以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る電力供給システム1の概略構成を示す。電力供給システム1は、リモコン2と、時計3と、送電機200とを備える。リモコン2及び時計3は、それぞれ、図2に示すような乾電池型の受電機100を内部に収容している。
リモコン2及び時計3は、例えば、自機器の電池ホルダー内に、受電機100を収容する。ここで、電子機器における乾電池を収容する部分は、電池ホルダー、電池ボックス及び電池ケース等といった、多様な名称で呼ばれているが、本明細書では、これらを総称して「電池ホルダー」と呼ぶものとする。
図2に、受電機100をリモコン2の電池ホルダー2Aに収容した際の様子を示す。電池ホルダー2Aは、リモコン2の裏面に設けられ、収容部2Bと、正極側の固定端子である端子2Cと、負極側の可動端子である端子2Dとを有する。受電機100が収容部2Bに嵌め込まれると、受電機100の正極端子10と正極側の端子2Cとが電気的に接続され、受電機100の負極端子11と負極側の端子2Dとが電気的に接続される。
以後、図2に示すような、受電機100が電子機器の電池ホルダーに収容されている状態を、「収容状態」と記載する。
リモコン2及び時計3は、受電機100から供給される電力によって駆動する。図1には、受電機100からの供給電力によって駆動し得る電子機器の例として、リモコン2及び時計3が示されているが、受電機100からの供給電力によって駆動し得る電子機器はこれに限定されない。受電機100からの供給電力によって駆動し得る電子機器は、乾電池及びボタン型電池等からの供給電力によって駆動し得る電子機器であればよく、例えば、マウス、電子辞書等であってもよい。
受電機100は、送電機200から、電力供給のための電磁波を受信する。受電機100は、受信した電磁波を直流電力に変換する。受電機100は、変換後の直流電力を、自機を収容している電子機器に供給する。受電機100は、図2に示すように、電子機器の正極側の端子2Cに接続された正極端子10と、電子機器の負極側の端子2Dに接続された負極端子11とを介して、電子機器に直流電力を供給する。
送電機200は、例えばホームゲートウェイ及び無線送電システム等であり、例えば宅内に設置される。送電機200は、電力供給のための電磁波を生成する。送電機200は、生成した電磁波を、例えば同一宅内に設置される、電子機器内の受電機に対して送信する。送電機200は、図1の例では、リモコン2内の受電機100及び時計3内の受電機100に対して、電磁波を送信する。
なお、送電機200は、受電機100との間で認証を行い、認証が成功した受電機100に対してのみ、電力供給のための電磁波を送信してもよい。これにより、送電機200が意図しない電子機器(例えば隣家の電子機器)に、電力を供給することを防ぐことができる。この際の認証処理について簡単に説明する。まず、送電機200は、受電機100から、認証を要求するパイロット信号を受信する。すると、送電機200は、受電機100に対し、識別情報を要求する信号を送信する。その後、受電機100が送電機200から識別情報を要求する信号を受信すると、受電機100は、送電機200へ受電機100の識別情報を含む信号を送信する。送電機200は、受電機100から、受電機100の識別情報を含む信号を取得すると、受電機100の識別情報が認証されているか否か判定する。送電機200は、受電機100の識別情報が認証されていると判定したとき、受電機100に対し、認証成功を通知する信号を送信し、さらに、その受電機100に対して電力供給のための電磁波を送信する。
また、送電機200は、受電機100との間で認証を行うことなく、受電機100に対して、電力供給のための電磁波を送信してもよい。これにより、送電機200を公共の場所に設置させ、送電機200によって任意の電子機器に電力を供給することが可能になる。
次に、受電機100の外観構成について、図3を参照して説明する。受電機100は、正極端子10と、負極端子11と、上面12と、底面13と、本体14とを備える。
正極端子10は、例えば凸形状であり、上面12の中央に設けられる。正極端子10は、受電機100内の発電部20(図4参照)が発電した電力を外部の電子機器に出力するときに正極として機能する。正極端子10は、第1接触部10Aを有する。第1接触部10Aは、収容状態において、電子機器の正極側の端子(図2では、端子2C)と電気的に接続される。
負極端子11は、例えば略平面形状であり、底面13の中央に設けられる。負極端子11は、受電機100内の発電部20(図4参照)が発電した電力を外部の電子機器に出力するときに負極として機能する。負極端子11は、第2接触部11Aを有する。第2接触部11Aは、収容状態において、電子機器の負極側の端子(図2では、端子2D)と電気的に接続される。
