昨今は、老齢人口が増えて、老人ホームへの入居者数が激増する一方、少子化の影響で、老人ホームや老人ホーム内の医療施設で働く介護・医療スタッフの数が不足する傾向にある。
そして、介護や医療の現場では、歩行が不自由あるいは困難な入居者や入院患者のために、彼らが利用し易い所定の場所まで体重計を移動させる場合が多々発生するが、そもそも総重量のあるこの種の大型の体重計を移動させる作業は、特に女性の介護・医療スタッフにとっては重労働である。しかし、スタッフの数が限られる現状では、非力な女性であっても例外とはならず、即ち、男女を問わずこの重労働を強いられることから、この種の大型の体重計の軽量化が希求されている。
しかし、複数の鋼製ビームでロードプレートを補強する構造(以下、第1の補強構造という)を備えた従来の大型の体重計や、中空板金プレス製の板状補強体と下板でロードプレートを補強する構造(以下、第2の補強構造という)を備えた車椅子体重計(先行特許文献1)では、被測定対象の重量が作用する際のロードプレートの大きな変形が抑制されて所定の測定精度を確保できるものの、補強構造を構成する補強部材が鋼製で重量がかさむため、ロードプレートを補強したことで体重計の総重量が増える。このため、総重量が例えば30Kg以上にもなる体重計を移動させる際の介護・医療スタッフへの負担が大きい。
また、前記第1の補強構造では、ビームをロードプレートにねじ固定する作業、前記第2の補強構造では、板状補強体をロードプレートや下板にスポット溶接する作業がそれぞれ面倒で、体重計の組み立てに時間がかかる、という問題もある。
そこで、発明者は、「荷重センサによって支持されるベースと、該ベースに位置決め固定されて該ベースを覆うロードプレートとの間に、樹脂、紙または非鉄金属製の曲げおよび捩り剛性に優れた軽量な板状中空補強部材をロードプレートおよびベースとそれぞれ面接触して摺接するように配設する」という補強構造を採用すれば、板状中空補強部材によってロードプレート全域における変形が抑制されて、測定誤差の増加(測定精度の低下)が防止できることは勿論、該補強構造採用による重量の増加量が、従来の補強構造採用による重量の増加量に比べて少ないので、補強構造を備えた従来の体重計と比べて、体重計の総重量を軽減できる。
しかも、板状中空補強部材をロードプレートやベースに固定する必要がないため、板状中空補強部材をロードプレートとベース間に組み付ける作業も容易である、と考えた。
そして、試作と考察を繰り返した結果、有効であることが確認されたことを受けて、今回の出願に至ったものである。
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みて、また発明者の前記した知見に基づいてなされたもので、その目的は、被測定対象の重量が作用するロードプレートの変形を抑制する補強構造を備えた大型の体重計であって、総重量が軽減されるが、所定の測定精度を確保でき、補強構造の組み付け性にも優れた体重計を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様の体重計は、複数の荷重センサによって支持される枠状のベースと、前記枠状のベースに位置決め固定されて該ベースを覆う、被測定対象載置用のロードプレートと、前記ロードプレートと前記枠状のベースとの間に介装された、前記ロードプレートおよび前記ベースとそれぞれ面接触して摺接する、樹脂,紙または非鉄金属製の曲げおよび捩り剛性に優れた軽量な板状中空補強部材と、を備えたことを特徴とする。
(作用)被測定対象の重量によってロードプレートが変形する際、ロードプレートと枠状のベースが一体となって下側凸に変形するが、ロードプレートと枠状のベース間に介装されている、曲げおよび捩り剛性に優れた板状中空補強部材が、ロードプレートと枠状のベースの変形を抑制する。詳しくは、ロードプレートは、その裏面の略全体が面接触する板状中空補強部材によってバックアップされているため、ロードプレートの略全域においてその変形が抑制される。このため、枠状のベースの荷重センサに支持される部位の変形(荷重センサにおけるベース支持面の傾斜)が従来技術と同様に抑制されて、荷重センサの測定誤差の増加(測定精度の低下)が防止される。即ち、この種の大型の体重計において要求される所定の測定精度が確保される。
また、ロードプレートの変形を抑制する補強構造は、複数の荷重センサによって支持されるベースが枠状に形成されて、軽量化されていることに加えて、板状中空補強部材が、従来の補強構造で採用されている鋼材ではなく、樹脂,紙または非鉄金属で構成されて、軽量化されているため、従来のこの種の大型の体重計で採用されている前記第1,第2の補強構造([背景技術]の欄参照)と比べて、大幅に軽量化されており、したがって、体重計の総重量も従来技術と比べると大幅に軽減されている。このため、老人ホームや老人ホーム内の医療施設において、歩行が不自由あるいは困難な入居者や入院患者のために、入居者や入院患者が利用し易い所定の場所まで体重計を移動させるに際し、体重計の総重量が軽減されている分、介護・医療スタッフにとって体重計を移動させる作業が容易となる。
