JP6656050B2 - フィルム状半導体封止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体実装時にNCF(Non Conductive Film)として使用されるフィルム状半導体封止剤に関する。
従来より、半導体実装においては、IC(Integrated Circuit)チップの電極(バンプ)が形成されている面と、基板の電極(電極パット)が形成された面とを対峙させ、ICチップのバンプと基板の電極パッドとを電気的に接続するフリップチップ法が行われている。
このフリップチップ法では、電極同士の接続部分を外部から保護し、ICチップと基板との線膨張係数の違いに起因する応力を緩和するために、通常、電極接続後に、アンダーフィル剤と呼ばれる液状の熱硬化性接着剤を半導体チップと基板との間に流し込み硬化させるようにする。
近年、ICチップの微細化が急速に進んでいる。これに伴い、隣接する電極間のピッチや、半導体チップと基板との間のギャップが益々狭くなる傾向にある。このため、毛細管現象を利用してアンダーフィル剤をICチップと基板との間に流し込むと、ボイドが発生したり、アンダーフィル剤の流し込みに長時間を要する等の問題が発生してしまう。
このため、NCP(Non Conductive Paste)と呼ばれる液状の接着剤、もしくは、NCF(Non Conductive Film)と呼ばれるフィルム状の接着剤を予め基板に塗布、もしくは、貼付し、その後、フィリップチップボンダー等による、加熱圧接(Thermal Compression Bonding:TCB)で樹脂を硬化させ、ICチップのバンプと基板の電極パッドとを接続する、いわゆる先入れ法が試みられている(特許文献1参照)。
NCFに要求される特性として、ボイドフリーであり、電気的接続性およびその信頼性に優れることが求められる。また、ロール状で出荷されるため、ハンドリング性の確保のために、折り曲げに対する耐性が要求される。また、折り曲げに対する耐性が不十分だと、TCB工程後に実施されるダイシング工程でNCFに欠けやバリが発生して実装不良となるおそれがある。
作業開始時の位置決めを行う際、ウエハ上に貼付したNCFを介して、ウエハやチップの目印となる認識マークを確認するため、透明性に優れることが求められる。
また、ウエハ上にNCFを貼付した状態で、NCFにタックがないことがハンドリング性に優れるので好ましい。
特開第4752107号明細書
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するため、上述したNCFの要求特性を満たすフィルム状半導体封止剤を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、(A)式(1)で示す(メタ)アクリレート化合物、

(式(1)中、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル基である。)
(B)重量平均分子量(Mw)が40000以上のフェノキシ樹脂、
(C)平均粒径0.01〜0.1μmのシリカフィラー、
(D)有機過酸化物、
(E)シランカップリング剤、
(F)フラックス剤
を含み、
膜厚50μm以下での可視光域の平均透過率が20%以上であり、かつタック値が25℃下において1.0N以下である、フィルム状半導体封止剤を提供する。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、前記(A)成分の(メタ)アクリレート化合物、100質量部に対して、前記(D)成分の有機過酸化物を0.1〜4.0質量部含有することが好ましい。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、前記(C)成分のシリカフィラーの含有量が、本発明のフィルム状樹脂組成物の各成分の合計質量100質量部に対して、25〜65質量部であることが好ましい。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、前記(D)成分の有機過酸化物がジアルキルパーオキサイド構造を有することが好ましい。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、前記(E)成分のシランカップリング剤が、エポキシ基、または、メタクリル基を有することが好ましい。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、前記(F)成分のフラックス剤が8−キノリノールであることが好ましい。
また、本発明は、本発明のフィルム状半導体封止剤を用いた半導体装置を提供する。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、膜厚50μm以下での可視光域の平均透過率が20%以上であるため、NCFとして使用した際に、ウエハ上に貼付したNCFを介して、ウエハやチップの目印となる認識マークを確認できる。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、タック値が25℃下において1.0N以下であるため、半導体装置製造時における取扱性に優れている。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、折り曲げ耐性に優れるため、ロール状で出荷する際にハンドリング性に優れる。また、NCFとして使用する際に、TCB工程後に実施されるダイシング工程で欠けやバリが発生するおそれがない。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、NCFとして使用する際に、TCB工程での実装性に優れる。
