停止配列を含み得る。例として、そのような構築物は、典型的に、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、第二鎖DNA合成の起点、および3’LTRまたはその一部を含むであろう。陽イオン性脂質、ポリリシンおよびデンドリマーなどの非ウィルスである他のベクターが用いられることができる。
組み換え発現ベクターおよび宿主細胞
本発明の別の局面は、ベクター、好ましくは、本発明のタンパク質をコーディングする核酸、または、誘導体、断片、そのアナログまたはホモログを含む発現ベクターに関する。この明細書において、「ベクター」という語は、それに連結されている別の核酸を輸送する核酸分子を指す。ベクターの1つのタイプは、付加的なDNA断片が連結されることができる環状2本鎖DNAループを指す「プラスミド」である。ベクターの別のタイプは、付加的なDNA断片が、ウィルスゲノムに連結されることができるウィルスベクターである。ある種のベクターは、それらが導入された宿主細胞中で自律複製をすることができる。(例えば、細菌複製起点をもつ細菌ベクターおよびエピソーム(episomal)哺乳類ベクター。)他のベクター(例えば、非エピソーム(non−episomal)哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入されると、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それによって、宿主ゲノムといっしょに複製される。そのうえ、ある種のベクターは、機能可能なように連結された(operatively−linked)遺伝子の発現を指図する(direct)ことができる。そのようなベクターは、本明細書では、「発現ベクター」と呼ばれる。一般に、組み換えDNA技術において使用される発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形である。プラスミドが、もっとも一般的に使用される形のベクターであるので、本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」は、互換的に用いられることができる。しかし、本発明は、ウィルスベクター(例えば、複製欠損レトロウィルス、アデノウィルスおよびアデノ随伴ウィルス)などの、同等の機能を果たす他の形の発現ベクターを含むことを意図されている。
本発明の組み換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適した形で、本発明の核酸を含み、それは、組み換え発現ベクターが、発現に用いられる宿主細胞に基づいて選ばれ、発現される核酸配列に機能可能なように連結された(operatively−linked)1つ以上の調節配列を含むことを意味する。組み換え発現ベクター内で「機能可能なように連結された(operatively−linked)」は、ベクターが宿主細胞に導入されたときヌクレオチド配列が(例えば、生体外転写/翻訳系でまたはベクターが宿主細胞に導入された場合は、宿主細胞内で)発現可能なように、対象のヌクレオチド配列が、調節配列に連結されていることを意味するよう意図されている。
「調節配列」という語は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御因子(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図される。そのような調節配列は、例えば、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press,
San Diego, Calif. (1990)に記載されている。調節配列は、多種の宿主細胞においてヌクレオチド配列の恒常的発現を導くもの、およびある種の宿主細胞でのみヌクレオチド配列の発現を導くもの(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなどの要因に依存することができることは当業者に理解されるであろう。本発明の発現ベクターは、宿主細胞に導入されることができ、それによって、本明細書に記載の核酸にコードされた融合タンパク質またはペプチドなどのタンパク質またはペプチドを生成する。
本発明の組み換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞における変異体タンパク質の生産のために設計されることができる。例えば、本発明のタンパク質は、Escherichia coliなどの細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウィルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳類細胞において、発現されることができる。適切な宿主細胞は、さらに、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990)で論じられている。或いは、組み換え発現ベクターは、例えば、Tlプロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、生体外で転写および翻訳されることができる。
原核生物におけるタンパク質の発現は、ほとんどの場合、融合または非融合タンパク質いずれかの発現を導く恒常的または誘導プロモーターを含むベクターを用いて、Escherichia coliで実行される。融合ベクターは、多くのアミノ酸を、そこにコードされているタンパク質、組み換えタンパク質のアミノまたはC末端に付加する。そのような融合ベクターは、典型的に、3つの目的を果たす:(i)組み換えタンパク質の発現を増加する、(ii)組み換えタンパク質の溶解度を増加する、および(iii)アフィニティー精製におけるリガンドとして作用することによって、組み換えタンパク質の精製を補助する。しばしば、融合発現ベクターには、タンパク質分解酵素による切断(proteolytic cleavage)部位が、融合部位と組み換えタンパク質の接合部に導入され、融合タンパク質の精製に続く、融合部位から組み換えタンパク質の分離を可能にする。そのような酵素およびその同系の認識配列としては、血液凝固因子Xa(Factor Xa)、トロンビン、PreScission、TEVおよびエンテロキナーゼが挙げられる。典型的な融合発現ベクターとしては、pGEX (Pharmacia Biotech Inc; Smith and Johnson, 1988. Gene 67: 31−40)、 pMAL (New England Biolabs, Beverly, Mass.)およびpRIT5(Pharmacia, Piscataway, N.J.)が挙げられ、それぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質またはプロテインAを標的組み換えタンパク質に融合する。
適切な誘導、非融合E.coli 発現ベクターの例として、pTrc (Amrann et al., (1988) Gene 69:301−315) およびpET
11d (Studier et al., Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990) 60−89)−(正確でない、pETlla−dは、N末T7タグをもつ)が挙げられる。
E.coliにおける組み換えタンパク質発現を最大にするストラテジーの1つは、組み換えタンパク質をタンパク質分解酵素による切断(proteolytically cleave)する能力が損なわれた組み換えタンパク質を宿主細菌に、タンパク質を発現することである。例えば、Gottesman, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990) 119−128を参照のこと。別のストラテジーは、各アミノ酸に対する各コドンが、E.coliで優先的に使用されるものであるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更することである。(例えば、Wada, et al., 1992. Nucl. Acids Res. 20: 2111−2118を参照のこと。)そのような本発明の核酸配列の改変は、標準的なDNA合成技術によって施されることができる。コドン偏位(codon bias)を解決する別のストラテジーは、稀なE.coli tRNA遺伝子の特別な(extra)コピーを含む、BL21−codon pl
us細菌株(Invitrogen)、またはRosetta細菌株(Novagen)を用いることによる。
別の実施形態では、本発明のタンパク質をコードする発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母Saccharomyces cerevisiaeにおける発現用ベクターの例として、pYepSecl (Baldari, et al., 1987.
EMBO J. 6: 229−234), pMFa (Kurjan and Herskowitz, 1982. Cell 30: 933−943), pJRY88 (Schultz et al., 1987. Gene 54: 113−123), pYES2 (Invitrogen Corporation, San Diego, Calif.), およびpicZ (InVitrogen Corp, San Diego, Calif.)が挙げられる。
或いは、本発明のポリペプチドは、バキュロウィルス発現ベクターを用いて、昆虫細胞で生成されることができる。培養昆虫細胞(例えば、SF9細胞)でのタンパク質の発現に利用できるバキュロウィルスベクターとしては、pAcシリーズ(Smith, et
al., 1983. Mol. Cell. Biol. 3: 2156−2165)およびpVL シリーズ(Lucklow and Summers, 1989.
Virology 170: 31−39)が挙げられる。
さらに別の実施形態では、本発明の核酸は、哺乳類発現ベクターを用いて、哺乳類細胞で発現される。哺乳類発現ベクターの例としては、pCDM8(Seed, 1987.
Nature 329: 840)およびpMT2PC(Kaufman, et al., 1987. EMBO J. 6: 187−195)、pIRESpuro(Clontech)、pUB6(Invitrogen)、pCEP4(Invitrogen)、pREP4(Invitrogen)、pcDNA3(Invitrogen)が挙げられる。哺乳類細胞で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、ウィルス調節因子によってもたらされる。例えば、一般に用いられるプロモーターは、ポリオーマウイルス、アデノウィルス2、サイトメガロウイルス、ラウス肉腫ウイルスおよびサルウィルス40由来である。原核および真核細胞のための、他の好適な発現系については、例えば、 Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989.の16章および17章を参照のこと。
別の実施形態では、組み換え哺乳類発現ベクターは、特定の細胞タイプにおいて、優先的に核酸の発現を導くことができる(例えば、組織特異的調節因子が、核酸を発現するために用いられる。組織特異的調節因子は、当分野で公知である。適切な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(肝臓特異的、Pinkert, et al., 1987. Genes Dev. 1: 268−277)、リンパ特異的プロモーター(Calame and Eaton, 1988. Adv.
Immunol. 43: 235−275)、特にT細胞受容体のプロモーター(Winoto and Baltimore, 1989. EMBO J. 8: 729−733)および免疫グロブリン (Banerji, et al., 1983.
Cell 33: 729−740; Queen and Baltimore, 1983. Cell 33: 741−748)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター、Byrne and Ruddle, 1989. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlund, et al., 1985.
Science 230: 912−916)および乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清プロモーター、米国特許第4,873,316号およびEuropean Application Publication No.264,166)が挙げられる。例えば、マウスhoxプロモーター(Kessel and Gruss, 1990. Science 249: 374−379) およびアルファ−フェトプロテインプロモーター(Campes and Tilghman, 1989. Genes Dev. 3: 537−546)など、発生的に調節されるプロモーターもまた含まれる。
本発明は、発現ベクターにアンチセンス方向でクローンされた本発明のDNA分子を含む組み換え発現ベクターをさらに提供する。すなわち、DNA分子は、本発明のタンパク質をコードするmRNAに対するアンチセンスであるRNA分子の(DNA分子の転写による)発現を可能にするやり方で、調節配列に機能可能なように連結される(operatively−linked)。アンチセンス方向でクローンされた核酸に、機能可能なように連結された(operatively−linked)アンチセンスRNA分子の恒常的な発現を指図(direct)する調節配列が、多様な細胞タイプにおいて選択されることができる。例えば、恒常的なアンチセンスRNAの組織特異的または細胞タイプ特異的発現を指図(direct)するウィルスプロモーターおよび/またはエンハンサー若しくは調節配列が、選択されることができる。アンチセンス発現ベクターは、アンチセンス核酸が、高効率調節領域の制御下で生成され、その活性が、ベクターが導入された細胞タイプによって、決定されることができる、組み換えプラスミド、ファージミドまたは弱毒化ウィルスの形であることができる。アンチセンス遺伝子を用いる遺伝子発現の制御についての考察に関して、例えば、Weintraub, et al., ”Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis,” Reviews−Trends in Genetics, Vol. 1(1) 1986を参照のこと。
本発明の別の局面は、本発明の組み換え発現ベクターが導入されている宿主細胞に関する。「宿主細胞」および「組み換え宿主細胞」という語は、本明細書において互換的に用いられる。特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫または潜在的(potential)子孫も指すことは理解される。ある種の改変は、突然変異または環境の影響のいずれかのため、次世代に起こり得るので、実際は、そのような子孫は親細胞と同一でない可能性があるが、本明細書においての範疇の中に含まれる。
宿主細胞は、任意の原核または真核細胞であることができる。例えば、本発明のタンパク質は、E.coliなどの細菌細胞、昆虫細胞、酵母、植物または哺乳類細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOSまたは293細胞など)で生成されることができる。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
ベクターDNAは、従来の形質転換またはトランスフェクション技術を通して、原核または真核細胞に導入されることができる。この明細書において、「形質転換」および「トランスフェクション」という語は、リン酸カルシウム共沈法または塩化カルシウム、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション若しくは電気穿孔法を含む、外来核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入するための、当分野で認められている多様な技術を指すことを意図されている。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするための適切な方法は、Sambrook, et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd ed.,
Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring
Harbor, N.Y., 1989)、および他の実験マニュアル(laboratory manuals)にみられることができる。
哺乳類細胞の安定的遺伝子導入トランスフェクションに関して、用いられる発現ベクターおよびトランスフェクション技術よっては、ほんのわずかの細胞しか、外来DNAをそのゲノムに組み込み得ないことが知られている。これら取り込んだものを特定し、選択するために、選択可能マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコードする遺伝子が、一般的に、対象の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。多様な選択可能マーカーには、G418、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ブラストサイジンおよびメトトレキサートなどの薬剤に対する耐性を付与するものが含まれる。選択可能マーカーをコードする核酸は、本発明のタンパク質をコードする核酸と同じベクター上で宿主細胞に導入されることができ、または別個のベクターで導入されることができる。導入された核酸で安定的にトランスフェクションされた細胞は、薬剤選択によって特定されることができる。(例えば、選択可能マーカー遺伝子を取り込んでいる細胞は生き残り、一方で、他の細胞は死滅するであろう。)
原核または真核宿主細胞など、培養下の本発明の宿主細胞は、本発明のタンパク質を生成(すなわち、発現)するために用いられることができる。従って、本発明は、本発明の宿主細胞を用いる、本発明のタンパク質を生成する方法を、さらに提供する。1つの実施形態では、その方法は、本発明のタンパク質が生成されるように、(本発明のタンパク質をコードする組み換え発現ベクターが導入されている)本発明の宿主細胞を適切な培地中で培養することを含む。別の実施形態では、その方法は、培地または宿主細胞から本発明のタンパク質を単離することをさらに含む。
タンパク質の効率的な生成に関して、所望の宿主での発現向けに最適化された発現制御配列の制御下に、本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列をおくことが好ましい。例えば、配列は、最適化された転写および/または翻訳調節配列(改変コザック配列など)を含み得る。
タンパク質の改変
融合タンパク質
本発明によると、融合タンパク質は、免疫グロブリンの定常領域を含む免疫グロブリンの部分との融合によって、本発明のタンパク質から調製され得る。より好ましくは、免疫グロブリンの部分は、任意選択でおよびより好ましくは、ヒト重鎖定常領域である重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、最も好ましくは、IgG重鎖定常領域であり、並びに、任意選択でおよびより好ましくは、Fc鎖であり、最も好ましくは、CH2およびCH3領域を含むIgGFc断片である。どのIgGサブタイプも任意選択で用いられ得るが、IgG1サブタイプが好ましい。Fc鎖は、任意選択で公知または「野生型」Fc鎖であってよく、或いは変異されてもよい。変異の非限定的、例示的、典型的なタイプは、米国特許出願第20060034852号(2008年2月16日発行)に記載され、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。「Fc鎖」という語はまた、任意選択で、Fc断片のいずれのタイプを含む。
IgGサブクラスにおいて、抗体定常領域が媒介する活性に重要な特定のアミノ酸残基のいくつかが、特定されてきた。従って、これら特定のアミノ酸の包含、置換または除外は、特定免疫グロブリン定常領域媒介活性の包含または除外を可能にする。さらに、特定の変更は、結果として例えば、非グリコシレーション(aglycosylation)、および/またはFc鎖に対する他の所望の変更になり得る。以下により詳細に記載されるように、少なくともいくつかの変更は、任意選択で、望ましくない免疫系効果などの望ましくないと考えられるFcの機能を妨げるように施され得る。
融合タンパク質の活性を調節するために施され得る、Fcに対する変異の非限定的、説
明的な例として、次の変更が挙げられる(Fc配列命名(nomenclature)に関しては、Kabat EA et al: Sequences of Proteins of Immunological Interest. US Department of Health and Human Services、NIH、1991からの、Kabatによる):220C−>S、233−238ELLGGP−>EAEGAP、265D−>A、好ましくは、434N−>Aと組み合して、297N−>A(例えば、N−グリコシレーションを妨げるため)、318−322EYKCK−>AYACA、330−331AP−>SS、またはその組み合わせ(これら変異およびそれらの効果の説明に関して、例えば、M. Clark、”Chemical Immunol and Antibody Engineering”、pp 1−31を参照のこと。)前記変更を特徴とするFc鎖に対する構築物は、任意選択でおよび好ましくは、ヒンジ領域のCH2およびCH3領域との組み合わせを含む。
前記変更は、所望の性質を増強する、または代わりに望ましくない性質を妨げるために、任意選択で実行され得る。例えば,抗体の脱グリコシレーションは、所望の結合機能性を維持する一方で、望ましくない機能であり得るT細胞の枯渇の阻止またはサイトカインの放出を引き起こすことが示された(M. Clark、Chemical Immunol and Antibody Engineering,pp1−31参照のこと)。331位のプロリンのセリンへの置換は、任意選択で望ましくない機能とみなされ得る活性化補体の能力を阻み得る(M. Clark、Chemical Immunol and Antibody Engineering,pp1−31を参照のこと)。また、この変更と併せて、330位のアラニンをセリンに換えることは、補体を活性化する能力を阻む所望の効果を増強し得る。
残基235および237は、前記のように、233−238からの残基の阻害を変えることはまた、ADCCが望ましくない機能とみなされる場合、そのような活性を阻害し得るように抗体依存細胞媒介細胞毒性(ADCC)に関与することが示された。
残基220は、通常、IgG1からのFcではシステインであり、重鎖が軽鎖と共有結合を形成する部位である。任意選択で、この残基は、いかなるタイプの共有結合をさけるためにセリンに変更され得る。(M. Clark、“Chemical Immunol and Antibody Engineering”、pp 1−31を参照のこと。)
残基265および434に対する前記の変更は、任意選択で、Fc受容体への結合を減少または阻害するために施され得る免疫系機能に関連するFcの望ましくない機能を、任意選択で妨げ得る。(“Binding site on Human IgGl for Fc Receptors”、Shields et al、VoI 276、pp
6591−6604、2001を参照のこと。)
前記変更は、選択的な変更の例示としてのみ意図されており、いかなる限定を意味しない。さらに、前記説明は、単一の仮説に縛られることを望むものではなく、便宜的に付与されたものである。
基の付加
本発明に記載のタンパク質が、直線状の分子である場合、化学的改変を受け入れることができる、またはそれに適している直線状分子上の様々な箇所で種々の官能基を付加することが可能である。官能基は、本発明のタンパク質の直線系状の端部に付加されることができる。いくつかの実施形態では、官能基は、限定はされないが、安定性の向上、(細胞膜および/または組織バリアを通した)浸透、組織局在、効率、クリアランス(clea
rance)の低下、毒性の低下、選択性向上、細胞ポンプによる排出に対する抵抗の向上などを含む、1つ以上の性質に関して、タンパク質の活性を向上する。便宜上のため、および限定することを望むことなしに、本発明の組成物に含まれた配列の1つの結合していない(free)N末端は、組成物のN末端と呼ばれ、配列の結合していない(free)C末端は、組成物のC末端とみなさるであろう。配列のC末端またはN末端、若しくは両方は、それぞれ、カルボン酸官能基またはアミン官能基に結合されることができる。
適切な官能基の非限定的な例は、Green and Wuts、”Protecting Groups in Organic Synthesis”、John Wiley and Sons、5および7章、1991に記載され、教示は、参照により本明細書に取り込まれる。好ましい保護基は、例えば、活性成分の親水性を減じるおよび親油性を増加することにより、それに付加された活性成分の細胞への輸送を容易にするものである。これらは、「細胞膜をまたいだ輸送のための部位」の例である。
これらの部位は、任意選択でおよび好ましくは、細胞内で、加水分解または酵素的いずれかで生体内で切断される。(Ditter et al.,J. Pharm. Sci. 57:783 (1968); Ditter et al.,J. Pharm. Sci. 57:828 (1968); Ditter et al.,J. Pharm. Sci. 58:557 (1969); King et al.,Biochemistry 26:2294 (1987); Lindberg et al.,Drug Metabolism and Disposition 17:311 (1989); and Tunek et al.,Biochem. Pharm. 37:3867 (1988)、Anderson et al.,Arch. Biochem. Biophys. 239:538 (1985) and Singhal et al.,FASEB J. 1:220 (1987)).
ヒドロキシル保護基としては、炭酸およびカルバマート保護基が挙げられる。アミン保護基としては、N末端保護基に対して、前記のように、アルコキシとアリールオキシのカルボニル基が挙げられる。カルボン酸保護基としては、C末端保護基に対して、前記のように、脂肪族、ベンジル、およびアリールエステルが挙げられる。1つの実施形態では、本発明の組成物中の1つ以上のグルタミン酸またはアスパラギン酸の側鎖のカルボン酸基が、好ましくは、メチル、エチル、ベンジルまたは置換ベンジルエステルで、より好ましくは、ベンジルエステルで保護される。
N末端保護基の非限定的、説明的な例としては、アシル基(CO−R1)およびアルコキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニル基(CO−O−R1)(R1は、脂肪族、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、芳香族、または置換芳香族基)が挙げられる。アシル基の具体的な例としては、限定はされないが、アセチル、(エチル)−CO−、n−プロピル−CO−、イソ−プロピル−CO−、n−ブチル−CO、sec−ブチル−CO、t−ブチル−CO−、ヘキシル、ラウロイル、パルミトイル、ミリストイル、ステアリル、オレオイルフェニルを含むCO−、置換フェニル−CO−、ベンジル−CO −および(置換ベンジル)−CO−が挙げられる。アルコキシカルボニルおよびアリールオキシカルボニル基の例としては、CH3−O−CO、(エチル)−O−CO−、n−プロピル−O−CO、イソプロピル−O−CO−、n−ブチル−O−CO−、sec−ブチル−O−CO、t−ブチル‐O−CO−、置換フェニル‐O−CO、置換フェニル‐O−CO−またベンジル‐O−CO、−(置換ベンジル‐O−CO、アダマンタン、ナフタレン、ミリストレイル、トルエン、ビフェニル、シンナモイル、ニトロベンゾイル、トルオイル、フロイル、ベンゾイル、シクロヘキサン、ノルボルナンまたはZカプロンが挙げられる。N−アシル化を容易にするため、1ないし4グリシン残基は、分子のN末端に存在することができる。
化合物のC末端のカルボキシル基は、例えば、限定はされないが、アミド(すなわち、C末端のヒドロキシル基が、−NH2、−NHR2および−NR2R3で置換される)またはエステル(すなわち、 C末端のヒドロキシル基が−OR2で置換される)を含む基で保護されることができる。R2およびR3は、任意選択で、独立して、脂肪族、置換脂肪族で、ベンジル、置換ベンジル、アリールまたは置換アリール基である。さらに、窒素原子と併せて、R2およびR3は任意選択で、窒素、酸素または硫黄などの約0から2の付加的なヘテロ原子をもつC4〜C8の複素環を形成することができる。適切な複素環の非限定的、適切な例としては、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、チオモルホリノまたはピペラジニルが挙げられる。C末端保護基の例としては、限定はされないが、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、−NH(エチル)、−N(エチル)2、−N(メチル)(エチル)、−NH(ベンジル)、−N(C1−C4アルキル)(ベンジル)、−NH(フェニル)、−N(C1−C4アルキル)(フェニル)、−OCH3、−O−(エチル)−、−O−(n−プロピル)、−O−(n−ブチル)、−O−(イソプロピル)、−O−(sec−ブチル)、−O−(t−ブチル)、−O−ベンジル、および−O−フェニルが挙げられる。
ペプチド模倣部位による置換
「ペプチド模倣有機部位(moieties)」は、任意選択で、この発明の組成物のアミノ酸残基に対して、同類置換および非同類置換として、置換されることができる。これら部位(moieties)はまた、「非天然アミノ酸」と呼ばれ、任意選択でアミノ酸残基、アミノ酸を置換し、または削除アミノ酸の代わりにペプチド内でスペサー基として働く。ペプチド模倣有機部位(moieties)は、任意選択でおよび好ましくは、置換されるアミノ酸と同様の立体構造的、電子的または立体配置的性質をもち、並びにそのようなペプチド模倣物は、本質的な位置におけるアミノ酸の置換に用いられ、同類置換とみなされる。しかし、そのような類似性は、必ずしも要求されない。本発明の好ましい実施形態によると、1つ以上のペプチド模倣物は、本発明に記載の天然のタンパク質と比較して、少なくとも生理的活性を実質的に保持するように選択される。
ペプチド模倣物は、任意選択で、酵素的または他の分解プロセスによるペプチドの分解を阻害するために用いられ得る。ペプチド模倣物は、任意選択でおよび好ましくは、有機合成技術よって生成されることができる。適切なペプチド模倣物の非限定的な例としては、対応するL アミノ酸のD アミノ酸、
テトラゾール(Zabrocki et al.,J. Am. Chem. Soc.
110:5875−5880 (1988))、アミド結合の同配体(Jones et al、Tetrahedron Lett. 29: 3853−3856 (1988))、LL−3−アミノ−2−プロペニドン(propenidone)−6−カルボン酸(LL−Acp)(Kemp et al.,J. Org. Chem. 50:5834−5838 (1985)).同様のアナログは、Kemp et al.,Tetrahedron Lett. 29:5081−5082 (1988)、および Kemp et al.,Tetrahedron Lett. 29:5057−5060 (1988)、Kemp et al.,Tetrahedron Lett. 29:4935−4938 (1988) and Kemp et al.,J.
Org. Chem. 54:109−115 (1987)にみられる。他の適切なしかし典型的なペプチド模倣物は、Nagai and Sato、Tetrahedron Lett. 26:647−650 (1985); Di Maio et al.,J. Chem. Soc. Perkin Trans.、1687 (1985); Kahn et al.,Tetrahedron Lett. 30:2317 (1989); Olson et al.,J. Am. Chem. Soc.
112:323−333 (1990); Garvey et al.,J. Org. Chem. 56:436 (1990)に示される。さらに、適切な典型的なペ
プチド模倣物としては、ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸塩(Miyake et al.,J. Takeda Res. Labs
43:53−76 (1989))、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸塩(Kazmierski et al.,J. Am. Chem. Soc. 133:2275−2283 (1991))、ヒスチジンイソナフトキノンカルボン酸((HIC) (Zechel et al.,Int. J. Pep. Protein Res. 43 (1991))、(2S,3S)−メチル−フェニルアラニン、(2S,3R)−メチル−フェニルアラニン)、(2R,3S)−メチル−フェニルアラニン、および(2R,3R)−メチル−フェニル‐アラニン(Kazmierski and Hruby、Tetrahedron Lett. (1991))が挙げられる。
典型的、説明的、非限定的な非天然アミノ酸は、ベータアミノ酸(ベータ3およびベータ2)、ホモアミノ酸、環状アミノ酸、芳香族アミノ酸、ProおよびPyr誘導体、3−置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換PheおよびTyr誘導体、直線状コア(linear core)アミノ酸またはジアミノ酸が挙げられる。例えば、Sigma−Aldrich(USA)など、様々な供給業者か入手可能である。
化学的修飾
本発明において、本発明のタンパク質の任意の部分は、任意選択で、化学的に修飾され得る、すなわち、官能基の付加によって変えられ得る。例えば、天然配列に現れる側鎖アミノ酸残基は、下記のように側鎖アミノ酸残基に加えてまたは代わってタンパク質の他の部分が任意選択的に修飾され得るが、任意選択で修飾され得る。修飾は、例えば、化学合成プロセスが続く場合、化学的に修飾されたアミノ酸を付加することによって、任意選択で分子の合成中に行なわれ得る。しかし、すでに分子中に存在する場合、アミノ酸の化学的修飾もまた可能である(「インサイチュ(in situ)」修飾)。
分子の配列領域のいずれかのアミノ酸は、(「化学的な修飾」と概念的にみなされ得るペプチドにおいて)任意選択で、次の典型的なタイプの修飾のいずれか1つによって、修飾されることができる。非限定的、典型的タイプの修飾としては、カルボキシメチル化、アシル化、リン酸化反応、グリコシル化または脂肪酸アシル化が挙げられる。エーテル結合は、任意選択で、糖のヒドロキシ基にセリンまたはトレオニンのヒドロキシ基を結合するために用いられることができる。アミド結合は、任意選択で、グルタミン酸またはアスパラギン酸のカルボキシル基を糖のアミノ基に結合するために用いられることができる。(Garg and Jeanloz、Advances in Carbohydrate Chemistry and Biochemistry、Vol. 43、Academic Press (1985); Kunz、Ang. Chem. Int. Ed. English 26:294−308 (1987))アセタール結合およびケタール結合もまた、アミノ酸と炭水化物との間で形成されることができる。脂肪酸アシル誘導体が、任意選択で、例えば、結合していない(free)アミノ基のアシル化によって(例えば、リシン)作られることができる。(Toth et al.,Peptides: Chemistry、Structure and Biology、Rivier and Marshal、eds.、ESCOM Publ.、Leiden、1078−1079 (1990))
本明細書において、本発明に記載のタンパク質またはペプチドに言及する際、「化学的な改変」という語は、少なくとも1つのアミノ酸残基が、プロセシングまたは他の翻訳後修飾などの天然のプロセス、若しくは当分野で周知である化学的な修飾技術により、修飾されるタンパク質またはペプチドを指す。数多くの公知の修飾の例としては、限定はされないが、典型的に、アセチル化、アシル化、アミド化、ADPリボシル化、グリコシル化
、GPIアンカー形成、脂質または脂質誘導体の共有結合性付加、メチル化、ミリストイル化、ペグ化、プレニル化、リン酸化、ユビキチン化または任意の同様のプロセスが挙げられる。
他のタイプの修飾としては、PCT出願番号WO2006/050262(参照によりその全体が本明細書に取り込まれる)に記載のように、任意選択で、タンパク質などの生体分子へのシクロアルカンの付加が挙げられ得る。これらの部位(moieties)は、生体分子との使用に設計され、任意選択で、タンパク質に多様な性質を与えるために用いられ得る。
さらに、任意選択で、タンパク質の任意の部分が、修飾され得る。例えば、PCT出願番号WO2006/050247(参照によりその全体が本明細書に取り込まれる)に記載のように、タンパク質上のグリコシレーション部位の(moiety)のペグ化が、任意選択で施され得る。1つ以上のポリエチレングリコール(PEG)基が、任意選択で、O結合型および/またはN結合型グリコシレーションに付加され得る。PEG基は、任意選択で、分岐または直線状であり得る。任意選択で、水溶性ポリマーの任意のタイプが、グリコシルリンカーを通して、タンパク質上のグリコシレーション部位に付加され得る。
改変グリコシル化
本発明のタンパク質は、改変されたグリコシル化パターン(すなわち、元のまたは天然のグリコシル化パターンから改変された)をもつように改変され得る。この明細書において、「改変された」とは、1つ以上の炭化水素部位が削除、および/または、少なくとも1つのグリコシル化部位が元のタンパク質に付加されることを意味する。
タンパク質のグリコシル化は、典型的に、N結合型またはO結合型のいずれかである。N結合型は、炭化水素部位(moiety)のアスパラギン残基の側鎖への付加を指す。トリペプチド配列、アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−トレオニン(ここで、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸)は、アスパラギン側鎖への炭化水素(moiety)の酵素的な付加に対する認識配列である。よって、ポリペプチドにおけるこれらトリペプチド配列のいずれかの存在は、グリコシレーションを受ける可能性がある部位を生む。O結合型グリコシレーションは、N−アセチルガラクトサミン、ガラクトースまたはキシロースの糖の1つの、ヒドロキシアミノ酸の1つ、最も一般的にはセリンまたはトレオニンへの付加を指す。ただし、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンが用いられることもあり得る。
本発明のタンパク質に対する、グリコシル化部位の付加は、タンパク質のアミノ酸配列を変えることによって、(N結合型グリコシル化部位に対して)1つ以上の上記のトリペプチド配列を含むように、便宜的に達成される。改変はまた、(O結合型グリコシル化部位に対して)元のタンパク質の配列における1つ以上のセリンまたはトレオニン残基の付加または置換によってなされ得る。タンパク質のアミノ酸配列はまた、DNAレベルで変更を導入することによって変えられ得る。
タンパク質上の炭化水素部位(moieties)の数を増加する他の手段は、タンパク質のアミノ酸残基にグリコシドを化学的または酵素的に連結することによる。用いられる連結モード(coupling mode)に応じて、糖は、(a)アルギニンおよびヒスチジン、(b)結合していない(free)カルボキシル基、(c)システインのスルフヒドリル基などの結合していない(free)スルフヒドリル基、(d)セリン、トレオニンまたはヒドロキシプロリンのヒドロキシル基などの結合していない(free)ヒドロキシル基(e)フェニルアラニン、チロシンまたはトリプトファン芳香族残基などの芳香族残基、若しくは(f)グルタミンのアミド基に付加され得る。これら方法は、W
O87/05330およびAplin and Wriston、CRC Crit. Rev. Biochem.、22: 259−306 (1981)に記載されている。
本発明のタンパク質上に存在する任意の炭化水素の除去は、化学的または酵素的に達成される。化学的な脱グリコシル化は、トリフルオロメタンスルホン酸または同等の化合物にさらすことを必要とする。この処理は、結果として、連結糖(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)を除くほとんどまたはすべての糖を、アミノ酸配列を完全なまま残して切断する。
化学的な脱グリコシル化は、Hakimuddin et al.,Arch. Biochem. Biophys.,259: 52 (1987); および Edge
et al.,Anal. Biochem.、118: 131 (1981)に記載されている。タンパク質上の炭化水素部位(moieties)の酵素的な切断は、Thotakura et al.,Meth. Enzymol.,138: 350 (1987)に記載のように、種々のエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼを用いることによって達成されることができる。
治療の方法
上記のように、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質、若しくは本発明のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質およびポリペプチド、若しくはその核酸配列またはその断片、特に、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質の細胞外領域または分泌形並びにVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3 タンパク質および/またはスプライス変異体に特異的に結合する薬剤、並びに/若しくは、他の部位(moieties)の、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質および/またはスプライス変異体への結合を作動または拮抗する薬剤、並びに/若しくは、すくなくとも1つのVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連生物活性を調節(作動または拮抗)する薬剤(そのような薬剤は、例として、抗体、小分子、ペプチド、リボザイム、アンチセンス分子、siRNAなどを含む)は、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む、限定はされないが、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍を含む癌であり、非転移性、浸潤性または転移性であり得る癌を治療するために用いられることができる。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質若しくは、本発明のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質およびポリペプチド、若しくは核酸配列またはその断片、特にVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質の細胞外領域または分泌形、並びにVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質および/またはスプライス変異体に特異的に結合する薬剤、並びに/若しくは、他の部位の、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3タンパク質への結合を作動または拮抗する薬剤、並びに/若しくは、少なくとも1つのVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連生物活性を調節(作動または拮抗)す
る薬剤(そのような薬剤は、例として、抗体、小分子、ペプチド、リボザイム、アンチセンス分子、siRNAなどを含む。)はさらに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害を治療するため、並びに/若しくは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3ポリペプチドによって媒介される免疫共刺激を阻害または促進するために用いられるこいとができる。
よって、本発明の付加的な局面によると、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭と頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む、限定はされないが、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの癌であり、非転移性、浸潤性または転移性であり得る癌、並びに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性の障害を治療するため、並びに/若しくは、対象において、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3ポリペプチドによって媒介される免疫共刺激を阻害または促進するための方法が提供される。
本発明に記載の対象は、哺乳類であり、好ましくは、上記の疾患、障害、または病態の1つと診断される、若しくは、代わりに、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌などの、限定はされないが、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍を含む癌、並びに、限定はされないが、自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害の少なくとも1つのタイプにかかりやすいヒトである。
本明細書において、「治療する」という語は、上記の疾患、障害または病態の有害な影響を予防する、矯正する、転換する、軽減する、緩和する、最小化する、抑止する、または停止することを指す。
本発明によると、治療することは、対象において、本発明のポリペプチドの少なくとも1つの発現を具体的に亢進(specifically upregulating)することによって実行されることができる。
任意選択で、亢進(upregulation)は、本明細書に記載のように、本発明の(例えば、組み換えまたは合成)ポリペプチド、若しくはその活性部分の少なくとも1つを、対象に投与することによって実行され得る。しかし、大きなポリペプチドのバイオアベイラビィリティは、高分解速度および低浸透速度のため、相対的に小さい可能性があり得るので、ポリペプチドの投与は、好ましくは、小さなペプチド断片(例えば、約100アミノ酸)にとどめる。ポリペプチドまたはペプチドは、下により詳しく述べるように、任意選択で、医薬組成物の一部として、投与され得る。
上記疾患の本発明に記載の治療は、当業者に公知の他の治療方法と組み合わせら得る(すなわち、併用治療)。よって、本発明の薬剤を用いる悪性腫瘍の治療は、例えば、放射線治療、抗体治療、および/または化学治療と組み合わせられ得ることは、理解されるであろう。
代わりにまたはさらに、亢進する(upregulating)方法は、任意選択で、対象において、本発明ポリペプチドまたはその活性部分の少なくとも1つの量(任意選択
で発現)を具体的に亢進(specifically upregulating)することによって実行され得る。
上記、および後に続く実施例セクションに述べたように、本発明のこの局面の生体分子配列は、野生型遺伝子産物(公知タンパク質)の改変された活性または発現が、疾患、障害または病態発症または進行に寄与することが知られるいる疾患、障害または病態の治療において、価値ある治療ツール(tools)として用いられ得る。例えば、疾患が、膜結合型受容体の過剰発現によって引き起こされる場合、その可溶性変異体は、拮抗剤として用いられ得る。拮抗剤は、リガンド結合に関して受容体と競合し、それによって受容体からのシグナリングを終わらせる。
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、抗FXYD3抗体
特定の生殖細胞系配列、ホモログ抗体、控えめな改変(conservative modifications)が施された抗体、加工および改変された抗体をもつものを含む本発明の抗体は、特有の特性または性質によって特徴付けられる。例えば、抗体は、ヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に特異的に結合する。好ましくは、本発明の抗体は、対応するVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に、高い親和性で、例えば、10−8M以下のKD、10−9M以下のKD、または10−10M以下のKDでさえも結合する。本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、好ましくは、1つ以上の次の性質を示す。
(i)対応するヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に、5X10−8M以下のKDで結合する、
(ii)B7免疫共刺激並びに抗腫瘍免疫および自己免疫に係るT細胞応などの関連する活性または機能を調節(増強または阻害)する、並びに/若しくは、
(iii)例えば肺癌、卵巣癌、結腸癌を含む癌細胞によって発現されるVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原に結合するが、正常細胞に実質的に結合しない。加えて、好ましくは、これら抗体およびその抱合体は、そのような癌細胞を選択的に死滅させることを誘発し、並びに自己免疫および癌に係る免疫応答を調節するために効果的であろう。
より好ましくは、抗体は、対応するヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原に、3X10−8M以下のKDで、または1X10−9M以下のKDで、0.1Xl0−9M以下のKDで、または0.05.X10−9M以下のKDで、または1X10−9と1X10−11Mの間のKDで結合する。
抗体のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に対する結合能を評価する標準的なアッセイは、当分野で公知であり、例えば、ELISA、ウェスタンブロットおよびRIAが挙げられる。適切なアッセイは、実施例で詳細に記載される。抗体の結合動態(例えば、結合親和性)はまた、Biacore分析によってなど、当分野で公知である標準的なアッセイによって評価されることができる。
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1O
RF32または抗FXYD3抗体の生成にあたり、抗体からの配列は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に結合することができる。VHおよびVL配列は、本発明の他の抗VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3結合分子を作るため「混合および調和される(mixed and matched)」ことができる。そのような「混合および調和された(mixed and matched)」抗体のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3結合は、例えば、ELISAなど上記の結合アッセイを用いて試験されることができる。好ましくは、VHおよびVL鎖が、混合および調和された場合、特定のVH/VL対からのVH配列は、構造的に類似のVH配列と置換される。同様に、好ましくは、特定のVH/VL対からのVL配列は、構造的に類似のVL配列と置換される。例えば、相同な抗体のVHおよびVL配列は、混合および調和に、特に適している。
特定の生殖細胞系配列をもつ抗体
ある実施形態では、本発明の抗体は、特定の生殖細胞系重鎖免疫グロブリン遺伝子からの重鎖可変領域および/または生殖細胞系軽鎖免疫グロブリン遺伝子からの軽鎖可変領域を含む。
本明細書において、ヒト抗体は、抗体の可変領域がヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子を用いる系から得られる場合、特定の生殖細胞系配列「の産物」または「から由来の」重鎖または軽鎖可変領域を含む。そのような系は、ヒト免疫グロブリン遺伝子をもつトランスジェニックマウスを対象の抗原で免疫接種すること、またはファージにディスプレイされたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーを対象抗原でスクリーニングすることを含む。ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列「の産物」または「から由来の」ヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列をヒト生殖細胞系免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することによって、およびヒト抗体の配列に、配列でもっとも近い(すなわち、最大の%同一性)ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列を選択することによってなどで、特定されることができる。
特定のヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列「の産物」または「から由来の」ヒト抗体は、生殖細胞系配列と比較して、例えば、天然の体細胞変異体細胞変異または部位特異的な変異の意図的な導入による、アミノ酸の違いを含む。しかし、選択されたヒト抗体は、典型的に、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされたアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の同一性があり、他の種の生殖細胞免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、マウス生殖細胞系配列)と比較したとき、ヒトであるとヒト抗体を特定するアミノ酸残基を含む。あるケースでは、ヒト抗体は、生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも95、96、97、98または99%、若しくは少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であり得る。典型的に、特定のヒト生殖細胞系配列由来のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と10アミノ酸以下の違いを示すであろう。あるケースでは、ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と5アミノ酸以下、若しくは、4、3、2、または1以下のアミノ酸の違いを示すであろう。
相同な抗体
さらに別の実施形態では、本発明の抗体は、抗体が、親(parent)抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体の所望の機能的性質を保持する、それぞれ、好ましい抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体の単離された抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI
216611、抗C1ORF32または抗FXYD3アミノ酸配列に相同なアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域を含む。
本明細書において、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、2つの配列間のパーセント同一性に同等である。2つの配列間のパーセント同一性は、配列により共有される同一ポジションの数の関数(function)である。(すなわち、%同一性=同一ポジションの数/ポジションの全数X100)(2つ配列の最適なアライメントのために導入される必要がある、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮する。)配列の比較、および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、下記の非限定的な例に記載のように、数学的アルゴリズムを用いて達成されることができる。
2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれた、E. MeyersおよびW. Millerのアルゴリズムを用いてPAM120加重残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ(gap length penalty)が12およびギャップペナルティが4で決定されることができる。(Comput. Appl. Biosci., 4:11−17 (1988))さらに、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(市販)の中のGAPプログラムに組み込まれている、Needleman and Wunsch (J. MoI. Biol. 48:444−453 (1970))アルゴリズムを用いて、Blossum 62 マトリックス(matrix)またはPAM250 マトリックス(matrix)、並びにギャップ加重(gap weight)16、14、12、10、8、6、または4および長さ加重(length weight)1、2、3、4、5、または6で決定されることができる。
さらにまたは代わりに、本発明のタンパク質配列はさらに、例えば、関連する配列を特定するために公共のデータベースの検索を実行する「クエリー(query)配列」として用いられることができる。そのような検索は、Altschul, et al. (1990) J MoI. Biol. 215:403−10.のXBLASTプログラム(バージョン2.0)を用いて実行されることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、score=50、wordlength=3で実行され、本発明の抗体に相同なアミノ酸配列をえることができる。比較の目的のためのギャップのあるアライメント得るために、Altschul et al., (1997) Nucleic Acids Res. 25(17):3389−3402に記載のように、Gapped BLASTが使用されることができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを使用する場合、各プログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)の初期(default)パラメータが用いられることができる。
同類改変(Conservative Modifications)をもつ抗体
ある実施形態では、本発明の抗体は、CDR1、CDR2およびCDR3 配列を含む重鎖可変領域およびCDR1、CDR2およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含み、1つ以上のこれらCDR配列が、本発明の方法を用いて単離および生成された、好ましい抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体、またはその同類改変(conservative modifications)に基づいた特定されたアミノ酸配列を含み、並びに抗体が、それぞれ、本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体の所望の機能的性質を保持する。
様々な実施形態では、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体または
キメラ抗体であることができる。
本明細書において、「同類(conservative)配列改変」は、アミノ酸配列を含む抗体の結合の特徴に、著しく影響または変化を与えないアミノ酸改変を指すことを意図されている。そのような同類改変(conservative modifications)は、アミノ酸置換、付加および削除を含む。改変は、部位特異的変異導入およびPCRが媒介する変異導入などの、当分野で公知の標準技術によって、本発明の抗体に導入されることができる。同類(Conservative)アミノ酸置換は、アミノ酸残基が、同様の側鎖をもつアミノ酸残基で置換されるものである。同様の側鎖をもつアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されてきている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香性側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)をもつアミノ酸が挙げられる。よって、本発明の抗体のCDR領域内の1つ以上のアミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの他のアミノ酸残基に置換されることができ、および改変された抗体は、保持された機能(すなわち、上記(c)から(j)に記載の機能)に関して、本明細書に記載された機能アッセイを用いて、試験をされることができる。
本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体と同じエピトープに結合する抗体
別の実施形態では、本発明は、B7共刺激および関連機能の調節など、所望の機能特性をもつヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3上の好ましいエピトープに結合する抗体を提供する。所望のエピトープ特異性をもつ他の抗体が、選択され、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原への結合を、所望の抗体と交差競合(cross−compete)する能力をもつであろう。
加工および改変された抗体
本発明の抗体はさらに、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体由来のVHおよび/またはVL配列の1つ以上をもつ抗体を開始材料として用いて調製され、改変された抗体を加工することができ、改変された抗体は、開始抗体から変えられた特性をもち得る。抗体は、片方または両方の可変領域(すなわちVHおよび/またはVL)内、例えば、1つ以上CDR領域内および/または1つ以上フレームワーク領域内の1つ以上の残基を改変することによって、加工されることができる。さらにまたは代わりに、抗体は、例えば、抗体のエフェクター機能を変えるために、定常領域内の残基を改変することによって、加工されることができる。
実施されることができる可変領域加工の1つのタイプは、CDRグラフティングである。抗体は、主に、6つの重鎖および軽鎖相補的領域(CDR)に位置するアミノ酸残基を通して、標的抗原と相互作用する。この理由のため、CDR内のアミノ酸配列は、CDR外の配列より、個々の抗体間でより多様性がある。CDR配列は、抗体抗原相互作用に大きく関与するため、異なる特性をもつ異なる抗体からフレームワーク配列上に移植された特定の天然抗体からのCDR配列を含む発現ベクターを構築することによって、特定の天然抗体の特性を模倣する組み換え抗体を発現することが可能である。(例えば、Riechmann, L. et al. (1998) Nature 332:323−327; Jones, P. et al. (1986) Nature 321:5
22−525; Queen, C. et al. (1989) Proc. Natl. Acad. See. U.S.A. 86:10029−10033、米国特許第5,225,539号(Winter)、並びに米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,762号および第6,180,370号(Queen et al.)を参照のこと。)
好適なフレームワーク配列は、生殖細胞系抗体遺伝子配列を含む公共のデータベースまたは既刊参照文献から得られることができる。例えば、ヒト重鎖および軽鎖可変領域遺伝子に対する生殖細胞系DNA配列は、「VBase」ヒト生殖細胞系配列データベース (インターネット上で入手可能)、並びに、Kabat, E. A., et al.
(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242; Tomlinson, I.
