以下、実施形態につき、図面を参照して説明する。
実施形態に係る健康情報サービスシステムは、健康美容の活性化を支援するコンピュータシステムである。図1に示すように、ミラー装置100、ミラー装置100の制御装置200、及び制御装置200とネットワークを介して接続されるサービスサーバ装置300を含んで構成されている。また、サービスサーバ装置300には、ネットワークを介して外部サービスサーバ装置400及び移動通信装置が接続される。
ミラー装置100及び制御装置200は、例えば、ユーザが居住する住居又は訪問先の施設や店舗等に設置される。ミラー装置100は、ユーザ本人を被写体として鏡像を映し出す鏡であるとともに、各種情報を表示する表示装置として機能する。また、後述するように、ミラー装置100の前に居るユーザの健康美容状態やユーザの行動状態を取得する装置としても機能する。
図1及び図2Aに示すように、ミラー装置100は、ハーフミラー111と表示パネル112を備えている。ハーフミラー111は、入射した光の一部を反射し、一部を透過させる反射膜が形成された鏡であり、例えば、ガラス等の透明基板の上に反射膜を薄く形成することで構成することができる。反射光と透過光の割合は反射膜の厚みで調整でき、図2Bに示すように、ハーフミラー111は、ハーフミラー111の前面側から入射するユーザの像を反射させ、ハーフミラー111の後面側に位置する表示パネル112からの表示光をハーフミラー111の前面側に透過させる。
表示パネル112は、表示画面113を有する自発光型のディスプレイ装置である。表示パネル112としては、例えば、バックライト型や反射型の液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置などがある。表示パネル112の表示画面113は、ハーフミラー111の全体又はハーフミラー111の1つ又は複数の特定の領域に対応して設けることができる。
なお、ミラー装置100の構成は、任意であり、例えば、表示パネル112を自発光型のディスプレイ装置に代えて透明ディスプレイとすることも可能である。この場合、透明ディスプレイ装置は、例えば有機ELや有機発光ダイオード(Organic Light−Emitting Diode:OLED)で構成することができる。有機ELやOLEDの一般的な構造としては、例えば、ガラスやプラスチック等の透明基板の上に陽極と陰極で有機物を挟み、電流を流すと有機発光体が光を発する仕組みがある。電流を流さない非表示時にガラス等と同様の透明膜になる特徴を有している。そして、表示パネル112を透明ディスプレイ装置とする場合は、上述したハーフミラー111を用いずに、入射する全光を反射する鏡を透明ディスプレイ装置の背面側に置き、透明ディスプレイ装置と鏡とを組み合わせて構成されたミラー装置100とすることも可能である。
ミラー装置100は、ユーザを撮影するカメラ120、マイク130、スピーカー140、人感センサ150、センサ機器160の各機器を備えている。これら各機器は、制御装置200によって制御される。
カメラ120は、撮影範囲がミラー装置100の前面側となるように、ミラー装置100に設けられる。カメラ120は、ミラー装置100の前に位置するユーザ全体像を撮影したり、顔などの特定部位を撮影することができる。
カメラ120は、可視カメラ、サーモグラフィカメラ(遠赤外線カメラ)、近赤外線カメラなどを用いることができる。例えば、図1に示すように、2つのカメラ120をミラー装置100に設け、一方のカメラ120を可視カメラ、他方のカメラ120をサーモグラフィカメラとすることができる。また、1つのカメラで可視、遠赤外線、赤外線などを切り替えて撮影が可能である場合、カメラ120は1台でよい。また、3台以上の複数のカメラ120を設けてもよい。
また、カメラ120は、ミラー装置100とは独立して、ユーザの背面や天井、側面の壁などに設置し、ユーザの後ろ姿、側面、上方からのカメラ120の映像を有線LANや無線通信で制御装置200に送信する態様でもよい。または、美容師やマッサージ師などがウェアラブル型のカメラ(身体等に装着してハンズフリーで撮影可能な小型カメラ)を装着し、その施術視点の映像をリアルタイムに無線通信、或いは当該カメラに記録された映像を有線接続或いは無線通信で制御装置200に送信する態様でもよい。
例えば、近赤外線カメラによって取得されたユーザの画像から、ユーザの肌水分量、血行、シミ、化粧のノリ、化粧落ち、頭皮といった肌状態を計測することができる。また、遠赤外線カメラによって取得されたユーザのサーモグラフィ画像から、ユーザの体表温度計測を行うことができる。
また、可視カメラによって取得されたユーザの画像は、ユーザの各種美容健康情報の計測に用いられる。例えば、顔画像の目、鼻、口といった顔パーツを抽出して各部位の座標、傾き、経年変化から顔の歪みやたるみ、むくみを計測することができる。また、計測された顔の歪みなどから、ユーザの表情を分析してストレス状態の有無や度合いを計測することもできる。なお、顔画像以外にも、例えば、足画像から脹脛、足首といった足パーツを抽出して、各部位の座標、傾き、平常時数値、過去計測時との比較などから足のむくみを計測することもできる
さらに、可視カメラによって取得されたユーザの全身画像、上半身の画像或いは映像からユーザの体形を計測したり、計測されたユーザの体形と所定の基準体形データとをマッチングして、ユーザの体の歪み算出することもできる。なお、カメラ120は、各計測に必要なユーザの画像を得るために、適宜、単眼カメラ、複眼カメラまたは多眼カメラを適用することができる。
人感センサ150は、ミラー装置100に鏡像が映し出されるユーザの所在有無を検知する。人感センサ150は、赤外線、超音波、可視光などによってミラー装置100の前面側の領域における利用者の動きを検知し、ミラー装置100の前面にユーザが存在するか否かを検知する。人感センサ150によるユーザ検知の結果は、例えば、ミラー装置100によるユーザの行動状態の取得を開始したり、ユーザに対する情報表示を開始するなどのトリガーとして利用される。また、ミラー装置100の前からユーザが移動したか否かも検出し、各機能の開始及び停止等の制御に活用することもできる。
センサ機器160は、温湿度計、照度センサ、空気中の汚れを測定するほこりセンサなどの複数のセンサ機器類を備えている。なお、複数のセンサ機器160は、ミラー装置100の特定の場所に集中して設けたり、適宜異なる場所に設けることができる。
また、センサ機器160として、マイク130を含むように構成することができる。例えば、ユーザのくしゃみや咳の音声をマイク130で取得し、ユーザの健康に関する情報として、くしゃみの回数を取得するように構成することもできる。また、ユーザの動きを検出するモーションセンサも、センサ機器160に含まれるように構成することができる。なお、モーションセンサは、カメラ120の赤外線カメラや赤外線照射LEDの組合せで構成する態様でもよい。
健康美容測定装置170は、体温計、体重計、体組成計、血圧計、肌診断機器、口臭計測器、睡眠計といったミラー装置100と独立した機器として構成される。健康美容測定装置170は、制御装置200と接続されており、検出結果を制御装置200に出力する。
このように本実施形態の健康情報サービスシステムは、ユーザの健康美容情報や環境情報で構成される健康美容環境情報を、カメラ120、センサ機器160及び健康美容測定装置170を通じて取得することができ、カメラ120、マイク130、人感センサ150及びセンサ機器160が、ミラー装置100の健康美容環境センサ部として機能する。
なお、ユーザの健康美容状態を計測するセンサ機器や環境情報を計測するセンサ機器の組み合せは任意であり、また、口臭計測器(ユーザの口臭を測定する口臭センサ)や肌診断機器などを、ミラー装置100と独立した健康美容測定装置170として構成せずに、例えば、センサ機器160としてミラー装置100と一体に設けるなど、ミラー装置100に対するセンサ機器類の構成は、任意である。
次に、ミラー装置100の制御と制御装置200の各部の機能について説明する。制御装置200は、通信部211、出力制御部212及び記憶部213と、制御部220と、センサ制御部231、計測データ解析部232、ユーザ行動認識部233、ユーザ操作認識部234、AR制御部235及びユーザ嗜好取得部236と、を含んで構成されている。
通信部211は、ミラー装置100及び健康美容測定装置170との間で通信を行うとともに、制御装置200とサービスサーバ装置300との間のネットワークを介した通信を行う通信制御部である。制御装置200と健康美容測定装置170との間の通信は、Bluetooth(登録商標)やNFCといった近接無線通信で行うことができる。また、健康美容測定装置170と制御装置200を有線で接続して通信を行うようにしてもよい。
一方、制御装置200とサービスサーバ装置300とは、有線/無線回線、専用回線等を問わず、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット等のネットワークで接続されている。
出力制御部212は、表示パネル112の駆動制御を行い、表示画面113に各種情報を表示(情報出力)する表示制御と、スピーカー140から所定の音声データを出力する音声再生(音声出力)制御と、を行う。
記憶部213は、ミラー装置100に登録されたユーザ情報、当該ユーザ(利用者)に応じたテーマコンテンツ情報、ミラー設定情報、ローカルキャッシュ情報、プライバシコンテンツ情報を記憶する。
ユーザ情報は、登録されたユーザの利用者ID、氏名、年齢、ニックネーム、嗜好、本人認証用の生体認証用情報、登録日時、サービス利用日時、サービス利用頻度、アバター情報などが含まれる。テーマコンテンツ情報は、表示画面113のテーマ(壁紙画像)及びアイコンを含む画面表示コンテンツデータや、BGM及び効果音などの音声コンテンツデータを含む。
ミラー設定情報は、ミラー装置100の機器識別情報、製造情報、ネットワーク情報、通信接続可能な機器情報、健康美容環境センサ部又は/及び健康美容測定装置170から取得した健康美容環境情報に対するプライバシ処理の要否設定情報、が含まれる。
ローカルキャッシュ情報は、ユーザが使用した前回の最終画面表示コンテンツ及び音声コンテンツの履歴、健康美容環境センサ部及び健康美容測定装置170で計測されたユーザの健康美容環境情報や、外部サービスサーバ装置400からサービスサーバ装置300を経由して取得した外部サービスコンテンツ情報などが含まれる。外部サービスコンテンツ情報としては、例えば、天気、温湿度、気圧、雨雲情報など気象情報、気象情報と連携した紫外線、熱中症、リウマチ、うつ気分、ぜんそく、花粉症といった健康予報情報、交通情報、イベント情報、商品情報といった健康美容に関連した情報などが含まれる。
また、外部サービスコンテンツ情報として、健康美容行動コンテンツを含むことができる。健康美容行動コンテンツは、マッサージやストレッチ、体操、エクササイズなどの健康美容に関してユーザの行動をサポートするための画像や映像(行動サポート表示データ)である。
そのほか、ロールキャッシュ情報には、後述するユーザ嗜好取得部236によって取得されるユーザの個人嗜好評価情報が含まれる。
