JP6640950B2 - エンジンシステムとその制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献2の予混合燃焼モードでは、吸気弁の閉弁時期を下死点前60°〜70°の所定の位置に設定するものであり、予混合燃焼モードの中で進角を変化させてはいない。
特許文献4に記載の可変バルブタイミング機構100の駆動機構は、図11A、11Bに示すようにリンク機構101とアクチュエータ102とを備えている。リンク機構101では、エンジンの排気バルブのプッシュロッドに連結された排気バルブスイングアーム103がリンクシャフト104に支持され、吸気バルブのプッシュロッドに連結された吸気バルブスイングアーム105がリンクシャフト104から偏心した偏心軸部のタペット軸106に支持されている。
図11Bに示す位置をピストンロッド109の飛び出し動作前とすると、アクチュエータ102によるピストンロッド109の飛び出し動作によって、連結された全てのスイングアーム105,103が一方に回転する。そのため、アクチュエータ102によってリンク機構101を介して全てのスイングアーム105,103の回動角度を制御できる。
図12に示す可変バルブタイミング機構では、アクチュエータ102に連結した扇形ギヤ120の歯部の範囲でリンクシャフト104の回転範囲が規制され、リンクシャフト104に偏心して固定された偏心ディスク123(タペット軸に相当する)が排気バルブスイングアーム103や吸気バルブスイングアーム105の基部に保持されている。
そのため、リンクシャフト104の回転位置に対する各偏心ディスク123の回転角度位置のずれに対して、排気バルブスイングアーム103や吸気バルブスイングアーム105にカム軸108の偏心カム108aが当接して押し上げる位置が変化する。
一方で、船舶用機関においても有害排気ガスの排出規制が年々厳しくなっており、燃料由来による有害排気ガスの排出量が少なく排出規制を満足することができるデュアルフューエルエンジンを導入することが要望されている。しかし、このようなデュアルフューエルエンジンの導入のためには、船舶用機関の運転モードを満たすために負荷上げ時間を20秒程度にまで短縮する必要があった。
例えばガスエンジンにおいて、通常、吸気弁はピストンの下死点に閉まる(図10A参照)。閉まるタイミングを下死点より早くすると(図10B参照)、吸気弁の閉弁後にも混合気の膨張が続くため、筒内温度Tsが図10Aの場合より下がる(Ts*<Ts)。その分だけ上死点時の最高圧縮温度も低下することより(Tc*<Tc)、自着火を防ぐことができてノッキングが抑制される。
ミラーサイクルの欠点として、圧縮温度が下がって低負荷域の着火性が悪化するため、起動時や低負荷時には図10Aに示す通常の吸気弁の開弁タイミングに戻し、高負荷時のみ吸気弁の開弁タイミングを早くする必要がある。
なお、燃焼室内で混合気の圧縮比を下げると、起動時や低負荷時では着火性が悪化する上に燃料効率の点で有利な条件から離れてしまい、燃費が悪化するデメリットが生じる。そこで、本発明では、よりノッキングが生じ易い負荷がより増大する運転領域において吸気弁が閉じるタイミングをより大きく変更させて、より大きい割合で圧縮比を下げる制御を行う。これにより、負荷の変化に応じてノッキングを抑制させ、燃費の悪化を防止しつつ負荷上げ時間を短縮させることができる。
本発明によるガスエンジンでは、燃料となるガスは弾性体であるため液体燃料に比べて正確な燃料の供給量を得ることが相対的に難しい。そこで、トルクセンサにより実際にトルクの測定を行うことで回転数との関係で負荷を演算するが好ましい。しかも、回転数センサを備えることで得られる出力軸の回転数測定値とトルクセンサによるトルク測定値の積をとることで、エンジンの出力軸の負荷をリアルタイムに求めることができる。
吸気弁の閉じるタイミングの進角、遅角、いずれの動作であっても圧縮比を下げる効果を得ることができて本発明に適用可能である。しかし、吸気弁の閉じるタイミングの遅角は、混合気を吸気系統へ吹き戻すことによる弊害の可能性があることから、吸気弁の閉じるタイミングの進角を設定することがより望ましい。
