JP6657064B2 - 浮沈装置 - Google Patents

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Description

本開示は、水中構造物を水中で浮沈させる浮沈装置に関する。
潜水艦などの水中構造物は、水中で浮沈するための浮沈装置を備えている。浮沈装置は、一般的にバラストタンクを備えており、バラストタンク内に封入される気体の体積を増減させることによって、水中構造物に作用する浮力を調整するように構成される。
バラストタンク内に封入される気体の体積を増減するための手段として、従来は、圧縮気体を蓄える高圧気蓄器が用いられていた。そして、浮上時には高圧気蓄器から圧縮気体をバラストタンク内に供給してバラストタンク内のバラスト水を排水するとともに、沈降時にはバラストタンク内の気体を排出してバラストタンク内にバラスト水を引き入れることで、水中構造物の沈降操作を行っていた。
しかしながら、このような高圧気蓄器を有する浮沈装置では、高圧気蓄器に蓄えられている圧縮気体を使い切ってしまうと、バラストタンク内に気体を供給できなくなり、水中構造物を浮上させることが出来なくなってしまう。この点、バラストタンク内に供給した気体をコンプレッサなどで圧縮して再度高圧気蓄器に蓄えることも考えられるが、この場合は、コンプレッサによって圧縮した気体を高圧気蓄器に戻すための設備が別途必要になるなど、その構造が複雑になってしまう。
特許文献1には、水室、水素室、及び反応室を備えた浮沈装置において、浮上時には反応室で発生させた水素を水素室に供給することで浮力を得るとともに、沈降時には水素室から排出された水素を反応室で吸収するように構成されることで、水中構造物を繰返し浮沈可能とした浮沈装置が開示されている。
また、特許文献2には、気体が密閉されたバラストタンクを備えた浮沈装置において、浮上時にはポンプによってバラストタンク内からバラスト水を排水することでバラストタンク内に密閉されている気体の体積を増加させるとともに、沈降時にはポンプによってバラストタンク内にバラスト水を注水することでバラストタンク内に密閉されている気体の体積を縮小させることで、水中構造物を繰返し浮沈可能とした浮沈装置が開示されている。
実開昭62−125694号公報 特開昭55−31613号公報
しかしながら、特許文献1に記載の浮沈装置は、水素を発生させ、且つ、水素室から排出された水素を吸収するための反応室が必要となり、その構造が複雑になるとの課題があった。
また、特許文献2に記載の浮沈装置は、バラストタンク内からバラスト水を排水するときに、バラストタンク内に密閉されている気体がポンプに吸い込まれ、ポンプがバラスト水を排水できない状態(いわゆる、エア噛み)を発生させる虞があった。
本発明の少なくとも一実施形態は上述した従来技術に鑑みなされたものであり、シンプルな構造で水中構造物を水中で繰返し浮沈させることが出来るとともに、バラスト水を排水できない状態の発生を防止することの出来る浮沈装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態にかかる浮沈装置は、
水中構造物を水中で浮沈させる浮沈装置であって、
気体が封入される第1気体室と、バラスト水が封入されるバラスト水室とが内部に形成されるバラストタンクと、
前記バラスト水室と前記バラストタンクの外部とを連通する連通孔を介して、前記バラスト水室内の前記バラスト水を排水するためのポンプと、
前記第1気体室と前記バラスト水室とを水密に仕切るための第1仕切部材と、を備え、
前記第1仕切部材は、前記バラスト水室に前記バラスト水が注水されると、前記バラスト水室の容積を増大させるとともに前記第1気体室の容積を減少させ、前記バラスト水室から前記バラスト水が排水されると、前記バラスト水室の容積を減少させるとともに前記第1気体室の容積を増大させるように構成されている。
上記(1)の構成によれば、沈降時にはバラスト水室にバラスト水を注水することで、バラスト水室の容積が増大するとともに第1気体室の容積が減少する。一方、浮上時には例えばポンプによってバラスト水室からバラスト水を排水することで、バラスト水室の容積が減少するとともに第1気体室の容積が増大する。このように、気体が封入される第1気体室の容積がバラスト水室の容積に応じて増減するように構成されることで、特許文献1に記載の浮沈装置のような反応室を備える必要がなく、シンプルな構造で水中構造物を水中で繰返し浮沈させることが出来る浮沈装置を提供することが出来る。
また、第1気体室とバラスト水室とは第1仕切部材によって水密に仕切られているとともに、バラスト水室からバラスト水が排水されると、バラスト水室の容積が減少するとともに第1気体室の容積が増大するように構成されている。そのため、例えばポンプによってバラスト水室に封入されているバラスト水を排水する場合に、第1気体室とバラスト水室とは第1仕切部材によって水密に仕切られた状態のまま、バラスト水室の容積が減少する。つまり、バラスト水室に封入されているバラスト水を排水しても、バラスト水室内には気体が混入しないような構造となっている。これにより、ポンプが気体を吸い込むことはなく、ポンプがバラスト水を排水できない状態(いわゆる、エア噛み)の発生を防止することが出来るようになっている。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記バラストタンクの内部には、前記バラストタンクの重心位置を挟んで前記第1気体室とは反対側に、気体が封入される第2気体室がさらに形成され、
前記第2気体室と前記バラスト水室とを水密に仕切るための第2仕切部材をさらに備え、
前記第2仕切部材は、前記バラスト水室に前記バラスト水が注水されると、前記バラスト水室の容積を増大させるとともに前記第2気体室の容積を減少させ、前記バラスト水室から前記バラスト水が排水されると、前記バラスト水室の容積を減少させるとともに前記第2気体室の容積を増大させるように構成されている。