プライバシコンテンツ情報とは、健康及び美容の状態を計測するために使用した可視カメラの画像や撮影映像といった、ユーザがサービスサーバ装置300に送信したくない取り扱いが繊細なユーザのプライバシに係るコンテンツ情報である。
本実施形態では、健康美容環境センサ部及び健康美容測定装置170で計測されたユーザの健康美容環境情報は、サービスサーバ装置300に送信されるが、計測された画像や映像等の元データをそのままサービスサーバ装置300に送信するのではなく、例えば、他のデータに変換するプライバシ処理を施し、プライバシ処理後の情報をユーザの健康美容環境情報としてサービスサーバ装置300に送信する。
プライバシ処理は、計測データ解析部232によって実行され、例えば、可視カメラの映像や画像からユーザの健康美容に関する情報を定量化する。具体的には、上述したように、ユーザの肌保湿度や肌状態に対するプライバシ処理としては、まず、ユーザの肌水分量、血行、シミ、化粧のノリ、化粧落ち、頭皮といった肌状態を解析する。そして、解析結果を、肌保湿度や肌状態総合点数に定量化する。例えば、予め決められた評価基準値や評価点数を用いて解析結果を定量化し、ユーザの画像から把握される肌水分量や血行状態などから、肌保湿度合いや肌状態総合点数を算出することができる。
全身のサーモグラフィ情報に対するプライバシ処理としては、例えば、予めサーモグラフィ情報の分類パターンを設定しておき、マッチングする分類パターンを、ユーザのサーモグラフィ情報として出力する。分類パターンとして、例えば、手先足先の体表温度が冷えているパターン、主に下半身の体表温度が低くなっているパターンなどを予め設定することができる。
また、ユーザの体の歪みや体の各部位の歪み、たるみ、むくみといった健康美容状態も定量化することができる。例えば、顔画像の目、鼻、口といった顔パーツを抽出して各部位の座標、傾きを計測し、基準体形データに対する変化や各部位の経年変化を解析する。そして、予め決められた歪み量や変位量に対する評価値を用いて解析結果を定量化し、解析結果に応じて、顔の歪みやたるみ、むくみの度合いを算出することができる。また、ユーザの顔画像から、ユーザの表情(心情)の度合いを評価することもできる。例えば、明るい、険しい、暗い、強張りなどのユーザの顔画像の分類パターンを登録しておき、ユーザの顔画像とマッチングしてユーザのストレス状態を、各分類パターンで出力する。
このようにプライバシ処理を通じて定量化された情報のみをサービスサーバ装置300へ送信するようにし、元の映像や画像をプライバシコンテンツ情報として記憶部213に記憶するように構成することができる。プライバシコンテンツ情報は、制御装置200において、情報漏えい対策として、暗号化処理が施されたり、耐タンパ性を具備した特別な記憶領域に記憶されるなど、所定のセキュリティ機能によって保護されるように構成することができる。
制御部220は、制御装置200全体の制御を司り、通信部211及び出力制御部212の各機能を制御するとともに、記憶部213に対するデータの入出力を制御する。
さらに制御部220は、ミラー装置100の前に居るユーザの健康美容状態やユーザの行動状態を取得するために、センサ制御部231、計測データ解析部232、ユーザ行動認識部233、ユーザ操作認識部234、AR制御部235及びユーザ嗜好取得部236の各機能を制御する。
センサ制御部231は、健康美容環境センサ部を構成するカメラ120、人感センサ150及びセンサ機器160の動作を制御し、撮影された画像、映像や各種センサで検出される検出値を各機器から取得する。
計測データ解析部232は、健康美容環境センサ部及び健康美容測定装置170で計測された計測結果からユーザの健康美容環境情報を生成する。具体的には、上記のプライバシ処理で説明したように、カメラ120で撮影されたユーザの近赤外線画像や映像から、ユーザの肌水分量、血行、シミ、化粧のノリ、化粧落ち、頭皮といった肌状態を解析する。また、カメラ120で撮影された可視画像から、顔画像の目、鼻、口といった顔パーツを抽出して各部位の座標、傾きを計測し、基準体形データに対する変化や各部位の経年変化を解析する。
また、計測データ解析部232は、上述のようにプライバシ処理を行うことができ、ユーザのサーモグラフィ情報にマッチングする分類パターンを抽出したり、ユーザの表情(ストレス状態)とマッチングする分類パターンを抽出したりする。さらに、上述した解析結果に対する定量化処理も行う。
ユーザ行動認識部233は、カメラ120によって取得されたユーザの画像や映像から、ミラー装置100の前にいるユーザの平面的或いは立体的に全身や上半身の体の各部位の位置情報を算出し、ミラー装置100の前でユーザが行う行動を認識する。
例えば、ユーザ行動認識部233は、ストレッチ運動やエクササイズ運動、下半身のマッサージや顔マッサージなどのユーザ行動をガイドする健康美容行動コンテンツに従って、ユーザが行動したかをカメラ120によって取得されるユーザの画像や映像から把握する。その健康美容行動コンテンツに従って行動をユーザが行った場合に、例えば、ユーザが顔マッサージを行ったものとして認識することができる。
図3に示すように、出力制御部212は、サービスサーバ装置300から外部サービスコンテンツ情報として、予め健康美容行動コンテンツを取得することができ、ユーザの操作をトリガーに、任意の健康美容行動コンテンツを表示パネル112の表示画面113に表示する。ユーザは、ハーフミラー111によって自身の鏡像を健康美容行動コンテンツの表示データに重ね合わせるように映し、健康美容行動コンテンツの映像に合わせて、行動を行うことができる。
ユーザ行動認識部233は、カメラ120によって取得されるユーザの画像や映像またはモーションセンサから取得されるユーザの顔、手足、胴体などの各部位の位置情報を算出し、表示画面113に表示される健康美容行動コンテンツの表示データの位置とマッチングを行う。ユーザ行動認識部233は、マッチング結果から、健康美容行動コンテンツの表示データの変化に従ったユーザの行動を把握する。このとき、健康美容行動コンテンツには、ユーザに音声を発するように促す発声ガイドを表示する情報を含むことができ、ユーザ行動認識部233は、マイク130から取得されるユーザの発声データを取得して、ユーザの身体の各部位のマッチングとともに、ユーザの発声タイミングのマッチングを行うことができる。
例えば、再生している健康美容行動コンテンツと手足の動き位置や発声のリズムがどれだけ合っているかのマッチング率で数値化することができる。このマッチング率は、健康美容行動コンテンツに従うユーザのエクササイズ等の行動が完了してからユーザの健康美容行動結果として、表示画面113に表示したり、健康美容行動コンテンツの再生を開始してから、所定の時間周期、または健康美容行動の一部が完了した段階で、健康美容行動コンテンツの再生中に複数回表示したりすることができる。
そして、ユーザ行動認識部233は、当該マッチング率をユーザの行動実行履歴として記憶することができる。例えば、マッチング率を用いて、健康美容行動コンテンツの行動達成の度合いを数値化し、ユーザの行動実績を評価することができる。
なお、ユーザ行動認識部223は、マッチング率を用いて、例えば、マッチング率が所定の閾値よりも大きい場合、ユーザが健康美容行動コンテンツの行動(エクササイズなど)を行ったものと認識することもできる。また、マッチング率に関係なく、健康美容コンテンツの表示データを表示画面113に表示している一定の時間、ユーザがミラー装置100の前に存在していたことがカメラ120や人感センサ150などで検知された場合に、健康美容コンテンツに従うユーザの行動実績があったものと識別することもできる。
逆に、ユーザ行動認識部223は、マッチング率を用いて、マッチング率が所定の閾値よりも小さい場合、ユーザが健康美容行動コンテンツの行動を行っていないものと認識したり、マッチング率に関係なく、健康美容コンテンツの表示データを表示画面113に表示している一定の時間、ユーザがミラー装置100の前に存在していないことをカメラ120や人感センサ150などで検知した場合に、健康美容コンテンツに従うユーザの行動実績がなかったものとして識別したりすることもできる。
ユーザ行動認識部233は、ユーザが実行した健康美容行動コンテンツ、健康美容行動コンテンツの実行有無、実行開始時間、実行終了時間、実行回数、実行点数(マッチング率)などを含むユーザの行動履歴を記憶部213に記憶する。また、行動履歴は、任意のタイミングで通信部211を介してサービスサーバ装置300に送信され、サービスサーバ装置300の記憶部に健康美容行動情報が記憶される。
なお、ユーザが実行する健康美容行動には、サプリメントの摂取やヒーリングBGMを聴くなどの運動以外の健康美容に関する行動を含むように構成することができる。サプリメントの摂取履歴は、例えば、後述するユーザ認識部234を介したサプリメントを摂取した/摂取しないに関するユーザの操作意思を認識し、サプリメントの摂取行動を健康美容に関する行動として取得することができる。また、例えば、記憶部213に記憶されている音楽データをユーザが再生したか否かを識別したり、再生時間を取得することで、ヒーリングBGMを聴くなどの健康美容に関するユーザの行動を取得することができる。
ユーザ操作認識部234は、ユーザの音声、手や指、足によるジェスチャー、吐息、視線、顔の向きといった、ユーザの操作意志を認識して所定の操作信号に変換し、変換された操作信号を制御部220に出力し、制御部220が各部の動作を制御する。例えば、操作信号と所定の音声とを関連付けておき、ユーザの音声をマイクで集音する。集音された音声と操作信号をマッチングして、該当する操作信号を抽出することができる。また、所定のジェスチャーや視線、顔の向きと操作信号とを関連付けておき、カメラ120で取得されるユーザの画像とマッチングすることで、該当する操作信号を抽出する。このようにユーザ操作認識部234を介してユーザ操作を認識し、認識されたユーザ操作に従って、ミラー装置100の表示画面113に特定の画面を表示したり、コンテンツの再生制御、音声ボリュームの拡大・縮小といった制御を行うことができる。
ユーザ操作認識部234は、あくび、くしゃみ、ため息、お腹の音、おなら、表情といったユーザの明示的な操作意志でない発声音や動作を認識することもできる。この場合、ユーザ操作認識部234は、これら認識された情報からユーザの状態を把握し、把握されたユーザ状態に適した画面表示や音声出力を行うように制御することもできる。例えば、ユーザ操作認識部234は、くしゃみの発声音を認識した場合、当該くしゃみに対応した表示画面113に波紋が広がって揺れるような表示画面を表示させるようにして演出効果を加えたり、表示画面113上にキャラクタを表示させて「寒い?」とユーザに声掛けする音声を再生したりしてもよい。
次に、AR制御部235について説明する。ユーザ行動認識部233は、ミラー装置100の前で行動したユーザの行動状態を取得したが、AR制御部235は、ミラー装置100の鏡像として映し出されるユーザ像に、ユーザの動きに合わせて表示データを表示する。
AR制御部235は、例えば、光学的に鏡面に映るユーザの鏡像の指定位置に、表示パネル112から透過的に表示コンテンツを重ねて現実拡張を行う拡張現実化処理を行うことができる。表示コンテンツには、ユーザ鏡像のどの位置に表示データを重ねて表示したいかを示す表示位置情報を含んでいる。
