JP6638080B2 - 電力系統のインピーダンス測定装置及び方法、並びに電力系統の力率改善装置及び方法 - Google Patents
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Description
本発明は、電力系統のインピーダンス測定装置及び方法、並びに電力系統の力率改善装置及び方法に関する。
近年は、エネルギーマネジメントシステムの進展により安価な計測機器が普及してきた。計測機器の追加により、これまでよりも高精度な電力系統の見える化や制御が可能となってきた。
またこれら技術の進展に伴い、ビルなどの構内配線のインピーダンスマップと電力量の計測により、負荷近くで効率的に力率改善することが可能であるが、構内配線用の安価な計測機器ではインピーダンスの計測及び推定が困難であるという課題がある。
本技術分野の背景技術として、特許文献1や非特許文献1に示される、インピーダンスの推定方法が知られている。特許文献1の推定方法は、「負荷に電力を供給する既存の電力系統との連系点に有効電力PG及び無効電力QGを出力し、前記有効電力PG及び/あるいは無効電力QGを意図的に変動させた時の前記連系点の電圧の実効値V(連系点電圧)及び前記有効電力PG及び無効電力QGを時系列的に順次検出し、前記連系点電圧Vの電圧変動ΔV、前記負荷が消費する負荷電力P+jQ、前記既存の電力系統の電力系統インピーダンスR+jXからなる関係式に、時系列的な複数時刻について検出された前記連系点電圧Vの電圧変動ΔV、有効電力PG及び無効電力QGを各々代入して得られた連立方程式を解くことにより前記電力系統インピーダンスR+jXを推定することを特徴とする電力系統インピーダンス推定方法。」としたものである。
田中俊輔、鈴木宏和、「分散形電源の自律分散制御による電圧補償制御方式の実験的検討」、 IEEJ Trans. PE、 Vol.129、No11、 2009
ビルなどにおける既設構内配線のインピーダンスマップを作成する方法として、特許文献1のような、単一地点から発電機までの背後インピーダンスを求める方法が知られている。これを応用して、計測装置間のインピーダンスを測定する場合、複数地点で同じタイミングの電圧位相を計測する必要があるが、計測タイミングを同期させるための時刻同期機能は高価であり、費用対効果が悪いという問題がある。
この課題について詳述すると、例えば一般にビルの地下にはビル全体の受電設備が設置され、ここに設置された受電電力量計により電力測定が行われる。また各階には当該階の受電設備が設置され、ここに設置された受電電力量計により電力測定が行われる。またビル全体を制御するビル電力制御装置としては、その機能の一部に負荷近くで効率的に力率改善させる機能があり、階の負荷ごとの力率を最適に調整する。
そのためには、計測装置間のインピーダンスを測定する必要があり、かつ計測装置間の時刻同期を必要とする。然るにビル全体、各階の電力量計は相互に時刻同期されていないのが実情であり、かつ計測装置間の時刻同期がされていたにしても、計測地点と中央装置であるビル管理装置間における通信遅延時間の差までを含めた同期化が必要である。
以上のことから本発明においては、簡便な手法により通信遅延時間の差までを含めた同期化を実現することができる電力系統のインピーダンス測定装置及び方法、並びに電力系統の力率改善装置及び方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、「電力系統内にインピーダンスを制御可能な力率改善機器を備え、計測した電力系統の複数の電気量を、通信線を介して入手し、電力系統のインピーダンスを測定する電力系統のインピーダンス測定装置であって、力率改善機器を用いて、電力系統内のインピーダンスを変更制御する力率改善制御部と、入手した複数の電気量についてインピーダンスの変更制御に伴う波形変化から位相シフトした時刻を推定する位相シフトタイミング推定演算部と、入手した複数の電気量についてそれぞれ求めた位相シフトした時刻を同一時刻として複数の電気量の時刻合わせを行う位相シフト演算部と、時刻合わせ後の複数の電気量を用いて電力系統のインピーダンスを推定するインピーダンス推定演算部を有することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。」としたものである。
また本発明は、「電力系統内にインピーダンスを制御可能な力率改善機器を備え、計測した電力系統の複数の電気量を、通信線を介して入手し、電力系統のインピーダンスを測定する電力系統のインピーダンス測定方法であって、力率改善機器を用いて、電力系統内のインピーダンスを変更制御し、入手した複数の電気量についてインピーダンスの変更制御に伴う波形変化から位相シフトした時刻を推定し、入手した複数の電気量についてそれぞれ求めた位相シフトした時刻を同一時刻として複数の電気量の時刻合わせを行い、時刻合わせ後の複数の電気量を用いて電力系統のインピーダンスを推定することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定方法。」としたものである。
