JP6643861B2 - 植物の栽培方法と栽培装置 - Google Patents

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Description

本発明は、植物を栽培する方法と装置に関し、とくに培地の排液を循環して再使用するのに最適な栽培方法と装置に関する。
高品質な植物を高収量に栽培するために、培地に供給する補給水に肥料を添加することは極めて大切である。補給水に添加される肥料は100%植物に吸収されず、地中に浸透して地下水を汚染する原因となる。この弊害は、植物を地中から分離された培地で養液栽培し、培地の排液を循環して使用することで解消できる。この栽培方法は、排液を浄化しながら循環させて、植物をより好ましい環境で生育できる。このことを実現する栽培方法が開発されている。(特許文献1〜4参照)
特開2004−82095号公報 特開昭64−47324号公報 特開2008−54534号公報 特開2008−167691号公報
特許文献1は、光触媒を使用して、農業用排液を浄化する技術を記載する。この特許文献は、光触媒として、金属アルコキシドを含有する光反応性半導体を多孔質基材に塗工し、乾燥凝固させた膜を焼成して、微細孔性の膜を形成した光触媒担持体を用い、かつ、光触媒の光反応用光として太陽光のみを用いて、農業用液体を浄化処理する。
この方法は、光触媒で排液を処理することから、毎日多量に排水される排液を短時間で効果的に処理するのが難しい。また、太陽光のエネルギーを利用して排液を浄化するので、天候に左右され、毎日確実に安定して排液を理想的な状態に処理できない。
特許文献2〜4は、排液を、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などの殺菌剤で殺菌する。特許文献2の装置は、オゾンで殺菌するので、オゾン濃度のコントロールが極めて難しく、濃度が低いと殺菌能力が低下し、また濃度が高くなると作業環境を極めて危険な状態として、安定して処理するのが極めて難しい。
特許文献3及び4は、排液に次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素を添加して殺菌し、殺菌された排液を養液栽培装置に循環させる。この栽培方法は、排液を塩素や過酸化水素等の殺菌剤で殺菌することから、養液栽培装置に循環する排液の殺菌剤濃度をできる限り低く調整しながら、有効な殺菌を実現するために、複雑で精密なコントロールを必要とする。植物を栽培する培地に供給される養液の殺菌剤濃度が高すぎると、植物に悪い影響を与えるからである。殺菌剤の濃度を低くして植物に与える悪影響を少なくできるが、殺菌剤濃度が低くなると殺菌力が低下してしまう。さらに、オゾンや過酸化水素は、発生基の酸素「O」で殺菌するので、これが空気中に飛散すると作業者に悪影響を与える大きな弊害も発生する。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的として開発されたもので、本発明の大切な目的は、殺菌剤による弊害を防止することに加えて、補給水の溶存酸素濃度を高くして植物のより好ましい生育環境を実現できる栽培方法と装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の植物の栽培方法は、培地4を養液栽培ベッドとして、培地4の排液を循環して培地4の補給水として再使用すると共に、培地4の排液に過酸化水素水を添加して殺菌し、過酸化水素水の添加して殺菌された排液を、過酸化水素の添加された補給水の通路に設けてなる、酸化マンガンを充填してなる無機触媒器に通過させ、過酸化水素を水と酸素に分解する酸化マンガンに接触させて、酸化マンガンの触媒作用で、過酸化水素を水と酸素に分解して補給水とし、過酸化水素が水と酸素に分解された補給水を培地4に供給して循環する。
以上の栽培方法は、塩素やオゾンなどの殺菌剤による弊害を防止して安全な作業環境を実現しながら、培地に供給する補給水の溶存酸素濃度を向上して植物をより好ましい生育環境で生育できる特徴がある。それは、以上の栽培方法が、排液に過酸化水素を添加して殺菌しながら、過酸化水素を添加した排液を酸化マンガンに接触させて、酸化マンガンの触媒作用で過酸化水素を水と酸素に分解して培地に供給するからである。
本発明の栽培方法は、培地4を植物の養液栽培ベッドとして、培地4から排出される排液21を補給水として培地4に供給して再利用する。この栽培方法は、培地の排液を補給水に使用して再使用するので、水を有効利用でき、さらに、肥料による地下水の汚染を防止できる特徴がある。
