JP6636762B2 - 日射熱制御構造 - Google Patents

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Description

本発明は、日射熱制御構造に関する。
窓部と、窓部の室外側に設置されて当該窓部との間に密閉空間を形成する付加窓部と、付加窓部の上下の窓枠部にそれぞれ形成された換気口とを備える窓構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術では、換気口よって、窓部と付加窓部との間の密閉空間を換気することで、窓部から室内に入る日射熱が低減される。
また、窓部と、窓部の室内側に配置される障子とを備える障子設置構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された技術では、窓部から入射された日射を障子によって受けることで、室内に入る日射熱が低減される。
特開2002−201870号公報 特開2014−237928号公報
特許文献1,2に開示された技術では、例えば、日射量が多い夏期において、窓部から室内に入る日射熱を低減することができるものの、日射量が少ない冬期において、室内から窓部を介して外部へ放熱される熱量を低減するためには、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、室内に入る日射熱を低減可能とし、かつ、室内から窓部を介して外部へ放熱される熱量を低減可能にすることを目的とする。
第1態様に係る日射熱制御構造は、窓部と、開閉する換気口と、を有する外壁と、前記外壁の室内側に配置され、前記窓部と対向するパネル状蓄熱材と、前記パネル状蓄熱材よりも前記外壁側に配置され、前記パネル状蓄熱材との相対移動に伴って該パネル状蓄熱材の外面を覆う遮蔽状態と、該パネル状蓄熱材の横幅方向にずれて前記外面を露出させる露出状態とに切り替えられる外側パネル状断熱材と、前記パネル状蓄熱材よりも室内側に配置され、前記パネル状蓄熱材との相対移動に伴って該パネル状蓄熱材の内面を覆う遮蔽状態と、該パネル状蓄熱材の横幅方向にずれて前記内面を露出させる露出状態とに切り替えられる内側パネル状断熱材と、を備える。
第1態様に係る日射熱制御構造によれば、外壁は、窓部と、開閉する換気口とを有する。この外壁の室内側には、窓部と対向するパネル状蓄熱材が配置される。また、パネル状蓄熱材よりも外壁側には、外側パネル状断熱材が配置される。この外側パネル状断熱材は、パネル状蓄熱材との相対移動に伴って、当該パネル状蓄熱材の外面を覆う遮蔽状態と、パネル状蓄熱材の横幅方向にずれて当該パネル状断熱材の外面を露出させる露出状態とに切り替えられる。
一方、パネル状断熱材よりも室内側には、内側パネル状断熱材が配置される。この内側パネル状断熱材は、パネル状蓄熱材との相対移動に伴って、パネル状蓄熱材の内面を覆う遮蔽状態と、パネル状蓄熱材の横幅方向にずれて当該パネル状断熱材の内面を露出させる露出状態とに切り替えられる。
ここで、例えば、夏期のように日射量が多い場合には、外側パネル状断熱材は、遮蔽状態とされ、内側パネル状断熱材は、露出状態とされる。この場合、外側パネル状断熱材は、パネル状蓄熱材の外面を覆い、内側パネル状断熱材は、パネル状蓄熱材の横幅方向にずれて当該パネル状蓄熱材の内面を露出させる。これらの外側パネル状断熱材及び内側パネル状断熱材によって、窓部から入射された日射を受けることにより、室内に入る日射熱が低減される。
また、外壁と、外側パネル状断熱材及び内側パネル状断熱材との間には、断熱空気層が形成される。この断熱空気層によって、室内に入る日射熱がさらに低減される。
さらに、外壁の換気口を開き、断熱空気層を換気することにより、断熱空気層の温度上昇が低減される。したがって、室内に入る日射熱がさらに低減される。
一方、冬期のように日射量が少ない場合には、外側パネル状断熱材は、露出状態とされ、内側パネル状断熱材は、遮蔽状態とされる。この場合、外側パネル状断熱材は、パネル状蓄熱材の横幅方向にずれて当該パネル状蓄熱材の外面を露出させ、内側パネル状断熱材は、パネル状蓄熱材の内面を覆う。これらの外側パネル状断熱材及び内側パネル状断熱材と外壁との間に、断熱空気層が形成される。この断熱空気層によって、窓部から外部へ放熱される室内の熱量が低減される。
