JP6655862B1 - 塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]以下(組成1)と(組成2)で規定される組成を有し、且つ、以下(特性1)と(特性2)で規定される特性を有する、塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液。
(組成1)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のAl2O3濃度が、0.05質量%以上8質量%未満である。
(組成2)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のSiO2/Al2O3(モル比)と塩基度(%)が、SiO2/Al2O3(モル比)をX、塩基度(%)をYとしたときに、以下の式1〜式6に囲まれた領域内におけるいずれかの値である。
式1:X≧0.01
式2:X≦1.5
式3:Y≧3
式4:Y≦83
式5:Y≧44X-5.8(0.2≦X≦1.2の範囲)
式6:Y≧76.667X-45(1.2≦X≦1.5の範囲)
(特性1)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のHaze率が25%以下である。
(特性2)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を下記フロック強度試験に供試したときの濁度差が50度以下である。
〔フロック強度試験〕
1Lの平底ガラスビーカー(内径10.5±0.5cm)に収容した1000mLの模擬被処理水(模擬被処理水は蒸留水に多木化学(株)製のペースト肥料「タキペースト14号」を5.0g/Lの濃度となるように添加して調製したもの)に対し、Al2O3として10mgの注入量となるように塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を有姿で注入し、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて115rpmで1分間撹拌後、弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤である「タキフロックA-122A」(多木化学(株)の商品名)の1.0mg/mL水溶液を1.0mL注入し、更に115rpmで1分間撹拌し、次いで45rpmで5分間撹拌する。次に、10分間の静置後、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を測定し、濁度Aとする。
上記上澄み採取後の残液に対して、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて200rpmで5分間撹拌してから10分間の静置を行い、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を測定し、濁度Bとする。
濁度差を、濁度差=濁度B−濁度Aの式により算出する。
[2]上記[1]記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液と、アニオン性又はノニオン性の高分子凝集剤とを被処理水に添加し、凝集処理する水処理方法。
[3]上記[1]記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液と、当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液以外の無機凝集剤と、アニオン性又はノニオン性の高分子凝集剤とを被処理水に添加し、凝集処理する水処理方法。
[4]以下の(i)又は(ii)の工程を含む、上記[1]記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液の製造方法。
(i)塩化アルミニウム及び/又は塩基性塩化アルミニウムと、アルミノケイ酸ナトリウムと、を水存在下で混合する工程。
(ii)塩化アルミニウム及び/又は塩基性塩化アルミニウムと、アルミノケイ酸ナトリウムと、塩基度調整剤と、を水存在下で混合する工程。
[5]上記[1]記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を乾燥して得られる粉体。
なお、本発明において、数値範囲に関する「数値1〜数値2」という表記は、数値1を下限値とし数値2を上限値とする、両端の数値1及び数値2を含む数値範囲を意味し、「数値1以上数値2以下」と同義である。
(組成1)本発明の水溶液のAl2O3濃度が、0.05質量%以上8質量%未満である。
(組成2)本発明の水溶液のSiO2/Al2O3(モル比)と塩基度(%)が、SiO2/Al2O3(モル比)をX、塩基度(%)をYとしたときに、以下の式1〜式6に囲まれた領域内におけるいずれかの値である。
式1:X≧0.01
式2:X≦1.5
式3:Y≧3
式4:Y≦83
式5:Y≧44X-5.8(0.2≦X≦1.2の範囲)
式6:Y≧76.667X-45(1.2≦X≦1.5の範囲)
(特性1)本発明の水溶液のHaze率が25%以下である。
(特性2)本発明の水溶液を後掲のフロック強度試験に供試したときの濁度差が50度以下である。
