以下、本発明を実施するための形態を、図1〜21を用いて説明する。まず、実施例に係る乗物用シート1に適用されているマッサージシステム10を説明する。このマッサージシステム10は、シートクッション2とシートバック3とを有する乗物用シート1に適用されており、主として、バルブユニット20と、このバルブユニット20と連通するポンプ80と、このバルブユニット20と連通する6個のマッサージ袋90とから構成されている(図1〜2参照)。
このポンプ80は、配管82を介してバルブユニット20と連通している。また、このマッサージ袋90は、シートクッション2の内部に設けられる第1のマッサージ袋90a、第2のマッサージ袋90b、第3のマッサージ袋90cと、シートバック3の内部に設けられる第4のマッサージ袋90d、第5のマッサージ袋90e、第6のマッサージ袋90fとから構成されている。これら各マッサージ袋90a、・・・、90fは、各配管H1、・・・H6を介してそれぞれバルブユニット20と連通している。
ここで、図3〜7を参照して、このバルブユニット20について詳述すると、このバルブユニット20は、開口22aの反対側に底面22bが形成された中空の円柱状の筐体22と、この筐体22の開口22aを塞ぐ蓋カバー30と、この筐体22の内部に配置されるフィルム弁体40と、このフィルム弁体40を作動させる切替手段50と、から構成されている(図3〜5参照)。以下に、これら筐体22と、蓋カバー30と、フィルム弁体40と、切替手段50とを個別に説明していく。
まず、筐体22から説明する。筐体22の外周面には、入口24が形成されている。この入口24は、既に説明したポンプ80の配管82に対して連通している。また、筐体22の底面22bの外周側には、周方向に沿って均等の間隔を成すように6個の排出口26(第1の排出口26a、・・・、第6の排出口26f)が形成されている。これら6個の排出口26(第1の排出口26a、・・・、第6の排出口26f)は、既に説明した6個のマッサージ袋90(第1のマッサージ袋90a、・・・、第6のマッサージ袋90f)に対してそれぞれ連通している。
また、筐体22の底面22bには、筐体22の内部に配置するフィルム弁体40の3個の切欠40aに対応する3個の突部22cが形成されている。また、筐体22の開口22aの縁には、蓋カバー30を取り付けるためのビス孔22dを有する3個のフランジ22eが形成されている。また、筐体22の底面22bの内周側には、周方向に沿って均等の間隔を成すように2個の出口28(第1の出口28a、第2の出口28b)が形成されている。この2個の出口28(第1の出口28a、第2の出口28b)は、筐体22の外部に対して連通している。このように形成されている筐体22は、シートクッション2のフレーム(図示しない)に組み付けられている。
次に、蓋カバー30を説明する。蓋カバー30の内側は円状に切り欠かれ、この切り欠かれた部位は円形のダイアフラム(圧力の作用に応じ、変位を生じる膜)32によって塞がれている。このダイアフラム32の円形の中心には、後述する外ラッチ52の支持軸52aを挿し込み可能な挿込孔32aが形成されている。また、蓋カバー30の縁には、ビス孔34aを有する3個のフランジ34が形成されている。
また、蓋カバー30の下面(内面)の外周側には、3本の位置決めピン36が周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。また、蓋カバー30の下面の内周側には、3本の位置決めピン38が周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。このように形成されている蓋カバー30は、3個のフランジ34の各ビス孔34aに挿し込まれた3本のビスBを筐体22の3個のフランジ22eの各ビス孔22dに螺合させて筐体22に組み付けられている。
次に、フィルム弁体40を説明する。フィルム弁体40は、シート状の円形のフィルムから構成されている。このフィルム弁体40の外側には周方向に沿って均等の間隔を成すように6個の外側弁42(第1の外側弁42a、・・・、第6の外側弁42f)が形成されている(図5参照)。この外側弁42は、フィルム弁体40を略U字に切り欠いた切欠片44から形成されている(図6参照)。このとき、切欠片44には、その先端側が折り返されて固着された折返部44aが形成されている。この折返部44aにより、錘が形成されることとなる。
そのため、切欠片44の捲り状態(外側弁42の開状態)を解消させると、この折返部44aの自重により切欠片44を捲り前の状態(外側弁42の閉状態)に戻すことができる。これと同様に、フィルム弁体40の内側には周方向に沿って均等の間隔を成すように2個の内側弁46(第1の内側弁46a、第2の内側弁46b)が形成されている(図5参照)。この内側弁46も、外側弁42と同様に、フィルム弁体40を略U字に切り欠いた切欠片から形成されている。このとき、切欠片には、外側弁42の切欠片44と同様に、その先端側から折り返した折返部が形成されている。この折返部により、錘が形成されることとなる。
そのため、切欠片の捲り状態(内側弁46の開状態)を解消させると、この折返部の自重により切欠片を捲り前の状態(内側弁46の閉状態)に戻すことができる。このフィルム弁体40の縁には、筐体22に形成されている3個の突起22cに対応する(嵌め合い状態となる)3個の凹み40aが形成されている。このように形成されているフィルム弁体40は、その3個の凹み40aが筐体22の3個の突起22cに対応するように筐体22の底面22bに載せられている。
