JP6645712B2 - 耐熱塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石油プラント等の大型鋼構造物にも適用可能な耐熱塗料を用いた耐熱塗装方法に関する。
石油やガスのプラント等の大型鋼構造物や配管等の塗装には、基体が高温域に達することがあるため、塗装後の養生条件が常温乾燥条件であり、加熱を必要とはしないが、硬化後の塗膜には200℃以上の耐熱性を要するという、いわゆる耐熱塗料が塗装されている。
一般に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの有機系樹脂をバインダー成分とする塗膜は高温での耐熱性が十分ではないことから、ポリシロキサン樹脂をバインダー成分とする耐熱塗料が提案されてきた。しかしながらポリシロキサン樹脂は、常温での乾燥性が悪く、また、高温加熱後の塗膜性能においてもクラックや剥離が生じることがあった。
こうした問題点に関し、例えば特許文献1には、アルコキシシラン、コロイド状シリカ、層状顔料を含む耐熱性ポリシロキサン被覆組成物が開示されている。かかる耐熱塗料組成物によれば、幅広い温度域で密着性、硬度に優れた塗膜を得ることができ、500℃前後の温度までクラック、剥離のない塗膜が得られるものである。
また、特許文献2にはポリシロキサン、チタン酸アルキル、タルク、及びアルミニウム片を含む耐熱性コーティングが記載され、また、腐食環境が厳しい条件では、防食下地として無機ジンクリッチペイントを塗装後、該耐熱性コーティングを塗装する塗装方法が提案されてある。
かかる耐熱性コーティングは塗装に適した低粘度を有しており、このものにより得られる硬化塗膜は−30℃〜400℃という幅広い温度領域で腐食性に優れた塗膜を形成することができるものであるが、無機ジンクリッチペイント上に耐熱性コーティングを塗装する場合、上層の耐熱性コーティングによる塗膜に大きなひび割れが生じることがある。
特に、耐熱性コーティングが厚膜であったり、養生条件が悪くて無機ジンクリッチペイントの硬化が不十分な時に耐熱性コーティングを塗り重ねると、ひび割れが顕著となり、その改善が必要である。
特開平6−9928号公報 特表2009−522388号公報
本発明の目的は、防食性に優れ、高温加熱後にワレなどの発生のない耐熱塗装方法を提案することにある。
本発明者らは、上記した課題について鋭意検討した結果、無機ジンクリッチペイントによる無機ジンクリッチ塗膜上に設ける上塗り塗料として特定の無機針状顔料を特定量含ませることで、耐熱塗膜が高温加熱後でも無機ジンクリッチ塗膜上でもワレにくいことを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
基材面上に、アルキルシリケートの加水分解縮合物及び亜鉛末を含む無機ジンクリッチペイントを塗装し、常温乾燥の条件で無機ジンクリッチ塗膜を形成させる工程(1)
工程(1)で得られた無機ジンクリッチ塗膜上に、ポリシロキサン樹脂、アルミニウムフレーク及びアスペクト比が3.5以上の無機針状顔料を含む耐熱塗料を塗装し、常温乾燥の条件で耐熱塗膜を形成させる工程(2)
を含み、耐熱塗料における無機針状顔料含有量がポリシロキサン樹脂100質量部を基準として20〜150質量部の範囲内にあることを特徴とする耐熱塗装方法、に関する。
本発明の耐熱塗装方法に用いられる無機ジンクリッチペイント及び耐熱塗料は共に乾燥性が良好であり、常温での硬化性が非常に良好である。
また、本塗装方法により得られる無機ジンクリッチペイントと耐熱塗料による複合塗膜は、防食性と耐熱性に共に優れているので、高温に曝されるような厳しい環境下にある被塗物を保護するのに適している。また、本発明方法に用いられる耐熱塗膜は適度な内部応力を有しているので、成膜後に高温加熱を行ったり、無機ジンクリッチペイント塗膜上という厳しい条件を課しても耐ワレ性に優れている。
本発明は無機ジンクリッチ塗膜形成工程(1)及び耐熱塗膜形成工程(2)からなる。
まず無機ジンクリッチ塗膜形成工程(1)から説明する。
<無機ジンクリッチ塗膜形成工程(1)>
本発明方法で下塗り塗膜となりうる無機ジンクリッチ塗膜を形成させるための無機ジンクリッチペイントは、アルキルシリケート加水分解縮合物及び多量の亜鉛末を含む塗料である。
アルキルシリケート加水分解縮合物の製造原料となるアルキルシリケートとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等が挙げられる。アルキルシリケート加水分解縮合物においてはこれらアルキルシリケートを単独でまたは2種以上併用して使用できる。