また、外壁の換気口を閉じることにより、断熱空気層の温度低下が低減される。したがって、窓部から外部へ放熱される室内の熱量がさらに低減される。
さらに、外側パネル状断熱材が露出状態とされると、パネル状蓄熱材の外面が露出される。このパネル状蓄熱材の外面によって窓部から入射された日射を受けることにより、パネル状蓄熱材に日射熱が蓄熱される。これにより、断熱空気層の温度低下が低減されるため、窓部から外部へ放熱される室内の熱量がさらに低減される。
このように本発明では、外側パネル状断熱材及び内側パネル状断熱材の状態(遮蔽状態、露出状態)を適宜切り替えることにより、窓部から室内に入る日射熱を低減し、かつ、室内から窓部を介して外部へ放熱される熱量を低減することができる。
第2態様に係る日射熱制御構造は、第1態様に係る日射熱制御構造において、前記外側パネル状断熱材及び前記内側パネル状断熱材は、半透光性を有し、前記パネル状蓄熱材には、複数の貫通孔が形成される。
第2態様に係る日射熱制御構造によれば、外側パネル状断熱材及び内側パネル状断熱材は、半透光性を有している。これにより、外側パネル状断熱材及び内側パネル状断熱材と外壁との間に断熱空気層を形成しつつ、窓部から入った光(明かり)を室内に取り込むことができる。
また、パネル状蓄熱材には、複数の貫通孔が形成される。これにより、窓部から入った光を複数の貫通孔を通して室内に取り込むことができる。
このように本発明では、室内の断熱性能を高めつつ、採光性を確保することができる。
第3態様に係る日射熱制御構造は、第1態様又は第2態様に係る日射熱制御構造において、前記パネル状蓄熱材は、波形鋼板を有して形成される。
第3態様に係る日射熱制御構造によれば、パネル状蓄熱材は、波形鋼板を有して形成される。これにより、パネル状蓄熱材を平板状の鋼板で形成した場合と比較して、日射を受けるパネル状断熱材の外面の表面積が増加する。したがって、パネル状断熱材の蓄熱効率が向上する。
以上説明したように、本発明に係る日射熱制御構造によれば、室内に入る日射熱を低減可能とし、かつ、室内から窓部を介して外部へ放熱される熱量を低減可能にすることができる。
一実施形態に係る日射熱制御構造が適用された構造物の外壁を外側から見た立面図である。 図1の2−2線断面図である。 図2の3−3線断面図である。 図2に示される鋼製耐震壁を室内側から見た立面図である。 図4の5−5線断面図である。 (A)は、図2に示される外側障子を室内側から見た立面図であり、(B)は、図6(A)の6B−6B線断面図である。 図2に示される外側障子及び内側障子を移動させた状態を示す断面図である。 図2に示される内側障子を移動させた状態を示す断面図である。 図2に示される外側障子を移動させた状態を示す断面図である。 一実施形態に係る日射熱制御構造の変形が適用された構造物を示す図2に対応する断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る日射熱制御構造について説明する。なお、各図において適宜示される矢印INは、構造物の室内側を示し、矢印OUTは、構造物の室外側を示している。
(構造物)
図1には、本実施形態に係る日射熱制御構造10が適用された構造物12の外周部が立面視にて示されている。構造物12は、複数階を有している。この構造物12の所定階の外周部には、図2に示されるように、複数の部屋(室)14が設けられている。各部屋14は、構造物12の外壁16と、外壁16と交差する方向に延びる一対の間仕切壁24A,24Bとによって区画されている。
(外壁)
外壁16には、複数(本実施形態では2つ)の窓部18A,18Bが設けられている。複数の窓部18A,18Bは、横に並んで配置されている。各窓部18A,18Bは、枠状に形成された窓枠部20と、窓枠部20内に嵌め込まれた窓ガラス22とを有している。なお、各窓部18A,18Bは、嵌め殺し窓とされても良いし、開閉式窓とされても良い。
一対の間仕切壁24A,24Bのうち、一方の間仕切壁24A側に配置された窓部18Aの窓枠部20の下側枠部20Lには、換気口26が設けられている。換気口26は、下側枠部20Lに沿って延びる長方形状に形成されている。この換気口26は、図3に示されるように、外壁16の下端部の外面16Aに形成された開口28に通じている。
