JP6636308B2 - バスダクトシステム - Google Patents

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Description

本発明は、プラグインホールが設けられたハウジングを有するバスダクトと、当該バスダクトに取り付けられる分岐装置とを備えたバスダクトシステムに関する。
従来から、建物の電気幹線としてバスダクトが用いられており、このバスダクトに流れる電力を設備機器や分電盤などに分岐するバスダクト分岐装置(以下、単に「分岐装置」)が用いられている。この分岐装置には、接触子が突設されており、バスダクトのハウジングに設けられたプラグインホールに接触子を挿入し、ハウジングに支持されているバスダクト導体に接続させることで、バスダクト導体に流れる電力を分岐できるようになっている。
また、上記のようなプラグインホールを設けたバスダクトにおいて、バスダクトの保護性能とバスダクトに分岐装置を装着する際の施工性を向上させる構造(プラグインホール保護構造)が特許文献1に提案されている。特許文献1に記載されたプラグインホール保護構造は、プラグインホールを開閉する開閉扉をバスダクト側に設けると共に、開閉扉の開放用の扉開放用部材(扉開放部材やロック解除部材)を分岐装置側に設けている。このプラグインホール保護構造では、分岐装置が装着されていないときには、開閉扉がプラグインホールを閉塞するようになっている。
また、特許文献1に記載のプラグインホール保護構造は、バスダクトに分岐装置を装着する際に、プラグインホールを閉塞している開閉扉の所定位置に、扉開放用部材を接触させることで分岐装置の扉開放部材を接触させ、ハウジングの内側に向けて扉開放部材を押し込むことで開閉扉を開放させ、プラグインホールから接触子が挿入され、ハウジングに支持されているバスダクト導体に挿入された接触子が接続されるようになっている。
特開2014−103845公報
ところで、特許文献1に記載のバスダクトプラグインホール保護構造は、バスダクトの保護性能の向上と、分岐装置を装着する際の施工性の向上とが図られているものの、施工性においては改善の余地が残っている。
具体的には、上記のバスダクトプラグインホール保護構造は、分岐装置自体の大きさ寸法に比べ、バスダクトに設けられたプラグインホールや開閉扉、分岐装置の扉開放用部材の大きさ寸法が小さく形成されている。そのため、バスダクトに分岐装置を装着する際、扉開放用部材を開閉扉の所定位置に合わせる作業は必ずしも容易であるとは言い難かった。この作業の困難性は、分岐装置の大きさや重量が増加する程、より顕著となる傾向にある。
本発明は上記課題を解消するために提案するものであって、その目的は、プラグインホールが設けられたハウジングを有するバスダクトと、当該バスダクトに取り付けられる分岐装置とを備えたバスダクトシステムであって、バスダクトの保護性能を確保しつつ、分岐装置をバスダクトに取り付ける際の作業性向上が図られているバスダクトシステムを提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、プラグインホールが設けられたハウジングを有するバスダクトと、前記プラグインホールの位置に取り付けられる分岐装置とを備えたバスダクトシステムであって、前記ハウジングには、前記プラグインホールを開閉する開閉扉が設けられ、前記分岐装置には、前記開閉扉に閉塞されているプラグインホールに前記分岐装置を近づける動作により該開閉扉を開放方向へ動かす扉開放部が設けられ、前記扉開放部は、前記バスダクトに取り付けられた際に、該バスダクトの前記ハウジングの内側に挿入されないようになっていることを特徴とする。
また、前記扉開放部は、前記開閉扉に接触し開閉扉を開放方向へ動かすようになっていることが望ましい。
また、前記分岐装置は、前記プラグインホールに挿入される分岐用端子と、該分岐用端子を突出させた状態で支持する箱体とを備え、前記扉開放部は、前記分岐装置の平面視において前記箱体の外部に露出した位置に形成されていることが望ましい。

前記ハウジングには、前記分岐装置の取り付け位置の位置決めのための第1の位置決め部が形成され、前記分岐装置には、前記ハウジングに対する取り付け位置の位置決めのための第2の位置決め部が形成され、前記扉開放部は、前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部とが位置合わせされた状態で、前記開閉扉に閉塞されているプラグインホールに前記分岐装置を近づける動作により該開閉扉を開放方向へ動かすことが望ましい。
本発明では、位置決め部(第1の位置決め部、第2の位置決め部)が設けられているため、バスダクトに分岐装置を取り付ける際に、プラグインホールに分岐装置を容易に位置合わせし、且つ開閉扉を自動で開放させることができるため施行性が良く、施行時間の短縮及び作業負担の軽減が図られる。また、上記の構成によれば、プラグインホールに分岐装置が取り付けられるまで開閉扉によりプラグインホールが閉塞されているため、バスダクトの保護性能も確保されている。尚、当該実施形態に、開閉扉を閉方向に付勢する付勢手段を設けるようにすれば、一旦取り付けた分岐装置を取り外した場合には、付勢手段に付勢された開閉扉によりプラグインホールが閉塞されているため、バスダクトの保護性能がより一層向上することになる。
また、本発明では、分岐装置がプラグインホールの位置に取り付けられる前において、第1の位置決め部と第2の位置決め部とが位置決めされた後に扉開放部が開閉扉に接触している。換言するならば、本発明の分岐装置は、第1及び第2の位置決め部による位置決め部分と扉開放部及び開閉扉の接触部分との二点によってバスダクトに対して位置決めされた状態で分岐装置がプラグインホールの位置に取り付けられることになる。よって、分岐装置は、プラグインホールの位置に取り付けられる際に、その位置がズレることがほぼ防止され、良好な位置精度で取り付けられる。
また、前記分岐装置は、前記プラグインホールに挿入される分岐用端子と、該分岐用端子を突出させた状態で支持する箱体とを備え、前記第2の位置決め部は、前記分岐装置の平面視において前記箱体の外部に露出した位置に形成されていることが望ましい。
上記の構成によれば、作業者が分岐装置を保持して(例えば、手で持ち)バスダクトに位置合わせする作業をする際に、位置合わせの対象となる第2の位置決め部が視覚で確認できるため(分岐装置を保持した体勢のままで、第2位置決め部を視覚で確認できるため)、分岐装置の位置決めを容易に行うことができる。
また、前記ハウジングは、断面視略ロの字形状に形成され、前記略ロの字形状のハウジングの内側に導体が収容され、前記扉開放部は、前記バスダクトに前記分岐装置が取り付けられた際に、前記ロの字形状のハウジングの内側に挿入されないようになっていることが望ましい。


また、前記扉開放部は、前記ハウジングの内側に挿入されない位置に形成されていることが望ましい。
上記の構成を採用したのは以下の理由による。
具体的には、扉開放部がハウジングの内側に挿入される構成を採用した場合、ハウジング内に設置された絶縁部材と、扉開放部との干渉等を考慮する必要がある。そのため、本発明では、開閉扉を開方向に動かす扉開放部がハウジングの内側に挿入されない構成にし、ハウジング内に設置された絶縁部材との干渉等を考慮することなく扉開放部の形状や大きさ寸法の設計ができるようにしている。
また、前記バスダクトのハウジングは、前記プラグインホールの周囲において前記バスダクトの厚み方向に膨張した形状をしており、前記扉開放部は、前記バスダクトの幅方向視で、前記バスダクトの膨張部分の外側の位置で前記開閉扉に接触し前記開閉扉を開放方向へ動かすようになっていることが望ましい。
このように、本発明では、扉開放部は、バスダクトのハウジングの外側の位置で、プラグインホールを閉塞している開閉扉に接触し、当該開閉扉を開放方向へ動かすようになっている。すなわち、本発明では、ハウジングの内部に扉開放部が挿入されないため、ハウジング内に設置された絶縁部材との干渉等を考慮せずに扉開放部の形状や大きさ寸法を設計することができる。
また、前記扉開放部は、前記分岐装置の平面視において前記箱体の外部に露出した位置に形成されていることが望ましい。
この構成により、開閉扉に対する扉開放部の接触が視認し易くなる。
また、前記扉開放部と前記第2の位置決め部とが、一体に形成されていることが望ましい。
この構成により、平面視において外部に露出している扉開放部が第2の位置決め部の機能も併せ持つため、位置決めし易いと共に開閉扉に対する扉開放部の接触が視認し易く、且つ、全体として簡易に構成できる。
