JP6636743B2 - 脈拍測定装置及び脈拍測定方法 - Google Patents

脈拍測定装置及び脈拍測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、ユーザの脈拍を測定する脈拍測定装置及び脈拍測定方法に関する。
近年、腕時計、指輪、眼鏡等のようにユーザが直接身に着けて持ち歩くことのできるコンピュータ(いわゆるウェアラブル端末)が着目されている。単に身に着けるだけでは小さなコンピュータを持ち歩くのと大差がないため、ウェアラブル端末では、常に身に着けている特徴を生かした応用技術が求められている。このような応用技術として、装着時にユーザの健康状態を自動的に記録するといったバイタルセンシング技術が考えられており、その一例として、脈拍測定が挙げられる。
一般に、脈拍測定は、電極を生体に装着することによって計測された心電波形のピーク、例えばP波やR波等を用いて脈拍とほぼ等価な心拍数を検出する心電図法や、手首、指、耳たぶ等の末梢血管に光を照射し、その反射光が血流及び吸光特性によって周期的に変動する光学的な変化から脈拍を検出する光電脈波法等が広く用いられている。
脈拍測定を簡便に行う装置として、スポーツ心電誘導法における測定電極を着衣に埋め込み、着るだけで心拍測定ができる「hitoe」(登録商標)(非特許文献1)、赤外線を照射するセンサを備える装置を耳介に装着することで心拍測定ができる装置(特許文献1)が提案されている。
特開2006−102161号公報
着るだけで生体情報の連続計測を可能とする機能素材"hitoe"の開発及び実用化について、インターネット[URL:https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2014/01/30_00.html]、<平成27年6月5日検索>
しかしながら、非特許文献1(心電図法)に示すhitoeは、体表面に電極を装着するため心拍を精確に測定することができるものの、人体に強く密着させる必要があるために拘束感や圧迫感といった不快感が伴ったり、着衣であるので洗濯が必要であるが耐久性の観点から洗濯回数が限られたりするために、使い勝手に難があるといった問題点があった。
また、光電脈波法(特許文献1)では、発光素子の消費電力が大きいため、例えばウェアラブル端末のような小型の端末装置に用いた場合に、脈拍を常時測定し続けることが不可能であった。また、入れ墨等をしている場合、色素が光を遮ってしまうため、反射光をうまく捉えられない場合もあった。
そのため、近年では、人体及び装置の双方に負担のかからない新たな手法による脈拍測定方法が望まれている。
また、ウェアラブル端末は、ユーザが常時装着しているため、装着中に装着状態がずれてしまうこともある。装着状態がずれてしまうと、脈拍を測定するセンサも合わせて測定部位からずれてしまう可能性があり、ウェアラブル端末においてユーザの脈拍を測定する場合には、装着状態のずれを考慮し、脈拍測定を継続可能なように設計する必要がある。
本発明は、従来の脈拍測定方法のこれらの問題及び上述の要望に鑑みてなされたものであり、脈拍の測定精度を向上させることができる脈拍測定装置及び脈拍測定方法を提供する。
本発明の第1の態様においては、自身を装着する人体の脈拍を測定する脈拍測定装置であって、装着時に複数の異なる位置に接触するように設けられ、接触面の温度を測定する複数のセンサ部と、複数の前記センサ部が測定した複数の前記温度を処理する信号処理部と、を備え、前記信号処理部は、複数の前記センサ部が測定した複数の前記温度に基づいて、脈動に伴う温度変化を抽出する抽出部と、抽出した温度変化の間隔から脈拍を測定する測定部と、を備える脈拍測定装置を提供する。
また、前記センサ部のそれぞれは、測定した温度を測定結果として出力し、複数の前記センサ部から出力される複数の前記測定結果を合成する合成部を更に備え、前記抽出部は、前記合成部が合成した合成測定結果から、脈動に伴う温度変化を抽出することとしてもよい。前記センサ部のそれぞれは、前記測定結果を無線で前記信号処理部に送信してもよい。
また、前記合成部は、信号レベルが所定レベル以下の測定結果を増幅し、複数の前記センサ部から出力される複数の前記測定結果を合成することとしてもよい。
また、前記合成部は、複数の前記センサ部が接触する位置に基づいて複数の前記測定結果に重みづけし、重みづけした後の複数の測定結果を合成してもよい。
また、前記抽出部は、複数の前記センサ部のうち一のセンサ部が測定した温度と、他のセンサ部が測定した温度との差分に基づいて、前記温度変化を抽出してもよい。
また、前記抽出部は、前記センサ部のアナログ測定結果をデジタル変換する変換部と、変換したデジタル測定結果を、除去対象の交流ノイズの周期に応じた数で移動平均することで前記センサ部の測定結果に対してノイズ除去を行うノイズ除去部と、を備えることとしてもよい。
また、前記ノイズ除去部は、前記センサ部が測定した、人体温が取り得る温度範囲から外れる温度を除去することで、ノイズ除去を行うこととしてもよい。
また、前記ノイズ除去部は、前記センサ部が測定した体温から所定の温度範囲を、前記人体温が取り得る前記温度範囲として設定することとしてもよい。
また、前記抽出部が抽出した直前の脈動に伴う温度変化に基づいて前記所定の温度範囲を設定することとしてもよい。
また、前記ノイズ除去部は、複数の前記センサ部の測定結果を比較するとともに、当該比較結果に基づいて、ノイズを除去することとしてもよい。
また、前記抽出部は、前記測定部が測定した前記脈拍の間隔に応じて、前記温度変化の抽出を行うこととしてもよい。
また、前記信号処理部と前記センサ部との間の熱の移動を抑制する断熱部を更に備えることとしてもよい。
また、前記センサ部の熱を放出する放熱部を更に備えることとしてもよい。
本発明の第2の態様においては、人体の脈拍を測定する脈拍測定方法であって、人体のそれぞれ異なる位置における温度を測定するステップと、測定した複数の位置の温度に基づいて、脈動に伴う温度変化を抽出するステップと、抽出した温度変化の間隔から脈拍を測定するステップと、を含む脈拍測定方法を提供する。
本発明によれば、脈拍の測定精度を向上させることができる。