M., et al. (1992) ”The Repertoire of Human Germline VH Sequences Reveals about Fifty Groups of VH Segments with Different Hypervariable Loops” J. MoI. Biol. 227:776−798; および Cox, J. P. L. et al. (1994) ”A Directory of Human Germ−line VH Segments Reveals a Strong Bias in their Usage” Eur. J Immunol. 24:827−836に見られることができる。各々の内容は、参照して、明確に本明細書に取り込まれる。
可変領域改変の他のタイプは、VHおよび/またはVL CDR1、CDR2および/またはCDR3領域内のアミノ酸残基を変異することであり、それによって、対象抗体の1つ以上結合特性を(例えば、親和性)を向上する。変異を導入するために、部位特異的変異導入またはPCRが媒介する変異導入が、実施されることができる。抗体結合の効果または他の対象機能特性は、適当な生体外または生体内アッセイで評価されることができる。好ましくは、同類改変(conservative modifications)(上記)が導入される。変異は、アミノ酸置換、付加または削除であり得るが、好ましくは置換である。さらに、典型的に、CDR領域内で1、2、3、4または5残基のみが改変される。
本発明の加工された抗体は、例えば、抗体の特性を向上するために、VHおよび/またはVL内のフレームワーク残基になされる改変を含む。典型的に、そのようなフレームワーク改変は、抗体の免疫原性を減じるためになされる。例えば、1つのアプローチは、対応する生殖細胞系配列に1つ以上のフレームワーク残基を「戻し変異(backmutate)」する。より具体的に、体細胞変異を受けた抗体は、抗体に由来する生殖細胞系配列と異なるフレームワーク残基を含み得る。そのような残基は、抗体フレームワーク配列を抗体に由来する生殖細胞系配列と比較することによって、特定できる。
フレームワークまたはCDR領域内になされた改変に加えてまたは代わって、Fc領域内に改変を含むように、典型的に、血清半減期、補体結合、Fc受容体結合および/または抗原依存細胞毒性などの1つ以上の抗体の機能特性を改変するように本発明の抗体は加工され得る。さらに、本発明の抗体は、化学的に改変され得る(例えば、1つ以上の化学的な部位(moieties)が、抗体に付加されることができる)、または、グリコシル化を改変、1つ以上の抗体の機能特性を再び改変し得る。そのような実施形態は、下でさらに述べられている。Fc領域中の残基の番号付け(numbering)は、KabatのEUインデックスのものである。
1つの実施形態では、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域中のシステイン残基の数が変えられる(例えば、増加または減少する)ように改変される。このアプローチは、米国特許第5,677,425号(Bodmer et alによる)さらに記載されている。CH1のヒンジ領域中でシステイン残基の数が変更され、例えば、軽鎖および重鎖の組み立てを容易にする、または、抗体の安定性を増加または減少する。
別の実施形態では、抗体のFcヒンジ領域は、抗体の生物学的半減期を減少するために変異される。より具体的に、1つ以上のアミノ酸変異が、抗体が、天然のFc−ヒンジ領域のブドウ球菌蛋白質A(Staphylococcyl protein A (SpA)結合と比較して損なわれたSpA結合を有するようにFc−ヒンジ断片のCH2−CH3領域(domain)インターフェース領域(region)に導入される。このアプローチは、米国特許第6,165,745号(Ward et alによる)さらに詳しく記載されている。
別の実施形態では、抗体は、その生物学的半減期を増加するために改変される。様々なアプローチが可能である。米国特許第6,277,375号(Ward)に記載のように、例えば、1つ以上の次の変異が導入されることができる:T252L、T254S、T256F。代わりに、生物学的半減期を増加するために、米国特許第5,869,046号および第6,121,022号(Presta et al.)に記載のように、抗体は、IgGのFc領域のCH2領域の2つのループから採用されたエピトープに結合するサルベージ受容体(salvage receptor)を含むように、CH1またはCL領域内で変えられることができる。
さらに別の実施形態では、抗体のエフェクター機能を変えるために、Fc領域は、少なくとも1つのアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置換することによって、改変される。例えば、アミノ酸残基234、235、236、237、297、318、320および322から選ばれる1つ以上アミノ酸は、抗体がエフェクターに対して変られた親和性をもつが、親(parent)抗体の抗原結合能を保持するように、異なるアミノ酸残基で置換されることができる。それに対する親和性が変えられたエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1構成物であることができる。このアプローチは、米国特許第5,624,821号および第5,648,260号(ともにWinter et
alによる)にさらに詳しく記載されている。
別の例では、抗体が、改変されたC1q結合および/若しくは減少したまたは消失した補体依存細胞毒性(CDC)をもつようにアミノ酸残基329、331および322から選ばれる1つ以上アミノ酸が、異なるアミノ酸残基で置換されることができる。このアプローチは、米国特許第6,194,551号(Idusogie et al.による)にさらに詳しく記載されている。
別の例では、アミノ酸ポジション231および239の1つ以上のアミノ酸残基が変更され、それによって、補体結合能を変える。このアプローチは、PCT Publication WO94/29351(Bodmer et al.による)にさらに詳しく記載されている。
さらに別の例では、Fc領域は、抗体の抗体依存細胞毒性(ADCC)を媒介する能力および/または抗体のFey受容体に対する親和性を増加するために、次のポジションのアミノ酸1つ以上を改変することによって改変される:238、239、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292
、293、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、329、330、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438または439。このアプローチは、PCT Publication WO00/42072(Prestaによる)にさらに詳しく記載されている。さらに、Fc grammar、FcガンマRII、FcガンマRIIIおよびFcRnのヒトIgG1上の結合部位はマップされており、向上した結合をもつ変異体は、記載されている。(Shields, R. L. et al. (2001) J. Biol. Chem. 276:6591−6604を参照のこと。)ポジション256、290、298、333、334および339における特定の変異は、FcyRIIIへの結合を向上することが示されている。加えて、次の組み合わせ変異体(combination
mutants)が、FcガンマRIII結合を向上することが示されている:T256A/S298A、S298A/E333A、S298A/K224AおよびS298A/E333A/K334A。
さらに別の実施形態では、抗体のグリコシル化が改変される。例えば、非グルコシ化抗体(すなわち、グリコシル化を欠く抗体)が作成され得る。グリコシル化は、例えば、抗体の抗原に対する親和性を増加するよう変えられることができる。そのような炭水化物改変(carbohydrate modifications)は、例えば、抗体配列内の1つ以上のグリコシル化部位を変えることによって、達成されることができる。例えば、1つ以上の可変領域フレームワークグリコシル化部位を取り除くことになる、1つ以上のアミノ酸置換がなされることができ、それによって、その部位におけるグリコシル化が除去される。そのような非グリコシ化は、抗体の抗原に対する親和性を増加し得る。そのようなアプローチは、米国特許第5,714,350号および第6,350,861号(Co et al.による)にさらに詳しく記載されている。
さらにまたは代わりに、減少した量のフコース残基をもつ低フコース化抗体または分岐(bisecting)GlcNac構造が増加した抗体などのグリコシル化の改変されたタイプをもつ抗体が、作成されることができる。そのような変えられたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能を増加することが示されている。そのような炭化水素改変は、例えば、改変されたグリコシル化機構をもつ宿主細胞に抗体を発現することによって、達成されることができる。改変されたグリコシル化機構をもつ細胞は、当分野で記載されてきており、本発明の組み換え抗体を発現し、それによって改変されたグリコシル化をもつ抗体を作成する宿主細胞として用いられることができる。例えば、細胞株Ms704、Ms705およびMs709は、フコース転移酵素遺伝子、FUT8(アルファ(1,6)フコース転移酵素)を欠き、Ms704、Ms705およびMs709細胞株で発現された抗体は、その炭水化物にフコースを欠く。Ms704、Ms705およびMs709
FUT8−/−細胞株は、CHO/DG44細胞において、2つの置換ベクターを用いて、FUT8遺伝子の標的破壊によって作成される。(米国特許公開第20040110704 (Yamane et al.による)およびYamane−Ohnuki et al. (2004) Biotechnol Bioeng 87:614−22を参照のこと。)別の例として、欧州特許第1,176,195号(Hanai et al.による)は、機能的に破壊されたフコース転移酵素をコードするFUT8遺伝子をもつ細胞株を記載している。そのような細胞株において発現された抗体は、アルファ1,6結合関連酵素を減少または削除することによる低フコシル化を示す。Hanai et
al.はまた、例えば、抗体のFc領域に結合するN−アセチルグルコサミンにフコースを付加する酵素活性が低い、またはその酵素活性をもたない細胞株、ラット骨髄腫細胞株YB2/0(ATCC CRL 1662)を記載している。PCT Publication WO03/035835(Prestaによる)は、Asn(297)結合炭
水化物にフコースを付加する能力が減少し、結果として、その宿主細胞に発現された抗体の低フコシル化を招く、変異体CHO細胞株、Lecl3細胞を記載している。(Shields, R. L. et al. (2002) J. Biol. Chem.
277:26733−26740を/も参照のこと。)PCT Publication WO99/54342(Umana et al.による)は、糖タンパク質改変糖転移酵素(例えば、ベータ(1,4)−N−アセチルグルコサミン転移酵素III(GnTIII))を発現するよう加工された細胞株を記載しており、加工された細胞株において発現された抗体は、増加した分岐GlcNac構造を呈し、結果として、抗体のADCC活性を増加する。(Umana et al. (1999) Nat. Biotech. 17:176−180も参照のこと。)代わりに、抗体のフコース残基は、フコシダーゼを用いて切断される得る。例えば、フコシダーゼ アルファ−L−フコシダーゼ酵素は、抗体からフコシル残基を取り除く(Tarentino, A. L. et al. (1975) Biochem. 14:5516−23)。
本発明によって考慮されている、本明細書における抗体の別の改変は、ペグ化である。抗体は、ペグ化されることができ、例えば、抗体の生物学的(例えば血清)半減期を増加する。抗体をペグ化するために、抗体またはその断片は、典型的に、1つ以上のPEG基が、抗体または抗体断片に付加される条件下で、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体などのポリエチレングリコール(PEG)と反応される。好ましくは、ペグ化は、反応性PEG分子(または反応性水溶性ポリマーアナログ)とのアシル化反応またはアルキル化反応を通して行われる。本明細書において、「ポリエチレングリコール」という語は、モノ(C1−C10)アルコキシ−またはアリールオキシ−ポリエチレングリコール若しくはポリエチレングリコール−マレイミドなどの、他のタンパク質を誘導体化するのに用いられてきた、PEGの任意の形を含むことを意図される。ある実施形態では、ペグ化された抗体は、非グリコシル化抗体である。タンパク質をペグ化する方法は、当分野で公知であり、本発明の抗体に適用されることができる。例えば、欧州特許第0154316号(Nishimura et al.による)および欧州特許第0401384号(Ishikawa et alによる)を参照のこと。
抗体を加工する方法
上記のように、本発明で開示された、VHおよびVK配列をもつ抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、それぞれ、VHおよび/またはVL配列若しくはそれに付加される定常領域を改変することによって、新しい抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体を作成するために用いられることができる。よって、本発明の別の局面では、本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体の構造的な特徴は、例えば、ヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3それぞれに対する結合など、本発明の抗体の少なくとも1つの機能的特性を保持する構造的に関連する抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体を作成するために用いられる。例えば、上記のように、本発明の、付加的な組み換え加工された抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体を作成するために、1つのVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗体またはその変異の1つ以上のCDR領域が、公知のフレームワーク領域および/または他のCDRと組み換え的に組み合わされることができる。他のタイプの改変としては、これまでのセクションで記載されたものが挙げられる。加工方法のための開始材料は、1つ以上の本明細書において準備されたVHおよび/またはVK配列、若しくは1つ以上のそのCDR領域である。加工抗体を作成するために、1つ以上の本明細書において準備された
VHおよび/またはVK配列、若しくは1つ以上のそのCDR領域をもつ抗体を実際に調製(すなわち、タンパク質として発現)する必要はない。むしろ、配列に含まれる情報は、元の(original)配列に由来する「第2世代(second generation)」配列を作成するための開始材料として用いられる。
標準的な分子生物学技術が、変えられ抗体配列を調製および発現するために用いられることができる。
好ましくは、改変された抗体配列によってコードされる抗体は、1つ、いくつかまたはすべての、本明細書で与えられた方法によって作られ、本明細書で与えられた配列をもつ抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体のそれぞれの機能的特性を保持するものである。その機能特性は、特定のKDレベル以下での、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原に対する結合、および/または B7共刺激の調節、および/またはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を発現する肺癌、卵巣癌、結腸癌などの所望の標的細胞に対する選択的結合を含む。
抗体の機能的特性は当分野で入手可能および/または本明細書で記載の標準的なアッセイを用いて評価されることができる。
本発明の抗体を加工する方法のある実施形態では、変異は、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体をコードする配列の全部分または一部において、ランダムまたは選択的に導入されることができ、および得られた改変抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、結合能および/または他の所望の機能的特性に関して選別されることができる。
変異方法は、当分野で記載されてきている。例えば、PCT Publication
WO02/092780(Shortによる)は、飽和変異導入、合成連結組み立て(synthetic ligation assembly)またはその組み合わせを用いる、抗体変異を作成および選別する方法を記載している。代わりに、PCT Publication WO03/074679(Lazar et al.による)は、コンピューターによる(computational)選別法を用いて、抗体の生理化学的特性を最適化する方法を記載している。
本発明の抗体をコードする核酸分子
本発明の別の局面は、抗体をコードする核酸分子に関する。核酸は、全(whole)細胞、細胞溶解物若しくは、部分的に精製された、または実質的的に純粋な形で、存在し得る。核酸は、例えば、アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動および当分野で周知の他のものなどの標準的な技術によって、他の細胞核酸またはタンパク質などの細胞構成物または他の不純物を取り除いて精製されたとき、「単離された」または「実質的に純粋である(rendered substantially pure)」。F. Ausubel, et al., ed. (1987) Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing and Wiley Interscience, New Yorkを参照のこと。本発明の核酸は、例えば、DNAまたはRNAであることができ、イントロン配列を含んでも含まなくてもよい。好ましい実施形態では、核酸は、cDNA分子である。
本発明の核酸は、標準的な分子生物学の技術を用いて、得られることができる。ハイブリドーマによって発現された抗体(例えば、下記にさらに記載されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニックマウスから調製されたハイブリドーマ)に関して、ハイブリドーマによって作られた抗体の軽鎖および重鎖をコードするcDNAは、標準的なPCR増幅またはcDNAクローニング技術によって得られることができる。免疫グロブリン遺伝子ライブラリーから(例えば、ファージディスプレイ技術を用いて、)得られた抗体に関して、抗体をコードする核酸は、ライブラリーから回収されることができる。
VHおよびVL切片をコードするDNA断片が、一旦得られると、これらのDNA断片は、例えば、可変領域遺伝子を完全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子またはscFv遺伝子に転換するために、標準的な組み換えDNA技術によって、さらに操作されることができる。これら操作において、VLまたはVHをコードするDNA断片は、抗体定常領域または柔軟なリンカーなどの別のタンパク質をコードする別のDNA断片に、機能可能なように連結される(operatively linked)。
この文脈において用いられる、「機能可能なように連結される(operatively linked)」という語は、2つのDNA断片によってコードされるアミノ酸配列が、インフレームで残るように、2つのDNA断片が連結されること意味することを意図される。
VH領域をコードする、単離されたDNAは、重鎖定常領域 (CH1、CH2およびCH3)をコードする別のDNA分子にVHをコードするDNAを機能可能なように連結される(operatively linked)ことによって、完全長重鎖遺伝子に転換されることができる。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、当分野で公知であり(例えば、Kabat, E. A., el al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91− 3242を参照のこと)、これら領域を含むDNA断片は、標準的なPCR増幅によって得られることができる。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域であることができる。しかし、最も好ましくは、IgG1またはIgG4定常領域である。Fab断片重鎖遺伝子に関して、VHをコードするDNAは、重鎖CH1定常領域のみをコードする別のDNA分子に機能可能なように連結される(operatively linked)ことができる。
VL領域をコードする、単離されたDNAは、軽鎖定常領域CLをコードする別のDNA分子にVLをコードするDNAを機能可能なように連結される(operatively linked)ことによって、完全長重鎖遺伝子(並びにFab軽鎖遺伝子に)に転換されることができる。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当分野で公知であり(例えば、Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242を参照のこと)、これら領域を含むDNA断片は、標準的なPCR増幅によって得られることができる。軽鎖定常領域は、カッパまたはラムダ定常領域であることができ、最も好ましくは、カッパ定常領域である
scFv遺伝子を作成するために、VHおよびVLをコードするDNA断片は、例えば、アミノ酸配列(Gly4−Ser)3をコードするなどの、柔軟なリンカーをコードす
る別の断片に機能可能なように連結され(operatively linked)、VHおよびVL配列は、リンカーによって連結されたVLおよびVH領域をもつ連続した単一鎖のタンパク質として発現されることができる。(例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423−426; Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−5883; McCafferty et al., (1990) Nature 348:552−554を参照のこと)
本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3モノクローナル抗体の生成
本発明のモノクローナル抗体(mAb)は、例えば、Kohler and Milstein (1975) Nature 256:495の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術などの従来のモノクローナル抗体方法論(methodology)を含む種々の技術によって生成されることができる。体細胞ハイブリダイゼーション手順が、原則として好ましいが、モノクローナル抗体を生成する他の技術、例えばBリンパ球のウィルスまたは腫瘍形成性形質転換が採用されることができる。
ハイブリドーマを調製するための好ましい動物系は、マウスの系である。 マウスにおけるハイブリドーマ生産は、良く確立された手順である。免疫接種プロトコールおよび融合のために免疫された脾細胞(免疫接種された(immunized)脾細胞)を単離する技術は当分野で公知である。融合する相手(partners)(例えば、マウス骨髄腫細胞)および融合手順もまた公知である。
本発明のキメラ抗体またはヒト化抗体は、上記記載のように調製されたマウスモノクローナル抗体の配列に基づいて調製されることができる。重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは、標準的な分子生物学の技術を用いて、対象のマウスハイブリドーマから得られ、非マウス(例えば、ヒト)免疫グロブリン配列を含むように加工されることができる。例えば、キメラ抗体を作るために、マウス可変領域は、当分野で公知の方法を用いて、ヒト定常領域に結合されることができる。(例えば、米国特許第4,816,567号(Cabilly et al.)を参照のこと。)ヒト化抗体を作るために、マウスCDR領域は、当分野で公知の方法を用いて、ヒトのフレームワーク領域に挿入されることができる。(例えば、米国特許第5,225,539号(Winter)並びに米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,762号および第6,180,370号(Queen et al.)を参照のこと。)
好ましい実施形態では、本発明の抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。VSIG1に対する、そのようなヒトモノクローナル抗体は、マウスの系よりむしろヒト免疫系の一部をもつトランスジェニックまたはトランスクロモソームマウスを用いて生成されることができる。これらトランスジェニックまたはトランスクロモソームマウスは、本明細書で、それぞれ、HuMAb Mouse RTMおよびKM Mouse RTMと呼ばれるマウスであり、本明細書で、まとめて「ヒトIgマウス」と呼ばれる。内在性のミューおよびカッパ鎖遺伝子座を不活性化する標的変異(例えば、Lonberg, et al. (1994) Nature 368(6474): 856−859を参照のこと)とともに、HuMAb Mouse TM. (Medarex.Inc.)は、再構成されない(unrearranged)ヒト重鎖(ミューおよびガンマ)およびカッパ軽鎖免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子ミニ遺伝子座(miniloci)を含む。従って、マウスは、マウスIgMまたはカッパの減少した発現を示し、免疫接種に応答して、導入されたヒト重鎖および軽鎖トランスジーンが、クラススイッチおよび体細胞変異を経て、高親和性のヒトIgGカッパモノクローナルを生成する。(Lonberg, N. et al. (1994), supra; revie
wed in Lonberg, N. (1994) Handbook of Experimental Pharmacology 113:49−101; Lonberg, N. and Huszar, D. (1995) Intern. Rev. Immunol. 13: 65−93, and Harding, F. and Lonberg, N. (1995) Ann. N.Y. Acad. Sci. 764:536−546). HuMab Mouse RTMの調製および利用、並びにそのマウスで行われるゲノム改変は、Taylor, L. et al. (1992) Nucleic Acids Research 20:6287−6295; Chen, J. et al. (1993) International Immunology 5:647−656; Tuaillon et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:3720−3724; Choi et al. (1993) Nature Genetics
4:117−123; Chen, J. et al. (1993) EMBO J. 12: 821−830; Tuaillon et al. (1994) J. Immunol. 152:2912−2920; Taylor, L. et al. (1994) International Immunology 6:579−591; and Fishwild, D. et al. (1996) Nature Biotechnology 14: 845−851に、さらに記載されており、全ての内容は、参照によりその全体が本明細書に具体的に取り込まれる。さらに、米国特許第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,789,650号、第5,877,397号、第5,661,016号、第5,814,318号、第5,874,299号および第5,770,429号(すべてLonberg and Kayによる)、米国特許第5,545,807号(Surani et al.)、 PCT Publication Nos. WO92/03918、WO93/12227、WO94/25585、WO97/13852、WO98/24884、およびWO99/45962(すべてLonberg and Kayによる)並びにPCT Publication No. WO01/14424(Korman et al.)を参照のこと。
別の実施形態では、本発明のヒト抗体は、トランスジーンおよびトランスクロモソーム上に、ヒト免疫グロブリン配列をもつマウスを用いて作成されることができる。ヒト重鎖トランスジーンおよびヒト軽鎖トランスクロモソームをもつマウスなどの、本明細書において「KMマウスTM」と呼ばれるそのようなマウスは、PCT Publication WO02/43478(Ishida et al)に、詳細に記載されている。
さらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する、代替となるトランスジェニック動物の系は、当分野で利用可能であり、本発明の抗VSIG1抗体を作成するために用いられることができる。例えば、ゼノマウス(Xenomouse)(Abgenix, Inc.)と呼ばれる代替となるトランスジェニック系が用いられることができ、そのようなマウスは、例えば、米国特許第5,939,598号、第6,075,181号、第6,114,598号、第6,150,584号および第6,162,963号(Kucherlapati et al.)に記載されている。
さらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する、代替となるトランスクロモソーム動物の系は、当分野で利用可能であり、本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体を作成するために用いられることができる。例えば、「TCマウス」と呼ばれる、ヒト重鎖トランスクロモソームおよびヒト軽鎖トランスクロモソームをともにもつマウスが用いられることができ、そのようなマウスは、Tomizuka et al. (2000) Proc. Natl. Acad Sci. USA 97:722−727に記載されている
。さらに、ヒト重鎖および軽鎖トランスクロモソームをもつウシが、当分野で記載されており、(Kuroiwa et al. (2002) Nature Biotechnology 20:889−894)本発明の抗VSIG1の抗体を作成するために用いられることができる。
本発明のヒトモノクローナル抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするファージディスプレイ法を用いて調製されることができる。ヒト抗体を単離するそのようなファージディスプレイ法が、当分野で確立されている。例えば、米国特許第5,223,409号、第5,403,484号、および第5,571,698号(Ladner et al.)、米国特許第5,427,908号および第5,580,717号(Dower et al.)、米国特許第5,969,108号および第6,172,197号(McCafferty et al.)、並びに米国特許第 5,885,793号、第6,521,404号、第6,544,731号、第6,555,313号、第6,582,915号および第6,593,081号(Griffiths et al.)を参照のこと。
本発明のヒトモノクローナル抗体はまた、免疫接種するとヒト抗体応答が生じることができるように、ヒト免疫細胞が再構築されたSCIDマウスを用いて調製されることができる。そのようなマウスは、例えば、米国特許第5,476,996号および第5,698,767号(Wilson et al.)に記載されている。
ヒトIGマウスの免疫接種
Lonberg, N. et al. (1994) Nature 368(6474): 856−859; Fishwild, D. et al. (1996)
Nature Biotechnology 14: 845−851; およびPCT Publication WO98/24884およびWO01/14424によって記載されるように、ヒトIgマウスが、本発明のヒト抗体を作成するために用いられる場合、そのようなマウスは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原、および/若しくは組み換えVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3融合タンパク質の精製または濃縮された調製物を用いて免疫接種されることができる。好ましくは、マウスは、最初の注入の際、週齢6−16週である。例えば、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の精製された調製物または組み換え調製物(5−50mu.g)が、ヒトIgマウスに腹腔内に免疫接種するために用いられることができる。
他の人々による様々な抗原に関するいままでの経験は、完全フロインドアジュバント中の抗原で最初に腹腔内に(IP)免疫接種され、続いて、不完全フロインドアジュバント中の抗原で1週毎にIP免疫接種(合計6回まで)した場合、トランスジェニックマウスは応答することを示している。しかし、フロインド以外のアジュバントも有効とわかっている。さらに、アジュバントがない状態での全(whole)細胞が高い免疫抗原性をもつことがわかっている。
免疫応答は、眼窩後(retroorbital)採血によって血漿サンプルがえられる免疫接種プロトコルの間、観察することができる。血漿は(下記のように)にELISAよって選別されることができ、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3ヒト免疫グロブリンの十分な滴定濃度もつマウスは、融合に用いられることができる。マウスは、犠牲および脾臓除去の3日前に抗原を静脈内で用いてブーストされることができる。各免疫接種につき2−3回の融合が行なわれる必要があるかもしれないことが予想される。6から24匹のマウスが
、典型的に各抗原のために免疫接種される。通常、HCo7およびHCol2株の両方が使用される。さらに、HCo7およびHCol2トランスジーンは、2の異なるヒト重鎖トランスジーン(HCo7/HCo12)をもつ単一のマウスへ育種されることができる。代わりにまたはさらに、KMマウスRTM株が使用されることができる。
本発明のヒトモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマの作成
本発明のヒトモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマを作るために、免疫接種されたマウスから脾細胞および/またはリンパ節細胞が、単離されることができ、マウス骨髄腫細胞株などの適当な不死化細胞株に融合されることができる。得られたハイブリドーマは、抗原特異的抗体の生産に関して選別されることができる。例えば、免疫接種されたマウスからの脾リンパ球の単一細胞懸濁液は、6分の1の数のP3X63−Ag8.653非分泌マウス骨髄腫細胞(ATCC、 CRL 1580)と、50% PEGを用いて、融合されることができる。細胞は、平底マイクロプレートに約2X10−5で播種され、続いて、20%の胎児クローン血清、18%の「653」調整培地、5%のオリゲン(origen)(IGEN)、4mM L−グルタミン、1mM ナトリウムピルベート、5mM HEPES、0.055mM 2−メルカプトエタノール、50ユニット/mlのペニシリン、50mg/mlのストレプトマイシン、50mg/mlのゲンタマイシンおよびIX HAT(シグマ、HATは融合の24時間後に添加)を含む選択培地中で2週間培養される。約2週後に、細胞は、HATがHTと取り替えられた培地において培養されることができる。次いで、個々のウェルは、ヒトモノクローナルIgMおよびIgG抗体用ELISAによって選別される。一旦盛んなハイブリドーマ増殖が生じれば、培地は、10−14日後に通常観察されることができる。抗体を分泌するハイブリドーマは再び幡種され、再度選別されることができる。ヒトIgGに対してまだ陽性の場合、モノクローナル抗体は、少なくとも2回限界希釈法によってサブクローン化されることができる。その後、安定したサブクローンは生体外で培養されることができ、特徴付けのため組織培養培地中で少量の抗体を生成する。
ヒトモノクローナル抗体を精製するために、選択されたハイブリドーマは、モノクローナル抗体精製用の2リットルのスピナーフラスコ中で培養されることができる。上澄みは、プロテインA−セファロース(Pharmacia、 Piscataway、 N.J.)を備えたアフィニティークロマトグラフィーの前に、ろ過および濃縮されることができる。溶出されたIgGは、純度を確認するためにゲル電気泳動と高速液体クロマトグラフィーによってチェックされることができる。バッファーはPBSへ交換されることができ、濃縮は、1.43の消散係数を用いて、OD280によって測定されることができる。モノクローナル抗体は分注され、−80℃で保存されることができる。
本発明のモノクローナル抗体を生産するトランスフェクトーマ(TRANSFECTOMAS)の生成
本発明の抗体はまた、当分野で周知のように、例えば、組み換えDNA技術と遺伝子トランスフェクション法の組み合わせを用いて、宿主細胞トランスフェクトーマ(transfectoma)で生成されることができる。(例えば、Morrison, S. (1985) Science 229:1202).
例えば、抗体あるいはその抗体断片を発現するために、部分または完全長軽鎖および重鎖をコードするDNAは、標準的な分子生物学技術(例えば対象の抗体を発現するハイブリドーマを使用するPCR増幅またはcDNAクローニング)によって得ることができ、DNAは、遺伝子が転写および翻訳調節配列に機能可能なように連結される(operatively linked)ように、発現ベクターに挿入されることができる。この文脈において、「機能可能なように連結される(operatively linked)」という語は、抗体遺伝子が、ベクター内の転写および翻訳調節配列が抗体遺伝子の転写
および翻訳を制御する意図した機能を、ベクターに結合されることを意味するように意図される。発現ベクターおよび発現制御配列は、用いられる発現宿主細胞にあうように選択される。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子は個別のベクターまたはより典型的に両方の遺伝子が、同じ発現ベクターに挿入されることができる。抗体遺伝子は、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子断片およびベクターの相補的な制限部位連結、制限部位が存在しない場合は、平滑末端連結)によって発現ベクターに挿入される。本明細書に記載された抗体の軽鎖および重鎖可変領域は、VHセグメントが、ベクター内のCHセグメントに機能可能なように連結され(operatively linked)、およびVKセグメントが、ベクター内のCLセグメントに機能可能なように連結される(operatively linked)ように、既に所望のアイソタイプの重鎖定常および軽鎖定常領域をコードする発現ベクターにそれらを挿入することにより任意の抗体アイソタイプの完全長抗体遺伝子を作成するために使用されることができる。さらにまたは代わりに、組み換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端にインフレームで連結するように、ベクターにクローンされることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンのシグナルペプチドまたは異種のシグナルペプチド(すなわち非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)であることができる。
抗体鎖遺伝子に加えて、本発明の組み換え発現ベクターは、宿主細胞中の抗体鎖遺伝子の発現を制御する調節配列をもつ。「調節配列」という語は、抗体鎖遺伝子の転写か翻訳を制御するプロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御因子(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むように意図される。そのような調節配列は、例えば、Goeddel(Gene Expression Technology. Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif. (1990))に、記載されている。例えば、調節配列の選択を含む、発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベルなどの要素に依存し得ることは、当業者に理解されるであろう。哺乳類宿主細胞発現用の好ましい調節配列としては、サイトメガロウィルス(CMV)、シミアンウイルス40(シミアンウイルス40)、アデノウィルス(例えば、アデノウィルスのメジャーレイト(major late)プロモーター(AdMLP)およびポリオーマウィルス)に由来したプロモーター並びに/またはエンハンサーのような哺乳類細胞の中の高いレベルのタンパク質発現を指図するウイルスの因子が挙げられる。代わりに、ユビキチンプロモーターまたはベータグロビンプロモーターなどの非ウイルスの調節配列が使用され得る。さらに、SV40初期(early)プロモーターおよびヒトT細胞白血病ウィルスタイプ1の末端反復配列からの配列を含む、SRアルファプロモーター系などの、異なる供給源からの配列から構成された調節因子(Takebe、Y.et al.(1988)Mol. Cell. Biol. 8:466−472)。
抗体鎖遺伝子および調節配列に加えて、本発明の組み換え発現ベクターは、宿主細胞においてベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)および選択可能マーカー遺伝子などの付加的配列をもち得る。選択可能マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする。(例えば、米国特許第4,399,216号、第4,634,665号、および第5,179,017号(すべてAxel et al.による))例えば、典型的に、選択可能マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞で、G418、ハイグロマイシンまたはメトトレキサートなどの薬剤に対する耐性を付与する。好ましい選択可能マーカー遺伝子としては、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(メトトレキサート選択/増幅をもつdhfr−宿主細胞での使用)およびneo遺伝子(G418選択用)が挙げられる。
軽鎖および重鎖の発現に関して、重鎖と軽鎖をコードする発現ベクターは、標準的な技
術によって宿主細胞へトランスフェクトされる。「トランスフェクション」という語の様々な形式は、例えば、電気穿孔法、リン酸カルシウム沈澱、DEAEデキストラントランスフェクションなどの、原核または真核宿主細胞への外来DNAの導入に一般的に用いられる種々様々の技術を含むように意図される。原核あるいは真核宿主細胞のいずれかに本発明の抗体を表現することは理論上可能であるが、真核細胞、最も好ましくは哺乳類宿主細胞における抗体の発現が、最も好ましい。なぜなら、真核細胞および特に哺乳類細胞は、原核細胞と比べ、より適切に折り畳まれ、免疫学的に活性のある抗体を組み立て分泌する可能性が高いからである。抗体遺伝子の原核生物での発現は、活性のある抗体の高収率の生産には効果がないことが報告されている(Boss, M. A. and Wood, C. R. (1985) Immunology Today 6:12−13)。
本発明の組み換え抗体を表現するための好ましい哺乳類宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(R. J. Kaufman and P. A. Sharp
(1982) MoI. Biol. 159:601−621に記載のようにDHFR選択可能マーカーと共に使用された、Urlaub and Chasin, (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220記載のCHO細胞)、NSO骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞が挙げられる。特に、NSO骨髄腫細胞との使用に関して、別の好ましい発現系は、WO87/04462、WO89/01036およびEP338,841に開示されたGS遺伝子発現系である。組み換え発現ベクターをコードする抗体遺伝子が哺乳類宿主細胞へ導入される場合、抗体は、宿主細胞の中の抗体の発現、または、より好ましくは宿主細胞が培養される培地中への抗体の分泌で可能である十分な期間の宿主細胞の培養によって生産される。抗体は、標準的なタンパク質精製法を用いて、培地から回収することができる。
抗原に結合する抗体の特徴付け
本発明の抗体は、例えば、標準的なELISAによる、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3への結合に関して、試験されることができる。簡潔に、マイクロプレートは、PBS中の0.25.mu.g/mlの精製されたVSIG1でコートされ、次いでリン酸緩衝食塩水中の5%ウシ血清アルブミンでブロックされる。抗体の希釈物(例えば、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を免疫接種されたマウスからの血漿の希釈物)は、各ウェルに加えられ、37℃で1−2時間、インキュベートされる。プレートは、PBS/Tweenで洗われ、次に、アルカリホスファターゼに抱合された第2の試薬(例えばヒト抗体、ヤギの抗ヒトのIgGのFcに特異的なポリクローナル試薬)を用いて、37℃で1時間、インキュベートされる。洗浄の後、プレートはpNPP基質(1mg/ml)で展開(develop)され、405−650のODで分析される。好ましくは、最も高い滴定濃度を展開(develop)するマウスが、融合に使用されるであろう。
上記のELISAアッセイもまた、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3免疫原に陽性の反応性を示すハイブリドーマをスクリーニングするために使用することができる。VSIG1に高い結合力(avidity)で結合するハイブリドーマはサブクローン化され、さらに特徴付けられます。各ハイブリドーマからの1つのクローン(それは親細胞の反応性(ELISAによる)を保持する)は、−140℃で保存される5−10瓶(vial)細胞バンク作成および抗体精製のために選択されることができる。
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体を精製するために、選択されたハイブリドーマは、モノ
クローナル抗体精製用の2リットルのスピナーフラスコ中で培養されることができる。上澄みは、プロテインA−セファロース(Pharmacia、 Piscataway、
N.J.)を備えたアフィニティークロマトグラフィーの前に、ろ過および濃縮されることができる。溶出されたIgGは、純度を確認するためにゲル電気泳動と高速液体クロマトグラフィーによってチェックされることができる。バッファーはPBSへ交換されることができ、濃縮は、1.43の消散係数を用いて、OD280によって測定されることができる。モノクローナル抗体は分注され、−80℃で保存されることができる。
C1ORF32または抗FXYD3モノクローナル抗体が、ユニークなエピトープに結合するかどうか判断するために、抗体は、それぞれ市販の試薬(Pierce、 Rockford、 Ill.)を用いてビオチン化されることができる。ラベルされていないモノクローナル抗体およびビオチン化されたモノクローナル抗体を使用する競合試験(studies)が、上記のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3をコートしたELISAプレートを用いて行なわれることができる。ビオチン化されたmAbの結合は、ストレプト−アビジン−アルカリホスファターゼプローブで検出されることができる。
精製された抗体のアイソタイプを決定するために、アイソタイプELISAが、特定のアイソタイプの抗体に特異的な試薬を用いて行なわれることができる。例えば、ヒトモノクローナル抗体のアイソタイプを決定するために、マイクロプレートのウェルは、4℃で抗ヒト免疫グロブリンのl.mu.g/mlで1晩コートされることができる。1%のBSAでブロッキングした後、プレートは、1〜2時間の室温(ambient temperature)で、1mug/ml以下の試験されるモノクローナル抗体または精製されたアイソタイプ対照を用いて反応させる。次いで、ヒトIgG1またはヒトIgMのいずれかに特異的なアルカリホスファターゼ抱合プローブを反応させることができる。プレートは、上記のように、展開(develop)され、分析される。
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3ヒトIgGはさらに、ウェスタンブロットによって、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原に対する反応性を試験されることができる。簡潔に、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原は、調製され、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動に供されることができる。電気泳動の後、分離された抗原は、ニトロセルロース膜に移され、10%のウシ胎仔血清でブロッキングされ、試験されるモノクローナル抗体でプローブされる。ヒトIgGの結合は、抗ヒトIgGアルカリホスファターゼを用いて検出され、BCIP/NBT基質タブレット(Sigma Chem. Co., St. Louis, Mo.)を用いて、展開(develop)されることができる。
抱合体または免疫抱合体
本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原および細胞外領域または部分を含むその可溶性部分、若しくはその変異体を含む、免疫治療に用いられための抱合体を含む。例えば、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原のECDが、免疫グロブリンまたはその断片に付加されている抱合体を含む。本発明は、免疫共刺激などのVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原活性を促進または阻害するために用いること、並びに本明細書に記載の移植、自己免疫および癌徴候の治療に用いることを考慮する。
別の局面では、本発明は、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体またはその断片を含み、細胞毒素、薬剤(例えば、免疫抑制薬)または放射能毒素のような治療のための部位に抱合された免疫抱合体を、特徴とする(features)。そのような抱合体はここで「免疫抱合体」と呼ばれる。1つ以上の細胞毒素を含む免疫抱合体は「免疫毒素」と呼ばれる。細胞毒素または細胞毒性薬は、細胞に有害な(例えば、死滅させる)任意の薬剤を含んでいる。例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、並びにそのアナログまたはそのホモログが挙げられる。
治療のための薬剤としては、例えば、代謝拮抗物質(例えばメトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルダカルバジン)、アルキル化薬(例えば、メクロレタミン、チオエパ、クロラムブチル、メルファラン、カルマスティン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトチン、マイトマイシンCおよびシス形ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンおよびアントラマイシン(AMC))、並びに抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられる。
本発明の抗体に抱合されることができる治療のための細胞毒素の他の好ましい例としては、それについてデュオカルマイシン(duocarmycins)、カリケアマイシン(calicheamicins)、メイタンシン(maytansines)およびアウリスタチン(auristatins)、およびその誘導体が挙げられる。カリケアマイシン(calicheamicin)抗体抱合体の一例は市販されている。(Mylotarg.TM(商標).、Wyeth)