第1接触部10Aと第2接触部11Aとの間の距離L1は、1次電池に関する所定規格で定められた高さに対応する。所定規格は、例えば、国際電気標準会議(IEC)によって定められた1次電池に関する規格であるIEC 60086、及び、IEC 60086に対応する日本の規格であるJISC 8500等である。こうすると、収納状態において、第1接触部10Aと電子機器の正極側の端子(図2では、端子2C)とが電気的に接続され、第2接触部11Aと電子機器の負極側の端子(図2では、端子2D)とが電気的に接続され得るようになる。
例えば、距離L1を、単一乾電池の高さである59.5mm〜61.5mmに固定すると、受電機100を電子機器の単一乾電池用の電池ホルダーに収容し、受電機100によって該電子機器を駆動することが可能になる。また、例えば、距離L1を、単二乾電池の高さである48.6mm〜50.0mmに固定すると、受電機100を電子機器の単二乾電池用の電池ホルダーに収容し、受電機100によって該電子機器を駆動することが可能になる。また、例えば、距離L1を、単三乾電池の高さである49.2mm〜50.5mmに固定すると、受電機100を電子機器の単三乾電池用の電池ホルダーに収容し、受電機100によって該電子機器を駆動することが可能になる。また、例えば、距離L1を、単四乾電池の高さである43.3mm〜44.5mmに固定すると、受電機100を電子機器の単四乾電池用の電池ホルダーに収容し、受電機100によって該電子機器を駆動することが可能になる。また、例えば、距離L1を、単五乾電池の高さである29.1mm〜30.2mmに固定すると、受電機100を電子機器の単五乾電池用の電子ホルダーに収容し、受電機100によって該電子機器を駆動することが可能にある。また、例えば、距離L1を、ボタン型電池の高さである3.2mm程度に固定すると、受電機100を電子機器のボタン型電池用の電池ホルダーに収容し、該電子機器を駆動することが可能になる。
なお、受電機100を多様な電子機器に収容する場合、すなわち受電機100を多様な電池ホルダーに収容する場合、距離L1を多様な電池ホルダーに応じて調整し得るように、受電機100の外装を構成してもよい。例えば、受電機100を、単一乾電池用の電池ホルダーから単五乾電池用の電池ホルダーまで、収容し得るように、受電機100の外装を構成してもよい。この構成例については、変形例(図7)にて説明する。
上面12は、本体14の上側を覆うように配置される。また、上面12の中央部分には、正極端子10が配置される。上面12の形状は、本体14の形状に応じた任意の形状であってよい。例えば、上面12の形状は、本体14の形状に応じて、円形状、三角形状、六角形状等であってもよい。
底面13は、本体14の底側を覆うように配置される。また、底面13の中央部分に負極端子11が配置される。底面13の形状は、本体14の形状に応じた任意の形状であってよい。例えば、底面13の形状は、本体14の形状に応じて、円形状、三角形状、六角形状等であってもよい。
本体14は、柱形状であり、その上側には上面12が配置され、その底側には底面13が配置される。本体14の形状は、任意の形状であってよい。例えば、本体14の形状は、円柱形状、三角柱形状、六角柱形状等であってもよい。
本体14は、受電機100内の発電部20(図4参照)の少なくとも一部を収容する。例えば、本体14は、受電機100内の発電部20の全てを収容してもよい。また、例えば、本体14は、発電部20の一部として整流回路20B(図4参照)を収容してもよい。この場合、アンテナ20A(図4参照)は本体14上に配置されていてもよい。
また、本体14上には、受電機100内の発光部22(図4参照)が配置される。発光部22は、受電機100が発電しているとき、発光する。
本体14の直径dは、受電機100が収容される電子機器に基づき、1次電池に関する所定規格で定められた直径に対応していてもよい。所定規格は、例えば、IEC 60086及びJISC 8500等である。こうすると、受電機100を電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。
例えば、直径dを、単一乾電池の直径である32.2mm〜34.2mmに固定すると、受電機100を単一乾電池用の電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。また、例えば、直径dを、単二乾電池の直径である24.7mm〜26.2mmに固定すると、受電機100を単二乾電池用の電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。また、例えば、直径dを、単三乾電池の直径である13.5mm〜14.5mmに固定すると、受電機100を単三乾電池用の電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。また、例えば、直径dを、単四乾電池の直径である9.5mm〜10.5mmに固定すると、受電機100を単四乾電池の電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。また、例えば、直径dを、単五乾電池の直径である7.7mm〜8.3mmに固定すると、受電機100を単五乾電池用の電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。また、例えば、直径dを、ボタン型電池の直径である20mm程度に固定すると、受電機100をボタン型電池用の電池ホルダーに隙間なく嵌め込むことが可能になる。