また本発明は、「電力系統のインピーダンス測定装置に対して、インピーダンス推定演算部において求めた電力系統の負荷インピーダンスから、当該負荷の力率を算出する力率算出手段と、算出された負荷の力率を所望の力率とするに必要なインピーダンスの変更量を決定するピーダンス変更量決定手段とを追加し、力率改善制御部を介して力率改善機器を制御することを特徴とする電力系統の力率改善装置。」としたものである。
また本発明は、「電力系統のインピーダンス測定方法に対して、電力系統の負荷インピーダンスを求めて当該負荷の力率を算出し、算出された負荷の力率を所望の力率とするに必要なインピーダンスの変更量を決定し、決定されたインピーダンスの変更量に基づいて前記力率改善機器を制御することを特徴とする電力系統の力率改善方法。」としたものである。
本発明によれば、簡便な手法により通信遅延時間の差までを含めた同期化を実現することができる。また本発明の実施例によれば、構内配線において、安価な計測機器でインピーダンスマップを作成し、配電損失を効率的に低減することができる。
以下本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るインピーダンス測定装置を備えた力率改善装置を接続した電力系統の構成例を示す図である。
図1に例示する本発明の実施例では、構内の一例として、ビル100を想定し、ビル内の電力系統を対象とする。ビル内の電力系統は、外部の電力系統に接続され、高圧配電線、変圧器107、低圧配電線、負荷などから構成され、受電電力が各階に配分されるように系統が分岐構成されている。負荷には、誘導性負荷101と容量性負荷102がある。また配電線の電圧などを測定するため、変圧器107と負荷101、102の直近の低圧配電線に計測装置103が設置される。計測装置103は、電流、電圧、力率、有効電力、無効電力など、計測装置を通過する潮流の各種データを測定できる。また、配電線の力率を調整するために、適宜の箇所に力率改善機器105(105a、105b、105c、105d)が接続されている。なお、力率改善機器105は、主にキャパシタが使用される。電圧が低下したり、力率が遅れたりする場合、キャパシタを投入して、電圧を上昇させ、力率を進めることができる。
図1の例では、計測装置103aは、例えば地下に設置されてビル全体の電力量を計測する総電力量計であり、計測装置103b、103c、103dは、各階に設置されて当該階での電力量を計測する部分電力量計である。
係るビル内の電力制御のために中央装置としてビル電力制御装置が設置されており、図1にはビル電力制御装置の主たる機能である力率改善装置104が図示されている。力率改善装置104は、力率改善機器105にキャパシタ投入量を指定する装置であり、通信線106を経由して、計測装置103や力率改善機器105と接続されている。力率改善装置104は、計測装置103の値から、最適な無効電力の投入量と、配電線上の場所を計算し、力率改善機器105にキャパシタ投入量の指令を出す。なお図2に示すように、力率改善機器105の代わりに、誘導性負荷101a、101bや容量性負荷102a、102bに、力率を調整させるものであってもよい。広義の意味では、誘導性負荷101a、101bや容量性負荷102a、102bもまた力率改善機器105であるということができる。
ここで計測装置103について述べると、これらは電力系統上の電気量(電流、電圧、力率、有効電力、無効電力など)をアナログまたはディジタル計測して、その計測値を、通信線106を経由して力率改善装置104に伝送している。なお、力率改善装置104側では、受信した電気量の計測値について、受信時刻と大きさの情報のみが認知されており、電気量の計測値の計測時刻と大きさの情報としては認知されていない。
このことから本発明の実施例1に係るインピーダンス測定装置においては、力率改善装置104に入力された複数の電気量の計測値間の同期化を試みる。本発明の実施例1に係るインピーダンス測定装置の処理の概念を示す図3には、各計測装置103a、103b、103c、103dで計測した電気量(以下電圧の例で示す)Va、Vb、Vc、Vdが記載されている。これら電気量は本来、基準時刻t0との関係では図3に図示したような遅れ或は進みの位相関係にあるが、この位相関係は力率改善装置104側では認知されておらず、受信時刻T0の関係においてVa1、Vb1、Vc1、Vd1として把握されている。
本発明では、計測時の時刻関係t0を推定するために、故意に力率改善機器105を操作して、キャパシタ投入量を変更させてみる。このとき、各計測装置103a、103b、103c、103dで計測した電圧Va、Vb、Vc、Vdは、キャパシタ投入量の変更に伴う波形変化(位相変化)を生じ、この時の波形は力率改善装置104には電圧Va2、Vb2、Vc2、Vd2として認識されたものとする。この電圧Va2、Vb2、Vc2、Vd2は、それぞれ時刻T0a、T0b、T0c、T0dにおいてそれぞれ波形変化(位相変化)を生じている。
