JP6648507B2 - 速度感応ダンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、速度感応ダンパ装置に関するものである。
従来、速度感応ダンパ装置として種々のものが提案されている。例えば特許文献1、2に記載された速度感応ダンパ装置は、入力軸、出力軸及び固定軸がそれぞれキャリア、サンギヤ及びリングギヤに設定された遊星歯車機構の複数段で構成される増幅機構と、該増幅機構の最終段のサンギヤに支持された摩擦係合部材とを備えて構成される。摩擦係合部材は、当該サンギヤの回転に伴う遠心力によってその軸心を中心とする径方向外側に移動することで、該遠心力に相関するブレーキトルク(制動力)を発生する。
特開昭56−143841号公報 特開昭61−45121号公報
ところで、こうした歯車機構で構成される増幅機構を備えた速度感応ダンパ装置では、増幅機構の最終段(サンギヤ)で発生するブレーキトルク(初期ブレーキトルク)と、初段(入力軸)で得られるブレーキトルク(最終ブレーキトルク)との関係が下式(1)で表されることが知られている。
最終ブレーキトルク=初期ブレーキトルク×増速比/増速効率 …(1)
なお、増速効率は、増幅機構(歯車機構)の回転伝達の効率のことである。式(1)から明らかなように、最終ブレーキトルクは、増速比が大きいほど、あるいは増速効率が低いほど大きくなる。
遊星歯車機構の増速効率は極めて高いことから(例えば95%程度)、所要の最終ブレーキトルクを得るために増速比を十分に確保する必要がある。換言すれば、特許文献1、2に記載の速度感応ダンパ装置は、増速比を十分に確保するために遊星歯車機構の複数段で増幅機構を構成している。この場合、増幅機構の部品点数が増大するなど構造の複雑化を余儀なくされる。
本発明の目的は、より簡素な構造で所要のブレーキトルクを確保できる速度感応ダンパ装置を提供することにある。
上記課題を解決する速度感応ダンパ装置は、支持部材と、入力軸と一体で前記支持部材に回転自在に支持された入力側太陽歯車と、前記入力側太陽歯車と同軸で前記支持部材に回転不能に固定され、前記入力側太陽歯車の歯数と異なる歯数を有する固定側太陽歯車と、前記入力側太陽歯車と同軸に配置され、前記支持部材に回転自在に支持され、前記入力側太陽歯車及び前記固定側太陽歯車に共に噛合する遊星歯車を軸支するキャリアと、前記キャリアに支持され、該キャリアの回転に伴う遠心力によりその軸線を中心とする径方向外側に移動して該遠心力に相関するブレーキトルクを発生する摩擦係合部材とを備える。
この構成によれば、前記入力側太陽歯車(入力軸)及び前記キャリアの間の増速比は、前記入力側太陽歯車の歯数を前記固定側太陽歯車との歯数差で除した値になることで、例えば該歯数差を相対的に小さく設定することで増速比を大きく確保できる。一方、前記入力側太陽歯車及び前記キャリアの間の回転伝達は、前記入力側太陽歯車及び前記遊星歯車の滑り接触で行われることで、当該回転伝達の増速効率が相対的に低くなる。以上により、前記摩擦係合部材の発生するブレーキトルクを十分に増幅したブレーキトルクを前記入力軸で確保できる。また、当該ブレーキトルクの確保に係る前記入力軸の回転速度の増幅を、前記入力側太陽歯車、前記固定側太陽歯車及び前記キャリアを備えて構成される極めて簡易な構造で実現できる。
上記速度感応ダンパ装置について、軸線方向における配置において、前記摩擦係合部材は、前記遊星歯車を含む前記キャリアに重なることが好ましい。
この構成によれば、例えば軸線方向における配置において、前記摩擦係合部材が、前記遊星歯車を含む前記キャリアに対して一部がずれている場合に比べて、装置全体として当該軸線方向により小型化できる。
上記速度感応ダンパ装置について、前記キャリアは、その軸線方向と平行に前記摩擦係合部材及び前記支持部材の間に挟まれる係合フランジを有し、前記係合フランジには、前記キャリアの軸線を中心とする径方向外側に向かうに従い前記摩擦係合部材に近付くように傾斜する斜面が形成されることが好ましい。