また、前記分岐装置は、前記第1の位置決め部に位置合わせした前記第2の位置決め部を支点として前記バスダクトに対して回転可能になっており、前記扉開放部は、前記開閉扉に閉塞されている前記プラグインホールへ前記分岐装置を回転させつつ近づける動作にともない前記開閉扉を開放方向へ動かすことが望ましい。
上記の構成により、位置決めされた状態の分岐装置を回転させるだけで、開閉扉を容易に開放してバスダクトに装着することができる。また、分岐装置の回転動作が梃子の原理で作用することにより、その分だけ小さい力で開閉扉を開放できるという作用効果が得られる。
また、前記扉開放部と前記開閉扉との接触開始点が、前記接続端子を基準として回転の支点側にずれた位置であることが望ましい(すなわち、上記の接触開始点と回転の支点との距離寸法が、接続端子と回転の支点と距離寸法以下となっている)。
上記の構成により、前記扉開放部と前記開閉扉との接触開始点の位置精度(回転の支点からの距離の影響を受ける)が、前記プラグインホールに挿入される接続端子の位置精度以上となるため、安定した接触が確保される。つまり開閉扉を安定して開放し易いという効果がある。また、梃子の原理により力が加わり易くなるため、小さい力で開閉扉を開放させることができる。さらに、扉開放部が支点側にずれた分だけ開閉扉と接触するまでの距離が短くなるため、扉開放部を小さくコンパクトに構成することができる。
また、前記扉開放部には、前記分岐装置の回転に伴って生じる前記開閉扉との接触角度の変化を吸収する接触角度変更部が形成されていることが望ましい。
この構成により、分岐装置の回転に伴ってバスダクトに対する分岐装置の角度が開閉扉を開放し難い方に変化したとしても、開閉扉と扉開放部との接触角度は開閉扉を比較的開放し易い状態に維持される。
本発明によれば、バスダクトの保護性能を確保しつつ、分岐装置をバスダクトに取り付ける際の作業性向上が図られているバスダクトシステムを提供することができる。
本発明の第1実施形態のバスダクトシステムを構成するバスダクトを説明するための図であり、(a)が側面図であり、(b)が平面図である。 本発明の第1実施形態のバスダクトの断面を示す模式図であり、(a)がバスダクトを構成するバスダクトユニットの断面を示す模式図であり、(b)がバスダクトを構成する接続ユニットの断面を示す模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクトシステムを構成する分岐装置を説明するための模式図であり、(a)が平面模式図であり、(b)が側面模式図である。 本発明の第1実施形態の分岐装置に設けられている扉開放部及び位置決め部を図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図であり、(c)が図4(a)のA−A断面図であり、(d)が背面図である。 本発明の第1実施形態のバスダクトに設けられた接続上下板及び開閉扉を示す模式図であり、(a)が開閉扉によりプラグインホールが閉塞されている状態を示した平面模式図であり、(b)が開閉扉によりプラグインホールが閉塞されている状態を示した側面模式図であり、(c)が開閉扉によりプラグインホールが開放されている状態を示した平面模式図であり、(d)が接続上下板及び開閉扉の背面模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクトシステムの施行手順を示した模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を装着している作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。 本発明の第2実施形態のバスダクトシステムを説明するための模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を装着している作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。 本発明の第3実施形態のバスダクトシステムを説明するための模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を位置決めして作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。 本発明の第4実施形態の分岐装置に設けられた位置決め部を説明するための図であり、(a)が位置決め部の平面図であり、(b)が位置決め部の側面図であり、(c)が図9(a)のB−B断面図であり、(d)が位置決め部の背面図である。 本発明の第4実施形態の分岐装置に設けられた扉開放部を説明するための図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図であり、(c)が図10(a)のC−C断面図であり、(d)が背面図である。 本発明の第4実施形態の分岐装置に取り付けられ状態の扉開放部及び位置決め部を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図であり、(c)が図11(a)のD−D断面図であり、(d)が背面図である。 本発明の第4実施形態のバスダクトのハウジングを構成する接続上下板及び開閉扉を示す模式図であり、(a)が開閉扉によりプラグインホールが閉塞されている状態を示した平面模式図であり、(b)が開閉扉によりプラグインホールが閉塞されている状態を示した側面模式図であり、(c)が開閉扉によりプラグインホールが開放されている状態を示した平面模式図であり、(d)が接続上下板及び開閉扉の背面模式図である。 本発明の第4実施形態のバスダクトシステムの施行手順を示した模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を装着している作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態のバスダクトシステムの変形例を示した模式図である。 (a)〜(c)は本発明の第4実施形態のバスダクトシステムの各変形例を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態のバスダクトシステムについて図面に基づいて説明する。尚、本発明のバスダクトシステムは、以下の実施形態(第1〜4実施形態)に限定されるものではない。
《第1実施形態》
先ず、第1実施形態のバスダクトシステムについて図1〜6を用いて説明する。
第1実施形態のバスダクトシステムは、図6に示すように、プラグインホール53(図5参照)が設けられたハウジングを有するバスダクト10と、バスダクト10に着脱自在に取り付けられる分岐装置20とを備えている。
尚、後述するが、バスダクト10のハウジングは、バスダクトユニット11のパイプスペーサ112及び側板113と、接続ユニット12の接続側板123及び接続上下板50・90とを有する構成になっている。
また、バスダクト10のハウジングには、プラグインホール53を開閉する開閉扉60及び開閉扉60を閉方向に付勢するばね(付勢手段)70が設けられている。また、上記のハウジングには、分岐装置20の取り付け位置を位置決めする位置決め孔54(第1の位置決め部)が形成されている。
尚、開閉扉60は、分岐装置20が取り付けられていないときには、ばね(付勢手段)70に付勢されてプラグインホール53を閉塞するようになっている。
また、分岐装置20は、バスダクト10のハウジングに対する取り付け位置を位置決めする位置決め部40(第2の位置決め部)と、バスダクト10のハウジングの位置決め孔54に位置決め部40を挿入して位置合わせした状態で開閉扉60に閉塞されているプラグインホール53に分岐装置20を近づける動作により開閉扉60に接触して開閉扉60を開放方向へ動かす扉開放部30とを備えている(図6(b)、(c)参照)。
上記の構成によれば、バスダクト10に分岐装置20を取り付ける際に、プラグインホール53の位置に分岐装置を容易に位置合わせでき、且つ開閉扉60を自動で開放させることができ、上述した特許文献1に記載の発明と比べて、施工性が向上している。尚、第1実施形態では、分岐装置20が取り付けられていない状態のときには、ばね(付勢手段)70に付勢された開閉扉60によりプラグインホール53が閉塞されているため、バスダクトの保護性能も確保されている。
次に、第1実施形態のバスダクトシステムの各構成について順番に説明していく。
先ず、バスダクト10の構成について図1及び図2を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、バスダクト10は、絶縁被覆された導体111aをハウジングで覆った構成であり、バスダクトユニット11・11を別体の接続ユニット12を介して相互に接続することで形成されている。すなわち、第1実施形態のバスダクト10は、複数のバスダクトユニット11と、隣接配置されたバスダクトユニット11を接続する接続ユニット12とを有する構成になっている。