上記(2)の構成によれば、第1気体室による浮力と、第2気体室による浮力とを、バラストタンクの重心位置を挟んで互いに反対側からバラストタンクに作用させることが出来る。これにより、バラストタンクに第1気体室による浮力のみが作用する場合と比べて、水中構造物の姿勢変動を抑制することが出来る。
また、バラストタンクの重心位置を挟んで第1気体室とは反対側に第2気体室を形成することで、複数のバラストタンクを備えずとも、1つのバラストタンクによって水中構造物の姿勢変動を抑制することが出来るようになっている。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第1気体室及び前記第2気体室の各々の容積は、前記バラスト水室の容積の増減に関わらず、互いに等しくなるように構成される。
上記(3)の構成によれば、バラスト水室の容積の増減に関わらず、第1気体室による浮力と第2気体室による浮力とは互いに等しくなる。これにより、上記(2)の構成に比べて、水中構造物の姿勢変動をさらに抑制させることが出来る。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)のいずれか一構成において、
前記第1仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて前記バラストタンク内を移動する第1ピストンからなり、
前記第2仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて前記バラストタンク内を移動する第2ピストンからなる。
上記(4)の構成によれば、第1仕切部材及び第2仕切部材は、バラスト水室の容積の増減に応じてバラストタンク内を移動するピストンからなる。このように、バラストタンク内を移動可能なピストンによってバラスト水室の容積を増減させることで、例えば後述するダイヤフラムの場合と比べて、バラスト水室の容積を大きく増減させることが可能となる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記バラストタンクは、
前記第1ピストンが前記連通孔を超えて前記第2ピストン側へ移動することを規制する第1移動規制手段と、
前記第2ピストンが前記連通孔を超えて前記第1ピストン側へ移動することを規制する第2移動規制手段と、を有する。
上記(5)の構成によれば、第1ピストンが連通孔を越えて第2ピストン側へ移動することを規制されるとともに、第2ピストンが連通孔を越えて第1ピストン側へ移動することを規制される。これにより、第1気体室及び第2気体室が、連通孔を介してバラストタンクの外部と連通することが確実に防止され、第1気体室及び第2気体室に気体が封入されている状態を維持することが出来る。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記第1移動規制手段及び前記第2移動規制手段は、前記バラストタンクの周壁の内面から突出するストッパからなる。
上記(6)の構成によれば、バラストタンクの周壁の内面から突出するストッパによって、第1ピストンの移動及び第2ピストンの移動を規制することが出来る。
また、バラストタンクの周壁の内面から突出するストッパによって第1移動規制手段及び第2移動規制手段を構成することで、例えば、浮沈装置の製造時において、第1ピストン及び第2ピストンをバラストタンク内に挿入するのに先立ち、バラストタンク内にストッパを設置することで、第1ピストン及び第2ピストンをバラストタンク内に挿入する際の位置決めのために、このストッパを利用することが出来る。
(7)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)のいずれか一構成において、
前記第1仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて変形する第1ダイヤフラムからなり、
前記第2仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて変形する第2ダイヤフラムからなる。
上記(7)の構成によれば、第1仕切部材及び第2仕切部材は、バラスト水室の容積の増減に応じて変形するダイヤフラムからなる。このように、ダイヤフラムが有する可撓性によってバラスト水室の容積を増減させることで、第1ダイヤフラム及び第2ダイヤフラムを移動させる必要がなく、摺動部材を必要としないことから、繰り返し且つ安定的に、バラスト水室の容積を増減させることが可能となる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(2)から(7)のいずれか一構成において、
前記バラストタンクは、
長手方向を有する形状からなる第1バラストタンクと、
長手方向を有する形状からなる第2バラストタンクであって、平面視において、前記水中構造物の重心位置を挟んで前記第1バラストタンクとは反対側において、前記第1バラストタンクの長手方向に沿って配置される第2バラストタンクと、を含む。
上記(8)の構成によれば、第1バラストタンク及び第2バラストタンクが、平面視において、水中構造物の重心位置を挟んで互いに反対側に形成されている。これにより、バラストタンクの長手方向だけでなく、バラストタンクの長手方向と直交する方向においても、水中構造物の姿勢変動を抑制することが出来る。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記バラストタンクは、前記第1気体室以外に気体が封入される気体室が前記バラストタンクの内部に形成されていない、複数の単気体室型バラストタンクを含み、
