JP6642770B1 - 運動機能評価装置、運動機能評価システム、運動機能評価プログラムおよび運動機能評価方法 - Google Patents

運動機能評価装置、運動機能評価システム、運動機能評価プログラムおよび運動機能評価方法 Download PDF

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Abstract

運動機能評価装置は、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価装置は、被験者の体に装着された慣性センサの測定データを取得するように構成された通信部と、通信部にて取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するように構成された制御部とを備える。

Description

本開示は、運動機能評価装置、運動機能評価システム、運動機能評価プログラム、および運動機能評価方法に関する。本出願は、2018年3月13日に出願した日本特許出願である特願2018−045395号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
特開2011−115362号公報(特許文献1)には、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び前記椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行ない、経過時間の計測値に基づいて被験者の運動機能を評価する技術を開示している。
特開2011−115362号公報
本開示の一態様に係る運動機能評価装置は、被験者の運動機能を評価する運動機能評価装置であって、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価装置は、被験者の体に装着された慣性センサの測定データを取得するように構成された通信部と、通信部にて取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するように構成された制御部とを備える。
本開示の一態様に係る運動機能評価システムは、被験者の体に装着された慣性センサと、慣性センサの測定データに基づいて、被験者の運動機能を評価するように構成された運動機能評価装置とを備える。運動機能評価装置は、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び前記椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価装置は、慣性センサの測定データを取得するように構成された通信部と、通信部にて取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するように構成された制御部とを含む。
本開示の一態様に係る運動機能評価プログラムは、コンピュータに、被験者の運動機能を評価する処理を実行させるためのプログラムである。被験者の運動機能を評価する処理は、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を含む。運動機能評価プログラムは、被験者の体に装着された慣性センサの測定データを取得するステップと、取得された測定データに基づいて、被験者が前記椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出するステップと、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するステップとをコンピュータに実行させる。
本開示の一態様に係る運動機能評価方法は、被験者の運動機能を評価する運動機能評価方法であって、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価方法は、被験者の体に装着された慣性センサの測定データを取得するステップと、取得された測定データに基づいて、被験者が前記椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出するステップと、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するステップとを備える。
図1は、実施の形態に係る運動機能評価システムの構成を概略的に示す図である。 図2は、実施の形態に係る運動機能評価システムのハードウェア構成を概略的に示す図である。 図3は、実施の形態に係る加速度センサの機能的構成を概略的に示す図である。 図4は、実施の形態に係る運動機能評価装置の機能的構成を概略的に示す図である。 図5は、タイムアップアンドゴー試験の概要を説明するための図である。 図6は、実施の形態に係る運動機能評価システムにおけるタイムアップアンドゴー試験の測定手順を説明するための図である。 図7は、図6に示す測定手順を実行することにより取得された測定データの一例を示す図である。 図8は、加速度の時間波形を用いた離殿時刻および着座時刻の検出方法を説明するための図である。 図9は、実施の形態に係る運動機能評価システムにより実行される運動機能評価を説明するためのフローチャートである。 図10は、図9のステップS16に示す運動機能の評価の処理手順を説明するためのフローチャートである。 図11は、実施の形態に係る運動機能評価システムの評価結果を説明するための図である。 図12は、実施の形態に係る運動機能評価システムによる他の評価項目を説明するための図である。
[本開示が解決しようとする課題]
本開示の一態様の目的は、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保して、運動機能評価の信頼性を向上させることが可能な運動機能評価装置、運動機能評価方法および運動機能評価プログラム、ならびに、このような運動機能評価装置を備えた運動機能評価システムを提供することである。
[本開示の効果]
本開示によれば、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保でき、運動機能評価の信頼性を向上させることができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る運動機能評価装置2(図1および図4参照)は、被験者の運動機能を評価する運動機能評価装置であって、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価装置2は、被験者の体に装着された慣性センサ(例えば、加速度センサ1)の測定データを取得するように構成された通信部40と、通信部40にて取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するように構成された制御部64とを備える。
上記(1)に記載の運動機能評価装置2によれば、被験者の体に装着された慣性センサの測定データに基づいて、タイムアップアンドゴー試験における経過時間を自動的に計測することができる。一般的には慣性センサは、被験者の体幹正中に装着されることが好ましい。体幹正中とは、胴体としての体幹であって、体の左右の中心をいう。慣性センサは、通常、首から腰にかけての中心、すなわち背骨に沿って装着され、装着の容易さからは腰部が好ましい。ベルト等の装着具によって簡便に固定することができるからである。これによると、測定者がストップウォッチを用いて、目視で経過時間を計測する従来の運動機能評価と比較して、計測値の精度を高めるとともに、計測値のばらつきを低減することができる。この結果、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保できるため、運動機能評価の信頼性を向上させることができる。