バスダクトユニット11は、図2(a)に示すように、絶縁被覆された3相の絶縁被覆導体111(平板状の送電用の導体111aを絶縁物で被覆して形成された絶縁被覆導体111)が並設され、絶縁被覆導体111の幅方向両側に平面視略方形のパイプスペーサ112が配置されている。また、バスダクトユニット11は、絶縁被覆導体111及びパイプスペーサ112を断面略コ字形の一対の側板113・113で一括して狭持し、側板113に挿通したボルト114a、ナット114b等の締着具を緊締して固定されている。
上記の側板113は、その両上下端縁に、狭持している絶縁被覆導体111から外方へ向かって第1補強部113aが略直角に延設され、第1補強部113aの端縁には互いに向きあう方向に第2補強部113bが略直角に延設され、バスダクトユニット11やバスダクト10自体の強度を保っている。尚、バスダクトユニット11において、パイプスペーサ112、側板113がハウジングに相当する。
また、接続ユニット12は、図2(b)に示すように、接続すべきバスダクトユニット11・11の同相導体111a・111a間を電気的に接続する導電性接続部材121と、絶縁セパレータ122と、これらを外方から狭持する接続側板123と、接続側板123の外方に配置された押圧部材124とが設けられており、これらを絶縁スリーブ125に挿通してなる締着具126で緊締してバスダクトユニット11・11を相互に接続する構成であり、接続前には締着具126によって仮締着された状態になっている。
尚、絶縁セパレータ122は、導電性接続部材121を含む異相の導体111a・111a間及び導電性接続部材121を含む最外側の導体111aと接続側板123間を絶縁する位置に設置されている。
接続ユニット12でバスダクトユニット11・11を接続してバスダクト10を構成する場合、接続すべきバスダクトユニット11・11の導体111a・111aの端部を同相の導電性接続部材121・121間に挿入し、バスダクト側板113と接続側板123とをボルトナット等の締着具で固定し、その後、仮締着している締着具126を緊締し、更に対応開放面である上下面のうちの一方、例えば上面に開閉扉60が設けられている接続上下板50を配置し、また他方、例えば下面にプラグインホール53及び開閉扉60が設けられていない接続上下板90を配置してバスダクトユニット11・11にビス止めする等で固定し、前記開放面を塞ぐことにより、バスダクトユニット11・11相互の接続が完了する。これにより、バスダクト10のハウジングは、プラグインホール53の周囲部分を形成する接続ユニット12において、バスダクトの厚み方向に膨張した膨張部が形成されている。尚、接続ユニット12において、接続側板123及び接続上下板50・90がハウジングに相当する。
次に分岐装置20について図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、分岐装置20は、分岐用端子23を支持する、ボックス形の箱体22を備えている。この箱体22は、板状の底面22aを有し、この底面22aから周壁である側壁22b、前壁22c、後壁22dが立設し、その上面には開閉可能な蓋体22eが設けられている。
底面22aの前端側から中程にかけて扉開放部30、分岐用端子23、位置決め部40(第2の位置決め部)、第一固定部材24が順に設けられ、前壁22c及び後壁22dには第二固定部材25及び第三固定部材26がそれぞれ設けられている。箱体22内には、分岐用端子23を固定する端子台23aと、ブレーカー23bと、端子台23aとブレーカー23bを電気的に接続する可撓性導線23cとが設置され、図には省略するが、可撓性導線23cからブレーカー23bを介して箱体22の外に電力を分岐する構成となっている。
扉開放部30は、図4(a)〜(d)に示すように、平板状の基部31と、基部31の側方の両端縁を略直角に屈曲延設してなる開放片32・32とを有している。尚、開放片32は片側だけでも良い。基部31には、箱体底面22aに取り付けられた際に分岐用端子23が挿通される端子孔31aが設けられている。
開放片32・32は、図4(b)に示すように、基部31の前方側辺(前方端)31bから前方辺32aが略垂直下方に延設され、下端が円弧形状に形成された底辺32bを介して基部31へ向けて斜め後方に傾斜辺32cが延設されることで、全体として直角三角形を逆三角形状に配置した形に形成されている。
位置決め部40は、平板状の基部41と、基部41の側方の両端縁を略直角に屈曲延設してなる位置決め片42・42とを有している。尚、位置決め片42は片側だけでも良い。
位置決め片42は、図4(b)に示すように、基部41の後方側辺(後方端)41bから後方辺42cが略垂直下方に延設され、下端が円弧形状に形成された底辺42bを介して基部41へ向けて前方辺42aが延設されることで、全体として、下端側が細く先すぼみ形状(略舌形状)に形成されている。
尚、第1実施形態では、扉開放部30及び位置決め部40は、基部31及び基部41が一体に連結した一つの部材により形成され、ビスやリベット等の締着具を用いて基部31及び基部41が箱体22の底面22aに固定されている。また、扉開放部30及び位置決め部40は、箱体22の底面22aに固定された状態で開放片32・32が底面22aの前端側で、底面22aから下方に向けて延び、位置決め片42・42が底面22aの中程で、底面22aから下方に延びる構成になっている。尚、扉開放部30と位置決め部40との位置関係は、その機能を発揮できる範囲において適宜変更可能である。
次に、バスダクト10側の構造について説明する。
バスダクト10の接続上下板50及び開閉扉60は、図5(a)〜(d)に示す構造をしている。
具体的には、接続上下板50は、平板状の基部51と、基部51の側方の両端縁を略直角に屈曲延設してなる補強片52とを有している。また、接続上下板50には、分岐装置20を取り付ける際に、分岐用端子23が挿通されるプラグインホール53(図5(c)参照)と、位置決め部40の位置決め片42・42を受け入れる位置決め孔54(第1の位置決め部)とが形成されている。位置決め孔54は、分岐装置20の位置決め片42・42に対応する位置、すなわち、本実施形態では接続上下板50の後方端側に形成されている。
開閉扉60は、平板状の基部61と、基部61の側方の両端縁を略直角に屈曲延設してなるスライド側片62・62と、スライド側片62の下端縁を略直角に内側に屈曲延設してなるスライド下片63(図5(d)参照)と、スライド側片62の前端縁を外側に屈曲延設された被接触片64とを有している。また、開閉扉60には、分岐装置20の取り付ける際に、分岐用端子23が挿通される切欠65(コの字状に凹んだ切欠65)が形成されている。
被接触片64は、分岐装置20を取り付ける際に、扉開放部30が接触する被接触部として形成されると共に、扉開放部30の開放片32の傾斜辺32cと同程度に傾斜して設けられている。また、切欠65には、ビス等が係止される係止部65a(図5(c)参照)が設けられている。尚、係止部65aは、ビス等に係止されるだけでなく、例えば、緩めたビスにより係止部65aの縁を挟むように締結させてもよい。これにより、ビス等を緩めない限り分岐装置20を取り付けようとしても開閉扉60を開かないようにすることができ、より一層の保護が可能となる。
開閉扉60は、スライド側片62・62及びスライド下片63・63で接続上下板50の補強片52・52を抱え込むようにして、続上下板50にスライド自在に取り付けられる。このとき、接続上下板50と開閉扉60の図示しないバネ取付孔同士を連結するようにバネ(例えば、コイルバネ)70を取り付けることで、接続上下板50のプラグインホール53を閉塞する方向に開閉扉60が付勢される。
また、開閉扉60がプラグインホール53を閉塞する位置に合わせて係止部65aに係止されるようにビス71を接続上下板50の基部51に取り付けることで、閉塞する方向に付勢された開閉扉60がプラグインホール53を越えて移動してしまわないように係止される(必要に応じて、開閉扉60の係止部65aの縁をビス71で挟持して締結するようにしても良い)。この結果、開閉扉60は、通常の状態(分岐装置20が取り付けられていない状態)ではバネ70に付勢されてプラグインホール53を閉塞し(図5(a)、(b)参照)、後述する扉開放部30によりバネ70の付勢力及び開閉扉60と接続上下板50とのスライド部分の摩擦力を越える力で被接触片64が押圧されるとプラグインホール53を開放する(図5(c)参照)。このとき、切欠65が孔として形成されておらず、被接触片64・64の間が分断していることにより、接続上下板50にゴミや埃が付着しているような場合に、開閉扉60を開放したことによってそのゴミや埃をプラグインホール53内にこそぎ落としてしまう事態を回避することができる。
