JP6654194B2 - ビャクダン油の構成要素を調製するための中間体及び方法 - Google Patents

ビャクダン油の構成要素を調製するための中間体及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機合成の分野に関し、より詳細には、ビャクダン油の構成要素の調製において特に有用であることが判明した酸化テルペン画分を調製する方法に関する。
先行技術
酸化テルペン画分(I)は、新規な組成物であり、短くて効果的な手法で、ビャクダン油の構成要素を調製するための有用な出発材料である。
ビャクダン油は、数多くのセスキテルペンアリル型アルコールを含む、天然に存在する周知の賦香成分である。しかしながら、天然であるため、生産の量と質に変動が起きやすく、それゆえ、合成油又は天然油並びに構成要素の代替的な生成が、それを調製又は再構築するために必要である。
近年、組換え型のサンタレンシンターゼを発現する宿主細胞/微生物を用いて、関連するセスキテルペン炭化水素油(すなわち、本明細書中下記でセスキテルペン炭化水素画分(II)について定義される油)を生成するためのバイオテクノロジーの方法が報告されている(例えば国際公開第2011/000026号(WO 2011/000026)又は国際公開第2010/067309号(WO 2010/067309))。しかしながら、これらの方法では、前記セスキテルペン炭化水素油を、ビャクダン油、又はビャクダン油の構成要素の類似体に変換すること(すなわち、アルケンをアリル型アルコールに変換しながら、各構成成分の適切な比を天然油にできるだけ近づけて維持すること)が可能ではなく、また変換の仕方も示唆していない。
実際、テルペンシンターゼにより、純粋なセスキテルペン炭化水素ではなく、いくつかのセスキテルペン炭化水素(すなわち、様々な異なるセスキテルペン炭化水素の混合物)を含有する画分を調製することが可能である。現在、セスキテルペン炭化水素のかかる画分の各構成成分は、著しく異なる化学構造を有し、異なる反応速度、ビャクダン油、又はビャクダン油の構成要素の類似体を生成するのに必要な化学作用を引き起こす反応性基の可能な化学選択性を伴うことから、極めて大きな課題である。
我々の知る限り、先行技術は、関連するセスキテルペン炭化水素を有用な中間体(すなわち、本発明の酸化テルペン画分(I)で記載されるアルデヒド)に化学的に変換する数多くの方法を報告しているが、この化学反応は、純粋なセスキテルペン炭化水素を使用して常に行われている。例として、以下のものを挙げることができる:
− Semmeler et al, in Chem.Ber., 1907, 40, 3321;この論文は、α−サンタレン、及びβ−サンタレンの別々のオゾン分解を報告しているが、収率(報告されていない)は、著者らが「アルデヒド」の回収についての大きな難点を報告している点を鑑みると、かなり低いはずである;
− Bradfield et al, in J.C.S., 1935, 309:この論文は、純粋なα−サンタレン及びβ−サンタレンのオゾン分解を報告しており、そしてβ−サンタレンが相当量のCH2Oを発生させていることを示唆しており、β−サンタレンのエキソメチレン基も結合されているものと考えられる。;
− Snowden et al, in Helv.Chim.Acta, 1981, 64, 25:この箇所では、epi−β−サンタレンが、OsO4、NaIO4を用いて(I−A)に酸化されている。
これらの方法のいずれも、セスキテルペン炭化水素画分を、酸化テルペン画分(I)として、関連するビャクダン油の構成要素又はその中間体に変換するための工業的方法を示唆していない。実際に、これらの先行技術の教示は、様々な異なるセスキテルペン炭化水素の混合物を使用して作業することを妨げることになりさえする。
我々の知る限りでは、先行技術は、セスキテルペン炭化水素の混合物を、対応するビャクダン油類似体に変換する方法のみを報告している(米国特許出願公開第4510319号明細書(US4510319))。しかしながら、この方法は、非常に敏感な基質であるベルガモテンを欠く混合物を使用し、Ca(ClO)2などの試薬を使用していたが、これは、ハロゲン化された中間体を発生させることがあることから工業的に最も適した試薬ではない。
本発明の目的は、関連するテルペン混合物から出発して、ビャクダン油の構成要素を調製するためのより工業的な方法を提供することである。
本発明の説明
本発明の第1の目的は、酸化テルペン画分(I)で構成される組成物であって、該酸化テルペン画分(I)は:
− 式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,2R,4R)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパナール 15〜40%(w/w)、ここで、前記化合物(I−A)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%より高いe.e.を有する;
