JP6647481B2 - 位置姿勢推定装置及び位置姿勢推定方法 - Google Patents
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Description
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による位置姿勢推定装置を示すハードウェア構成図である。
図示の位置姿勢推定装置100は、演算装置101、記憶装置102及びセンサ装置103から構成される。各装置はバス104により接続されている。
演算装置101は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。記憶装置102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であり、これらを組み合わせても良い。また、記憶装置の一部または全部を外部に設置し、インターネットやイントラネット等を経由して通信することで実現しても良い。センサ装置103は、3軸の加速度センサ及び3軸の角速度センサを用いて構成されている。角速度センサはジャイロスコープまたはジャイロセンサとも呼ばれる。
なお、図1の構成は最低限の構成であって、後述の絶対位置姿勢推定部の機能を実現するために、例えば撮像装置等を追加しても良い。
図示のように、位置姿勢推定装置は、センサ装置103、地図データベース1、絶対位置姿勢推定部2、位置姿勢記憶部3、進行方向判定部4、路端距離算出部5、路端距離記憶部6、移動量算出部7、位置更新部8、姿勢更新部9を備える。
センサ装置103は、図1のハードウェア構成図におけるセンサ装置103である。また、図2における絶対位置姿勢推定部2、進行方向判定部4、路端距離算出部5、移動量算出部7、位置更新部8、姿勢更新部9は、図1における記憶装置102に、それぞれの機能部に対応したプログラムが格納され、これらのプログラムを演算装置101で実行することにより実現される。あるいは、これら機能部のいずれかをハードウェアで構成しても良い。さらに、地図データベース1、位置姿勢記憶部3、路端距離記憶部6は、記憶装置102に設けられている。但しこれらの構成はあくまで一例であって、例えば地図データベース1を外部に設け、インターネットやイントラネット等を経由して位置姿勢推定装置に転送しても良い。
また、以下の説明における「位置」とは2次元空間もしくは3次元空間における位置を示し、「姿勢」とは2次元空間もしくは3次元空間における姿勢(傾き、回転とも言う)を示す。2次元空間の場合は水平面の位置や姿勢のみを表す。3次元空間の場合は水平面に加え、垂直(高さ)の情報も表す。また、説明文中における「世界座標系」とは、原点(基準座標)が既知の座標系である。例えば国土地理院が定める平面直角座標系が該当するが、原点を独自に定めても良い。世界座標系の単位は例えばメートルやミリメートルが考えられるが、これらに限定するものではない。また、「路端」とは道路の端を意味し、トンネルであれば壁面を意味する。
絶対位置姿勢推定部2は、位置姿勢推定装置の世界座標系における絶対的な位置と姿勢を推定するよう構成されている。位置と姿勢の推定手段としては、既存の手法を利用できる。例えば、設置位置が既知である専用のマーカもしくはその他画像認識可能な物体を図示しない撮像装置により撮影し、画像処理によりマーカもしくは物体を認識し、位置姿勢推定装置の位置姿勢を推定しても良い。または、GPS(Global Positioning System)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、UWB(Ultra Wide Band)、無線LAN(Wi−Fiとも言う)等の電波を使用する測位装置により位置姿勢推定装置の位置を推定し、加速度センサと地磁気センサにより位置姿勢推定装置の姿勢を推定する方法を用いても良い。
進行方向判定部4は、位置姿勢記憶部3に記憶されている位置姿勢推定装置の位置姿勢を元に、位置姿勢推定装置の道路における進行方向を判定し、判定結果を位置更新部8に通知するよう構成されている。