脈拍測定装置による脈拍の測定方法の概要を示す図である。 脈拍測定装置の構成を示す図である。 FIFOメモリの仕組み及び格納データを示す図である。 演算部の加算処理を示す図である。 脈動を抽出する際の温度範囲を示す図である。 脈拍測定装置の処理の流れを示すフローチャートである。 体温と脈拍との関係を示す実験データ例を示す図である。 別実施形態の脈拍測定装置の機能構成を示す図である。 合成部の合成処理を示す図である。 脈拍測定装置を有するウェアラブル端末の一例を示す図である。
[脈拍測定方法の概要]
初めに、図1を参照し、本発明に係る脈拍測定装置による脈拍測定方法の概要について説明する。図1は、脈拍測定装置による脈拍の測定方法を説明するための図である。図1に示すように、本発明では、血管(動脈)が表面に近い人体部位(例えば、手首、首、足首等)における微小な体温変化を検出し、この微小な体温変化の間隔から脈拍を測定する。
従来、人体の体温は、運動、時間(早朝や昼間等)、気温、食事、睡眠、女性の性周期、感情等で変化することが知られている。このような変化では、体温は、緩やかに上下するものであり、急激な変化はないものと思われていた。この点、本発明者らが、感度の高い温度センサを用いて人体温の変化を観測したところ、体温は、日常生活における緩やかな温度変化だけでなく、脈拍と相関性を持って瞬間的に上下している現象が確認できた。この現象は、心臓等で温められた血液が測定部位に到達することで、当該測定部位において瞬間的な温度上昇が引き起こされ、また、その後の脈動までに放熱されることを繰り返すことで発生するものと推測される。
本発明では、脈動に伴う瞬間的かつ微小な温度上昇を検出することで、脈拍を測定する。このとき、検出すべき温度変化は、微小(例えば、0.01℃〜0.05℃程度)であるためノイズの影響を受けやすい。そこで、本発明では、後述のノイズ除去を行うことで、微小な温度変化を検出可能にしている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[脈拍測定装置1の構成]
図2は、本発明に係る脈拍測定装置1の構成を示す図である。なお、図2(a)は、本発明に係る脈拍測定装置1の機能構成を示す図であり、図2(b)は、当該機能を発揮するための具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。
脈拍測定装置1は、自身を装着する人体の脈拍を測定するウェアラブル端末であり、図2に示すように、脈拍測定装置1は、複数のセンサ部2a、2b・・・2n(以下、総称して「センサ部2」とする)と信号処理部3と出力部4とを含んで構成される。また、図2(a)に示すように、信号処理部3は、本発明に係る抽出部31(変換部33及びノイズ除去部34)及び測定部32として機能する。この信号処理部3の機能は、例えば、図2(b)に示すように、アンプ3aとA/Dコンバータ3bとFIFOメモリ3cと演算部3dというハードウェア構成により発揮される。もちろん、信号処理部3の機能は、図2(b)に一例として示すハードウェア構成に限らず、任意の構成(例えば、FIFOメモリ3cに代えてローパスフィルタ等の任意のノイズ除去手段を設ける)により実現することができる。以下では、まず、図2(b)を参照して、脈拍測定装置1のハードウェア構成の一例について説明する。
センサ部2は、人体に接触し、接触面の温度を測定する接触式の温度センサである。センサ部2は、装着状態がずれた場合であっても少なくとも一のセンサ部2が脈動に伴う微小な温度上昇を測定可能にするため(より具体的には、血管(大動脈)の近傍に少なくとも一のセンサ部が位置するように)、脈拍測定装置1において複数設けられる。
ここで、ウェアラブル端末として、手首にはめる時計型の端末や指にはめる指輪型の端末のように人体の一部位のみに接触する端末の他、右のこめかみ及び左のこめかみに接触する眼鏡型の端末や、左右の腕、肩、胸、背中等に接触するシャツ型の端末のように人体の複数部位に接触する端末が知られている。本実施形態では、同一の測定部位(血管)において検出した脈動の間隔から脈拍を測定することとしており、脈拍測定装置1は、同一の測定部位に対して複数のセンサ部2を設ける。
より具体的には、センサ部2は、脈拍測定装置1が測定対象の血管に接触する部分に複数設けられる。このとき、装着状態がずれた場合に測定対象の血管をカバー可能なように、複数のセンサ部2は、当該血管が延びる方向に対して直交する方向に複数設けられることがより好ましい。
なお、センサ部2の種類は任意であるが、本実施形態では、省電力及び低コストの観点から、抵抗温度センサを用いることとしている。抵抗温度センサは、温度に応じて変化するセンサの抵抗を測定することで、温度を測定するものであり、抵抗測定のための電流はわずか(ミリ〜マイクロアンペア程度)であるため、消費電力の大きい発光素子を用いる光電脈波法と比較して極めて低い電力で脈拍を測定することができる。
もちろん、白金薄膜温度センサ等の高精度なセンサを用いることとしてもよい。
また、本発明では、上述のように体温の微小な上昇を検出することで脈拍を測定する。センサ部2として、このような微小な温度変化に反応できるように熱容量の小さい温度センサを用いることが好ましい。また、センサ部2に体温以外の他(例えば、信号処理部3)の熱が伝わらないよう、センサ部2と信号処理部3との間に熱の移動を抑制する断熱部を設けることが好ましい。
なお、脈拍測定装置1は、必要に応じて不図示の放熱部を更に備えることとしてもよい。この放熱部は、脈動に伴い上昇したセンサ部2の熱を吸収し、脈動の前後でセンサ部2の温度を略一定に保つ。
信号処理部3は、センサ部2から入力された温度(抵抗値)を処理して、脈動に伴い温度が上昇したタイミングの間隔から脈拍を測定する。図2(b)に示すように、信号処理部3は、アンプ3aとA/Dコンバータ3bとFIFOメモリ3cと演算部3dとを含んで構成される。
アンプ3aは、センサ部2から入力されたアナログの生体信号(温度データ)を増幅し、出力する。なお、信号を増幅する必要がない場合には、アンプ3aは不要である。アンプ3aの増幅率は適宜任意に設定されるものであるが、センサ部2としてサーミスタを用いる場合には、センサ部2が測定した生体信号に商用電源ノイズが重畳する可能性があるため、増幅後の生体信号がノイズでA/Dコンバータ3bの入力レンジからはみ出さない程度の増幅率(例えば、100倍程度に留める)にすることが好ましい。