このような構成とすることで、受電機100は、乾電池等で駆動する電子機器の電池ホルダーに収容され得るようになる。従って、乾電池等で駆動するよう設計された電子機器において、電池ホルダーに乾電池の代わりに受電機100を収容して、該電子機器を、駆動することができる。つまり、本実施形態によれば、乾電池等で駆動するよう設計された電子機器も、電磁波による電力供給を受け得るようになる。これにより、本実施形態では、電力の供給方法を改善することができる。
次に、受電機100の機能について、図4を参照して説明する。受電機100は、発電部20と、通信部21と、発光部22と、報知部23と、記憶部30と、制御部31とを備える。
発電部20は、制御部31の制御に基づき、外部からの電磁波によって発電する。本実施形態では、発電部20は、図1に示す送電機200からの電磁波によって発電する。発電部20は、発電した電力を、正極端子10及び負極端子11を介して、外部の電子機器に供給する。このとき、受電機100を乾電池で駆動する電子機器に収容する場合、発電部20は、正極端子10と負極端子11との間の電位差を0.8V〜1.7Vにする。これは、乾電池の公称電圧が1.5Vであり、乾電池の放電終了電圧が0.8V〜1.0V程度であることに基づく。又は、受電機100がボタン型電池で駆動する電子機器に収容する場合、発電部20は、正極端子10と負極端子11との間の電位差を2.0V〜3.0Vにする。これは、ボタン型電池の公称電圧が3.0Vであり、ボタン型電池の放電終了電圧が2.0V程度であることに基づく。
発電部20は、アンテナ20A及び整流回路20Bを有する。アンテナ20Aは、図1に示す送電機200から、電磁波を受信する。整流回路20Bは、アンテナ20Aが受信した電磁波を直流電力に変換する。整流回路20Bは、変換後の直流電力を、正極端子10及び負極端子11を介して、外部の電子機器に供給する。
通信部21は、外部の機器と通信する。本実施形態では、通信部21は、図1に示す送電機200と通信する。なお、通信部21の代わりに、アンテナ20Aによって、送電機200と通信してもよい。
発光部22は、制御部31の制御に基づき、発電部20が発電しているとき、発光する。発光部22は、制御部31の制御に基づき、発電部20の発電電力に応じて、発光強度、発光態様及び発光色の何れか1つを変化させてもよい。例えば、発光部22は、発電部20の発電電力が第1所定値以上であるとき、第1値以上の発光強度で発光することができる。また、例えば、発光部22は、発電部20の発電電力が第2所定値を下回るとき、点滅することができる。また、例えば、発光部22は、発電部20の発電電力が第1所定値以上であるときに発光色を緑に変化させ、発電部20の発電電力が第2所定値を下回るときに発光色を赤色に変化させることができる。
報知部23は、例えば、スピーカ、バイブ等である。報知部23は、制御部31の制御に基づき、発電部20の発電電力が低下している旨を報知する。例えば、報知部23がスピーカである場合、スピーカは、発電部20の発電電力が低下している旨として、「発電電力が低下しています」との音声を出力する。また、例えば、報知部23がバイブである場合、バイブは、発電部20の発電電力が低下している旨として振動する。
記憶部30は、受電機100の処理に必要な情報及び受電機100の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを記憶している。記憶部30は、例えば、後述の第1閾値、受電機100の識別情報等を記憶している。
制御部31は、受電機100全体を制御及び管理するものである。制御部31は、例えば各機能の処理を実行させるソフトウェアを読込んだ汎用のCPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ又は各機能の処理特化した専用のプロセッサによって構成される。
本実施形態では、制御部31は、受電機100が収容状態であるときに、発電部20に発電させる。これに関する制御部31の処理を、下記の<発電処理>において説明する。
<発電処理>