前記複数の単気体室型バラストタンクの各々は、前記複数の単気体室型バラストタンクの各々の前記第1気体室による浮力を合成した合成浮力の作用点が、前記複数の単気体室型バラストタンクの各々における前記バラスト水室の容積の増減に関わらず、平面視において、前記水中構造物の重心位置と略一致するように配置される。
上記(9)の構成によれば、複数の単気体室型バラストタンクの合成浮力の作用点が、水中構造物の重心位置と平面視において略一致するように構成される。これにより、長尺形状を有する水中構造物だけでなく、例えば、円形状や矩形状などの形状を有する水中構造物においても、複数の単気体室型バラストタンクを水中構造物の形状に応じて適当に配置することによって、水中構造物の姿勢変動を抑制することが出来る。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、シンプルな構造で水中構造物を水中で繰返し浮沈させることが出来るとともに、バラスト水を排水できない状態の発生を防止することが出来る。
本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える水中構造物である潜水艦の概略側面図である。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。 図4に示すストッパの変形例を拡大して示す断面図である。(A)はストッパの第1変形例を、(B)はストッパの第2変形例を示す。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える水中構造物である沈座標的の概略側面図である。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える沈座標的の第1変形例を示した概略平面図である。 本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える沈座標的の第2変形例を示した概略平面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の少なくとも一実施形態にかかる浮沈装置は、水中構造物に備えられ、該水中構造物に作用する浮力を調整することで水中構造物を水中で浮沈させるための装置である。
以下の実施形態では、水中構造物の一例として潜水艦1を例にして説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える水中構造物である潜水艦の概略側面図である。
図1に示すように、潜水艦1は、船体2と、船体2から上方向に向かって突出する艦橋3と、船体2の内部に備えられる浮沈装置4と、潜水艦1を推進させるためのプロペラ5とを備える。
なお、本開示において、浮沈装置4による浮力によって潜水艦1が浮沈する方向を上下方向とし、プロペラ5が回転することで得られる推進力によって潜水艦1が推進する方向を前後方向とする。
潜水艦1を含む水中構造物は、通常、姿勢変動が生じないように構成される。このため、図1に示したように、上述した浮沈装置4は、潜水艦1に作用する浮力(F1)の作用点(P1)が、潜水艦1の重力(G1)が作用する重心位置(P2)と前後方向において略一致するように、船体2の内部に配置される。
また、浮沈装置4は、潜水艦1に作用する浮力(F1)の作用点(P1)が、潜水艦1の重心位置(P2)よりも側面視において上方となるように、船体2の内部に配置される。
図2は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。図3は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。図4は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。図6は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置の構成を示した概略側面図である。
本発明の一実施形態にかかる浮沈装置4は、図2、3、4、6に示すように、バラストタンク10と、ポンプ14と、第1仕切部材15と、を備える。
バラストタンク10は、その内部に、気体が封入される第1気体室11及びバラスト水が封入されるバラスト水室12が形成されている。
本実施形態において、第1気体室11に封入される気体の圧力は、第1仕切部材15が初期状態(バラスト水室12の容積が最小となる状態)において略大気圧となっている。尚、図2、3、4に示すように、バラストタンク10は、気体を送気口19からバラストタンクの外部に送気可能に構成されている。このため、第1仕切部材15の摺動抵抗が大きいような場合には、第1気体室11内の初期状態を、第1仕切部材15の摺動抵抗に対抗するための適切な圧力に設定することができる。
ここで、本開示における「封入」とは、周辺の部材のよって画定された空間が特定の物質で満たされている状態を意味している。ただし、本発明の効果を奏する限りにおいて、第1気体室11に少量のバラスト水が混入している状態や、バラスト水室12に少量の気体が混入している状態も、本開示における「封入」に含まれる。
図2、3、4に示した実施形態では、バラストタンク10(10A、10B)は、両端が閉塞された略円筒形状を有し、前後方向が長尺となるように構成されている。バラストタンク10は、前後方向に沿って延在する周壁16と、バラストタンク10の前方側の端部を閉塞する前方側凸壁17と、バラストタンク10の後方側の端部を閉塞する後方側凸壁18と、を備える。周壁16は、その前方端16aから後方端16bに亘って同一の内部断面形状を有している。また、前方側凸壁17は、周壁16の前方端16aから前方に向かって突出するとともに、前方に向かうに従ってその内部断面形状が小さくなるように構成される。後方側凸壁18は、周壁16の後方端16bから後方側に向かって突出するとともに、後方に向かうに従ってその内部断面形状が小さくなるように構成される。
