JP6647170B2 - 高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法およびその方法に使用する送風羽口 - Google Patents

高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法およびその方法に使用する送風羽口 Download PDF

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Description

本発明は、高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法およびその方法の実施に使用して好適な送風羽口に関するものである。ここに、吹き込み還元材とは、微粉炭、廃プラスチック、天然ガス、プロパンガス、コークス炉ガス、あるいは重油、軽油、菜種油あるいはタール等をいうものとする。
近年、高炉操業においては、高炉でのコークスの消費を抑えるために、吹き込み還元材を用いた操業が実用化されている。
高炉操業で用いられる吹き込み還元材は、送風羽口を構成するブローパイプおよび羽口本体を介して熱風とともに高炉内へ供給されるものであって、ブローパイプに設けられた吹き込み還元材吹き込み用ランスから吹き込み還元材を噴出させることにより送風羽口内を流れる熱風に吹き込むようになっている。
ランスを通して吹き込まれた吹き込み還元材は、高炉の送風羽口および高炉内のレースウエイと呼ばれる燃焼空間で燃焼され、コークスの代替として機能する。ところで、送風羽口におけるガス流速は、一般に200m/秒にも及ぶ高速であって、吹き込まれる吹き込み還元材が熱風中の酸素と反応可能な時間、すなわち、吹き込み還元材の燃焼可能な時間は極めて短い(20マイクロ秒程度といわれている)ことから、吹き込みにかかる吹き込み還元材をコークスの代替として有効活用を図るには、この短時間で燃焼させる必要があるところ、吹き込み還元材の吹き込み量を増していくと、吹き込み還元材の燃焼率が低下してレースウエイに至るまでに吹き込み還元材が燃焼しきれず、未燃焼のチャー(以下、これを未燃チャーという)として高炉内に残留することがあった。
上記未燃チャーは、ソリューションロス反応により高炉内で消費される分もあるが、高炉内消費量には限界値が存在するので、消費限界値以上に未燃チャーが発生すると、炉況不安定や生産性低下の原因となる。
具体的には、限界値以上の未燃チャーの発生は、未燃チャーがダストとして炉頂から排出されて還元材比の上昇を招き、さらには、未燃チャーが炉芯や溶融帯に蓄積すると、炉芯または溶融帯の通気性および通液性を阻害することになる。よって、送風羽口における吹き込み還元材の燃焼状態を観測することは高炉の安定操業において重要となる。
微粉炭の燃焼状態を観測する従来方法として、たとえば、特許文献1には、羽口背面の覗き窓から応答速度1msより速い輝度センサーを用いて燃焼帯を観測し、出力信号低下の数をカウントすることにより燃焼帯の燃焼状態を検知する方法が提案されている。
また、特許文献2には、羽口背面の覗き窓に放射温度カメラを配置し、ある温度以下の領域の面積から微粉炭の燃焼状態を推定する方法が、また、特許文献3には、各羽口の羽口温度、羽口先端の輝度から微粉炭の燃焼効率を推定し、微粉炭および酸素の流量を決定する方法が、さらに、特許文献4には、羽口背面の覗き窓に放射温度カメラを配置し、温度の時系列パワースペクトルが最大となる周波数からレースウエイの崩壊周期を算出し、該崩壊周期から微粉炭の燃焼率を推定する方法が提案されている。
特開昭61−44113号公報 特開平5−17808号公報 特開平5−222418号公報 特開平7−305105号公報
しかしながら、上記従来法は、いずれのものも羽口背面の覗き窓からカメラを用いて輝度もしくは放射温度を観測して微粉炭の燃焼状態を推定する方法であり、計測器の視線と羽口内のガス流れの向きが同方向であることから、羽口内のどの位置の発光を観測しているのかを特定することが困難な状況にあった。
このため、微粉炭の燃焼に伴う強い発光や高い温度領域が観察されたとしても、それが送風羽口の上流側で起こっているのか、レースウエイの奥側で起こっているのかを判断することができない。
送風羽口からの微粉炭等の吹き込み還元材の吹き込みにおいては吹き込み還元材の燃焼が送風羽口の先端付近で起こるのが適切である。すなわち、吹き込み還元材の燃焼が羽口の上流側で起こってしまうと羽口の損傷を招き、反対に羽口の下流側で起こってしまうと燃焼率の低下を招くため好ましくない。よって、吹き込み還元材の燃焼状況を監視するに際しては、羽口内のガス流れの向きに対してどの位置で燃焼が起こっているのかを知ることが重要になる。
本発明の課題は、吹き込み還元材の吹き込みを行う高炉操業において、吹き込み還元材の燃焼位置をより正確に把握できる推定方法およびその方法に使用する送風羽口を提案するところにある。