(2)上記(1)に記載の運動機能評価装置2において好ましくは、被験者が前記椅子に腰掛けて静止している状態から前記被験者が再び前記椅子に着座して静止状態になるまでの前記測定データを記録するように構成された記憶装置68(図4参照)をさらに備える。制御部64は、記憶装置68に記録された測定データの時間波形から、測定データのばらつきを示す指標を時系列データとして生成する。制御部64は、上記指標と第1の閾値との比較により離殿時刻を検出し、かつ、上記指標と第2の閾値との比較により着座時刻を検出する。
これによると、タイムアップアンドゴー試験における離殿時刻および着座時刻を高い精度で検出できるため、経過時間の計測値の精度を確保することができる。
(3)上記(2)に記載の運動機能評価装置2において好ましくは、制御部64は、記憶装置68に記録された測定データの時間波形から、測定データの標準偏差の時間波形を生成する。制御部64は、標準偏差の時間波形において、標準偏差が最初に第1の閾値を超えた時刻を離殿時刻として検出し、かつ、標準偏差の時間波形において、標準偏差が最後に第2の閾値を超えた時刻を着座時刻として検出する。
これによると、タイムアップアンドゴー試験における離殿時刻および着座時刻を高い精度で検出できるため、経過時間の計測値の精度を確保することができる。
(4)上記(3)に記載の運動機能評価装置2において好ましくは、制御部64は、標準偏差の時間波形において、標準偏差の平均値が基準標準偏差以下となる区間を選択し、第1の閾値および第2の閾値を、選択した区間における標準偏差の平均値よりも高い値に設定する。
これによると、タイムアップアンドゴー試験における離殿時刻および着座時刻を高い精度で検出できるため、経過時間の計測値の精度を確保することができる。
(5)上記(1)から(4)に記載の運動機能評価装置2において好ましくは、記制御部は、経過時間における測定データを、立上り、往路歩行、転回、復路歩行および着座の動作にそれぞれ対応する複数の区間に分割する。
これによると、タイムアップアンドゴー試験において上記の各動作が行なわれた時間が分かるため、慣性センサ1の測定データを、各動作に対応した区間に分割することができる。そして、分割された区間の測定データを分析することにより、その区間で求められる動作能力について定量的に評価することができる。
(6)本開示の一態様に係る運動機能評価システム100(図1参照)は、被験者の体に装着された慣性センサ1と、慣性センサ1の測定データに基づいて、被験者の運動機能を評価するように構成された運動機能評価装置2とを備える。運動機能評価装置2は、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価装置2は、慣性センサ1の測定データを取得するように構成された通信部40と、通信部40にて取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するように構成された制御部64とを含む。
上記(6)に記載の運動機能評価システムによれば、被験者の体に装着された慣性センサの測定データに基づいて、タイムアップアンドゴー試験における経過時間を自動的かつ高精度に計測することができる。これによると、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保できるため、運動機能評価の信頼性を向上させることができる。
(7)本開示の一態様に係る運動機能評価プログラムは、コンピュータに、被験者の運動機能を評価する処理を実行させるためのプログラムである。被験者の運動機能を評価する処理は、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を含む。運動機能評価プログラムは、被験者の体に装着された慣性センサ1の測定データを取得するステップと、取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出するステップと、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するステップとをコンピュータに実行させる。
上記(7)に記載の運動機能評価プログラムによれば、被験者の体に装着された慣性センサの測定データに基づいて、タイムアップアンドゴー試験における経過時間を自動的かつ高精度に計測することができる。これによると、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保できるため、運動機能評価の信頼性を向上させることができる。
(8)本開示の一態様に係る運動機能評価方法は、被験者の運動機能を評価する運動機能評価方法であって、被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成される。運動機能評価方法は、被験者の体に装着された慣性センサ1の測定データを取得するステップと、取得された測定データに基づいて、被験者が椅子から立ち上がる離殿時刻、および、被験者が椅子に着座する着座時刻を検出するステップと、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて経過時間を算出するステップとを備える。
上記(8)に記載の運動機能評価方法によれば、被験者の体中に装着された慣性センサの測定データに基づいて、タイムアップアンドゴー試験における経過時間を自動的かつ高精度に計測することができる。これによると、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保できるため、運動機能評価の信頼性を向上させることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰返さない。
(運動機能評価システムの構成)
図1は、実施の形態に係る運動機能評価システム100の構成を概略的に示す図である。本実施の形態に係る運動機能評価システム100は、被験者Mの運動機能を評価するためのシステムである。本願明細書において、被験者Mの「運動機能」とは、被験者Mの移動における動作能力であって、下肢筋力、バランス、歩行能力、易転倒性などの複合的な動作能力を含む。
図1に示すように、運動機能評価システム100は、加速度センサ1と、運動機能評価装置2とを備える。加速度センサ1および運動機能評価装置2は、互いに無線通信する。具体的には、加速度センサ1は、運動機能評価装置2と、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)規格等の近距離無線通信の規格に従って接続され、運動機能評価装置2との間でデータを送受信する。
加速度センサ1は、携行可能な小型の筐体を有しており、被験者Mの体に装着される。図1の例では、被験者Mの体幹正中としての腰部に装着される。好ましくは、加速度センサ1は、被験者Mの体重心がある、正中線上の第3腰椎付近に装着される。例えば、加速度センサ1の筐体にはクリップ(図示せず)が設けられており、被験者Mが着用するベルトの腰背部中央付近に当該クリップを挟むことによって、加速度センサ1が装着される。
加速度センサ1は「慣性センサ」の一実施例に対応する。慣性センサは、加速度センサに代えて、角速度センサまたは地磁気センサなどを用いることができる。あるいは、加速度センサと、角速度センサまたは地磁気センサなどの他のセンサとを組み合わせて用いることができる。
加速度センサ1は、MEMS(Micro Electro Mechancal Systems)センサ等の3軸加速度センサである。加速度センサ1は、被験者Mの移動中における左右方向、上下方向および前後方向の加速度を測定する。以下の説明では、左右方向の加速度を「左右加速度」と称し、上下方向の加速度を「上下加速度」と称し、前後方向の加速度を「前後加速度」とも称する。また、被験者Mにとって左右方向をX軸、上下方向をY軸、前後方向をZ軸とする。
