JP6640728B2 - 緑内障を処置するための方法および組成物 - Google Patents

緑内障を処置するための方法および組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6640728B2
JP6640728B2 JP2016553245A JP2016553245A JP6640728B2 JP 6640728 B2 JP6640728 B2 JP 6640728B2 JP 2016553245 A JP2016553245 A JP 2016553245A JP 2016553245 A JP2016553245 A JP 2016553245A JP 6640728 B2 JP6640728 B2 JP 6640728B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyhalothrin
lambda
eye
alkyl
pyrethroid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016553245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016535792A (ja
Inventor
リチャード ダブリュー. ハートル
リチャード ダブリュー. ハートル
Original Assignee
アールビージー グループ リミテッド
アールビージー グループ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アールビージー グループ リミテッド, アールビージー グループ リミテッド filed Critical アールビージー グループ リミテッド
Publication of JP2016535792A publication Critical patent/JP2016535792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6640728B2 publication Critical patent/JP6640728B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C57/00Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C57/52Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms containing halogen
    • C07C57/62Unsaturated compounds having carboxyl groups bound to acyclic carbon atoms containing halogen containing six-membered aromatic rings and other rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/13Amines
    • A61K31/155Amidines (), e.g. guanidine (H2N—C(=NH)—NH2), isourea (N=C(OH)—NH2), isothiourea (—N=C(SH)—NH2)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/21Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • A61P27/06Antiglaucoma agents or miotics

Description

本発明は、眼内圧(intraocular pressure:IOP)を下げて緑内障を処置するための方法に向けられる。この方法は、特定のピレスロイド化合物の使用を伴う。本発明はさらに、この方法において用いるためのピレスロイドに基づく組成物に向けられる。
緑内障は、眼内圧(IOP)の上昇を特徴とする眼の障害または状態のグループである。眼の前房の解剖学的形態に基づいて、緑内障は開放隅角緑内障または閉塞隅角緑内障に分類されることがある。緑内障はさらに、原因によって原発性または続発性に分類されることがある。
眼は房水で満たされており、房水は眼の全体的形状の維持を助け、たとえば水晶体および角膜などの眼の構造に栄養を供給し、かつ眼から廃棄物を運び出す。房水は流れる液体である。IOPは、眼球構造内の抵抗に逆らう房水の流れによって生じる圧力である。通常、健康な個体のIOPは約15mmHgに維持される。IOPは、房水が眼に入る速度と出る速度とのバランスを反映するものである。房水の流入は房水の生成速度に依存するのに対し、流出は眼からの排出に対する抵抗によって定められる。
IOPの上昇の結果として、網膜の神経節細胞の損傷がもたらされ、それがさらに典型的パターンの視野の喪失をもたらす。もし上昇したIOPを処置せずにおけば、視力喪失がトンネル状視野および失明に進行するおそれがある。当然ながら、現在の処置はすべてIOPを下げることに向けられたものである。上昇した眼内圧(約21mmHgまたは2.8kPaより上)は、緑内障に対する最も重要かつ唯一変更可能な危険因子である。
現在利用可能な処置は、外科的処置および薬理学的処置を含む。外科手技は、流出を増加させるためのレーザー線維柱帯形成術、付加的な流出経路を作製するためのチューブシャントおよびトラベクロトミー、ならびに房水の生成を減らすための毛様体上皮組織の破壊を含む。緑内障障害を処置するための外科手技は、本発明の分野外である。外科手術の不利益は、眼内手技に関連する合併症を含み、それは典型的に出血、感染症、白内障、網膜剥離、視力の喪失、および麻酔への反応を含む。
薬理学的治療はIOPを下げるために有効であり、典型的には2種類の薬剤、すなわち房水の生成を減少させる薬剤と、眼からの房水の流出または除去を増加させる薬剤とを含む。いずれかまたは両方の機構が、IOPの低下をもたらし得る。多様な薬剤が利用可能であり、そのほとんどは眼用溶液の形状である。その他の用量形状は、懸濁液、ゲル、軟膏、および薬物を含有する眼球移植片を含む。
上昇したIOPおよび/または緑内障を処置するために用いられる薬物のいくつかの一般的な例は、副交感神経刺激薬、交感神経刺激薬、プロスタグランジンアナログ、ベータ遮断薬、アルファアゴニスト、コリンエステラーゼ阻害剤、および炭酸脱水酵素阻害剤を含む。しばしば、2種類以上の薬物が使用される。