細胞毒素は、当分野において利用可能なリンカー技術を用いて、本発明の抗体に抱合体されることができる。細胞毒素を抗体に抱合するために用いられるリンカータイプの例としては、限定はされないが、ヒドラゾン、チオエテール、エステル、ジスルフィドおよびペプチド含有リンカーが挙げられる。リソソームのコンパートメント内の低いpHによる分割に弱い、または、カテプシン(例えばカテプシンB、C、D)などの腫瘍組織で差次的に発現されたプロテアーゼなどのプロテアーゼによる分割に弱いリンカーが、例えば、選択されることができる。
治療薬剤を抗体に抱合する、細胞毒素の種類、リンカーおよび方法のさらなる考察はまた、Saito, G. et al. (2003) Adv. Drug Deliv. Rev. 55:199−215; Trail, P. A. et al. (2003) Cancer Immunol. Immunother. 52:328− 337; Payne, G. (2003) Cancer Cell 3:207−212; Allen, T. M. (2002) Nat. Rev. Cancer 2:750−763; Pastan, I. and Kreitman,
R. J. (2002) Curr. Opin. Investig. Drugs 3:1089− 1091; Senter, P. D. および Springer, C. J. (2001) Adv. Drug Deliv. Rev. 53:247−264を参照のこと。
本発明の抗体はまた、放射性同位体への抱合されることができ、放射性免疫抱合体と呼ばれる細胞毒性の放射性医薬品を生成する。診断あるいは治療上使用のための抗体への抱合されることのできる放射性同位体としては、例えば、限定はされないが、ヨウ素131、インジウム111、イットリウム90およびルテチウム177が挙げられる。放射性免疫抱合体を調製する方法は、当分野で確立されている。Zevalin.TM(商標)(IDEC Pharmaceuticals)およびBexxar.TM(商標)を含む放射性免疫抱合体の例は市販されている。また、同様の方法は本発明の抗体を用いて、放射性免疫抱合体を調製するために用いられることができる。
本発明の抗体抱合体は所与の生体応答を改変するために用いられることができ、薬部位(moiety)は、古典的化学治療薬剤に制限される解釈すべきではない。例えば、薬部位(moiety)は、所望の生物活性をもつタンパク質またはポリペプチドであり得る。そのようなタンパク質としては、例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス菌体外毒素またはジフテリア毒素などの酵素的に活性のある毒素またはその活性断片、腫瘍壊死因子またはインターフェロンガンマなどのタンパク質、若しくは、例えばリンホカイン、インターロイキン1(「IL−1」)、インターロイキン2(「IL−2」)、インターロイキン6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)または他の生長因子などの生体応答調節剤が挙げられ得る。
抗体へのそのような治療のための部位(moiety )を抱合するための技術は周知であり、例えば、Arnon et al., ”Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”, in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeld et al. (eds.), pp. 243−56 (Alan R. Liss, Inc. 1985);
Hellstrom et al., ”Antibodies For Drug Delivery”, in Controlled Drug Delivery (2nd Ed.), Robinson et al. (eds.), pp. 623−53 (Marcel Dekker, Inc. 1987);Thorpe, ”Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review”, in Monoclonal Antibodies ’84: Biological And Clinical Applications, Pinchera et al. (eds.),
pp. 475−506 (1985);”Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer
Therapy”, in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy, Baldwin et
al. (eds.), pp. 303−16 (Academic Press 1985), および Thorpe et al., ”The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates”, Immunol. Rev., 62:119−58 (1982)を参照のこと。
二重特異性分子
別の局面では、本発明は、本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体、若しくはその断片を含む二重特異性分子を特徴とする(features)。それについて、本発明の抗体
またはその抗原結合部分は、誘導体化されることができる、または、例えば別のペプチドまたはタンパク質(例、受容体に対する別の抗体またはリガンド)などの別の機能的な分子に連結されることができる、それは少なくとも2つの異なる結合部位または標的分子に結合する二重特異性の分子を生成する。本発明の抗体は、実際に、3つ以上の異なる結合部位および/または標的分子と結合する多重特異性分子を生成するために、誘導体化され得るか、または2つ以上の機能的に連結され得る。そのような多重特異性の分子も、本明細書において、「二重特異性分子」という語によって含まれるように意図される。本発明の二重特異性分子を作成するために、本発明の抗体は、別の抗体、抗体断片、ペプチドまたは結合模倣物質などの1つ以上の他の結合分子に、(例えば、化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合連結、またはその他(otherwise)によって)、結果として二重特異性分子になるように、機能的に連結されることができる。
従って、本発明は、少なくともVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に対する第1の結合特異性、および第2の標的エピトープに対する第2の結合特異性を含む二重特異性分子を含む。本発明の特定の実施形態では、例えば、ヒトFcガンマRI(CD64)またはヒトFcアルファ受容体(CD89)などの第2の標的エピトープFc受容体である。したがって、本発明は、両方をFcガンマR、FcアルファRまたはFcイプシロンRを発現するエフェクター細胞(例えば単球、マクロファージあるいは多形核細胞(PMN))、および、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する標的細胞の両方に、結合することができる二重特異性分子を含む。これらの二重特異性分子はVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する細胞エフェクター細胞と、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する細胞の食作用、抗体依存の細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、サイトカイン放出またはスーパーオキシドアニオンの生成などのFc受容体が媒介するエフェクター細胞活性を、誘発する。
二重特異性分子が、多重特異性である、本発明の実施形態では、分子は、抗Fc結合特異性および抗6f結合特異性に加えて、第3の結合特異性をさらに含むことができる。1つの実施形態では、第3の結合特異性は、例えば、細胞毒性活性に関与する表面タンパク質に結合し、それによって、標的細胞に対する免疫応答を増加する分子などの 抗促進因子(anti−enhancement factor)部分である。
「抗促進因子(anti−enhancement factor)部分」は、例えば、抗原または受容体などの所与の分子に結合し、それによって、Fc受容体または標的細胞抗原に対する結合決定因子の効果の増強となる抗体、機能的な抗体断片またはリガンドであることができる。「抗促進因子(anti−enhancement factor)部分」は、Fc受容体または標的細胞抗原に結合することができる。或いは、抗促進因子(anti−enhancement factor)部分は、第1および第2の結合特異性が結合する要素(entity)とは異なる要素(entity)に結合することができる。抗抗促進因子(anti−enhancement factor)部分は、細胞傷害性T細胞に(例えば、CD2、CD3、CD8、CD28、CD4、CD40、ICAM−1、または標的細胞に対する増加した免疫応答になる他の免疫細胞を通して)結合することができる。
1つの実施形態では、米国特許第4,946,778号(Ladner et al.)(その内容は参照によって明確に取り込まれる)に記載のように、本発明の両特定の分子は、結合特異性として、例えば、Fab、Fab’、F(ab’).sub.2、Fv、または単一鎖Fvなどの少なくとも1つの抗体、または抗体断片を含む。抗体はまた、
Fvまたは単一鎖構築物まどの、軽鎖また
1つの実施形態では、Fey受容体に対する結合特異性は、モノクローナル抗体によって提供され、その結合は、ヒト免疫グロブリンG(IgG)によって妨げられない。本明細書において、「IgG受容体」という語は、クロモソーム1にある8個のガンマ鎖遺伝子のいずれかを指す。これらの遺伝子は、合計12の膜貫通または可溶性の受容体アイソフォームをコードし、それらは、3つのFcガンマ受容体クラスにグループ分けされる:FcガンマRl(CD64)、FcガンマRII(CD32)、およびFcガンマRIII(CD16)。
1つの好ましい実施形態では、Fcガンマ受容体ヒト高親和性FcガンマRI。ヒトFcガンマRIは、単量体IgG(10−10−9−1)に対する高い親和性を示す72kDa分子である。
ある好ましい抗Fcガンマモノクローナル抗体の産生および特徴付けは、Fanger
et al.PCT Publication WO88/00052および米国特許第4,954,617号に記載されており、その教示は、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。これら抗体は、FcガンマRl、FcyRII、またはFcyRIIIのエピトープに、受容体のFcガンマ結合部位とは異なる部位で結合する。その結合は、IgGの生理的レベルによって、実質的に妨げられない。本発明で有用である具体的な抗FcガンマRI抗体は、mAb22、mAb32、mAb44、mAb62およびmAb197である。mAb32を産生するハイブリドーマは、American Type Culture Collectionから入手可能である(ATCC 受託番号HB9469)。他の実施形態では、抗Fey受容体抗体は、モノクローナル抗体22(H22)のヒト化形である。H22抗体の産生および特性付けは、Graziano, R.F. et al. (1995) J. Immunol. 155 (10): 4996−5002 および PCT Publication WO94/10332に記載されている。H22抗体を酸性する細胞株は、American Type Culture Collectionに、HAO22CLIのもとで寄託され、受託番号CRL11177である。
さらに他の好ましい実施形態では、Fc受容体に対する結合特異性は、ヒトIgA受容体に結合するする抗体によってもたらされる。例えば、Fc−アルファ受容体(FcアルファRI(CD89))、その結合は、好ましくは、ヒト免疫グロブリン(IgA)によって、妨げられない。「IgA受容体」という語は、染色体19にある1つのアルファ−遺伝子(FcアルファRI)の遺伝子産物を含むように意図される。この遺伝子は55−10kDaの数個の選択的にスプライシングされた膜貫通アイソフォームをコードすることが知られている。
FcアルファRI(CD89)は、単球/マクロファージ、好エオシンおよび好中顆粒球で恒常的に発現されるが、非エフェクター細胞集団では発現されない。FcアルファRIは、IgA1およびIgA2の両方に対し培地親和性(ほぼ5X10−7−1)をもち、それは、G−CSFまたはGM−CSFなどのサイトカインへの接触で増加される(Morton, H. C. et al. (1996) Critical Reviews in Immunology 16:423−440)。A3、A59、A62およびA77と特定された、IgAリガンド結合領域の外側のFcアルファRIに結合する、4つのFcaRIに特有のモノクローナル抗体が記述されている(Monteiro, R. C. et al. (1992) J. Immunol. 148:1764)。
FcアルファRIおよびFcガンマRIは、本発明の二重特異性分子で用いられる好ま
しいトリガー受容体(trigger receptors)である。なぜなら、(1)主として免疫エフェクター細胞(例えば単球、PMN、マクロファージ、樹枝状細胞)で発現される、(2)高いレベル(例えば1個の細胞当たり5,000−100,000)で発現される、(3)細胞毒性活性(例えばADCC、食作用)の媒介物質であり、(4)例えば自己抗原など、標的とされた抗原の増強された抗原提示を媒介するからである。
ヒトモノクローナル抗体が好ましいが、本発明の二重特異性分子に採用されることができる他の抗体は、マウス、キメラおよびヒト化モノクローナル抗体である。
本発明の二重特異分子は、当分野で公知の方法を用いて、例えば、抗FcRおよび抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3結合特異性など、構成要素結合特異性(constituent binding specificities)を抱合することによって、調製されることができる。例えば、二重特異分子の各結合特異性は、個別に生成され、次いで互いに抱合されることができる。結合特異性がタンパク質またはペプチドである場合、多様なカップリングまたはクロスリンキング剤が、共有結合性の抱合に用いられることができる。クロスリンキング剤の例として、プロテイン A、カルボジイミド、N−サクシニミジル−S−アセチル−チオ酢酸(N−succinimidyl−S−acetyl−thioacetate)(SATA)、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、o−フェニレンジマレイミド(oPDM)、
N−サクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(N−succinimidyl−3−(2−pyridyld−ithio)propionate)(SPDP)、およびスクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(sulfosuccinimidyl 4−(N−maleimidomethyl)cyclohexane−1−carboxylate)(スルホ−SMCC)が挙げられる。(例えば、Karpovsky et al. (1984) J. Exp. Med. 160:1686; Liu, M A et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:8648を参照のこと。)他の方法としては、Paulus (1985) Behring Ins. Mitt. No. 78, 118−132; Brennan et al. (1985) Science 229:81−83)および Glennie et al. (1987) J. Immunol. 139: 2367−2375)で記載されたものが挙げられる。好ましい抱合剤は、SATAおよびスルホ−SMCCであり、ともにPierce Chemical Co.(Rockford、 Ill.)から入手可能である。
結合特異性が抗体の場合、それらは、2つの重鎖のC末端ヒンジ領域のスルフヒドリル結合を通して、抱合されることができる。特に好ましい実施形態では、ヒンジ領域は、抱合する前に、奇数のスルフヒドリル残基、好ましくは1つを含むように改変される。
代わりに、両方の結合特異性は、同じベクターにコードされ、発現され、同じ宿主細胞で組み立てられることができる。この方法は、二重特異性分子が、mAbXmAb、mAbXFab、FabXF(ab’)2またはリガンドXFab融合タンパク質である場合、特に有用である。本発明の二重特異分子は、1つの単鎖抗体および結合決定因子(binding determinant)を含む単鎖分子、または2つの結合決定因子(binding determinants)を含む単鎖二重特異性分子であることができる。
二重特異性分子は、少なくとも2つの単鎖分子を含み得る。二重特異性分子を調製する方法は、例えば、米国特許第5,260,203号、米国特許第5,455,030号、米国特許第4,881,175号、米国特許第5,132,405号、米国特許第5,09
1,513号、米国特許第5,476,786号、米国特許第5,013,653号、米国特許第5,258,498号、および米国特許第5,482,858号に記載されている。
二重特異分子の特異的標的への結合は、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)、FACS解析、バイオアッセイ(bioassay)(例えば、成長阻害)、またはウェスタンブロットアッセイによって、確かめることができる。これらアッセイの各々は、一般に、特に対象となるタンパク質−抗体複合体の存在を対象の複合体に特異的なラベルされた試薬(例えば抗体)を用いて検出する。例えば、FcR−抗体複合体は、例えば、抗体−FcR複合体を認識し、特異的に結合する酵素連結抗体または抗体断片を用いて検出されることができる。代わりに、複合体は、多様な他の免疫アッセイのいずれかを用いて、検出されることができる。例えば、抗体は、放射性ラベルされ、放射免疫アッセイ(RIA)で用いられることができる (例えば、Weintraub, B., Principles of Radioimmunoassays, Seventh Training Course on Radioligand Assay Techniques, The Endocrine Society, March, 1986(参照して本明細書に組み込まれる)を参照のこと。)放射性アイソトープは、ガンマカウンターまたはシンチレーションカウンターを用いる手段、若しくはオートラジオグラフィによって検出されることができる。
医薬組成物
別の局面では、本発明は、薬理学的に許容される担体とともに調合される、1つ若しくは本発明のモノクローナル抗体またはその抗原結合部分の組み合わせを含んでいる、組成物(例えば医薬組成物)を提供する。そのような組成物は、1つ若しくは(例えば、2つ以上の異なる)本発明の抗体または免疫抱合体または両特定の分子の組み合わせを含み得る。例えば、本発明の医薬組成物は、標的抗原上の異なるエピトープに結合するまたは相補的な活性をもつ抗体(または免疫抱合体または二重特異性分子)の組み合わせを含むことができる。
前に論じたように、本発明のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3は、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原によって誘発された活性に特異的に結合するおよび/または調節(増強または阻害)する、小有機分子、ペプチド、リボザイム、炭水化物、糖タンパク質、siRNA、アンチセンスRNAなどの他の分子を特定することを含む。これらの分子は結合アッセイのなどの公知のスクリーニング法によって特定され得る。VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連活性に結合および/または調節する推定上の薬剤候補を特定するために、典型的に、これらのアッセイは、ハイスループットであり、合成または天然の化合物の大きなライブラリーをスクリーニングするであろう。
具体的に、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の細胞外領域、若しくはその断片または変異体、若しくはコードしている、対応する核酸配列を含む薬の開発を含む。これら抱合体は、免疫グロブリン領域などの標的または他の部位を含み得る。これら抱合体は、公知のベクター系または細胞または核酸配列対応する核酸配列を含むベクターで発現され、自己免疫、移植、GVHD、癌および免疫不全疾患または病態の治療においてなどの、癌治療および免疫治療のために用いられ得る
従って、本発明は、本発明に記載の治療剤の治療有効量を含む医薬組成物を特徴とする
(features)。本発明よると、治療剤は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3細胞外領域のいずれか1つ、若しくはその断片または変異体、若しくはコードしている、対応する核酸配列であり得るであろう。
本発明に記載の医薬組成物は、さらに好ましくは、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含み、例えば、非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍を含む癌であって、非転移性、浸潤性または転移性癌で有り得る癌の治療のために好ましくはさらに用いられる。
本発明に記載の医薬組成物は、自己免疫の治療のためにさらに用いられ、並びに多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化、から選ばれる自己免疫疾患の治療のために用いられる。
本発明に記載の医薬組成物は、好ましくは、いかなる生体移植の拒絶および/または骨髄移植後に発症するかもしれない移植片体宿主病の治療のために用いられる。
「治療」は、治療(therapeutic treatment)および予防(prophylactic)または防止(preventative)手段をともに指す。治療を必要とするものは、既に障害をもつもの並びに障害が予防されなければならないものを含む。従って、本明細書において、治療される哺乳類は、障害をもつとして診断されている、若しくは障害の傾向をもっているまたは障害にかかりやすい可能性がある。治療の目的のための「哺乳動物」は、例えばヒト、家畜および家畜(domestic and
farm animals)、並びに犬、馬、猫、雌牛などの、動物園の動物、スポーツ用の動物、ペット動物を含む哺乳動物として分類される、任意の動物を指す。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
「治療有効量」という語は、哺乳類において、疾患または障害を治療するために有効な本発明に記載の薬剤の量を指す。
本発明の治療薬剤は、対象に、単独でまたは薬理学的に許容される担体と混合された医薬組成物の一部として、与えられることができる。
本発明の医薬組成物はまた、併用治療、すなわち他の薬剤と組み合わせて投与されることができる。例えば、併用治療は、少なくとも1つの他の治療または免疫調節剤と組み合わられた、本発明に記載の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体、若しくは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の細胞外領域若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611
、C1ORF32またはFXYD3に結合するペプチド、リボザイム、siRNAまたは他の薬などの小分子を含む可溶性ポリペプチド抱合体などの、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3調節剤を含むことができる。併用治療に用いられることができる治療薬剤の例は、下の本発明の抗体の利用に関するセクションに、より詳細に記載されている。
本明細書において、「薬理学的に許容される担体」は、生理学上互換性をもつ任意および全ての溶媒、分散培地、コーティング、抗細菌および抗真菌物質、アイソトニック並びに吸収を遅らせる剤などを含む。好ましくは、担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊柱または表皮投与(例えば、注射または注入による)に適している。投与経路に応じて、活性化合物、すなわち、抗体、免疫抱合体または二重特異性分子は、材料でコートされ得り、酸の作用および化合物を不活性化する可能性のある自然状態から、化合物を保護する。本発明の医薬化合物は、1つ以上の薬理学的に許容される塩を含み得る。「薬理学的に許容される塩」は、親(parent)化合物の所望の生物活性を保持し、いかなる望ましくない毒性効果を与えない塩を指す。(例えば、Berge, S. M., et
al. (1977) J. Pharm. Sci. 66: 1−19を参照のこと。)そのような塩の例として、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの無毒な無機酸、並びに脂肪族のモノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香性の酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などの無毒な有機酸由来のものが挙げられる。
塩基付加塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、並びに、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどの無毒な有機アミン由来のものが挙げられる。
本発明の医薬組成物はまた、薬学的に許容される抗酸化剤を含み得る。薬学的に許容される抗酸化剤としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫化水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤、(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファトコフェロールなどの油溶性抗酸化剤、および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
本発明の医薬組成物はまた、薬学的に許容される抗酸化剤を含み得る。薬学的に許容される抗酸化剤としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫化水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤、(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファトコフェロールなどの油溶性抗酸化剤、および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。本発明の医薬組成物に採用され得る、適切な水性および非水性の担体の例としては、水、エタノール、(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの)多価アルコールおよびその適切な混合物、オリーブオイルなどの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散の場合、必要な粒径の維持によって、界面活性剤の使用によって、好適な流動性が維持されることができる。
これら組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含み得る。微生物の存在の防止は、事前殺菌処理による、および様々な抗細菌物質および抗真
菌物質(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)の包含による両方によって保証され得る。組成物に、糖、塩化ナトリウムなどのアイソトニックな薬剤含むこともまた望ましい可能性がある。さらに、注射可能な剤形の延長された吸収は、モノステアリン酸アルミニウムとゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤の包含によってなされ得る。
薬理学的に許容された担体はとしては、無菌水性溶液または分散液、および無菌注射可能な溶液または分散液の即席の調製のための無菌粉末が挙げられる。薬理学的に活性のある物質に対する、そのような媒体および薬剤の使用は、当分野で公知である。いかなる従来の媒体または薬剤が、活性化合物と合わない場合を除いて、本発明の医薬組成物でのその使用が考慮される。補助的な活性化合物もまた、組成物に組み入れられることができる。
治療組成物は、典型的に、製造と保存の状況の下で、無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソームまたは高い薬物濃度に適している他の秩序構造として、製剤されることができる。担体は、例えば、水、エタノール、(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなどの)多価アルコールおよび適切なその混合物を含む、溶媒または分散媒体であることができる。例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散の場合、必要な粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、適当な流動性が維持されることができる。多くの場合、組成物に、砂糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、または塩化ナトリウムなどのアイソトニックな薬剤を含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の延長された吸収は、例えば、モノステアリン酸アルミニウムとゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を組成物に含むことによってなされることができる。無菌注射可能溶液は、1つまたは上に列挙された成分の組み合わせと、適切な溶剤中の必要量に活性化合物を組み入れることにより調製されることができ、必要ならば、続いて、滅菌マイクロフィルトレーションを行う。一般に、分散液は、基本的な分散媒体および上に列挙されたものからの必要な他の成分を含む無菌媒体(vehicle)に活性化合物を組み入れることにより調製される。無菌注射可能溶液の調製のための無菌の粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分の粉末と予め無菌濾過された溶液からの任意の付加的な所望の成分を産出する真空乾燥および凍結乾燥である。
無菌注射可能溶液は、1つまたは上に列挙された成分の組み合わせと、適切な溶剤中の必要量に活性化合物を組み入れることにより調製されることができ、必要ならば、続いて、滅菌マイクロフィルトレーションを行う。一般に、分散液は、基本的な分散媒体および上に列挙されたものからの必要な他の成分を含む無菌媒体(vehicle)に活性化合物を組み入れることにより調製される。無菌注射可能溶液の調製のための無菌の粉末の場合、好ましい調製法は、活性成分の粉末と予め無菌濾過された溶液からの任意の付加的な所望の成分を産出する真空乾燥および凍結乾燥である。
単一剤形を作成するために担体材料と混合されることができる活性成分の量は、治療される対象および投与の特定の様式(mode)に応じて、変動するであろう。単一剤形を作成するために担体材料と混合されることができる活性成分の量は、一般に治療効果を生じる組成物の量であろう。一般に、100パーセント中、この量は、薬理学的に許容される担体と組み合わせて、活性成分の約0.01パーセントから約99パーセント、好ましくは約0.1パーセントから約70パーセント、最も好ましくは約1パーセントから約30パーセントの範囲である。
投与計画は、最適の所望の反応(例えば、治療効果)を提供するために調整される。例えば、単一のボーラス(bolus)が投与され得る、いくつかの分割投与量が時間をか
けて投与され得る、または治療の状況の要求に示されるように、投与量は、比例的に(proportionally)減少または増加され得る。投与のしやすいようにおよび投与量の均一である投与単位形(dosage unit form)に非経口組成物を調剤することは特に有利である。本明細書において、投与単位形(dosage unit
form)は、治療される患者に対する単一の投与量として適した物理的に分離した単位を指す。各単位は、必要な薬理学的担体とともに所望の治療効果を生むように計算された活性化合物の所定の量を含む。本発明の投与単位形(dosage unit form)の仕様は、(a)活性化合物の特有の特徴および達成されるべき特定の治療効果、並びに、(b)個人における感度(sensitivity)の治療のための、そのような活性化合物を化合する分野に本来ある限界
によって決定され、直接的に依存する。
抗体の投与に関して、投与量は、約0.0001から100mg/kg(宿主(host)体重)およびより普通には、0.01から5mg/kgである。例えば、投与量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重または10mg/kg体重若しくは1−10mg/kgの範囲内であることができる。典型的な治療計画は、週1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、月1回、3箇月毎に1回、3から6箇月毎に1回の投与を伴う。好ましい本発明の抗VSIG1抗体に関する投与計画としては、静脈内投与を経た、1mg/kg体重または3mg/kg体重が挙げられ、抗体は、次の投与スケジュールの1つを用いて与えられる:(i)4週毎に6回、その後3箇月毎、(ii) 3週毎、(iii)3mg/kg体重を1回、続いて3週毎に1mg/kg体重。
いくつかの方法では、異なる結合特異性をもつ2つ以上のモノクローナル抗体が、同時に投与され、その場合、投与される各抗体の投与量は、示された範囲内にある。抗体は、通常、複数回で投与される。各投与間の間隔は、例えば、週、月、3箇月毎または年である。間隔はまた、患者における標的抗原に対する抗体の血中レベルを測定することによる適応があれば、不定期であることができる。いくつかの方法では、投与量は、約1−1000mug/mlの血漿抗体濃度なるように調整され、およびいくつかの方法では、約25−300mu.g/mlである。
代わりに、抗体は、持続した放出剤として、投与されることができ、その場合、より少ない頻度の投与が必要である。投与量および頻度は、患者における抗体の半減期に依存して変動する。一般に、ヒト抗体が、最も長い半減期を示し、ヒト抗体、キメラ抗体およびヒト以外の抗体が後に続く。投与量および頻度は、治療が予防的か治療的か依存して変動することができる。予防的な用途では、比較的低い投与量が、長期にわたって比較的低頻度(infrequent)間隔で投与される。一生治療を受け続ける患者もいる。治療的な用途では、疾患の進行が減じる、または停止するまで、好ましくは、患者が疾病の症状の部分的または完全な改善を示すまで、比較的短い間隔での比較的高い投与量が時として必要である。その後、患者は予防的な計画で投与されることができる。
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与レベルは、患者に毒性であることなしに、特定の患者、組成物および投与の様式(mode)に対して所望の治療反応を達成するために効果的である活性成分の量を得るように変動され得る。選択された投与量は、採用された本発明の特定の組成物若しくはそのエステル、塩またはアミドの活性、投与経路、投与の時間、採用されている特定の化合物の排出の速度、治療の期間、採用された特定の組成物と組み合わせて用いられた他の薬、化合物および/または材料、治療されている患者の年齢、性別、体重、状況、健康状態およびこれまでの病歴、並びに医学分野において周知の要因を含む、種々の薬物動態学的要因に依存するであろう。
本発明の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体の「治療有効量」は、好ましくは、疾患症状の重症度の減少、疾患の症状のない期間の頻度および持続の増加、寿命(lifepan)の増加、疾病寛解、若しくは疾患罹患による障害または身体障害の予防に結果としてなる。例えば、肺腫瘍、卵巣腫瘍および結腸腫瘍などの、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3陽性腫瘍の治療に関して、「治療有効量」は、治療されなかった対象と比較して、細胞増殖または腫瘍増殖を、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、さらにより好ましくは少なくとも約80%阻害する。組成物の腫瘍増殖阻害能は、ヒト腫瘍における薬効の予測となる動物モデル系において評価されることができる。或いは、組成物の特性は、組成物の阻害能、当業者に公知のアッセイによって生体外阻害を試験することによって評価されることができる。治療化合物の治療有効量は、腫瘍の大きさを減じることができ、そうでなければ、対象における症状を改善することができる。
当業者は、対象の身体の大きさ、対象の症状の重症度および選択された投与の特定の組成物または経路のような要素に基づいて、その量を決定することができるであろう。
本発明の組成物は、1つ以上の当分野で公知の様々な方法を用いて、1つ以上の投与の経路を通して、投与されることができる。当業者に理解されるであろうように、投与の経路および/または様式(mode)は、所望の結果に応じて変えられるであろう。本発明の抗体の投与の好ましい経路としては、例えば、注射または注入による、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊柱または他の非経口の投与経路が挙げられる。本明細書において、「非経口投与」という句(phrase)は、経腸および局所投与以外の。通常は注射による投与の様式を意味し、限定なしに、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、越導管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、蜘蛛膜下、脊髄内、硬膜外、胸骨内の注射および注入を含む。
代わりに、本発明に記載のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原活性を調節する抗体 若しくは他のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3薬、若しくは分子並びにその抱合体および組み合わせは、例えば、鼻腔内、経口で、経膣的に、経直腸的に、舌下にまたは局所的になどの、局所的か、表皮または粘膜の投与経路などの非非経口の経路経由で投与されることができる。
活性化合物は、例えばインプラント、経皮的なパッチおよびマイクロカプセル化された送達システムを含む、制御された放出製剤などの、急速な放出に対して化合物を保護するであろう担体とともに調製されることができる。エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生物分解性、生体適合性ポリマーが、用いられることができる。そのような製剤を調製する方法は、特許権を有する、または、一般に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker,
Inc., New York, 1978.を参照のこと。
治療組成物は、当分野で公知の医療装置(devices)で投与されることができる。例えば、好ましい実施形態では、本発明の治療組成物は、米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号、または第4,596,556号で開示された装置のような針皮下注射装置で投与されることができる。本発明において有用なインプラントおよびモジュールの例としては、制御された速度で薬剤を投薬するための埋め
込み可能なミクロ輸液ポンプを開示する米国特許第4,487,603号、皮膚を通して薬物を投与するための治療装置を開示する米国特許第4,486,194号、正確な注入速度で薬剤を送達するための薬物輸液ポンプを開示する米国特許第4,447,233号、可変フローで、連続的に薬剤送達するためのインプラント可能な注入器を開示する米国特許第4,447,224号、マルチチャンバコンパートメントをもつ浸透性薬剤送達システムを開示する米国特許第4,439,196号、どれが浸透性薬物送達システムを開示する米国特許第4,475,196号、が挙げられる。これら特許は、参照により本明細書に取り込まれる。数多くの他のそのようなインプラント、送達システムおよびモジュールが、当業者に公知である。
ある実施形態では、本発明の抗体または他のVSIG1関連薬は、生体内適当な分散を確実にするために製剤されることができる。例えば、脳血液関門(BBB)は、多くの高親油性化合物を除外する。本発明の治療化合物がBBBをこえること(望まれるならば)を確実にするために、化合物は、例えば、リポソーム中に製剤されることができる。リポソームを製造する方法に関しては、例えば、米国特許第4,522,811号、第5,374,548号、および第5,399,331号を参照のこと。リポソームは、特定の細胞または器官に選択的に輸送される1つ以上の部位を含み、よって、標的薬剤送達を増強し得る。(例えば、V. V. Ranade (1989) J. Clin. Pharmacol. 29:685を参照のこと)。典型的な標的部位としては、葉酸またはビオチン(例えば、米国特許第5,416,016号(Low et al)を参照のこと)、マンノシド(Umezawa et al, (1988) Biochem.
Biophys. Res. Commun. 153:1038)、抗体(P. G. Bloeman et al. (1995) FEBS Lett. 357:140; M. Owais et al. (1995) Antimicrob. Agents Chemother. 39:180)、界面活性剤 プロテインA 受容体(Briscoe et al. (1995) Am. J Physiol. 1233:134)、pl20(Schreier et al. (1994) J. Biol. Chem. 269:9090)(K. Keinanen; M. L.
Laukkanen (1994) FEBS Lett. 346:123; J.
J. Killion; I. J. Fidler (1994) Immunomethods 4:273も参照のこと)が挙げられる。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原および相当するポリヌクレオチドの診断利用
いくつかの実施形態によると、本発明に記載の診断アッセイを行うための対象(患者)からとられた試料は、限定はされないが、血液、血清、尿、血漿、前立腺液、精液(seminal fluid)、精液(semen)、皮膚、呼吸器官、腸管および尿生殖路の外分泌物、涙、脳脊髄液、痰、唾液、母乳、腹水、胸膜液、嚢胞液、胸管系(および/またはその洗浄)、気管支肺胞洗浄、生殖器系の洗浄、および身体の他の部分または身体中の系の洗浄の分泌物、単離された細胞または組織を含む任意の器官の試料(ここで、細胞または組織は、限定はされないが、肺、結腸、卵巣および/または胸組織から選ばれる器官からえられることができる)、便または組織試料、若しくはその任意の組み合わせを含む体液または分泌物からなる群から選ばれる。いくつかの実施形態では、その語は、生体内細胞培養構成物(culture constituents)の試料を含む。診断アッセイに供される前に、試料は、任意選択で、適切な溶離液(eluant)で希釈されることができる。
いくつかの実施形態では、本発明の文脈において「マーカー」という句(phrase)は、本明細書に記載された疾患または病態の1つをもつ患者(対象)からとられた試料において、上記疾患または病態の1つをもたない対象からとられた比較試料と比べて、差
次的に存在する、核酸断片、ペプチド、またはポリペプチドを指す。
いくつかの実施形態では、「ポリペプチド」という語は、少なくとも2から数千以上のアミノ酸を含む分子を指すと理解されるべきである。「ポリペプチド」という語は、 is to be understood to include, とりわけ、天然(native)ペプチド(分解産物、合成ペプチドまたは組み換えペプチドいずれか)、ペプトイドおよびセミペプトイドなどのペプチド模倣またはペプチドアナログを含み、当業者によって理解されるであろうように、例えば任意の所望の修飾、とりわけ、ペプチドを体内でより安定にする、細胞により浸透することができる、またはその他の修飾を含み得ることは理解されるべきである。そのような修飾としては、限定はされないが、N末端修飾、C末端修飾、ペプチド結合修飾、骨格修飾、残基修飾またはその他が挙げられる。本発明のポリペプチド内のそのようなペプチドの包含は、本明細書に記載のポリペプチド、例えば、配列表に提供されたものなどと同一性を共有するポリペプチドを生成し得る。
いくつかの実施形態では、「差次的に存在する」という句(phrase)は、本明細書に記載された疾患または病態の1つをもつ患者からとられた試料において存在するマーカーの量または質における、本明細書に記載された疾患または病態の1つをもたない対象からとられた比較試料と比べての差を指す。例えば、核酸断片は、例えば、ハイブリダイゼーションおよび/またはNATを基にしたアッセイで測定された際に、1試料中の核酸断片の量が、他の試料中の核酸断片の量と著しく異なる場合、任意選択で、2つの試料間で差次的に存在し得る。ポリペプチドは、1試料中のポリペプチドの量が、他の試料中のポリペプチドの量と著しく異なる場合、2つの試料間で差次的に存在する。特筆すべきは、マーカーが、1つの試料で検出可能であって、他の試料で検出可能でない場合、そのようなマーカーは、差次的に存在するとみなされることができる。本明細書に記載のように、任意選択で、亢進(up−regulation)の相対的に低い量は、マーカーとしての役割をなし得る。当業者は、マーカーのそのような相対的なレベルを容易に決定することができるであろう。さらなる指針(guidance)は、下記の各々のマーカーの説明に 提供される。
いくつかの実施形態では、「診断の」という句(phrase)は、病態の存在または本質(nature)を特定することを意味する。診断方法は、その感受性および特異性において異なる。診断アッセイの「感受性(sensitivity)」は、陽性と判定された疾患をもつ個人の割合(「真陽性」の割合)である。アッセイによって検出されない疾患をもつ個人は、「偽陰性」である。疾患をもたず、アッセイで陰性と判定された対象は、「真陰性」と呼ばれる。診断アッセイの「特異性」は、1から偽陽性比(rate)を引いたものである。ここで、「偽陽性」比(rate)は、陽性と判定された、疾患をもたないヒトの割合として定義される。特定の診断方法は、病態の決定的診断を提供しないかもしれないが、診断を補助する陽性の示唆(indication)を提供するならば、その方法は十分である。
いくつかの実施形態では、「定性的」という句(phrase)は、当業者によって理解されるように、本明細書に記載のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの発現レベルにおける差異に関する場合、発現の非存在(absence)に対する存在を指し、若しくは、いくつかの実施形態では、発現の時間的な制御、若しくは、いくつかの実施形態では、発現のタイミング、いくつかの実施形態では、発現された分子に対する任意の翻訳後修飾などを指す。いくつかの実施形態では、「定量的」という句(phrase)は、本明細書に記載のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの発現レベルにおける差に関する場合、当分野で公知の任意の手段で測定された際、発現の量における絶対的な差を指す。または、他の実施形態では、実質的に顕著であり得る相対的な差、
または、いくつかの実施形態では、全期間または長期間などで見た場合、発現における差
に関する傾向を示す。
いくつかの実施形態では、「診断する」という語は、疾患または症状を分類すること、疾患の重症度を決定すること、疾患の進行を観察すること、疾患の結果および/または回復の可能性を予想することを指す。「検出する」という語は、任意選択で、上記にいずれかを含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明に記載の疾患の診断は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドのレベルを測定することによって、対象から得られた生体試料において影響されることができ、そのレベルは、疾患のかかりやすさ(predisposition)または疾患の有無に相関されることができる。尚、より詳細に下で記載されるように、「対象から得られた生体試料」はまた、任意選択で、対象から物理的に取り除かれていない試料を含み得る。
いくつかの実施形態では、「レベル」という語は、RNAおよび/またはタンパク質の発現レベル若しくは本発明のマーカーのDNAコピー数を指す。
典型的に、対象から得られた生体試料中のマーカーのレベルは、健康な個人から得られた同様の試料中の同じマーカーのレベルと異なる(すなわち、増加または減少している)。(生体試料の例は、本明細書に記載されている。)
対象における対象マーカーのDNA、RNAおよび/またはポリペプチドのレベルを測定するために、数多くの周知の組織または体液を採取する方法が、対象からの生体試料を摂取するために用いられることができる。
例として、限定はされないが、細針生検、針生検、中核針生検(core needle biopsy)、および外科的生検(例えば脳生検)並びに洗浄が挙げられる。採用される手順にかかわらず、一旦、生検/試料が得られると、マーカーのレベルが測定され、よって診断がなされることができる。
同じ起源(origin)の正常組織中の同じマーカーのレベルを測定することは、好ましくは、正常組織に対するマーカーの上昇した発現および/または増幅並びに/若しくは減少した発現を検出するために、並行して実行される。
いくつかの実施形態では、マーカーの「試験量(test amount)」という語は、特定の疾患または病態の診断に一致した(consistent)対象試料中のマーカーの量を指す。試験量(test amount)は、絶対量(例えば、microgram/ml)または相対量(例えば、シグナルの相対的な強度)のいずれかであることができる。
いくつかの実施形態では、マーカーの「対照量(control amount)」という語は、マーカーの試験量(test amount)に対して比較されるべき任意の量または量の範囲であることができる。例えば、マーカーの対照量(control amount)は、特定の疾患または病態をもつ患者、若しくはそのような疾患または病態をもたない人におけるマーカーの量であることができる。対照量(control amount)は、絶対量(例えば、microgram/ml)または相対量(例えば、シグナルの相対的な強度)のいずれかであることができる。
いくつかの実施形態では、「検出」という語は、検出される対象の有無または量を特定することを指す。
いくつかの実施形態では、「レベル」という語は、分光学的、光化学的、生化学、免疫化学的または化学的手段によって検出可能な任意の部位(moiety)またはアイテム(item)が挙げられる。例えば、有用なラベルとしては、32P、35S、蛍光染料、電子密度の高い(electron−dense)試薬、酵素(例えば、通常、ELISAで使用)ビオチン−ストレプトアビジン(streptavadin)、ジゴキシゲニン(dioxigenin)、ハプテンおよびタンパク質(そのタンパク質に対する抗血清またはモノクローナル抗体がある場合)または標的に相補的な配列をもつ核酸分子が挙げられる。ラベルは、しばしば、放射性、発色性または蛍光性のシグナルなどの測定可能なシグナルを生じ、それは、試料に結合したラベルの量を定量するために用いられることができる。ラベルは、例えば、放射性ヌクレオチドまたはストレプトアビジン(streptavadin)によって認識されるビオチン化ヌクレオチドの取り込みなど、共有結合的に、若しくはイオン、ファンデルワールスまたは水素結合を通して、プライマーまたはプローブに取り込まれるまたは付加されることができる。ラベルは、直接的または間接的に、検出可能であり得る。間接的な検出は、第2のラベルの第1のラベルへの直接的または間接的な結合に係る。例えば、ラベルは、ストレプトアビジン(streptavadin)の結合パートナーであるビオチンなどの結合パートナーのリガンドであることができ、または、相補的な配列の結合パートナーであり、それに特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列であることができる。結合パートナーそれ自体が直接的に検出可能であり得る。例えば、抗体自体が蛍光分子でラベルされ得る。結合パートナーはまた、間接的に検出可能である得る。例えば、相補的なヌクレオチド配列をもつ核酸は、他のラベルされた核酸分子とのハイブリダイゼーションを通して順次検出可能な分岐DNA分子の一部であることができる。(例えば、P. D. Fahrlander and A.