吸気弁の閉じるタイミングの進角は、負荷の変化に応じて連続的に可変に設定するか段階的に可変に設定する動作とすることが、ノッキングの抑制と負荷上げ時間の短縮のために好ましい。
負荷が大きい場合ほど吸気弁の閉弁の進角または遅角を大きくして圧縮比を下げることによりノッキングの発生を抑制できるが、燃焼室に吸気できる混合気の量が減少するのでエンジンの負荷上げには不利になる。そのため、エンジンの吸気管に過給機を設けることで混合気の減少を補うと共に、エアクーラによって空気を冷却することで過給による空気の温度上昇を抑制することができ、混合気の量を増大させてエンジンの負荷上げに貢献すると共に空気の温度低減によってノッキングを抑制できるため、負荷上げ時間の短縮を進めることができる。
本発明によるガスエンジンシステムの制御方法では、ガスエンジンの出力軸の負荷が増大した場合に、吸気弁が閉じるタイミングを吸入下死点から進める(進角)か、または遅らせる(遅角)ことで、エンジンの燃焼室内における混合気の圧縮比を下げる制御を行う。圧縮比を下げることで圧縮時の燃焼室内の温度が低くなるためノッキングを抑制することができる。
低負荷では吸気弁の開閉タイミングは吸気行程とほぼ一致しており340度付近で開き始め、540度付近で閉じる。また、高負荷では吸気弁の開閉タイミングはVIVT機構によって進角で進める制御を行い、後述する実施形態において、吸気弁の閉弁タイミングを当初の545度から負荷に応じて進角の制御を無段階で行い、高負荷では閉弁のタイミングが505度になるように制御される。
図1及び図2に示す舶用のデュアルフューエルエンジン1(以下、単にエンジン1ということがある)はディーゼルモードDとガスモードGの各機関を備えており、運転中にディーゼルモードDとガスモードGとに切り換え可能な機関である。図1に示すデュアルフューエルエンジン1は、プロペラ等に連結された出力軸としてクランク軸2の機構を備えており、クランク軸2はシリンダーブロック3内に設置されたピストン4に連結されている。シリンダーブロック3内に設けたピストン4とエンジンヘッド5によって燃焼室6が形成されている。
エンジン1は、燃料噴射弁10より液体燃料を燃焼室6内に噴射するディーゼルモードDで始動を行う。エンジン1に基準値以上のガス圧力が供給されていることが確認された後、電磁弁15でガス燃料を吸気管13に噴射して空気と混合してから燃焼室6内に流入させ、ガス燃料を燃焼させるガスモードGで運転を行う。
停止の際には再びディーゼルモードDに変更してから停止を行う。始動時と停止時以外はディーゼルモードDとガスモードGを変更可能である。
図1において、クランク軸2には回転数センサ20とトルクセンサ21とが取付けられており、回転数センサ20ではクランク軸2の回転数(回転速度)を計測し、トルクセンサ21ではクランク軸2によってエンジントルクを計測する。トルクセンサ21として、例えば軸にかかるトルクを歪によって検出するセンサが使用可能である。回転数センサ20とトルクセンサ21で計測した測定データはエンジン1を制御する制御部22にそれぞれ信号出力する。
制御部22では、回転数センサ20とトルクセンサ21などからの信号に基づいてエンジン1の運転状態を検出する。即ち、回転数センサ20で計測したクランク軸2の回転数をnとし、トルクセンサ21で計測したトルクをTとして、下記の式(1)と式(2)でエンジン1の負荷Aを演算する。但し、Ltはエンジン1の定格出力とする。
出力Lo=2πTn/60 (1)
負荷A=Lo/Lt×100 (2)
また、回転数nを一定にした場合には、負荷Aとトルク測定値Tは正比例の関係になる。回転数nが一定の条件においては、負荷Aが大きいほど、すなわちトルクデータTが大きいほど、より大きい割合で吸気弁8の閉じるタイミングの進角を設定することが望ましい。
制御部22で設定された開閉タイミングの第二電気信号は電空変換器27に送信され、電空変換器27で開閉タイミングの信号が空気圧力に変換される。この空気圧力はアクチュエータ28に送られて可変吸気弁タイミング機構30の駆動を制御する。アクチュエータ28には第一減圧レギュレータ34と電空変換器27から駆動用と制御用の空気圧力P1,P2が供給される。