また、図2に示した実施形態では、バラストタンク10の内部の空間は、第1仕切部材15によって前後方向に2つに仕切られる。第1仕切部材15に対して一方側(前方側)には、第1仕切部材15、周壁16、前方側凸壁17によって区画され、気体が封入される第1気体室11が形成される。第1仕切部材15に対して他方側(後方側)には、第1仕切部材15、周壁16、後方側凸壁18によって区画され、バラスト水が封入されるバラスト水室12が形成される。つまり、バラストタンク10は、第1気体室11以外に気体が封入される気体室がバラストタンク10の内部に形成されず、後述する単気体室型バラストタンク10Aとして構成される。
なお、図3、4に示した実施形態にかかるバラストタンク10Bについては後述する。
ポンプ14は、バラスト水室12とバラストタンク10の外部とを連通する連通孔21を介して、バラスト水室12内のバラスト水を排水するように構成されている。
図2、3、4、6に示した実施形態では、連通孔21には、バラスト水室12と潜水艦1の外部とを連通するバラスト水管22が接続されている。ポンプ14は、バラスト水管22を介して、バラスト水室12と接続されている。このポンプ14は、バラスト水室12に封入されているバラスト水を、バラスト水管22を介して潜水艦1の外部に排水するためのものである。また、このポンプ14は、例えば海中において、潜水艦1の外部の海水をバラスト水として、バラスト水管22を介してバラスト水室12に注水するように構成されてもよい。
また、図2に示した実施形態では、連通孔21は、後方側凸壁18に形成されている。すなわち、連通孔21は、バラストタンク10Aの後方側であって、周壁16の後方端16bよりも後方側の位置に設けられている。
また、図3、4に示した実施形態では、連通孔21は、周壁16の前後方向における中央部に形成されている。
第1仕切部材15は、第1気体室11とバラスト水室12とを水密に仕切るための部材である。
図2、3、4に示した実施形態では、第1仕切部材15は、後述するように、バラスト水室12の容積の増減に応じてバラストタンク10内を移動する第1ピストン15Aからなる。
また、図6に示した実施形態では、第1仕切部材15は、後述するように、バラスト水室12の容積の増減に応じて変形する第1ダイヤフラム15Bからなる。
そして、第1仕切部材15は、バラスト水室12にバラスト水が注水されると、バラスト水室12の容積を増大させるとともに第1気体室11の容積を減少させるように構成される。
そのため、バラスト水室12にバラスト水を注水することで、バラストタンク10による浮力を減少させることが出来る。よって、浮沈装置4は、潜水艦1の重力を潜水艦1に作用する浮力より大きくさせ(G1>F1)、潜水艦1を水中で沈降させることが出来る。
また、第1仕切部材15は、バラスト水室12からバラスト水が排水されると、バラスト水室12の容積を減少させるとともに第1気体室11の容積を増大させるように構成される。そのため、バラスト水室12からバラスト水がポンプ14によって排水されると、バラストタンク10による浮力を増大させることが出来る。よって、浮沈装置4は、潜水艦1の重力を潜水艦1に作用する浮力より小さくさせ(G1<F1)、潜水艦1を水中で浮上させることが出来る。
このような本発明の一実施形態にかかる浮沈装置4によれば、沈降時にはバラスト水室12にバラスト水を注水することで、バラスト水室12の容積が増大するとともに第1気体室11の容積が減少する。一方、浮上時には例えばポンプ14によってバラスト水室12からバラスト水を排水することで、バラスト水室12の容積が減少するとともに第1気体室11の容積が増大する。このように、気体が封入される第1気体室11の容積がバラスト水室12の容積に応じて増減するように構成されることで、特許文献1に記載の浮沈装置のような反応室を備える必要がなく、シンプルな構造で潜水艦1を水中で繰返し浮沈させることが出来る浮沈装置4を提供することが出来る。
また、第1気体室11とバラスト水室12とは第1仕切部材15によって水密に仕切られているとともに、バラスト水室12からバラスト水が排水されると、バラスト水室12の容積が減少するとともに第1気体室11の容積が増大するように構成されている。よって、例えばポンプ14によってバラスト水室12に封入されているバラスト水を排水する場合に、第1気体室11とバラスト水室12とは第1仕切部材15によって水密に仕切られた状態のまま、バラスト水室12の容積が減少する。つまり、バラスト水室12に封入されているバラスト水を排水しても、バラスト水室12内には気体が混入しないような構造となっている。これにより、ポンプ14が気体を吸い込むことはなく、ポンプ14がバラスト水を排水できない状態(いわゆる、エア噛み)の発生を防止することが出来るようになっている。
幾つかの実施形態では、図3、4、6に示したように、バラストタンク10(10B、10C)の内部には、バラストタンク10の重心位置(P3)を挟んで第1気体室11とは反対側に、気体が封入される第2気体室23がさらに形成される。
浮沈装置4は、第2気体室23とバラスト水室12とを水密に仕切るための第2仕切部材24をさらに備える。
そして、第2仕切部材24は、バラスト水室12にバラスト水が注水されると、バラスト水室12の容積を増大させるとともに第2気体室23の容積を減少させ、バラスト水室12からバラスト水が排水されると、バラスト水室12の容積を減少させるとともに第2気体室23の容積を増大させるように構成されている。
図3、4、6に示した実施形態において、第2気体室23に封入される気体の圧力は、第1仕切部材15及び第2仕切部材24が初期状態(バラスト水室12の容積が最小となる状態)において、第1気体室11に封入されている気体の圧力と同様に、略大気圧となっている。