Klausner, Bio/Technology 6:1165 (1988)を参照のこと。)シグナルの定量は、シンチレーションカウント、デンシトメトリーまたはフローサイトメトリーによって、達成される。
免疫アッセイと用いられる典型的な検出可能ラベルとしては、任意選択でまたは好ましくは、限定はされないが、磁気ビーズ、蛍光染料、放射性標識、酵素(例えば、西洋ワサビ過酸化物、アルカリホスファターゼおよび、一般にELISAで用いられるその他)、並びに、コロイド状金または色ガラスまたはプラスチックビーズなどの熱量測定(calorimetric)ラベルが挙げられる。 代わりに、試料中のマーカーは、例えば、第2の、ラベルされた抗体が、結合したマーカーに特異的抗体を検出するために用いられる間接的なアッセイ、および/若しくは、例えば、マーカーの異なるエピトープに結合するモノクローナル抗体が混合物と同時にインキュベートされる競合または阻害アッセイにおいて、検出されることができる。
「免疫アッセイ」は、抗原に特異的に結合する抗体を用いるアッセイである。免疫アッセイは、抗体の単離、標的化、および/または定量するために特定の抗体の特異的結合特性の利用によって特徴付けられる。
抗体に「特異的に(または選択的に)結合」という句は、または「特異的に(または選択的に)免疫反応する」または「特異的に相互作用するまたは結合する」は、タンパク質またはペプチド(または他のエピトープ)を言及する際、いくつかの実施形態では、タンパク質および他のbiologiesの異種のものから成る集団中で、タンパク質の存在の決定要因である結合反応を指す。よって、指定された免疫アッセイ条件下において、特定の抗体が特定のタンパク質に、バックグラウンド(非特異シグナル)より少なくとも2倍多く結合し、および実質的に、試料中に存在する他のタンパク質に著しい量で結合しない。そのような条件下での抗体に対する特異的な結合は、特定のタンパク質に対する特異性に関して選択される抗体を必要し得る。例えば、ラット、マウス、またはヒトなどの特
定の種からの精液の基本的なタンパク質に対して作られたポリクローナル抗体は、選択されることができ、精液の基本的なタンパク質に特異的に免疫反応するが、多形の変異体および精液の基本的なタンパク質の対立遺伝子を除く他のタンパク質には特異的に免疫反応しないポリクローナル抗体のみをえる。この選択は、他の種からの精液の基本的なタンパク質分子に交差反応する抗体を取り去ることによって達成され得る。様々な免疫アッセイ様式が、特定のタンパク質に特異的に免疫反応する抗体を選択するために用いら得る。例えば、固相ELISA免疫アッセイは、タンパク質に特異的に免疫反応する抗体を選択するために日常的に用いられる。(例えば、Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (1988), for a description of immunoasay formats and conditions that can be used to determine specific immunoreactivityを参照のこと。)典型的に、特異的または選択的反応は、バックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍、より典型的に、バックグラウンドの10から100倍である。
別の実施形態では、本発明は、生体試料中に本発明のポリペプチドを検出する方法を提供する。その方法は、生体試料を、本発明に記載のポリペプチドを特異的に認識する抗体と接触すること、および前記相互作用を検出することを含み、相互作用の存在が、生体試料中のポリペプチドの存在と相関する。
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書で記載のポリペプチドは、疾患および/または示唆する状態(indicative condition)を診断するためのマーカーの非限定的な例である。本発明の各マーカーは、限定はされないが、予後、予測、スクリーニング、早期診断、進行の判定(determination)、治療選択および疾患および/または示唆する状態(indicative condition)の治療観察を含む、多様な用途に単独または組み合せて用いられることができる。
関連した目的では、検出された疾患としては、限定的はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの、非転移性、浸潤性または転移性であり得る癌が挙げられるであろう。
別の関連した目的では、検出された疾患としては、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化からなる群から選ばれた自己免疫および腫瘍性の障害が挙げられるであろう。
別の関連した目的では、検出された疾患としては、任意の生体移植の拒絶反応および/または移植片体宿主病が挙げられるであろう。
本発明の各ポリペプチド/ポリヌクレオチドは、上記のように、限定はされないが、予後、予測、スクリーニング、早期診断、進行の判定(determination)、 治療選択および疾患および/または示唆する状態(indicative condition)の治療観察を含む、多様な用途に単独または組み合せて用いられることができる。
そのような組み合わせは、任意選択で、マーカーの任意のサブコンビネーション(subcombination)および/または例えば、公知のマーカーなどの少なくとも1つの他のマーカーを特徴とする(feature)組み合わせを含み得る。さらに、そのような組み合わせは、任意選択でおよび好ましくは、上記のように、本明細書に記載の任意のマーカーの定量的または準定量的測定と本明細書に記載の他のマーカーおよび/または任意の他の公知のマーカーおよび/または任意の他のマーカーの間の比を測定することに関して、用いられる。
本発明のさらなる実施形態によると、本発明のマーカーは、任意選択で、単独で、若しくは、限定はされないが、TPA、CEA、CA15−3、ベータ−2−ミクログロブリン、CA19−9を含む肺癌の公知のマーカーと組み合わせて、および/または、本明細書に記載の変異体マーカーの公知のタンパク質と組み合わせて用いられ得る。
本発明のさらなる実施形態によると、本発明のマーカーは、任意選択で、単独で、若しくは、限定はされないが、CEA、CA125(ムチン16)、CA72−4TAG、CA−50、CA54−61、CA−195およびCA19−9を含む卵巣癌の公知のマーカーと組み合わせて、並びに/または、本明細書に記載の変異体マーカーの公知のタンパク質と組み合わせて用いられ得る。
本発明のさらなる実施形態によると、本発明のマーカーは、任意選択で、単独で、若しくは、限定はされないが、CEA、CA19−9、CA50を含む直腸癌の公知のマーカーと組み合わせて、および/または、本明細書に記載の変異体マーカーの公知のタンパク質と組み合わせて用いられ得る。
本発明のいくつかの実施形態では、疾患または病態の診断のための方法、用途、装置およびアッセイを提供する。任意選択で、複数のマーカーが、本発明と用いられ得る。複数のマーカーが、任意選択で、明細書に記載のマーカーおよび/または1つ以上の公知マーカーが含まれ得る。そして、複数のマーカーは、好ましくは疾患または病態と相関する。例えば、そのような相関は、任意選択で、複数のマーカーの各々の濃度を測定すること、および各マーカーの濃度を閾値レベルと個々に比較することを含み得る。任意選択で、マーカーの濃度が、閾値レベルより上または下(マーカーおよび/または行われる診断試験に依る)の場合、マーカーの濃度は、疾患また病態と相関する。任意選択でおよび好ましくは、複数のマーカー濃度が、疾患また病態と相関する。
或いは、そのような相関は、任意選択で、複数のマーカーの各々の濃度を測定すること、複数のマーカーの各々の濃度に基づいて単一指標値(single index value)を算出すること、およびを指標値(index value)を閾値レベルに比較すること含み得る。
或いはまた、そのような相関は、任意選択で、少なくとも1つのマーカーにおける、相関段階で用いられる時間的変化を測定することを含み得る。
或いはまた、そのような相関は、任意選択で、複数のマーカーの少なくとも「X」個が、所定の範囲外または/若しくは(上記のように)より上または下の濃度であるかを決定
することを含み得る。「X」の値は、任意選択で、1つのマーカー、複数のマーカーまたはすべてのマーカーであり得る。代わりにまたはさらに、「X」のカウントにいかなるマーカー含むよりむしろ、複数のマーカーの1つ以上の特定のマーカーは、任意選択で、(範囲および/または閾値にしたがって)疾患または病態と相関することが要求され得る。
代わりにまた、そのような相関は、任意選択で、2つのマーカーに対するマーカー濃度の比が、範囲外および/または閾値より上また下であるかどうかを決定することを含む。任意選択で、その比が、閾値レベルの上または下、および/若しくは範囲外である場合、その比は、疾患または病態に相関する。
任意選択で、2つ以上のこれらの相関の組み合わせは、単一のパネルおよび/または複数のパネルの間の相関と用いられ得る。
任意選択で、方法は、疾患および病態を、正常対象と比べて少なくとも85%の特異性において、少なくとも70%の感受性で、識別する。本明細書において、感受性は、存在する陽性試料の総数のうち、検出された陽性(疾患の)試料の数に関し、特異性は、存在する陰性試料の総数のうち、検出された陰性(非疾患の)試料の数に関する。好ましくは、方法は、疾患および病態を、正常対象と比べて少なくとも90%の特異性において、少なくとも80%の感受性で、識別する。より好ましくは、方法は、疾患および病態を、正常対象と比べて少なくとも90%の特異性において、少なくとも90%の感受性で、識別する。またより好ましくは、疾患および病態を、疾患または病態症状を模倣する症状を呈する対象と比べて、少なくとも85%の特異性において、少なくとも70%の感受性で、識別する
マーカーパネルは、当業者に周知の、数多くのやり方で分析され得る。例えば、パネルの各メンバーは、「正常」値または特定の結果を示す値と比較され得る。特定の診断/予後は、この値に対する各マーカーの比較に依存し得る。代わりに、マーカーのサブセット(subset)のみが、正常範囲の外にある場合、このサブセット(subset)は、特定の診断/予後を示すものであり得る。当業者はまた、診断マーカー、鑑別診断マーカー、予後マーカー、発症時間(time of onset)マーカー、疾患または状況識別マーカーなどが、単一のアッセイまたは装置に組み合わされ得ることを理解するであろう。マーカーはまた、通常、例えば異なる閾値または異なる目的のためのマーカーに対する異なる加重要素(weighting factor)を適用することによってなど、多様な目的のため用いられる。
1つの実施形態では、パネルは、次の目的に関するマーカーを含む: 疾患の診断、疾患が急性フェーズにある、および/または疾患の急性発作が起こった場合、疾患および病態の診断、疾患が非急性フェーズにある、および/または疾患の非急性発作が起こった場合、疾患および病態の診断、急性および非急性フェーズまたは発作の組み合わせが起こっているかどうかの兆候、疾患の診断および続いておこる有害結果の予後、疾患の診断および続いておこる急性または非急性フェーズまたは発作、疾患の進行(例えば、癌に関して、そのような進行としては、例えば、転移の発症または再発が挙げられ得る。)
上記診断はまた、任意選択で、1つ以上の類似または同一症状を特徴としてもち得る疾患を含む他の疾患からそれを識別するための疾患の鑑別診断を含み得る。
ある実施形態では、1つ以上の診断または予後指標は、指標の有無によってのみ、病態または疾患に相関する。他の実施形態では、診断または予後指標の閾値レベルが、確立されることができ、患者試料における指標のレベルは、閾値レベルと比較されることができる。診断および/または予後試験の感受性および特異性は、単なる試験の分析の「質」よ
り多く依存し、それらはまた、普通でない結果を構成するものの定義に依存する。実際には、「正常」および「疾患」集団における相対的な頻度に対して変数の値をプロットすることによって、並びに/若しくは治療前、治療中および/または治療後の対象からの結果の比較によって、Receiver Operating Characteristic曲線、または 「ROC」曲線が、典型的に算出される。
本発明の実施形態によると、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3タンパク質、ポリヌクレオチド若しくはその断片は、上記のように、疾患および/または示唆する病態を検出するためのバイオマーカーとして、特徴付けられ得る。
さらに他の実施形態によると、本発明は、任意選択でおよび好ましくは、本明細書に記載のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に相当する核酸配列によってコードされる、アミノ酸配列またはその断片を含む。そのようなアミノ酸配列またはその断片に関する、任意のオリゴペプチドまたはペプチドはまた、任意選択で、(さらにまたは代わりに)バイオマーカーとして用いられる得る。
さらに他の実施形態によると、本発明は、生体試料中で本発明のポリヌクレオチドを、NATに基づいたアッセイを用いて検出する方法を提供し、それは、単離された核酸分子、または少なくともおおよそ最短の長さのオリゴヌクレオチド断片を生体試料中の核酸材料にハイブリダイズすること、およびハイブリダイズした複合体を検出することを含む。ここで、ハイブリダイズした複合体の存在が、生体試料中のポリヌクレオチドの存在に相関する。方法またはアッセイの非限定的な例を、下に記載する。
本発明はまた、そのような診断方法またはアッセイに基づいたキットに関する。
核酸技術(NAT)に基づいたアッセイ
生体試料中の対象の核酸の検出はまた、任意選択で、例えば、PCR(または、リアルタイムPCRなどのそのバリエーション核酸増幅技術を含む、NATに基づいたアッセイによって実行され得る。本明細書において、「プライマー」は、標的配列にアニールする(ハイブリダイズする)ことができ、それによって、適切な条件下でDNA合成のための開始点としての役割をすることができる2本鎖領域を作るオリゴヌクレオチドを定義する。選択または標的核酸配列の増幅は、当分野で公知の、多くの適切な方法によって実行され得る。増幅技術の非限定的な例としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(strand displacement amplification)(SDA)、転写ベース増幅、q3レプリカーゼ系およびNASBAが挙げられる。(Kwoh et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 1173−1177; Lizardi et
al., 1988, BioTechnology 6:1197−1202; Malek et al., 1994, Methods MoI. Biol, 28:253−260; and Sambrook et al., 1989, 上記を参照)。核酸技術(NAT)に基づいたアッセイの非限定的の例は、PCR、リアルタイムPCR、LCR、自立合成反応、Q−ベータレプリカーゼ、サイクリングプローブ(Cycling probe反応、分岐DNA、RFLP分析、DGGE/TGGE、一本鎖コンフォメーション多形性、ジデオキシフィンガープリント法、マイクロアレイ、蛍光インサイチューハイブリダイゼーションおよび相対的なゲノムのハイブリダイゼーションからなる群から選ばれる。本明細書では、「増幅対(amplification pair)」(または「プライマー対(primer pair)」)という専門用語(terminology)は、多くの種類の増幅プロセスの1つ、好ましくは、ポリメラーゼ
連鎖反応によって選択核酸配列を増幅するにあたり、いっしょに用いられるように選択された、本発明のオリゴヌクレオチド(オリゴ)の対を指す。当分野で、一般に知られているように、オリゴは、選択された条件下で、相補的配列に結合するように設計される。1つの特定の実施形態では、患者からの核酸試料の増幅は、最も豊富に差次的に発現された核酸の増幅に有利に働く条件下で増幅される。1つの好ましい実施形態では、RT−PCRは、患者からのmRNA試料で、最も豊富なmRNAの増幅に有利に働く条件のもとで行われる。他の好ましい実施形態では、差次的に発現された核酸の増幅は、同時に行われ得る。そのような方法は、差次的に発現された核酸配列に代わって、差次的に発現されたタンパク質の検出のために適用されることができるであろうことは、当業者に認識されるであろう。本発明を実施するための核酸(すなわち、DNAまたはRNA)は、周知の方法に従ってえられ得る。
本発明のオリゴヌクレオチドプライマーは、特定のアッセイ様式および特定の要求および用いられる標的ゲノムに応じて、任意の適切な長さであり得る。
任意選択で、オリゴヌクレオチドプライマーは、少なくとも長さ12ヌクレオチド、好ましくは15から24分子であり、選択された核酸増幅系に特に適するように適応され得る。当分野で、一般に知られているように、オリゴヌクレオチドプライマーは、その標的配列とのハイブリダイゼーションの融点を考慮して、設計されることができる。(Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning −A Laboratory Manual, 2nd Edition, CSH Laboratories; Ausubel et al., 1989, in Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc., N.Y.)。
免疫アッセイ
本発明の別の実施形態では、免疫アッセイは、試料中のマーカーを定性的または定量的に検出および分析するために用いられることができる。この方法は、マーカーに特異的に結合する抗体を準備すること、試料を抗体と接触すること、および試料中でマーカーに結合した抗体の複合体の存在を検出することを含む。
マーカーに特異的に結合する抗体を調製するために、精製されたタンパク質マーカーが用いられることができる。タンパク質マーカーに特異的な抗体は、当分野で公知の任意の適切な方法を用いて調製されることができる。
抗体が準備された後、マーカーは、多くの良く認識された免疫結合アッセイのいずれかを用いて、検出および/または定量されることができる。有用なアッセイとしては、例えば、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、放射性免疫アッセイ(RIA)、ウェスタンブロットアッセイ、またはスロットブロットアッセイなどの酵素免疫アッセイ(EIA)が挙げられる。例えば、米国特許第4,366,241号、第4,376,110号、第4,517,288号、および第4,837,168号を参照のこと。一般に対象から得られた試料は、マーカーに特異的に結合する抗体と接触させられることができる。
任意選択で、抗体は、抗体を試料に接触する前に、洗浄およびそれに続く複合体の単離を容易にするために、固体支持体に固定されることができる。固体支持体の例として、限定はされないが、例えば、マイクロプレート、スティック(stick)、ビーズまたは微小ビーズのかたちのガラスまたはプラスティックが挙げられる。抗体はまた、固体支持体に付着されることができる。
試料を抗体とインキュベーションした後、混合物は洗浄され、抗体−マーカー複合体が検出されることができる。これは、洗浄された混合物を検出試薬とインキュベートするこ
とによって達成される。或いは、試料中のマーカーが、例えば、第2の、ラベルされた抗体が、結合したマーカー特異的抗体を検出するために用いられる、間接的なアッセイを用いて、および/または例えば、マーカーの異なるエピトープに結合するモノクローナル抗体が、混合物と同時にインキュベートされる競合または阻害アッセイで検出されることができる。
アッセイを通して、インキュベーションおよび/または洗浄段階が、試薬の各組み合わせの後に要求され得る。インキュベーション段階は、約5秒から数時間で、好ましくは、約5分から約24時間で変動することができる。しかし、インキュベーション時間は、アッセイの様式、マーカー、溶液の体積、濃度などに依存するであろう。アッセイは、10℃から40℃などの温度の範囲にわたって行われることができるが、通常、室温(ambient temperature)で実行されるであろう。
免疫アッセイは、対象からの試料におけるマーカーの試験量を測定するために用いられることができる。最初に、試料におけるマーカーの試験量は、上記の免疫アッセイ方法を用いて検出されることができる。マーカーが、試料中に存在する場合、上記の適切なインキュベーション条件下で、マーカーに特異的に結合する抗体と抗体−マーカー複合体を形成するであろう。抗体−マーカー複合体の量は、任意選択で、標準と比較することによって、測定される。上記のように、マーカーの試験量は、測定の単位が、対照量および/またはシグナルに比較される限り、絶対量で測られる必要はない。
放射性免疫アッセイ(RIA):1つの型では、この方法は、所望の基質の沈澱を含み、本明細書で詳しく後述される方法にある。特異的抗体およびアガロースビーズなどの沈澱可能な担体に固定した放射性ラベルされたタンパク質結合抗体(例えば、I125でラベルされたプロテインA)とともに本明細書で詳しく後述される方法にある。沈澱された沈殿物中のカウント数は、基質の量に比例する。
RIAの別の型では、ラベルされた器質およびラベルされないタンパク質結合抗体が採用される。未知量の基質を含む試料は、様々な量で加えられる。ラベルされた基質から沈澱されたカウントの減少は、加えられた試料における基質の量に比例する。
酵素免疫吸着測定法(ELISA):この方法は、タンパク質基質を例えばマイクロプレートのウェルなどの表面に含む、試料の固定(例えば、固定された細胞またはタンパク質様溶液)を含む。酵素につながれた基質特異的抗体は、基質に加え、結合させる。次に、抗体の存在は、抗体につながった酵素を用いる発色反応によって検出および定量される。この方法で普通用いられる酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼとアルカリホスファターゼが挙げられる。 よく標準化され、反応の直線の範囲内であれば、試料に存在する基質の量は、生じた発色の量に比例する。基質標準は、定量的な正確さを向上するため一般に用いられる。
ウェスタンブロット:この方法は、アクリルアミドゲル、続いてメンブレン(例えば、ナイロンまたはPVDF)への基質のトランスファーの手段で他のタンパク質から基質の分離を含む。次いで、基質の存在は、基質に特異的な抗体によって検出され、その抗体は、次に、抗体結合試薬によって検出される。抗体結合試薬は、例えば、プロテインA、または他の抗体であり得る。抗体結合試薬は、上記のように、放射性ラベルまたは酵素連結され得る。検出は、オートラジオグラフィ、比色定量の反応あるいは化学発光によってであり得る。この方法は、基質の量の定量および電気泳動の際のアクリルアミドゲル中の移動距離を示す膜上の相対的な位置によるそのアイデンティティの決定の両方が可能である。
免疫組織化学法:この方法は、基質特異的抗体によって固定された細胞中で、インサイチュ(in situ)に基質の検出を含む。基質特異的抗体は、酵素に連結または蛍光体に連結され得る。検出は顕微鏡検査法および主観的な評価による。酵素を連結した抗体が用いられる場合、比色定量の反応は必要とされ得る。
蛍光活性化細胞分類(FACS):この方法は、基質特異的抗体による細胞におけるインサイチュ(in situ)基質の検出を含む。基質特異的抗体は、蛍光体に連結される。検出は、各細胞から放射された光の波長を、ビームを通過する際に読み取る細胞選別機による。この方法は2つ以上の抗体を同時に用い得る。
放射性イメージング法
これらの方法は、限定はされないが、陽電子射出断層撮影法(PET)単一光子放射形コンピュータ断層撮影(SPECT)を含む。 これらの両技術は、非侵襲性であり、例えば癌様細胞の検出など種々様々の組織事象および/または機能を検出および/または測定するために用いられることができる。 PETと異なり、SPECTは、任意選択で、2つのラベルを同時に用いることができる。SPECTはまた、例えば、コストおよび用いられることができるラベルのタイプに関して、いくつかの他の有利な点をもつ。例えば、米国特許第6,696,686号は、胸癌の検出に対するSPECTの利用を記載しており、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる
セラノスティクス
セラノスティクスという語は、疾患を診断し、診断試験の結果に従って正しい治療計画の選択し、および/または診断試験の結果に従って、治療に対する患者の反応を観察するための診断試験の使用を表す。セラノスティクス試験は、特にそれが利益になり、副作用が生じなさそうな治療のための患者を選択するために用いられることができる。それはまた、各患者における、治療効果の指標を早期および客観的に提供し、その結果、(もし必要ならば)治療は、最小限の遅れで変更されることができる。例えば、DAKOおよびGenentechは、共同で胸癌治療のためのHercepTest and Herceptin (trastuzumab)を作り、それは、新規の治療薬と同時に認可された初のセラノスティクス試験である。(免疫組織化学試験である)HercepTestに加えて、従来の臨床化学免疫アッセイ、細胞に基づいた技術および核酸試験を用いる他のセラノスティクス試験が開発中である。PPGxの最近売り出されたTPMT(チオプリン S−メチルトランスフェラーゼ)試験では、医師が、白血病の治療に用いられる薬剤である6−メルカプトプリンに対する潜在的な致命的副作用に対するリスクのある患者を特定することができる。また、Nova Molecularは、コリン様作用治療に対するアルツハイマー病患者の反応を予測するためのアポリポタンパク質E遺伝子のSNP遺伝子タイピングを先駆け、現在それはこの指標に関して、新規薬剤の臨床試験で広く用いられている。従って、セラノスティクスの分野は、治療に対する患者の反応を予測する治療試験情報の、特定の患者に対する適当な治療の選択との交わるところ(intersection)である。
サロゲートマーカー
サロゲートマーカーは、研究室および/または患者の身体兆候または症状によって検出可能な、臨床的に意味のある評価項目の代わりとして治験で用いられるマーカーである。サロゲートマーカーは、どのように患者が感じ、機能し、生存するかを直接測るものであり、治療の効果を予測すると見込まれている。サロゲートマーカーの必要性は、そのようなマーカーが、臨床的評価項目と呼ばれる、患者での治療の効果に関する、対象となる評価項目と比べ、より早期に、より簡便に、またはより頻繁に測定されることができる場合に主に生じる。理想的には、サロゲートマーカーは生物学上妥当性があり、疾患の進行を予側し、(限定はされないが、従来の臨床化学免疫アッセイ、免疫アッセイ、細胞に基づ
いた技術および核酸試験およびイメージングモダリティなど)標準化されたアッセイによって測定可能であるべきである。
サロゲート評価項目は、主として心血管の分野で最初に用いられた。例えば、抗高血圧薬は血圧低下でのその有効性に基づいて認可された。同様に、過去には、コレステロールを低下させる薬剤がアテローム性動脈硬化心臓疾患による死亡を減少させる直接的な証拠ではなく、血清コレステロールを減少させるその能力に基づいて認可された。さらに、現在、HIV研究において、一般に用いられている2つのサロゲートマーカーはCD4+T細胞カウントおよび定量的血漿HIV RNA(ウイルス負荷)である。本発明のいくつかの実施形態では、ポリペプチド/ポリヌクレオチド発現パターンが、当業者に理解されるであろうように、特定の疾患に対するサロゲートマーカーとしての役割をし得る。
本発明の利用および方法
本発明に記載のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3薬剤、特に抗体、特に、ヒト抗体、抗体組成物およびVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の細胞外領域または断片またはその変異体を含有する可溶性抱合体、若しくは対応する核酸配列またはベクターまたはそれを発現する細胞並びに、本発明の方法は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3抗原関連疾患および/またはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を含むB7関連免疫共刺激を例えば含む免疫共刺激の調節が、治療上望ましい障害の診断および治療を含む、非常に多くの生体外および生体内診断および治療実用性をもつ。上記のように、これらの病態としては、特に、その浸潤性および転移性のものを含めて、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を差次的に発現する癌、例えば肺癌、卵巣癌、結腸癌、並びに/若しくは、B7が係るものなど共刺激の調節が治療上望ましい自己免疫病態が挙げられる。対象の抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、癌細胞に対するT細胞活性のB7媒介の負の刺激を阻み、並びに/若しくはT細胞活性の正の刺激を阻止し得る。そのような抗体は、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む非固形および固形腫瘍、肉腫、血液悪性腫瘍などの、非転移性、浸潤性、転移性であり得る癌、並びに、限定はされないが移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害、並びに前記のものなど自己免疫不全疾患を含む病態の治療において用いられ得る。
例えば、これらの分子は、試験管内または生体外で培養中の細胞、若しくは多様な障害を治療、予防、診断するために、ヒト対象、例えば、生体内へ投与されることができる。好ましい対象としては、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を発現する細胞およびVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3活性をもつ細胞によって媒介される障害をもつヒト患者が挙げられる。特に、方法は、異常なVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原発現に関連した障害をもつヒト患者を、AI581519_P3(配列番号11)、AI581519_P4(配列番号12)、AI581519_P5(配列番号13)、AI581519_P7(配列番号14)、AI581519_P9(配列番号15)、AI581519_P10(配列番号16)、AA424839_P3(配列番号22)、AA424839_P5(配列番号21)、AA424839_P7(配列番号23)またはAA424839_1_P11(配列番号24)、H68654_1_P2
(配列番号35)、H68654_1_P5(配列番号36)、H68654_1_P7(配列番号37)、H68654_1_P12(配列番号38)、H68654_1_P13(配列番号39)、H68654_1_P14(配列番号40)、AI216611_P0 (配列番号43)、AI216611_P1(配列番号44)、H19011_1_P8(配列番号48)、H19011_1_P9(配列番号50)、R31375_P0(配列番号70)、R31375_P14(配列番号72)、R31375_P31(配列番号73)またはR31375_P33(配列番号74)に特異的に結合する抗体を用いて、ヒト患者を治療するのに適している
本発明に記載のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3薬剤は、他の薬剤と共に投与され、2剤は、順番にまたは同時に投与されることができる。
本発明の抗体の、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に対する特異的結合を考えると、本発明の抗体は、細胞表面上のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3の発現を特異的に検出するのに用いられることができ、さらに、免疫アフィニティー精製を経て、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を精製するために用いられることができる。
さらに、多様な腫瘍細胞でのVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3の発現を考えると、ヒト抗体、抗体組成物および本発明の方法は、例えば、上記の肺癌および卵巣癌などの腫瘍形成障害、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を発現する腫瘍細胞の存在を特徴とする障害をもつ対象を治療するために用いられることができる。
1つの実施形態では、本発明の抗体(例えば、ヒト抗体、多特異性および二重特異性分子および組成物)は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3のレベル、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を細胞表面に含む細胞のレベルを、それぞれ検出するために用いられることができ、それらレベルは、ある種の疾患症状に結び付けられることができる。代わりに、抗体は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3機能を阻害または遮断するために用いられることができ、ある種の疾患症状の予防または回復につながることができる。それによって、疾患の媒介物質として、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を示唆する。これは、試料および対照試料を抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体と、それぞれ、対応する抗体とVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3との複合体の形成が可能な条件下で、接触することによって達成されることができる。抗体とVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3の間で形成された、どんな複合体も、試料および対照で検出され、比較される。
別の実施形態では、本発明の抗体(例えば、ヒト抗体、多特異性および二重特異性分子および組成物)は、はじめ、生体外で治療または診断用途に関連する結合活性を試験されることができる。例えば、本発明の組成物は、低発色アッセイを用いて試験されることができる。
本発明の抗体(例えば、ヒト抗体、多特異性および二重特異性分子および組成物)は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連疾患の治療および診断において付加的な用途を有する。例えば、ヒト抗体、多特異性および二重特異性分子および免疫抱合体は、生体内または生体外において、1つ以上の次の生物活性を誘発するために用いられることができる:VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する細胞の成長を阻害する、および/または死滅すること、ヒトエフェクター細胞の存在下で、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する細胞の食作用またはADCCを媒介すること、若しくは、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3リガンドが、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に結合するのを妨げること。
特定の実施形態では、抗体(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子および組成物)は、多様なVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連疾患を治療、予防、または診断するために、生体内で利用される。VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連疾患として、とりわけ、例えば、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、脾臓、腎臓、膀胱、頭と頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む肺癌、卵巣癌、結腸癌、非固形および固形腫瘍肉腫、血液悪性腫瘍などの癌であって、非転移性、浸潤性または転移性であり得る癌、さらに、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3関連疾患として、とりわけ、限定はされないが自己免疫疾患、移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む免疫不全疾患などの非悪性障害が挙げられる。そのような障害として、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、潰瘍性大腸炎、クローン病、移植拒絶に関連した免疫不全、良性リンパ球血管炎、紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、交感性眼炎、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性作用肝炎、潰瘍性大腸炎(ulceratis colitis)、シェーグレン症候群、リューマチ性疾患、多発性筋炎、強皮症、混合結合組織病、炎症性リウマチ、変性リウマチ、非関節性リウマチ、膠原病、慢性多発関節炎、関節症性乾癬、強直性脊椎炎、若年性関節リウマチ、肩関節周囲炎、結節性多発動脈炎、進行性全身性強皮症、尿酸塩関節炎、皮膚筋炎、筋肉リウマチ、筋炎、筋硬症および軟骨石灰化から選ばれる自己免疫疾患が例として挙げられる。
本発明の抗体組成物(例えば、ヒトモノクローナル抗体、多特異的および二重特異的分子および免疫抱合体)の生体内および生体外投与の適切な経路は、当分野では周知であり、当業者によって選択されることができる。例えば、抗体組成物は、注入(例えば、静脈内または皮下)によって投与されることができる。用いられる分子の適切な投与量は、対象の年齢および体重並びに抗体組成物の濃度および/または剤形に依るであろう。
先に記載のように、本発明のヒト抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、1つ以上の他の治療剤、例えば、細胞毒性剤、放射能毒性薬剤または免疫抑制剤のなどと同時投与されることができる。抗体は、(免疫複合体として)薬剤に連結されることができ、または薬剤と別に投与されることができる。後者の場合(別投与)、抗体は、薬剤の前、後、または同時に投与されることができ、または、例えば、抗癌療法、放射線療法などの他の公知の療
法と同時投与されることができる。そのような治療剤として、とりわけ、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、シスプラチン硫酸ブレオマイシン、カルマスティン、クロラムブチル、シクロホスファミドヒドロキシウレアなど、それ自体では、患者にとって毒性または準毒性であるレベルでのみ効果的である抗腫瘍薬が挙げられる。シスプラチンは、4週間毎に一度、100mg/回で静脈内投与され、アドリアマイシンは、21日毎一度60−75mg/mlで 静脈内投与される。本発明のヒト抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体またはその抗原結合断片の、化学療法剤との同時投与は、ヒト腫瘍細胞に対する細胞毒性効果を生じる異なる機序を通して働く2つの抗癌剤を提供する。そのような同時投与は、また、薬剤に対する耐性の発達、または腫瘍細胞を抗体に対して非反応にする腫瘍細胞の抗原性の変化による問題を解決することができる。
また、標的特異的エフェクター細胞、例えば、発明の組成物(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子)に連結されたエフェクター細胞は、治療剤として用いられるとこができる。標的エフェクター細胞は、マクロファージ、好中球または単球などのヒト白血球であることができる。他の細胞としては、好酸球、ナチュラルキラー細胞およびIgG−またはIgA−受容体をもつ細胞が挙げられる。望ましいならば、エフェクター細胞は、治療を受ける対象から得られることもできる。標的エフェクター細胞は、生理的に許容される溶液中の細胞懸濁液として投与されることができる。投与細胞の数は、10−8から10−9のオーダーであることができるが、治療目的に応じて変えられるであろう。一般的に、その量は、標的細胞、例えば、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する腫瘍細胞を局在をえるにあたって、および、例えば食作用によって細胞の死滅を達成するにあたって十分であろう。投与経路もまた、様々であろう。
標的エフェクター細胞を用いる治療は、標的細胞の除去のための他の技法と併せて、実行されることができる。例えば、本発明の組成物(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子)および/またはこれら組成物でかためられた(armed with)エフェクター細胞を用いる抗腫瘍療法は、化学療法と併せて用いられることができる。さらに、組み合わせ免疫療法は、2つの異なる細胞毒性エフェクター集団を腫瘍細胞拒否へ向かわせる(direct)ために用いられ得る。例えば、抗FcガンマRIまたは抗CD3に連結された抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体は、IgG−またはIgA−受容体特異的結合薬剤と併せて用いられ得る。
本発明の二重特異的および多特異的分子は、また、エフェクター細胞上のFcがンマRまたはFcガンマRレベルを、細胞表面上で、受容体を覆ったり、取り除いたりして、調節するために用いられることができる。抗Fc受容体の混合物もまた、この目的に用いられることができる。
また、補体と結合するIgG1、−2、または−3若しくはIgMからの部位などの補体結合部位をもつ、本発明の組成物(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子並びに免疫抱合体)は補体の存在下で用いられることができる。1つの実施形態では、本発明の結合剤をもつ標的細胞 および適当なエフェクター細胞を含む細胞の集団の生体外処理(treatment)は、補体または補体含有血清の添加によって補われることができる。本発明の結合剤でコートされた標的細胞の食作用は、補体タンパク質の結合によって、向上されることができる。別の実施形態では、本発明の組成物(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子)でコートされた標的細胞もまた、補体によって溶解されることができる。さらに別の実施形態では、本発明の組成物は、補体を活性化しない。
本発明の組成物(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子並びに免疫抱合体)はまた、補体と共に投与されることができる。従って、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子および血清または補体を含む組成物は、本発明の範囲内である。これら組成物は、補体がヒト抗体、多特異的および二重特異的分子にごく接近して位置している点で、有利である。代わりに、本発明のヒト抗体、多特異的または二重特異的分子および補体または血清は、別々に投与されることができる。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抱合体若しくは本発明の抗体組成物(例えば、ヒト抗体、二重特異的または多特異的分子若しくは免疫抱合体)および使用説明書を含むキットもまた、本発明の範囲内である。キットは、さらに1つ以上の、免疫抑制剤、細胞毒性剤または放射性毒性剤などの追加試薬、若しくは、1つ以上の追加的な本発明のヒト抗体(例えば、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原中のエピトープに結合する、補完的な活性をもつ、第1のヒト抗体と異なるヒト抗体)をさらに含むことができる。
従って、本発明の抗体組成物で治療された患者は、ヒト抗体の治療効果を強化または増加する、細胞毒性または放射能毒性薬剤などの別の治療剤を、さらに(本発明のヒト抗体の投与の前に、投与と同時に、投与に続いて)投与されることができる。
別の実施形態では、対象は、例えば、サイトカインで対象を治療することによってなど、FeyまたはFey受容体の発現または活性を調節(例えば、増強または阻害)する薬剤を用いて、付加的に治療され得る。多特異的な分子での治療中に投与される好ましいサイトカインとしては、果粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターフェロン−ガンマ(IFN−gamma)、腫瘍壊死因子(TNF)が挙げられる。
また、本発明の組成物(例えば、ヒト抗体、多特異的および二重特異的分子) 、例えば、細胞をラベルすることによって、FcガンマRまたはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する細胞を標的にするために用いられることができる。そのような用途では、結合剤は、検出されることが可能な分子に連結されることができる。従って、本発明は、FcガンマRなどのFc受容体、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を発現する細胞の生体外または生体内局在を見出す方法を提供する。検出可能なラベルは、例えば、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子であることができる。
特定の実施形態では、本発明は、試料中のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の存在を検出する方法、またはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の量を測定する方法をそれぞれ提供する。それは、試料および対照試料を、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またFXYD3、それぞれに特異的に結合するヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分を、抗体またはその部分およびVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3の間の複合体の形成を可能にする条件下で、接触することを含む。次いで、複合体の形成が、検出され、参照試料と比較した試料の複合体形成の差が、試料中のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原の存在を示唆する。上記のように、特に、本発明は、免疫アッセイ、放射性免疫アッセイ、放射性アッセイ、放射性イメー
ジングアッセイ、ELISAs、ウェスタンブロット、FACS、スロットブロット、免疫組織化学的アッセイ、並びに/および当業者に周知の他のアッセイなどの、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を生体外および生体内で検出するアッセイを包含する。
別の実施形態では、本発明は、対象において、例えば、限定はされないが、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸、前立腺、肺、卵巣、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭頚部、子宮、睾丸、胃、頚部、肝臓、硬骨、皮膚、膵臓、脳の癌を含む非固形および固形腫瘍肉腫、血液悪性腫瘍などの癌であって、それが、非転移性、浸潤性または転移性であり得る癌、並びに限定はされないが移植拒絶反応および移植片体宿主病を含む非悪性障害または上記のものから選ばれる自己免疫疾患などの免疫不全疾患などの、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3が媒介する障害を治療する方法、並びに、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3に係る免疫共刺激の調節が治療上望ましい任意の病態を、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体または可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原抱合体若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3生物活性の1つ以上を標的および調節(増強または阻害)する他の薬剤を用いて、治療する方法を提供する。
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体、可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原抱合体、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原またはその部分を対象に投与することによって、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原がそのような活性を誘発する能力が阻害または促進され、よって、関連する障害が治療される。可溶性VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原、若しくは抗原抱合体、若しくは抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32または抗FXYD3抗体、若しくは組成物を含有する断片、若しくはVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を標的とし調節する他の薬剤は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原媒介疾患を治療または予防するために、単独で投与されることもでき、抗体組成物と併せてまたは相乗的に作用する細胞毒性または放射能毒性薬剤などの他の治療剤と併用されることもできる。
さらに別の実施形態では、本発明の免疫抱合体は、化合物を抗体に連結することによって、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3細胞表面受容体をもつ細胞への標的化合物(例えば、治療剤、ラベル、細胞毒素、放射性毒素、免疫抑制剤等)にも用いられることができる。よって、本発明は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3を発現する細胞の生体外または生体内での局在を、(例えば、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素、または酵素補酵素などの検出可能なラベルを用いて)見出す方法を提供する。或いは、免疫抱合体は、細胞をVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3細胞表面受容体をもつ細胞を、細胞毒素または放射性毒素をVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原を標的にすることによって破壊するため
に用いられることができる。
本発明を、次に、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32またはFXYD3抗原をコードするDNA転写産物、その領域および正常および癌性組織における発現データの配列の特徴付け、並びに、完全ヒト抗体の生産を説明する机上の実施例によってさらに説明する。この情報および実施例は、例示であり、限定と解釈されるべきではない。本出願を通して引用された、すべての図並びにすべての参照、特許および公開特許出願は、参照して明示的に本明細書に取り込まれる。
実施例1:本発明のタンパク質をコードするRNAの発現を分析するために用いられた方法
本発明の標的を、種々の癌性および非癌性組織試料におけるその発現に関して、および/または種々の免疫細胞、並びに悪性血液疾患および血液細胞株、並びに数種の正常組織のいくつかの試料を含む広範なヒト試料のパネルにおけるその発現に関して、検討した。qRT−PCR分析に用いられた血液特異的RNA試料のリストを、下記の表1に示す。正常組織パネルに用いられた試料の説明を表2に示す。肺癌試験パネルに用いられた試料の説明を下の表3に示す。卵巣癌試験パネルに用いられた試料の説明を下の表4に示す。直腸癌試験パネルに用いられた試料の説明を下の表5に示す。表3、4、および5のキーを、表3_1、4_1および5_1に示す。試験は、下の「材料および実験手順」の項に記載のように実施した。
表1:血液特異的パネル中の試料
表2:正常パネル中の組織試料
表3:肺癌試験パネル

表3_1


表4:卵巣パネル中の組織試料

表4_1
表5:直腸癌試験パネル
表5_1


発現データを得るために用いた材料および実験手順
RNA調製
RNAは、ABS(Wilmington、DE 19801、USA、http://www.absbioreagents.com)、BioChain Inst. Inc.(Hayward、CA 94545 USA www.biochain.com)、GOG(卵巣試料−Pediatic Cooperative Human Tissue Network、Gynecologic Oncology Group Tissue Bank、Children Hospital of Columbus(Columbus OH 43205 USA))、Clontech(Franklin Lakes、NJ USA 07417、www.clontech.co
m)、Ambion (Austin、TX 78744 USA、http://www.ambion.com)、Asternad(Detroit、MI 48202−3420、USA、www.asterand.com)、およびGenomics Collaborative Inc.a Division of Seracare(Cambridge、MA 02139、USA、www.genomicsinc.com)から入手した。また、RNAは、血液細胞、細胞株、組織試料から、TRI−Reagent(Molecular Research Center)を用い、その製造者の説明書に従って、生成した。組織およびRNA試料は、患者または死後検体から入手した。RNA試料の大部分は、DNaseI(Ambion)で処理した。
RT−PCR−精製したRNA(2〜10μg)を300〜1500ngのランダムヘキサマー(Random Hexamer)プライマー(Invitrogen)、500μMdNTPと混合し、全容量31.2〜156μlで、混合物を、65℃で5分間、インキュベートし、氷上で急冷した。その後、10〜50μlの5XSuperscriptII first strandバッファー(Invitrogen)、4.8〜24μlの0.1MDTT、80〜400単位のRNasin(Promega)を加えた。混合物を、25℃で10分間インキュベートし、さらに42℃で2分間インキュベートした。その後、2〜10μl(400〜2000単位)のSuperscriptII(Invitrogen)を加え、反応液(最終容量50〜250μl)を42℃で50分間、次いで70℃で15分間インキュベートした。得られたcDNAを、TEバッファー(10mM Tris pH=8、1mM EDTA pH=8)を用い、1:20で希釈した。
リアルタイムRT−PCR分析を下記のように実施した。上記のように調製したcDNA(5μl)を、SYBR Green I assay(PE Applied Biosystem)を用い、特異的プライマーおよびUNG Enzyme(EurogentechまたはABIまたはRoche)を含むリアルタイムPCR反応(最終容積20μl)中で、鋳型として用いた。増幅は、次のように達成された:50℃2分間、95℃10分間、およびその後40サイクル95℃15秒間、続いて、60℃1分間、解離ステップがこれに続いた。検出は、PE Applied Biosystem SDS 7000を用いて行った。反応が、蛍光の閾値レベルに達したサイクル(Ct=閾値サイクル(Threshold Cycle)、詳細は下記)を記録し、RT反応中の相対的転写量を算出するために用いた。相対量を、式、Q=効率^−Ctを用いて算出した。PCR反応の効率は、いくつかの逆転写(RT)反応の異なる希釈を用いて作成した標準曲線から算出した。RT反応中の本来備わっている差異(inherent differences)を最小にするために、得られた相対的な量を、次のように算出した正規化因子を用いて、正規化した。
数種のハウスキーピング(HSKP)遺伝子の発現を、各パネルで調べた。上記のように算出した、各試料中の各ハウスキーピング遺伝子の相対的量(relative quantity (Q))を、すべてのパネル試料中のその遺伝子の中間量で割り、「relative Q rel to MED」を得た。次に、各試料に対し、選ばれたハウスキーピング遺伝子の「relative Q rel to MED」の中間値を算出し、この試料のさらなる計算のための正規化因子とした。定量リアルタイムPCR分析の図式要約を図1に示す。図のように、X軸はサイクル数を示す。CT=閾サイクル点(Threshold Cycle point)であり、増幅曲線が、実験で設定された蛍光閾値と交わるサイクルである。この点は、PCR産物シグナルが、背景レベル(passive dye ROX)を超え、依然、幾何学的/指数フェーズにある、算出サイクル数である。(図のように、いったん、蛍光のレベルが、測定閾値と交わると、測定が最も正確になされる幾何学的増加フェーズであり、これに、直線フェーズおよび水平フェー
ズが続く。定量的な測定において、後者の2つのフェーズは、正確な測定をもたらさない。)Y軸は、正規化されたレポーター蛍光を示す。尚、この種の分析は、相対的な定量化を提供する。
個々のRT試料に対して、特異的アンプリコンの発現を、上の項で述べたように、様々なハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因子に対して正規化した。
これらハウスキーピング遺伝子は、各パネルで異なる。直腸パネルにおいては、HPRT1(GenBank受託番号NM_000194(配列番号118)、アンプリコン−HPRT1−アンプリコン(配列番号181))、PBGD(GenBank受託番号BC019323(配列番号117)、アンプリコン−PBGD−アンプリコン(配列番号178))、およびG6PD(GenBank受託番号NM_000402(配列番号119)、G6PDアンプリコン(配列番号184))である。肺パネルにおいては、HPRT1(GenBank受託番号NM_000194(配列番号118)、アンプリコン−HPRT1−アンプリコン(配列番号181))、PBGD(GenBank受託番号BC019323(配列番号117)、アンプリコン−PBGD−アンプリコン(配列番号178))、SDHA(GenBank受託番号NMJ)004168(配列番号116);アンプリコン−SDHA−アンプリコン(配列番号175))およびユビキチン(GenBank受託番号BC000449(配列番号115)、アンプリコン−ユビキチン−アンプリコン(配列番号172))である。卵巣パネルにおいては、SDHA(GenBank受託番号NM_004168(配列番号116)、アンプリコン−SDHA−アンプリコン(配列番号175))、HPRT1(GenBank受託番号NM_000194(配列番号118)、アンプリコン−HPRT1−アンプリコン(配列番号181))およびG6PD(GenBank受託番号NM_000402(配列番号119)、G6PDアンプリコン(配列番号184))である。正常パネルにおいては、SDHA(GenBank受託番号NM_004168(配列番号116)、アンプリコン−SDHA−アンプリコン(配列番号175))、ユビキチン(GenBank受託番号BC000449(配列番号115)、アンプリコン−ユビキチン−アンプリコン(配列番号172))およびTATAボックス(GenBank受託番号NM_003194(配列番号114)、TATAアンプリコン(配列番号169))である。血液パネルにおいては、HSB1L_HUMAN(受託番号Q9Y450)(配列番号109)、DHSA_HUMAN(配列番号110)(受託番号P31040)、SFRS4_HUMAN(配列番号111)(受託番号Q08170)およびSLC25A3(受託番号Q7Z7N7)(配列番号 112)である。
血液パネルの実施例すべてにおいて測定されたハウスキーピング遺伝子の配列は次の通りであった。
HSB1L_HUMAN(配列番号109)(受託番号Q9Y450)
T05337_seg30−34F1−順方向プライマー(配列番号152):GCTCCAGGCCATAAGGACTTC
T05337_seg30−34R1(配列番号153)−逆方向プライマー:CAGCTTCAAACTCTCCCCTGC
アンプリコン(配列番号154):GCTCCAGGCCATAAGGACTTCATTCCAAATATGATTACAGGAGCAGCCCAGGCGGATGTAGCTGTTTTAGTTGTAGATGCCAGCAGGGGAGAGTTTGAAGCTG
DHSA_HUMAN(配列番号110)(受託番号P31040)
M78124_seg45−48F1(配列番号155)−順方向プライマー:TTCCTTGCCAGGACCTAGAG
M78124_seg45−48R1−逆方向プライマー(配列番号156):CATAAACCTTTCGCCTTGAC
アンプリコン(配列番号157):TTCCTTGCCAGGACCTAGAGTTTGTTCAGTTCCACCCCACAGGCATATATGGTGCTGGTTGTCTCATTACGGAAGGATGTCGTGGAGAGGGAGGCATTCTCATTAACAGTCAAGGCGAAAGGTTTATG
SFRS4_HUMAN(配列番号111)(受託番号Q08170)
HUMSRP75Aseg30−33F1(配列番号158)−順方向プライマー:AATTTGTCAAGTCGGTGCAGC
HUMSRP75Aseg30−33R1(配列番号159)−逆方向プライマー:TCACCCCTTCATTTTTGCGT
アンプリコン(配列番号160):AATTTGTCAAGTCGGTGCAGCTGGCAAGACCTAAAGGATTATATGCGTCAGGCAGGAGAAGTGACTTATGCAGATGCTCACAAGGGACGCAAAAATGAAGGGGTGA
SLC25A3(受託番号Q7Z7N7)(配列番号112)
SSMPCPseg24−25−29F1−順方向プライマー(配列番号161):CCCAAAATGTATAAGGAAGAAGGC
SSMPCPseg24−25−29R1−逆方向プライマー(配列番号162):TTCAAAGCAGGCGAACTTCA
アンプリコン(配列番号163):CAGCCAGGTTATGCCAACACTTTGAGGGATGCAGCTCCCAAAATGTATAAGGAAGAAGGCCTAAAAGCATTCTACAAGGGGGTTGCTCCTCTCTGGATGAGACAGATACCATACACCATGATGAAGTTCGCCTGCTTTGA
正常組織試料パネル上の実施例すべてにおいて測定されたハウスキーピング遺伝子の配列は次の通りであった。
TATAボックス(GenBank受託番号NM_003194(配列番号114))
TATAボックス順方向プライマー(配列番号167):CGGTTTGCTGCGGTAATCAT
TATAボックス逆方向プライマー(配列番号168):TTTCTTGCTGCCAGTCTGGAC
TATAボックス−アンプリコン(配列番号169):CGGTTTGCTGCGGTAATCATGAGGATAAGAGAGCCACGAACCACGGCACTGATTTTCAGTTCTGGGAAAATGGTGTGCACAGGAGCCAAGAGTGAAGAACAGTCCAGACTGGCAGCAAGAAA
ユビキチン(GenBank受託番号BC000449(配列番号115))
ユビキチン(Ubiquitn)順方向プライマー(配列番号170):ATTTGGGTCGCGGTTCTTG
ユビキチン逆方向プライマー(配列番号171):TGCCTTGACATTCTCGATGGT
ユビキチン−アンプリコン(配列番号172)
ATTTGGGTCGCGGTTCTTGTTTGTGGATCGCTGTGATCGTCACTTGACAATGCAGATCTTCGTGAAGACTCTGACTGGTAAGACCATCACCCTCGAGGTTGAGCCCAGTGACACCATCGAGAATGTCAAGGCA
SDHA(GenBank受託番号NM_004168(配列番号116))
SDHA順方向プライマー(配列番号173):TGGGAACAAGAGGGCATCTG
SDHA逆方向プライマー(配列番号174):CCACCACTGCATCAAATTCATG
SDHA−アンプリコン(配列番号175):TGGGAACAAGAGGGCATCTGCTAAAGTTTCAGATTCCATTTCTGCTCAGTATCCAGTAGTGGATCATGAATTTGATGCAGTGGTGG
癌性の実施例すべてで測定されたハウスキーピン遺伝子のプライマーおよびアンプリコンの配列を下に列挙する。直腸パネルには、HPRT1、PBGDおよびG6PDを用いた。肺パネルには、PBGD、HPRT1、ユビキチンおよびSDHAを用いた。卵巣パネルには、HPRT1、SDHAおよびG6PDを用いた。
SDHA(GenBank受託番号NM_004168(配列番号116))
SDHA順方向プライマー(配列番号173):TGGGAACAAGAGGGCATCTG
SDHA逆方向プライマー(配列番号174):CCACCACTGCATCAAATTCATG
SDHA−アンプリコン(配列番号175):TGGGAACAAGAGGGCATCTGCTAAAGTTTCAGATTCCATTTCTGCTCAGTATCCAGTAGTGGATCATGAATTTGATGCAGTGGTGG
PBGD(GenBank受託番号BC019323(配列番号117))
PBGD順方向プライマー(配列番号176):TGAGAGTGATTCGCGTGGG
PBGD逆方向プライマー(配列番号177):CCAGGGTACGAGGCTTTCAAT
PBGD−アンプリコン(配列番号178):TGAGAGTGATTCGCGTGGGTACCCGCAAGAGCCAGCTTGCTCGCATACAGACGGACAGTGTGGTGGCAACATTGAAAGCCTCGTACCCTGG
HPRT1(GenBank受託番号NM_000194(配列番号118))
HPRT1順方向プライマー(配列番号179):TGACACTGGCAAAACAATGCA
HPRT1逆方向プライマー(配列番号180):GGTCCTTTTCACCAGCAAGCT
HPRT1−アンプリコン(配列番号181):TGACACTGGCAAAACAATGCAGACTTTGCTTTCCTTGGTCAGGCAGTATAATCCAAAGATGGTCAAGGTCGCAAGCTTGCTGGTGAAAAGGACC
G6PD(GenBank受託番号NM_000402(配列番号119))
G6PD順方向プライマー(配列番号182):gaggccgtcaccaagaacat
G6PD逆方向プライマー(配列番号183):ggacagccggtcagagctc
G6PD−アンプリコン(配列番号184):gaggccgtcaccaagaacattcacgagtcctgcatgagccagataggctggaaccgcatcatcgtggagaagcccttcgggagggacctgcagagctctgaccggctgtcc
ユビキチン(GenBank受託番号BC000449(配列番号115))
ユビキチン順方向プライマー(配列番号170):ATTTGGGTCGCGGTTCTTG
ユビキチン逆方向プライマー(配列番号171):TGCCTTGACATTCTCGATGGT
ユビキチンアンプリコン(配列番号172):ATTTGGGTCGCGGTTCTTGTTTGTGGATCGCTGTGATCGTCACTTGACAATGCAGATCTTCGTGAAGACTCTGACTGGTAAGACCATCACCCTCGAGGTTGAGCCCAGTGACACCATCGAGAATGTCAAGGCA
本発明のタンパク質の発現パターンを予想するために用いた他の方法は、MEDディス
カバリーエンジン(discovery engine)であった。
MEDは、公開されている遺伝子発現データ、正規化、注釈、および様々なクエリーの性能の収集したもののプラットフォームである。最も汎用されているAffymetrixマイクロアレイからの発現データをGene Expression Omnibus(GEO−www.ncbi.nlm.nih.gov/GEO)からダウンロードする。データを、定常値に対して95%パーセンタイルとし、乗法的に正規化し(正規化された発現=1200)、ノイズを低30%から0とし、取り除いた。実験を、はじめは自動的に、次いで手作業で注釈付けし、組織および条件を特定し、チップを、この注釈によってグループ分けし、各チップの遺伝子の全体的な発現パターンを、このグループ中の遺伝子の平均的な発現パターンと比較することで、このグループ分けをクロス検証した。各グループの各プローブセットは、グループに含まれるすべてのチップ中のプローブセットの発現の中間値である発現値を割り当てられた。あるグループ内のすべてのプローブセットの発現のベクターは、そのグループのバーチャルチップ(virtual chip)、および、そのようなバーチャルチップ(virtual chips)のすべてを集めたものが、バーチャルパネル(virtual panel)である。パネル(またはサブパネル)にクエリーを行い、所要の性質をもつプローブセットを特定することができる(例えば、組織のサブセットにおける特異的な発現、または疾病および健常な組織間の差次的発現)。以後の分析のために、これらのプローブセットを、LEADSコンティグおよびRefSeqs(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/RefSeq/)に、プローブレベルのマッピングによって、リンクする。
ダウンロードしたAffymetrixプッラトフォームは、HG−U95AおよびHG−U133ファミリーである(A、B、A2.0およびPLUS2.0)。次いで、3つのバーチャルパネルを作成した:対応するプッラトフォームに基づくU95およびU133 Plus 2.0、並びにHG−U133A、HG−U133A2.0およびHG−U133 PLUS 2.0+用の共通のプローブセットのセットを用いるU133。
MEDディスカバリーエンジン(discovery engine)の結果を、散布図に示す。散布図は、与えられたパネル(グループの収集物(collection of groups))のコンパクト表現である。Y軸は、(正規化された)発現、X軸は、パネルのグループを記載する。各グループに、中間の発現が、中の詰まった印で示され、グループ内の異なるチップの発現値を小さいダッシュ(「−」)で表わす。グループは、次のように順番付け、しるしを付ける:「他の(Other)」グループ(例えば、良性、非癌性疾患など)は三角、治療された細胞は正方形、正常は円、適合したものは、十字、癌は、菱形。また、各グループのチップ数を、グループ名の傍に記す。
実施例2:クラスターAI581519の説明
本発明は、VSIG1ポリペプチド、新規のスプライス変異体並びにそれを基にした診断薬および治療薬に関する。
本発明によると、クラスターAI581519(内部(internal)ID72756422)は、10個の対象転写産物および2個の対象切片を特色とし、それらの名称を、表6および7にそれぞれ示した。選ばれたタンパク質変異体を表8に示す。
表6:対象転写産物
表7:対象切片
表8:対象タンパク質
これらの配列は、公知のタンパク質、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(RefSeq受入番号(accession identifier)NP_872413、別称:RP5−889N15.1、1700062D20Rik、GPA34、MGC44287、dJ889N15.1)の変異体であり、本明細書では、既知タンパク質と呼ぶ。
VSIG1は、糖タンパク質A34(GPA34)としても知られる、V−setおよび免疫グロブリン領域含有1タンパク質である。この遺伝子は、もともとは、直腸癌抗原である糖タンパク質A33(GPA33)に類似性をもつタンパク質をコードする転写産物として特定され(Scanlan et al. Cancer Immunotherapy 6:2 2006)、GPA33と32%の相同性がある。筆者らは、A34mRNAおよびタンパク質発現が、非常に組織限定的であり、主に、胃および睾丸に発現していることを示した。また、A34mRNAおよびタンパク質発現は、胃癌、食道癌(esophageal carcinomas)および卵巣癌でも検出された。 彼らの研究では、発現は、肺、胸または直腸癌(carcinomas)においては、A34は検出されなかった(Scanlan et al. 2006、 Cancer Immunity 6:2)。