まず、ユーザ行動認識部233が、健康美容環境センサ部から取得されるミラー装置100の前にいるユーザの計測結果を用いて、平面的または立体的にユーザの全身や上半身の体の各部位の位置情報を算出する。AR制御部235は、ユーザ行動認識部233からユーザの各部位の位置情報を取得し、ユーザの各部位の位置情報に基づいて表示コンテンツの表示座標及び表示サイズを算出する。AR制御部235は、算出された表示座標、表示サイズ及び表示コンテンツを出力制御部212に出力し、出力制御部212が、表示画面113に指定された表示座標及び表示サイズで、表示コンテンツを表示する。なお、拡張現実化処理に用いられる表示コンテンツは、表示角度、歪み、色彩、明るさといった情報を含んでもよい。
ユーザ嗜好取得部236は、ユーザから、生活行動、健康美容状態の体感である健康美容感覚、健康美容行動の嗜好に関する情報(ユーザ嗜好評価情報)を収集する。ユーザ嗜好情報は、ミラー装置100を通じて取得することができる。
ユーザ嗜好取得部236は、所定のタイミングで動作することができる。例えば、健康美容感覚を収集する場合、朝一番最初にミラー装置100の前にユーザが現れた時点、夕方以降でミラー装置100に接触しない時間が所定時間以上経過した後にミラー装置100でユーザを検出した時点がある。また、健康美容行動の嗜好を収集する場合、健康美容行動コンテンツの再生が終了した時点、または健康美容行動コンテンツに対するユーザの健康美容行動が終了した時点がある。
ユーザ嗜好取得部236は、ユーザ嗜好の取得処理を開始するにあたり、ユーザ嗜好特性を収集するためのユーザ嗜好特性収集コンテンツ、言い換えれば、ユーザ嗜好取得画面を表示画面113に表示するように出力制御部212に制御信号を出力する。出力制御部212によってユーザの嗜好を収集するためのユーザ嗜好特性収集コンテンツが表示されると、ユーザ嗜好取得部236は、ユーザ操作認識部235によって認識されるユーザ嗜好特性収集コンテンツに対するユーザの応答を取得する。
1)生活行動履歴として、ミラー装置100が脱衣所に設置されている場合、カメラ120でユーザが入浴前の脱衣状態であることを検知し、ユーザ嗜好取得部236は、検知した時刻を入浴時刻として取得する。このとき、カメラ120によって予め取得されている平常時のユーザの表情や体の色、体表温度と、入浴前にカメラ120によって取得されたユーザの表情や体の色、体表温度とを比較する。そして、体(顔)の色が赤み掛かっている場合に、ユーザ嗜好取得部236は、「今日は結構飲んだの?」といった音声をスピーカー140から出力し、ユーザへの問いかけを行う。ユーザは、問いかけ音声に対して飲んだ、飲まない、の返答とともに、飲んだ場合のアルコール摂取量などを音声で返答する。ユーザの返答をマイク130で取得し、取得した返答内容を音声解析してユーザ嗜好取得部236はアルコール摂取の有無及びアルコール摂取量を収集する。
2)健康美容感覚として、今の体調、気分、各部の痛み、肩コリなどの状態を問い掛けるユーザ嗜好特性収集コンテンツを表示画面113に表示する。ユーザは、体調、気分、各部の痛み、肩コリなどの状態に対する回答を、首の振り方(縦振りがYes、横振りがNo)、手や指あるいは体を使ったモーションジェスチャで行ったり、音声で行うことができる。これらのユーザの操作は、ユーザ操作認識部234によって認識され、認識結果が体調、気分、各部の痛み、肩コリなどの各状態に対する問い掛けの返答として、ユーザ嗜好取得部236に出力される。
3)健康美容行動嗜好として、今、実行した健康美容行動コンテンツに対して、好きか嫌いか、心地よいか不快か、得意か不得意か、関心があるか否かなどの問い掛けを、上述した2)と同様に行い、取得することができる。
制御部220は、ユーザ嗜好取得部236によって取得された各ユーザ嗜好評価情報(ユーザへの問い掛けに対する応答結果)を、ローカルキャッシュ情報として記憶部213に記憶するとともに、任意のタイミングで通信部211を介してサービスサーバ装置300に送信され、サービスサーバ装置300の記憶部にユーザ嗜好評価情報が記憶される。
また、ユーザ嗜好情報は、ユーザが保有する移動通信装置500を通じて取得することもできる。移動通信装置500は、例えば、多機能携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等のデータ通信機能及び演算機能(CPU等)を備えた携帯情報端末、ノートパソコンやタブレット型コンピュータ等が含まれる。
図4は、移動通信装置500の機能ブロックを示す図である。表示部510は、ディスプレイ装置であり、タッチパネル等の操作入力機能を備えることができる。制御部530は、表示部510から入力されるユーザ操作に基づいて各種情報や画面の表示制御を行うことができる。
カメラ521は、ミラー装置100のカメラ120と同様の構成であり、可視カメラや近赤外線カメラである。また、センサ機器522も、ミラー装置100のセンサ機器160と同様の構成とすることができ、温湿度計、照度センサ、ほこりセンサ、光干渉断層計測機器などの複数のセンサ機器類を備えている。また、センサ機器522として、マイク523を含むように構成することができる。
通信部531は、制御装置200の通信部211と同様であり、健康美容測定装置170との間で通信を行うとともに、サービスサーバ装置300との間のネットワークを介した通信を行う通信制御部である。出力制御部532は、表示部510に各種情報を表示(情報出力)する表示制御と、スピーカー524から所定の音声データを出力する音声再生(音声出力)制御と、を行う。位置情報取得部533は、移動通信装置500の現在位置を取得するGPS装置として機能する。
さらに、移動通信装置500は、センサ制御部535及び計測データ解析部536を備える。これらの各部の機能は、制御装置200のセンサ制御部231及び計測データ解析部232と同じであるので、説明を省略するが、移動通信装置500は、ミラー装置100でしか取得できない情報、例えば、健康美容情報の体の歪み、サーモグラフィパターンなどの情報を除く他の情報を、カメラ521、センサ機器522、マイク523の各機器を用いて計測、取得することができる。一方、ミラー装置100と異なり、カメラ521、センサ機器522、マイク523の各機器を用いて計測した情報を、位置情報取得部533で取得したGPS装置として機能する計測した場所を特定するための位置情報と関連づけてサービスサーバ装置300へ送信することもできる。この場合、サービスサーバ装置300の記憶部314には計測された各情報と計測した場所と特定するための位置情報と関連づけて記憶することができる。
また、ユーザ行動認識部537は、制御装置200のユーザ行動認識部233と同様に、例えば、表示部510に、顔のリンパマッサージの健康美容行動コンテンツとカメラ521で撮影されたユーザの顔画像とを重ねて表示し、ユーザが健康美容行動コンテンツの映像に合わせて行う行動を認識するように構成することができる。なお、健康美容行動の認識結果は、位置情報取得部533で取得したGPS装置として機能する当該健康美容行動を実行した位置情報と関連付けて記憶することができる。
ユーザ行動認識部537は、カメラ521によって取得されるユーザの画像や映像のユーザの顔の各部位や手の位置情報を算出し、表示部510に表示される健康美容行動コンテンツの表示データの位置とマッチングを行う。ユーザ行動認識部537は、マッチング結果から、健康美容行動コンテンツの表示データの変化に従ったユーザの行動を把握することができる。
そして、移動通信装置500は、ユーザ嗜好取得部236と同様の機能として、ユーザ嗜好取得部538を備えており、所定のタイミングでユーザ嗜好情報を収集するように機能する。例えば、位置情報取得部533で現在位置を把握し、自宅に戻った時点の時刻を健康美容行動嗜好の帰宅時刻として取得することができる。更に、健康美容行動の実行と共に記録された位置情報から、健康美容行動を実行している場所(例えば会社、通勤途中の移動中、公園、その他施設など)を認識でき、ユーザの健康美容行動を実行する際の嗜好情報(どこで実行することを好んでいるか)とすることができる。
また、移動通信装置500の朝の目覚まし設定で、目覚ましが鳴った後にユーザが目覚ましを止めた時刻を起床時刻として収集することができる。他の例としては、体温計(健康美容測定装置170)の朝の計測結果を移動通信装置500で受信できるように構成し、体温計から朝の体温計測結果を受信した時刻を起床時刻として収集することができる。
さらに、睡眠計(健康美容測定装置170)の計測結果を移動通信装置500で受信できるように構成し、眠りの入り時間を就寝時間、目覚めの時間や起床時間を、ユーザ嗜好情報として取得することができる。
また、朝食、昼食、夕食を移動通信装置500のカメラ521で撮影し、移動通信装置500に予め搭載されたカロリー算出アプリケーションを用いて各食事の摂取カロリーを計算し、これらの情報をユーザ嗜好情報として取得してもよい。なお、カロリー計算は、例えば、カロリー計算のアプリケーションを提供するサイトに接続し、移動通信装置500から撮影した食事メニューを送信して、カロリーの計算結果を受信することもできる、また、食事メニューを撮影せずに、ユーザが自らカロリー数値を、移動通信装置500に入力してもよい。
移動通信装置500のユーザ嗜好取得部538によって取得されたユーザ嗜好情報は、記憶部534に記憶されるとともに、通信部531を介してサービスサーバ装置300に送信され、サービスサーバ装置300の記憶部にユーザ嗜好評価情報として記憶される。ユーザ嗜好取得時の位置情報をサービスサーバ装置300に送信し、サービスサーバ装置300の記憶部314に当該位置情報と関連づけてユーザ嗜好評価情報を記憶することもできる。
次に、サービスサーバ装置300について詳細に説明する。サービスサーバ装置300は、通信部311、外部コンテンツ取得部312、出力制御部313及び記憶部314と、制御部320と、時系列データ解析部331、実行効果評価部332、ユーザ嗜好評価部333、健康美容予測部334、レコメンド部335、個人学習計画部336、及び集合知データ分析部337と、を含んで構成されている。
通信部311は、制御装置200及び移動通信装置500との間のネットワークを介した通信を行う通信制御部である。外部コンテンツ取得部312は、外部サービスサーバ400からネットワークを介して、上述した各種外部コンテンツを取得する。
そして、記憶部314は、ユーザ情報、ユーザ端末管理情報、健康管理情報、健康美容予測情報、健康美容計画情報(個人学習計画情報)が記憶される。ユーザ情報は、各ミラー装置100の制御装置200に記憶されるユーザ情報と同じであり、上述したユーザの個人情報である。ユーザ端末管理情報は、ユーザの利用者IDと、ミラー装置100及び移動通信装置500を識別するための機器種別及び機器IDとの関係を示す情報である。ユーザ端末管理情報には、移動通信装置500の機器種別及び機器IDが含まれるように構成することができる。