A/Dコンバータ3bは、アンプ3aから出力されたアナログ生体信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータ(デジタル生体信号)に変換する。通常、人体の脈拍は数Hzであり、脈拍を検出するための測定としては数十Hz程度の帯域があれば十分であるため、サンプリング周波数は低速で足りる。また、標本化理論によりサンプリング周波数の半分が帯域であるため、低速なサンプリング周波数はローパスフィルタ(LPF)としても作動し、デジタルデータへの変換時に不要な高域周波数ノイズを除去することもでき好適である。
なお、センサ部2は省電力を目的として微小なセンシング電流を使用するため、センサ等の回路がアンテナとしても機能し、電気配線や高圧送電線からの漏れ電流ノイズ(商用電源ノイズ)の影響を受けてしまう場合がある。商用電源ノイズは周期性ノイズであるため、一周期を加算平均すると正負足しあわされてゼロ又は一定の値になるため、一周期分の移動平均をとることで簡単に除去することができる。
そのため、デジタル生体信号の所定サンプル周期に対して1周期分の商用電源ノイズが重畳するように、サンプリング周波数を商用電源ノイズの周期に応じて設定(例えば、商用電源ノイズの一周期の整数倍)することで、商用電源ノイズを簡単に除去することができる。
また、標本化理論から、サンプリング周波数の1/2の帯域幅の外側の周波数成分は、折り返し雑音としてあらわれる。この折り返し雑音は、移動平均によるカットオフ周波数に基づいて除去することができる。このとき、商用電源ノイズの周波数と折り返し雑音が生じる帯域とが大きくかけ離れていれば、相互に影響することがない。
そこで、サンプリング周波数を、例えば、商用電源周波数(50Hz)の16倍の800Hzとすることで、折り返し雑音が生じる帯域(400Hz)を商用電源ノイズの周波数(50Hz)に対して大きく異ならせることができ、商用電源ノイズ及び折り返し雑音を除去することができる。なお、サンプリング周波数を800Hzとした場合、50Hzの商用電源ノイズは、デジタル生体信号の16サンプル周期に対して1周期分が重畳することになる。
FIFOメモリ3cは、A/Dコンバータ3bでデジタルデータに変換されたデジタル生体信号を格納する。FIFOメモリ3cは、商用電源ノイズ周波数の整数倍のクロック信号毎に、当該整数倍の数に分割された1周期分のデジタル生体信号を順に格納して更新される。本実施形態においては、商用電源ノイズの周波数が50Hz、サンプリング周波数が800Hzであるので、アナログ生体信号をサンプリングして生成されたデジタル生体信号が順に、1秒間に800回、FIFOメモリ3cに格納される。
ここで、FIFOメモリ3cは、所定個数分のデータを一定時間幅分だけ蓄積を行い、最初に到着したデータを一定時間経過後に取り出していくメモリであって、新しいデータが格納されると古いデータは削除される。図3にFIFOメモリ3cの仕組みと格納されるデータのイメージを示す。
図3は、商用電源ノイズが重畳したアナログ生体信号、及びアナログ生体信号をA/Dコンバータ3bでサンプリングして得られたデジタル生体信号(d1、d2・・・)を示している。
図3(a)は、アナログ生体信号とデジタル生体信号との関係性を示す。A/Dコンバータ3bは、アナログ生体信号を所定のサンプリング周波数でデジタル生体信号に変換する。なお、図3(a)に示す例では、商用電源ノイズの1/8周期毎にアナログ生体信号をサンプリングすることにより、デジタル生体信号が得られているものとする。また、図3(a)においては、アナログ生体信号に比べて商用電源ノイズのレベルが高い場合の例を示している。
図3(b)に示すように、FIFOメモリ3cには、商用電源ノイズの1周期分の16個のデジタル生体信号データが順に格納される。図3(b)に示すように、FIFOメモリ3cに、商用電源ノイズが重畳したデジタル生体信号d1〜d16が格納されている状態で、商用電源ノイズが重畳したデジタル生体信号d17をA/Dコンバータ3bが出力した場合、FIFOメモリ3cは、最も古い商用電源ノイズが重畳したデジタル生体信号d1を削除し、商用電源ノイズが重畳したデジタル生体信号d17を新たに格納する。
図2(b)に戻り、演算部3dは、FIFOメモリ3cに格納されている1周期分のデジタル生体信号を移動平均することで、商用電源ノイズ等のノイズを除去する。
ここで、移動平均の算出方法について説明する。FIFOメモリ3cに格納されるデジタル生体信号をdnで表し、nは0以上の整数であってFIFOメモリ3cに入力された順を示すとする。FIFOメモリ3cに1周期分のデジタル生体信号が格納されると、演算部3dは、FIFOメモリ3cに格納されているデジタル生体信号d0〜d15を加算した加算結果sum0を算出し保存する。
そして、FIFOメモリ3cに新たなデジタル生体信号d16が入力されると、FIFOメモリ3cは、デジタル生体信号d0を出力して、デジタル生体信号d16を格納する。FIFOメモリ3cが更新されると、演算部3dは、更新されたFIFOメモリ3cに格納されているデジタル生体信号d1〜d16を加算した加算結果sum1を算出し保存する。このように、新たなデジタル生体信号がFIFOメモリ3cに入力されて、更新される度に、演算部3dは、加算結果sumx(x=0,1,…)を算出し保存する。
しかしながら、FIFOメモリ3cが更新される度に、FIFOメモリ3cに格納されているデジタル生体信号を加算すると、演算負荷が大きくなってしまう。そこで、FIFOメモリ3cの更新前及び更新後の差分と、前回のFIFOメモリ3cの加算結果とから、更新後の加算結果を算出するのが望ましい。
図4を用いて具体的な処理について説明する。なお、図4では、FIFOメモリ3cには、既に、デジタル生体信号d0〜d15が格納されているとする。FIFOメモリ3cにデジタル生体信号d0〜d15が格納されているときには、加算結果sum130にはd0〜d15を累積加算した値sum0が入っている。A/Dコンバータ3bから新たなデジタル生体信号d16が入力されると、まず、演算器141で、前回の加算結果sum0と入力されたデジタル生体信号d16とを加算する。次に、FIFOメモリ3cにd16が入力されると、FIFOメモリ3cはデジタル生体信号d0を出力し、デジタル生体信号d16を新たに格納する。そして、演算器142で、演算器141から出力されたsum0+d16からFIFOメモリ3cから出力されたデジタル生体信号d0を減算して、更新後の加算結果sum1を算出する。