この構成によれば、前記キャリアの回転に伴う遠心力によってその軸線を中心とする径方向外側に前記摩擦係合部材が移動すると、前記斜面の傾斜分だけ前記係合フランジがその軸線方向と平行に近付くことで、いわゆる楔作用によって前記摩擦係合部材が前記係合フランジにより強く押し当てられるとともに、該係合フランジが前記支持部材により強く押し当てられる。従って、前記摩擦係合部材は、前記キャリアの回転速度の増加に伴う遠心力の増加によって自ずと増加するブレーキトルクを発生できる。
上記速度感応ダンパ装置について、前記遊星歯車は、前記キャリアの軸線を中心とする互いに相反する径方向に配置された2個であり、前記入力側太陽歯車の歯数及び前記固定側太陽歯車の歯数は共に奇数であることが好ましい。
この構成によれば、前記2個の遊星歯車が前記入力側太陽歯車又は前記固定側太陽歯車に噛み合うタイミングが互いにずれることで、作動音や振動の発生を抑制できる。
本発明は、より簡素な構造で所要のブレーキトルクを確保できる効果がある。
速度感応ダンパ装置の一実施形態が適用されるシートリフター装置についてその構造を示す側面図。 同実施形態の速度感応ダンパ装置についてその構造を示す分解斜視図。 同実施形態の速度感応ダンパ装置についてその構造を示す分解斜視図。 同実施形態の速度感応ダンパ装置についてその構造を示す正面図。 (a)、(b)は、図4の5A−5A線及び5B−5Bに沿った断面図。 (a)、(b)は、図5の6A−6A線及び6B−6Bに沿った断面図。
以下、速度感応ダンパ装置の一実施形態が適用されるシートリフター装置について説明する。なお、以下では、シート前後方向及びシート幅方向をそれぞれ「前後方向」及び「幅方向」という。
図1に示すように、車両フロアには、ロアレール1が前後方向に延在する状態で固定されるとともに、該ロアレール1には、アッパレール2がロアレール1に対し前後方向に移動可能に連結されている。
アッパレール2には、板材からなるブラケット3が立設されている。そして、ブラケット3には、その前部及び後部に配設されたフロントリンク4及びリアリンク5を介して板材からなるクッションサイドフレーム6が支持されている。すなわち、フロントリンク4は、下端部が支持ピン11によりブラケット3に回動自在に連結されるとともに、上端部が支持ピン12によりクッションサイドフレーム6に回動自在に連結されている。同様に、リアリンク5は、下端部が支持ピン13によりブラケット3に回動自在に連結されるとともに、上端部が支持ピン14によりクッションサイドフレーム6に回動自在に連結されている。支持ピン11〜14の軸線が幅方向(図1において紙面に直交する方向)に延びていることはいうまでもない。なお、支持ピン12は、フロントリンク4に回動不能に連結された状態でクッションサイドフレーム6に軸支されている。ブラケット3(アッパレール2)、フロントリンク4、リアリンク5及びクッションサイドフレーム6は、該クッションサイドフレーム6を媒介節(連接節)とする4節回転連鎖を構成する。
ロアレール1、アッパレール2、ブラケット3、フロントリンク4、リアリンク5及びクッションサイドフレーム6等の各々は、幅方向で対をなして配設されており、ここでは前方に向かって右側に配置されたものを幅方向において内側から見た状態を示している。そして、両クッションサイドフレーム6は、乗員の着座部を形成するシート7の幅方向両側部の骨格をなしている。つまり、両ブラケット3には、両フロントリンク4及び両リアリンク5を介してシート7が支持されている。
片側(シート前方に向かって右側)のリアリンク5には、支持ピン14を中心にその前方に略扇状に広がるセクタギヤ部5aが形成されている。そして、当該側のクッションサイドフレーム6には、回転制御装置15が取着されている。この回転制御装置15は、セクタギヤ部5aに噛合するピニオン16を有するとともに、適宜のクラッチ機構(図示略)を内蔵している。そして、回転制御装置15は、これに連結された操作ハンドル(図示略)が押し下げ操作及び引き上げ操作されるごとにピニオン16を図示時計回り及び反時計回りにそれぞれ所定角度だけ回転させるとともに、該回転後にピニオン16の回転を規制する。ピニオン16が図示時計回り及び反時計回りに回転することで、セクタギヤ部5aが支持ピン14を中心に図示反時計回り及び時計回りに、即ちリアリンク5がその上端部をそれぞれ下降及び上昇させるように回動する。リアリンク5がその上端部を下降又は上昇させるように回動することで、これに連動してフロントリンク4がその上端部を下降又は上昇させるように回動する。これにより、シート7が全体として下降又は上昇してその車両の高さ方向の位置が調整される。