本発明においては該アルキルシリケートの加水分解縮合物の理論加水分解率が55〜105%、好ましくは70〜105%の範囲内にあることが本発明方法で得られる複合塗膜の耐熱性の点から適している。
本明細書においてアルキルシリケート加水分解縮合物の理論加水分解率は、アルキルシリケートに対する水の添加割合を示した値であり、アルキルシリケート化合物のモル数の2倍のモル数の水を添加した場合を、100%として換算した値である。例えば、エチルシリケートの加水分解率が300%であるということは、エチルシリケートのモル数の6倍の量の水を添加するということを示している。
上記無機ジンクリッチペイントに含まれる亜鉛末としては、特に制限されず、例えば平均粒子径1〜15μmのほぼ球状粒子からなるものが使用できる。
亜鉛末の平均粒子径とは体積基準の平均粒子径であり、亜鉛末の分散液中での粒度分布に基づき、亜鉛末の全体積を100%として累積を求めたとき、その累積体積が50%となる点の粒径を意味する。当該平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置にて測定することができる。
本発明方法における無機ジンクリッチペイントに含まれる亜鉛末量としては、アルキルシリケート加水分解縮合物100質量部を基準として100〜2000質量部、好ましくは300〜1500質量部の範囲内にあることが防食性の点から望ましい。
上記無機ジンクリッチペイントは体質顔料を含むことが適している。本発明方法で得られる複合塗膜の耐ワレ性に優れるからである。
かかる体質顔料としては、特に制限なく従来公知のものを使用することができ、具体的にはシリカ粉、マイカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記体質顔料としてはマイカを使用することが無機ジンクリッチ塗膜及び常温乾燥で得られた複合塗膜の耐ワレ性の点から好ましい。
該体質顔料はアルキルシリケート加水分解縮合物100質量部を基準として、20〜200質量部、好ましくは50〜150質量部の範囲内で含有することが複合塗膜の防食性と高温加熱後の耐ワレ性の点ら望ましい。
上記無機ジンクリッチペイントには、さらに必要に応じて、アルキルシリケート以外の樹脂、硬化触媒、有機溶剤、沈降防止剤、タレ止め剤、付着性付与剤などの通常の塗料用添加剤を適宜含ませることができる。
<耐熱塗料>
本発明方法において複合塗膜の上塗り塗膜となりうる耐熱塗料は、ポリシロキサン樹脂、アルミニウムフレーク及び無機針状顔料を含む塗料である。
ポリシロキサン樹脂としては、例えば、シロキサン結合(−Si−O−Si−)を主鎖とし、側鎖にアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基等の置換基が存在する分岐構造を有するポリシロキサンを挙げることができる。
上記ポリシロキサン樹脂は、水酸基及びアルコキシ基の少なくとも一方の官能基を有していることが望ましい。水酸基又はアルコキシ基の少なくとも1つは、ケイ素原子に、直接結合していることが好ましい。
また、上記ポリシロキサン樹脂としては、水酸基又はアルコキシ基に加えて、ケイ素原子に直接結合したアルキル基又はフェニル基を有していることがより好ましい。
ポリシロキサン樹脂の分子量は特に限定されるものではなく、例えば、重量平均分子量が200〜100,00、好ましくは1400〜80,000の範囲内にあることができる。
本明細書においてポリシロキサンの数平均分子量は、試料をテトラヒドロフランに溶解し、テトラヒドロフランを展開溶媒として流速0.6ml/min、カラム温度40℃の条件にて、東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HLC−8220」を用いて測定したものである。検量線は標準ポリスチレン換算により作成した。
かかるポリシロキサン樹脂の代表的な市販品としては、「3037 INTERMEDIATE」、「3074 INTERMEDIATE」、「Z−6018」、「217 FLAKE」、「220 FLAKE」、「233 FLAKE」、「249 FLAKE」、「QP8−5314」、「SR2402」、「AY 42−163」(いずれも東レ・ダウコーニング株式会社製);「TSR160」、「TSR165」、「TSR3168」(いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製);「KR−211」、「KR−216」、「KR−213」、「KR−9218」(いずれも信越化学工業株式会社製);「SILRES SY 231」、「SILRES SY 550」「SILRES KX」、「SILRES SY 300」、「SILRES SY 409」、「SILRES IC368」、「SILRES MSE100」(いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明方法に使用される耐熱塗料はアルミニウムフレークを含有する。かかるアルミニウムフレークとしては特に限定されるものではなく塗料用として用いられる慣用のものを使用でき、その平均粒子径としては、5〜33μm、好ましくは9〜30μmの範囲内にあることが本発明方法で形成される複合塗膜の防食性の点から適している。
