JP6639844B2 - Bearing rings and thrust needle bearings - Google Patents
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Description
本発明は、スラストニードル軸受の軌道輪および該軌道輪を備えるスラストニードル軸受に関する。 The present invention relates to a bearing ring of a thrust needle bearing and a thrust needle bearing provided with the bearing ring.
従来、スラストニードル軸受の軌道輪は、軌道面および軌道面と反対側の面が回転軸の軸中心に対して傾斜している。スラストニードル軸受に印加されるスラスト荷重が大きいときには、軌道輪の傾斜は矯正されてニードルころのストレート部が転動面となる。これに対し、スラストニードル軸受に印加されるスラスト荷重が小さいとき(たとえば70N)には、軌道輪の傾斜は矯正されずニードルころのクラウニング部が転動面となる。クラウニング部はストレート部と比べて真円度が大きい。そのため、クラウニング部が転動面であるときは、ストレート部が転動面である時と比べて、ニードルころおよび軌道輪の振動が大きくなり、さらに振動が回転軸などに伝達されることにより、当該振動に起因した騒音が大きくなる。 Conventionally, a raceway of a thrust needle bearing has a raceway surface and a surface opposite to the raceway surface inclined with respect to the axial center of the rotating shaft. When the thrust load applied to the thrust needle bearing is large, the inclination of the bearing ring is corrected, and the straight portion of the needle roller becomes a rolling surface. On the other hand, when the thrust load applied to the thrust needle bearing is small (for example, 70N), the inclination of the bearing ring is not corrected, and the crowning portion of the needle roller becomes the rolling surface. The crowning portion has a larger roundness than the straight portion. Therefore, when the crowning portion is a rolling surface, compared to when the straight portion is a rolling surface, the vibrations of the needle rollers and the bearing ring are increased, and further, the vibration is transmitted to a rotating shaft and the like. Noise due to the vibration increases.
スラストニードル軸受の静粛性の向上に結び付く技術として、スラストニードル軸受とその支持構造物との間に振動絶縁体を配置する技術や、ニードルの少なくとも軸方向両端寄り部分に超仕上加工によるクラウニング部を設ける技術が知られている(たとえば、(たとえば、特開2012−097898号公報、特開2012−215255号公報参照)。 As technologies for improving the quietness of thrust needle bearings, technologies such as placing a vibration insulator between the thrust needle bearing and its supporting structure, and a crowning part by super-finishing at least near the axial end of the needle are used. A technique for providing the same is known (for example, see (for example, JP-A-2012-0979898 and JP-A-2012-215255)).
しかしながら、いずれの場合も製造コストが高いという問題があった。本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、静粛性が高く、かつ上記スラストニードル軸受と比べて製造コストが低いスラストニードル軸受を提供することにある。 However, in each case, there is a problem that the manufacturing cost is high. The present invention has been made to solve the above problems. A main object of the present invention is to provide a thrust needle bearing having high quietness and low manufacturing cost as compared with the thrust needle bearing.
本発明に係る軌道輪は、スラストニードル軸受の軌道輪であって、軌道面と、前記軌道面と反対側に位置する背面とを備える。上記軌道面および前記背面は、それぞれ前記スラストニードル軸受の軸方向に対する傾斜面を含む。さらに、前記背面は、前記傾斜面上において前記軸方向に突出した複数の凸部を含む。複数の前記凸部は、前記軌道輪の周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。 A bearing ring according to the present invention is a bearing ring of a thrust needle bearing, and includes a raceway surface and a back surface located on a side opposite to the raceway surface. The raceway surface and the back surface each include an inclined surface with respect to the axial direction of the thrust needle bearing. Further, the back surface includes a plurality of protrusions protruding in the axial direction on the inclined surface. The plurality of protrusions are arranged at an interval along the circumferential direction of the race.
本発明によれば、静粛性が高く、かつ上記スラストニードル軸受と比べて製造コストが低いスラストニードル軸受を提供することができる。 According to the present invention, it is possible to provide a thrust needle bearing having high silence and having a lower manufacturing cost than the thrust needle bearing.
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following drawings, the same or corresponding portions have the same reference characters allotted, and description thereof will not be repeated.