また、図3、4に示した実施形態では、バラストタンク10の内部の空間は、第1仕切部材15及び第2仕切部材24によって前後方向に3つに仕切られる。第1仕切部材15に対して一方側(前方側)には、第1仕切部材15、周壁16、前方側凸壁17によって区画され、気体が封入される第1気体室11が形成される。第2仕切部材24に対して他方側(後方側)には、第2仕切部材24、周壁16、後方側凸壁18によって区画され、気体が封入される第2気体室23が形成される。そして、第1仕切部材15と第2仕切部材との間には、第1仕切部材15、第2仕切部材24、周壁16によって区画され、バラスト水が封入されるバラスト水室12が形成される。つまり、バラストタンク10Bは、第1気体室11と第2気体室23の2つの気体室が、バラスト水室12を挟んで互いに反対側に位置するように構成されている。
このような構成によれば、第1気体室11による浮力(F2)と、第2気体室23による浮力(F3)とを、バラストタンク10の重心位置(P3)を挟んで互いに反対側からバラストタンク10に作用させることが出来る。これにより、バラストタンク10に第1気体室11による浮力(F2)のみが作用する場合と比べて、潜水艦1の姿勢変動を抑制することが出来る。
また、バラストタンク10の重心位置(P3)を挟んで第1気体室11とは反対側に第2気体室23を形成することで、複数のバラストタンクを備えずとも、1つのバラストタンク10Bによって潜水艦1の姿勢変動を抑制することが出来るようになっている。
複数のバラストタンクを備える場合は、それに対する注排水系統もバラストタンク毎に複数必要となるが、1つのバラストタンク10だけを備える場合は、複数のバラストタンクを備える場合と比べて、注排水系統をシンプルに構成することが出来る。
幾つかの実施形態では、図3、4、6に示したように、第1気体室11及び第2気体室23の各々の容積は、バラスト水室12の容積の増減に関わらず、互いに等しくなるように構成される。
つまり、第1気体室11及び第2気体室23には、第1仕切部材15及び第2仕切部材24が初期状態(バラスト水室12の容積が最小となる状態)において、同じ種類の気体が同じ圧力(例えば略大気圧)で封入されている。
そして、図3、4に示した実施形態では、第1ピストン15A及び第2ピストン24Aは、バラスト水室12の容積の増減に関わらず、常に同じ距離だけ移動するように構成されている。また、図6に示した実施形態では、第1ダイヤフラム15B及び第2ダイヤフラム24Bは、バラスト水室12の容積の増減に関わらず、常に同じように変形するように構成されている。
このような構成によれば、バラスト水室12の容積の増減に関わらず、第1気体室11による浮力(F2)と第2気体室23による浮力(F3)とは互いに等しくなる。これにより、潜水艦1の姿勢変動をさらに抑制させることが出来る。
また、図3、4、6に示した実施形態では、図3において説明するように、第1気体室11における浮力(F2)の作用点(P4)とバラストタンク10の重心位置(P3)との距離(L1)と、第2気体室23における浮力(F3)の作用点(P5)とバラストタンク10の重心位置(P3)との距離(L2)とが、バラスト水室12の容積の増減に関わらず、互いに等しくなるように構成される。
この場合、バラストタンク10は、重心位置(P3)を上下方向に通過する中心線Oに対して略対称に構成されている。
このような構成によれば、バラスト水室12の容積の増減に関わらず、第1気体室11の浮力(F2)によってバラストタンク10に作用するモーメントと、第2気体室23の浮力(F3)によってバラストタンク10に作用するモーメントとは、互いに打ち消し合うように作用する。これにより、潜水艦1の姿勢変動をさらに抑制させることが出来る。
幾つかの実施形態では、第1仕切部材15は、上述したように、バラスト水室12の容積の増減に応じてバラストタンク10内を移動する第1ピストン15Aからなる。
また、図3、4に示したように、第2仕切部材24は、バラスト水室12の容積の増減に応じてバラストタンク10内を移動する第2ピストン24Aからなる。
第1ピストン15A及び第2ピストン24Aには、その周囲にシールリング13が装着されている。そして、このシールリング13が、バラストタンク10の周壁16と摺動可能に構成されることで、第1ピストン15A及び第2ピストン24Aが移動しても、バラスト水室12と、第1気体室11及び第2気体室23とが、水密に仕切られるようになっている。
そして、バラスト水室12にバラスト水が注水されると、第1ピストン15Aは第1気体室11側に移動するとともに、第2ピストン24Aは第2気体室23側に移動する。これにより、バラスト水室12の容積が増大するとともに、第1気体室11の容積及び第2気体室23の容積は減少する。
一方、バラスト水室12からバラスト水が排水されると、第1ピストン15A及び第2ピストン24Aは共にバラスト水室12側に移動する。これにより、バラスト水室12の容積は減少するとともに、第1気体室11の容積及び第2気体室23の容積は増大する。
このような構成によれば、第1仕切部材15及び第2仕切部材24は、バラスト水室12の容積の増減に応じてバラストタンク10内を移動するピストンからなる。このように、バラストタンク10内を移動可能なピストンによってバラスト水室12の容積を増減させることで、例えば後述するダイヤフラムの場合と比べて、バラスト水室12の容積を大きく増減させることが可能となる。
幾つかの実施形態では、図4に示したように、バラストタンク10は、第1ピストン15Aが連通孔21を超えて第2ピストン24A側へ移動することを規制する第1移動規制手段25Aと、第2ピストン24Aが連通孔21を超えて第1ピストン15A側へ移動することを規制する第2移動規制手段25Bと、を有する。
このような構成によれば、第1ピストン15Aが連通孔21を越えて第2ピストン24A側へ移動することを規制されるとともに、第2ピストン24Aが連通孔21を越えて第1ピストン15A側へ移動することを規制される。これにより、第1気体室11及び第2気体室23が、連通孔21を介してバラストタンク10の外部と連通することが確実に防止され、第1気体室11及び第2気体室23に気体が封入されている状態を維持することが出来る。
