JP6641778B2 - 位置推定システム、位置推定方法及び無線装置 - Google Patents

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本発明は、位置推定システム、位置推定方法及び無線装置に関し、例えば、近端のノードから受信した電波の受信電力値を用いてノードの位置を測位する位置推定システム、位置推定方法及び無線装置に適用し得るものである。
従来、受信局の位置を推定する際、受信電力値に基づいて送信局と受信局との間の距離を推定して、その推定距離に基づいて受信局の位置を推定する方法がある(特許文献1〜3参照)。
特許文献1の記載技術は、送信局からの電波を受信局が受信し、その受信局における受信電力値に基づいて、距離による電波の減衰(以下、「パスロス」と呼ぶ。)の関係を示す受信状態−距離変換テーブルを参照して、受信電力値に応じた、送信局と受信局との間の距離を推定する。また、受信局が複数の送信局からの電波を受信した場合、受信局は、これら複数の受信電力値に基づいて導出した各送信局との間の距離を用いて、最尤推定法等により受信局の位置を確率的に推定する。
特許文献2の記載技術は、複数の無線アクセスポイントと移動局との間の距離を導出し、これらの距離と各無線アクセスポイントの位置とを用いて、三辺測量により移動局の位置を推定する。特許文献2の記載技術は、距離対RSSIモデルを無線アクセスポイント毎に決定し、より低い分散を有する距離に大きな重みを与えている。
特許文献3の記載技術は、複数の中継機を中心とする円弧の重なる位置に端末があると推定して距離を推定している。
特開2008−39603号公報 特開2014−139568号公報 特開2009−253658号公報
しかしながら、従来の位置推定システムは、送信局と受信局とが相互に見通しの良い環境を想定したものである。そのため、受信電力値に基づく距離を推定するために利用する伝搬モデルは全ての場所で共通の関係式を利用している。
例えば、屋内等の場合、壁、天井、床、障害物等により反射した反射波が受信局に受信される。また例えば、屋外等の場合でも、地面や障害物等に反射した反射波が受信局に受信される。このように、環境に応じて電波の到達の仕方が異なり、受信電力値も大きく異なる。仮に、距離が同じであっても、環境の違いにより受信電力値は大きく異なる。そのため、受信電力値に基づいて距離を推定する際、導出する距離の精度が悪くなることがあり、その距離に基づいて推定する位置も十分な精度とならないという問題が生じ得る。
そのため、十分な位置を推定するために、高い精度で距離を推定することができる位置推定システム、位置推定方法及び無線装置が求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る位置推定システムは、複数の送信ノードのそれぞれにより送信された電波を受信する受信ノードの位置を推定する位置推定システムにおいて、(1)位置推定対象領域を複数に分割した各領域を送信側領域又は受信側領域として、送信側領域と受信側領域との間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータ群を記憶する伝搬パラメータ記憶手段と、(2)各送信ノードの属する送信側領域と受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を伝搬パラメータ記憶手段から取得し、その取得した伝搬パラメータ群を用いて、所定の位置推定方法により受信ノードの位置を推定する位置推定手段と、(3)任意の位置からの受信ノードの相対位置を推定する相対位置推定手段とを備え、位置推定手段が、任意のタイミングで相対位置推定手段による相対位置推定処理をリセットし、リセット後の各送信ノードからの電波の各受信電力値と、リセット後の各送信ノードの位置情報及び相対位置推定手段により推定された受信ノードの推定位置とを用いて、各送信ノードの属する送信側領域と受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を導出して伝搬パラメータ記憶手段に記憶することを特徴とする。
第2の本発明に係る位置推定方法は、複数の送信ノードのそれぞれにより送信された電波を受信する受信ノードの位置を推定する位置推定方法において、位置推定対象領域を複数に分割した各領域を送信側領域又は受信側領域として、送信側領域と受信側領域との間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータ群を記憶する伝搬パラメータ記憶手段を備え、位置推定手段が、各送信ノードの属する送信側領域と受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を伝搬パラメータ記憶手段から取得し、取得した伝搬パラメータ群を用いて、所定の位置推定方法により受信ノードの位置を推定し、相対位置推定手段が、任意の位置からの受信ノードの相対位置を推定し、位置推定手段が、任意のタイミングで相対位置推定手段による相対位置推定処理をリセットし、リセット後の各送信ノードからの電波の各受信電力値と、リセット後の各送信ノードの位置情報及び相対位置推定手段により推定された受信ノードの推定位置とを用いて、各送信ノードの属する送信側領域と受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を導出して伝搬パラメータ記憶手段に記憶することを特徴とする。
