JP6648994B2 - 複合粒子体および焼成体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合粒子体および焼成体の製造方法に関し、該複合粒子を含有する構成部材の低熱伝導率化を図る上で好適な複合粒子に関する。
断熱材や膜等に充填されるフィラーとして、特許文献1〜3に記載された組成物や中空粒子等がある。
特許文献1には、熱伝導率の低い多孔質オルガノポリシロキサン硬化物を形成することができる硬化性オルガノポリシロキサン組成物が記載されている。
特許文献2には、低熱伝導率の中空粒子を用いた塗料を使用して、低熱伝導率の膜を形成することが記載されている。
特許文献3には、静電相互作用で母材粒子表面に添加物粒子を吸着させることで、ナノコートされた複合粒子を製造し、さらに、これを用いて通常の粉末冶金プロセスを経由して、複合材料を製造することが記載されている。
特開2010−155946号公報 特開2004−10903号公報 特開2010−64945号公報
特許文献1及び2に記載の技術では、低熱伝導率化が不十分であった。特許文献3に記載の技術では、粉末冶金での複合材料の作製を意図しているため、母材粒子に粒径がnmオーダーの微粒子をコーティングすることを念頭においている。そのため、母材粒子間の距離が短くなり、また、焼結した際に気孔も形成されにくく、形成されても少量のため、この場合も、低熱伝導率化が不十分である。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、低熱伝導率化を図ることができる複合粒子体および焼成体の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係る複合粒子は、複数の複合粒子を含む複合粒子体であって、前記複数の複合粒子がそれぞれ、前記複合粒子の核となる粒子であって、金属酸化物を含み、かつ気孔率が20〜99%の核粒子と、前記核粒子の外周に配置され、セラミックス、ガラス、及び樹脂の少なくとも一種を含み、焼成によって、複数の前記核粒子を互いに接着すると共に、前記複数の核粒子の間に複数の気孔を形成する、複数の接着剤粒子とを有し、前記核粒子の粒径が前記接着剤粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする。
[2] 本発明において、前記核粒子の粒径が前記接着剤粒子の粒径の2倍以上であることが好ましい。
[3] 本発明において、前記核粒子の構成材料と前記接着剤粒子の構成材料が異なることが好ましい。
[4] 本発明において、前記核粒子が中空構造であってもよい。

[5] 本発明において、前記核粒子が多孔質構造であってもよい。
[6] 本発明において、前記核粒子の外形形状がアスペクト比3以上の板状であってもよい。
[7] 本発明において、前記核粒子は、最小長が0.5〜50μmの板状であってもよい。
[8]本発明に係る焼成体の製造方法は、金属酸化物を含み、かつ気孔率が20〜99%の核粒子と、前記核粒子の外周に配置され、セラミックス、ガラス、及び樹脂の少なくとも一種を含む複数の接着剤粒子と、をそれぞれ有する複数の複合粒子、を含む複合粒子体を準備する工程と、前記複合粒子体を焼成して、前記接着剤粒子を軟化させ、前記軟化した接着剤粒子を介して前記複数の核粒子が接続されると共に、前記複数の核粒子の間に気孔が形成される工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る複合粒子体および焼成体の製造方法によれば、低熱伝導率化を図ることができる。その結果、複合粒子を用いた各種構成材料の量や厚みを低減することができる。
また、以下の効果も実現することができる。
(a) 構成材料の小型化、軽量化を図ることができる。
(b) 構成材料のコストを低減することができる。
(c) 構成材料と異種材との接合の際に発生する熱応力を低減することができる。
(d) 構成材料の設置空間の省スペース化を図ることができる。