入力軸としての片側(シート前方に向かって右側)の支持ピン12には、その軸線方向に中心線の延びる略四角柱状の入力軸嵌合部12aが突設されている。そして、当該側のクッションサイドフレーム6には、支持ピン12と同軸に速度感応ダンパ装置20が取着されている。
図2、図3及び図4に示すように、速度感応ダンパ装置20は、支持部材を構成するハウジング21及びカバー22と、固定側太陽歯車23と、入力側太陽歯車24と、キャリア25と、一対の摩擦係合部材としてのウェイト28と、保持プレート29とを備えて構成される。
ハウジング21は、支持ピン12と同心の有底略円筒状の収容部21aを有するとともに、該収容部21aにその中心を中心とする径方向外側に等角度(90°)間隔で突設された複数の略舌片状の取付片21bを有する。また、ハウジング21は、収容部21aの中央部にこれと同心に突設された略円環状のキャリア支持部21cを有するとともに、該キャリア支持部21cの中央部にこれと同心に突設された略円筒状の太陽歯車支持部21dを有する。太陽歯車支持部21dの軸線方向の寸法は、収容部21aの軸線方向の寸法よりも小さく設定されている。さらに、ハウジング21には、太陽歯車支持部21dに隣接するその外周側で軸線方向と略平行に等角度(90°)間隔で開口する複数の略四角形の嵌合孔21eが形成されている。なお、ハウジング21は、太陽歯車支持部21dの内周側で軸線方向に開口している。
カバー22は、収容部21aの外径と同等の外径を有する略円盤状の蓋部22aを有しており、該蓋部22aの中央部には、これと同心で略円形の軸受孔22bが形成されている。この軸受孔22bの内径は、太陽歯車支持部21dの内径と同等に設定されている。また、カバー22は、蓋部22aにその中心を中心とする径方向外側に等角度(90°)間隔で突設された複数の略舌片状の取付片22cを有する。カバー22は、各取付片22cが各取付片21bに重ねられた状態で蓋部22aにて収容部21aの開口を閉塞することで、ハウジング21との間に収容空間を形成する。なお、カバー22には、軸受孔22bの周縁部に沿って略円筒状のキャリア支持部22dが突設されている。
固定側太陽歯車23は、太陽歯車支持部21dの外径と同等の内径を有する円筒歯車からなり、その内周部には、嵌合孔21eに対向して軸線方向と略平行に等角度(90°)間隔で複数の略四角形の嵌合突部23aが突設されている。図5(a)、(b)に併せ示すように、固定側太陽歯車23は、太陽歯車支持部21dが挿入された状態でそれら嵌合突部23aが嵌合孔21eに嵌挿されることで、ハウジング21に回動不能に固定・支持されている。
入力側太陽歯車24は、固定側太陽歯車23と同軸に配置されており、太陽歯車支持部21d(及び軸受孔22b)の内径と同等の外径を有する軸部24aを有するとともに、該軸部24aの軸線方向中間部から径方向外側に突設された略円環状の太陽歯車部24bを有する。入力側太陽歯車24は、軸線方向において太陽歯車部24bが固定側太陽歯車23に近接又は当接する状態で軸部24aの一側端部及び他側端部がそれぞれ太陽歯車支持部21d及び軸受孔22bに軸支されている。
なお、入力側太陽歯車24(太陽歯車部24b)は、そのギヤ径が固定側太陽歯車23のギヤ径と略同等に設定されている。また、入力側太陽歯車24(太陽歯車部24b)は、固定側太陽歯車23の歯数N1(本実施形態では「19」)よりも多い歯数N2(本実施形態では「23」)を有する。つまり、入力側太陽歯車24及び固定側太陽歯車23の間には、歯数差ΔN(本実施形態では「4(=23−19)」)が設定されている。また、入力側太陽歯車24には、軸部24aの中央部を貫通する略四角形の入力軸嵌合孔24cが形成されている。入力側太陽歯車24は、支持ピン12の入力軸嵌合部12aが入力軸嵌合孔24cに嵌合することで支持ピン12と一体回転する。