加速度センサ1は、測定した3軸の加速度を測定データとして運動機能評価装置2へ出力する。なお、加速度センサ1は、被験者Mの移動中における3軸の加速度の変化を測定可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。移動中における3軸の加速度の変化を正確に測定するため、被験者Mは裸足または靴を履いた状態で移動することが好ましい。
運動機能評価装置2は、無線通信機能を有する電子機器であって、専用に構成された装置の他、例えば、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどを適用することができる。運動機能評価装置2は、加速度センサ1が出力する測定データにより、被験者Mの移動中における前後加速度、左右加速度および上下加速度を取得する。運動機能評価装置2は、取得された前後加速度、左右加速度および上下加速度の時間的変化に基づいて、被験者Mの運動機能を評価する。
(運動機能評価システムのハードウェア構成)
図2は、実施の形態に係る運動機能評価システム100のハードウェア構成を概略的に示す図である。
図2に示すように、加速度センサ1は、センサ部10と、CPU(Central Processing Unit)12と、記憶部14と、通信部16と、回路基板18と、電源20とを含む。
センサ部10は、3軸加速度センサであり、被験者Mの腰部に生じる前後加速度、左右加速度および上下加速度を測定する。センサ部10は、測定した加速度を示す電気信号をCPU12へ出力する。
CPU12は、予め記憶されているプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、加速度センサ1の動作を制御する。CPU12は、センサ部10から出力された電気信号を処理することにより、センサ部10によって測定された加速度から測定データを生成する。
記憶部14は、たとえばRAM(Random Access Memory)等により構成され、加速度センサ1の各種機能を設定するための設定データ、および測定データなどを記憶する。
通信部16は、加速度センサ1が運動機能評価装置2と無線通信するため、図示しないアンテナ等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行なう。具体的には、通信部16は、チューナ、受信強度算出回路、巡回冗長検査回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。通信部16は、加速度センサ1が送受信する無線信号の変復調および周波数変換を行ない、受信信号をCPU12へ与える。
回路基板18は、加速度センサ1の筐体内部に収容されており、センサ部10、CPU12、記憶部14および通信部16の各々を構成する回路部品を搭載する。
電源20は、リチウムイオン電池等を含む蓄電装置である。ユーザ等により図示しない電源スイッチがオンされると、回路基板18上に搭載される複数の回路部品に対する電力供給を開始する。
運動機能評価装置2は、通信部40と、CPU42と、回路基板44と、電源46と、表示部48と、操作受付部50とを含む。
通信部40は、運動機能評価装置2が加速度センサ1を含む他の無線機器と通信するため、アンテナ等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行なう。通信部40は、チューナ、受信強度算出回路、巡回冗長検査回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。通信部40は、運動機能評価装置2が送受信する無線信号の変復調および周波数変換を行ない、受信信号をCPU42へ与える。
CPU42は、記憶装置68(図4参照)に記憶されているプログラムを読み込んで、該プログラムに含まれる命令を実行することにより、運動機能評価装置2の動作を制御する。プログラムは運動機能評価プログラムを含む。CPU42は、運動機能評価プログラムを実行することにより、通信部40から送信される測定データに基づいて、被験者Mの運動機能を評価する。CPU42は、さらに、運動機能の評価結果に基づいて、被験者Mに応じた運動アドバイスを判別することができる。CPU42の詳細については後述する。
操作受付部50は、ユーザの入力操作を受け付ける。操作受付部50は、ユーザの操作に応じて、操作内容を示す信号をCPU42へ出力する。操作受付部50は、表示部48上に設けられたタッチパネルであってもよいし、キーボード等その他の物理操作キーであってもよい。
表示部48は、CPU42の制御に応じて、画像、テキスト、音声など五感に作用するデータを表示する。表示部48は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイによって構成される。CPU42は、運動機能評価プログラムの実行により、通信部40から送信される測定データ、運動機能の評価結果を示すデータ、および、運動アドバイスを示すデータを表示部48に表示させることができる。また、CPU42は、これらのデータを内部の記憶装置68に蓄積することができる。
(加速度センサ1の機能的構成)
図3は、実施の形態に係る加速度センサ1の機能的構成を概略的に示す図である。図3に示すように、加速度センサ1は、記憶部22および信号処理回路24を含む。記憶部22は、RAM等の記憶装置から構成されており、プログラムおよび測定データ等を記憶する。
信号処理回路24は、加速度センサ1の各部を制御する。信号処理回路24は、記憶部22に記憶されているプログラムに従って動作し、後述する運動機能評価を含む種々の動作を実行する。
具体的には、信号処理回路24は、ノイズ除去用のフィルタおよびA/D(Analog/Digital)コンバータを含み、センサ部10から出力された電気信号からノイズを除去することにより、図5に示すような加速度を示す加速度信号を生成する。また、信号処理回路24は、生成した加速度信号を所定周期でサンプリングすることにより、測定データを生成する。
信号処理回路24におけるサンプリング周期は、1ms以上200ms以下とすることが好ましい。サンプリング周期が1msより短くなると、信号処理回路24における演算の負荷が増大するとともに、測定データを記憶するために大容量の記憶部22が必要になるためである。また、サンプリング周期が200msより長くなると、移動に伴う被験者の体重心の位置の変化を正確に捉えることが難しくなるためである。より好ましくは、信号処理回路24におけるサンプリング周期は5ms程度である。信号処理回路24は、生成した測定データを通信部16に出力する。サンプリング周期の下限は2ms以上であることが好ましく、5ms以上であることがより好ましい。サンプリング周期の上限は100ms以下であることが好ましく、50ms以下であることがより好ましく、20ms以下であることがさらに好ましい。
通信部16は、無線信号受信部26と、無線信号送信部28と、ファイル出力部30とを含む。無線信号受信部26は、運動機能評価装置2から操作指示を受信し、受信した操作指示を信号処理回路24に与える。操作指示には、信号処理回路24により生成された測定データの保存先を指定するための指示が含まれている。
無線信号送信部28は、信号処理回路24により生成された測定データを運動機能評価装置2へ送信する。運動機能評価装置2は、無線信号送信部28から送信されてきた測定データを受信すると、測定データを装置内部の記憶装置68(図4参照)に記憶させる。
信号処理回路24は、また、生成した測定データを記憶部14に格納する。信号処理回路24は、運動機能評価装置2からの操作指示に応じて(あるいは、予め定められた設定に基づいて)、加速度センサ1内部の記憶部14および加速度センサ1外部の記憶装置(運動機能評価装置2内部の記憶装置68)のいずれか一方を選択して、測定データを保存するように構成されている。