第3の本発明に係る無線装置は、複数の送信ノードのそれぞれにより送信された電波を受信する無線装置において、(1)位置推定対象領域を複数に分割した各領域を送信側領域又は受信側領域として、送信側領域と受信側領域との間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータ群を記憶する伝搬パラメータ記憶手段と、(2)各送信ノードの属する送信側領域と当該無線装置の属する受信側領域との伝搬パラメータ群を伝搬パラメータ記憶手段から取得し、その取得した伝搬パラメータ群を用いて、所定の位置推定方法により当該無線装置の位置を推定する位置推定手段と、(3)任意の位置からの当該無線装置の相対位置を推定する相対位置推定手段とを備え、位置推定手段が、任意のタイミングで相対位置推定手段による相対位置推定処理をリセットし、リセット後の各送信ノードからの電波の各受信電力値と、リセット後の各送信ノードの位置情報及び相対位置推定手段により推定された当該無線装置の推定位置とを用いて、各送信ノードの属する送信側領域と当該無線装置の属する受信側領域との伝搬パラメータ群を導出して伝搬パラメータ記憶手段に記憶することを特徴とする。
本発明によれば、高い精度で距離を推定でき、その距離を用いて推定する位置の精度を向上させることができる。
第1の実施形態に係る無線システムの全体構成を示す全体構成図である。 第1の実施形態に係るターゲットノードの内部構成を示す内部構成図である。 第1の実施形態に係る伝搬情報テーブルの構成を示す構成図である。 第1の実施形態に係る推定対象とする領域の全域を分割したエリアを説明する説明図である(その1)。 第1の実施形態に係る推定対象とする領域の全域を分割したエリアを説明する説明図である(その2)。 第1の実施形態に係るアンカーノードの内部構成を示す内部構成図である。 第1の実施形態に係るビーコン信号の送信態様を説明する説明図である。 第1の実施形態に係るターゲットノードの位置推定処理の動作を示すフローチャートである。 第1の実施形態の送信ノード及び受信ノードの距離と、受信電力値との関係を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る位置推定処理の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るターゲットノードの内部構成を示す内部構成図である。 第2の実施形態に係る伝搬パラメータの学習処理の動作を示すフローチャートである。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る位置推定システム、位置推定方法及び無線装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、本発明を用いて無線システムに適用する場合を例示する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図1は、第1の実施形態に係る無線システムの全体構成を示す全体構成図である。図1において、第1の実施形態に係る無線システム10は、複数(図1では、例えば4台)のアンカーノード1−1〜1−4と、複数(図1では、例えば3台)のターゲットノード2−1〜2−3とを有する。
なお、以下では、全てのアンカーノードに共通する構成及び処理を説明するときにはアンカーノード1と表記する。また、全てのターゲットノードに共通する構成及び処理を説明するときにはターゲットノード2と表記する。
無線システム10に適用される周波数帯は、特に限定されるものではなく、例えば、2.4GHz帯、900MHz、5.8GHz帯、5GHz帯等を適用できる。また、無線システム10に適用される変調方式は、特に限定されるものではなく、周波数変調方式(FSK)、振幅変調方式(ASK)、2相位相変調方式(BPSK)、4相位相変調方式(QPSK)、8位相変調方式(8PSK)、16値直交振幅変調方式(16QAM)、ガウス型周波数偏移変調方式(GFSK)等を適用できる。なお、データ伝送を行わず、キャリアを定期的に出力するだけのノードの場合は変調を行わないこともありえる。
アンカーノード1(1−1〜1−4)は、設置されている位置が既知であるノードである。アンカーノード1は、他ノードとの間で無線通信を行う無線装置を有する。アンカーノード1は、例えば、公衆又は専用に設けられた無線LAN等の無線ネットワークのアクセスポイント等を適用できる。
ターゲットノード2(2−1〜2−3)は、位置推定の対象とするノードである。ターゲットノード2は、他ノードとの間で無線通信を行う無線装置を有する。ここで、当該無線装置は必ずしもノード間のデータ伝送を行わなくとも、最低限位置推定に必要な電波を受け取る機能を備えるものであっても良い。以下の記載における無線通信も同様である。ターゲットノード2は、例えば、人が所持する移動可能なノードを適用できる。ターゲットノード2は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯端末、ウェアラブル端末、乗り物(例えば、自動車、自転車、車いす、小型自動車等を含む概念)等に搭載されるノードを適用できる。
この実施形態では、ターゲットノード2が自身の位置を測位する方法を説明する。しかし、ターゲットノード2自身の位置を当該ターゲットノード2に認識させることができるのであれば、アンカーノード1がターゲットノード2の位置を推定し、その推定した位置情報を、該当するターゲットノード2に送信するようにしても良い。
また、この実施形態では、説明を容易にするために、アンカーノード1の位置が固定である場合を例示する。しかし、アンカーノード1は、人に所持される移動可能なものであっても良い。
(A−1−2)ターゲットノード2の詳細な構成
図2は、第1の実施形態に係るターゲットノード2の内部構成を示す内部構成図である。図2において、第1の実施形態のターゲットノード2は、位置推定部21、無線部22、位置表示部23、アンテナ部24及び25、電源部26を有する。
