JP6653922B2 - 体質等の識別システム及びそれに用いるデータベースの作成方法 - Google Patents
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Description
この文献では、体質を「内熱湿」「内熱燥」「内冷湿」「内冷燥」「外熱湿」「外熱燥」「外冷湿」及び「外冷燥」の八つに分類している。
それぞれの体質については、例えば「内熱湿体質は、骨格や筋肉が発達して生まれつき丈夫な体をもつタイプが多く、肌質は黄ばみ、くすみがちでつやがなく、肌色は普通かやや浅黒い。肌トラブルは、全身の機能亢進、自律神経系の過亢進が原因で血液や水分が停滞することにより、シミ(色素沈着)、肌荒れ、くすみ、赤ら顔、クマが多い」「内熱燥体質は、皮下脂肪が比較的に多く、色白のタイプが多く、消化器系が発達しているので肥満になる傾向が強い。肌トラブルは、神経系のアンバランスにより、顔の毛細血管が拡張し、赤ら顔になったり、口の横に吹き出物ができたり、全身の機能亢進で水分不足になったりすることから、肌あれ、赤ら顔、ニキビが多い」「内冷湿体質は、やや皮下脂肪が発達したガッチリタイプが多く、肌質は黄ばみ、元来が胃腸や身体が虚弱で、冷え、倦怠感を生じやすい。肌トラブルは、自律神経過亢進で血液やリンパの循環が鈍ることにより、クマ、肌あれ、くすみが多い」等と、それぞれの体質に関係する体型や皮膚の状態を説明している。
各質問の回答は、1.まったくない、2.まれにある、3.ときどきある、4.よくある、5.いつもある、の中から選択する。
平和質は、心身ともにバランスがとれた理想的なタイプである。その他の8種の体質は、未病体質である。
気虚質は、身体の機能状態が低下し、気が虚(不足)したタイプである。
陽虚質は、陽(エネルギー)が虚(不足)して、冷えやすく寒さに弱いタイプである。
陰虚質は、口や喉が渇く、のぼせる、イライラしやすいタイプである。
痰湿質は、代謝産物がたまりやすいタイプである。
湿熱質は、湿邪と熱邪が体内に籠り、排出機能が不十分なタイプである。
血お質は、血の流れが悪く、シミができやすいタイプである。
気鬱質は、気分が沈みがちなタイプである。
特稟質は、環境要素など外部刺激に反応しやすい過敏タイプである。
なお、非特許文献1では、CCMQの各質問間の相関について検討している。
この調査では、被験者の体質をCCMQの回答結果に基づいて特定するとともに、被験者の肌の状態をVISIA(皮膚計測機)による分析や、バウマン・スキンタイプに分類付けするためのアンケート調査を通じて特定し、CCMQ体質と肌状態との相関を統計学的に解析した。
バウマン・スキンタイプは、肌の状態を、脂性肌/乾燥肌、敏感肌/耐性肌、色素性肌(赤いシミや茶色の斑点ができやすい)/非色素性肌、シワ肌/ハリ肌を組合せた16のタイプに分ける分類法である。
脂性肌/乾燥肌の関係を表すスコア(脂性肌の程度が高いほど値が大きく、乾燥肌の程度が高いほど値が小さい)は、湿熱質及び痰湿質の体質と正の相関があり、湿熱質及び痰湿質の程度が進むほど、より脂性肌になる。また、血お質及び気鬱質の体質とは負の相関があり、血お質及び気鬱質の程度が進むほど、より乾性肌になる。
耐性肌/敏感肌の関係を表すスコアは、平和質の体質と正の相関があり、平和質の程度が進むほど、より耐性肌になる。その他の8つの体質とは負の相関があり、その程度が進むほど、より敏感肌になる。
色素性肌/非色素性肌の関係を表すスコアは、血お質、痰湿質、湿熱質及び気鬱質の体質と正の相関があり、血お質、痰湿質、湿熱質及び気鬱質の体質の程度が進むほど、より色素性肌になる。平和質の体質とは負の相関があり、平和質の体質の程度が進むほど、より非色素性肌になる。
シワ肌/ハリ肌の関係を表すスコアは、血お質、気虚質、陰虚質及び特稟質の体質と正の相関があり、血お質、気虚質、陰虚質及び特稟質の程度が進むほど、よりシワ肌になる。
肌のキメに関しては、痰湿質及び湿熱質の体質では粗い肌のきめを持ち、陽虚質及び血お質の体質では平坦な肌のきめを持つ。
毛穴に関しては、痰湿質や湿熱質の体質では、大きな毛穴をもつ傾向にあり、血お質や陽虚質の体質では良好な毛穴を持つ傾向にある。
UVスポットに関しては、陰虚質の体質ではUVスポットが出来やすく、血お質体質では、UVスポットができにくい傾向にある。
褐色斑点に関しては、平和質、気虚質、血お質、気鬱質、陰虚質及び痰湿質の体質では、茶色の斑点を有する傾向があり、陽虚質では茶色の斑点が少ない傾向にある。