図1Aは第1の実施の形態に係る複合粒子(第1複合粒子)の一例を模式的に示す断面図であり、図1Bは第1バルク前駆体の一例を模式的に示す断面図である。 図2Aは第2の実施の形態に係る複合粒子(第2複合粒子)の一例を模式的に示す斜視図であり、図2Bは第2複合粒子の一例を模式的に示す断面図である。 第2バルク前駆体の一例を模式的に示す断面図である。 第2複合粒子を構成する核粒子のアスペクトの一例を示す説明図である。 比較例に係るバルク体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る複合粒子体および焼成体の製造方法の実施の形態例を図1A〜図5を参照しながら説明する。なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
先ず、第1の実施の形態に係る複合粒子(以下、第1複合粒子10Aと記す)は、例えば図1Aに示すように、第1複合粒子10Aの核となる粒子(以下、核粒子12と記す)と、核粒子12の外周に接触して配置された接着剤成分を有する1個以上の粒子(以下、接着剤粒子14と記す)とを有する。図1Aの例では、代表的に球状の核粒子12の周囲に球状の接着剤粒子14を配置した例を示す。
そして、複数の第1複合粒子10Aを用いて成形、焼成することで、図示しない1つの第1バルク体が構成される。図1Bは、複数の第1複合粒子10Aを集積した状態、すなわち、第1バルク前駆体16Aを示す。この第1バルク前駆体16Aを焼成することで、接着剤粒子14が軟化し、接着剤粒子14同士が接触している部分18を介して第1複合粒子10A同士が接着されて第1バルク体が構成される。
核粒子12は、気孔率が20〜99%で、熱伝導率が低いことが好ましい。核粒子12の熱伝導率としては、1W/mK以下が好ましく、さらに好ましくは0.7W/mK以下である。
核粒子12の粒径は接着剤粒子14の粒径よりも大きいことが好ましく、さらに好ましくは、接着剤粒子14の粒径の2倍以上である。
核粒子12は、中空構造、多孔質構造のいずれであってもよい。
ここで、中空構造とは、内部が中空であって、外殻部分が緻密あるいは多孔質である状態をいう。外殻部分が多孔質とは、外殻部分が緻密でも中空でもない状態をいい、複数の気孔又は粒子で構成された状態をいう。なお、緻密とは、複数の微粒子が隙間なく結合した状態であって、気孔を有しない。
特に、核粒子12が多孔質構造の場合、気孔径が10〜500nmの気孔を有することが好ましい。気孔とは、閉気孔、開気孔の少なくとも1つのことであり、両方を含んでもよい。また、気孔の形状、すなわち、開口の面形状としては、正方形、四角形、三角形、六角形、円形等、不定形のいずれの形状であってもよい。
また、核粒子12が多孔質構造の場合、粒径が1nm〜10μmである微粒子を含んで構成されていることが好ましい。微粒子とは、一つの結晶粒からなる粒子(単結晶粒子)であってもよいし、多数の結晶粒からなる粒子(多結晶粒子)であってもよい。つまり、核粒子12がこの範囲の粒径の微粒子の集まりであることが好ましい。
微粒子の粒径は、核粒子12の骨格を構成する粒子群のうちの1つの微粒子の大きさ(球状であれば直径、そうでなければ最大径)を、電子顕微鏡観察の画像から計測したものである。微粒子の粒径は、より好ましくは1nm〜5μmであり、さらに好ましくは50nm〜1μmである。このような範囲の粒径の微粒子で構成された核粒子12は、熱伝導の主因である格子振動(フォノン)の発生が阻害されるため、低熱伝導率を図る上で有効となる。
一方、接着剤粒子14は、緻密、中空、多孔質どれでもよく、接着剤成分自体の熱伝導率が高い。そのため、熱伝導率は核粒子12よりも高い。
接着剤粒子14の核粒子12への付着状態は、化学吸着もしくは物理吸着で付着していることが好ましい。具体的には、ファンデルワールス力や静電引力による付着、イオン結合や共有結合による付着、アンカー効果や中間層を介しての付着、磁力による付着等がある。より好ましくは静電引力による付着がよい。
この場合、接着剤粒子14は、核粒子12の外周に1つの層を形作るように配置してもよいし(図1A参照)、複数の層を形作るように配置してもよい。もちろん、接着剤粒子14は、核粒子12の外周全てを覆っていなくてもよい。
核粒子12の構成材料と接着剤粒子14の構成材料が異なることが好ましい。
