JP6651897B2 - 水滴除去機構とこれを備えた車載カメラ - Google Patents
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このような車両用後方撮像装置に付着した水滴を除去するために、従来、特許文献1に記載された車載カメラ装置及び車載カメラの清浄方法が提案されている。
この特許文献1に記載された従来例は、降雨時に車両後方の車載カメラに向けて電動式の圧縮空気発生ユニットから供給される圧縮空気をノズルから噴射することにより、水滴を取り除くようにしている。
そこで、本発明は、上記従来例の課題に着目してなされたものであり、配線をすることなく、かつ電力を消費せずに水滴を除去することができる水滴除去機構とこれを備えた車載カメラを提供することを目的としている。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の第1の実施形態である水滴除去機構とこれを備えた車載カメラは、図1に示すように、車両の後部のトランクリッドやリアハッチに装着される後方撮像装置としてのバックモニタカメラ10のレンズ表面13に加圧空気を噴射して水滴を除去する加圧空気噴射部20を備えている。
加圧空気噴射部20は、車両の上下方向に延長する円筒状の収納容器21を有する。この収納容器21内には、車両の走行時の上下方向の振動に応じて上下に移動する重錘22と、この重錘22の下側に配置されて重錘22の上下動によって容積が変化する容積変化部としてのポンプ23とが配置されている。
ポンプ23の排出口23dには、先端にバックモニタカメラ10のレンズ12に対して側面から加圧空気を噴射する小径の噴射ノズル24を形成した可撓性パイプ25が接続されている。この噴射ノズル24は、バックモニタカメラ10を支持する取付板11の先端に固定されている。噴射ノズル24は、レンズ12のレンズ表面13全域をカバーして加圧空気を噴射できるように幅方向に偏平な開口部を形成することが好ましい。
車両が走行により振動していない状態では、図1に示すように、重錘22がポンプ23の上蓋部23bの上面に静止して載置されており、ポンプ23も静止状態を保つ。よって噴射ノズル24から加圧空気が噴射されることはない。
この車両の停車状態から車両が走行を開始し、車体が上下方向に振動する状態となると、この車体の振動によって重錘22が上下動する。このとき、重錘22が下方に落下するときの衝突荷重でポンプ23が収縮する。これにより、ポンプ23内の空気が排出口23dから可撓性パイプ25を介して噴射ノズル24に送られ、この噴射ノズル24から加圧空気としてバックモニタカメラ10のレンズ12に向けて側面から噴射される。
このように、第1の実施形態によると、バックモニタカメラ10のレンズ12に付着した水滴等の付着物を除去する加圧空気を車体の上下方向の振動を利用して生成することかできる。このため、加圧空気噴射部20で電力を消費することがないので、電気的配線が必要になることもなく、消費電力の増加を生じることもない。
次に、本発明の第2の実施形態について図2〜図4を参照して説明する。
すなわち、第2の実施形態では、図2に示すように、前述した第1の実施形態における加圧空気噴射部20が重錘22及びポンプ23間に重錘22の移動による衝突荷重を弾性エネルギーに変換して蓄積し、蓄積した弾性エネルギーが所定量に達したときにポンプ23に放出する弾性エネルギー蓄積部30を備えている。
この弾性エネルギー蓄積部30は、図3に示すように、軸方向移動シリンダ31と、押出棒32と、弾性エネルギー蓄積シリンダ33とを備えている。
押出棒32は、円柱体であり、軸方向移動シリンダ31の円筒体31bの下端側内に上下に移動自在に配置されている。この押出棒32の上端側の外周面には、軸方向移動シリンダ31の円筒体31bに形成された長孔31dを通じて円筒体31bの外周面から突出する第2係合突起32aが形成されている。そして、押出棒32の外周面の第2係合突起32aの上部には、下端が軸方向移動シリンダ31の下端側に固定された引張コイルばね35の上端が固定されている。
第1カム部33cは、図4(a)に示すように、円周面を60度間隔で6分割した各領域において時計方向端部から反時計方向端部までの間に軸方向高さが徐々に短くなる鋸歯状の第1傾斜カム面C11、第2傾斜カム面C12及び第3傾斜カム面C13が2組形成されている。
第1平坦カム面C21は、図5(a)に示すように、係合突起31cの反時計方向端面が例えば第1傾斜カム面C11の時計方向端部すなわち上端側に係合している状態で、第2係合突起32aが係合する軸方向高さが一番低い平坦面として形成されている。
第1傾斜カム面C22は、第5図(b)に示すように、第1平坦カム面C21の反時計方向端面から反時計方向に行くにしたがい軸方向高さが徐々に高くなり、第1係合突起31cが傾斜カム面C11の反時計方向端部に係合する前に最大高さとなる傾斜カム面として形成されている。
第2平坦カム面C24は、図5(d)に示すように、第2傾斜カム面C23の第1平坦カム面C21より軸方向で高い位置となる反時計方向端部から平坦となる平坦カム面として形成されている。この第2平坦カム面C24には、第1係合突起31cの反時計方向端面が傾斜カム面C12の上端に係合している状態で、第2係合突起32aが係合する。