(実施の形態1)
図1〜図3を参照して、実施の形態1に係る軌道輪10について説明する。軌道輪10は、スラストニードル軸受20(図3参照)の軌道輪である。軌道輪10は、スラストニードル軸受20において固定軸32(図3参照)に接続される側の軸方向の一端1Aと、スラストニードル軸受20において軸受支持部材としての回転軸31(図3参照)に接続される側の他端1Bとを有している。軌道輪10は、従来の軌道輪と同様の構成を備える本体部1と、本体部1に固定されており他端1Bを構成する複数のシム(凸部)4とを備える。本体部1(軌道輪10)は、軸方向に対して交差する方向に延在する第1部分2と、軸方向に延在するとともに第1部分2と接続されている第2部分3とを備えている。第1部分2は、軌道面5と、軌道面5と反対側に位置する背面6とを含む。
(Embodiment 1)
The
図2および図3に示されるように、軌道面5および背面6は、それぞれスラストニードル軸受20の軸方向に対する傾斜面として構成されている。背面6の内周端が軌道輪10の上記一端1A側に設けられており、背面6の外周端が軌道輪10の上記他端1B側に設けられている。背面6の上記内周端から上記外周端までの軸方向における距離(以下、テーパー量という)は、10μm以上である。
As shown in FIGS. 2 and 3, the
以下、背面6の上記内周端が軌道輪10の上記一端1A側に設けられており、背面6の上記外周端が軌道輪10の上記他端1B側に設けられている状態での、上記テーパー量をプラスとする。一方、背面6の上記内周端が軌道輪10の上記他端1B側に設けられており、背面6の上記外周端が軌道輪10の上記一端1A側に設けられている状態での、上記テーパー量をマイナスとする。軌道輪10の上記テーパー量はたとえばプラスマイナス50μm以下である。
Hereinafter, in a state where the inner peripheral end of the
複数のシム4は、背面6の上記傾斜面上において軸方向に突出している。複数のシム4は、軌道輪10の周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。複数のシム4の内径側に接する円の中心は、軌道輪10の中心点と重なる。複数のシム4は、軌道輪10(本体部1)と別体として構成されている。複数のシム4は、たとえば接着、溶接などにより軌道輪10の背面6に固定されている。複数のシム4は、たとえば上記周方向において4つ設けられている。複数のシム4は、たとえば周方向において互いに等間隔に設けられている。複数のシム4は、好ましくは軌道輪10の外周側に設けられており、より好ましくは軌道輪10の外周に沿うように設けられている。複数のシム4の内周端部は、たとえば背面6の上記外周端部と背面6の内周端部との間に位置している。すなわち、複数のシム4は、周方向およびラジアル方向において、背面6の一部上に設けられている。
The plurality of
上記軸方向から軌道輪10を平面視したときの複数のシム4の平面形状は、シム4の外径側に位置する部分が軌道輪10の外周に沿うように設けられている限りにおいて、任意の形状であればよい。複数のシム4において外径側に位置する部分は、円弧状に設けられている。背面6に垂直は方向における複数のシム4の厚みは、設置スペースに収容可能であり、かつ、スラストニードル軸受20においてスラスト荷重が印加されたときに弾性変形によりたわみが生じた軌道輪10と軸受支持部材(回転軸31)との接触を抑制可能な限りにおいて、任意の厚みとすることができる。背面6に垂直は方向における複数のシム4の厚みは、好ましくは、軌道輪10の厚み以下である。たとえば、軌道輪10の厚みが0.8mmのときに、シム4の上記厚みは、0.01mmである。
The planar shape of the plurality of
複数のシム4を構成する材料は、スラストニードル軸受20において大きなスラスト荷重が印加されたときにも高い耐久性を有し、かつ比較的小さなスラスト荷重(たとえば70N)が印加されたときには弾性変形可能な任意の材料であればよく、たとえば金属材料、樹脂材料、およびセラミックス材料からなる群から選択される少なくとも1つである。具体的には、複数のシム4を構成する材料は、鉄系材料、銅合金、およびアルムミウム合金からなる金属材料群から選択される少なくとも1つであってもよい。また、複数のシム4を構成する材料は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、およびポリエチレンテレフタレートからなる熱可塑性樹脂群と、フェノール、不飽和ポリエステル、およびエポキシからなる熱硬化性樹脂群とから選択される少なくとも1つであってもよい。また、複数のシム4を構成する材料は、上記熱可塑性樹脂群および上記熱硬化性樹脂群から選択される少なくとも1つと、ガラス繊維および炭素繊維などの強化材群から選択される少なくとも1つとが配合されたものであってもよい。また、複数のシム4を構成する材料は、窒化ケイ素および酸化ケイ素などのセラミックス材料群から選択される少なくとも1つであってもよい。
The material constituting the plurality of
複数のシム4において、ラジアル方向の内径(内周)側におけるシム4の周方向に沿った長さの合計は、複数のシム4の内径側に接する円の円周の長さに対し、10%以上50%未満である(以下、当該比率を接触長さ率という)。ここで、内径側におけるシム4の周方向に沿った長さは、たとえば図1において、シム4の内径側における周方向の両端部間の最短距離である。言い換えると、当該長さは、たとえばラジアル方向における軌道輪10の中心点Oを中心とするシム4の内径(内周)側に接する円を考えたときに、当該円とシム4との接点を通る当該円の接線上に位置する上記両端部間の距離である。
In the plurality of
図4を参照して、スラスト方向に直交する平面上において、ラジアル方向における軌道輪10の中心点Oと、内径側における複数のシム4の周方向の両端部との成す平均角度は、15度以上30度以下である。ここで、当該平均角度は、中心点Oと内径側における各シム4の周方向の両端部との成す位相角θ1,θ2,θ3,θ4の合計値を、シム4の個数で割った平均値(以下、平均位相角という)をいう。複数のシム4の個々の位相角θ1,θ2,θ3,θ4は、互いに等しく設けられているのが好ましい。
