JP6655043B2 - 薬物送達装置 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は2011年2月2日出願の米国仮特許出願第61/438,934号の優先権および恩典を主張し、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
連邦政府の資金援助による研究または開発に関する記載
本発明は、米国国立衛生研究所が授与した助成金番号2 R01 DC006848-04A1の下での政府支援により行った。政府は本発明において一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は概して、流体をリザーバから患者に輸送するためにカテーテルおよび/またはカニューレを使用する薬物送達デバイスの分野に関し、より詳細には、薬物を患者の体液、例えばヒトの耳中の外リンパに導入するためのデバイス、ならびに難聴ならびに他の聴力障害および前庭機能障害の処置のために薬物を蝸牛に注入するための方法に関する。
発明の背景
感音難聴(SNHL)は一般的であり、ヒトの伝達および生活の質に対するその影響は著しい。米国内の約2800万人の個人が難聴に罹患していると推定される。高齢化が進行するに従って、難聴の罹患率は急速に上昇して2030年までに2倍近くになると予想される。原因は、加齢および遺伝的障害に関連する変性プロセスから、大きな音および毒性の作用物質に対する環境曝露に及ぶ。結果は、中程度の伝達困難および引きこもりから、重度の聴覚消失およびそれによる著しい困難に及ぶ。現在、SNHLの管理は補聴器および人工蝸牛の使用が中心である。しかし、そのような処置は難聴の予防に対応することができず、難聴の進行を最小化することができず、最適なデバイス装着によっても損傷を受けた耳の基本的能力を増大させることができない。結果として、多くのユーザーは著しい伝達困難を経験し続けている。
聴覚に関する薬理学および分子生物学の近年の進歩は、難聴を予防または最小化するための新しい有力な可能性を明らかにしている。SNHLにおける問題の核心は、音に関連する非常に小さな機械的振動を検出する繊細な蝸牛感覚細胞の損失である。ヒトの耳において、これらの感覚細胞はいったん損失または損傷すると再生せず、この損害は多くの場合、聴神経細胞の二次変性を伴う。しかし、科学者および臨床医は、蝸牛神経および聴神経の変性プロセスに関連する分子機構の理解において急速に進歩している。新たな有毛細胞を発生させることに関与する分子シグナルに対するさらなる洞察が急速に蓄積されており、この洞察によって新規の正確な薬物処置の展望が生じる。さらに、いくつかのヒトの遺伝的な聴覚消失形態に関与する遺伝子を規定する上でなされた並外れた進歩は、これらの疾患を処置するための遺伝子導入的および分子的アプローチに対する希望を与えている。
これらの発見に基づく治療が臨床的に有用になるには、複合化合物を内耳中に送達するための安全で確実な機構を開発することが必要である。血液脳関門と解剖的および機能的に同様である血液迷路薬物関門の存在が理由で、内耳の流体への直接送達が必要である。すなわち、内耳終末器官中の隣接する細胞間のいわゆる「密着結合」の存在を通じて、これらの器官の外側の物質は侵入に対する実質的な物理的関門に遭遇し、それにより内側の繊細な感覚構造が侵襲から保護される。しかし、この「保護」は、潜在的な治療効果を有する特定の分子が内耳の標的に到達することも妨げる。全身注射の後に蝸牛から排除される第一の候補は、タンパク質およびペプチドなどの複合分子、ならびに脂溶性ではない任意の分子である。
現行の耳科診療は内耳への薬物送達を必要とするが、非効率な経路を使用している。薬物は、所望の形態および濃度で重大な副作用なしに意図した内耳標的にそれらが到達することを期待して、一般に全身送達される。例えば、全身性副腎皮質ステロイドが、特発性の突発性および免疫介在性SNHLの耳科的管理に使用される。しかし、それらの臨床的有用性は、意図した内耳効果を生成するのに十分な蝸牛流体中薬物レベルを実現するために必要な高全身量により生じる望ましくない副作用によって限定される。
正円窓膜(RWM)を通じた内耳上の流体腔内への拡散を目的とする、経鼓膜的な中耳の灌流による局所的薬物適用が、約50年前にメニエール病のアミノグリコシド処置について導入された。この方法または何らかの変化形は、内耳疾患、特に、メニエール病に関連しうる難治性のめまいの処置において依然として一般に使用されているが、突発性SNHL、自己免疫内耳疾患、さらには耳鳴にも同様に使用されている。診療室で実行される手順として、薬物が鼓膜を通じて中耳腔内に注射される。次に患者は、薬物が内耳に到達するにはそこを通じて拡散しなければならないRWMと薬物とが接触する可能性を高めるように、処置される耳を「持ち上げて」横たわる。内耳に対する薬物有効時間を延長するという目的で、中耳内薬物送達のより新たな方法は、RWMの上または近傍に吸収性材料を配置すること、およびポンプ駆動マイクロカテーテルシステムを使用することを含む、薬物とRWMとの接触を延長するいくつかの戦略を使用している。
中耳への薬物の送達は全身性副作用を減少させるが、内耳への到達は予測不可能である。中耳への適用は、そのように適用された薬物が比較的高い濃度で、望まれない全身性副作用なしに、所望の標的に到達することができるという点で、全身薬物送達に対して利点がある。この適用は直接的であり、合併症は最小限である。しかし、これらの方法の主要な限界は、中耳からRWMを通じて内耳中に拡散する薬物の量を正確に制御できないことである。粘膜の厚さ、粘膜ヒダ、および中耳の解剖学的組織の個々の変動が、内耳に最終的に入る薬物の量に著しい影響を示しうる。例えば、一部の評論家はヒトの耳の33%における正円窓窩閉塞を報告している。これは、限定された拡散係数を有する複合巨大分子および順序に従う送達を必要とする複合巨大分子の送達を考慮する際に、いっそう問題となる。さらに、特定の既存のシステムは、ボーラス適用を使用することから、直接内耳送達に関する適性が不十分である。そのようなデバイスは、ステロイドのような低分子量の安定で脂溶性の化合物の送達に有用でありうるが、最終的には最大の潜在的利点を伴う治療用化合物となる不安定な巨大分子の送達には好適ではない。
動物における利用が成功している直接蝸牛内薬物送達は、治療用途で著しい潜在的利点を有する。灌流技術を経由して対象となる薬物を蝸牛外リンパ腔内に入れるという診療は、適用成功の長い歴史を有する方法である。この技術それ自体は、慎重に実行する場合には、蝸牛内および蝸牛近傍の部位から記録される種々の総体的な蝸牛電位および神経電位にほとんど影響がないことがわかっている。この送達様式は血液蝸牛関門を迂回することで、薬物が意図した標的により直接的により少ない用量およびより少ない非特異的作用で到達することを可能にする。薬物の大部分は、他の投与経路で不可避的に生じる代謝的変化によって改変されることがない。鼓室階の外リンパ区画内に灌流される薬物は有毛細胞、および有毛細胞のシナプス領域に容易に到達し、これは、様々な染色が鼓室階の外リンパ区画を経由して導入される際にコルチ器内の構造への容易な到達を示したという調査報告によって裏付けられる見解である。さらに、インビボで蝸牛遠心性神経を遮断するために必要なコリン作動性アンタゴニストの濃度とインビトロで単離された外有毛細胞において有効な濃度との比較は、著しく緊密な一致を示す。
したがって、耳障害を処置するには、治療薬を様々な耳組織に、制御された安全で効率的な様式で送達することが多くの場合に必要でありうる。例えば、治療薬を外耳の外耳道内に送達/投与することが可能な種々の構造が開発されている。Haerrの米国特許第4,034,759号(特許文献1)では、スポンジ材料、例えば脱水セルロースで製造された、患者の外耳道に挿入される中空円筒形チューブが開示されている。液体医薬をチューブに接触させる際に、これに対応してチューブは耳道の壁面に対して拡張する。結果として、チューブの偶発的取り外しが防止される。さらに、チューブにより吸収される医薬材料は、処置目的で外耳道の壁面と接触するように維持される。
しかし、上記で言及したように、制御された効果的な様式での治療薬の送達は、内耳の組織構造(例えば、迷路骨包の骨によって取り囲まれており、ヒトの身体全体において最も稠密な骨組織である側頭骨内に収容される、耳の部分)に関しては相当に困難である。同じ状況は、内耳に通じる組織物質(例えば正円窓膜)に関して存在する。治療目的で第一に重要である例示的な内耳組織構造としては、蝸牛、内リンパ嚢/内リンパ管、前庭迷路、ならびにこれらの構成要素を含むすべての区画(および接続チューブ)が挙げられるがそれに限定されない。通常、これらのおよび他の内耳組織領域への到達は、いずれも以下でさらに詳細に説明する「中耳-内耳界面組織構造」と考えるものとする正円窓膜、卵円窓/アブミ骨底、輪状靭帯、および迷路骨包/側頭骨を含むがそれに限定されない種々の構造を通じて実現される。さらに、本明細書に示すように、中耳は、鼓膜(例えば鼓膜(ear drum))の背後および内耳の前方にある生理学的な空気収容組織帯域と定義するものとする。
上記で列挙される内耳組織は、最小限のサイズを有し、侵襲的な顕微外科手術を通じてのみ容易に到達可能である。内耳組織に関連する様々な疾患および状態を処置するには、多くの場合、そのような構造への薬物の送達が第一に重要である。内耳組織を処置するために通常使用される代表的な薬物としては、尿素、マンニトール、ソルビトール、グリセリン、リドカイン、キシロカイン、エピネフリン、イムノグロブリン、塩化ナトリウム、ステロイド、ヘパリン、ヒアルロニダーゼ、アミノグリコシド系抗生物質(ストレプトマイシン/ゲンタマイシン)、抗酸化薬、ニューロトロフィン、神経成長因子、様々な治療用ペプチド、および多糖が挙げられるがそれに限定されない。内耳組織および/または流体腔の処置は、その圧力、容量、電気活性および温度特性を改変することを包含しうる。具体的には、内耳およびその関連区画内の様々な流体の圧力に関して正確な均衡を維持しなければならない。そのような流体の圧力および量のレベルの不均衡は、内リンパ水腫、内リンパ圧上昇、外リンパ圧上昇、外リンパ水腫、外リンパ瘻、蝸牛内瘻、メニエール病、耳鳴、めまい、有毛細胞または神経節細胞の損傷/機能不全に関連する難聴、および耳内の様々な膜構造の破裂として知られる状態を含むがそれに限定されない様々な問題を引き起こすことがある。
薬物送達の既存の方法に関して、埋め込み式のおよび外部装着される薬物注入器は、リザーバが空になって組織中に直接またはカテーテルを通じて入る「一方向」注入システムを使用している。しかし、薬物をカテーテルに沿ってポンピングするには、薬物は適切な物理的性質を有さなければならない。例えば、水性化合物よりも安定でありうる乾燥化合物を従来の注入器において使用してはならないと決定されている。別の例では、カテーテル出口における局所的反応が理由で、高濃縮化合物が禁止されることがあると決定されている。さらに、内耳疾患に対する適用において、関連性のある蝸牛組織への投薬を上記方法によって評価および制御することが困難または不可能なことがあり、中耳または内耳へのプログラム可能な長期送達のためのデバイスは提供されていない。
公知の方法は、リザーバと患者との間の流動を混合および循環することを実現するために、相対的に複雑な機構を必要とする。これらの比較的複雑な方法は、患者に入る1つだけというよりもむしろ2つのチューブを設けること、または二方向ポンプ、2つのポンプ、もしくはポンプにおける切替弁を設けることを含む。