− 式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,2S,4R)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパナール 1〜8%(w/w)、ここで、前記化合物(I−B)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%より高いe.e.を有する;
− 式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,3R,4S)−2,3−ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン−3−イル)プロパナール 40〜60%(w/w)、ここで、前記化合物(I−C)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%より高いe.e.を有する;並びに
− 式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,5S,6R)−2,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン−6−イル)プロパナール 5〜20%(w/w)、ここで、前記化合物(I−D)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%より高いe.e.を有する;
を含み、ここで、w/w比は、酸化テルペン画分(I)の全重量に対するものである。
分かりやすくする意味で、化合物(I−A)〜(I−D)の量の合計は、最大100%及び最小65%(記載された最小量によって得られる)であり、かつ全体の合計が100%より低ければ、残りの量は、他の化合物、好ましくは、他の天然セスキテルペン炭化水素、例えばファルネセン、クルクメン、ビサボレン、α−ピネン、カンフェン及び/又はリモネンの酸化に由来する化合物(例えば、かかる酸化テルペン画分の調製において用いられる出発材料の起源に関するテキストを以下で参照されたい)によって構成され得ることは、当業者には十分に理解されている。特定の実施形態によれば、化合物(I−A)〜(I−D)は、酸化テルペン画分の全重量に対して少なくとも80%、85%、90%、95%(w/w)を占める。
分かりやすくする意味で、当業者には、「e.e.」との表現が、当該技術分野の意味、すなわち「鏡像体過剰率」の意味を有することは十分に理解されている。
本発明の更なる目的は、前記酸化テルペン画分を、好ましくはサンタレンテルペンシンターゼを用いた発酵により生成されたセスキテルペン炭化水素画分の酸化を介して生成する独自の方法、並びにビャクダン油の構成要素を生成するための前記酸化テルペン画分の使用を包含する。
上記に鑑みて、化合物(I−A)が、(−)−(Z)−β−サンタロールの前駆体であり、(I−B)が、(−)−(Z)−epi−β−サンタロールの前駆体であり、(I−C)が、(+)−(Z)−α−サンタロールの前駆体であり、かつ(I−D)が、(Z)−α−trans−ベルガモトールの前駆体であることは容易に理解することができる。それゆえ、本方法は、一度に前記構成成分の1つのみ又は最大2つを生成することを可能にし得るすべての先行技術の方法及び中間体とは対照的に、天然油の主要構成成分を早くも一度にすべて含む油を提供する利点を提示する。
本発明の特定の実施形態によれば、前記酸化テルペン画分(I)は、
− 式(I−A)の化合物20〜35%(w/w);
− 式(I−B)の化合物1〜5%(w/w);
− 式(I−C)の化合物40〜55%(w/w);及び
− 式(I−D)の化合物10〜20%(w/w)
を含む。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記酸化テルペン画分(I)は、4/1から2/1の間(例えば50%/13%から30%/15%の間)に含まれるw/w%比(I−C)/(I−D)を特徴とする。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記酸化テルペン画分(I)は、3/1から1/1の間(例えば60%/20%から30%/30%の間)に含まれるw/w%比(I−C)/(I−A)を特徴とする。
前記酸化テルペン画分(I)は、有利には、以下の反応ステップ:
− セスキテルペン炭化水素画分(II)であって、
i)式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(1S,2R,4R)−2−メチル−3−メチレン−2−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン((−)−β−サンタレンとしても知られる)10〜30%(w/w)、ここで、前記化合物(II−A)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%のe.e.を有する;