Referring to FIG. 4, on a plane perpendicular to the thrust direction, the average angle between the center point O of the
シム4は、背面6において回転軸31と接触部である。背面6の面積に対し、スラストニードル軸受20において回転軸31と接触する部分(シム4の少なくとも一部)の面積の比率(接触面積率)は、5%以上20%以下である。
The
次に、図3を参照して、実施の形態1に係る軌道輪10を備えるスラストニードル軸受20について説明する。スラストニードル軸受20は、軌道輪10と、軌道輪10の軌道面5上を転動可能に設けられているニードルころ7と、ニードルころ7を転動可能に保持する保持器8とを備える。ニードルころ7は、軌道面5と接触する外径面の端部にクラウニングが形成されている。上述のように、スラストニードル軸受20は、軌道面5および背面6が軸方向に対して傾斜している。そのため、スラスト荷重が比較的小さい(たとえば70N)場合、軌道面5はニードルころ7のクラウニング部と接している。また、スラスト荷重が比較的小さい(たとえば70N)場合、背面6上においては複数のシム4のみが回転軸31と接している。
Next, a
次に、図5を参照して、実施の形態1に係る軌道輪10の製造方法について説明する。
まず、本体部1およびシム4を準備する(工程(S01))。本体部1は、上述のように、上記交差する方向に沿って延在する第1部分2と、軸方向に沿って延在する第2部分3とを含む。第1部分2は、軌道面5と背面6とを有している。本体部1の上記テーパー量はたとえばプラスマイナス50μm以下である。本体部1は、たとえば従来の軌道輪の製造方法により製造され得る。シム4は、たとえば4個準備される。各シム4は、それぞれ上記構成を備えている。各シム4は、たとえば市販のシムであってもよい。また、各シム4は、従来のシムと同様の製造方法により製造され得る。
Next, a method for manufacturing the
First, the
次に、本体部1の背面6にシム4を固定する(工程(S02))。本体部1の上記テーパー量がプラスの場合には、図1〜図3に示されるように、複数のシム4はそれぞれ本体部1の外周に沿うように固定される。複数のシム4は、周方向において等間隔に配置される。背面6とシム4とは、任意の方法により固定され得るが、たとえば接着または溶接により互いに固定される。このようにして、実施の形態1に係る軌道輪10が製造される。
Next, the
次に、実施の形態1に係る軌道輪10の作用効果について説明する。軌道輪10は、スラストニードル軸受20の軌道輪であって、軌道面5と、軌道面5と反対側に位置する背面6とを備える。軌道面5および背面6は、それぞれスラストニードル軸受20の軸方向に対する傾斜面を含む。さらに、背面6は、傾斜面上において軸方向に突出した複数のシム(凸部)4を含む。複数のシム(凸部)4は、軌道輪10の周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されている。
Next, the operation and effect of the
このようにすれば、軌道面5の反対側に位置する背面6は複数のシム(凸部)4を含むため、軌道輪10に印加されるスラスト荷重がたとえば70N程度と比較的小さいときにも複数のシム4が回転軸31(軸受支持部材)と接触可能である。そのため、ニードルころ7のクラウニング部が軌道面5と転動することにより軌道輪10に生じる振動エネルギーは、シム4の弾性エネルギーに変換され得る。つまり、軌道輪10の振動はシム4の弾性変形により緩和され、回転軸31などに伝達されにくく、騒音の増大が抑制される。また、軌道輪10は本体部1と別体として形成されたシム4を背面6に接着することにより容易に製造される。そのため、軌道輪10は、静粛性が高く、かつ製造コストが比較的低い。軌道輪10を備えるスラストニードル軸受20は、振動絶縁体または超仕上げ加工されたニードルころを備える従来のスラストニードル軸受と比べて製造コストが抑制されている。
In this way, since the
上記軌道輪10において、凸部4は弾性変形可能である。このようにすれば、軌道輪10に印加されるスラスト荷重がたとえば70N程度と比較的小さい状態とそれ以上に大きい状態とが繰り返し実現される場合においても、凸部4は上記小さい状態において回転軸31と接触した状態を再現することができる。そのため、上記小さい状態において軌道輪10に生じる振動エネルギーは、凸部4の弾性エネルギーに変換され得る。その結果、軌道輪10の振動はシム4の弾性変形により緩和され、回転軸31などに伝達されにくく、騒音の増大が抑制される。上記軌道輪10は、スラスト荷重が上記小さい状態とそれ以上に大きい状態とが繰り返し実現される機械装置に適用されるスラストニードル軸受に好適である。
In the
上記軌道輪10において、凸部4は軌道輪10と別体として構成されている。凸部は、たとえばシム4として構成されている。このようにすれば、従来の軌道輪の製造方法と同様の方法により製造された本体部1とシム4とによって、軌道輪10を容易に得ることができる。
In the
上記軌道輪10において、シム(凸部)4は、周方向において3つ以上設けられている。このようにすれば、軌道輪10に印加されるスラスト荷重がたとえば70N程度と比較的小さいときにも3つ以上のシム4が回転軸31(軸受支持部材)と接触可能である。そのため、当該軌道輪10によれば、3つ以上のシム4と回転軸31との接触状態が安定しているため、軌道輪10の振動は3つ以上のシム4の弾性変形により効果的に緩和される。
In the