無線部22は、無線システム10の無線方式に従って、周辺に位置している他ノードとの間で無線通信を行うものである。無線部22は、アンカーノード1からの電波の受信電力値を測定し、アンカーノード1から受信した受信信号(例えばビーコン信号等)に含まれている情報(例えば、アンカーノード1の位置情報、アンカーノード1のMACアドレス等の識別情報など)と、測定した受信電力値とを、位置推定部21に与える。図2に示すように、無線部22は、電力測定部221、送信部222を有する。なお、送信部222は、あらかじめアンカーノードの位置がわかっており、自分の位置だけ知りたいような使い方の場合は、位置情報などのデータを他のノードへ送信する必要がないため、省略することもできる。
アンテナ部24は、電波を捕捉し、受信した信号を電気信号に変換して復調処理を行い、その復調した信号を電力測定部221に与える。
電力測定部221は、アンテナ部24により捕捉された受信信号の受信電力値を測定し、測定した受信電力値を位置推定部21に与える。ここで、受信電力は、受信した電波の電力値であり、例えば、受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)で表現してもよい。
送信部222は、他ノードに向けて送信信号を送信するものである。また、送信部222は、必要に応じて、位置推定部21により推定された自身の位置情報を含む信号を送信する。なお、例えば、アンカーノード1がターゲットノード2の位置を推定し、アンカーノード1が当該ターゲットノード2に推定した位置情報を送信する形態の場合、送信部222は、自身の位置情報を含む信号を送信するようにしても良い。
電源部26は、無線部22に電源電圧を供給するものである。電源部26は、例えば、二次電池、太陽電池等の電池等を適用できる。
位置推定部21は、無線部22から取得した受信電力値及び受信信号に基づいて、当該ターゲットノード2の位置を推定するものである。
ここで、アンカーノード1からの受信信号には、アンカーノード1の識別情報や、アンカーノード1の位置情報等が含まれている。位置推定部21は、アンカーノード1の位置情報と、自身の位置情報(例えば、過去に推定した位置情報のうち最新の位置情報)とに基づいて、伝搬情報テーブル212を参照して、アンカーノード1の位置と当該ターゲットノード2の位置(最新の推定位置)との間の伝搬パラメータを検索する。位置推定部21は、検索した伝搬パラメータを用いて、当該ターゲットノード2の位置を推定するものである。なお、位置推定部21による位置推定処理の方法の詳細な説明は、動作の項で後述する。
伝搬情報テーブル212は、送信ノードとしてのアンカーノード1と、受信ノードとしてのターゲットノード2との間の環境に応じた伝搬パラメータを格納するものである。
図3は、第1の実施形態に係る伝搬情報テーブル212の構成を示す構成図である。図3に示すように、伝搬情報テーブル212は、エリア位置情報31と、伝搬パラメータ32とを有する。
エリア位置情報31は、推定対象とする領域の全域を複数に分割した分割領域の位置情報である。送信ノードとしてのアンカーノード1の位置情報(例えば、(x座標,y座標)等)や、受信ノードとしてのターゲットノード2の位置情報(例えば、(x座標,y座標)等)に基づいて、当該座標がどのエリアに属しているかを特定できる。エリア位置情報31は、例えば、各エリアの(x、y)の範囲を座標で特定した座標情報をエリア毎に格納したテーブルとしても良いし、また例えば、下記式(1)に従って、取得した位置情報(座標情報)に基づいてエリア番号を出力できるものであっても良い。いずれにしても、エリア位置情報31は、アンカーノード1やターゲットノード2等の位置情報に基づいて、当該ノード(アンカーノード1、ターゲットノード2)の属するエリアを特定できる情報である。
エリア番号=f(x座標,y座標) …(1)
図4及び図5は、第1の実施形態に係る位置推定対象とする領域の全域を分割したエリアを説明する説明図である。図4は、位置推定対象の領域の全域50を格子状に分割して15個のエリア(エリア1〜エリア15)に分割する場合を例示する。この場合、エリア位置情報31は、エリア1〜エリア15の範囲を特定可能な位置情報を有する。
また、図5は、推定対象の領域の全域50をボロノイ分割して6個のエリア(エリア1〜エリア6)に分割する場合を例示する。例えば、無線アクセスポイントのようにアンカーノード1の位置が固定されている場合、境界線は、あるアンカーノード1と隣接するアンカーノード1との間の距離の二等分線の一部となるようにしてエリアを区分する。この場合も、エリア位置情報31は、エリア1〜エリア6の範囲を特定可能な位置情報を有する。
伝搬パラメータ32は、送信ノードと受信ノードとの間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータである。伝搬パラメータ32は、送信ノードとしてのアンカーノード1の属するエリアと、受信ノードとしてのターゲットノード2の属するエリアとの間の伝搬パラメータを、エリア対エリア毎に格納される。
ここで、距離dに対する受信電力値Pとする。距離dの変化に対する受信電力値Pの平均値P(d)は、例えば下記式(2)で近似できる。
P(d)=αd …(2)
式(2)において、α及びβは、受信電力値の距離変動に応じた伝搬パラメータである。伝搬パラメータ32は、伝搬パラメータα及びβを、送信ノードの属するエリアと受信ノードの属するエリア毎に格納する。なお式(2)は最も簡単な伝播式であるが、これ以外の距離減衰の式を適用してもよく、またα、βに加えて他のパラメータを考慮するものであってもよい。以下では、送信ノードの属するエリアと、受信ノードの属するエリアとの伝搬環境を示すエリア関係を「エリア対エリア」と称して説明する。
