JP6644709B2 - 長期間薬物送達システムによる歯内療法 - Google Patents

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Description

薬物送達システムによる感染歯根管の歯内療法が本明細書に記載される。
歯内療法は、通常、ヒトの歯の歯根管系としても知られている歯内窩洞空間(「ECS」)の清浄化および拡大化を要する。未形成の歯根管は、通常、歯の歯根の中央部分を通る狭いチャネルである。ECSの清浄化および拡大化は、健常な歯においてその空間を占める組織である歯髄の死または壊死によって必要になる可能性がある。この組織は、虫歯、深い歯科修復物、完全および不完全な歯折、外傷、または通常加齢過程に伴う組織の石灰化および虚血による自然壊死などの多くの理由で変性し得る。感染症または歯膿瘍、敗血症および死亡さえも続発するため、壊死性または壊疽性の虫垂と同様に、緊急性がないとしても、この組織を完全に除去することが最優先される。
ヒトの歯の歯根管系は、狭く、曲がっており、石灰化していることが多く、処理するのも清浄化するのも極めて困難であり得る。事実、現在利用可能な従来の歯内用または歯根管用器具は、歯髄の完全な除去およびECSの効率的な拡大化には不適切であることが多い。さらに、これらの器具は通常破損しやすく、歯のさらなる破壊を引き起こす。破損した器具は、不可能ではないにしても、通常は除去することが困難であり、抜歯を要することが多い。ECSの天然の解剖学的構造への明らかな穿孔または変更の結果として発生する歯の損傷により、歯根管の不全および歯の喪失に至ることもあり得る。
歯の未形成の歯根管は、通常、狭い比較的平行なチャネルとして始まっている。入口または開口部の口と、出口または孔の口は、直径が比較的等しい。管の完全な清浄化および充填に対応し、さらなる感染を予防するために、通常、管は形成されなければならない。歯内窩洞形成(「ECP」)は、一般に、孔を比較的小さいまま残しながら管の開口部および本体を漸次拡大化することを含む。その結果得られるものは、通常、なだらかな円錐状の形成物である。
歯髄室の細菌集落形成は、炎症および根尖性歯周炎を引き起こす。感染すると、歯根管を、上記のような歯髄切除、滅菌、充填および覆罩によって処置して、歯周炎を回復させ、正常な歯の機能を修復させることが最も多い。治療的歯根管処置は成功率が高い(埋め込みから5年後の残存率は80%を超える)が、修復した歯はもはや正常な生理機能で機能するわけではなく、将来の問題にはより影響されやすい。このような修復した歯には生涯持続するものもあるが;大多数は、結局、歯が力学的に折れ、または再感染した際にさらなる介入を必要とする。歯根管処置は反復してもかなり成功するが、処置された歯の多くは、最終的に、抜歯とその後の橋義歯または永久インプラントの配置を必要とする。
インプラントは、歯構造が適切でない場合、または歯が歯内修復不可能なほど損傷している場合に必要とされる。抜歯直後にデバイスを配置すると、骨吸収が減少することから、天然の歯の予後不良の場合に適切である。驚くことではないが、インプラントは歯内修復した歯より耐久性があることが証明されており、95パーセントを超える残存率が報告されている。しかし、インプラントは高価であり、患者集団の大多数の資力を超えるものである。
歯根管感染を処置するための代替法は、局所薬物送達デバイスを用いて感染歯根管を処置することであろう。この送達システムは、象牙質内、歯髄室内、歯根管および/または歯の歯根管の外部領域に埋め込まれる。薬物送達デバイスは患者の症状を軽減し、感染性生物を排除または減少させる薬剤を長時間送達する。
全身抗生物質治療は歯根歯髄感染の根絶には不適である。なぜなら、側副血流が不適切に供給されるため、全身の毒性レベルを超えずに必要な局所薬物濃度を得ることができないからである。しかし、全身濃度を毒性レベルまで増加させずに薬物の局所濃度を高くするために、高分子薬物送達技術が使用されて成功している。薬物溶出性冠状動脈ステントは、この概念における最も奏効している商業的応用であるが、これより認知度の低い製品で、防腐剤および抗生物質抗微生物剤を送達するものがいくつかある。
非歯内医学的応用において使用される様々な手法が、歯科的応用に適しているようである。最も直接的な方法は、事前形成し、予備滅菌した、抗生物質のデポー剤を充填した分解性ポリマーを、歯根に給養する骨の中に配置することである。第2の手法は、同一の骨の中での分解性ポリマー/抗微生物剤システムのin−situ重合である。第3の手法は、歯の天然の解剖学的構造に対してより破壊的であるが、開業医が最も実行しやすいであろう、即ち、分解性ポリマー/抗微生物剤および/または抗炎症剤システムを、歯根管もしくは歯髄室または象牙質の歯構造および感染歯髄中にin−situ配置するものである(必要に応じてより大きな貯留空間を作るために部分的歯髄切除を伴う)。これらの技術のどれひとつとして、仮に失敗しても、標準的な歯根管処置を不可能にするものではないが、その全てが、歯根を残し、従来の治療の必要性を先に延ばすまたは排除するのに有効であり得る。
歯髄疾患の有無およびその程度を判定する際の診断上の課題は、数十年間議論の対象になっている。世界中の古い著述が、う蝕、歯髄の炎症および痛みの間の関係に認識があったことを示している。伏羲(2953BC)は、低温および咀嚼が原因で起こる痛みを含む数種の歯痛についての最も古い残存する記述の1つを著したと考えられている(非特許文献1)。大プリニウス(23〜79AD)は、酢に浸漬したヒヨスの根;またはオオバコの根を噛むことによって歯痛を軽減することができると助言したが、このうち後者には抗微生物性および抗炎症性の性質があることが知られている(非特許文献2)。この時代の主眼は痛みの管理にあり、治癒の準備行為としての炎症の軽減にはあまり関心がなかった。