なお、このフィルム弁体40の第1の外側弁42aは、筐体22の第1の排出口26aを開閉可能となっている。また、このフィルム弁体40の第2の外側弁42bは、筐体22の第2の排出口26bを開閉可能となっている。また、このフィルム弁体40の第3の外側弁42cは、筐体22の第3の排出口26cを開閉可能となっている。また、このフィルム弁体40の第4の外側弁42dは、筐体22の第4の排出口26dを開閉可能となっている。
また、このフィルム弁体40の第5の外側弁42eは、筐体22の第5の排出口26eを開閉可能となっている。また、このフィルム弁体40の第6の外側弁42fは、筐体22の第6の排出口26fを開閉可能となっている。これと同様に、このフィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとは、筐体22の第1の出口28aと第2の出口28bとを開閉可能となっている。
最後に、切替手段50を説明する。切替手段50は、外ラッチ52と、内ラッチ60と、リボルバー70とから構成されている。外ラッチ52は、筐体22の内部を昇降可能(軸方向にスライド可能)な略円形のプレートから構成されている。この外ラッチ52の円形の中心には、支持軸52aが形成されている。この支持軸52aの先端には、後述するナットNに螺合可能なねじ山が形成されている。
また、外ラッチ52の上面(外面)には、3本の位置決めピン52bが周方向に沿って均等の間隔を成すように等間隔で形成されている。また、外ラッチ52には、3個の圧縮ばねS2をそれぞれ挿し込み可能な3個の挿込孔52cが周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。また、外ラッチ52の下面(内面)の外周側には、6個の噛合歯54が周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。また、外ラッチ52の下面の内周側には、後述する内ラッチ60を嵌め合い可能な凹み56が形成されている。
このように形成されている外ラッチ52は、その支持軸52aが蓋カバー30のダイアフラム32の挿込孔32aに挿し込まれた状態でナットNを介してダイアフラム32に固着されている。このとき、蓋カバー30の3本の位置決めピン36と外ラッチ52の3本の位置決めピン52bとには、3個の圧縮ばねS1がそれぞれ挿し込まれている。これにより、蓋カバー30に対して外ラッチ52が近づくようにスライド(上昇)すると、スライドした外ラッチ52が蓋カバー30から遠ざかるように付勢力が作用する。
内ラッチ60は、上述した外ラッチ52の凹み56を昇降可能(軸方向にスライド可能)な略円形のプレートから構成されている。また、内ラッチ60の上面(外面)には、3本の位置決めピン60aが周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。また、内ラッチ60の下面(内面)の外周側には、6個の噛合歯62が周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。
このように形成されている内ラッチ60は、その3本の位置決めピン60aが外ラッチ52の挿込孔52cに挿し込まれた状態で外ラッチ52の凹み56に組み付けられている。このとき、蓋カバー30の3本の位置決めピン38と内ラッチ60の3本の位置決めピン60aとには、3個の圧縮ばねS2がそれぞれ挿し込まれている。これにより、蓋カバー30に対して内ラッチ60が近づくようにスライド(上昇)すると、スライドした内ラッチ60が蓋カバー30から遠ざかるように付勢力が作用する。
リボルバー70は、筐体22の内部を回転可能(筐体22の内部を軸方向に回転可能)な略円形のプレートから構成されている。リボルバー70の上面(外面)には、6個の噛合歯72が周方向に沿って均等の間隔を成すように形成されている。また、リボルバー70の下面(内面)の外周側には、外周カム74が形成されている(図5、7参照)。この外周カム74は、図7から明らかなように、大きく突出した第1のカム部74aと小さく突出した第2のカム部74bとを備えている。また、リボルバー70の下面の内周側には、6個の内周カム76(第1の内周カム76a、・・・、第6の内周カム76f)が周方向に沿って等間隔で形成されている。このように形成されているリボルバー70は、フィルム弁体40の上に載せられている。
これら外ラッチ52と、内ラッチ60と、リボルバー70とから切替手段50は構成されている。また、これら筐体22と、蓋カバー30と、フィルム弁体40と、切替手段50とからバルブユニット20は構成されている。
続いて、図4、8〜21を参照して、上述したバルブユニット20の動作を説明する。なお、図4では、周方向に形成されている排出口26(第1の排出口26a、・・・第6の排出口26f)と、周方向に形成されている出口28(第1の出口28a、第2の出口28b)とを模式的に直線的に配置している。このことは、後述する図11〜21においても同様である。このバルブユニット20は、常に、1つの外側弁42が開状態となっている。そのため、この実施例では、外側弁42のうち、第1の外側弁42aが開状態となっている例を説明する(図4、図10の第1の工程参照)。