演算部3dでは、こうして得られた加算結果を、FIFOメモリ3cに格納されているデジタル生体信号の数で除算することで、移動平均を算出し、デジタル生体信号に含まれるノイズを除去する。ここで、移動平均は、直近のn個のデータを平均し、その平均値を代表値として用いるフィルタであり、一種のローパスフィルタである。本実施形態では、サンプリング周波数800Hzにおける16点の移動平均を用いており、カットオフ周波数は約22Hz(=0.443×800Hz/16)となる。
上述のように、正弦波である商用電源ノイズは、一周期分の移動平均により除去することができる。また、サンプリング周波数が800Hzである場合、折り返し雑音は400Hz以上の帯域にあらわれるため、移動平均に伴うカットオフ周波数により除去することができる。この場合において、折り返し雑音の400Hz以上の帯域と商用電源ノイズの周波数(50Hz)とは大きくかけ離れているため、相互に影響することがなく、両ノイズを除去することができる。
なお、本実施形態において、A/Dコンバータ3bは、ΣΔ変調方式を用いたΣΔ型であることが望ましい。他の変調方式を用いた型、例えば、フラッシュ型や逐次比較型である場合には、量子化誤差を持つためにノイズ除去を行ってもノイズが残留することがあるためである。逐次比較型のA/Dコンバータを用いた場合、量子化ノイズはn個の加算で1/√nになるのでノイズが残留してしまう。これに対して、ΣΔ型のA/Dコンバータでは、常に変換累積誤差(積分の結果)が1未満になるような性質があるので、同じ演算を行っても、量子化ノイズを1/nにすることができるので、良好な測定波形が得られる。
演算部3dでは、ノイズを除去したデジタル生体信号(温度データ)に対して、ピーク検出処理を行い、瞬間的かつ微小な温度上昇が起きたタイミングを脈動のタイミングとして検出する。また、演算部3dは、脈動に伴う温度上昇が起きたタイミングの間隔(いわゆるR−R間隔)から脈拍数を算出する。
出力部4は、信号処理部3が測定した脈拍数を出力する。出力部4の出力態様は任意であり、出力部4は、例えば、測定した脈拍数を表示、印刷、外部機器に送信等する。
続いて、図2(a)を参照して、脈拍測定装置1の機能的な構成について説明する。図2(b)を参照して説明した信号処理部3を構成するアンプ3a、A/Dコンバータ3b、FIFOメモリ3c及び演算部3dは、図2(a)に示すように、本発明に係る抽出部31及び測定部32として機能する。
抽出部31は、複数のセンサ部2が測定した複数の温度から脈動に伴う温度変化を抽出するため、変換部33及びノイズ除去部34を含んで構成される。
変換部33は、主として上述のアンプ3a及びA/Dコンバータ3bが対応し、センサ部2のアナログの測定結果(アナログ生体信号)を、除去対象のノイズ周波数の整数倍のサンプリング周波数でデジタル変換する。例えば、関東地方である場合、変換部33は、除去対象である商用電源ノイズ(50Hz)の16倍のサンプリング周波数(800Hz)で、アナログ生体信号をデジタル生体信号に変換する。なお、関西地方である場合には、変換部33は、商用電源ノイズ(60Hz)の13倍のサンプリング周波数(780Hz)で、アナログ生体信号をデジタル生体信号に変換する。もちろん、関西地方であってもサンプリング周波数を800Hz(商用電源ノイズの13.333・・・倍)としてもよく、この場合には、13個の移動平均をとることでノイズを除去する。この場合、商用電源ノイズによる影響は本手法により完全には除去できないものの、脈動に伴う温度変化は十分に検出することができる。
除去対象となる商用電源周波数の切り替え(関東・関西の切り替え)は、手動で行うこととしてもよく、センサ部2を切り離してノイズレベルだけを比較することで商用電源周波数を判断し切り替えることとしてもよく、また、GPS等の測位情報を利用して行うこととしてもよい。
ノイズ除去部34は、主として上述のFIFOメモリ3c及び演算部3dが対応し、変換部33が変換したデジタルの測定結果(デジタル生体信号)を、ノイズ周波数とサンプリング周波数との倍率に応じた数で移動平均することで、センサ部2の測定結果に対してノイズ除去を行う。具体的には、ノイズ除去部34は、正弦波である商用電源ノイズを、移動平均をとり正負足しあわせることで除去するとともに、折り返し雑音を、移動平均に伴うカットオフ周波数により除去する。
上述したように、サンプリング周波数800Hzで16点の移動平均を用いた場合には、カットオフ周波数は約22Hzとなる。この点、ノイズ状況に応じて移動平均の点数を整数倍することとしてもよく、例えば、サンプリング周波数800Hzにおける32点の移動平均を用いることで、約11Hz(=0.443×800Hz/32)のカットオフ周波数を得ることができる。この場合であっても、脈拍の測定に必要な周波数帯は通過させることができ、脈拍を正確に測定することができる。
ところで、脈拍の測定のために検知するのは人体の温度であるため、人体温が取り得る温度範囲から外れる温度は、温度ノイズとして除去することができる。そこで、ノイズ除去部34は、図5(a)に示すように、センサ部2が測定した温度のうち、人体温が取り得る温度範囲(例えば、34℃〜40℃)から外れる温度をノイズとして扱い、処理対象から除去することとしてもよい。
また、脈動に伴う温度変化は微小であるため、図5(b)に示すように、センサ部2が測定した現在の体温から所定の温度範囲(例えば、±0.5℃程度)を処理対象として、当該範囲から外れる温度をノイズとして扱うこととしてもよい。これにより、更なる低雑音化を実現することができる。また、脈動の際に体温は上昇することから、現在の体温から、所定の温度範囲の上限までの幅と下限までの幅とを異ならせる(より詳細には、上限までの幅の方を大きくする)こととしてもよい。
また、脈動に伴う体温の上昇は、概ね一定であるため、前回の脈動時に上昇した体温の上昇度合いに基づいて、所定の温度範囲を設定(例えば、前回脈動時に上昇した温度±α)することとしてもよい。