このようにすると、加速度センサ1を用いて運動機能評価を行なう場合、信号処理回路24は、センサ部10による測定データを、無線信号送信部28を介してリアルタイムで運動機能評価装置2へ送信することができる。したがって、運動機能評価装置2は、受信した測定データに基づいて、リアルタイムで被験者Mの運動機能を評価することができる。
あるいは、信号処理回路24は、測定データを記憶部14に蓄積しておくことができる。ファイル出力部30は、記憶部14に蓄積されている測定データを外部の記憶媒体3に送信することができる。外部の記憶媒体3は、例えば、USBメモリおよびメモリースティック(登録商標)などを用いることができる。
これによると、加速度センサ1と運動機能評価装置2とが無線通信することが難しい状況であっても、加速度センサ1が測定データを記憶部14に蓄えておくことで、後日、記憶部14に蓄えられた測定データを、記憶媒体3を経由して読み出すことにより、被験者Mの運動機能を評価することができる。なお、加速度センサ1は、記憶媒体3を経由することに代えて、USB等の有線のデータ伝送手段を経由して測定データを読み出せるように構成されていてもよい。
(運動機能評価装置2の機能的構成)
図4は、実施の形態に係る運動機能評価装置2の機能的構成を概略的に示す図である。
図4に示すように、運動機能評価装置2において、通信部40は、無線信号受信部60および無線信号送信部62を含む。無線信号受信部60は、加速度センサ1から測定データを受信すると、受信した測定データをCPU42に送信する。
CPU42は、制御部64および記憶装置68を含む。記憶装置68は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAMを含む。ROMは、運動機能評価装置2を制御するためのプログラムを記憶する。該プログラムは、運動機能評価プログラムを含む。RAMは、運動機能評価装置2の各種機能を設定するためのデータ、測定データ、運動機能の評価結果を示すデータ、および、運動アドバイスを示すデータなどを記憶する。
制御部64は、プロセッサから構成される。制御部64は、記憶装置68に記憶されるプログラムに従って動作することにより、運動機能評価装置2の動作を制御する。制御部64は、運動機能評価プログラムに従って動作することにより、評価部70および判別部72としての機能を発揮する。
評価部70は、無線信号受信部60により取得された測定データに基づいて、被験者Mの運動機能を評価する。または、評価部70は、記憶媒体3から読み出した測定データに基づいて、被験者Mの運動機能を評価する。
評価部70は、測定データに基づいて、被験者Mの運動機能を示す指標を算出する。評価部70は、算出した指標を、例えば理想値を10点(満点)としてスコア化する。このようにして、指標をスコア化することによって被験者Mの運動機能を定量的に評価する。これにより、ユーザは、運動機能がどの程度劣っているのかを定量的に把握することができる。
判別部72は、評価部70からの評価結果を取得するとともに、操作受付部50から、ユーザによって入力された外部データを受け付ける。外部データには、被験者Mを識別する情報である被験者識別情報、およびデータ閾値リストが含まれる。被験者識別情報は、被験者Mの氏名、性別、年齢、身長、体重などの情報を含む。データ閾値リストは、運動アドバイスを判別する際に用いられる閾値のデータである。判別部72は、データ閾値リストを参照することにより、被験者Mの運動機能の評価結果に基づいて、被験者Mに応じた運動アドバイスを判別する。
制御部64は、測定データ、評価部70による評価結果、および判別部72による運動アドバイスを示すデータを表示部48に表示させる。また制御部64は、これらのデータを記憶装置68に記憶する。
(運動機能評価システムの動作)
次に、本実施の形態に係る運動機能評価システム100の動作について説明する。
本実施の形態では、被験者Mの運動機能の評価方法の1つとして、タイムアップアンドゴー試験を採用する。図5は、タイムアップアンドゴー試験の概要を説明するための図である。タイムアップアンドゴー試験では、図5に示すように、椅子から一定距離離れた地点に目印が設置される。目印には例えば高さ20cm程度のミニコーンが用いられる。椅子から目印までの距離は、一般的に3mに定められている。
最初に、被験者Mは、椅子に腰掛けた状態で待機している。このとき、被験者Mは、両足の先端を揃え、かつ肩幅程度に開脚させるとともに、両手を大腿部の前面に置いた姿勢をとっている。
この状態で、測定者からスタートの合図を受けると、被験者Mは、椅子から立ち上がり、3m先の目印に向かって歩行する。続いて、被験者Mは、目印を回って方向転換し、再び椅子に着座する。この一連の動作において、測定者は、被験者Mが椅子から立ち上がってから再び椅子に着座するまでの経過時間を計測する。
タイムアップアンドゴー試験では、立ち上がる、歩く、身体の向きを変える、バランスをとるなどの動作能力が必要とされるため、下肢筋力、バランス能力、歩行能力、易転倒性といった複合的な動作能力を評価することができる。これらの動作能力は日常生活機能との関連性が高いことから、タイムアップアンドゴー試験は、高齢者の運動機能評価として広く利用されている。
しかしながら、医療施設または介護施設などの現場においては、通常、タイムアップアンドゴー試験は、測定者がストップウォッチを用いて、被験者が立ち上がってから着座するまでの経過時間を目視で計測することが行なわれている。そのため、同一の被験者の経過時間であっても、測定者によって計測値にばらつきが生じてしまう場合がある。このような場合、計測値の精度を確保することが困難となるため、運動機能評価の信頼性を低下させてしまうことが懸念される。
本実施の形態に係る運動機能評価システム100では、運動機能評価装置2は、被験者Mに装着された加速度センサ1から受信した測定データに基づいて、被験者の運動機能を評価するように構成される。具体的には、運動機能評価装置2は、タイムアップアンドゴー試験での加速度センサ1の測定データに基づいて、被験者Mが椅子から立ち上がる時刻(離殿時刻)と、被験者Mが椅子に着座する時刻(着座時刻)とを検出する。そして、運動機能評価装置2は、検出された離殿時刻および着座時刻を用いて、離殿時刻から着座時刻までの経過時間を算出する。このように、運動機能評価装置2は、加速度センサ1の測定データを用いて、タイムアップアンドゴー試験における経過時間を自動的に計測することができる。
以下では、本実施の形態に係る運動機能評価システム100におけるタイムアップアンドゴー試験の測定手順について詳しく説明する。
最初に、図6を用いて、本実施の形態における加速度センサ1を用いて、タイムアップアンドゴー試験において被験者Mの腰部に生じる加速度を測定する場合における測定手順を説明する。
図6(1)に示すように、最初に、被験者Mを椅子に座らせた状態で、加速度センサ1の零点補正が実行される。このとき、測定者から被験者Mに対して、静止するように声掛けがなされる。
被験者Mの腰部に加速度センサ1を装着した状態で加速度センサ1および運動機能評価装置2の各々の電源スイッチをオンすることこにより、加速度センサ1および運動機能評価装置2が起動する。
運動機能評価装置2は、操作受付部50によって評価開始の指示を示す入力操作を受け付けると、通信部40を介して、加速度センサ1へ測定開始を指示する。加速度センサ1は、被験者Mが静止状態であるときのセンサ部10の測定値を、前後加速度、左右加速度および上下加速度の零点に補正する。これにより、被験者Mの移動時における前後加速度、左右加速度および上下加速度を精度良く測定することができる。
具体的には、加速度センサ1において、信号処理回路24は、センサ部10の出力信号に基づいて、被験者Mが静止状態であるか否かを判定する。前後加速度、左右加速度および上下加速度の各々に有意な変化が見られない場合(例えば、各加速度の変動幅が閾値未満である場合)、信号処理回路24は、被験者Mが静止状態であると判定する。被験者Mが静止状態であると判定されると、信号処理回路24は、このときのセンサ部10の測定値を、左右加速度、上下加速度および前後加速度の零点に補正する。