一方、本発明の水溶液は、コロイド形態のアルミニウムの存在によるものかは不明であるが、本発明の水溶液を使用した水処理試験から得た知見では、凝集阻害物質の影響を受け難いと考えられるものであった。したがって、本発明の水溶液は、B50水道用PACよりも有効成分であるAl2O3注入量が少なくても、上記凝集阻害物質を含む被処理水に対して優れた除濁力を発揮することができるものである。
好ましい一形態においては、Mがアルカリ金属のみ(アルカリ土類金属を含有しない)のものである。また、別の好ましい一形態においては、硫酸イオンを含有しないものである。更に別の好ましい一形態においては、Mがアルカリ金属のみ(アルカリ土類金属を含有しない)、且つ、硫酸イオンを含有しないものである。
模擬被処理水は、蒸留水に多木化学(株)製のペースト肥料「タキペースト14号」を5.0g/Lの濃度となるように調製したものである。模擬被処理水のpHは、およそ8.2程度である。また、模擬被処理水の濁度は、およそ480度程度である。
1Lの平底ガラスビーカー(内径10.5±0.5cm)に収容した1000mLの模擬被処理水に対し、Al2O3として10mgの注入量となるように塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を有姿で注入し、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて115rpmで1分間撹拌後、弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤である「タキフロックA-122A」(多木化学(株)の商品名)の1.0mg/mL水溶液を1.0mL注入し、更に115rpmで1分間撹拌し、次いで45rpmで5分間撹拌する(フロック成長操作)。次に、10分間の静置後、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を測定し、濁度Aとする。
上記上澄み採取後の残液に対して、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて200rpmで5分間撹拌(フロック破壊操作)してから10分間の静置を行い、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を測定し、濁度Bとする。
濁度差を、濁度差=濁度B−濁度Aの式により算出する。
・「タキペースト14号」は、その製品外装に表示が義務付けられている生産業者保証票の記載事項より、登録番号「生第102719号」、肥料の種類「液状複合肥料」、肥料の名称「多木尿素有機入り液状複合肥料新14号改」、保証成分量:窒素全量14.0%(内アンモニア性窒素1.2%)、可溶性りん酸10.0%(内水溶性りん酸7.2%)、水溶性加里10.0%、く溶性苦土1.0%、窒素全量を保証又は含有する原料(含有量の大きい順):尿素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料、乾燥菌体肥料である。このように「タキペースト14号」は、凝集阻害物質としてリン酸イオンとタンパク質(乾燥菌体肥料に由来)を含んだものである。なお、フロック強度試験に「タキペースト14号」を供試するにあたっては、事前によく撹拌することが好ましい。
・塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を有姿で注入するとは、供試する塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を事前に希釈したり濃縮したりすることなく、そのまま原液で注入することを意味する。
・模擬被処理水、並びに上記注入に用いる塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液及び弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤は、液温15±5℃に設定したものを用いることが好ましい。また、試験の実施中も模擬被処理水の液温が15±5℃に保たれるようにすることが好ましい。
・フラットパドルの形状は、図2に示した模式図のものであり、撹拌軸12にフラットパドル15が2枚接合したものである。フラットパドルの厚みは特に限定されない。また、材質も特に限定されない。例えば、材質としてポリ塩化ビニルを用いたときの厚みの一例は、2mmである。
・1Lの平底ガラスビーカーとして、内径10.5±0.5cmのものを用いる。例えば、AGCテクノグラス社製IWAKI 1Lの平底ガラスビーカーが好ましく、その6個の平底ガラスビーカーの内径を測定したところ、10.3〜10.5cmであり、平均値は10.43cmであった。平底ガラスビーカーの底面のおおよそ中心の位置に、フラットパドルの撹拌軸が位置するように設定することが好ましい。
・濁度の測定には、日本電色(株)製の水質計 WA1(セル:2cmセル)を用いることが好ましい。
・比較試験として、塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液に代えて、それ以外のアルミニウム系凝集剤を試験対象とするときは、上記試験において「塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液」を該当するアルミニウム系凝集剤に代えればよい。