ii)式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(1S,2S,4R)−2−メチル−3−メチレン−2−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン((+)−epi−β−サンタレンとしても知られる)1〜6%(w/w)、ここで、前記化合物(II−B)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%のe.e.を有する;
iii)式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(2S,4S,7R)−1,7−ジメチル−7−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン((+)−α−サンタレンとしても知られる)20〜50%(w/w)、ここで、前記化合物(II−C)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%のe.e.を有する;並びに
iv)式
Figure 0006654194
[式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(1S,5S,6R)−2,6−ジメチル−6−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン((−)−α−trans−ベルガモテンとしても知られる)20〜40%(w/w)、ここで、前記化合物(II−D)は、好ましくは、少なくとも80%、90%又は95%のe.e.を有する;
を含み、ここで、w/w比は、セスキテルペン炭化水素画分(II)の全重量に対するものである、該セスキテルペン炭化水素画分(II)を、
− オゾンと還元的条件下で
反応させるステップを含む方法によって調製することができる。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)は、
− 式(II−A)の化合物15〜30%(w/w);
− 式(II−B)の化合物1〜6%(w/w);
− 式(II−C)の化合物20〜40%(w/w);及び
− 式(II−D)の化合物20〜40%(w/w)
を含む。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)は、2/1から1/2の間(例えば40%/20%から20%/40%の間)に含まれるw/w%比(II−C)/(II−D)を特徴とする。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)は、3/1から1/1の間(例えば60%/20%から30%/30%の間)に含まれるw/w%比(II−C)/(II−A)を特徴とする。
分かりやすくする意味で、化合物(II−A)〜(II−D)の量の合計は、最大100%及び最小65%(記載される最小量によって得られる)であり、かつ全体の合計が100%より低ければ、残りの量は、他のテルペン化合物、例えばファルネセン、クルクメン、ビサボレン、α−ピネン、カンフェン及び/又はリモネン(例えば、セスキテルペン炭化水素画分の起源に関するテキストを以下で参照されたい)によって構成され得ることは、当業者には十分に理解されている。特定の実施形態によれば、化合物(II−A)〜(II−D)は、セスキテルペン炭化水素画分(II)の全重量に対して少なくとも80%、85%、90%、95%(w/w)を占める。
上記のように、基質(II)を、酸化剤であるオゾンと反応させる。分かりやすくする意味で、「還元的条件下」との表現は、当業者には、アルデヒドを得るために形成された中間体トリオキソランが、当業者に周知である少なくとも1つの還元剤で処理されることと理解されている。還元剤によるかかる処理は、後処理中に行うことができる。前記還元剤の非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:亜硫酸塩、例えば亜硫酸アルカリ金属塩(例えば、亜硫酸ナトリウム若しくは亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム)又はC2〜6ジアルキルスルフィド、例えばジメチルスルフィド、トリフェニルホスフィン、H2及びPd/C、P(OMe)3、MeO(SO)OMe、MeSSMeなど。特に、亜硫酸塩、例えば亜硫酸アルカリ金属塩(例えば、亜硫酸ナトリウム若しくは亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム)又はC2〜6ジアルキルスルフィド、例えばジメチルスルフィドを挙げることができる。