幾つかの実施形態では、図4に示したように、第1移動規制手段25A及び第2移動規制手段25Bは、バラストタンク10の周壁16の内面16cから突出するストッパ25Sからなる。
図示した実施形態では、ストッパ25Sは、前後方向に沿って延在しており、ストッパ25Sの前後方向における中心位置(P10)が、中心線Oに位置するように構成されている。そして、ストッパ25Sの両端部には、第1ピストン15Aと接触する第1接触部25Sa、及び第2ピストン24Aと接触する第2接触部25Sbが形成されている。
第1接触部25Saは、前後方向において、連通孔21の周縁における最も前方側の位置(P6)よりも、前方側に位置するように構成される。第2接触部25Sbは、前後方向において、連通孔21の周縁における最も後方側の位置(P7)よりも、後方側に位置するように構成される。
このような構成によれば、バラストタンク10の周壁16の内面16cから突出するストッパ25Sによって、第1ピストン15A及び第2ピストン24Aの移動を規制することが出来る。
また、バラストタンク10の周壁16の内面16cから突出するストッパ25Sによって第1移動規制手段25A及び第2移動規制手段25Bを構成することで、例えば、浮沈装置4の製造時において、第1ピストン15A及び第2ピストン24Aをバラストタンク10内に挿入するのに先立ち、バラストタンク10内にストッパ25Sを設置することで、第1ピストン15A及び第2ピストン24Aをバラストタンク10内に挿入する際の位置決めのために、このストッパ25Sを利用することが出来る。
また、図4に示した実施形態では、ストッパ25Sは、側面視において、第1接触部25Saから中心線Oまでの長さ(L3)と、第2接触部25Sbから中心線Oまでの長さ(L4)とが、同じ長さになるように構成されている。
これにより、バラスト水室12の容積が最小となる初期状態において、第1気体室11及び第2気体室23の各々の容積を互いに等しくすることが出来る。このため、何らかの原因によって、第1ピストン15Aの移動量と第2ピストン24Aの移動量とにズレが生じ、第1気体室11及び第2気体室23の各々の容積を互いに等しい状態に維持できなくなった場合であっても、バラスト水室12からバラスト水を排水してバラスト水室12の容積を最小にすることで、第1気体室11及び第2気体室23の各々の容積を互いに等しい状態に戻すことが出来る。
なお、上述した説明では、第1ピストン15Aの移動及び第2ピストン24Aの移動を規制する移動規制手段として、第1接触部25Sa及び第2接触部25Sbを有するストッパ25Sを例示して説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
図5は、図4に示すストッパの変形例を拡大して示す断面図である。(A)はストッパの第1変形例を、(B)はストッパの第2変形例を示す。
例えば、移動規制手段として、図5の(A)に示したように、バラストタンク10の周壁16の内面16cから突出する2つのストッパ25S1、25S2を設けてもよい。そして、一方のストッパ25S1が第1ピストン15Aと接触する第1接触部25Saを有することで第1ピストン15Aの移動を規制し、他方のストッパ25S2が第2ピストン24Aと接触する第2接触部25Sbを有することで第2ピストン24Aの移動を規制するように構成してもよい。
あるいは、移動規制手段として、図5の(B)に示したように、バラストタンク10の周壁16の内面16cに一体的に形成された段部16Sによって、第1ピストン15Aの移動及び第2ピストン24Aの移動を規制するように構成してもよい。
幾つかの実施形態では、図6に示したように、第1仕切部材15は、バラスト水室12の容積の増減に応じて変形する第1ダイヤフラム15Bからなる。また、第2仕切部材24は、バラスト水室12の容積の増減に応じて変形する第2ダイヤフラム24Bからなる。
第1ダイヤフラム15B及び第2ダイヤフラム24Bは、可撓性を有する隔膜部材からなる。第1ダイヤフラム15Bは、第1気体室とバラスト水室12とを水密に仕切り、第2ダイヤフラム24Bは、第2気体室23とバラスト水室12とを水密に仕切る。
そして、バラスト水室12にバラスト水が注水されると、第1ダイヤフラム15Bは第1気体室11側に膨出するように変形するとともに、第2ダイヤフラム24Bは第2気体室23側に膨出するように変形する。これにより、バラスト水室12の容積が増大するとともに、第1気体室11の容積及び第2気体室23の容積は減少する。
一方、バラスト水室12からバラスト水が排水されると、第1ダイヤフラム15B及び第2ダイヤフラム24Bは共にバラスト水室12側に膨出するように変形する。これにより、バラスト水室12の容積は減少するとともに、第1気体室11の容積及び第2気体室23の容積は増大する。
このような構成によれば、第1仕切部材15及び第2仕切部材24は、バラスト水室12の容積の増減に応じて変形するダイヤフラムからなる。このように、ダイヤフラムが有する可撓性によってバラスト水室12の容積を増減させることで、第1ダイヤフラム15B及び第2ダイヤフラム24Bを移動させる必要がなく、摺動部材を必要としないことから、繰り返し且つ安定的に、バラスト水室12の容積を増減させることが可能となる。
また、図6に示した実施形態では、バラストタンク10Cは球形状を有している。このように、バラストタンク10が球形状を有する場合は、第1仕切部材15及び第2仕切部材24を上述したピストンによって構成することは難しいが、第1仕切部材15及び第2仕切部材24をダイヤフラムによって構成することで、バラスト水室12の容積の増減に応じて第1気体室11の容積及び第2気体室23の容積を増減させることが出来る。