キャリア25は、入力側太陽歯車24と同軸に配置されており、キャリア支持部21cの外径と同等の内径を有する略円環状のハブ25aを有するとともに、該ハブ25aにその中心を中心とする互いに相反する径方向両側に突設された一対の略扇状の第1フランジ25bを有する。また、キャリア25は、各隣り合う第1フランジ25b間で軸線方向一側(カバー22側)に突設された一対の略円弧筒状の接続部25cを有するとともに、両接続部25cの先端からそれらの中心を中心とする互いに相反する径方向両側に突設された一対の略扇状の第2フランジ25dを有する。第2フランジ25dの周方向の寸法は、第1フランジ25bの周方向の寸法よりも十分に大きく設定されている。第1フランジ25b及び第2フランジ25dは、収容部21aの内径よりも小さい互いに同等の外径を有する。つまり、両第1フランジ25b及び両第2フランジ25dは、軸線方向で互いに変位しているものの、当該方向に見ると全体として円環状に繋がっている。
なお、ハブ25aの中心を中心とする周方向において、各隣り合う第1フランジ25b、接続部25c及び第2フランジ25dの先端は段差部25eを介して繋がっている。キャリア25は、各接続部25c、各第2フランジ25d及びそれらを繋ぐ両段差部25eにより、外周側及び軸線方向一側(収容部21aの底壁側)の開放された略円弧状のウェイト収容部27を形成する。また、図5(a)に示すように、係合フランジとしての各第2フランジ25dには、キャリア25の軸線を中心とする径方向外側に向かうに従い収容部21aの底壁側に近付くように傾斜する斜面としてのキャリア側斜面25fが形成されている。
図5(b)に示すように、各第1フランジ25bには、軸線方向と略平行に支持軸25gが突設されている。そして、この支持軸25gに遊星歯車26が軸支されている。遊星歯車26は、互いに同等の歯数を有する第1ギヤ部26a及び第2ギヤ部26bからなる2段構造となっている。第1ギヤ部26aは、固定側太陽歯車23の軸線方向の寸法と同等の軸線方向の寸法を有しており、該固定側太陽歯車23に噛合するようにそのモジュールが設定されている。同様に、第2ギヤ部26bは、太陽歯車部24bの軸線方向の寸法と同等の軸線方向の寸法を有しており、該太陽歯車部24bに噛合するようにそのモジュールが設定されている。つまり、遊星歯車26は、第1ギヤ部26a及び第2ギヤ部26bにおいて固定側太陽歯車23及び入力側太陽歯車24に同時に噛合している。
ここで、入力側太陽歯車24が回転すると、該入力側太陽歯車24と共に固定側太陽歯車23に噛合する両遊星歯車26が支持軸25gの周りを自転しつつキャリア支持部21cの周りを公転する。これに伴い、両遊星歯車26を支持するキャリア25がキャリア支持部21cの周りを回転する。このときの入力側太陽歯車24及びキャリア25の間の増速比は、入力側太陽歯車24の歯数N2を固定側太陽歯車23との歯数差ΔNで除した値N2/ΔN(=23/4)になる。
図5(a)及び図6(a)、(b)に示すように、各ウェイト28は、ウェイト収容部27の軸線方向、径方向及び周方向の寸法と同等の軸線方向、径方向及び周方向の寸法を有する略円弧状に成形されて該ウェイト収容部27に収容・支持されている。このウェイト28は、軸線方向において第2フランジ25d及び収容部21aの底壁の間に挟まれており、当該軸線方向において第2フランジ25dに対向する面は、キャリア側斜面25fにならって傾斜するウェイト側斜面28aを形成する。従って、ウェイト28が外周側に移動しようとすると、ウェイト側斜面28a及びキャリア側斜面25fの傾斜分だけ両ウェイト28及び第2フランジ25dが互いに近付くことで、いわゆる楔作用によって両ウェイト28が第2フランジ25dにより強く押し当てられるとともに、該第2フランジ25dがカバー22により強く押し当てられる。
図2に示すように、保持プレート29は、キャリア支持部22dの外径と同等の内径及び接続部25cの内径よりも小さい外径を有する円環部29aと、該円環部29aにその中心を中心とする互いに相反する径方向両側に突設された一対の略舌片状の保持片29bとを有する。各保持片29bには、支持軸25gと同心の略円形の挿入孔29cが形成されている。保持プレート29は、遊星歯車26を貫通する支持軸25gの先端が挿入孔29cに挿入されることで、キャリア25(第1フランジ25b)と協働して遊星歯車26を軸線方向に抜け止めする。そして、キャリア25は、キャリア支持部22dの周りに保持プレート29を回転させつつこれと一体でキャリア支持部21cの周りを回転する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