図1は、実施例でのTCB温度プロファイルを示したグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、以下に示す(A)〜(G)成分を必須成分として含有する。
(A)(メタ)アクリレート化合物
(A)成分の(メタ)アクリレート化合物は、本発明のフィルム状半導体封止剤をNCFとして使用する際に、フィルムの硬化性能に寄与する成分である。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、(A)成分の(メタ)アクリレート化合物として、式(1)で示す(メタ)アクリレート化合物を含有する。

式(1)中、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル基である。
(A)成分の(メタ)アクリレート化合物として、2官能以上であること、すなわち、2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレート化合物であることから、速硬化性・ボイド抑制の理由から好ましい。
式(1)で示す(メタ)アクリレート化合物の含有量は、(B)成分のフェノキシ樹脂成分100質量部に対して、100〜400質量部であることが好ましく、150〜240質量部であることがさらに好ましい。
(B)フェノキシ樹脂
(B)成分のフェノキシ樹脂は、フィルム形成剤として作用する。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、(B)成分のフェノキシ樹脂として、重量平均分子量(Mw)が40000以上のフェノキシ樹脂を用いる。重量平均分子量(Mw)が40000未満だと十分なフィルム形成能が得られず、折り曲げ耐性が不十分になるためである。
(B)成分のフェノキシ樹脂について、質量平均分子量(Mw)の上限は特に限定されないが、80000以下のものを用いることが入手容易性という点で好ましく、70000以下のものを用いることがより好ましい。
(B)成分のフェノキシ樹脂は、重量平均分子量(Mw)が40000以上である限り特に限定されないが、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA−ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂が好ましい。
(B)成分のフェノキシ樹脂の含有量は、本発明の(A)成分の(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、25〜100質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがさらに好ましい。
(C)シリカフィラー
(C)成分のシリカフィラーは、本発明のフィルム状半導体封止剤をNCFとして使用する際に、実装された半導体パッケージの信頼性を向上させる目的で添加される。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、(C)成分のシリカフィラーとして、平均粒径が0.01〜1μmのシリカフィラーを用いる。その理由は、狭ギャップへの浸透性、透明性の理由から好ましいためである。
(C)成分のシリカフィラーは、平均粒径が0.05〜0.3μmであることが好ましい。
ここで、フィラーの形状は特に限定されず、球状、不定形、りん片状等のいずれの形態であってもよい。なお、フィラーの形状が球状以外の場合、フィラーの平均粒径とは該フィラーの平均最大径を意味する。
(C)成分のシリカフィラーとして、シランカップリング剤等で表面処理が施されたものを使用してもよい。表面処理が施されたシリカフィラーを使用した場合、シリカフィラーの凝集を防止する効果が期待される。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、(C)成分の含有量は本発明のフィルム状半導体封止剤の各成分の合計質量100質量部に対して、25〜65質量部であることが好ましく、30〜60質量部であることがより好ましい。
(D)有機過酸化物
(D)成分の有機過酸化物は、本発明のフィルム状半導体封止剤の加熱硬化時において、(A)成分の(メタ)アクリレート化合物の反応を促進する。
(D)成分の有機過酸化物としては、たとえば、ジクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等のジアルキルパーオキサイド構造を有する有機過酸化物が例示される。
上記した有機過酸化物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジクミルパーオキサイドがTCB工程における硬化性、フィルム状樹脂組成物のライフ安定性等の理由から好ましい。
(D)成分の有機過酸化物の含有量は、(A)成分の(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、0.1〜4.0質量部であることが好ましく、0.5〜2.5質量部であることがより好ましい。