制御部31は、受電機100が収容状態であるときに、発電部20に発電させる。制御部31は、受電機100が収容状態であるか否か判定し、受電機100が収容状態であると判定したとき、発電部20に発電を開始させる。以下、受電機100が収容状態であるか否かを判定する処理の一例について説明する。
受電機100が図2に示すような収容状態となると、正極端子10は電子機器の正極側の端子2Cと接続される。また、負極端子11は電子機器の負極側の端子2Dと接続される。そのため、受電機100が収容状態となると、電子機器が駆動していなくても、該電子機器の待機電力に相当する電力が、受電機100から電子機器へ、正極端子10及び負極端子11を介して出力される。従って、制御部31は、正極端子10及び負極端子11から、電子機器の待機電力に相当する電力が出力されていると判定したとき、受電機100が収容状態であると判定する。
また、制御部31は、発電部20が発電しているとき、発光部22を発光させる。この場合、制御部31は、発電部20の発電電力に応じて、発光部22の発光強度、発光態様及び発光色の何れか1つを変化させてもよい。例えば、制御部31は、発電部20の発電電力が第1所定値以上であるとき、発光部22の発光強度を第1値以上にしてもよい。また、例えば、発電部20の発電電力が第2所定値を下回るとき、発光部22を点滅させてもよい。また、例えば、制御部31は、発電部20の発電電力が第1所定値以上であるとき、発光部22の発光色を緑にし、発電部20の発電電力が第2所定値を下回るとき、発光部22の発光色を赤にしてもよい。
また、制御部31は、発電部20の発電電力が第1閾値以下であると判定したとき、発電電力が低下している旨を、報知部23に報知させる。制御部31は、報知部23がスピーカであれば、発電電力が低下している旨として、例えば、「発電電力が低下しています」との音声を、スピーカに出力させる。また、制御部31は、報知部23がバイブであれば、発電電力が低下している旨として、バイブを振動させる。
ここで、上述のように、送電機200は、受電機100との間で認証を行い、認証が成功した受電機100に対してのみ、電力供給のための電磁波を送信してもよい。送電機200がこのような仕様である場合、制御部31は、送電機200に対して、認証を受けるための通信処理を行う。これに関する制御部31の処理を、下記の<認証処理>において説明する。
<認証処理>
制御部31は、送電機200に対し、認証を要求するパイロット信号を、通信部21を介して送信する。例えば、制御部31は、受電機100が収容状態になったことをトリガーとして、認証を要求するパイロット信号を送信する。送電機200が受電機100からこのパイロット信号を取得すると、送電機200から受電機100へ、受電機100の識別情報を要求する信号が送信される。
制御部31は、送電機200から通信部21を介し、受電機100の識別情報を要求する信号を取得したか否か判定する。制御部31は、受電機100の識別情報を要求する信号を取得したと判定すると、受電機100の識別情報を含む信号を、送電機200に対して、通信部21を介し送信する。送電機200が受電機100から受電機100の識別情報を含む信号を取得すると、送電機200によって受電機100の識別情報が認証されているか否か判定される。送電機200によって受電機100の識別情報が認証されていると判定されると、送電機200から受電機100へ、認証成功を通知する信号が送信され、さらに、受電機100に対して電力供給のための電磁波が送信される。
制御部31は、送電機200から通信部21を介し、認証成功を通知する信号を取得したか否か判定する。制御部31は、送電機200から通信部21を介し、認証成功を通知する信号を取得したと判定したとき、発電部20に発電を開始させる。
[システム動作]
<発電動作>
以下、本実施形態に係る受電機100の動作について説明する。まず、受電機100が発電するときの動作について、図5を参照して説明する。
まず、制御部31は、受電機100が収容状態であるか否か判定する(ステップS101)。制御部31は、受電機100が収容状態であると判定したとき(ステップS101:Yes)、ステップS102の処理に進む。一方、制御部31は、受電機100が収容状態ではないと判定したとき(ステップS101:No)、処理を終了する。
ステップS102の処理では、制御部31は、発電部20に発電を開始させる。これにより、発電部20は、図1に示す送電機200からの電磁波による発電を開始する。また、ステップS103の処理では、制御部31は、発光部22を発光させる。
このようなステップS102,S103の処理によって、発電部20が発電しているとき、発光部22は発光する。これにより、ユーザは、発光部22を視認することで、受電機100が発電しているか否かを確認することができるようになる。