図3には、伝搬パラメータαのテーブルと伝搬パラメータβのテーブルの構成例を示している。図3(A)は伝搬パラメータαのテーブルであり、図3(B)は伝搬パラメータβのテーブルである。
図3(A)及び図3(B)では、推定対象の領域を、エリア1〜エリアA(A:整数)に分割した場合を例示している。例えば、伝搬パラメータα(X,Y)のうち、Xは受信ノードの属しているエリア番号、Yは送信ノードの属しているエリア番号を示している。すなわち、送信ノード側のエリアと受信ノード側のエリアであるエリア対エリアにより伝搬環境が異なるため、エリア対エリア毎に伝搬パラメータαを設定している。伝搬パラメータβも、伝搬パラメータαと同様に、エリア対エリア毎に設定する。
取得データ格納テーブル213は、受信した受信信号(例えば、ビーコン信号)毎に、取得した情報を格納するものである。取得データ格納テーブル213は、具体的には、単位時間(以下、1ターム時間とも呼ぶ。)内においてn番目に受信したビーコン信号に対して、受信信号の受信時の受信電力値Pと、受信信号に含まれている送信ノードの現在位置S=(X,Y,Z)と、送信ノードの現在位置Sと、現在のターゲットノード2の位置(正確には、過去のターム時間で推定した最新の位置)に基づく伝搬パラメータα及びβとを対応付けた取得情報(P,S,α,β)の形式で格納する。なお、前述のとおり式(2)以外を適用することもでき、その場合は、適用する式に合わせて格納するデータは適宜変更される。
ここで、アンカーノード1によるビーコン信号の送信態様を、図7を参照しながら説明する。図7は、第1の実施形態に係るビーコン信号の送信態様を説明する説明図である。
図7において、アンカーノード1−1〜1−4は、定期的にあるいは不定期にビーコン信号を送信する。ターゲットノード2は移動しながら、ビーコン信号としての電波の受信電力値に応じて位置を推定する。ビーコン信号にはアンカーノード1の位置情報が含まれている。この実施形態では、アンカーノード1の位置が固定である。そのため、予め設定されている位置情報がビーコン信号に含まれる。なお、アンカーノード1の位置情報が、ターゲットノード2におけるインストール時に取得できる情報などによって、ターゲットノード2が認識可能である場合、ビーコン信号にアンカーノード1の位置情報を含めないようにしても良い。この場合は、ビーコン信号ではなく、連続波による送信であっても良い。
ターゲットノード2は、受信したビーコン信号からアンカーノード1の位置情報を取得する。さらに、ターゲットノード2は、ビーコン信号の受信電力値を測定する。ターゲットノード2は、受信したビーコン信号の受信電力値及びアンカーノード1の位置情報に基づいて、自身の位置情報を推定する。
図7において、ターゲットノード2は移動可能なものである。従って、移動に伴い、ターゲットノード2は、それぞれのアンカーノード1から受信するビーコン信号の受信電力値の変動が生じ得る。特に、図7に示すように、複数(例えば4台)のアンカーノード1−1〜1−4からビーコン信号を受信可能な場合、ターゲットノード2が測定する各アンカーノード1−1〜1−4からの受信電力値も異なり、その結果、位置推定の精度も下がり得る。
そこで、第1の実施形態では、ターゲットノード2は、予め定めた単位時間を1ターム時間とし、1ターム時間内で受信したビーコン信号の受信電力値等の取得情報を取得データ格納テーブル231に格納する。また、ターゲットノード2が複数のアンカーノード1−1〜1−4からビーコン信号を受信する場合、ターゲットノード2は、各受信電力値等をアンカーノード1−1〜1−4毎に取得データ格納テーブル231に格納し、全てのアンカーノード1−1〜1−4毎の取得データを、位置推定の計算に利用するようにしても良い。
位置表示部23は、当該ターゲットノード2の位置を表示するものである。位置表示部23は、ターゲットノード2本体に搭載されるものであっても良いし、又は、インタフェース部を介して外部に接続されるものであっても良い。なお、位置表示部23は、ターゲットノード2に位置表示部が存在せず、パケット通信によってアンカーノード1に当該ターゲットノード2の位置情報を渡す場合には、位置表示部23がアンカーノード1に接続させ、位置表示部23がターゲットノード2の位置を表示するようにしても良い。
図6は、第1の実施形態に係るアンカーノード1の内部構成を示す内部構成図である。図6において、アンカーノード1は、無線部11、アンテナ部121及び122、位置表示部13を有する。
無線部11は、他ノードとの間で無線通信を行うものである。無線部11は、ビーコン送信部111、受信部112を有する。なお、データ伝送を行わず、キャリアを定期的に出力するだけのノードの場合は受信部112は省略することもできる。
ビーコン送信部111は、定期的にあるいは不定期にビーコン信号を送信するものである。ビーコン送信部111は、パケット形式でビーコン信号を送信するものであっても良いし、又は連続波(キャリア)で送信するものであっても良い。ビーコン送信部111は、少なくとも、当該アンカーノード1の位置情報を含むビーコン信号を送信する。
なお、アンカーノード1がターゲットノード2から位置情報を取得する構成を取る場合、無線部11は受信部112を有するようにしても良い。また、受信部112は、受信したターゲットノード2の位置情報を表示する位置表示部13を有するようにしても良い。位置表示部13は、アンカーノード1に等されるものであっても良いし、又はアンカーノード1とインタフェース部を介して接続されるものであっても良い。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る無線システム10においてターゲットノード2の位置推定処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図8は、第1の実施形態に係るターゲットノード2の位置推定処理の動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、第1の実施形態に係る位置推定処理は、事前準備段階と、実稼働段階とに分かれる。