図2(a)に戻り、抽出部31は、変換部33がデジタル変換し、ノイズ除去部34がノイズを除去した測定結果から、脈動に伴う温度変化を抽出する。具体的には、抽出部31は、複数のセンサ部2の測定結果のそれぞれに対してピーク検出処理を実行し、体温が最大になったタイミングを抽出する。このとき、抽出部31は、複数のセンサ部2の測定結果を比較演算することで、脈拍測定の精度を向上させることができる。例えば、他のセンサ部2において温度上昇を検出していないにもかかわらず、一のセンサ部2において温度上昇を検出している場合、抽出部31は、それぞれの測定結果を比較することで、当該一のセンサ部2が検出した温度上昇が脈動とは関係のないことを特定することができる。抽出部31が、温度情報が脈動とは関係ないと特定した測定結果をタイミングの抽出に用いないことで、脈拍測定の精度が向上する。
また、抽出部31は、センサ部2aが測定した温度と、他のセンサ部2bが測定した温度との差分に基づいて、温度変化を抽出してもよい。例えば、センサ部2aが手首の内側に接触する位置に設けられており、センサ部2bが手首の外側に接触する位置に設けられているとする。この場合、センサ部2aは、血管の近くに位置しているので、脈動に応じて温度が変化しやすい。他方で、センサ部2bは、血管から遠いため、脈動に応じて温度が変化しにくい。そこで、センサ部2aの測定結果からセンサ部2bの測定結果を減算することにより、センサ部2a及びセンサ部2bに共通するノイズを除去し、センサ部2aで検出された脈動に応じた温度上昇を抽出することができ、脈拍測定の精度が向上する。
また、ウェアラブル端末では、ユーザが装着している最中に装着状態がずれてしまうこともある。装着状態がずれてしまうとセンサ部2とユーザの接触状態もずれてしまうため、ずれの前後で、脈拍の測定に適したセンサ部2が異なることになる。
そこで、抽出部31は、センサ部2aが検出した体温の最大値が、センサ部2aが直前のタイミングで検出した体温の最大値と異なり、他のセンサ部2bが直前に検出した体温の最大値とほぼ一致している場合、脈拍測定装置1の装着状態がずれたと判定する。この場合、抽出部31は、他のセンサ部2bが直前に体温の最大値を検出したタイミングを、ずれが生じる前の脈動のタイミングとして抽出し、センサ部2aで検出した体温の最大値を検出したタイミングを、ずれが生じた後の脈動のタイミングとして抽出してもよい。このようにすることで、脈拍測定装置1は、装着状態がずれた場合の脈拍測定の精度を向上させることができる。
なお、一度脈拍が測定できた後は、脈拍の間隔から体温が最大になるタイミングを予測することができる。そこで、抽出部31は、省電力のために、測定した脈拍の間隔に応じて温度変化の抽出を休止、即ち、温度変化の抽出を間欠的に行うこととしてもよい。この場合において、温度変化の抽出を行う期間は、除去対象のノイズの1周期分の期間を少なくとも含むこととする。
測定部32は、主として上述の演算部3dが対応し、抽出部31が抽出した温度変化の間隔から脈拍を算出する。具体的には、測定部32は、体温が最大になったタイミングの時間間隔をR−R間隔として捉え、このR−R間隔から脈拍数を算出する。
[脈拍測定装置1の処理]
以上、脈拍測定装置1の構成について説明した。続いて、脈拍測定装置1の処理について説明する。図6は、脈拍測定装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、複数のセンサ部2は、人体との接触面における温度(体温)を測定し、信号処理部3に出力する。
続いて、ステップS2において、アンプ3aが複数のアナログ生体信号を増幅すると、A/Dコンバータ3bは、増幅された複数のアナログ生体電気信号を、除去対象のノイズ周波数に応じたサンプリング周波数でデジタル変換する。変換された複数のデジタル生体信号は、FIFOメモリ3cに格納される(ステップS3)。
続いて、ステップS4において、演算部3dは、センサ部2が測定した温度に対してノイズ除去を行う。具体的には、演算部3dは、FIFOメモリ3cに格納されている複数のデジタル生体信号のそれぞれについて移動平均を算出することで商用電源ノイズを除去し、同時に移動平均に伴うLPFにより折り返し雑音を除去する。
続いて、ステップS5において、演算部3dは、ノイズを除去した複数のデジタル生体信号に対してピーク検出処理を行うとともに、複数のデジタル生体信号におけるピークを比較演算して、脈動に伴う温度が上昇したタイミングを抽出する。その後、ステップS6において、演算部3dは、温度のピークの間隔から脈拍数を算出し、処理を終了する。
[実験例]
以上、本発明の脈拍測定装置1の一実施形態について説明した。続いて、図7に、本発明者らが行った実験の結果を示す。本発明者らは、人体の体温をサーミスタで測定し、脈拍と体温との関係性について検証した。図7は、人体の体温と脈拍との関係を示すグラフである。図7において、縦軸は、サーミスタが出力した電圧の相対値を示し、横軸は、時間を示す。なお、縦軸の電圧が低いほど温度が高いことを示している。
図7に示すように、人体の体温は日常生活における緩やかな温度変化だけでなく、脈動に伴い微小ながら瞬間的に上昇することがわかった。また、この微小な温度上昇は、実験結果に示すように検出することができるため、温度上昇のタイミングの間隔から被検者の脈拍を測定することができる。
[脈拍測定装置1の効果]
以上のように脈拍測定装置1では、センサ部2が接触している測定部位の温度変化の間隔から人体の脈拍を測定する。このような温度変化は、動脈の近傍であれば検出することができるため、脈拍測定装置1では、例えば、手首や足首等にセンサ部2を接触させていれば足り、人体の行動を一切抑制することがなく、また、拘束感や圧迫感を与えることもない。また、温度測定に要する電力は極めてわずかであるため、従来のような光電脈波法と比較して極めて低い電力で脈拍を測定することができる。
このとき、脈拍測定装置1では、測定部位の近傍にセンサ部2を複数配置しているため、複数のセンサ部2間での差分を取ることで、一つのセンサ部2を用いて脈拍を測定する場合よりも精度を向上させることができる。例えば、一のセンサ部2においてパルスロスした場合であっても他のセンサ部2においてサポートすることができ、一つのセンサ部2を用いて脈拍を測定する場合よりも精度よく脈拍を測定することができる。
また、装着者の動作により脈拍測定装置1の装着状態がずれた場合には、装着状態がずれる前とは異なるセンサ部2が測定部位の温度を測定することになるため、脈拍を測定することができる。その結果、脈拍測定装置1によれば、人体及び装置の双方に大きな負担がかからず、また、装着状態がずれてしまったとしても脈拍を継続して測定することができる。