路端距離算出部5は、絶対位置姿勢推定部2によって推定された位置姿勢推定装置の現在位置を元に、位置姿勢推定装置の路端からの距離(以下、路端距離という)と、距離の基準となる路端(以下、基準路端という)の位置を算出するよう構成されている。また、路端距離記憶部6は、路端距離算出部5によって算出された路端距離と基準路端の値を記憶する記憶部である。
移動量算出部7は、センサ装置103の加速度センサの値を元に、設定時間経過後の現在位置の値を算出するもので、その移動量として、位置姿勢推定装置を所持する利用者の歩行量を算出するよう構成されている。算出方法としては歩行者自律航法技術による既存の手段が利用可能である。移動量算出部7は1歩単位で歩行量を出力しても良いし、1歩分の歩行量を時間で分割して出力しても良い。
位置更新部8は、位置姿勢記憶部3が記憶する位置姿勢推定装置の現在の位置姿勢と、路端距離記憶部6が記憶する路端距離と、進行方向判定部4による進行方向と、移動量算出部7が算出した歩行量を元に、位置姿勢推定装置の位置を更新し、位置姿勢記憶部3に記憶された現在位置を更新するよう構成されている。
姿勢更新部9は、センサ装置103の角速度センサの値と、位置姿勢記憶部3が記憶する位置姿勢推定装置の現在姿勢を元に、位置姿勢推定装置の現在姿勢の値を更新し、位置姿勢記憶部3に記憶された現在姿勢を更新するよう構成されている。
位置姿勢推定装置は、図3の絶対位置姿勢推定スレッドと、図4の進行方向判定スレッドと、図5の姿勢更新スレッドと、図6の位置更新スレッドとによる並列した処理を行う。
先ず、図3に示す絶対位置姿勢推定部2と路端距離算出部5による絶対位置姿勢推定スレッドの処理について説明する。
絶対位置姿勢推定部2は、先ず、位置姿勢推定装置の世界座標系における絶対位置姿勢を推定する(ステップST301)。絶対位置姿勢の推定方法は、前述の通り、既存の方法が利用可能である。推定に成功した場合(ステップST302−Yes)は次のステップST303に移り、失敗した場合(ステップST302−No)は再度ステップST301を実行する。
次に、路端距離算出部5により、ステップST301で推定した位置姿勢を元に、基準路端を判定する(ステップST304)。基準路端の算出方法について図7を用いて説明する。図7は、地図データベース1上の道路形状を2次元平面にプロットした図である。道路701は地図データベース1上の道路であり、路端702と路端703は、道路701の路端である。一般的に道路の方向は「上り」もしくは「下り」と呼ばれるため、本説明においても道路の方向を「上り」もしくは「下り」と呼ぶ。また、路端702と路端703を区別するため、上り方向を向いて道路上に立った場合に左側となる路端を左側路端と呼び、右側となる路端を右側路端と呼ぶこととする。図7においては、路端702は左側路端であり、路端703は右側路端となる。現在位置704は、位置姿勢記憶部3が記憶する位置姿勢推定装置の現在の位置を示す。ステップST303において、路端距離算出部5は、現在位置704に最も近い路端は左側路端か、もしくは右側路端かを判定する。そのため、現在位置704に最も近い両路端の位置、路端位置705と路端位置706を算出し、現在位置704との距離を算出する(路端距離算出ステップ)。図7においては、右側の路端位置706よりも左側の路端位置705の方が現在位置704に近いため、基準路端を左側路端と判定する。次に、路端距離算出部5はステップST303で判定した基準路端と、現在位置704と基準路端との距離を路端距離記憶部6に記憶させる(ステップST305)。その後、ステップST301に移り、上記のステップST301〜ステップST305の処理を繰り返す。
以上が絶対位置姿勢推定スレッドの処理である。
進行方向判定部4は、先ず、位置姿勢記憶部3に記憶されている位置姿勢推定装置の現在の位置姿勢を取得する(ステップST401)。位置姿勢記憶部3にまだ位置姿勢が記憶されていないため、現在の位置姿勢の値を取得できなかった場合(ステップST402−No)、処理はステップST401に戻る。一方、ステップST402において、現在の位置姿勢を取得できた場合(ステップST402−Yes)、進行方向判定部4は、路端距離記憶部6が記憶する基準路端を取得する(ステップST403)。