ステップS104の処理では、制御部31は、発電部20の発電電力が第1閾値以下であるか否か判定する。制御部31は、発電部20の発電電力が第1閾値以下であると判定したとき(ステップS104:Yes)、ステップS105の処理に進む。一方、制御部31は、発電部20の発電電力が第1閾値を上回ると判定したとき(ステップS104:No)、処理を終了する。
ステップS105の処理では、制御部31は、発電電力が低下している旨を、報知部23に報知させる。制御部31は、報知部23がスピーカであれば、発電電力が低下している旨として、例えば、「発電電力が低下しています」との音声を、スピーカに出力させる。また、制御部31は、報知部23がバイブであれば、発電電力が低下している旨として、バイブを振動させる。
このようなステップS104,S105の処理によって、受電機100の発電電力が第1閾値以下となると、ユーザに、発電電力が低下している旨が報知される。これにより、ユーザは、現在の環境下では、受電機100が、図1に示す送電機200からの電磁波を、十分に受信できないことを認識することができる。この後、ユーザは、受電機100が送電機200からの電磁波を十分に受け得るように、電子機器(受電機100)を移動させたり、電子機器と送電機200との間にある障害物を移動させたりすることができる。
なお、ステップS101の処理に相当する処理は、送電機200が行ってもよい。つまり、送電機200が、受電機100が収容状態であるか否か判定し、受電機100が収容状態であると判定したときを、受電機100に対する電力供給のための電磁波の送信を開始するトリガーとしてもよい。この場合、制御部31は、ステップS101の処理の代わりに、受電機100から外部へ正極端子10等を介して出力される電力値の情報を、通信部21を介して送電機200に送信する。送電機200は、受電機100から電力値の情報を取得すると、該電力値が、受電機100の自然放電に相当する値であるか、又は、受電機100を搭載する電子機器の待機電力に相当する値であるか判定する。そして、送電機200は、該電力値が、受電機100を搭載する電子機器の待機電力に相当する値であると判定したとき、受電機100に対する電磁波の送信を開始する。この後、制御部31は、ステップS102以降の処理を行う。
また、ステップS103の処理において、制御部31は、発電部20の発電電力に応じて、発光部22の発光強度を変化させてもよい。例えば、制御部31は、発電部20の発電電力が第1所定値以上であるとき、発光部22の発光強度を第1値以上にさせてもよい。これにより、ユーザは、発光部22の発光強度の変化によって、発電部20の発電電力量を把握することができる。
また、ステップS103の処理において、制御部31は、発電部20の発電電力に応じて、発光部22の発光態様を変化させてもよい。例えば、制御部31は発電部20の発電電力が第2所定値を下回るとき、発光部22を点滅させてもよい。これにより、ユーザは、発光部22の発光態様の変化によって、発電部20の発電電力量を把握することができる。
また、ステップS103の処理において、制御部31は、発電部の発電電力に応じて、発光部の発光色を変化させてもよい。例えば、制御部31は、発電部20の発電電力が第1所定値以上であるとき、発光部22の発光色を緑にし、発電部20の発電電力が第1所定値を下回るとき、発光部22の発光色を赤にしてもよい。これにより、ユーザは、発光部22の発光色の変化によって、発電部20の発電電力量を把握することができる。
<認証動作>
次に、受電機100が送電機200と通信するときの認証動作について、図6を参照して説明する。
まず、制御部31は、送電機200に対し、認証を要求するパイロット信号を、通信部21を介して送信する(ステップS201)。例えば、制御部31は、受電機100が収容状態になったことをトリガーとして、認証を要求するパイロット信号を送信する。送電機200が受電機100から認証を要求するパイロット信号を取得すると、送電機200から受電機100へ、受電機100の識別情報を要求する信号が送信される。
次に、制御部31は、送電機200から通信部21を介し、受電機100の識別情報を要求する信号を取得したか否か判定する(ステップS202)。制御部31は、受電機100の識別情報を要求する信号を取得したと判定したとき(ステップS202:Yes)、ステップS203の処理に進む。一方、制御部31は、受電機100の識別情報を要求する信号を取得しないと判定したとき(ステップS202:No)、処理を終了する。
ステップS203の処理では、制御部31は、受電機100の識別情報を含む信号を、送電機200に対して、通信部21を介し送信する。送電機200が受電機100から受電機100の識別情報を含む信号を取得すると、送電機200によって受電機100の識別情報が認証されているか否か判定される。送電機200によって受電機100の識別情報が認証されていると判定されると、送電機200から受電機100へ、認証成功を通知する信号が送信され、さらに、受電機100に対して電力供給のための電磁波が送信される。
