JP6655202B2 - 風力発電装置と、その制御装置、並びにその制御方法 - Google Patents

風力発電装置と、その制御装置、並びにその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、風力発電装置と、その制御装置、並びにその制御方法に関する。
水平軸型の風力発電装置では、風車ロータを搭載するナセルを垂直軸方向に回転させるヨー回転機構が備わっている。風力発電装置は、風車ロータの回転軸(以下、ナセル方位と呼ぶ)と風向との偏差角を表す風向偏差(以下、ヨー角度と呼ぶ)が生じた場合、ロータの受風面積の減少により発電効率が低下するのを防ぐため、ヨー回転機構を制御してヨー角度をなくすように動作することが知られている。これらヨー制御の方法として例えば特許文献1、2、3がある。
特開2010ー106727号公報 米国特許第9273668号公報 米国公開2014/0152013号公報
ある地点における風向や風速を表す風況は、様々な周期を持つ変動成分を有する。また、時間帯によってもその周期的な変動成分の特徴が異なる。風向変動は、これらの変動成分がランダムに含まれるため、一般的なヨー制御方法は、例えばある所定期間のヨー角度が所定の閾値を超えた場合に、ヨー角度がゼロになるようにナセルをヨー回転させる。
ヨー制御によりヨー角度を常にゼロに維持できた時、最も発電量が多くなる。しかし、ナセルの動作速度よりも風向の変動速度の方が速い場合、制御が完了する前に風向が変わってしまうため、ヨー角度をゼロに維持することは困難である。また、ヨー回転すると、ナセル回転機構やナセルの回転を停止するブレーキ機構の機械的消耗が発生する。この制御方法を用いて、ヨー角度を積極的に抑制しようとすると、機械的摩耗が大きくなる恐れがある。
特許文献1に開示された方法では、特にある地点の風況の乱れ度が高い場合、ヨー旋回によりヨー角度をゼロにした後、逆方向に風向変動が発生して、再度ヨー旋回をすることを頻繁に繰り返すことになる。したがって、ヨーの駆動回数が多くなり機械的消耗が増加するだけでなく、短期間しかヨー角度を抑制できずに発電性能も低下する可能性がある。
ヨー回転の回数を抑制して機械的消耗を抑えること、また、ヨー角度を低減して発電量を向上することを両立できることが望ましい。
以上のことから本発明においては「風を受けて回転するロータと、ロータを回転可能に支持するナセルと、ナセルをヨー回転可能に支持するタワーと、ヨー制御指令に基づいてナセルのヨーを調整する調整装置と、調整装置に送るヨー制御指令を定める制御装置とを備える風力発電装置であって、
制御装置は、風向測定手段によって測定された風向とロータの方向からヨー角度を算出するヨー角度計算手段と、ヨー角度とヨー制御開始閾値とヨー制御終了閾値とに基づきヨー制御指令を定める制御指令作成手段を備え、
開始閾値と終了閾値は極性が同じで終了閾値は開始閾値よりも小さな値であることを特徴とする風力発電装置。」としたものである。
また本発明においては「風力発電装置の制御方法であって、
測定された風向と前記風車のロータ方向からヨー角度を算出し、
ヨー角度がヨー制御開始閾値以上若しくはそれより大きくなった場合にヨー角度を低減する方向に風車のナセルをヨー回転開始させ、
ヨー角度がヨー制御終了閾値以下若しくはそれより小さくなった場合にナセルのヨー回転を終了し、
開始閾値と終了閾値は極性が同じで終了閾値は開始閾値よりも小さな値であることを特徴とする風力発電装置の制御方法。」としたものである。
また本発明においては「風力発電装置の改修方法であって、
風力発電装置が設置された環境で計測されたデータを取得し、
風向データを周波数分析し、
分析結果に基づき、ヨー制御開始閾値若しくはヨー制御終了閾値を算出し、
算出された閾値を前記風力発電装置に設定することを特徴とする風力発電装置の改修方法。」としたものである。
本発明によれば、ヨー回転の回数抑制と、発電性能の向上を両立させることが可能な風力発電装置とその制御方法並びに改修方法を提供できる。
本発明の実施例1に係る風力発電装置の構成概要を示す側面図。 図1の風力発電装置の上面図(平面図)。 本発明の実施例1における風力発電装置1の制御装置9に実装されるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図。 風向Θwの蓄積データを周波数分析した結果の一例を示す図。 風向Θwの蓄積データを周波数分析した結果の一例を示す図。 実施例1に係るヨー制御手段300の処理概要を示すフローチャート。 実施例1に係るヨー制御手段300の効果を示す概要図。 本発明の実施例3における風力発電装置1の制御装置9に実装されるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図。 風速Vwの平均値Vaveに基づいて、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを変化させる特性の一例を示す図。 風速Vwの平均値Vaveに基づいて、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを変化させる特性の一例を示す図。 本発明の実施例4における風力発電装置1の制御装置9に実装されるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図。 実施例5における特徴データを説明するための図。 本発明の実施例2における風力発電装置1の制御装置9に実装されるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図。
以下本発明の実施例について図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る風力発電装置の構成概要を示す側面図である。
