JP6642254B2 - 水加温システム - Google Patents
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Description
そのため、従来の純水加温装置や純粋蒸気発生装置のような加熱源としてハロゲンヒータを利用する加温水システムにおいて、ハロゲンヒータを加熱源として利用しつつ、ハロゲンヒータ以外の加熱源も利用できることが望まれる。
或いは、前記加温容器への精製水の供給流量を調節する空気作動弁と、前記空気作動弁の駆動用流体としての圧縮空気を生成する空気圧縮機と、を更に備え、前記空気圧縮機により生成される圧縮空気の一部を前記燃料電池ユニットのカソードガスとして利用することが好ましい。
以下、本発明に係る水加温システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る水加温システム1の全体概略図である。図2は、水加温システム1における水処理ユニット2の詳細図である。本発明は、水処理ユニット2で得られる精製水W2(純水)を加温して、加温水W3又は蒸気SMを製造する水加温システム1である。なお、図1では、水処理ユニット2の構成について一部のみ示している。
詳細には、図1に示すように、第1実施形態の水加温システム1は、水処理ユニット2と、燃料電池ユニット4と、燃料電池ユニット4から排出されるオフガスG4が流通するオフガスラインL71と、水処理ユニット2で製造された精製水W2を加温して加温水W3又は蒸気SMを得る水加温ユニット5(純水加温装置5A及び純粋蒸気発生装置5B)と、水加温システム1の全体を制御するシステム制御部15と、を備える。
「加温水W3」とは、水加温ユニット5(純水加温装置5A)で加温された状態の精製水W2(脱塩水)をいう。「精製水W2」とは、水加温ユニット5(純水加温装置5A)での加温の有無に関わらず、広く精製水W2を指す。本実施形態では、供給水ラインL1を流通する供給水W1を熱交換器72で予熱するので、水加温ユニット5(純水加温装置5A)で加温されるか否かに関わらず、精製水W2の温度が常温よりも高くなっている。そのため、「精製水」は、常温水に限定されない。
水処理ユニット2の詳細について説明する。図1に示すように、水処理ユニット2は、供給水W1(例えば、水道水等の原水)から、改質水W4として利用される精製水W2(脱塩水;純水)及び水加温ユニット5で加熱される対象である精製水W2を製造する純水製造装置である。
熱交換器72は、供給水ラインL1を流通する供給水W1と、水加温ユニット5(純水加温装置5A及び純粋蒸気発生装置5B)を通過した後のオフガスG4との間で熱交換を行うことにより供給水W1を予熱する(詳細については後述)。熱交換器72は、水加温ユニット5(純水加温装置5A及び純粋蒸気発生装置5B)を通過した後のオフガスG4の余熱を、供給水ラインL1を流通する供給水W1に伝達させる。熱交換器72を通過した後のオフガスG4は、系外に排出される。熱交換器72で加温された供給水W1は、水処理ユニット2に導入される。
プレフィルタ28は、RO膜モジュール22へ供給される前の供給水W1に対して、簡易な濾過処理を行う。
また、水処理ユニット2は、燃料電池ユニット4で発電された電力E1をEDIスタック23の駆動電力として利用する。そのため、水処理ユニット2は、燃料電池ユニット4からの電力E1を内蔵された受電盤を介して直流電源装置24に供給する。直流電源装置24は、供給された電力E1(交流電力)を直流変換し、その電力を使ってEDIスタック23を駆動する。
図1に示すように、燃料電池ユニット4は、燃料電池41と、改質器42と、ブロワ43と、電池制御部45と、燃料供給ラインL41と、第1空気供給ラインL42と、改質ガス供給ラインL43と、改質水供給ラインL5と、オフガスラインL71と、を備える。
水加温ユニット5について、図面を参照して説明する。図3は、第1の水加温ユニットである純水加温装置5Aの構成を示す概略図である。図4(a)は、純水加温装置5Aの加温容器51の断面図である。図4(b)は、第2の水加温ユニットである純粋蒸気発生装置5Bの加温容器55の断面図である。なお、図4は、前述の背景技術の説明で利用したが、第1実施形態の説明でも共用して利用する。また、図3は、主として、第1の水加温ユニット5Aである純水加温装置を示すが、第2の水加温ユニット5Bである純粋蒸気発生装置の後述の説明にも援用する。図3において、[]で囲む部分は、第2の水加温ユニット5Bに関係する構成を示している。