ステップS204の処理では、制御部31は、送電機200から通信部21を介し、認証成功を通知する信号を取得したか否か判定する。制御部31は、送電機200から通信部21を介し、認証成功を通知する信号を取得したと判定したとき(ステップS204:Yes)、ステップS205の処理に進む。一方、制御部31は、送電機200から通信部21を介し、認証成功を通知する信号を取得しないと判定したとき(ステップS204:No)、処理を終了する。
ステップS205の処理では、制御部31は、ステップS201の処理と同様にして、発電部20に発電を開始させる。
以上のように、第1の実施形態に係る受電機100は、乾電池等で駆動する電子機器の電池ホルダーに収容され得るようになる。従って、乾電池等で駆動するよう設計された電子機器において、電池ホルダーに乾電池の代わりに受電機100を収容して、該電子機器を、駆動することができる。つまり、本実施形態によれば、乾電池等で駆動するよう設計された電子機器も、電磁波による電力供給を受け得るようになる。これにより、本実施形態では、電力の供給方法を改善することができる。
さらに、本実施形態では、乾電池等を使用することなく、受電機100によって、電子機器を駆動させることができる。そのため、電子機器において本実施形態に係る受電機100を乾電池の代わりに使用した場合、電子機器内で乾電池が液漏れしてしまい、電子機器が故障してしまうといった事態を防ぐことができる。
また、乾電池等の1次電池は、放電可能な電力を全て放電してしまうと、使用することができなくなる。つまり、1次電池は、放電可能な電力を全て放電してしまうと廃棄される。
これに対し、本実施形態に係る受電機100は、送電機200からの電磁波によって電力を発電する。そのため、受電機100では、1次電池のように放電可能な電力を全て放電してしまうといった事態が生じ得ない。従って、受電機100は、繰り返し使用することができるため、環境に優しいものとなる。
また、乾電池等の1次電池は、自然放電によって、放電可能な電力を全て放電してしまうことがある。従って、1次電池では、ユーザが電子機器を利用したいときに、電子機器内の乾電池が既に空になっているため、ユーザが電子機器を利用できないといった事態が生じることがある。
これに対し、本実施形態に係る受電機100は、送電機200からの電磁波によって電力を発電する。そのため、ユーザが電子機器を利用したいときに、受電機100は、送電機200からの電磁波によって電力を発電することができる。従って、本実施形態に係る受電機100では、上述の1次電池のような、ユーザが電子機器を利用したいときに、ユーザが電子機器を利用できないといった事態が生じ得ない。これにより、本実施形態に係る受電機100は、ユーザの利便性に優れたものとなる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例に係る受電機100aの外観構成について、図7を参照して説明する。なお、図7に示す構成要素において、図3に示す構成要素と同一のものは、同一符号を付し、その説明を省略する。また、図7において、発光部22は図示を省略している。
受電機100aは、正極端子10と、負極端子11と、上面12と、底面13と、本体14Aとを備える。
本体14Aは、上部14a及び下部14bを有し、上部14a及び下部14bによる繰り出し機構を有する。下部14bを矢印Aで示す方向に回転させると、上部14aは、矢印Bで示す鉛直方向に延びる。一方、下部14bを矢印Aで示す方向と反対の方向に回転させると、上部14aは、矢印Bで示す鉛直方向と反対の方向に縮む。
このような構成とすることで、距離L1を多様な電池ホルダーに応じて調整し得るようになる。言い換えれば、受電機100を、単一電池用の電池ホルダーから単五乾電池用の電池ホルダーまで、収容し得るようになる。
第1の実施形態の変形例に係る受電機100aにおいて、その他の効果及び機能は、第1の実施形態に係る受電機100と同様である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る受電機100bについて説明する。以下では、第1の実施形態に係る受電機100との相違点を主に説明する。
図8に、本発明の第2の実施形態に係る受電機100bの機能ブロック図を示す。なお、図8に示す構成要素において、図4に示す構成要素と同一のものは、同一符号を付し、その説明を省略する。
受電機100bは、発電部20と、通信部21と、発光部22と、報知部23と、センサ部24と、記憶部30と、制御部31とを備える。
センサ部24は、受電機100が収容状態(図2参照)であることを検知する。センサ部24は、例えば、圧力センサ及び導通センサを含む。