赤いシミに関しては、湿熱質及び陰虚質の体質では、赤いシミの赤みが多い傾向があり、陽虚質の体質では赤いシミの赤みが少ない傾向がある。
ニキビ痕にシミを発生させるポルフィリンに関しては、湿熱質の体質では、ポルフィリンの含量が高く、平和質、陽虚質、血お質及び気鬱質の体質では、ポルフィリン含量が低い傾向にある。
こうした相関関係に基づいて、肌の状態から体質を予測したり、体質から肌の状態を予測したりすることが可能である。
また、本発明は、被験者の体質及び肌の性質を識別する識別システムであって、被験者の体型データを得るために被験者が装着する採寸用ボディ―スーツと、前記体型データとの相関係数が所定値を超える体質の情報及び肌の性質の情報が前記体型データと対応付けて蓄積されているデータベースと、前記採寸用ボディ―スーツから得られた被験者の体型データと前記データベースに蓄積された蓄積データとを比較し、被験者の前記体型データに相関を有する体質及び肌の性質を識別する識別部と、を備え、前記データベースには、複数の対象者の体質をアンケート調査の調査結果に基づいて評価し数値化した体質データと前記複数の対象者に前記採寸用ボディ―スーツを装着させて得た体型データとの相関係数が所定値を超える前記体質データの情報、及び、前記複数の対象者の肌の状態を肌の測定結果又はアンケート調査の調査結果に基づいて評価し数値化した肌データと前記複数の対象者の前記体型データとの相関係数が所定値を超える前記肌データの情報が、前記体型データと対応付けて記録されている。
この識別システムでは、被験者が採寸用ボディ―スーツを装着するだけで被験者の体型データが採寸され、その体型データに対応する体質や肌の性質が識別される。
また、本発明の識別システムでは、さらに、前記採寸用ボディ―スーツにより測定された被験者の体型データを読み取り、その体型データを無線送信する読取装置と、前記読取装置から送信された体型データを受信して前記識別部に送る体型寸法受信部とを備える。
被験者は、読取装置で読み取った体型データを遠隔地から送ることができる。
被験者は、表示部の表示を見て、体質改善や肌の改善を図ることができる。
を備える。
これらの方法では、対象者の体型データが簡単に取得できるため、データベースの作成時間が短縮できる。
このシステムは、被験者の体型データから被験者の体質や肌の状態を識別する識別装置10と、この識別に使用される情報が蓄積されたデータベース20と、データベース20に蓄積する情報を作成する蓄積情報作成装置21とを備えている。
蓄積情報作成装置21は、複数の対象者の体型データと体質の情報と肌の情報とからデータベース20に蓄積する情報を作成する。
対象者の体質は、対象者がCCMQ301に記入した回答に基づいて決定される。対象者の肌の状態は、対象者の肌を皮膚計測機302で計測した結果やバウマン・スキンタイプに分類付けするためのアンケート調査の結果に基づいて決定される。
採寸用ボディースーツ304は、その一例が前記特許文献2に記載されている。このボディースーツは、図2に示すように、多数の布状センサ52a〜52iがトップス53及びボトムス54の各所に取り付けられている。布状センサは、図3(a)(平面図)、図3(b)(側面図)に示すように、布状絶縁体57と、それを挟む布状電極55、56とで構成され、伸び縮みが可能であって、その伸び縮みにより布状電極55、56間の電気容量が変化する。逆に、その変化を検出すれば布状センサ52a〜52iの長さの変化が分かる。
読取装置303は、対象者の体型データとして、例えば、バスト、二の腕、ウエスト、ヒップ、太もも、ふくらはぎ、足首、肩幅、骨盤等の寸法を蓄積情報作成装置21に送信する。
相関係数は、+1から−1までの値を持つ。相関係数の算出方法は広く知られており、非特許文献1にも記載されている。
相関関係算出部213は、体型データとの相関係数が所定値(例えば、0.7)を超える体質データの情報、及び、体型データとの相関係数が所定値を超える肌データの情報を体型データと対応付けてデータベース20に格納する。
複数の対象者の体質を判定し(ステップ1)、同一対象者の肌状態を評価し(ステップ2)、採寸用ボディースーツを用いて同一対象者の体型データを取得する(ステップ3)。
ステップ1〜ステップ3で得られた情報を用いて、体型データと、体質を数値化した体質データとの相関係数を算出し(ステップ4)、相関係数が閾値(例えば、0.7)を超える体質データの情報を、体型データと対応付けてデータベースに記録する(ステップ5)。