例えば、薬物は、中耳に注入して、局所組織を通じて内耳中に薬物を拡散させることで、内耳に送達される。あるいは、薬物は全身投与される(例えば経口的にまたは注射による)。例えば、参照により本明細書に組み入れられるZennerの米国特許第5,895,372号(特許文献2)では、手動ポンプを使用して中耳内に薬物を注射する埋め込み式投薬システムが開示されている。別の例として、参照により本明細書に組み入れられるArenbergらの米国特許第6,685,697号(特許文献3)では、1つまたは複数の治療薬をその中に含有する担体媒体材料を含む、治療薬を耳の内腔、特に内耳に制御送達するための薬物送達ユニットが記載されている。担体媒体材料は、治療薬を制御された様式で経時的に放出するように設計されている。薬物送達ユニットは、その少なくとも一部分を患者の正円窓窩に入れるように形状化およびサイズ決めされている。
往復流を使用する、すなわち、ある量の流体を交互に器官に注入し、器官から引き出すことが有利でありうる。そのような場合、往復流は、カニューレで器官に接続されるデバイスによって送ることができる。通常、デバイスには、器官の内在性流体または同様の溶液である担体流体が予め装填されている。経時的には、拡散および混合が理由で、内在性流体およびデバイス内の流体は実質的に同一である。
往復流は、薬物をデバイスから器官に輸送するための機構を与える。薬物はそれ自体で溶液または別の形態、例えば可溶性固体でありうる。さらに、薬物を往復担体流体中に徐々に放出することができるように、薬物を貯蔵することができる。一般に、担体流体は、放出された薬物の少なくとも一部分を器官中に輸送し、そこでそれは拡散および混合によって所望の組織に到達する。薬物が器官に長期間、例えば数ヶ月または数年にわたって送達されるように、薬物放出が往復サイクルに対して遅い速度で繰り返されても行われてもよい。
あるいは、1つはリザーバと患者との間の流入用、1つは流出用である2つのチューブを有する再循環システムを経由して体液を薬物収容リザーバに循環させる。例えば、参照により本明細書に組み入れられるRiseの米国特許第5,643,207号(特許文献4)では、脳への薬物送達用の薬物送達デバイスに体液を再循環させることが記載されている。別の例として、Weitzelらの米国特許第6,561,997号(特許文献5)では、体液の体外処理用の回路が開示されている。
別の例として、1つの公知の灌流技術は、蝸牛内薬物送達を可能にするように修正された蝸牛埋め込み電極を包含する。通常の使用では、電極を蝸牛に挿入して、高度乃至重度の聴覚障害の個人の聴神経に刺激を与えるように使用する。しかし、薬物送達用途で使用される電極は、挿入時に電極を位置決めするために使用される取り外し可能なスタイレットを含む。スタイレットが取り外されると、残留する管腔は薬物送達用の経路を与える。管腔はコネクタおよび短い長さの灌流チューブを経由して浸透圧ポンプまたは機械式ポンプに接続される。
特に、既存の薬物送達技術は、内耳中へのプログラム可能な長期注入には通常適していない。薬物送達デバイスのための既存のアプローチは、外部注入器および埋め込み式注入器、浸透圧ポンプ、ならびに浸食性ポリマー薬物系を含む。これらのシステムは、分配速度の低レベルの予測可能性を示す受動デバイスから、速度電子制御型分配器、ついには完全プログラム可能注入器に及ぶ。デバイスの容量は、一般的には最大分配量および制御の精巧化に応じて、丸剤サイズ(例えばOculex Pharmaceuticalsから入手可能なもの)から10立方インチ超に及ぶ。浸食性ポリマーおよび多孔質膜系(例えばiMMED, Inc.から入手可能なもの)は、容量が小さいが、特定の化合物、またはせいぜい同様の化学構造および輸送性を有する1組の化合物を送達するために通常実行しなければならない。それらは一般に、改変不可能で非定常の送達プロファイルを有する短期乃至中期送達デバイス(6週間未満)である。浸透圧ポンプに基づく既存の送達システム(例えばAlzet Internationalから入手可能なもの)は、デバイスのサイズおよび寿命に関して同様であり、やはり固定速度の送達しか可能ではない。様々な利用可能なモデルは、用途の要件に応じてデバイスのサイズ、寿命および送達速度を妥協している。注入器技術はMedtronic(ミネソタ州ミネアポリス)によって主に開発されている。SynchroMed製品などのデバイスは精巧な制御を与え、慢性痛などのいくつかの障害の処置に有効である。しかし、これらのシステムは従来法で製作されたマクロスケールのポンプを使用することから、相対的に大きい。それらは胴体内の皮下組織に埋め込まれる場合にのみ実用的である。
新興のマイクロシステムは、以前は解決困難であった多くの生物工学的課題に対する解決策を提示する。集積回路から多くの他の用途への微細加工方法の拡張は、わずかなサイズおよびコストで従来のセンサおよびアクチュエータの機能を再現可能な微小電気機械システム(MEMS)デバイスを生み出している。結果的な小型化によって、処置すべき器官に近接させて埋め込む上で十分に小さいデバイスに完全なシステムを一体化することが可能になる。薬物送達の場合、自動複合投薬レジメンをシステムにプログラムし、さらには生理学的測定値のセンサ入力に応答するように実行することができる。別々の区画から乾燥形態または凍結乾燥形態の薬物の制御放出を可能にしうるいくつかの技術が出現している。
1つの特定の例では、デバイスは、ある量の担体流体をカニューレを通じて分配するように機械的に加圧される「作業室」を含む。作業室を初期状態に回復させると、流体がカニューレ中に引き出される。薬物溶液の流動を、独立した速度で往復流に重ね、薬物が担体流体と混合される作業室に導入し、往復流によって患者の器官に周期的に移すことができる。デバイスは、制御可能なパルス量および流量を有する往復パルス流体出力を生成するためにポンプまたはポンプ様構成要素を使用することができる。この例示的方法は、いくつかの用途では有効でありうるが、臨床上の要件が特定の流動条件を必要とする場合、特定の薬物貯蔵形態が望まれる場合、または電力保存がシステム設計の主な要素である場合には一般に有効ではない。
したがって、上記のように、蝸牛生理学および分子生物学の進展は、SNHLを処置および予防する新たな革新的方法を可能にする。生理活性化合物を内耳に直接送達するための安全で確実な機構、例えば、広範な用途、および難聴の処置を一新する可能性を有する、内耳障害の処置用の多目的長期薬物送達システムを実行することが望ましい。
したがって、内耳障害の処置およびSNHLの予防のための埋め込み式長期薬物送達システム、具体的には、複数の単純分子および複合分子を長期間送達可能であり、送達の順序および速度を特に再循環流を通じて制御および調節する能力を有する、多目的デバイスを提供することが望ましい。そのようなデバイスは、自己免疫内耳疾患、シスプラチン誘発性聴器毒性、およびありうるメニエール病を含む、内耳において発症する特発性および炎症性の状態の処置に有用でありうる。さらに、特発性で遺伝的かつ加齢性の進行性SNHLを含む広範な他の変性内耳障害について、そのようなデバイスによる処置が可能でありうる。
米国特許第4,034,759号 米国特許第5,895,372号 米国特許第6,685,697号 米国特許第5,643,207号 米国特許第6,561,997号
概して、一局面では、本発明の態様は、ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための薬物送達装置を特徴とする。本装置は、体腔へのおよび体腔からの、送達チャネルの管腔を通じた流体の流動を促進するための、出口を有する送達チャネルと、実質的に無視できる流動を出口において生成しながら送達チャネル中に薬物を装填するための手段と、薬物および担体流体を送達チャネルを通じて出口外および体腔内に送るための第一のアクチュエータとを含む。
本発明の様々な態様では、実質的に無視できる流動を出口において生成しながら送達チャネル中に薬物を装填するための手段は、薬物を保持するための薬物供給リザーバと、担体流体を受け取るための廃棄物リザーバとを含む。薬物供給リザーバは薬物供給弁を経由して送達チャネルと流体結合してもよく、一方、廃棄物リザーバは廃棄物弁を経由して送達チャネルと流体結合してもよい。実質的に無視できる流動を出口において生成しながら送達チャネル中に薬物を装填するための手段は、制御された希釈度で(例えば実質的に未希釈の形態で)薬物を体腔に送達するように薬物供給弁、廃棄物弁および第一のアクチュエータを制御するための制御システムを含んでもよい。さらに、実質的に無視できる流動を出口において生成しながら送達チャネル中に薬物を装填するための手段は、薬物を送達チャネル中に送達するための第二のアクチュエータを含んでもよい。第一のアクチュエータが薬物および担体流体を送達チャネルに沿って流動させる速度と実質的に同様の速度で、第二のアクチュエータは薬物を送達チャネル中に流動させ得る。
いくつかの態様では、薬物供給リザーバは加圧リザーバである。本装置は、装置に入る内在性流体の性質を測定するためのセンサを含んでもよい。特定の態様では、本装置は、聴覚系を電気刺激するためのデバイスなどの人口蝸牛と一体化するように適応している。本装置は、聴力障害を処置するために薬物を蝸牛に送達するように、埋め込み手術の副作用を減少させるように、かつ/または人工器官の性能を向上させるように適応しうる。
他の態様では、実質的に無視できる流動を出口において生成しながら送達チャネル中に薬物を装填するための手段は、(i) 送達チャネルと流体連通するリザーバと、(ii) 薬物をリザーバから送達チャネル中に送るための、ならびに担体流体の少なくとも一部分を送達チャネル外およびリザーバ中に引き出すための投薬ポンプとを含む。
様々な態様では、リザーバは、送達チャネルの長さよりも長いリザーバチャネルを特徴とする。リザーバチャネルの長さはリザーバチャネルの幅および高さの両方よりも長くてもよい。リザーバはポリイミドの平坦なシートの状態で形成されうる。いくつかの態様では、投薬ポンプは薬物を一方向にのみ送り、かつ/または1ストローク当たり少なくとも200nLを送達するように構成される。
概して、別の局面では、本発明の態様は、ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための方法を特徴とする。本方法は、実質的に無視できる流動を送達チャネルの出口において生成しながら薬物供給リザーバから送達チャネル中に薬物を装填する段階と、続いて薬物および担体流体を送達チャネルを通じて出口外および体腔内に送るようにアクチュエータを駆動する段階とを含む。
一態様では、実質的に無視できる流動を送達チャネルの出口において生成しながら薬物供給リザーバから送達チャネル中に薬物を装填する段階は、薬物供給リザーバからの薬物が送達チャネルに入ることを可能にするように薬物供給弁を開放する段階、送達チャネル中の担体流体の少なくとも一部分が廃棄物リザーバに入ることを可能にするように廃棄物弁を開放する段階、所望の量の薬物が送達チャネルに入った後に薬物供給弁を閉鎖する段階、および薬物が廃棄物リザーバに入る前に廃棄物弁を閉鎖する段階を含む。様々な態様では、出口において流動が発生しないように、送達チャネルに入るある量の薬物が、送達チャネル中に存在する等量の担体流体を廃棄物リザーバ中に移動させる。本方法は、出口を通じた薬物の送達後に担体流体の流動を逆転させるようにアクチュエータを逆転させる段階を含んでもよい。
別の態様では、実質的に無視できる流動を送達チャネルの出口において生成しながら薬物供給リザーバから送達チャネル中に薬物を装填する段階は、薬物を薬物供給リザーバから送達チャネル中に送るように、かつ担体流体の少なくとも一部分を送達チャネル外および薬物供給リザーバ中に引き出すように、投薬ポンプを駆動する段階、ならびに所定量の薬物を送達チャネル中に送達した後に投薬ポンプを駆動停止する段階を含む。送達チャネル中に送られる薬物の量は、薬物供給リザーバ中に引き出される担体流体の量に実質的に等しいものであり得る。