水道用PACについては、被処理水に添加されることによって濁質を荷電中和し、更にアルミニウムの加水分解物が濁質同士を主に吸着作用によって結合して微細なフロックの形成に関与していると考えられている。
これに対し、本発明の水溶液については、上記吸着作用による結合がケイ酸によって強化されており、この強化された吸着作用がアニオン性又はノニオン性の高分子凝集剤によって粗大フロックが形成されたときに、粗大フロックの強固化に寄与しているものと推測される。
本発明の水溶液の製造方法は、(i)塩化アルミニウム及び/又は塩基性塩化アルミニウムとアルミノケイ酸ナトリウムとを水存在下で混合する工程を含むもの、又は、(ii)塩化アルミニウム及び/又は塩基性塩化アルミニウムとアルミノケイ酸ナトリウムと塩基度調整剤とを水存在下で混合する工程を含むもの、である。なお、(i)と(ii)はいずれも水存在下で実施する工程であるため、原料のすべてが固体であるときは、適当量の水を添加する。また、前記(組成1)と(組成2)で規定される本発明の水溶液の組成を満たすように、原料の混合割合を適宜設計する。
アルミノケイ酸ナトリウムの組成を分析する好適な一方法は、アルミノケイ酸ナトリウムを希硝酸等の鉱酸に溶解して得られた水溶液を適宜希釈し、Al2O3はキレート滴定法によって、SiO2とNaはICP-AESによって分析する方法である。
塩化アルミニウム水溶液に蒸留水を添加し、次いで21質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は35%塩酸を添加した後、液が透明になるまで撹拌し、次にA型ゼオライト(富士フイルム和光純薬(株)「合成ゼオライトA-4、粉末、75μm(200mesh)通過」)の20質量%スラリーを添加し充分に撹拌して、塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を作製した。
ここで一例として、実施例59における各原料の配合割合を紹介すると、塩化アルミニウム水溶液(Al2O3=11.17質量%、Cl=23.65質量%):30.39g、蒸留水:43.80g、21質量%の炭酸ナトリウム水溶液:18.40g、A型ゼオライトの20質量%スラリー:9.01gである。
なお、塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液の設計Al2O3濃度が1質量%以下であって、A型ゼオライトが溶解しにくかったもの(実施例1、2、7、13、14、18、19、20、25、26、27、31、36、40及び44)については、高めのAl2O3濃度(例えば、Al2O3=4〜6質量%)で作製した塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を水で希釈することにより作製した。
実施例1〜103の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液は、製造直後において沈殿やゲル化は発生せず、また、20℃で1週間保存後もそれらは発生しなかった。
比較例7〜62の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のうち、塩基度が90%のものは特にA型ゼオライトが溶解し切らない傾向を示し、それ以外のものはA型ゼオライトが一旦溶解してもゲル化が起きたため、ハンドリング性に劣るものであった。
Haze率は、塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のAl2O3濃度を0.5質量%に調整したものを光路長10mmのガラスセルに入れ、日本電色工業(株)製 色度・濁度測定器 COH400で測定した。なお、Al2O3の濃度調整において、希釈には蒸留水を用いた。また、Al2O3濃度が0.5質量%未満である実施例1〜7のうち、実施例1、2及び7は高めのAl2O3濃度で作製した塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を蒸留水で希釈することにより濃度調整し、それ以外についてはエバポレーターを用いて濃縮し濃度調整した。
模擬被処理水として、蒸留水に多木化学(株)製のペースト肥料「タキペースト14号」を5.0g/Lの濃度となるように添加し、混合したものを用いた。
AGCテクノグラス社製IWAKI 1Lの平底ガラスビーカー(内径:10.5cm)に収容した1000mLの模擬被処理水に対し、Al2O3として10mgの注入量となるように塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を有姿で注入し、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて115rpmで1分間撹拌後、弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤である「タキフロックA-122A」(多木化学(株)の商品名)の1.0mg/mL水溶液を1.0mL注入し、更に115rpmで1分間撹拌し、次いで45rpmで5分間撹拌した(フロック成長操作)。次に、10分間の静置後、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、pH(表1〜5において「処理水pH」と表記)と濁度を測定した。濁度は、日本電色(株)製の水質計 WA1(セル:2cmセル)にて測定し、濁度Aとした。