酸化プロセスは、溶媒の存在下又は不在下で行うことができる。実用上の理由から溶媒が必要とされるか又は使用される場合、セスキテルペン炭化水素画分が可溶性であり、かつ酸化又はオゾン分解反応において現在使用されている任意の溶媒を、本発明の目的のために使用することができる。非限定的な例には、ヘキサン若しくはシクロヘキサン等のC6〜10飽和炭化水素溶媒、AcOEt、テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくはMTBE等の飽和C4〜10エーテル若しくはエステル、酸性酸若しくはプロピオン酸等の飽和C2〜5カルボン酸、イソプロパノール、メタノール若しくはエタノールのような第一級若しくは第二級アルコール等の飽和C1〜5極性溶媒、ブタノン若しくはイソブチルメチルケトン等の飽和C2〜6ケトン、クロロホルム若しくはジクロロメタン等のC1〜3塩素化アルカン、又はこれらの混合物が含まれる。溶媒の正確な選択は、正確なセスキテルペン炭化水素画分の性質及び必要とされる反応速度と相関関係にあり、かつ当業者は、酸化反応を最適化するためにそのつど最も好適な溶媒を選択することができる。
溶媒は、広い範囲の濃度で反応媒体に添加することができる。非限定的な例として、使用されるセスキテルペン炭化水素画分の量に対して50%〜500%(w/w)の範囲の溶媒量を挙げることができる。
酸化を実施することができる温度は、−100℃から40℃の間、より好ましくは−80℃から0℃の間の範囲に含まれる。当然のことながら、当業者は、出発生成物及び最終生成物の融点及び沸点、並びに反応又は変換の所望の時間に応じて、好ましい温度を選択することもできる。
このプロセスの重要なパラメータである酸化剤は、広い範囲の濃度で反応媒体に添加することができる。非限定的な例として、セスキテルペン炭化水素画分(II)の量に対して、0.2モル当量〜1.5モル当量の範囲を酸化剤濃度値として挙げることができる。好ましくは、酸化剤濃度は、0.5モル当量から1.2モル当量の間に含まれる。当然のことながら、酸化剤の最適濃度は、当業者であれば公知であるように、酸化剤の性質、セスキテルペン炭化水素画分の正確な組成の性質、所望の変換率、並びに所望の反応時間に依存する。
このプロセスの重要なパラメータである還元剤は、広い範囲の濃度で反応媒体に添加することができる。非限定的な例として、セスキテルペン炭化水素画分(II)の量に対して、0.2モル当量〜3モル当量の範囲の値を還元剤濃度値として挙げることができる。好ましくは、還元剤濃度は、0.9モル当量から2.5モル当量の間に含まれる。当然のことながら、還元剤の最適濃度は、当業者であれば公知であるように、酸化剤の性質、セスキテルペン炭化水素画分の正確な組成の性質、所望の変換率、並びに所望の反応時間に依存する。
セスキテルペン炭化水素画分(II)は、純粋なセスキテルペン炭化水素を所望の量で一緒に混合することによって得られるか、又はより興味深いことに、国際公開第2011/000026号(WO 2011/000026)又は国際公開第2010/067309号(WO 2010/067309)に記載されるような(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレンシンターゼを用いることにより安価な炭素源(例えば糖)を、所望のセスキテルペン炭化水素画分に変換するために遺伝子操作された微生物細胞などの宿主細胞を用いた発酵により生成されたセスキテルペン炭化水素画分として得られる。発酵により得られたセスキテルペン炭化水素画分(II)を用いる利点は、出発材料を簡単に入手できることから明らかである。
本発明のプロセスの上記実施形態のいずれか1つによれば、前記方法は、さらに、セスキテルペン炭化水素画分(II)を、テルペンシンターゼ(先行技術から知られている)とファルネシル二リン酸(FPP)とを接触させて前記セスキテルペン炭化水素画分(II)を生成する前ステップで得ることを特徴としている。
本発明の酸化プロセスは、非常に驚くべきことに、以下の利点を提供する:
− 化合物(I−A)〜(I−C)の初期w/w比を維持しながらの、前記化合物(I−A)〜(I−C)の際立った収率、
− セスキテルペン炭化水素画分中に存在する(II−D)の量に対して、最終生成物中に存在する化合物(I−D)の量のみを減少させることが可能であり、このようにして、最終的なビャクダン油の構成要素中に存在する(Z)−α−trans−ベルガモトールが調整される。
これらは重要な利点である。なぜなら、微生物において組換え発現されたサンタレンシンターゼを用いたセスキテルペン炭化水素画分の生成において、従来技術のデータは、(−)−α−trans−ベルガモテンが、一般に、天然のビャクダン油に一般に見出される(Z)−α−trans−ベルガモトールの量を超える分量で生成されることを示しており、これは明らかに適切ではないからである。それゆえ、本プロセスは、セスキテルペン炭化水素画分製造の仕様において、より高い柔軟性を達成可能にする。
さらに、前述のように、(I−A)〜(I−C)について提供される収率は、(I−A)及び(I−B)が、酸化される可能性があることから収率を減少させる他の二重結合を有しているにも関わらず、際立っている。