図1に示す風力発電装置1は、複数のブレード2と、ブレード2を接続するハブ3とで構成されるロータ4を備える。ロータ4は、ナセル5に回転軸(図1では省略する)を介して連結されており、回転することでブレード2の位置を変更可能である。ナセル5は、ロータ4を回転可能に支持している。ナセル5は、発電機6を備え、ブレード2が風を受けることでロータ4が回転し、その回転力が発電機6を回転させることで電力を発生させることができる。
ナセル5は、タワー7上に設置されており、ヨー駆動機構8によって垂直軸方向にヨー回転可能である。制御装置9は、風向と風速とを検出する風向風速センサ10から検出した風向や、風速Vwに基づいて、ヨー駆動機構8を制御する。風向風速センサ10は、Lidar等であってもよく、ナセルやタワー等の風力発電装置に取り付けられていてもよいし、風車発電装置とは別構造物でマスト等に取り付けられていてもよい。
なお、ヨー駆動機構8は、ヨーベアリングやヨーギア(ヨー駆動用歯車)、ヨー駆動モータ、ヨーブレーキ等から構成されている。また、ハブ3に対するブレード2の角度を変更可能なピッチアクチュエータ、発電機6が出力する有効電力や無効電力を検出する電力センサ等を適宜位置に備えている。
図2は、図1の上面図(平面図)である。所定の基準方向となす風向をΘw、所定の基準方向となすロータ回転軸の方向をΘr、風向Θwからロータ回転軸角Θrまでの偏差角であるヨー角度をΔΘと定義し、これらの関係を図示している。ヨー制御開始閾値Θthsとヨー制御終了閾値Θtheは、例えばヨー角度と同様に風向Θwを基準に設定される。なお、風向Θwは、計測周期ごとに取得された値であってもよいし、所定期間の平均方向であってもよいし、周辺の風況分布に基づき算出された方向であってもよい。また、ロータ回転軸角Θrは、ロータ回転軸の向く方向であってもよいし、ナセルの方向であってもよいし、ヨー駆動部のエンコーダにより計測された値等であってもよい。
本発明は、ヨー角度ΔΘが開始閾値Θths以上若しくはそれよりも大きくなったときに制御装置9によりヨー駆動機構8を駆動開始して、ヨー角度ΔΘが終了閾値Θthe以下若しくはそれより小さくなるまで制御するものである。この場合に、開始閾値Θthsが正値である時、終了閾値Θtheは開始閾値Θthsよりも小さな正値である関係とされており、開始閾値Θthsは例えば8度、終了閾値Θtheは3度である。別な言い方をすると、開始閾値と前記終了閾値は極性が同じで終了閾値は開始閾値よりも小さな値にされている。なお、ヨー制御開始/停止は、単純に閾値を超えていた瞬間に制御開始/停止してもよいし、所定時間超えていた場合に開始/停止してもよいし、複数の計測サンプルの平均を取って平均が超えたタイミングで制御開始/停止してもよい。
本発明者らの知見によれば、その理由を後述するように、終了閾値Θtheを同極性の範囲に収める(正値であれば負値にしない)ことが、機械的消耗の増加抑止と、発電性能低下防止の観点から重要であることが明らかにされた。
終了閾値Θtheを同極性の範囲に収めるという本発明の実現に当たり、終了閾値Θtheを適正な値に定める必要があり、適正値は当該風力発電所設置点の環境における過去の経験値から定めることになるが、制御装置9の構成手法としては、その風力発電所の設置環境における過去経験若しくは計算により求めた設定値を固定設定値として与えられてオフラインで運用することと、時々刻々の風況を反映して風車上オフライン若しくは遠隔地オンラインで計算された可変の設定値を与えられて運用することが考えられる。実施例1においては、設定値を可変に運用する制御装置9を構成することについて説明し、実施例2では過去の経験若しくは計算により求めた設定値を固定設定値として与えられて運用することについて説明する。
図3から図7を用いて、本発明の実施例1に係る風力発電装置1の制御装置9に実装されるヨー制御手段300について説明する。
図3は、本発明の実施例1における風力発電装置1の制御装置9に実装されるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図である。実施例1のヨー制御手段300は、ヨー角度ΔΘを求めるヨー角度計算手段301と、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出する閾値算出部310と、ヨー角度ΔΘと閾値Θths、Θtheからヨー制御指令Cyを定める制御指令作成手段305により構成されている。閾値算出部310は、データ蓄積手段302、データ分析手段303、閾値計算手段304により構成されている。
このうちヨー角度計算手段301は、ロータ軸角度Θrと風向Θwに基づき、ヨー角度ΔΘを決定する。このヨー角度ΔΘは図2に示すように、風向Θwとロータ軸角度Θrの差分であり、ロータ軸が風向からどれくらいずれているかを示す。ここで、風向Θwはナセルに設置された風向風速センサ10から検出した値に限定せず、地面や他の場所に設置された値を利用するものであってもよい。また、ヨー角度計算手段301は、ローパスフィルタに代表される、ヨー角度ΔΘの所定周波数領域のみを通過させるフィルタ(ローパスフィルタ)や、移動平均に代表される、直前の所定期間の値の平均値を利用する統計値を用いたものであってもよい。あるいはフーリエ変換をおこなうものであってもよい。
図3の閾値算出部310内のデータ蓄積手段302は、風向風速センサ10から検出した風向Θwのデータを蓄積し、適宜蓄積した風向Θwの蓄積データを出力する。なお後述する実施例3においては、さらに風速Vwのデータを蓄積し、適宜蓄積した風向Θw、風速Vwの蓄積データを出力する。実施例1では、主として風向Θwの蓄積データを閾値算出に利用する。