また、板状中空補強部材をロードプレートやベースに固定する必要がないため、板状中空補強部材をロードプレートと枠状のベース間に介装する、板状中空補強部材の組み付け作業も簡単で、短時間で済む。
また、第2の態様の体重計は、第1の態様において、前記枠状のベースは、前記ロードプレートをその上面に固定し前記荷重センサをその下面に連結する水平板を介して、縦断面L字型の直線状枠部材の端部同士が前記荷重センサと干渉しない所定距離だけ離間しかつ該縦断面L字型横棒状部である水平リブが枠の開口部を形成するように、溶接一体化された構造で、
前記板状中空補強部材は、前記枠の開口部に対向するように配置されて、前記水平リブと面接触して摺接することを特徴とする。
(作用)枠状のベースを構成する直線状枠部材の縦断面が断面係数の大きいL字型に形成されて、枠状のベースの剛性強度が高いので、ロードプレートの略全域においてその変形がいっそう抑制される。
また、枠状のベースを構成する水平板の下面に連結された荷重センサは、水平板の下面に溶接一体化された直線状枠部材の隣接する端部間に配設されて、枠状のベースが変形しても直線状枠部材が荷重センサと干渉するおそれがない。
また、枠の開口部を形成する縦断面L字型の直線状枠部材の水平リブが板状中空補強部材の下面と面接触することで、板状中空補強部材は、ロードプレートおよび枠状のベースとそれぞれ面接触して摺接する形態に保持される。
また、枠状のベースを構成する水平板が荷重センサで支持されるとともに、該水平板上にロードプレートが固定されているので、荷重センサの設置面からロードプレートまでの距離が短い。即ち、ロードプレートは、荷重センサの設置面である体重計載置面(床面)に近い低い位置となる。このため、車椅子や人のロードプレートへの乗り降りが容易で、しかも、ロードプレートに設ける車椅子昇降用のスロープの傾斜が緩やかで長さも短くできる。
また、第3の態様の体重計は、第2の態様において、前記枠状のベースは、平面視矩形状に形成され、前記ベースの平面視矩形の各角部に前記水平板および前記荷重センサが対角線状にそれぞれ配置されるとともに、前記板状中空補強部材は、前記水平板の前記枠の開口部に臨む側に形成された縦断面L字型の下向き側縁部と係合して水平方向に位置決めされる、直交する直線部それぞれの幅が広い平面視略幅広十字形状に形成されたことを特徴とする。
(作用)ロードプレートと枠状のベースの水平リブにそれぞれ面接触する板状中空補強部材は、直交する直線部それぞれの幅が広い平面視略幅広十字形状に形成されるとともに、直交する幅広の直線部の幅方向の両側縁部が、平面視矩形状のベース四隅に設けた水平板の下向き側縁部とそれぞれ係合することで、板状中空補強部材がロードプレートおよび枠状のベースに対し水平方向に位置決め保持されるので、被測定対象の重量がたとえ偏荷重としてロードプレートに作用したとしても、板状中空補強部材が水平方向に勝手にずれることがない。
即ち、板状中空補強部材は、ロードプレートおよび枠状のベースとそれぞれ面接触して摺接する形態であるため、仮に、板状中空補強部材が水平方向に位置決め保持されていないと、被測定対象の重量が偏荷重としてロードプレートに作用するような場合に、ロードプレートが変形する際、ロードプレートと板状中空補強部材との接触面には、偏荷重の作用点から遠い側に板状中空補強部材を摺動させる力が作用し、板状中空補強部材が水平方向に勝手にずれてしまって、ロードプレートの略全域においてロードプレートの変形を抑制するという、板状中空補強部材によるバックアップ機能が損なわれる。即ち、被測定対象の重量によってロードプレートが変形する際、ロードプレートやベースの一部の領域が板状中空補強部材と面接触しなくなって、板状中空補強部材によってバックアップされないロードプレートの一部の領域が大きく変形し、測定誤差につながるおそれがある。さらに、板状中空補強部材が水平方向に摺動する際に、摺動音が発生したり、補強部材の素材によっては摺動面が摩滅するおそれがある。
然るに、本態様では、板状中空補強部材が水平方向に勝手にずれないため、被測定対象の重量がロードプレートに作用する度に、ロードプレートの略全域においてその変形が抑制されるという、板状中空補強部材のバックアップ作用が常に奏される。このため、枠状のベースの荷重センサに支持される部位の変形(荷重センサにおけるベース支持面の傾斜)が常に抑制されて、荷重センサの測定誤差の増加(測定精度の低下)が防止される。即ち、この種の大型の体重計において要求される所定の測定精度が常に確保される。
また、板状中空補強部材がロードプレートやベースに対し水平方向にずれることがないため、摺動音が発生したり、補強部材とロードプレートおよび枠状のベース間の接触面が摩滅するという不具合が発生することもない。
また、第4の態様の体重計は、第1〜第3のいずれかの態様において、前記板状中空補強部材は、上下に対向する平板間に縦壁で囲まれた一の多角形状中空部が縦横斜め方向に隣接して連続する平面充填構造体で構成されたことを特徴とする。なお、平面充填とは、多角形で面を隙間なく敷き詰めることをいい、全て同じ形状で平面充填可能な形状としては、三角形、四角形、正六角形に限られる。
(作用)平面充填構造体に作用する力は、複数の縦壁に分散されるため、大きな力が作用しても変形しない。即ち、板状中空補強部材を構成する平面充填構造体は、曲げおよび捩り剛性に優れているので、被測定対象の重量が作用した際のロードプレート全体の変形を確実に抑制する。