本発明の更なる態様は、ビャクダン油の構成要素を調製するための出発材料としての酸化テルペン画分(I)の使用に関する。実際、天然のビャクダン油中に存在する主たる生成物は、(+)−(Z)−α−サンタロール((2S,4S,7R)−(Z)−5−(2,3−ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタ−3−イル)−2−メチルペンタ−2−エン−1オール)、(−)−(Z)−β−サンタロール((1S,2R,4R)−(2Z)−2−メチル−5−[2−メチル−3−メチレン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]ペンタ−2−エン−1−オール)、(−)−(Z)−epi−β−サンタロール((1S,2S,4R)−(2Z)−2−メチル−5−[2−メチル−3−メチレン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]ペンタ−2−エン−1−オール)、(Z)−α−trans−ベルガモトール((2S,4S,7R)−(Z)−5−(2,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン−6−イル)−2−メチルペンタ−2−エン−1−オール)であり、そのため酸化テルペン画分(I)の構成成分によって直接得ることができるすべての生成物である。
分かりやすくする意味で、「ビャクダン油の構成要素」は、以下
a)(−)−(Z)−β−サンタロール 20〜35%(w/w)、好ましくは20〜30%(w/w)、
b)(−)−(Z)−epi−β−サンタロール 1〜8%(w/w)、好ましくは2〜6%(w/w)、
c)(+)−(Z)−α−サンタロール 40〜80%(w/w)、好ましくは45〜65%(w/w)、及び
d)(Z)−α−trans−ベルガモトール 3〜25%(w/w)、好ましくは5〜20%(w/w)
を含む組成物を意味し、ここで、w/w比は、ビャクダン油の構成要素の全重量に対するものである。
本発明のプロセスの上記実施形態のいずれか1つによれば、前記ビャクダン油の構成要素は、
− 10/1から3/1、又はさらに5/1の間(例えば60%/6%から50%/10%の間)に含まれるw/w%比(+)−(Z)−α−サンタロール/(Z)−α−trans−ベルガモトール;及び/又は
− 3/1から3/2(例えば60%/30%から30%/20%の間)に含まれるw/w%比(+)−(Z)−α−サンタロール/(−)−(Z)−β−サンタロール
を特徴とする。
分かりやすくする意味で、構成成分a)〜d)の量の合計は、最大100%及び最小64%(記載された最小量によって得られる)であり、かつ全体の合計が100%より低ければ、残りの量は、他の化合物、好ましくは、他の天然テルペンに由来する化合物によって構成され得ることは、当業者には十分に理解されている。前記の様々な構成成分a)〜d)の量の変動は、天然油で観察される変動に起因しており、これは、油を生成するために使用される植物種及び成長条件(例えば天候)に依存する。
かかる組成物は、香料の一般知識により、例えば、追加の香料成分を加えることによって、ビャクダン油の再構築物の配合を立てるために使用することができるので、構成要素とみなされる。しかしながら、前記構成要素は、ビャクダン型の香調を付与するためにそのまま使用することもできると理解される。
前記酸化テルペン画分(I)のビャクダン油の構成要素への変換は、例えば、欧州特許出願公開第10213号明細書(EP 10213)及び/又は国際公開第08/120175号(WO 08/120175)に記載されているような、当該技術分野で公知の任意の適切な方法を用いて行うことができる。
後出の説明を明確にするために、さらに、酸化テルペン画分(I)は、「式R−CH2CHOの組成物」とも呼ばれ、式中、Rは、式:
Figure 0006654194
の群を表し、かつ「組成物(composition of matter)」との表記は、前記酸化テルペン画分(I)について上記したようなw/w比の4つの可能な化合物の組成物を指すことを示す。同様に、「式R−の組成物」と呼ばれる場合、これもまたR−CH2CHOについて定義されるw/w比の4つの可能な化合物の組成物を意味し、唯一の違いは、別のものに変えられる可能性のあるCH2CHO基である。
非限定的な例として、典型的には、酸化テルペン画分(I)は、以下の反応を行うことによってビャクダン油の構成要素に変換することができる:
a)式R−CH2CHOの酸化テルペン画分(I)を、プロピオンアルデヒドとカップリングして(アルドール縮合)、アルデヒドR−CH2CH=CMeCHO(III)の組成物を得ること;
b)アルデヒドR−CH2CH=CMeCHO(III)の前記組成物を、対応するジエノールR−CH=CH−CMe=CHOR1(IV)[式中、R1は、C1〜C3のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基、又はC3〜C8シリル基を表す]の組成物に変換すること;
c)ジエノールR−CH=CH−CMe=CHOR1(IV)の前記組成物を、前駆体R−CH2CH=CMe−CH2OR1(V)[式中、R1は、式(V)において定義されたとおりであり、かつ前記部分CH2CH=CMe−CH2OR1(V)は、その立体異性体のいずれか1つ又は該立体異性体の混合物の形である]の組成物に還元すること;並びに