図3の閾値算出部310内のデータ分析手段303は、風向Θwの蓄積データに基づき、特徴データを出力する。特徴データを計算する手段として、ここでは蓄積データの周波数分析手法を用いる。
図4と図5は、風向Θwの蓄積データを周波数分析した結果の一例を示している。図4と図5の横軸は周波数、縦軸は周波数に基づく風向の変動量を表す風向成分Θfの大きさを示している。便宜上、周波数領域を、低周波数領域、中周波数領域、高周波数領域、および超高周波数領域と区別して表記している。
図4は、長周期の風向変動が比較的多い期間の周波数分析結果の一例を示しており、低周波数領域の風向成分Θfが大きな値を示している点に特徴がある。図5は、図4よりも短い周期の風向変動が比較的多い期間の周波数分析結果の一例を示しており、中周波数領域の風向成分Θfが大きな値を示している点に特徴がある。周波数分析をすることにより、所定の期間における周波数成分を含んだ風況の特徴データを取得することができる。
なお低周波数領域、中周波数領域、高周波数領域、および超高周波数領域の各領域をどのように設定すべきかは、各風力発電装置が設置された場所の環境事情、ヨー角度計算手段301で用いるフィルタの設定値、開始閾値Θths、および終了閾値Θthe等に応じて適宜設定されればよいが、大まかには低周波数領域は10−5乃至10−3の範囲、中周波数領域は10−3乃至2×10−2の範囲、高周波数領域は2×10−2乃至10−1の範囲、および超高周波数領域は10−1乃至10−0の範囲とするのがよい。また領域の別の設定案によれば、このうち中周波数領域の設定が最も重要であることから10−3乃至2×10−1の範囲を採用するのがよい。
図3の閾値算出部310内の閾値計算手段304は、特徴データに基づき、ヨー制御の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを決定する。開始閾値Θthsはヨー旋回を開始する閾値であり、終了閾値Θtheはヨー旋回を終了する閾値である。なお本発明の説明では、標準的な状態では開始閾値Θthsは例えば8度、終了閾値Θtheは3度に設定されており、閾値計算手段304における特徴データの計算結果に基づき、適宜修正して設定される。
具体的には閾値計算手段304においては、低周波数領域の風向成分Θfが大きい図4の傾向を示す特徴データの場合と、中周波数領域の風向成分Θfが大きい図5の傾向を示す特徴データの場合とで、開始閾値Θths,終了閾値Θtheの大きさが変更されるように調整される。例えば低周波数領域の風向成分Θfが大きい図4の場合には開始閾値Θthsは7.5度,中周波数領域の風向成分Θfが大きい図5の場合には開始閾値Θthsは8.5度とされる。同様に低周波数領域の風向成分Θfが大きい図4の場合には終了閾値Θtheは2.5度,中周波数領域の風向成分Θfが大きい図5の場合には終了閾値Θtheは3.5度とされる。
このように、低周波数領域の風向成分Θfが比較的大きい図4の場合は、開始閾値Θthsと、終了閾値Θtheとを小さくする。また図5に示すように、中周波数領域の風向成分Θfが比較的大きい場合は、開始閾値Θthsと、終了閾値Θtheとを大きくする。
あるいは他の周波数領域の特徴データとの組み合わせにより、例えば低周波数領域と高周波数領域の風向成分Θfとが比較的大きい場合は、開始閾値Θthsを大きくし、終了閾値Θtheを小さくする。ここで、高周波数領域の風向成分Θfは、風力発電装置1に加わる荷重を鑑みて、開始閾値Θthsや終了閾値Θtheの決定にあまり寄与させない、もしくは考慮しないのが好ましい。また、風力発電装置1の性能では追随できない超高周波数領域の風向成分は、開始閾値Θthsや終了閾値Θtheの決定に考慮させないのが好ましい。
このように実施例1では、閾値算出部310は、風向測定手段10からの風向データを周波数分析して周波数成分を求め、所定の周波数領域の周波数成分の合計値をそれぞれの周波数領域ごとに求め、各領域の周波数成分の値に基づいて、開始閾値と終了閾値を作成している。
ここで、閾値計算手段304は、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを逐次出力しなくてもよく、それぞれ任意の周期やタイミングで出力してもよい。
ヨー制御手段305は、ヨー角度ΔΘと開始閾値Θthsと終了閾値Θtheに基づき、ヨー制御指令Cyを決定する。ヨー旋回していない状態で、かつ、ヨー角度ΔΘの絶対値が開始閾値Θths以上になった場合、ヨー旋回を開始するためのヨー制御指令Cyがヨー駆動機構8に出力される。それを受け、ヨー角度ΔΘを減らす方向にナセル5をヨー旋回させるように、ヨー駆動機構8が動作する。そして、ヨー旋回している状態で、ヨー角度ΔΘの絶対値が終了閾値Θtheを下回った場合、ヨー旋回を停止するためのヨー制御指令Cyがヨー駆動機構8に出力される。
図6は、実施例1に係るヨー制御手段300の処理概要を示すフローチャートである。
図6の処理ステップS601では、ロータ軸角度Θrを決定し、次のステップに進む。処理ステップS602では、風向Θwを決定し、次のステップに進む。処理ステップS603では、ロータ軸角度Θrと風向Θwに基づいてヨー角度ΔΘを決定し、次のステップに進む。これらの処理ステップS601からS603がヨー角度計算手段301の処理に対応している。
データ蓄積手段302の処理に相当する処理ステップS604では、時刻に対応する風向Θwの値を蓄積し、次のステップに進む。データ分析手段303に相当する処理ステップS605では、蓄積データに基づいて特徴データを決定し、次のステップに進む。閾値計算手段304に相当する処理ステップS606では、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを決定し、次のステップに進む。これらの処理ステップS604からS606が閾値算出部310の処理に対応している。