次に、分岐装置20をバスダクト10に取り付ける施行手順及びバスダクトシステムの構成部品の動作について図6を参照しながら説明する。
先ず、図6(a)に示すように、作業者が接続ユニット12の近傍に分岐装置20を配置し、次に、図6(b)に示すように、バスダクト10に対して分岐装置20を略並行を維持したまま近づけ、接続上下板50に設けられた位置決め孔54に分岐装置20の位置決め部40の位置決め片42を挿入する。これにより、分岐装置20がバスダクト10の取り付け位置に位置決めされる共に、分岐装置20の扉開放部30の開放片32・32が、開閉扉60の被接触片64に接触する。
次に、作業者は、図6(b)に示す状態で、分岐装置20をバスダクト10に近づけると(図示する例では、鉛直下方に押し込むと)、位置決めされた分岐装置20の扉開放部30の開放片32・32が、開閉扉60の被接触片64に接触して鉛直下向きに押圧する。そして、扉開放部30の開放片32・32が、開閉扉60の被接触片64に接触して鉛直下向きに押圧すると、鉛直下向きに移動する傾斜辺32cにより、分岐装置20をバスダクト10へ近づける力が開閉扉60を開放する力に変換され、図6(c)に示すように、開閉扉60が開放され、プラグインホール53に分岐用端子23が挿入され、その状態で第一固定部材24によってワンタッチ固定される。
そして、第二固定部材25で接続上下板50の基部51を把持すると共に、第三固定部材26でバスダクト10の第1補強部113aを把持することにより、分岐装置20の箱体22はバスダクト10に固定される。
上記のように、バスダクト10に分岐装置20を固定して取り付けた状態にすると、分岐装置20の分岐用端子23は接続上下板50のプラグインホール53を介して、バスダクト10のハウジングの内部に挿通され、バスダクト10の接続ユニット12の同相の導電性接続部材121・121間に填り込み、分岐用端子23とバスダクト10の導体111は電気的に接続された状態となる(図示せず)。尚、上述した手順の逆の手順を行うことにより、一旦取り付けた分岐装置20を取り外すことも可能である。
このようにして、第1実施形態によれば、バスダクト10に分岐装置20を取り付ける際に、プラグインホール53の位置に分岐装置20を容易に位置合わせし、且つ開閉扉60を自動で開放させることができる。また、上記の構成によれば、プラグインホール53に分岐装置20が取り付けられる前や一旦取り付けた分岐装置20を取り外したような場合には、バネ70に付勢された開閉扉60によりプラグインホール53が閉塞されるため、バスダクト10の保護性能も十分に確保されている。尚、バネ70は必須の構成ではなく、例えば開閉扉60が所定の力以上で開方向に押圧されると乗り越えられるような係止凹凸構造を開閉扉60と接続上下板50とのそれぞれ接触面側に形成する等すれば、分岐装置20を取り付ける際に当該係止凹凸構造を乗り越える力を加えることにより開閉扉60を自動で開放させることができる。
また、第1実施形態では、扉開放部30の開放片32・32がバスダクト10のハウジングの外側に位置するように配置され、開放片32・32が、バスダクト10のハウジングの外部に配置されている被接触片64に接触し押圧することで、プラグインホール53を閉塞している開閉扉60を開放するようになっている。すなわち、第1実施形態では、バスダクト10のハウジングの内部に扉開放部30が挿入されないため、ハウジング内に設置された絶縁部材との干渉等を考慮せずに扉開放部30の形状や大きさ寸法を設計することができる。
さらに、第1実施形態に係る分岐装置20は、分岐用端子23がプラグインホール53に挿入される前において、位置決め部40(位置決め片42)が位置決め孔54に位置決めされた後に扉開放部30(開放片32)が開閉扉60(被接触片64)に接触している。換言するならば、分岐装置20は、位置決め部40と扉開放部30との二点によってバスダクト10に対して位置決めされた状態で分岐用端子23が挿入されることになる。よって、分岐装置20は、分岐用端子23をプラグインホール53に挿入する際に、分岐用端子23の位置がズレることがほぼ防止され、良好な位置精度でプラグインホール53に挿入されることになる。さらにこの場合、位置決め部40と扉開放部30との間に分岐用端子23が設けられており、換言するならば、分岐用端子23の前後両方を位置決めしたような状態でプラグインホール53内に挿入されることになる。これにより、挿入時の分岐用端子23の位置精度がより一層向上し、取付作業がより容易となる。
尚、第1実施形態では、開閉扉60の被接触片64が傾斜辺32cと同程度に傾斜して設けられているため、開放片32と被接触片64の接触が安定し易いという効果があるが、被接触片64は必ずしも傾斜していなくて良く、その場合でも、開閉扉60の開放は可能である。
また、第1実施形態では、開放片32が逆三角形状に形成されているが、特にこれに限定されるものではない。開放片32の形状は逆三角形状に限らず、被接触片64を押圧して開閉扉60を開放できる形状であれば良く、例えば、台形状、平行四辺形状、円弧形状等の他の形状であっても良い。
また、例えば、図14に示すように、扉開放部30の開放片32に傾斜辺を設けず、被接触片64を大きく形成するようにしてもよく、このような構成でも、第1実施形態と同じ動作により開閉扉60の開放は可能である。すなわち、扉開放部30の開放片32と開閉扉60の被接触片64は、少なくともどちらか一方が、開閉扉60のスライドに必要な分だけ傾斜していれば良い。
《第2実施形態》
次に、第2実施形態のバスダクトシステムについて図7を用いて説明する。
ここで、図7は、本発明の第2実施形態のバスダクトシステムを説明するための模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を装着している作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。
尚、以下では、第1実施形態と同じ構成或いは類似する構成に関しては同じ符号を付し、その説明を省略する。また、第2実施形態では、第1実施形態の「扉開放部30及び位置決め部40」が「扉開放部130(位置決めの機能も併せ持つ)」に変更され、第1実施形態の「接続上限板50及び開閉扉60」が「接続上限板150及び開閉扉160」に変更されている。また、第2実施形態では、「開閉扉160の前端縁164」が、第1実施形態の「被接触片64」と同様の役割を担っている。また、第2実施形態では、第1実施形態の「位置決め孔54」が「位置決め孔154」に変更されている。
具体的には、図7に示すように、第2実施形態の分岐装置20は、平面視において、扉開放部130の開放片32の前方辺32aが前壁22cよりも前方に突出した形状をしている。また、この扉開放部130は、位置決め部(第2の位置決め部)としての機能も有している。
また、接続上下板150は、扉開放部130の開放片32・32を位置決め部として受け入れる位置決め孔154(第1の位置決め部)が形成されている。位置決め孔154は、開放片32・32に対応する位置、すなわち、本実施形態では接続上下板150の前方端側に開放片32が挿入可能な長さで形成されている。
図中において開閉扉160は、接続上下板150に装着された際に、扉開放部130の開放片32の先端が挿入可能な程度の隙間をあけて位置決め孔154を覆うように形成されている(尚、扉開放部130は、プラグインホール53を閉塞している)。このとき、開閉扉160の前端縁164が、扉開放部130が接触する被接触部として機能する。
以上のような構成の第2実施形態のバスダクトシステムにおいて、分岐装置20をバスダクト10に取り付ける場合、作業者は、先ず、図7(a)に示すように接続ユニット12の近傍に分岐装置20を配置する。
次に、作業者は、図7(b)に示すように、バスダクト10に対して分岐装置20を略並行に維持したまま近づけ、接続上下板150に設けられた位置決め孔154のうち開閉扉160に覆われていない部分に分岐装置20の扉開放部130の開放片32を挿入する。
上記の作業により(位置決め孔154のうち開閉扉160に覆われていない部分に分岐装置20の扉開放部130の開放片32を挿入する作業により)、分岐装置20は、扉開放部130の位置決め部としての機能によって位置決めされる。