また、ステップ1〜ステップ3で得られた情報を用いて、体型データと、肌状態を数値化した肌データとの相関係数を算出し(ステップ6)、相関係数が閾値(例えば、0.7)を超える肌データの情報を、体型データと対応付けてデータベースに記録する(ステップ7)。
このとき、体質及び肌の改善を指導する情報をデータベース20に格納しておき、体質及び肌の情報と合わせて表示するようにしても良い。
また、被験者は、遠隔地から識別装置10に体型データを送信し、体質や肌の状態を知ることもできる。
また、このシステムのデータベースに格納する情報の作成も、採寸用ボディースーツを使用することで作成時間を短縮できる。
20 データベース
21 蓄積情報作成装置
52 布状センサ
53 トップス
54 ボトムス
55 布状電極
56 布状電極
57 布状絶縁体
101 体質/肌状態識別部
102 体型データ受信部
103 表示部
211 データ入力部
212 データ蓄積部
213 相関関係算出部
301 CCMQ
302 皮膚計測機
303 体型データ読取装置
304 採寸用ボディースーツ
401 体型データ読取装置
402 採寸用ボディースーツ
Claims (5)
- 被験者の肌の性質を識別する識別システムであって、
被験者の体型データを得るために被験者が装着する採寸用ボディ―スーツと、
前記体型データとの相関係数が所定値を超える肌の性質の情報が前記体型データと対応付けて蓄積されているデータベースと、
前記採寸用ボディ―スーツから得られた被験者の体型データと前記データベースに蓄積された蓄積データとを比較し、被験者の前記体型データに相関を有する肌の性質を識別する識別部と、
を備え、
前記データベースには、
複数の対象者の肌の状態を肌の測定結果又はアンケート調査の調査結果に基づいて評価し数値化した肌データと前記複数の対象者に前記採寸用ボディ―スーツを装着させて得た体型データとの相関係数が所定値を超える前記肌データの情報が、前記体型データと対応付けて記録されている、
識別システム。 - 被験者の体質及び肌の性質を識別する識別システムであって、
被験者の体型データを得るために被験者が装着する採寸用ボディ―スーツと、
前記体型データとの相関係数が所定値を超える体質の情報及び肌の性質の情報が前記体型データと対応付けて蓄積されているデータベースと、
前記採寸用ボディ―スーツから得られた被験者の体型データと前記データベースに蓄積された蓄積データとを比較し、被験者の前記体型データに相関を有する体質及び肌の性質を識別する識別部と、
を備え、
前記データベースには、
複数の対象者の体質をアンケート調査の調査結果に基づいて評価し数値化した体質データと前記複数の対象者に前記採寸用ボディ―スーツを装着させて得た体型データとの相関係数が所定値を超える前記体質データの情報、及び、前記複数の対象者の肌の状態を肌の測定結果又はアンケート調査の調査結果に基づいて評価し数値化した肌データと前記複数の対象者の前記体型データとの相関係数が所定値を超える前記肌データの情報が、前記体型データと対応付けて記録されている、
識別システム。 - 請求項1又は2に記載の識別システムであって、さらに、
前記採寸用ボディ―スーツにより測定された被験者の前記体型データを読み取り、該体型データを無線送信する読取装置と、
前記読取装置から送信された前記体型データを受信して前記識別部に送る体型寸法受信部と、
を備える識別システム。 - 請求項2に記載の識別システムであって、さらに、
前記識別部で識別された前記体質及び肌の性質が表示される表示部を有し、前記表示部に、前記体質及び肌の性質の改善に資するコメントが併せて表示される識別システム。 - 請求項1に記載の識別システムで用いるデータベースの作成方法であって、
複数の対象者の肌の性質を、肌の測定結果又はアンケート調査の調査結果に基づいて評価する肌状態評価ステップと、
前記複数の対象者の体型データを得るために、各々の前記対象者に採寸用ボディ―スーツを装着させ、各々の前記対象者の体型データを取得する体型データ取得ステップと、
前記体型データ取得ステップで得られた前記複数の対象者の体型データと前記肌状態評価ステップで評価された前記複数の対象者の肌の状態を数値化した肌データとの相関係数を算出する肌相関算出ステップと、
前記体型データとの相関係数が所定値を超える前記肌データの情報を前記体型データと対応付けて前記データベースに記録するデータベース作成ステップと、
を備えるデータベースの作成方法。
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