上述した実施形態では、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置4を備える水中構造物の一例として、潜水艦1を例に説明したが、これに限定されず、図7に示すように、沈座標的100であってもよい。ここで沈座標的100とは、例えば、試験や研究のために水中を浮沈する水中構造物である。
なお、以下の実施形態において、上述した実施形態と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える水中構造物である沈座標的の概略側面図である。
図7に示すように、沈座標的100は、船体101と、船体101を浮沈させるための浮沈装置4と、船体101の水中での位置を固定するための錨102と、を備える。
船体101は、略矩形状を有し、前後方向が長尺となるように構成されている。船体101の両端からは係留索103が垂下されており、係留索103の先端103aには錨102が接続されている。
図8は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える沈座標的の第1変形例を示した概略平面図である。
幾つかの実施形態では、図8に示したように、沈座標的100Aを水中で浮沈させる浮沈装置4を備えるバラストタンク10は、長手方向を有する形状からなる第1バラストタンク10B1と、長手方向を有する形状からなる第2バラストタンク10B2であって、平面視において、沈座標的100Aの重心位置(P10)を挟んで第1バラストタンク10B1とは反対側において、第1バラストタンク10B1の長手方向に沿って配置される第2バラストタンク10B2と、を含む。
図示した実施形態では、第1バラストタンク10B1及び第2バラストタンク10B2は、それらの長手方向が、沈座標的100Aの前後方向に沿うように配置されている。
沈座標的100Aは、前後方向と直交する幅方向においても所定の大きさ有しており、幅方向においても姿勢変動を抑制する必要がある。
このような構成によれば、第1バラストタンク10B1及び第2バラストタンク10B2が、平面視において、沈座標的100Aの重心位置(P10)を挟んで互いに反対側に形成されている。これにより、バラストタンクの長手方向だけでなく、バラストタンクの長手方向と直交する方向(幅方向)においても、沈座標的100Aの姿勢変動を抑制することが出来る。
また、図示した実施形態では、沈座標的100Aを水中で浮沈させる浮沈装置4は、第1バラストタンク10B1の連通孔21B1と接続されるバラスト水管22(第1バラスト水管22B1)と、第2バラストタンク10B2の連通孔21B2と接続されるバラスト水管22(第2バラスト水管22B2)と、第1バラスト水管22B1を介して第1バラストタンク10B1に接続されるとともに、第2バラスト水管22B2を介して第2バラストタンク10B2に接続されるポンプ14と、第1バラスト水管22B1を流れるバラスト水の流量を調整するための第1調整弁151B1と、第2バラスト水管22B2を流れるバラスト水量を調整するための第2調整弁151B2と、を備えている。
このような構成によれば、沈座標的100Aに幅方向の姿勢変動が生じても、第1調整弁151B1によって、第1バラストタンク10B1のバラスト水室12に封入されるバラスト水の流量を調整することが出来る。また、第2調整弁151B2によって、第2バラストタンク10B2のバラスト水室12に封入されるバラスト水の流量を調整することが出来る。これにより、第1バラストタンク10B1による浮力及び第2バラストタンク10B2による浮力を夫々調整することが出来、沈座標的100Aに幅方向の姿勢変動が生じても、沈座標的100Aの姿勢を安定的な姿勢に戻すことが出来る。
図9は、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置を備える沈座標的の第2変形例を示した概略平面図である。
図9に示した実施形態において、沈座標的100Bは、平面視において略円形状を有している。
幾つかの実施形態では、図9に示すように、沈座標的100Bを水中で浮沈させる浮沈装置4はバラストタンク10を含み、該バラストタンク10は、第1気体室11以外に気体が封入される気体室がバラストタンク10の内部に形成されていない、複数の単気体室型バラストタンク10Aを含む。
そして、複数の単気体室型バラストタンク10Aの各々は、複数の単気体室型バラストタンク10Aの各々の第1気体室11による浮力を合成した合成浮力の作用点(P11)が、複数の単気体室型バラストタンク10Aの各々におけるバラスト水室12の容積の増減に関わらず、平面視において、沈座標的100Bの重心位置(P12)と略一致するように配置される。
図示した実施形態では、沈座標的100Bは、平面視において略円形状を有している。
そして、ポンプ14は、複数の単気体室型バラストタンク10Aの各々とバラスト水管22を介して接続されている。
なお、図示した実施形態において、沈座標的100Bは、沈座標的100Bの重心位置(P12)を中心として放射状に配置された6つの単気体室型バラストタンク10A(10A1〜10A6)を含む。
また、図示した実施形態では、複数の単気体室型バラストタンク10A1〜10A6の各々の第1気体室11は、複数の単気体室型バラストタンク10A1〜10A6の各々のバラスト水室12よりも沈座標的100Bの径方向外側に配置されている。
このような構成によれば、複数の単気体室型バラストタンク10A1〜10A6の合成浮力の作用点(P11)が、沈座標的100Bの重心位置(P12)と平面視において略一致するように構成される。これにより、長尺形状を有する沈座標的100だけでなく、例えば、円形状や矩形状などの形状を有する沈座標的100Bにおいても、複数の単気体室型バラストタンク10A1〜10A6を沈座標的100Bの形状に応じて適当に配置することによって、沈座標的100Bの姿勢変動を抑制することが出来る。