痛みを管理する様々な療法は、その後の数百年間存在しただけであり、歯の穿孔、歯髄摘出および焼灼(熱と化学物質の両方)からなるものであった。しかし、知られるところでは、非介入タイプの痛み/炎症の管理を主眼にした者はいなかった。非特許文献3は、歯髄を保護し、歯髄が治癒するのを可能にするために、歯髄のバイタリティ(vitality)を維持し、「骨の堆積」(現在の用語および概念での第2の修復象牙質または刺激象牙質)を形成することを対象とする、歯髄の問題を管理する治療的概念を提唱した。非特許文献4は、歯髄が不可逆的に炎症しているのか、または除去を必要とするのかの判定を試みるために、低温を使用することを提唱した。これは診断試験と歯髄の状態とを最初に相関させたものの1つであり、まもなく非特許文献5およびバイタリティかノンバイタリティかの判定のための熱の使用に引き継がれた。興味深いことに、このタイプの試験は130年間変わっていないが、現在は、痛みの神経生理学およびこれらの刺激に対する応答の意味が、ある程度、より深く理解されている(非特許文献6)。
臨床医らがバイタリティまたはノンバイタリティという概念をもつことができると一旦わかると、治癒を促進するという意図で、露出した歯髄を覆うために防腐剤物質を使用することが支持された。歴史上その当時理解されていなかったことは、歯髄の炎症およびその広がりの機序、および歯髄が特定の刺激または処置に対して有利にまたは不利に応答する能力であった。(非特許文献7−非特許文献8)。要するに、これらの個々人は、今日我々が直面している、損傷または外傷後の象牙質歯髄の状態を確実には判定できないという同じジレンマに直面していた。特に、う歯、歯の修復処置、歯周疾患および歯の外傷の存在下で、徴候および/もしくは症状またはそれらの欠如を正確に解釈し、それらを歯髄の病態生理学的状態と正確に関連付けることができるという点である。近年、これを行い、現代の診断基準およびその解釈を明確にしようという試みがあった(非特許文献9;非特許文献10)。しかし、この件でコンセンサスを達成することは現実的ではなかった。
歯髄内の炎症は、血管外環境または間隙への液体および血液細胞の欠如を特徴とする血管組織の局所反応である。この反応は、生物学的因子、物理的因子または化学的因子によって誘導される(非特許文献11;非特許文献12)。血管相は炎症過程のまさに最初の現象に相当する。組織刺激の後、細動脈は自律神経線維が仲介する収縮を起こし、これが5秒以下続く(非特許文献13)。この後すぐ、最初は細動脈において、収縮、内因性化学伝達物質による血管拡張の促進が起こり、その結果、血管の静水圧が上昇する(充血)。血管を流れる血液がますます多くなるため、毛細血管と細静脈の両方が拡張する。化学伝達物質の作用および血管内圧の増加が、血管透過性の増加も促進し、滲出および浮腫が発生する(非特許文献7;非特許文献11)。
歯髄組織において、潜在的に可逆的な炎症の第1段階(歯髄を助け、治癒を確実にするために、何かできることがあるということを現代の臨床医らに告げている診断区分)は、誘発された一時的で局所的な低強度の痛みを臨床的な特徴とする、歯髄の充血として知られている。この組織が象牙質と密接に関係し、象牙質−歯髄複合体を形成していることを考慮すると、歯髄は、象牙質への多種多様な刺激によって冒される可能性がある(非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)。さらに、これらの組織間の緊密な関係および象牙質の透過性のため、露出した象牙質に適用されたコルチコステロイドのような薬剤の分子は、治療効果をもたらす可能性を伴って象牙質細管を通って拡散し、痛みの症状を軽減する場合がある(非特許文献17;非特許文献18)。
1960年代以来、コルチコステロイドは、象牙質の過敏性、歯髄の充血を減少させるために象牙質に使用され、場合により、直接的な歯髄覆罩剤として使用されてきた(非特許文献19)。事実、1965〜1974年の間にコルチコステロイドを使用して歯髄の炎症を管理した研究が、イタリア、ドイツ、ポーランド、フランスおよびチェコスロバキアで発表されたが、実質的な臨床指示が明白でなく、発表された諸研究は、根拠に基づく指示のレベルが最低であった。
充血は、窩洞形成、修復材料およびう蝕疾患によって作り出される物理的攻撃、化学的攻撃および細菌による攻撃が組になって派生する状態である。論文著者数名が(非特許文献17;非特許文献20;非特許文献14)、象牙質に局所的なコルチコステロイドを使用することによって、充血を処置することができるかどうかを論じ、修復の前に象牙質に薬剤を局所適用してこの過敏反応を予防することが可能であると示唆した。非特許文献21は、この著者らが、象牙質の透過性を利用して、歯髄の炎症の初期相の間に保存的モードの処置として薬物を使用することができることを主張しているため、この観点に一致している。しかし、この行為は推奨されてきたが、歯内適用における局所的なコルチコステロイドの作用を調査したほとんどの研究が、炎症または痛みを最小限にするためにこの薬物を歯髄に直接使用することを評価したことに注目すべきである(非特許文献22;非特許文献23)。さらに、単なる過敏性と可逆的な歯髄炎とを、および可逆的な歯髄炎と不可逆的な歯髄炎とを正確に識別する臨床医の能力について、依然として課題が残っている。
しかし、近年、非特許文献24は、可逆的な歯髄炎であると診断された歯に間接的歯髄覆罩材料としてコルチコステロイド/抗生物質被覆材を使用する研究(明白な露出はなく、う蝕の除去後に材料が窩底に配置された)を詳述した論文を発表した。この診断の基準は明確に詳述され、掘削中に露出したいかなる歯髄も研究から除外された。この著者のサンプル中、454本の歯がこの方法で処置され、そのうち435本(96%)は2回の処置来診が必要であり、19本(4%)は3回の処置来診が必要であった。これに続く介入には、43本(10%)の歯の歯根管処置、21本(5%)の歯の抜歯が含まれ、14本(3%)が薬剤を用いた追加の被覆材を処置された。歯の残存期間中央値は6年であった。この著者は、これらの発見に基づいて、歯根管処置は、可逆的な歯髄炎と診断された歯について、必ずしも第一選択の処置でなくてもよいと指摘した。