上記軌道輪10において、シム(凸部)4は軌道輪10の外周に沿うように設けられているのが好ましい。軌道輪10の上記テーパー量がプラスの場合には、軌道輪10の外周が軸方向において回転軸31に最も近い位置に配置される。そのため、複数のシム4が軌道輪10の外周に沿うように設けられていれば、複数のシム4と回転軸31とを容易に接触させることができ、軌道輪10に印加される比較的小さなスラスト荷重によってもシム4を弾性変形させることができる。その結果、当該軌道輪10によれば、上記テーパー量がプラスの場合であってシム4が外周よりもラジアル方向の内周側に配置されている場合と比べて、軌道輪10の振動をより効果的に緩和することができる。
In the
上記軌道輪10は、複数のシム(凸部)4において、スラストニードル軸受20のラジアル方向の内径側におけるシム(凸部)4の周方向に沿った長さの合計が、複数のシム(凸部)4の内径側に接する円の円周の長さに対し、10%以上50%未満であるのが好ましい。
In the plurality of shims (projections) 4, the total length of the plurality of shims (projections) 4 along the circumferential direction of the shim (projections) 4 on the radially inner side of the
このようにすれば、シム4が周方向において離散的にかつ部分的に設けられているため、軌道輪10における回転軸31との接触部は周方向において離散的にかつ部分的に設けられている。そのため、ニードルころ7のクラウニング部が軌道面5と転動することにより軌道輪10に生じる振動エネルギーは、シム4の弾性エネルギーに変換され得る。接触長さ率が10%未満であると、軌道輪10において弾性変形する部分が大きくなって剛性が低下し、軌道輪10と軸受支持部材(回転軸31)とが接触する可能性がある。一方、接触長さ率が50%超えであると、振動エネルギーを弾性エネルギーに十分に変換することができない。
With this configuration, since the
上記軌道輪10は、スラスト方向に直交する平面上において、ラジアル方向における軌道輪10の中心点Oと、内径側における複数のシム(凸部)4の周方向の両端部との成す平均位相角が、15度以上30度以下であるのが好ましい。このようにすれば、軌道輪10に印加されるスラスト荷重がたとえば70N程度と比較的小さいときにも、ニードルころ7のクラウニング部が軌道面5と転動することにより軌道輪10に生じる振動エネルギーは、シム4の弾性エネルギーに変換され得る。平均位相角が15度未満であると、軌道輪10と軸受支持部材(回転軸31)とが接触する可能性がある。一方、平均位相角が30度超えであると、振動エネルギーを弾性エネルギーに十分変換することができない。
On the plane orthogonal to the thrust direction, the bearing
上記軌道輪10において、シム(凸部)4は3個以上5個以下設けられているのが好ましい。シム(凸部)4の数は、接触長さ率および平均位相角が上記条件を満たしている限りにおいて、任意の個数設けられていればよい。シム4が3個以上設けられていることにより、軌道輪10のシム4と回転軸31との接触状態は安定する。また、シム(凸部)4が5個以下であれば、製造コストを抑えることができる。
It is preferable that three or more shims (projections) 4 be provided in the
実施の形態1に係るスラストニードル軸受20は、上記軌道輪10と、軌道輪10の軌道面5上を転動するニードルころ7(転動体)とを備える。このようなスラストニードル軸受20は、静粛性が高く製造コストが低い軌道輪10を備えるため、振動絶縁体または超仕上げ加工されたニードルころを備える従来のスラストニードル軸受と比べて製造コストが抑制されている。
The
実施の形態1に係る軌道輪10において、シム4は背面6に接着または溶接により固定されているが、これに限られるものでは無い。シム4は、軸方向において背面6(第1部分2)と回転軸31との間に単に挟まれていてもよい。このようなシム4を備える軌道輪10であっても、軌道輪10にスラスト荷重が印加されることによってシム4は背面6と回転軸31との間に挟持されることから、上記軌道輪10と同様の効果を奏することができる。なお、図6を参照して、当該軌道輪10の製造方法は、基本的には図5に示される上記軌道輪10の製造方法と同様の構成を備えるが、背面6にシム4を固定する工程(S02)に代えて、背面6と軸受支持部材としての回転軸31との間にシム4を配置する工程(S03)を備える点で異なる。すなわち、当該軌道輪10は、スラストニードル軸受20として任意の軸受装置に組み込まれるときに、本体部1とシム4とが上述した位置関係で組み立てられることにより、得られる。
In the
また、実施の形態1に係る軌道輪10において、シム4は軌道輪10の外周に沿うように設けられているが、これに限られるものでは無い。図7〜図9を参照して、上記テーパー量がマイナスである軌道輪11における複数のシム4は、好ましくは軌道輪11の内周側に設けられており、より好ましくは軌道輪11の内周に沿うように設けられている。たとえば第1部分2と第2部分3との接続部が軌道輪11の内周に沿うように設けられている場合には、複数のシム4は当該接続部に沿うように設けられている。上記テーパー量がマイナスである軌道輪11では、軌道輪11の内周が軸方向において回転軸31に最も近い位置に配置される。そのため、複数のシム4が軌道輪11の内周に沿うように設けられていれば、複数のシム4と回転軸31とを容易に接触させることができ、軌道輪11に印加される比較的小さなスラスト荷重によってもシム4を弾性変形させることができる。その結果、当該軌道輪11によれば、上記テーパー量がマイナスの場合であってシム4が内周よりもラジアル方向の外周側に配置されている場合と比べて、軌道輪11の振動をより効果的に緩和することができる。なお、図22を参照して、第1部分2と第2部分3との接続部が軌道輪11の外周に沿うように設けられている場合には、複数のシム4は第1部分2の内周側に位置する端部に沿うように設けられていてもよい。
Further, in the
(実施の形態2)