これにより、矢印V1で示されるように、開口28から導入された外気が換気口26を介して室内14R(図2参照)に導入されるようになっている。また、換気口26には、当該換気口26を開閉する図示しない開閉機構が設けられている。なお、換気口26は、後述する重力換気の吸気口として機能する。また、符号30は、部屋14の床部を構成するスラブである。
図2に示されるように、外壁16には、上下方向に延びる縦窓部32が設けられている。縦窓部32は、一対の間仕切壁24A,24Bのうち、他方の間仕切壁24B側に配置されている。この縦窓部32は、開閉式窓とされている。この縦窓部32によって、矢印V2で示されるように、室内14Rの空気を外部に排気する換気口34が形成されている。なお、換気口34は、重力換気の排気口として機能する。
縦窓部32は、換気口34を開閉する開閉戸36を有している。また、縦窓部32の室外側には、ガラリ38(図1参照)が設けられている。このガラリ38は、構造物12の外観を向上する意匠材(外装材)としても機能する。
ここで、重力換気とは、空気の温度差を利用した自然換気の一種であり、部屋14内の暖かい空気を部屋14の上部の開口から外部へ排出し、外部の冷たい空気(外気)を部屋14の下部の開口から部屋14内に取り込むことで、換気効率を高めたものである。したがって、吸気口としての換気口26は、外壁16の下部にあることが望ましく、また、排気口としての換気口34は、外壁16の上部にあることが望ましい。さらに、換気口26,34間に空気の流れを発生させるためには、換気口26と換気口34との上下方向及び水平方向の間隔を広げることが望ましい。
また、前述したように、縦窓部32の換気口34から室内14Rの暖かい空気が排気される。そのため、本実施形態では、図1に矢印V2で示されるように、縦窓部32から排気された暖かい空気が、その上階の縦窓部32から室内14Rに流入しないように、上下階の縦窓部32が横幅方向(水平方向)にずれて配置されている。より具体的には、縦窓部32は、立面視にて、市松状に配置されている。これと同様に、本実施形態では、後述する鋼製耐震壁40が、立面視にて市松状に配置されている。
(鋼製耐震壁)
図2に示されるように、外壁16の室内14R側には、パネル状蓄熱材としての鋼製耐震壁(波形鋼板耐震壁)40が配置されている。鋼製耐震壁40は、一方の間仕切壁24A側の窓部18Aと対向して配置されている。これにより、矢印SAで示されるように、窓部18Aから室内14Rに入射した日射が、鋼製耐震壁40に当たるようになっている。
図4に示されるように、鋼製耐震壁40は、波形鋼板42と、波形鋼板42の外周部に設けられた外周枠44とを有している。波形鋼板42は、蓄熱性を有する鋼板で形成されている。これにより、波形鋼板42(鋼製耐震壁40)の外面42Xに日射が当たると、波形鋼板42(鋼製耐震壁40)に日射熱が蓄熱されるようになっている。なお、蓄熱性を有する部材とは、例えば、窓ガラス22よりも熱容量が高い部材であり、鋼等の金属やコンクリート、レンガ、タイル等が挙げられる。
波形鋼板42は、断面が波形形状とされており、その折り筋(折り目)を横(水平方向)にして、架構50の構面内に配置されている。なお、波形鋼板42は、折り筋を縦(上下方向)にして配置しても良い。
架構50は、外壁16の室内14R側に配置された柱(外周柱)52と、当該柱52と図示しない他の柱(外周柱)とに架設された上下の梁54とを有している。また、架構50には、上下の梁54に亘る間柱56が設けられている。この間柱56と柱52との間に鋼製耐震壁40が配置されている。なお、本実施形態では、架構50は、鉄骨造されているが、架構は、鉄筋コンクリート造等であっても良い。
図5に示されるように、波形鋼板42は、上下方向に延びる縦壁部42Aと、縦壁部42Aに対して傾斜する傾斜壁部42Bとを有している。これにより、一方の窓部18A(図2参照)から入射した日射(矢印SA)を受ける波形鋼板42の外面42Xの表面積が広くされている。
図4に示されるように、縦壁部42A及び傾斜壁部42Bには、光を通す複数の貫通孔(透光孔)46がそれぞれ形成されている。これにより、一方の窓部18A(図2参照)から室内14Rに入った光(矢印SA)が、波形鋼板42を透過するようになっている。なお、貫通孔46は、縦壁部42A及び傾斜壁部42Bの少なくとも一方に形成することができる。