様々な態様では、薬物供給リザーバは、送達チャネルの長さよりも長いリザーバチャネルを特徴とする。リザーバチャネルの長さはリザーバチャネルの幅および高さの両方よりも長くてもよい。いくつかの態様では、薬物供給リザーバはポリイミドの平坦なシートの状態で形成される。投薬ポンプは薬物を一方向にのみ送ってもよく、1ストローク当たり少なくとも200nLを送達し得る。投薬ポンプは1回のストローク後に駆動停止してもよい。様々な態様では、ポンプアクチュエータは往復膜を含む。例えば、アクチュエータは、パルス状の流動を送達することで送達チャネルの閉塞を防止するかまたは逆転させるように駆動されてもよい。
概して、さらに別の局面では、本発明の態様は、ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための薬物送達装置を特徴とする。本装置は、体腔へのおよび体腔からの、カニューレの管腔を通じた流体の流動を促進するためのカニューレと、カニューレと流体連通する管腔を規定する少なくとも1つの中空部材とを含む。少なくとも1つの中空部材およびカニューレは、流体が少なくとも1つの中空部材およびカニューレから出る速度とは異なる速度で流体で満たされるように適応している。本装置はまた、カニューレまたは少なくとも1つの中空部材内に位置する、漏出経路を有する逆止弁と、流体を少なくとも1つの中空部材およびカニューレを通じて送るための、(非連続的に動作するように適応した)アクチュエータとを含む。
本発明の様々な態様では、アクチュエータはリニアモータ、カムを有する回転モータ、ラッチ機構を有するソレノイド、ラッチ機構を有する電磁石、双安定モードを有するソレノイド、または双安定モードを有する電磁石を含む。
本装置は、少なくとも1つの中空部材と流体連通する薬物貯蔵要素を含んでもよい。薬物貯蔵要素は複数の区画を有してもよく、各区画は使い捨て弁によって少なくとも1つの中空部材から隔てられている。様々な態様では、薬物が連続的かつ受動的に流体中に放出されるように、薬物貯蔵要素は浸食性の固体構成またはポリマー構成を有する。本装置は、選択された治療順序に従って処置を行うように、それぞれ別々の時間間隔で複数の化合物を放出するように適応しうる。
いくつかの態様では、本装置は、装置に入る内在性流体の性質を測定するためのセンサを含む。本装置は、聴覚系を電気刺激するための人工蝸牛と一体化するように、聴力障害を処置するために薬物を蝸牛に送達するように、埋め込み手術の副作用を減少させるように、かつ/または人工器官の性能を向上させるように適応しうる。
本発明の目的および特徴を、以下に記載の図面、および特許請求の範囲を参照してより良く理解することができる。図面は必ずしも原寸通りではなく、本発明の原理を図示する際に代わりに強調が一般に加えられる。図面では、様々な図を通じて同様の数字は同様の部分を示すために使用される。
本発明の様々な態様に係る埋め込み式薬物送達システムを伴うヒトの内耳の略図を示す。 図2Aは、本発明の一態様に係る、ポンプ、リザーバ、電子部品、および電池システムを含む例示的な薬物送達装置の模式図である。図2Bは、ヒトの耳の乳様突起腔に埋め込まれた例示的な薬物送達装置の略図を示す。 本発明のいくつかの態様に係る再循環薬物送達装置の模式図である。 3Aの薬物送達装置の模式図を示す。 3Aの薬物送達装置の模式図を示す。 図4Aは、本発明の一態様に係る、一定の周波数で動作するポンプの例示的なポンプ流出力のプロットである。図4Bは、本発明の一態様に係る、ポンプサイクル周波数よりも低い周波数で周期的に作動および停止されるポンプの例示的な流量のプロットである。 図5Aは、本発明の一態様に係る、一定の周波数で動作するポンプを有する1つの例示的な送達システム設計の例示的な出力流のプロットである。図5Bは、本発明の一態様に係る、一定の周波数で動作するポンプを有する1つの例示的な送達システム設計の第二の例示的な出力流のプロットである。 図6Aは、本発明の一態様に係る、ポンプサイクル周波数よりも低い周波数で周期的に作動および停止されるポンプを有する1つの例示的な送達システム設計の例示的な出力流のプロットである。図6Bは、本発明の一態様に係る、ポンプサイクル周波数よりも低い周波数で周期的に作動および停止されるポンプを有する1つの例示的な送達システム設計の第二の例示的な出力流のプロットである。 本発明の例示的態様の性能データの表である。 本発明の例示的態様の性能データの表である。 本発明の代替態様に係る薬物送達装置の模式図である。 本発明の代替態様に係る薬物送達装置の模式図である。 本発明の別の態様に係る薬物送達装置の模式図である。 図10A〜10Cは、本発明のさらに別の態様に係る、様々な動作段階の薬物送達装置の模式図を示す。 図11Aおよび11Bは、本発明のさらに別の態様に係る、それぞれ装填サイクルおよび往復サイクルの薬物送達装置の模式図を示す。
詳細な説明
上記で論じたように、従来の薬物注入器は、液体薬物をリザーバからポンピングするために、マクロスケールで機械加工された構成要素を利用している。本発明の様々な態様は、これらの構成要素を薬物の貯蔵および放出のためのマイクロポンプとMEMSとの合成による解決策で代替するものであり、この合成によってより大きな機能性を有するより小さなデバイスが得られる。これは内耳、および体内の他のこれまで到達不可能であった場所の、全身送達の副作用のない新たな直接処置に道を開く。
制御された速度、低薬物量、および/または液体製剤(例えば埋め込み式内耳送達システム用のもの)を可能にするかまたは与えるために、マイクロフルイディクスおよび微小電気機械システム(MEMS)の能力を薬物送達用途に使用することができる。例示的な態様では、閉ループミクロ流体流量制御装置を有する流体システムを動物試験装置と共に使用することができる。本発明の一態様では、埋め込み式再循環送達システムを難聴およびメニエール病の治療に使用することができる。例示的送達システムは、Wilson Greatbatchインスリンポンプ、またはDebiotech(スイス・ローザンヌ)から入手可能なものなどのMEMSポンプなどであるがそれに限定されないいくつかの市販のポンプを使用することができる。
いくつかの態様では、蝸牛内薬物送達用の微小機械デバイスは、蝸牛埋め込みと同様の外科的アプローチを利用するが、蝸牛侵襲を最小化する。実行概念は、正円窓に隣接する蝸牛切開部を通じて鼓室階に挿入される二重管腔蝸牛内カテーテルを含む。それは埋め込み位置において、やはり鼓室乳様突起腔を横切って電極が蝸牛内に位置決めされる蝸牛移植片と同様であるが、但し挿入の深さははるかに小さい。
本発明の態様によれば、耳への薬物送達は、患者からの流体の再循環流をデバイスに通して、組織中というよりもむしろ遠隔で注入するという方法に依存しており、この方法は、内耳の制約された容量において必要な非常に低い流量(例えば1マイクロリットル/分未満)の再循環および制御を可能にする。内耳疾患に関する特定の適用は、カテーテルを通じて薬物をプログラム可能にかつ断続的に送達するために埋め込み式デバイスを使用する、カテーテルを通じた蝸牛への直接注入をもたらす。
再循環流体は、薬物リザーバが高濃縮溶液を収容することを可能にするものであり、したがって、再充填なしに数年間動作するデバイスを潜在的に生成しうる。これは再充填中の微生物混入の危険性を大きく減少させる。別の利点は、本来的に生化学的に適合性のある媒体を使用することである。さらに、外リンパは、薬物送達速度とは独立な速度でカテーテルを循環しうる。したがって、これらのパラメータを別々に最適化することができる。外リンパの頻繁な循環がカテーテル中での開通性を維持する一方で、緩徐な一方向の薬物注入が閉塞を引き起こす可能性が高い。最後に、液体溶媒の供給が制御されることから、液体薬物リザーバを使用する必要がない。薬物貯蔵は、マイクロチップアレイ、生体浸食性ポリマー、さらにはこれらの薬物送達方法のハイブリッド組み合わせなどの任意の数の形態を取りうる。
特定の例示的態様では、ミクロ流体ポンプはヒト外リンパを再循環させ、外リンパは、正円窓膜または隣接組織を通じて埋め込まれるカテーテルを通じて引き出されて内耳に戻される。薬物は1つもしくは複数のマイクロバルブおよび/または1つもしくは複数の他の薬物放出方法によって1つもしくは複数のリザーバからこの再循環流に注射される。
本明細書において使用される「薬物」という用語は、動物に投与される際に局所的または全身的な予防および/または治療効果を生じる事が可能な任意の天然または合成の、有機または無機の、生理学的または薬理学的に活性な物質を意味すると理解される。薬物は、(i) 任意の活性薬物、(ii) 活性薬物を生成するように動物内で代謝されうる任意の薬物前駆体またはプロドラッグ、(iii) 薬物の組み合わせ、(iv) 薬物前駆体の組み合わせ、(v) 薬物と薬物前駆体との組み合わせ、および(vi) 上記のいずれかと薬学的に許容される担体、賦形剤または調剤用剤との組み合わせを含む。
対象となる薬物は、純粋な形態でまたは例えば薬学的に許容される担体との組み合わせでの製剤として装置中に貯蔵してもよく、放出系内に封入してもよい。放出系は、生分解性材料の、または組み込まれた薬物を拡散によって放出する材料のマトリックスを含みうる。薬物は放出系内に均一または不均一に分布しうる。種々の放出系が本発明の実行において有用でありうるが、適切な系の選択は、特定の薬物レジームが必要とする薬物放出速度に依存する。非分解性および分解性のいずれの放出系も使用することができる。好適な放出系としてはポリマーおよびポリマーマトリックス、非ポリマーマトリックス、または、炭酸カルシウムおよび糖などであるがそれに限定されない無機および有機の賦形剤および希釈剤が挙げられる。放出系は天然でも合成でもよい。しかし、合成放出系が、一般により信頼性が高く、より再現性が高く、より確定的な放出プロファイルを生成することから好ましい。放出系の材料を、異なる分子量を有する薬物がその材料を通じた拡散またはその材料の分解によって特定の空洞から放出されるように選択することができる。拡散または分解を経由する薬物放出には生分解性ポリマー、生体浸食性ヒドロゲル、およびタンパク質送達系が現在好ましい。
代表的な合成生分解性ポリマーとしては例えば、ポリ(アミノ酸)およびポリ(ペプチド)などのポリアミド; ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)およびポリ(カプロラクトン)などのポリエステル; ポリ(無水物); ポリオルトエステル; ポリカーボネート; ならびにその化学誘導体(化学基、例えばアルキル、アルキレンの置換、付加、ヒドロキシル化、酸化、および当業者が日常的に行う他の修飾)、その共重合体および混合物が挙げられる。代表的な合成非分解性ポリマーとしては例えば、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(テトラメチレンオキシド)などのポリエーテル; ビニルポリマー-ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えばメチル、エチル、他のアルキル、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびにポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)およびポリ(酢酸ビニル)などの他のもの; ポリ(ウレタン); セルロースおよびその誘導体、例えばアルキル、ヒドロキシアルキル、エーテル、エステル、ニトロセルロース、および様々な酢酸セルロース; ポリシロキサン; ならびにその任意の化学誘導体(化学基、例えばアルキル、アルキレンの置換、付加、ヒドロキシル化、酸化、および当業者が日常的に行う他の修飾)、その共重合体および混合物が挙げられる。