有用な副交感神経刺激薬は、ピロカルピンおよびカルバコールを含む。有用なコリンエステラーゼ阻害剤は、エコチオパートヨウ化物(ヨウ化ホスホリンとしても公知である)を含む。これらの種類の薬剤は、眼の線維柱帯網を通じた房水流出を増加させることによってIOPを下げる。たとえばエピネフリン(現在米国では入手不可能)およびジピベフリンなどの交感神経刺激薬も、眼からの房水の流出を増加させる。
ピロカルピン、カルバコール、ヨウ化ホスホリン、およびジピベフリンは、それらを長期使用することによって多くの有害な合併症(すなわちアレルギー、疼痛、縮瞳、白内障、および網膜剥離)がもたらされるため、もはや日常的に使用されておらず、現在はより新しく安全で効果的な薬剤に置き換わっている。
プロスタグランジンアナログも、眼からの房水の流出を増加させることによって作用する。有用なプロスタグランジンアナログは、それぞれLumigan(登録商標)、Xalatan(登録商標)、およびTravatan(登録商標)として商業的に入手可能なビマトプロスト、ラタノプロストおよびトラボプロストを含む。プロスタグランジンアナログは一般的に、他の薬剤よりも全身的副作用が少なく、安全かつ有効であると考えられているが、それらも眼自体に虹彩の色およびまつ毛の成長の変化を含む変化をもたらす。
ベータ遮断薬は、房水の生成を減少させることによって作用する。有用なベータ遮断薬は、ベタキソロール、チモロール、カルテオロール、メチプラノロール、およびレボブノロールを含み、これらはいくつかの商品名で商業的に入手可能である。ベータ遮断薬はプロスタグランジンアナログよりも安価であるが、より多くの全身的副作用を有する。涙管および体循環に入る薬物の量を減らす、滴下適用に用いられるさまざまな技術によって、副作用を最低限にすることができる。
たとえばアプラクロニジンおよびブリモニジンなどのアルファアゴニストは、房水の生成を減少させ、かつ眼からの排出を増加させるように作用する。
たとえばアセタゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、およびメタゾラミドなどの炭酸脱水酵素阻害剤は、房水の生成を減少させる。ブリンゾラミドおよびドルゾラミドは点眼薬として入手可能であり、アセタゾラミドおよびメタゾラミドは固体の経口形状で入手可能である。
最適な効果のために薬物療法が組み合わされてもよい。加えて、患者に利便性を提供するために、1日に使用する点眼薬の数および把握すべき投薬容器の数を減らすために、2つ以上の薬物を含有する多くの併用調合物が利用可能である。これらの併用調合物は、より対費用効果が高いこともある。
特にIOPを下げることに重点を置いた、緑内障の処置に用いるためのいくつかの新たな薬物が開発されている。これらの中には、より伝統的な薬剤のゲル形状、クロニジンの誘導体、より新しいプロスタグランジン、アルファトコフェロール、フェニトイン、アミノグアニジン、およびN−メチル−d−アスパルテート受容体拮抗薬であるメマンチンが含まれる。より長期間にわたってIOPを低くすること、投薬頻度を下げ、局所的副作用を最小化することによってアドヒアランスを高めること、および視力の喪失を止めることが可能な、対費用効果の高い治療法を開発することに継続的な関心がある。
緑内障に対する従来の治療法は治癒を提供せず、上で考察したいくつかの付随する不利益を伴わないことはない。加えて、多くの従来の処置は、併用調合物ですら1日当り高頻度の用量を必要とし、よって患者の不履行の機会および治療の費用が高くなる。局所的副作用は珍しいものではなく、局所的炎症、灼熱感、チクチク感、催涙、視覚のぼやけ、異物感、ドライアイなどの影響を含む。全身的な影響は、薬剤に依存して、心拍数および血圧の低下、抗コリン性の影響、頭痛、身体疼痛、関節痛、インフルエンザ様症候群などを含む。たとえば非特異的ベータ遮断薬などのいくつかの薬剤は、喘息および慢性閉塞性肺疾患において禁忌である。したがって、従来の治療法よりも少ない局所および全身的副作用を伴いつつより長期間のIOP制御を提供する新たな治療薬剤が継続的に要求されている。
これまで緑内障の処置またはIOPを下げるための薬理学的薬剤として使用されていなかった特定の局所的ピレスロイドを使用する、上昇したIOPの制御のための新規の処置が発見された。この処置法は、ピレスロイド化学物質、特にラムダ−シハロトリンおよびそのアナログを含む組成物の使用を含む。
ピレスロイドは、キクの花が生成する天然の殺虫剤であるピレトリンに類似した人工化学物質のグループである。ピレスロイドは、生物の神経系の正常な機能を破壊する。特に、ピレスロイドは、電位開口型ナトリウムチャネルの非活性化を延長させることによって神経線維の興奮を延長させることによって、昆虫の神経系を破壊する。神経系の破壊によって、ピレスロイドは麻痺または死をもたらし得る。
合成ピレスロイドは一般的に、天然ピレスロイドよりも改善した特性および効果を有する。特定の合成ピレスロイド、たとえばアルファ−シアノ基を有するもの(たとえばHot Shot(登録商標)家庭用害虫駆除(スペクトラム・ブランズ(Spectrum Brands))およびWarrior IIP(登録商標)穀物保護殺虫剤(シンジェンタ(Syngenta))の活性成分であるラムダ−シハロトリンなど)などは、アルファ−シアノ基を含有しないピレスロイドよりも強力な神経毒性効果を有する。
ラムダ−シハロトリンは、米国環境保護局(Environmental Protection Agency:EPA)に登録された殺虫剤であり、ピレスロイドシハロトリンに類似しており、殺虫剤として特に有用である。ラムダ−シハロトリンは弱い匂いを伴う無色からベージュの固体であり、低い水溶解性および低い揮発性を有する。
他のピレスロイドと同様、ラムダ−シハロトリンは昆虫を忌避し、この化学物質を消費するか、またはこの化学物質に別様に接触する多様な昆虫に影響する。多数の製品がラムダ−シハロトリンを含有し、こうした製品は屋内および屋外用殺虫剤、たとえば穀物に対する農業用殺虫剤など;家庭、病院、およびその他の閉鎖された環境に対する殺虫剤;温室、観賞植物および芝生用殺虫剤;シロアリの処置;ならびに動物の処置などを含むが、それらに限定されない。ラムダ−シハロトリンを含有するいくつかの商業的に入手可能な製品は、Demand(登録商標)、Karate(登録商標)、およびWarrior(登録商標)の商標を含む。