ステロイドまたはより適切にはグルココルチコイドは、侵害受容器を活性化または感作する媒介物質の生成または放出を阻む部類の薬物を形成する。グルココルチコイドは、血管拡張、好中球遊走および食作用を抑制し、ならびに好中球およびマクロファージ−細胞膜リン脂質からのアラキドン酸の形成を阻止し、それにより、シクロオキシゲナーゼ経路およびリポキシゲナーゼ経路ならびにそれぞれのプロスタグランジンおよびロイコトリエンの合成を遮断することによって、炎症反応を軽減することが知られている(非特許文献25)。現代では、グルココルチコイドは歯内療法後の術後痛を軽減するために使用されている。それは主に、バイタルであるが炎症性の歯髄を伴う歯を処置する場合に、歯根管の中に適用されている(非特許文献26)。歯髄の壊死の症例に使用される場合、歯根管を投与経路として使用すると、薬物の吸収が不十分なようである。他の研究は、術後痛に対するコルチコステロイドの全身的使用に実際に取り組んだ(非特許文献27)。全身的使用は、一般に、痛みの重症度を軽減する。諸研究は、デキサメタゾンの筋肉内使用または酢酸メチルプレドニゾロン(Depro Medrol)の骨内注射もしくは靱帯内注射も評価した(非特許文献28;非特許文献29;非特許文献30)。研究の要約[非特許文献29および非特許文献30の各々]は以下のとおりである:
この前向き、二重盲検、無作為化研究の目的は、不可逆的な歯髄炎の歯に緩効性放出メチルプレドニゾロンの骨内注射を使用して痛みの軽減を評価することであった。救急処置を受けに来た40名の被験者が研究を完遂した。各被験者の歯は不可逆的な歯髄炎であるとの臨床診断を受け、大いに関連する中等度から重度の痛みを伴っていた。局所麻酔を行った後、被験者を、Depo−Medrol(40mg)1.0mlまたは滅菌生理食塩水1.0ml(対照)のいずれかの骨内注射を受けるように無作為に割り付けた。初回診療予約時は歯内療法を開始しなかった。被験者にイブプロフェンおよびTylenol#3を投与し、痛み、打診痛および毎日服用した鎮痛薬剤について、7日間調査票に記入させた。7日間の観察期間にわたって、Depo−Medrolの骨内注射を投与した被験者からは、痛みおよび打診痛が有意に(p<0.05)少なく、服用した鎮痛薬剤が有意に(p<0.05)少なかったと報告された。臨床的に、Depo−Medrolの骨内注射は、決定的処置を施すことができるまで、不可逆的な歯髄炎の症状を一時的に軽減するために使用することができた。
この前向き、無作為化、二重盲検研究の目的は、不可逆的な歯髄炎のある未処置の歯において、Depo−Medrolの骨内注射の投与後に、プロスタグランジンE2(PGE2)およびインターロイキン−8(IL−8)の歯髄中濃度を評価することであった。不可逆的な歯髄炎との臨床診断を受け、中等度から重度の痛みを経験している40名の救急患者が参加した。局所麻酔を施した後、患者には、無作為に、二重盲検様式で、Depo−Medrol(40mg)1ml(患者20名)または滅菌生理食塩水プラセボ1ml(対照)(患者20名)のいずれかの骨内注射を投与した。歯内療法は開始しなかった。骨内注射から1日後または3日後に、抜歯し、歯髄の組織を採取した。プロスタグランジンE2およびインターロイキン−8の濃度を酵素免疫測定法によって測定した。その結果は、1日目に、生理食塩水群と比較して、プロスタグランジンE2の濃度が有意に(p<0.05)低いことを示した。3日目は、2群間に有意な差はなかった(p>0.05)。プロスタグランジンE2の歯髄中濃度は、Depo−Medrolの骨内注射後、1日目に減少した。
コルチコステロイドの治療効果は、リポコルチンおよびバソコルチンの合成に対するその作用に基づいており、それぞれが浮腫およびAホスホリパーゼ酵素の形成を阻止する。この酵素を阻止することによって、膜リン脂質はアラキドン酸に変換されない。したがって、それに続くはずのプロスタグランジンおよびプロスタサイクリンの合成(シクロオキシゲナーゼ経路)ならびにロイコトリエンの合成(リポオキシゲナーゼ経路)が遮断される(非特許文献11;非特許文献31)。非特許文献32によれば、ブラジキニンおよびプロスタグランジンの生成は、痛みの発現を調節している可能性がある。非特許文献33は、歯髄の線維芽細胞およびマクロファージが、歯髄の炎症におけるシクロオキシゲナーゼ−2の発現によるプロスタグランジンの生成に関与している可能性があり、両者が歯髄炎の病理発生に必要である可能性があることを指摘している。このため、抗炎症剤を適用すると、浮腫、血管拡張および白血球に対する走化性効果が阻止される。さらに、コルチコステロイドは、急性炎症の初期相における重要な化学伝達物質であるヒスタミン、ヘパリンおよびブラジキニンに作用する(非特許文献17;非特許文献32)。キニン系が活性化すると、ブラジキニンノナペプチドが放出される。この血管作用剤は、細動脈拡張を誘導し、細静脈透過性を増加させ、痛みを引き起こすことが可能である(非特許文献21;非特許文献11;非特許文献32)。