核粒子12の例としては、金属酸化物を含むことが好ましく、金属酸化物のみからなることがさらに好ましい。金属酸化物を含むと、金属の非酸化物(例えば、炭化物や窒化物)に比べて金属と酸素の間のイオン結合性が強いために熱伝導率が低くなりやすいためである。
金属酸化物がZr、Y、Al、Si、Ti、Nb、Sr、La、Hf、Ce、Gd、Sm、Mn、Yb、Er、及びTaからなる群から選ばれる1の元素の酸化物あるいは2以上の元素の複合酸化物であることが好ましい。金属酸化物がこれらの元素の酸化物、複合酸化物であると、格子振動(フォノン)による熱伝導が起こりにくくなるためである。
具体的な材料としては、ZrO2−Y23にGd23、Yb23、Er23等を添加したものが挙げられる。さらに具体的には、ZrO2−HfO2−Y23、ZrO2−Y23−La23、ZrO2−HfO2−Y23−La23、HfO2−Y23、CeO2−Y23、Gd2Zr27、Sm2Zr27、LaMnAl1119、YTa39、Y0.7La0.3Ta39、Y1.08Ta2.76Zr0.249、Y2Ti27、LaTa39、Yb2Si27、Y2Si27等が挙げられる。
接着剤粒子14としては、熱を加えた際に溶融する物質であれば何でもよい。この場合、セラミックス、ガラス、及び樹脂の少なくとも一種を含むことが好ましい。より具体的には、例えばシリカ、アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、窒化けい素、酸窒化けい素、炭化けい素、酸炭化けい素、カルシウムシリケート、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノシリケート、リン酸アルミニウム、アルミノシリケート、カリウムアルミノシリケート、ガラス等を挙げることができる。これらは熱伝導率の観点から非晶質であることが好ましい。材料が樹脂の場合は、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂等を挙げることができる。
第1複合粒子10Aによれば、第1複合粒子10Aを使用して成形、焼成することで、第1バルク体とした場合に、図1Bに示す第1バルク前駆体16Aにおいて接着剤粒子14で囲まれた領域20(核粒子12を除く)が気孔となり、熱伝導率が高い接着剤のみの領域を少なくすることが可能となる。すなわち、第1バルク体は、全体として、熱伝導率が低い核粒子12と、同じく熱伝導率が低い気孔とが組み合わされた構成となるため、熱伝導率の低い物体となる。第1バルク前駆体16Aの段階で接着剤粒子14で囲まれた領域20が多いほど、第1バルク体とした場合に、熱伝導率をより低下させることができる。その結果、複合粒子を用いた各種構成材料の量や厚みを低減することができ、熱容量を小さくすることができる。
また、以下の効果も実現することができる。
(a) 構成材料の小型化、軽量化を図ることができる。
(b) 構成材料のコストを低減することができる。
(c) 構成材料と異種材との接合の際に発生する熱応力を低減することができる。
(d) 構成材料の設置空間の省スペース化を図ることができる。
次に、第2の実施の形態に係る複合粒子(以下、第2複合粒子10Bと記す)は、例えば図2A及び図2Bに示すように、上述した第1複合粒子10Aと同様の構成を有するが、核粒子12が板状である点で異なる。図2A及び図2Bの例では、代表的に平板状(平らで湾曲していない板状)の核粒子12の周囲に球形の接着剤粒子14を配置した例を示す。また、図3は、複数の第2複合粒子10Bを集積して1つの第2バルク前駆体16Bを構成した状態を示す。そして、この第2バルク前駆体16Bを焼成することで、接着剤粒子14が軟化し、接着剤粒子14同士が接触している部分18を介して第2複合粒子10B同士が接着されて図示しない第2バルク体が構成される。
第2複合粒子10Bにおける核粒子12のアスペクト比は3以上であることが好ましい。この場合、アスペクト比は、例えば図4に示すように、最大長La/最小長Lbをいう。ここで、最大長Laとは、核粒子12を構成する複数の面のうち、最も広い面における最大長をいう。広い面が正方形、長方形、台形、平行四辺形、多角形(五角形、六角形等)であれば、最も長い対角線の長さが該当し、円形であれば直径が該当し、楕円であれば、長軸の長さが該当する。一方、最小長Lbとは、核粒子12の厚みのうち、最も薄い部分の厚みをいう。