この波形変化(位相変化)を生じた時刻は、全ての計測装置設置点において同時に発生していると考えることができる。従って、受信した電圧の波形変化(位相変化)時刻を検知し、この時刻が同一時刻であるという前提で各電圧の波形を時間的に並べ替えることで、全ての計測装置設置点における電圧波形を時刻同期して再現することが可能である。このことは、計測装置設置点における電圧の間の位相差を把握できたことを意味し、この位相差が判明すれば2つの計測点間のインピーダンスを求められることを意味している。
図4は、実施例1に係るインピーダンス測定装置を備えた力率調整装置のハードウェア構成例を示す図である。図4において、CPU201、RAM202、通信装置203、プログラムファイル205、データファイル206が、システムバス204で接続されたコンピュータにより、力率改善装置104を構成している。このコンピュータのCPU201は、プログラムファイル205のプログラムPrを実行する。RAM202は、プログラムPrの計算途中結果データを一旦格納するメモリである。
プログラムファイル205、データファイル206は、フラッシュなどの不揮発性メモリや磁気ディスクで構成される。プログラムファイル205には、CPUで実行されるプログラムPrが格納される。プログラムPrは、これを機能的に表すと力率改善制御プログラムPr1、位相シフトタイミング演算プログラムPr2、地点間インピーダンス演算プログラムPr3、自己相関演算プログラムPr4、位相シフト量演算プログラムPr5より構成されている。なお図4のプログラムファイル205には、本発明の他の実施例で使用するプログラムも記述している。データファイル206には、設備設計支援プログラムが使用する区間リスト、区間ノード関係リストが保存され、あるいは地点間インピーダンス演算プログラムPr3で求めたインピーダンスをインピーダンス推定範囲記憶部6に記憶している。
なお通信装置203は、通常イーサネット(登録商標)が使用されるが、CAN、LINなど他の有線ネットワークでもよいし、IEEE802.11aやZigbeeのような無線通信でもよい。公共通信網の整備状況やコストにより適宜選択されるのがよい。
図5は、実施例1に係るインピーダンス測定装置を備えた力率改善装置のブロック図である。
図5において、力率改善制御プログラムPr1に対応する処理を実行する力率改善制御部1では、インピーダンス推定演算のために、適宜のタイミングで制御指令を力率改善機器105に送り、故意に力率改善機器105を操作して、キャパシタ投入量を変更させてみる。またこの操作時の制御タイミング信号を位相シフトタイミング推定演算部2に送る。
位相シフトタイミング推定演算部2は、位相シフトタイミング演算プログラムPr2に対応する処理を実行するものである。位相シフトタイミング推定演算部2には、通常は電気量の計測値として電圧Va1、Vb1、Vc1、Vd1が入力されている。また故意に力率改善機器105を操作した状況下では、電圧Va2、Vb2、Vc2、Vd2が入力されている。位相シフトタイミング推定演算部2では、変圧器107直近の計測装置103aと負荷101、102直近の計測装置103b、103c、103dの電気量の計測値から、力率改善機器105により無効電力が投入された制御タイミングに近い位相シフトタイミングを求める。電力量計測値に電圧位相が含まれるので、電圧位相が変化した時刻を検出し、位相シフトタイミングとすることができる。この場合に力率改善制御部1からの制御タイミングの信号は、この時刻の前後で生じる電圧位相の変化時刻を確認するための参考情報として使用されている。制御タイミングの信号が存在しない状況下で生じた電圧位相の変化による誤った計測を防止できる効果がある。
地点間インピーダンス推定演算部3では、地点間インピーダンス演算プログラムPr3に対応する処理を実行する。ここでは、変圧器107直近の計測装置103aと負荷101、102直近の計測装置103b、103c、103dとの間の配電線のインピーダンスを、それぞれの電圧位相の差から計算する。この計算方法は、特許文献1、非特許文献1に開示されたとおりであるのでここでの説明を割愛する。地点間インピーダンス推定演算部3は、求められたインピーダンスをインピーダンス推定範囲記憶部6に保存する。
なお再度力率改善制御部1について、ここでは本来の機能として、力率改善機器105の無効電力量を決定し、通信装置106を経由して力率改善機器105に制御指令を送信する。力率改善制御部1は、通常運転のときは、インピーダンス推定範囲記憶部6と電力量計測値を用いて潮流計算を行い、電圧逸脱を防止したり力率を基準値以上にしたりするための無効電力量を求める。インピーダンス推定演算のときは、インピーダンス推定範囲記憶部6や電力量計測値にかかわらず、制御タイミングでユーザが指定する無効電力量を、制御タイミングで力率改善機器105に送る。これにより、各計測装置での電圧位相が変化し、地点間インピーダンス推定演算部がインピーダンスを推定できる。