本発明は、送風羽口の羽口本体の通路内または該羽口本体につながるブローパイプの通路内に先端部が位置するランスを通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込む高炉操業において、該ランスによる吹き込み還元材の吹き込み中に、吹き込み還元材の吹き込み方向に沿う少なくとも2箇所において燃焼火炎による放射光の発光強度を計測し、その計測された発光強度に基づいて吹き込み還元材の燃焼位置を推定することを特徴とする高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法である。
前記発光強度は、吹き込み還元材の燃焼によって発生するOHラジカル、CHラジカルまたはCラジカルの自発光に由来する発光強度であり、該発光強度にピークが認められた場合には、そのピークが認められた計測箇所に吹き込み還元材の燃焼位置が存在していると推定する。
上記の推定方法においては、前記吹き込み還元材の燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する計測箇所のうちの少なくとも一箇所を、前記送風羽口の先端外側に位置するものとするのが好ましい。
また本発明は、送風羽口の羽口本体の通路内または該羽口本体につながるブローパイプの通路内に先端部が位置するランスを通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込む高炉操業において、該ランスによる吹き込み還元材の吹き込み中に燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する計測箇所を予め設定しておき、該ランスの吹き込み初期位置において吹き込み還元材を吹き込んだ場合と、該ランスをその軸芯に沿ってスライドさせて該ランスのランス先端から計測箇所に至るまでの相対距離を少なくとも1回変更して吹き込み還元材を吹き込んだ場合のそれぞれにつき、該発光強度を計測し、その計測された発光強度に基づいて吹き込み還元材の燃焼位置を推定することを特徴とする高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法である。
上記発光強度は、吹き込み還元材の燃焼によって発生するOHラジカル、CHラジカルまたはCラジカルの自発光に由来する発光強度であり、その計測された発光強度にピークが認められた場合には、そのピークが認められた計測箇所に吹き込み還元材の燃焼位置が存在していると推定する。
上記方法において、前記吹き込み還元材の燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する計測箇所は、前記送風羽口の通路内または該送風羽口の先端外側に設定することができる。
吹き込み還元材としては、還元材として働く燃焼性の還元材であれば何でもよく、微粉炭のような固体のみに限定されない。例えば微粉炭、廃プラスチック、天然ガス、プロパンガス、コークス炉ガス、重油、軽油、菜種油またはタールなどを用いることができる。
また、本発明は、熱風の吹き込み口を形成する羽口本体と、該羽口本体につながるブローパイプと、該羽口本体の通路内または該ブローパイプの通路内に先端部が位置し該羽口本体の吹き込み口を通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込むランスとを備え、前記羽口本体および/またはブローパイプは、その内外につながるとともに、吹き込み還元材の吹込み中に燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する少なくとも2つの貫通孔を有することを特徴とする送風羽口である。
さらに、本発明は、熱風の吹き込み口を形成する羽口本体と、該羽口本体につながるブローパイプと、該羽口本体の通路内または該ブローパイプの通路内に先端部が位置し該羽口本体の吹き込み口を通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込むランスとを備え、前記羽口本体および/またはブローパイプは、その内外につながるとともに、吹き込み還元材の吹き込み中にそこを通して燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する少なくとも1つの貫通孔を有し、前記ランスは、その軸芯に沿う向きのスライドを可能とする移動機構を有することを特徴とする送風羽口である。
本発明によれば、吹き込み還元材の吹き込み中に、吹き込み還元材の吹き込み方向に沿う少なくとも2箇所において燃焼火炎による放射光の発光強度、とりわけ、発生するOHラジカル、CHラジカルまたはCラジカルの自発光に由来する発光強度を計測し該発光強度にピークが認められた場合にその計測位置で吹き込み還元材の燃焼が起こっていると推定するものであって、これによれば、吹き込み還元材の燃焼位置を正確に把握することができる。