公知の野生型VSIG1核酸配列は、様々な特許および非特許参考文献で報告されてきた。例えば、AI581519_P3(配列番号11)の配列は、国際公開第2004037999号で開示され、そこで、糖タンパク質A34(GPA34)と呼ばれた。このPCT出願は、本明細書で開示されたA34抗原をコードするAI581519_P3(配列番号11)の配列を含む。相当する抗原A34は、被験胃癌(29%)、食道(esophageal)(63%)で発現し、また、かなり低い程度(9%)で、被験卵巣癌で発現することが示さている。筆者らは、この抗原は、治療に使用し得り、抗体癌治療のために適した標的であり得ると提案している。
国際公開第9926972号は、この抗原性タンパク質が、例えば、Tおよび/またはBリンパ球の成長および増殖を制御(亢進または抑制(up or down))し、また、NK細胞および他の細胞集団の細胞毒性活性に影響を与えて、(重症複合型免疫不全症(SCID)を含む)種々の免疫不全および障害の治療のためなど、免疫刺激または免疫抑制活性を示し得ることを開示している。
さらに、本明細書のAI581519_P3(配列番号11)に示されるのと同じタンパク質配列が、国際公開第9960020号および米国特許第2002193567号に述べられており、そこでは、ヒト分泌型タンパク質#62として同定されている。
本明細書のAI581519_P4(配列番号12)に示されるVSIG1変異体に相同な配列(公知のSNPに対応する2つのミスマッチを含む)が、国際公開第2003027228号出願に開示されている。様々な差次的に発現しているとされている配列の広範なリストを開示している。
さらに、AI581519_P5(配列番号13)に密接に関連する配列、(公知のSNPに対応する2つのミスマッチを含む)が、PCT出願国際公開第2004100774号に開示されており、それも、多くの他の差次的に発現しているとされている配列を教示している。
さらに、AI581519_P7(配列番号14)に密接に関連する配列、(公知のSNPに対応する1つのミスマッチを含む)が、PCT出願国際公開第2004048550号に開示されており、それも同様に、差次的に発現していると言われている配列の広範なリストを含んでいる。
本発明によると、IgVおよびIgC2領域の存在に基づいて、VSIG1は、新規のB7メンバーであると予想される。各Igサブタイプの1つの領域を有するタンパク質の大部分は、共刺激分子である。他の公知のB7メンバーのように、VSIG1もまたタイプI膜タンパク質である。本発明において、後述のように、細胞外領域内に独特の領域を含有する、VSIG1の選択的スプライス変異体がいくつか同定された。VSIG1の新しい変異体は、肺腺癌および卵巣癌で過剰に発現していることが、本発明で示された。
本明細書実施例1に記載されたMEDディスカバリーエンジン(discovery engine)を、VSIG1転写産物の発現を評価するために用いた。VSIG1遺伝子データを表すAffymetrixプローブセット234370に対する発現データを、図2に示す。図2の分散図から明らかなように、上記プローブセットで検出可能なVSIG1転写産物の発現は、正常な肺の試料と比べ、肺癌では高かった。
上で述べたように、クラスターAI581519は、上の表6に列挙された10個の転写産物を特色とする。これら転写産物は、タンパク質V−setおよび免疫グロブリン領域含有1の変異体であるタンパク質をコードする。本発明の各変異体タンパク質について説明する。
本発明の変異体タンパク質AI581519_P3(配列番号11)は、転写産物AI581519_T0(配列番号1)、AI581519_T1(配列番号2)、AI581519_T2(配列番号3)、AI581519_T3(配列番号4)およびAI581519_T4(配列番号5)にコードされたアミノ酸配列をもつ。
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。
細胞に関して、変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AI581519_P3(配列番号11)は、表9に列挙される、次のノンサイレントSNP(non−silent SNPs)(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した。)
表9:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表10に示す。
表10:InterPro領域
変異体タンパク質AI581519_P3(配列番号11)は、次の転写産物AI581519_T0(配列番号1)、AI581519_T1(配列番号2)、AI581519_T2(配列番号3)、AI581519_T3(配列番号4)およびAI581519_T4(配列番号5)にコードされる。
転写産物AI581519_T0(配列番号1)のコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1331で終わる。また、転写産物は、表11に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した(配列番号11)。)
表11:核酸SNP
転写産物AI581519_T1(配列番号2)のコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1331で終わる。また、転写産物は、表12に列挙される、次のSNPをもつ。(核酸配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表12:核酸SNP
転写産物AI581519_T2(配列番号3)のコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1331で終わる。また、転写産物は、表13に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表13:核酸SNP
転写産物AI581519_T3(配列番号4)のコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1331で終わる。また、転写産物は、表14に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表14:核酸SNP
転写産物AI581519_T4(配列番号5)のコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1331で終わる。また、転写産物は、表15に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のそれらポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表15:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質AI581519_P4(配列番号12)は、転写産物AI581519_T5(配列番号6)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図3Aに示す。本発明の変異体タンパク質の、そのアラインメントされたタンパク質各々との関係についての簡単な説明は、次の通りである。
2.AI581519_P4(配列番号12)並びに公知タンパク質NP_872413(配列番号11)およびQ86XK7_HUMAN間の比較報告(comparison report)(図3A)
A.AI581519_P4(配列番号12)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸1〜71に相当し、また、AI581519_P4(配列番号12)のアミノ酸1〜71に相当する、MVFAFWKVFLILSCLAGQVSVVQVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISに少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列、AI581519_P4(配列番号12)のアミノ酸72〜107に相当する配列HSSCLSTEGMEEKAVGQCLKMTHVRDARGRCSWTSE(配列番号284)をもつポリペプチドに、少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%およびさらに好ましくは少なくとも95、96、97、98または99%相同である第2のアミノ酸配列、並びに公知タンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸72〜387に相当し、またAI581519_P4(配列番号12)のアミノ酸108〜423に相当する、IYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQP
ADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHPEVGIIVGALIGSLVGAAIIISVVCFARNKAKAKAKERNSKTIAELEPMTKINPRGESEAMPREDATQLEVTLPSSIHETGPDTIQEPDYEPKPTQEPAPEPAPGSEPMAVPDLDIELELEPETQSELEPEPEPEPESEPGVVVEPLSEDEKGVVKAに少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列を含み、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番であるポリペプチド。
C.AI581519_P4(配列番号12)の配列HSSCLSTEGMEEKAVGQCLKMTHVRDARGRCSWTSE(配列番号284)に、少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%およびさらに好ましくは少なくとも約95、96、97、98または99%相同であるアミノ酸配列を含む、AI581519_P4(配列番号12)のエッジ部(edge portion)をコードする単離されたポリペプチド
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、変異体タンパク質は、に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AI581519_P4(配列番号12)は、表16に列挙される、次のノンサイレントSNP(non−silent SNPs)(一塩基多型)(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号12))をもつ。
表16:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表17に示す。
表17:InterPro領域
変異タンパク質AI581519_P4(配列番号12)は、AI581519_T5(配列番号6)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1439で終わる。また、転写産物は、表18に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表18:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質AI581519_P5(配列番号13)は、転写産物AI581519_T6(配列番号7)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。既刊のタンパク質配列に対するアラインメントアラインメントを図3Bに示す。本発明の変異体タンパク質の、そのアラインメントされたタンパク質各々との関係についての簡単な説明は、次の通りである。
2.AI581519_P5(配列番号13)並びに公知タンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)間の比較報告(comparison report)(図3B)
A.AI581519_P5(配列番号13)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸1〜71に相当し、また、AI581519_P5(配列番号13)のアミノ酸1〜71に相当する、MVFAFWKVFLILSCLAGQVSVVQVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISに少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列、並びにAI581519_P5(配列番号13)のアミノ酸72〜133に相当する配列HSSCLSTEGMEEKAVGQCLKMTHVRDARGRCSWTSESPWEEGKWPDVEAVKGTLDGQQAELQ(配列番号285)をもつポリペプチドに、少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少
なくとも90%およびさらに好ましくは少なくとも95、96、97、98または99%相同である第2のアミノ酸配列、並びに公知タンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸72〜387に相当し、またAI581519_P5(配列番号13)のアミノ酸134〜449に相当する、IYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSHPEVGIIVGALIGSLVGAAIIISVVCFARNKAKAKAKERNSKTIAELEPMTKINPRGESEAMPREDATQLEVTLPSSIHETGPDTIQEPDYEPKPTQEPAPEPAPGSEPMAVPDLDIELELEPETQSELEPEPEPEPESEPGVVVEPLSEDEKGVVKAに少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列を含み、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列および第3のアミノ酸配列は、連続で、ここに記された順番であるポリペプチド。
C.AI581519_P5(配列番号13)の配列HSSCLSTEGMEEKAVGQCLKMTHVRDARGRCSWTSESPWEEGKWPDVEAVKGTLDGQQAELQ(配列番号285)に、少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、最も好ましくは少なくとも約90%およびさらに好ましくは少なくとも約95、96、97、98または99%相同であるアミノ酸配列を含む、AI581519_P5(配列番号13)のエッジ部(edge portion)をコードする単離されたポリペプチド
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AI581519_P5(配列番号13)は、表19に列挙される、次のノンサイレントSNP(non−silent SNPs)(一塩基多型)(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号13)。)をもつ。
表19:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。それら領域を表20に示す。
表20:InterPro領域
変異タンパク質AI581519_P5(配列番号13)は、次の転写産物AI581519_T6(配列番号7)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1517で終わる。転写産物は。また、表21に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表21:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質AI581519_P7(配列番号14)は、転写産物AI581519_T8(配列番号8)によってコードされる。1以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図3Cに示す。本発明の変異体タンパク質のそのアラインメントされたタンパク質各々との関係についての簡単な説明は、次の通りである。
2.AI581519_P7 (配列番号14)並びに公知タンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)(図3C)間の比較報告(comparison report)(図3C)
A.AI581519_P7 (配列番号14)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸1〜96に相当し、また、AI581519_P7(配列番号14)のアミノ酸1〜96に相当する、MVFAFWKVFLILSCLAGQVSVVQVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPに少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列、並びに公知のタンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸138〜387に相当し、また、AI581519_P7(配列番号14)のアミノ酸97〜446に相当する、VKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGN
SSCEIDLTSSHPEVGIIVGALIGSLVGAAIIISVVCFARNKAKAKAKERNSKTIAELEPMTKINPRGESEAMPREDATQLEVTLPSSIHETGPDTIQEPDYEPKPTQEPAPEPAPGSEPMAVPDLDIELELEPETQSELEPEPEPEPESEPGVVVEPLSEDEKGVVKAに少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列を含み、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、ここに記された順番であるポリペプチド。
C.AI581519_P7(配列番号14)のエッジ部(edge portion)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、長さ「n」をもつポリペプチドを含み、nが、少なくとも長さ約10アミノ酸、任意選択で少なくとも長さ約20アミノ酸、好ましくは少なくとも長さ約30アミノ酸、より好ましくは少なくとも長さ約40アミノ酸、さらに好ましくは少なくとも長さ約50アミノ酸を含み、少なくとも2つのアミノ酸が、PVを含み、次の構造をもつ:任意のアミノ酸番号96−xから96から始まり、任意のアミノ酸番号97+((n−2)−x)で終わる配列、ここで、xは、0からn−2で変動する。
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AI581519_P7(配列番号14)は、表22に列挙される、次のノンサイレントSNP(non−silentSNPs)(一塩基多型)(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号14))をもつ。
表22:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表23に示す。
表23:InterPro領域
変異タンパク質AI581519_P7(配列番号14)は、AI581519_T8(配列番号8)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション1208で終わる。また、転写産物は、表24に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表24:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質AI581519_P9(配列番号15)は、転写産物AI581519_T10(配列番号9)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図3Dに示す。本発明の変異体タンパク質の、そのアラインメントされたタンパク質各々との関係についての簡単な説明は、次
の通りである。
2.AI581519_P9(配列番号15)並びに公知タンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)(図3D)間の比較報告(comparison report)(図3D)
A.AI581519_P9(配列番号15)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸1〜189に相当し、また、AI581519_P9(配列番号15)のアミノ酸1〜189に相当する、MVFAFWKVFLILSCLAGQVSVVQVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFに少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列、並びにAI581519_P9(配列番号15)のアミノ酸190〜203に相当する配列TNHRDFGHWKSDKF(配列番号286)をもつポリペプチドに、少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%および最も好ましくは少なくとも95、96、97、98または99%相同である第2のアミノ酸配列を含み、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、ここに記された順番であるポリペプチド。
C.AI581519_P9(配列番号15)の配列TNHRDFGHWKSDKF(配列番号286)に、少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%およびさらに好ましくは少なくとも約95、96、97、98または99%相同であるアミノ酸配列を含む、AI581519_P9(配列番号15)のエッジ部(edge portion)をコードする単離されたポリペプチド
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AI581519_P9(配列番号15)は、表25に列挙される、次のノンサイレントSNP(non−silent SNPs)(一塩基多型)(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号15))をもつ。
表25:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。それら領域を表26に示す。
表26:InterPro領域
変異タンパク質AI581519_P9(配列番号15)は、転写産物AI581519_T10(配列番号9)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション779で終わる。転写産物は。また、表27に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表27:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質AI581519_P10(配列番号16)は、転写産物AI581519_T11(配列番号10)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図3Eに示す。本発明の変異体タンパク質の、そのアラインメントされたタンパク質各々との関係についての簡単な説明は、次の通りである。
2.AI581519_P10(配列番号16)並びに公知タンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)(図3E)間の比較報告(comparison report)(図3E)
A.AI581519_P10(配列番号16)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_872413およびQ86XK7_HUMAN(配列番号11)のアミノ酸1〜229に相当し、また、AI581519_P10(配列番号16)のアミノ酸1〜229に相当する、MVFAFWKVFLILSCLAGQVSVVQVTIPDGFVNVTVGSNVTLICIYTTTVASREQLSIQWSFFHKKEMEPISIYFSQGGQAVAIGQFKDRITGSNDPGNASITISHMQPADSGIYICDVNNPPDFLGQNQGILNVSVLVKPSKPLCSVQGRPETGHTISLSCLSALGTPSPVYYWHKLEGRDIVPVKENFNPTTGILVIGNLTNFEQGYYQCTAINRLGNSSCEIDLTSSに少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列、並びにAI
581519_P10(配列番号16)のアミノ酸230〜231に相当する第2のアミノ酸配列RQ(配列番号287)を含み、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列および第3のアミノ酸配列は、連続で、ここで記された順番である。
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AI581519_P10(配列番号16)は、表28に列挙される、次のノンサイレントSNP(non−silent SNPs)(一塩基多型)(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号16)。)をもつ。
表28:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。それら領域を表29に示す。
表29:InterPro領域
変異タンパク質AI581519_P10(配列番号16)は、転写産物AI581519_T11(配列番号10)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション171で始まり、ポジション863で終わる。また、転写産物は、表30に列挙される、次のSNPをもつ。(核酸配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表30:核酸SNP
本発明の任意選択の実施形態によれば、上のクラスターに関連する短い切片も、また提供される。これら切片は、約120bpまでの長さで、別の明細書(separate description)に含まれる。
本発明の切片クラスターAI581519_N7(配列番号120)は、6つのライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のように決定された。この切片は、次の転写産物に見られる:AI581519_T5(配列番号6)およびAI581519_T6(配列番号7)。下の表31は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表31:転写産物上の切片位置
本発明の切片クラスターAI581519_N9(配列番号121)は、1のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のように決定された。この切片は、次の転写産物に見られる:AI581519_T6(配列番号7)。下の表32は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表32:転写産物上の切片の位置
配列名AI581519_seg7(配列番号190)で示されるアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)AI581519転写産物の、正常および癌性卵巣組織、正常および癌性肺組織並びに異なった正常組織における発現
seg7−AI581519_seg7(配列番号190)アンプリコン並びにプライマーAI581519_seg7F1(配列番号188)およびAI581519_seg7R1(配列番号189)によってまたは従って検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の発現を、卵巣パネル、肺パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料は、上の表4、表3および表2で、それぞれ詳述する。
卵巣パネル−非検出試料(試料番号80、83、100および109、表4)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次いで、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52〜78、上記表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進(up−regulation)したかの値を得た。
図4は、上で示したV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の正常試料に対する癌性卵巣試料における過剰発現を示すヒストグラムである。
図4から明らかなように、上のアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の粘液性癌および類内膜癌(endometroid)試料における発現が、非癌性試料(試料番号52〜78、上記表4)中より顕著に高かった。特に、少なくとも40倍の過剰発現が、12粘液性癌試料中4試料に、10類内膜癌(endometroid)試料中3試料にみられた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現40倍の閾値が、粘液性癌および類内膜癌(endometroid)並びに正常試料の間で、それぞれ、P値6.02e−003および1.54e〜002で、差を生じることがわかった。上の値は、結果が統計学的に有意であることを示す。
肺パネル−各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次いで、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64および69〜70、上記表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進(up−regulation)したかの値を得た。
図5は、上で示したV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の正常試料に対する癌性肺試料における過剰発現を示すヒストグラムである。
図5から明らかなように、上のアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の腺癌試料における発現は、非癌性試料(試料番号51〜64および69〜70、上記表3)中より顕著に高かった。特に、少なくとも6倍の過剰発現が、23腺癌試料中11試料にみられた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。正常組織試料に対する、肺腺癌試料中の上記アンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の発現レベルにおける差のP値を、9.36e−003としてTテストで決めた。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現6倍の閾値が、腺癌および正常試料の間で、P値8.07e−004で、差を生じることがわかった。
上の値は、結果が統計学的に有意であることを示す。
正常パネル−各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次いで、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31、32、33および34、上記表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。それを、図6Aに示す。また、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31−34、上記表2)の量の中間値で割り、肺試料(試料番号26、28、29および30、上記表2)の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。それを、図6Bに示す。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AI581519_seg7F1(配列番号188)順方向プライマーおよびAI581519_seg7R1 (配列番号189)逆方向プライマー
本発明は、また、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AI581519_seg7(配列番号190)
順方向プライマー>AI581519_seg7F1(配列番号188):CACAGCTCGTGCCTCAGTACTG
逆方向プライマー>AI581519_seg7R1(配列番号189):AGCTACATCTTCCCCGAGCG
アンプリコン>AI581519_seg7(配列番号190)
CACAGCTCGTGCCTCAGTACTGAGGGTATGGAGGAAAAGGCAGTCGGTCAGTGTCTAAAAATGACGCACGTAAGAGACGCTCGGGGAAGATGTAGCT
配列名AI581519_seg7−9(配列番号187)で示されるアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)AI581519転写産物の、正常および癌性卵巣組織並びに正常および癌性肺組織における発現
seg7−9−AI581519_seg7−9(配列番号187)アンプリコン並びにプライマーAI581519_seg7−9F1(配列番号185)およびAI581519_seg7−9R1(配列番号186)によってまたは従って検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の発現を、卵巣パネルおよび肺パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料は、上の表4および表3で、それぞれ詳述する。
卵巣パネル−非検出試料(試料番号40、表4)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次いで、各RT試料の正規化した量を、正常試料(試料番号52〜78、上記表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進(up−regulation)したかの値を得た。
図7は、上で示したV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の正常試料に対する癌性卵巣試料における過剰発現を示すヒストグラムである。
図7から明らかなように、上のアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の粘液性癌試料における発現は、非癌性試料(試料番号52〜78、上記表4)中より顕著に高く、少数の腺癌試料においては、非癌性試料中より高かった。特に、少なくとも6倍の過剰発現が、9粘液性癌試料中6試料に、37類内膜癌(endometroid)試料中9試料にみられた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現6倍の閾値が、粘液性癌および正常試料の間で、P値2.75e−004で、差を生じることがわかった。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現6倍の閾値が、腺癌および正常試料の間で、P値2.44e−002で、差を生じることがわかった。
上の値は、結果が統計学的に有意であることを示す。
肺パネル−各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次いで、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64および69〜70、上記表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進(up−regulation)したかの値を得た。
図8は、上で示したV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の正常試料に対する癌性肺試料における過剰発現を示すヒストグラムである。
図8から明らかなように、上のアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の腺癌試料における発現は、非癌性試料(
試料番号51〜64および69〜70、上記表3)中より顕著に高く、少数の非小細胞癌試料においては、非癌性試料中より高かった。特に、少なくとも17倍の過剰発現が、18腺癌試料中8試料にみられた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。正常組織試料に対する、肺腺癌の上記アンプリコンによって検出可能な V−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)転写産物の発現レベルにおける差のP値を、1.17e−002としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現17倍の閾値が、腺癌および正常試料の間で、P値2.41e−003で、差を生じることがわかった。
上の値は、結果が統計学的に有意であることを示す。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AI581519_seg7−9F1(配列番号185)順方向プライマーおよびAI581519_seg7−9R1(配列番号186)逆方向プライマー
本発明は、また、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AI581519_seg7−9(配列番号187)
順方向プライマー>AI581519_seg7−9F1(配列番号185):AATGACGCACGTAAGAGACGC
逆方向プライマー>AI581519_seg7−9R1(配列番号186):GAGTGCCCTTCACAGCCTCA
アンプリコン>AI581519_seg7−9(配列番号187)
AATGACGCACGTAAGAGACGCTCGGGGAAGATGTAGCTGGACCTCTGAGTCTCCTTGGGAGGAGGGGAAGTGGCCAGATGTTGAGGCTGTGAAGGGCACTC
配列名AI581519seg7−9(配列番号196)で示されるアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)AI581519転写産物の、血液特異的パネルにおける発現
seg7−9−AI581519seg7−9F3R3(配列番号196)アンプリコン並びにプライマーAI581519seg7−9F3(配列番号194)およびAI581519seg7−9R3(配列番号195)によってまたは従って検出可能なVSIG1転写産物の発現を、血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料は、上の表1に詳述する。非検出試料(試料番号28、33、83、85、90および63、表1)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。用いた試料は、上の表1に詳述する。各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次いで、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号64、69〜72および74〜76、上記表1)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
この解析の結果を、図9のヒストグラムに示す。CD8、CD4未処理およびCD4+CD25−試料において、上記のVSIG1転写産物の発現が高く、正常小腸および正常胃試料においては、より高かった。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:seg7−9F3順方向プライマー(配列番号194)およびseg7−9R3逆方向プライマー(配列番号195)
本発明は、また、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコン対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:seg7−9F3R3(配列番号196)
順方向プライマー>AI581519seg7−9F3(配列番号194)
ATGACGCACGTAAGAGACGCTCG
逆方向プライマー>AI581519seg7−9R3(配列番号195)
GGAGTTCAGCCTGCTGTCCATCAAG
アンプリコン>AI581519seg7−9F3R3(配列番号196)
ATGACGCACGTAAGAGACGCTCGGGGAAGATGTAGCTGGACCTCTGAGTCTCCTTGGGAGGAGGGGAAGTGGCCAGATGTTGAGGCTGTGAAGGGCACTCTTGATGGACAGCAGGCTGAACTCC
配列名AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)で示されるアンプリコンによって検出可能なV−setおよび免疫グロブリン領域含有1(VSIG1)AI581519転写産物の、正常および癌性肺組織、正常および癌性卵巣組織、他の正常組織並びに血液特異的パネルにおける発現
junc7−11F2R2−AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)アンプリコン並びにプライマーAI581519Junc7−11F2(配列番号191)およびAI581519_junc7−11R2(配列番号192)によってまたは従って検出可能なVSIG1転写産物の発現を、肺パネル、卵巣パネル、正常パネルおよび血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料は、上の表3、表4、表2および表1にそれぞれ詳述する。各RT試料に関して、上のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
肺パネル−非検出試料(試料番号49、表3)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した次いで、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64、69および70、上記表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進(up−regulation)したかの値を得た。
図10は、上で示したVSIG1転写産物の正常試料に対する癌性肺試料における過剰
発現を示すヒストグラムである。
図10から明らかなように、上のアンプリコンによって検出可能なVSIG1転写産物の腺癌試料における発現は、非癌性試料(試料番号51〜64、69および70、上記表3)中より顕著に高かった。特に、少なくとも16倍の過剰発現が、23腺癌試料中10試料にみられた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。正常組織試料に対する、肺腺癌の上記アンプリコンによって検出可能なVSIG1転写産物の発現レベルにおける差のP値を、5.13e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現16倍の閾値が、腺癌および正常試料の間で、P値1.80e−003で、差を生じることがわかった
上の値は、結果が統計学的に有意であることを示す。
卵巣パネル−非検出試料(試料番号16、23、57、60〜62、67、68、71〜74、77および78、表4)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次いで、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52、53、55および57〜67、上記表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進(up−regulation)したかの値を得た。
図11は、上で示したVSIG1転写産物の正常試料に対する癌性卵巣試料における過剰発現を示すヒストグラムである。
図11から明らかなように、上のアンプリコンによって検出可能なVSIG1転写産物の粘液性癌試料における発現は、非癌性試料(試料番号52、53、55および57〜67、上記表4)中より顕著に高く、少数の腺癌試料においては、非癌性試料中より高かった。特に、少なくとも25倍の過剰発現が、9粘液性癌試料中6試料にみられ、37腺癌試料中10試料にみられた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現25倍の閾値が、粘液性癌試料および腺癌並びに正常試料の間で、それぞれ、P値3.95e−004および1.88e−002で、差を生じることがわかった。上の値は、結果が統計学的に有意であることを示す
正常パネル−非検出試料(試料番号11〜20、28、30、32〜34、36、38−40、49および56、表2)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次いで、各RT試料の正規化された量を、肺試料(試料番号26、および28〜30、上記表2)の量の中間値で割り、肺試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。それを、図12Aに示す。各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31〜34、上記表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。それを、図12Bに示す。
血液パネル−非検出試料(試料番号6、15〜19、22〜24、27、29、40、41、46〜50、52〜58、60〜64、71および76、表1)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次いで、各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記表1)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
この解析の結果を、図13のヒストグラムに示す。CD8、CD4未処理およびCD4+CD25−試料において、上記のVSIG1転写産物の発現が非常に高く、いくつかのリンパ腫で高く、また正常小腸および正常胃試料においては、非常に高い。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AI581519_junc7−11F2(配列番号191)順方向プライマーおよびAI581519_junc7−11R2(配列番号192)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)
順方向プライマー>AI581519_junc7−11F2(配列番号191)
GAAGATGTAGCTGGACCTCTGAGATTTA
逆方向プライマー>AI581519_junc7−11R2(配列番号192)
GTTGGACCCTGTAATTCGATCTTT
アンプリコン>AI581519_junc7−11F2R2(配列番号193)
GAAGATGTAGCTGGACCTCTGAGATTTACTTTTCTCAAGGTGGACAAGCTGTAGCCATCGGGCAATTTAAAGATCGAATTACAGGGTCCAAC
実施例3:クラスターAA424839の説明
本発明は、ILDR1ポリペプチド、新規なスプライス変異体、並びにそれを基にした診断薬および治療薬に関する。
本発明によると、クラスターAA424839(内部ID71418261)は、4個の対象転写産物および1個の対象切片を特色とし、それらの名称を、それぞれ表33および34に示した。選ばれたタンパク質変異体を表35に示す。
表33:対象転写産物
表34:対象切片
表35:対象タンパク質
これらの配列は、公知のタンパク質、免疫グロブリン様領域含有受容体1(RefSeq受入番号NP_787120(配列番号21)、ILDR1アルファ、ILDR1ベータ、MGC50831とも称される)の変異体であり、本明細書では既知タンパク質と呼ぶ。
示した免疫グロブリン様領域含有受容体1(配列番号21)であるILDR1は、Hauge et al. (2004) BBRC 323: 970‐978、によって報告され、そこでは、無痛性濾胞性リンパ腫(FL)にて、このタンパク質をコードする転写産物の差次的発現が示され、形質転換されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と一致した。遺伝子の識別は、FLおよびDLBCLの患者と一致させた生検組織に対してcDNAサブトラクション法を用いて行った。このタンパク質は、シグナルペプチドおよび膜貫通領域、並びに細胞外部分にIg領域をもつことが示され、脂肪分解刺激レムナント受容体(lipolysis‐stimulated remnant receptor)(LSR)に対して31%の同一性をもつ膜結合タンパク質であることが分かった。
本発明によると、ILDR1タンパク質およびILDR1スプライス変異体は、新規なB7/CD28メンバーであると予想された。本発明によると、ILDR1およびILDR1スプライス変異体は、卵巣癌にて過剰発現されることが示された。
本明細書の実施例1で述べるMEDディスカバリーエンジンを用いて、ILDR1転写産物の発現を評価した。ILDR1遺伝子データを表すAffymetrixプローブセット235583_atに対する発現データを、図14および15に示す。図14に示す分散図から明らかなように、上記のプローブセットで検出可能であるILDR1転写産物の発現は、正常卵巣試料と比較して卵巣癌の方が高かった。図15に示す分散図から明らかなように、上記のプローブセットで検出可能であるILDR1転写産物の発現は、正常結腸試料と比較して結腸癌の方が高かった。
上記で示すように、クラスターAA424839は、上の表33に列挙された4個の転写産物を特色とする。これらの転写産物は、タンパク質免疫グロブリン様領域含有受容体1(配列番号21)の変異体であるタンパク質をコードする。ここで本発明の各々のタンパク質について説明する。
本発明の変異体タンパク質AA424839_P3(配列番号22)は、転写産物AA424839_T0(配列番号17)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図16Aに示す。本発明の変異体タンパク質とそれらのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.AA424839_P3(配列番号22)並びに公知のタンパク質Q86SU0_HUMAN(配列番号21)およびNP_787120(配列番号21)間の比較報告(図16A):
A.AA424839_P3(配列番号22)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質Q86SU0_HUMAN(配列番号21)およびNP_787120(配列番号21)のアミノ酸1〜215に相当し、AA424839_P3(配列番号22)のアミノ酸1〜215にも相当するMAWPKLPAPWLLLCTWLPAGCLSLLVTVQHTERYVTLFASIILKCDYTTSAQLQDVVVTWRFKSFCKDPIFDYYSASYQAALSLGQDPSNDCNDNQREVRIVAQRRGQNEPVLGVDYRQRKITIQNRADLVINEVMWWDHGVYYCTIEAPGDTSGDPDKEVKLIVLHWLTVIFIILGALLLLLLIGVCWCQCCPQYCCCYIRCPCCPAHCCCPEEに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、AA424839_P3(配列番号22)のアミノ酸216〜259に相当する配列ALARHRYMKQAQALGPQMMGKPLYWGADRSSQVSSYPMHPLLQR(配列番号288)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第2のアミノ酸配列と、公知のタンパク質Q86SU0_HUMAN(配列番号21)およびNP_787120(配列番号21)のアミノ酸216〜502に相当し、AA424839_P3(配列番号22)のアミノ酸260〜546にも相当するDLSLPSSLPQMPMTQTTNQPPIANGVLEYLEKELRNLNLAQPLPPDLKGRFGHPCSMLSSLGSEVVERRIIHLPPLIRDLSSSRRTSDSLHQQWLTPIPSRPWDLREGRSHHHYPDFHQELQDRGPKSWALERRELDPSWSGRHRSSRLNGSPIHWSDRDSLSDVPSSSEARWRPSHPPFRSRCQERPRRPSPRESTQRHGRRRRHRSYSPPLPSGLSSWSSEEDKERQPQSWRAHRRGSHSPHWPEEKPPSYRSLDITPGKNSRKKGSVERRSEKDSSHSGRSVVIに対して少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.AA424839_P3(配列番号22)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、AA424839_P3(配列番号22)の配列ALARHRYMKQAQALGPQMMGKPLYWGADRSSQVSSYPMHPLLQR(配列番号288)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AA424839_P3(配列番号22)は、表36に列挙される次のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号22)。)
表36:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表10に示す。
表37:InterPro領域
変異体タンパク質AA424839_P3(配列番号22)は、転写産物AA4248
39_T0(配列番号17)によってコードされ、そのコーディング部はポジション204で始まり、ポジション1841で終わる。また、この転写産物は、表38に列挙される次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表38:核酸SNP
本発明のタンパク質AA424839_P5(配列番号21)は、転写産物AA424839_T2(配列番号18)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。
このタンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、このタンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、タンパク質AA424839_P5(配列番号21)は、表39に列挙される、次のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号21)。)
表39:アミノ酸突然変異
このタンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表40に示す:
表40:InterPro領域
タンパク質AA424839_P5(配列番号21)は、転写産物AA424839_T2(配列番号18)によってコードされ、そのコーディング部はポジション204で始まりポジション1709で終わる。また、この転写産物は、表41に列挙される次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表41:核酸SNP
表42に示すように、タンパク質AA424839_P5(配列番号21)のゲノム構造(タンパク質の細胞外領域に関連するエクソンの数、これらのエクソンの長さ、イントロンが挿入されたコドンのフレーム、および遺伝子構造内のタンパク質の特性および領域の位置)は、B7/共刺激タンパク質ファミリーのリガンドに特徴的である。
表42:ゲノム構造およびタンパク質特性
本発明の変異体タンパク質AA424839_P7(配列番号23)は、転写産物AA424839_T4(配列番号19)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1つ以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図16Bに示す。本発明の変異体タ
ンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は次の通りである:
1.AA424839_P7(配列番号23)並びに公知のタンパク質Q86SU0_HUMANおよびNP_787120(配列番号21)間の比較報告(図16B):
A.AA424839_P7(配列番号23)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質Q86SU0_HUMANおよびNP_787120(配列番号21)のアミノ酸1〜126に相当し、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸1〜126にも相当するMAWPKLPAPWLLLCTWLPAGCLSLLVTVQHTERYVTLFASIILKCDYTTSAQLQDVVVTWRFKSFCKDPIFDYYSASYQAALSLGQDPSNDCNDNQREVRIVAQRRGQNEPVLGVDYRQRKITIQNに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸127〜170に相当する配列PLARHRYMKQAQALGPQMMGKPLYWGADRSSQVSSYPMHPLLQRをもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第2のアミノ酸配列と、公知のタンパク質Q86SU0_HUMANおよびNP_787120(配列番号21)のアミノ酸216〜502に相当し、AA424839_P7(配列番号23)のアミノ酸171〜457にも相当するDLSLPSSLPQMPMTQTTNQPPIANGVLEYLEKELRNLNLAQPLPPDLKGRFGHPCSMLSSLGSEVVERRIIHLPPLIRDLSSSRRTSDSLHQQWLTPIPSRPWDLREGRSHHHYPDFHQELQDRGPKSWALERRELDPSWSGRHRSSRLNGSPIHWSDRDSLSDVPSSSEARWRPSHPPFRSRCQERPRRPSPRESTQRHGRRRRHRSYSPPLPSGLSSWSSEEDKERQPQSWRAHRRGSHSPHWPEEKPPSYRSLDITPGKNSRKKGSVERRSEKDSSHSGRSVVIに対して少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:分泌。
また、変異体タンパク質AA424839_P7(配列番号23)は、表43に列挙される次のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した。)
表43:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質AA424839_P7(配列番号23)は、転写産物AA424839_T4(配列番号19)によってコードされ、そのコーディング部はポジション204で始まり、ポジション1574で終わる。また、この転写産物は、表44に列挙される次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表44:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質AA424839_1_P11(配列番号24)は、転写産物AA424839_1_T7(配列番号20)によってコードされるアミノ酸配列をも
つ。1つ以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図16Cに示す。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質AA424839_1_P11(配列番号24)は、表45に列挙される次のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号24)。)
表45:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表46に示す:
表46:InterPro領域
変異体タンパク質AA424839_1_P11(配列番号24)は、転写産物AA4
24839_1_T7(配列番号20)によってコードされ、そのコーディング部はポジション204で始まり、ポジション1670で終わる。また、この転写産物は、表47に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表47:核酸SNP
本発明の切片クラスターAA424839_N18(配列番号122)は、10個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、次の転写産物に見られる:AA424839_T0(配列番号17)、AA424839_T2(配列番号18)、AA424839_T4(配列番号19)、およびAA424839_1_T7(配列番号20)。下記の表48は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表48:転写産物上の切片位置
正常および癌性卵巣組織、並びに異なる正常組織における、配列名AA424839_seg18wt(配列番号199)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)AA424839転写産物の発現
seg18wt‐AA424839_seg18wt(配列番号199)アンプリコン、並びにプライマーAA424839_seg18wtF1(配列番号197)およびAA424839_seg18wtR1(配列番号198)によって、またはこれらに従って検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)転写産物の発現は、卵巣パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表4および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
卵巣パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52〜78、上記の表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図17は、上記で示した免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)転写産物の正常試料に対する癌性卵巣試料における過剰発現を示すヒストグラムである。
図17から明らかなように、漿液性癌(serous carcinoma)、粘液性癌、および腺癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能である免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号52〜78、上記の表4)よりも著しく高かった。特に、37腺癌試料中36試料に、具体的には、18漿液性癌試料中17試料、9粘液性癌試料中9試料、および10類内膜癌試料中10試料に、少なくとも25倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能である免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)転写産物の、卵巣腺癌試料、漿液性癌試料、粘液性癌、および類内膜癌における発現レベルの正常組織試料に対する差についてのP値を、それぞれ、3.85e−010、6.21e−005、1.10e−003、および2.94e−004としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現25倍の閾値が、腺癌、漿液性癌、粘液性癌、類内膜癌、および正常試料の間で、それぞれP値3.31e−017、1.63e−011、1.06e−008、および2.87e−009で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−次に、図18に示すように、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31、32、33、および34、上記の表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AA424839_seg18wtF1(配列番号197)順方向プライマー;およびAA424839_seg18wtR1(配列番号198)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AA424839_seg18wt
(配列番号199)。
順方向プライマー>AA424839_seg18wtF1(配列番号197)
AGCCACCACCATTACCCTGA
逆方向プライマー>AA424839_seg18wtR1(配列番号198)
TGCCTTCCACTCCACGATG
アンプリコン>AA424839_seg18wt(配列番号199)
AGCCACCACCATTACCCTGATTTCCACCAGGAGCTCCAGGACCGGGGGCCAAAGTCTTGGGCATTGGAAAGAAGGGAGTTGGACCCATCGTGGAGTGGAAGGCA
正常および癌性卵巣組織、または異なる正常組織における、配列名AA424839_seg14‐16(配列番号202)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)AA424839転写産物の発現
seg14‐16‐AA424839_seg14‐16(配列番号202)アンプリコン、並びにプライマーAA424839_seg14‐16F1(配列番号200)およびAA424839_seg14‐16R1(配列番号201)によって、またはこれらに従って検出可能であるILDR1転写産物の発現は、卵巣パネルまたは正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表4および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
卵巣パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52〜55、58、59、63〜69、および71〜78、上記の表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図19は、正常試料と比較した癌性卵巣試料における上記で示したILDR1転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図19から明らかなように、漿液性癌、粘液性癌、および腺癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるILDR1転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号52〜55、58、59、63〜69、および71〜78、上記の表4)よりも著しく高かった。特に、37腺癌試料中33試料:18漿液性癌試料中14試料、9粘液性癌試料中9試料、および10腺癌試料中10試料にて、少なくとも14倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。
上記のアンプリコンによって検出可能であるILDR1転写産物の、卵巣腺癌試料、卵巣漿液性癌試料、卵巣粘液性癌試料、および卵巣類内膜癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、それぞれ、1.00e−008、4.79e−004、4.97e−004、および6.93e−005としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現14倍の閾値が、腺癌、
漿液性癌、粘液性癌、類内膜癌、および正常試料の間で、それぞれP値3.78e−012、2.03e−007、6.99e−008、および2.25e−008で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31〜34、上記の表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AA424839_seg14‐16F1(配列番号200)順方向プライマー;およびAA424839_seg14‐16R1(配列番号201)逆方向プライマー
配列名AA424839_seg14‐16(配列番号202)で示されるアンプリコンによって検出可能である、ILDR1 AA424839転写産物の異なる正常組織中における発現を示す結果を図20に提示する。
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AA424839_seg14‐16F1R1(配列番号202)。
順方向プライマー>AA424839_seg14‐16F1(配列番号200)
GCCACCGCTACATGAAGCA
逆方向プライマー>AA424839_seg14‐16R1(配列番号201)
CTGGACGGCAGGGACAAAT
アンプリコン>AA424839_seg14‐16F1R1(配列番号202)
GCCACCGCTACATGAAGCAGGCCCAGGCCCTAGGTCCTCAGATGATGGGAAAACCCCTGTACTGGGGGGCGGACAGGAGCTCCCAGGTTTCATCTTATCCAATGCACCCGCTGCTGCAGCGAGATTTGTCCCTGCCGTCCAG
血液特異的パネル中における、配列名AA424839_seg11‐14F3R3(配列番号205)で示されるアンプリコンによって検出可能である、免疫グロブリン様領域含有受容体1(ILDR1)AA424839転写産物の発現
seg11‐14‐AA424839seg11‐14F3R3(配列番号205)アンプリコン、並びにプライマーAA424839seg11‐14F3(配列番号203)およびAA424839seg11‐14R3(配列番号204)によって、またはこれらに従って検出可能であるILDR1転写産物の発現は、血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表1に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子
の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記の表1)の量の中間値で割り、腎臓正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
本分析の結果を図21のヒストグラムに示す。上述のILDR1転写産物の発現が、いくつかのリンパ腫および細胞株で見られたが、この発現は、腎臓正常試料と同じ程度に高かった。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:seg11‐14F3順方向プライマー;およびseg11‐14R3逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:seg11‐14F3R3
順方向プライマー>AA424839_seg11‐14F3(配列番号203)
TCCTCCTCCTGCTGCTGATTG
逆方向プライマー>AA424839_seg11‐14R3(配列番号204)
TGGGCCTGCTTCATGTAGCG
アンプリコン>AA424839_seg11‐14F3R3(配列番号205)
TCCTCCTCCTGCTGCTGATTGGAGTGTGCTGGTGCCAGTGCTGTCCTCAGTATTGCTGCTGCTATATCCGCTGTCCCTGCTGTCCTGCCCACTGCTGCTGTCCTGAGGAAGCCCTGGCCCGCCACCGCTACATGAAGCAGGCCCA
実施例4:クラスターAI216611の説明
本発明は、特に、AI216611と称する推定B7/CD28メンバー、並びにこれを基にした診断薬および治療薬に関する。本発明によると、クラスターAI216611(内部ID70605934)は、2個の対象転写産物および3個対象切片を特色とし、これらの名称を、それぞれ表49および50に示す。選ばれたタンパク質を表51に示す。
表49:対象転写産物
表50:対象切片
表51:対象タンパク質
AI216611は、完全長mRNAがGenbankに寄託されていない未同定の遺伝子である。AI216611_P0に対応するタンパク質は、コンピュータ解析およびゲノムの翻訳に基づく、セレラ社によるヒトゲノムのアノテーションに見られる(DNA配列受託番号CH471065)(Venter, J.C et al., 2001
Science 291, 1304‐1351)。AI216611_P0に対応するタンパク質は、国際公開第2003025148号に開示される他の配列中にも列挙されている。しかし、この出願は、その機能の特徴付けをしておらず、より詳細には、それがB7/CD28共刺激タンパク質であることを教示するものではない。