例えばシート7の車両の高さ方向の位置を調整すべく前述の操作ハンドルを操作すると、シート7の下降又は上昇に伴って支持ピン12(フロントリンク4)が回転する。そして、支持ピン12と一体で入力側太陽歯車24が回転することで、前述の増幅比(N2/ΔN)でキャリア25が回転する。
キャリア25が回転すると、これに伴う遠心力によって該キャリア25に支持された両ウェイト28が径方向外側に移動する。このとき、ウェイト側斜面28a及びキャリア側斜面25fの傾斜分だけ両ウェイト28及び第2フランジ25dが軸線方向と平行に互いに近付くことで、いわゆる楔作用によって両ウェイト28が第2フランジ25dにより強く押し当てられるとともに、該第2フランジ25dがカバー22により強く押し当てられる。つまり、両ウェイト28は、径方向外側への移動に伴い第2フランジ25dをその軸線方向と平行にカバー22との間に挟むことでブレーキトルク(初期ブレーキトルク)を発生する。このブレーキトルクがキャリア25の回転速度の増加、即ち遠心力の増加によって増加することはいうまでもない。
当該ブレーキトルクは、キャリア25及び入力側太陽歯車24の間で増幅比(N2/ΔN)に応じて増幅されて支持ピン12(入力軸)に最終ブレーキトルクとして付与される。特に、入力側太陽歯車24及びキャリア25の間の回転伝達は、入力側太陽歯車24及び両遊星歯車26の滑り接触で行われることで、増速効率が相対的に低くなる(例えば20%程度)。従って、前記式(1)により、ブレーキトルク(初期ブレーキトルク)がキャリア25及び入力側太陽歯車24の間でその分増幅されて支持ピン12(入力軸)に最終ブレーキトルクとして付与される。以上により、両ウェイト28の発生するブレーキトルクを十分に増幅したブレーキトルクを支持ピン12(入力軸)で確保できる。
そして、このような速度感応ダンパ装置20の作用により、例えば操作ハンドルの操作時にシート7がその自重等で下降して支持ピン12(フロントリンク4)が入力側太陽歯車24と共に急速に回転しようとしても、回転速度に応じて増幅されたブレーキトルクが支持ピン12(入力軸)で確保されることで、シート7の急速な下降が抑えられる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、入力側太陽歯車24(入力軸)及びキャリア25の間の増速比は、入力側太陽歯車24の歯数N2を固定側太陽歯車23との歯数差ΔNで除した値になることで、例えば該歯数差ΔNを相対的に小さく設定することで増速比を大きく確保できる。一方、入力側太陽歯車24及びキャリア25の間の回転伝達は、入力側太陽歯車24及び両遊星歯車26の滑り接触で行われることで、当該回転伝達の増速効率が相対的に低くなる。以上により、両ウェイト28の発生するブレーキトルクを十分に増幅したブレーキトルクを支持ピン12で確保できる。また、当該ブレーキトルクの確保に係る支持ピン12の回転速度の増幅を、固定側太陽歯車23、入力側太陽歯車24及びキャリア25を備えて構成される極めて簡易な構造で実現できる。
(2)本実施形態では、軸線方向における配置において、両ウェイト28は、両遊星歯車26を含むキャリア25に重なっている。従って、例えば軸線方向における配置において、両ウェイト28が、両遊星歯車26を含むキャリア25に対して一部がずれている場合に比べて、速度感応ダンパ装置20全体として当該軸線方向により小型化できる。
(3)本実施形態では、キャリア25は、その軸線方向と平行に両ウェイト28の各々に対向して該ウェイト28に当接又は近接する第2フランジ25dを有し、該第2フランジ25dには、キャリア25の軸線を中心とする径方向外側に向かうに従いウェイト28に近付くように傾斜するキャリア側斜面25fが形成されている。従って、キャリア25の回転に伴う遠心力によってその軸線を中心とする径方向外側に各ウェイト28が移動すると、キャリア側斜面25fの傾斜分だけ第2フランジ25dがその軸線方向と平行に近付くことで、いわゆる楔作用によってウェイト28が第2フランジ25dにより強く押し当てられるとともに、該第2フランジ25dがカバー22により強く押し当てられる。従って、ウェイト28は、キャリア25の回転速度の増加に伴う遠心力の増加によって自ずと増加するブレーキトルクを発生できる。