この状態では、図4から明らかなように、リボルバー70の外周カム74の第1のカム部74aがフィルム弁体40の第1の外側弁42aが開状態となるように第1の外側弁42aの切欠片44を捲りあげている(図8参照)。また、この状態では、圧縮ばねS1の付勢力によって外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72とが噛み合っている。また、この状態では、圧縮ばねS2によって内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72とが噛み合っている。また、この状態では、圧縮ばねS2は撓んだ状態となっている。
この図4に示す状態から、ポンプ80を作動させると、このポンプ80から筐体22の入口24を介してエアが送られる。すると、筐体22の内部の圧力が上昇するため(送られたエアの逃げ場が筐体22の内部にないため)、ダイアフラム32と第1のマッサージ袋90aとが膨らんでいく。このようにダイアフラム32が膨らむと、圧縮ばねS1の付勢力に抗して外ラッチ52が上昇するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いが解消される。これにより、圧縮ばねS2の付勢力によって内ラッチ60が下降するため、内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70が1ノッチ(30°)回転する(図10の第2の工程、図11参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第2のカム部74bが第1の外側弁42aの切欠片44を捲りあげる(図9参照)。そのため、フィルム弁体40の第1の外側弁42aの開状態が保持されたままとる。これと同時に、リボルバー70の内周カム76の第1の内周カム76aと第4の内周カム76dとが第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とを捲りあげる。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが開状態となる。
このように開状態となると、筐体22の内部の圧力が下降するため、膨らんだダイアフラム32と第1のマッサージ袋90aとが膨らみ前の状態(伸縮状態)に戻される。このように戻されると、圧縮ばねS1の付勢力によって外ラッチ52が下降するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第3の工程、図12参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第1のカム部74aが第2の外側弁42bの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第2の外側弁42bが開状態となる。これと同時に、第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とに対するリボルバー70の内周カム76の第1の内周カム76aと第4の内周カム76dとの捲りあげが解消される。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが閉状態となる。
このように閉状態となると、筐体22の内部の圧力が上昇するため、ダイアフラム32と第2のマッサージ袋90bとが膨らんでいく。このようにダイアフラム32が膨らむと、圧縮ばねS1の付勢力に抗して外ラッチ52が上昇するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いが解消される。これにより、圧縮ばねS2の付勢力によって内ラッチ60が下降するため、内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第4の工程、図13参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第2のカム部74bが第2の外側弁42bの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第2の外側弁42bの開状態が保持されたままとる。これと同時に、リボルバー70の内周カム76の第6の内周カム76fと第3の内周カム76cとが第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とを捲りあげる。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが開状態となる。
このように開状態となると、筐体22の内部の圧力が下降するため、膨らんだダイアフラム32と第2のマッサージ袋90bとが膨らみ前の状態(伸縮状態)に戻される。このように戻されると、圧縮ばねS1の付勢力によって外ラッチ52が下降するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第5の工程、図14参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第1のカム部74aが第3の外側弁42cの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第3の外側弁42cが開状態となる。これと同時に、第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とに対するリボルバー70の内周カム76の第6の内周カム76fと第3の内周カム76cとの捲りあげが解消される。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが閉状態となる。