また、本発明によれば、発光強度を計測する計測箇所をたとえば1箇所に固定しておき、吹き込み還元材を初期位置にて吹き込んだ場合と、吹き込み還元材を吹き込むランスをスライドさせて該ランスのランス先端から計測箇所に至るまでの相対距離を少なくとも1回変更して吹き込み還元材を吹き込んだ場合のそれぞれについて発光強度を計測することにより、吹き込み還元材の燃焼位置をランス先端からの相対距離で求めることが可能となり、正規のランス配置に対してどの位置で吹き込み還元材の燃焼が起こっているか推定することができる。
本発明にしたがう推定方法の実施に用いて好適な送風羽口を模式的に示した図である。 発光強度の変化状況を示した図である。 本発明にしたがう推定方法の実施に用いて好適な送風羽口の他の例を模式的に示した図である。 (a)〜(c)は、発光強度の計測要領の説明図である。 小型燃焼炉の断面を模式的に示した図である。 発光強度とランス先端からの距離の関係を示したグラフである。 発光強度とランス先端からの距離の関係を示したグラフである。 発光強度とランス先端からの距離の関係を示したグラフである。 発光強度とランス先端からの距離の関係を示したグラフである。
微粉炭等の吹き込み還元材の燃焼が起こっている場所では2000℃程度の高温・無酸素状態となるため、常温では現れないラジカルが発生する。
たとえば、微粉炭の燃焼場では、OHラジカル、CHラジカル、Cラジカルなどが発生する。
このとき、これらのラジカルからは各ラジカル固有の波長の発光(自発光)が起こる(OHラジカル:304nm、OHラジカル:431.5nm、Cラジカル:473nm、515nm)。
ラジカルの発光は、とくに燃焼反応が起こっている位置、すなわち、燃焼位置で強く発光することが知られている。
本発明は、ランスによる微粉炭等の吹き込み還元材の吹き込み中に、吹き込み還元材の吹き込み方向に沿う少なくとも2箇所において燃焼火炎による放射光の発光強度、とくにOHラジカル、CHラジカルまたはCラジカルの自発光に由来する発光強度を計測し、その発光強度にピークが認められた場合には、そのピークが認められた計測箇所に吹き込み還元材の燃焼位置が存在していると推定するものである。
図1は、送風羽口の流路方向(吹き込み還元材の吹き込み方向)の3箇所に計測箇所(a点、b点、c点)を設定し、吹き込み還元材の燃焼によって発生するOHラジカル、CHラジカルまたはCラジカルの自発光に由来する発光強度の計測を行う例を示した図である。図における符号1は、吹き込み還元材の吹き込み口を形成する羽口本体、2は、先端が羽口本体1の後端につながるブローパイプ(ブローパイプの後端は図示しない送風支管につながっている)、3は、先端部がブローパイプ2内に位置する吹き込み還元材吹き込み用ランス、4は、羽口本体1、ブローパイプ2の内外につながる貫通孔、5は、貫通孔4の後端(出側端)に配置され、送風羽口内において発光強度を計測する発光強度計測手段(分光装置等)である。
発光強度計測手段5としては、特定の波長あるいその波長近傍の発光に由来する発光強度を抽出することができるものであれば、たとえば、干渉フィルターを用いたもの、ダイクロイックミラーを用いたもの、あるいは回折格子を用いたものなど、どのような形式の分光装置を用いてもよい。
上掲図1に示した如き構成からなる送風羽口を用いて高炉内に吹き込み還元材の吹き込みを行うに当たり、たとえば、図2に示すような発光強度の分布が得られた場合においては、計測箇所b点に吹き込み還元材の燃焼位置が存在していると推定することができる。また、いずれの計測箇所においても吹き込み還元材の発光強度の増大が認められない場合には、最も下流側に位置する計測箇所c点よりもさらに下流側に吹き込み還元材の燃焼位置が存在していると推定することができる。
吹き込み還元材の燃焼位置がどこに存在するかを推定することができると、送風ガス(熱風)の圧力あるいは温度を適宜調整することによって吹き込み還元材の燃焼位置を制御することが可能となり、吹き込み還元材の効率的な吹込みを行い得る。また、燃焼位置の変更により送風羽口の寿命の延長を図ることもできる。
本発明においては2箇所の計測箇所で発光強度を計測することにより吹き込み還元材の燃焼位置を推定することができるが、計測箇所が多いほど吹き込み還元材の燃焼位置を正確に推定することが可能になる。このため、計測箇所は好ましくは3点以上とするのがよい。また、計測箇所は、図3に示すように、送付羽口の羽口本体1の先端において開口する貫通孔4′を設け、送風羽口の先端外側に設定することもできる。
発光強度計測手段5を配置する貫通孔4は、送風羽口の上面、下面の他、側面に設けることも可能であり、発光強度計測手段5の取り合いが許す限り多数設けることができる。