また、センサ部2の測定結果を商用電源ノイズの整数倍のサンプリング周波数でデジタル変換するとともに、当該整数倍に応じた数で移動平均することで、商用電源ノイズや折り返し雑音を除去することができる。
また、センサ部2の測定結果のうち、人体温が取り得る温度範囲から外れる温度を処理対象外とすることで、ノイズを除去することができる。このとき、人体温が取り得る温度範囲をセンサ部2が測定した被検者の体温に基づいて設定することで、更なる低雑音化を実現することができる。
また、測定した脈拍の間隔に応じて、温度変化の抽出を間欠的に行うことで、更なる低消費電力化が期待できる。即ち、測定結果から温度変化を抽出する処理には一定の電力を消費してしまう。この処理は、脈動のタイミングに合わせて行えば足りるため、一度測定した脈拍の間隔に基づいて、当該処理を間欠的に行うことで、不要な期間における処理を省略することができ、更なる低消費電力化が期待できる。なお、センサ部2による温度測定に要する電力は極めてわずかであるため、センサ部2による温度測定は、常時行うこととしてもよく、また、間欠的に行うこととしてもよい。
[第2実施形態]
続いて、本発明に係る脈拍測定装置1の第2実施形態について説明する。ウェアラブル端末において脈拍を測定する場合、処理負担を軽減し、省電力化を実現することが好ましい。この点、上述した脈拍測定装置1では、複数のセンサ部2が測定した複数のアナログ生体信号のそれぞれをデジタル変換し、また、それぞれに対してノイズ除去を行っているため、センサ部2の数に応じて処理負担が増大してしまう。そこで、第2実施形態の脈拍測定装置1では、複数のセンサ部2が測定した複数のアナログ生体信号を合成し、合成後のアナログ生体信号に対してデジタル変換やノイズ除去等を行うことで、処理負担を軽減する。
図8は、第2実施形態の脈拍測定装置1の機能構成を示す図である。図8に示すように、第2実施形態の脈拍測定装置1は、第1実施形態の構成に加え、合成部35を更に備える。
合成部35は、主として上述のアンプ3aが対応し、複数のセンサ部2それぞれの測定結果(アナログデータ)を合成する。ここで、図9を参照して、合成部35による測定結果の合成について説明する。
なお、図9では、センサ部2aの測定結果を測定結果20aとし、センサ部2aとは異なる他のセンサ部2bの測定結果を測定結果20bとし、また、測定結果20aと測定結果20bとを合成した結果を合成測定結果21とする。また、図9では、説明を簡易にするため、2つの測定結果20a,20bのみを合成し、その他のセンサ部2による測定結果を省略している。また、図9では、装着者の脈動がタイミングt1、t2、t3において行われているものとする。
ウェアラブル端末では、装着者に意識させずに脈拍を測定可能であることが好ましく、装着者の動作に応じて装着状態がずれてしまったとしても正確な脈拍を測定可能にする必要がある。図9(a)では、測定結果20aに示すように、センサ部2aは、タイミングt1、t3において、脈動に伴う温度上昇を検出しているものの、タイミングt2では、装着状態のずれにより脈動に伴う温度上昇を検出できていない。一方、測定結果20bに示すように、センサ部2bは、装着状態がずれた結果、センサ部2aが脈動に伴う温度上昇を検出できていないタイミングt2において、脈動に伴う温度上昇を検出している。
このような場合に、センサ部2aの測定結果20aのみから脈拍を測定すると、脈拍の間隔が「t3−t1」のように本来よりも長く算出されてしまう。また、第1実施形態の脈拍測定装置1のように、複数のセンサ部2の測定結果のそれぞれを個別に処理したのでは、脈拍測定装置1の処理負担が増大してしまう。
そこで、合成部35は、センサ部2aの測定結果20aとセンサ部2bの測定結果20bとを合成し、合成測定結果21とする。これにより、脈動がタイミングt1、t2、t3において行われていることを検出することができ、正確な脈拍を測定することができる。また、合成測定結果21に対してのみデジタル変換等の処理を行えばよいため、処理負担を軽減することができる。
ここで、複数のセンサ部2それぞれの信号レベルが異なる場合に単純に合成したのでは、信号レベルが低いセンサ部2の測定結果が埋もれてしまう。この点、図9(b)において、測定結果20bは、測定結果20aが検出できていないタイミングt2において脈動に伴う温度上昇を検出できているものの、その信号レベルは低い。このような場合に、測定結果20a及び測定結果20bを合成したのでは、タイミングt2における温度上昇の検出が埋もれてしまい、結果、誤った脈拍を測定してしまうことになる。
そこで、合成部35は、信号レベルが所定レベル以下の測定結果20bを増幅してから、測定結果20aと増幅後の測定結果20b´とを合成する。その結果、図9(b)に示すように、タイミングt2における温度上昇を検出できている合成測定結果21が得られ、脈動に伴う温度上昇のタイミングt1,t2,t3から正確な脈拍を測定することができる。
この際、合成部35は、複数のセンサ部2が接触する位置に基づいて複数の測定結果に重みづけし、重みづけした後の複数の測定結果を合成してもよい。例えば、センサ部2aが手首の内側に接触する位置に設けられており、センサ部2bが手首の外側に接触する位置に設けられているとする。この場合、センサ部2aの方が血管に近いので、センサ部2aの測定結果20aは、センサ部2bの測定結果20bよりも信頼性が高いと考えられる。そこで、合成部35は、測定結果20aに、測定結果20bよりも大きな重み係数を乗算し、乗算して得られた値と測定結果20bの値とを加算してもよい。
また、センサ部2a、2bの性能や周囲の状況によっては、測定結果に直流成分が加わり、図9(c)に示すように、測定結果20a及び測定結果20bがゼロ点からずれてしまうことがある。このような場合に、測定結果20a及び測定結果20bを単に合成したのでは、脈動に伴う温度上昇が埋もれてしまい、誤った脈拍を測定してしまうことになる。
そこで、合成部35は、測定結果20a及び測定結果20bの直流成分を除去(オフセット)してから、直流成分除去後の測定結果20a´´及び測定結果20b´´を合成する。その結果、図9(c)に示すように、タイミングt1,t2,t3における温度上昇を検出できている合成測定結果21が得られ、正確な脈拍を測定することができる。
[第2実施形態の脈拍測定装置1の効果]