不可逆的な歯髄の炎症の発症における予防と、この条件下でコルチコステロイド抗炎症薬剤が有効であるという仮説を証明する、より最近の研究が不足していることとの臨床的関連を考慮すると、この状況と、歯髄が不可逆的な歯髄炎の少なくとも初期段階で診断される状況との両方を試験する研究の探求がなされるべきである。様々な抗炎症薬を多くの方法で臨床適用するための選択肢が試験されるべきであり、例えば、露出した歯冠または歯根象牙質に;歯髄を露出させずに象牙質の感染層を除去した後に(現在、間接歯髄覆罩として知られている);歯冠形成または他の広範囲の修復処置後の象牙質に;歯冠内でも歯根内でも、露出した歯髄に直接配置;および初期歯根側歯周炎の徴候または症状が存在する場合の海綿骨中への配置が試験されるべきである(非特許文献34)。後者の手法は、非特許文献29により、一定の条件下で提唱された。この文献の著者らは、臨床医の見地から、歯科用ダムを配置して歯髄切断または歯髄切除を行う方が早いかもしれないと感じた。そうすると、いつDepo−Medrolタイプの薬物が必要になるのであろうか?過去には、開業医は、不可逆的な歯髄炎の救急患者を処置するか(その歯が処置されないままの場合、強力な鎮痛薬でも痛みを完全には軽減することができないと知って)、または患者の予定を翌日早くに変更して、既に埋まったスケジュールを複雑化するかのいずれかをしなければならなかった。めったにないと認めざるを得ないが、Depo−Medrolの骨内注射は、決定的処置を施すことができるまで、不可逆的な歯髄炎の症状を一時的に軽減するために使用することができるという状況が起こる。1つの状況は、極端に多数の救急患者があり、時間またはスタッフサポートの不足のため、全患者には臨床的処置ができない場合であろう。しかしこの状況は、現在の業務においては異例であろう。別の例は、歯が異常な歯冠/歯根解剖学的構造または部分的に石灰化した管を呈し、時間的制約のため、開業医が歯根管または管を適切に創面切除する(debride)ことができない場合である。別の状況は、全ての選択肢が使い尽くされたが、極度の痛みのために象牙質または歯髄に入ることができない、麻酔の失敗である。いずれの場合も、Depo−Medrolの骨内注射(X−Tip(商標)Intraosseous Anesthesia System−Dentsply Tulsa Dental Specialities、Tulsa、OK、USA)は、歯根管処置が必要になる前に7日間まで、患者の痛みを管理可能なレベルにまで臨床的に減少させることができる。この場合、課題は、1)決定的介入が必要となる前の時間をもっと長くすることができるか;または2)この方法でのある種の薬物の使用は実際に治癒が実現するのを可能にできるか、ということであろう。
Goodis 2002 Gomez−Floresら、2000 Taft(1858) Weitzel(1879) Brophy(1880) Hargreaves 2002 Van Hassel 1971 circumferential spread of inflammation versus the strangulation theory[Amir & Gutmann 2001] Newtonら、2009 Levinら、2009 Trowbridge & Emling 1997 Accorinteら、2008 Fachinら、2009 Mjor & Levik 1975 Mjor & Ferrari 2002 Buyukguralら、2008 Fryら、1960 Pashley 1996 Clarke Kら、1981 Mosteller 1962 Ciarlone & Pashley(1992) Negm 2001 Rodd & Boissonade 2005 Frost (2011) Hargreaves & Seltzer 2002 Rogersら、1999 Krasner & Jackson 1986 Kaufmanら、1994 Gallatinら、2000 Isettら、2003 Manchikanti 2002 Rittnerら(2003) Nakanishiら(2001) Gutmannら、2009
1つの好適な薬物送達デバイスを示す。 好適な薬物送達デバイスの追加の例を示す。 ポリ(L−乳酸)骨ピンと同一のポリ(DTEカルボナート)ピンとを比較する、骨の中に埋め込まれたポストの組織学的像を示す。 歯髄炎に罹患している歯の中に配置した薬物溶出性プラグを示し、プラグは歯髄室の中に到達していない。薬物溶出性プラグは修復材で覆罩されている。 歯髄炎に罹患している歯の中に配置した薬物溶出性プラグを示し、プラグが歯髄室の中に到達している。薬物溶出性プラグは修復材で覆罩されている。 処置剤またはポリマー/抗微生物剤システムを含有するデポー剤様デバイスである1つの薬物送達デバイスを示し、薬物溶出性プラグは少なくとも部分的に修復材料に被包されている。
歯髄感染は処置が困難なことで悪評が高いため、歯髄切除が治療選択肢となることが最も多い。しかし、非歯内抗微生物剤溶出性医療デバイスを用いた臨床的成果は、歯根歯髄を残すための類似の手法を示唆するものである。患者は非合理に歯根管処置を恐れるため、大多数が恐ろしい「歯根管」処置を延期するいずれかの治療を受けようとする傾向がある。
哺乳動物において歯髄炎を処置する方法であって、歯の一部を除去して炎症性の歯根を露出させる工程と、露出した歯根に薬物を適用する工程とを含み、薬物の適用が徐放性薬物送達デバイスによって行われる方法が本明細書に記載される。
哺乳動物において歯髄炎を処置する方法であって、露出していない炎症性の歯根を有する歯に薬物を適用する工程を含み、薬物の適用が徐放性薬物送達デバイスによって行われる方法が本明細書に記載される。
歯髄感染の処置の成功は、適切な時間で、抗微生物剤または抗炎症剤の局所濃度を適切にすることに依存する。全身性薬物治療は、歯根の基部を通過して歯髄に供給される血液が制限されるため、不適である。しかし、高分子薬物送達技術が使用されて、全身濃度への影響を最小限にしながら、薬物の局所濃度を高くすることに成功している。薬物溶出性冠状動脈ステントは、この概念における最も奏効している商業的応用であるが、これより認知度の低い製品で、防腐剤および抗生物質抗微生物剤を送達するものがいくつかある。
非歯内医学的応用において使用される様々な手法が、抗微生物剤および/またはステロイド剤の歯根歯髄への送達に適しているようである。
1.事前形成し、予備滅菌した、抗生物質のデポー剤を充填した分解性ポリマーを、歯根に給養する骨の中に配置。
2.同一の骨の中での分解性ポリマー/抗微生物剤システムのin−situ重合。