また、第5の態様の体重計は、第1〜第4のいずれかの態様において、前記ロードプレートには、被測定者用の手すりまたは車椅子昇降用のスロープの少なくともいずれか一方が設けられたことを特徴とする。
(作用)被測定者用の手すりを設けるスペースや車椅子に対応するスペースをロードプレートに確保するため、大型化するロードプレートには、増加する自重に加えて、被測定者用の手すりや車椅子昇降用のスロープの重量が作用する分、ロードプレートの変形量が大きいが、ロードプレートの裏面の略全体が面接触する板状中空補強部材によってバックアップされているため、ロードプレートの略全域においてその変形が抑制され、枠状のベースの荷重センサに支持される部位の変形(荷重センサにおけるベース支持面の傾斜)が従来技術と同様に抑制されて、荷重センサの測定誤差の増加(測定精度の低下)が防止される。即ち、この種の大型の体重計において要求される所定の測定精度が確保される。
また、体重計の総重量は、ロードセルの大型化に伴う重量増に加えて被測定者用の手すりや車椅子昇降用のスロープの重量相当が増えるが、板状中空補強部材が、従来の補強構造で採用されている鋼材ではなく、樹脂,紙または非鉄金属で構成されて、軽量化されているため、従来のこの種の大型の体重計と比べて、大幅に軽量化されている。このため、老人ホームや老人ホーム内の医療施設において体重計を移動させるに際し、体重計の総重量が軽減されている分、介護・医療スタッフにとって体重計を移動させる作業が容易となる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、被測定対象の重量が作用するロードプレートの変形を抑制する補強構造を備えた大型の体重計であって、所定の測定精度を確保でき、補強構造の組み付け性にも優れ、総重量の軽減された体重計が提供される。したがって、老人ホームや医療施設で働く介護・医療スタッフにとって、体重計が軽量化されている分、体重計を移動させる作業の負担が軽減される。
以下、本発明の実施の形態を図1〜11に基づいて説明する。
図1〜11は、本発明の第1の実施の形態に係る体重計を示す。これらの図、特に図1〜5において、体重計10は、荷重センサである4本のロードセル20(図4,5参照)によって支持される平面視矩形状の鋼製ベース30と、ベース30に固定されて該ベース30を覆う、被測定対象載置用の平面視矩形状の鋼製ロードプレート40と、ベース30とロードプレート40との間に介装されて、ベース30およびロードプレート40とそれぞれ面接触する、曲げおよび捩り剛性に優れた軽量な樹脂製板状中空補強部材50と、を備えて構成されている。
各ロードセル20のベース30連結側である可動端部と反対側の固定端部下面には、床面F(図7参照)に当接する脚26が設けられており、脚26を回動することで、ロードセル20からの脚26の突出量(長さ)が変わる。即ち、ロードプレート40を固定するベース30には、水準器28が(図4参照)が設けられており、床面Fが水平でなくても、各脚26の突出量(長さ)を調節することで、ロードプレート40を水平となるように調整できる。
ロードプレート40は、左右方向(図2左右方向)および前後方向(図2上下方向)に十分な大きさ(例えば、左右幅約650mm×前後幅約612mm、板厚約1mm)を有し、ロードプレート40上には、歩行が不自由または困難な人が掴まり立ちできるガイド(例えば、高さ約765mmの手すり)46a,46bが設けられている。
一方、ベース30は、図4,5に示すように、ロードプレート40をその上面に固定しロードセル20をその下面に連結する矩形状の水平板34を介して、縦断面L字型の直線状枠部材32(32A,32B,32C,32D)の端部同士がロードセル20と干渉しない所定距離だけ離間しかつ直線状枠部材32の水平リブ32bが枠の開口部30Hを形成するように溶接により一体化されて、ロードプレート40に対応する矩形状に形成されている。符号24は、ベース30をロードセル20に固定するねじで、ベース30の水平板34の下面に、スペーサ22を介して、ロードセル20の可動端部上面が固定されている。
詳しくは、図5に示すように、直線状枠部材32(32A,32B,32C,32D)は、縦壁である縦リブ32aに対し横壁である水平リブ32bが直交する縦断面L字型(図5,8,10参照)に形成されている。そして、直線状枠部材32(32A,32B,32C,32D)は、下方の水平リブ32bが互いに向き合うように左右方向に平行に配置した2本の直線状枠部材32A,32Bと、下方の水平リブ32bが互いに向き合うように前後方向に平行に配置した2本の直線状枠部材32C,32Dとがそれぞれ直交し、隣接する直線状枠部材32A,32C,32B,32Dの端部同士が所定距離(ロードセル20を配設可能な所定距離)だけ離間するように、水平板34の下面に溶接一体化されて、矩形状のベース30が構成されている。