零点補正が完了すると、センサ部10は、被験者Mの腰部に生じる前後加速度、左右加速度および上下加速度の測定を開始する。信号処理回路24は、センサ部10が出力する加速度信号を測定データに変換する。測定データは、加速度センサ1の記憶部14または運動機能評価装置2の記憶装置68のいずれかに保存される。測定データの保存先が運動機能評価装置2の記憶装置68である場合、信号処理回路24は、通信部16(無線信号送信部28)を介して、測定データを運動機能評価装置2へ送信する。
運動機能評価装置2は、通信部40を介して加速度センサ1の測定データを受信すると、測定データを記憶装置68に記録する。記憶装置68への測定データの記録は、制御部64によって制御される。
具体的には、制御部64は、測定データに含まれる前後加速度の時間波形に基づいて、被験者Mが静止状態であるか否かを判定する。制御部64は、前後加速度の時間波形について、所定の時間窓ごとに、測定データのばらつきを示す指標としての標準偏差を算出する。例えば、サンプリング周期を5msとし、時間窓を1sとする場合、制御部64は、合計200点の前後加速度の標準偏差を算出する。標準偏差は、公知の式を用いて算出すればよく、例えば、サンプリング点ごとの前後加速度と、全サンプリング点の前後加速度の平均値との差を二乗平均した上で、それの正の平方根を算出すればよい。すなわち、制御部64は、前後加速度の時間波形のデータについて、ばらつきの大きさを標準偏差として算出する。
制御部64は、1回のサンプリングごとに時間窓をずらしながら標準偏差を算出することによって、標準偏差の時間波形を生成する。なお、標準偏差の時間波形の生成は、被験者Mが図5に示す一連の動作を行なって再び椅子に座って静止した状態になるまで継続して行なわれる。
制御部64は、前後加速度の標準偏差と、第1の閾値として予め設定された基準標準偏差とを比較する。基準標準偏差は、例えば1[m/s]に設定される。前後加速度の標準偏差が基準標準偏差(1[m/s」)以下となる状態が所定時間(例えば、2秒間)継続している場合、制御部64は、被験者Mが静止状態であると判定する。被験者Mが静止状態であると判定されると、制御部64は、記憶装置68への測定データの記録を開始する。
加速度センサ1の零点補正が完了し、かつ、運動機能評価装置2にて測定データの記録が開始されると、図6(2)に進み、タイムアップアンドゴー試験が行なわれる。測定者から被験者Mに対してスタートの合図を送ることにより、被験者Mに、図5に示した一連の動作を行なわせる。被験者Mが動作を開始すると、加速度センサ1(センサ部10)は、動作中の被験者Mの腰部に生じる上下加速度、左右加速度および前後加速度を測定する。
被験者Mが再び椅子に着座すると、図6(3)に進み、測定者から被験者Mに対して、椅子に座った状態で静止するように声掛けがなされる。運動機能評価装置2は、加速度センサ1の測定データに基づいて、被験者Mが静止状態であるか否かを判定する。被験者Mが静止状態であると判定されると、運動機能評価装置2は、記憶装置68への測定データの記録を終了する。
具体的には、運動機能評価装置2において、制御部64は、図6(1)で説明した前後加速度の標準偏差の時間波形を参照して、前後加速度の標準偏差と、第2の閾値として予め設定された基準標準偏差とを比較する。なお、本実施の形態では、第1の閾値と第2の閾値とを同一の値に設定するが、異なる値に設定してもよい。前後加速度の標準偏差が基準標準偏差(例えば、1[m/s])以下となる状態が所定時間(例えば、2秒間)継続している場合、制御部64は、被験者Mが静止状態であると判定する。被験者Mが静止状態であると判定されると、制御部64は、記憶装置68への測定データの記録を終了する。
図7は、図6に示す測定手順を実行することにより取得された測定データの一例を示す図である。図7には、加速度センサ1により測定された前後加速度の時間波形の一例が示される。図7に示す時間波形の始点は、運動機能評価装置2の記憶装置68が測定データの記録を開始した時点に対応し、時間波形の終点は、記憶装置68が測定データの記録を終了した時点に対応する。
図7に示すように、前後加速度の時間波形は、前後加速度が0[m/s]付近で安定する2つの区間と、この2つの区間に前後を挟まれるように、前後加速度が変動する区間とを有している。この前後加速度が変動する区間は、被験者Mがタイムアップアンドゴー試験における一連の動作(図5参照)を行なっている時間を反映している。一方、前後加速度が0[m/s]付近で安定する2つの区間は、一連の動作の前後において被験者Mが椅子に腰掛けた状態で静止している時間を反映している。
なお、図示は省略するが、左右加速度の時間波形および上下加速度の時間波形においても、前後加速度の時間波形と同様の傾向が現われる。
したがって、加速度センサ1で測定された加速度の時間波形を分析することにより、タイムアップアンドゴー試験における被験者Mの一連の動作の流れを特定することができる。これによると、以下に説明するように、被験者Mが椅子から立ち上がる離殿時刻、および被験者Mが椅子に着座する着座時刻を検出することができる。
次に、図8を用いて、加速度の時間波形を用いた離殿時刻および着座時刻の検出方法について説明する。本実施の形態では、前後加速度の時間波形を用いて、離殿時刻および着座時刻を検出する方法について説明する。なお、左右加速度または上下加速度の時間波形を用いても、同様の方法により、離殿時刻および着座時刻を検出することが可能である。
図8(A)には、加速度センサ1により測定された前後加速度の時間波形の一例が示される。図8(B)には、図8(A)の前後加速度の時間波形を基に生成された、前後加速度の標準偏差の時間波形が示される。この前後加速度の標準偏差の時間波形は、図6で説明したように、1回のサンプリングごとに時間窓をずらしながら前後加速度の標準偏差を算出することによって生成されたものである。
ここで、前後加速度の標準偏差の時間波形は、前後加速度のばらつきの大きさの時間変化を表わしている。被験者Mが椅子に腰掛けて静止している状態から立ち上がるとき、および、被験者Mが椅子に着座して静止する状態となるときには、被験者Mの姿勢が前後方向に大きく変化する。そのため、前後加速度の標準偏差においても大きな変化が現われる。そこで、運動機能評価装置2においては、前後加速度の標準偏差の時間波形に現われる顕著な変化を捉えることにより、離殿時刻および着座時刻を検出する。
具体的には、最初に、制御部64は、前後加速度の標準偏差の時間波形において、標準偏差の平均値mSDが基準標準偏差以下となる区間を選択する。図8(B)に示すように、制御部64は、所定の時間幅TRを設定し、この時間幅TRに含まれる複数の標準偏差の平均値mSDを算出する。例えば、サンプリング周期を5msとし、時間幅TRを1sとする場合、時間幅TRには約200点の標準偏差が含まれる。平均値mSDは、複数の標準偏差の合計値を標準偏差の総数で割ることにより算出することができる。
制御部64は、標準偏差の時間波形の始点から、時間幅TRを所定量ずつすらしながら、各時間幅TRについて標準偏差の平均値mSDを算出する。そして、制御部64は、算出した平均値mSDと基準標準偏差(例えば、1[m/s])とを比較し、平均値mSDが基準標準偏差以下となる区間を選択する。
次に、制御部64は、選択した区間における標準偏差の平均値mSDを用いて、標準偏差の顕著な変化を捉えるための閾値を設定する。具体的には、制御部64は、平均値mSDに係数k(k≧1)を乗算した値を閾値に設定する。すなわち、閾値は、平均値mSDまたは平均値mSDよりも大きい値に設定される。なお、係数kは、着座、静止後のふらつきによる誤動作を考慮して、好適な値に設定することができる。係数kは1≦k≦10であることが好ましい。係数kを1未満とした場合、ふらつきを起立動作と誤判定する虞がある。一方、係数kを10より大きくした場合、起立動作を検知漏れする虞がある。