(E)シランカップリング剤
(E)成分のシランカップリング剤は、本発明のフィルム状半導体封止剤をNCFとして使用した際に、ICチップや基板に対する密着性を向上させる目的で添加される。
(E)成分のシランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、ビニル系、メタクリル系、アクリル系、メルカプト系等の各種シランカップリング剤を用いることができる。これらの中でも、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤、メタクリル基を有するメタクリル系シランカップリング剤が、密着性が高い等の理由から好ましい。
エポキシ基を有するシランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM403、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM402、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(商品名:KBE−402、信越化学株式会社製)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
メタクリル基を有するシランカップリング剤の具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503、信越化学株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM502、信越化学株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(商品名:KBE502、信越化学株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE503、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、(E)成分のシランカップリング剤の含有量は、本発明のフィルム状半導体封止剤の各成分の合計質量100質量部に対して、0.2〜0.6質量部であることが好ましく、0.3〜0.5質量部であることがより好ましい。
(F)フラックス剤
(F)成分のフラックス剤は、本発明のフィルム状半導体封止剤をNCFとして使用する際に、フラックス活性剤をなす成分である。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、(F)成分を含有することにより、NCFとして使用した際に、電気的接続性およびその信頼性が高い。
(F)成分のフラックス剤としては、たとえば、8−キノリノール、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、セバシン酸等のカルボン酸類、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミン臭化水素酸塩、モノエタノールアミン臭化水素酸塩等が例示される。
これらの中でも、8−キノリノールが、フラックス活性、ボイド抑制等の理由から好ましい。
本発明のフィルム状半導体封止剤において、(F)成分の含有量は、そのフラックス活性に応じて異なるが、(F)成分として、8−キノリノールを用いる場合は、本発明のフィルム状半導体封止剤の各成分の合計質量100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.1〜1質量部であることがより好ましい。
(その他の配合剤)
本発明のフィルム状半導体封止剤は、上記(A)〜(F)成分以外の成分を必要に応じてさらに含有してもよい。このような成分の具体例としては、消泡剤、表面調整剤、レオロジー調整剤、分散剤、沈降防止剤等が挙げられる。また、本発明のフィルム状半導体封止剤の弾性率や応力を調整する目的でエラストマー類を含有させてもよい。各配合剤の種類、配合量は常法通りである。
(フィルム状半導体封止剤の製造)
本発明のフィルム状半導体封止剤は、慣用の方法により製造することができる。例えば、溶剤の存在下または非存在下で、上記(A)成分〜(F)成分、さらに必要に応じて配合するその他の配合剤を加熱真空混合ニーダーにより混合して樹脂組成物を調製する。
上記(A)成分〜(F)成分、さらに必要に応じて配合するその他の配合剤が所望の含有割合となるように、所定の溶剤濃度に溶解し、それらを10〜80℃に加温された反応釜に所定量投入し、回転数100〜1000rpmで回転させながら、常圧混合を3時間行った後、真空下(最大1Torr)でさらに3〜60分混合攪拌することができる。
上記の手順で調製された樹脂組成物を溶剤で希釈してワニスとし、これを支持体の少なくとも片面に塗布し、乾燥させた後、支持体付のフィルム状半導体封止剤、または、支持体から剥離したフィルム状半導体封止剤として提供することができる。
ワニスとして使用可能な溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等の高沸点溶剤等が挙げられる。溶剤の使用量は特に限定されず、従来から使用されている量とすることができるが、好ましくは、フィルム状半導体封止剤の各成分に対して20〜90質量%である。