そして、図5,6に示すように、直交配置された隣接する枠部材32A,32C,32B,32Dの離間する端部間には、水平板34の下面にスペーサ22を介して連結固定されたロードセル20が、矩形状のベース30の角部に対し略対角線上に配置されており、例えばロードプレート40に被測定者の重量が作用して、ロードプレート40と枠状のベース30が一体に変形する際、ロードセル20とベース30(直線状枠部材32)が干渉することはない。
枠状のベース30を構成する直線状枠部材32は、縦断面L字型で、その断面係数が大きい分、ベース30の剛性強度が高い。また、図1〜4に示すように、ベース30前面側(図2下側、図3左側)に対応する直線状枠部材32Aの縦リブ32aの外側には、ねじ61(図4参照)によってフロントカバー60が固定されている。
また、ロードセル20に連結支持されたベース30(水平板34)の上面には、図4,7〜9に示すように、ロードプレート40が固定されているので、ロードセル20の設置面である体重計載置面(床面)Fからロードプレート40までの距離H(図3,7〜9参照)が短い。即ち、ロードプレート40は、体重計載置面(床面)Fに近い低い位置となるため、被測定者がロードプレート40に乗ったりロードプレート40から降りたりする動作が容易である。
また、図5,6,9に示すように、枠状のベース30の角部に設けられた水平板34の、枠の開口部30Hに臨む側には、縦断面L字型の下向きの側縁部34a1,34a2が形成されており、該側縁部34a1,32a2は、接近配置された直線状枠部材32の水平リブ32bの上面にそれぞれ溶接されて、ベース30の剛性強度が高められている。図5の符号35は、水平板34の側縁部34a1,34a2と直線状枠部材32の水平リブ32b上面との溶接部、図8の符号35は、水平板34の側縁部34a2と直線状枠部材32Cの水平リブ32b上面との溶接部を示す。
なお、水平板34の下向きの側縁部34a1,32a2は、枠状のベース30とロードプレート40間に配置された樹脂製板状中空補強部材50の側面の一部に当接して、板状中空補強部材50を水平方向に位置決めする機能も備えている。即ち、ロードプレート40と枠状のベース30の水平リブ32bにそれぞれ面接触する板状中空補強部材50は、図4に示すように、直交する直線部それぞれの幅が広い平面視略幅広十字形状に形成されるとともに、直交する幅広の直線部の幅方向の両側縁部50a,50bが、平面視矩形状のベース30の四隅に設けた水平板34の下向き側縁部34a1,34a2とそれぞれ係合することで、水平方向に位置決め保持される。
また、ベース30に固定されたロードプレート40には、金属製円パイプ状のガイド(手すり)46a,46bが設けられているが、体重計10前面側のガイド(手すり)46aは、図4に示すように、その下端フランジ部47aとベース30の水平板34で、ロードプレート40の前方側縁部の左右両端側を挟み込むようにねじ止めされている。即ち、ロードプレート40の前方側は、ねじ48aによって、ガイド(手すり)46aの下端フランジ部47aととともに、ベース30の水平板34に共締め固定されている。また、ロードプレート40の後方側は、ねじ48cによって、ベース30の水平板34に固定されている。即ち、ねじ48cは、水平板34に設けたねじ孔34bに螺合する。なお、図4の符号48dは、ロードプレート40の後方側縁部の左右方向両端側とバックカバー43とを固定するためのねじで、バックカバー43側のボス(図示せず)に螺着される。
一方、体重計10背面側のガイド(手すり)46bは、図4,5,6,10に示すように、ガイド46b下端の断面コ字型ブラケット47bがベース30の直線状枠部材32Bの縦リブ32a内側にねじ48bによって固定されて、上方に延出するが、その上端部には、ガイド(手すり)46aの屈曲水平領域46a1が連結されている。符号49bは、直線状枠部材32Bの縦リブ32aに設けられた、ねじ48b係合用のねじ孔である。
また、ベース30に位置決め固定されてベース30上に延在するロードプレート40の後方側縁部には、切欠41(図4,10参照)が設けられており、直線状枠部材32Bに固定されて上方に延出するガイド46bがこの切欠41を貫通することで、ガイド46bとロードプレート40が干渉することはない。
図1〜4の符号80は、ベース30に固定されたロードプレート40前面側の左右のコーナ部に取着されたコーナカバーで、ベース30の直線状枠部材32Aの端部下面にねじ82a(図4参照)によって固定されたカバー部材81aと、直線状枠部材32C,32Dの端部下面にねじ82b(図4参照)によって固定されたカバー部材81bによって構成されている。
また、図3,4,10に示すように、ガイド(手すり)46bの上端部には、ガイド(手すり)46aの屈曲水平領域46a1を支持する樹脂製のガイド受け46cが取着され、ガイド受け46cには、後述する操作ユニット70を支持するブラケット71が取着されており、1本の締結ねじ71aによって、ガイド46bの上端部にガイド46aの屈曲水平領域46a1が連結されるとともに、その上に操作ユニット70が固定一体化されている。
詳しくは、雌ねじ部46b1(図4,10参照)を設けたガイド46bの上端部には、ガイド受け46cが軸方向に嵌合一体化されている。ガイド受け46cは、その前面側46c1においてガイド46aの屈曲水平領域46a1を支持でき、その背面側46c2においてブラケット71を担持できるように構成されている。一方、ガイド46aの屈曲水平領域46a1には、締結ねじ71a挿通用の一対の円孔46a2が設けられ、ブラケット71の前縁部にも、締結ねじ71a挿通用の円孔71bが設けられている。