制御部64は、前後加速度の標準偏差の時間波形において、標準偏差が最初に閾値を超えた時刻(図中の時刻T1に相当)を離殿時刻として検出する。また、制御部64は、標準偏差が最後に閾値を超えた時刻(図中の時刻T2に相当)を着座時刻として検出する。
被験者Mが椅子に腰掛けて静止している状態から立ち上がるときには、通常、最初に被験者Mの上半身が前傾し、立ち上がる過程で上半身が後方に戻るような動きがなされる。このとき、前後加速度は0[m/s]付近から大きく変化するため、前後加速度の標準偏差が閾値を超える最初のタイミングを、離殿時刻と定義することができる。
また、被験者Mが椅子に着座して静止するときには、通常、最初に被験者Mの上半身が後方に移動し、椅子の座面に被験者Mの臀部が着くと前方に戻った後、静止するような動きがなされる。このとき、前後加速度は、大きく変化した後に0[m/s]に収束するため、前後加速度の標準偏差が閾値を超える最後のタイミングを、着座時刻と定義することができる。
離殿時刻T1および着座時刻T2が検出されると、制御部64は、着座時刻T2から離殿時刻T1を減算することにより、被験者Mが椅子から立ち上がってから再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を算出する。
図9は、実施の形態に係る運動機能評価システム100により実行される運動機能評価を説明するためのフローチャートである。運動機能評価装置2は、運動機能評価プログラムを実行することにより、加速度センサ1と無線通信して図9に示す処理を実行する。図9に示すフローチャートの処理は、たとえば一定の周期で実行される。
図2〜図4および図9を参照して、加速度センサ1においては、ステップS01により、被験者Mの腰部に装着された状態で電源20が投入されて加速度センサ1が起動すると、ステップS02において、信号処理回路24は、センサ部10の出力信号に基づいて、被験者Mが静止状態であるか否かを判定する。具体的には、前後加速度、左右加速度および上下加速度の各々に有意な変化が見られない場合(例えば、各加速度の変動幅が閾値未満である場合)、信号処理回路24は、被験者Mが静止状態であると判定する。
被験者Mが静止状態であると判定されると(S02のYES判定時)、信号処理回路24は、ステップS03に進み、被験者Mが静止状態であるときのセンサ部10の測定値を、左右加速度、上下加速度および前後加速度の零点に補正する。零点補正が完了すると、ステップS04にて、センサ部10は、被験者Mの腰部に生じる前後加速度、左右加速度および上下加速度の測定を開始する。信号処理回路24は、センサ部10が出力する加速度信号を測定データに変換する。一方、被験者Mが静止状態でない場合(S02のNO判定時)、すなわち被験者Mが移動している場合、処理は終了する。
ステップS05において、信号処理回路24は、センサ部10の出力信号に基づいて、被験者Mが動作を開始したか否かを判定する。前後加速度、左右加速度および上下加速度の少なくとも1つに変化が見られる場合(例えば、少なくとも1つの加速度の変動幅が閾値より大きい場合)、信号処理回路24は、被験者Mが動作を開始したと判定する。
被験者Mが動作を開始すると(S05のYES判定時)、ステップS06において、センサ部10は、動作中の被験者Mの腰部に生じる上下加速度、左右加速度および前後加速度を測定する。信号処理回路24は、センサ部10が出力する加速度信号を測定データに変換する。一方、被験者Mが移動を開始していない場合(S05のNO判定時)、処理は終了する。
信号処理回路24は、ステップS07において、測定データの保存先として、運動機能評価装置2の記憶装置68および加速度センサ1の記憶部14のいずれが指定されているかを判定する。測定データの保存先が記憶装置68である場合、信号処理回路24は、ステップS08に進み、通信部16(無線信号送信部28)を介して、測定データを運動機能評価装置2へ送信する。
一方、測定データの保存先が記憶部14である場合、信号処理回路24は、ステップS09に進み、測定データを記憶部14に記憶する。
運動機能評価装置2においては、ステップS11において電源46が投入されて起動すると、ステップS12において、制御部64は、操作受付部50によって測定開始の指示を示す入力操作を受け付けたか否かを判定する。測定開始の指示を示す入力操作を受け付けると(S12のYES判定時)、ステップS13に進み、通信部40は、加速度センサ1の測定データを受信する。受信された測定データは制御部64に送られる。
ステップS14において、通信部40は、さらに、外部データを受信する。外部データには、被験者Mを識別する情報である被験者識別情報、およびデータ閾値リストが含まれる。被験者識別情報は、被験者Mの氏名、性別、年齢、身長、体重などの情報を含む。データ閾値リストは、運動機能の評価結果に応じて被験者Mに応じた運動アドバイスを判別するときに用いられる。
ステップS15において、制御部64は、加速度センサ1から送信される測定データおよび外部データを記憶装置68に記録する。ステップS15では、制御部64は、測定データに含まれる前後加速度の時間波形に基づいて、前後加速度の標準偏差の時間波形を生成する。前後加速度の標準偏差が基準標準偏差以下となる状態が一定時間継続している場合、制御部64は、被験者Mが静止状態であると判定して記憶装置68への測定データの記録を開始する。制御部64は、さらに、前後加速度の標準偏差に変動が現われた後、その変動が減少して、前後加速度の標準偏差が基準標準偏差以下となる状態が一定時間継続している場合、被験者Mが静止状態であると判定して記憶装置68への測定データの記録を終了する。
ステップS16において、制御部64は、記憶装置68に記録された測定データに基づいて、被験者Mの運動機能を評価する。ステップS16では、制御部64は、前後加速度およびその標準偏差の時間波形を用いて、被験者Mが椅子から立ち上がってから再び椅子に着座するまでの経過時間を算出する。
ステップS17において、制御部64は、経過時間の算出結果を表示部48に表示する。なお、ステップS16における評価結果は、表示部48を通じてユーザに報知されるとともに、被験者Mの測定データと関連付けて、運動機能評価装置2の記憶装置68に記憶される。
図10は、図9のステップS16に示す運動機能の評価の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図10に示すように、ステップS161において、制御部64は、前後加速度の時間波形から、前後加速度の標準偏差の時間波形を生成する。ステップS161では、制御部64は、前後加速度の時間波形を1回のサンプリングごとに時間窓をすらしながら標準偏差を算出することにより、標準偏差の時間波形を生成する。
ステップS162にて、制御部64は、ステップS161で生成した標準偏差の時間波形から、標準偏差の平均値mSDを算出する。制御部64は、標準偏差の時間波形の始点から、時間幅TRを所定量ずつずらしながら、各時間幅TRについて標準偏差の平均値mSDを算出する。
次に、ステップS163にて、制御部64は、標準偏差の時間波形のうち、標準偏差の平均値mSDが基準標準偏差以下となる区間を選択する。さらに、ステップS164にて、制御部64は、選択した区間における平均値mSDに係数k(k>1)を乗算した値を、閾値に設定する。
ステップS165においては、制御部64は、前後加速度の標準偏差の時間波形において、標準偏差が最初に閾値を超えた時刻を離殿時刻として検出する。また、ステップS166により、制御部64は、前後加速度の標準偏差の時間波形において、標準偏差が最後に閾値を超えた時刻を着座時刻として検出する。
最後に、ステップS167により、制御部64は、ステップS165およびS166で検出された離殿時刻および着座時刻を用いて、被験者Mが椅子から立ち上がってから再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を算出する。