アスペクト比は、大きければ大きいほど、第2バルク体を形成した際に、伝熱経路が屈折して長くなり、第2バルク体の熱伝導率が低くなる。しかしながら、アスペクト比が大きすぎると、製造上の取扱いが困難となり、歩留まりが悪くなることがある。例えば、アスペクト比を大きくするために最小長Lbを短くすると、強度を十分なものとすることができなくなることがある。一方、最大長Laを長くすると、核粒子12が大きくなり、破損することがある。このため、アスペクト比は、より好ましくは3以上50以下、さらに好ましくは3.5以上40以下、最も好ましくは4以上30以下である。
核粒子12は、平板状であることが好ましいが、平板状のみならず、湾曲した板状のものや、厚み(最小長)が一定ではない板状のものも含まれる。また、繊維状、針状、塊状等の形状でもよい。また、板状の面形状は、正方形状、四角形状、三角形状、六角形状、円形状等、様々な形状が挙げられる。すなわち、板状であれば、どのような面形状であってもよい。
この第2複合粒子10Bにおいても、第2複合粒子10Bを使用して成形、焼成することで、第2バルク体とした場合に、図3に示す第2バルク前駆体16Bにおいて、接着剤粒子14で囲まれた領域20(核粒子12を除く)が気孔となり、熱伝導率が高い接着剤のみの領域を少なくすることが可能となる。従って、第2バルク体においても、全体として、熱伝導率が低い核粒子12と、同じく熱伝導率が低い気孔とが組み合わされた構成となるため、熱伝導率の低い物体となる。
実施例1〜7に係る複合粒子(この例では、第1複合粒子10A)、並びに比較例1に係る粒子を使用してそれぞれバルク体を構成した場合の各バルク体の熱伝導率を確認した。
(実施例1)
複合粒子として、気孔率が90%、粒径が50μmの中空構造の核粒子12と、粒径が2.0μmの接着剤粒子14を用いた。複合粒子及び水を含むスラリーを調製した後、直径20mmの型に流し込み、乾燥後、焼成、固化して実施例1に係るバルク体を作製した。
(実施例2)
複合粒子として、気孔率が60%、粒径が50μmの多孔質構造の核粒子12と、粒径が2.0μmの接着剤粒子14を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例2に係るバルク体を作製した。
(実施例3)
複合粒子として、気孔率が30%、粒径が50μmの多孔質構造の核粒子12と、粒径が2.0μmの接着剤粒子14を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例3に係るバルク体を作製した。
(実施例4)
複合粒子として、気孔率が60%、粒径が5μmの多孔質構造の核粒子12と、粒径が2.0μmの接着剤粒子14を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例4に係るバルク体を作製した。
(実施例5)
複合粒子として、気孔率が60%、粒径が500μmの多孔質構造の核粒子12と、粒径が2.0μmの接着剤粒子14を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例5に係るバルク体を作製した。
(実施例6)
複合粒子として、気孔率が60%、粒径が50μmの多孔質構造の核粒子12と、粒径が20.0μmの接着剤粒子14を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例6に係るバルク体を作製した。
(実施例7)
複合粒子として、気孔率が60%、粒径が50μmの多孔質構造の核粒子12と、粒径が0.5μmの接着剤粒子14を用いた点以外は、実施例1と同様にして実施例7に係るバルク体を作製した。
(比較例1)
気孔率が90%、粒径が50μmの中空構造の核粒子12と、ポリスチレン樹脂微粒子及び水を含むスラリーを調製した後、直径20mmの型に流し込み、乾燥後、焼成、固化して比較例1に係るバルク体を作製した。
<核粒子12>
〔中空構造の場合〕
中空構造の核粒子12として、ポッターズ・バロティーニ株式会社製の中空粒子Sphericel 25P45を用いた。