支持体は、フィルム状半導体封止剤の製造方法における所望の形態により適宜選択され、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム等の金属箔、ポリエステル、ポリエチレン等の樹脂のキャリアフィルム等が挙げられる。本発明のフィルム状半導体封止剤を、支持体から剥離したフィルムの形態として提供する場合、支持体は、シリコーン化合物等の離型剤で離型処理されていることが好ましい。
ワニスを塗布する方法は、特に限定されないが、例えば、スロットダイ方式、グラビア方式、ドクターコーター方式等が挙げられ、所望のフィルムの厚みなどに応じて適宜選択される。塗布は、乾燥後に形成されるフィルムの厚みが、所望の厚みになるように行われる。このような厚みは、当業者であれば、溶剤含有量から導くことができる。
乾燥の条件は、ワニスに使用される溶剤の種類や量、ワニスの使用量や塗布の厚みなどに応じて適宜設計され、特に限定されるものではないが、例えば、60〜100℃であり、大気圧下で行うことができる。
次に本発明のフィルム状半導体封止剤の特性について述べる。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、膜厚50μm以下での可視光域の平均透過率が20%以上であるため、NCFとして使用した際に、ウエハ上に貼付したNCFを介して、ウエハやチップの目印となる認識マークを確認できる。ここで、膜厚50μm以下での可視光域の平均透過率としたのは、NCFとして使用する際の膜厚が、通常50μm以下であるためである。
なお、後述する実施例では、可視光域の平均透過率の代わりに、可視光域の中央値となる波長550nmにおける透過率を評価した。波長550nmにおける透過率が20%以上であれば、可視光域の平均透過率は、通常20%以上となる。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、後述する実施例に記載の手順で測定されるステージ温度25℃のタック値が1.0N以下であるため、半導体装置製造時における取扱性に優れている。本発明のフィルム状半導体封止剤は、ステージ温度25℃のタック値が0.5N以下であることがより好ましい。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、折り曲げ耐性に優れるため、後述する実施例に記載の手順で耐クラック性評価を実施した際に、クラックの発生が認められない。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、電気的接続性およびその信頼性に優れている。具体的には、TCB工程での実装性に優れ、かつ、耐吸湿リフロー性が良好である。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、短時間での実装が可能であり、生産性が高い。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、フラックス効果を併せ持っており、はんだ接続性に優れる。
本発明のフィルム状半導体封止剤は、上記の特性により、NCFとして好適である。
次に本発明のフィルム状半導体封止剤の使用手順を以下に示す。
本発明のフィルム状半導体封止剤を用いて半導体パッケージを実装する場合、基板上の半導体チップを実装する位置へフィルム状半導体封止剤を所望の形状にてラミネータ等で貼り付ける。
また、半導体回路が形成されたウエハ上へラミネータ等にて貼り付けた後、ダイサー等により個々のチップへ切り出すこともできる。ラミネーション条件は特に限定されないが、加熱、加圧、減圧などの条件を適宜組み合わせることができる。特に微細な凹凸へボイド等の欠陥なく貼り付けるためには、加熱温度は40〜120℃、減圧度は1hPa以下、圧力は0.5MPa以上が好ましい。
フィルム状半導体封止剤をラミネーション等により貼り付けた後、フリップチップボンダー等により基板上のチップ搭載位置へ加熱圧接(TCB)によって半導体チップを実装する。TCB条件は特に限定されないが、半導体チップサイズ、バンプ材質、バンプ数等によりTCB条件を適宜選択することができる。
加熱温度は50〜300℃、時間は1〜20秒、圧力は5〜450Nであることが好ましい。
本発明の半導体装置は、半導体装置の製造時に、本発明のフィルム状半導体封止剤を使用したものである限り特に限定されない。本発明の半導体装置の具体例としては、フリップチップ構造を有する半導体装置が挙げられる。フリップチップは、バンプと呼ばれる突起状の電極を有しており、この電極を介して基板等の電極と接続される。バンプ材質としては、はんだ、金、銅等が上げられる。フリップチップと接続される基板としてはFR−4等の単層、または積層された有機基板、シリコン、ガラス、セラミックなどの無機基板があり、銅および銅上への金メッキまたはスズメッキ、はんだ層等を形成した電極が用いられる。フリップチップ構造の半導体装置としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリーデバイス、CPU(Central Processing Unit)GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーデバイス、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、LCD(Liquid Crystal Display)等に使用されるドライバーIC等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜7)