以上説明したように、本実施の形態に係る運動機能評価システム100によれば、運動機能評価装置2は、被験者Mの体に装着された慣性センサ(例えば、加速度センサ1)の測定データに基づいて、タイムアップアンドゴー試験において被験者Mが椅子から立ち上がってから再び椅子に着座するまでにかかった経過時間を自動的に計測することができる。これによると、測定者がストップウォッチを用いて、目視で経過時間を計測する従来の運動機能評価と比較して、計測値の精度を高めるとともに、計測値のばらつきを低減することができる。
図11は、被験者がタイムアップアンドゴー試験を行なっている様子を録画した画像データを解析することにより検出された離殿時刻に対する、本実施の形態に係る運動機能評価装置2により検出された離殿時刻のずれを示したグラフである。
図11のグラフは、約100人の被験者を対象として、被験者ごとに、画像データを分析して検出された離殿時刻に対する、運動機能評価装置2により検出された離殿時刻のずれを算出し、離殿時刻のずれの大きさごとにその発生割合を算出したものである。図11のグラフの横軸は離殿時刻のずれの大きさを示し、図11の縦軸は全被験者における、各ずれが生じた被験者の数の割合を示す。
図11のグラフによれば、離殿時刻のずれの大きさが0秒のときに最も発生割合が高い。これによると、運動機能評価装置2により検出される離殿時刻が高い精度を有していることが分かる。また、離殿時刻のずれの大きさが0秒および0.1秒で全体の90%の発生割合を占めていることから、運動機能評価装置2により検出される離殿時刻はばらつきが小さいことが分かる。すなわち、運動機能評価装置2によれば、離殿時刻を高精度かつ安定的に検出することができる。
なお、図11と同様の検証を、従来の目視による運動機能評価により検出された離殿時刻についても行なった場合、画像データから検出された離殿時刻に対する、目視で検出された離殿時刻のずれの大きさは、0秒から1.0秒までの広い範囲でばらついていることが確認された。
このように、本実施の形態に係る運動機能評価システムおよび運動機能評価方法は、従来の運動機能評価と比較して、計測値のずれおよびばらつきを低減することができるため、タイムアップアンドゴー試験における計測値の精度を確保することができる。この結果、運動機能評価の信頼性を向上させることができる。
<その他の評価>
上述した実施の形態においては、タイムアップアンドゴー試験において、被験者Mが椅子から立ち上がってから再び椅子に着座するまでの経過時間を自動的に計測する方法について説明したが、加速度センサ1の測定データを用いることで、さらに多くの項目を定量的に評価することができる。
例えば、図12(B)に示すように、被験者Mの一連の動作を、椅子からの「立ち上がり」、椅子から目印までの歩行である「往路歩行」、目印を回って方向転換する「転回」、目印から椅子までの歩行である「復路歩行」および、椅子に着座するための「座り」の5つの動作に分解することができる。そして、各動作に対応する前後加速度、上下加速度および左右加速度の時間波形を個別に分析することにより、被験者Mの運動機能をより細かく評価することができる。
具体的には、運動機能評価装置2において、制御部64は、図12(A)に示した前後加速度の標準偏差の時間波形を用いて、離殿時刻から着座時刻までの経過時間における前後加速度の時間波形を、上記5つの動作にそれぞれ対応する5つの区間に分解することができる。
より具体的には、制御部64は、前後加速度の標準偏差の時間波形において、所定値SD0以上の大きさを有するピーク値が現われるタイミングを検出する。図12(B)に示すように、離殿時刻から着座時刻までの標準偏差の時間波形には、ピーク値が規則的に現われる時間と、ピーク値がほとんど現われない時間とが存在する。このうちピーク値が規則的に現われる時間は、被験者Mが歩行している時間に対応すると判断できる。
これによると、離殿時刻以降、最初にピーク値が規則的に現われる時間は、往路歩行に対応すると判断でき、次にピーク値が規則的に現われる時間は、復路歩行に対応すると判断できる。さらに、離殿時刻から往路歩行までの時間は、立ち上がりに対応すると判断でき、往路歩行から復路歩行までの時間は、転回に対応すると判断でき、復路歩行から着座時刻までの時間は、座りに対応すると判断できる。
このように、各動作が行なわれた時間が分かることにより、前後加速度、左右加速度および上下加速度の各々の時間波形を、各動作に対応した区間に分割することができる。そして、分割された区間の加速度の時間波形を分析することにより、その区間で求められる動作能力について定量的に評価することができる。
例えば、往路歩行および復路歩行に対応する加速度の時間波形に基づいて、被験者Mの歩行中の身体の揺れを示す「動揺」を評価することができる。具体的には、運動機能評価装置2において、制御部64は、往路歩行に対応する前後加速度、左右加速度および上下加速度の各々の二乗の和の平方根を算出することにより、往路歩行における動揺を示す指標を算出することができる。同様に、制御部64は、復路歩行に対応する前後加速度、左右加速度および上下加速度の各々の二乗の和の平方根を算出することにより、復路歩行における動揺を示す指標を算出することができる。
また、往路歩行および復路歩行に対応する加速度の時間波形に基づいて、被験者Mの歩行中の「安定性」を評価することができる。具体的には、運動機能評価装置2において、制御部64は、往路歩行に対応する前後加速度、左右加速度および上下加速度の各々の自己相関関数を算出し、各自己相関関数において原点(遅れ時間τ=0)を起点として周期的に現われるピークのうち第1番目のピークの値に基づいて、前後方向、左右方向および上下方向の安定性を示す指標を算出することができる。
また、制御部64は、立ち上がり、往路方向、転回、復路方向、および座りの各々の動作に要した時間を示す指標を算出することができる。
制御部64は、算出した各指標を、理想値を満点としてスコア化することで、各指標が表す動作能力を定量的に評価することができる。これにより、ユーザは、被験者Mが、複合的な動作能力のうちのどの動作能力が劣っているのかを把握することができる。
<運動機能評価システムの構成例>
上述した実施の形態に係る運動機能評価システム100は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、上述した運動機能評価処理を実行するためのプログラム(運動機能評価プログラム)をコンピュータ読取可能な記録媒体に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールして、運動機能評価処理を実行することによって運動機能評価システム100を構成してもよい。または、インターネット等のネットワーク上のサーバ装置に該プログラムを格納しておき、コンピュータにダウンロードできるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 加速度センサ、2 運動機能評価装置、3 記憶媒体、4 通信装置、6 ネットワーク、8,90 サーバ、10 センサ部、12,42 CPU、14,22 記憶部、16,40 通信部、18,44 回路基板、20,46 電源、24 信号処理回路、26,60 無線信号受信部、28,62 無線信号送信部、30 ファイル出力部、48 表示部、50 操作受付部、64 制御部、68 記憶装置、70 評価部、72 判別部、100 運動機能評価システム、M 被験者。

Claims (6)

  1. 被験者の運動機能を評価する運動機能評価装置であって、
    前記運動機能評価装置は、前記被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び前記椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成され、