(4)本実施形態では、遊星歯車26は、キャリア25の軸線を中心とする互いに相反する径方向に配置された2個であり、固定側太陽歯車23の歯数N1及び入力側太陽歯車24の歯数N2は共に奇数である。従って2個の遊星歯車26が固定側太陽歯車23又は入力側太陽歯車24に噛み合うタイミング(2個の遊星歯車26の歯面が固定側太陽歯車23の歯面又は入力側太陽歯車24の歯面に接触するタイミング)が互いにずれることで、作動音や振動の発生を抑制できる。
(5)本実施形態では、摩擦により両ウェイト28で発生するブレーキトルクが軽微であっても、該ブレーキトルクを十分に増幅したブレーキトルクを支持ピン12で確保できる。このため、例えば操作ハンドルの操作時にシート7がその自重等で急速に下降することを抑制できる。
(6)本実施形態では、通常の遊星歯車機構の備えるリングギヤが省略されて、キャリア25が出力軸となる増幅機構を採用したことで、該キャリア25に両ウェイト収容部27を一体的に設けることを容易にできる。また、リングギヤが省略されて、キャリア25の両ウェイト収容部27をハウジング21及びカバー22内(収容空間)の径方向両外側に配置できることで、キャリア25の回転に伴うより大きな遠心力をブレーキトルクに変換できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、入力側太陽歯車24等に適宜の粘度のグリスを塗布してブレーキトルクを調整してもよい。
・前記実施形態において、保持プレート29を省略してもよい。
・前記実施形態において、ウェイト28のウェイト側斜面28aを省略してもよい。つまり、キャリア25の軸線方向と平行に第2フランジ25dに対向するウェイト28の対向面は、当該軸線を中心とする径方向外側に平面状に広がっていてもよい。
・前記実施形態において、キャリア25(第2フランジ25d)のキャリア側斜面25fを省略してもよい。つまり、キャリア25の軸線方向と平行にウェイト28に対向する第2フランジ25dの対向面は、当該軸線を中心とする径方向外側に平面状に広がっていてもよい。あるいは、第2フランジ25d自体を省略してもよい。これらの場合、キャリア25の回転に伴う遠心力によってその軸線を中心とする径方向外側に各ウェイト28が移動する際、その外周面をハウジング21(収容部21a)の内周面に押し付けることでブレーキトルクを発生させればよい。
・前記実施形態において、キャリア25に支持される遊星歯車26の個数は任意である。例えばキャリア25に支持される遊星歯車26は3個であってもよい。また、この場合、固定側太陽歯車23の歯数N1又は入力側太陽歯車24の歯数N2は奇数でなくてもよい。
・前記実施形態において、軸線方向における配置において、両ウェイト28は、両遊星歯車26を含むキャリア25に対して一部又は全部がずれていてもよい。この場合、ウェイト収容部(27)は、キャリア25に一体形成されない別部品であってもよい。
・前記実施形態において、キャリア25に支持されるウェイト28の個数は任意である。すなわち、キャリア25に支持されるウェイト(28)は1個又は3個以上であってもよい。また、キャリア25に支持されるウェイト(28)が複数個の場合、それらウェイト(28)が等角度間隔に配置されていなくてもよく、あるいはそれらウェイト(28)の形状が互いに同等でなくてもよい。
・前記実施形態において、歯数差ΔNが「4」である場合、固定側太陽歯車23の歯数N1及び入力側太陽歯車24の歯数N2がそれぞれ「17」及び「21」であってもよい。
・前記実施形態において、歯数差ΔNは、「4」以外であってもよい。
・前記実施形態において、固定側太陽歯車23の歯数N1と入力側太陽歯車24の歯数N2との大小関係は互いに逆であってもよい。すなわち、固定側太陽歯車23の歯数N1の方が、入力側太陽歯車24の歯数N2よりも多くてもよい。なお、この場合、負数となる歯数差ΔNは、その大きさ(絶対値)が相対的に小さく設定されることが好ましい。