このように閉状態となると、筐体22の内部の圧力が上昇するため、ダイアフラム32と第3のマッサージ袋90cとが膨らんでいく。このようにダイアフラム32が膨らむと、圧縮ばねS1の付勢力に抗して外ラッチ52が上昇するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いが解消される。これにより、圧縮ばねS2の付勢力によって内ラッチ60が下降するため、内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第6の工程、図15参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第2のカム部74bが第3の外側弁42cの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第3の外側弁42cの開状態が保持されたままとる。これと同時に、リボルバー70の内周カム76の第5の内周カム76eと第2の内周カム76bとが第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とを捲りあげる。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが開状態となる。
このように開状態となると、筐体22の内部の圧力が下降するため、膨らんだダイアフラム32と第2のマッサージ袋90bとが膨らみ前の状態(伸縮状態)に戻される。このように戻されると、圧縮ばねS1の付勢力によって外ラッチ52が下降するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第7の工程、図16参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第1のカム部74aが第4の外側弁42dの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第4の外側弁42dが開状態となる。これと同時に、第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とに対するリボルバー70の内周カム76の第5の内周カム76eと第2の内周カム76bとの捲りあげが解消される。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが閉状態となる。
このように閉状態となると、筐体22の内部の圧力が上昇するため、ダイアフラム32と第4のマッサージ袋90dとが膨らんでいく。このようにダイアフラム32が膨らむと、圧縮ばねS1の付勢力に抗して外ラッチ52が上昇するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いが解消される。これにより、圧縮ばねS2の付勢力によって内ラッチ60が下降するため、内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第8の工程、図17参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第2のカム部74bが第4の外側弁42dの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第4の外側弁42dの開状態が保持されたままとる。これと同時に、リボルバー70の内周カム76の第1の内周カム76aと第4の内周カム76dとが第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とを捲りあげる。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが開状態となる。
このように開状態となると、筐体22の内部の圧力が下降するため、膨らんだダイアフラム32と第4のマッサージ袋90dとが膨らみ前の状態(伸縮状態)に戻される。このように戻されると、圧縮ばねS1の付勢力によって外ラッチ52が下降するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第9の工程、図18参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第1のカム部74aが第5の外側弁42eの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第5の外側弁42eが開状態となる。これと同時に、第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とに対するリボルバー70の内周カム76の第1の内周カム76aと第4の内周カム76dとの捲りあげが解消される。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが閉状態となる。