d)前駆体R−CH2CH=CMe−CH2OR1(V)の前記組成物を、前駆体R−CH2CH=CMe−CH2OH(VI)の組成物(ビャクダン油の構成要素)に変えることであって、前記部分CH2CH=CMe−CH2OHは、その立体異性体のいずれか1つ又は該立体異性体の混合物の形である。
分かりやすくする意味で、前記組成物(V)又は(VI)についての「前記部分・・・は、その立体異性体のいずれか1つ又は該立体異性体の混合物の形である」との表記は、本文脈中では、炭素−炭素二重結合が、E若しくはZ異性体又はそれらの混合物の形であることを意味する。本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、前記化合物(I)は、E異性体とZ異性体の混合物の形であり、かつZ異性体は、前記混合物の少なくとも85%(w/w)、又はさらに少なくとも95%、又はさらに少なくとも98%を占める化合物である。
上記プロセスは、スキーム1にも記載している。
スキーム1:ビャクダン油の構成要素への酸化テルペン画分(I)の変換
Figure 0006654194
ステップa)〜e)は、当業者に周知の標準的な方法に従って行うことができる。
例として、各ステップについて以下の方法を挙げることができる:
ステップa)欧州特許出願公開第10213号明細書(EP 10213)に従う;
ステップb)Simmons et al. in Helv.Chim.Acta, 1988, 71, 1000;
ステップc)Shibasaki et al., in J.Org.Chem., 1988, 53, 1227(この箇所では、酢酸ジエノール誘導体の[1,4]水素化が報告されている)に従うか又は国際公開第08/120175号(WO 08/120175)に従う;並びに
ステップd)は、当業者に周知の単純なエステル加水分解である。
かかる手順の例を、以下の実施例に提供する。
実施例
本発明を、そのすべての実施形態において、ここでは以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、その際、略語は、当該技術分野における通常の意味を有し、温度は、摂氏温度(℃)で示され;NMRスペクトルデータは、400MHz又は125MHzの装置により、それぞれ1H又は13Cに対してCDCl3中で記録され、化学シフトδは、標準物質としてのTMSに対してppmで示され、結合定数Jは、Hzで表される。
セスキテルペン炭化水素画分(II)であって、
− 式(II−A)の化合物 約19.5%(w/w);
− 式(II−B)の化合物 約2.5%(w/w);
− 式(II−C)の化合物 約33.4%(w/w);
− 式(II−D)の化合物 約38.4%(w/w);及び
− β−(Z)−ファルネセン 約5%(w/w)
(w/w%は、セスキテルペン炭化水素画分(II)の全重量に対するものである)を含む該セスキテルペン炭化水素画分(II)を、異種メバロン酸経路からファルネシル二リン酸(FPP)を過剰生産し、かつ植物由来のテルペンシンターゼを同時発現するように操作された大腸菌(E.coli)細胞を用いて得た。大腸菌宿主細胞の遺伝子工学及び使用は、国際公開第2013064411号(WO 2013064411)又はJ. Am. Chem. Soc. 2012, 134:18900−18903に以前から記載されている。簡単に言うと、完全なメバロン酸生合成経路のための酵素をコードする遺伝子から構成される2つのオペロンを含む発現プラスミドを構築した。大腸菌アセトアセチル−CoAチオラーゼ(atoB)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)HMG−CoAシンターゼ(mvaS)、黄色ブドウ球菌HMG−CoAレダクターゼ(mvaA)及びサッカロミセス・セレビシエFPPシンターゼ(ERG20)遺伝子からなる第1の合成オペロンを、in vitro(DNA2.0,Menlo Park,CA,USA)で合成し、pACYCDuet−1ベクター(Invitrogen社)中にクローニングしてpACYC−29258を得た。メバロン酸キナーゼ(MvaK1)、ホスホメバロン酸キナーゼ(MvaK2)、メバロン酸二リン酸デカルボキシラーゼ(MvaD)及びイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ(idi)を含む第2のオペロンを、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(ATCC BAA−334)のゲノムDNAから増幅し、プラスミドpACYC−29258−4506をもたらすpACYC−29258の第2のマルチクローニングサイトにサブクローンした。したがって、このプラスミドは、アセチル−CoAからFPPに至る生合成経路のすべての酵素をコードする遺伝子を含む。大腸菌細胞(BL21 Star(商標)(DE3),Invitrogen社)を、プラスミドpACYC−29258−4506及びpETDuet−1(Invitrogen社)誘導体:ビャクダン(Santalum album)(+)−α−サンタレン/(−)−β−サンタレンシンターゼをコードするcDNAの(大腸菌での発現のための)コドン最適化バージョンを含むpETDuet−SCH10−Tps8201−opt(国際公開第2010067309号(WO2010067309)の実施例6)と同時形質転換した。得られた組換え細胞を、基本的には記載されているとおり(J. Am. Chem. Soc. 2012, 134:18900−18903)、実験室規模のバイオリアクターで流加式の高細胞密度培養を用いることによって所望のテルペン画分を生成するために使用した。セスキテルペン画分を、発酵ブロスから液体/液体抽出に基づく下流プロセス及び分留を用いて精製した。このプロセスから、>90%の純粋なセスキテルペン画分が生じる。