本発明の栽培方法は、地下水を排液に添加し、地下水を含む補給水に過酸化水素を添加して酸化マンガンの触媒層に通過して培地4に供給することができる。この栽培方法は、溶存酸素濃度の極めて低い地下水を使用しながら、補給水の溶存酸素濃度を高くして培地に供給できる特徴がある。それは、地下水に過酸化水素の分解された酸素を添加して培地に供給できるからである。
本発明の栽培方法は、エジェクター作用で補給水に過酸化水素水を添加することができる。この栽培方法は、簡単で故障の少ない機構で過酸化水素水を補給水に添加できる特徴がある。
本発明の植物の栽培装置は、植物の培地4を養液栽培ベッドとして、養液栽培ベッドの排液を培地4の補給水に再使用して循環させる植物の栽培装置であって、培地4からの排液に過酸化水素を添加して殺菌する添加機1と、添加機1で過酸化水素の添加された補給水の通路に設けられて、補給水の過酸化水素を水と酸素に分解する酸化マンガンに接触させる無機触媒器2と、無機触媒器2の酸化マンガンに接触して、過酸化水素を水と酸素に分解している補給水を培地4に供給して循環する給水機3とを備える。
以上の栽培装置は、塩素やオゾンなどの殺菌剤による弊害を防止して安全な作業環境を実現しながら、培地に供給する補給水の溶存酸素濃度を向上して植物をより好ましい生育環境で生育できる特徴がある。それは、以上の栽培装置が、補給水に過酸化水素を添加して殺菌しながら、過酸化水素を添加した補給水を酸化マンガンに接触させて、酸化マンガンの触媒作用で過酸化水素を水と酸素に分解して培地に供給するからである。
本発明の栽培装置は、添加機1の流入側または排出側に、培地4に供給する補給水に含まれる汚濁物質を除去する濾過器5を設けることができる。この栽培装置は、汚濁物質の除去された清澄な補給水を培地に供給できる。とくに、培地の排液を補給水に再使用する栽培装置においては、培地の排液に含まれる汚濁物質を除去して清澄な補給水として培地に供給できる特徴がある。また、濾過器を添加機の排出側に備える装置においては、添加された過酸化水素で濾過器を殺菌できると共に、濾過器を通過するときに、過酸化水素と排液とを混合させて、過酸化水素を均一に排液に分散できる特徴がある。
本発明の一実施例に係る植物の栽培装置の概略構成図である。 本発明の他の実施例に係る植物の栽培装置の概略構成図である。 本発明の他の実施例に係る植物の栽培装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための栽培方法と装置を例示するものであって、本発明は栽培方法と装置を以下の方法や構造には特定するものでない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の栽培方法と装置は、植物の培地に供給する補給水に、過酸化水素を添加した後、酸化マンガンの触媒層に通過させて、酸化マンガンの触媒作用で補給水の過酸化水素を水と酸素に分解し、過酸化水素を分解した酸素を含む補給水を培地に供給する。培地は植物を栽培する路地の田畑や、路地から分離された棚に載せられる養液栽培ベッドである。培地を養液栽培ベッドとする栽培方法と装置は、排液を循環して使用して、地下水の肥料による汚染を防止できる。
本発明は、栽培する植物を特定するものでないが、植物として、ミョウガ、キュウリ、トマト、なすび、ほうれん草、小松菜、ネギ等、種々の野菜のほか、観葉植物なども使用できる。
以下、ミョウガの栽培装置を図1と図3に示す。これらの栽培装置は、植物の培地4に供給される補給水に添加機1で過酸化水素を添加し、添加機1で過酸化水素の添加された補給水を無機触媒器2の酸化マンガンに接触させて、過酸化水素を水と酸素に分解して培地4に供給する。
さらに、図1と図3に示す栽培装置は、植物を養液栽培する培地4から排水される排液21を補給水として使用する。補給水は、排液21に地下水、河川水、水道水などの原水を添加して培地4に供給される。以上の栽培装置は、排液21を濾過器5で濾過し、濾過器5で汚濁物質を除去した処理水に原水を添加して補給水として培地4に供給するので、濾過器5の処理能力を小さくできる。ただし、排液21に原水を添加して濾過器5で濾過することもできる。