例えば、センサ部24が圧力センサを含む場合、センサ部24は、図3に示す第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に加えられる圧力を検知する。センサ部24は、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に加えられる圧力が第2閾値を上回ると、圧力を検知した旨を制御部31に通知する。
また、例えば、センサ部24が導通センサを含む場合、センサ部24は、図3に示す第1接触部10Aと第2接触部11Aとの間の導通を検知する。センサ部24は、第1接触部10Aと第2接触部11Aとの間の導通を検知すると、導通を検知した旨を制御部31に通知する。
第2の実施形態に係る制御部31は、第1の実施形態の<発電処理>において説明した発電処理とは異なる発電処理を実行する。以下、第2の実施形態に係る発電処理を、下記の<発電処理>において説明する。
<発電処理>
制御部31は、センサ部24によって、受電機100が収容状態であると判定したとき、発電部20に発電させる。以下、この処理内容を、(1)センサ部24が圧力センサを含む場合と、(2)センサ部24が導通センサを含む場合とに分けて説明する。
(1)センサ部24が圧力センサを含む場合
受電機100bが図2に示すような収容状態となると、第1接触部10Aは電子機器の正極側の端子2Cと接触し、第2接触部11Aは電子機器の負極側の端子2Dと接触する。そのため、受電機100bが収容状態となると、第1接触部10Aは電子機器の正極側の端子からの圧力を受け、第2接触部11Aは、電子機器の負極側の端子からの圧力を受けるようになる。従って、制御部31は、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に圧力が加えられていると判定したとき、受電機100が収容状態であると判定する。例えば、制御部31は、センサ部24から圧力を検知した旨を取得したとき、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に、第2閾値を上回る圧力が、加えられていると判定する。
なお、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に加えられる圧力の検知をより容易にするために、受電機100bの外装に伸縮する部材を用いてもよい。この場合、受電機100bが収納状態であるときの第1接触部10Aと第2接触部11Aとの間の距離L2(図2参照)を、上述の所定規格で定められた高さに対応させる。
(2)センサ部24が導通センサを含む場合
受電機100bが図2に示すような収容状態となると、第1接触部10Aは電子機器の正極側の端子2Cと電気的に接続し、第2接触部11Aは電子機器の負極側の端子2Dと電気的に接続する。そのため、受電機100bが収容状態となると、第1接触部10Aと第2接触部11Aとが導通するようになる。従って、制御部31は、第1接触部10Aと第2接触部11Aとが導通していると判定したとき、受電機100が収容状態であると判定する。例えば、制御部31は、センサ部24から導通を検知した旨を取得したとき、第1接触部10Aと第2接触部11Aとが導通していると判定する。
[システム動作]
<発電動作>
以下、第2の実施形態に係る受電機100bが発電するときの動作について、図9を参照して説明する。なお、以下では、センサ部24は圧力センサを含むものとする。
まず、制御部31は、図3に示す第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に圧力加えられているか否か判定する(ステップS301)。制御部31は、センサ部24から圧力を検知した旨を取得したとき、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に圧力が加えられていると判定する。
制御部31は、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に圧力が加えられていると判定したとき(ステップS301:Yes)、ステップS302の処理に進む。一方、制御部31は、第1接触部10A及び第2接触部11Aの両端に圧力が加えられていないと判定したとき(ステップS301:No)、処理を終了する。
ステップS302〜S305の処理は、図5に示すステップS102〜S105の処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、センサ部24が導通センサを含む場合、制御部31は、ステップS301の処理において、第1接触部10Aと第2接触部11Aとが導通しているか否か判定する。この場合、制御部31は、センサ部24から導通を検知した旨を取得したとき、第1接触部10Aと第2接触部11Aとが導通していると判定する。