事前準備段階では、推定対象とする領域を複数に分割し、全てエリアに送信ノード及び受信ノードを設置する。このとき、送信ノードと受信ノードとの距離を測定する。そして、送信ノードがパケット送信を行ない、受信ノードが、パケット受信を行ない、受信電力値を測定する。このようにして、全てのエリア対エリア毎の位置において距離と受信電力値との関係を事前に測定する(S101)。
次に、S101で収集した全てのエリア対エリア毎の距離及び受信電力値のデータに基づいて、送信ノードの属するエリア及び受信ノードの属するエリア毎に分類して、最小二乗法による近似式(式(2)参照)により、伝搬パラメータα及びβを学習させておく(S102)。なお、パラメータの決定には最小二乗法以外の手法を用いても良い。
図9は、第1の実施形態の送信ノード及び受信ノードの距離と、受信電力値との関係を説明する説明図である。図9は、縦軸は受信ノードにおける受信電力値Pを示し、横軸は送信ノードと受信ノードとの距離dとしている。
S101で測定した、送信ノードと受信ノードとの距離dと、受信ノードにおける受信電力値との測定データを用いて、式(2)に従って、エリア対エリア毎の伝搬パラメータα及びβを測定し、その測定結果をターゲットノード2の伝搬情報テーブル212に格納する。
その後、ターゲットノード2が、アンカーノード1からのビーコン信号の受信電力値を測定し、事前に学習させた伝搬パラメータα及びβを利用して位置推定を行う(S103)。実稼働時におけるターゲットノード2における位置推定処理の動作の詳細な説明は、図10を用いて説明する。
図10は、第1の実施形態に係る位置推定処理の動作を示すフローチャートである。
まず、ターゲットノード2はアンカーノード1からビーコン信号を受信し、電力測定部221が、受信したビーコン信号の受信電力値を測定する。このとき、電力測定部221は、n番目に受信したビーコン信号の受信電力値を、受信電力値Pとして測定する(S201)。なお、nは1〜Nであり、Nは1ターム時間内で受信したビーコン信号数である。
無線部22は、受信したビーコン信号に含まれている情報を位置推定部21に与える。位置推定部21は、ビーコン信号に含まれている送信ノードの現在位置S=(X,Y,Z)を取得する(S202)。なお、アンカーノード1の位置が固定であり、ターゲットノード2がアンカーノード1の位置情報を認識可能である場合、ビーコン信号にアンカーノード1の位置情報を含める必要はない。
位置推定部21では、位置推定計算部211が、伝搬情報テーブル212のエリア位置情報31を参照して、送信ノードの現在位置Sに基づいて、送信ノードが属しているエリア番号mを導出する(S203)。例えば、エリア位置情報31は、それぞれのエリア毎に、当該エリアの位置情報(座標情報)が対応付けられている。従って、送信ノードの現在位置Snが属するエリアを検索することでエリアmを導出することができる。
位置推定計算部211は、取得データ格納テーブル213から、1ターム前に推定した自身の位置の推定値(x^,y^,z^)(なお、「^」はハットを示す。)を読み出す。位置推定計算部211は、エリア位置情報31を参照し、1ターム前の自身の位置の推定値(x^,y^,z^)に基づいて、自身の属するエリアuを導出する(S204)。
次に、位置推定計算部211は、送信ノードの属するエリアmと、自身の属するエリアuとを用いて、伝搬パラメータのテーブル(図3(A)及び図3(B)参照)から、対応する伝搬パラメータα(m,u)とβ(m,u)を検索する。このとき、位置推定計算部211は、伝搬パラメータα=α(m,u)とし、伝搬パラメータβ=β(m,u)とする(S205)。
位置推定計算部211は、受信電力値P、送信ノードの現在位置S、伝搬パラメータα、伝搬パラメータβを対応付けて、取得データ格納テーブル213に格納する(S206)。
ターゲットノード2は、1ターム時間が経過したか否かを確認し、1ターム時間内においてS201〜S206の処理を繰り返し行う(S207)。
1ターム時間が経過すると、位置推定計算部211は、取得データ格納テーブル213から、当該1ターム時間内で取得した取得情報(P,S,α,β(n=1〜N))を読み出す。位置推定計算部211は、1ターム時間内で取得した取得情報を用いて、下記式(3)〜式(5)に従って、自身の位置を推定する(S208)。なお、式(3)〜式(5)は最尤推定法によりターゲットノード2の位置を推定する場合を例示する。
Figure 0006641778
式(3)において、d(S)は、n番目に受信したビーコン信号のアンカーノード1と、受信ノードであるターゲットノード2との間の距離である。式(3)では、アンカーノード1の現在位置Sと、直前のターム時間で推定した自身の位置の推定値とを用いて、アンカーノード1とターゲットノード2との距離を計算する。
Figure 0006641778
式(4)は尤度関数である。式(4)は、送信ノードの属するエリアと、受信ノードの属するエリアとの伝搬環境に応じた伝搬パラメータα及びβを用いる。式(4)では、送信ノードと受信ノードの伝搬環境に合わせたエリア対エリア毎の伝搬パラメータαとβを用いる。これにより、送信ノードと受信ノードの伝搬モデルを構築できる。
Figure 0006641778
式(5)は、式(4)の尤度関数による計算結果から最大値を求め、その結果を、当該ターゲットノード2の位置の推定値(x^,y^,z^)とする。