外周枠44は、一対の縦フランジ部44Aと、一対の横フランジ部44Bとを有し、波形鋼板42の外周部を囲む枠状に形成されている。一対の縦フランジ部44Aは、波形鋼板42の左右の端部に沿って設けられており、当該左右の端部に溶接等に接合されている。一方、一対の横フランジ部44Bは、波形鋼板42の上下の端部に沿って設けられており、当該上下の端部に溶接等によって接合されている。
また、一対の縦フランジ部44Aの外面には、縦接合プレート48Aがそれぞれ設けられている。これらの縦接合プレート48Aを介して、鋼製耐震壁40が柱52及び間柱56にそれぞれ接合されている。これと同様に、一対の横フランジ部44Bの外面には、横接合プレート48Bがそれぞれ設けられている。これらの横接合プレート48Bを介して、鋼製耐震壁40が上下の梁54にそれぞれ接合されている。
(障子)
図2に示されるように、外壁16の室内14R側には、一対の外側障子60X及び内側障子60Yが設けられている。一対の外側障子60X及び内側障子60Yは、鋼製耐震壁40を間において、引違い戸60を構成している。この引違い戸60は、柱52と他方の間仕切壁24Bとに亘って設けられる。
具体的には、外側パネル状断熱材の一例としての外側障子60Xは、鋼製耐震壁40よりも外壁16側に配置されている。一方、内側パネル状断熱材の一例としての内側障子60Yは、鋼製耐震壁40よりも室内14R側に配置されている。この一対の外側障子60X及び内側障子60Yは、図示しない天井部及び床部にそれぞれ設けられたレール(図示省略)に沿って、鋼製耐震壁40の横幅方向(矢印W方向)に移動可能(横滑り可能)に支持されている。
外側障子60Xは、波形鋼板42の横幅方向の移動に伴って、鋼製耐震壁40(波形鋼板42)の外面42Xを覆う遮蔽状態(図2に示す状態)と、鋼製耐震壁40(波形鋼板42)の横幅方向にずれて当該鋼製耐震壁40の外面42Xを露出させる露出状態(図7に示す状態)とに切り替えられる。この外側障子60Xは、外壁16との間に断熱空気層62を形成する。
なお、外側障子60Xは、例えば、遮蔽状態において、鋼製耐震壁40(波形鋼板42)の外面42Xの中央部を少なくとも覆い、露出状態において、当該外面42Xの中央部を少なくとも露出させれば良い。また、外側障子60Xと外壁16との間には、換気口26を操作可能(人が出入り可能)な間隔が空けられている。
一方、内側障子60Yは、鋼製耐震壁40の横幅方向の移動に伴って、鋼製耐震壁40(波形鋼板42)の内面42Yを覆う遮蔽状態と、鋼製耐震壁40の横幅方向にずれて当該鋼製耐震壁40(波形鋼板42)の内面42Yを露出させる露出状態とに切り替えられる。この内側障子60Yは、外壁16との間に断熱空気層64を形成する。
なお、内側障子60Yは、例えば、遮蔽状態において、鋼製耐震壁40(波形鋼板42)の内面42Yの中央部を少なくとも覆い、露出状態において、当該内面42Yの中央部を少なくとも露出させれば良い。また、本実施形態では、外側障子60Xと内側障子60Yとは、同様の構成とされている。そのため、以下では、外側障子60Xの構成について詳説し、内側障子60Yの構成については説明を省略する。
図6(A)及び図6(B)に示されるように、外側障子60Xは、格子状体66と、格子状体66の外面及び内面をそれぞれ被覆する紙材68とを有している。格子状体66は、複数の縦材66A及び複数の横材66Bによって格子状に形成されている。紙材68は、例えば、和紙等の白紙で形成されている。この紙材68は、半透光性を有し、入射された光の一部を透過可能になっている。つまり、外側障子60Xは、明かり障子として機能する。
また、紙材68は、格子状体66の外面及び内面にそれぞれ貼付されている。これにより、格子状体66の複数の格子枠内に断熱空気層70が形成されている。つまり、本実施形態の一対の外側障子60X及び内側障子60Yは、断熱材(パネル状断熱材)としても機能する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る日射熱制御構造10によれば、構造物12の外壁16は、複数の窓部18A,18Bと、開閉する2つの換気口26,34とを有している。この外壁16の室内14R側には、鋼製耐震壁40が配置されている。鋼製耐震壁40は、一方の間仕切壁24A側の窓部18Aと対向して配置されている。この鋼製耐震壁40によって、構造物12の耐震性能が高められている。