〔多孔質構造の場合〕
先ず、イットリア部分安定化ジルコニア粉末に、造孔材(ラテックス粒子あるいはメラミン樹脂粒子)、バインダーとしてのポリビニルブチラール樹脂(PVB)、可塑剤としてのDOP(フタル酸ジオクチル)、溶剤としてのキシレン及び1−ブタノールを加え、ボールミルにて30時間混合し、グリーンシート成形用スラリーを調製した。このスラリーに、真空脱泡処理を施すことにより、粘度を4000cpsに調整した後、ドクターブレード装置によって焼成後の厚さが10μmとなるようにグリーンシートを形成、この成形体を1100℃、1時間にて焼成、粉砕することで、多孔質の核粒子12を得た。
<接着剤粒子14の配置方法>
核粒子12に対して、静電吸着法を用いて外周部に接着剤粒子14を配置した。これは、中空構造の核粒子12、多孔質構造の核粒子12共に同じ方法である。接着剤粒子14としては、ポリスチレン樹脂微粒子を用いた。
カチオン性高分子としてPDDA(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を用いた。0.5モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液500mlに20重量%のPDDA水溶液(アルドリッチ社製、Mw=100000〜200000)を2.5g添加し、攪拌して、PDDA水溶液を調製した。
アニオン性高分子としてPSS(ポリスチレンスルホン酸)を用いた。0.5モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液500mlに20重量%のPSS水溶液(アルドリッチ社製、Mw=70000)を25g添加し、攪拌して、PSS水溶液を調製した。
核粒子12の電荷を制御するために、PDDA水溶液に核粒子12を投入し、スターラーで10分間攪拌した。その後、篩(ふるい)を用いて水溶液から核粒子12を回収し、イオン交換水で洗浄した。表面電位はゼータ電位を測定して確認した。
その後、PSS水溶液を用いて同様な操作をし、表面電荷をマイナス、さらにPDDA水溶液を用いて表面電荷をプラスにした。こうすることで、PDDA−PSS−PDDAの3層のように積層させることで強い表面電荷が得られた。接着剤粒子14は同様に表面電荷をマイナスにした。
水の中に電荷をプラスにした核粒子12とマイナスにした接着剤粒子14を入れ、スターラーで10分間攪拌し、篩で同様に洗浄し、複合粒子を得た。
<核粒子12と接着剤粒子14を判別する方法(粒径測定、元素測定)>
核粒子12の周囲に1個以上の接着剤粒子14を配置した複合粒子を樹脂に埋込み、電子顕微鏡にて複合粒子を観察することができる観察箇所まで研磨して、樹脂埋め研磨面とした。そして、この樹脂埋め研磨面に対して電子顕微鏡観察を行った。中心付近の粒子の粒径を画像解析より算出し、核粒子12の粒径とした。核粒子12の外周に配置されている粒子も同様に粒径を測定し、中心付近の粒子よりも小さい粒子(核粒子の半分以下の大きさ)を接着剤粒子14とした。
併せて、以下の方法を用いて、核粒子12と接着剤粒子14とを特定した。すなわち、電子顕微鏡を用いて複合粒子の中心付近の元素分析(EDS:Energy Dispersive X−ray Spectrometer)を行った。核粒子12の外周に配置されている粒子にも同様に元素分析(EDS)を行い、核粒子12と違う元素種類が検出された粒子を接着剤粒子14とした。
または、樹脂埋め研磨面の微小部X線で中心付近、外周付近を測定した。中心付近と違う結晶相の粒子を接着剤粒子14とした。
<複合粒子の核粒子12の気孔率計測方法>
複合粒子を無作為に10個選んで樹脂に埋込み、電子顕微鏡にて複合粒子を観察することができる観察箇所まで研磨して、樹脂埋め研磨面とした。そして、この樹脂埋め研磨面に対して電子顕微鏡観察(画像解析)を行った。画像解析より、10個分の核粒子12の気孔率を算出し、10個の核粒子12の平均値を気孔率とした。
<バルク体の熱伝導率測定方法及び評価基準>