また、作業者は、図7(b)に示す状態で、分岐装置20をバスダクト10に近づけると(図示する例では、鉛直下方に押し込むと)、位置決めされた分岐装置20の扉開放部130の開放片32・32が、開閉扉160の前端縁164に接触して鉛直下向きに押圧する。そして、扉開放部130の開放片32・32が、開閉扉160の前端縁164を押圧すると、傾斜辺32cにより、分岐装置20をバスダクト10へ近づける力が開閉扉160を開放する力に変換され、図7(c)に示すように開閉扉160が開放される。その後、プラグインホール53に分岐用端子23が挿入されて分岐装置20がバスダクト10に固定される(この点については、上述の第1実施形態と同様である)。
このようにして、第2実施形態においても、分岐装置20の取り付け前の状態では開閉扉160によりバスダクト10の保護性能が確保されている。また、第2実施形態においても、分岐装置20の取り付けるときには、バスダクト10の位置決め孔154に分岐装置20の開放片32を位置合わせすることで、開閉扉160を容易に自動で開放することができる。また、第2実施形態においても、バスダクト10のハウジングの内部に扉開放部130が挿入されないため、ハウジング内に設置された絶縁部材との干渉等を考慮せずに扉開放部130の形状や大きさ寸法を設計することができる。
特に、第2実施形態では、平面視において、扉開放部130の開放片32の前方辺32aが分岐装置20の前壁22cよりも前方に突出した形状をしている。すなわち、第2実施形態では、扉開放部130が外部に露出して見易い位置に設けられているため、扉開放部130それ自体が位置決め部として機能することになり、その結果として、全体として簡易な構成でありながら、位置決めし易いと共に開閉扉160に対する扉開放部130の接触が視認し易いという特徴がある。
上記の構成に加え、第2実施形態では、分岐装置20の前壁22cに設けられた第二固定部材125が、例えばヒンジ構造により回動可能に設けられている。すなわち、第二固定部材125は、予め紐で締結する等して折りたたんだ状態にしておき(図7(a))、最終的に分岐装置20をバスダクト10に取り付ける段階で回動してバスダクト10の第1補強部113aを把持することにより、分岐装置20の箱体22はバスダクト10に固定される(図7(c))。これにより、分岐装置20の取り付け作業の際においては、外部に露出した扉開放部130の視認性を阻害することなく、最終的に分岐装置20をバスダクト10に取り付ける段階においては、分岐装置20を確実に固定できるという効果がある。
また、第2実施形態の第二固定部材125は、分岐装置20の前壁22cよりも前方に突出した扉開放部130を直接押圧するようにもなっており、分岐装置20のより強固な固定、すなわち、分岐用端子23と導電性接続部材121・121のより安定な電気的接続が担保される。
《第3実施形態》
次に、第3実施形態のバスダクトシステムについて図8を用いて説明する。
ここで、図8は、本発明の第3実施形態のバスダクトシステムを説明するための模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を位置決めして作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。
尚、以下では、第1実施形態と同じ構成或いは類似する構成に関しては同じ符号を付し、その説明を省略する。また、第3実施形態では、第1実施形態の「扉開放部30及び位置決め部40」が「扉開放部230及び位置決め部240」に変更され、第1実施形態の「接続上限板50及び開閉扉60」が「接続上限板250及び開閉扉260」に変更され、第1実施形態の「被接触片64」が「被接触片264」に変更されている。また、第3実施形態では、第1実施形態の「位置決め孔54」が「位置決め孔254」に変更されている。
図8に示すように、第3実施形態の分岐装置20は、位置決め部240が前壁22cよりも前方に突出した形状をしている。この位置決め部240の位置決め片242の前方には、接続上下板250の位置決め孔254の前側縁に係止可能な係止部242aが形成されている。また、扉開放部230は、図示の位置に設けられており(位置決め部240よりも後方側に設けられており)、開放片232は、その後方が円弧形状の接触角度変更辺232aになっている。
尚、扉開放部230は、位置決めされて分岐装置20を取り付ける際において、以下で説明する開閉扉260との接触開始点が、少なくとも接続端子23の後端側を基準として回転の支点側に設けられている。
また、接続上下板250は、位置決め部240の位置決め片242・242を受け入れる位置、すなわち、本実施形態では接続上下板250の前方端側に位置決め孔254が形成されている。そして、開閉扉260は、被接触片264が開閉扉260の前方ではなく中程に設けられている点で第1実施形態の開閉扉60とは相違している。この被接触片264は、開閉扉260のスライド側片62を側方に切り起こすようにして延設されている。
以上のような構成の第3実施形態のバスダクトシステムにおいて、分岐装置20をバスダクト10に取り付ける場合、作業者は、先ず、図8(a)に示すように接続ユニット12の近傍に分岐装置20を配置し、図8(b)に示すように、分岐装置20の前壁22c側を下方にするように全体を傾斜させた状態でバスダクト10に近づけ、接続上下板250に設けられた位置決め孔254に分岐装置20の位置決め部240の位置決め片242を挿入し、位置決め片242の係止部242aを位置決め孔254の前側縁に係止する。この作業により、分岐装置20がバスダクト10に位置決めされる。
そして、この位置決め片242を支点にして、分岐装置20全体をバスダクト10に向けて回転させつつ近づけると、分岐装置20の扉開放部230の開放片232が上記回転にともなって回転し、開閉扉260の被接触片264に接触して押圧し、プラグインホール53を閉塞している開閉扉260をスライド移動させて開放する。このとき、開放の後半部分において、扉開放部230の開放片232の接触角度変更辺232aが開閉扉260の被接触片264に接触して回転方向に沿って押圧することになる。その際、回転に伴ってバスダクト10に対する分岐装置20の角度が小さくなる方向(開閉扉260を開放し難い方向)に角度が変化するが、被接触片264に対する扉開放部230の接触位置が円弧形状の接触角度変更辺232aに沿って移動することにより、開閉扉260の被接触片264に対する扉開放部230の開放片232の角度は、開閉扉260を開放し易い角度に維持される。
その後、プラグインホール53に分岐用端子23が挿入されて、第一固定部材24、第二固定部材125、第三固定部材26により分岐装置20がバスダクト10に固定される点については、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同様である。尚、扉開放部230の開放片232と開閉扉260の被接触片264との接触点は、回転の際に扉開放部230が接続ユニット12の構成部材と干渉しない位置になるように設計されている。
このように、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
特に、第3実施形態では、位置決め部240を支点として分岐装置20を回転させるだけで、開閉扉260を容易に開放してバスダクト10に装着することができる。また、分岐装置20の回転動作が梃子の原理で作用することにより、その分だけ小さい力で開閉扉260を開放できるという効果もある。
また、第3実施形態では、分岐装置20を取り付ける際における、扉開放部230と開閉扉260との接触開始点が、少なくとも接続端子23の後端側を基準として回転の支点側に設けられている。換言すれば、回転の支点である位置決め片242の係止部242aから扉開放部230と開閉扉260との接触開始点までの距離が、係止部242aから接続端子23の後端側までの距離以下になるように設定されている。
これにより、分岐装置20を取り付ける際における、扉開放部230と開閉扉260との接触開始点の位置精度(回転の支点からの距離の影響を受ける)が、少なくともプラグインホール53に挿入される接続端子23の位置精度以上となるため、開閉扉260を開放するのに一番力が必要な接触開始点において安定な接触が確保される。つまり、開閉扉260を安定して開放し易いという効果がある。また、梃子の原理でより力が加わり易くなるため、小さい力で開閉扉260を開放できる。さらに、接触開始点が支点側にずれた分だけ扉開放部230が開閉扉260と接触するまでの距離が短くなるため、扉開放部230を小さくコンパクトに構成することができる。
ここで、分岐装置20を取り付ける際、作業者は、接続端子23をプラグインホール53内の導電性接続部材121・121間に挿入できる程度の位置精度で分岐装置20を移動させることを求められるが、第3実施形態の場合、この位置精度は分岐装置20の回転の支点である位置決め片242の係止部242aから接続端子23までの距離に依存する(距離が長い程、回転半径が大きくなるため位置精度は低下する)。