図1と図3の栽培装置は、培地4の排液21を蓄える排液タンク6と、この排液タンク6の排液21を吸入して濾過器5に供給する排液ポンプ7と、この排液ポンプ7から供給される排液21を濾過して汚濁物質を除去して、培地4に供給する補給水に使用する濾過器5と、補給水として再利用する排液21に過酸化水素を添加する添加機1と、添加機1で添加された過酸化水素を水と酸素に分解する無機触媒器2と、無機触媒器2の触媒作用で分解された酸素を含む補給水を蓄える処理液タンク8と、処理液タンク8から排出される補給水に肥料を添加する調整機構9と、肥料が添加された補給水を調整養液20として培地4に散水して供給する給水機3と、排液21に原水を加えて補給水とする原水供給機15とを備える。
図1の栽培装置は、添加機1を濾過器5の流入側に連結して、過酸化水素の添加された排液21を濾過器5に通過させる。この栽培装置は、添加された過酸化水素で濾過器5を殺菌できる特徴がある。また、濾過器5を通過するときに、過酸化水素と排液21が混合されて、過酸化水素を均一に排液21に分散できる特徴がある。ただ、添加機1は、濾過器5の排出側に連結することもできる。
図1の栽培装置は、排液21に原水を混合した補給水に過酸化水素を添加して無機触媒器2に通過させる。この装置は、過酸化水素で排液21をより効果的に殺菌して、培地4に供給できる。
図2の栽培装置は、原水に過酸化水素を添加して無機触媒器2を通過させた溶存酸素濃度の高い補給水に、排液21を濾過器5で濾過処理した処理水を混合して培地4に供給する。この装置は、無機触媒器2の流量を少なくできるので、無機触媒器2を小さくできる特徴がある。
培地4は、供給される水分を保水する保水性と、過剰な水分を排水する排水性とが要求される。培地4は、所定の厚さのマット状で、栽培容器10に充填している。培地4は、植物の生育に最適なものが選択され、好ましくは、ヤシガラやバーク等の有機物をプレスして、所定の厚さのマット状に固化したものが使用される。ただ、培地4には、植物の生育に適した保水性と排水性のある全てのもの、たとえば有機物や無機物を単独であるいは混合したものが使用できる。無機物である培地4は、たとえば、シリカやアルミナを無数の空隙がある状態に焼結した粒体やロックウール等が使用できる。
栽培容器10は、上方を開口する箱形で、水平栽培台(図示せず)の上に水平に配置される。水平栽培台は、地面から上に離して配置している載せ台である。このように、載せ台に載置される栽培容器10は、外部に排水される排液21を自然に流下させて効率よく回収できる特長がある。
植物を植え付けている培地4には、調整養液20を供給する。培地4に供給される調整養液20の細菌濃度が高くなると、植物の品質が低下する。排液21を循環して調整養液20として再使用する栽培方法は、細菌濃度が次第に高くなって植物の品質を低下させる。とくに、培地4に調整養液20を散水して供給する養液栽培は、根から生育する植物に調整養液20がかかって接触するので、調整養液20の細菌濃度が高いと、植物の品質を著しく低下し、さらに、植物が切り離された部分を細菌で汚染して腐らせる弊害が発生する。本発明は、この弊害を防止するために、植物の培地4から排出される排液21から細菌を分離し、細菌の分離された処理水に肥料を添加して調整養液20として再利用する。調整養液20は、所定の時間間隔で培地4に散水して供給される。植物の培地4に供給される調整養液20は、植物に吸収され、吸収されない余剰の養液は培地4を透過して、排液21として外部に排水される。
植物の培地4から排出される排液21は、培地4を透過して汚濁物質を含んでいる。培地4から排出される排液21は、排液タンク6に一時蓄えられた後、排液ポンプ7で膜濾過器5に供給される。濾過器5は、培地4の汚濁物質を濾過して分離する。排液21は、濾過器5で汚濁物質を除去されて処理液タンク8に供給される。
添加機1は、過酸化水素水を蓄える薬液タンク11と、この薬液タンク11に蓄える過酸化水素水を排液21や原水に添加する混合機12とを備える。図1と図2の栽培装置は、混合機12にエジェクター12Aを使用する。エジェクター12Aは、通過液の負圧で過酸化水素水を吸入する。エジェクター12Aと薬液タンク11の間に流量調整弁13を設けている。流量調整弁13は、開度を調整して供給する過酸化水素水の流量をコントロールする。
混合機12は、エジェクター12Aに代わって定流量ポンプも使用できる。定流量ポンプは、一定の流量で過酸化水素水を供給できる。定流量ポンプにはダイアフラム式ポンプが使用できる。