・前記実施形態において、速度感応ダンパ装置20は、支持ピン12以外に連結してもよい。例えば支持ピン11がフロントリンク4と一体回動する場合、ブラケット3に速度感応ダンパ装置20を取着して支持ピン11に一体回転するように入力側太陽歯車24を連結してもよい。あるいは、支持ピン13がリアリンク5と一体回動する場合、ブラケット3に速度感応ダンパ装置20を取着して支持ピン13に一体回転するように入力側太陽歯車24を連結してもよい。あるいは、支持ピン14がリアリンク5と一体回動する場合、クッションサイドフレーム6に速度感応ダンパ装置20を取着して支持ピン14に一体回転するように入力側太陽歯車24を連結してもよい。あるいは、クッションサイドフレーム6に速度感応ダンパ装置20を取着してピニオン16と入力側太陽歯車24が同軸上で一体回転するように入力側太陽歯車24を連結してもよい。
・本発明は、例えば電動モータなどの電気的駆動源により電動でピニオン16を回転させてシート7の車両の高さ方向の位置を調整するシートリフター装置に適用可能である。
・本発明は、ブレーキトルクの付与が期待される任意の装置に適用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)上記速度感応ダンパ装置において、
前記摩擦係合部材には、前記キャリアの軸線を中心とする径方向外側に向かうに従い前記係合フランジに近付くように傾斜する第2の斜面が形成された、速度感応ダンパ装置。
この構成によれば、前記キャリアの回転に伴う遠心力によってその軸線を中心とする径方向外側に前記摩擦係合部材が移動すると、前記第2の斜面の傾斜分だけ前記係合フランジにその軸線方向と平行に近付くことで、いわゆる楔作用によって前記摩擦係合部材が前記係合フランジにより強く押し当てられるとともに、該係合フランジが前記支持部材により強く押し当てられる。従って、前記摩擦係合部材は、前記キャリアの回転速度の増加に伴う遠心力の増加によってより迅速に増加するブレーキトルクを発生できる。
12…支持ピン(入力軸)、20…速度感応ダンパ装置、21…ハウジング(支持部材)、22…カバー(支持部材)、23…固定側太陽歯車、24…入力側太陽歯車、25…キャリア、25d…第2フランジ(係合フランジ)、25f…キャリア側斜面(斜面)、26…遊星歯車、27…ウェイト収容部、28…ウェイト(摩擦係合部材)。

Claims (4)

  1. 支持部材と、
    入力軸と一体で前記支持部材に回転自在に支持された入力側太陽歯車と、
    前記入力側太陽歯車と同軸で前記支持部材に回転不能に固定され、前記入力側太陽歯車の歯数と異なる歯数を有する固定側太陽歯車と、
    前記入力側太陽歯車と同軸に配置され、前記支持部材に回転自在に支持され、前記入力側太陽歯車及び前記固定側太陽歯車に共に噛合する遊星歯車を軸支するキャリアと、
    前記キャリアに支持され、該キャリアの回転に伴う遠心力によりその軸線を中心とする径方向外側に移動して該遠心力に相関するブレーキトルクを発生する摩擦係合部材とを備えた、速度感応ダンパ装置。
  2. 請求項1に記載の速度感応ダンパ装置において、
    軸線方向における配置において、前記摩擦係合部材は、前記遊星歯車を含む前記キャリアに重なる、速度感応ダンパ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の速度感応ダンパ装置において、
    前記キャリアは、その軸線方向と平行に前記摩擦係合部材及び前記支持部材の間に挟まれる係合フランジを有し、
    前記係合フランジには、前記キャリアの軸線を中心とする径方向外側に向かうに従い前記摩擦係合部材に近付くように傾斜する斜面が形成された、速度感応ダンパ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の速度感応ダンパ装置において、
    前記遊星歯車は、前記キャリアの軸線を中心とする互いに相反する径方向に配置された2個であり、
    前記入力側太陽歯車の歯数及び前記固定側太陽歯車の歯数は共に奇数である、速度感応ダンパ装置。
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