図5は、ユーザ端末管理情報の一例を示す図である。一人のユーザが複数の機器を保有したり、二人のユーザが同じミラー装置100を共有することができる。ミラー装置100は、全身が映るミラー(大)、上半身が映るミラー(中)、主に顔を中心に卓上に設置可能なミラー(小)とサイズや鏡像の範囲、取得できる健康美容環境情報、再生する健康美容コンテンツ、認識できる健康美容行動が異なる複数の態様のミラー装置100を含むように構成することができる。大中小の各ミラー装置100は、搭載される表示画面113のサイズ、センサ機器160、カメラ120、スピーカー140、人感センサ150が各ミラー装置100の大きさや構成に合わせて適宜設けられる。また、ユーザと移動通信装置500との関係は、1対1であってもよく、また、移動通信装置500を複数のユーザで共有する態様であってもよい。
図6は、健康管理情報の一例を示す図である。健康管理情報は、各ユーザ毎に記憶され、図6に示すように、健康美容環境情報、外部サービスコンテンツ情報、健康美容行動情報、及び個人嗜好評価情報の各情報を時系列に分類したデータとして構成することができる。
健康美容環境情報は、基礎体温、月経周期、体重、体歪み度、顔たるみ度、顔むくみ度、肌保湿度、肌状態総合点数、サーモグラフィパターン、睡眠品質、足むくみ度、口臭度、表情、くしゃみ回数などの健康美容情報と、室内温度や室内湿度の環境情報と、を含む。
健康美容情報及び環境情報は、ミラー装置100を介して取得された各機器の計測結果及び制御装置200で各計測結果に基づいて処理された情報である。これらの各情報について上述の通りであるので、説明を省略する。
外部サービスコンテンツ情報は、天気、温湿度、気圧、雨雲情報を含む気象情報、気象情報と連携した紫外線、熱中症、リウマチ、うつ気分、ぜんそく、花粉症といった健康予報情報、交通情報、イベント情報、商品情報などの健康美容に関連した情報であり、当該サービスシステムの外部サービスサーバ装置400から得られた情報である。
健康美容行動情報は、マッサージやストレッチ、エクササイズ、ミュージックなどの心身の健康美容を増進・維持・治癒するための健康美容行動の実行履歴を示す情報である。上述した各健康美容行動コンテンツに則して行ったユーザの行動履歴に相当する。
個人嗜好評価情報は、起床時間、就寝時間、朝食・昼食・夕食の時間及び摂取カロリー情報、帰宅・入浴時刻、アルコールの摂取量などの生活行動履歴、体調、気分、頭痛、腰痛、肩こり、関節痛の状態や強度などのユーザから取得した健康美容感覚、健康美容行動の実行状態とユーザから取得した各健康美容行動に対する好みや得手不得手といった健康美容行動嗜好とを含む。このとき、健康美容行動嗜好には、サプリメントの摂取やヒーリングBGMなどを聞くなどの嗜好情報を含むように構成することができる。この個人嗜好評価情報は、ユーザ嗜好取得部236,538で取得される個人嗜好情報に相当する。
時系列データ分析部331は、時系列に取得されるユーザの健康美容情報を解析して、ユーザの健康美容パターンや健康美容状態の変化のパターン(時系列パターン)を生成する。時系列データ分析部331は、記憶部314に時系列データ分析に必要な期間分の健康情報が蓄積された任意にタイミングで、時系列データ分析処理を行うことができる。時系列データ分析処理の結果は、記憶部314に記憶される。なお、前回の時系列データ分析結果を用いて時系列データ分析処理を行うように構成することもできる。
サーモグラフィ画像の時系列データ分析の一例として説明すると、体表温度の経年変化として、ほぼ同時刻の入浴前に撮影したサーモグラフィ画像のパターンと室内の温度データとを用いて、傾向を分析することができる。上述のようにサーモグラフィ画像から「手先足先の冷え」、「下半身の冷え」といった冷えの分類タイプや冷え方(大中小)を把握できるので、日々のタイプ変化と要因との関係を分析することができる。
例えば、天気や気圧などの気象と冷えの分類タイプとの関係、睡眠の質と冷えの分類タイプとの関係を時系列に分析する。このような分析結果により、下半身の冷えるときは、天気が悪いときであり、睡眠の質が悪いと、冷え方が「大」となる、といった分析結果を生成することができる。
また、月経周期が「排卵期」になると、腰痛が「強」、「中」に変化する。花粉飛散量が50(個/m3)を超えると、くしゃみ回数が20を超える。アルコール摂取量が「多量」かつ就寝時間が「24時以降」の場合、顔むくみ度が「5以上」、足むくみ度が「5以上」、起床時間が「8時以降」となり、さらに、朝に実行すべき健康美容行動(例えば、健康体操)を「実行しない」とする傾向を分析結果として生成することができる。また、天気が「曇り」「雨」の場合、関節痛が「中」「強」に変化する傾向を分析結果として生成することができる。
なお、時系列データ分析部331は、時系列に取得されるユーザの健康美容情報を用いて、上述のユーザの健康美容状態の変化の時系列パターンを生成するとともに、ユーザの健康美容状態が変化しなかった時系列パターンも生成することができる。例えば、サーモグラフィ画像から「下半身の冷え大」から「下半身の冷え大」と、冷え方が変化しないユーザの健康美容状態の時系列パターンを生成することもできる。
実行効果評価部322は、健康美容行動前後の変化を分析して、ユーザによる健康美容行動を評価する実行効果評価処理を実行する。例えば、健康美容行動前後の健康美容情報の数値の変化や「手先足先の冷え」から「下半身の冷え」といったサーモグラフィの冷え分類タイプの変化、「下半身冷え大」から「下半身冷え小」といった冷え方の変化を把握する。
なお、実行効果評価部322は、1週間や1カ月といった健康美容行動を継続した期間内において、所定期間の健康情報を対象にして実行効果評価処理を行ったり、健康美容行動の開始日から時点までの期間を対象に実行効果評価処理を行ったりすることができる。
そして、実行効果評価部322は、このような変化を把握した後、変化の度合いを評価する。例えば、「下半身冷え大」から「下半身冷え小」に冷えの分類タイプが変化した場合、ユーザの健康美容状態が変化した要因としてユーザが行った健康美容行動に実行効果があったものと評価することができる。同様に、顔のたるみ度が低く変化したり、体重が減少するなどの変化に対して、実行効果があると評価することができる。
このような評価は、予め評価基準を設定しておき、評価基準を満たす場合に、「実行効果あり」と判定したり、評価基準を細分化して例えば、数値の変化が5%である場合は、実行効果あり(小)、10%以上の数値変化の場合は、実行効果あり(大)と実行効果ありのレベルを加えて評価することができる。
逆に、実行効果評価部322は、「下半身冷え小」から「下半身冷え大」に冷えの分類タイプが変化した場合、ユーザの健康美容行動の実行効果がないと評価することができる。同様に、顔のたるみ度が高く変化したり、体重が増加するなどの変化に対して、実行効果がないと評価し、その変化度合いによって、実行効果なしのレベルを加えて評価することもできる。
また、健康美容情報の変化の度合いに対し、健康美容行動の行動履歴を考慮して実行効果評価処理を行うこともできる。例えば、連続実行時間、実行回数、実行点数といった健康美容行動自体の行動実績を用いて、実行効果あり/実行効果なしのレベル(大中小)を評価することもできる。なお、行動実績として、健康美容行動を実行しなかった場合も含むことができる。また、後述する集合知分析情報を用いて、同一年齢のユーザ群の平均的な健康美容数値変化と比較して、実行効果あり/実行効果なしのレベル(大中小)を評価することもできる。
実行効果評価部322は、実行した健康美容行動の評価だけでなく、予定していた健康美容行動を実行しなかった効果も評価することができる。例えば、健康美容行動として予定していたエクササイズやマッサージを実行しなかった期間(不実行期間)の肌状態総合点数や体重、体脂肪率といった健康美容情報の数値変化で、実行しなかった健康美容行動の影響度を評価する。つまり、健康美容行動として取得されるユーザの行動履歴には、健康美容行動コンテンツの不実行記録が含まれ、予定されていた健康美容行動コンテンツに則してユーザが行動を行わなかったことユーザ行動認識部233によって認識することができる。
例えば、ユーザ行動認識部233は、健康美容行動コンテンツが再生されなかったり、健康美容行動コンテンツの再生中に健康美容行動コンテンツの表示データの変化に従ったユーザの行動を所定時間以上把握することができなかったり、健康美容行動コンテンツの再生中に人感センサ150でユーザの不在が所定時間以上感知された場合、該当する健康美容行動コンテンツをユーザが実行しなかったものとして、認識することができる。
そして、実行効果評価部322は、ユーザが健康美容行動を行っていない所定日数以上の不実行期間を記憶部314から抽出し、抽出された不実行期間において、例えば、時系列データ分析部331によって抽出された「下半身冷え小」から「下半身冷え大」などのパターンを把握する。実行効果評価部322は、健康美容行動の不実行期間において上記パターンで変化した際のユーザが行わなかった健康美容行動を抽出するとともに、不実行期間における各健康美容測定情報、例えば、不実行期間の開始時点と終了時点の各健康美容測定情報を用いて、抽出された健康美容行動の不実行の効果評価情報を生成することができる。このように実行効果評価部322は、所定の健康美容行動を行わなかった結果、「下半身冷え小」から「下半身冷え大」に冷えの症状が悪くなったなど、健康美容行動を行わなかった効果、変化、顛末の評価を評価情報として生成することができる。
また、実行した健康美容行動情報が作用すると想定している健康美容情報以外の健康美容状態の変化で、数値、画像、パターンで変化がみられる健康美容情報の変化を実行効果として評価することもできる。例えば、冷えの解消作用を想定した健康美容マッサージが、当該ユーザについては、新陳代謝が活性化され、肌状態総合点数の増加、睡眠品質の向上、表情が「明るい」回数が多くなったといった健康美容状態の変化を、副次的な健康美容行動効果として評価する。
さらに、本実施形態の実行効果評価部322は、ユーザの健康美容状態が変化したパターンとともに、上述したユーザの健康美容状態が変化しなかったパターンに基づいて、健康美容行動の実行効果を評価することもできる。例えば、「下半身の冷え大」から「下半身の冷え大」と冷え方が変化しないユーザの健康美容状態の時系列パターンに対し、健康美容状態が変化しなかった健康美容行動や健康美容行動の不実行期間におけるユーザが行わなかった健康美容行動を抽出する。そして、実行効果評価部322は、健康美容行動前後の各健康美容計測情報、または不実行期間における各健康美容測定情報を用いて、抽出された健康美容行動の不実行の効果評価情報を生成することができる。「下半身の冷え大」が変化しなかったので、ユーザが行った所定の健康美容行動に対して実行効果なしと評価したり、変化しなかったユーザの健康美容状態の要因として所定の健康美容行動が不実行であった旨を評価したりすることができる。
ユーザ嗜好評価部333は、任意のタイミングで各ユーザの生活行動履歴、行動計画、健康美容感覚、健康美容行動嗜好の各情報に基づいてユーザの個人嗜好を評価するユーザ嗜好評価処理を実行する。
例えば、生活行動履歴において、所定期間における起床時刻及び就寝時刻に基づいて、「朝型パターン」、「夜型パターン」、「不規則生活パターン」といった生活リズムパターンを推定することができる。分類パターン「朝型パターン」、「夜型パターン」、「不規則生活パターン」に対し、予め所定の起床時刻及び就寝時刻を関連付けておき、ユーザの所定期間中の起床時刻及び就寝時刻の平均値などから、どの分類パターンにマッチングするかを判定し、ユーザの生活リズムパターンを推定することができる。