このように閉状態となると、筐体22の内部の圧力が上昇するため、ダイアフラム32と第5のマッサージ袋90eとが膨らんでいく。このようにダイアフラム32が膨らむと、圧縮ばねS1の付勢力に抗して外ラッチ52が上昇するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いが解消される。これにより、圧縮ばねS2の付勢力によって内ラッチ60が下降するため、内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第10の工程、図19参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第2のカム部74bが第5の外側弁42eの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第5の外側弁42eの開状態が保持されたままとる。これと同時に、リボルバー70の内周カム76の第6の内周カム76fと第3の内周カム76cとが第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とを捲りあげる。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが開状態となる。
このように開状態となると、筐体22の内部の圧力が下降するため、膨らんだダイアフラム32と第5のマッサージ袋90eとが膨らみ前の状態(伸縮状態)に戻される。このように戻されると、圧縮ばねS1の付勢力によって外ラッチ52が下降するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第11の工程、図20参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第1のカム部74aが第6の外側弁42fの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第6の外側弁42fが開状態となる。これと同時に、第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とに対するリボルバー70の内周カム76の第6の内周カム76fと第3の内周カム76cとの捲りあげが解消される。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが閉状態となる。
このように閉状態となると、筐体22の内部の圧力が上昇するため、ダイアフラム32と第6のマッサージ袋90fとが膨らんでいく。このようにダイアフラム32が膨らむと、圧縮ばねS1の付勢力に抗して外ラッチ52が上昇するため、外ラッチ52の噛合歯54とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いが解消される。これにより、圧縮ばねS2の付勢力によって内ラッチ60が下降するため、内ラッチ60の噛合歯62とリボルバー70の噛合歯72との噛み合いによってリボルバー70がさらに1ノッチ(30°)回転する(図10の第12の工程、図21参照)。
すると、リボルバー70の外周カム74の第2のカム部74bが第6の外側弁42fの切欠片44を捲りあげる。そのため、フィルム弁体40の第6の外側弁42fの開状態が保持されたままとる。これと同時に、リボルバー70の内周カム76の第5の内周カム76eと第2の内周カム76bとが第1の内側弁46aの切欠片48と第2の内側弁46bの切欠片48とを捲りあげる。これにより、フィルム弁体40の第1の内側弁46aと第2の内側弁46bとが開状態となる。
これら第1の工程〜第12の工程により、第1のマッサージ袋90aを膨らませ、その後、この第1のマッサージ袋90aの膨らみを解消させる(縮ませる)ことができる。次に、第2のマッサージ袋90bを膨らませ、その後、この第2のマッサージ袋90bの膨らみを解消させる(縮ませる)ことができる。次に、第3のマッサージ袋90cを膨らませ、その後、この第3のマッサージ袋90cの膨らみを解消させる(縮ませる)ことができる。
次に、第4のマッサージ袋90dを膨らませ、その後、この第4のマッサージ袋90dの膨らみを解消させる(縮ませる)ことができる。次に、第5のマッサージ袋90eを膨らませ、その後、この第5のマッサージ袋90eの膨らみを解消させる(縮ませる)ことができる。最後に、第6のマッサージ袋90fを膨らませ、その後、この第6のマッサージ袋90fの膨らみを解消させる(縮ませる)ことができる。
すなわち、第1のマッサージ袋90aをON→第1のマッサージ袋90aをOFF→第2のマッサージ袋90bをON→第2のマッサージ袋をOFF→第3のマッサージ袋90cをON→第3のマッサージ袋をOFF→第4のマッサージ袋90dをON→第4のマッサージ袋をOFF→第5のマッサージ袋90eをON→第5のマッサージ袋をOFF→第6のマッサージ袋90fをON→第6のマッサージ袋をOFFとなるように順に作動させることができる。したがって、乗物用シート1の着座者に対して、マッサージを施すことができる。
本発明の実施例に係るバルブユニット20は、上述したように構成されている。この構成によれば、筐体22の排出口26を切り替え部分の抵抗が高くなることがない。したがって、フィルム弁体40の外側弁42の劣化の懸念を招くことがない。また、外側弁42や内側弁46はフィルム弁体40に一体的に形成されているため、部品点数を多く必要とすることがない。
また、この構成によれば、外側弁42や内側弁46による排出口26や出口28の開閉を簡便に行うことができる。
また、この構成によれば、ダイアフラム32の弾性によって外側弁42や内側弁46を閉じることができる。そのため、排出口26や出口28を確実に閉じることができる。