AI216611_P1配列に対応するタンパク質は、新規のタンパク質であり、Biogen‐Idecに割り当てられた国際公開第205108415号に報告されているポリペプチドに対して部分的にしか類似しておらず(199のアミノ酸うちの186が同一)、この国際公開は、このポリペプチドが、過剰増殖障害(hyperproliferative disorders)の治療において標的となり得る膜貫通タンパク質であると主張している。国際公開第205108415号には、このポリペプチドの機能は報告されていない。より具体的には、これがB7/CD28共刺激タンパク質であることを示すものではない。
本発明によると、AI216611は、B7/CD28ファミリーメンバーの特徴的な構造特性であるIgV領域の存在に基づき、新規なB7/CD28ファミリーメンバーであると予想される。さらに、AI216611は、そのエクソンのサイズ、並びにこれらのエクソン内のIgV領域および膜貫通領域の位置について、公知のCD28ファミリーメンバーと類似している。公知のすべてのB7/CD28メンバーと同様に、AI216611も、タイプI膜タンパク質である。本発明によると、選択的にスプライスされたAI216611の2個の転写産物が提供され、各々が、細胞内領域内に独特の領域を含んでいる。AI216611およびその変異体の発現が結腸癌内で下方制御されることが本発明で実証され、このことは、免疫共刺激の役割をさらに支持するものである。
上述のように、コンティグAI216611は、上記の表49に列挙された2個の転写
産物を特色とする。ここで本発明の各々のタンパク質について説明する。
本発明のタンパク質AI216611_P0(配列番号43)は、転写産物AI216611_T0(配列番号41)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。
このタンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、タンパク質AI216611_P0(配列番号43)は、表52に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号43)。)
表52:アミノ酸突然変異
このタンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表53に示す:
表53:InterPro領域
タンパク質AI216611_P0(配列番号43)は、転写産物AI216611_T0(配列番号41)によってコードされ、そのコーディング部はポジション1で始まり、ポジション600で終わる。また、この転写産物は、表54に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表54:核酸SNP
表55に示すように、タンパク質AI216611_P0(配列番号43)のゲノム構造(タンパク質の細胞外領域に関連するエクソンの数、これらのエクソンの長さ、イントロンが挿入されたコドンのフレーム、および遺伝子構造内のタンパク質の特性および領域の位置)は、B7/共刺激タンパク質ファミリーの受容体に特徴的である。
表55:ゲノム構造およびタンパク質特性
本発明のタンパク質AI216611_P1(配列番号44)は、転写産物AI216611_T1(配列番号42)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。
このタンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、タンパク質AI216611_P1(配列番号44)は、表56に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号44)。)
表56:アミノ酸突然変異
このタンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表57に示す:
表57:InterPro領域
タンパク質AI216611_P1(配列番号44)は、転写産物AI216611_T1(配列番号42)によってコードされ、そのコーディング部はポジション1で始まり、ポジション597で終わる。また、この転写産物は、表58に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表58:核酸SNP
上述のように、クラスターAI216611は、上記の表50に列挙された3個の切片を特色とする。これらの切片は、特に興味の対象であるために本明細書において別に説明する核酸配列の一部である。ここで、本発明の各切片について説明する。
本発明の切片クラスターAI216611_N2(配列番号126)は、4個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:AI216611_T0(配列番号41)およびAI216611_T1(配列番号42)。下記の表59は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表59:転写産物上の切片位置
本発明の切片クラスターAI216611_N4(配列番号127)は、4個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:AI216611_T0(配列番号41)および
AI216611_T1(配列番号42)。下記の表60は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表60:転写産物上の切片位置
本発明の切片クラスターAI216611_N6(配列番号128)は、2個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:AI216611_T0(配列番号41)およびAI216611_T1(配列番号42)。下記の表61は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表61:転写産物上の切片位置
正常および癌性結腸組織、並びに異なる正常組織における、配列名AI216611_junc4‐6F2R2(配列番号208)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現
junc4‐6‐AI216611_junc4‐6F2R2(配列番号208)アンプリコン、並びにプライマーAI216611_junc4‐6F2(配列番号206)およびAI216611 junc4‐6R2(配列番号207)によって、またはこれらに従って検出可能である、AI216611転写産物の発現は、結腸パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表5および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
結腸パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号42〜70、上記の表5)の量の中間値で割った。そして、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図22は、正常試料と比較した癌性結腸試料における上記で示したAI216611転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図22から明らかなように、癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるAI216611転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号42〜70、上記の表5)よりも著しく低かった。特に、55腺癌試料中27試料に、少なくとも5倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるAI216611転写産物の、結腸癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、2.39e−005としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御5倍の閾値が、癌試料および正常試料の間で、P値5.09e−007で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−非検出試料(試料番号50、52、54、および56、表2)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、図23に示すように、各RT試料の正規化された量を、結腸試料(試料番号3、4、および5、上記の表2)の量の中間値で割り、結腸試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AI216611_junc4‐6F2(配列番号206)順方向プライマー;およびAI216611_junc4‐6R2(配列番号207)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AI216611_junc4‐6F2R2(配列番号208)
順方向プライマー>AI216611_junc4‐6F2(配列番号206):CCGCAGTATTAATCAGCCTCATG
逆方向プライマー>AI216611_junc4‐6R2(配列番号207):AATCTCCTCAGTTGTGCTTTCTTTG
アンプリコン>AI216611_junc4‐6F2R2(配列番号208)
CCGCAGTATTAATCAGCCTCATGTGGGTTTGTAATAAGTGTGCATATAAATTTCAGAGGAAGAGAAGACACAAACTCAAAGAAAGCACAACTGAGGAGATT
正常および癌性結腸組織、並びに異なる正常組織における、配列名AI216611_seg2WT(配列番号211)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現
seg2WT‐AI216611_seg2WT(配列番号211)アンプリコン、並
びにプライマーAI216611_seg2WTF1(配列番号209)およびAI216611_seg2WTR1(配列番号210)によって、またはこれらに従って検出可能である、AI216611転写産物の発現は、結腸パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表5および表2に詳細を示す。
結腸パネル−非検出試料(試料番号33、表5)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号42〜70、上記の表5)の量の中間値で割った。そして、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図24は、正常試料と比較した癌性結腸試料における上記で示したAI216611転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図24から明らかなように、癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるAI216611転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号42〜70、上記の表5)よりも著しく低かった。特に、55腺癌試料中25試料に、少なくとも5倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御5倍の閾値が、癌試料および正常試料の間で、P値2.00e−006で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、本明細書にて実施例1で述べたこれらのハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、図25に示すように、各RT試料の正規化された量を、結腸試料(試料番号3、4、および5、上記の表5)の量の中間値で割り、結腸試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AI216611_seg2WTF1(配列番号209)順方向プライマー;およびAI216611_seg2WTR1(配列番号210)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AI216611_seg2WT(配列番号211)
順方向プライマー>AI216611_seg2WTF1(配列番号209)
GAACGCAGAAGATCGTGGAGT
逆方向プライマー>AI216611_seg2WTR1(配列番号210)
CTGAAGAGCTGGATGGAGCC
アンプリコン>AI216611_seg2WT(配列番号211)
GAACGCAGAAGATCGTGGAGTGGAAACCAGGGACTCAGGCCAACATCTCTCAAAGCCACAAGGACAGAGTCTGCACCTTTGACAACGGCTCCATCCAGCTCTTCAG
血液特異的パネルにおける、配列名AI216611_junc4‐6(配列番号214)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現
junc4‐6‐junc4‐6F4R4(配列番号214)アンプリコン、並びにプライマーjunc4‐6F4(配列番号212)およびjunc4‐6R4(配列番号213)によって、またはこれらに従って検出可能である、AI216611転写産物の発現は、血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表1に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記の表1)の量の中間値で割り、腎臓正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
本分析の結果を図26のヒストグラムに示す。上述のAI216611転写産物の発現は、パネル中の異なる血液特異的試料と比較して、試験した正常試料の方がかなり高かった。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:junc4‐6F4(配列番号212)順方向プライマー;およびjunc4‐6R4逆方向プライマー(配列番号213)
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:junc4‐6F4R4(配列番号214)
順方向プライマー AI216611junc4‐6F4(配列番号212):CTGCACTTTGTCGCTGTCATC
逆方向プライマー AI216611junc4‐6R4(配列番号213):CAATCTCCTCAGTTGTGCTTTCTTTG
アンプリコン AI216611junc4‐6F4R4(配列番号214)
CTGCACTTTGTCGCTGTCATCCTTGCTTTTCTCGCTGCTGTGGCCGCAGTATTAATCAGCCTCATGTGGGTTTGTAATAAGTGTGCATATAAATTTCAGAGGAAGAGAAGACACAAACTCAAAGAAAGCACAACTGAGGAGATTG
血液特異的パネルにおける、配列名AI216611_junc2‐4seg5(配列番号217)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現
junc2‐4seg5‐junc2‐4seg5F3R4アンプリコン(配列番号217)、並びにプライマーjunc2‐4seg5F3(配列番号215)およびjunc2‐4seg5R4(配列番号216)によって、またはこれらに従って検出可能である、AI216611転写産物の発現は、血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表1に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記の表1)の量の中間値で割り、腎臓正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
本分析の結果を図27のヒストグラムに示す。上述のAI216611転写産物の発現は、パネル中の異なる血液特異的試料と比較して、試験した正常試料の方がかなり高かった。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:junc2‐4seg5F3(配列番号215)順方向プライマー;およびjunc2‐4seg5R4(配列番号216)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:junc2‐4seg5F3R4(配列番号217)
順方向プライマー AI216611 junc2‐4seg5F3(配列番号215):TGCTGCACGTCTCTGAGATCC
逆方向プライマー AI216611 junc2‐4seg5R4(配列番号216):CACCTCTGGCCTCAAAACCACTC
アンプリコン>AI216611junc2‐4seg5F3R4(配列番号217)
TGCTGCACGTCTCTGAGATCCTCTATGAAGACCTGCACTTTGTCGCTGTCATCCTTGCTTTTCTCGCTGCTGTGGCCGCAGTATTAATCAGCCTCATGTGGGTTTGTAATAAGTGTGCATATAAATTTCAGAGGAAGAGAAGACACAAACTCAAAGGTAACCCCCTGGGCCTTGTGATAATCCATGAGTGGTTTTGAGGCCAGAGGTG
正常および癌性結腸組織における、配列名AI216611_junc2‐4seg5F2R2(配列番号220)で示されるアンプリコンによって検出可能である、AI216611転写産物の発現
junc2‐4seg5F2R2‐AI216611_junc2‐4seg5F2R2(配列番号220)アンプリコン、並びにプライマーAI216611_junc2‐4seg5F2(配列番号218)およびAI216611_junc2‐4seg5R2(配列番号219)によって、またはこれらに従って検出可能である、AI216611転写産物の発現は、結腸パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表5に詳細を示す。非検出試料(試料番号28、33、83、85、9
0、および63、表5)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号42〜62、および64〜70、上記の表5)の量の中間値で割った。そして、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図28は、正常試料と比較した癌性結腸試料における上記で示したAI216611転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図28から明らかなように、癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるAI216611転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号42〜62、および64〜70、上記の表5)よりも著しく低かった。特に、55腺癌試料中31試料にて、少なくとも5倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるAI216611転写産物の、結腸癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、5.29e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御5倍の閾値が、癌試料および正常試料の間で、P値4.18e−008で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:AI216611_junc2‐4seg5F2(配列番号218)順方向プライマー;およびAI216611_junc2‐4seg5R2(配列番号219)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:AI216611_junc2‐4seg5F2R2(配列番号220)
順方向プライマー>AI216611_junc2‐4seg5F2(配列番号218)
GCTGCACGTCTCTGAGATCCT
逆方向プライマー>AI216611_junc2‐4seg5R2(配列番号219)
CACCTCTGGCCTCAAAACCA
アンプリコン>AI216611_junc2‐4seg5F2R2(配列番号220)
GCTGCACGTCTCTGAGATCCTCTATGAAGACCTGCACTTTGTCGCTGTCATCCTTGCTTTTCTCGCTGCTGTGGCCGCA
GTATTAATCAGCCTCATGTGGGTTTGTAATAAGTGTGCATATAAATTTCAGAGGAAGAGAAGACACAAACTCAAAGGTAACCCCCTGGGCCTTGTGATAATCCATGAGTGGTTTTGAGGCCAGAGGTG
実施例5:クラスターH68654_1の説明
本発明は、LOC253012ポリペプチド、新規なスプライス変異体、並びにこれらを基にした診断薬および治療薬に関する。
本発明によると、クラスターH68654_1(内部ID76432882)は、10個の対象転写産物および3個の対象切片を特色とし、これらの名称を、それぞれ表62および63に示す。選ばれたタンパク質変異体を表64に示す。
表62:対象転写産物
表63:対象切片
表64:対象タンパク質
これらの配列は、公知のタンパク質、仮説に基づいたタンパク質LOC253012アイソフォーム1(RefSeq受入番号NP_001034461(配列番号35)、NP_937794(配列番号36))の変異体であり、本明細書では、既知タンパク質と呼ぶ。
公知のLOC253012は、新規なヒト分泌タンパク質および膜貫通タンパク質を識別するための大規模な取り組みである分泌タンパク質発見戦略プロジェクト(secreted protein discovery initiative project)(SPDI)において計算によって発見された仮説に基づいたタンパク質である(Clark et al 2003, Genome Res. 13: 2265‐2270)。実験的に確認されたその最も近いパラログは、肝細胞接着分子である(Refseq受入番号NP_689935)(E値 e−21)。
LOC253012抗原は、Genentech Inc.に割り当てられた欧州特許出願番号EP162070に報告されており、H68654_1_P2(配列番号35)に対応するLOC253012(PRO346)が、肺腫瘍試料にて差次的発現されると表明している。この特許明細書では、対応するポリペプチドを、PRO346を含む開示されたPRO抗原に対する抗体の開発に用いることができると主張している。この特許出願では、さらに、PRO346を含むそこで報告されたポリペプチドの類に対する抗体が、癌の治療および診断、具体的には肺癌の診断および治療に用いられ得ることも示唆している。しかし、このGenentechの特許出願では、LOC253012(PRO346)が小細胞肺癌中において差次的発現されることについては教示していない。さらに、Genentech Inc.の特許出願では、抗PRO346抗体を、小細胞肺癌の治療および/またはAPC/T細胞活性の共刺激の調節に用いることができることに関する具体的な教示はない。さらに、Genentech Inc.の特許出願では、PRO346が免疫共刺激タンパク質、またはより具体的にはB7ファミリーメンバーであるという教示はない。Genentech Inc.の特許出願では、免疫共刺激、または特
にB7共刺激経路の調節のための、PRO346抗原に対する抗体の使用に関する教示はない。
本発明によると、LOC253012は、新規な免疫共刺激タンパク質、特にB7共刺激タンパク質であると予想された。この予想は、B7ファミリーメンバーに特徴的な構造特性であるIgV領域およびIgC2の両方が存在することに基づくものであった。他のB7メンバーと同様に、LOC253012もタイプI膜タンパク質である。LOC253012およびその変異体は、本発明おいて、肺癌にて過剰発現されることが実証された。
本明細書にて実施例1で述べたMEDディスカバリーエンジンを用いて、LOC253012転写産物の発現を評価した。LOC253012遺伝子データを代表するAffymetrixプローブセット242601_atに対する発現データを図29に示す。図29に示す分散図から明らかなように、上記のプローブセットで検出可能であるLOC253012転写産物の発現は、正常肺試料と比較して肺癌の方が高かった。
上記で示すように、クラスターH68654は、上記の表62に列挙された10個の転写産物を特色とする。これらの転写産物は、タンパク質、仮説に基づいたタンパク質LOC253012アイソフォーム1(配列番号35)の変異体であるタンパク質をコードする。ここで本発明の各々の変異体タンパク質について説明する。
本発明の変異体タンパク質H68654_1_P2(配列番号35)は、転写産物H68654_1_T0(配列番号25)およびH68654_1_T5(配列番号27)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H68654_1_P2(配列番号35)は、表65に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した。)
表65:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表66に示す:
表66:InterPro領域
転写産物H68654_1_T0(配列番号25)のコーディング部は、ポジション79で始まり、ポジション1464で終わる。また、この転写産物は、表67に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表67:核酸SNP
転写産物H68654_1_T5(配列番号27)のコード部分は、79位で始まり、1464で終わる。また、この転写産物は、表68に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表68:核酸SNP
表69に示すように、タンパク質H68654_1_P2(配列番号35)のゲノム構造(タンパク質の細胞外領域に関連するエクソンの数、これらのエクソンの長さ、イントロンが挿入されたコドンのフレーム、および遺伝子構造内のタンパク質の特性および領域の位置)は、B7/共刺激タンパク質ファミリーのリガンドに特徴的である。
表69:ゲノム構造およびタンパク質特性
本発明の変異体タンパク質H68654_1_P5(配列番号36)は、転写産物H68654_1_T4(配列番号26)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H68654_1_P5(配列番号36)は、表70に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号36)。)
表70:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表71に示す:
表71:InterPro領域
変異体タンパク質H68654_1_P5(配列番号36)は、転写産物H68654_1_T4(配列番号26)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1451で終わる。また、この転写産物は、表72に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表72:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質H68654_1_P7(配列番号37)は、転写産物H6
8654_1_T8(配列番号28)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。H68654_1_P7(配列番号37)の、1つ以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図30Aおよび30Bに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.H68654_1_P7(配列番号37)並びに公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)間の比較報告(図30A):
A.H68654_1_P7(配列番号37)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)のアミノ酸1〜367に相当し、H68654_1_P7(配列番号37)のアミノ酸1〜367にも相当するMWLKVFTTFLSFATGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、H68654_1_P7(配列番号37)のアミノ酸368〜455に相当する配列GQKQNTGKLKHFQAMKMLWMTSEYMNLLLFQMFLVFPGSQAGLFQPLIVYRGKICTVQCMKLFSTSLPSSKTIQSELSWAKQYIRVKF(配列番号290)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第2のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P7(配列番号37)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P7(配列番号37)の配列GQKQNTGKLKHFQAMKMLWMTSEYMNLLLFQMFLVFPGSQAGLFQPLIVYRGKICTVQCMKLFSTSLPSSKTIQSELSWAKQYIRVKF(配列番号290)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
2.H68654_1_P7(配列番号37)および公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)間の比較報告(図30B):
A.H68654_1_P7(配列番号37)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、H68654_1_P7(配列番号37)のアミノ酸1〜14に相当する配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第1のアミノ酸配列と、公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)のアミノ酸27〜379に相当し、H68654_1_P7(配列番号
37)のアミノ酸15〜367にも相当するGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、H68654_1_P7(配列番号37)のアミノ酸368〜455に相当する配列GQKQNTGKLKHFQAMKMLWMTSEYMNLLLFQMFLVFPGSQAGLFQPLIVYRGKICTVQCMKLFSTSLPSSKTIQSELSWAKQYIRVKF(配列番号290)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P7(配列番号37)のヘッドをコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P7(配列番号37)の配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるポリペプチドを含む、ポリペプチド。
C.H68654_1_P7(配列番号37)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P7(配列番号37)の配列GQKQNTGKLKHFQAMKMLWMTSEYMNLLLFQMFLVFPGSQAGLFQPLIVYRGKICTVQCMKLFSTSLPSSKTIQSELSWAKQYIRVKF(配列番号290)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H68654_1_P7(配列番号37)は、表73に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号37)。)
表73:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表74に示す:
表74:InterPro領域
変異体タンパク質H68654_1_P7(配列番号37)は、転写産物H68654_1_T8(配列番号28)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1466で終わる。また、この転写産物は、表75に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表75:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質H68654_1_P12(配列番号38)は、転写産物H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、およびH68654_1_T18(配列番号32)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。H68654_1_P12(配列番号38)の、既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図30Cおよび30Dに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.H68654_1_P12(配列番号38)並びに公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)間の比較報告(図30C):
A.H68654_1_P12(配列番号38)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)のアミノ酸1〜413に相当し、H68654_1_P12(配列番号38)のアミノ酸1〜413にも相当するMWLKVFTTFLSFATGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKVIKQKLEGRPETEYRKAQTFSGHEDALDDFGIYEFVAFPDVSGVSRに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、H68654_1_P12(配列番号38)のアミノ酸414〜419に相当する配列VGFPSG(配列番号291)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも
85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第2のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P12(配列番号38)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P12(配列番号38)の配列VGFPSG(配列番号291)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
2.H68654_1_P12(配列番号38)及び公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)間の比較報告(図30D):
A.H68654_1_P12(配列番号38)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、H68654_1_P12(配列番号38)のアミノ酸1〜14に相当する配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第1のアミノ酸配列と、公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)のアミノ酸27〜425に相当し、H68654_1_P12(配列番号38)のアミノ酸15〜413にも相当するGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKVIKQKLEGRPETEYRKAQTFSGHEDALDDFGIYEFVAFPDVSGVSRに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、H68654_1_P12(配列番号38)のアミノ酸414〜419に相当する配列VGFPSG(配列番号291)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P12(配列番号38)のヘッドをコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P12(配列番号38)の配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるポリペプチドを含む、ポリペプチド。
C.H68654_1_P12(配列番号38)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P12(配列番号38)の配列VGFPSG(配列
番号291)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H68654_1_P12(配列番号38)は、表76に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号38)。)
表76:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表77に示す:
表77:InterPro領域
転写産物H68654_1_T15(配列番号29)のコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1358で終わる。また、この転写産物は、表78に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表78:核酸SNP
転写産物H68654_1_のコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1358で終わる。また、この転写産物は、表79に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表79:核酸SNP
転写産物H68654_1_T18(配列番号32)のコーディング部は、ポジション
102で始まり、ポジション1358で終わる。また、この転写産物は、表80に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表80:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質H68654_1_P13(配列番号39)は、転写産物H68654_1_T17(配列番号31)およびH68654_1_T19(配列番号33)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1つ以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図30Eおよび30Fに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.H68654_1_P13(配列番号39)並びに公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)間の比較報告(図30E):
A.H68654_1_P13(配列番号39)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)のアミノ酸1〜376に相当し、H68654_1_P13(配列番号39)のアミノ酸1〜376にも相当するMWLKVFTTFLSFATGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKVIKQKLEGRに対して少なくとも90%相同であるアミノ酸配列を含み、ここで、前記のおよび第1のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
2.H68654_1_P13(配列番号39)および公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)間の比較報告(図30F):
A.H68654_1_P13(配列番号39)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、H68654_1_P13(配列番号39)のアミノ酸1〜14に相当する配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第1のアミノ酸配列と、公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)のアミノ酸27〜388に相当し、H68654_1_P13(配列番号39)のアミノ酸15〜376にも相当するGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKVIKQKLEGRに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P13(配列番号39)のヘッドをコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P13(配列番号39)の配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるポリペプチドを含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H68654_1_P13(配列番号39)は、表81に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号39)。)
表81:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表82に示す:
表82:InterPro領域
転写産物H68654_1_T17(配列番号31)のコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1229で終わる。また、この転写産物は、表83に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表83:核酸SNP
転写産物H68654_1_T19(配列番号33)のコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1229で終わる。また、この転写産物は、表84に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表84:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質H68654_1_P14(配列番号40)は、転写産物H68654_1_T20(配列番号34)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図30Gおよび30Hに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.H68654_1_P14(配列番号40)並びに公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)間の比較報告(図30G):
A.H68654_1_P14(配列番号40)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_937794およびQ6UXI0_HUMAN(配列番号36)のアミノ酸1〜389に相当し、H68654_1_P14(配列番号40)のアミノ酸1〜389にも相当するMWLKVFTTFLSFATGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKVIKQKLEGRPETEYRKAQTFSGに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、H68654_1_P14(配列番号40)のアミノ酸390〜423に相当する配列FMLAAPSQREEEKKIWQGPGLLLCPHCNPHYHQY(配列番号292)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第2のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P14(配列番号40)の端部をコードする単離されたポリペ
プチドであって、H68654_1_P14(配列番号40)の配列FMLAAPSQREEEKKIWQGPGLLLCPHCNPHYHQY(配列番号292)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
2.H68654_1_P14(配列番号40)および公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)間の比較報告(図30H):
A.H68654_1_P14(配列番号40)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、H68654_1_P14(配列番号40)のアミノ酸1〜14に相当する配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第1のアミノ酸配列と、公知のタンパク質NP_001034461(配列番号35)のアミノ酸27〜401に相当し、H68654_1_P14(配列番号40)のアミノ酸15〜389にも相当するGACSGLKVTVPSHTVHGVRGQALYLPVHYGFHTPASDIQIIWLFERPHTMPKYLLGSVNKSVVPDLEYQHKFTMMPPNASLLINPLQFPDEGNYIVKVNIQGNGTLSASQKIQVTVDDPVTKPVVQIHPPSGAVEYVGNMTLTCHVEGGTRLAYQWLKNGRPVHTSSTYSFSPQNNTLHIAPVTKEDIGNYSCLVRNPVSEMESDIIMPIIYYGPYGLQVNSDKGLKVGEVFTVDLGEAILFDCSADSHPPNTYSWIRRTDNTTYIIKHGPRLEVASEKVAQKTMDYVCCAYNNITGRQDETHFTVIITSVGLEKLAQKGKSLSPLASITGISLFLIISMCLLFLWKKYQPYKVIKQKLEGRPETEYRKAQTFSGに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、H68654_1_P14(配列番号40)のアミノ酸390〜423に相当する配列FMLAAPSQREEEKKIWQGPGLLLCPHCNPHYHQY(配列番号292)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H68654_1_P14(配列番号40)のヘッドをコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P14(配列番号40)の配列MWLKVFTTFLSFAT(配列番号289)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるポリペプチドを含む、ポリペプチド。
C.H68654_1_P14(配列番号40)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H68654_1_P14(配列番号40)の配列FMLAAPSQREEEKKIWQGPGLLLCPHCNPHYHQY(配列番号292)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによ
る解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H68654_1_P14(配列番号40)は、表85に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号40)。)
表85:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表86に示す:
表86:InterPro領域
変異体タンパク質H68654_1_P14(配列番号40)は、転写産物H68654_1_T20(配列番号34)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション102で始まり、ポジション1370で終わる。また、この転写産物は、表87に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表87:核酸SNP
上述のように、クラスターH68654は、表63に列挙された3個の切片を特色とする。これらの切片は、特に興味の対象であるために本明細書において別に説明する核酸配列の一部である。ここで、本発明の各切片について説明する。
本発明の切片クラスターH68654_1_N3(配列番号123)は、24個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、次の転写産物に見られる:H68654_1_T0(配列番号25)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(配列番号31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、H68654_1_T20(配列番号34)、H68654_1_T4(配列番号26)、H68654_1_T5(配列番号27)、およびH68654_1_T8(配列番号28)。下記の表88は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表88:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターH68654_1_N7(配列番号124)は、20個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、次の転写産物に見られる:H68654_1_T0(配列番号25)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(配列番号31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、H68654_1_T20(配列番号34)、H68654_1_T4(配列番号26)、H68654_1_T5(配列番号27)、およびH68654_1_T8(配列番号28)。下記の表89は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表89:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターH68654_1_N12(配列番号125)は、18個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、次の転写産物に見られる:H68654_1_T0(配列番号25)、H68654_1_T15(配列番号29)、H68654_1_T16(配列番号30)、H68654_1_T17(配列番号31)、H68654_1_T18(配列番号32)、H68654_1_T19(配列番号33)、H68654_1_T20(配列番号34)、H68654_1_T4(配列番号26)、H68654_1_T5(配列番号27)、およびH68654_1_T8(配列番号28)。下記の表90は、各転写産物上のこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表90:転写産物上における切片の位置
正常および癌性肺組織、並びに異なる正常組織における、配列名H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現
seg3F2R2‐H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)アンプリコン、並びにプライマーH68654_seg3WTF2(配列番号224)およびH68654_seg3WTR2(配列番号225)によって、またはこれらに従って検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の発現は、肺パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表3および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
肺パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図31は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示した仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図31から明らかなように、小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出
可能である仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)よりも著しく高かった。特に、9小細胞癌試料中7試料にて、少なくとも80倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。
上記のアンプリコンによって検出可能である仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の、肺小細胞癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、3.24e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現80倍の閾値が、小細胞癌試料および正常試料の間で、P値7.49e−005で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−次に、図32に示すように、各RT試料の正規化された量を、肺試料(試料番号26、28、29、および30、上記の表2)の量の中間値で割り、肺試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H68654_seg3WTF2(配列番号224)順方向プライマー;およびH68654_seg3WTR2(配列番号225)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)
順方向プライマー>H68654_seg3WTF2(配列番号224):ATCACACACTGTCCATGGCGT
逆方向プライマー>H68654_seg3WTR2(配列番号225):GTCTCTCAAATAGCCATATGATCTGG
アンプリコン>H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)
ATCACACACTGTCCATGGCGTCAGAGGTCAGGCCCTCTACCTACCCGTCCACTATGGCTTCCACACTCCAGCATCAGACATCCAGATCATATGGCTATTTGAGAGAC
正常および癌性肺組織、並びに異なる正常組織における、配列名H68654_seg7‐12WT(配列番号223)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現
seg7‐12‐H68654_seg7‐12WT(配列番号223)アンプリコン、並びにプライマーH68654_seg7‐12WTF1(配列番号221)およびH68654_seg7‐12WTR1(配列番号222)によって、またはこれらに従って検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の発現は、肺
パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表3および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
肺パネル−非検出試料(試料番号30、41、78、および92、表3)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図33は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示した仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図33から明らかなように、小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能である仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)よりも著しく高く、数個の扁平上皮癌試料よりも高かった。特に、9小細胞癌試料中6試料、および24扁平上皮癌試料中4試料にて、少なくとも25倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能である仮説に基づいたタンパク質LOC253012転写産物の、肺小細胞癌試料および肺扁平上皮癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、それぞれ、1.24e−002および2.97e−002としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現25倍の閾値が、小細胞癌試料および正常試料の間で、P値4.74e−004で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−非検出試料(試料番号16)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、図34に示すように、各RT試料の正規化された量を、肺試料(試料番号26、28、29、および30、上記の表2)の量の中間値で割り、肺試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H68654_seg7‐12WTF1(配列番号221)順方向プライマー;およびH68654_seg7‐12WTR1(配列番号222)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H68654_seg7‐12WT(配列番号223)
順方向プライマー>H68654_seg7‐12WTF1(配列番号221):ATGGGCCTCGCTTAGAAGTTG
逆方向プライマー>H68654_seg7‐12WTR1(配列番号222):TT
CTGTGCAAGCTTCTCCAGTC
アンプリコン>H68654_seg7‐12WT(配列番号223):ATGGGCCTCGCTTAGAAGTTGCATCTGAGAAAGTAGCCCAGAAGACAATGGACTATGTGTGCTGTGCTTACAACAACATAACCGGCAGGCAAGATGAAACTCATTTCACAGTTATCATCACTTCCGTAGGACTGGAGAAGCTTGCACAGAA
血液特異的パネルにおける、配列名H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現
seg3‐H68654seg3F2R2(配列番号226)アンプリコン、並びにプライマーH68654seg3F2(配列番号224)およびH68654seg3R2(配列番号225)によって、またはこれらに従って検出可能である、LOC253012転写産物の発現は、血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表1に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記の表1)の量の中間値で割り、腎臓正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
本分析の結果を図35Aのヒストグラムに示す。上述のLOC253012転写産物の発現は、評価したほとんどの血液試料と異なり、腎臓正常、結腸正常、および小腸正常試料中で高い。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H68654_seg3WTF2順方向プライマー;およびH68654_seg3WTR2逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H68654_seg3WTF2R2
順方向プライマー>H68654_seg3WTF2:ATCACACACTGTCCATGGCGT(配列番号224)
逆方向プライマー>H68654_seg3WTR2:GTCTCTCAAATAGCCATATGATCTGG(配列番号225)
アンプリコン>H68654_seg3WTF2R2(配列番号226)
ATCACACACTGTCCATGGCGTCAGAGGTCAGGCCCTCTACCTACCCGTCCACTATGGCTTCCACACTCCAGCATCAGACATCCAGATCATATGGCTATTTGAGAGAC
血液特異的パネルにおける、配列名H68654seg7‐12(配列番号223)で示されるアンプリコンによって検出可能である、LOC253012 H68654転写
産物の発現
seg7‐12‐H68654seg7‐12WTF1R1(配列番号223)アンプリコン、並びにプライマーH68654seg7‐12WTF1(配列番号221)およびH68654seg7‐12WTR1(配列番号222)によって、またはこれらに従って検出可能である、LOC253012転写産物の発現は、血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表1に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた複数のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記の表1)の量の中間値で割り、腎臓正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
本分析の結果を図35Bのヒストグラムに示す。上述のLOC253012転写産物の発現は、評価した異なる血液試料と比較して、腎臓正常、結腸正常、および小腸正常試料の方が高い。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:seg7‐12WTF1順方向プライマー(配列番号221);およびseg7‐12WTR1逆方向プライマー(配列番号222)
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:seg7‐12WTF1R1(配列番号223)
順方向プライマー>H68654_seg7‐12WTF1(配列番号221)
ATGGGCCTCGCTTAGAAGTTG
逆方向プライマー>H68654_seg7‐12WTR1(配列番号222)
TTCTGTGCAAGCTTCTCCAGTC
アンプリコン>H68654_seg7‐12WT(配列番号223)
ATGGGCCTCGCTTAGAAGTTGCATCTGAGAAAGTAGCCCAGAAGACAATGGACTATGTGTGCTGTGCTTACAACAACATAACCGGCAGGCAAGATGAAACTCATTTCACAGTTATCATCACTTCCGTAGGACTGGAGAAGCTTGCACAGAA
正常および癌性肺組織における、配列名H68654_seg0‐3(配列番号229)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現
seg0‐3‐H68654_seg0‐3(配列番号229)アンプリコン、並びにプライマーH68654_seg0‐3F1(配列番号227)およびH68654_seg0‐3R1(配列番号228)によって、またはこれらに従って検出可能である、LOC253012転写産物の発現は、肺パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表3に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリ
コンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜54、56〜64、69、および70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図36は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示したLOC253012転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図36から明らかなように、扁平上皮癌試料および小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるLOC253012転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51〜54、56〜64、69、および70、上記の表3)よりも著しく高かった。特に、21扁平上皮癌試料中6試料、および9小細胞癌試料中8試料にて、少なくとも5倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるLOC253012転写産物の、肺扁平上皮癌試料および肺小細胞癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、それぞれ、4.96e−002および1.05e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現5倍の閾値が、扁平上皮癌試料および小細胞癌試料並びに正常試料の間で、それぞれ2.79e−002および1.22e−005のP値で、差を生じることが分かった。上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H68654_seg0‐3F1(配列番号227)順方向プライマー;およびH68654_seg0‐3R1(配列番号228)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H68654_seg0‐3F1R1(配列番号229)
順方向プライマー>H68654_seg0‐3F1(配列番号227)
GCTTTCATGGAGCCCTTCG
逆方向プライマー>H68654_seg0‐3R1(配列番号228)
GCCTGACCTCTGACGCCA
アンプリコン>H68654_seg0‐3F1R1(配列番号229)
GCTTTCATGGAGCCCTTCGGTGACACACTTGGGGTCTTTCAGTGCAAAATATACCTCCTTCTCTTCGGTGCTTGCTCGGGGCTGAAGGTGACAGTGCCATCACACACTGTCCATGGCGTCAGAGGTCAGGC
正常および癌性肺組織における、配列名H68654_seg2‐3(配列番号232)で示されるアンプリコンによって検出可能である、仮説に基づいたタンパク質LOC253012 H68654転写産物の発現
seg2‐3‐H68654_seg2‐3(配列番号232)アンプリコン、並びにプライマーH68654_seg2‐3F1(配列番号230)およびH68654_seg2‐3R1(配列番号231)によって、またはこれらに従って検出可能である、LOC253012転写産物の発現は、肺パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表3に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51、52、54〜64、69、および70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図37は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示したLOC253012転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図37から明らかなように、小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるLOC253012転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51、52、54〜64、69、および70、上記の表3)よりも著しく高かった。特に、9小細胞癌試料中7試料にて、少なくとも8倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるLOC253012転写産物の、肺小細胞癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、1.93e−002としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現8倍の閾値が、小細胞癌試料および正常試料の間で、P値1.04e−004で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H68654_seg2‐3F1(配列番号230)順方向プライマー;およびH68654_seg2‐3R1(配列番号231)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H68654_seg2‐3F1R1(配列番号232)
順方向プライマー>H68654_seg2‐3F1(配列番号230)
CTCTGCATTTGCCCCTTTAGA
逆方向プライマー>H68654_seg2‐3R1(配列番号231)
GATGGCACTGTCACCTTCAGC
アンプリコン>H68654_seg2‐3F1R1(配列番号232)
CTCTGCATTTGCCCCTTTAGATTGTGAAATGTGGCTCAAGGTCTTCACAACTTTCCTTTCCTTTGCAACAGGTGCTTGCTCGGGGCTGAAGGTGACAGTGCCATC
実施例6:クラスターH19011_1の説明
本発明は、C1ORF32ポリペプチド、新規なスプライス変異体、並びにこれらを基にした診断薬および治療薬に関する。
本発明によると、クラスターH19011_1(内部ID76432827)は、2個の対象転写産物および5個の対象切片を特色とし、これらの名称を、それぞれ表91および92に示す。選ばれたタンパク質変異体を表93に示す。
表91:対象転写産物
表92:対象切片
表93:対象タンパク質
これらの配列は、本明細書にて既知タンパク質と称する公知のタンパク質、仮説に基づ
いたタンパク質LOC387597(RefSeq受入番号NP_955383(配列番号47)、別称:C1ORF32、NP_955383;LISCH‐様;RP4‐782G3.2;dJ782G3.1)の変異体である。
C1ORF32は、1番染色体のアノテーションの際に計算によって発見された仮説に基づいたタンパク質である(Gregory SG et al. 2006, Nature 441 (7091) 315‐321)。その最も近いアノテーションされたホモログは、免疫グロブリンスーパーファミリーのサブファミリーであるLISCH7ファミリーに属する。このファミリーのアノテーションされたメンバーの一つは、血液からのトリグリセリドリッチなリポタンパク質のクリアランスにおいて役割をもつと考えられるリポリーシス刺激リポタンパク質受容体(lipolysis‐stimulated
lipoprotein receptor)である(受託番号Q86X29のSwissprotアノテーション)。
本発明によると、C1ORF32は、他の公知のB7メンバーと同様に、タイプI膜タンパク質であることに加えて、IgV領域が存在することに基づき、新規なB7/CD28メンバーであると予想された。さらに、野生型のC1ORF32とは最初の5個のエクソンを共有するだけである、選択的にスプライスされた本発明の2個の変異体(H19011_1_P8(配列番号48)およびH19011_1_P9(配列番号50))は、そのエクソンのサイズ、並びにこれらのエクソン内でのIgVおよび膜貫通領域の位置に関して公知のB7ファミリーメンバーと類似している。さらに、C1ORF32は、本発明において、小細胞肺癌で過剰発現されることが示された。
上述のように、クラスターH19011は、上記の表91に列挙された2個の転写産物を特色とする。これらの転写産物は、タンパク質、仮説に基づいたタンパク質LOC387597(配列番号47)の変異体であるタンパク質をコードする。ここで本発明の各々の変異体タンパク質について説明する。
本発明の変異体タンパク質H19011_1_P8(配列番号48)は、転写産物H19011_1_T8(配列番号45)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1つ以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図38Aに示す。本発明の変異体タンパク質の、そのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