そして、ガイド46b上端部のガイド受け46cにガイド46aを連結するとともに、その上にブラケット71で支持された操作ユニット70を固定一体化するには、以下のようにして行う。
まず、ガイド受け46cの前面側46c1にガイド46aの屈曲水平領域46a1を係合する。次いで、ブラケット71に設けた円孔71bが屈曲水平領域46a1の円孔46a2に一致するように、ブラケット71をガイド受け46cの背面側46c2で支持する形態にし、上方から、締結ねじ71aを、ブラケット71の円孔71b,ガイド46aの屈曲水平領域46a1の円孔46a2に挿通して、ガイド46b上端部の雌ねじ部46b1に螺合させる。これにより、ガイド受け46cを介して、ガイド46b上端部にガイド46aの屈曲水平領域46a1が連結一体化されるとともに、ガイド46aの屈曲水平領域46a1上にブラケット71が固定された形態となる。次いで、操作ユニット70(ユニットケース72)の底面に形成されているボルト頭部係合用の凹部72bが締結ねじ71aの頭部と係合するように、ねじ71c(図4参照)によって、ブラケット71上に操作ユニット70を固定する。
なお、図4,5に示すように、ベース30の直線状枠部材32Bの縦リブ32aだけではなく、直線状枠部材32Aの縦リブ32aにも、ガイド46b取付用のねじ48bが係合するねじ孔49bが設けられているが、直線状枠部材32Aが体重計10の後側(直線状枠部材32Bが体重計10の前側)となるように配置されたとしても、体重計10を組み立てることができるように構成されている。
また、図4に示すように、ベース30を構成する直線状枠部材32Bの縦リブ32aの両端部寄りの外側には、ブラケット44を介して車輪45が回転自在に設けられている。符号44aは、ブラケット44を縦リブ32aに固定するねじである。
また、ブラケット44,44の下面には、図4,10に示すように、A/D変換回路基板42bを搭載したバックカバー下板42がねじ42aによって取着され、下板42には、電池収容室43aおよび車輪カバー43bを形成したバックカバー43が取着されている。図4の符号42cは、バックカバー下板42とバックカバー43を固定するねじで、バックカバー下板42の下面側から、ねじ42cをバックカバー43に設けたボスに螺合させる。
バックカバー43の上面には、図4に示すように、ガイド46b挿通用の孔43cが設けられており、バックカバー43をベース30に組み付けるには、ベース30の直線状枠部材32Bに固定されて上方に延出するガイド46bの上方から、バックカバー43の孔43cをガイド46bが貫通するようにして組み付ける。
また、バックカバー43の上面には、ガイド46b挿通用の孔43cの隣に、水準器露出窓43dが設けられており、ガイド46bの下端ブラケット47bの上面に取着された水準器28がこの窓43dから露呈している。
また、枠状のベース30の角部下面には、図4,5,8,9に示すように、水平板34に対応する形状のコーナ下板36が、隣接する枠部材32,32の水平リブ32b,32bにねじ36aによって固定されているが、コーナ下板36には、切欠37が設けられて、ロードセル20に設けられた脚26とコーナ下板36が干渉することはない。
そして、体重計10を床面Fに設置した形態では、図3に示すように、車輪45は床面Fより僅かに浮いた位置にあるが、体重計10を図3の右方向に傾けることで、車輪45が床面Fと接触する。したがって、図3の仮想線に示すように、体重計10を傾けて車輪45だけが床面Fと接触する状態にして、例えば、図3の白抜き矢印に示すように、ガイド(手すり)46a,46bを手で引張って体重計10を走行させることができる。
次に、ベース30とロードプレート40との間に介装されている板状中空補強部材50について説明する。
板状中空補強部材50は、図7〜11に示すように、上下に対向する平板51,51間に縦壁52で囲まれた一の正六角形状中空部53が平面視縦横斜め方向に隣接して連続する樹脂製平面充填構造体で構成されており、縦壁52で囲まれた正六角形状中空部53が連続する樹脂製ハニカムコアの上下に樹脂製平板51,51を接着により一体化することで、製造できる。
板状中空補強部材50を構成する樹脂製平面充填構造体に作用する力は、複数の縦壁52に分散されるため、大きな力が作用しても変形しない。即ち、それだけ頑丈で、曲げおよび捩り剛性に優れている。また、特に、平面充填形状が正六角形であるハニカム構造体では、一箇所の縦壁52に作用する力は、他の5箇所の縦壁52に分散されるので、それぞれの縦壁52が受ける衝撃力が小さくなる分、柔軟性(衝撃吸収力)にも優れている。即ち、板状中空補強部材50を構成する樹脂製平面充填構造体は、被測定者の重量が作用した際のロードプレート40の変形を確実に抑制する。
また、板状中空補強部材50は、図4に示すように、矩形状のベース30の四隅に設けられた水平板34の下向きの側縁部34a1,32a2と係合して水平方向に位置決めされる、直交する直線部それぞれの幅が広い平面視略幅広十字形状に形成されている。