また、アルコール摂取量が「中」、「大」の翌日朝は、起床時間が9時過ぎとなり、翌朝の健康美容行動は実行しないといったユーザの傾向を把握することができる。この場合、ユーザ嗜好評価部333は、例えば、アルコール摂取量が「中」、「大」に該当する時系列データを抽出し、抽出された時系列データの翌日の時系列データにおける起床時間、健康美容行動の行動履歴を抽出することで、アルコール摂取量に対する翌日の起床時間や健康美容行動のユーザ活動状況を把握することができる。
また、健康美容行動嗜好に基づいて、複数の各健康美容行動毎に、得意な健康美容行動や不得意な健康美容行動の傾向を把握することができる。例えば、健康美容行動嗜好と、健康美容行動情報の行動履歴とを用いて、所定回数以上健康美容行動を行い、かつ行動嗜好として「心地よい」とユーザが感じる場合、マッサージ、ストレッチ、健康体操は「心地よく」、「毎日実行」すると把握することができる。また、エクササイズ系は「苦手」で継続しないというユーザの傾向を判定することができる。
健康美容予測部334は、健康美容環境情報の健康美容情報における月経周期の予測、外部サービスサーバ装置400から定期的に取得した外部サービスコンテンツ情報の気象予報、個人嗜好評価情報の行動計画から、健康美容環境情報の健康美容情報、個人嗜好評価の健康美容感覚情報を予測する。予測された健康美容環境情報の健康美容情報から、さらに他の健康美容情報を予測することもできる。図7は、健康美容予測情報の一例であり、以下のような健康美容予測処理を行うことができる。
1)外部サービスコンテンツ情報の天気及び気温の気象予報から、健康美容情報のサーモグラフィパターン予測及び個人嗜好評価情報の健康美容感覚の予測を行う。つまり、健康管理情報の過去の時系列データ群から、サーモグラフィパターンが「下半身冷え大」及び健康美容感覚の関節痛が「強」となる健康管理情報を予め特定し、そのときの気象情報の天気が「雨」かつ気温が「10℃以下」を予め把握することができる。このため、健康美容予測部334は、例えば、3日後の気象予報で天気が「雨」かつ気温が「10℃以下」で有る場合、3日後の健康美容予測情報として、サーモグラフィパターンが「下半身冷え危険」及び健康美容感覚の関節痛が「強」を生成することができる。
同様に、明後日の気象予報で天気が「曇り」かつ気温が「14℃未満」の場合、明後日の健康美容予測情報として、サーモグラフィパターンが「下半身冷え注意」及び健康美容感覚の関節痛が「中」を生成することができる。なお、明日の気象予報のように、上述した気象条件に該当しない場合は、明日の健康美容予測情報として、サーモグラフィパターンが「安心」及び健康美容感覚の関節痛が「無」を生成することができる。
2)外部サービスコンテンツ情報の花粉飛散量の気象予報に基づいて、健康美容情報のくしゃみ予測として、花粉飛散量が50(個/m3)未満の場合は「安心」、花粉飛散量が50乃至250(個/m3)の場合は「注意」、花粉飛散量が250(個/m3)以上の場合は「危険」とする健康美容予測情報を生成することができる。この場合も、健康管理情報の過去の時系列データ群から、くしゃみの回数と過去の花粉飛散量との関係を把握し、「安心」、「注意」、「危険」に対応する花粉飛散量を予め設定することができる。
3)個人嗜好評価情報の行動計画から健康美容情報を予測し、スケジュールで女子会の翌日は顔むくみ度を「危険」及び口臭度を「危険」に変更した健康美容予測情報を生成することができる。
4)健康美容環境情報の顔むくみ度が「危険」及び肌保湿度が「注意」または「危険」の場合は、肌状態総合点数を「危険」とする健康美容予測情報を生成したり、顔むくみ度が「注意」及び肌保湿度が「注意」の場合は、肌状態総合点数を「注意」に変更した健康美容予測情報を生成したりすることができる。この場合も上述したように健康管理情報の過去の時系列データ群から、女子会の翌日の健康美容情報を予め把握できるので、女子会がある5日後の健康美容予測情報を上記のように生成することができる。
レコメンド部335は、時系列データ分析部331の時系列データ分析結果、実行効果評価部332の健康美容行動の実行効果評価結果、ユーザ嗜好評価部333のユーザ嗜好特性評価結果、健康美容予測部334の健康美容状態及び健康美容感覚の予測結果、集合知データ分析部336の集合知分析結果を複合的に組み合わせ、各ユーザに適した健康美容行動、健康美容商品、健康美容サービスの選定や実行、導入タイミングの推奨情報を算出し、記憶部314に記録する。
1)レコメンド部335は、健康美容行動嗜好情報において健康美容行動コンテンツの嗜好結果が「苦手」と記録されている場合、同種の異なる健康美容サービスコンテンツへの切替を行うことができる。例えば、「エクササイズ#1」が苦手の場合、より簡易の「エクササイズ#2」に切り替える。エクササイズ系で異なるコンテンツを規定数以上「苦手」と記録された場合は、エクササイズ系自体が「苦手」と判断し、一日の最大再生コンテンツ数を「1種類以内」に設定することができる。
2)レコメンド部335は、対象ユーザのサーモグラフィパターン「下半身冷えタイプ」の集合知分析情報から当該パターンに属するユーザ群の各日付ごとまたは所定期間での実行率が高い健康美容行動のランキング、或いは心地よい、好み、得意といった個人嗜好別で集計数値の高い健康美容行動のランキングを検索し、対象ユーザの健康美容行動嗜好「苦手」或いは不実行の多い種別、実行効果評価結果で効果が少ない個別の健康美容行動、商品、サービス或いはエクササイズ系といった種別を除外し、健康美容行動の実行効果評価が高い健康美容予測で「卵胞期」となるタイミングでの当該ユーザへの配信候補とする健康美容コンテンツとして選定することができる。
3)レコメンド部335は、対象ユーザの生活行動パターンが「朝型」で、朝起床後の健康美容行動の実施が高い場合、朝に好適な健康美容行動、商品、サービス或いは健康美容イベントに関する健康美容コンテンツを選定することができる。また、ユーザの嗜好情報に含まれる健康美容行動の実行場所(位置情報)との関係から、ユーザがより好む場所で実行できる健康美容コンテンツを選定することができる。
4)レコメンド部335は、対象ユーザがお手本とするユーザの健康美容行動、商品、サービスが更新されたり、健康美容イベントの実施や参加状況が更新されたりした際に、更新後、ユーザが最も早くアクセスしたミラー装置100又は移動通信装置500に速報する情報として選定することができる。
ここで、記憶部314のユーザ端末管理情報で記録しているユーザが所持する機器種別によって、健康美容コンテンツを制限する態様でもよい。例えば、各健康美容コンテンツに、再生する推奨機器の種別を記憶しておく。全身のエクササイズやマッサージに関するコンテンツについては、機器種別が「ミラー装置(大)」を所持するユーザに対するレコメンドとして選定し、所持しないユーザには選定しない態様でもよい。移動通信装置500の位置情報に基づいて、あるエリアやある地点で健康美容行動や商品、健康美容イベントに関するコンテンツを表示する場合、レコメンド部335は移動通信装置の登録がないユーザに当該コンテンツを選定しない態様でもよい。
個人学習計画部336は、レコメンド部で算出した各ユーザに適した健康美容行動、健康美容商品、健康美容サービスの選定や実行、導入タイミングの推奨情報を用いて、所定ユーザに配信する健康美容サービスコンテンツの配信・再生計画を生成し、記憶部314に記録することができる。図8は、健康美容計画情報の一例を示す図であり、以下のような個人学習計画処理を行うことができる。
1)個人嗜好評価情報の本日の体調及び明日の体調予測が「不調」の場合、健康美容サービス「ピラティス教室#1」及び健康美容イベント「体験ヨガ#4」を再生又は再生予定に設定する。
2)健康美容環境情報の月経周期が「月経期」から「卵胞期」に変化するタイミングで健康美容コンテンツ計画情報に「ヒーリングBGM#3」を記録し、ヒーリングBGMの再生予定を「ヒーリングBGM#2」から「ヒーリングBGM#3」に設定する。
3)健康美容環境情報のサーモグラフィパターン予測が「下半身冷え注意」或いは「下半身冷え危険」の入浴後に、健康美容サービス「岩盤浴#3」及び健康美容イベント「お灸講座#1」を再生予定に設定する。
4)個人嗜好評価情報の行動計画に「デート」が含まれている日の入浴後に、健康美容サービス「ネイルサロン#2」、健康美容商品「オーガニックコスメ#2」及び「美容機器#2」を再生予定に設定する。
5)個人嗜好評価情報の行動計画に「女子会」が含まれている日(3/29)の3日前(3/26)の入浴後に、健康美容サービス「女子旅#2」を再生予定に設定する。
集合知分析情報は、複数の各ユーザの健康情報全体を分析して得られる情報であり、所定条件を満たすユーザグループごとの健康美容環境情報の健康美容情報、個人嗜好情報の生活行動履歴及び健康美容感覚から、時系列データの各日付または所定期間の推移平均や変化パターンを抽出した情報である。
例えば、外部サービスコンテンツ情報の気象情報、健康美容環境情報の環境情報や健康美容行動情報を主キーとして集合知データを生成することができる。ここで、所定条件とは、性別、年齢、時系列データの日付であり、これら所定条件をユーザグループの属性として設定することができる。健康情報に含まれるデータ項目の分類タイプや分類パターン、数値を基準に、ユーザグループの属性を設定することもできる。
集合知データ分析部337は、まず、所定条件を満たすユーザグループを抽出する。そして、抽出したユーザグループ内の各健康情報の時系列データを用いて、健康美容環境情報や健康美容行動情報、個人嗜好情報の各日の平均、最高値、最低値といった数値情報や、所定期間の数値変化の推移平均や複数の変化パターンといった特性情報を集合知分析情報として生成する。
具体的には、1)健康美容環境情報の健康美容情報の各データ項目に関する女性の年齢別及び各日付ごとの平均数値、最大値、最小値、分散値といった数値データ計算をしたり、月経周期、サーモグラフィパターン、表情といったパターンの集計値を算出する。
2)個人嗜好情報の生活行動履歴の各データ項目に関する女性の年齢別及び各日付ごと又は年齢別及び所定期間における、時間帯別のパーセンテージや平均値を算出することができる。例えば、年齢別の起床時間の平均値や時間帯別のパーセンテージ、所定期間中のアルコール摂取回数などを算出することができる。
3)「手先足先冷えタイプ」、「下半身冷えタイプ」といった健康美容のタイプ別の各ユーザグループにおいて、各日付ごとまたは所定期間での実行率が高い健康美容行動のランキングや、「心地よい」、「好み、「得意」といった個人嗜好情報別に、集計数値の高い健康美容行動のランキングを算出することができる。
また、集合知データ分析部336は、外部サービスコンテンツ情報の気象情報、健康美容環境情報の室内環境情報、または健康美容行動情報の健康美容行動を主キーとして集合知データを生成することができる。例えば、次のような数値や特性を生成することができる。
1)健康美容環境情報の室内環境情報の室内湿度で、5%刻みでの年齢別肌保湿度、肌状態総合点数、サーモグラフィパターン、睡眠品質の数値平均または同一パターンの集計値を算出することができる。