また、混合機12は、図1と図2に示すように、薬液タンク11を上に配置し、エジェクター12Aを使用することなく、薬液タンクをホースやパイプで補給水の配管に連結して、過酸化水素水を薬液タンクから自然に流下させてして補給水に供給することもできる。この混合機は、ホースやパイプで酸化力の強い過酸化水素水を供給できるので、酸化力の強い過酸化水素水によるポンプやエジェクターの故障を防止できる。この混合機は、薬液タンクの高さで過酸化水素水の供給量をコントロールできる。また、薬液タンクを補給水の配管に連結するホースの内径を調整して、供給量をコントロールすることもできる。
添加機1は、補給水に添加する過酸化水素水の量を調整して、培地4に供給する補給水の溶存酸素濃度をコントロールする。添加機1は、補給水の溶存酸素濃度が、例えば5ppm以上、好ましくは7ppm以上となるように、補給水に供給する過酸化水素水の流量を調整する。たとえば、過酸化水素濃度を1重量%とする過酸化水素水を補給水に供給して、培地4に供給する補給水の溶存酸素濃度を8ppmとするには、添加機1が補給水の流量の8/10,000の流量で補給水に過酸化水素水を添加する。したがって、培地4に供給する補給水の流量を100リットル/分とする栽培装置は、添加機1でもって補給水に80cc/分の流量で過酸化水素水を供給して、補給水の溶存酸素濃度を8ppmにできる。
ところで、水は、圧力と温度で溶存酸素濃度の飽和値が特定される。1気圧における水の飽和溶存酸素は、20℃で約9ppm、25℃で約8ppmである。したがって、添加機1が補給水に供給する過酸化水素水量が多すぎると、過酸化水素水を分解して発生する全ての酸素を水に溶解できなくなる。溶解されない余剰の酸素は、気化して水から分離されるので、余剰の酸素が植物に悪い影響を与えることはない。したがって、添加機1は溶存酸素濃度を越える量の過酸化水素水を添加して、補給水の溶存酸素濃度を飽和状態とすることができる。溶存酸素濃度が飽和量を超える量の過酸化水素を添加する栽培装置は、植物に悪い影響を与えることなく、多量の過酸化水素で排液21を効果的に殺菌できる特徴がある。
補給水に添加された過酸化水素は、発生期の酸素を発生して排液21を殺菌する。排液21に供給された過酸化水素は、配管内を流れながら均一に分散されて排液21を殺菌する。過酸化水素は、排液21に含まれる一般細菌、緑膿菌、大腸菌、O157菌、コレラチフス菌等を殺菌する。
図1と図2の栽培装置は、排液タンク6の排出側に過酸化水素水の添加機1を連結している。栽培装置は、図3に示すように、添加機1を排液タンク6に連結して、過酸化水素水を排液タンク6に供給することもできる。この栽培装置は、排液タンク6に攪拌器14を設けて、供給される過酸化水素水を排液21に混合して、排液21全体をより効果的に殺菌できる。
排液ポンプ7は、過酸化水素を添加した補給水を無機触媒器2に供給する。無機触媒器2は、酸化マンガンの触媒層を備える。触媒層の酸化マンガンは、過酸化水素を分解する触媒の作用をして、補給水に含まれる過酸化水素を水と酸素に分解する。地下水やこれに排液21を混合した補給水は、無機触媒器2を通過して溶存酸素濃度が高くなる。地下水は、地中に深く浸透して地中に含まれる金属成分を酸化させて酸素を消費しているので、溶存酸素濃度が極めて低い。過酸化水素を分解して発生する酸素は、地下水の溶存酸素濃度を高くする。
図1〜図3の栽培装置は、無機触媒器2で溶存酸素濃度の向上した補給水を、処理液タンク8に一時蓄え、必要なタイミングで培地4に供給する。この装置は、補給水を処理液タンク8に蓄えるので、無機触媒器2で連続的に補給水の過酸化水素を分解し、必要なタイミングで培地4に供給できる。したがって、無機触媒器2は単位時間当たりの処理量を少なくして、一時に多量の補給水を培地4に供給できる。ただ、本発明の装置は、必ずしも処理液タンク8を設けることなく、無機触媒器2の単位時間の処理能力を大きくし、無機触媒器2を通過した補給水を処理液タンクに蓄えることなく培地4に供給することもできる。
処理液タンク8に蓄えている補給水は給水機3で培地4に供給される。図に示す栽培装置は、処理タンクの補給水に、肥料や微量成分を添加して培地4に供給する。肥料や微量成分は、肥料添加機1で補給水に混合される。肥料添加機1は、給水機3の排出側に肥料や微量成分を添加する。肥料添加機12は、補給水に肥料や微量成分を添加する。