すなわち、回転の支点である位置決め片242の係止部242aから扉開放部230と開閉扉260との接触開始点までの距離が、係止部242aから接続端子23の後端側までの距離以下であれば、作業者は、少なくとも接続端子23をプラグインホール53内の導電性接続部材121・121間に挿入する位置精度と同程度以上の位置精度で、扉開放部230を開閉扉260に接触させることができ、その結果として、開閉扉260を開放するのに一番力が必要な接触開始点において安定した接触が確保され、開閉扉260を安定して開放し易い効果がある。また、梃子の原理によって力が加わり易くなるため、小さい力で開閉扉260を開放できる。さらに、接触開始点が支点側にずれた分だけ、扉開放部230が開閉扉260を接触するまでの距離が短くなるため、扉開放部230をより小さくコンパクトに構成することができる。
また、第3実施形態の分岐装置20は、分岐用端子23がプラグインホール53の導電性接続部材121・121間に挿入される前において、位置決め部240(位置決め片242)が位置決め孔254に位置決めされた後に扉開放部230(開放片232)が開閉扉260(被接触片264)に接触している。換言すれば、分岐装置20は、位置決め部240と扉開放部230との二点によってバスダクト10に対して位置決めされた状態で分岐用端子23が挿入されることになる。よって、分岐装置20は、分岐用端子23をプラグインホール53に挿入する際に、分岐用端子23の位置がズレることがほぼ防止され、良好な位置精度でプラグインホール53に挿入されることになる。
尚、第3実施形態において、接続端子23の前端側を基準として回転の支点側に接触開始点を設けるようにすれば、扉開放部230と開閉扉260との接触開始点の位置精度が、プラグインホール253に挿入される接続端子23の位置精度より向上し、開閉扉260をより安定に開放し易いという効果がある。
また、第3実施形態では、分岐装置20を取り付ける際、扉開放部230の開放片232の接触角度変更辺232aが開閉扉260の被接触片264に接触して回転方向に沿って押圧することになる。このとき、回転に伴ってバスダクト10に対する分岐装置20の角度が小さくなる方向(開閉扉260を開放し難い方向)に角度が変化するが、被接触片264に対する扉開放部230の接触位置が接触角度変更辺232aに沿って移動することにより、開閉扉260の被接触片264に対する扉開放部230の開放片232の接触角度は、開閉扉260を開放し易い角度に維持される。
《第4実施形態》
次に、第4実施形態のバスダクトシステムについて図9〜13を用いて説明する。
ここで、図9は、第4実施形態の分岐装置に設けられた位置決め部を説明するための図であり、(a)が位置決め部の平面図であり、(b)が位置決め部の側面図であり、(c)が図9(a)のB−B断面図であり、(d)が位置決め部の背面図である。図10は、第4実施形態の分岐装置に設けられた扉開放部を説明するための図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図であり、(c)が図10(a)のC−C断面図であり、(d)が背面図である。図11は、第4実施形態の分岐装置に取り付けられ状態の扉開放部及び位置決め部を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)が側面図であり、(c)が図11(a)のD−D断面図であり、(d)が背面図である。図12は、第4実施形態のバスダクトのハウジングを構成する接続上下板及び開閉扉を示す模式図であり、(a)が開閉扉によりプラグインホールが閉塞されている状態を示した平面模式図であり、(b)が開閉扉によりプラグインホールが閉塞されている状態を示した側面模式図であり、(c)が開閉扉によりプラグインホールが開放されている状態を示した平面模式図であり、(d)が接続上下板及び開閉扉の背面模式図である。図13は、第4実施形態のバスダクトシステムの施行手順を示した模式図であり、(a)がバスダクトに分岐装置を位置合わせしている作業状態を示した模式図であり、(b)がバスダクトに分岐装置を装着している作業状態を示した模式図であり、(c)がバスダクトに分岐装置が装着された状態を示した模式図である。
尚、以下では、第1実施形態と同じ構成或いは類似する構成に関しては同じ符号を付し、その説明を省略する。また、第4実施形態では、第1実施形態の「扉開放部30及び位置決め部40」が「扉開放部330及び位置決め部340」に変更され、第1実施形態の「接続上限板50及び開閉扉60」が「接続上限板350及び開閉扉360」に変更され、第1実施形態の「被接触片64」が「被接触片364」に変更されている。また、第4実施形態では、第1実施形態の「位置決め孔54」が「位置決め孔354」に変更されている。
第4実施形態では、分岐装置20に設けられる位置決め部340が図9に示す構造になっている。
具体的には、図示するように、位置決め部340は、平板状の基部341と、基部341の両端縁を略直角に屈曲して延設されている位置決め片342・342とを有している。また、基部341には、図10に示す扉開放部330を間に介して箱体の底面22aに取り付けられた際に分岐用端子23が挿通される端子孔349が設けられている。そして、位置決め部340は、基部341が箱体22の底面22aに固定され、位置決め片342・342が、箱体の底面22aから下方向に延びるようにして箱体22に取り付けられる(図13参照)。
位置決め片342の前方辺には、基部341の前方側辺341aから下方に延設され、その途中から前方へ屈曲して突出するフック状(段差状)の係止部342aが形成され、係止部342aの先端から斜め下前方に屈曲延設されるようにして前部傾斜辺342bが形成されている(図9(b)、(c)参照)。位置決め片342の前部傾斜辺342bの最下端からは、斜め上後方に屈曲延設されるようにして、後部斜辺342cが形成され、後部斜辺342cの上端からは、上方に向けて略円弧状の案内辺342dが延設されている。案内辺342dの上端からは、箱体支持辺342eが基部341と平行に後方へ延設され、箱体支持辺342eの後端から上方に略直角に屈曲延設されて基部341の側端縁に到達するようになっている。
位置決め片342は、このように前部傾斜辺342bと後部斜辺342cとにより鋭角的な逆三角形に形成されており、後述する接続上下板350の位置決め孔354に位置決めし易く、位置決め後の挿入もさせ易いという特徴がある。
位置決め部340は、基部341の上方向からの平面視において、係止部342aが基部341から前方に突出した形状になっている。そして、図13に示すように、係止部342a及び基部341の一部が、箱体22の前端側である前壁22cから突出するように配置して、位置決め部340が底板22aの前側に固定されている(換言すれば位置決め部340の一部が、箱体22の取付面の垂直方向視で、箱体22の外周から突出した位置に設けられている)。そのため、後述するバスダクト10へのバスダクト分岐装置20の取付作業のときに、バスダクト10の位置決め孔と位置決め片342とを目視しながら取付作業を行うことが可能であり、容易に取付作業を行うことができるようになっている。
また、第4実施形態では、分岐装置20に設けられる扉開放部330が図10に示す構造になっている。
具体的には、図示するように、扉開放部330は、平板状の基部331と、基部331の両端縁を略直角に屈曲して延設されている開放片332・332とを有している。また、基部331には、箱体底面22aに取り付けられた際に分岐用端子23が挿通される端子孔339が設けられている。そして、扉開放部330は、基部331が箱体22の底面22aに固定され、開放片332・332が、箱体の底面22aから下方向に延びるようにして箱体22に取り付けられる(図13参照)。
開放片332の前方辺には、基部331の前方側辺331aから斜め下前方に延設され、その途中から更に角度が急に変更されている前部傾斜辺332aが形成されている(図10(b)(c)参照)。尚、前部傾斜辺332aの上側の傾斜角度部分は、分岐装置20に取り付けた際に位置決め部340のフック状の係止部342aが露出するように形成されており、前部傾斜辺332aの下方側の傾斜角度部分は、位置決め部340の前部傾斜辺342bの傾斜角度と略同じに形成されている。