第2実施形態の脈拍測定装置1では、複数のセンサ部2の測定結果を合成した合成測定結果から脈拍を測定するため、複数のセンサ部2の測定結果のそれぞれに対してデジタル変換等の処理を行う必要がなく、処理負担を軽減することができる。この場合においても、装着者の動作により脈拍測定装置1の装着状態がずれたとしても、他のセンサ部2で測定部位の温度変化を検出できているため、脈拍を測定することができる。その結果、第2実施形態の脈拍測定装置1によれば、装置の負担を更に軽減しつつ、装着状態がずれも脈拍を測定することができる。
[第3実施形態]
第1実施形態及び第2実施形態においては、複数のセンサ部2が同一の人体部位の異なる位置に接触する例について説明したが、第3実施形態においては、複数のセンサ部2が異なる人体部位の異なる位置に接触する点で異なる。例えば、複数のセンサ部2のうち、一のセンサ部2aが、手首の血管の位置に接触し、他のセンサ部2bが、腕の血管の位置に接触するようにしてもよい。
このように複数のセンサ部2が異なる人体部位に接触する場合、それぞれのセンサ部2において体温の最大値が検出されるタイミングがずれることがある。そこで、抽出部31は、センサ部2aにおいて体温の最大値が検出されるタイミングと、センサ部2bにおいて体温の最大値が検出されるタイミングとの差に基づいて、センサ部2aの測定結果又はセンサ部2bの測定結果を補正してもよい。
脈拍測定装置1が、第2実施形態のように合成部35を有する場合、合成部35は、抽出部31が上記の補正をした後に複数の測定結果を合成することにより、タイミングのずれの影響が除去された測定結果を生成することができる。なお、合成部35が複数の測定結果を合成する前に、抽出部31は、複数の測定結果の最大値の大きさが所定の範囲に入るように、複数の測定結果を増幅又は減衰させてもよい。
なお、本実施形態にように、複数のセンサ部2が互いに離れた位置に設けられている場合、複数のセンサ部2のそれぞれは、測定結果を無線で信号処理部3に送信するように構成してもよい。例えば、センサ部2a及び信号処理部3は、手首に設けられており、センサ部2bが腕に設けられている場合、近距離間で情報の送受信が可能な無線通信方式を用いて、センサ部2bから信号処理部3に測定結果を送信してもよい。
[第3実施形態の脈拍測定装置1の効果]
第3実施形態の脈拍測定装置1では、複数のセンサ部2が異なる人体部位に接触するので、一つの人体部位のセンサ部2の装着状態が悪いような場合に、他の人体部位のセンサ部2の測定結果を利用できるので、一つの人体部位におけるセンサ部2の装着状態に問題がある場合でも脈拍を測定することができる。
[ウェアラブル端末の一例]
続いて、以上説明した脈拍測定装置1の一態様であるウェアラブル端末の一例について説明する。上述した脈拍測定装置1は、手首等の動脈が人体表面に使い部位において好適に利用される。そこで、以下では、ウェアラブル端末の一例として、図10に示すように、バンド型のウェアラブル端末100を示す。
図10(a)に示すように、ウェアラブル端末100は、手首に装着される腕時計型の端末であり、表示画面及びタッチパネルが重畳された表示部101と、ウェアラブル端末100を手首に固定するためのベルト102とを含む。
図10(b)に示すように、ベルト102の内側には、複数のセンサ部2が設けられている。これらセンサ部2は、ウェアラブル端末100の装着状態がずれた場合であっても、確実に脈動に伴う温度変化を検出するために複数設けられるものであり、上述のように測定対象の血管が延びる方向に直交する方向に並んで配置される。
図10(b)に示す例では、ベルト102の表示部101側(手首の外側)にセンサ部2a、2bが配置され、ベルト102の表示部101と対向する側(手首の内側)にセンサ部2c、2dが配置され、手首の血管の温度を複数のセンサ部2の何れかで確実に測定することとしている。なお、図10(b)では、図示の都合上、4つのセンサ部2a、2b、2c、2dのみを例示しているが、センサ部2の実際の個数は4つに限られるものではない。また、図10(b)では、複数のセンサ部2を血管が延びる方向に直交する方向にのみ並んで配置しているが、これに限られるものではなく、血管が延びる方向に並んで複数のセンサ部2を配置することとしてもよい。
ウェアラブル端末100において、センサ部2のそれぞれは、装着しているユーザの手首(動脈近傍)に接触し、ユーザの体温を測定する。ウェアラブル端末100では、センサ部2が測定した体温を監視し、脈動に伴う微小な温度変化を検出することで、ユーザの脈拍を測定する。
なお、センサ部2は、ユーザの体温のみに反応することが好ましく、ウェアラブル端末100では、例えば表示部101等の他の機器からセンサ部2の熱の移動を防止する断熱部(不図示)を設けることが好ましい。同様に、脈動の前後においてセンサ部2の温度を略一定に保つために、脈動に伴い蓄積したセンサ部2の熱を放出する放熱部(不図示)を設けることが好ましい。例えば、腕時計型のウェアラブル端末100において、表示部101(時計)の近傍にセンサ部2を配置する場合、表示部101と、センサ部2(必要に応じて放熱部)との間に、断熱部を設けることとしてもよい。
また、ウェアラブル端末100では、測定した脈拍数を表示部101に表示することで、装着中のユーザに対して自身の脈拍数を報せることができる。なお、センサ部2では、ユーザの体温も測定していることから、表示部101では、脈拍数だけでなく体温等のバイタルデータを表示することもできる。この点、図10(c)に示す例では、表示部101には、ユーザの脈拍数、脈拍波形、現体温が表示されている。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上述の実施形態では、ウェアラブル端末100の一例として、バンド型の端末を例示しているが、これに限られるものではない。ウェアラブル端末100は、ユーザの動脈近傍に接触可能であればよく、例えば、首、肘、膝、足首等を保護するサポーター等であってもよく、また、眼鏡型の端末であってもよい。なお、眼鏡型の端末である場合、例えば、ユーザの耳周辺に接触する眼鏡フレームのモダン部分やユーザのこめかみ周辺に接触する眼鏡フレームのテンプル部分等に、センサ部2を設けることで、ユーザの体温を測定することができる。