即ち、板状中空補強部材50の上面は、ロードプレート40の下面全体と接触するが、板状中空補強部材50の下面は、ベース30を構成する直線状枠部材32の水平リブ32bの開口部30Hに沿った帯状の範囲(図6の斜線で示す範囲)だけが接触することで、板状中空補強部材50は、ベース30の直線状枠部材32Bの縦リブ32a内側に固定されている、ガイド(手すり)46b下端のブラケット47bと干渉することはない。
また、前記したように、板状中空補強部材50は、ベース30を構成する直線状枠部材32の水平リブ32bの開口部30Hに沿った帯状の範囲(図6の斜線で示す範囲)だけで接触するように配置されて、直線状枠部材32の縦リブ32aと板状中空補強部材50との間には、ロードセル20からそれぞれ導出するケーブル(図示せず)を配設するための、縦リブ32aに沿った所定幅dの空間S1〜S4が形成されている。
また、矩形状のベース30の四隅に設けられた水平板34の直線状枠部材32の縦リブ32aとの当接部の一部が、図4,5,6の符号34cに示すように、切り欠かれている。この切欠34cは、直線状枠部材32の縦リブ32aと板状中空補強部材50の側縁部との間に形成されているケーブル配設用の空間S1〜S4(図6参照)に連通している。
このため、ロードセル20から導出するケーブル(図示せず)は、水平板34の切欠34cおよびケーブル配設用の空間S1〜S4を通って、バックカバー下板42に設けた重量計算処理装置であるA/D変換回路基板42b(図4参照)に接続されて集約される。A/D変換回路基板42bは、ロードセル20からの信号に基づいて、ロードプレート40に与えられた重量値を算出する測定動作を実行し、算出した重量値を操作ユニット70内の表示処理装置76に出力する。
詳しくは、バックカバー43内のA/D変換回路基板42b(図4参照)から導出したケーブル(図示せず)は、図10の矢印で示すように、直線状枠部材32Bの縦リブ32aを乗り越え、ケーブル配設用の空間S3に配置されているガイド46b下端部のケーブル挿通孔46b2からガイド46b内を通り、ガイド46b内上方の開口部46b3からガイド受け46c内を通り、ブラケット71のケーブル孔71dから操作ユニット70内の表示処理装置76に接続されている。
操作ユニット70は、ユニットケース72内に、多数の操作ボタン73aを設けた操作パネル73,液晶ディスプレイ74aを一体化したディスプレイパネル74および表示処理装置76が設けられた構造で、表示処理装置76は、バックカバー43内のA/D変換回路基板42bからの信号(重量値)に基づいて、ロードプレート40に与えられた重量値を液晶ディスプレイ74aに表示する。
次に、板状中空補強部材50がロードプレート40の変形を抑制する作用について説明する。
被測定者がロードプレート40に乗ると、ロードプレート40と枠状のベース30が一体となって下側凸に変形するが、ロードプレート40と枠状のベース30間に介装されている、曲げおよび捩り剛性に優れた板状中空補強部材50が、ロードプレート40と枠状のベース30の変形を抑制する。詳しくは、ロードプレート40は、その裏面の略全体が面接触する板状中空補強部材50によってバックアップされているため、ロードプレート40の略全域においてその変形が抑制される。このため、ロードプレート40に密着する、枠状のベース30のロードセル20に支持される部位(ベース30の水平板34)の変形(ロードセル20における水平板34支持面の傾斜)が抑制されて、ロードセル20の測定誤差の増加(測定精度の低下)が防止されることで、所定の測定精度が確保される。
また、ロードプレート40の変形を抑制する補強構造は、複数のロードセル20によって支持されるベース30が枠状に形成されて、軽量化されていることに加えて、板状中空補強部材50が、従来の補強構造で採用されている鋼材ではなく、軽量な樹脂で構成されているため、従来のこの種の大型の体重計で採用されている第1,第2の補強構造([背景技術]の欄参照)と比べて、大幅に軽量化されており、したがって、体重計10の総重量は、従来技術の体重計と比べると大幅に軽減されている。
このため、老人ホームやホーム内の医療施設において、歩行が不自由あるいは困難な入居者や入院患者のために、介護・医療スタッフが入居者や入院患者が利用し易い所定の場所まで体重計10を移動させるに際し、体重計10の総重量が従来の体重計よりも軽い分、介護・医療スタッフにとって、体重計10を移動させる作業が容易となる。
また、板状中空補強部材50をロードプレート40や枠状のベース30に固定する必要がないため、板状中空補強部材50をロードプレート40と枠状のベース30間に介装する組み付け作業も簡単で、短時間で済む。
また、前記したように、水平板34の側縁部34a1,34a2は、ベース30の水平リブ32bとロードプレート40間に介装された板状中空補強部材50を水平方向に位置決め保持する部材として作用するもので、被測定者の重量がたとえ偏荷重としてロードプレート40に作用したとしても、ベース30およびロードプレート40にそれぞれ面接触する板状中空補強部材50が水平方向に勝手に移動しないように保持するためのものである。