処理ステップS607では、ヨー旋回中かどうかを判定し、NO(否該当)であれば処理ステップS608に進み、YES(該当)であれば処理ステップS610に進む。処理ステップS608では、ヨー角度ΔΘが開始閾値Θths以上かどうかを判定し、YESであれば処理ステップS609に進み、NOであれば処理ステップS601に戻る。処理ステップS609では、ヨー旋回を開始させるヨー制御指令Cyを決定し、次のステップに進む。処理ステップS610では、制御指令作成手段305において、ヨー角度ΔΘが終了閾値Θthe未満かどうかを判定し、YESであれば処理ステップS611に進み、NOであれば処理ステップS601に戻る。処理ステップS611では、ヨー旋回を停止させるヨー制御指令Cyを決定した後、一連の処理を終了する。
これらの処理ステップS607からS611が制御指令作成手段305の処理に対応している。この処理では要するに、ヨー旋回していない状態で、かつ、ヨー角度ΔΘの絶対値が開始閾値Θths以上になった場合、ヨー旋回を開始するためのヨー制御指令Cyをヨー駆動機構8に出力し、それを受け、ヨー角度ΔΘを減らす方向にナセル5をヨー旋回させるように、ヨー駆動機構8が動作する。また、ヨー旋回している状態で、ヨー角度ΔΘの絶対値が終了閾値Θtheを下回った場合、ヨー旋回を停止するためのヨー制御指令Cyをヨー駆動機構8に出力する。
次に、本実施例の効果を明らかにするため、比較例の動作と合わせて概要を説明する。
図7は、実施例1に係るヨー制御手段300の効果を示す概要図であり、横軸は全て共通の時刻を示す。図7(a)の縦軸はヨー角度ΔΘ、図7(b)の縦軸は発電出力Pe、および図7(c)の縦軸はロータ軸角度Θrを示す。図7に示す破線は、本発明に係るヨー制御手段300を適用しない場合の比較例として例えば、ヨー角度ΔΘがゼロになった時にヨー旋回を終了する場合の結果を示す。一方で、実線が本発明の実施例1に係るヨー制御手段300を適用した場合の結果を示す。
なお図7の比較結果を算定するに当たり、風況条件として、風向変動がある程度速い周期で頻発する場合を想定した。この風況を周波数分析すると、図5に示すように、中周波数領域の風向成分Θfが多く、低周波数領域の風向成分Θfが少ない結果となる。従って、実施例1の開始閾値Θthsはある程度大きくなり、終了閾値Θtheは開始閾値Θthsに近い値をとる。比較例の開始閾値Θthsは、効果の比較を明確にするため、実施例1と同じ値とする。
図7について(a)をみると、ヨー角度ΔΘが正負の開始閾値Θthsを超えている回数は、実線の実施例1の方が破線の比較例よりも少ない。本風況条件は、風向変動がある程度速い周期で頻発するため、ヨー旋回中に風向Θwが逆方向に変動し、ヨー旋回終了時にヨー角度ΔΘが逆方向に変動しているパターンが多い。したがって、実施例1は、ヨー角度ΔΘがゼロになる前にヨー旋回を終了するため、ヨー旋回終了時にヨー角度ΔΘが逆方向に変動しても、開始閾値Θthsを超えにくい。
また、実施例1は、比較例よりもヨー角度ΔΘが開始閾値Θthsを超えている回数が少ないことから、ヨー角度ΔΘが小さい期間が多くなっていることがわかる。風力発電システムは、ロータが風向Θwに正対しているほど、つまり、ヨー角度ΔΘが小さいほど発電出力Peが高くなる。したがって、図7の(b)に示すように、実線の実施例1は破線の比較例よりも発電出力Peが高い期間が多くなる。つまり、実施例1は、年間発電量が比較例よりも高くなることを示している。
さらに、図7の(c)をみると、実線の実施例1は破線の比較例よりもロータ軸角度Θrが変動する回数と期間、つまりヨー駆動機構の駆動回数と駆動時間が少ない。これは、図7の(a)より、実施例1の方が比較例よりもヨー角度ΔΘが開始閾値Θthsを超えている回数が少なく、かつ、終了閾値Θtheを下回る時間が短いためである。
以上のように、本実施例1によれば、場所や時間により風向変動の大きさや周期が異なる場合に、風力発電装置の発電性能の向上と、機械的消耗の低減とを両立させることができる。
なお、閾値計算手段は、複数の周波数領域ごとに少なくとも開始閾値若しくは終了閾値いずれかを設定し、閾値を可変にし、風向により制御を切り替えることもできる。具体的には、風向データの周波数分析結果に基づいて、複数の所定の周波数領域に対して少なくとも開始閾値若しくは前記終了閾値のいずれかを作成しておく。制御指令作成手段は、風向風速計測手段により計測された風向に基づき、ヨー制御開始閾値とヨー制御終了閾値を切り替えて制御する。
次に図13を用いて本発明の実施例2に係る風力発電装置1について説明する。先にも述べたように実施例2は、過去の経験若しくは計算により求めた値を固定設定値として予め制御装置9に設定されオフラインで運用する。
実施例1の図3、図6において閾値算出部310は、毎制御周期、或は適宜のタイミングで開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出し更新する。
これに対し、実施例2のヨー制御手段300は、図13に示すようにヨー角度ΔΘを求めるヨー角度計算手段301と、ヨー角度ΔΘと開始閾値Θths、終了閾値Θtheからヨー制御指令Cyを定める制御指令作成手段305により構成されており、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出する閾値算出部310を備えていない。制御指令作成手段305に与えられる開始閾値Θthsと終了閾値Θtheは、予めヨー制御手段300にプリセットされ、あるいは適宜のタイミングで閾値入力手段306により外部から設定される。閾値入力手段306はキーボード等の入力装置であって、作業員により入力されてもよい。