次に、図10〜図12を参照して、実施の形態2に係る軌道輪12について説明する。実施の形態2に係る軌道輪12は、基本的には実施の形態1に係る軌道輪10,11と同様の構成を備えるが、背面6には複数の凹凸(うねり)が形成されており、複数の凸部は複数の当該凹凸の頂部9である点で異なる。言い換えると、軌道輪12において、頂部(凸部)8は背面6と一体として構成されている点で軌道輪10,11と異なる。
(Embodiment 2)
Next, the
背面6に形成された複数の凹凸は、周方向において周期的に設けられている。複数の頂部(凸部)8は、軌道輪12の外周における複数の凹凸の頂点を含む。軌道輪12の外周における複数の凹凸の上記頂部と当該頂部と最も離れている谷部との軸方向における距離(振幅)は、100μm以下であるのが好ましい。
The plurality of irregularities formed on the
軌道輪12においても、軌道輪12の中心点Oと、内径側における複数の頂部9の周方向の両端部との成す平均角度は、15度以上30度以下である。ここで、軌道輪12の平均角度は、中心点Oと内径側における各頂部9の周方向の両端部との成す位相角θ1,θ2,θ3,θ4の合計値を、頂部9の個数で割った平均値をいう。なお、各頂部9の周方向の両端部とは、各頂部9と回転軸31とを接触させた状態で軌道輪12に70Nのスラスト荷重を印加したときに、回転軸31に接触する部分の両端部であり、たとえば周方向における中央に上記頂点を含む。複数の頂部9の個々の位相角θ1,θ2,θ3,θ4は、互いに等しく設けられているのが好ましい。
Also in the
次に、図13を参照して、軌道輪12の製造方法について説明する。まず工程(S10)として成形体準備工程が実施される。この工程(S10)では、任意の添加物を含有し、残部鉄および不純物からなる鋼材が準備され、鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、所望の内輪の形状に応じた形状を有する成形体が作製される。より具体的には、1000mm以上の内径を有する内輪の形状に応じた成形体が作製される。
Next, a method for manufacturing the
次に、工程(S15)として、成形体を塑性変形させる工程が実施される。この工程(S15)では、成形体は凹凸形状を有する治具に押し当てられることにより、塑性変形する。成形体の上記テーパー量がプラスの場合には、成形体の外周側に凹凸形状を形成可能な冶具が用いられる。また、成形体の上記テーパー量がマイナスの場合には、成形体の外周側に凹凸形状を形成可能な冶具が用いられる。 Next, as a step (S15), a step of plastically deforming the formed body is performed. In this step (S15), the molded body is plastically deformed by being pressed against a jig having an uneven shape. When the taper amount of the molded body is positive, a jig capable of forming an uneven shape on the outer peripheral side of the molded body is used. When the taper amount of the molded body is negative, a jig capable of forming an uneven shape on the outer peripheral side of the molded body is used.
次に、工程(S20)として、焼ならし工程が実施される。この工程(S20)では、工程(S15)において作製された成形体がA1変態点以上の温度に加熱された後、A1変態点未満の温度に冷却されることにより焼ならし処理が実施される。このとき、焼ならし処理の冷却時における冷却速度は、成形体を構成する鋼がマルテンサイトに変態しない冷却速度、すなわち臨界冷却速度未満の冷却速度であればよい。そして、焼ならし処理後の成形体の硬度は、この冷却速度が大きくなると高く、冷却速度が小さくなると低くなる。そのため、当該冷却速度を調整することにより、所望の硬度を成形体に付与することができる。 Next, a normalizing step is performed as a step (S20). In this step (S20), after the molded body produced in step (S15) is heated to a temperature equal to or higher than the A1 transformation point and then cooled to a temperature lower than the A1 transformation point, a normalizing process is performed. . At this time, the cooling rate during the cooling in the normalizing treatment may be a cooling rate at which the steel constituting the compact does not transform into martensite, that is, a cooling rate lower than the critical cooling rate. The hardness of the molded body after the normalizing treatment increases as the cooling rate increases, and decreases as the cooling rate decreases. Therefore, by adjusting the cooling rate, a desired hardness can be imparted to the compact.