2)「晴」、「曇り」、「雨」といった天気毎に、年・月・週単位で女性年齢別に算出される健康美容情報の平均値、月経周期、サーモグラフィパターン、表情のパターンを集計することができる。
3)健康美容行動情報の健康美容行動毎に、年・月・週単位で女性年齢別の健康美容行動の実行/不実行の有無の平均値や実行回数の最大値や最小値、健康美容行動の実行量の平均値やその最大値及び最小値を算出することができる。
4)上記3)において、健康美容行動情報の健康美容行動毎に、年・月・週単位で女性年齢別の健康美容行動の実行/不実行とその実行量に応じた健康美容環境情報における健康美容情報の数値変化の平均値、数値変化のパターン、表情やサーモグラフィパターンの変化を生成することができる。
図9から図11は、本実施形態の健康情報サービスシステムの処理フローを示す図である。
ミラー装置100の人感センサ150は、ミラー装置100の前にユーザの所在をセンサで検知すると、制御装置200の制御部220へ利用者所在検知情報を送信する。人感センサ150は、利用者所在検知情報の送信後、定期時間周期で当該利用者の所在有無を検知し、不在となった場合、利用者不在検知情報を制御部220へ送信する(ST1)。
制御部220は、人感センサ150から利用者所在検知情報を受信すると、ミラー装置100の前に存在するユーザの本人認証を実行する(ST2)。本人認証処理は、例えば、顔画像認識、静脈認証、虹彩認証、声紋認証といった生体認証処理を行うことができる。また、生体認証以外にも、ミラー装置100又はサービスサーバ装置300で識別できる利用者IDに関連づけが可能なパスワード等の認証情報を利用したものであってもよい。認証結果がOKである場合、認証結果と共に利用者ID及び当該ミラー装置100の機器IDをサービスサーバ装置300に送信する(ST3)。なお、制御部220は、生活者が居住空間に一人の場合など、利用者とミラー装置100との関係が一対一の場合、本人認証処理を行わずに、人感センサ150でユーザの所在を検出した後、当該ユーザの利用者ID及び当該ミラー装置100の機器IDをサービスサーバ装置300に送信することができる。
制御部220は、本人認証処理後、健康美容環境センサ部によるユーザの健康美容状態の計測処理を遂行するために、センサ制御部231に計測開始信号を出力し、健康美容環境センサ部を構成する各部を制御して健康美容環境情報を取得し(ST4)、取得した健康美容環境情報を制御部220に出力する。健康美容環境情報の取得機能については、上述した通りである。
制御部220は、取得した健康美容環境情報を利用者IDと関連付けて記憶部213に記憶する(ST5)。このとき、制御部220は、記憶部213からユーザ情報、テーマコンテンツ情報、ローカルキャッシュ情報、プライバシコンテンツ情報のうち、現時点のタイミングで利用者IDに紐付いた必要な情報を検索して取得する(ST6)。そして、制御部220は、健康美容環境情報、ユーザ情報、テーマコンテンツ情報、ローカルキャッシュ情報、プライバシコンテンツ情報を出力制御部212に出力する。出力制御部212は、制御部220から受け取った各種情報を表示画面113に表示したり、スピーカー140から音声を出力することができる。
また、制御部220は、健康美容環境情報をサービスサーバ装置300にネットワークを介して送信する際、上述したプライバシ処理を遂行して、プライバシ処理(定量化処理)が施された健康美容環境情報をサービスサーバ装置300に送信することができる。
次に、制御部220は、健康美容環境情報を、利用者ID及びミラー装置100の機器IDと関連づけてサービスサーバ装置300に送信する(ST7)。サービスサーバ装置300の制御部320は、通信部311を介して健康美容環境情報を受信し、記憶部314に記憶する。このとき、サービスサーバ装置300側で利用者IDや機器IDを用いた認証処理を行うこともできる。
制御部320は、受信した健康美容環境情報を、利用者ID及びミラー装置100の機器IDをキーに、記憶部314の健康美容環境情報DBに記憶することができる(ST8)。このとき、制御部320は、図6に示すように健康美容環境センサ部によって取得されたユーザの健康に関する健康美容環境情報を、ユーザの日々の健康美容環境情報として時系列に記憶する。例えば、健康美容環境情報が取得された日付毎に記憶したり、一日に複数回にわたって健康美容環境情報が取得される場合は、日付及び取得時間毎に記憶したりすることができる。
また、サービスサーバ装置300の制御部320は、外部コンテンツ取得部312を介して外部サービスサーバ装置400から、外部サービスコンテンツ情報を取得する(ST9)。外部コンテンツ取得部312は、外部サービスサーバ装置400から取得した外部サービスコンテンツ情報を、健康美容管理情報の外部サービスコンテンツ情報DBに記憶する。なお、外部サービスコンテンツ情報は、各ユーザに対して共通の情報として利用されるので、ユーザ別に記憶せずに、共通する別途のデータベースに記憶するようにしてもよい。
なお、外部サービスコンテンツ情報の取得処理は、ミラー装置100(制御装置200)から送信される健康美容環境情報の記憶処理(ミラー装置100からの健康美容環境情報の記憶要求)とは非同期で実施してもよい。また、気象情報や交通情報などの外部サービスコンテンツ情報は、一日の間に定期周期に取得し、最新の外部サービスコンテンツ情報を随時更新するように構成することができる。
制御部320は、時系列に記憶される環境美容管理情報の日付毎に、例えば、対応する気象情報を記憶する(ST10)。
制御部320は、外部サービスサーバ装置400から取得した外部サービスコンテンツ情報を、通信部311を介してミラー装置100(制御装置200)に送信する。制御部320は、外部サービスコンテンツ情報を取得したタイミングや予め指定された配信タイミングでミラー装置100に、外部サービスコンテンツ情報を送信する(ST11)。
制御装置200の制御部220は、外部サービスコンテンツ情報をサービスサーバ装置300から受信すると、外部サービスコンテンツ情報をローカルキャッシュ情報として記憶部213に記憶する(ST12)。制御部220は、人感センサ150によってユーザがミラー装置100の検知範囲に存在することが把握される場合、受信した外部サービスコンテンツ情報を出力制御部212に出力して、表示画面113に表示したり、音声を出力するように制御することができる。
サービスサーバ装置300の制御部320は、利用者ID毎に時系列データ分析に必要な期間分の過去の健康美容環境情報及び前回の時系列データ分析情報を抽出して時系列データ分析処理を遂行するように制御する。時系列データ分析部331は、最新の健康美容環境情報、抽出した過去の健康美容環境情報及び前回の時系列データ分析情報に基づいて、時系列データ分析を実行し(ST13)、分析結果(例えば、データ時系列推移パターン)を記憶部314に記憶する。
次に、ユーザの健康美容行動の取得処理(ST14)について説明する。図12は、本実施形態の健康情報サービスシステムにおける健康美容に関するユーザの行動状態を取得する処理フローを示す図である。
図10に示すように、制御装置200の制御部220は、健康美容環境センサ部によって健康美容環境情報を計測するように制御し(S101)、健康美容行動を行う前の健康美容環境情報を、健康美容環境センサ部から取得して記憶部213に利用者IDと関連づけて記憶する(S102)。
そして、制御部220は、記憶部213に記憶されている所定の健康美容行動コンテンツを取得し、出力制御部212に所定の健康美容行動コンテンツを再生するように制御する(S103)。制御部220は、健康美容行動コンテンツの再生に伴って、ユーザ行動認識部233にユーザの健康美容行動の認識処理を開始するように制御する(S104)。
ユーザ行動認識部233は、カメラ120によって取得されるユーザの画像や映像またはモーションセンサから取得されるユーザの顔、手足、胴体などの各部位の位置情報を算出し、表示画面113に表示される健康美容行動コンテンツの表示データの位置とマッチングを行って、ユーザが、再生している健康美容行動コンテンツに合わせた健康美容行動を実行しているかを計測する。制御部220は、健康美容行動コンテンツに対するユーザの認識結果(例えば、実行している健康美容行動に関する情報、実行有無に加え、実行開始時間、実行終了時間、実行回数、実行点数など)を、再生されている健康美容行動コンテンツとともに表示画面113に表示する(S105)。
制御部220は、健康美容行動コンテンツの再生が終了した場合(S106のYES)、ユーザ行動認識部233での認識結果、例えば、ユーザの健康美容行動の進捗状況や完了結果を、表示画面113に表示するように制御するとともに、健康美容環境センサ部による健康美容環境情報の取得処理を行う。
制御部220は、利用者IDと関連づけて、健康美容行動の認識結果及び健康美容行動前後の健康美容環境情報を記憶部213のローカルキャッシュ情報に記憶する(S107)。このとき、制御部220は、健康美容行動の前後の健康美容環境情報や健康美容状態の変化を表示画面113に表示するように制御することができる。
制御部220は、ユーザによって実行された健康美容行動情報及び健康美容行動前後の健康美容環境情報を、利用者ID及びミラー装置100の機器IDと関連づけて、サービスサーバ装置300に送信する(S108)。なお、制御部220は、健康美容行動コンテンツの再生が終了した後も、ユーザが健康美容行動を継続して行っている場合、ユーザの健康美容行動が完了するまで、ユーザ行動認識部223による認識処理を継続するように構成することもできる。
サービスサーバ装置300は、通信部311を介して、利用者ID、機器ID、健康美容行動前後の健康美容環境情報及び健康美容行動情報を受信すると、記憶部314の健康美容環境情報、健康美容行動情報に対応付けて記憶する(図10のST15)。
サービスサーバ装置300の制御部320は、健康美容行動の実行効果評価処理を行うように制御する。実行効果評価部332は、健康美容行動情報DBに記憶されている所定日時または所定期間の健康美容環境情報及び健康美容行動情報DBに記録されている健康美容行動情報を読み出す。なお、外部サービスコンテンツ情報DBに記録されている気象情報や個人嗜好評価DBに記録されている生活行動履歴を含めて、実行効果評価処理を行ってもよい。
実行効果評価部332は、例えば、行動履歴に基づくユーザの健康美容行動前後において時系列データ分析部331によって抽出された時系列パターンで変化した際のユーザが行った健康美容行動を抽出するとともに、健康美容行動前後の健康美容環境情報を用いて、抽出された健康美容行動の実行効果評価情報を生成する(ST16)。このとき、上述したように、行動履歴に基づくユーザの健康美容行動の不実行期間において抽出された時系列パターンに該当する際にユーザが行わなかった健康美容行動を抽出し、不実行期間における各健康美容環境情報を用いて、抽出された健康美容行動の不実行の効果評価情報を生成することもできる。また、時系列パターンには、ユーザの健康美容状態が変化しない時系列パターンも含まれる。
制御部320は、生成された実行効果評価情報を記憶部314の健康美容行動情報DBに記憶するとともに(ST17)、利用者ID、機器ID、当該健康美容行動の実行効果評価結果をミラー装置100(制御装置200)に送信する(ST18)。