電空変換器27を駆動するための空気圧力は、第一減圧レギュレータ34から第二減圧レギュレータ37でさらに減圧されて供給される。電空変換器27は入力される開閉タイミングの第二電気信号に対応する空気圧力を、アクチュエータ28の動作を調整するための空気圧力P2としてアクチュエータ28に供給する。これらの空気圧力P1,P2に基づいてアクチュエータ28のロッド28aを動作して可変吸気弁タイミング機構30を作動させる。
吸気弁8の開弁タイミングと閉弁タイミングの間の時間は変わらないので、閉弁のタイミングが吸入下死点から進むと開弁のタイミングも吸入上死点から同一時間進む。しかも、本発明ではエンジン1の負荷に応じて開弁と閉弁のタイミングを変更することでノッキングを抑制して負荷上げ時間を短縮させるようにした。エンジン1の負荷Aと回転数nに基づいて制御部22内の第一マップ24と第二マップ25により吸気弁8の開閉タイミングを設定し、アクチュエータ28と可変吸気弁タイミング機構30によって吸気弁8の開弁と閉弁のタイミングを、ノッキングを抑制できるように調整している。
吸気弁8の閉開タイミングである進角の大きさは、リンクシャフトのタペット軸に連結された吸気用スイングアームにカム軸の偏心カムが当たり始めるタイミングで決まる。
この際の圧力は圧力計43に表示され、ガスレギュレータ42のバルブ開度を変更することによって調整し、燃焼用のガス燃料として電磁弁15から吸気管13内に噴射される。吸気管13内ではガス燃料とエアクーラ16で冷却された過給の空気とが混合されて燃焼室6に供給される。負荷上げの際は、電磁弁15の動作によりガス燃料の供給量を増加させる。
第一マップ24は次の実験手順(1)〜(18)の行程に基づいて作成した。
実験には、実際に使用する同一機種のデュアルフューエルエンジン1を用いた。
(1)エンジン1を始動し、回転数nを400min-1、負荷Aを10%、吸気弁8の閉弁タイミングを545deg(構造上、最も遅い閉弁タイミング)に設定する。
ノッキングは、各エンジンヘッド5に取付けた不図示のノックセンサにより発生を検出する。ノッキング現象発生時は,通常の燃焼波形に高周波の圧力変動が重なった波形となる。
(3)上記のノッキング測定時の排気温度の測定終了後、吸気弁8の閉弁タイミングを5deg減少させ、再度(2)の計測を行う。閉弁タイミングを500deg(構造上、最も早い閉弁タイミング)まで変更して計測を行う。
(4)上記(3)の計測が終了したら、負荷を10%ずつ110%になるまで段階的に増加させて、再度(2)と(3)の計測を繰り返して行う。
(6)上記(5)の計測結果から、X軸が負荷A、Y軸が回転数n、Z軸が開閉タイミングに設定された図4の3次元グラフにおいて、安全に運転可能な計測点に●(黒丸)、安全ではない計測点に×をプロットする。これによって、負荷Aと回転数nと開閉タイミングとの関係におけるノッキング抑制範囲を選定できる。
(7)上記(1)〜(6)の計測工程を、回転数nを100min-1ずつ900min-1まで上昇して行い、回転数n毎の安全に運転できる範囲を計測する。
(9)次に上記(1)〜(8)の実験により計測した図4に示す安全にエンジンを運転できる直線で囲った3次元領域の範囲内で、窒素酸化物(以下、NOxという)が基準値以下であり、熱効率が一番高い設定を探すことを目的に更に実験を行う。
エンジン回転数nを400min-1、負荷Aを10%、吸気弁8の閉弁タイミングを545degに設定する。
熱効率η=360Lo/H/L (3)
但し、H:燃料ガスの低位発熱量(J/Nm3)
Lo:現時点の出力
L:燃料流量
(12)上記(10)と(11)の計測が終了したら負荷を10%ずつ110%まで段階的に増加させ、再び(10)及び(11)の計測を繰り返して行う。閉弁タイミングは図4で示す安全に運転できる範囲内で変更する。
(14)そして、NOxが所定値以下であり、熱効率が一番高い、吸気弁8の閉弁タイミングを各回転数nと負荷A毎に設定する。この結果により、図3に示す第一マップの原案が作成される。