上記上澄み採取後の残液に対して、上記フラットパドル(パドル位置も上記と同じ)を用いて200rpmで5分間撹拌(フロック破壊操作)してから10分間の静置を行い、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を上記同様に測定し、濁度Bとした。
除濁率は、除濁率=(模擬被処理水の濁度−濁度A)÷模擬被処理水の濁度×100の式から算出した。
濁度差は、濁度差=濁度B−濁度Aの式から算出した。
なお、上記試験において、模擬被処理水、並びに上記注入に用いた塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液及び弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤の液温は、15℃前後であった。
実施例54及び実施例63で得られた各塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を凍結乾燥し、乾燥粉を得た。乾燥粉のAl2O3濃度について、実施例54は20.9質量%であり、実施例63は22.3質量%であった。
乾燥粉0.5gを水4.5gに溶解し、この溶解液をフロック強度試験に供した。結果を表6に示した。
B50水道用PAC相当品は、B50水道用PACに該当するものである。以下、「B50PAC」と称する。
B50PACは、Al2O3濃度:10.2質量%、SO4濃度:2.8質量%、塩基度50%を目標組成として、以下により製造した。
(原料:塩基性塩化アルミニウムAの調製)
水酸化アルミニウムと塩酸を、オートクレーブを用いて水熱処理条件下で反応させることにより、Al2O3濃度:14.2質量%、Cl濃度:16.8質量%、塩基度43%の塩基性塩化アルミニウムAを得た。
(原料:アルミナゲルスラリーAの調製)
蒸留水1055gを5Lビーカー中で撹拌しながら、塩基性塩化アルミニウムA 1243gとアルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3濃度:17.6質量%、Na濃度:13.5質量%)702gをそれぞれ同時にペリスタポンプで30分かけて添加し、Al2O3濃度:10.0質量%、Cl濃度:7.0質量%、Na濃度:3.2質量%のアルミナゲルスラリーAを3000g得た。
(製造)
塩基性塩化アルミニウムA 96gを撹拌装置、温度計を備えた500mLの四つ口フラスコに入れた後、撹拌しながら、硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3濃度:8.0質量%、SO4濃度:23.0質量%)24g、アルミナゲルスラリーA 48g及び蒸留水32gを順番に添加し混合した。次いで、この混合液に対して50℃で1.0時間の加熱を行った後、No.5Cろ紙にて吸引ろ過することによってB50PACを製造した。
なお、フロック強度試験においては、B50PACの注入量として、以下の2段階を設定した。
・設定1:Al2O3として10mg(上記フロック強度試験と同じ注入量)
・設定2:Al2O3として50mg(上記フロック強度試験の5倍注入量)
結果を表8に示した。
塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液として、実施例33の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を使用した。また、無機凝集剤Aとして、B50PACを使用した。
フロック強度試験は、実施例中の前記フロック強度試験と同様に実施したが、「Al2O3として10mgの注入量となるように塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を有姿で注入」する代わりに、「表8の試験区1-1〜3-4に示したAl2O3注入量となるように無機凝集剤を有姿で注入」した。また、「弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤である「タキフロックA-122A」(多木化学(株)の商品名)の1.0mg/mL水溶液を1.0mL注入」する代わりに、「弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤である「タキフロックA-132」(多木化学(株)の商品名)の1.0mg/mL水溶液を1.0mL注入」した。なお、試験区2-1〜3-4では、B50PACと実施例33の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を同時に注入した。
模擬被処理水として飲料工場排水(pH8.4、濁度88.2度)を用い、また、B50PACの代わりに市販のポリ硫酸第二鉄(Fe2O3:16.7質量%)を用いて、前記「B50PACとの併用によるフロック強度試験」を踏襲してフロック強度試験を実施した。表9に無機凝集剤の注入量を示した。なお、試験区5-1と5-2では、ポリ硫酸第二鉄と実施例33の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を同時に注入した。
非特許文献1に記載のPASCとして、比較例64〜66のPASCを製造した。製造手順は、表10の原料欄に記載の原料を用いて、塩化アルミニウム溶液にポリケイ酸と水を添加した後、NaOHを滴下により添加し、最後にAl2O3濃度が0.5質量%となるように水で希釈した。