制御装置200の制御部220は、サービスサーバ装置300から受信した利用者ID及び健康美容行動の実行効果評価結果を記憶部213のローカルキャッシュ情報に記憶する(ST19)。また、制御部220は、受信した健康美容行動の実行効果評価結果を表示画面113に表示するように制御することができ、出力制御部212は、制御部220からの指示に基づいて、ユーザに対して健康美容行動の実行効果を表示画面113に表示する。
次に、ユーザ嗜好取得処理及びユーザ嗜好評価処理について説明する。ミラー装置100の制御部220は、ミラー装置100の前に現れた人物を人感センサ150を介して検知し、本人認証処理を実行してユーザの利用者IDを特定した後、ユーザの操作したタイミングや能動的な任意のタイミングで、ユーザ嗜好取得部236によるユーザ嗜好特性情報の取得処理を行うように制御する(ST20)。
ユーザ嗜好取得部236は、ユーザ嗜好特性を収集するための所定のコンテンツを出力制御部212を介して表示画面113に表示させる。ユーザ嗜好取得部236は、ユーザ嗜好特性収集コンテンツに対するユーザの応答結果を取得して記憶部213のローカルキャッシュ情報に記憶する(ST21)。
制御部220は、利用者ID、ミラー装置100の機器ID、ユーザ嗜好特性収集情報及びユーザ嗜好特性収集コンテンツに対するユーザの応答結果をサービスサーバ装置300に送信する(ST22)。ここで、ユーザ嗜好特性収集情報は、どういったユーザ嗜好特性を収集しているかを示す情報である。ユーザ嗜好特性収集コンテンツは、サービスサーバ装置300のユーザ嗜好評価部333が生成することでき、このとき、各コンテンツを識別するためのユーザ嗜好特性収集コンテンツIDを含めることができる。なお、応答結果は、サービスサーバ装置300に送信されるので、記憶部213にローカルキャッシュ情報として記憶しないように構成してもよい。
サービスサーバ装置300の制御部320は、通信部311を介して利用者ID、ミラー装置100の機器ID、ユーザ嗜好特性収集情報及びユーザ嗜好特性収集コンテンツに対するユーザの応答結果を受信すると、記憶部314の個人嗜好評価DBに記憶する(ST23)。なお、上述したように、ユーザ嗜好情報は、移動通信装置500で取得することもでき、サービスサーバ装置300は、移動通信装置500から受信するユーザ嗜好特性収集コンテンツに対するユーザの応答結果を、記憶部314の個人嗜好評価DBに記憶する。
ユーザ嗜好評価部333は、定期的または所定のタイミングで記憶部314の個人嗜好評価DBに記憶された各ユーザの生活行動履歴、健康美容感覚、健康美容行動嗜好の各情報を分析し、分析結果を利用者IDと関連づけて個人嗜好評価DBに記憶する(ST24)。
その他に、サービスサーバ装置300の健康美容予測部334は、所定のタイミングで健康美容環境情報DBの健康美容情報の月経周期予測や外部サービスサーバ装置400から定期的に取得した外部サービスコンテンツ情報DBの気象予報、個人嗜好評価DBの行動計画から、健康美容環境情報DBの健康美容情報、個人嗜好評価DBの健康美容感覚情報を予測する健康美容予測処理を行うことができる(ST25)。健康美容予測処理を通じて得られた健康美容予測情報は、図7に示すように、記憶部314に記憶され、制御部320は、任意のタイミングで生成された健康美容予測情報をミラー装置100(制御装置200)に送信する。制御装置200の制御部220は、受信した健康美容予測情報を記憶部213に記憶するとともに、ユーザ操作又は所定のタイミングで表示画面113に健康美容予測情報を表示するように制御する。
また、サービスサーバ装置のレコメンド部335は、所定のタイミングで、時系列データ分析部331の時系列データ分析結果、実行効果評価部332の健康美容行動の実行効果評価結果、ユーザ嗜好評価部333のユーザ嗜好特性評価結果、健康美容予測部334の健康美容状態及び健康美容感覚の予測結果、集合知データ分析部337の集合知分析結果及びユーザ端末管理情報に記録されたユーザが所持する機器種別情報を複合的に組み合わせ、各ユーザに適した健康美容行動、健康美容商品あるいは健康美容サービスの選定や実行有無、導入タイミングの推奨情報(レコメンド情報)を生成するレコメンド処理を行い(ST26)、記憶部314に記憶する。制御部320は、任意のタイミングで生成されたレコメンド情報をミラー装置100(制御装置200)に送信する。制御装置200の制御部220は、受信したレコメンド情報を記憶部213に記憶するとともに、ユーザ操作又は所定のタイミングで表示画面113にレコメンド情報を表示したり、レコメンド情報に基づく健康美容行動コンテンツの追加・更新・修正等を行ったりすることができる。
また、個人学習計画部336は、レコメンド部335で生成された推奨情報(レコメンド情報)を基に、図8に示すようなユーザに配信する健康美容サービスコンテンツの配信・再生計画を生成し(ST27)、記憶部314の健康美容行動情報DBに記憶する。制御部320は、任意のタイミングで生成された健康美容計画情報をミラー装置100(制御装置200)に送信する。制御装置200の制御部220は、受信した健康美容計画情報を記憶部213に記憶するとともに、ユーザ操作又は所定のタイミングで表示画面113にレコメンド情報を表示することができる。
また、集合知データ分析部337は、所定のタイミングで、所定の条件を満たす複数のユーザをグループ化し、記憶部314に記録された健康美容環境情報DBの健康美容情報、個人嗜好評価DBの生活行動履歴、健康美容傾向から、各日付または所定期間の推移平均や変化パターンを分析する集合知分析処理を行う(ST28)。集合知分析処理による分析結果は、健康美容環境情報DB、個人嗜好評価DBの構成と同様に、ユーザのグループ属性(所定の条件)ごとに、各日の平均、最高値、最低値といったユーザグループ内の数値情報や、所定期間の推移平均や複数の変化パターンといった特性情報として記憶部314に記憶される。
以上、本実施形態の健康情報サービスシステムは、前面に位置するユーザの鏡像を映し出す鏡(例えば、ハーフミラー111)と、鏡の背面側又は前面側に設けられ、各種情報を表示する表示パネル112と、ユーザの身体の各部位をユーザが鏡に映し出された状態で撮影する撮影装置(カメラ120)と、を備え、ユーザが居住する住居又は訪問場所に設置されるミラー装置100と、ミラー装置100を利用するユーザの健康美容状態を計測する計測機器(カメラ120、センサ機器160、健康美容測定装置170)と、計測機器及びミラー装置100を制御する制御装置200と、制御装置200とネットワークを介して接続されるサービスサーバ装置300と、を含んで構成される。
そして、サービスサーバ装置300は、計測機器によって取得された健康美容計測情報と、撮影装置で撮影されたユーザの健康美容に関する行動状態と関連付けて、ユーザの日々の健康美容計測情報及び行動状態を時系列に記憶し、過去の健康美容計測情報の時系列データに基づいて、ユーザの健康美容状態が変化する時系列パターンまたはユーザの健康美容状態が変化しない時系列パターンを抽出する時系列データ分析部と、行動履歴に基づくユーザの健康美容行動前後において時系列パターンに該当する際にユーザが行った健康美容行動、または行動履歴に基づくユーザの健康美容行動の不実行期間において時系列パターンに該当する際にユーザが行わなかった健康美容行動を抽出するとともに、健康美容行動前後の各健康美容計測情報、または不実行期間における各健康美容測定情報を用いて、抽出された健康美容行動の実行又は不実行の効果評価情報を生成する実行効果評価部と、を有する。
このように構成することで、ユーザの健康美容状態及びユーザが行った健康美容に関する行動状態を収集し、ユーザの健康美容の活性化を支援することができる。特に、ユーザが日々使用するユーザの鏡像を取得するミラー装置を用いて、健康美容に関するユーザの行動状態を収集することで、日々の生活行動に対する健康美容に関する行動及びそれに関連する情報を提供して、ユーザの健康美容の活性化を支援することができる。
このようなユーザの健康美容の活性化を支援する一例として、例えば、「下半身冷え大」のユーザAが、本実施形態の健康情報サービスシステムを使った一連の流れが以下のようになる。
1)ユーザAは、入浴前後にミラー装置100の搭載赤外線カメラで、自身のサーモグラフィを撮影し、入浴の前後効果をサーモグラフィ画像及び静止画、身体部位ごとのサーモグラフィパターン変化を確認する。サーモグラフィパターンは、サービスサーバ装置300に送信される。
2)サービスサーバ装置300は、時系列データ分析部331で、健康美容環境情報DBに記録されたこの1カ月の入浴前のサーモグラフィパターンの変化推移の時系列データを分析し、下半身冷えのパターンが大から小へ健康美容状態が良化している度合いを出力(解析)する。例えば、冷え大、冷え中、冷え小、冷え無し等の冷え状態をグラフ化する態様でもよい。
3)サービスサーバ装置300は、実行効果評価部332で、外部サービスコンテンツ情報DBの気象情報と、健康美容行動情報DBに記録された「下半身冷え」解消を目的としてユーザが実行を設定した「足つぼマッサージ#2」、「サプリメント#3」、「エクササイズ#1」の実行履歴とを参照し、健康美容行動の実行効果評価を行う。気温も低く、天気も曇りや雨が多かったにもかかわらず、ほぼ毎日実行されている「足つぼマッサージ#2」、「サプリメント#3」の効果が上記2)での下半身冷えのパターンが大から小へ健康美容状態が良化していると判断し、当該健康美容行動は、現時点の当該ユーザAに効果がありと判断する。
4)サービスサーバ装置300は、上記3)である時点から実行がほとんどなされていない「エクササイズ#1」について、ユーザ嗜好評価部333がユーザ嗜好特性収集コンテンツを通じて、ユーザAはエクササイズ系が苦手で好きではないことを個人嗜好評価DBの健康美容行動嗜好情報に記録する。
5)サービスサーバ装置300は、レコメンド部335で、集合知データ分析部336を通じて算出した、ユーザAと同年齢かつ同一居住エリアの「下半身冷え大」のユーザ群の健康美容の変化傾向、人気の健康美容行動のランキングを参照して、ユーザAに親和性の高い健康美容コンテンツを選定する。この場合、個人嗜好評価情報においてユーザAはエクササイズ系が苦手で好きではないことが把握できるので、レコメンド部335は、当該ユーザAの嗜好でエクササイズ系を除外し、当該ユーザAが飲食系に関心が高く継続率が高いことに基づいて、人気の高い商品コンテンツ「ジンジャーハニーティー」を新規の健康美容コンテンツとして選定する。
6)サービスサーバ装置300は、時系列データ分析部331によって気温が急激に下がる日に「下半身冷え大」が発生するユーザの健康美容状態の変化のパターンを生成することができ、健康美容予測部334は、気象予報で気温が急激に下がる日に「下半身冷え大」が発生する可能性が高いことを予測する(予測健康美容情報を生成する)ことができる。個人学習計画部336は、予測された気温が急激に下がる日の入浴後、ミラー装置100に「ジンジャーハニーティー」の商品紹介コンテンツを再生するよう健康美容コンテンツ計画DBに記録する。