貫通孔4の出側端に発光強度計測手段5を配置するのが困難な場合は、該発光強度計測手段5を該貫通孔4から離れた場所に設置し光ファイバーを用いて発光を導くようにしてもよい。
また、ある特定の1点もしくは特定の1直線上の発光のみの発光強度を計測したい場合には、貫通孔4の入側端の前に集光レンズやカセグレンなどの光学系を配置して空間解像度をあげるのが好ましい。
図4(a)〜(c)は、本発明の実施に用いて好適な送風羽口の他の実施の形態を示した図である。
この例は、設備の構造制約等により発光強度計測手段5を2箇所以上に設けることができない場合に、発光強度の計測箇所(予め設定された1つの計測箇所)に対してランス3をその軸方向に沿ってスライドさせてランス先端から計測箇所に至るまでの相対距離(ランス先端から観測点に至るまでの直線距離)を変更することによって発光強度を計測するものである。ランス3のスライドは、たとえば、ロッドをランス3に連結した油圧シリンダーの如き移動機構によって行うことができる。
かかる送風羽口において、発光強度を計測するには、送風羽口の流路方向の1箇所に計測箇所d点を設定する。そして、ランス3の吹き込み初期位置において該ランス3から吹き込み還元材を吹き込んだ場合(相対距離L1)と、該ランス3をその軸芯O′に沿ってスライドさせて該計測箇所d点との相対距離を少なくとも1回、例えば、相対距離L2、L3と変更させて吹き込み還元材を吹き込んだ場合のそれぞれにつき、発光強度を計測する。
この場合、ランス3のランス先端から計測箇所d点に至るまでの相対距離と発光強度との関係がわかるので、ランス先端からどの程度離れたところで発光強度が上昇しているか把握すること可能であり吹き込み還元材の燃焼位置を推定することができる。
吹き込み還元材の燃焼位置は、ランス3のランス先端から計測箇所d点までの相対距離で決まるので、実際の操業においては、操業条件において定まるランス先端位置を基準にして、上記の関係、すなわち、ランス3の先端から計測箇所に至るまでの相対距離と発光強度との関係から燃焼位置を求める。なお、この場合も発光強度が上昇するかどうかを観測する必要があるので、ランス3のランス先端から計測箇所d点に至るまでの相対距離を、少なくとも1回、より好ましくは、2回以上変更して発光強度を計測するのがよい。
図4(a)〜(c)では、ランス3のランス先端から計測箇所d点に至るまでの相対距離が最も長いL1の位置を吹き込み還元材の吹き込み初期位置としたが、吹き込み還元材の吹き込み初期位置はランス3のランス先端から計測箇所d点に至るまでの相対距離が最も短いL3とし相対距離がL2、L1となるようにランス3をスライドさせるようにしてもよく、この点についてはとくに限定されない。
発光強度を計測する波長としては、吹き込み還元材の燃焼火炎中に発生するラジカルの特性波長ならば何でもよい。本発明では、OHラジカルに対応する304nm、CHラジカルに対応する431.5nm、Cラジカルに対応する473nm、515nmなどを用いることができるが、とくに、OHラジカルの304nmまたはCHラジカルの431.5nmは、急峻なピークが現れやすいので、これらを用いるのが好ましい。
内径100mm、長さ1180mmからなる本体部分を有しその長手方向に沿い200mm間隔で3つの観測窓が設けられた図5に示すような小型燃焼炉(円筒型)を用い、該小型燃焼炉の上流側から速度100m/s、温度1200℃、酸素濃度49%の熱風を吹き込むとともに、燃焼炉の軸芯に沿って配置した内径10.9mmのランスを通して微粉炭を35kg/hで吹き込み、その吹き込み中に微粉炭の燃焼によって発生するOHラジカル、CHラジカル、Cラジカルの発光強度がどのように変化するかについて調査を行った。その結果を図6〜9に示す。なお、発光強度の計測は、ランスの先端から200mm、400mm、600mmに位置する観測窓(小型燃焼炉の壁部に設けられた観測窓)から行った。発光強度計測手段としてはダイクロイックミラーとバンドパスフィルターを併用したものを4組用意し、OHラジカルに対応する304nm、CHラジカルに対応する431.5nm、Cラジカルに対応する473nmと515nmの合計4チャンネルの測定を可能とした分光装置を使用した。
図6〜9より明らかなように、いずれにおいてもランス先端から400mmの位置に発光強度のピークがあることが確認され(強い発光が発生)、ここで微粉炭の燃焼反応が起こっていることが推定された。
本発明によれば、吹き込み還元材の吹き込みを行う高炉操業において、吹き込み還元材の燃焼位置を正確に把握して吹き込み還元材の効率的な吹き込みを可能とする燃焼位置推定方法とその方法の実施に好適な送風羽口が提供できる。
1 羽口本体
2 ブローパイプ
3 吹き込み還元材吹き込み用ランス
4 貫通孔
5 発光強度計測手段(分光装置)

Claims (8)

  1. 送風羽口の羽口本体の通路内または該羽口本体につながるブローパイプの通路内に先端部が位置するランスを通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込む高炉操業において、