第1の水加温ユニット5Aは、加温容器51に貯留された精製水W2(純水)を加熱源により所定の温度(例えば、80℃)まで加温する設備であり、「純水加温装置」とも呼称される。本実施形態においては、加熱源は、少なくとも、電気駆動ヒータ及びオフガスであり、電気駆動ヒータとしてハロゲンヒータ53を使用している。
加温部50Aは、複数の加温容器51を有する。加温容器51それぞれの内部には、精製水W2が貯留される。第1の水加温ユニット5Aは、加温容器51に貯留される水を加熱源により加温する。本実施形態においては、図3に示すように、内部加温水ラインL51には、3つの加温容器51A,51B,51Cが直列に3段で設けられている。加温容器51は、内部加温水ラインL51における上流側から下流側に向けて、第1加温容器51A、第2加温容器51B、第3加温容器51Cの順に配置されている。なお、以下の説明において、第1加温容器51A、第2加温容器51B、第3加温容器51Cを特に区別する必要がない場合には、単に、「加温容器51」と記載する。
これにより、第1の水加温ユニット5Aは、第1内部加温水ラインL51aを流通する精製水W2が、前段の第1加温容器51Aから、中段の第2加温容器51Bを通り、後段の第3加温容器51Cに向けて順に流通するように構成される。
これにより、第1の水加温ユニット5Aは、複数の加温容器51の貫通管52に対し、後段の第3加温容器51Cから、中段の第2加温容器51Bを通り、前段の第1加温容器51Aに向けて順にオフガスG4が流通するように構成される。
具体的には、加温制御部510により電磁弁V52が開放されると、空気作動弁V51のアクチュエータ部に圧縮空気A2が送られ、主弁の開口面積が縮小される。その結果、第1内部加温水ラインL51aを流通する精製水W2の流量が減少する。一方、加温制御部510により電磁弁V52が閉鎖されると、空気作動弁V51のアクチュエータ部に圧縮空気A2が送られなくなり、主弁の開口面積が拡大される。その結果、第1内部加温水ラインL51aを流通する精製水W2の流量が増加する。空気作動弁V51の設定流量は、主弁に連結された調整ロッド(不図示)などにより手動で調整される。
ハロゲンヒータ53が配置されていない2本の第2貫通管52bには、内部ガスラインL52(オフガスライン)が接続されている。第2貫通管52bに高温のオフガスG4を連続的に供給することにより、オフガスG4から精製水W2に熱伝達される。加温容器51内の精製水W2は、オフガスG4からの熱エネルギーを吸収し、その温度が上昇する。本実施形態においては、第2貫通管52bの1本当たりにおけるオフガスG4の熱量は、例えば、4kW程度である。
第1の水加温ユニット5Aにおいては、図3に示すように、3段で直列に設けられた3つの加温容器51に、前段の加温容器51から後段の加温容器51に向けて順に精製水W2(純水)が流通する。これにより、第1の水加温ユニット5Aの各加温容器51においては、加温容器51の内部に精製水W2が導入される。第1の水加温ユニット5Aは、加温容器51の内部に所定量の精製水W2が貯留された状態で使用される。
第2の水加温ユニット5Bの構成について、図3を援用すると共に、図4(b)を参照して説明する。図4(b)は、第2の水加温ユニット5Bの加温容器55の断面図である。なお、図3は、第1の水加温ユニット5Aを示しているが、加温部50Aの外側の構成は、第2の水加温ユニット5Bと同様であるため、第2の水加温ユニット5Bの説明に、図3を援用して用いる。図4(b)は、前述の背景技術の説明で利用したが、第2の水加温ユニット5Bの説明でも共用して利用する。
つまり、燃料電池ユニット4の燃料電池41で発電された電力E1を第2の水加温ユニット5Bのハロゲンヒータの駆動電力源として活用できると共に、燃料電池41からのオフガスG4を第2の水加温ユニット5Bの加熱源として活用できる。そのため、ハロゲンヒータを蒸気発生用の第2の水加温ユニット5Bの加熱源として利用しつつ、ハロゲンヒータ以外の加熱源も第2の水加温ユニット5Bの加熱源として利用できる。その結果、ハロゲンヒータの消費電力が大きい場合には、蒸気SMの単価をより低価格にすることができる。また、ハロゲンヒータが断線しても、需要箇所(ユースポイント69B)で必要とする量の蒸気SMを確保することができる。