次に、焼入硬化工程が実施される。この焼入硬化工程は、工程(S30)として実施される誘導加熱工程と、工程(S40)として実施される冷却工程とを含んでいる。工程(S30)では、誘導加熱部材としてのコイルが、成形体において転動体が転走すべき面である転走面(環状領域)の一部に面するように配置される。次に、成形体が中心軸周りに回転されるとともに、コイルに対して電源(図示しない)から高周波電流が供給される。これにより、成形体の転走面を含む表層領域がA1点以上の温度に誘導加熱され、転走面に沿った円環状の加熱領域が形成される。このとき、転走面の表面の温度は、放射温度計などの温度計により測定され、管理される。 Next, a quench hardening step is performed. The quench hardening step includes an induction heating step performed as a step (S30) and a cooling step performed as a step (S40). In the step (S30), the coil as the induction heating member is arranged so as to face a part of a rolling surface (annular region) on which the rolling element is to roll in the molded body. Next, the compact is rotated around the central axis, and a high-frequency current is supplied to the coil from a power supply (not shown). As a result, the surface layer region including the rolling surface of the formed body is induction-heated to a temperature of the point A1 or higher, and an annular heating region is formed along the rolling surface. At this time, the surface temperature of the rolling surface is measured and managed by a thermometer such as a radiation thermometer.
次に、工程(S40)においては、工程(S30)において形成された加熱領域を含む成形体全体に対して、たとえば冷却液としての水が噴射されることにより、加熱領域全体がMS点以下の温度に同時に冷却される。これにより、加熱領域がマルテンサイトに変態し、硬化する。以上の手順により、高周波焼入が実施され、焼入硬化工程が完了する。 Next, in the step (S40), for example, water as a cooling liquid is sprayed on the entire molded body including the heating area formed in the step (S30), so that the entire heating area is equal to or lower than the MS point. Simultaneously cooled to temperature. Thereby, the heating region is transformed into martensite and hardened. By the above procedure, induction hardening is performed, and the quench hardening step is completed.
次に、工程(S50)として焼戻工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S30)および(S40)において焼入硬化された成形体が、たとえば炉内に装入され、A1点以下の温度に加熱されて所定の時間保持されることにより、焼戻処理が実施される。 Next, a tempering step is performed as a step (S50). In this step (S50), the molded body quenched and hardened in steps (S30) and (S40) is placed in, for example, a furnace, heated to a temperature of point A1 or lower, and held for a predetermined time. , A tempering process is performed.
次に、工程(S60)として仕上工程が実施される。この工程(S60)では、たとえば転走面に対して研磨加工などの仕上げ加工が実施される。以上のプロセスにより、スラストニードル軸受20の軌道輪12が製造される。
Next, a finishing step is performed as a step (S60). In this step (S60), for example, finishing such as polishing is performed on the rolling surface. Through the above process, the
なお、上記テーパー量がプラスである軌道輪12は、複数の頂部9が軌道輪11の外周側に設けられており、より好ましくは軌道輪11の外周に沿うように設けられている。一方、図14を参照して、上記テーパー量がマイナスである軌道輪13は、複数の頂部9が軌道輪11の内周側に設けられており、より好ましくは軌道輪11の内周に沿うように設けられている。たとえば第1部分2と第2部分3との接続部が軌道輪11の内周に沿うように設けられている場合には、複数の頂部9は当該接続部に沿うように設けられている。なお、図23を参照して、第1部分2と第2部分3との接続部が軌道輪11の外周に沿うように設けられている場合には、複数の頂部9は第1部分2の内周端部に沿うように設けられていてもよい。
The
実施の形態2に係る軌道輪12,13は、軌道面5の反対側に位置する背面6は複数の頂部(凸部)8を含むため、軌道輪12,13に印加されるスラスト荷重がたとえば70N程度と比較的小さいときにも複数の頂部9が回転軸31(軸受支持部材)と接触可能である。そのため、ニードルころ7のクラウニング部が軌道面5と転動することにより軌道輪12,13に生じる振動エネルギーは、頂部9の弾性エネルギーに変換され得る。その結果、軌道輪12,13は、軌道輪10,11と同様の効果を奏することができる。
In the bearing rings 12 and 13 according to the second embodiment, since the
実施の形態1および2に係る軌道輪10,11,12,13およびスラストニードル軸受20は、回転軸にスラスト荷重が作用する任意の機械装置に適用可能であるが、当該スラスト荷重が比較的小さい状態と大きい状態とが繰り返し実現される機械装置に好適である。
The