殺虫剤は米国EPAに登録される前に、過剰露出の場合にその化学物質が身体にどのように影響するかを定めるための短期および長期の健康への影響に対するテストを受ける必要がある。EPAはラムダ−シハロトリンについて、吸引されたときには中程度の毒性、ラットの皮膚への影響および眼への影響においては中程度の毒性と分類している。しかし、ラムダ−シハロトリンはウサギの皮膚への影響では低い毒性を有し、モルモットでは皮膚感受性を有さない。
実験室でラムダ−シハロトリンを扱うヒトは、顔の刺痛および灼熱感の症状が露出の30分以内に始まり、6時間から2日間続くことを報告した。すべての出来事は、純粋または濃縮ラムダ−シハロトリンを取り扱うことに伴うものであった。全体的に、ラベルの指示に従って使用されるときには、露出量が実験室の毒性試験で用いられる用量よりもかなり低いため、毒性の影響は起こりにくい。ラムダ−シハロトリン含有製品の使用者から報告された影響は、皮膚、喉、鼻、およびもし露出されれば他の身体部分への刺激を含む。特に顔の周りの皮膚の刺痛、灼熱感、およびチクチクした感じは、露出の一意の一時的症状である。その他の症状は眩暈、頭痛、悪心、食欲不振、および疲労を含んでもよい。重度の中毒症では、痙攣および昏睡が起こり得る。
ピレスロイド露出によって起こり得る副作用および公知の副作用にもかかわらず、意外なことに、有効用量のラムダ−シハロトリンおよびそのアナログを含む本発明の組成物は、使用された用量において局所的または全身的な毒性の影響がほとんどまたはまったく観察されることなく、IOPの予想外の延長した低下を提供する。
本発明の目的は、たとえば緑内障などの、眼内圧の上昇を特徴とする眼球の状態の処置において有用な組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、毒性の局所的または全身的副作用をほとんどまたはまったく伴わずにIOPの顕著な延長した低下を提供する、緑内障の処置のための方法を提供することである。
本発明の別の目的は、局所投与または眼球装置の埋め込みもしくは挿入による眼への投与のための好適な送達系にピレスロイド化合物を含む組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、本明細書の開示から明らかになるであろう。
本発明は、眼内圧を下げるため、ならびにより特定的には、緑内障および上昇した眼内圧に関連する眼性疾患を処置するための、ピレスロイド化合物の使用に向けられたものである。これは、ラムダ−シハロトリンへの露出によって数時間から数日間持続する眼内圧の顕著な低下がもたらされるという発見に基づくものである。本発明の組成物は、使用中に全身的副作用をほとんどまたはまったく有さず、かつ同等またはより良好な局所的副作用プロファイルを有する。
一実施形態において、本発明は、ヒトにおける眼内圧を低下させるための方法であり、この方法は、好適な眼用担体または送達系に含有された有効量のピレスロイド化合物を眼に投与するステップを含む。特に、ピレスロイド化合物はラムダ−シハロトリン、またはアルファ−シアノ基を含有するそのアナログである。
別の実施形態において、本発明は、ヒトにおける緑内障およびIOPの上昇を特徴とするその他の状態を処置する方法であり、この方法は、好適な眼用担体または送達系に含有された有効量のピレスロイド化合物を眼に投与するステップを含む。特に、ピレスロイド化合物はラムダ−シハロトリンまたはそのアナログである。
さらに別の実施形態において、本発明は、眼内圧を正常限度内に低下させるために十分な量のピレスロイド化合物を液体、半流動体または固体の担体中に含む医薬組成物に向けられたものである。
さらに別の実施形態において、本発明は、上昇したIOPおよび/または緑内障の処置に有用な医薬組成物を調製するための方法に向けられたものである。
本発明は、ラムダ−シハロトリンの使用によって説明されているが、本発明はそのように限定されるものではない。その他の好適なピレスロイドは、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ビフェントリン、シフルトリン、プラレトリン、レスメスリン、スミスリン、テトラメトリン、およびトラロメトリンを含む。これらのピレスロイドは、多数の殺虫剤製品において商業的に入手可能である。アルファ−シアノ基を含有するピレスロイドが、本発明の方法において特に有用であると考えられる。あらゆる特定の理論に結び付けられることは望まないが、眼内圧低下の機構は、毛様体の非着色毛様体上皮またはぶどう膜強膜路系に局在すると考えられる。その機構は調査中である。
本発明は、眼内圧を正常限度内に低下させるための、特に緑内障を処置するための方法に向けられたものであり、この方法は、ヒトの対象に対してIOPを正常範囲内に低下させるために十分な量のピレスロイド化合物を含む、局所的または埋め込み式の眼用調製物を投与するステップを含む。本発明はさらに、眼用調製物として提供されるピレスロイド、ラムダ−シハロトリンまたはそのアナログを含む組成物、およびその組成物の調製のための方法に向けられたものである。
本発明はラムダ−シハロトリンによって説明されている。下の式Iに示されるとおり、ラムダ−シハロトリンは式C2319CIFNOによって表される。
ラムダ−シハロトリンは、その化学名(R)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル(1S,3S)−rel−3−[(lZ)−2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートによっても公知である。
他の有用な化合物は、下の式II〜VIIを有するラムダ−シハロトリンアナログである。
ここでR−RおよびR−R10の各々は、(任意の他のR−RおよびR−R10と)同じであっても異なっていてもよく、水素(H)、アルキル(例、C−Cアルキル、メチル、エチル)、アルコキシ(例、C−Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシル、またはハロゲン(例、F、Cl、Br、I)であってもよく、R−RおよびR−R10の任意の1つは好ましくはHであり、
ここでRは酸素(O)、窒素(N)、またはアルキル(例、C−Cアルキル)であってもよく、好ましくはOである。
ここでR11はOまたはNまたはアルキル(例、C−Cアルキル)であってもよく、好ましくはOであり、
ここでR12はC=O(ケトン)またはC−OHまたは非分岐鎖もしくは分岐鎖アルキル(例、C−Cアルキル)またはC−SOまたはC−SH(スルフヒドリル)であってもよく、好ましくはC=Oであり、