先ず、水銀ポロシメーターでバルク体の密度を測定した。次に、DSC(Differential Scanning Calorimeter)法でバルク体の比熱を測定した。次に、レーザーフラッシュ法でバルク体の熱拡散率を測定した。その後、熱拡散率×比熱×密度=熱伝導率の関係式から、バルク体の熱伝導率を算出し、以下の評価基準に基づいて、実施例1〜7及び比較例1を評価した。
A:0.9W/mK以下
B:1.0W/mK以上1.4W/mK以下
C:1.5W/mK以上
<評価結果>
実施例1〜7及び比較例1の内訳及び評価結果を下記表1に示す。
Figure 0006648994
表1から、比較例1は、熱伝導率が1.8W/mKと高かった。これは、例えば図5に示すように、比較例1に係るバルク体100は、核粒子12と接着剤22とで構成され、特に、接着剤22のみの領域24が多く存在したことから、熱伝導率が高くなったものと考えられる。
一方、実施例1〜7のうち、実施例6以外は、バルク体の熱伝導率が0.9W/mK以下で、評価がAであった。実施例6についても、評価はBではあるが、熱伝導率が1.0W/mKであり、限りなくAに近い評価であった。
実施例1〜7は、複合粒子を使用して、成形及び焼成することで、バルク体を作製したため、熱伝導率が低い核粒子12と同じく熱伝導率が低い気孔とが組み合わされた構成となり、全体として、熱伝導率が低くなったものと考えられる。
なお、本発明に係る複合粒子体および焼成体の製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A…第1複合粒子 10B…第2複合粒子
12…核粒子 14…接着剤粒子
16A…第1バルク前駆体 16B…第2バルク前駆体
18…接着剤粒子同士が接触している部分 20…接着剤粒子で囲まれた領域

Claims (8)

  1. 複数の複合粒子を含む複合粒子体であって、
    前記複数の複合粒子がそれぞれ、
    前記複合粒子の核となる粒子であって、金属酸化物を含み、かつ気孔率が20〜99%の核粒子と、
    前記核粒子の外周に配置され、セラミックス、ガラス、及び樹脂の少なくとも一種を含み、焼成によって、複数の前記核粒子を互いに接着すると共に、前記複数の核粒子の間に複数の気孔を形成する、複数の接着剤粒子とを有し、
    前記核粒子の粒径が前記接着剤粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする複合粒子
  2. 請求項1記載の複合粒子において、
    前記核粒子の粒径が前記接着剤粒子の粒径の2倍以上であることを特徴とする複合粒子
  3. 請求項1又は2記載の複合粒子において、
    前記核粒子の構成材料と前記接着剤粒子の構成材料が異なることを特徴とする複合粒子
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合粒子において、
    前記核粒子が中空構造であることを特徴とする複合粒子
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合粒子において、
    前記核粒子が多孔質構造であることを特徴とする複合粒子
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合粒子において、
    前記核粒子の外形形状がアスペクト比3以上の板状であることを特徴とする複合粒子
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合粒子において、
    前記核粒子は、最小長が0.5〜50μmの板状であることを特徴とする複合粒子
  8. 金属酸化物を含み、かつ気孔率が20〜99%の核粒子と、
    前記核粒子の外周に配置され、セラミックス、ガラス、及び樹脂の少なくとも一種を含む複数の接着剤粒子と、
    をそれぞれ有する複数の複合粒子、を含む複合粒子体を準備する工程と、
    前記複合粒子体を焼成して、前記接着剤粒子を軟化させ、前記軟化した接着剤粒子を介して複数の前記核粒子が接続されると共に、前記複数の核粒子の間に気孔が形成される工程と、
    を有することを特徴とする焼成体の製造方法。
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