路端距離記憶部6がまだ基準路端を記憶していないため、進行方向判定部4が現在の基準路端を取得できなかった場合(ステップST404−No)、処理はST401に戻る。一方、ステップST404において、現在の基準路端を取得できた場合(ステップST404−Yes)、進行方向判定部4は位置姿勢推定装置の現在位置における道路の方向(以下、道路方向と言う)を算出する(ステップST405)。
次に、進行方向判定部4は、位置姿勢推定装置の現在姿勢を元に、位置姿勢推定装置の方向(以下、装置方向と言う)を算出する(ステップST406)。装置方向は装置によって定義が異なるが、例えば、利用者のモバイル端末がタブレット端末やスマートフォン端末であれば、これら端末の背面を装置方向と定義する。装置方向は、ステップST405の道路方向と同様に、角度(方位)で表す。
以上が、進行方向判定部4による進行方向判定スレッドの処理である。
姿勢更新部9は、先ず、位置姿勢記憶部3が記憶する位置姿勢推定装置の現在姿勢を取得する(ステップST501)。位置姿勢記憶部3にまだ姿勢が記憶されていないため、現在姿勢を取得できなかった場合(ステップST502−No)、処理はステップST501に戻る。一方、ステップST502において現在姿勢を取得できた場合(ステップST502−Yes)、姿勢更新部9は、センサ装置103の角速度センサから角速度を取得する(ステップST503)。次に、姿勢更新部9は、ステップST501で取得した現在姿勢に対して、ステップST503で取得した現在の角速度を元に、現在姿勢の値を更新し、結果を位置姿勢記憶部3に通知して更新する(ステップST504)。その後はステップST501に戻り、これらステップST501〜ステップST504の処理を繰り返す。
以上が、姿勢更新部9による姿勢更新スレッドの処理である。
位置更新部8は、先ず、位置姿勢記憶部3に記憶されている位置姿勢推定装置の現在位置を取得する(ステップST601)。位置姿勢記憶部3にまだ現在位置が記憶されていないため、現在位置を取得できなかった場合(ステップST602−No)、処理はST601に戻る。一方、ステップST602において、現在位置を取得できた場合(ステップST602−Yes)、移動量算出部7が、センサ装置103の加速度センサから加速度の値を取得する(ステップST603)。次に、移動量算出部7は、ステップST603で取得した加速度を元に、歩行量を算出する(ステップST604:移動量算出ステップ)。
位置更新部8は、ステップST610で現在位置を更新した後、ステップST601に移り、上記のステップST601〜ステップST610の処理を繰り返す。
以上が、位置更新部8による位置更新スレッドの処理である。
また、進行方向の判定には角速度センサの値を使用するが、上りもしくは下りどちらかの判定であるため、角速度に多少の誤差が付加されていても許容できる。これにより、例えば拡張現実のように、モバイル端末の正確度の高い位置姿勢が求められるアプリケーションでも適用できる。
実施の形態2は、現在位置の高度も含めて推定するようにしたものである。
図12は、実施の形態2の位置姿勢推定装置の構成図である。
図示の位置姿勢推定装置は、地図データベース1、絶対位置姿勢推定部2a、位置姿勢記憶部3a、進行方向判定部4、路端距離算出部5、路端距離記憶部6、移動量算出部7、位置更新部8a、姿勢更新部9、地上高算出部10、地上高記憶部11を備える。
絶対位置姿勢推定部2aは、現在位置の3次元位置を推定する機能を有している。位置姿勢記憶部3aは、高度も含めて現在位置の3次元位置の値を記憶する。地上高算出部10は、絶対位置姿勢推定部2aで推定した絶対位置の高度と地図データベース1における地図上の標高を元に、現在位置の地上高を算出する。また、地上高記憶部11は地上高算出部10で算出した地上高を記憶する記憶部である。位置更新部8aは、現在位置の更新を行う際、地図上の標高と、地上高記憶部11に記憶されている現在位置の地上高を元に新たな高度を算出し、位置姿勢記憶部3aに記憶されている高度を更新するよう構成されている。他の構成は図2に示した実施の形態1の構成と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