第2の実施形態に係る受電機100bにおいて、その他の効果及び機能は、第1の実施形態に係る受電機100と同様である。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る受電機100cについて説明する。以下では、第1の実施形態に係る受電機100との相違点を主に説明する。
図10に、本発明の第3の実施形態に係る受電機100cの機能ブロック図を示す。なお、図10に示す構成要素において、図4に示す構成要素と同一のものは、同一符号を付し、その説明を省略する。
受電機100cは、発電部20と、通信部21と、発光部22と、報知部23と、記憶部30と、制御部31と、蓄電部40とを備える。
蓄電部40は、正極端子10及び負極端子11と電気的に接続され、かつ発電部20と電気的に接続される。蓄電部40は、発電部20が発電した電力のうち、電子機器へ供給されなかった発電電力(以下「余剰電力」という)を蓄えることができる。
第3の実施形態では、制御部31は、発電部20の発電中、送電機200に対して、蓄電部40の残量に応じた供給電力を、通信部21を介して要求してもよい。例えば、制御部31は、蓄電部40の残量が第3閾値以下であると判定したとき、送電機200に対し、送電機200の運転モードをハイパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号を、通信部21を介して送信する。また、例えば、制御部31は、蓄電部40の残量が第3閾値を上回ると判定したとき、送電機200に対し、送電機200の運転モードをローパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号を、通信部21を介して送信する。
第3の実施形態では、送電機200は、受電機100cから、送電機200の運転モードをハイパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号を受信すると、現在の電磁波よりも強い電磁波を送信する運転モードに切り替わる。また、送電機200は、受電機100cから、送電機200の運転モードをローパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号を受信すると、現在の電磁波よりも弱い電磁波を送信する運転モードに切り替わる。
[システム動作]
<発電動作>
以下、第3の実施形態に係る受電機100cの発電中の動作について、図11を参照して説明する。
まず、制御部31は、蓄電部40の残量が第3閾値以下であるか否か判定する(ステップS401)。制御部31は、蓄電部40の残量が第3閾値以下であると判定したとき(ステップS401:Yes)、ステップS402の処理に進む。一方、制御部31は、蓄電部40の残量が第3閾値を上回ると判定したとき(ステップS401:No)、ステップS403の処理に進む。
ステップS402の処理では、制御部31は、送電機200に対し、送電機200の運転モードをハイパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号を、通信部21を介して送信する。
このようなステップS401,S402の処理によって、蓄電部40の残量が第3閾値以下になると、受電機100から送電機200へ、送電機200の運転モードをハイパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号が送信される。これにより、送電機200が、現在の電磁波よりも強い電磁波を送信するモードに切り切り替えられるため、蓄電部40を急速に充電することが可能になる。
ステップS403の処理では、制御部31は、送電機200に対し、送電機200の運転モードをローパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号を、通信部21を介して送信する。
このようなステップS401,S403の処理によって、蓄電部40の残量が第3閾値を上回ると、受電機100から送電機200へ、送電機200の運転モードをローパワーモードに切り替える信号を含むパイロット信号が送信される。これにより、送電機200が、現在の電磁波よりも弱い電磁波を送信するモードに切り替えられるため、送電機200の消費電力を低減させることができる。
なお、上記では、第1の実施形態に係る受電機100の機能(図4参照)に、蓄電部40を加える例を説明したが、第2の実施形態に係る受電機100bの機能(図8)に、蓄電部40を加えてもよい。
第3の実施形態に係る受電機100cにおいて、その他の効果及び機能は、第1の実施形態に係る受電機100と同様である。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。