好ましくは、装置の貯蔵能力は、長期の送達期間、例えば数週間、数ヶ月、さらにはより長い期間にわたって連続的送達を行うために十分な量の薬物を装置が保持する貯蔵能力である。したがって、必要な貯蔵量は、薬物溶解度、薬物送達速度、送達期間、薬物の半減期などの特性に依存する。デバイスは埋め込まれると、補充までの長期間薬物を連続的に送達する。他の態様では、デバイスは薬物を非連続的に(例えば断続的に)送達する。
本発明の様々な態様では、患者の体外にあって注入速度を制御可能な遠隔デバイスとの連通は、患者の症状および反応に応答した治療の修正を可能にする。この特徴は、薬物の定常的な低濃度または断続的な高濃度などであるがそれに限定されない異なる投薬スキームを可能にする再循環速度の制御を含みうる。時刻に基づく投薬の変動が望ましいこともある。
性能上の特徴に加え、いくつかの安全上の特徴も本発明の態様に含まれうる。例示的な特徴としては、圧力センサまたは流量センサが異常な読取値を示す場合の自動シャットオフ制御、自動でまたは外部コントローラから促される時点で作動しうる自己診断ルーチンを挙げることができるがそれに限定されない。本発明の一態様では、遠隔測定は、医師が設定を質問すること、低電圧信号または他の警報信号を同定すること、およびデバイスの識別番号または通し番号を得ることを可能にしうる。臨床医は、パーソナルコンピュータに接続される携帯式モジュールによって、または別の類似の通信装置を通じて、デバイスと通信することができる。
埋め込み式電子デバイスと通信する能力は過去25年にわたって十分に確立されている(例えばペースメーカーシステムによって)。したがって、薬物送達デバイスと通信しかつそれを制御することで大きな問題は生じない。にもかかわらず、設置後に可能な修理および調整が最小限であることから、通信サブシステムは確実で堅牢な動作を保証しなければならない。
無線RF技術を経由する通信は、その広範な用途の結果として、遠隔通信のための1つのアプローチを提供する。RF技術は、小さな低コストのデバイスを可能にすることに加えて、電池エネルギーをそれにより補充することができる好都合な手段も提供する。最近の研究は数百メガヘルツを超える周波数に重点を置いているが、これらの研究はリアルタイム画像情報を分配する必要性を動機としている。薬物送達デバイスの帯域幅要件ははるかに控えめである。10MHzの周波数は、表皮効果による減弱を最小化するのに役立つと同時に、小さな低姿勢のアンテナの使用を可能にする。
埋め込み式デバイスから外部質問器またはプログラマーへの通信信号を組み合わせるためのいくつかのさらなる物理的手段も利用可能である。本発明の一態様では、機械波(音波)は通信機構を与えることができる。音響技術は、MEMS技術で製作される小型トランスデューサが最近入手可能になったことで可能になる。さらなる態様としては、埋め込み式デバイスと通信するための光学的手段または直接体積伝導の使用を挙げることができるがそれに限定されない。
図1を参照すると、一態様では、埋め込み式再循環送達システムは流体をヒトの耳10の蝸牛におよび蝸牛から方向づける。二重管腔カテーテル12が体内に埋め込まれ、内耳の前庭14および蝸牛16と連通する。この配置は、蝸牛16と外部のまたは内部に埋め込まれたポンプ(図示せず)との間で流体を再循環させる。
ヒトの耳の乳様突起腔内に埋め込まれる電子デバイスに関する本発明の例示的態様を図2A〜図2Bに見ることができる。図2Aでは、デバイス20は、リザーバ24に接続されたマイクロポンプ22を含む。ポンプ22が生成する流量、およびリザーバ24が薬物を放出する速度は、デバイス20内に一体化される制御システム26により制御することができる。やはりデバイス20に埋め込み可能な電池28を通じてシステムに電力を供給することができる。デバイス20のさらなる態様は、さらなるリザーバまたはさらなる電子的特徴などであるがそれに限定されないさらなる特徴を包含しうるが、リザーバ24などの本明細書に示す取付部品を取り外すことで単純化してもよい。例えば、デバイス内の薬物貯蔵は、弁接続を伴う流体室の使用、生体浸食性ポリマーの付加、複数の薬物を収容する複数のリザーバ24の付加、および固体または粉末の薬物製剤を送達可能な貯蔵デバイスの付加などであるがそれに限定されないいくつかの方法を通じて実現することができる。
本発明の一態様に係る、ヒトの耳の乳様突起腔30内に埋め込まれる図2Aに示されるデバイス20を見ることができる。図2Bに示す態様では、マイクロポンプ22、リザーバ24、制御システム26および電池28を包含するデバイス20が、乳様突起腔30内でヒトの耳の耳介34の背後に埋め込まれる。デバイスは二重管腔カテーテル32に接続され、カテーテルは界面部材、この場合はカニューレ36に接続され、カニューレはヒトの耳の前庭14に埋め込まれることで蝸牛16と流体連通される。
デバイスの様々な構成は、薬物と二重管腔カテーテル32内で再循環する治療用流体とを混合することを可能にする。システムの要件に応じて、治療用流体中への薬物の注入は一定でも変調されていてもよい。システム内の治療用流体の流量も、実質的に一定の周波数に保持されていても変調されていてもよいマイクロポンプ22の制御を通じて制御することができる。デバイス中の制御システム26は、流量および注入速度を制御することができ、また、デバイス20の性能をモニタリングし、流動パラメータに関する情報を遠隔デバイスに送り、情報を遠隔デバイスから受け取る可能性を与える。様々な態様では、デバイスは、最適な薬物送達速度を決定するために使用される調節システムを含む。いくつかの態様では、調節システムは制御システム26の一部である。特定の一態様では、制御システムのバイオセンサは、薬物の特定の分子のレベルを検出し、それにより、リザーバから放出される薬物の量を調節システムが自動的に決定することを可能にする。また、調節システムのセンサは、外リンパ中の薬物濃度を測定すること、およびリザーバからの薬物放出速度を調節するかまたはポンプにより流量を増大させるようにフィードバックを送ることもできる。
基本的な流体回路の模式図を図3A〜図3Cに示す。図3Aを参照すると、一態様では、薬物送達システム40は別個の供給リザーバなしで設計されている。それは結果として、マイクロポンプ44により駆動される実質的に閉ループのチューブ42に、一定の正味量の流体を再循環させる。再循環流はカニューレ46の管腔を通じて、ここでは単純化のために流体50を収容する開放リザーバとして示す蝸牛48と連通する。送達はシステムの外側での輸送を通じて生じる。前半のポンプサイクルの間に放出または排出される流体は拡散または混合のいずれかを通じて外側のリザーバ中の流体と平衡化し、したがって後半のサイクルの間に引き込まれる流体は濃度が低くなり、正味の送達が生じるが、但し経時的に減少する。様々な態様では、システム40の設計は、カニューレ46に収容される流体をサイクルの間に完全に放出するために十分な振幅の振動流を実現することで混合を強化する。そうでなければ、「新たな」化合物が各サイクルで送達されず、事実上、混合が小容量のカニューレ46中での拡散に大部分支配される。
図3Bおよび図3Cはそれぞれ、再循環流体送達システムの配管図、およびそれに対応する集中素子電気回路模式図を示す。図3Bは、圧力ゲージ52を付加したシステム40の模式図を示す。圧力ゲージ52は、直径が異なる2つの区分54および56を含む中空部材の供給脚部に接続される。中空部材の戻り脚部は、直径が異なる2つの区分58および60を含む。中空部材はT分岐62を通じてカニューレ46に接続される。図示するように、中空部材のいずれかのまたはそれぞれの区分は、カニューレ46とは異なる直径を有しうる。図3Cは、図3Bのシステムの回路表現を示す。ここで、中空部材の各区分54、56、58および60の抵抗を、カニューレ46内の抵抗ならびに供給脚部および戻り脚部64および66中のキャパシタンスと共に示す。
カニューレ46ならびに中空部材区分54、56、58および60の幾何学的性質の慎重な選択によって、システム内の流動パターンの性質および得られる蝸牛48への薬物送達速度を制御することができる。本発明の特定の態様では、システムの幾何学的性質およびマイクロポンプ44の動作上の性質の選択により、システム内の往復流を生成することができる。この構成では、単一のカニューレ46を通じる振動流を設けるために、送達システム内の流体キャパシタンスおよび流体抵抗を選択し、場合によっては制御可能に改変することができる。この流状態は、送達システムおよび蝸牛48内の薬物および外リンパの混合を改善すること、蝸牛48への薬物送達速度を慎重に制御すること、ならびにチューブ内の閉塞を回避するのに役立つことなどであるがそれらに限定されないいくつかの重要な利点を有しうる。この構成はまた、単一の界面部材のみを使用して蝸牛48の中および外への流体の輸送を可能にする。他の態様では、下記のように、流体が中空部材およびカニューレ46から出る(例えば生物の体腔内に排出される)速度とは異なる速度で中空部材およびカニューレ46が流体で満たされる(例えば生物の体腔から流体を引き出す)ように、中空部材およびカニューレ46の性質が選択される。例えば、空になる速度が充填される速度よりも大きくなるように、またはその逆になるように、中空部材およびカニューレ46の性質を選択することができる。
いくつかの態様では、流体を送るマイクロポンプは、最大20psiで動作する固定ストローク量0.5uLの往復ソレノイドポンプ(Wilson Greatbatch WGL 05などの)である。ポンプストロークの遷移時間は、最小0.33秒(最大ポンピング周波数3Hz)であるポンプサイクル時間よりもはるかに少ないことが好ましい。ポンプとT分岐との間の名目的な供給チューブおよび戻りチューブはそれぞれ長さが約50cmであり、抵抗が無視できるものであり、内径1.0mmを有する。これらのチューブは一次コンプライアンス源(以下に記載のCFおよびCR)として機能しうるものであり、材料がシリコーン(弾性率約10MPa)からPEEK(弾性率1GPa)まで変動しうる。T分岐の毛管は剛性である(溶融シリカ)。RFTおよびRRTで表されるチューブは250um未満の内径(必ずしも同等であるわけではない)および少なくとも10mmの長さを有するはずである。カニューレ46は外科的制約が理由で内径75umおよび長さ20mmで固定されると仮定される。
上記の条件を満たすには、流動サイクルの2分の1が、少なくとも混合チューブの容量である流体の流動の量を発生させなければならない。
Figure 0006655043
回路構成を考慮すると、システム中の何らかのキャパシタンスなしにこれを実現することは困難である。具体的には、図3Cに示す流体キャパシタが取り外されると、流体がそこを通じて流動可能な混合出力脚部RMを含むループは存在しない。同等に、流体がカニューレ中で流動可能な唯一の条件である、T供給区分およびT戻り区分中での流量が同一瞬間において不均等になりうるように流体を貯蔵することを可能にするポンプループ中での貯蔵能力は存在しない。
図3A〜図3Cに関して記載の流体送達システムの一態様では、マイクロポンプは所定の周波数で連続的に動作するように構成されうる。第二の態様では、マイクロポンプがポンプサイクル周波数よりもはるかに低い何らかの周波数で、かつ最大システム時定数よりもゆっくりと、周期的に作動および停止されて、それにより非連続的に動作するように、マイクロポンプ入力を変調させることができる。