閾値算出部310の機能は、風力発電所とは別の場所に設けられた解析装置内に構成されており、例えば風力発電所建設前の研究、設計段階において求めた環境条件から、予め当該風力発電所の典型的な風況での開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出し、ヨー制御手段300内にプリセット値として組み込んでおくものである。典型的な風況とは、例えば季節ごとに、あるいは夕方とか朝方とかの別毎に準備され、適宜の条件で切り替え使用してもよい。
あるいは、閾値算出部310の機能は、風力発電所とは別の場所に設けられた解析装置内に構成されており、例えば風力発電所を設置後の運用段階において、観測した環境条件から、当該風力発電所の典型的な風況での開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出し、通信手段を備えた閾値入力手段305を介してヨー制御手段300内の制御指令作成手段305に与えるものである。この場合に、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheの設定は、現場の風況に応じてオンライン的に即時に対応する形式のものではなく、オフラインで求めておいた値を適宜のタイミングで与えて運用する。
予め設定しておく終了閾値Θtheは、後述する実施例5及び図12とその説明で言及する値とすることが望ましい。
実施例2により、風車に解析装置を設ける必要が無く、既存の風車に対して大きな改修なく本発明制御を搭載するように更新でき、最適化された閾値に基づく制御を行うことができる。
次に、本発明の実施例3に係る風力発電装置1について説明する。
実施例3の風力発電装置1は、実施例1のヨー制御手段300に代えて、図8に示すヨー制御手段300が適用される点で異なる。
図8は、実施例3によるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図である。ヨー制御手段300は、ヨー角度ΔΘを求めるヨー角度計算手段301と、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出する閾値算出部810と、ヨー角度ΔΘと閾値Θths、Θtheからヨー制御指令Cyを定める制御指令作成手段305により構成されている。閾値算出部810は、データ蓄積手段802、データ分析手段803、閾値計算手段804により構成されている。
実施例3のヨー制御手段300において、ヨー角度計算手段301、および制御指令作成手段305は実施例1と同じ構成のものであるが、閾値算出部810内の処理において、データ蓄積手段802の入力に風向Θw以外に風速Vwが新たに加わっている点が新しい。
データ蓄積手段802は、風向風速センサ10から検出した風向Θwと風速Vwに基づき、風向Θwと風速Vwの蓄積データを出力する。なお、ここで計測した風速Vwはナセル5に固定された風向風速センサ10から検出したものであり、その時点でナセル5が向いている方向での風速である。
データ分析手段803は、風向Θwと風速Vwの蓄積データに基づき、特徴データを出力する。この時、特徴データを分析した期間における風速Vwの平均値Vaveも、特徴データとして出力する。この場合における風速Vwは、風向Θwの方向にベクトル計算により求められた風速である。
閾値計算手段804は、特徴データである風速Vwの平均値Vaveに基づき、ヨー制御の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを決定する。このとき、風速Vwの平均値Vaveに基づいて、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを変化させる特性にする。風速Vwの平均値Vaveに基づいて、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを変化させる特性の一例について図9、図10に示している。
図9は、中周波数領域が速い場合などのように、風車に係る横からの荷重を小さくしたい場合、あるいは風速変動が多い山側のサイトで発電量を高くしたいという場合に適した開始閾値Θthsと終了閾値Θtheの変化特性例である。この場合には風速Vwの平均値Vaveが高いほど、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを低減させる傾向に設定する。
図10は、風速変動が少ない海側のサイトで発電量を高くしたいという場合に適した開始閾値Θthsと終了閾値Θtheの変化特性例である。この場合には風速Vwの平均値Vaveが高いほど、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを増加させる傾向に設定する。
これらの特性は、階段状に減少もしくは増加させる特性や、風速Vwの高次の曲線に近似した特性であってもよい。減少の仕方の一例として、次の場合を考える。即ち、カットイン風速からカットアウト風速の範囲内に含まれる風速Vwxを規定し、風速Vwx未満における開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを、風速Vwx以上における開始閾値Θthsと第2閾値Θtheより大きく決定する。
実施例3によれば、ヨー角度ΔΘがある場合、風速Vwの増加に従って風力発電装置1にかかる荷重が大きくなるため、実施例3の風速Vwに基づく閾値特性にすることで、風力発電装置1に過大な荷重がかかるのを防ぐことが可能となる。
風速領域ごとに風向の周波数特性が異なる場合に対応するために、本実施例の風速を鑑みた制御と、実施例1の風向を鑑みた制御を相乗的に実施することができる。