下記表に示す配合割合となるように各原料を混合し、混合物が50wt%の濃度となるように溶剤中に溶解・分散させて塗工用ワニスを調製した。溶剤はメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)を使用した。
離型剤を塗布したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上へ塗工用ワニスを約20μmの乾燥厚みとなるよう塗工した。その後、塗工用ワニスを塗工した離型剤処理されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを乾燥機中で80℃にて10分間乾燥して溶剤を除去し、20μm厚のフィルムを作製した。なお、表中の各組成に関する数値は質量部を表している。
フィルム状樹脂組成物の作成時に使用した成分は以下の通り。
(A)(メタ)アクリレート化合物
ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(下記式(1)で、R1およびR2が水素原子の化合物。)、商品名エポキシエステル3000A (共栄社化学株式会社製)

(A´1)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、商品名ライトエスエルBP−2EMK(共栄社化学株式会社製)
(A´2)ウレタンアクリレート、商品名U−6LPA(新中村化学工業株式会社製)
(B)フェノキシ樹脂
(B1)ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、商品名FX−316、Mw:52000(新日鉄住金化学株式会社製)
(B2)ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂、商品名jER4250、Mw:60000(三菱化学株式会社製)
(B3)ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂、商品名YP−50、Mw:70000(新日鉄住金化学株式会社製)
(B´)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、商品名PKHB、Mv:32000(Inchem社製)
(C)シリカフィラー
(C1)商品名YA010C−MJE(平均粒径0.01μm、Nv(不揮発分)50質量%(MEKスラリー)(株式会社アドマテックス社製)
(C2)商品名YA050C−MFE、平均粒径0.05μm、Nv(不揮発分)50質量%(MEKスラリー)(株式会社アドマテックス製)
(C3)商品名Sciqas、平均粒径0.1μm(堺化学工業株式会社製)
(C´1)商品名R805、平均粒径0.007μm、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製)
(C´2)商品名Sciqas、平均粒径0.4μm(堺化学工業株式会社製)
(D)有機過酸化物
ジクミルパーオキサイド、商品名Percumyl D(日油株式会社製)
(E)シランカップリング剤
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、商品名KBM403(信越化学工業株式会社製)
(F)フラックス剤
8−キノリノール、シグマアルドリッチジャパン合同会社製
上記の手順で作製したフィルムを用いて、以下の評価を実施した。
(フィルム特性)
可視光透過率:波長550nmにおける透過率を下記手順で測定した。
20μm厚のフィルムを用いて紫外可視分光光度計を用いて測定した。治具にフィルム状半導体封止剤をセットし、波長400nm〜700nmの範囲を測定し、550nmの波長での透過率を読みとり透過率値とした。
タック:タック測定器(商品名TAC−1000、株式会社レスカ製)を用いて25℃のタック値を以下手順で測定した。
5cm角のフィルムを用いて、ステージ、プローブ温度を25℃に設定し、測定条件は、プローブ径5mmφ、プローブ押し付け速度1mm/sec、荷重1500g、保持時間1sec、引き上げ速度10mm/secとした。N5で測定し平均値をタック値とした。
屈曲性:PET上に形成されたフィルムを180度折り曲げて、クラックが発生するかどうかを確認し、クラックが発生しなかった場合は○とし、クラックが発生した場合は×とした。
(実装性)
上記の手順で作製したフィルムをNCFとして使用し、下記手順により、Bottomチップ上にテスト用チップを実装した。
テスト用チップは、サイズが7.3mm×7.3mm×0.125mm(t)であり、42μm×42μm×10μmのCuピラー上へはんだ層を形成したバンプが1048個設けられている。
テストチップを搭載するためのBottomチップは、サイズが10.0mm×10.0mm×0.725mm(t)であり、Cu/Sn/Agからなる電極が設けられている。
上記の手順で作製したフィルムを、Bottomチップ上に載せ、真空加圧ラミネータ(株式会社名機製作所社製、商品名MLP500/600)を用いて下記条件でラミネートした。