本実施例では、実施の形態1および2に係る軌道輪10,11,13を備えるスラストニードル軸受の音圧を測定して、静粛性を評価した。
In this example, the sound pressure of the thrust needle bearing including the bearing rings 10, 11, and 13 according to
(試料)
試料1〜5は、実施の形態1および2に係る軌道輪10,11,13を備えるスラストニードル軸受とした。試料6および7は、比較例としての従来のスラストニードル軸受とした。試料8〜10は、参考例としての従来のスラストニードル軸受とした。試料1〜10のスラストニードル軸受は、1枚の軌道輪、ニードルころ、および保持器により構成した。試料1〜10のスラストニードル軸受は、軌道輪外径が79.3mm、軌道輪内径が65.0mm、軌道輪の厚さが0.80mm、軌道輪高さが2.56mm、ころを含む軸受高さが2.80mm、ニードルころの直径が2.00mm、ニードルころの長さが3.80mm、ニードルころのクラウニング部の長さが1.20mm、ニードルころの数が56本とした。
(sample)
試料1は、3つのシム4が周方向に等間隔に背面6に接着された軌道輪10を備えたスラストニードル軸受20とした。各シム4は、いずれも同一の構成とした。各シム4は、短辺の長さが3mm、長辺の長さが10mm、厚さが10μmの直方体とした。各シム4を構成する材料は、いずれも炭素工具鋼SK2とした。3つのシム4は、それぞれ背面6の外周に沿うように接着された。試料1の軌道輪10の上記テーパー量は、プラス50μmであった。試料1のニードルころ7は、バレル加工により形成されたクラウニング部を有するものとした。当該ニードルころ7は、ストレート部の真円度が0.43μm、クラウニング部の真円度が1.24μmであった。
試料2は、4つのシム4が周方向に等間隔に背面6に接着された軌道輪10を備えたスラストニードル軸受20とした。軌道輪10のそれ以外の構成(各シム4の構成および本体部1の構成)は、試料1の軌道輪10と同等とした。
試料3は、5つのシム4が周方向に等間隔に背面6に接着された軌道輪10を備えたスラストニードル軸受20とした。軌道輪10のそれ以外の構成(各シム4の構成および本体部1の構成)は、試料1の軌道輪10と同等とした。
試料4は、3つの頂部9が背面6の内周に沿うように等間隔に形成された軌道輪13を備えたスラストニードル軸受20とした。背面6上に形成された3つの凹凸の振幅(上記頂部と当該頂部に隣接する谷部との軸方向における距離)や周期(隣り合う上記頂部間の周方向における距離)は、いずれも同等とした。軌道輪13の上記テーパー量は、マイナス40μmであった。
The
試料5は、4つの頂部が背面6の内周に沿うように等間隔に形成された軌道輪13を備えたスラストニードル軸受20とした。軌道輪13のそれ以外の構成は、試料4の軌道輪13と同等とした。
The
試料6は、上記テーパー量がプラス50μmである軌道輪を備えた従来のスラストニードル軸受とした。図15は、試料6のスラストニードル軸受60を示す断面図である。スラストニードル軸受60の軌道輪50は、試料1のスラストニードル軸受10の本体部と同様の構成を有し、第1部分52と第2部分53とを有している。また、スラストニードル軸受60のニードルころ7および保持器8は、試料1のニードルころ7および保持器8と同様の構成を有している。つまり、試料6のスラストニードル軸受60は、試料1のスラストニードル軸受20と、複数のシム4を備えていない点で異なるものとした。
試料7は、上記テーパー量がマイナス40μmである軌道輪を備えた従来のスラストニードル軸受の軌道輪とした。図16は、試料7のスラストニードル軸受61を示す断面図である。試料7のスラストニードル軸受61は、試料4のスラストニードル軸受20と、複数の頂部9が形成されていない点で異なるものとした。
試料8は、試料6と同等の構成を備える従来のスラストニードル軸受の軌道輪にプレステンパー処理(軌道輪を型に押し付けて形状を矯正させた状態で、所定の温度に保持する処理)を施し、上記テーパー量がプラス5μmとされた軌道輪とした。なお、試料2〜試料8のニードルころは、試料1のニードルころ7と同様の構成を備えるものとした。
The
試料9は、試料6と同等の構成を備える従来のスラストニードル軸受の軌道輪と、ニードルころとしてクラウニング部が形成されていないストレートころとを備えたスラストニードル軸受とした。当該ニードルころは、真円度が0.38μmであった。
試料10は、試料6と同等の構成を備える従来のスラストニードル軸受の軌道輪と、バレル加工により形成されたクラウニング部に対し粒度2000の研磨紙を用いたラッピング処理が施されたニードルころとを備えたスラストニードル軸受とした。当該ニードルころは、ストレート部の真円度が0.46μm、クラウニング部の真円度が0.52μmであった。
表1に、試料1〜10のスラストニードル軸受について、軌道輪のテーパー量、凸部(シム、頂部)の数、接触面積率、接触長さ率、平均位相角を示す。
Table 1 shows the amount of taper of the bearing ring, the number of convex portions (shims, top portions), the contact area ratio, the contact length ratio, and the average phase angle for the thrust needle bearings of
(評価)
まず、実施例としての試料2および試料5、比較例としての試料6および試料7の各スラストニードル軸受について、スラストニードル軸受に70Nのスラスト荷重を印加したときの軌道輪と軸受支持部材(回転軸)との接触状態を確認した。具体的には、軌道輪の軌道面と反対側に位置する背面と軸受支持部材との間に圧力に応じて発色する感圧紙を挟み、スラストニードル軸受に70Nのスラスト荷重を印加したときの感圧紙の発色分布から上記接触状態を確認した。図17は試料2の評価結果を示す。図18は試料5の評価結果を示す。図19は試料6の評価結果を示す。図20は試料7の評価結果を示す。図19および図20に示される試料6および試料7のスラストニードル軸受では、軌道輪と軸受支持部材とが周方向に一様に接触しているのに対し、図17および図18に示される試料2および試料5のスラストニードル軸受では、軌道輪と軸受支持部材とが部分的に接触していることが確認された。
(Evaluation)
First, with respect to the thrust needle bearings of
次に、試料1〜試料10のスラストニードル軸受について、スラストニードル軸受に70Nのスラスト荷重を印加したときの騒音レベル(音圧)を評価した。当該評価はJIS B 1548に規定された転がり軸受の騒音レベルの測定方法により行った。軸回転速度は、750/分とした。図21は騒音レベルの測定結果を示すグラフである。
Next, for the thrust needle bearings of