例えば、風速領域ごとに少なくとも開始閾値若しくは終了閾値いずれかを設定しておき、風速ごとに風向周波数領域に基づく制御を変えることもできる。具体的には、風速データから所定期間の平均風速を求め、2つ以上の異なる平均風速が得られた期間における風向データの周波数分析結果に基づいて、2つ以上の異なる平均風速に応じて少なくとも前記開始閾値若しくは前記終了閾値を作成しておく。それに基づき、前記制御指令作成手段は、風速風向計測装置により計測された風速に基づき、ヨー制御開始閾値とヨー制御終了閾値を適宜切り替えて制御することができる。
なお風速の情報を用いる実施例2の制御装置においては、保護的処置として、風速が所定値を超えた場合に、開始閾値と終了閾値のどちらかまたは両方の値を小さくするのがよい。またこのとき、風速についての所定値は、カットイン風速よりも大きく、カットアウト風速よりも小さいのがよい。
次に、本発明の実施例4に係る風力発電装置1について説明する。
実施例4の風力発電装置1は、実施例1のヨー制御手段300と同じ手段を有しているが、データ分析手段303と閾値計算手段304とにおける処理が異なる。
実施例4のデータ分析手段303では、風向Θwに基づいて、統計分析により所定の期間における風向Θwの平均値Θave、および標準偏差σを計算し、風況の特徴データとして出力する。
閾値計算手段304は、統計分析された特徴データに基づいて、ヨー制御の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを決定する。ここで、ある所定時間前に統計分析した平均値Θaveと、直前に計算した平均値Θaveとの差が比較的大きい場合は、つまり変化が大きいときは、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとを小さくする。
一方、標準偏差σが比較的大きい場合は、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとを大きくする。平均値Θaveと標準偏差σとが比較的大きい場合は、開始閾値Θthsを大きくし終了閾値Θtheを小さくする。
実施例4のヨー制御手段300の処理を適用することで、実施例1と同様の効果をより簡便な処理で実現することが出来る。
次に、本発明の実施例5に係る風力発電装置1について説明する。
実施例5の風力発電装置1は、実施例1のヨー制御手段300に代えて、図11に示すヨー制御手段300が適用される点で異なる。
図11は、実施例5によるヨー制御手段300の処理概要を示すブロック線図である。ヨー制御手段300は、ヨー角度ΔΘを求めるヨー角度計算手段301と、開始閾値Θthsと終了閾値Θtheを算出する閾値算出部910と、ヨー角度ΔΘと閾値Θths、Θtheからヨー制御指令Cyを定める制御指令作成手段305により構成されている。閾値算出部910は、データ蓄積手段902、データ分析手段903、閾値計算手段904により構成されている。
実施例5のヨー制御手段300において、ヨー角度計算手段301、および制御指令作成手段305は実施例1と同じ構成のものであるが、閾値算出部910内の処理においてPeが新たに加わっている点が新しい。
データ蓄積手段902は、風向風速センサ10から検出した風向Θwと風速Vw、ロータ軸角度Θr、および発電出力Peに基づき、風向Θwと風速Vw、ロータ軸角度Θr、および発電出力Peの蓄積データを出力する。
データ分析手段903は、風向Θwと風速Vw、ロータ軸角度Θr、および発電出力Peの蓄積データに基づき、特徴データを出力する。図12は、実施例5における特徴データを説明するための図である。実施例5における特徴データは、図12の(a)に示すような、横軸をヨー制御の開始閾値Θthsに対する終了閾値Θtheの割合、縦軸を発電量Pwhとした分布曲線、および、図12の(b)に示すような、横軸をヨー制御の開始閾値Θthsに対する終了閾値Θtheの割合、縦軸をヨー駆動回数Nyとした分布曲線である。
まず、図12の(a)に示す分布曲線の作成方法について説明する。所定の期間txにおいて設定した開始閾値Θthsxと終了閾値Θthexとにおける風速Vwxと発電出力Pexに基づき、発電量Pwhxを計算する。さらに、異なる所定の期間tyにおいて設定した異なる開始閾値Θthsyと終了閾値Θtheyとにおける風速Vwyと発電出力Peyに基づき、発電量Pwhyを計算する。このようにして、複数の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとにおける発電量Pwhを計算し、図12の(a)に示す分布曲線を作成する。
図12の(a)に示す分布曲線によれば、ヨー制御の開始閾値Θthsに対する終了閾値Θtheの割合が0(%)から増大するにつれて発電量Pwhxが増大する傾向を示し、100(%)に近づくにつれて若干発電量Pwhxが増大する山状の傾向を示す。
次に、図12(b)に示す分布曲線の作成方法について説明する。所定の期間txにおいて設定した開始閾値Θthsxと終了閾値Θthexとにおけるロータ軸角度Θrxに基づき、ヨー駆動回数Nyxを計算する。さらに、異なる所定の期間tyにおいて設定した異なる開始閾値Θthsyと終了閾値Θtheyとにおけるロータ軸角度Θryに基づき、ヨー駆動回数Nyyを計算する。このようにして、複数の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとにおけるヨー駆動回数Nyを計算し、図12(b)に示す分布曲線を作成する。
図12の(b)に示す分布曲線によれば、ヨー制御の開始閾値Θthsに対する終了閾値Θtheの割合が0(%)から増大するにつれてヨー駆動回数Nyが減少する傾向を示し、100(%)に近づくにつれてヨー駆動回数Nyが増大する谷状の傾向を示す。