即ち、板状中空補強部材50は、ロードプレート40および枠状のベース30の水平リブ32bとそれぞれ面接触して摺接する形態であるため、仮に、板状中空補強部材50が水平方向に位置決め保持されていないと、被測定者の重量が偏荷重としてロードプレート40に作用するような場合に、ロードプレート40が変形する際、板状中空補強部材50との接触面には偏荷重の作用点から遠い側に板状中空補強部材50を摺動させる力が作用し、板状中空補強部材50が水平方向に勝手にずれてしまって、ロードプレート40の略全域においてロードプレート40の変形を抑制するという、板状中空補強部材50によるバックアップ機能が損なわれる。即ち、被測定者の重量によってロードプレート40が変形する際、板状中空補強部材50と面接触しなくなって、板状中空補強部材50によってバックアップされないロードプレート40やベース30の一部の領域が大きく変形し、測定誤差につながるおそれがある。さらに、板状中空補強部材50が水平方向に摺動する際に、摺動音が発生したり、補強部材50の摺動面が摩滅するおそれもある。
然るに、本実施形態では、ロードプレート40が変形する際、板状中空補強部材50は枠状のベース30(を構成する水平板34の下向き側縁部34a1,34a2)によって水平方向にその位置が不動に保持されるため、ロードプレート40の略全域においてその変形が抑制されるという作用が常に奏される。
このため、枠状のベース30のロードセル20に支持される部位の変形(ロードセル20におけるベース支持面の傾斜)が常に抑制されて、ロードセル20の測定誤差の増加(測定精度の低下)が防止されることで、体重計10では所定の測定精度が常に確保される。
また、ロードプレート40が変形する際、板状中空補強部材50がロードプレート40およびベース30に対し水平方向にずれることがないため、摺動音が発生したり、補強部材50のロードプレート40およびベース30との接触面が摩滅するという不具合が発生することもない。
なお、本実施の形態では、平面充填形状が正六角形である樹脂製平面充填構造体、詳しくは、ベース30とロードプレート40との間に介装された板状中空補強部材50は、上下に対向する平板51,51間に縦壁52で囲まれた一の正六角形状中空部53が平面視縦横斜め方向に隣接して連続する樹脂製平面充填構造体(ハニカム構造体)として説明しているが、図12(a),(b)に示すように、上下に対向する平板間に縦壁52aまたは52bで囲まれた一の正三角形状中空部53aまたは正方形状中空部53bが平面視縦横斜め方向に隣接して連続するように構成された樹脂製平面充填構造体50A,50Bであってもよい。
また、本実施の形態では、板状中空補強部材50が樹脂だけで構成されているが、上下に対向する平板51,51をアルミニュウム製とした、樹脂・アルミニュウム製平面充填構造体で構成してもよい。
さらには、アルミニュウム製の対向する平板間に、縦壁で囲まれた一の正六角形状中空部が平面視縦横斜め方向に隣接して連続するアルミニュウム製ハニカムコアを接着により一体化したアルミニュウム製ハニカムパネルで構成してもよい。
さらには、対向する紙製の平板間に、縦壁で囲まれた一の正六角形状中空部が平面視縦横斜め方向に隣接して連続する紙製ハニカムコアを接着により一体化したペーパーハニカムパネルで構成してもよい。
さらには、前記したペーパーハニカムパネルの対向する紙製の平板にアルミ・ポリエチレン貼合紙を使用することで、曲げおよび捩り剛性を高めたペーパーハニカムパネルで構成してもよい。
なお、前記した実施の形態では、板状中空補強部材50,50A,50Bが、上下に対向する平板51,51間に、縦壁52,52a,52bで囲まれた一の正六角形状中空部53,正三角形状中空部53aまたは正方形状中空部53bが平面視して縦横斜め方向に隣接して連続する平面充填構造体で構成されているが、図13(a),(b)に示すように、平面視して左右に真っ直ぐに延びる縦壁52cと波型の縦壁52d(52e)とが、縦壁52c延在方向(図13左右方向)と直交する方向(図13上下方向)に交互に連続するように接着一体化されたペーパー波型コアを、上下に対向する紙製の平板間に接着により一体化した板状中空補強部材(平面充填構造体ではないペーパー波型パネル)50C,50Dで構成してもよい。
また、前記した第1の実施の形態では、歩行が不自由または困難な人が掴まり立ちできるガイド46a,46bがロードプレート40上に設けられているが、図14,15,16に示すように、ガイド46a,46bに代えて、車椅子昇降用スロープ90を設けるようにしてもよい。
即ち、本発明の第2の実施形態に係る体重計10Aでは、枠状のベース30Aおよびロードプレート40Aが、車椅子で乗り降りできるように、前記した第1の実施形態に係る体重計10を構成する枠状のベース30およびロードプレート40よりも大きく形成されており、ロードプレート40Aは、例えば、左右幅約900mm×前後幅約900mm、板厚約1mmに形成されている。
枠状のベース30Aは、水平板34を介して直線状枠部材32A’,32B’、32C’,32D’の端部間同士が溶接により一体化されて、ロードプレート40Aに対応する矩形状に形成されている。ベース30Aの角部に配置された水平板34の下面には、ロードセル20が連結されているなど、ベース30Aの基本的な構造は、第1の実施形態のベース30と同じである。