本方式によれば、計測装置間の時刻同期を行わなくても、計測装置ごとの位相シフトタイミングが特定できるため、そのときの電圧、電流を検出し、同期化された電圧、電流の情報からインピーダンスを推定することができる。この場合の推定可能なインピーダンスは、計測装置103aからみた構内全体のインピーダンスであり、線路部分のインピーダンスであり、各階ごとの背後インピーダンスであり、これらを把握可能である。また、インピーダンスが把握できれば、構内全体としての力率、各階ごとの力率が判明する。従って、力率改善装置104としては、希望する力率の関係にない配電線部分を特定し、例えば2階の力率を改善すべく所望のキャパシタ投入量を決定し、力率改善機器105に制御指令を与えて投入制御することで、所望の力率関係を維持することができる。本発明方式によれば、負荷や変圧器の変動の影響がないため、推定精度は高いという利点がある。
なお図4において、データファイル206には、設備設計支援プログラムが使用する区間リスト、区間ノード関係リストが保存されているが、これらの情報はインピーダンスを算定すべき区間や領域を予め設定したものである。
図6は、本発明の実施例2に係るインピーダンス測定装置を備えた力率改善装置を接続した電力系統の構成例を示す図である。
実施例2では、位相シフトタイミングを推定する際に、電圧Va2、Vb2、Vc2、Vd2の波形変化(位相変化)を顕著化するために、自己相関機能を利用する。図6の自己相関部4は、図4の自己相関演算プログラムPr4に対応しており、ここでは受信した電圧Va1について、例えばその半周期間の値の絶対値和を求める。この絶対値和は入力した電気量が正弦波であれば常に一定値となるが、波形変化(位相変化)を生じたには半周期間の値の絶対値和は、通常とは相違する値を過渡的に示す。具体的には、減少後に元の値に戻るという経緯をたどる。なおこの絶対値和を求める期間は、半周期またはその整数倍の期間であればよい。
図6のブロック20には自己相関部4に入力される電圧波形が正弦波である時の波形を例示している。ブロック21には自己相関部4において、1周期間の値の絶対値和を求めた時の1周期間の値の絶対値和の時間推移を示している。これによれば絶対値和は最初の半周期で減少し、次の半周期で増大して元の値に復帰する傾向を示す。つまり、局所最小値を有する傾向があることから、この局所最小値となる時刻を位相シフトタイミングとすることができ、他の電気量についても同様の処理により位相シフトタイミングを判定することで、電気量間の同期化が可能となる。
このように実施例2は、実施例1において、電気量計測値の自己相関係数を演算する自己相関演算部4を持ち、位相シフトタイミング推定演算部2は、自己相関係数が変動した期間の時刻を位相シフトタイミングとして検出し、複数地点の電気量計値の位相シフトタイミングを同一時刻と特定することを特徴とする力率改善システムである。
また、自己相関係数の変動を演算する位相シフト量推定演算部2を持ち、複数地点の電気量計測定値に複数の位相シフトタイミングが存在するとき、位相シフトタイミング推定演算部2は自己相関係数の変動がより近い位相シフトタイミングを、複数の電気量計測定値の同一時刻と特定する力率改善システムである。
実施例2によれば、時刻同期の高精度化と、インピーダンス推定精度の向上を図ることができる。
図7は、本発明の実施例3に係るインピーダンス測定装置を備えた力率改善装置を接続した電力系統の構成例を示す図である。
実施例3では、実施例2にさらに位相シフト推定演算部5を追加設置している。図6の位相シフト推定演算部5は、図4の図6の自己相関部4は、図4の自己相関演算プログラムPr4に対応している。
自己相関部4は、ブロック22に示すように、複数地点の電気量計測定値に、時系列的に複数の位相シフトタイミングが存在するとき、複数の位相シフトタイミングの間隔が同一である位相シフタタイミングを同一時刻と特定する力率改善システムとしたものである。つまり、1回の故意的なキャパシタ投入で同期化を図るのではなく、連続する複数回のキャパシタ投入を実行し、これによって電気量に表れる複数の位相シフトタイミングについて、その間隔を判定することで、より時刻同期の高精度化と、インピーダンス推定精度の向上を図ったものである。
1:力率改善制御部,2:位相シフトタイミング推定演算部,3:地点間インピーダンス推定演算部,4:自己相関演算部,5:位相シフト推定演算部,6:インピーダンス推定範囲記憶部,100:ビル,101a、101b:誘導性負荷,102a、102b:容量性負荷,103a、103b、103c、103d:計測装置,104:力率改善装置,105a、105b、105c、105d:力率改善機器,106:通信網,107:変圧器,201:CPU,202:RAM,203:通信装置,204:システムバス,205:プログラムファイル,206:データファイル
Claims (11)
- 電力系統内にインピーダンスを制御可能な力率改善機器を備え、計測した電力系統の複数の電気量を、通信線を介して入手し、電力系統のインピーダンスを測定する電力系統のインピーダンス測定装置であって、
前記力率改善機器を用いて、電力系統内のインピーダンスを変更制御する力率改善制御部と、入手した前記複数の電気量について前記インピーダンスの変更制御に伴う波形変化から位相シフトした時刻を推定する位相シフトタイミング推定演算部と、入手した前記複数の電気量についてそれぞれ求めた前記位相シフトした時刻を同一時刻として前記複数の電気量の時刻合わせを行う位相シフト演算部と、時刻合わせ後の前記複数の電気量を用いて電力系統のインピーダンスを推定するインピーダンス推定演算部を有することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項1に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