ここでR13は置換もしくは未置換アルキル(例、C−Cアルキル)または置換もしくは未置換CH−NH−CH、またはピロール環であり、ここでもし存在すれば1つまたはそれ以上の置換基はアルキル(例、C−Cアルキル、メチル、またはエチル)、アルコキシ(例、C−Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシル、またはハロゲン(例、F、Cl、Br、I)であってもよく、好ましくはC(CHである。
ここでR14−R20の各々は、(任意の他のR14−R20と)同じであっても異なっていてもよく、水素(H)、アルキル(例、C−Cアルキル、メチル、エチル)、アルコキシ(例、C−Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシル、またはハロゲン(例、F、Cl、Br、I)であってもよく、R14は好ましくはClであり、R15−R17の任意の1つは好ましくはFであり、R19およびR20の任意の1つは好ましくはアルキル(例、C−Cアルキル)であり、より好ましくはメチルである。
ここでR18は置換または未置換アリール、置換または未置換ナフチル、置換または未置換プリン、置換または未置換ピリミジン、置換または未置換ピロール、置換または未置換ビフェニル、置換または未置換環式アルキル、置換または未置換二環式アルキル、あるいは2つの芳香環、好ましくは2つのフェニル環がアルキル(例、C−Cアルキル、メチル、エチル)、OまたはNによって連結された置換または未置換二環式化合物(好ましくはフェノキシフェニル)であってもよく、ここでもし存在すれば1つまたはそれ以上の置換基はアルキル(例、C−Cアルキル、メチル、またはエチル)、アルコキシ(例、C−Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ)、ヒドロキシル、またはハロゲン(例、F、Cl、Br、I)であってもよく、好ましくは3の位置で残りの分子に連結された未置換フェノキシフェニルであり、
ここでR14−R20は上に示したとおりである。
ここでR18およびR14−R20は上に示したとおりである。
ここで置換基R−R17は上に示したとおりである。
本発明の組成物は、眼内圧を正常範囲内に低下させるために十分な量で存在する、好適な眼用担体または送達系中の、式I〜VIIのいずれかにおいて上述したピレスロイドを含む。
本発明の組成物は、ラムダ−シハロトリンまたはそのアナログの1つを約0.001%w/wから約5%w/w(ピレスロイドの重量/組成物の総重量)の範囲、好ましくは約0.001%w/wから約1.0%w/w、またはより好ましくは約0.01%w/wから約1.0%w/wの量で含む。
本発明の組成物は、ピレスロイド化合物に対する担体または送達系として溶液、懸濁物、軟膏、エマルションまたはゲルを使用してもよい。有用な液体担体は、平衡塩類溶液および人工涙液を含む。眼用薬物に対するその他の有用な液体担体または送達系は、当業者に公知となるであろう。代替的に、リザーバー、マトリックス、コンタクトレンズ、またはその他の固体装置を含むがそれに限定されない眼球埋め込み装置の中に、ピレスロイド構成要素が埋め込まれるか、または取り込まれてもよい。
本発明の医薬組成物は、1つまたはそれ以上の界面活性剤、等張化剤、緩衝液、抗菌剤、保存剤、共溶媒、および/または増粘剤もしくはシックナーを含むがそれらに限定されない、さまざまなその他の成分を含んでもよい。好適な成分は、眼用医薬品の技術分野の当業者に公知である。
好適な界面活性剤は、眼への適用において従来から用いられている界面活性薬剤、たとえばポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80(ICIアメリカ社(ICI America Inc.))として商業的に入手可能)、チロキサポール、ならびにPLURONIC(登録商標)F−68(BASF)およびその他のポロキサマー界面活性剤などを含むが、それらに限定されない。後者の2つの界面活性剤は、疎水性化合物の水溶解性および/または混和性を改善するために有用な、非イオン性のポリアルキレンオキシドブロックコポリマーである。あらゆる特定の界面活性剤を使用するときの濃度は、それが(もし存在すれば)保存剤の殺菌効果を中和するために制限されたり、刺激を引き起こすレベルによって制限されたりすることがある。眼用調製物に対するその他の有用な界面活性剤および許容できる濃度は、当業者に公知となるであろう。
組成物の張性を調整するために有用なさまざまな等張化剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、非イオン性ジオールを含み、好ましくは生理的張性に近づくために組成物にグリセロール、デキストロースおよび/またはマンニトールが加えられてもよい。その他の有用な等張化剤は、当業者に公知となるであろう。本発明において有用な等張化剤の量は、加えられる特定の薬剤によって変動し得る。本発明の好ましい非限定的な実施形態において、医薬組成物は、最終調合物に眼が許容できる浸透圧(一般的には約150〜450mOsm)をもたらすために十分な量の等張化剤を含む。
加えて、保存状態でのpHドリフトを低減または防止するために、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、またはホウ酸を含むがそれに限定されない適切な緩衝系を用いてもよい。その他の好適な緩衝系は当業者に公知であろう。使用される特定の濃度は、使用される薬剤によって変動する。
いくつかの調製物においては、微生物の混入を低減、制限または防止するための保存剤または抗菌剤を含むことが望ましいことがある。好適な保存剤はビグアナイド、過酸化水素、過酸化水素供給源、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、臭化ベンゾドデシニウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、ポリクアテルニウム−1、および/または有用であることが当業者に公知であるその他の保存剤もしくは抗菌剤を含むが、それらに限定されない。特定の非限定的な実施形態において、保存剤は約0.001%から約1.0%(w/w)の濃度で存在する。本発明の無菌の単一単位用量調合物は、保存剤を必要としないであろう。