そして、今回のターム時間内でのターゲットノード2の位置を推定すると、当該タームでのターゲットノード2の位置の推定値を、取得データ格納テーブル213に格納し、次のターム時間における処理S201〜S207の処理を繰り返し行う。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、送信ノードの属するエリアと受信ノードの属するエリアの組によって異なる電波伝搬環境を考慮し、その伝搬環境に合わせた伝搬パラメータを事前に学習させておき、実稼働時には、これらの伝搬パラメータを用いてターゲットノードの位置推定を行う。これにより、従来のように全ての環境で同じ伝搬パラメータの値を用いた位置推定法よりも、アンカーノードとターゲットノードとの間の距離を精度良く計算することができ、その結果、ターゲットノードの位置を精度良く推定できる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る位置推定システム、位置推定方法及び無線装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第1の実施形態は、エリア対エリア毎の伝搬パラメータを事前に学習して格納する場合を例示した。
これに対して、第2の実施形態は、ターゲットノードが、移動中に測定した受信電力値を用いて、実稼働段階で伝搬パラメータα及びβを計算して学習する場合を例示する。なお、ターゲットノードが伝搬パラメータα及びβを用いて距離を計算して位置を推定する方法は、第1の実施形態と同じ方法を適用できる。
ここで、センサ情報を用いた位置推定方法により計算される位置推定値は、一般的に計算処理の都合により累積誤差を含む。従って、時間経過に伴い、推定位置の精度が悪くなる傾向がある。
しかし、センサ情報を用いた位置推定方法は、リセット直後(すなわち、位置推定方法による計算をリセットした直後)の推定位置は、累積誤差がない。そのため、電波による位置推定よりも位置精度が高い傾向がある。
そこで、第2の実施形態では、センサ情報を用いた位置推定方法を一旦リセットし、そのリセット後の所定時間内に、センサ情報を用いた推定位置と受信電力値を取得データ格納テーブルに格納する。そして、実稼働段階で、センサ情報を用いた推定位置と送信ノードの現在位置情報とに基づいて距離を算出し、その距離と受信電力値とに基づく受信電力値の分布(図9参照)から最小二乗法により伝搬パラメータα及びβを計算する。これにより、伝搬パラメータを事前準備することなく、実稼働段階で、精度の高い距離を計算して、精度の高い位置を推定する。
図11は、第2の実施形態に係るターゲットノードの内部構成を示す内部構成図である。図11において、第2の実施形態のターゲットノード2Aは、位置推定部21A、無線部22、位置表示部23、アンテナ部24及び25、電源部26、相対位置推定手段としてのセンサ位置推定部27を有する。
なお、無線部22、位置表示部23及び電源部26は、第1の実施形態と同一又は対応するものであるため、ここでの詳細な説明を省略する。
センサ位置推定部27は、センサを備え、センサから出力されるセンサ情報を用いて、当該ターゲットノード2Aの現在位置を推定し、当該ターゲットノード2Aの位置の推定値を位置推定部21Aに与える。
また、センサ位置推定部27は、位置推定部21Aからリセットポイントの通知を受けると、センサ情報を用いた位置推定処理を一旦リセットし、リセット後にセンサ情報を用いた位置を推定し、その推定した位置を位置推定部21Aに与える。
ここで、センサは、例えば加速度センサ(例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)加速度センサ)等の相対位置検出部を適用することができる。例えば、センサ位置推定部27は、加速度センサから出力される加速度データを用いて、移動するターゲットノード2Aの移動距離と移動方向を計算する。センサ位置推定部27は、ある時点の位置情報に、ターゲットノード2の移動方向の移動距離を加算することで、当該ターゲットノード2の位置情報を推定する方法を適用できる。
位置推定部21Aは、第1の実施形態と同様に、無線部22から取得した受信電力値及び受信信号に基づいて、当該ターゲットノード2Aの位置を推定するものである。
図11に示すように、位置推定部21Aは、位置推定計算部211、伝搬情報テーブル212、取得データ格納テーブル213、タイマー214、リセットポイント検出部215、伝搬パラメータ計算部216を有する。
なお、位置推定計算部211、伝搬情報テーブル212、取得データ格納テーブル213は、第1の実施形態と同一又は対応する構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
リセットポイント検出部215は、無線部22から取得するアンカーノード1からの電波の受信電力値に基づいて、センサ位置推定部27による位置推定処理をリセットする位置(時点)(以下、リセットポイントと呼ぶ。)を検出するものである。例えば、リセットポイント検出部215は、無線部22から取得したアンカーノード1毎の受信電力値に基づいて、受信電力値が十分に高い時点をリセットポイントする。より具体的には、例えば、リセットポイント検出部215は、受信電力値と閾値とを比較し、受信電力値が閾値を超える時点(位置)をリセットポイントとしても良い。また例えば、リセットポイント検出部215は、受信電力値の経時的な変動を見て、経時的な受信電力値の変動のピーク時点(位置)をリセットポイントとしても良い。
タイマー214は、リセットポイント検出部215によりリセットポイントが検出されると、所定時間を計時するものである。ここで、タイマー214が計時する時間は、センサ情報を用いて高精度な推定位置を獲得できる短期間であることが望ましい。