図12の(a)に示す山状の分布曲線と図12の(b)に示す谷状の分布曲線によれば、発電量Pwhxが大きく、かつヨー駆動回数Nyが少なくできる領域(ヨー制御の開始閾値Θthsに対する終了閾値Θtheの割合)が存在している。終了閾値Θthe2近傍が双方の条件を共に満たす領域である。
閾値計算手段904は、特徴データである分布曲線に基づき、ヨー制御の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとを決定する。図12の(a)(b)に基づき、開始閾値Θths(例えば5〜10°)に対して、終了閾値Θtheをゼロより大きい値に設定する。例えば、発電量Pwhの向上率の変曲点であり、かつヨー駆動回数Nyが終了閾値ゼロの時より少なくなるΘthe1以上に決定する。変曲点であるΘthe1は開始閾値の30%の位置に該当する。特に山岳地帯等、風向変動が比較的大きい環境条件においては、開始閾値Θthsが8°以上に設定された場合、Θtheは2.5°以上に設定するとよい。
より望ましくは、最もヨー駆動回数Nyが少なくなる終了閾値Θthe2と、最も発電量Pwhが多くなる終了閾値Θthe3との間に、終了閾値Θtheが決定されることが好ましい。Θthe2は開始閾値の75%に該当する。Θthe3は開始閾値の95%に該当する。特に山岳地帯等、風向変動が比較的大きい環境条件においては、開始閾値Θthsが8°以上に設定された場合、Θtheは6°以上7.6°以下に設定すると、機械的消耗の低減と発電量の向上が、よりバランスのとれた制御となる。
実施例5で作成される分布曲線に基づきヨー制御することで、決定しようとする開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとにおいて、想定される発電量Pwhとヨー駆動回数Nyをあらかじめ高い精度で知ることが可能となる。ここで、ヨー駆動回数Nyに代えて、同様の効果が得られるヨー駆動時間、あるいは、ヨー駆動回数Nyから計算できる荷重を用いてもよい。
次に、本発明の実施例6に係る風力発電装置1の改修方法について説明する。
本実施例6は、閾値算出部が設けられていない、若しくはヨー制御終了閾値がゼロの固定値で制御されている風力発電装置1に対して、本実施例の制御方法を適用する方法について説明する。
まず、最適な閾値の算出には、風力発電装置が設置された環境で計測された風速風向データを分析することが必要になる。そのため、現地で風速風向を測定し、若しくは風車に設置済み風速風向計で測定されたデータを取得し、風速の確認と、風向の周波数分析をし、最適な閾値を算出する。
次に、既存の風車に接続された閾値入力手段が、すでにWTCの一部に設けられている場合は、他の実施例で説明するようなヨー制御開始閾値より小さくかつゼロより大きいヨー制御終了閾値を設定することで改修できる。また、ネットワークに接続され、ネットワーク経由でヨー制御終了値を設定できる場合は、ネットワーク経由の閾値入力手段により改修することができる。
また、閾値算出部で閾値を算出するために、閾値算出部を新たに設ける場合は、風車の制御装置、若しくはウィンドファームコントローラ、若しくはネットワークで接続されたサーバに閾値算出部を新たに接続し、他の実施例に記載の制御方法を実施できる。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施例は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施例に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)ヨー制御手段300におけるデータ蓄積手段302、データ分析手段303、および閾値計算手段304は、制御装置9に代えて、外部の装置に備えてもよい。
(2)本発明で計算したヨー制御の開始閾値Θthsと終了閾値Θtheとは、同じサイトにおける他の風力発電装置1や、風況の近しい他サイトの風力発電装置1に適用してもよい。
(3)ヨー制御手段300におけるデータ蓄積手段302は、風向θwをはじめとする風況データを逐次入力せず、過去に蓄積された風況データのみを保持する手段であってもよい。
(4)上記各実施例においては、風向風速センサ10はナセル上に設置されているが、この場所に代えて、ナセル5内や風力発電装置1の周辺に設置してもよい。
本発明の実施例によれば、ある程度速い周期の風向変動が頻発する場合、ヨー旋回の終了閾値を開始閾値に近づけて、ヨー角度がゼロになる前にヨー旋回を止めることで、ヨー旋回後に逆方向に同程度以下の風向変動が発生してもヨー旋回の開始閾値を超えない。したがって、ヨーの駆動回数が減るため、風力発電装置の機械的消耗を低減できる。さらに、ヨー旋回の開始閾値を超えるヨー角度が低減し、風向への追随性も高くなるため発電性能の向上も両立させることが可能である。
1:風力発電装置
2:ブレード
3:ハブ
4:ロータ
5:ナセル
6:発電機
7:タワー
8:ヨー駆動機構
9:制御装置
10:風向風速センサ
300:ヨー制御手段
301:ヨー角度計算手段
305:制御指令作成手段
310:閾値算出部
302、802,902:データ蓄積手段
303、803,903:データ分析手段
304、804,904:閾値計算手段

Claims (9)

  1. 風を受けて回転するロータと、該ロータを回転可能に支持するナセルと、該ナセルをヨー回転可能に支持するタワーとを備える風力発電装置であって、
    前記ナセルは、風向と前記ロータの方向の差の角度であるヨー角度を低減する方向にヨー回転を開始し、前記風向と前記ロータの方向が一致する前であって前記ヨー角度が所定の角度になったときヨー回転を終了し、