実施例1
酸化テルペン画分(I)の調製−オゾン分解
Figure 0006654194
500mLのオゾン化フラスコ中で、上記のセスキテルペン炭化水素画分(II)19.6g(95mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液を、−78℃で冷却した。オゾン(5.47g、1.2当量)を、−78℃で溶液に通してスパークさせた。次いで、溶液を10分間酸素でパージし、その後に15分間窒素でパージした。混合物を0℃に戻し、予め0℃に冷却した水(250mL)中での亜硫酸ナトリウム(24g、2.0当量)の溶液を添加した。混合物を、0℃で10分間及び室温で30分間撹拌した。デカンテーション後、層を分離し、水性層をEt2Oで抽出した。有機層を水で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。合一した有機層を、MgSO4上で乾燥させ、濾過した。溶媒を真空下で除去し、残渣(黄色油状物)をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液 シクロヘキサン/AcOEt)により精製して、それぞれ26/3/49/15(w/w)%の化合物(IA)/(IB)/(IC)/(ID)を含む酸化テルペン画分(I)8.9g(全体の収率53%)を得た。
(II−A)をもとに計算した化合物(I−A)の収率:71%
(II−C)をもとに計算した化合物(I−C)の収率:75%
(II−D)をもとに計算した化合物(I−D)の収率:21%
実施例2
ビャクダン油の構成要素の調製
実施例1で得られた酸化テルペン画分(I)を、スキーム1及び国際公開第08/120175(WO 08/120175)に従って変換した。
アルドールステップa):プロパナール 3モル当量、水中1.0Mのヘキサヒドロアゼピニウムベンゾエート 0.4当量、トルエン、110℃、4時間;収率=74%
ジエノールエステルステップb):Ac2O 3モル当量、Et3N 1モル当量、AcOK 0.22モル当量、120℃、4時間;収率=84%
ジエノールの還元ステップc):マレイン酸 0.16モル当量、RuCp(COD)BF4 0.01モル当量、アセトン、H2、4バール、60℃、4時間
加水分解ステップd):2CO3 1.2モル当量、MeOH、室温で1時間、収率=ステップd)及びc)にわたって68%
得られた最終的なビャクダン油の構成要素において、様々なセスキテルペンアリル型アルコールの比率は、実施例1で得られた酸化テルペン画分(I)中の対応する化合物の同じ比率に相当する。

Claims (10)

  1. 酸化テルペン画分(I)で構成される組成物であって、該酸化テルペン画分(I)は:
    − 式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,2R,4R)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパナール 15〜40%(w/w);
    − 式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,2S,4R)−2−メチル−3−メチレンビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパナール 1〜8%(w/w);
    − 式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,3R,4S)−2,3−ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン−3−イル)プロパナール 40〜60%(w/w);並びに
    − 式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の3−((1S,5S,6R)−2,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン−6−イル)プロパナール 5〜20%(w/w);
    を含み、ここで、前記w/w比は、前記酸化テルペン画分(I)の全重量に対するものである、前記組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物であって、前記組成物が、