本明細書において、アルミニウムフレークの平均粒子径は、レーザー回折法により測定された粒度分布より、体積平均を算出することにより求めることができる。
上記アルミニウムフレークは、本発明方法で形成される複合塗膜の耐熱性、防食性の観点さらには高温加熱後のジンク塗膜と耐熱塗膜の層間付着性等の観点により、ポリシロキサン樹脂固形分質量100質量部を基準として20〜200質量部、好ましくは50〜155質量部の範囲内にあることが適している。
また、上記耐熱塗料は無機針状顔料を含有することを特徴とする。本明細書において、無機針状顔料はその材質や製法、産地には特に制限はない。無機針状顔料の具体例としては例えば、ガラスフレーク、炭化珪素、窒化珪素、ウオラストナイト、セピオライト、クリソタイル、アモサイト、トレモライト、ゼオライト、カルシウムメタシリケート、ゾノライト、チタン酸カリウム、ロックウール、アルミニウムシリケート、カーボンファイバー、グラスファイバー、アラミドファイバー、ホウ酸アルミニウム、針状炭酸カルシウム、針状塩基性硫酸マグネシウム、針状酸化亜鉛、アラゴナイト型軽質炭酸カルシウム、紡錘型軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、高温加熱後の耐ワレ性の点から、ウオラストナイト、ガラスフレーク、グラスファイバーが適している。
本発明方法では上記耐熱塗料に含まれる無機針状顔料としてアスペクト比が3.5以上のものを使用することを特徴とするものであり、アスペクト比が4〜20の範囲内にあると尚よい。
アスペクト比とは無機針状顔料の長軸径/短軸径の値であり、ここでいう短軸径および長軸径とは、電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の短軸径および長軸径を測長し、それぞれ平均して求めたものである。
無機針状顔料のアスペクト比が3.5未満では、本発明方法で得られる複合塗膜の高温加熱後の耐ワレ性が不十分となり、好ましくない。
本発明において、上記耐熱塗料に含まれる無機針状顔料の量としては、ポリシロキサン樹脂100質量部を基準として20〜150質量部の範囲内にあることを特徴とするものであり、好ましくは25〜105重量部の範囲内にあることが好ましい。
耐熱塗料における無機針状顔料含有量が20質量部未満では複合塗膜高温加熱後の耐ワレ性が不十分であり、150質量部を超えると複合塗膜の防食性が不十分となるので好ましくない。
上記耐熱塗料は、硬化触媒、着色顔料、体質顔料、脱水剤、増粘剤、分散剤、有機溶剤等の塗料用添加剤を含むことができる。
上記のうち硬化触媒としては、例えば、ジアセチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート等の有機錫化合物;アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)、アルミニウムアセチルアセトナート等の有機アルミニウム化合物;チタニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、チタニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、チタニウムテトラ(モノブチルエトキシド)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、テトラノルマルブチルチタネート等の有機チタン化合物;ジルコニウムテトラ(モノメチルエトキシド)、ジルコニウムテトラ(モノエチルエトキシド)、ジルコニウムテトラ(モノブチルエトキシド)、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)等の有機ジルコニウム化合物;ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物;オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