図3A〜図3Cに記載のシステムを分析するには、いくつかのシステムパラメータを構成要素の幾可学的形状および性質について計算しなければならず、いくつかの単純化用の概算を行わなければならない。例えば、ポンプパルス時間をミリ秒単位で推定する。また、円形で一定の断面を有するチューブの流体の流動に対する抵抗を下記式により示すことができる:
Figure 0006655043
式中、ηは動的粘度であり、Lはチューブの長さであり、DIはチューブの内径である。
拡張可能なチューブでは、流体を貯蔵する能力を下記式で概算することができる:
Figure 0006655043
式中、EYは弾性率であり、DOは外径であり、DIはやはりチューブの内径を指す。あるいは、チューブ部分における気泡の長さの圧縮率を使用するために、キャパシタンスを下記式で近似的に記述することができる:
Figure 0006655043
式中、L0は圧力P0での気泡の長さであり、Pは気泡圧である。この式が非線形要素を記述する(すなわち、それが圧力に依存する)ことに留意すべきである。分析では、気泡の平均圧力(すなわちP=P平均)は、平均がその平均からの最大偏差に比べて大きい限りにおいて、気泡容量のかなり正確な推定値を与える。
図3A〜図3Cの回路のラプラス領域分析は伝達関数を与える:
Figure 0006655043
式中、I0は出力チューブを通じた流体の流動であり、ISは源流であり、システム利得、非減衰固有周波数、減衰比、ならびに高周波数および低周波数ポールはそれぞれ下記式で与えられる。
Figure 0006655043
様々な回路素子に関する式(8)の偏導関数を取り入れることで、このシステムの減衰比ζが常に1以上であって、実際には2つの自明の非有用なシナリオにおいてのみ1に等しく、したがって、システムが衝撃または単位ステップ入力に対する不十分に減衰した減衰振動応答を決して有さないことを示すことができる。
図4Aは、マイクロポンプが所定の周波数で連続的に動作するように構成される構成のポンプ流出力の定性的プロットを示す。ここで、サイクル周波数は1Hzであり、パルス時間は0.05秒である。この動作モードでは、システム設計時定数はパルス時間に比べて大きいが、ポンプサイクル周期に比べて小さい。結果として、入力を衝撃関数として具現化することができる。ポンプの単一のパルスは、過渡流動事象の間の総交換量が、上記式(1)により与えられるそれを超えるように、その事象を発生させるものと予想される。
衝撃応答量は下記式で示される:
Figure 0006655043
式中では、上記で言及したように、ストローク量がすべてのシステム時定数に比べて小さい時間間隔で送達されると仮定される。これにより下記の最大交換量が得られる。
Figure 0006655043
t=0で生じる、混合チューブ内で生成される最大流量は、下記式で示される。
Figure 0006655043
デバイスの性能特性の制御は、デバイスのパラメータの慎重な選択によって実現することができる。体腔と接合する二重管腔カテーテルおよびカニューレ中のチューブの内径および外径、ポンプ周波数、ならびにストローク量などであるがそれに限定されない設計入力を、所与の設計に必要な性能特性を生成するように設定することができる。
2組の設計入力の、具体的には例示的な高流量構成および低流量構成の例示的データを図5Aおよび図5Bに見ることができる。関連性のある入力データおよび計算を図7A〜図7Bのスプレッドシートに見ることができる。いずれの場合でも、ストローク量は0.5uLに設定した。結果からは、高流量構成が混合チューブの容量の約3倍を交換し、一方、低流量構成が混合チューブの容量にほぼ等しい量を交換するということを理解することができる。流量が経時的に実質的に変動することに留意すべきである。例えば、低流量構成では、システムは0.22uLを約10秒でシステムに引き込むが、それを完全に放出するには約1.5分を要する。所定の周波数で連続的に動作するようにデバイスを設定することで、相対的に小さな交換量(混合チューブの容量のわずか数倍)および流量が可能になる。また、ポンプ周波数はωLに比べて低いはずである。図7A〜図7Bのスプレッドシートにおいて使用する計算は、ωLよりも3倍低いポンプ周波数を計算する。このマージンは所望のポンピング特性に応じて調整することができる。
本発明の代替態様では、マイクロポンプがポンプサイクル周波数よりもはるかに低い周波数で、かつ最大システム時定数よりもゆっくりと、周期的に作動および停止されるように、マイクロポンプ入力を変調させることができる。この動作モードでは、システム時定数はパルス時間およびポンプサイクル周期の両方に対して大きい。結果として、時間に対するポンプ流出力の定性的プロットを示す図4Bにおいて理解できるように、ポンプは事実上、パルス列というよりもむしろ一定の流れ(流動)の源であるように見える。この構成において得られる流量は下記式で示される:
Figure 0006655043
式中、Vストロークはポンプのストローク量であり、fpはポンプ周波数である。この場合、ポンプは、やはりそれが最長システム時定数よりも長い間「作動した」ままであると仮定して、ステップ関数流れ(流動)源として具現化される。
ラプラス領域内のステップ入力は
Figure 0006655043
で示され、したがって式(5)は下記式となり:
Figure 0006655043
時間領域ステップ応答は下記式の通りであり:
Figure 0006655043
式中、IS0はポンプ流量振幅である。時間依存的応答は指数関数的減衰が理由で大時刻的にゼロに接近する。その積分である流体量は下記式で示され:
Figure 0006655043
これは下記式で示される一定の値に漸近的に接近する。
Figure 0006655043
連続的に動作するマイクロポンプの場合と同様に、この構成での最大流量は設計に決定的に重要であり、下記式で示される。
Figure 0006655043
マイクロポンプ入力が変調される構成について予想される出力データを図6Aおよび図6Bに見ることができる。やはり、データは2組の設計入力、具体的には例示的な低流量構成および高流量構成について示される。図6Bに示す高流量の場合は、より大きな交換量を明らかに発生させるが、より大きなシステム時定数が理由で、より低流量の構成に比べて低い最大流量を有する。この場合、より大きなキャパシタンスは、より大きな時定数およびシステム利得A0を生成する上での供給抵抗の減少を補って余りある。マイクロポンプ入力が変調される態様を使用する上で、最も遅い時定数に対して変調時間が大きい場合にのみ、図示される交換量が実現されることに留意すべきである。
性能を最適化するためにシステム構成要素を選択する上で、ポンプにおいて発生する最大圧力が下記式で示されることに留意すべきである。
Figure 0006655043
したがって、ポンプが適切に性能を発揮するように構成要素の値を慎重に選択することが重要である。上記の各例示的態様において、一次供給ラインおよび戻りラインのみが、システム中のキャパシタンスに著しく寄与するのに十分なコンプライアンスを有すると仮定されたことに留意すべきである。計算において使用された弾性率は11MPaであった。
マイクロポンプ入力を変調させることで、マイクロポンプが所定の周波数で連続的に動作する例よりも実質的に大きな交換量および流量が可能であるということが理解できる。平均流量を設定するためにポンプ周波数を使用する。交換量および流量はこの平均流量、したがってポンプ周波数に直接比例する。ここで示される等式および例示的データが、ポンプ周波数がωLに匹敵しない場合でのみ正確であることに留意すべきである。具体的には、誤差はfp=2ωLで10%であり、fpが減少するに従って増大する。さらに、ポンプのオンオフ変調周波数はωLに比べて低いはずである。例示的データは、ωLよりも3倍低いポンプ変調周波数について計算される。このマージンは所望のポンピング特性に応じて調整することができる。
図2A〜図2Bおよび図3A〜図3Cに関して先に記載の薬物送達装置の態様のありうる欠点は、経時的に変化しうるチューブ寸法に対するその感受性である。さらに、それらの態様に係る装置が使用するマイクロポンプは、生体適合性であって生物流体をポンピングするのに好適であるはずである。したがって、代替態様では、循環流体ループの代わりに、作業室と接触する可撓性ダイヤフラムまたは摺動可能なピストンが、カニューレを通じた身体器官の中および外への往復流を促進することで、微細加工システムとしての薬物送達装置の実行が単純化され、生物汚損に対するその抵抗性が改善される。
特に、図8Aおよび図8Bを参照すると、いくつかの態様では、薬物送達装置800は可変容量容器(または中空部材)805、および界面部材810、例えばカニューレを含む。本装置は、薬物817を貯蔵するためのリザーバ部材/薬物貯蔵要素815を含んでもよい。容器805は、界面部材810およびリザーバ部材815のうち一方が装置により使用される場合にそれと流体連通する可変容量作業室820を有する。リザーバ部材815は弁825によって作業室820から隔てられている。作業室820は、薬物を含む治療用流体830、および動作中には特定量の体液、例えば外リンパを収容する。本装置は、作業室820内の圧力をその容量を改変することで変動させるためのアクチュエータ835をさらに含む。例えば、これらの態様の多くのバージョンでは、アクチュエータ835は、容器805の少なくとも1つの壁面の少なくとも一部分を屈折させるかまたは摺動可能に動かすことで作業室820の容量を周期的に増大または減少させる。いくつかのバージョンでは、図8Aおよび図8Bに示すように、容器805の壁面840全体またはその一部分が可撓性の膜またはダイヤフラムを含む。これらの態様の他のバージョンでは、容器805は摺動可能な可動壁面を有する。壁面840の動きは、「Electromagnetically-Actuated Microfluidic Flow Regulators and Related Applications」と題され、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる同時係属中の特許出願第11/169,211号に開示される小型電磁アクチュエータなどの機械的アクチュエータによって生成され得る。あるいは、壁面の動きは、作業用流体またはガス845、ポンプ850、および弁855を使用する例えば図8Bに示す従来の空気圧装置または水圧装置からの流体圧力によって生成され得る。作業室820内の圧力をその容量を改変することで変動させる容器805の他の構成も想定される。中空部材805は、直径が異なる区分を有してもよく、これら直径の一部がカニューレ810の直径と同一であってもよく、いずれも同一でなくてもよい。