(16)上記(15)で検出されたノッキング強さが基準値以上であった計測点の閉弁タイミングを3deg減少させる。
(17)つぎに、ノッキング強さが基準値以下になるまで、(15)(16)の工程を繰り返し、ノッキングが抑制された閉弁タイミングを決定する。閉弁タイミングを減少させると熱効率は悪化する。NOx、ノッキング強さが基準値以下で熱効率が一番高い結果が得られた閉弁タイミングの設定を回転数n、負荷Aの設定値とする。
(18)上記(17)よりノッキングが抑制された閉弁タイミングを各回転数n、負荷Aでそれぞれ計測し、その結果により図3に示す最終的な第一マップ24を作成した。
一点鎖線で示した良好な負荷上げパターンの1例では、回転数nと負荷Aの小さい図中右下の位置では進角は最少とされ、回転数nと負荷Aが増すに従って進角を大きくする。途中で進角が一定となる領域も存在するが、全体として負荷が増すほど進角は大きくされる。なお、負荷はトルクと回転数の積で求められるため、出力軸のトルクが増すほど進角を大きくすると表現することもできる。
可変吸気弁タイミング機構30がアクチュエータ28によって回転制御されるとき、次の手順で第二マップ25を作成する。
(1)アクチュエータ28により閉弁タイミングを変更し、各閉弁タイミングに変更する際の圧力を計測する。
(2)電空変換器27の仕様より上記(1)の圧力を供給する為に必要な第二電気信号を調査する。
(3)上記(1)及び(2)の結果から、横軸に上記第一マップ24で選択した第一電気信号、縦軸に閉弁タイミング(第二電気信号)を示す第二マップ25を作成する。
(1)サーボモータに基づいて閉弁タイミングを変更し、各閉弁タイミングに変更する際の第二電気信号を計測する。
(2)上記(1)の結果により横軸に第一電気信号、縦軸に閉弁タイミング(第二電気信号)を示す第二マップ25を作成する。
なお、図5に第二マップ25の詳細図を示す。第二マップ25は閉弁タイミング(第二電気信号)と第一電気信号との関係を表すマップである。
ガスモードGにおいては、過給機17から供給される空気はエアクーラ16で冷却された状態で電磁弁15から噴射されるガス燃料と予混合されてシリンダーブロック3内の燃焼室6内に供給される。吸気工程ではピストン4が下死点に到達する前に吸気弁8が閉弁し、更にピストン4が降下することで燃焼室6内の混合気が負圧になり混合気の温度と圧縮比が下がる。これによってノッキングを抑えることができる。
エンジン1の始動時にアクチュエータ28に必要圧力P1が供給されているか否か圧力計36で計測され、この値が規定値以下の場合にはエンジン1が始動できない。また、エンジン動作中に本圧力P1が規定値以下になる場合は、エンジン1が停止する。吸気弁8の開閉タイミングの制御は、エンジン1の運転モードに関係なく始動したときに開始される。始動時期は、回転数センサ20から回転数nの測定値信号が制御部22に入力されたとき始動したと判断する。
第一電気信号は第二マップ25に入力されて、第一電気信号に対応する開閉タイミングが設定され、第二マップ25により開閉タイミングに対応する第二電気信号を決定して電空変換器27に入力する。開閉タイミングはピストン4の吸気下死点と吸気上死点からの吸気弁8の閉弁タイミングと開弁タイミングの進角として設定される。
可変吸気弁タイミング機構30では、タペット軸の回転によってタペット軸に連結された吸気弁スイングアームとカム軸との距離が変化し、カム軸に設けた偏心カムが当たり始めるタイミングが変化する。この変化より負荷上げ時における吸気弁8の開閉タイミングが変化する。吸気弁8の開閉タイミングの変化によってノッキングを抑制できる。
第二マップ25から発信された第二電気信号をコントローラを介してサーボモータに入力する。サーボモータは入力した第二電気信号に対応する回転位置を計算し、リンクシャフトを所要角度だけ回転させることでタペット軸を回転させ、吸気弁8の開閉タイミングを下死点及び上死点から変更する。
負荷上げ試験に際し、気温を18℃、25℃、36℃、37℃に設定した。そしてエンジン1のガスモードGにおいて、アイドル回転状態の負荷上げ開始から定格負荷(定格回転)に到達するまでエンジン1の回転数nとトルクTと経過時間を所定間隔で測定した。