    前記所定の角度は、前記風向の変動量の大きさが第一の風向の変動量の大きさのとき、第一の所定の角度であり、前記風向の変動量の大きさが第二の風向の変動量の大きさのとき、第二の所定の角度であり、前記第一の風向の変動量の大きさは前記第二の風向の変動量の大きさより大きく、前記第一の所定の角度は前記第二の所定の角度より大きいことを特徴とする風力発電装置。
  2. 風を受けて回転するロータと、該ロータを回転可能に支持するナセルと、該ナセルをヨー回転可能に支持するタワーとを備える風力発電装置の制御方法であって、
    前記ナセルは、風向と前記ロータの方向の差の角度であるヨー角度を低減する方向にヨー回転を開始し、前記風向と前記ロータの方向が一致する前であって前記ヨー角度が所定の角度になったときヨー回転を終了し、
    前記所定の角度は、前記風向の変動量の大きさが第一の風向の変動量の大きさのとき、第一の所定の角度であり、前記風向の変動量の大きさが第二の風向の変動量の大きさのとき、第二の所定の角度であり、
    前記第一の風向の変動量の大きさは前記第二の風向の変動量の大きさより大きく、前記第一の所定の角度は前記第二の所定の角度より大きいことを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  3. 風を受けて回転するロータと、該ロータを回転可能に支持するナセルと、該ナセルをヨー回転可能に支持するタワーとを備え、
    前記ナセルは、前記ロータの方向が風向に向かう方向にヨー回転を開始し、前記風向と前記ロータの方向が一致する前であって前記ロータの方向と前記風向の差の角度が所定の角度になったときヨー回転を終了する風力発電装置であって、
    前記ナセルは、風向の変動量の大きさが第一の風向の変動量の大きさのとき、前記ロータの方向と前記風向の差の角度を前記所定の角度の内の第一の角度である第一の所定の角度にし、前記風向の変動量の大きさが第二の風向の変動量の大きさのとき、前記ロータの方向と前記風向の差の角度を前記所定の角度の内の第二の角度である第二の所定の角度にし、前記第一の風向の変動量の大きさは前記第二の風向の変動量の大きさより大きく、前記第一の所定の角度は前記第二の所定の角度より大きいことを特徴とする風力発電装置。
  4. 請求項3に記載の風力発電装置であって、
    風向を取得する風向計を備えることを特徴とする風力発電装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の風力発電装置であって、
    前記ナセルのヨー角度を制御する制御装置を備えることを特徴とする風力発電装置。
  6. 風を受けて回転するロータと、該ロータを回転可能に支持するナセルと、該ナセルをヨー回転可能に支持するタワーとを備える風力発電装置の制御装置であって、
    制御装置は、前記ナセルについて、風向と前記ロータの方向の差の角度であるヨー角度を低減する方向にヨー回転を開始させ、前記風向と前記ロータの方向が一致する前であって前記ヨー角度が所定の角度になったときヨー回転を終了とともに、
    前記制御装置は、風向の変動量の大きさが第一の風向の変動量の大きさのとき、前記ヨー角度を前記所定の角度の内の第一の角度である第一の所定の角度にし、前記風向の変動量の大きさが第二の風向の変動量の大きさのとき、前記ヨー角度を前記所定の角度の内の第二の角度である第二の所定の角度にし、
    前記第一の風向の変動量の大きさは前記第二の風向の変動量の大きさより大きく、
    前記第一の所定の角度は前記第二の所定の角度より大きいことを特徴とする風力発電装置の制御装置。
  7. 請求項6に記載の風力発電装置の制御装置であって、
    前記風向を風向計から取得することを特徴とする風力発電装置の制御装置。
  8. 風を受けて回転するロータと、該ロータを回転可能に支持するナセルと、該ナセルをヨー回転可能に支持するタワーとを備える風力発電装置の制御方法であって、
    前記ナセルは、風向と前記ロータの方向の差の角度であるヨー角度を低減する方向にヨー回転を開始し、前記風向と前記ロータの方向が一致する前であって前記ヨー角度が所定の角度になったときヨー回転を終了し、前記風向の変動量の大きさが第一の風向の変動量の大きさのとき、前記ヨー角度を前記所定の角度の内の第一の角度である第一の所定の角度にし、前記風向の変動量の大きさが第二の風向の変動量の大きさのとき、前記ヨー角度を前記所定の角度の内の第二の角度である第二の所定の角度にし、前記第一の風向の変動量の大きさは前記第二の風向の変動量の大きさより大きく、前記第一の所定の角度は前記第二の所定の角度より大きいことを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  9. 風を受けて回転するロータと、該ロータを回転可能に支持するナセルと、該ナセルをヨー回転可能に支持するタワーとを備え、
    前記ナセルは、前記ロータの方向が風向に向かう方向にヨー回転を開始し、前記風向と前記ロータの方向が一致する前であって前記ロータの方向と前記風向の差の角度が所定の角度になったときヨー回転を終了する風力発電装置の制御方法であって、
    前記ナセルは、風向の変動量の大きさが第一の風向の変動量の大きさのとき、前記ロータの方向と前記風向の差の角度を前記所定の角度の内の第一の角度である第一の所定の角度にし、前記風向の変動量の大きさが第二の風向の変動量の大きさのとき、前記ロータの方向と前記風向の差の角度を前記所定の角度の内の第二の角度である第二の所定の角度にし、前記第一の風向の変動量の大きさは前記第二の風向の変動量の大きさより大きく、前記第一の所定の角度は前記第二の所定の角度より大きいことを特徴とする風力発電装置の制御方法。
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