H19011_1_P8(配列番号48)並びに公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)間の比較報告(図38A):
A.H19011_1_P8(配列番号48)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸1〜158に相当し、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸1〜158にも相当するMDRVLLRWISLFWLTAMVEGLQVTVPDKKKVAMLFQPTVLRCHFSTSSHQPAVVQWKFKSYCQDRMGESLGMSSTRAQSLSKRNLEWDPYLDCLDSRRTVRVVASKQGSTVTLGDFYRGREITIVHDADLQIGKLMWGDSGLYYCIITTPDDLEGKNEに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸159に相当する架橋アミノ酸Gと、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸160〜160に相当し、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸160〜160にも相当するSに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸161〜162に相
当する架橋アミノ酸LGと、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸163〜229に相当し、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸163〜229にも相当するLLVLGRTGLLADLLPSFAVEIMPEWVFVGLVLLGVFLFFVLVGICWCQCCPHSCCCYVRCPCCPDSCに対して少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列と、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸230に相当する架橋アミノ酸Wと、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸231〜234に相当し、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸231〜234にも相当するCPQAに対して少なくとも90%相同である第4のアミノ酸配列と、H19011_1_P8(配列番号48)のアミノ酸235〜254に相当する配列CEYSDRWGDRAIERNVYLST(配列番号293)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第5のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、架橋アミノ酸、第2のアミノ酸配列、架橋アミノ酸、第3のアミノ酸配列、架橋アミノ酸、第4のアミノ酸配列、および第5のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H19011_1_P8(配列番号48)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H19011_1_P8(配列番号48)の配列CEYSDRWGDRAIERNVYLST(配列番号293)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H19011_1_P8(配列番号48)は、表94に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号48)。)代替アミノ酸をもつ(以下のSNPの一部を用いて)作製されたそのような推定配列の例を、H19011_1_P8_V1(配列番号49)の名称で示す。
表94:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質は、InterProを用いて決定したところ、次の領域をもつ。その領域を表95に示す:
表95:InterPro領域
変異体タンパク質H19011_1_P8(配列番号48)は、転写産物H19011_1_T8(配列番号45)によってコードされ、そのコーディング部はポジション181で始まり、ポジション942で終わる。また、この転写産物は、表96に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表96:核酸SNP
表97に示すように、タンパク質H19011_1_P8(配列番号48)のゲノム構造(タンパク質の細胞外領域に関連するエクソンの数、これらのエクソンの長さ、イントロンが挿入されたコドンのフレーム、および遺伝子構造内のタンパク質の特性および領域の位置)は、B7/共刺激タンパク質ファミリーのリガンドに特徴的である。
表97:ゲノム構造およびタンパク質特性
本発明の変異体タンパク質H19011_1_P9(配列番号50)は、転写産物H19011_1_T9(配列番号46)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1つ以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図38Bに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
H19011_1_P9(配列番号50)並びに公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)間の比較報告(図38B):
A.H19011_1_P9(配列番号50)をコードする単離されたキメラポリペプ
チドであって、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸1〜158に相当し、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸1〜158にも相当するMDRVLLRWISLFWLTAMVEGLQVTVPDKKKVAMLFQPTVLRCHFSTSSHQPAVVQWKFKSYCQDRMGESLGMSSTRAQSLSKRNLEWDPYLDCLDSRRTVRVVASKQGSTVTLGDFYRGREITIVHDADLQIGKLMWGDSGLYYCIITTPDDLEGKNEに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸159に相当する架橋アミノ酸Gと、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸160〜160に相当し、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸160〜160にも相当するSに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸161〜162に相当する架橋アミノ酸LGと、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸163〜166に相当し、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸163〜166にも相当するLLVLに対して少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列と、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸186〜229に相当し、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸167〜210にも相当するEWVFVGLVLLGVFLFFVLVGICWCQCCPHSCCCYVRCPCCPDSCに対して少なくとも90%相同である第4のアミノ酸配列と、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸211に相当する架橋アミノ酸Wと、公知のタンパク質Q71H61_HUMANおよびNP_955383(配列番号47)のアミノ酸231〜234に相当し、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸212〜215にも相当するCPQAに対して少なくとも90%相同である第5のアミノ酸配列と、H19011_1_P9(配列番号50)のアミノ酸216〜235に相当する配列CEYSDRWGDRAIERNVYLST(配列番号293)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第6のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、架橋アミノ酸、第2のアミノ酸配列、架橋アミノ酸、第3のアミノ酸配列、第4のアミノ酸配列、架橋アミノ酸、第5のアミノ酸配列、および第6のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.H19011_1_P9(配列番号50)の端部をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、長さ「n」をもつポリペプチドを含み、ここで、nが、少なくとも長さ約10アミノ酸、任意選択で少なくとも長さ約20アミノ酸、好ましくは少なくとも長さ約30アミノ酸、より好ましくは少なくとも長さ約40アミノ酸、そして最も好ましくは少なくとも長さ約50アミノ酸であり、ここで、少なくとも2個のアミノ酸がLEを含み、以下の構造:166−xから166までのいずれかのアミノ酸番号から始まり、167+((n−2)−x)のいずれかのアミノ酸番号で終わる(ここで、xは0からn−2まで変動する)配列、をもつ、キメラポリペプチド。
C.H19011_1_P9(配列番号50)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、H19011_1_P9(配列番号50)の配列CEYSDRWGDRAIERNVYLST(配列番号293)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによ
る解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質H19011_1_P9(配列番号50)は、表98に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号50)。)
表98:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質H19011_1_P9(配列番号50)は、転写産物H19011_1_T9(配列番号46)によってコードされ、そのコーディング部はポジション181で始まり、ポジション885で終わる。また、この転写産物は、表99に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表99:核酸SNP
上述のように、クラスターH19011は、上記の表92に列挙された5個の切片を特色とする。これらの切片は、特に興味の対象であるために本明細書において別に説明する核酸配列の一部である。ここで、本発明の各切片について説明する。
本発明の切片クラスターH19011_1_N13(配列番号129)は、3個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:H19011_1_T8(配列番号45)およびH19011_1_T9(配列番号46)。下記の表100は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表100:転写産物上における切片の位置
本発明の任意選択の実施形態によると、上記のクラスターに関連する短い切片も、また提供される。これらの切片は、約120bpまでの長さであり、別の明細書に含まれる。
本発明の切片クラスターH19011_1_N8(配列番号130)は、4個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:H19011_1_T8(配列番号45)。下記の表101は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表101:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターH19011_1_N10(配列番号131)は、4個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:H19011_1_T8(配列番号45)およびH19011_1_T9(配列番号46)。下記の表102は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表102:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターH19011_1_N11(配列番号132)は、3個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:H19011_1_T8(配列番号45)およびH19011_1_T9(配列番号46)。下記の表103は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表103:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターH19011_1_N12(配列番号133)は、5個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:H19011_1_T8(配列番号45)およびH19011_1_T9(配列番号46)。下記の表104は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表104:転写産物上における切片の位置
正常および癌性結腸組織、正常および癌性肺組織、並びに異なる正常組織における、配列名H19011_seg13F2R2(配列番号235)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、1番染色体オープンリーディングフレーム32、H19011転写産物の発現
seg13‐H19011_seg13F2R2(配列番号235)アンプリコン、並びにプライマーH19011_seg13F2(配列番号233)およびH19011_seg13R2(配列番号234)によって、またはこれらに従って検出可能である、C1ORF32、1番染色体オープンリーディングフレーム32転写産物の発現は、結腸パネル、肺パネル、および正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表5、表3、および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
結腸パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号42〜70、上記の表5)の量の中間値で割った。そして、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図39は、正常試料と比較した癌性結腸試料における上記で示したC1ORF32転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図39から明らかなように、癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号42〜70、上記の表5)よりも著しく低かった。特に、55腺癌試料中17試料にて、少なくとも6倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の、結腸癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、9.36e−004としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御6倍の閾値が、癌試料および正常試料の間で、P値2.67e−004で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
肺パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図40は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示したC1ORF32転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図40から明らかなように、小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)よりも著しく高かった。特に、9小細胞癌試料中9試料にて、少なくとも6倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。
上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の、肺小細胞癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、3.43e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現6倍の閾値が、小細胞癌試料および正常試料の間で、P値4.89e−007で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−次に、図41Aに示すように、各RT試料の正規化された量を、結腸試料(試料番号3、4、および5、上記の表2)の量の中間値で割り、結腸試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。次に、図41Bに示すように、各RT試料の正規化された量を、肺試料(試料番号26、28、29、および30、上記の表2)の量の中間値で割り、肺試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H19011_seg13F2(配列番号233)順方向プライマー;およびH19011_seg13R2(配列番号234)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H19011_seg13F2R2(配列番号235)
順方向プライマー>H19011_seg13F2(配列番号233):GTGAGTACAGTGACCGCTGGG
逆方向プライマー>H19011_seg13R2(配列番号234):GGAGAAGAGTCTGGAATGACCAA
アンプリコン>H19011_seg13F2R2(配列番号235)
GTGAGTACAGTGACCGCTGGGGAGACAGAGCGATCGAGAGAAATGTCTACCTCTCTACCTGACAGCTGTGTGCGCTGGGTTCCTCCTCCACCTCCTGTCCTGCCACCCCCAAGATTGGTCATTCCAGACTCTTCTCC
正常および癌性肺組織における、配列名H19011_seg8‐13F1R1(配列番号238)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、1番染色体オープンリーディングフレーム32、H19011転写産物の発現
seg8‐13F1R1‐H19011_seg8‐13F1R1(配列番号238)アンプリコン、並びにプライマーH19011_seg8‐13F1(配列番号236)およびH19011_seg8‐13R1(配列番号237)によって、またはこれらに従って検出可能である、C1ORF32、1番染色体オープンリーディングフレーム32、転写産物の発現は、肺パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、上記の表3に詳細を示す。アンプリコンの検出を示さなかった試料(試料番号1、2、4〜10、12〜27、29〜35、37〜41、51〜64、および69〜70、表3)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。これらの試料は、特徴的な解離曲線および著しく低いTMをもつプライマー‐ダイマー産物を示した(この人為産物は、RT試料を有さないネガティブコントロール中に出現することによって識別された)。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図42は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示したC1ORF32転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図42から明らかなように、小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51〜64および69〜70、上記の表3)よりも著しく高かった。特に、9小細胞癌試料中9試料にて、少なくとも500倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の、肺小細胞癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、6.70e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現500倍の閾値が、小細胞癌試料および正常試料の間で、P値4.89e−007で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H19011_seg8‐13F1(配列番号236)順方向プライマー;およびH19011_seg8‐13R1(配列番号237)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H19011_seg8‐13F1R1(配列番号238)。
順方向プライマー>H19011_seg8‐13F1(配列番号236):GCCCAGTTTTGCTGTGGAGA
逆方向プライマー>H19011_seg8‐13R1(配列番号237):GGTAGACATTTCTCTCGATCGCTC
アンプリコン>H19011_seg8‐13F1R1(配列番号238)
GCCCAGTTTTGCTGTGGAGATTATGCCAGAGTGGGTGTTTGTTGGCCTGGTGCTCCTGGGCGTCTTCCTCTTCTTCGTCCTGGTGGGGATCTGCTGGTGCCAGTGCTGCCCTCACAGCTGCTGCTGCTATGTCCGCTGCCCATGCTGCCCAGATTCCTGCTGGTGCCCTCAAGCCTGTGAGTACAGTGACCGCTGGGGAGACAGAGCGATCGAGAGAAATGTCTACC
正常および癌性肺組織、正常および癌性結腸組織、異なる正常組織、並びに血液特異的パネルにおける、配列名H19011_junc8‐10seg13(配列番号241)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、1番染色体オープンリーディングフレーム32、H19011転写産物の発現
junc8‐10seg13‐H19011_junc8‐10seg13(配列番号241)アンプリコン、並びにプライマーH19011_junc8‐10seg13F1(配列番号239)およびH19011_junc8‐10seg13R1(配列番号240)によって、またはこれらに従って検出可能である、C1ORF32転写産物の発現は、肺パネル、結腸パネル、正常パネル、および血液パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表3、表5、表2、および表1に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
肺パネルについて−非検出試料(試料番号69、表3)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51、53、54、56、57、59、61、62、64、および70、上記の表3)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図43は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示したC1ORF32転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図43から明らかなように、小細胞癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51、53、54、56、57、59、61、62、64、および70、上記の表3)よりも著しく高かった。特に、9小細胞癌試料中9試料にて、少なくとも7倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。
上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の、肺小細胞癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、2.34e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現7倍の閾値が、小細胞癌試料および正常試料の間で、P値1.08e−005で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
結腸パネルについて−非検出試料(試料番号79、表5)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号42〜62および65〜70、上記の表5)の量の中間値で割った。次に、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図44は、正常試料と比較した癌性結腸試料における上記で示したC1ORF32転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図44から明らかなように、癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号42〜62および65〜70、上記の表5)よりも著しく低かった。特に、36腺癌試料中15試料にて、少なくとも5倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御5倍の閾値が、癌試料および正常試料の間で、P値4.29e−004で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネルについて−非検出試料(試料番号42および49、表2)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、図45Aに示すように、各RT試料の正規化された量を、結腸試料(試料番号4および5、上記の表2)の量の中間値で割り、結腸試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。次に、図45Bに示すように、各RT試料の正規化された量を、肺試料(試料番号26、29、および30、上記の表2)の量の中間値で割り、肺試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
血液パネルについて−各RT試料の正規化された量を、腎臓正常試料(試料番号65〜67、上記の表1)の量の中間値で割り、腎臓正常試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
この分析の結果を図46のヒストグラムに示す。上述のC1ORF32転写産物の発現は、一つのリンパ腫試料(試料番号33、表1)で高いが、正常脳試料でも高い。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H19011_junc8‐10seg13F1(配列番号239)順方向プライマー;およびH19011_junc8‐10seg13R1(配列番号240)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H19011_junc8‐10seg13F1R1(配列番号241)
順方向プライマー>H19011_junc8‐10seg13F1(配列番号239)
TGTGGAGATTATGCCAGAGTGG
逆方向プライマー>H19011_junc8‐10seg13R1(配列番号240)
GACATTTCTCTCGATCGCTCTGT
アンプリコン>H19011_junc8‐10seg13F1R1(配列番号241)
TGTGGAGATTATGCCAGAGTGGGTGTTTGTTGGCCTGGTGCTCCTGGGCGTCTTCCTCTTCTTCGTCCTGGTGGGGATCTGCTGGTGCCAGTGCTGCCCTCACAGCTGCTGCTGCTATGTCCGCTGCCCATGCTGCCCAGATTCCTGCTGGTGCCCTCAAGCCTGTGAGTACAGTGACCGCTGGGGAGACAGAGCGATCGAGAGAAATGTC
正常および癌性肺組織、並びに正常および癌性結腸組織中における、配列名H19011_junc6‐10(配列番号244)で示されるアンプリコンによって検出可能である、C1ORF32、1番染色体オープンリーディングフレーム32、H19011転写
産物の発現
junc6‐10‐H19011_junc6‐10F1R1(配列番号244)アンプリコン、並びにプライマーH19011_junc6‐10F1(配列番号242)およびH19011_junc6‐10R1(配列番号243)によって、またはこれらに従って検出可能である、C1ORF32転写産物の発現は、肺パネルおよび結腸パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表3および表5に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
肺パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号51〜64、69、および70、上記の表3)の量の中間値で割った。次に、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図47は、正常試料と比較した癌性肺試料における上記で示したC1ORF32転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図47から明らかなように、非小細胞癌試料、腺癌および扁平上皮癌において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号51〜64、69、および70、上記の表3)よりも著しく低かった。特に、39非小細胞癌試料中23試料にて、とりわけ、17腺癌試料中8試料および16扁平上皮癌試料中12試料にて、少なくとも5倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の、肺非小細胞癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、それぞれ、1.18e−003、2.87e−002、および3.55e−004としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御5倍の閾値が、肺非小細胞癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌試料並びに正常試料の間で、それぞれ1.59e−003、3.54e−002、および4.78e−004のP値で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
結腸パネル−次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号42〜70、上記の表5)の量の中間値で割った。次に、この比の逆数を算出し、正常試料の中間値に対して各試料が何倍下方制御されたかの値を得た。
図48は、正常試料と比較した癌性結腸試料における上記で示したC1ORF32転写産物の下方制御を示すヒストグラムである。
図48から明らかなように、癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるC1ORF32転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号42〜70、上記の表5)よりも著しく低かった。特に、55腺癌試料中23試料にて、少なくとも9倍の下方制御が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、下方制御9倍の閾値が、癌試料および正常試料の間で、P値7.39e−006で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:H19011_junc6‐10F1(配列番号242)順方向プライマー;およびH19011_junc6‐10R1(配列番号243)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:H19011_junc6‐10F1R1(配列番号244)
順方向プライマー>H19011_junc6‐10F1(配列番号242)
ACTCTATTACTGTATTATCACCACCCCAG
逆方向プライマー>H19011_junc6‐10R1(配列番号243)
CCAACAAACACCCACTCCAAC
アンプリコン>H19011_junc6‐10F1R1(配列番号244)
ACTCTATTACTGTATTATCACCACCCCAGATGACCTGGAGGGGAAAAATGAGGGCTCACTGGGACTGCTGGTGTTGGAGTGGGTGTTTGTTGG
実施例7:クラスターR31375の説明
本発明は、特異的抗原FXYD3、並びに関連する診断薬およびそれに基づく治療薬に関する。
本発明によると、クラスターR31375(内部ID 72360301)は、19個の対象転写産物および4個の対象切片を特色とし、これらの名称を、それぞれ表105および106に示した。選ばれたタンパク質変異体を表107に示す。
表105:対象転写産物
表106:対象切片
表107:対象タンパク質
これらの配列は、公知のタンパク質FXYDドメイン含有イオン輸送レギュレータ3前駆体(FXYD domain‐containing ion transport regulator 3 precursor)(SwissProt受入番号FXYD3_HUMAN(配列番号70);塩素コンダクタンスインデューサータンパク質(Chloride conductance inducer protein)Mat‐8;乳房腫瘍(Mammary tumor)8kDaタンパク質;ホスホレマン様(Ph
ospholemman‐like)、の別称でも知られる)の変異体であり、本明細書では既知タンパク質と呼ぶ。
FXYD3は、マウス乳腺腫瘍中のneuまたはHa‐Ras発癌遺伝子によって誘導される遺伝子群内で過去に識別され、Mat‐8(乳房腫瘍、8kDa)と命名された(Morrison et al 1995)。正常組織中では、FXYD3は、子宮、胃、結腸、および皮膚内で主に発現される(Morrison et al 1995)。その発現は、ヒト原発性乳腺腫瘍、並びに前立腺癌および膵管腺癌中にて上昇することが発見された(Grzmil et al 2004, Kayed et al 2006)。siRNAによって前立腺癌細胞株中でその発現が特異的に阻害されることにより、細胞増殖における役割が示唆される(Grzmil et al 2004)。
FXYD3は、FXYDファミリータンパク質に属する。このファミリーの7種類の公知のメンバーはすべて、FXYDモチーフを含む6アミノ酸の共通する特徴をもつ低分子膜タンパク質である。ヒトFXYD3を含むほとんどのFXYDタンパク質は、膜貫通ドメインおよび開裂性シグナルペプチドをもつタイプI膜タンパク質である。しかし、マウスFXYD3のシグナルペプチドは開裂されず、このシグナルペプチドは、第2の膜貫通ドメインとして作用し得る(Crambert et al 2005, Geering 2006)。FXYDファミリーのその他のメンバーと同様に、FXYD3は、組織に特異的な方法で、Na/K‐ATPアーゼと相互作用し、その活性を調節する(Crambert et al 2005, Arimochi et al 2007, Geering 2006)。
FXYD3の2種類のスプライス変異体アイソフォームが過去に報告されている(Bibert et al 2006)。これらは、膜貫通ドメイン後のフレーム挿入における26のアミノ酸が異なり、細胞分裂の際に差次的発現される。さらに、両アイソフォーム共に、安定的にNa/K‐ATPアーゼと会合することができ、このATPアーゼの活性の制御において異なる機能的役割を担っている(Bibert et al 2006)。
さらに、国際公開第2003101283号が、本発明と関連し得る。このPCT出願は、R31375_P0(配列番号70)(本明細書にて報告する野生型FXYD3核酸コード配列)が、ヒト肺癌のための診断マーカーとして使用可能であるとするタンパク質配列をコードする差次的発現される核酸であることを開示すると主張している。
さらに、国際公開第2003000012号は、本明細書で開示するR31375‐P0(野生型)に対応すると思われるタンパク質#12と称される、ヒト乳癌と関連するタンパク質を開示すると主張している。さらに、米国特許第7,189,507号は、遺伝子配列の長い表中に、R31375_P0(配列番号70)に対応すると思われるMAT8と称される遺伝子を開示している。この表は、この遺伝子が卵巣癌中で発現され得ることを示唆していると思われる。
タンパク質FXYDドメイン含有イオン輸送制御因子3前駆体(配列番号70)は、以下の機能をもつことが公知であるか、またはもつと考えられる:アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞中で発現された場合に、過分極活性化塩素イオン流(hyperpolarization‐activated chloride current)を誘発する。内在性卵母細胞チャネルを活性化する能力をもつ修飾因子であり得る。この配列に対する公知の多型を表108に示す。
表108:公知のタンパク質に対するアミノ酸突然変異
タンパク質FXYDドメイン含有イオン輸送制御因子3前駆体(配列番号70)の局在は、膜であり;膜を1回貫通するタイプI膜タンパク質(Potential)であると考えられる。
以下のGOアノテーションが、既知のタンパク質に適用される。以下のアノテーションが発見された:塩素イオン輸送、これは生物的プロセスに関連するアノテーション;塩素イオンチャネル活性、これは分子機能に関連するアノテーション;および、細胞膜への一体化、これは細胞成分に関連するアノテーション。
このGO割り当て(GO assignment)は、<http://www.expasy.ch/sprot/>より利用可能であるSwissProt/TremBlタンパク質知識ベース;または、<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/LocusLink/>より利用可能であるLocuslink、の1若しくは2つ以上からの情報に基づいている。
本発明によると、新規なFXYD3スプライス変異体は、癌において過剰発現されると予想される膜結合タンパク質として識別された。FXYD3は、タイプI膜結合タンパク質であり(Bibert et. al Al 2006)、本発明によると、このタンパク質の3種類の新規なスプライス変異体が提供される。本明細書においてR31375_P14(配列番号72)と称する新規なスプライス変異体は、その細胞外領域内に追加のインフレームエクソン(in‐frame exon)をもつ。このエクソンの追加により、細胞外領域の長さが298アミノ酸分長くなり、これは、野生型タンパク質の18アミノ酸という比較的短い細胞外ドメインに対して重要な意味を持つ追加である。本明細書においてR31375_P31(配列番号73)と称する新規なスプライス変異体は、FXYD3の膜近傍ドメイン内に追加のインフレームエクソンを有し、これは、細胞内領域に26の新しいアミノ酸を追加する。本明細書においてR31375_P33(配列番号74)と称する新規なスプライス変異体は、野生型FXYD3の第3のコードエクソンがとばされており、R31375_P31(配列番号73)と同様に、膜近傍ドメイン内に追加のインフレームエクソンをもつ。このことにより、外部ドメイン内における8個のアミノ酸の欠失が引き起こされる。
本発明によると、FXYD3およびR31375_P14(配列番号72)は、卵巣癌内にて過剰発現されることが示された。
上述のように、クラスターR31375は、19個の転写産物を特色とし、これらを上記の表105に示した。これらの転写産物は、タンパク質FXYDドメイン含有イオン輸送制御因子3前駆体(配列番号70)の変異体であるタンパク質をコードする。本発明の各変異体タンパク質について説明する。
本発明の変異体タンパク質R31375_P0(配列番号70)は、転写産物R31375_T0(配列番号51)、R31375_T1(配列番号52)、R31375_T10(配列番号61)、R31375_T11(配列番号62)、R31375_T12(配列番号63)、R31375_T13(配列番号64)、R31375_T2(配列番号53)、R31375_T3(配列番号54)、R31375_T4(配列番号55)、R31375_T5(配列番号56)、R31375_T6(配列番号57)、R31375_T7(配列番号58)、R31375_T8(配列番号59)、およびR31375_T9(配列番号60)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。
変異体タンパク質の局在を、SignalPおよび他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質R31375_P0(配列番号70)は、表109に列挙される、次のノンサイレントSNP(一塩基多型)(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号70)。)をもつ。
表109:アミノ酸突然変異
転写産物R31375_T0(配列番号51)のコーディング部は、ポジション491で始まり、ポジション751で終わる。また、転写産物は、表110に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表110:核酸SNP
転写産物R31375_T1(配列番号52)のコーディング部は、ポジション795で始まり、ポジション1055で終わる。また、転写産物は、表111に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表111:核酸SNP
転写産物R31375_T10(配列番号61)のコーディング部は、ポジション1826で始まり、ポジション2086で終わる。また、転写産物は、表112に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表112:核酸SNP
転写産物R31375_T11(配列番号62)のコーディング部は、ポジション613で始まり、ポジション873で終わる。また、転写産物は、表113に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表113:核酸SNP
転写産物R31375_T12(配列番号63)のコーディング部は、ポジション711で始まり、ポジション971で終わる。また、転写産物は、表114に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表114:核酸SNP
転写産物R31375_T13(配列番号64)のコーディング部は、ポジション1015で始まり、ポジション1275で終わる。また、転写産物は、表115に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表115:核酸SNP
転写産物R31375_T2(配列番号53)のコーディング部は、ポジション678で始まり、ポジション938で終わる。また、転写産物は、表116に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表116:核酸SNP
転写産物R31375_T3(配列番号54)のコーディング部は、ポジション572で始まり、ポジション832で終わる。また、転写産物は、表117に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表117:核酸SNP
転写産物R31375_T4(配列番号55)のコーディング部は、ポジション575で始まり、ポジション835で終わる。また、転写産物は、表118に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表118:核酸SNP
転写産物R31375_T5(配列番号56)のコーディング部は、ポジション656で始まり、ポジション916で終わる。また、転写産物は、表119に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表119:核酸SNP
転写産物R31375_T6(配列番号57)のコーディング部は、ポジション697で始まり、ポジション957で終わる。また、転写産物は、表120に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表120:核酸SNP
転写産物R31375_T7(配列番号58)のコーディング部は、ポジション2475で始まり、ポジション2735で終わる。また、転写産物は、表121に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表121:核酸SNP
転写産物R31375_T8(配列番号59)のコーディング部は、ポジション1329で始まり、ポジション1589で終わる。また、転写産物は、表122に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表122:核酸SNP
転写産物R31375_T9(配列番号60)のコーディング部は、ポジション2586で始まり、ポジション2846で終わる。また、転写産物は、表123に列挙される、次のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表123:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質R31375_P14(配列番号72)は、転写産物R31375_T19(配列番号65)、R31375_T25(配列番号66)、およびR31375_T26(配列番号67)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図49Aに示す。本発明の変異体タンパク質の、そのアラインメントされたタンパク質各々との関係についての簡単な説明は、次の通りである。
1.R31375_P14(配列番号72)並びに公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)間の比較報告(図49A)
A.R31375_P14(配列番号72)をコードする単離されたキメラポリペプチ
ドであって、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸1〜32に相当し、R31375_P14(配列番号72)のアミノ酸1〜32にも相当する、MQKVTLGLLVFLAGFPVLDANDLEDKNSPFYYに少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、R31375_P14(配列番号72)のアミノ酸33〜61に相当する配列GAPYIFVKRMGGQMKRTQAGTEVPSTFLL(配列番号294)をもつポリペプチドに、少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第2のアミノ酸配列と、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸33〜87に相当し、R31375_P14(配列番号72)のアミノ酸62〜116にも相当する、DWHSLQVGGLICAGVLCAMGIIIVMSAKCKCKFGQKSGHHPGETPPLITPGSAQSに少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、ここに記された順番であるポリペプチド。
B.R31375_P14(配列番号72)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、R31375_P14(配列番号72)の配列GAPYIFVKRMGGQMKRTQAGTEVPSTFLL(配列番号294)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質R31375_P14(配列番号72)は、表124に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号72)。)
表124:アミノ酸突然変異
転写産物R31375_T19(配列番号65)のコーディング部は、ポジション491で始まり、ポジション838で終わる。また、この転写産物は、表125に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表125:核酸SNP
転写産物R31375_T25(配列番号66)のコーディング部は、ポジション575で始まり、ポジション922で終わる。また、この転写産物は、表126に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表126:核酸SNP
転写産物R31375_T26(配列番号67)のコーディング部は、ポジション1443で始まり、ポジション1790で終わる。また、この転写産物は、表127に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表127:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質R31375_P31(配列番号73)は、転写産物R31375_T29(配列番号68)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図49Bおよび49Cに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.R31375_P31(配列番号73)並びに公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)間の比較報告(図49B):
A.R31375_P31(配列番号73)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸1〜58に相当し、R31375_P31(配列番号73)のアミノ酸1〜58にも相当するMQKVTLGLLVFLAGFPVLDANDLEDKNSPFYYDWHSLQVGGLICAGVLCAMGIIIVMSに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、R31375_P31(配列番号73)のアミノ酸59〜84に相当する配列EWRSSGEQAGRGWGSPPLTTQLSPTG(配列番号295)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99
%相同である第2のアミノ酸配列と、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸59〜70に相当し、R31375_P31(配列番号73)のアミノ酸85〜96にも相当するAKCKCKFGQKSGに対して少なくとも90%相同である第3のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、および第3のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.R31375_P31(配列番号73)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、R31375_P31(配列番号73)の配列EWRSSGEQAGRGWGSPPLTTQLSPTG(配列番号295)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
2.R31375_P31(配列番号73)および公知のタンパク質NP_068710(配列番号71)間の比較報告(図49C):
A.R31375_P31(配列番号73)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_068710(配列番号71)のアミノ酸1〜96に相当し、R31375_P31(配列番号73)のアミノ酸1〜96にも相当するMQKVTLGLLVFLAGFPVLDANDLEDKNSPFYYDWHSLQVGGLICAGVLCAMGIIIVMSEWRSSGEQAGRGWGSPPLTTQLSPTGAKCKCKFGQKSGに対して少なくとも90%相同であるアミノ酸配列を含み、ここで、前記の第1のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:膜。
また、変異体タンパク質R31375_P31(配列番号73)は、表128に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号73)。)
表128:アミノ酸突然変異
変異体タンパク質R31375_P31(配列番号73)は、転写産物R31375_
T29(配列番号68)によってコードされ、そのコーディング部は、ポジション491で始まり、ポジション778で終わる。また、この転写産物は、表129に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表129:核酸SNP
本発明の変異体タンパク質R31375_P33(配列番号74)は、転写産物R31375_T39(配列番号69)によってコードされるアミノ酸配列をもつ。1以上の既刊のタンパク質配列に対するアラインメントを図49Dおよび49Eに示す。本発明の変異体タンパク質とそのアラインメントされたタンパク質の各々との関係についての簡単な説明は以下の通りである:
1.R31375_P33(配列番号74)並びに公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)間の比較報告(図49D):
A.R31375_P33(配列番号74)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸1〜24に相当し、R31375_P33(配列番号74)のアミノ酸1〜24にも相当するMQKVTLGLLVFLAGFPVLDANDLEに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸33〜58に相当し、R31375_P33(配列番号74)のアミノ酸25〜50にも相当するDWHSLQVGGLICAGVLCAMGIIIVMSに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、R31375
_P33(配列番号74)のアミノ酸51〜76に相当する配列EWRSSGEQAGRGWGSPPLTTQLSPTG(配列番号295)をもつポリペプチドに対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、または99%相同である第3のアミノ酸配列と、公知のタンパク質FXYD3_HUMAN、NP_005962、およびQ6IB59_HUMAN(配列番号70)のアミノ酸59〜70に相当し、R31375_P33(配列番号74)のアミノ酸77〜88にも相当するAKCKCKFGQKSGに対して少なくとも90%相同である第4のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列、第2のアミノ酸配列、第3のアミノ酸配列、および第4のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.R31375_P33(配列番号74)の端部をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、長さ「n」をもつポリペプチドを含み、ここで、nが、少なくとも長さ約10アミノ酸、任意選択で少なくとも長さ約20アミノ酸、好ましくは少なくとも長さ約30アミノ酸、より好ましくは少なくとも長さ約40アミノ酸、そして最も好ましくは少なくとも長さ約50アミノ酸であり、ここで、少なくとも2個のアミノ酸がEDを含み、以下の構造:24−xから24までのいずれかのアミノ酸番号から始まり、25+((n−2)−x)のいずれかのアミノ酸番号で終わる(ここで、xは0からn−2まで変動する)配列、をもつ、キメラポリペプチド。
C.R31375_P33(配列番号74)の端部をコードする単離されたポリペプチドであって、R31375_P33(配列番号74)の配列EWRSSGEQAGRGWGSPPLTTQLSPTG(配列番号295)に対して少なくとも70%、任意選択で少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95、96、97、98、または99%相同であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
2.R31375_P33(配列番号74)および公知のタンパク質NP_068710(配列番号71)間の比較報告(図49E):
A.R31375_P33(配列番号74)をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、公知のタンパク質NP_068710(配列番号71)のアミノ酸1〜24に相当し、R31375_P33(配列番号74)のアミノ酸1〜24にも相当するMQKVTLGLLVFLAGFPVLDANDLEに対して少なくとも90%相同である第1のアミノ酸配列と、公知のタンパク質NP_068710(配列番号71)のアミノ酸33〜96に相当し、R31375_P33(配列番号74)のアミノ酸25〜88にも相当するDWHSLQVGGLICAGVLCAMGIIIVMSEWRSSGEQAGRGWGSPPLTTQLSPTGAKCKCKFGQKSGに対して少なくとも90%相同である第2のアミノ酸配列と、を含み、ここで、前記第1のアミノ酸配列および第2のアミノ酸配列は、連続で、この記された順番である、キメラポリペプチド。
B.R31375_P33(配列番号74)の端部をコードする単離されたキメラポリペプチドであって、長さ「n」をもつポリペプチドを含み、ここで、nが、少なくとも長さ約10アミノ酸、任意選択で少なくとも長さ約20アミノ酸、好ましくは少なくとも長さ約30アミノ酸、より好ましくは少なくとも長さ約40アミノ酸、そして最も好ましくは少なくとも長さ約50アミノ酸であり、ここで、少なくとも2個のアミノ酸がEDを含み、以下の構造:24−xから24までのいずれかのアミノ酸番号から始まり、25+((n−2)−x)のいずれかのアミノ酸番号で終わる(ここで、xは0からn−2まで変動する)配列、をもつ、キメラポリペプチド。
この変異体タンパク質の局在を、SignalPおよびその他の特別のプログラムによる解析を含む、数多くの様々なソフトウェアプログラムおよび解析による結果に従って決定した。細胞に関して、この変異体タンパク質は、次に局在していると考えられる:分泌。
また、変異体タンパク質R31375_P33(配列番号74)は、表130に列挙される以下のノンサイレントSNP(一塩基多型)をもつ。(アミノ酸配列上のポジションに照らして、代替アミノ酸を列挙した(配列番号74)。)
表130:アミノ酸突然変異
転写産物R31375_T39(配列番号69)のコーディング部は、ポジション491で始まり、ポジション754で終わる。また、この転写産物は、表131に列挙される以下のSNPをもつ。(ヌクレオチド配列上のポジションに照らして、代替核酸を列挙した。)
表131:核酸SNP
本発明の任意選択の実施形態によると、上記のクラスターに関連する短い切片も、また提供される。これらの切片は、約120bpまでの長さであり、別の明細書に含まれる。
本発明の切片クラスターR31375_N30(配列番号134)は、7個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:R31375_T19(配列番号65)、R31375_T25(配列番号66)、およびR31375_T26(配列番号67)。下記の表132は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表132:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターR31375_N33(配列番号135)は、278個のライブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:R31375_T0(配列番号51)、R31375_T1(配列番号52)、R31375_T10(配列番号61)、R31375_T11(配列番号62)、R31375_T12(配列番号63)、R31375_T13(配列番号64)、R31375_T19(配列番号65)、R31375_T2(配列番号53)、R31375_T25(配列番号66)、R31375_T26(配列番号67)、R31375_T29(配列番号68)、R31375_T3(配列番号54)、R31375_T39(配列番号69)、R31375_T4(配列番号55)、R31375_T5(配列番号56)、R31375_T6(配列番号57)、R31375_T7(配列番号58)、R31375_T8(配列番号59)、およびR31375_T9(配列番号60)。下記の表133は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表133:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターR31375_N34(配列番号136)は、275個のライ
ブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:R31375_T0(配列番号51)、R31375_T1(配列番号52)、R31375_T10(配列番号61)、R31375_T11(配列番号62)、R31375_T12(配列番号63)、R31375_T13(配列番号64)、R31375_T19(配列番号65)、R31375_T2(配列番号53)、R31375_T25(配列番号66)、R31375_T26(配列番号67)、R31375_T29(配列番号68)、R31375_T3(配列番号54)、R31375_T39(配列番号69)、R31375_T4(配列番号55)、R31375_T5(配列番号56)、R31375_T6(配列番号57)、R31375_T7(配列番号58)、R31375_T8(配列番号59)、およびR31375_T9(配列番号60)。下記の表134は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表134:転写産物上における切片の位置
本発明の切片クラスターR31375_N37(配列番号137)は、254個のライ
ブラリーによってサポートされる。ライブラリーの数は、前述のようにして決定された。この切片は、以下の転写産物に見られる:R31375_T0(配列番号51)、R31375_T1(配列番号52)、R31375_T10(配列番号61)、R31375_T11(配列番号62)、R31375_T12(配列番号63)、R31375_T13(配列番号64)、R31375_T19(配列番号65)、R31375_T2(配列番号53)、R31375_T25(配列番号66)、R31375_T26(配列番号67)、R31375_T29(配列番号68)、R31375_T3(配列番号54)、R31375_T39(配列番号69)、R31375_T4(配列番号55)、R31375_T5(配列番号56)、R31375_T6(配列番号57)、R31375_T7(配列番号58)、R31375_T8(配列番号59)、およびR31375_T9(配列番号60)。下記の表135は、各転写産物上におけるこの切片の開始および終止ポジションを記す。
表135:転写産物上における切片の位置
正常および癌性卵巣組織、並びに異なる正常組織における、配列名R31375_ju
nc30‐33(配列番号247)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3領域含有イオン輸送制御因子3 R31375転写産物の発現
junc30‐33−R31375_junc30‐33(配列番号247)アンプリコン、並びにプライマーR31375_junc30‐33F1(配列番号245)およびR31375_junc30‐33R1(配列番号246)によって、またはこれらに従って検出可能である、FXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の発現は、卵巣パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表4および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
卵巣パネル−非検出試料(試料番号33および53、表4)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52〜78、上記の表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図50は、正常試料と比較した癌性卵巣試料における上記で示したFXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図50から明らかなように、腺癌試料、特に、粘液性癌試料および類内膜癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるFXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号52〜78、上記の表4)よりも著しく高かった。特に、37腺癌試料中13試料、とりわけ、9粘液性癌試料中7試料および10類内膜癌試料中4試料にて、少なくとも18倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるFXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の、卵巣腺癌試料、粘液性癌試料、および類内膜癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、それぞれ、9.75e−004、1.92e−002、および1.55e−002としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現18倍の閾値が、腺癌、粘液性癌試料、および類内膜癌試料並びに正常試料の間で、それぞれ、2.71e−004、4.31e−006、および3.18e−003のP値で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−非検出試料(試料番号50および54、表2)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、図51に示すように、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31〜34、上記の表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:R31375_junc30‐33F1(配列番号245)順方向プライマー;およびR31375_junc30‐33R1(配列番号246)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:R31375_junc30‐33(配列番号247)
順方向プライマー>R31375_junc30‐33F1(配列番号245):GTGCTCCATATATATTTGTCAAGAGAATG
逆方向プライマー>R31375_junc30‐33R1(配列番号246):GGAGGCTGTGCCAGTCTAGG
アンプリコン>R31375_junc30‐33(配列番号247):GTGCTCCATATATATTTGTCAAGAGAATGGGGGGACAGATGAAGAGGACACAGGCTGGCACTGAGGTCCCCTCCACTTTCCTCCTAGACTGGCACAGCCTCC
正常および癌性卵巣組織、並びに異なる正常組織における、配列名R31375_seg33junc34‐37(配列番号250)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3領域含有イオン輸送制御因子3 R31375転写産物の発現
seg33junc34‐37‐R31375_seg33junc34‐37(配列番号250)アンプリコン、並びにプライマーR31375_seg33junc34‐37F1(配列番号248)およびR31375_seg33junc34‐37R1(配列番号249)によって、またはこれらに従って検出可能である、FXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の発現は、卵巣パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表4および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
卵巣パネル−非検出試料(試料番号52、61、および70、表4)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52〜78、上記の表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図52は、正常試料と比較した癌性卵巣試料における上記で示したFXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図52から明らかなように、腺癌試料、漿液性癌、粘液性癌、および類内膜癌において、上記のアンプリコンによって検出可能であるFXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号52〜78、上記の表4)よりも著しく高かった。特に、37腺癌試料中20試料、とりわけ、18漿液性癌試料中7試料、9粘液性癌試料中8試料、および10類内膜癌試料中5試料にて、少なくとも85倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるFXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の、卵巣腺癌試料、漿液性癌試料、粘液性癌試料、および類内膜癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、それぞれ、1.61e−004、5.40e−003、1.49e−002、および9.08e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現85倍の閾値が、腺癌、漿液性癌、粘液性癌、および類内膜癌、並びに正常試料の間で、それぞれ、8.11e−007、7.01e−004、2.97e−007、および5.78e−004のP値で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−次に、図53に示すように、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31〜34、上記の表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:R31375_seg33junc34‐37F1(配列番号248)順方向プライマー;およびR31375_seg33junc34‐37R1(配列番号249)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:R31375_seg33junc34‐37(配列番号250)
順方向プライマー>R31375_seg33junc34‐37F1(配列番号248)
ACTGGCACAGCCTCCAGG
逆方向プライマー>R31375_seg33junc34‐37R1(配列番号249)
CATTTGCATTTTGCACTCATG
アンプリコン>R31375_seg33junc34‐37(配列番号250)
ACTGGCACAGCCTCCAGGTTGGCGGGCTCATCTGCGCTGGGGTTCTGTGCGCCATGGGCATCATCATCGTCATGAGTGCAAAATGCAAATG
正常および癌性卵巣組織、並びに異なる正常組織における、配列名R31375_junc20‐22seg30F6R6(配列番号253)で示されるアンプリコンによって検出可能である、FXYD3領域含有イオン輸送制御因子3 R31375転写産物の発現