また、鋼製耐震壁40よりも外壁16側には、外側障子60Xが配置されている。この外側障子60Xは、鋼製耐震壁40との相対移動に伴って、鋼製耐震壁40の外面42Xを覆う遮蔽状態と、鋼製耐震壁40の横幅方向(矢印W方向)にずれて当該鋼製耐震壁40の外面42Xを露出させる露出状態とに切り替えられる。
一方、鋼製耐震壁40よりも室内14R側には、内側障子60Yが配置されている。この内側障子60Yは、鋼製耐震壁40との相対移動に伴って、鋼製耐震壁40の内面42Yを覆う遮蔽状態と、鋼製耐震壁40の横幅方向にずれて当該鋼製耐震壁40の内面42Yを露出させる露出状態とに切り替えられる。
ここで、本実施形態では、鋼製耐震壁40に対する一対の外側障子60X及び内側障子60Yの位置(配置)を変更するとともに、換気口26,34を開閉することにより、窓部18A,18Bの窓際の断熱性能を変更することができる。
(夏期)
具体的には、例えば、夏期のように日射量が多い場合には、図2に示されるように、外側障子60Xは、遮蔽状態とされ、内側障子60Yは、露出状態とされる。この場合、外側障子60Xは、鋼製耐震壁40の外面42Xを覆い、内側障子60Yは、鋼製耐震壁40の横幅方向にずれて当該鋼製耐震壁40の内面42Yを露出させる。
また、外側障子60Xは、一方の窓部18Aと対向するとともに、内側障子60Yは、他方の窓部18Bと対向する。この一対の外側障子60X及び内側障子60Yによって、窓部18A,18Bから入射された日射SA,SBを受けることにより、室内14Rに入る日射熱が低減される。
また、図6(B)に示されるように、外側障子60Xの内部には、断熱空気層62が形成されている。つまり、外側障子60Xは、断熱材としても機能する。これと同様に、内側障子60Yは、断熱材としても機能する。これにより、図2に示されるように、一対の外側障子60X及び内側障子60Yと外壁16との間に断熱空気層62,64がそれぞれ形成される。この断熱空気層62,64によって、室内14Rに入る日射熱がさらに低減される。
さらに、外壁16の換気口26,34を開き、断熱空気層62,64を換気することにより、断熱空気層62,64の温度上昇が抑制される。したがって、室内14Rに入る日射熱がさらに低減される。しかも、本実施形態では、重力換気(自然換気)によって、断熱空気層62,64を換気する。したがって、強制換気と比較して、省エネ化を図ることができる。
また、一対の外側障子60X及び内側障子60Yは、半透光性を有し、明かり障子としても機能する。したがって、一対の外側障子60X及び内側障子60Yと外壁16との間に前述した断熱空気層62,64を形成しつつ、窓部18A,18Bから入った光(明かり)を室内14Rに取り込むことができる。
また、外側障子60Xを遮蔽状態にすると、外側障子60Xによって鋼製耐震壁40の外面42Xが覆われる。この外側障子60Xによって鋼製耐震壁40の外面42Xに対する日射を遮ることにより、鋼製耐震壁40に蓄熱される日射熱が低減される。したがって、室内14Rの温度上昇が抑制される。
一方、図4に示されるように、鋼製耐震壁40(波形鋼板42)には、複数の貫通孔46が形成されている。これらの貫通孔46を通して、窓部18A,18Bから入った光を室内14R側に取り込むことができる。したがって、採光性を確保することができる。
また、本実施形態では、図1に示されるように、縦窓部32が、立面視にて市松状に配置されている。これにより、矢印V2で示されるように、縦窓部32の換気口34から外部へ排出された断熱空気層62,64の暖かい空気が、その上階の縦窓部32から室内14Rに流入することが抑制される。しかも、縦窓部32及び鋼製耐震壁40を、立面視にて市松状に配置することにより、構造物12の意匠性が向上する。
(冬期)
次に、例えば、冬期のように日射量が少ない場合には、図7に示されるように、外側障子60Xは、露出状態とされ、内側障子60Yは、遮蔽状態とされる。この場合、外側障子60Xは、鋼製耐震壁40の横幅方向にずれて当該鋼製耐震壁40の外面42Xを露出させ、内側障子60Yは、鋼製耐震壁40の内面42Yを覆う。
また、外側障子60Xは、窓部18Bと対向するとともに、内側障子60Yは、鋼製耐震壁40を挟んで窓部18Aと対向する。これにより、外側障子60X及び内側障子60Yと外壁16との間に、断熱空気層62,64がそれぞれ形成される。この断熱空気層62,64によって、矢印Hに示されるように、室内14Rの熱が、窓部18A,18Bから外部へ放熱されることが抑制される。