その結果は図8に示すとおりになった。従来のデュアルフューエルエンジンでは負荷上げ開始時から定格負荷になるまでの負荷上げに約10分要していたが、本実施形態の試験例では気温を18℃、25℃、36℃、37℃のいずれの場合も約20秒で定格負荷に到達した。そのため、負荷上げ速度を著しく向上できた。
また、本実施形態では図4に示す三次元マップの範囲内で開閉タイミングを選定するため、NOxの発生を低減することができる。
しかも、吸気弁8の開閉タイミングを最適化したことより低負荷での効率を向上できた。
しかも、舶用エンジンの負荷上げパターンに限定されることなく、車両用や非常用発電機などで活用できる負荷上げパターンにも適用できる。
なお、上述した実施形態では、可変吸気弁タイミング機構30は開弁タイミング及び閉弁タイミングの両方を変更し、吸気弁が開いている時間は変更しなかったが、吸気弁8の閉弁タイミングと開弁タイミングのいずれか一方または両方を選択して変更制御してもよい。
8 吸気弁
9 排気弁
15 電磁弁
20 回転数センサ
21 トルクセンサ
22 制御部
24 第一マップ
25 第二マップ
27 電空変換器
28 アクチュエータ
30 可変吸気弁タイミング機構
Claims (6)
- ガスを燃料とし燃焼室内の燃料ガスと空気の混合気に点火する点火源を有する4ストロークのエンジンを備えたエンジンシステムであって、
前記エンジンの出力軸のトルクを測定するトルクセンサと、
前記出力軸の回転数を測定する回転数センサと、
前記出力軸の負荷が増大した場合に前記エンジンの吸気弁が閉じるタイミングの変更を設定する制御部と、
前記制御部で設定された吸気弁の閉じるタイミングに応じて前記吸気弁が閉じるタイミングを変更させる可変吸気弁タイミング機構と、を備え、
前記トルクセンサによるトルク測定値と前記回転数センサによる回転数測定値から前記出力軸の負荷を求めて、前記制御部における吸気弁が閉じるタイミングの変更を設定し、
前記エンジンの出力軸の負荷の増大に伴い、前記可変吸気弁タイミング機構によって前記エンジン内のガスと空気の混合気の圧縮比をより下げる制御を行うことを特徴とするエンジンシステム。 - 請求項1に記載のエンジンシステムであって、
前記可変吸気弁タイミング機構は、前記吸気弁の閉じるタイミングの下死点からの進角を調整するようにしたエンジンシステム。 - 請求項2に記載のエンジンシステムであって、
前記可変吸気弁タイミング機構における前記吸気弁の閉じるタイミングの進角の調整は連続的または多段階的に行うようにしたエンジンシステム。 - 請求項3に記載のエンジンシステムであって、
前記制御部において決定する進角は、予め測定した複数の前記出力軸の負荷と回転数のデータをパラメータとして設定した進角の値から設定されるようにしたエンジンシステム。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンシステムであって、
前記エンジンの吸気管には、過給を行う過給機と、前記過給機からの空気を前記吸気管に供給する前に冷却するエアクーラとを備えているエンジンシステム。 - ガスを燃料とし燃焼室内の燃料ガスと空気の混合気に点火する点火源を有するエンジンを備えたエンジンシステムの制御方法であって、
前記エンジンの出力軸のトルクを測定するトルクセンサと、
前記出力軸の回転数を測定する回転数センサと、を備え、
前記トルクセンサによるトルク測定値と前記回転数センサによる回転数測定値から前記出力軸の負荷を求め、
前記エンジンの出力軸の負荷が増大した場合に前記エンジンの吸気弁が閉じるタイミングの変更を設定する工程と、
前記設定された吸気弁の閉じるタイミングに応じて前記吸気弁が閉じるタイミングを機械的に変更させる工程と、を備え、
前記エンジンの出力軸の負荷の増大に伴い、前記吸気弁が閉じるタイミングを機械的に変更させることで前記エンジン内のガスと空気の混合気の圧縮比をより下げるようにしたことを特徴とするエンジンシステムの制御方法。
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