3.歯根管(歯髄室を含む可能性もあり)および感染歯髄中(必要に応じてより大きな貯留空間を作るために部分的歯髄切除を伴う)の、ポリマー/抗微生物剤システムまたはポリマー/抗炎症剤システム。
4.歯の象牙質中のポリマー/抗微生物剤システム。
5.歯の周囲領域に配置されるポリマー/抗微生物剤システム。
記載した全てのシステムはまた、抗炎症剤も含有することが可能である。システムは、図6に示すように、処置またはポリマー/抗微生物剤システムを含有するデポー剤様デバイスとすることが可能である。図6のこのシステムは、修復材または修復材料の中に配置されている薬物溶出性プラグである。薬物溶出性プラグは、歯髄室の中に到達させることもでき、図4に示すように歯髄室の外側で終了させることもできる。
第1の手法が最も非侵襲的である。この処置では、歯内療法医は、歯を支持している骨に小さな孔を開け、事前形成し、予備滅菌した、薬物送達デポー剤を充填した分解性または非分解性ポリマーを配置する。このデバイスは、図1に示すようなDBX送達に類似したシリンジを通して配置してもよい。
第2の手法、即ち同一の骨の中での分解性または非分解性ポリマー/抗微生物剤および/またはポリマー/抗炎症剤システムのin−situ重合または液相−固相転移は、薬剤が患者によって異なり得るという点で用途がより広いが、反応を制御するために高レベルの技術を要するであろう。歯科医は光活性化化学反応に慣れているが、この方法はレドックス開始剤を使用する可能性が高いであろう。
第3の手法は、歯の天然の解剖学的構造に対してより破壊的であるが、現行の歯根管処置をわずかに変更するものであるという点で開業医が最も実行しやすいであろう。歯根に給養する骨の中にデポー剤を配置するのではなく、開業医は、ポリマー/抗微生物剤システムおよび/またはポリマー/抗炎症剤システムを、歯根管および感染歯髄中に配置する(必要に応じてより大きな貯留空間を作るために部分的歯髄切除を伴う)。理想的な結果は、覆罩され、十分に機能する、歯髄に細菌のない歯であろう。おそらく、歯はより健康なままとなり、従来の歯根管処置は延期されるであろう。
第4の手法は、象牙質細管に接触する薬物デポー剤を配置することになろう。細管は治療薬を感染歯髄に送達するための天然の経路である。
第5の手法は、歯肉線の下で歯に接触する薬物デポー剤を配置することになろう。細管は治療薬を感染歯髄に送達するための天然の経路である。
これらの技術のどれひとつとして、仮に失敗しても、標準的な歯根管処置を不可能にするものではないが、その全てが、歯根を残し、従来の治療の必要性を先に延ばすまたは排除するのに有効であり得ることに留意するのが重要である。
薬物送達のためのポリマー技術
局所薬物放出を対象とした分解性ポリマーは、1980年代に記述され、その後の数年で商品化された。多くの人が薬物溶出性冠状動脈ステントを考慮するが、医学的応用のための薬物溶出性ポリマーシステムの概要、さらなる被覆をされたデバイスの商品化は、かつて予想されたより困難で時間のかかるものであると判明している。それにもかかわらず、感染歯根の処置として有効であり得る認可抗微生物剤溶出性製品がいくつかあり、以下を含む。
・分解性縫合糸(ポリグラクチン910、ポリグレカプロン25、ポリジオキサノン)/トリクロサン
・歯周疾患デポー剤(PLGA/ミノサイクリン、PLA/ドキシサイクリン)。
さらに、薬物溶出性(抗生物質、抗微生物剤および他の作用剤)被覆材としてのいくつかの認可デバイスは、歯根を残す処置に容易に適用されるポリマー/抗微生物剤システムを使用している。様々な状態での商品化における追加の薬物溶出性ポリマーもこの適用に対応できるようであり、以下を含む。
・グリコール酸、乳酸、カプロラクトン、エチレングリコール、ジオキサノン、トリメチレンカルボナートおよび酒石酸から選択されるモノマーから合成される分解性縫合材料として開発されたマルチブロックポリエステルコポリマー、
・チロシン由来のポリアリーラートおよびポリ無水物を含む、組織と接触しているデバイスから抗生物質を送達するために臨床的に使用されるポリマー、
・チロシン由来のポリカルボナート、ポリヒドロキシアルカノアート、ポリ(エステルアミド)およびポリ(オルトエステル)を含む、ヒト臨床試験において評価されたがまだ認可デバイスには含まれていないポリマー、
・ポリ(無水物−エステル)、ポリ(プロピレンフマラート)、分岐ポリエステル(中性および荷電を変更した(charge−modified)ポリ(ビニルアルコール)−graft−ポリ(乳酸−co−グリコール酸)ポリエステル)、ポリ(エチレンカルボナート)、1,3−トリメチレンカルボナート、ポリ(エーテルアミド)、分解性ポリエチレンイミン、ポリ(エステルウレタン)を含む、前臨床モデルにおいて評価されたが、より高い規制のハードルに直面する可能性のあるポリマー。
これらのうち、2つの商品(歯周疾患を処置するために使用される、トリクロサンで処置した縫合糸および抗生物質を混ぜ込んだ縫合材料(PLGA、PDLLA))、抗生物質を送達するために臨床的に使用される2つの市販のポリマーシステム(分解性縫合材料およびチロシン由来のポリアリーラート)、および様々な状態での商品化における4つの主に学究的な薬物溶出性ポリマープログラムが、最も有望なようであり、これらは、1.)チロシン由来のカルボナート、2.)ポリ(プロピレンフマラート)、3.)ポリ無水物および4.)ポリ(無水物−エステル)である。マトリックスタンパク質(例えばコラーゲン)、多糖、水溶性ポリ(ビニルアルコール)およびポリ(エステルウレタン)のような他の分解性および/または水溶性の材料もうまく機能するであろう。
薬物送達のためのポリマーシステム
縫合剤産業からのモノマー:グリコリド、L−ラクチドおよびその異性体、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノンならびにトリメチレンカルボナート(様々な供給源)