また、外壁16の換気口26,34を閉じることにより、断熱空気層62,64の温度低下が低減される。したがって、窓部18A,18Bから外部(矢印OUT側)へ放熱される室内14Rの熱量がさらに低減される。
しかも、外側障子60Xが露出状態とされると、鋼製耐震壁40の外面42Xが露出される。この結果、矢印SAで示されるように、一方の窓部18Aから入射された日射が、鋼製耐震壁40の外面42Xに当たる。これにより、鋼製耐震壁40に日射熱が蓄熱される。つまり、鋼製耐震壁40が、熱源として機能する。
したがって、例えば、日中に鋼製耐震壁40に日射熱を蓄熱しておき、蓄熱した日射熱を夕方から夜にかけて放熱させることにより、断熱空気層62,64の温度低下が低減される。したがって、窓部18A,18Bから外部へ放熱される室内の熱量がさらに低減される。
また、波形鋼板42は、断面が波形形状に形成されている。これにより、平板状の鋼板と比較して、一方の窓部18Aから入射した日射を受ける波形鋼板42(鋼製耐震壁40)の外面42Xの表面積が増加する。したがって、鋼製耐震壁40の蓄熱効率が向上する。
このように本実施形態では、日射量等に応じて、外側障子60X及び内側障子60Yの状態(遮蔽状態、露出状態)を適宜切り替えるとともに、換気口26,34を適宜開閉することにより、窓部18A,18Bから室内14Rに入る日射熱を低減し、かつ、室内14Rから窓部18A,18Bを介して外部へ放熱される熱量を低減することができる。
(春期又は秋期)
次に、春期又は秋期のように日射量が適量の場合には、例えば、図8に示されるように、外側障子60X及び内側障子60Yを遮蔽状態としても良い。この場合、他方の窓部118Bと室内14Rとの間に仕切りが無くなるため、室内14Rの換気効率が向上するとともに、他方の窓部18Bから室内14Rに光を取り込み易くなる。さらに、他方の窓部18Bと室内14Rとの間の仕切りを無くすことにより、室内14Rからの眺望性を確保することができる。
また、例えば、図9に示されるように、外側障子60X及び内側障子60Yを露出状態とすることも可能である。この場合、矢印SAで示されるように、一方の窓部18Aから入射された日射を鋼製耐震壁40の外面42Xで受けることができるため、鋼製耐震壁40に日射熱が蓄熱される。したがって、室内14Rの温度低下を低減することができる。
また、図4に示されるように、波形鋼板42には、複数の貫通孔46が形成されている。これにより、一方の窓部18Aから入った光を、複数の貫通孔46を通して室内14R側へ取り込むことができる。
さらに、波形鋼板42は、縦壁部42Aと、縦壁部42Aに対して傾斜する傾斜壁部42Bと有し、これらの縦壁部42A及び傾斜壁部42Bに貫通孔46がそれぞれ形成されている。これにより、入射角度が異なる複数の光を、縦壁部42A及び傾斜壁部42Bに形成された貫通孔46を通して室内14Rに拡散して取り込むことができる。つまり、波形鋼板42の縦壁部42A及び傾斜壁部42Bに貫通孔46をそれぞれ形成することにより、室内14Rに柔らかい光を取り込むことができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、波形鋼板42に複数の貫通孔46が形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、波形鋼板42に貫通孔46を形成せずに、鋼製耐震壁40の蓄熱性を高めても良い。
また、上記実施形態では、鋼製耐震壁40が波形鋼板42を有するが、鋼製耐震壁は、例えば、波形鋼板と、平鋼板や各種の形鋼等を組み合わせて形成されても良い。また、鋼製耐震壁は、波形鋼板に限らず、平鋼板や各種の形鋼等によって形成されても良い。
また、パネル状蓄熱材は、鋼製耐震壁40に限らず、例えば、鉄筋コンクリート造の耐震壁であっても良い。また、パネル状蓄熱材は、例えば、地震力を負担しない鋼製壁であっても良いし、コンクリートパネル、蓄熱ボード等であっても良い。
また、上記実施形態では、固定された鋼製耐震壁40に対して一対の外側障子60X及び内側障子60Yが移動されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図10に示されるように、一対の外側障子60X及び内側障子60Yに対して、パネル状蓄熱材80を横幅方向に移動させても良い。