1−メチルピペリジン、1−メチルピロリジン等の脂肪族アミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−(1−ピペリジル)ピリジン、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリン等のアミン触媒;カルボン酸の鉛、スズ、亜鉛、及び鉄錯体;ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリ(4−クロロフェニル)、ホウ酸トリヘキサフルオロイソプロピル等のホウ酸エステル等のホウ酸化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも耐熱塗膜の常温乾燥性及び塗膜硬度の点から有機チタネート化合物がよい。
上記硬化触媒の含有量としては、ポリシロキサン樹脂固形分100質量部を基準にして0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲内が耐熱塗料の貯蔵性と耐熱塗膜の常温乾燥性と塗膜硬度の観点から適当である。
上記の本発明方法に使用される耐熱塗料は、200℃加熱後の耐熱塗膜の内部応力が13MPa以下、好ましくは12MPa以下にあることができる。
本明細書において200℃加熱後の耐熱塗膜の内部応力は概説塗料物性工学(佐藤弘三著)128頁に準拠し、以下のようにして求めることができる。
タテ×ヨコ×厚さが(0.1×20×120)mmのりん青銅板の片面に試料をエアースプレーを用いて乾燥膜厚が15〜25μm程度となるように塗装し、この塗装板を約1cmの間隔で配置したナイフエッジの上に設置した後、23℃、相対湿度51%環境で7日間乾燥養生後に200℃オーブンで8時間加熱した。
その後、オーブンの扉を開けずに16時間、自然放冷し、内部応力測定用の試料片を作成する。乾燥〜加熱〜冷却過程を経た試料片は塗膜の収縮によって円弧状に曲がるので板の中央部でのたわみδを読み取り顕微鏡で測定すれば曲率半径pは次式によって求められる。
p=(L/8δ)+(δ/2)≒L/8δ
Lはナイフエッジ間の距離であり、上記式で得られるp値を次式に代入することによって内部応力Pが計算される。
P(MPa)=Ebh /12bh×F(m,n)/pH
ここでb:塗膜片の幅、h:塗膜の厚さ、h:りん青銅板の厚さ、E:塗膜のヤング率、E:りん青銅板のヤング率である。
なお、m=E/E、n=h/h、H=h+hであり、F(m,n)は次のように表される。
F(m,n)=((1−mn)(1−m)+(mn(n+2)+1)+m(mn+2n+1))/(1+mn)
本発明方法が適用される基材面としては、特に制限されず、例えば、非処理鋼材、ブラスト処理鋼材、酸処理鋼材、亜鉛メッキ鋼材、ステンレス鋼材等の鋼材;アルミニウム(合金)材、銅(合金)材等の非鉄金属材;コンクリート;プラスチック等からなる各種構造物、特には石油・ガスプラント、発電所、船舶等の耐熱性を要求される箇所が挙げられる。これらの鋼材及び非鉄金属材には溶接線があってもよい。
本発明方法では、塗装部位に錆が発生している場合には、ブラスト処理、動力工具処理、ワイヤーブラシなどによる手ケレンなどの下地処理を適宜行うことができる。劣化した旧塗膜がある場合には、同様の下地処理により旧塗膜を除去しておくことが好ましい。また、劣化していない旧塗膜がある場合には、下地処理に代えて、目粗し処理を行うのが好ましい。
上記無機ジンクリッチペイント又は耐熱塗料の塗装方法としては、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装などの一般的な塗装方法を用いることができる。塗装は1回塗りでも複数回塗り重ねて行ってもよい。
本発明方法においては無機ジンクリッチ塗膜の乾燥膜厚が20〜200μm、好ましくは25〜120μmであり、耐熱塗膜の乾燥膜厚が15〜160μm、好ましくは20〜150の範囲内にあることが複合塗膜の防食性及び高温加熱後の耐ワレ性の点から好ましい。
本明細書において乾燥膜厚は、塗布量固形分を算出し、塗布面積で除することによって求めることができる。
無機ジンクリッチペイントの塗装後は、通常、16時間〜7日間程度、常温で乾燥硬化させた後、耐熱塗料を塗装するのが好ましい。
このようにして得られた複合塗膜の上に、さらに上塗り塗料を塗装しても良い。この上塗り塗料としては、特に限定されるものではなく、それ自体既知の塗料を使用でき、例えば、アルキド樹脂系、アクリル樹脂系、塩化ゴム系、エポキシ樹脂系、シリコンアルキド樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコンアクリル樹脂系、フッ素樹脂系などの塗料を使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