また、この構成によれば、外側弁42や内側弁46の閉じ状態は、筐体22の内圧によって保たれている。そのため、排出口26や出口28の密閉の度合いを高めることができる。
また、この構成によれば、乗物用シート1の着座者に対して、マッサージを施すことができる。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、外側弁42は、フィルム弁体40を略U字に切り欠いた切欠片44から形成され、この切欠片44には、その先端側から折り返した折返部44aが形成され、この折返部44aにより、錘が形成される形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、切欠片44の先端に剛性を有する合成樹脂から成る錘が一体的に成形される形態でも構わない。また、折返部44a、に換えて磁石を取り付けても構わない。その場合、リボルバー70にも磁石を取り付けておき、これらの磁石の磁力を利用して外側弁42を開閉することとなる。これらのことは、内側弁46も同様である。
また、実施例では、フィルム弁体40は、シート状の円形のフィルムから構成されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、シート状の円形のエラストマから構成されている形態でも構わない。その場合、錘もエラストマから一体的に成形されることとなる。
また、実施例では、シート状の弁体は、切欠片44から成る外側弁42と、切欠片48から成る内側弁46とを有する円形のフィルム弁体40から構成されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、シート状の弁体は、切欠片144から成る外側弁142(第1の外側弁142a、・・・、第6の外側弁142f)と、切欠片148から成る内側弁146(第1の内側弁146a、第2の内側弁146b)とを有する円形の板ばね140から構成されている形態でも構わない(図22参照)。
このように板ばね140から構成されていると、例えば、リボルバー70の外周カム74によって切欠片144を捲り前の状態(外側弁142の閉状態)となるように切欠片144を押し付けていても、この押し付けを解消させると切欠片144に作用するばね力によって切欠片144を捲り状態(外側弁142の開状態)にできる。このことは内側弁146においても同様である。そのため、実施例で説明したように、外側弁42を開閉するときに錘の自重を必要としない。したがって、バルブユニット20の組み付け方向を上下方向に限定する必要がなくなるため、バルブユニット20の使用用途を広げることができる。
また、実施例では、第1のマッサージ袋90aをON→第1のマッサージ袋90aをOFF→第2のマッサージ袋90bをON→第2のマッサージ袋をOFF→第3のマッサージ袋90cをON→第3のマッサージ袋をOFF→第4のマッサージ袋90dをON→第4のマッサージ袋をOFF→第5のマッサージ袋90eをON→第5のマッサージ袋をOFF→第6のマッサージ袋90fをON→第6のマッサージ袋をOFFとなるように順に作動させる形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第1のマッサージ袋90a、第2のマッサージ袋90b、第3のマッサージ袋90c、第4のマッサージ袋90d、第5のマッサージ袋90e、第6のマッサージ袋90fを同時にON→第1のマッサージ袋90a、第2のマッサージ袋90b、第3のマッサージ袋90c、第4のマッサージ袋90d、第5のマッサージ袋90e、第6のマッサージ袋90fを同時にOFFさせる形態でも構わない。
また、第1のマッサージ袋90a、第2のマッサージ袋90b、第3のマッサージ袋90c、第4のマッサージ袋90d、第5のマッサージ袋90e、第6のマッサージ袋90fを同時にON→第1のマッサージ袋90aをOFF→第2のマッサージ袋をOFF→第3のマッサージ袋をOFF→第4のマッサージ袋をOFF→第5のマッサージ袋をOFF→第6のマッサージ袋をOFFさせる形態でも構わない。
また、第1のマッサージ袋90a、第2のマッサージ袋90b、第3のマッサージ袋90c、第4のマッサージ袋90d、第5のマッサージ袋90e、第6のマッサージ袋90fを同時にON→第1のマッサージ袋90a、第2のマッサージ袋90b、第3のマッサージ袋90c、第4のマッサージ袋90d、第5のマッサージ袋90e、第6のマッサージ袋90fを同時にOFFさせる形態でも構わない。
また、実施例では、流体としてエアの形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、各種の気体や液体であっても構わない。
また、実施例では、弾性部材としてダイアフラム32の形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、ゴムやエラストマ等であっても構わない。
また、実施例では、筐体22の内圧が変動することによるダイアフラム32の膨張や伸縮によって切替手段70がフィルム弁体40を作動させる形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、駆動源(例えば、モータ等)によって外ラッチ52を直に回転させることによって切替手段70がフィルム弁体40を作動させる形態でも構わない。その場合、ダイアフラム32等が不要となる。