動作中には、図2A〜図2Bおよび図3A〜図3Cに関して先に記載の態様と同様にして、界面部材810、例えばカニューレを患者の所望の体腔、例えばヒトの耳の蝸牛と接触させることで、治療用流体を該体腔に周期的に送達しかつ体液を該体腔から引き出す。所望の(時として非連続的な)間隔で、アクチュエータ835は壁面840またはその一部分を内向きに動かすかまたは屈折させることで、作業室820の容量を減少させ、治療用流体830を排出速度で作業室820および中空部材805からカニューレ810(およびその管腔)を通じて患者の体腔内に流動させる。壁面840をアクチュエータ835によってこの内向きの位置に一時的に維持することができる。対向する間隔で、壁面840またはその一部分が反対方向に動くかまたは屈折することで、体液が引き込み速度で患者の体腔からカニューレ810(およびその管腔)を通じて作業室820および中空部材805に流動する。この反対方向の動きは内向きの動きとは異なる速度で生じうるものであり、したがって引き込み速度は排出速度と異なりうる。したがって、治療用流体中の薬物817の濃度を含む治療用流体の組成は、作業室820を通じたその再循環の間に変動する。壁面840の周期的な動きと同期または結合していてもそうでなくてもよい他の間隔では、リザーバ815は薬物化合物を作業室820中の体液と混合されるように放出する。あるいは、壁面840の動きによる作業室820中の圧力変動を、薬物817をリザーバ815から分配するための機構に使用することがある。例えば、作業室820の低圧相と同期したリザーバ弁825の動作は薬物817の分配を引き起こし得る。
図2A〜図2Bおよび図3A〜図3Cに関して先に記載の態様と同様に、本装置は、所望の薬物送達速度をモニタリングおよび維持しかつ/または作業室820を通じた流体の流動パターンを制御するための、容器805、アクチュエータ835および/またはリザーバ815と連通した調節システムおよび/または制御システムを含んでもよい。例えば、流体が患者の体腔から引き出される速度よりも速い速度で、流体を中空部材805およびカニューレ810から出すことができる。また、流動パターンを、中空部材805の一部としての流体キャパシタとして働くように適応したコンプライアント要素の包含により制御することができる。他の動作手順は、アクチュエータのサイクル周波数よりも低い周波数で作動および停止するようにアクチュエータ835を変調させることを包含しうる。さらに、可変容量容器805およびアクチュエータ835を、ヒトの所望の体腔、例えば乳様突起腔内に適合するように形状化および寸法決めすることができる。
デバイスのさらなる態様は、高度な流動制御要素、作動機構、および/または薬物貯蔵/放出構成を含みうる。これらの特徴は、電力効率、信頼性、流量の調節、および/または流動液体への薬物の導入を改善するために使用することができる。例えば、往復流は必ずしも連続的である必要はない。電力を大事に使い、デバイスの機械的寿命を延長し、かつ/または拡散による輸送を最大化するために、注入作用および引き出し作用を時間のアイドルセグメントによって分離することができる。
さらに、注入相および引き出し相の流量は同一である必要はないが、正味注入量および正味引き出し量は常にほぼ同等でありうる。例えば、急速注入相(約5〜10秒続く、ピーク流量が約10μL/分)、約数秒の休止時間、緩徐な引き出し相(約20〜60秒続く、ピーク流量が約3μL/分)、および約数分続くアイドル相を有する流動サイクルを使用することができる。これらのパラメータの下で動作する際に、約0.5〜1μLを注入し、引き出すことができる。
システムパラメータを選択する際に、質量輸送の有効性、作動機構の力学、治療の安全性、薬物と組織および内在性流体との相互作用、ならびに所望の全移動量を含むいくつかの競合する要素を考慮することができる。薬物放出機構の異なる態様は、さらなる条件を流動サイクルに導入することができる。したがって、各態様に最適化されるパラメータは、デバイス構成および治療プロトコールに応じて変動しうる。
そのような最適化の特定の例は、器官の遠隔領域への薬物の輸送を改善することを優先させる。蝸牛、特に鼓室階の場合、外科手術は器官の底部(基底回転)にカニューレ出口を配置することを必要としうる。送達される薬物が器官のすべての組織に到達することが理想であるが、蝸牛の先細り状で螺旋状の形状は器官の頂端への輸送を阻害することがある。したがって、往復送達を使用することで薬物を蝸牛底部の容量中に分配することができ、一方、蝸牛の残り全体への薬物の分配は拡散により生じる。さらに頂端に延びるより大きな容量中に薬物を分配するために、流量を増大させることができる。短い時間過程(例えば約2時間未満)にわたって、頂端延長は、小さいが、薬物の頂端送達を著しく強化することができる。比較的長い時間過程(例えば約5時間超)または比較的長い距離(例えば約3mm超)にわたって、基底鼓室階中の薬物濃度の維持は、流量の増大よりも頂端送達の延長の方に有利でありうる。
また、非対称的および非連続的な流動プロファイルを、単純な往復アクチュエータの変動を通じて小さな低電力フォーマットで得ることができる。既に記載のように、往復流動パターンは、注入流動相を与えるように加圧される弾性膜またはベローズを通じて実現することができる。この構成要素は引き出し相を与えるように受動的に弛緩しうる。これは例えば、ポリイミド膜(直径約6〜8mmおよび厚さ約125μm)を本来なら剛性である空洞中で使用すること、およびその膜を移動させる商業的小型ソレノイドアクチュエータを使用することで実現することができる。あるいは、この構成要素は注入相を与えるように受動的に弛緩しうる。流動パラメータに対するさらなる制御を可能にするように、これらのアプローチをさらに精密化することができる。例えば、抵抗性の、容量性の(機械的にコンプライアントな)、および/または整流性の構成要素を加圧された要素と出口との間の流路に導入することができ、例えばアクチュエータが発生させる流量を減少させるためにオリフィスまたは小さなチューブを導入することができる。
図9は、急速で対称的なアクチュエータのストロークをより緩徐な注入流およびいっそう緩徐な引き出し流(すなわち、アクチュエータ935の時定数に対して増大した時定数を有する非対称的な注入流および引き出し流)に変換するための、アクチュエータ935、漏れ逆止弁955、キャパシタ960および出口カニューレ910を有する薬物送達装置900を模式的に(電気的類似物付きで)示す。装置900は、カニューレ910およびいくつかの態様では薬物貯蔵要素と流体連通しうる管腔を規定する、中空部材を含んでもよい。アクチュエータ935は、中空部材および/またはカニューレ910を経由して装置900を通じた流動を作り出すことが可能な種々のアクチュエータの1つ、例えばモータに結合した往復膜でありうる。アクチュエータ935は、所望の流動に対応するようにその性質を選択することができ、源流を変調させるために使用することもできる。例えば、作業室(またはアクチュエータ935と薬物との間の他の界面)は、リニアモータ、カム構成を有する回転モータ、または、電力の使用量を最小限もしくはゼロにして作業室を加圧状態に保持できるようにラッチモードもしくは他の双安定モードを有するソレノイド/電磁石によって加圧されうる。あるいは、いずれかの上記デバイスは、アクチュエータ935が膜を加圧するよりもむしろ引き出し流動相を引き起こし、注入相が受動的であるという逆設定で使用することができる。アクチュエータ935は常に動作中である必要はなく、多くの場合、非連続的に動作するように適応している。
漏れ逆止弁955は、抵抗要素957と平行の一方向逆止弁956として具現化することができ、このことは、流動は漏れ逆止弁955を越える(一方向逆止弁956を通じて単独で、または漏出経路を表す比較的小さい直径のカニューレなどの抵抗要素957との組み合わせで)主に一方向であるが、流動が抵抗要素957を越えて反対方向に進むことがありうるということを示している。逆止弁955はカニューレ910または中空部材内に位置しうる。キャパシタ960は可撓性ダイヤフラムであることができ、その寸法は、往復流の間に誘導される圧力値によって所望の程度にそれが屈折するように選択される。ダイヤフラムは管腔の壁面の一部分でありうる。
カニューレ910は、他の態様に関して既に記載のものと同一または同様でありうる。カニューレ910は、体腔への流動および体腔からの流動の両方について、その管腔を通じての流体の流動を促進することができる。薬物を送達するために、流体で中空部材および/またはカニューレ910を第一の速度で充填することができ、次に流体は中空部材および/またはカニューレ910から第一の速度とは異なる第二の速度で空になる。
薬物を担体流体中に放出する方法は、選択される薬物、薬物安定性、および/または治療の持続時間などの要因に応じて異なりうる。弁によって担体流体から隔離されて弁の駆動時に担体流体中に注射される加圧薬物リザーバのいくつかの態様が記載されている。
薬物を薬物貯蔵要素から放出するためのいくつかの選択肢が存在する。一態様では、薬物が往復流中に連続的かつ受動的に放出されるように、デバイスおよび/またはカニューレの湿潤した内側を「制御放出用」または浸食性の固体構成またはポリマー構成でコーティングすることができる。別の態様では、薬物貯蔵要素は、単一のリザーバおよび弁というよりもむしろ、それぞれ使い捨て弁によって中空部材から隔てられている、乾燥または液体薬物を収容する複数の区画を有するものであり、これにより各弁が個々にまたは一緒に駆動されることで薬物が別々の用量で放出される。薬物貯蔵要素は、特定の治療順序に従ってそれぞれ異なる時点で複数の化合物を放出するように構成することができる。いくつかの態様では、薬物を送達するために第二のアクチュエータを使用することができる。
多くの場合、チャネルの出口において実質的に無視できるまたはゼロの流動を生成しながらチャネルに薬物を挿入する(「装填」と呼ぶ)ことが望ましい。無視できるとは、チャネル中に装填される薬物の量よりもはるかに少ない量を特徴としうる。これは、チャネルの端部に配置されてデバイスの他の局面よりも大きな流動抵抗を示すカニューレ、例えば他の構成要素よりも小さな内径を有するカニューレと、以下に記載のさらなる特徴(例えば廃棄物リザーバ1016または投薬ポンプ1165)との組み合わせを使用することで促進することができる。例えば、カニューレは約75ミクロンの内径を有しうるものであり、一方、チャネルは約200〜300ミクロンの内径を有しうる。
出口において流動をほとんどまたは全く生成せずに薬物を装填することは、システムの動作に対する制御の程度を大きくすることに役立つ。例えば、操作者は、ゆっくりと安定した速度および固定濃度で薬物を送達する、より一般的な一定流動デバイスと同一の平均薬物量を、しかしより大きいピーク流量で送達することができる。ヒトの蝸牛は最大約10μL/分の注入速度の流体を安全に受け取ることが可能でありうるが、実際の数は個人および送達される薬物に基づいて変動しうる。また、ヒトの蝸牛は1時間にわたって約3μLの総流体量を安全に受け取ることが可能でありうるが、この限界はやはり個人および/または特定の治療に関してさらに高いまたは低いことがある。
閉塞、特に生物汚損により生じることがある閉塞を防止するかまたは逆転させるために、より大きいピーク流量を使用することができる。多くの場合、より大きな流動、特にパルス流によって除去可能なタンパク質の沈着が存在しうる。デバイス中の往復流が異なる相(例えば薬物装填、排出および引き出し)において異なって制御可能であることから、特に高い流量の少量のパルスを使用することで、所望の投薬プロトコールを妨害することなく構成要素(例えばチャネルまたはカニューレ)の閉塞を除去することができる。このパルスの流量は急速に上昇および下降しうる。また、流動を送るアクチュエータを制御することは、細胞損傷を回避する安全な範囲内にデバイスパラメータ(例えば流動、量)を保持しながら所望の薬物動態(例えば十分な混合距離および拡散距離を確保すること)を伴う最適化された送達を可能にする。これは、受動システム、または一定の制御ストローク長さおよび/もしくは速度に制限されるシステムに限定される傾向がある既存のデバイスでは一般に実現不可能である。デバイスの様々な態様は、これらの特徴の一部または全部、および以下の特徴を含みうる。