肥料添加機16は、肥料や微量成分の水溶液である液肥26を蓄える液肥タンク16Aと、この液肥タンク16Aから液肥26を吸入して補給水に添加する添加ポンプ16Bとを備える。肥料添加機16は、補給水の肥料濃度が設定値となるように液肥26を添加する。肥料添加機16は、補給水に添加する液肥量をコントロールして補給水の肥料濃度を調整する。肥料添加機16は、液肥26の添加された補給水の肥料濃度を濃度センサ18で検出しながら肥料の添加量を制御して、正確に肥料や微量成分の添加量をコントロールできる。濃度センサ18は、補給水の電気伝導度を検出して肥料や微量成分の濃度を検出する。濃度センサ18は、補給水の肥料濃度を検出し、検出された肥料濃度で添加ポンプ16Bの流量を制御して、補給水の肥料濃度を所定の範囲にコントロールする。図に示す肥料添加機16は、複数種の肥料や微量成分を補給水に供給するために、複数の液肥タンク16Aと、各液肥タンク16Aの液肥を補給水に供給する複数の添加ポンプ16Bを備えている。
調整養液20は、給水機3で植物の培地4に供給される。図の栽培装置は、給水ポンプ19を運転して調整養液20をミョウガの栽培地4に供給する。したがって、この栽培装置は、給水ポンプ19を給水機3として調整養液20をミョウガの栽培地4に供給する。
以上の栽培装置は、添加機1が補給水に過酸化水素水を添加して、過酸化水素でもって補給水に使用される排液21を殺菌する。殺菌された排液21に地下水を混合して、培地4に供給する補給水量を確保する。補給水に添加された過酸化水素を水と酸素に分解するために、補給水を無機触媒器2で酸化マンガンに接触させる。酸化マンガンは触媒作用で、補給水の過酸化水素を水と酸素に分解する。過酸化水素を水と酸素に分解して、補給水の溶存酸素濃度は高くなる。溶存酸素濃度の高くなった補給水は給水機3で培地4に供給される。培地4に供給される補給水は、過酸化水素で殺菌され、また、過酸化水素を分解して溶存酸素濃度が高くなって、植物の栽培環境を理想的な状態とする。
本発明の植物の栽培方法と栽培装置は、過酸化水素で殺菌し、さらに、過酸化水素を分解して溶存酸素濃度を高くする補給水を培地に供給して、種々の植物を理想的な環境で生育させる。
1…添加機
2…無機触媒器
3…給水機
4…培地
5…濾過器
6…排液タンク
7…排液ポンプ
8…処理液タンク
9…調整機構
10…栽培容器
11…薬液タンク
12…混合機
12A…エジェクター
13…流量調整弁
14…攪拌器
15…原水供給機
16…肥料添加装置
16A…液肥タンク
16B…添加ポンプ
18…濃度センサ
19…給水ポンプ
20…調整養液
21…排液
26…液肥

Claims (5)

  1. 培地(4)に補給水を供給する植物の栽培方法であって、
    前記培地(4)を養液栽培ベッドとして、前記培地(4)の排液を循環して前記培地(4)の補給水として再使用すると共に、
    培地(4)の排液に過酸化水素水を添加して殺菌し
    過酸化水素水を添加して殺菌した排液を、過酸化水素の添加された補給水の通路に設けてなる、酸化マンガンを充填してなる無機触媒器に通過させ、過酸化水素を水と酸素に分解する酸化マンガンに接触させて、
    酸化マンガンの触媒作用で、過酸化水素を水と酸素に分解して補給水とし、
    過酸化水素が水と酸素に分解された補給水を培地(4)に供給して循環することを特徴とする植物の栽培方法。
  2. 請求項1に記載される植物の栽培方法であって、
    排液に地下水を添加して前記補給水とし、地下水を含む補給水に過酸化水素を添加して前記酸化マンガンの触媒層に通過させて培地(4)に供給することを特徴とする植物の栽培方法。
  3. 請求項1又は2に記載される植物の栽培方法であって、
    前記補給水にエジェクター作用で過酸化水素水を添加することを特徴とする植物の栽培方法。
  4. 植物の培地(4)を養液栽培ベッドとして、養液栽培ベッドの排液を前記培地(4)の補給水に再使用して循環させる植物の栽培装置であって、
    前記培地からの排液に過酸化水素を添加して殺菌する添加機(1)と、
    前記添加機(1)で過酸化水素の添加された補給水の通路に設けられて、補給水の過酸化水素を水と酸素に分解する酸化マンガンに接触させる無機触媒器(2)と、
    前記無機触媒器(2)の酸化マンガンに接触して、過酸化水素を水と酸素に分解してなる補給水を前記培地(4)に供給して循環する給水機(3)とを備える植物の栽培装置。
  5. 請求項4に記載される植物の栽培装置であって、
    前記添加機1の排出側に連結されて、培地(4)に供給する補給水に含まれる汚濁物質を除去する濾過器(5)を備える植物の栽培装置。
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