Bezwadaは、その白書「合成吸収性ポリエステル」の中で、吸収性縫合剤産業で使用される5種の主要なラクトン系モノマーについて述べている。市販のトリクロサン溶出性縫合剤製品に使用されているポリマーに加えて、本来縫合剤適用のために開発された多数のさらなるコポリマーが、学術文献で抗生物質を送達すると報告された。一部は歯周疾患処置から整形外科用インプラントに及ぶ応用のための商品に現在使用されている。
グリコール酸/乳酸(様々な供給源)
乳酸およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマーは、医療デバイス産業において臨床的に最も使用されている分解性ポリマーである。販売会社には、DURECT、PURAC、Zeus、Secant Medical、NatureWorksおよびSurModics Pharmaceuticals(まもなく売却予定)が含まれる。SurModicsは、処方に依存して数時間から数年後に分解するPLGAマイクロ粒子製剤を提供している。結晶性のPLAおよびPGAは、もっとゆっくり分解し、PLGA50:50ポリマーは、その非晶質性のため、純粋なPLAまたはPGAより速く分解する。
追加の縫合剤モノマー(主にPLA異性体、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン、およびトリメチレンカルボナート)も、縫合剤分解速度を制御するために使用されている。Feijenらは、D,L−ラクチド(DLLA)またはε−カプロラクトン(CL)と共重合させたトリメチレンカルボナート(TMC)のin vitro分解の速度がポリマー組成に依存して2桁変化したと報告している。
チロシン由来のポリアリーラート、チロシン由来のカルボナート
Kohnらは、コンビナトリアル高分子科学(Combinatorial Polymer Science)技術および高速スループットキャラクタリゼーション(Rapid Throughput Characterization)技術を使用して、異なるポリマー群での性質の差異を同定した。Kohnは、チロシン由来のポリアリーラートおよびチロシン由来のカルボナートを主原料にした分解性ポリマーのコンビナトリアルライブラリーをRutgersに保持している。モノマー組成物および重合条件を変化させることによって、溶出を制御し、分解速度を予想することができる。
Kohnは大多数の関連特許をRutgers Universityに譲渡したが、次にRutgers Universityは、チロシン系ポリアリーラートのIPをTYRX,Inc.に、およびチロシン系ポリカルボナートをTrident Biomedical,Incにライセンスした。TYRXは、さらに、Baylor College of MedicineおよびUniversity of Texas M.D.Anderson Cancer Centerから、術後感染および線維症に対処するためのリファンピンとミノサイクリンとの組合せを含む組合せ薬物の特許のライセンスを受けた。チロシン系ポリアリーラートおよびリファンピン/ミノサイクリンの組合せを被覆材として利用している公知の認可医療デバイスが図2に示されており、PIVIT AB(商標)Antimicrobial−Coated Surgical Mesh(CR Bard)、AIGISRx(登録商標)およびAIGISRx(登録商標)Flat Cardiac Rhythm Medical Device(CRMD)Anti−Bacterial Envelope、ならびに損傷または断裂した軟部組織の外科的修復用のAIGISRx(登録商標)ST抗菌製品が含まれる。TYRXの製品は抗生物質の組合せを使用しているが、この部類の他のポリマー製剤が同様に使用されて他の抗微生物剤を送達することができる。
Trident Biomedical,Inc.は、TYRXとは異なり、認可医療製品はない。しかし、TridentのライセンシーであるREVA Medicalは、自社の冠状動脈ステントのヒト臨床試験においてチロシン系ポリカルボナートを評価した。介入性心臓病学および眼科的応用についての現行のライセンスは、これらのポリマーの商品化を推進するものである。この会社は、PLAピンと比較して炎症が少ないことを示す組織学に基づく骨折固定デバイスを開発中である。これを知ると、骨の中に配置される歯根を残すデバイスが魅力的なものとなる。ポリ(L−乳酸)骨ピン(左)および同一のポリ(DTEカルボナート)ピン(右)のin vivoでの実施が図3に示されている。J.Kohnら/Biomaterials 28(2007)4171〜4177頁より引用。両ピンは丸みのある滑面で、インプラント寸法が正確に一致していた。組織学的像は埋め込みから900日後に得られ、ピンの横断面を示し、インプラントの周囲の骨の反応を示している。さらなる詳細については本文を参照されたい。
ポリ(プロピレンフマラート)
ポリ(プロピレンフマラート)、フマル酸系の不飽和の直鎖ポリエステルおよびその架橋誘導体は、骨空隙充填剤および生体材料の足場としての研究対象である。
このため、材料の分解は緩慢である。光架橋ポリ(プロピレンフマラート)(PPF)/ポリ(N−ビニルピロリドン)(PVP)マトリックスは、3種の異なる眼科用モデル薬物を200日間にわたって放出したと報告された[Hacker MC、Haesslein,A、Ueda H、Foster WJ、Garcia CA、Ammon DM、Borazjani RN、Kunzler JF、Salamone JC、Mikos AG、Biodegradable fumarate−based drug−delivery systems for ophthalmic applications、Journal of Biomedical Materials Research Part A、88A(2009)976〜989頁]。
ポリ無水物