第4傾斜カム面C26は、図5(f)に示すように、第3傾斜カム面C25の反時計方向端部から第1平坦カム面C21の時計方向端部まで急峻に高さが低くなる傾斜カム面とされている。この第4傾斜カム面C26には、第1係合突起31cの反時計方向端面が傾斜カム面C23の反時計方向端部に係合しているときに第2係合突起32aの反時計方向端面が上端側に係合する。
したがって、弾性エネルギー蓄積シリンダ33が軸方向移動シリンダ31の軸方向移動とシリンダ第1係合突起31c及び第1カム部33cの係合関係と、第2係合突起32a及び第2カム部33dの係合関係によって弾性エネルギー蓄積シリンダ33の軸方向上方から見て時計方向に順次回動する。
初期状態では、例えば図5(a)に示すように、軸方向移動シリンダ31が重錘22を上端に載置した状態で、コイルばね34が自由長となっている。この初期状態では、軸方向移動シリンダ31の第1係合突起31cの反時計方向端面が弾性エネルギー蓄積シリンダ33の第1カム部33cの第1傾斜カム面C11の上端側に係合している。これと同時に、押出棒32の第2係合突起32aの反時計方向端面が弾性エネルギー蓄積シリンダ33の第2カム部33dの第1平坦カム面C21に係合している。このため、軸方向移動シリンダ31の上端が弾性エネルギー蓄積シリンダ33の上端から上方に突出しているとともに、押出棒32が弾性エネルギー蓄積シリンダ33の下端から下方に突出している。このため、押出棒32によってポンプ23が圧縮された状態となっている。
次いで、車体の振動によって重錘22が再度軸方向移動シリンダ31から上方に離間して上昇すると、軸方向移動シリンダ31がコイルばね34の弾性エネルギーによって、図5(c)に示すように、上方に移動する。そして、第1係合突起31cの時計方向端面が第1カム部33cの第2傾斜カム面C12の上端を超えると、弾性エネルギー蓄積シリンダ33の時計方向への規制が解除される。
この状態で、重錘22が下降して、この重錘22の衝突荷重によって、軸方向移動シリンダ31が、図5(e)に示すように、下降する。これによって、弾性エネルギー蓄積シリンダ33が時計方向に回動して、第2係合突起32aが第3傾斜カム面C25を通り越して第4傾斜カム面C26の上端に係合する状態となる。この状態では、押出棒32が一番上昇した位置となり、引張コイルばね35が最大に伸長される。
このため、ポンプ23の容積が一気に小さくなり、ポンプ23内に蓄積されている空気が噴射ノズル24から高圧の加圧空気として一気にバックモニタカメラ10のレンズ表面13に向けて噴射される。このため、バックモニタカメラ10のレンズ表面13に付着した雨滴や、撥ね上げられた泥等の付着物を吹き飛ばすことができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、コイルばね34を適用し、引張ばねとして引張コイルばね35を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、竹の子ばねや他の種類のばねやゴム等の弾性体を適用することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態では、弾性エネルギー蓄積シリンダ33に形成した第1カム部33c及び第2カム部33dのカム面を円周方向に2組設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、軸方向移動シリンダ31及び押出棒32の軸方向の移動量を確保できれば、第1カム部33c及び第2カム部33dを1組又は3組以上のカム面で構成することもできる。
また、上記第1及び第2の実施形態では、本発明に係る水滴除去機構とこれを備えた車載カメラを後方撮像装置としてのバックモニタカメラ10に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両のサイドミラーに搭載する後方撮像装置にも本発明を適用することができる。
Claims (4)
- レンズを有する後方撮像装置の該レンズ表面に加圧空気を噴射する加圧空気噴射部を備え、
前記加圧空気噴射部は、車両走行時に車両の振動により上下動する重錘と、該重錘の上下動によって容積変化を生じる容積変化部と、該容積変化部に連通し、前記後方撮像装置のレンズ表面に加圧空気を噴射する噴射ノズルとを備えていることを特徴とする水滴除去機構。 - 前記容積変化部は、蛇腹状胴部を有するポンプで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の水滴除去機構。
- 前記加圧空気噴射部は、前記重錘の上下の移動を弾性エネルギーとして蓄積し、蓄積した前記弾性エネルギーが所定量に達したときに前記容積変化部に放出する弾性エネルギー蓄積部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水滴除去機構。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水滴除去機構を備えた車載カメラ。
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