試料1〜5のスラストニードル軸受は、試料6および試料7のスラストニードル軸受と比べて騒音レベルが低減されていることが確認された。さらに、試料1〜5のスラストニードル軸受の騒音レベルは、参考例としての試料8〜試料10のスラストニードル軸受の騒音レベルと同等以下であることが確認された。試料1〜5のスラストニードル軸受は、軌道輪に対するプレステンパー処理またはニードルころに対するラッピング処理に代えて、シム4と背面6との接着工程または成形体を塑性変形する工程が実施され製造されたものである。当該接着工程および塑性変形する工程は、上記プレステンパー処理、上記ラッピング処理またはニードルころに対する超仕上げ加工と比べて低コストで実施され得る。そのため、試料1〜5のスラストニードル軸受は、試料8〜10のスラストニードル軸受と比べて製造コストが低いながらも、同等の静粛性を有することが確認された。
It was confirmed that the noise levels of the thrust needle bearings of
また、上記接触長さ率が10%以上50%未満である試料1〜5の軌道輪10,11,13によれば、上記接触長さ率が100%である試料6および7の軌道輪と比べてスラストニードル軸受の騒音レベルを低減することができることが確認された。また、上記接触面積率が5%以上20%以下である試料1〜5の軌道輪10,11,13によれば、上記接触面積率が33%以上である試料6および7の軌道輪と比べてスラストニードル軸受の騒音レベルを低減することができることが確認された。また、上記平均位相角が15度以上30度以下である試料1〜5の軌道輪10,11,13によれば、凸部が形成されておらず上記平均位相角を定義し得ない試料6および7の軌道輪と比べてスラストニードル軸受の騒音レベルを低減することができることが確認された。
According to the
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。 The embodiments and examples disclosed this time are to be considered in all respects as illustrative and not restrictive. The scope of the present invention is defined by the terms of the claims, rather than the description above, and is intended to include any modifications within the scope and meaning equivalent to the terms of the claims.
1 本体部、1A 一端、1B 他端、2 第1部分、3 第2部分、4 シム(凸部)、5 軌道面、6 背面、7 ニードルころ、8 保持器、9 頂部(凸部)、10,11,12,13 軌道輪、20 スラストニードル軸受、31 回転軸、32 固定軸。
DESCRIPTION OF
Claims (7)
軌道面と、前記軌道面と反対側に位置する背面とを備え、
前記軌道面および前記背面は、それぞれ前記スラストニードル軸受の軸方向に対する傾斜面を含み、
さらに、前記背面は、前記傾斜面上において前記軸方向に突出した複数の凸部を含み、
複数の前記凸部は、前記軌道輪の周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されており、
前記凸部は、前記軌道輪の外周に沿うように設けられている、軌道輪。 A bearing ring of a thrust needle bearing,
A track surface, and a back surface located on the opposite side to the track surface,
The raceway surface and the back surface each include an inclined surface with respect to the axial direction of the thrust needle bearing,
Further, the back surface includes a plurality of protrusions protruding in the axial direction on the inclined surface,
The plurality of protrusions are arranged at intervals from each other along a circumferential direction of the bearing ring ,
The bearing ring, wherein the protrusion is provided along an outer periphery of the bearing ring.
軌道面と、前記軌道面と反対側に位置する背面とを備え、
前記軌道面および前記背面は、それぞれ前記スラストニードル軸受の軸方向に対する傾斜面を含み、
さらに、前記背面は、前記傾斜面上において前記軸方向に突出した複数の凸部を含み、
複数の前記凸部は、前記軌道輪の周方向に沿って互いに間隔を隔てて配置されており、
前記凸部は、前記軌道輪の内周に沿うように設けられている、軌道輪。 A bearing ring of a thrust needle bearing,
A track surface, and a back surface located on the opposite side to the track surface,
The raceway surface and the back surface each include an inclined surface with respect to the axial direction of the thrust needle bearing,
Further, the back surface includes a plurality of protrusions protruding in the axial direction on the inclined surface,
The plurality of protrusions are arranged at intervals from each other along a circumferential direction of the bearing ring,
The orbital ring, wherein the convex portion is provided along an inner circumference of the orbital ring.
前記凸部は、前記凹凸の頂部である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軌道輪。The bearing ring according to any one of claims 1 to 3, wherein the protrusion is a top of the unevenness.
前記軌道輪の軌道面上を転動する転動体とを備える、スラストニードル軸受。 A thrust needle bearing, comprising: a rolling element that rolls on the raceway surface of the raceway.
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