伝搬パラメータ計算部216は、タイマー214によるリセットポイント検出後のタイマー時間が経過すると、取得データ格納テーブル213に格納されている取得情報(距離と受信電力値とを含む情報)を用いて、最小二乗法により、伝搬パラメータα及びβを計算するものである。なお、パラメータの決定には最小二乗法以外の手法を用いても良い。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態におけるターゲットノード2Aの位置推定処理の動作を説明する。なお、第2の実施形態においても、ターゲットノード2Aは、図10に例示する実稼働段階の処理動作を行う。
以下では、ターゲットノード2Aの実稼働段階において、ターゲットノード2Aが、エリア対エリア毎の伝搬パラメータα(x,y)及びβ(x,y)を学習処理の動作を説明する。
図12は、第2の実施形態に係る伝搬パラメータの学習処理の動作を示すフローチャートである。
まず、ターゲットノード2Aは移動し、ターゲットノード2Aがアンカーノード1の近傍を通過すると、ターゲットノード2Aはアンカーノード1が送信するビーコン信号を受信する。
ターゲットノード2Aはアンカーノード1からのビーコン信号を受信し、電力測定部221が受信電力値を測定する。ターゲットノード2Aにおいて、リセットポイント検出部215は、電力測定部221により測定された受信電力値が十分に高いか否かを判定する。ここでは、説明を容易にするために、受信電力値が閾値を超えるか否かをリセットポイント検出部215が判定する場合を例示する(S301)。
S301において、ターゲットノード2Aにおいて、リセットポイント検出部215が、閾値を超える十分に高い受信電力値を検出すると、その時点をリセットポイント検出とする(S302)。
リセットポイントが検出されると、位置推定部21Aは、センサ位置推定部27に対してセンサ情報を用いた位置推定処理をリセットさせる通知を行う。このリセットポイント通知を受けると、センサ位置推定部27は、センサ情報を用いた位置推定処理をリセットする(S303)。つまり、センサ位置推定部27は、リセットポイント通知を受けた位置を基準位置とする。そして、センサ位置推定部27は、センサからの出力情報に基づく移動方向の移動距離を、基準位置に加算して位置を推定する。
また、リセットポイントが検出されると、タイマー214は所定時間をセットする(S303)。タイマー214は所定時間の計時を開始し、タイマー214はタイマー値を、1ずつデクリメントする(S304)。
タイマー214により計時されるタイマー時間内に(S305)、アンカーノード1からのビーコン信号を受信する場合(S306)、電力測定部221は受信電力値Pを測定する(S307)。
また、センサ位置推定部27は、リセット後にセンサ情報を用いて位置推定処理を行い、ビーコン信号の受信時の位置を推定し、このビーコン信号受信時に推定した位置Xとする(S308)。
そして、位置推定部21Aは、タイマー時間内に受信したビーコン信号の受信電力値Pと、センサ位置推定部27により推定された位置Xnとを取得情報として対応付けて、取得データ格納テーブル213に格納する(S309)。その後、処理はS305に移行する。
タイマー214により計時されたタイマー値が0でない場合、処理はS306〜S309の処理を繰り返し行う。一方、タイマー値が0となると、処理はS310に移行する。
S310では、伝搬パラメータ計算部216が、取得データ格納テーブル213に格納されている取得情報を用いて、伝搬パラメータα及びβを最小二乗法により計算する(S310)。
つまり、伝搬パラメータ計算部216は、リセット直後の、センサ情報を用いて推定した位置Xと、ビーコン信号に含まれているアンカーノード1の位置情報Sとに基づいて、送信ノードと受信ノードとの間の距離を計算する。伝搬パラメータ計算部216は、計算した送信ノードと受信ノードとの距離と、ビーコン信号の受信電力値Pとを用いて、距離に対する受信電力分布を導出し、最小二乗法により、伝搬パラメータα及びβを算出する。
このようにすることで、予めエリア対エリア後の伝搬パラメータを事前に設定することなく、ターゲットノード2Aの移動に伴い、十分に高い受信電力値をターゲットノード2Aが検出すると、センサ情報を用いた位置推定処理をリセットする。これにより、センサ情報を用いた位置推定処理の精度が向上するため、その推定位置を利用して、受信電力分布を導出することで、精度の高い伝搬パラメータα及びβを導出できる。
また、推定対象とする領域を複数に分割したエリアの位置を示すエリア位置情報を備える場合、位置推定部21Aは、エリア位置情報を用いて、送信ノードの属するエリアと受信ノードの属するエリアとを特定し、伝搬パラメータ計算部216により導出された伝搬パラメータα及びβを、エリア対エリア毎の伝搬パラメータテーブルに記憶する。これにより、エリア対エリア毎の伝搬パラメータα及びβを学習することができる。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、ターゲットノードがセンサ情報を用いた位置推定処理を行うことで、ターゲットノードの移動中に測定した受信電力値と移動距離との情報に基づいて、ターゲットノードの実稼働段階であっても、伝搬パラメータを学習させることが可能である。これにより、伝搬パラメータα及びβを学習させるため、事前準備の作業を省略することができる。
(C)他の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態においても、本発明の種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
(C−1)上述した第1及び第2の実施形態で説明した位置推定部は、ターゲットノードに搭載される場合を例示したが、アンカーノードが、位置推定部を備えるようにしても良い。その場合、ターゲットノードが測定した受信電力値をアンカーノードに送信することで、第1及び第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