直線状枠部材32A’,32B’、32C’,32D’は、縦リブ32a’と水平リブ32b’が直交する断面L字型に形成されているが、図15に示すように、水平リブ32b’は、第1の実施形態のベース30を構成する直線状枠部材32A,32B、32C,32Dの水平リブ32bよりも幅広に形成されている。
そして、体重計10Aの前側および後側の直線状枠部材32A’,32B’の水平リブ32b’には、矩形状の開口部33A,33Bが設けられて、ベース30Aの軽量化が図られている。
一方、体重計10Aの左側および右側の直線状枠部材32C’,32D’の水平リブ32b’には、水平リブ32b’の一部の領域がコの字状に切り起こされて、縦リブ32a’と平行な第2の縦リブ32a”が枠の開口部30H’(図16参照)に沿って形成されている。図14(b),図15の符号33C,33Dは、直線状枠部材32C’,32D’の水平リブ32b’に第2の縦リブ32a”をそれぞれ切り起こすことで、水平リブ32b’に形成された開口部を示す。
そして、直線状枠部材32C’の水平リブ32b’における縦リブ32a’と第2の縦リブ32a”間に、重量計算処理装置であるA/D変換回路基板42bを搭載したプレートが配置されている。A/D変換回路基板42bから導出するケーブル(図示せず)は、直線状枠部材32C’の端部に設けられた雌コネクタ110(図15(b)参照)に接続されている。体重計10Aの近傍に設置されたスタンド型の操作ユニット(図示せず)から導出するケーブルの先端には、雄コネクタ(図示せず)が設けられており、該雄コネクタ(図示せず)を雌コネクタ110に接続することで、ロードプレート40Aに与えられた重量値を操作ユニット(図示せず)に表示させることができる。
また、板状中空補強部材50’は、第1の実施の形態で採用されている板状中空補強部材50と同様、図16に示すように、上下に対向する平板51,51間に縦壁52で囲まれた一の正六角形状中空部53が縦横斜め方向に隣接して連続する樹脂製平面充填構造体で構成されている。
そして、板状中空補強部材50’は、図14(b)に示すように、矩形状のベース30Aの四隅に設けられた水平板34の下向きの側縁部34a1,34a2と係合して水平方向に位置決めされる、直交する直線部それぞれの幅が広い平面視略幅広十字形状に形成されている。また、板状中空補強部材50’の前後方向の側縁部と直線状枠部材32A’,32B’の縦リブ32a’間には、ロードセル20からA/D変換回路基板42bに延びるケーブル(図示せず)を配設するための僅かな隙間sが設けられている。
そして、板状中空補強部材50’の下面は、ベース30Aを構成する直線状枠部材32A’,32B’の水平リブ32b’の開口部33A,33Bを除く領域、および直線状枠部材32C’,32D’の水平リブ32b’の開口部30H’に沿った帯状の範囲X(図16参照)が接触する。
したがって、板状中空補強部材50’は、体重計10Aの左右方向には、直線状枠部材32C’,32D’の第2の縦リブ32a”および水平板34の側縁部34a1によって位置決め保持され、体重計10Aの前後方向には、水平板34の側縁部34a2によって位置決め保持されるため、被測定者や車椅子の重量がたとえ偏荷重としてロードプレート40Aに作用したとしても、ベース30Aおよびロードプレート40Aにそれぞれ面接触する板状中空補強部材50Aは、水平方向に勝手に移動しない。
また、体重計10Aの前側および後側の直線状枠部材32A’,32B’には、車椅子昇降用スロープ90がそれぞれ設けられて、車椅子のロードプレート40Aに対する乗り降りが容易となっている。
詳しくは、直線状枠部材32A’,32B’の縦リブ32a’の外側に設けた左右一対のピン支点92(図14(b)参照)によってスロープ90の基端部側が支承されて、スロープ90はその先端部側がベース30Aに対し上下方向に揺動可能に組み付けられるとともに、縦リブ32a’とスロープ90間にばね部材(図示せず)が介装されて、スロープ90先端側が体重計載置面(床面)より僅かに浮いた形態に保持されている。そして、スロープ90に車椅子の重量が作用するときだけ、スロープ90は、前記ばね部材のばね力に抗してその先端側が下降する方向に揺動し、体重計載置面(床面)に当接する形態となって、車椅子でスロープ90を登ったり降りたりすることができる。
ベース30Aの左右両側には、図14(a)に示すように、サイドカバー100(100a,100b)がそれぞれ取着されているが、ベース30Aの裏面側からサイドカバー100(100a,100b)を水平板34にねじ止めする。サイドカバー100(100a,100b)は、体重計載置面(床面)より僅かに浮いた形態に保持される。
左右一対のサイドカバー100の上面には、水準器露出窓102,103がそれぞれ設けられており、この窓102を介して、水平板34に取着された水準器28を視認できる。なお、符号103も水準器露出窓であるが、使用されないため、窓103にはキャップ104が装着されている。
その他の構成は、前記第1の実施の形態の体重計10と同一であるので、同一の符号を付すことで、その説明は省略する。