本発明の組成物は、任意には1つまたはそれ以上の共溶媒および/または増粘剤を含んでもよい。好適な薬剤は非イオン性水溶性ポリマー、潤滑、「湿潤」、および内在性の涙の粘稠度への近似を行う薬剤、ならびに/または自然な涙の増加を助けるか、もしくは別様にドライアイの症状の一時的軽減を提供する薬剤を含むが、それらに限定されない。例示的な非限定的な化合物は、モノマーのポリオール、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、およびエチレングリコールなど;ポリマーのポリオール、たとえばポリエチレングリコールなど;セルロース化合物、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethyl cellulose:HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびヒドロキシルプロピルセルロース(hydroxyl propylcellulose:HPC)など;デキストラン、たとえばデキストラン70など;水溶性タンパク質、たとえばゼラチンなど;ビニルポリマー、たとえばポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone:PVP)、およびポビドンなど;ならびにカルボマー、たとえばカルボマー934P、カルボマー941、カルボマー940、およびカルボマー974Pなどを限定なしに含む。
ピレスロイドを含有する本発明の組成物には、ドライアイの処置に対して推奨される「リン脂質担体」または「人工涙」調合物が含まれてもよい。こうしたリン脂質担体または人工涙担体は、(i)眼球への投与の際に、潤滑、「湿潤」、および/もしくは内在性の涙の粘稠度への近似を行うか、自然な涙の増加を助けるか、ならびに/または別様にドライアイの症状および状態の一時的軽減を提供する、1つまたはそれ以上のリン脂質またはその他の化合物を含み、(ii)実質的に臨床的に使用が安全であり、かつ(iii)有効量のピレスロイドの局所投与のための適切な送達媒体を提供する、水性調合物である。人工涙担体として有用な人工涙調合物の非限定的な例は、たとえばMoisture Eyes(商標)潤滑性点眼薬/人工涙(Lubricant Eye Drops/Artificial Tears)、Moisture Eyes(商標)リキッドゲル(Liquid Gel)潤滑性点眼薬、Moisture Eyes(商標)保存剤無添加潤滑性点眼薬/人工涙(Preservative Free Lubricant Eye Drops/Artificial Tears)、およびMoisture Eyes(商標)リキッドゲル保存剤無添加潤滑性点眼薬/人工涙(Liquid Gel Preservative Free Lubricant Eye Drops/Artificial Tears)(ボシュロム社(Bausch & Lomb Incorporated)、ロチェスター(Rochester)、NY)などの市販品を含む。リン脂質担体調合物の非限定的な例は、その各々の内容が本明細書において引用により援用される米国特許第4,804,539号(グオ(Guo)ら)、第4,883,658号(ホリー(Holly))、第4,914,088号(グロネック(Glonek))、第5,075,104号(グレッセル(Gressel)ら)、第5,278,151号(コーブ(Korb)ら)、第5,294,607号(グロネックら)、第5,371,108号(コーブら)、第5,578,586号(グロネックら)に開示されるものを含む。その他のリン脂質または人工涙担体が当業者に公知となるであろう。
任意には、担体の粘性を増加させるために、本発明の眼用調合物に他の化合物をさらに加えてもよい。好適な増粘剤の非限定的な例は、多糖、たとえばヒアルロン酸およびその塩など;コンドロイチン硫酸およびその塩;デキストラン;セルロースファミリーのさまざまなポリマー;ビニルポリマー;ならびにアクリル酸ポリマーを含むが、それらに限定されない。
本発明の組成物は、たとえばゲル、溶液、懸濁物、エマルション、または軟膏などの局所用調製物として調製されてもよい。加えてそれらの組成物は、リザーバー、マトリックス、コンタクトレンズ、またはその他の固体装置を含むがそれに限定されない眼球埋め込み装置に埋め込まれるか、または別様に取り込まれてもよい。組成物は、眼への薬物送達系として使用するために無菌となるような態様で調製される。さまざまな送達系に対する無菌調製の方法は、当業者に公知である。
例として、ゲルである本発明の無菌医薬組成物は、最初に無菌ポリアクリレートゲルを調製し、次いで前記ゲルに有効量の無菌ピレスロイド(例、ラムダ−シハロトリンまたはそのアナログ)を取り込むことによって作製される。代替的には、ポリアクリレートゲルの生成に用いられる無菌等張化剤を含有し得る溶液の一部にピレスロイド(例、ラムダ−シハロトリンまたはそのアナログ)を懸濁してもよく、次いでこの懸濁物を別に滅菌したポリアクリレートゲルと均質に混合してもよい。
滅菌は、さまざまなステップを用いて達成されてもよい。たとえば、ポリアクリレート懸濁物が作製されて、次いで無菌条件下でオートクレーブされてもよい。このアクリレート懸濁物が、保存剤、等張剤、およびキレート化剤の滅菌ろ過溶液と混合される。出発材料を注意深く徹底的に混合した後、滅菌ろ過した苛性ソーダ溶液を加えることでゲル形成を開始し、ゲルは均質になるまでさらに撹拌される。ピレスロイド(例、ラムダ−シハロトリンまたはそのアナログ)を、たとえば酢酸エチルなどの好適な量の溶剤に溶解し、その溶液を滅菌ろ過にかけ、たとえば無菌条件下で抗菌剤を伴う滅菌水を加えることなどによってピレスロイドを沈殿させることによって、ピレスロイドを滅菌する。この微生物的に無菌のピレスロイドを、次いで約3倍から10倍の量のゲル基剤とともに摩砕または粉砕して粉末にしてもよい。次いで残りの量のゲルを、徹底的な混合によって濃縮物に取り込ませてもよい。最終ゲル調製物を、次いで従来法で無菌条件下でデカントまたは排水する。
上記の方法の代替的変形において、微生物的に無菌のピレスロイド(例、ラムダ−シハロトリンまたはそのアナログ)は、大体において等張化剤の水溶液の一部に懸濁され得る。残りの量の等張剤によって、従来の態様でポリアクリレートゲルが作製されてもよく、別途ピレスロイドの等張性懸濁物を無菌条件下でポリアクリレートと均質に混合してもよい。
例示的な眼用溶液を以下に示すが、本発明はそれに限定されない。これらの調合物は、担体および任意の構成要素に関して典型的な眼用調合物である。その他の調合物および無菌の眼への薬物送達系を調製する方法が当該技術分野において公知である。
調合物1
成分量
フェーズI
Carbopol(登録商標)934P NF(高分子量のアクリル酸に基づくポリマー)0.25gm