真空度:1hPa以下
温度:70℃
加圧:0.8MPa
時間:300sec
ラミネート後、フリップチップボンダー(東レエンジニアリング株式会社製、商品名TC−3000S)を用いて、テスト用チップとBottomチップとを加熱圧接(TCB)した。
フリップチップボンダーのステージ温度を80℃、荷重を150Nに設定し、図1に示すTCB温度プロファイルに設定した。TCBプロファイルはテスト用チップとBottomチップの間に熱電対(50μmφ)を入れ、測定した温度履歴を使用した。TCB後、その試験片を175℃にて2時間加熱して試験片を得た。このようにして、実装性評価用の試験片を3つずつ作製し、以下の評価を実施した。
SAT観察
作製した試験片を超音波探傷装置(Scanning Acoustic Tomography、SAT)を用いて反射法にてボイド/デラミネーションを観察した。画像上、白い影が見えたものを不良品とした。表中の記載は、不良品サンプル数/測定サンプル数を示している(以下、同様)。
はんだ接続
作製した試験片を、X−sectionにてペリフェラル部を1列断面観察した。テスト用チップのはんだと、BottomチップのPadとの界面のはんだ濡れがあるか確認し、まったく濡れがおきていないものを不良品とした。
実施例1〜8は、いずれもフィルム特性(波長550nm透過率、ステージ温度25℃のタック値、屈曲性)が良好であった。また、上記の手順で作製した試験片の実装性の評価がいずれも良好であった。なお、実施例1〜3、8は、各成分の配合割合を変えた実施例である。実施例4,5は、(B)成分として、重量平均分子量(Mw)が異なるフェノキシ樹脂を使用した実施例である。実施例6,7は、(C)成分として、平均粒径が異なるシリカフィラーを使用した実施例である。
比較例1は、(A´1)成分として、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレートを使用した例であり、波長550nm透過率が低く20%未満であるため、認識マークが確認できず実装不可であった。比較例2は、(A´2)成分として、ウレタンアクリレートを使用した例であり、波長550nm透過率が低く20%未満であるため、認識マークが確認できず実装不可であった。比較例3は、(B´)成分として、質量平均分子量(Mw)が40000未満の水性フェノキシ樹脂を使用した例であり、ステージ温度25℃のタック値が1.0N超であり、実装不可であった。また、屈曲性評価の際にクラックが発生した。比較例4は、(C´1)成分として、平均粒径0.01μm未満のシリカフィラーを使用した例であり、屈曲性評価の際にクラックが発生した。また、実装性評価(はんだ接続、SAT観察)が3試験片全て不良品となった。比較例5は、(C´2)成分として、平均粒径0.1μm超のシリカフィラーを使用した例であり、波長550nm透過率が低く20%未満であるため、認識マークが確認できず実装不可であった。比較例6は、(F)成分のフラックス剤を含有しない例であり、実装性評価の3試験片全てではんだ接続が不良品となった。比較例7は、(C)成分のシリカフィラーを含有しない例であり、実装性評価の3試験片全てでSAT観察が不良品となった。

Claims (7)

  1. (A)式(1)で示す(メタ)アクリレート化合物、

    (式(1)中、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはメチル基である。)
    (B)重量平均分子量(Mw)が40000以上のフェノキシ樹脂、
    (C)平均粒径0.01〜0.1μmのシリカフィラー、
    (D)有機過酸化物、
    (E)シランカップリング剤、
    (F)フラックス剤
    を含み、
    膜厚50μm以下での可視光域の平均透過率が20%以上であり、かつタック値が25℃下において1.0N以下である、フィルム状半導体封止剤。
  2. 前記(A)成分の(メタ)アクリレート化合物、100質量部に対して、前記(D)成分の有機過酸化物を0.1〜4.0質量部含有する、請求項1に記載のフィルム状半導体封止剤。
  3. 前記(C)成分のシリカフィラーの含有量が、フィルム状樹脂組成物の各成分の合計質量100質量部に対して、25〜65質量部である、請求項1または2に記載のフィルム状半導体封止剤。
  4. 前記(D)成分の有機過酸化物がジアルキルパーオキサイド構造を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム状半導体封止剤。
  5. 前記(E)成分のシランカップリング剤は、エポキシ基、または、メタクリル基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム状半導体封止剤。
  6. 前記(F)成分のフラックス剤が8−キノリノールである、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム状半導体封止剤。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム状半導体封止剤を用いた半導体装置。
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