インピーダンスを制御可能な力率改善機器は、電力系統に接続されたインピーダンスを制御可能な誘導性負荷や容量性負荷を含むことを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項1に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
前記位相シフトタイミング推定演算部は、前記力率改善制御部からインピーダンスを変更制御したタイミングの信号を得、当該タイミングの信号の前後の時刻に生じた波形変化から位相シフトした時刻を推定することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項1に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
入手した前記複数の電気量について、それぞれの自己相関係数を演算する自己相関演算部を備え、前記位相シフトタイミング推定演算部は、前記自己相関係数が変動した期間の時刻を位相シフトした時刻として検出することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項4に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
前記自己相関係数は、入手した電気量の半周期またはその整数倍の期間における絶対値和であることを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項4に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
自己相関係数の変動を演算する位相シフト量推定演算部を備え、複数地点の電力量計測定値に複数の位相シフトタイミングが存在するとき、自己相関係数の変動がより近い位相シフトタイミングを、複数の電力量計測定値の同一時刻と特定する電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項6に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
複数地点の電気量に複数の位相シフトタイミングが存在するとき、複数の位相シフトタイミングの間隔が同一である位相シフタタイミングを同一時刻と特定する電力系統のインピーダンス測定装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力系統のインピーダンス測定装置であって、
入手した複数の電気量は、電力系統内の複数地点で計測した電気量であって、前記時刻合わせ後の前記複数の電気量を用いて電力系統の前記複数地点間のインピーダンスを推定することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定装置。 - 電力系統内にインピーダンスを制御可能な力率改善機器を備え、計測した電力系統の複数の電気量を、通信線を介して入手し、電力系統のインピーダンスを測定する電力系統のインピーダンス測定方法であって、
前記力率改善機器を用いて、電力系統内のインピーダンスを変更制御し、入手した前記複数の電気量について前記インピーダンスの変更制御に伴う波形変化から位相シフトした時刻を推定し、入手した前記複数の電気量についてそれぞれ求めた前記位相シフトした時刻を同一時刻として前記複数の電気量の時刻合わせを行い、時刻合わせ後の前記複数の電気量を用いて電力系統のインピーダンスを推定することを特徴とする電力系統のインピーダンス測定方法。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力系統のインピーダンス測定装置に対して、
前記インピーダンス推定演算部において求めた電力系統の負荷インピーダンスから、当該負荷の力率を算出する力率算出手段と、算出された負荷の力率を所望の力率とするに必要なインピーダンスの変更量を決定するピーダンス変更量決定手段とを追加し、
前記力率改善制御部を介して前記力率改善機器を制御することを特徴とする電力系統の力率改善装置。 - 請求項9に記載の電力系統のインピーダンス測定方法に対して、
電力系統の負荷インピーダンスを求めて当該負荷の力率を算出し、算出された負荷の力率を所望の力率とするに必要なインピーダンスの変更量を決定し、
決定されたインピーダンスの変更量に基づいて前記力率改善機器を制御することを特徴とする電力系統の力率改善方法。
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WO2018070007A1 (ja) | 2018-04-19 |
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