図10A〜図10Cに示す薬物送達装置1000などのいくつかの態様では、薬物をデバイス内で混合するというよりもチャネル(または中空部材)1005にスラッグとして注射することができる。これは、制御可能な希釈度で薬物を器官中に推進することを可能にする。装置1000は、例えば薬物供給弁1025を経由してチャネル1005に流体結合した薬物供給リザーバ1015と、チャネル1005を通じた薬物および/または担体流体の流動を引き起こすためのアクチュエータ1035と、体腔へのおよび体腔からの、チャネルの管腔を通じた流体の流動を促進するためのチャネル出口1010と、薬物を体腔に送達するためにアクチュエータ1035および薬物供給弁1025を制御するための制御システムとを有してもよい。カニューレ出口がチャネル出口1010と末端を共有するように、カニューレは例えばその遠位端においてチャネル1005の一部を形成しうる。実質的に希釈されていない形態で薬物を送達するように制御システムを構成することができる。いくつかの態様では、装置1000は、廃棄物リザーバ弁1026を経由してチャネル1005に流体結合した廃棄物リザーバ1016も含む。廃棄物リザーバ1016は通常、以下にさらに記載のように担体流体を受け取るが、薬物と混合した担体流体、さらには未希釈薬物を受け取ってもよい。廃棄物リザーバ弁1026は制御システムによって制御されてもよい。薬物供給リザーバ1015は、加圧リザーバを含む、流体を保持するために好適ないくつかの構造のいずれかでありうる。
動作中には、図10Aに示すように、薬物供給弁1025を開放することで薬物を薬物供給リザーバ1015から出してチャネル1005に入れる。いくつかの態様では、第二のアクチュエータによって薬物を薬物供給リザーバ1015から送ることができる。実質的に同時に廃棄物リザーバ弁1026を開放することで、チャネル1005中の担体流体を廃棄物リザーバ1016中で受け取ることができる。このアプローチのさらなる改良では、薬物の装填がチャネル(またはカニューレ)出口1010において流動を発生させないかまたは無視できる流動を生成するように、薬物は装置1000中の等量の担体流体を移動させる。図10Bに示すように、所望の量の薬物が装填された時点で、薬物供給弁1025を(時として廃棄物リザーバ弁1026と共に)閉鎖することができ、アクチュエータ1035を駆動することで、薬物を体腔に送達する注入流を始めることができる。装填される薬物の所望の量は、希釈または他の損失(例えば廃棄物リザーバ1016に対する)が原因で、送達される量よりも多いことがある。いくつかの態様では、弁1025および1026のうちの1つまたは複数が開放位置にあるとき、注入流の少なくとも一部が生じることがあり、それにより、担体流体が出口1010に向かって流動する際に廃棄物リザーバ1016中に過剰の担体流体が収集されるが、廃棄物リザーバ弁1026は、通常薬物が廃棄物リザーバ1016に入る前に、および通常はアクチュエータ1035の駆動前でさえ閉鎖されている。担体流体を薬物と共に体腔に送達することができる。薬物を出口1010を経由して体腔に送達した時点で、アクチュエータ1035は逆転して引き出しサイクルを開始することができ、このサイクルでは、図10Cに示すように、担体流体はアクチュエータ1035に向かって引き戻され、装置1000は別の用量の薬物を送達する用意ができる。
時として、弁1025、1026は単に、流動を制御するための固定寸法を有する開放分岐部であることがあり、リザーバ1015、1016は同一容量を占めることがある。そのような態様では、制御システムは、薬物をリザーバ1015、1016からチャネル1005を通じて逆にリザーバ1015、1016中に漸増的に循環させるポンプを制御することで、チャネル1005中での薬物の装填を回復させることができる。分岐部の寸法決めはリザーバ1015、1016の中および外への流体の流動の速度を制御するのに役立ちうるものであり、分岐部は異なる排出速度および引き込み速度を与えるように異なってサイズ決めされうる。
他の態様では、図11Aおよび図11Bに示すように、薬物供給装置1100は、アクチュエータ1135、送達チャネル1105、薬物供給リザーバ1115、および流体がそこを通じて体腔にかつ体腔から流動する管腔を規定する出口1110などの上記の他の同様の構成要素に加えて、第二のアクチュエータ(例えば薬物投薬ポンプ)1165を含む。上記の高流動抵抗カニューレなどのカニューレは、カニューレの出口およびチャネル出口1110が一致するように、例えばその遠位端において送達チャネル1105の一部を形成しうる。アクチュエータ1135は、往復膜1140と、膜1140を加圧および解放することにより送達チャネル1105中の流動を引き起こすマイクロアクチュエータ1141(ピストンなどの)とを含みうる。使用前にデバイスの起動を可能にする起動弁1170も装置1100の一部でありうる。
図示するように薬物供給リザーバ1115内に位置しうる投薬ポンプ1165は、アクチュエータ(または往復流動機構)1135とは独立に動作してもよいが、第一のアクチュエータ1135が薬物および担体流体の流動を引き起こす速度と実質的に同様の速度で薬物を流動させるように動作してもよい。投薬ポンプ1165はデバイス1100内で薬物を計量することができ、一方、アクチュエータ1135は装置1100から患者への流体の移動を引き起こす。投薬ポンプ1165は担体流体を送達チャネル1105から引き出すこともでき、これは、薬物を送達チャネル1105中に装填する際に出口1110における流動を無視できる量、さらにはゼロに限定する上で特に有用である。圧電膜または磁気作動膜を有するダイヤフラムポンプ、機械駆動式蠕動ポンプ、または界面動電ポンプなどであるがそれに限定されないいくつかの種類の小型またはマイクロスケールポンプを投薬ポンプ1165として使用することができる。
投薬ポンプ1165は逆方向(例えばその通常のポンピング方向とは反対側の方向)の流動を防止することができるが、特にリザーバ1115の流路中の抵抗が送達チャネル1105中の抵抗よりも著しく大きい(例えば約10倍)場合には必ずしもそうではない。これはリザーバ1115が長い蛇行形のリザーバチャネル1118を特徴とする場合に生じうる。リザーバチャネル1118は、送達チャネル1105および/またはカニューレの長さよりも大きな長さを有しうる。例えば、リザーバチャネル1118は長さ約30cmであることができ、一方、送達チャネル1105は長さ約10cmである(また、そのカニューレ部分は長さわずか約2cmである)ことができる。当然、これらは例示的な寸法でしかなく、いずれの構成要素もこれより長くても短くてもよい。蛇行形はポリイミドの平坦なシートの状態で製作されうる。このリザーバチャネル1118は、投薬ポンプ1165上での著しい抵抗性装填を回避するために十分な幅および高さ(一態様では約0.5mm)を有しうる。拡散が1つの寸法に事実上限定されるように、リザーバチャネル1118の長さを、高さ寸法および幅寸法を個々に含むその断面よりもはるかに大きくすることができる。一態様では、幅および高さ約0.5mmならびに長さ約250mmを有するリザーバチャネル1118は、リザーバ容量約100μLを生じさせるものであり、約20mm x 30mm x 2mmの寸法を有する平坦なシートの状態で製作されうる。
また、例えば投薬ポンプ1165中で実行可能な一方向ポンピングを、微細加工ダイヤフラムおよび逆止弁を使用してリザーバチャネル1118中で実現することができる。逆止弁は、当技術分野において公知のようにポリイミドで製作することができ、一体化基材内のポリイミド膜の上流および下流の両方に配置することができる。1回の試験において、膜でポンピングされた水を、膜に印加された力の持続時間に応じて1ストローク当たり約25nL〜150nLの範囲で周期的に加圧および解放した。使用した逆止弁は直径約2.4mmを有し、中心室は直径約6mmを深さ約0.4mmと共に有した。
動作中には、図11Aに示すように、往復送達チャネル1105またはその一部分に所望の量の薬物を完全濃度で装填する(装填段階として知られる)ように、投薬ポンプ1165(部分的な、単一の、または複数のストロークを通じて)を駆動してリザーバ1115の内容物を循環ループに押し込むことができる。実質的に同時に、送達チャネル1105からの担体流体を投薬ポンプ1165によってリザーバ1115中に引き込むことで、出口1110からの流動が無視できるように量を交換することができ、交換はこの段階で、均衡した抵抗および圧力により促進することができる。装填後、投薬ポンプ1165を駆動停止することができ(時として単一のストローク後)、アクチュエータ1135を駆動して往復サイクルを開始することができ(図11B参照)、往復サイクルでは、薬物は送達部位中に(例えば体腔中に)放出された後、出口1110を経由した内在性流体および薬物とリザーバ1115を通じた無視できる流動との希釈混合物として引き出される。リザーバを通じた流動は特に、送達チャネル1105の抵抗よりも著しく大きい流体抵抗の選択、もしくは駆動していない際に流動を制限する投薬ポンプ1165の包含、またはこれらのアプローチの組み合わせによって無視できる状態にとどまりうる。装填される薬物の量は、往復パルスにより移動される量、いくつかの態様では最大で約1μL以上と実質的に同様でありうる。所望であれば、はるかに少ない別々の量(例えば約200nL以下、または単一ストロークの量)を装填および送達することができる。残留流体の受動的拡散は、送達チャネル1105との分岐部の近傍のリザーバ1115中の薬物濃度を減少させる場合があり、装置1100の設計を分析および最適化する際に考慮され得る。
上記デバイスのいずれか1つを、Cochlear(マッコーリー大学、オーストラリア)、Med-EL(ノースカロライナ州ダーラム)またはAdvanced Bionics(カリフォルニア州バレンシア)が製造するものなどの人工蝸牛と一体化することができる。結合デバイスは、聴覚系を電気刺激し、一方でいくつかの態様では、聴覚障害を処置するために薬物を蝸牛に送達し、埋め込み手術の副作用の危険性を減少させ、かつ/または人工器官の性能を向上させることができる。上記デバイスのいずれか1つは、患者の生理学的状態を測定および/またはモニタリングするための1つまたは複数のセンサを収容してもよい。例えば、センサは、デバイスに入った内在性流体の性質を測定することができる。
上記態様はヒト患者について記載されているが、デバイスは、動物を包含する臨床試験用に具体的に構成されてもよく、完全に埋め込まれても外部着用されてもよい。さらに、聴覚障害の処置以外の用途でのデバイスの使用、例えば、少ない制御可能な用量が必要である他の器官、および全身送達が非実用的または危険である他の器官に薬物を送達することが想定され、本発明の範囲内であると見なされる。
本発明の真意または本質的特性を逸脱することなく、本発明を他の特定の形態で具現化することができる。したがって、前述の態様は、すべての点において、本明細書に記載の本発明に関して限定的というよりもむしろ例示的であると見なすべきである。さらに、本明細書に記載の様々な態様の特徴が、相互に排他的ではなく、様々な組み合わせまたは順列が本明細書に明示されなかったとしても本発明の真意および範囲を逸脱することなくそのような組み合わせおよび順列で存在しうると理解すべきである。したがって、本発明の範囲は前述の記載よりもむしろ添付の特許請求の範囲により示されるものであり、特許請求の範囲と等価の意味および範囲内にあるすべての変化は特許請求の範囲に包含されるように意図される。
[本発明1001]
体腔へのおよび体腔からの、送達チャネルの管腔を通じた流体の流動を促進するための、出口を含む送達チャネルと、