junc20‐22seg30‐R31375_junc20‐22seg30F6R6(配列番号253)アンプリコン、並びにプライマーR31375_junc20‐22seg30F6(配列番号251)およびR31375_junc20‐22seg30R6(配列番号252)によって、またはこれらに従って検出可能である、FXYD3領域含有イオン輸送制御因子3転写産物の発現は、卵巣パネルおよび正常パネルでリアルタイムPCRによって測定した。用いた試料については、それぞれ上記の表4および表2に詳細を示す。各RT試料について、上記のアンプリコンの発現を、実施例1で述べた数
種のハウスキーピング遺伝子の発現から算出した正規化因数に対して正規化した。
卵巣パネルについて−非検出試料(試料番号2、6、9、12、15、19、21、24、32、34、38、45、53、56〜59、62、63、65〜67、および72〜78、表4)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、各RT試料の正規化された量を、正常試料(試料番号52、53、56〜59、62、63、65〜67、および72〜78、上記の表4)の量の中間値で割り、正常試料の中間値に対して各試料が何倍亢進したかの値を得た。
図54は、正常試料と比較した癌性卵巣試料における上記で示したFXYD3転写産物の過剰発現を示すヒストグラムである。
図54から明らかなように、腺癌試料、漿液性癌試料、粘液性癌試料、および類内膜癌試料において、上記のアンプリコンによって検出可能であるFXYD3転写産物の発現は、非癌性試料(試料番号52、53、56〜59、62、63、65〜67、および72〜78、上記の表4)よりも著しく高かった。特に、33腺癌試料中21試料、16漿液性癌試料中10試料、8粘液性癌試料中5試料、および9類内膜癌試料中6試料にて、少なくとも14倍の過剰発現が見られた。
下記のように、統計解析を利用して、これら結果の有意性を検証した。上記のアンプリコンによって検出可能であるFXYD3転写産物の、卵巣腺癌試料における発現レベルの正常組織試料に対する差のP値を、3.78e−003としてTテストで決めた。
フィッシャーの正確確率検定でチェックしたところ、過剰発現14倍の閾値が、腺癌、漿液性癌、粘液性癌、および類内膜癌、並びに正常試料の間で、それぞれ、4.21e−005、5.17e−004、4.46e−003、および1.73e−003のP値で、差を生じることが分かった。
上記の値は、この結果が統計的に有意であることを示すものである。
正常パネル−非検出試料(試料番号1、10、11、14、17、25、29、31〜34、38、39、46、47、49〜54、57、58、61〜65、68、69、および73、表2)を、Ct値41とし、それに合わせて計算した。次に、図55に示すように、各RT試料の正規化された量を、卵巣試料(試料番号31〜34、上記の表2)の量の中間値で割り、卵巣試料の中間値に対する各試料の相対的発現の値を得た。
また、プライマー対は、任意選択でおよび好ましくは、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上の実験では、適当なプライマー対の非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のプライマー対を用いた:R31375_junc20‐22seg30F6(配列番号251)順方向プライマー;およびR31375_junc20‐22seg30R6(配列番号252)逆方向プライマー
また、本発明は、好ましくは、任意の適当なプライマー対の使用を通して得られる任意のアンプリコンを含む。例えば、上の実験では、適当なアンプリコンの非限定的な説明に役立つほんの一例として、次のアンプリコンを得た:R31375_junc20‐22seg30F6R6(配列番号253)
順方向プライマー>R31375_junc20‐22seg30F6(配列番号251)
TTGTGTTCCTGGCAGGCTTT
逆方向プライマー>R31375_junc20‐22seg30R6(配列番号252)
TCATCTGTCCCCCCATTCTC
アンプリコン>R31375_junc20‐22seg30F6R6(配列番号253)
TTGTGTTCCTGGCAGGCTTTCCTGTCCTGGACGCCAATGACCTAGAAGATAAAAACAGTCCTTTCTACTATGGTGCTCCATATATATTTGTCAAGAGAATGGGGGGACAGATGA
実施例8:EGFPに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3をコードする完全長転写産物のクローン化
EGFPに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3をコードする完全長転写産物のクローン化を、以下で述べるようにして行った。
まず、EGFP発現ベクターを構築し、次に、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3オープンリーディングフレーム(ORF)をクローン化した。以下のように、EGFPをpIRESpuro3(Clontech カタログ番号631619)へサブクローン化した:EGFP‐N1ベクター(Clontech カタログ番号6085‐1)をNheIおよびNotIで消化してEGFP遺伝子を切除した。次に、EGFPインサートを、同一の酵素であらかじめ消化しておいたpIRESpuro3(Clontech カタログ番号631619)の中へ連結させ、EGFP‐pIRESpuro3ベクターを得た。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、FXYD3オープンリーディングフレーム(ORF)のクローン化を、以下の工程を用いて行った:
1.逆転写反応を以下のようにして実施した:精製RNA10μgを、150ngのランダムヘキサマープライマー(Invitrogen,カールズバッド,カリフォルニア州,米国、カタログ番号:48190‐011)および500μMのdNTPと混合し、全容量を156μlとした。この混合物を、65℃で5分間インキュベートし、次に、氷上で急冷した。その後、50μlの5X SuperscriptII first strandバッファー(Invitrogen、カタログ番号:18064‐014、品番:Y00146)、24μlの0.1M DTT、および400単位のRNasin(Promega,ミルウォーキー,ウィスコンシン州(WS),米国、カタログ番号:N2511)を加え、この混合物を、25℃で10分間インキュベートし、さらに42℃で2分間インキュベートした。その後、10μl(2000単位)のSuperscriptII(Invitrogen、カタログ番号:18064‐014)を加え、この反応液(最終容量250μl)を42℃で50分間、次いで70℃で15分間インキュベートした。得られたcDNAを、TEバッファー(10mM Tris、1mM EDTA pH8)を用い、1:20で希釈した。
2.PCRは、Platinum PFX(商標)(Invitrogen,カールズバッド,カリフォルニア州,米国、カタログ番号:1178‐021)を用いて以下の条
件下にて行った:5μl Platinum PFX 10xバッファー;5μl−上記からのcDNA;2μl−10mMのdNTP(2.5mMの各ヌクレオチド);0.5μl−Platinum PFX酵素;37μl−H2O;および、全反応液容量50μl中1.5μl−の各プライマー(15μM);反応プログラムは、95℃で5分間;94℃で30秒間、55℃で30秒間、68℃で50秒間の35サイクル;その後68℃で10分間。用いたプライマーは、以下の表136に列挙されるように、所望されるタンパク質および制限酵素部位の座標に相当する遺伝子特異的配列、並びにコザック配列を含む。表136中、太字は特異的遺伝子配列を表し、一方、クローン化の目的で利用される制限部位の範囲は斜字体であり、コザック配列は下線部分である。
表136は、ORF標的のクローン化工程を示す。例えば、FXYD3_T25_P14およびVSIG1_T6_P5は、工程1における完全長の2個のオーバーラップ断片のPCR増幅、およびこれに続く、工程1からの両PCR断片を完全長の作製のためのテンプレートとして用いた工程2におけるさらなるPCR、によってクローン化した。VSIG1_T5_P4は、工程1で作製された両PCR断片を消化および直接の連結に用いてクローン化し、AI216611_T1_P1は、工程1からの作製されたPCR産物にネステッドPCRを施してクローン化した。番号1、4、5、8、9、10、11、12、15、16、および17(表136)の産物5μlを、臭化エチジウムで染色した1%アガロースゲル上へ充填し、100Vにて1xTBE溶液中で電気泳動を施し、UV光線を用いて可視化した。予測されたサイズのバンドの確認後、残ったPCR産物を、Qiaquick PCR精製キット(Qiagen(商標)、バレンシア,カリフォルニア州,米国、カタログ番号28106)を用いて処理し、DNA精製を行った。表136に列挙されるように、抽出されたPCR産物を、適切な制限酵素(New England
Biolabs,ベバリー,マサチューセッツ州,米国)で消化した。消化後、上述のようにしてDNAを1%アガロースゲル上へ充填した。予測されたバンドサイズを切除し、QiaQuick(商標)ゲル抽出キット(Qiagen、カタログ番号:28707)を用いてゲルからの抽出を行った。
LigaFast(商標) Rapid DNA Ligation System(Promega、カタログ番号:M8221)を用いて、消化された標的のORF DNAを、EGFP_pIRESpuro3ベクターへ連結させた。得られたDNAを、製造元の説明書に従って、コンピテントな大腸菌DH5α(RBC Bioscience,台北,台湾、カタログ番号:RH816)に形質転換し、次に、リコンビナントプラスミドの選別のためにLB‐アンピシリン寒天プレート上へ播種し、37℃で一晩インキュベートした。
翌日、選択プレート上に成長した各形質転換からの多数のコロニーを採取し、別の選択プレート上への画線状の播種、およびGoTaq ReadyMix(Promega、カタログ番号:M7122)を用いたPCRによるさらなる分析を行った。pIRESpuro3ベクター特異的プライマーおよび遺伝子特異的プライマーを用いたPCRにより、スクリーニングポジティブクローン(screening positive clones)を実施した(データ示さず)。すべてのPCRサイクルの完了後、反応物の半分を、上述のように1%アガロースゲルを用いて分析した。予測されたサイズバンドの確認後、各連結反応物からの2個の陽性コロニーを、100μg/mlのアンピシリンが添加された5mlのテリフィックブロス(Terrific Broth)中、37℃にて一晩振とうして成長させた。プラスミドDNAを、Qiaprep(商標)Spin Miniprep Kit(Qiagen、カタログ番号:27106)を用いて、細菌培養物から単離した。クローン化の正確性は、インサートの配列決定によって確認した(Weizmann Institute,レホヴォト,イスラエル)。エラーのないコロニー(すなわち、ORF中に突然変異が存在しない)の確認後、組換えプラスミドをさらなる
分析のために処理した。
EGFPに融合した、得られたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3完全長のDNA配列を図56A〜Jに示す。図56A〜Jでは、標的の完全長配列に対応する遺伝子特異的配列を太字で表記し、EGFP配列は太字ではない斜字体であり、公知のSNP/サイレンス変異(silence mutations)には下線を施した。図56Aは、FXYD3_T0_P0_EGFPのDNA配列(996bp)(配列番号77)を示し;図56Bは、FXYD3_T25_P14_EGFPのDNA配列(1083bp)(配列番号78)を示し;図56Cは、AI216611_T0_P0_EGFPのDNA配列(1371bp)(配列番号79)を示し;図56Dは、AI216611_T1_P1_EGFPのDNA配列(1332bp)(配列番号80)を示し;図56Eは、C1ORF32_T8_P8_EGFPのDNA配列(1533bp)(配列番号81)を示し;図56Fは、LOC253012_T4_P5_EGFPのDNA配列(2085bp)(配列番号82)を示し;図56Gは、ILDR1_T0_P3_EGFPのDNA配列(2373bp)(配列番号83)を示し;図56Hは、ILDR1_T2_P5_EGFPのDNA配列(2241bp)(配列番号84)を示し;図56Iは、VSIG1_T6_P5_EGFPのDNA配列(2082bp)(配列番号85)を示し;図56Jは、VSIG1_T5_P4_EGFPのDNA配列(2004bp)(配列番号86)を示す。
EGFPに融合した、得られたVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3完全長のアミノ酸配列を図57A〜Jに示し;タンパク質の完全長配列に対応する遺伝子特異的配列を太字で表記し、EGFP配列は太字ではない斜字体であり、公知のSNPに基づいて修飾されたアミノ酸には下線を施した。図57Aは、FXYD3_P0_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(331aa)(配列番号87)を示し;図57Bは、FXYD3_P14_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(360aa)(配列番号88)を示し;図57Cは、AI216611_P0_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(456aa)(配列番号89)を示し;図57Dは、AI216611_P1_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(443aa)(配列番号90)を示し;図57Eは、C1ORF32_P8_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(510aa)(配列番号91)を示し;図57Fは、LOC253012_P5_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(694aa)(配列番号92)を示し;図57Gは、ILDR1_P3_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(790aa)(配列番号93)を示し;図57Hは、ILDR1_P5_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(746aa)(配列番号94)を示し;図57Iは、VSIG1_P5_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(693aa)(配列番号95)を示し;図57Jは、VSIG1_P4_EGFPタンパク質のアミノ酸配列(667aa)(配列番号96)を示す。
表136:完全長クローン化の詳細

実施例9:VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3の細胞局在の測定
タンパク質標的の細胞局在を測定するために、これらをEGFP(高感度緑色蛍光タンパク質)融合タンパク質としてクローン化した。タンパク質の局在は、一過性トランスフェクションの際に、共焦点顕微鏡を用いて観察した(Chen et al., Molecular vision 2002; 8; 372‐388)。トランスフェクションの48時間後に、蛍光産物の存在について細胞の観察を行った。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3の細胞局在の測定は、上記で述べた組換えORF‐EGFPコンストラクトの一過性トランスフェクションによって行った。
続いて、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3‐EGFP pIRESpuro3コンストラクトを、以下のようにしてHEK‐293T細胞へ一過性にトランスフェクトした:
HEK‐293T(ATCC、CRL‐11268)細胞を、2mlのあらかじめ加温したDMEM[ダルベッコ変法イーグル培地、Biological Industries(ベイトハエメク(Beit Ha’Emek),イスラエル)、カタログ番号:01‐055‐1A]+10%FBS(ウシ胎仔血清)+4mM L‐グルタミン、を用いて、6ウェルプレート中へ配置した直径13mmの滅菌カバーガラス上(Marienfeld、カタログ番号:01 115 30)へ播種した。94ulのDMEM中へ希釈した6μlのFuGENE6試薬(Roche、カタログ番号:11‐814‐443‐
001)を用い、ウェルあたり500,000個の細胞を2μgのDNAコンストラクトでトランスフェクトした。この混合物を、室温にて15分間インキュベートした。複合体混合物を細胞へ滴下し、攪拌した。細胞を、CO2濃度5%で37℃に維持されたインキュベーター中に配置した。
一過性トランスフェクションの48時間後、共焦点顕微鏡観察による分析のために、細胞をさらに処理した。カバーガラスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄し、3.7%または1%のパラホルムアルデヒド(PFA)(Sigma、カタログ番号:P‐6148)で15分間固定した。PBSによる2回の洗浄後、固定したカバーガラスを、マウント液(Sigma、カタログ番号:G0918)を用いてスライドグラス上へ接着し、共焦点顕微鏡を用いて、蛍光産物の存在について細胞を観察した。結果を図58A〜Fに示す。
図58Aは、AI216611_P0_EGFP(配列番号89)およびAI216611_P1_EGFP(配列番号90)融合タンパク質が、HEK293T細胞中での発現後、細胞膜に局在化していることを示す。画像は、共焦点顕微鏡の40xの対物レンズを用いて得たものである。
図58Bは、FXYD3_P0_EGFP(配列番号87)およびFXYD3_P14_EGFP(配列番号88)融合タンパク質が、HEK293T細胞中での発現後、細胞膜に局在化していることを示す。画像は、共焦点顕微鏡の40xの対物レンズを用いて得たものである。
図58Cは、C1ORF32_P8_EGFP(配列番号91)融合タンパク質が、HEK293T細胞中での発現後、細胞膜;小胞体(ER)膜、および細胞間結合部に局在化していることを示す。画像は、共焦点顕微鏡の40xの対物レンズを用いて得たものである。
図58Dは、LOC253012_P5_EGFP(配列番号92)融合タンパク質が、HEK293T細胞中での発現後、細胞膜および小胞体(ER)膜に局在化していることを示す。画像は、共焦点顕微鏡の40xの対物レンズを用いて得たものである。
図58Eは、VSIG1_P5_EGFP(配列番号95)およびVSIG1‐_P4_EGFP(配列番号96)融合タンパク質が、HEK293T細胞中での発現後、細胞核膜および小胞体膜に局在化していることを示す。画像は、共焦点顕微鏡の40xの対物レンズを用いて得たものである。
図58Fは、ILDR1_P3_EGFP(配列番号93)およびILDR1_P5_EGFP(配列番号94)融合タンパク質が、HEK293T細胞中での発現後、細胞膜および小胞体膜に局在化していることを示す。画像は、共焦点顕微鏡の40xの対物レンズを用いて得たものである。
実施例10:マウスFCに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3細胞外領域(ECD)のクローン化並びに発現
本分析の目的は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3 ECDの抗体の産生、並びに機能評価にさらに使用するために、その対応するC’末端を介してマウスFc(mFc)に融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3 ECDをクローン化し、HEK293T細胞(ATCC‐CRL‐11268)中
で融合ECDを発現させることであった。
クローン化したECDの座標を表137に示す:
表137:
融合タンパク質(ECD_mFc)のクローン化は、2つの工程で行った:
1.ECDのpIRESpuro3へのクローン化
2.工程1からのpIRESpuro3へあらかじめクローン化したECDのC’末端への、マウスFc IgG2aのインフレームでのサブクローン化
ECDのpIRESpuro3へのクローン化は以下のようにして実施した:
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3の各々に対するECDのクローン化は、表137に示すように、そのECDの部分アミノ酸配列に範囲を定めたPCRにより、その完全長配列をテンプレートとして用い、および表138に列挙したプライマーを用いて実施した。
表138:ECDクローン化の詳細
表138では、上記の太字は遺伝子特異的配列を表し、一方、クローン化のために用いられる制限部位の範囲は斜字体であり、下線を施したのがコザック配列である。
PCR産物を精製し、表138に示す適切な制限酵素で消化した。分泌を増加させるために、FXYD3、AI216611、C1ORF32、およびLOC253012に対するPCR産物は、pIRESpuro3へ連結させ、一方、VSIG1およびILDR1に対するPCR産物は、IL6sp_pIRESpuro3へ連結させた。連結混合物を、DH5aコンピテント細胞に形質転換した。陽性形質転換体をスクリーニングし、DNA配列決定によって確認した。
ECD‐mFc pIRESpuro3のクローン化
TEV開裂部位配列が続くマウスFc(IgG2a)(受託番号‐CAA49868 aa 237‐469)タンパク質配列のコドン最適化を行い、哺乳類系でのタンパク質の発現を促進した。最適化された配列は、GeneArt(ドイツ)により、N’末端に隣接するBamHI制限部位を、C’末端にNotI制限部位を配置して合成した。DNA断片をBamHI/NotIで消化し、あらかじめ同一の酵素で消化しておいたECD_pIRESpuro3コンストラクトへインフレームで連結させ、ECD_mFc_pIRESpuro3を得た。連結混合物を、DH5aコンピテント細胞に形質転換した。陽性形質転換体をスクリーニングし、DNA配列決定によって確認した。
得られたECD_mFc ORFのヌクレオチド配列を図59A〜Fに示し:ECD配列に対応する遺伝子特異的配列を太字で表記し、下線を施したのがTEV開裂部位配列であり、mFc配列は太字ではない斜字体であり、IL6sp配列は太字の斜字体である。
図59Aは、FXYD3_T25_P14_ECD‐_mFc DNA配列(924bp)(配列番号97)を示し;図59Bは、AI216611_T0_P0_ECD_mFc DNA配列(1170bp)(配列番号98)を示し;図59Cは、C1ORF32_T8_P8_ECD_mFc DNA配列(1287bp)(配列番号99)を示し;図59Dは、LOC253012_T4_P5_ECD_mFc DNA配列(1740bp)(配列番号100)を示し;図59Eは、ILDR1_T0_P3_ECD_mFc DNA配列(1167bp)(配列番号101)を示し、および図59Fは、VSIG1_T6_P5_ECD_mFc DNA配列(1641bp)(配列番号102)を示す。
得られたECD_mFc融合タンパク質の配列を図60A〜60Fに示し;ECD配列に対応する遺伝子特異的配列を太字で表記し、下線を施したのがTEV開裂部位配列であり、mFc配列は太字ではない斜字体であり、IL6sp配列は太字の斜字体である。図60Aは、FXYD3_T25_P14_ECD_mFcアミノ酸配列(307aa)(配列番号103)を示し;図60Bは、AI216611_T0_P0_ECD_mFcアミノ酸配列(389aa)(配列番号104)を示し;図60Cは、C1ORF32_T8_P8_ECD_mFcアミノ酸配列(428aa)(配列番号105)を示し;図60Dは、LOC253012_T4_P5_ECD_mFcアミノ酸配列(579aa)(配列番号106)を示し;図60Eは、ILDR1_T0_P3_ECD_mFcアミノ酸配列(388aa)(配列番号107)を示し、および図60Fは、VSIG1_T6_P5_ECD_mFcアミノ酸配列(546aa)(配列番号108)を示す。
ECD‐mFc発現細胞を作出するために、HEK‐293T細胞を、マウスFcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3細胞外領域に対応する上述のコンストラクトでトランスフェクトした。安定なプールは以下のようにして作製され、トランスフェクションの48時間後、細胞をトリプシン処理し、選択培地(DMEM 10%FCSおよび5μg/mlピューロマイシン)を入れたT75フラスコへ移して安定なプールを得た。コロニーが形成されるまで、培地を3から4日ごとに入れ替えた。
細胞の識別を確認するためにゲノムPCRを実施し、正しい配列が細胞ゲノムへ組み込まれたことが示された(データ示さず)。
細胞を除去した培地を回収し、以下のようにして、プロテインAセファロースビーズ(Amersham、カタログ番号17‐5280‐04)により精製した:細胞を除去した培地1mlを、プロテインAセファロースビーズ50μlと共に室温にて45分間インキュベートした。インキュベーション時間の終了後、100mMのクエン酸リン酸 pH3.5および10mMのDTTを含有するサンプルバッファー50μlにより、ビーズペレットからタンパク質を溶離させた。これらの試料を3分間煮沸し、25μlを12%のNuPAGE Bis Trisゲル(Invitrogen、カタログ番号NPO342)へ充填した。タンパク質をニトロセルロースメンブレンへ転写し、PBST(0.05%のtween‐20が添加されたPBS)中10%の低脂肪牛乳でブロックした。次に、メンブレンを、ヤギ抗マウスIgG Fc断片HRP(Jackson、カタログ番号115‐035‐206)(ブロッキング溶液中1:40,000)により、室温にて1時間ブロットした。ECL溶液(Amersham Biosciences、カタログ番号RPN2209)によるインキュベーションの後、メンブレンをフィルムへ曝露させた。
図61は、本発明の発現されたFXYD3_ECD_mFc(配列番号103)、AI216611 ECD_mFc(配列番号104)、C1ORF32_ECD_mFc(
配列番号105)、LOC253012_ECD_mFc(配列番号106)、ILDR1_ECD_mFc(配列番号107)、VSIG1_ECD_mFc(配列番号108)に対するウェスタンブロットの結果を示す。
レーンは以下の通りである:レーン1 分子量マーカー(Amersham、full
range ranbow、カタログ番号RPN800);レーン2‐ LOC253012_ECD_mFc(配列番号106);レーン3‐ FXYD3_ECD_mFc(配列番号103);レーン4‐ AI216611 ECD_mFc(配列番号104);レーン5‐ C1ORF32_ECD_mFc(配列番号105);レーン6‐ ILDR1_ECD_mFc(配列番号107);レーン7‐ VSIG1_ECD_mFc(配列番号108)。
実施例11:マウスFCに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3細胞外領域(ECD)のタンパク質産生
マウスFCに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3 ECDの産生のために、本明細書にて上述の対応するコンストラクトで安定にトランスフェクトされたHEK293T細胞のプールを用いた。通常は10%血清添加培地中で維持されるトランスフェクトされた細胞を、4mMのグルタミンおよび選択抗生物質(5ug/ml ピューロマイシン)が添加された血清を含まない培地(EX‐CELL293、SAFC)へ移し、振とうフラスコ中37℃にて、攪拌しながら懸濁培養で増殖させた。2Lのスピナーフラスコ中で3〜4日間の産生フェーズが行われるまで、段階希釈によって培養物容量を増加させた。スピナーから培地を回収し、遠心分離で細胞を除去し、0.22μmフィルターでろ過し、−20℃で保存した。
マウスFcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3のECDを、以下で述べるように、nプロテインAアフィニティクロマトグラフィを用いて精製した。
回収物を、2個の10kDカセット上のPALL限外ろ過システムを用いておよそ10倍に濃縮した。次に、濃縮物に5MのNaOHを添加することでpHを7.5に調節し、0.2μmのStericupフィルターでろ過した。
AKTA Explorer(GE Healthcare)を用いて精製プロセスを実施した。2mlのnProtein A Sepharose(商標) Fast Flow樹脂(カタログ番号17‐5280‐02)を、Poly‐prepクロマトグラフィカラム上にて、減圧下、10カラム容量分(CV)の70%エタノール、10CVのWFI(灌注用滅菌水(TEVA))、続いて、10CVのバッファーAにより洗浄した。2mlの樹脂を2個の500ml管へ移し(各々1ml)、濃縮した回収物を添加した。この管を、ローラー上にて4℃で一晩インキュベートし、タンパク質を結合させた。次に、結合した樹脂を、一定の流量下、XK16カラム(GE Healthcare、カタログ番号18‐8773‐01)へ移し、充填した。このカラムを、20CVのバッファーA(100Mm Tris pH7.4)で洗浄し、100%バッファーB(クエン酸/リン酸 pH3.0)を用いて1段階の溶離を行った。画分を12.5%(体積/体積)のバッファーC(2M Tris pH8.5)で滴定し、pHを約7.5に調節して、プールした。
53mlのHiPrep(商標)(GE Healthcare、カタログ番号17‐5087‐01)脱塩用カラム(desalting column)を用いて、最終バ
ッファーを、DPBS(ダルベッコリン酸バッファー生理食塩水 pH7.4、Caなし、Mgなし)pH7.4 Caなし、Mgなし、に交換した。タンパク質を0.22μmのフィルターでろ過し、滅菌条件下で等分し、−800Cで保存した。
最終タンパク質濃度を、BCA全タンパク質アッセイ(BCA total protein assay)で測定し、クーマシー染色還元性SDS/PAGEによってタンパク質を分析した(データ示さず)。比色LALアッセイ(カブトガニ血球抽出物、QCL‐1000、Cambrex)により、エンドトキシンレベルを測定した。特定のタンパク質の識別は、MS(Smoler Proteomics Center,Technion,ハイファ(Haifa)、データ示さず)によって確認した。
得られたタンパク質分析の結果を表139にまとめる。
表139
実施例12:本発明のECD Fc‐融合タンパク質の活性化細胞への結合
上述のVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3のFc‐融合ECDがT細胞上の推定対抗受容体(putative counter‐receptor)と結合する能力を調べるために、これらのFc‐融合ECDを、休止または活性化T細胞上で試験した。精製したT細胞をConA(Sigma Aldrich、カタログ番号C5275)で活性化し、続いて、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3のFc‐融合ECDと共にインキュベートし、フローサイトメトリーで分析した。
RosetteSep(商標) Human T Cell Enrichment Cocktail(StemCell Technologies、カタログ番号15061)を用いたネガティブ選別により、T細胞を全血から精製した。これにより、約90%の純度であるT(CD3+)細胞の集団が得られた。精製したT細胞(1X 105)を、活性化をしない状態またはConA(Concovalin A、10ug/ml、Sigma Aldrich、カタログ番号C5275)で活性化した状態のいずれかで、10%FBSを含有する100ulのRPMI1640完全培地中にて48時間培養した。培養物を回収し、ECD Fc‐融合タンパク質により、4℃にて1時間染色した(マウスIgG2 Fcに融合した、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、またはC1ORF32 ECD)。結合したタンパク質を、FITC‐結合F(ab)2ヤギ抗マウスFcにより、4℃にて30分間検出した(Jackson ImmunoResearch Laboratories、カタログ番号115‐096‐071)。試料の解析は、FACSCalibur(BD Immunocytometry Systems)およびCellQuestソフトウェアを用いて行った。
図62A〜Dは、ECD Fc‐融合タンパク質(VSIG1(配列番号108)、LOC253012(配列番号106)、AI216611(配列番号104)、またはC1ORF32(配列番号105))の、休止T細胞またはConAで活性化されたT細胞への結合を、種々の時間について示すものである。3種類の異なるドナーからの一次ヒトT細胞を、刺激の非存在下(0時間)またはConAの存在下にて合計48時間培養し、ConAは、最後の6、18、24、または48時間の培養に対して、10μg/mlの最終濃度となるように添加した(ドナー5からのT細胞は、ConAと共に0、6、18、および24時間培養し、一方、ドナー6および7は、0、6、24、および48時間培養した)。次に、細胞を回収し、10μg/mlの示したECD Fc‐融合タンパク質と共にインキュベートした。図62Aは、Fc‐融合VSIG1 ECDの結合結果を示し;図62Bは、Fc‐融合LOC253012の結合結果を示し;図62Cは、Fc‐融合C1ORF32 ECDの結合結果を示し;図62Dは、Fc‐融合AI216611 ECDの結合結果を示し、および図62Eは、Fc‐融合FXYD3 ECDの結合結果を示す。陽性細胞のパーセントは、示したタンパク質による陽性細胞とFITC‐結合F(ab)2ヤギ抗マウスFcで得られた陽性細胞との間の差として算出した。図63は、活性化T細胞へのB7様タンパク質の結合に関する用量反応を示す。精製したT細胞を48時間培養した。ConAは、最後の24時間添加した。次に、細胞を回収し、Fc‐融合VSIG1、LOC253012、C1ORF32、AI216611、またはILDR1 ECDにより、その濃度を増加させながら(3、6、12、25、および50μg/ml)染色した。ネガティブコントロールとしては、マウスIgG2aを同一の濃度で用いた。
図62A〜Dおよび63に示した結果は、試験したすべてのECD Fc‐融合タンパク質(マウスIgG2 Fcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、またはC1ORF32 ECD、それぞれ、配列番号108、107、106、104、または105)の結合が、アイソタイプコントロールとしてのネガティブコントロール:マウスIgG2a(R&D Systems、カタログ番号MAB003)よりも高い結合レベルであることを示している。Fc‐融合VSIG1 ECDおよびLOC253012 ECD‐Fcについて、ConAで刺激されたT細胞に対する著しい結合が検出された。図62A〜Dおよび63から分かるように、C1ORF32およびAI216611のFc‐融合ECDは、これらの細胞に対してより弱い結合を示した。各タンパク質は、ある程度のパーセントの活性化されたT細胞に結合することが分かった。結合レベルの順序は次の通り、VSIG1>LOC253012>ILDR1=A
I216611>C1ORF32、であった。いずれのタンパク質も、休止T細胞には結合しなかった(すなわち、図62A〜D中、ConAの0時間)。
本発明のECD Fc‐融合タンパク質のT細胞活性化に対する影響
本発明の可溶性タンパク質、マウスIgG2 Fcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、もしくはC1ORF32 ECD、それぞれ、配列番号108、107、106、104、もしくは105、の、T細胞増殖およびIL‐2分泌に対する共刺激または/並びに共阻害活性の可能性を試験するため、ヒトT細胞を、抗CD3(クローンOKT3、eBioscience、カタログ番号16‐0037‐85)および上述の本発明のB7様タンパク質の存在下で培養した。組換えヒトB7‐1タンパク質(R&D Systems、カタログ番号140‐B1)を、共刺激活性のポジティブコントロールとして用いた。組換えマウスB7‐H4タンパク質(R&D Systems、カタログ番号4206‐B7)を、共阻害活性のポジティブコントロールとして用いた。
まず、平底96‐ウェルプレートを、3μg/mlの抗CD3mAb(クローンOKT3)により、4℃にて一晩コーティングし、続いて、示した濃度のヒトB7‐1(R&D、3μg/ml)、マウスB7‐H4(R&D、10μg/ml)、または本発明のECD Fc‐融合タンパク質、マウスIgG2 Fcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、もしくはC1ORF32 ECD、により、37℃にて4時間コーティングした。ヒトT細胞を上述のようにして全血から精製し、あらかじめコーティングしておいた96‐ウェルプレートで(1x105細胞/ウェル)、10%FBSを含有するRPMI1640完全培地の250μl中、48時間培養した。コーティングしたプレートをPBSで3回洗浄後、細胞を播種した。T細胞の増殖は、細胞増殖ELISA、BrdU(比色)(Roche)により、BrdUの取り込みから測定した。細胞は、最後の18時間に、最終濃度100μMのBrdU標識試薬で標識した。次に、プレートを遠心分離にかけ(300g、10分間)、上清を吸引し、これに続くヒトIL‐2ELISA(Diaclone、カタログ番号850.010 096)を用いたIL‐2測定のために−20℃で保存した。BrdUの取り込みは、細胞増殖ELISA、BrdU(比色)(Roche、カタログ番号11‐647‐229)の製造元の説明書に従って測定した。
図64A〜Bは、抗CD3Abで活性化した際の、本発明のECD Fc‐融合タンパク質の、T細胞増殖またはIL‐2分泌に対する影響を示す。図64Aは、BrdUの取り込みのレベルを示す。図64Bは、IL‐2分泌のレベルを示す。
図64A〜Bに示す結果から、ECD‐Fc融合タンパク質、マウスIgG2Fcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、またはC1ORF32 ECD、はいずれも共刺激活性を示さなかったことが示される。ポジティブコントロールB7‐1は、予想通り強い共刺激活性を示した。Fc融合ILDR1 ECDおよびFc‐融合AI216611 ECDは、ネガティブコントロール:マウスIgG2aの存在下で得られたものと比較して、B7‐H4と同様に細胞増殖を阻害したことから、共阻害活性を有すると思われる(図64A)。しかし、ECD‐Fc融合タンパク質、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、またはC1ORF32 Fc‐融合ECD、のいずれでも、IL‐2分泌への大きな影響は観察されなかった(図64B)。
実施例13:本発明のECD Fc‐融合タンパク質のリンパ球およびCD4陽性細胞への結合
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、およ
びC1ORF32 Fc‐融合ECDがT細胞上の推定対抗受容体と結合する能力をさらに調べるために、これらのFc‐融合ECDを、まずリンパ球上で試験した。PBMCを、ヒト末梢血液から、FACSバッファー中にて1x10e7/mlで調製した。30ug/mlのFcブロッカー(hIgG(16D10)、ロット番号080706、1.3mg/ml)を添加し、細胞をブロッカーと共に氷上で30分間インキュベートした。融合タンパク質を、染色部(stain)あたり1ug/10e6で、氷上にて30分間で添加した。第二のAbを、1ug/100ul/染色部で、25〜30分間で添加した(G@mIgG‐Fc‐FITC:Jackson Immunol Lab、1mg/ml、コード番号115‐096‐071、ロット番号71453、1.0mg/ml、1ug/染色部で用いた)。細胞は、上記で概説した各工程においてバッファーで洗浄した。結合は、フローサイトメトリーで分析した。
図65は、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、またはC1ORF32のECD Fc‐融合の、リンパ球への結合を示す。図65から分かるように、C1ORF32、AI216611、およびILDR1は、リンパ球上に発現された対応物と結合する。
次に、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、FXYD3、およびC1ORF32 Fc‐融合ECDの、CD4+細胞への結合。30ug/mlでFcブロッカー(hIgG(16D10)、ロット番号080706、1.3mg/ml)を添加し、細胞をブロッカーと共に氷上で30分間インキュベートした。融合タンパク質を、染色部あたり1ug/10e6で、氷上にて30分間で添加した。第二のAbを、1ug/100ul/染色部で、25〜30分間で添加した(G@mIgG‐Fc‐FITC:Jackson Immunol Lab、1mg/ml、コード番号115‐096‐071、ロット番号71453、1.0mg/ml、1ug/染色部で用いた)。@CD4(m@hCD4‐APC:BD、カタログ番号3555349、ロット番号44331)を、各々染色部あたり20ugで、氷上にて30分間で添加した。
細胞は、上記で概説した各工程においてバッファーで洗浄した。結合は、フローサイトメトリーで分析した。
図66は、ILDR1、C1ORF32、およびAI216611のECD Fc‐融合の、CD4+細胞への結合を示す。
実施例14:本発明のECD Fc‐融合タンパク質のT細胞活性化に対する影響
本発明のB7様タンパク質の共刺激または/および共阻害活性の可能性を試験するため、マウスIgG2 Fcに融合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、またはC1ORF32 ECDのT細胞増殖に対する影響について試験した。CD3マイクロビーズ(モノクローナル抗ヒトCD3抗体(アイソタイプ:マウスIgG2a)に結合したマイクロビーズ(MACS Whole Blood CD3 Microbeads #130‐090‐874)を用い、ポジティブ選別によって全血からT細胞を精製した。Dynabeadsを、M‐450 Epoxy Dynabeads(Invitrogen カタログ番号140.11)と共にCD3+/−B7でコーティングする。CD3 T細胞の活性化については、精製したCD3 T細胞を、CD3+CD28コーティングビーズにより、必要に応じて種々の時間点において、1:1または1:05の比で刺激する。細胞を、CD3+CD28(各々2ug/ml)コーティングビーズの存在下または非存在下にて、ウェルあたり2x10e5で播種し、72時間後、トリチウム‐チミジン取り込みにより細胞の増殖を測定した。結果を図67に示す。図67中の「CD3」は、共刺激または共阻害分子が存在せず、CD3のみであることを意味し;「CD3+B7.2」は、CD3+公知のB7刺激コントロール、B7.2を
意味し;「CD3+B7H4」は、CD3およびB7H4、公知のB7阻害コントロール、を意味し;「CD3+B7H3」は、CD3およびB7H3、公知のB7刺激タンパク質、を意味し;「CD3+702」は、CD3+LOC253012‐ECD‐Fc融合(配列番号106)を意味し;「CD3+721」は、CD3+AI216611‐ECD‐Fc融合(配列番号104)を意味し;「CD3+754」は、CD3+C1ORF32‐ECD‐Fc融合(配列番号105)を意味し;「CD3+768」は、CD3+VSIG1‐ECD‐Fc融合(配列番号108)を意味し;「CD3+770」は、CD3+ILDR1‐ECD‐Fc融合(配列番号107)を意味し;「CD3+789」は、CD3+FXYD3‐ECD‐Fc融合(配列番号103)を意味する。
図67から分かるように、LOC253012‐ECD‐Fc、AI216611‐ECD‐Fc、VSIG1‐ECD‐Fc、およびFXYD3‐ECD‐Fcは、3つの異なる実験において、CD3単独と比較して、T細胞への阻害効果を有していた(図67A、B、およびC)。
実施例15:本発明のECD‐Fc融合タンパク質の休止B細胞、活性化B細胞、およびB細胞由来リンパ腫細胞株との相互作用
本発明のタンパク質のリンパ球への結合が示されたことに続いて(本明細書における実施例12および13)、本発明の可溶性タンパク質がB細胞へ結合する能力を調べた。
PBMCを、ヒト末梢血液から、FACSバッファー中にて1x10e7/mlで調製した。30μg/mlのFcブロッカー(hIgG(16D10)、ロット番号080706、1.3mg/ml)を添加し、細胞をブロッカーと共に氷上で30分間インキュベートした。本発明の融合タンパク質、ILDR1‐ECD‐Fc(配列番号107)、C1ORF32‐ECD‐Fc(配列番号105)、AI216611‐ECD‐Fc(配列番号104)、LOC253012‐ECD‐Fc(配列番号106)、FXYD3‐ECD‐Fc(配列番号103)、およびVSIG1‐ECD‐Fc(配列番号108)を、染色部あたり1μg/10e6で、氷上にて30分間で添加した。第二のAbを、1μg/100ul/染色部で、25〜30分間で添加した(G@mIgG‐Fc‐FITC:Jackson Immunol Lab、1mg/ml、コード番号115‐096‐071、ロット番号71453、1.0mg/ml、1ug/染色部で用いた)。細胞は、上記で概説した各工程においてバッファーで洗浄した。結合は、フローサイトメトリーで分析した。その後、細胞を、B細胞に特異的である@ヒトIgM‐PE(BD Bioscience,カリフォルニア州,米国、カタログ番号555783)で染色した。染色した細胞をフローサイトメトリーで分析した。@ヒトIgM陽性細胞をゲーティングし、本発明の融合タンパク質のB細胞への結合について解析した。
図68Aに示すように、ILDR1‐ECD‐FcおよびC1ORF32‐ECD‐Fcは、試験した3つのドナーすべてのB細胞に結合した。AI216611‐ECD‐Fcは、1つのドナーのB細胞に対してのみ結合を示した。
活性化B細胞上の対応物の存在を確認するために、PBMCをLPSにより72時間活性化した。その後、本発明のECD Fc‐融合タンパク質、ILDR1‐ECD‐Fc(配列番号107)、C1ORF32‐ECD‐Fc(配列番号105)、AI216611‐ECD‐Fc(配列番号104)、LOC253012‐ECD‐Fc(配列番号106)、FXYD3‐ECD‐Fc(配列番号103)、およびVSIG1‐ECD‐Fc(配列番号108)との結合を、上述のようにして行い、細胞を、マウス@ヒトCD86‐Cy5PE(BD Bioscience,カリフォルニア州,米国、S、カタログ番号555659)およびマウス@ヒトCD19‐PE(BD Bioscience,カリフォルニア州,米国)抗体で染色した。活性化された細胞は、二重陽性CD19+
/CD86+細胞集団として定義した。
図68Bに示すように、ILDR1‐ECD‐Fc(配列番号107)、C1ORF32‐ECD‐Fc(配列番号105)、およびAI216611‐ECD‐Fc(配列番号104)は、活性化B細胞への結合を示した。
B細胞悪性腫瘍中における対応物の存在を確認するために、B細胞リンパ腫細胞株中における、本発明のECD Fc‐融合タンパク質、ILDR1‐ECD‐Fc(配列番号107)、C1ORF32‐ECD‐Fc(配列番号105)、AI216611‐ECD‐Fc(配列番号104)、LOC253012‐ECD‐Fc(配列番号106)、FXYD3‐ECD‐Fc(配列番号103)、およびVSIG1‐ECD‐Fc(配列番号108)の結合を分析した。Raji(ATCC番号CCL‐86)およびDaudi(ATCC番号CCL−213)細胞をATCCから購入し、RPMI+10%FBS中に維持した。細胞を、B7タンパク質またはコントロールにより、10μg/mlで染色し、その後、FITC結合ヤギ抗マウスIgGFc(Jackson Immunol
Lab,ニュージャージー州,米国、カタログ番号115‐096‐071、ロット番号71453)で染色した。
図68Cは、本発明のB7様タンパク質のFc‐融合ECD(ILDR1‐ECD‐Fc(配列番号107)、C1ORF32‐ECD‐Fc(配列番号105)、AI216611‐ECD‐Fc(配列番号104)、LOC253012‐ECD‐Fc(配列番号106)、FXYD3‐ECD‐Fc(配列番号103)、およびVSIG1‐ECD‐Fc(配列番号108))の、B細胞リンパ腫細胞株への結合を示す。ILDR1‐ECD‐Fc(配列番号107)は、両方のB細胞リンパ腫細胞株への明らかな結合を示した。
実施例16:本発明のECD‐Fc融合タンパク質と公知のB7との相互作用
本発明のAI216611タンパク質とB7ファミリーの種々の公知のリガンドとの相互作用を分析した。AI216611は、推定CD28受容体であると予測されたため、オーファン(その対応する受容体がまだ識別されていない)であると考えられる公知のB7リガンド、B7H4に結合すると仮定した。
B7H4‐Ig(R&D Systems,Inc.、カタログ番号4206‐B7)とFc融合AI216611 ECD(配列番号104)との間の相互作用の分析は、表面プラズモン共鳴を用いて分子間相互作用を直接測定するBIAcore 3000 system(ウプサラ,スウェーデン)(Pharmacia Biosensor,ウプサラ,スウェーデン)を用いて行った。Fc融合AI216611 ECD(配列番号104)(400〜500レゾナンスユニット(RU))を、センサーCM5チップへ直接固定した。2種類の異なる濃度のB7H4‐Igを含有する溶液(5および10マイクロモル濃度)を注入した。コントロールとして、リガンドの固定を行っていない空のフローセルにもこの溶液を注入した。
データの解析は、BIAevaluationソフトウェア(GraphPad Software Inc.,サンディエゴ,カリフォルニア州)を用いて行った。ゼロベースラインレベルは、リガンドの固定を行っていないコントロールフローセルを通しての分析物の注入からバックグラウンド応答を引くことによって得た。
図69から分かるように、Fc融合AI216611 ECD(配列番号104)とB7H4との間の僅かな相互作用が、5および10μMのAI216611で見られた。
実施例17:マウスモノクローナル抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、および抗FXYD3抗体の開発
種々の癌組織中におけるB7様タンパク質の発現を免疫組織化学によって試験するために、本発明のタンパク質のFc‐融合ECDに特異的であるモノクローナルマウス抗体を開発した。
マウスモノクローナル抗体の開発:
Balb/cマウスの4グループ(グループあたりマウス3体)を、本発明の4種類のFc‐融合ECDタンパク質:VSIG1(配列番号108)、LOC253012(配列番号106)、C1ORF32(配列番号105)、およびFXYD3(配列番号103)により免疫した。免疫処理は、複数の部位、皮下および腹腔内に、1週間の間隔で8回行った。4回目および8回目の免疫処理の10日後にマウスの採血を行なった。以下で述べる直接ELISAプロトコルを用いて、抗体価について血清のスクリーニングを行った。
ELISAプレートを、DPBS中に希釈した2.5μg/mL Fc‐融合タンパク質(マウスIgG2 Fcに融合したVSIG1、LOC253012、C1ORF32、FXYD3 ECD、それぞれ、配列番号108、106、105、103)の50μl/ウェルにより、室温(RT)にて1時間コーティングした。マウスFc領域に融合したヒトIgGをネガティブコントロールとして用いた。その後、プレートを、1%BSA/DPBSの300μl/ウェルにより、RTにて15分間ブロックした。ブロッキング工程に続いて、免疫化マウスからの段階希釈した血清および関連性のないマウスIgGを、ブロックしたELISAプレートへ移し、RTにて1時間インキュベートした。その後、プレートを300μl/ウェルの洗浄バッファー(0.05%Tween20を含むDPBS、pH7.2〜7.4)で3回洗浄した。検出のために、プレートを、1:1000に希釈した50μl/ウェルのヤギ抗マウスカッパ軽鎖抗体と共に、RTにて1時間インキュベートし、続いて、よく洗浄し(300μl/ウェルの洗浄バッファーで6回)、基質と共にインキュベートした。基質である2,2’‐アジノ‐ビス‐(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸(ABTS)を100μL/ウェルで添加し、RTにて約5分間インキュベートした後、Molecular Devices SPECTRAmax 340PCプレートリーダーおよびSOFTmax PROソフトウェアを用いて、414nmにてプレートの読み取りを行った。
血清抗体価は、バックグラウンドの2倍のシグナルを発生する血清の希釈率として定義した。
4回の免疫処理後の免疫処理血清のELISA試験の結果を表140にまとめる。データによると、4回の免疫処理の後、2つのマウスグループ(LOC253012およびVSIG1 Fc融合タンパク質ECDで免疫処理)が、ハイブリドーマ産生に十分である抗体価を発生させたことが示される。
最も高い抗体血清価(antibody serum titers)を示したマウスを、ハイブリドーマ産生のために選択した。脾細胞をマウス骨髄腫細胞株Ag8.653と融合させた。関連するおよび関連しないコーティング剤によってコーティングしたプレートを用いて、直接ELISAにより(上述のように)、ハイブリドーマクローンの上清を試験した。結果を表141Aおよび表141Bにまとめる。
結果は、ハイブリドーマ細胞株の産生により、LOC253012を特異的に認識するクローン14個(表141A、太字)、およびVSIG1を特異的に認識するクローン14個(表141B、太字)が得られたことを示す。
残りのタンパク質については、残りのタンパク質に対する血清抗体価の発生を促進するために、さらに4回の免疫処理を行なった。8回目の免疫処理の後の血清価を直接ELISAで試験した。結果を表142にまとめる。結果は、8回の免疫処理の後、FXYD‐Fc融合ECD(配列番号103)およびC1ORF32‐Fc融合ECD(配列番号103)で免疫処理したマウスは、ハイブリドーマ産生に十分である抗体価を発生させた。次の工程では、ハイブリドーマ産生およびモノクローナル抗体製造に関して、最良のレスポンダーを選別する。
マウスモノクローナル抗ILDR1および抗AI216611抗体を、同様にして発生させる。
本発明の各抗原(VSIG1、LOC253012、C1ORF32、FXYD3、AI216611、およびILDR1、それぞれ、配列番号108、106、105、103、104、および107)に対するモノクローナル抗体を用いて、癌および正常組織におけるこれらの各推定タンパク質の発現プロファイルを確認するために、免疫組織化学分析を行う。
表140:4回の免疫処理後の免疫化マウスの抗体血清価
表141A:LOC253012で免疫した番号167223のマウスから得られた融合後クローン(post fusional clones)
表141B:VSIG1で免疫した番号167228のマウスから得られた融合後クローン
表142:8回の免疫処理後の免疫化マウスの抗体血清価
免疫組織化学分析
免疫組織化学により、特定の抗原(またはエピトープ)の組織内分布を可視化(光学または共焦点顕微鏡観察を用いて)することができる。このプロセスでは、抗体インキュベーションと称されるプロセスにて、特異的モノクローナルまたはポリクローナル抗体を組織表面に適用することにより、対象タンパク質標的の位置が特定される。
この方法は、基質特異的抗体による、固定化細胞中における基質のインサイチュ(in
situ)での検出を含む。基質特異的抗体は、酵素と結合していてもよく、またはフルオロフォアと結合していてもよい。検出は、顕微鏡観察により、主観的評価で行われる。酵素結合抗体が用いられる場合は、比色反応が必要である場合がある。
本発明の抗原(VSIG1、LOC253012、C1ORF32、FXYD3、AI
216611、およびILDR1、それぞれ、配列番号108、106、105、103、104、および107)に対して実施される免疫組織化学分析は、2つのフェーズから成る:
フェーズI:抗体キャリブレーション:特定のタンパク質抗原に対して発生した各抗体の段階希釈物について、選択されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)コントロール組織および細胞株を用いて実験を行う。結果の最も良かった抗体を選択してフェーズIIに進む。
フェーズII:タンパク質の分布および局在分析:フェーズIで選択された最適な抗体濃度を用いて、VSIG1、LOC253012、C1ORF32、FXYD3、AI216611、およびILDR1タンパク質の分布および局在分析を、癌および正常組織から成る組織アレイ中で行い、正常試料と比較した癌試料のいくつかにおける差次的発現を求める。
実施例17:完全ヒト抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、および抗FXYD3抗体の開発
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3抗原に対するヒトモノクローナル抗体の作出
マウスIgG2 Fcポリペプチドに結合したVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3の細胞外領域から成る融合タンパク質を、標準的な組換え法によって作出し、免疫処理の抗原として用いる。
トランスジェニックHuMabマウス
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3に対する完全ヒトモノクローナル抗体を、ヒト抗体遺伝子を発現するトランスジェニックHuMabマウス(登録商標)のHCo7系統からのマウスを用いて作出する。このマウス系統では、Chen et al. (1993) EMBO J.
12:811‐820に記載のように、内在性マウスカッパ軽鎖遺伝子が、ホモ接合的に破壊されており、PCT PublicationWO01/09187の実施例1に記載のように、内在性マウス重鎖遺伝子が、ホモ接合的に破壊されている。さらに、このマウス系は、Fishwild et al. (1996) Nature Biotechnology 14:845‐851に記載のように、ヒトカッパ軽鎖導入遺伝子、KCo5、を有し、米国特許第5,545,806号;第5,625,825号;および第5,545,807号に記載のように、ヒト重鎖導入遺伝子、HCo7、を有する。
HuMabの免疫処理:
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3に対する完全ヒトモノクローナル抗体を作出するために、HCo7HuMabマウス(登録商標)(この系統は、融合タンパク質をコードする遺伝子を含む発現ベクターでトランスフェクトされた哺乳類細胞由来の精製された組換えVSIG1融合タンパク質で免疫することができる)。HuMabマウス(登録商標)に対する一般的な免疫処理スキームは、Lonberg, N. et al (1994) Nature
368(6474): 856‐859; Fishwild, D. et al.
(1996) Nature Biotechnology 14: 845‐851、およびPCT Publication98/24884、に記載されている。第1回目の抗原の注入時のマウスの週齢は、6〜16週である。精製された組換えVSIG1抗原製剤(5〜50mug、VSIG1融合タンパク質を発現するトランスフェクトされた哺乳類細胞から精製)を用いて、HuMabマウスを腹腔内に免疫する。
トランスジェニックマウスを、完全フロイントアジュバントまたはRibiアジュバント中の抗原で2回腹腔内に免疫し、続いて、不完全フロイントアジュバントまたはRibiアジュバント中の抗原で3〜21日の腹腔内免疫接種を行う(合計で最大11回の免疫接種)。免疫反応は、後眼窩採血によりモニタリングする。血漿をELISAでスクリーニングし(以下で述べるように)、抗VSIG1ヒト免疫グロブリンの十分な力価を有するマウスを融合に用いる。マウスを静脈内に抗原で追加免疫し、3日後に屠殺および脾臓の除去を行う。
抗VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、およびFXYD3抗体を産生するHuMabマウス(商標)の選別:
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3と結合する抗体を産生するHuMabマウス(商標)を選別するために、Fishwild, D. et al. (1996)によって最初に報告されたように、免疫化マウスからの血清を改良ELISA(modified ELISA)で試験する。簡単に述べると、マイクロタイタープレートを、PBS中の1〜2mug/mlの精製された組換えVSIG1融合タンパク質により、50mul/ウェルでコーティングし、一晩4℃でインキュベートし、続いて、PBS中の5%BSAの200mul/ウェルでブロックする。VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3で免疫したマウスからの血漿の希釈物を各ウェルに添加し、環境温度にて1〜2時間インキュベートする。プレートをPBS/Tweenで洗浄し、次に、アルカリホスファターゼと結合したヤギ抗ヒトカッパ軽鎖ポリクローナル抗体と共に、室温にて1時間インキュベートする。洗浄後、プレートをpNPP基質で発色させ、OD 415〜650にて分光光度計で分析する。抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体価が最も高かったマウスを融合に用いる。融合を以下で述べるようにして行い、ハイブリドーマ上清を、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3活性についてELISAによって試験する。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3に対するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作出
HuMabマウスから単離されたマウス脾細胞を、標準的なプロトコルに基づき、PEGと共にマウス骨髄腫細胞株に融合させる。得られたハイブリドーマを、次に、抗原特異的抗体の産生についてスクリーニングする。免疫マウスからの脾臓リンパ球の単一細胞懸濁液を、50%PEG(Sigma)と共にP3X63 Ag8.6.53(ATCC CRL 1580)、非分泌マウス骨髄腫細胞の4分の1の数に対して融合させる。平底マイクロタイタープレートへ、およそ1X10−5/ウェルで細胞を播種し、続いて、10%ウシ胎仔血清を含み、RPMI中のオリゲン(origen)(IGEN)、L‐グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、HEPES、ペニシリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、1x HAT、およびベータ‐メルカプトエタノールを添加した選択培地中で約2週間インキュベートする。1〜2週間後、HATをHTで置き換えた培地で細胞を培養する。次に、個々のウェルを、ヒト抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3モノクローナルIgG抗体についてELISAによってスクリーニングする(上述)。ハイブリドーマを大きく繁殖させた後、通常は10〜14日後に培地をモニタリングする。抗体分泌ハイブリドーマを再播種し、再度スクリーニングし、それでもヒトIgGに対して陽性の場合、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3モノクローナル抗体を、限界希釈によって少なくとも2回サブクローン化する。次に、安定なサブクローンを生体外で培養して、さらなる特性決定のため
に少量の抗体を組織培養培地に産生させる。
ハイブリドーマクローンを、さらなる分析のために選別する。
所望される抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3ヒトモノクローナル抗体の構造特性決定
得られた抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可変領域をコードするcDNA配列は、それぞれ、得られたハイブリドーマから、標準的なPCR技術を用いて得られ、標準的なDNA配列決定技術を用いて配列決定される。
重鎖可変領域および軽鎖可変領域のヌクレオチド配列並びにアミノ酸配列が同定される。これらの配列は、公知のヒト生殖系免疫グロブリン軽鎖および重鎖配列と比較することができ、そして、得られた抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3配列の各重鎖および軽鎖のCDRが同定される。
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3ヒトモノクローナル抗体の結合特異性および結合動態の特性決定
抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体の結合親和性、結合動態、結合特異性、および交差競合(cross‐competition)を、ビアコア(Biacore)分析によって調べる。さらに、結合特異性を、フローサイトメトリーで調べる。
結合親和性および動態
本発明によって産生された抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体を、親和性および結合動態について、ビアコア分析(Biacore AB,ウプサラ,スウェーデン)によって特性決定する。精製された組換えヒトVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3融合タンパク質を、標準的なアミンカップリング化学およびBiacore製のキットを用い、一級アミンを介してCM5チップ(カルボキシメチルデキストランコーティングチップ)に共有結合させる。HBS EPバッファー(BIAcore AB製)中、267nMの濃度、50mul/分の流速で抗体を流動させることによって結合を測定する。抗原結合抗体の結合動態を3分間追跡し、解離速度を7分間追跡する。BlAevaluationソフトウェア(Biacore AB)を用いて、結合および解離曲線を1:1ラングミュア結合モデルに適合させる。結合定数の算出における結合活性の影響を最小限に抑えるため、結合および解離フェーズに相当する最初のデータセグメントのみを適合に用いる。
得られた抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体のエピトープマッピング
ビアコアを用いて、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3 HuMAbのエピトープグルーピング(epitope grouping)を決定する。得られた抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体を用いて、それぞれ、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3抗原上のそれらのエピトープをマッピングする。これらの異なる抗体を、同一のチップの3つの異なる表面上に、各々8000RUまでコーティングする。10mug/mLから開始して、mAbの各々の希釈を行い、F
c融合VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3(50nM)と共に1時間インキュベートする。インキュベートした複合体を、3つの表面上すべて(およびブランク表面)に、1.5分間、流速20muL/分で同時に注入する。1.5分間の終了後における各表面からのシグナルを、適切なブランクを引いた後に、複合体中のmAb濃度に対してプロットした。データの解析により、抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3抗体は、エピトープマッピングの結果に応じて、異なるエピトープ群に分類される。その機能特性も比較される。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3タンパク質を細胞表面で発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株を作成し、これを用いて、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3 HuMAbの特異性をフローサイトメトリーにより測定する。CHO細胞を、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、もしくはFXYD3抗原またはその変異体の膜貫通型をコードする完全長cDNAを含む発現プラスミドでトランスフェクトする。N末端にエピトープタグを含むトランスフェクトションされたタンパク質を、エピトープに対して特異的である抗体による検出に用いる。抗VSIG1、抗ILDR1、抗LOC253012、抗AI216611、抗C1ORF32、または抗FXYD3 MAbの結合の評価は、トランスフェクトされた細胞を、濃度10mug/mlのVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3 Abの各々と共にインキュベートすることによって行う。細胞を洗浄し、FITC‐標識抗ヒトIgG Abにより結合を検出する。ポジティブコントロールとしては、マウス抗エピトープタグAb、およびこれに続く標識抗マウスIgGを用いる。非特異的ヒトおよびマウスAbをネガティブコントロールとして用いる。得られたデータを用いて、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3抗原標的に対するHuMAbの特異性を評価する。
VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3に特異的であるこれらの抗体およびその他の抗体は、肺癌、結腸癌、および卵巣癌等の、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、もしくはFXYD3抗原が差次的に発現される癌の治療等、前述の抗VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、もしくはFXYD3に関連する治療に用いることができ、並びに/または、このような抗体が、例えば所望の標的癌細胞に対するT細胞活性の負の刺激を阻止するか、もしくはT細胞活性の正の刺激を阻止し、それによって所望の抗自己免疫効果を誘発する癌および自己免疫疾患の治療等、VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、もしくはC1ORF32抗原が関与するB7免疫共刺激の調節(促進または阻害)のために用いることができる。
疾患または状態がVSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、またはFXYD3抗原に関連する場合の治療および診断方法として用いることが所望される抗VSIG1、ILDR1、LOC253012、AI216611、C1ORF32、もしくはFXYD3抗体の製造および選別に関連して、本発明を説明し、予測的な実施形態を提供した。本発明を、以下の請求項によりさらに説明する。

Claims (3)

  1. 結腸癌の治療に使用される医薬組成物であって、
    以下の(i)〜(iii)からなる群から選択されるポリペプチド (i)配列番号299のアミノ酸配列を含むC1ORF32細胞外領域ポリペプチド、
    (ii)配列番号147のアミノ酸配列を含むC1ORF32細胞外領域ポリペプチド、
    (iii)配列番号148のアミノ酸配列を含むC1ORF32細胞外領域ポリペプチド、

    に特異的に結合する抗原結合部位を含む、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体、又は、前記抗体のFab、Fab’、F(ab’)2、F(ab’)、F(ab)、FvおよびscFv断片からなる群から選択される抗原結合性断片;
    並びに、
    薬学的に許容される希釈剤又は担体を含む、
    前記医薬組成物。
  2. 前記抗体又は抗原結合性断片が、完全ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化又は霊長類化された抗体;これらのFab、Fab’、F(ab’)2、F(ab’)、F(ab)、FvおよびscFv断片からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記抗体又は抗原結合性断片が、薬剤、放射線核種、フルオロフォア、酵素、毒素、治療薬剤、化学療法剤、又は検出可能マーカーから選択される部分に連結されており、そして、検出可能マーカーが、放射線同位体、金属キレート剤、酵素、蛍光化合物、生物発光化合物、又は化学発光化合物である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
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