また、扉開放部330の前部傾斜辺332aからは、底辺332cが基部331と略並行に延設されている。また、前部傾斜辺332aと底辺332cが交わる頂点部分が切り欠かれて露出部332bが形成されている。底辺332cの後端からは、後方に凸状に膨らむ略円弧状の接触角度変更辺332dが延設され、接触角度変更辺332dの上端からは、箱体支持辺332eが基部331と平行に後方へ延設されている。
扉開放部330は、基部331の上方向からの平面視において、開放片332・332の前部傾斜辺332aが基部331から前方に突出した形状になっている。そして、図13に示すように、傾斜辺332a及び基部331の一部が、箱体22の前端側である前壁22cから突出するように配置して、扉開放部330が箱体22の底面22aの前側に固定されている(換言すれば扉開放部330の一部が、箱体22の取付面の垂直方向視で、箱体22の外周から突出した位置に設けられている)。そのため、後述するバスダクト10へのバスダクト分岐装置20の取付作業のときに、扉開放部330の開放片332と後述する開閉扉との接触状態を目視しながら取付作業を行うことが可能であり、容易に取付作業を行うことができるようになっている。
そして位置決め部340と扉開放部330とは、図11(a)〜(d)に示すように、端子孔349と端子孔339とが一致するように位置決め部340の上に扉開放部330が重ねられた状態で分岐装置20の箱体22の底面22aに下から固定される構成である。尚、位置決め部340は、後述の接続上下板350の幅よりも僅かに狭く形成され、扉開放部330は後述の接続上下板350の幅よりも僅かに広く形成されている(図11(a)(d)参照)。尚、扉開放部330の露出部332bは、分岐装置20に取り付けた際に位置決め部340の下端部分が側方から視認し易いように形成されている(図11(b)参照)。
次に、第4実施形態のバスダクト10側の構造について説明する。
第4実施形態では、バスダクト10の接続上下板350及び開閉扉360は、図12(a)〜(d)に示す構造になっている。
具体的には、図示するように、バスダクト10の接続上下板350は、位置決め孔354が位置決め片342・342に対応する位置、すなわち、本実施形態では接続上下板350の前方端側に形成されており、それ以外の部分は、第1実施形態の接続上下板50と同様の構成である。そして、このような接続上下板350に、プラグインホール53を開閉自在に閉塞する開閉扉360がスライド自在に取り付けられている。
開閉扉360の被接触片364は、スライド側片62の前端縁を外側に垂直に屈曲延設してなり、第1実施形態の開閉扉60の被接触片64とは異なり傾斜しておらず、前方向への突出量も少なく形成されている。すなわち、開閉扉360は、被接触片364以外の部分は第1実施形態の開閉扉60と同様の構成である。
そして、このような開閉扉360は、接続上下板350にスライド自在に取り付けられ、第1実施形態の開閉扉60と同様に、開閉扉360は、通常の状態ではバネ(付勢手段)70に付勢されてプラグインホール53を閉塞し(図12(a)、(b)参照)、扉開放部330によりバネ70の付勢力を越える力で被接触片364が押圧されるとプラグインホール53を開放する(図12(c)参照)。尚、このとき、切欠65が孔として形成されておらず、被接触片364・364の間が分断していることにより、接続上下板350にゴミや埃が付着しているような場合に、開閉扉360が開放したことによってそのゴミや埃をプラグインホール53内にこそぎ落としてしまうような事態を回避できることは、上述の第1実施形態と同様である。
次に、第4実施形態において、分岐装置20をバスダクト10に取り付ける施行手順及びバスダクトシステムの構成部品の動作について図13を参照しながら説明する。
作業者は、先ず、図13(a)に示すように接続ユニット12の近傍に分岐装置20を配置し、図13(b)に示すように、分岐装置20の前壁22c側を下方にするように全体を傾斜させた状態でバスダクト10に近づけ、接続上下板350に設けられた位置決め孔354に分岐装置20の位置決め部340の位置決め片342を尖った下端から挿入し、位置決め片342の係止部342aを位置決め孔354の縁に係止する。
このとき、分岐装置20の扉開放部330の開放片332の底辺332cが傾斜した状態で開閉扉360の被接触片364に接触して鉛直下向きに押圧することにより、位置決め部340を位置決め孔354に挿入する方向へ移動させる力、すなわち、分岐装置20をバスダクト10へ近づける力が開閉扉360を開放する力に変換され、結果として開閉扉360が途中まで開放される(図13(b)参照)。これに伴い、被接触片364に対する扉開放部330の接触位置が扉開放部330の底辺332cの前方から後方に移動することになる。
そして、位置決め片342を支点にして、分岐装置20全体をバスダクト10に向けて回転させつつ更に近づけると、扉開放部330の開放片332の接触角度変更辺332dが開閉扉360の被接触片364に接触して回転方向に沿って押圧することになる。
このとき、回転に伴ってバスダクト10に対する分岐装置20の角度が小さくなる方向(開閉扉360を開放し難い方向)に角度が変化するが、被接触片364に対する扉開放部330の接触位置が接触角度変更辺332dに沿って移動することにより、被接触片364に対する開放片332の角度は、開閉扉360を開放し易い角度に維持される。尚、開閉扉360を開放し易い角度とは、バスダクト10に対する分岐装置20の角度より大きければよく、開放片332の底辺332cの長さや接触角度変更辺332dの設計によって適宜変更できる。尚、接触角度変更辺332dは、円弧形状だけでなく、複数の直線を組み合わせた多角形状や、他の曲線による形状、それらの複合形状でもよい。
その後、プラグインホール353に分岐用端子23が挿入されて、第一固定部材24、第三固定部材26により分岐装置20がバスダクト10に固定される点については、上述の第1〜3実施形態と同様である。尚、位置決め片342の係止部342aを位置決め孔354の縁に係止しているため、本実施形態では第2実施形態に設けていた第二固定部材125を特に設けていないが、より強固な固定のために設けるようにしても良い。
このように、第4実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、第4実施形態においても、第3実施形態と同様、位置決め部340を支点として分岐装置20を回転させることにより、開閉扉360を容易に開放してバスダクト10に装着することができる。尚、第4実施形態の場合は、位置決め孔354に対する位置決め部340の挿入に伴う動きによっても開閉扉360が一部開放されるようになっており、挿入後、分岐装置20を回転させることにより、最終的な位置まで開閉扉360が開放されるようになっている。これにより、回転のみによって開閉扉360を開放させる場合に比べて開閉扉360の移動量を大きく確保できる。一方、プラグインホール53を完全に開放するまでに必要な開閉扉360の移動量から、回転による開閉扉360の移動分を減らすことも出来る。その結果として、バスダクト10に対して分岐装置20をあまり傾けない状態を取付け開始状態として設定でき、バスダクト10に周囲のスペースが狭いような場合に作業が容易になるという効果も有する。
さらに、第4実施形態は、扉開放部330の開放片332が、位置決め部340と重なる程に分岐装置20の回転の支点側に設けられているため、位置決め部340と位置決め孔354とによる位置決めの直後に扉開放部330の開放片332と開閉扉360の被接触片364とが接触開始することになり、開閉扉360を開放するのに一番力が必要な接触開始点において極めて安定な接触が確保される。
尚、第4実施形態においても、位置決め部340と扉開放部330との二点によってバスダクト10に対して位置決めされた状態で分岐用端子23が挿入されることは上述した第1・第3実施形態と同様であり、分岐装置20は、分岐用端子23をプラグインホール53に挿入する際に、分岐用端子23の位置がズレることがほぼ防止され、良好な位置精度でプラグインホール53に挿入されることになる。
尚、分岐装置20の取り付ける際、第2実施形態の様に先ず位置決め部340で開閉扉360の開放を開始するようにして、その後、開閉扉360の開放を扉開放部330に受け渡すようにしても良い。そのためには、例えば位置決め部340の位置決め片342の先端を扉開放部330の開放片332よりも下方に大きく突出させる等すれば良く、そのための構成は適宜である。