精製水99.75gm
フェーズII
プロピレングリコール5.0gm
エチレンジアミン四酢酸(Ethylenediamine tetraacetic acid:EDTA)0.1mg
ラムダ−シハロトリン「x」gm(ここでxは、最終組成物において希釈されたときに有効な治療用組成物を生成する量である)。本発明の目的のために、「有効な治療用組成物」とは、ヒトの対象に対してIOPを正常限度内、一般的に約10〜20±mmHgに下げる治療用組成物である。
5部のフェーズIIと20部のフェーズIとを15分間より長く混合し、滴定によって1N NaOHを用いてpHを6.2〜6.4に調整する。
調合物2
成分量
フェーズI
Carbopol(登録商標)934P NF(高分子量のアクリル酸に基づくポリマー)0.25gm
精製水99.75gm
フェーズII
プロピレングリコール3.0gm
トリアセチン7.0gm
ラムダ−シハロトリンx gm(ここでxは、最終組成物において希釈されたときに有効な治療用組成物を生成する量である)。
EDTA0.1mg
5部のフェーズIIと20部のフェーズIとを15分間より長く混合し、滴定によって1N NaOHを用いてpHを6.2〜6.4に調整する。
調合物3
成分量
フェーズI
Carbopol(登録商標)934P NF(高分子量のアクリル酸に基づくポリマー)0.25gm
精製水99.75gm
フェーズII
プロピレングリコール7.0gm
グリセリン3.0mg
ラムダ−シハロトリンx gm(ここで「x」は、最終組成物において希釈されたときに有効な治療用組成物を生成する量である)。
EDTA0.1mg
BAK01(塩化ベンザルコニウム)−0.2mg
5部のフェーズIIと20部のフェーズIとを15分間より長く混合し、滴定によって1N NaOHを用いてpHを6.2〜6.4に調整する。
調合物4−ゲル担体
本発明において有用なゲル担体を作製する方法の1つを以下に説明する。眼用ゲルを作製するその他の方法が当該技術分野において公知である。500gmのポリアクリレートゲルを生成するために、1.220gmのポリアクリル酸(「Carbopol(登録商標)980 NF」の登録商標で包装されている)を、超音波装置の助けによって約700mlの注射用の水に注意深く懸濁し、1210℃および2バールの圧力にて20分間オートクレーブする。次いで、700mlの無菌の注射グレードの水に0.050gmの塩化ベンザルコニウム(BAK)、20.000gmのソルビトール、および0.050gmのEDTAナトリウム(X 2H20)を溶解し、次いでそれを滅菌ろ過(Sartorios(登録商標)、硝酸セルロースフィルター、注文番号11307−50ACN、0.2μm)して無菌容器に入れる。次いでこの滅菌ろ過された塩溶液を、オートクレーブされたポリアクリレート懸濁物に強く撹拌しながら混合する。次いで、1958.121gmの量の滅菌水を加え、溶液をさらに5分から10分間撹拌する。その後、0.465gmの量の強い水酸化ナトリウムを、正確に40gmの注射グレードの水に溶解する。次いでこの苛性ソーダを撹拌しながら無菌フィルター(Millex(登録商標)−GS、0.22μm、SLGS 025 BS der Fa.ミリポア(Millipore))に1滴ずつ導入する。完全に均質なゲルが形成されるまで、混合物を撹拌する。
微生物的に無菌のラムダ−シハロトリンは、商業的に得られるか、または現地で調製され、調製方法の1つが上述されている。次いでこの材料を、約30gmから50gmのゲルにゆっくりと注意深く混合する。このゲルは、無菌条件下で溶液の滅菌ろ過、および抗菌剤を含有する水による分離を受ける。組成物を分離するために、エタボン酸ロテプレドノール(ALREX(登録商標)、LOTEMAX(登録商標))を所与の量のゲルに溶解する。すべての方法ステップは無菌条件下で行われる。調製されたゲルは、同様に無菌条件下でチューブ内で排水される。
代替的な方法によって、微生物的に無菌のラムダ−シハロトリンを、700mlの水と、0.050gmの塩化ベンザルコニウムと、20.000gmのソルビトールと、0.050gmのEDTA二ナトリウムとの滅菌ろ過等張溶液に懸濁する。すでに説明したとおり、次いでこの溶液を、オートクレーブされたポリアクリレート懸濁物に強く撹拌しながら取り込ませる。
本発明はさらに、固体マトリックス、リザーバー、マトリックス、コンタクトレンズ、または眼への挿入もしくは埋め込みのためのその他の装置を含むがそれに限定されない、代替的な形のピレスロイドに基づく処置を予期している。代替的に、ピレスロイドはたとえばリポソームなどに封入された形であってもよく、次いで投与のための溶液または懸濁物に取り込まれてもよい。本発明は、本明細書に示される特定の調合物、送達系、調製物、または方法に限定されるものではない。
本発明に従う調合物の調製において、調合物は工業用規模の(より大きい)量の溶液、懸濁物、エマルション、軟膏、またはゲルを生成する要求に適合するように調整される必要があると考えられるが、これは十分に当業者の知識の範囲内である。
上記の方法および調合物に従うと、ピレスロイド化合物は、局所的点眼、注射、または経時的な眼への薬物の徐放を提供するためのリザーバー、マトリックス、コンタクトレンズ、もしくはその他の埋め込み式装置を含むがそれに限定されない眼球埋め込み装置の挿入を含むがそれに限定されない、当該技術分野において公知の任意の方法によって、眼に投与されるか、または入れられてもよい。本発明の医薬組成物は、たとえば点眼薬(溶液、懸濁物またはエマルション)として、または軟膏もしくはゲルなどとして、患部の眼に局所的に投与されてもよい。
使用される特定の用量形状または送達系によって、投与は少なくとも1日1回、少なくとも1日2回、少なくとも1週間に1回、少なくとも1週間に2回、少なくとも1月に1回、少なくとも1月に2回、少なくとも1年に6回、少なくとも1年に4回、少なくとも1年に2回、もしくは少なくとも1年に1回、および/または最高1日2回、最高1日3回、最高1週間に1回、最高1週間に2回、最高1月に3回、最高1年に6回、もしくは最高1年に4回であってもよい。たとえば、もし医薬組成物が点眼薬として投与されるのであれば、約0.001%から約5.0%(w/w)、または約0.001%から約1.0%(w/w)、または約0.01%から約1.0%(w/w)のピレスロイドを含む医薬組成物の1〜2滴が1度に患部の眼に投与されてもよい。もし組成物が薬物を経時的に放出するように設計された眼球装置を通じて投与されるのであれば、もっと頻度の低い投与が必要とされるであろう。