Bremらは、1980年代後半に、脳への薬物の送達のためのポリ無水物について記述した。1996年に、FDAは、高度悪性神経膠腫と新たに診断された患者用に、手術および放射線照射の補助剤として、カルムスチンを混ぜ込んだポリ無水物であるGliadel Waferを認可した。骨髄炎の処置用に開発されたゲンタマイシンを混ぜ込んだポリ無水物であるSeptacinは有望と見られたが、おそらく長期間の安定性のためには零下の保管温度が必要とされたため、商業的成功には至らなかった。Kraskoらは、骨髄炎の処置用にゲンタマイシンを含有するポリ無水物ゲルを記述したが、ポリマーが−17℃より高い温度で保管されると、放出薬物放出速度が大いに上昇すると報告した。しかし、その溶出プロファイルは歯根感染の根絶には適切である可能性がある。
異なる温度で保管された、20%薬物を混ぜ込んだ照射P(SA−RA)3:7からの硫酸ゲンタマイシンの放出。硫酸ゲンタマイシンの放出および検出は、図1に記載された条件下で行われた。凍結(−17℃)で保管されたサンプルが対照としての役目をした。実験は2連で行われ、標準偏差は±8%を超えなかった。
PEGマクロマー
Incept LLCは、Focal Inc.(現在はGenzyme)で最初に開発されたシステムと類似のin situ重合可能なPEGマクロマー化学システムを使用して応用物を開発した。
DuraSealシステムは、Durasealを送達するために使用される、外筒が2つのシリンジの外筒のうち1つの中に、単純に抗生物質を溶解することによって抗生物質を送達するのに適しているであろう。しかし、Inceptは一定の歯科的応用のためのポリマーシステムの使用を規制する可能性がある。
歯科的応用
本明細書で使用されるのに好適なヒドロゲル製品は、歯科において、例えば、歯根管の閉塞に使用されるのが有利な場合がある。一般に、歯根管が清浄化および消毒された後、その結果得られた通路は細菌汚染を予防するために閉塞される。この開口部に栓をするためにガッタパーチャのような非架橋ゴムタイプの材料が使用されることが多い。しかし、ガッタパーチャは本来、形に合う性質がなく、管の中に力学的に押し込まなければならない。
本開示の原理によれば、実質的に脱水したヒドロゲル材料の棹をサイズにカットして歯根管の中に導入すると、材料が水和し、膨潤し、場所に固定されてしっかりした合い具合を形成することができる。ヒドロゲルは、口腔液、食品材料および細菌に対して有効なバリアをもたらすことが期待されている。実質的に非分解性のヒドロゲルが選択される場合、長期間閉塞することができる。代替として、ある期間にわたって天然組織がヒドロゲルに置き換わることが望ましい場合、吸収性材料を使用してもよい。
[US6,605,294。組織または血管の封鎖または増強のためのヒドロゲル製品のin situ水和の使用方法]。
Inceptの当事者らは、現在はOcular Therapeutixにおいて、眼科用薬物送達適用のためにこのシステムを適応させており、このようにしてマクロマーの別の可能な供給源を提供している。
薬物送達に好適である可能性のあるさらなるポリマーシステム
他の分解性ポリマーを使用する製品の商品化および広範な使用は、様々な根拠が欠如してはいるが、全てが抗微生物剤送達に適切であり得、必要に応じて再考されてもよい。
他の分解性ポリマーには、ポリエチレングリコール(PEG)および縫合剤モノマーで製造された様々なコポリマーおよびターポリマー(Innocore、PolyVation BV、SurModics、Philipps−Universitat(ドイツ)、GA/LA/CL/PEG)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)(OctoPlus、PEG/PBT)、ポリヒドロキシアルカノアート(PHA)(Tepha/MIT、ポリ−4−ヒドロキシブチラート)、中性および荷電を変更したPVA−g−PLGAポリエステル(Philipps−Universitat)、ポリ(エステルアミド)(Medivas/DSM Biomedical/Cornell)、ポリ(オルトエステル)(AP Pharma)、ポリ(無水物エステル)(Kathryn Uhrich、Rutgers University/Polymerix Corporation)、ポリ(エステルウレタン)(Bezwada Biomedical;DSM Biomedical;Bionic Technologies Australia/PolyNovo)、およびポリ(エステルエチレンイミン)(Exploit Technologies Private Limited)が含まれる。
セメントマトリックス
無機セメントのような他の材料は、薬物、または薬物製剤を含有するポリマー用の支持マトリックスとして作用し得る。PortlandまたはAalborgセメントのような無機セメントは、徐放性薬物デバイス用の要件を満たし得る。
生分解性材料、好ましくは、ポリ(DL−ラクチド)(DL−PL)マイクロスフェアに充填した抗生物質/コルチコステロイドの調製。
デメクロサイクリン塩酸塩/トリアムシノロンアセトニドのような抗生物質/ステロイドを充填したマイクロスフェアを、Gibsonら[US6,291,013]の実施例2に従うが、活性薬としてクマリン−6ではなく、デメクロサイクリン塩酸塩もしくはトリアムシノロンアセトニドのうち1つ、または両方を組み合わせて調製した。
投与前にマイクロスフェアを液体担体と混合した。液体担体は、多糖、PVA、PVP、およびポリアクリル酸などのような好ましいヒドロゲル組成物系の水性とした。
場合により、組成物4、即ちゲルおよびマイクロ粒子を、一端が開いており、一端が閉じている円筒形状のセラミック材料の中に入れた。円筒にゲルおよびマイクロ粒子組成物を充填し、開放端を歯髄室に配置した。セラミック材料は歯科用複合材料から構成されるものとすることができる。
場合により、組成物4を歯髄室中にまたは歯根端で直接注入した。
抗生物質/コルチコステロイドを充填したマイクロスフェアの容易に注入可能なパテの調製