システム制御部15は、水加温システム1の全体を制御する。システム制御部15は、水処理ユニット2の水処理制御部25及び燃料電池ユニット4の電池制御部45と電気的に接続されている。以下、システム制御部15による制御状態について詳細に説明する。
固体酸化物形燃料電池に限らず各種の燃料電池は、起動・停止を繰り返すとセルスタックの劣化が起こり、発電能力が低下することが知られている。そのため、システム制御部15は、燃料電池ユニット4を停止させることなく連続的に発電させるように、電池制御部45に対して運転指令信号を送信する。一方、システム制御部15は、燃料電池ユニット4で発電された電力E1を水処理ユニット2で連続的に消費させるように、水処理制御部25に対して運転指令信号を送信する。運転指令信号の受信中、水処理制御部25は、燃料電池ユニット4で発電された電力E1を利用して、加圧ポンプ26及びEDIスタック23を駆動する。これにより、燃料電池ユニット4からの電力供給と水処理ユニット2での電力消費とが同時に行われながら、精製水W2が連続的に製造される。
水位センサ66の検出水位値が上限設定水位値(給水停止水位H)を上回っている場合(精製水タンク65の満水時)、システム制御部15は、三方弁V61を切り換えて、流通先として返送ラインL64を選択する。これにより、供給水ラインL1、透過水ラインL21、脱塩水ラインL24、及び返送ラインL64からなる水循環ラインが形成される。
水位センサ66の検出水位値が下限設定水位値(給水開始水位L)を下回っている場合、システム制御部15は、三方弁V61を切り換えて、流通先として精製水ラインL62を選択する。これにより、供給水ラインL1、透過水ラインL21、脱塩水ラインL24、及び精製水ラインL62からなる水供給ラインが形成される。
第1精製水往路L651Aに設けられる第1の水加温ユニット5Aでは、精製水W2とオフガスG4との熱交換やハロゲンヒータ53からの発熱により、精製水W2が加温され、加温水W3(高温純水)が生成される。この加温水W3は、ユースポイント69Aへ送られる。なお、加温水W3は、水加温ユニット5の空気作動弁V51で精製水W2の流量を調節することにより、ユースポイント69Aでの要求水量に調節される。
第2精製水往路L651Bに設けられる第2の水加温ユニット5Bでは、精製水W2とオフガスG4との熱交換やハロゲンヒータ53からの発熱により、純粋蒸気SMが発生する。この純粋蒸気SMは、ユースポイント69Bへ送られる。
第3精製水往路L651Cに流入した精製水W2は、加熱されずにユースポイント69Cへ送られる。なお、精製水W2は、第3精製水往路L651Cに設けた流量調整弁等により、ユースポイント69Cでの要求水量に調節される。
上述した(2),(3)のモードにおいて、システム制御部15は、二方弁V25を開放して、改質水供給ラインL5に改質水W4(透過水)を連続的に流通させる。これにより、改質器42では燃料電池41の発電に必要な改質ガスG3が連続的に生成される。
本実施形態に係る水加温システム1は、水加温ユニット5(純水加温装置5A及び純粋蒸気発生装置5B)と、燃料電池ユニット4と、を備え、水加温ユニット5は、内部に水が貯留される加温容器51と、加温容器51を貫通し、管内に電気駆動ヒータ53が配置される一以上の第1貫通管(52a,57b)と、加温容器51を貫通し、管内に燃料電池ユニット4から排出されるオフガスG4が流通される一以上の第2貫通管(52b,57b)と、を有する。
次に、本発明の第2実施形態に係る水加温システム1Aの構成について、図5を参照して説明する。図5は、第2実施形態に係る水加温システム1Aの一部を示す構成図である。
図5に示すように、第2実施形態に係る水加温システム1Aは、第1実施形態と比べて、空気圧縮機71を備えていない点、及び、第1空気供給ラインL42において燃料電池ユニット4のブロワ43と燃料電池41との間の接続部J41から第1分岐空気供給ラインL421が分岐される点において、第1実施形態の水加温システム1と主に異なる。