以上、本発明の一実施形態にかかる浮沈装置4について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、浮沈装置4を備える水中構造物の一例として、潜水艦1又は沈座標的100を例にして説明したが、これに限定されず、例えば、UUV(自律型無人潜水機)や水中航走体などの他の水中構造物にも適用可能である。
1 潜水艦
2,101 船体
3 艦橋
4 浮沈装置
5 プロペラ
10 バラストタンク
10A 単気体室型バラストタンク
11 第1気体室
12 バラスト水室
13 シールリング
14 ポンプ
15 第1仕切部材
15A 第1ピストン
15B 第1ダイヤフラム
16 周壁
19 送気口
21 連通孔
22 バラスト水管
23 第2気体室
24 第2仕切部材
24A 第2ピストン
24B 第2ダイヤフラム
25A 第1移動規制手段
25B 第2移動規制手段
25S ストッパ
100,100A,100B 沈座標的
102 錨
103 係留索
151B1 第1調整弁
151B2 第2調整弁

Claims (8)

  1. 水中構造物を水中で浮沈させる浮沈装置であって、
    気体が封入される第1気体室と、バラスト水が封入されるバラスト水室とが内部に形成されるバラストタンクと、
    前記バラスト水室と前記バラストタンクの外部とを連通する連通孔を介して、前記バラスト水室内の前記バラスト水を排水するためのポンプと、
    前記第1気体室と前記バラスト水室とを水密に仕切るための第1仕切部材と、を備え、
    前記第1仕切部材は、前記バラスト水室に前記バラスト水が注水されると、前記バラスト水室の容積を増大させるとともに前記第1気体室の容積を減少させ、前記バラスト水室から前記バラスト水が排水されると、前記バラスト水室の容積を減少させるとともに前記第1気体室の容積を増大させるように構成され
    前記バラストタンクの内部には、前記バラストタンクの重心位置を挟んで前記第1気体室とは反対側に、気体が封入される第2気体室がさらに形成され、
    前記第2気体室と前記バラスト水室とを水密に仕切るための第2仕切部材をさらに備え、
    前記第2仕切部材は、前記バラスト水室に前記バラスト水が注水されると、前記バラスト水室の容積を増大させるとともに前記第2気体室の容積を減少させ、前記バラスト水室から前記バラスト水が排水されると、前記バラスト水室の容積を減少させるとともに前記第2気体室の容積を増大させるように構成されている、浮沈装置。
  2. 前記第1気体室及び前記第2気体室の各々の容積は、前記バラスト水室の容積の増減に関わらず、互いに等しくなるように構成される請求項1に記載の浮沈装置。
  3. 前記第1仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて前記バラストタンク内を移動する第1ピストンからなり、
    前記第2仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて前記バラストタンク内を移動する第2ピストンからなる請求項1又は2に記載の浮沈装置。
  4. 前記バラストタンクは、
    前記第1ピストンが前記連通孔を超えて前記第2ピストン側へ移動することを規制する第1移動規制手段と、
    前記第2ピストンが前記連通孔を超えて前記第1ピストン側へ移動することを規制する第2移動規制手段と、を有する請求項3に記載の浮沈装置。
  5. 前記第1移動規制手段及び前記第2移動規制手段は、前記バラストタンクの周壁の内面から突出するストッパからなる請求項4に記載の浮沈装置。
  6. 前記第1仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて変形する第1ダイヤフラムからなり、
    前記第2仕切部材は、前記バラスト水室の容積の増減に応じて変形する第2ダイヤフラムからなる請求項1又は2に記載の浮沈装置。
  7. 前記バラストタンクは、
    長手方向を有する形状からなる第1バラストタンクと、
    長手方向を有する形状からなる第2バラストタンクであって、平面視において、前記水中構造物の重心位置を挟んで前記第1バラストタンクとは反対側において、前記第1バラストタンクの長手方向に沿って配置される第2バラストタンクと、を含む請求項1から6の何れか1項に記載の浮沈装置。
  8. 水中構造物を水中で浮沈させる浮沈装置であって、
    気体が封入される第1気体室と、バラスト水が封入されるバラスト水室とが内部に形成されるバラストタンクと、
    前記バラスト水室と前記バラストタンクの外部とを連通する連通孔を介して、前記バラスト水室内の前記バラスト水を排水するためのポンプと、
    前記第1気体室と前記バラスト水室とを水密に仕切るための第1仕切部材と、を備え、
    前記第1仕切部材は、前記バラスト水室に前記バラスト水が注水されると、前記バラスト水室の容積を増大させるとともに前記第1気体室の容積を減少させ、前記バラスト水室から前記バラスト水が排水されると、前記バラスト水室の容積を減少させるとともに前記第1気体室の容積を増大させるように構成され、
    前記バラストタンクは、前記第1気体室以外に気体が封入される気体室が前記バラストタンクの内部に形成されていない、複数の単気体室型バラストタンクを含み、
    前記複数の単気体室型バラストタンクの各々は、前記複数の単気体室型バラストタンクの各々の前記第1気体室による浮力を合成した合成浮力の作用点が、前記複数の単気体室型バラストタンクの各々における前記バラスト水室の容積の増減に関わらず、平面視において、前記水中構造物の重心位置と略一致するように配置される、浮沈装置。
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