絶対位置姿勢推定部2aは、絶対位置姿勢の推定に成功した際に、推定結果の高度を位置姿勢記憶部3aと地上高算出部10に出力する。地上高算出部10では、絶対位置姿勢推定部2aから取得した高度と地図データベース1上の標高を元に、位置姿勢推定装置の地上高を算出し、地上高記憶部11に記憶させる。
位置更新部8aは、現在位置を更新する際に、実施の形態1の処理による2次元平面の位置を元に、地図データベース1上の標高を求める。そして、位置更新部8aは、標高に対して地上高記憶部11が記憶する地上高を加算した高度を位置姿勢推定装置の高さとし、位置姿勢記憶部3aに記憶させる。その他の動作は、実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
Claims (5)
- 現在位置と現在姿勢の値を保持する位置姿勢記憶部と、
地図上の道路形状を元に距離の基準となる基準路端と前記保持されている現在位置との距離を路端距離として求める路端距離算出部と、
前記保持されている現在姿勢と前記基準路端の路端形状を元に進行方向を判定する進行方向判定部と、
設定時間経過後の移動量を算出する移動量算出部と、
前記保持されている現在位置と、前記路端距離算出部が算出した前記路端距離と前記基準路端と、前記進行方向判定部によって判定された進行方向と、前記移動量算出部で算出された移動量とを元に、前記保持されている現在位置から前記進行方向に前記基準路端の路端形状に沿って前記移動量分移動し、前記基準路端から前記路端距離離れた位置を算出し、当該算出した位置で前記位置姿勢記憶部の現在位置を更新する位置更新部とを備えたことを特徴とする位置姿勢推定装置。 - 前記現在位置及び前記現在姿勢として絶対位置姿勢を推定する絶対位置姿勢推定部を備えたことを特徴とする請求項1記載の位置姿勢推定装置。
- 前記位置姿勢記憶部が記憶する現在姿勢と角速度センサによって得られる角速度値とを元に新たな現在姿勢を算出し、当該新たな現在姿勢で前記位置姿勢記憶部の現在姿勢を更新する姿勢更新部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の位置姿勢推定装置。
- 前記絶対位置姿勢推定部は、高度を含む絶対位置を推定すると共に、
前記絶対位置の高度と地図上の標高を元に、現在位置の地上高を算出する地上高算出部を備え、
前記位置更新部は、現在位置を更新する際に、地図上の標高と、前記現在位置の地上高を元に新たな高度を算出することを特徴とする請求項2記載の位置姿勢推定装置。 - 位置姿勢記憶部が現在位置と現在姿勢の値を保持する位置姿勢記憶ステップと、
路端距離算出部が、地図上の道路形状を元に距離の基準となる基準路端と前記保持されている現在位置との距離を路端距離として求める路端距離算出ステップと、
進行方向判定部が、前記保持されている現在姿勢と前記基準路端の路端形状を元に進行方向を判定する進行方向判定ステップと、
移動量算出部が、設定時間経過後の移動量を算出する移動量算出ステップと、
位置更新部が、前記保持されている現在位置と、前記路端距離算出ステップで算出した前記路端距離と前記基準路端と、前記進行方向判定ステップによって判定された進行方向と、前記移動量算出ステップで算出された移動量とを元に、前記保持されている現在位置から前記進行方向に前記基準路端の路端形状に沿って前記移動量分移動し、前記基準路端から前記路端距離離れた位置を算出し、当該算出した位置で前記位置姿勢記憶ステップの現在位置を更新する位置更新ステップとを備えたことを特徴とする位置姿勢推定方法。
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