このように、第2実施形態においては、燃料電池ユニット4のブロワ43からの空気A1の一部を、第1空気供給ラインL42を介して燃料電池41に供給すると共に、第1分岐空気供給ラインL421を介して水加温ユニット5の空気作動弁V51の駆動に使用する。
次に、本発明の第3実施形態に係る水加温システム1Bの構成について、図6を参照して説明する。図6は、第3実施形態に係る水加温システム1Bの一部を示す構成図である。
図6に示すように、第3実施形態に係る水加温システム1Bは、第1実施形態と比べて、燃料電池ユニット4がブロワ43を備えていない点、及び、第2空気供給ラインL81において空気圧縮機71と水加温ユニット5との間の接続部J81から第2分岐空気供給ラインL82が分岐される点において、第1実施形態に係る水加温システム1と主に異なる。
このようにして、第3実施形態においては、空気圧縮機71からの圧縮空気を、第2空気供給ラインL81を介して水加温ユニット5に供給すると共に、第2分岐空気供給ラインL82を介して燃料電池ユニット4に供給する。
例えば、第1の水加温ユニット5Aでは、加温容器51を3段で直列に設ける構成としたが、これに制限されない。加温容器51を1段の単一の構成としてもよいし、2段又は4段以上で直列に設ける構成としてもよい。
2 水処理ユニット
4 燃料電池ユニット
5 水加温ユニット
5A 第1の水加温ユニット(純水加温装置)
5B 第2の水加温ユニット(純粋蒸気発生装置)
21 水精製部
26 加圧ポンプ(ポンプ)
41 燃料電池
42 改質器
51,55 加温容器
53,58 ハロゲンヒータ(電気駆動ヒータ)
52,57 貫通管
52a,57b 第1貫通管
52b,57b 第2貫通管
71 空気圧縮機
A1 空気(カソードガス)
A2 圧縮空気
E1 電力
G1 原燃料ガス(燃料)
G3 改質ガス
G4 オフガス
L5 改質水供給ライン
L43 改質ガス供給ライン
L51a 第1内部加温水ライン(精製水ライン)
L71 オフガスライン
V51 空気作動弁
W1 供給水
W2 精製水
W4 改質水
Claims (5)
- 水加温ユニットと、
燃料電池ユニットと、を備え、
前記水加温ユニットは、内部に水が貯留される加温容器と、前記加温容器を貫通し、管内に電気駆動ヒータが配置される一以上の第1貫通管と、前記加温容器を貫通し、管内に前記燃料電池ユニットから排出されるオフガスが流通される一以上の第2貫通管と、を有する、
水加温システム。 - 水処理ユニットを更に備え、
前記水処理ユニットは、供給水から精製水を得る水精製部と、供給水を吸入して前記水精製部に向けて吐出するポンプと、を有し、前記燃料電池ユニットで発電した電力を前記ポンプの駆動電力として利用し、
前記燃料電池ユニットは、燃料電池と、触媒上で燃料と改質水とを反応させて、前記燃料電池に供給される改質ガスを生成する改質器と、を有し、前記水処理ユニットで製造された精製水の一部を改質水として利用し、
前記水加温ユニットは、前記水処理ユニットで製造された精製水の残部を前記加温容器に貯留すると共に、前記燃料電池ユニットで発電された電力を前記電気駆動ヒータの駆動電力として利用する、
請求項1に記載の水加温システム。 - 前記加温容器への精製水の供給流量を調節する空気作動弁と、
前記燃料電池ユニットにアノードガスとしての空気を供給するブロワと、更に備え、
前記ブロワにより送気される空気の一部を前記空気作動弁の駆動用流体として利用する、
請求項1又は2に記載の水加温システム。 - 前記加温容器への精製水の供給流量を調節する空気作動弁と、
前記空気作動弁の駆動用流体としての圧縮空気を生成する空気圧縮機と、を更に備え、
前記空気圧縮機により生成される圧縮空気の一部を前記燃料電池ユニットのカソードガスとして利用する、
請求項1又は2に記載の水加温システム。 - 前記水加温ユニットは、複数段の前記加温容器を有し、
前段から後段に向けて順に水が流通するように、各段の前記加温容器どうしが連通されると共に、後段から前段に向けて順にオフガスが流通するように、各段の前記第2貫通管どうしが連通されている、
請求項2〜4のいずれか1項に記載の水加温システム。
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