尚、第4実施形態の開閉扉360において、図15(a)、(b)に示すように、被接触片364・364を連結して連結架橋部364aとすることで、分岐用端子23が挿通される切欠ではなく挿通孔364bとしても良く、その分だけ開閉扉360の強度を向上させることができる。この場合、挿通孔364bを挟んで係止部65aの対向する位置に係止部65bを設けることにより、開閉扉360を開放した際にもビス71等が係止部65bに係止されることになる。また、この連結架橋部364aは、接続上下板350の基部51から離間するように屈曲して持ち上げて形成するようにしても良く、そうすることで、連結架橋部364aが無い場合の機能(ゴミや埃をプラグインホール53内にこそぎ落とさない)も併せ持つことが可能となる。さらに、図15(c)に示すように、開閉扉360に連結架橋部364aを設けず、係止部65bのみを形成するようにしても良い。この構成により、ゴミや埃をプラグインホール53内にこそぎ落とさない機能と、開閉扉360を開放した際の係止部65bによる開閉扉360の係止機能を両立することができる。
以上、説明したように、本実施形態(第1〜4実施形態)によれば、バスダクト10に分岐装置20を取り付ける際に、プラグインホール53の位置に、分岐装置20を容易に位置合わせでき、且つ開閉扉(60、160、260、360)を自動で開放させることができるため、上述した従来技術と比べて、施工性が向上する。また、本実施形態によれば、プラグインホール53に分岐装置20が取り付けられていない状態のときには、付勢手段(バネ70)に付勢された開閉扉(60、160、260、360)によりプラグインホール53が閉塞されているため、バスダクト10の保護性能も確保されている。
尚、本発明は、上述した実施形態(第1〜4実施形態)に限らず、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、第1乃至第4実施形態では、絶縁被覆型バスダクト10を用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、空気絶縁型バスダクトであっても良い。
また、第1乃至第4実施形態では、分岐装置20の扉開放部の開放片や位置決め部の位置決め片がバスダクト10のハウジング内に挿入されない場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ハウジングに開口を設けてハウジング内に収納するようにしても良い。
さらに、第1乃至第4実施形態では、一枚の開閉扉をバスダクト10の長手方向の後方側にスライドさせてプラグインホール53を開放するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、開閉扉を二つに分けて突き合わせ配置し、一方をバスダクト10の長手方向のうち前方側にスライドさせると共にもう一方を後方側にスライドさせてプラグインホール53を開放するようにしても良いし、開閉扉をバスダクトの幅方向にスライドさせて開放するようにしても良いし、観音開きタイプの開閉扉であっても良い。すなわち、分岐装置20をバスダクト10に近づける動作(回転も含む)により開閉扉を開放(開閉扉を開方向に動かしてプラグインホール53を開放)できるのであれば、開閉扉の開閉構造に特に限定はない。
また、第1乃至第4実施形態では、プラグインホールをバスダクト10に係る接続ユニット12に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば絶縁被覆型のバスダクトであればバスダクトユニット11の一部をバスダクトの厚み方向に膨張させた膨張部を形成し、その膨張部に接続上下板50及び開閉扉60を配置して設けるようにしてもよい。さらに、空気絶縁型のバスダクトであれば、バスダクトユニット11にプラグインホール及び位置決め孔等を設け、その部分を開閉できるように開閉扉60を設けても良く、どちらの構造でも、上述した第1乃至第4実施形態と同様の効果を有することができる。
以上、第1乃至第4実施形態及び変形例のバスダクトシステムについて説明したが、本発明はこれらに限定されず、実施形態や変形例の各構成を部分的に抽出して構成した形態や、その一部又は全部を任意に抽出して組み合わせて構成した形態や、各構成を適宜変更した形態についても広く包含するものである。
10…バスダクト
11…バスダクトユニット
111…絶縁被覆導体
111a…導体
112…パイプスペーサ(スペーサ)
113…側板
113a…第1補強部
113b…第2補強部
114a…ボルト
114b…ナット
12…接続ユニット
121…導電性接続部材
122…絶縁セパレータ
123…接続側板
125…押圧部材
125…絶縁スリーブ
126…締着具

50、90、150、250、350…接続上下板
51…基部
52…補強片
53…プラグインホール
54、154、254、354…位置きめ孔

60、160、260、360…開閉扉
61…基部
62…スライド側片
63…スライド下片
64、164、264、364…被接触片
65…切欠
65a…係止部
70…ばね(付勢手段)
164…前端縁

20…分岐装置
22…箱体
22a…底面
22b…側壁
22c…前壁
22d…後壁
22e…蓋体
23…分岐用端子
23a…端子台
23b…ブレーカー
23c…可撓性導線
24…第一固定部材
25…第二固定部材
26…第三固定部材

30、130…扉開放部
31…基部
31a…端子孔
31b…前方側辺
32…開放片
32a…前方辺
32b…底辺
32c…傾斜辺

40…位置決め部
41…基部
41b…後方側辺
42…位置決め片
42a…前方辺
42b…底辺
42c…後方辺

230…扉開放部
232…開放片
232a…接触角度変更辺
240…位置決め部
242…位置決め片
242a…係止部

330…扉開放部
331…基部
331a…前方側辺
332…開放片
332a…前部傾斜辺
332b…露出部
332c…底辺
332d…接触角度変更辺
332e…箱体支持辺
339…端子孔

340…位置決め部
341…基部
342…位置決め片
341a…前方側辺
342a…係止部
342b…前部傾斜辺
342c…後部斜辺
342d…案内辺
342e…箱体支持辺
349…端子孔

Claims (6)

  1. プラグインホールが設けられたハウジングを有するバスダクトと、前記プラグインホールの位置に取り付けられる分岐装置とを備えたバスダクトシステムであって、
    前記ハウジングには、前記プラグインホールを開閉する開閉扉が設けられ、
    前記分岐装置には、前記開閉扉に閉塞されているプラグインホールに前記分岐装置を近づける動作により該開閉扉を開放方向へ動かす扉開放部が設けられ、
    前記扉開放部は、前記バスダクトに取り付けられた際に、該バスダクトの前記ハウジングの内側に挿入されないようになっていることを特徴とするバスダクトシステム。
  2. 記扉開放部は、前記開閉扉に接触し開閉扉を開放方向へ動かすようになっていることを特徴とする請求項1に記載のバスダクトシステム。
  3. 前記分岐装置は、前記プラグインホールに挿入される分岐用端子と、該分岐用端子を突出させた状態で支持する箱体とを備え、
    前記扉開放部は、前記分岐装置の平面視において前記箱体の外部に露出した位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバスダクシステム。
  4. 前記ハウジングには、前記分岐装置の取り付け位置の位置決めのための第1の位置決め部が形成され、
    前記分岐装置には、前記ハウジングに対する取り付け位置の位置決めのための第2の位置決め部が形成され、
    前記扉開放部は、前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部とが位置合わせされた状態で、前記開閉扉に閉塞されているプラグインホールに前記分岐装置を近づける動作により該開閉扉を開放方向へ動かすことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のバスダクトシステム。
  5. 前記分岐装置は、前記プラグインホールに挿入される分岐用端子と、該分岐用端子を突出させた状態で支持する箱体とを備え、
    前記第2の位置決め部は、前記分岐装置の平面視において前記箱体の外部に露出した位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のバスダクトシステム。
  6. 前記ハウジングは、断面視略ロの字形状に形成され、
    前記略ロの字形状のハウジングの内側に導体が収容され、
    前記扉開放部は、前記バスダクトに前記分岐装置が取り付けられた際に、前記ロの字形状のハウジングの内側に挿入されないようになっていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のバスダクトシステム。
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