    前記被験者の体に装着された慣性センサの測定データを取得するように構成された通信部と、
    前記通信部にて取得された前記測定データに基づいて、前記被験者が前記椅子から立ち上がる離殿時刻、および、前記被験者が前記椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された前記離殿時刻および前記着座時刻を用いて前記経過時間を算出するように構成された制御部と、
    前記被験者が前記椅子に腰掛けて静止している状態から前記被験者が再び前記椅子に着座して静止状態になるまでの前記測定データを記録するように構成された記憶装置とを備え、
    前記制御部は、
    前記記憶装置に記録された前記測定データの時間波形から、前記測定データの標準偏差の時間波形を生成し、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最初に第1の閾値を超えた時刻を前記離殿時刻として検出し、かつ、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最後に第2の閾値を超えた時刻を前記着座時刻として検出し、
    前記制御部は、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差の平均値が基準標準偏差以下となる区間を選択し、
    前記第1の閾値および前記第2の閾値を、選択した前記区間における前記標準偏差の平均値または前記平均値に1より大きく10以下である係数を掛けた値に設定する、運動機能評価装置。
  2. 前記測定データは、前後加速度のデータである、請求項1に記載の運動機能評価装置。
  3. 前記制御部は、前記経過時間における前記測定データを、立上り、往路歩行、転回、復路歩行および着座の動作にそれぞれ対応する複数の区間に分割する、請求項1または請求項2に記載の運動機能評価装置。
  4. 被験者の体幹正中に装着された慣性センサと、
    前記慣性センサの測定データに基づいて、前記被験者の運動機能を評価するように構成された運動機能評価装置とを備え、
    前記運動機能評価装置は、前記被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び前記椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成され、
    前記運動機能評価装置は、
    前記慣性センサの測定データを取得するように構成された通信部と、
    前記通信部にて取得された前記測定データに基づいて、前記被験者が前記椅子から立ち上がる離殿時刻、および、前記被験者が前記椅子に着座する着座時刻を検出し、検出された前記離殿時刻および前記着座時刻を用いて前記経過時間を算出するように構成された制御部と
    前記被験者が前記椅子に腰掛けて静止している状態から前記被験者が再び前記椅子に着座して静止状態になるまでの前記測定データを記録するように構成された記憶装置とを含み、
    前記制御部は、
    前記記憶装置に記録された前記測定データの時間波形から、前記測定データの標準偏差の時間波形を生成し、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最初に第1の閾値を超えた時刻を前記離殿時刻として検出し、かつ、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最後に第2の閾値を超えた時刻を前記着座時刻として検出し、
    前記制御部は、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差の平均値が基準標準偏差以下となる区間を選択し、
    前記第1の閾値および前記第2の閾値を、選択した前記区間における前記標準偏差の平均値または前記平均値に1より大きく10以下である係数を掛けた値に設定する、運動機能評価システム。
  5. コンピュータに、被験者の運動機能を評価する処理を実行させるためのプログラムであって、
    前記被験者の運動機能を評価する処理は、前記被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び前記椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を含み、
    前記被験者の体幹正中に装着された慣性センサの測定データを取得するステップと、
    取得された前記測定データに基づいて、前記被験者が前記椅子から立ち上がる離殿時刻、および、前記被験者が前記椅子に着座する着座時刻を検出するステップと、
    検出された前記離殿時刻および前記着座時刻を用いて前記経過時間を算出するステップと、
    前記被験者が前記椅子に腰掛けて静止している状態から前記被験者が再び前記椅子に着座して静止状態になるまでの前記測定データを記憶装置に記録するステップとを前記コンピュータに実行させ、
    前記検出するステップは、
    前記記憶装置に記録された前記測定データの時間波形から、前記測定データの標準偏差の時間波形を生成し、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最初に第1の閾値を超えた時刻を前記離殿時刻として検出し、かつ、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最後に第2の閾値を超えた時刻を前記着座時刻として検出するステップを含み、
    前記検出するステップは、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差の平均値が基準標準偏差以下となる区間を選択し、
    前記第1の閾値および前記第2の閾値を、選択した前記区間における前記標準偏差の平均値または前記平均値に1より大きく10以下である係数を掛けた値に設定するステップをさらに含む、運動機能評価プログラム。
  6. 被験者の運動機能を評価する運動機能評価方法であって、
    前記運動機能評価方法は、前記被験者が、椅子から立ち上がり、一定距離先の目印を回って、再び前記椅子に着座するまでにかかった経過時間を測定するタイムアップアンドゴー試験を行なうように構成され、
    前記被験者の体に装着された慣性センサの測定データを取得するステップと、
    取得された前記測定データに基づいて、前記被験者が前記椅子から立ち上がる離殿時刻、および、前記被験者が前記椅子に着座する着座時刻を検出するステップと、
    検出された前記離殿時刻および前記着座時刻を用いて前記経過時間を算出するステップと、
    前記被験者が前記椅子に腰掛けて静止している状態から前記被験者が再び前記椅子に着座して静止状態になるまでの前記測定データを記憶装置に記録するステップとを備え、
    前記検出するステップは、
    前記記憶装置に記録された前記測定データの時間波形から、前記測定データの標準偏差の時間波形を生成し、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最初に第1の閾値を超えた時刻を前記離殿時刻として検出し、かつ、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差が最後に第2の閾値を超えた時刻を前記着座時刻として検出するステップを含み、
    前記検出するステップは、
    前記標準偏差の時間波形において、前記標準偏差の平均値が基準標準偏差以下となる区間を選択し、
    前記第1の閾値および前記第2の閾値を、選択した前記区間における前記標準偏差の平均値または前記平均値に1より大きく10以下である係数を掛けた値に設定するステップをさらに含む、運動機能評価方法。
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