実施例1のマイクロスフェアを、DBX(登録商標)Putty Demineralized Bone Matrix(Dentsply Implants、Waltham MA)、骨セメントまたはミネラル三酸化物集合体(Mineral trioxide aggregate)(MTA)(Dentsply Tulsa)用に使用されているのと同じヒアルロン酸ナトリウム担体中に懸濁させ、同じシリンジの中に入れた。代替として、マイクロスフェアをDBXパテ、骨セメントまたはMTAそれ自体に懸濁させた。
組成物を歯根端に、または歯髄覆罩材料として配置した。
治療用製剤の炎症性の歯髄への直接送達
冒された歯を標準的な歯根管処置用に用意したが、歯の覆罩を外した後、炎症性の歯髄を完全には切除しなかった。その代わりに、パテまたはMTA用の空間を作るために必要であれば歯髄を部分的に除去して、実施例1または2の製剤を歯髄室中に注入した。歯を標準的な歯根管処置によって封鎖した。
実施形態1。
粒子1。デメクロサイクリン塩酸塩を充填したポリ(DL−ラクチド)(DL−PL)マイクロスフェアを、Gibsonら[US6,291,013]の実施例2に従うが、DL−PL10.5gを含有する分散相およびジクロロメタン(「DCM」)168.0gに溶解したデメクロサイクリン塩酸塩0.525gを用いて調製する。
粒子2。トリアムシノロンアセトニドを充填したポリ(DL−ラクチド)(DL−PL)マイクロスフェアを、Gibsonら[US6,291,013]の実施例2に従うが、DL−PL10.5gを含有する分散相およびDCM168.0gに溶解したトリアムシノロンアセトニド0.525gを用いて調製する。
投与の前に、各タイプの粒子を、ヒアルロン酸ナトリウム担体に、2%、w/w、粒子/HA担体にて懸濁させる。
治療用製剤は、歯の歯根に給養する骨の中に配置して、歯の歯冠を無傷のまま残すのが好ましいが、歯に孔を開けた後に感染歯根を除去せずに、もしくは歯髄覆罩材料として、または壊死歯髄をいくらか除去した後に、象牙質またはECSの中に配置することもできる。
関連する特許請求の範囲
0.1〜10%、w/w、薬物/ポリマー、またはより好ましくは1〜5%の範囲の質量分率で薬物を充填したDL−PLマイクロ粒子。
直径375±50umを中心とする分布で製造され、粒子の85%が200〜500umの間の範囲の直径を有するマイクロ粒子。
1〜10%、w/w、薬物を充填した粒子/HA担体、またはより好ましくは2〜5%で作製された治療用製剤。
薬物放出が、約24時間にわたって、またはより好ましくは約48時間にわたって、またはより好ましくは約120時間にわたって、またはより好ましくは約2週間にわたって、またはより好ましくは約4週間にわたって、またはより好ましくは約8週間にわたって起こる、治療用製剤。
歯の歯根の中で1〜10ug/mlを超える各薬物の局所濃度を、約48時間にわたって、またはより好ましくは約120時間にわたって、またはより好ましくは約2週間にわたって、またはより好ましくは約4週間にわたって、またはより好ましくは約8週間にわたって実現する治療用製剤の量。
実施形態2。
ミノサイクリン塩酸塩マイクロスフェアを、ヒアルロン酸ナトリウム担体中に、またはMTA、骨セメントもしくはDBX材料中に、2%、w/w、粒子/HA担体にて懸濁させる。
実施形態3。
実施形態1または2の治療用製剤は、歯に孔を開けた後に象牙質またはECSの中に配置される修復材料と組み合わせて使用される。修復材料は、治療用製剤と同時にまたは治療用製剤の送達後に適用することができる。許容できる物理的性質を有する材料(例えば、Dyract(登録商標)flow、DENTSPLY DeTrey、ドイツ)は、場合により薬物を充填したマイクロ粒子を含むことができる。他の既知の修復材料も本明細書による使用に好適である。

Claims (10)

  1. 歯髄炎を処置するための徐放性薬物送達デバイスであって
    事前形成した担体が、薬剤を含有するマイクロ粒子および/またはナノ粒子を含有するヒドロゲルで充填され、歯髄炎を処置するために薬剤が長時間放出される、前記デバイス。
  2. 薬剤が1日より長く放出される、請求項1に記載のデバイス。
  3. 薬剤が2日〜6カ月の間放出される、請求項1に記載のデバイス。
  4. 薬剤が抗微生物剤および/または抗炎症剤である、請求項1、2および3のいずれか1項に記載のデバイス。
  5. デバイスが歯根管、歯髄室、象牙質および/または歯肉線の下の歯の外面に配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
  6. ヒドロゲルが、さらにヒドロゲルポリマー、無機材料、分解性材料、高分子材料、エラストマー、生物学的に活性な分子、薬剤またはこれらの組合せを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデバイス。
  7. 事前形成した担体が、ヒドロゲルポリマー、無機材料、分解性材料、高分子材料、エラストマーまたはこれらの組合せを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
  8. 事前形成した担体材料が放射線不透過性である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
  9. 事前形成した担体の開口部が拡散バリアを含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
  10. マイクロ粒子およびナノ粒子が、同一のまたは別々の粒子中に、抗炎症剤および/また
    は抗微生物剤を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
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