本発明に従うピレスロイド組成物を用いた処置療法は、たとえば本明細書において考察されるものなどの、他の緑内障の処置と組み合わされてもよい。
材料:実施例においては、以下の材料を用いた。
ラムダ−シハロトリン(Lambda−cyhalothrin:LC)
ジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxide:DMSO)
プロピレングリコール(Propylene glycol:PG)
平衡塩類溶液(Balanced Salt Solution:BSS)
調製:所望の組成物は、全組成物に基づいて、DMSO 4.0%、PG 3.0%、およびLC 10mg/ml(1%(重量比))であった。2.5mlの所望の組成物の調製を表1に示す。
4.65mlのBSSと、0.2mlのDMSOと、0.15mlのPGとを混合して、全組成物に基づいて4.0%のDMSOおよび3.0%のPGを含む希釈剤媒体を得ることによって、その後の希釈(最初のLC強度の段階希釈)に用いるための媒体を調製した。合計5mlを調製した。
本発明に従う最初の基本LC調合物を、下の表1に示す。最大濃度1.0%(重量比)のLCを調製した。
方法:単純に混合することによって、本発明の組成物を調製した。
iCARE(登録商標)リバウンド眼圧計を用いて、IOPを定めた。その他の商業的に入手可能なIOP測定装置(眼圧計)を用いてもよい。
表1に示した組成物の順次希釈を下の表2に示しており、表2は元の表1の2.5ml体積の調製物から始まっている。これらの以後の希釈は、下に示すイヌの実験で用いた。
実施例1
イヌの対象に対する実験を行った。イヌの対象は、ヒトの対象と同じIOP(約10〜20mm/Hg)を有する。イヌとヒトとは、緑内障の危険性に対する共通の感受性遺伝子SRBD1を共有する。したがって、イヌはヒトに対する本発明の組成物の使用結果を評価するための優れた代理である。実験結果を下の表3に示しており、表3は使用されたLCの濃度範囲0.002%から0.100%(重量比)を反映している。
このデータは、LCの局所投与後に、用量に関連する眼内圧の有意な低下があったことを示すものである。(毎日の完全な眼の検査および血液の毒性研究による測定では)局所的または全身的な有害事象はなかった。
このデータは、ヒトと類似の固有の生理機能を有するイヌモデルを用いて、ヒトでも局所的LCによって同じ効果が起こるであろうという十分な証拠を提供するものである。イヌの眼、特に前側部分の解剖学的形態、正常な眼圧の維持、および眼内液の生成はヒトのものと同じであるため、イヌはトランスレーショナルリサーチおよびヒトに対する薬物の使用に適用するために優れたモデルとなっている。
実施例2
同じ動物モデルにおいて、0.600%(重量比)のLC濃度を用いて、付加的な有効性および安全性の実験を行った。その結果を下の表4に示す。この追加データは、2匹の動物において安全性と、眼内圧を下げることの局所的LCの有効性とを確認するものである。
実施例3
同じイヌモデルにおいて、上記と同様に調製した0.200%から0.700%(重量比)の範囲のLC濃度を用いて、一連の実験を行った。経時的な結果を下の表5に示す。
全体的な結果は、0.002%から0.700%LC(重量比)の範囲の用量を用いて、IOPを35〜40%下げることの有効性を示すものである。0.700%用量における最小限かつ可逆的な下結膜充血を除いて、有害事象はみられなかった。
LCLの投与後の眼内圧の著しい低下と、LCLの安全性とから、高い眼内圧を引き起こし、かつ視力回復または視力喪失防止のために眼内圧を下げる必要があるような眼の疾患の処置に対する、ヒトにおける新たなより有効な薬理学的療法が提供される。
特許法令に従って最良モードおよび好ましい実施形態を示したが、本発明の範囲はそれに限定されるものではなく、添付の請求項の範囲によって限定される。

Claims (5)

  1. ヒト対象における眼内圧低下剤であって、
    ラムダ−シハロトリン及び下記構造式2を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む剤。
    ここでR−RおよびR−R10の各々は、任意の他のR−RおよびR−R10と同じであっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲン原子であ、ここでRは酸素原子である。
  2. ヒト対象における緑内障処置剤であって、
    ラムダ−シハロトリン及び下記構造式2を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む剤。
    ここでR−RおよびR−R10の各々は、任意の他のR−RおよびR−R10と同じであっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲン原子であ、ここでRは酸素原子である。
  3. 眼内圧の上昇を特徴とする眼の障害を処置するため、溶液、懸濁物、軟膏、エマルション又はゲルにピレスロイド化合物を含む、医薬組成物であって、前記ピレスロイド化合物がラムダ−シハロトリン及び下記構造式2を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、医薬組成物。
    ここでR−RおよびR−R10の各々は、任意の他のR−RおよびR−R10と同じであっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル又はハロゲン原子であ、ここでRは酸素原子である。
  4. 前記眼の障害は緑内障である、請求項に記載の医薬組成物。
  5. 前記眼への局所投与のために調合された、請求項に記載の医薬組成物。
JP2016553245A 2013-11-08 2014-11-07 緑内障を処置するための方法および組成物 Active JP6640728B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/075,223 2013-11-08
US14/075,223 US20150133547A1 (en) 2013-11-08 2013-11-08 Method and composition for treating glaucoma
PCT/US2014/064524 WO2015070000A2 (en) 2013-11-08 2014-11-07 Method and composition for treating glaucoma