<試験塗板の作成>
実施例1〜15及び比較例1〜4
基材として黒皮鋼板(SS400)をサンドブラストにより表面粗さSa2.5まで処理した鋼板を用意し、このものに、表3記載の組成、塗膜厚となるように無機ジンクリッチペイントをエアースプレーで塗装し、23℃相対湿度51%の環境で48時間養生し、無機ジンクリッチ塗膜(A−1)〜(A−7)を得た。次いで、各無機ジンクリッチ塗膜上に、耐熱塗料を表3記載の組成、塗膜厚となるようにエアースプレーで塗装し、23℃相対湿度51%の環境で7日間養生し、耐熱塗膜(B−1)〜(B−13)を得、無機ジンクリッチペイント−耐熱塗料による複合塗膜の試験塗板を作成した。
Figure 0006645712
Figure 0006645712
Figure 0006645712
(注)変性シリケート樹脂1:エチルシリケート加水分解縮合物、加水分解率80%、
(注)変性シリケート樹脂2:エチルシリケート加水分解縮合物、加水分解率100%、
(注)変性シリケート樹脂3:エチルシリケート加水分解縮合物、加水分解率60%、
(注)亜鉛末:平均粒子径、6μm、
(注)シリコン樹脂:メチルシリコン樹脂、重量平均分子量、2000、
(注)アルミフレーク:平均粒子径15μm、
(注)タルク:アスペクト比3、
(注)ガラスフレーク:アスペクト比5、
(注)ガラス繊維:アスペクト比10、
(*)200℃加熱後内部応力:明細書記載の方法に準じて測定した。
(*)防食性
各試験塗板に、JIS5600 5−4に規定される単一刃を用いて素地に達するまでスクラッチを入れ、ISO9227に規定される中性塩水噴霧試験を7日間実施し、カット部、一般部を以下の基準にて目視評価した。
◎:一般部、カット部とも錆、フクレが発生していない、
〇:一般部に錆、フクレが発生せず、カット部に錆、フクレが僅かに発生している、
△:一般部、カット部とも僅かにフクレが発生している、
×:一般部、カット部とも錆、フクレが著しく発生している。
(*)耐熱性
各試験塗板に、JIS5600 5−4に規定される単一刃を用いて素地に達するまでスクラッチを入れた後、電気炉で400℃、5時間加熱し、カット部、端部、一般部を以下の基準にて目視評価する。
◎:一般部、カット部、端部ともにフクレ、ワレの発生なし、
〇:一般部にはフクレ、ワレ発生なく、カット部や端部にごく僅かにフクレが発生している、
△:一般部、カット部、端部ともにフクレ、ワレが僅かに発生している、
×:一般部、カット部、端部ともにフクレ、ワレが著しく発生し、無機ジンクと耐熱塗膜の間、あるいは無機ジンク塗膜内に剥がれも発生している。

Claims (7)

  1. 基材面上に、アルキルシリケートの加水分解縮合物及び亜鉛末を含む無機ジンクリッチペイントを塗装し、常温乾燥の条件で無機ジンクリッチ塗膜を形成させる工程(1)、
    工程(1)で得られた無機ジンクリッチ塗膜上に、ポリシロキサン樹脂、アルミニウムフレーク及びアスペクト比が3.5以上の無機針状顔料を含む耐熱塗料を塗装し、常温乾燥の条件で耐熱塗膜を形成させる工程(2)、
    を含み、耐熱塗料における無機針状顔料含有量がポリシロキサン樹脂100質量部を基準として20〜150質量部の範囲内にあることを特徴とする耐熱塗装方法。
  2. アルキルシリケートの加水分解縮合物の加水分解率が55%以上にある請求項1記載の耐熱塗装方法。
  3. 無機ジンクリッチ塗膜に含まれる亜鉛末量が、アルキルシリケート加水分解縮合物100質量部を基準として100〜2000質量部の範囲内にある請求項1又は2に記載の耐熱塗装方法。
  4. 無機針状顔料が、ウォラストナイト、ガラスフレーク、ガラス繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐熱塗装方法。
  5. 耐熱塗料が有機チタネート化合物をさらに含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の耐熱塗装方法。
  6. 耐熱塗膜の200℃加熱後の内部応力が13MPa以下にある請求項1ないし5のいずれか1項に記載の耐熱塗装方法。
  7. 無機ジンクリッチ塗膜の乾燥膜厚が20〜200μmであり、耐熱塗膜の乾燥膜厚が15〜160μmの範囲内にある請求項1ないし6のいずれか1項に記載の耐熱塗装方法。
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