(C−2)上述した第2の実施形態で説明した構成を、例えば、第1の実施形態で説明した位置推定処理と融合させても良い。つまり、第1の実施形態では、過去の1タームに推定した位置を用いる場合を例示したが、例えば、ターゲットノードの初期動作の場合や、何らかの原因により1ターム前の推定位置を導出できない場合や、1ターム前の推定位置の誤差が大きい場合等に、第2の実施形態で説明した方法で位置推定を行うようにしても良い。
1(1〜1〜1−4)…アンカーノード、11…無線部、111…ビーコン送信部、2(2−1〜2−3)…ターゲットノード、21…位置推定部、211…位置推定計算部、212…伝搬情報テーブル、213…取得データ格納テーブル、214…タイマー、215…リセットポイント検出部、216…伝搬パラメータ計算部、22…無線部、221…電力測定部、31…エリア位置情報、32…伝搬パラメータ。

Claims (5)

  1. 複数の送信ノードのそれぞれにより送信された電波を受信する受信ノードの位置を推定する位置推定システムにおいて、
    位置推定対象領域を複数に分割した各領域を送信側領域又は受信側領域として、送信側領域と受信側領域との間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータ群を記憶する伝搬パラメータ記憶手段と、
    上記各送信ノードの属する送信側領域と上記受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を上記伝搬パラメータ記憶手段から取得し、その取得した伝搬パラメータ群を用いて、所定の位置推定方法により上記受信ノードの位置を推定する位置推定手段と、
    任意の位置からの上記受信ノードの相対位置を推定する相対位置推定手段と
    を備え、
    上記位置推定手段が、
    任意のタイミングで上記相対位置推定手段による相対位置推定処理をリセットし、
    リセット後の上記各送信ノードからの電波の各受信電力値と、リセット後の上記各送信ノードの位置情報及び上記相対位置推定手段により推定された上記受信ノードの推定位置とを用いて、上記各送信ノードの属する送信側領域と上記受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を導出して上記伝搬パラメータ記憶手段に記憶する
    ことを特徴とする位置推定システム。
  2. 上記位置推定手段が、リセット後所定時間内に、上記各送信ノードからの電波の受信電力値を測定したタイミングで、上記相対位置推定手段により推定された上記受信ノードの位置を取得することを特徴とする請求項1に記載の位置推定システム。
  3. 上記伝搬パラメータ群が、受信電力値の距離に対する変動分布の関係式に係る伝搬パラメータであることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置推定システム。
  4. 複数の送信ノードのそれぞれにより送信された電波を受信する受信ノードの位置を推定する位置推定方法において、
    位置推定対象領域を複数に分割した各領域を送信側領域又は受信側領域として、送信側領域と受信側領域との間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータ群を記憶する伝搬パラメータ記憶手段を備え、
    位置推定手段が、
    上記各送信ノードの属する送信側領域と上記受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を上記伝搬パラメータ記憶手段から取得し、
    取得した伝搬パラメータ群を用いて、所定の位置推定方法により上記受信ノードの位置を推定し、
    相対位置推定手段が、任意の位置からの上記受信ノードの相対位置を推定し、
    上記位置推定手段が、
    任意のタイミングで上記相対位置推定手段による相対位置推定処理をリセットし、
    リセット後の上記各送信ノードからの電波の各受信電力値と、リセット後の上記各送信ノードの位置情報及び上記相対位置推定手段により推定された上記受信ノードの推定位置とを用いて、上記各送信ノードの属する送信側領域と上記受信ノードの属する受信側領域との伝搬パラメータ群を導出して上記伝搬パラメータ記憶手段に記憶する
    ことを特徴とする位置推定方法。
  5. 複数の送信ノードのそれぞれにより送信された電波を受信する無線装置において、
    位置推定対象領域を複数に分割した各領域を送信側領域又は受信側領域として、送信側領域と受信側領域との間の伝搬環境に応じた伝搬パラメータ群を記憶する伝搬パラメータ記憶手段と、
    上記各送信ノードの属する送信側領域と当該無線装置の属する受信側領域との伝搬パラメータ群を上記伝搬パラメータ記憶手段から取得し、その取得した伝搬パラメータ群を用いて、所定の位置推定方法により当該無線装置の位置を推定する位置推定手段と、
    任意の位置からの当該無線装置の相対位置を推定する相対位置推定手段と
    を備え、
    上記位置推定手段が、
    任意のタイミングで上記相対位置推定手段による相対位置推定処理をリセットし、
    リセット後の上記各送信ノードからの電波の各受信電力値と、リセット後の上記各送信ノードの位置情報及び上記相対位置推定手段により推定された当該無線装置の推定位置とを用いて、上記各送信ノードの属する送信側領域と当該無線装置の属する受信側領域との伝搬パラメータ群を導出して上記伝搬パラメータ記憶手段に記憶する
    ことを特徴とする無線装置。
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