    該ランスによる吹き込み還元材の吹き込み中に、吹き込み還元材の吹き込み方向に沿う少なくとも2箇所において吹き込み還元材の燃焼によって発生するOHラジカル、CHラジカルまたはC ラジカルの自発光に由来する発光強度を計測し、その計測された発光強度にピークが認められた場合に、そのピークが認められた計測箇所に吹き込み還元材の燃焼位置があると推定することを特徴とする高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法。
  2. 前記吹き込み還元材の燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する計測箇所のうちの少なくとも一箇所は、前記送風羽口の先端外側に位置するものであることを特徴とする請求項に記載した高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法。
  3. 前記吹き込み還元材が、微粉炭、廃プラスチック、天然ガス、プロパンガス、コークス炉ガス、重油、軽油、菜種油またはタールである請求項1または2に記載した高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法。
  4. 送風羽口の羽口本体の通路内または該羽口本体につながるブローパイプの通路内に先端部が位置するランスを通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込む高炉操業において、
    該ランスによる吹き込み還元材の吹き込み中に燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する計測箇所を予め設定しておき、
    該ランスの吹き込み初期位置において吹き込み還元材を吹き込んだ場合と、該ランスをその軸芯に沿ってスライドさせて該ランスのランス先端から計測箇所に至るまでの相対距離を少なくとも1回変更して吹き込み還元材を吹き込んだ場合のそれぞれにつき、吹き込み還元材の燃焼によって発生するOHラジカル、CHラジカルまたはC ラジカルの自発光に由来する発光強度を計測し、その計測された発光強度にピークが認められた場合には、そのピークが認められた計測箇所に吹き込み還元材の燃焼位置が存在していると推定することを特徴とする高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法。
  5. 前記吹き込み還元材の燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する計測箇所は、前記送風羽口の通路内または該送風羽口の先端外側に設定されたものであることを特徴とする請求項4に記載した高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法。
  6. 前記吹き込み還元材が、微粉炭、廃プラスチック、天然ガス、プロパンガス、コークス炉ガス、重油、軽油、菜種油またはタールである請求項4または5に記載した高炉の送風羽口における吹き込み還元材の燃焼位置推定方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した方法の実施に使用する送風羽口であって、
    熱風の吹き込み口を形成する羽口本体と、該羽口本体につながるブローパイプと、該羽
    口本体の通路内または該ブローパイプの通路内に先端部が位置し該羽口本体の吹き込み口を通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込むランスとを備え、
    前記羽口本体および/またはブローパイプは、その内外につながるとともに、吹き込み
    還元材の吹込み中に燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する少なくとも2つの貫通孔を有することを特徴とする送風羽口。
  8. 請求項4〜のいずれか1項に記載した方法の実施に使用する送風羽口であって、
    熱風の吹き込み口を形成する羽口本体と、該羽口本体につながるブローパイプと、該羽口本体の通路内または該ブローパイプの通路内に先端部が位置し該羽口本体の吹き込み口を通して吹き込み還元材を高炉内へ吹き込むランスとを備え、
    前記羽口本体および/またはブローパイプは、その内外につながるとともに、吹き込み還元材の吹き込み中に燃焼火炎による放射光の発光強度を計測する少なくとも1つの貫通孔を有し、前記ランスは、その軸芯に沿う向きのスライドを可能とする移動機構を有することを特徴とする送風羽口。
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