ケイ酸源としてシリカゾルを用いた比較例67と68の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を製造した。仕込み組成を表11に示した。
製造手順は、塩基性塩化アルミニウムAを撹拌装置、温度計を備えた500mLの四つ口フラスコに入れた後、撹拌しながら、塩酸及び蒸留水を順番に添加し混合することでAl2O3=10.9〜11.1質量%、Cl=15.8〜16.1質量%、塩基度31%の塩基性塩化アルミニウムを得た。次いで、この塩基度31%の塩基性塩化アルミニウムにシリカゾルを添加し、室温で0.5時間反応させ、水で希釈した後、No.5Cろ紙にて吸引ろ過することによって、透明な塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を作製した。なお、シリカゾルは、比較例67では(株)ADEKA製「アデライトAT-20Q」(SiO2=20.0質量%)を用い、比較例68では日産化学工業(株)製「スノーテックスOUP」(SiO2=15.3質量%)を用いた。
Claims (5)
- 以下(組成1)と(組成2)で規定される組成を有し、
且つ、以下(特性1)と(特性2)で規定される特性を有する、
塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液。
(組成1)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のAl2O3濃度が、0.05質量%以上8質量%未満である。
(組成2)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のSiO2/Al2O3(モル比)と塩基度(%)が、SiO2/Al2O3(モル比)をX、塩基度(%)をYとしたときに、以下の式1〜式6に囲まれた領域内におけるいずれかの値である。
式1:X≧0.01
式2:X≦1.5
式3:Y≧3
式4:Y≦83
式5:Y≧44X-5.8(0.2≦X≦1.2の範囲)
式6:Y≧76.667X-45(1.2≦X≦1.5の範囲)
(特性1)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液のHaze率が25%以下である。
(特性2)当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を下記フロック強度試験に供試したときの濁度差が50度以下である。
〔フロック強度試験〕
1Lの平底ガラスビーカー(内径10.5±0.5cm)に収容した1000mLの模擬被処理水(模擬被処理水は蒸留水に多木化学(株)製のペースト肥料「タキペースト14号」を5.0g/Lの濃度となるように添加して調製したもの)に対し、Al2O3として10mgの注入量となるように塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を有姿で注入し、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて115rpmで1分間撹拌後、弱アニオン性ポリアクリルアミド系高分子凝集剤である「タキフロックA-122A」(多木化学(株)の商品名)の1.0mg/mL水溶液を1.0mL注入し、更に115rpmで1分間撹拌し、次いで45rpmで5分間撹拌する。次に、10分間の静置後、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を測定し、濁度Aとする。
上記上澄み採取後の残液に対して、フラットパドル(2枚型。1枚のパドルの大きさは縦25mm×横24mm。パドルの下端は上記平底ガラスビーカーの内側底面から鉛直上方向に5mmの位置に設定)を用いて200rpmで5分間撹拌してから10分間の静置を行い、デカンテーションにて上澄み100mLを採取し、その濁度を測定し、濁度Bとする。
濁度差を、濁度差=濁度B−濁度Aの式により算出する。 - 請求項1記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液と、アニオン性又はノニオン性の高分子凝集剤とを被処理水に添加し、凝集処理する水処理方法。
- 請求項1記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液と、当該塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液以外の無機凝集剤と、アニオン性又はノニオン性の高分子凝集剤とを被処理水に添加し、凝集処理する水処理方法。
- 以下の(i)又は(ii)の工程を含む、請求項1記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液の製造方法。
(i)塩化アルミニウム及び/又は塩基性塩化アルミニウムと、アルミノケイ酸ナトリウムと、を水存在下で混合する工程。
(ii)塩化アルミニウム及び/又は塩基性塩化アルミニウムと、アルミノケイ酸ナトリウムと、塩基度調整剤と、を水存在下で混合する工程。 - 請求項1記載の塩基性塩化ケイ酸アルミニウム水溶液を乾燥して得られる粉体。
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