7)また、サービスサーバ装置300は、レコメンド部335で、予め取得されるユーザの生活行動計画情報に基づいて気温が急激に下がった日の当日の夕方、ユーザAの当日の行動計画で予定が入っていないと判別された場合、当該レコメンド部335は、移動通信装置500の位置情報に基づく当該ユーザAが会社を出たタイミングで、移動通信装置500に当該ユーザの関心が高かった「お灸教室」に当日空き席が発生した旨と参加案内とをレコメンド情報として送信する。このとき、レコメンド部335は、予めユーザ嗜好評価情報で、ユーザが「お灸教室」に関心があることを把握できるので、生活行動計画情報で予定が入っていいないこと及び移動通信装置500の位置情報をトリガーに、レコメンド情報を提供することができる。
その他に、ユーザの健康美容の活性化を支援する一例として、本実施形態の健康情報サービスシステムは、上述した美容院などに適用することもできる。例えば、ミラー装置100を通じてカメラ120で取得されたユーザの過去のヘアスタイルを制御装置200やサービスサーバ装置300に記憶しておき、表示画面113に過去のヘアスタイルとユーザの鏡像と並べて表示することができる。ユーザは、過去のヘアスタイルと現在のヘアスタイルとを見比べながら、美容師と相談してヘアスタイルを決めることができる。ここで、丸顔といった当該ユーザの顔輪郭に合った人気のヘアスタイルやヘアカラー、美容師オススメのヘアスタイルやヘアカラー、ユーザが選んだなりたいヘアスタイルやヘアカラーの画像或いは映像を合わせて表示することもできる。
さらに、ウェアラブル型のカメラ120によって、ユーザの毛髪の乾燥や痛み具合、頭皮の状態などを、ユーザの健康美容情報(健康美容環境情報)として取得することができる。そして、ユーザの健康美容行動として、毛髪に対するトリートメント、頭皮マッサージ、ヘッドスパなどの実施状態を、ミラー装置100を通じて取得することができる。このとき、制御装置200は、表示画面113を通じたトリートメント等の実施有無を取得するインターフェース制御を通じて、ユーザの健康美容行動を取得することができる。そして、トリートメント等の健康美容行動前後のユーザの毛髪の乾燥や痛み具合、頭皮の状態などの健康美容情報を取得することで、上述のように健康美容行動に対する実行効果評価を行うことができる。
なお、上述した健康情報サービスシステムにおいて、レコメンド部335によって生成されるレコメンド情報は、移動通信装置500の位置情報に応じた第1レコメンド情報と、第1レコメンド情報に対応しかつ第1レコメンド情報とは異なるミラー装置100に伝送するための第2レコメンド情報とが含まれるように構成することができる。例えば、図13Aに示すように、サービスサーバ装置300は、レコメンド処理を開始し(ST26_1)、ユーザの移動通信装置500から位置情報を取得する(ST29,ST26_2)。ユーザがミラー装置100が設置された場所にいない場合(ST26_3のNO)、例えば、レコメンド情報としてミラー装置100に提供される顔マッサージの健康美容行動コンテンツではなく、顔マッサージの健康美容行動コンテンツに対応した顔マッサージのエステ店舗情報を位置情報に基づいて抽出(検索)し(ST26_4)、移動通信装置500に提供するように構成することができる(ST26_5)。一方、ユーザがミラー装置100が設置された場所にいる場合には(ST26_3のYES)、ミラー装置100のみにレコメンド情報を送信したり、ミラー装置100に加えて移動通信装置500のレコメンド情報を送信することができる。このように、レコメンド部335は、移動通信装置500から取得されるユーザの位置情報に基づいてレコメンド情報を適宜選択して、移動通信装置500又はミラー装置100に送信するように構成することができる(ST26_6,ST26_7)。なお、ミラー装置100の位置情報は、例えば、図5に示したユーザ端末管理情報として機器IDなどと関連付けて予め記憶(取得)しておくことができる。
また、レコメンド部335は、移動通信装置500から取得されるユーザの位置情報に基づいて、異なるレコメント情報を移動通信装置500に提供することもできる。この場合、レコメンド情報は、移動通信装置500の位置情報別に複数のレコメンド情報を関連付けて記憶することができる。図13Bに示すように、レコメンド部335は、レコメンド処理を開始し(ST26_8)、まず、位置Aに居るユーザの移動通信装置500から位置情報を取得する(ST29_1,ST26_9)。レコメンド部335は、移動通信装置500から取得されるユーザの位置Aに基づいて、複数のレコメンド情報の中から該当する位置情報に対応したレコメンド情報Aを抽出して移動通信装置500に送信することができる(ST26_10,ST26_11)。一方、レコメンド部335は、位置Aと異なる位置Bに居るユーザの移動通信装置500から位置情報を取得する(ST29_2,ST26_12)。レコメンド部335は、移動通信装置500から取得されるユーザの位置Bに基づいて、複数のレコメンド情報の中から該当する位置情報に対応したレコメンド情報Bを抽出する(ST26_13)。このとき、レコメンド情報Bは、レコメンド情報Aと異なる情報である。レコメンド部335は、レコメンド情報Bを、位置Bに居るユーザの移動通信装置500に送信することができる(ST26_14)。例えば、ユーザの位置情報に応じて、ユーザが居る場所付近のエステ店舗情報をそれぞれレコメンド情報として移動通信装置500に提供することができる。また、位置情報に応じて、エステ店舗情報や運動施設情報などを提供することもできる。
また、上述したように、ユーザの移動通信装置500は、ミラー装置100及び制御装置200と同様に、ユーザの健康美容状態を計測する計測機能及びユーザが行った健康美容に関する行動履歴を取得する行動状態取得機能を備えることができる。このため、本実施形態の健康情報サービスシステムは、ミラー装置100及び移動通信装置500の双方から、ユーザの健康美容状態を計測した計測情報とユーザの行動履歴とを取得するように構成することができ、かつサービスサーバ装置300は、ミラー装置100及び移動通信装置500のいずれか一方又は双方に、適宜上述した健康情報サービスを提供することができる。
ここで、ユーザの移動通信装置500は、健康美容環境情報を取得する際、またはユーザが行った健康美容行動に関する行動履歴を取得する際に、位置情報を取得することができる。移動通信装置500は、取得した健康美容環境情報、健康美容行動情報、位置情報、利用者ID及び機器IDをそれぞれ関連付けて、サービスサーバ装置300に送信し、サービスサーバ装置300は、利用者ID、機器ID及び位置情報と関連づけて、健康美容環境情報及び健康美容行動情報を記憶部314に記憶することができる。サービスサーバ装置300は、健康美容行動情報及び当該行動が実施された位置情報との時系列かつ相関関係を分析して個人傾向を算出し、当該個人傾向に則した各位置情報でのレコメンドコンテンツを当該ユーザに提供することができる。
例えば、図14に示すように、移動通信装置500は、健康美容行動情報を取得した際(ST31)、その位置情報を取得する。移動通信装置500は、利用者ID、移動通信装置500の機器ID、健康美容行動情報及び位置情報をサービスサーバ装置300に送信する(ST32)。サービスサーバ装置300は、利用者ID、機器IDに関連づけて、健康美容行動情報及び当該健康美容行動が実施された位置情報を記憶部314に記憶する(ST33)。
サービスサーバ装置300は、健康美容行動の位置情報における実行効果評価を行い(ST34)、実行効果評価結果情報を記憶部314に記憶する(ST35)。移動通信装置500は、健康美容行動についてのユーザ嗜好を取得後(ST36)、取得したユーザ嗜好情報をサービスサーバ装置300へ送信する(ST37)。サービスサーバ装置300は、取得したユーザ嗜好情報を記憶部314に記憶する(ST38)。サービスサーバ装置300は、ユーザ嗜好情報、健康美容行動及び位置情報から、当該ユーザのユーザ嗜好を評価し、当該位置情報とユーザ嗜好、健康美容行動との個人嗜好傾向を評価する(ST39)。例えば、健康美容行動の実行と共に記録された位置情報から、健康美容行動を実行している場所を把握でき、ユーザの健康美容行動を実行する際の嗜好情報から、どこで実行することを好んでいるかなどを把握することができる。
サービスサーバ装置300は、当該位置情報における健康美容行動の実行効果評価情報や個人嗜好傾向から、位置情報を配慮した当該ユーザへの健康美容コンテンツのレコメンド選定を行う(ST40)。例えば、移動通信装置500から取得したユーザの現在位置情報から、過去に健康美容行動を実行していた場所及びその場所で好んで実行されていた健康美容行動を把握することができる。このようにレコメンド部335は、ユーザの現在位置と行動履歴に関連付いた位置情報とに基づいて、ユーザの現在位置で実行可能な健康美容行動をレコメンド情報して抽出し、移動通信装置500に送信することができる。なお、サービスサーバ装置300は、当該ユーザの嗜好にあった所定位置情報で健康美容コンテンツを再生できるよう個人学習計画を生成し、記憶部314の健康美容コンテンツ計画DBに所定の位置情報と合わせて記録することができる(ST41)。
さらに、ユーザの移動通信装置500が、ミラー装置100及び制御装置200と同様に、ユーザの健康美容状態を計測する計測機能及びユーザが行った健康美容に関する行動履歴を取得する行動状態取得機能を備えることができるので、本実施形態の健康情報サービスシステムは、移動通信装置500とサービスサーバ装置300とで構成することもできる。したがって、図9から図11に示した本実施形態の健康情報サービスシステムの処理フローにおいて、ミラー装置100(制御装置200)と同様の処理を、ミラー装置100(制御装置200)とは独立して又は並行して、移動通信装置500が行うことができる。
なお、上述のミラー装置100と制御装置200とは、独立した態様を一例に説明したが、一体型であってもよい。複数のミラー装置100に対して、制御装置200を1つとして構成する態様でもよい。この場合、各ミラー装置で機器IDを保持し、制御装置200は当該制御装置200に接続或いは無線通信するミラー装置100を機器IDで識別する。また、健康美容測定装置170も同様に、ミラー装置100と一体型に構成されてもよい。
また、本実施形態の健康美容支援システムを構成する制御装置200、移動通信装置500及びサービスサーバ装置300の各処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実現することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、実施形態に係るシステムの各処理を遂行する情報処理装置として動作することが可能である。例えば、不図示の補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに実施形態に係る各処理を動作させることができる。
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに適用することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてコンピュータにダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。