また、上述の実施形態では、ノイズ除去部34の実現方法の一例として、FIFOメモリ3cを示している。この点、ノイズ除去部34は、商用電源ノイズ及び折り返し雑音等のノイズを除去できればよく、FIFOメモリ3cとは別の任意のノイズ除去手段を設けることでノイズ除去を行うこととしてもよい。
また、除去するノイズも商用電源ノイズ及び折り返し雑音だけでなく、熱雑音(ジョンソンノイズ)等の各種のノイズも合わせて除去することが好ましい。例えば、ランダムノイズである熱雑音を除去する場合、熱雑音自体には相関性がないため、ノイズ除去部34は、複数のセンサ部2の測定結果を比較し、その比較結果に基づいて熱雑音を抽出して、除去する。
例えば、多数のセンサ部2のうちの、少なくとも2以上のセンサ部2の測定結果において、熱雑音が重畳している場合には、ノイズ除去部34は、比較結果に基づいて少なくとも2以上の測定結果において相関性がある所定の周波数範囲内の信号(言い換えると、少なくとも2以上の測定結果において共通してあらわれる所定の周波数範囲内の信号)を抽出する。そして、ノイズ除去部34は、2以上のセンサ部2の間で相関性がある当該周波数範囲内の信号だけを取り出して、除去することで、熱雑音を除去することができる。なお、所定の周波数範囲とは、脈拍の検出に必要な周波数以上の周波数範囲である。
また、例えば、多数のセンサ部2のうちの、ある一つのセンサ部2の測定結果にのみ、熱雑音が重畳している場合には、比較結果に基づいて、他のセンサ部2の測定結果と相関性のない所定の周波数範囲内の信号を抽出する。そして、ノイズ除去部34は、当該周波数範囲内の信号だけを取り出して、除去することで、熱雑音を除去することができる。なお、所定の周波数範囲とは、脈拍の検出に必要な周波数以上の周波数範囲である。
1・・・脈拍測定装置
2・・・センサ部
3・・・信号処理部
3a・・・アンプ
3b・・・A/Dコンバータ
3c・・・FIFOメモリ
3d・・・演算部
31・・・抽出部
32・・・測定部
33・・・変換部
34・・・ノイズ除去部
35・・・合成部
100・・・ウェアラブル端末
101・・・表示部
102・・・ベルト

Claims (15)

  1. 自身を装着する人体の脈拍を測定する脈拍測定装置であって、
    装着時に複数の異なる位置に接触するように設けられ、接触面の温度を測定する複数のセンサ部であって、人体の脈動に伴い変化する前記温度を測定可能な測定精度を有する複数のセンサ部と、
    複数の前記センサ部が測定した複数の前記温度を処理する信号処理部と、
    を備え、
    前記信号処理部は、
    複数の前記センサ部が測定した複数の前記温度に基づいて、脈動に伴う温度変化を抽出する抽出部と、
    抽出した温度変化の間隔から脈拍を測定する測定部と、
    を備え
    前記人体の脈動に伴い変化する前記温度を測定可能な測定精度は、0.01℃から0.05℃までの温度変化を検出可能な測定精度である、
    脈拍測定装置。
  2. 前記センサ部のそれぞれは、測定した温度を測定結果として出力し、
    複数の前記センサ部から出力される複数の前記測定結果を合成する合成部を更に備え、
    前記抽出部は、前記合成部が合成した合成測定結果から、脈動に伴う温度変化を抽出する、
    請求項1に記載の脈拍測定装置。
  3. 前記合成部は、信号レベルが所定レベル以下のアナログ測定結果を増幅し、複数の前記センサ部から出力される複数の前記測定結果を合成する、
    請求項2に記載の脈拍測定装置。
  4. 前記合成部は、複数の前記センサ部が接触する位置に基づいて複数の前記測定結果に重みづけし、重みづけした後の複数の測定結果を合成する、
    請求項2又は3に記載の脈拍測定装置。
  5. 前記センサ部のそれぞれは、前記測定結果を無線で前記信号処理部に送信する、
    請求項2から4の何れか1項に記載の脈拍測定装置。
  6. 前記抽出部は、複数の前記センサ部のうち一のセンサ部が測定した温度と、他のセンサ部が測定した温度との差分に基づいて、前記温度変化を抽出する、
    請求項1に記載の脈拍測定装置。
  7. 前記センサ部のそれぞれは、測温抵抗体であり、
    前記抽出部は、
    前記センサ部のアナログ測定結果をデジタル変換する変換部と、
    変換したデジタル測定結果を、除去対象の交流ノイズの周期に応じた数で移動平均することで前記センサ部の測定結果に対してノイズ除去を行うノイズ除去部と、
    を備える請求項1から6の何れか1項に記載の脈拍測定装置。
  8. 前記ノイズ除去部は、前記センサ部が測定した、人体温が取り得る温度範囲から外れる温度を除去することで、ノイズ除去を行う、
    請求項7に記載の脈拍測定装置。
  9. 前記ノイズ除去部は、前記センサ部が測定した体温から所定の温度範囲を、前記人体温が取り得る前記温度範囲として設定する、
    請求項8に記載の脈拍測定装置。
  10. 前記所定の温度範囲は、前記抽出部が抽出した直前の脈動に伴う温度変化に基づき定められる範囲である、
    請求項9に記載の脈拍測定装置。
  11. 前記ノイズ除去部は、複数の前記センサ部の測定結果を比較するとともに、当該比較結果に基づいて、ノイズを除去する、
    請求項7から10の何れか1項に記載の脈拍測定装置。
  12. 前記抽出部は、前記測定部が測定した前記脈拍の間隔に応じて、前記温度変化の抽出を行う、
    請求項1から11の何れか1項に記載の脈拍測定装置。
  13. 前記信号処理部から前記センサ部への熱の移動を防止する断熱部、
    を更に備える請求項1から12の何れか1項に記載の脈拍測定装置。
  14. 前記センサ部の熱を放出する放熱部、
    を更に備える請求項1から13の何れか1項に記載の脈拍測定装置。
  15. 人体の脈拍を測定する脈拍測定方法であって、
    人体のそれぞれ異なる位置において、人体の脈動に伴い変化する温度を測定可能な測定精度を有するセンサ部により温度を測定するステップと、
    測定した複数の位置の温度に基づいて脈動に伴う温度変化を抽出するステップと、
    抽出した温度変化の間隔から脈拍を測定するステップと、
    を含み、
    前記人体の脈動に伴い変化する前記温度を測定可能な測定精度は、0.01℃から0.05℃までの温度変化を検出可能な測定精度である、
    脈拍測定方法。
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