具体的には、パネル状蓄熱材80は、平板状の鋼板等で形成されており、図示しない天井部及び床部にそれぞれ設けられたレール(図示省略)に沿って、当該パネル状蓄熱材80の横幅方向(矢印W方向)に移動可能に支持されている。このパネル状蓄熱材80を一対の外側障子60X及び内側障子60Yに対して移動させることにより、一対の外側障子60X及び内側障子60Yが遮蔽状態と露出状態とに切り替えられる。したがって、例えば、夏期及び冬期において、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、図示を省略するが、パネル状蓄熱材80、一対の外側障子60X及び内側障子60Yの全てを横幅方向に移動可能にしても良い。この場合、夏期、冬期、春期、及び秋期において、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、パネル状蓄熱材80、一対の外側障子60X及び内側障子60Yの全てを横幅方向に移動可能した場合には、例えば、一方の窓部18Aと室内14Rとの仕切りを無くすことができる。したがって、眺望性を向上させることができる。
また、上記実施形態では、外側障子60Xの格子状体66の外面及び内面に紙材68がそれぞれ貼付されるが、上記実施形態はこれに限らない。紙材68は、格子状体66の外面及び内面の少なくとも一方に設けられても良い。内側障子60Yについても同様である。
また、外側パネル状断熱材としては、障子に限らず、例えば、半透光性を有する布やスクリーン、ロールカーテンを用いることができる。さらに、外側パネル状断熱材は、少なくとも断熱性を有していれば良く、必ずしも半透光性を有している必要はない。したがって、外側パネル状断熱材には、例えば、グラスウールパネルやロックウールパネル等の断熱パネルを用いても良い。内側障子60Yについても同様である。
さらに、上記実施形態では、外側障子60Xと内側障子60Yとが同様の構成とされるが、外側障子60Xと内側障子60Yとの構成は、異なっていても良い。
また、上記実施形態では、断熱空気層62,64の換気方法として重力換気を用いたが、上記実施形態はこれに限らない。断熱空気層62,64の換気方法としては、例えば、強制換気を用いても良い。また、換気口の大きさや数、配置は、適宜変更可能である。
また、外壁16には、パネル状蓄熱材と対向する少なくとも1つの窓部があれば良く、窓部の大きさや数、配置は、適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、鋼製耐震壁40、一対の外側障子60X及び内側障子60Yを部屋14に一組設けた例を示したが、部屋14には、鋼製耐震壁40、一対の外側障子60X及び内側障子60Yを複数組設けても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 日射熱制御構造
16 外壁
18A 窓部
18B 窓部
26 換気口
34 換気口
40 鋼製耐震壁(パネル状蓄熱材)
42 波形鋼板
42X 外面(パネル状蓄熱材の外面)
42Y 内面(パネル状蓄熱材の内面)
46 貫通孔
60X 外側障子(外側パネル状断熱材)
60Y 内側障子(内側パネル状断熱材)
80 パネル状蓄熱材

Claims (3)

  1. 窓部と、開閉する換気口と、を有する外壁と、
    前記外壁の室内側に配置され、前記窓部と対向するパネル状蓄熱材と、
    前記パネル状蓄熱材よりも前記外壁側に配置され、前記パネル状蓄熱材に対する横幅方向の横滑りに伴って、該パネル状蓄熱材の外面を覆う遮蔽状態と、該パネル状蓄熱材の前記外面を露出させる露出状態とに切り替えられる外側パネル状断熱材と、
    前記パネル状蓄熱材よりも室内側に配置され、前記パネル状蓄熱材に対する横幅方向の横滑りに伴って、該パネル状蓄熱材の内面を覆う遮蔽状態と、該パネル状蓄熱材の前記内面を露出させる露出状態とに切り替えられる内側パネル状断熱材と、
    を備える日射熱制御構造。
  2. 前記外側パネル状断熱材及び前記内側パネル状断熱材は、半透光性を有し、
    前記パネル状蓄熱材には、複数の貫通孔が形成される、
    請求項1に記載の日射熱制御構造。
  3. 前記パネル状蓄熱材は、波形鋼板を有して形成される、
    請求項1又は請求項2に記載の日射熱制御構造。
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