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016535792A JP2016535792A (ja) 2016-11-17
JP6640728B2 true JP6640728B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=53042329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016553245A Active JP6640728B2 (ja) 2013-11-08 2014-11-07 緑内障を処置するための方法および組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20150133547A1 (ja)
JP (1) JP6640728B2 (ja)
CA (1) CA2929965C (ja)
WO (1) WO2015070000A2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004001271A1 (de) * 2004-01-08 2005-08-04 Bayer Cropscience Ag Wirkstoffkombinationen mit insektiziden Eigenschaften
US9016221B2 (en) * 2004-02-17 2015-04-28 University Of Florida Research Foundation, Inc. Surface topographies for non-toxic bioadhesion control
EP2647376A1 (en) * 2007-01-22 2013-10-09 Gtx, Inc. Nuclear receptor binding agents
JP2009084271A (ja) * 2007-09-07 2009-04-23 Toyama Univ 脳由来神経栄養因子の発現誘導剤および発現誘導方法
EP2382865A1 (de) * 2010-04-28 2011-11-02 Bayer CropScience AG Synergistische Wirkstoffkombinationen
AU2011328009A1 (en) * 2010-11-11 2013-05-30 Akron Molecules Ag Compounds and methods for treating pain

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016535792A (ja) 2016-11-17
CA2929965C (en) 2020-10-27
WO2015070000A3 (en) 2015-11-05
CA2929965A1 (en) 2015-05-14
WO2015070000A2 (en) 2015-05-14
US20150133547A1 (en) 2015-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE3310079C2 (ja)
US20210308130A1 (en) Method of increasing bioavailability and/or prolonging ophthalmic action of a drug
JP7079243B2 (ja) 緑内障手術の成功率を向上させるためにニンテダニブを使用する組成物および方法
US4599353A (en) Use of eicosanoids and their derivatives for treatment of ocular hypertension and glaucoma
RU2460516C2 (ru) Офтальмические эмульсии масло-в-воде, содержащие простагландины
TWI489997B (zh) 含有硼酸-多元醇錯合物之水性藥學組成物
US6071958A (en) Ophthalmic carrier solution
JP4933897B2 (ja) 眼内移行性促進水性点眼剤
US9694003B2 (en) Formulations and methods for treating high intraocular pressure
JP2011502990A (ja) 薬物送達用ビヒクルとしての水非混和性物質
JP2021518352A (ja) チモロールを含む医薬組成物
JP2017519813A (ja) 局所製剤およびその使用
AU673533B2 (en) Pharmaceutical composition
JP6867288B2 (ja) リファマイシンの眼科用組成物およびその使用
US20160089375A1 (en) Topical ocular analgesic agents
JP6640728B2 (ja) 緑内障を処置するための方法および組成物
AU2021261807A1 (en) Application of compounds in controlling or killing mites
KR20120124059A (ko) 치환된 감마 락탐을 함유하는 안과 제제 및 이의 사용 방법
US9095505B2 (en) Pyrethroids for treatment of ocular movement disorders
JP6963651B2 (ja) エピナスチン又はその塩を含有する水性組成物
JP2019534269A5 (ja)
EP2077104A1 (en) Micellar compositions with ophtalmic applications
EP2077105A1 (en) Ophthalmic Micellar Compositions with Enhanced Stability

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180731

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181018

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6640728

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250