    − 式(I−A)の化合物20〜35%(w/w);
    − 式(I−B)の化合物1〜5%(w/w);
    − 式(I−C)の化合物40〜55%(w/w);及び
    − 式(I−D)の化合物10〜20%(w/w)
    を含むことを特徴とする、前記組成物。
  3. 請求項1に記載の組成物であって、前記組成物が、
    − 4/1から2/1の間に含まれるw/w%比(I−C)/(I−D);及び/又は
    − 3/1から1/1の間に含まれるw/w%比(I−C)/(I−A)
    を含むことを特徴とする、前記組成物。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項において定義される組成物を調製する方法であって、以下の反応ステップ:
    − セスキテルペン炭化水素画分(II)であって、
    i)式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(1S,2R,4R)−2−メチル−3−メチレン−2−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン((−)−β−サンタレンとしても知られる)10〜30%(w/w);
    ii)式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(1S,2S,4R)−2−メチル−3−メチレン−2−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン((+)−epi−β−サンタレンとしても知られる)1〜6%(w/w);
    iii)式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(2S,4S,7R)−1,7−ジメチル−7−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン((+)−α−サンタレンとしても知られる)20〜50%(w/w);並びに
    iv)式
    Figure 0006654194
    [式中、太線及び細かい平行線は、絶対配置を示す]の(1S,5S,6R)−2,6−ジメチル−6−(4−メチルペンタ−3−エン−1−イル)ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン((−)−α−trans−ベルガモテンとしても知られる)20〜40%(w/w);
    を含み、ここで、前記w/w比は、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)の全重量に対するものである、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)を、
    − オゾンと還元的条件下で
    反応させるステップを含む、前記方法。
  5. 請求項に記載の方法であって、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)が、
    − 2/1から1/2の間に含まれるw/w%比(II−C)/(II−D);及び/又は
    − 3/1から1/1の間に含まれるw/w%比(II−C)/(II−A)
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  6. 請求項に記載の方法であって、前記還元的条件を、反応媒体を亜硫酸アルカリ金属塩又はC2〜6ジアルキルスルフィドで処理することによって行うことを特徴とする、前記方法。
  7. 請求項に記載の方法であって、前記セスキテルペン炭化水素画分(II)を、テルペンシンターゼとファルネシル二リン酸(FPP)とを接触させて前記セスキテルペン炭化水素画分(II)を生成する前ステップで得ることを特徴とする、前記方法。
  8. ビャクダン油の構成要素を調製するための出発物質としての、請求項1からまでのいずれか1項において定義される、酸化テルペン画分(I)の使用。
  9. 請求項に記載の使用であって、前記ビャクダン油の構成要素が、以下:
    e)(−)−(Z)−β−サンタロール20〜35%(w/w)
    )(−)−(Z)−epi−β−サンタロール1〜8%(w/w)
    )(+)−(Z)−α−サンタロール40〜80%(w/w)、及び
    )(Z)−α−trans−ベルガモトール3〜25%(w/w)、を含む組成物であることを特徴とする、前記使用。
  10. 請求項8に記載の使用であって、前記ビャクダン油の構成要素が、以下:
    e)(−)−(Z)−β−サンタロール20〜30%(w/w)、
    f)(−)−(Z)−epi−β−サンタロール2〜6%(w/w)、
    g)(+)−(Z)−α−サンタロール45〜65%(w/w)、及び
    h)(Z)−α−trans−ベルガモトール5〜20%(w/w)、を含む組成物であることを特徴とする、前記使用。
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