実質的に無視できる流動を該出口において生成しながら該送達チャネル中に薬物を装填するための手段と、
該薬物および担体流体を該送達チャネルを通じて該出口外および該体腔内に送るための第一のアクチュエータと
を含む、ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための薬物送達装置。
[本発明1002]
実質的に無視できる流動を前記出口において生成しながら前記送達チャネル中に薬物を装填するための前記手段が、前記薬物を保持するための薬物供給リザーバと、前記担体流体を受け取るための廃棄物リザーバとを含み、該薬物供給リザーバが薬物供給弁を経由して該送達チャネルと流体結合しており、該廃棄物リザーバが廃棄物弁を経由して該送達チャネルと流体結合している、本発明1001の装置。
[本発明1003]
実質的に無視できる流動を前記出口において生成しながら前記送達チャネル中に薬物を装填するための前記手段が、制御された希釈度で該薬物を前記体腔に送達するように前記薬物供給弁、前記廃棄物弁および前記第一のアクチュエータを制御するための制御システムをさらに含む、本発明1002の装置。
[本発明1004]
前記薬物供給リザーバが加圧リザーバである、本発明1002の装置。
[本発明1005]
実質的に無視できる流動を前記出口において生成しながら前記送達チャネル中に薬物を装填するための前記手段が、該薬物を該送達チャネル中に送達するための第二のアクチュエータを含む、本発明1001の装置。
[本発明1006]
前記第一のアクチュエータが薬物および担体流体の流動を引き起こす速度と実質的に同様の速度で、前記第二のアクチュエータが薬物の流動を引き起こす、本発明1005の装置。
[本発明1007]
前記装置に入る内在性流体の性質を測定するためのセンサをさらに含む、本発明1001の装置。
[本発明1008]
聴覚系を電気刺激するための人工蝸牛と一体化するように適応した、本発明1001の装置。
[本発明1009]
聴覚障害を処置するために薬物を蝸牛に送達するように適応した、本発明1008の装置。
[本発明1010]
埋め込み手術の副作用を減少させるように適応した、本発明1008の装置。
[本発明1011]
前記人工器官の性能を向上させるように適応した、本発明1008の装置。
[本発明1012]
実質的に無視できる流動を前記出口において生成しながら前記送達チャネル中に薬物を装填するための前記手段が、(i) 該送達チャネルと流体連通するリザーバと、(ii) 該薬物を該リザーバから該送達チャネル中に送るための、ならびに前記担体流体の少なくとも一部分を該送達チャネル外および該リザーバ中に引き出すための投薬ポンプとを含む、本発明1001の装置。
[本発明1013]
前記リザーバが、前記送達チャネルの長さよりも長いリザーバチャネルを含む、本発明1012の装置。
[本発明1014]
前記リザーバチャネルの長さが該リザーバチャネルの幅および高さの両方よりも長い、本発明1013の装置。
[本発明1015]
前記リザーバがポリイミドの平坦なシートの状態で形成される、本発明1012の装置。
[本発明1016]
前記投薬ポンプが前記薬物を一方向にのみ送るように構成される、本発明1012の装置。
[本発明1017]
前記投薬ポンプが1ストローク当たり少なくとも200nLを送達するように構成される、本発明1012の装置。
[本発明1018]
前記第一のアクチュエータが往復膜を含む、本発明1001の装置。
[本発明1019]
ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための方法であって、
実質的に無視できる流動を送達チャネルの出口において生成しながら薬物供給リザーバから該送達チャネル中に薬物を装填する段階と、
該薬物および担体流体を該送達チャネルを通じて該出口外および該体腔内に送るようにアクチュエータを駆動する段階とを含む、方法。
[本発明1020]
実質的に無視できる流動を前記送達チャネルの前記出口において生成しながら前記薬物供給リザーバから該送達チャネル中に前記薬物を装填する段階が、
該薬物供給リザーバからの該薬物が該送達チャネルに入ることを可能にするように薬物供給弁を開放する段階、
該送達チャネル中の前記担体流体の少なくとも一部分が廃棄物リザーバに入ることを可能にするように廃棄物弁を開放する段階、
所望の量の該薬物が該送達チャネルに入った後に該薬物供給弁を閉鎖する段階、および
該薬物が該廃棄物リザーバに入る前に該廃棄物弁を閉鎖する段階
を含む、本発明1019の方法。
[本発明1021]
前記出口において流動が発生しないように、前記送達チャネルに入るある量の前記薬物が、該送達チャネル中の等量の前記担体流体を前記廃棄物リザーバ中に移動させる、本発明1020の方法。
[本発明1022]
前記出口を通じた前記薬物の送達後に担体流体の流動を逆転させるように前記アクチュエータを逆転させる段階をさらに含む、本発明1019の方法。
[本発明1023]
実質的に無視できる流動を前記送達チャネルの前記出口において生成しながら前記薬物供給リザーバから該送達チャネル中に前記薬物を装填する段階が、
該薬物を該薬物供給リザーバから該送達チャネル中に送るように、かつ前記担体流体の少なくとも一部分を該送達チャネル外および該薬物供給リザーバ中に引き出すように、投薬ポンプを駆動する段階、ならびに
所定量の該薬物を該送達チャネル中に送達した後に該投薬ポンプを駆動停止する段階
を含む、本発明1019の方法。
[本発明1024]
前記送達チャネル中に送られる薬物の量が、前記薬物供給リザーバ中に引き出される前記担体流体の量に実質的に等しい、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記投薬ポンプが薬物を一方向にのみ送る、本発明1023の方法。
[本発明1026]
前記投薬ポンプが1ストローク当たり少なくとも200nLを送達する、本発明1023の方法。
[本発明1027]
前記投薬ポンプが1回のストローク後に駆動停止される、本発明1023の方法。
[本発明1028]
前記薬物供給リザーバが、前記送達チャネルの長さよりも長いリザーバチャネルを含む、本発明1019の方法。
[本発明1029]
前記リザーバチャネルの長さが該リザーバチャネルの幅および高さの両方よりも長い、本発明1028の方法。
[本発明1030]
前記薬物供給リザーバがポリイミドの平坦なシートの状態で形成される、本発明1019の方法。
[本発明1031]
前記アクチュエータが往復膜を含む、本発明1019の方法。
[本発明1032]
前記アクチュエータが、パルス状の流動を送達することで前記送達チャネルの閉塞を防止するかまたは逆転させるように駆動される、本発明1019の方法。
[本発明1033]
体腔へのおよび体腔からの、カニューレの管腔を通じた流体の流動を促進するためのカニューレと、
該カニューレと流体連通する管腔を規定する少なくとも1つの中空部材であって、該少なくとも1つの中空部材および該カニューレが、流体が該少なくとも1つの中空部材および該カニューレから出る速度とは異なる速度で流体で満たされるように適応した、中空部材と、
該カニューレまたは該少なくとも1つの中空部材の少なくとも一方内に配置された、漏出経路を有する逆止弁と、
流体を該少なくとも1つの中空部材および該カニューレを通じて送るための、非連続的に動作するように適応したアクチュエータと
を含む、ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための薬物送達装置。
[本発明1034]
前記アクチュエータがリニアモータ、カムを有する回転モータ、ラッチ機構を有するソレノイド、ラッチ機構を有する電磁石、双安定モードを有するソレノイド、または双安定モードを有する電磁石のうちの1つを含む、本発明1033の装置。
[本発明1035]
前記少なくとも1つの中空部材と流体連通する薬物貯蔵要素をさらに含む、本発明1033の装置。
[本発明1036]
前記薬物貯蔵要素が複数の区画を含み、各区画が使い捨て弁によって前記少なくとも1つの中空部材から隔てられている、本発明1035の装置。
[本発明1037]
薬物が連続的かつ受動的に前記流体中に放出されるように、前記薬物貯蔵要素が浸食性の固体構成またはポリマー構成の少なくとも一方を含む、本発明1035の装置。
[本発明1038]
選択された治療順序に従って処置を行うように、前記薬物貯蔵要素がそれぞれ別々の時間間隔で複数の化合物を放出するように適応した、本発明1035の装置。
[本発明1039]
前記装置に入る内在性流体の性質を測定するためのセンサをさらに含む、本発明1033の装置。
[本発明1040]
聴覚系を電気刺激するための人工蝸牛と一体化するように適応した、本発明1033の装置。
[本発明1041]
聴覚障害を処置するために薬物を蝸牛に送達するように適応した、本発明1040の装置。
[本発明1042]
埋め込み手術の副作用を減少させるように適応した、本発明1040の装置。
[本発明1043]
前記人工器官の性能を向上させるように適応した、本発明1040の装置。

Claims (12)

  1. 体腔へのおよび体腔からの、カニューレの管腔を通じた流体の流動を促進するためのカニューレと、
    該カニューレと流体連通する管腔を規定する少なくとも1つの中空部材と、
    該カニューレまたは該少なくとも1つの中空部材の少なくとも一方内に配置された、一方向逆止弁および漏出経路を備える漏れ逆止弁であって、該少なくとも1つの中空部材および該カニューレを通じた、第一の速での第一の向きへの流体の流動と、第一の速とは異なる第二の速での、第一の向きとは反対の第二の向きへの流体の流動とを可能にするように構成された、前記漏れ逆止弁と、
    流体を該少なくとも1つの中空部材および該カニューレを通じて送るための、非連続的に動作するように働くアクチュエータと
    を含む、ある期間にわたって薬物を体腔内の体液中に送達するための薬物送達装置。
  2. 前記アクチュエータがリニアモータ、カムを有する回転モータ、ラッチ機構を有するソレノイド、ラッチ機構を有する電磁石、双安定モードを有するソレノイド、または双安定モードを有する電磁石のうちの1つを含む、請求項1記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つの中空部材と流体連通する薬物貯蔵要素をさらに含む、請求項1記載の装置。
  4. 前記薬物貯蔵要素が複数の区画を含み、各区画が使い捨て弁によって前記少なくとも1つの中空部材から隔てられている、請求項3記載の装置。
  5. 薬物が連続的かつ受動的に前記流体中に放出されるように、前記薬物貯蔵要素が浸食性の固体構成またはポリマー構成の少なくとも一方を含む、請求項3記載の装置。
  6. 前記薬物貯蔵要素がそれぞれ別々の時間間隔で複数の化合物を放出するようにた、請求項3記載の装置。
  7. 前記装置に入る内在性流体の性質を測定するためのセンサをさらに含む、請求項1記載の装置。
  8. 聴覚系を電気刺激するための人工蝸牛と一体化するようにた、請求項1記載の装置。
  9. 聴覚障害を処置するために薬物蝸牛に送達されるようにた、請求項8記載の装置。
  10. 前記漏れ逆止弁は、前記一方向逆止弁を通じた、主に一方向への流体の流動を可能にするように構成されている、請求項1記載の装置。
  11. 第二の速は第一の速よりも遅い、請求項1記載の装置。
  12. 第一の向きへの液体の流動は、前記一方向逆止弁を通じたものであり、第二の向きへの液体の流動は、前記漏出経路を通じたものである、請求項1記載の装置。
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