JP6635743B2 - 蓄電池保全装置、及び、蓄電池保全方法 - Google Patents

蓄電池保全装置、及び、蓄電池保全方法 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電池保全装置、及び、蓄電池保全方法に関する。
近年、再生可能エネルギーの普及に伴う負荷平準化を図るための有効手段として、分散型電源としての蓄電池システムの普及が進みつつある。こうした蓄電池システムに用いられる蓄電池は、充放電を繰り返すにつれて劣化が進行していく。
ここで、特許文献1には、蓄電池の寿命を予測する寿命予測装置が開示されている。より具体的には、この寿命予測装置は、蓄電デバイスを運転制御する寿命予測用運転制御部と、複数の運転条件の測定データを収集し、評価特性を算出して逐次蓄積するデータ収集部と、蓄積された評価データを、適切な近似関数でカーブフィッティングすることにより、評価特性と運転時間との関係を示す回帰式を作成するデータ解析部と、回帰式を基に、任意の運転条件における評価特性の予測値を算出する寿命予測式を作成する寿命予測式作成部とを備えている。そして、作成した寿命予測式を参照することで、蓄電池の劣化度合いを推測することができる。
国際公開第2014/103705号
上述したように、特許文献1の寿命予測装置では、複数の運転条件の測定データに基づいて、評価特性を算出し、逐次データに蓄積している。そのため、寿命予測を行うためのデータ量が膨大となるおそれがある。特に、例えば、大型の蓄電システムや電気自動車などに使用されるリチウムイオン電池システム(組電池)は、多数の単電池から構成されているものが多く、劣化状態等を判定・管理するため、複数の単電池それぞれについて、例えば、電圧、電流、温度などの測定データを取得(サンプリング)して記憶、及び/又は送信しようとした場合、取り扱うデータ量が膨大な量となり、ストレージの記憶容量や通信量(通信料)が膨大となるおそれがあった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、蓄電池の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能な蓄電池保全装置及び蓄電池保全方法を提供することを目的とする。
本発明に係る蓄電池保全装置は、組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段により検出された所定のタイミングにおける電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類手段と、単電池それぞれについて、各電圧区分毎に、当該各電圧区分に分類された度数を取得する度数取得手段と、度数取得手段により取得された度数に基づいて、各単電池が属する電圧区分を決定する区分決定手段と、電圧区分毎に、当該電圧区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る蓄電池保全方法は、組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出ステップと、電圧検出ステップにおいて検出された所定のタイミングにおける電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類ステップと、単電池それぞれについて、各電圧区分毎に、当該各電圧区分に分類された度数を取得する度数取得ステップと、度数取得ステップにおいて取得された度数に基づいて、各単電池が属する電圧区分を決定する区分決定ステップと、電圧区分毎に、当該電圧区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、所定のタイミングにおける電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかが分類され、単電池それぞれについて、各電圧区分毎に、当該各電圧区分に分類された度数が取得され、取得された度数に基づいて、各単電池が属する電圧区分が決定される。そして、電圧区分毎に、当該電圧区分に属すると決定された単電池の劣化が判定される。そのため、全ての測定データを記憶等する必要がなく、また、電圧区分毎に、該電圧区分に属する単電池の劣化を統合的に判定することができる。その結果、蓄電池の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明に係る蓄電池保全装置では、劣化判定手段が、上記電圧区分の内、最も電圧値の高い電圧区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
また、本発明に係る蓄電池保全方法では、劣化判定ステップにおいて、上記電圧区分の内、最も電圧値の高い電圧区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
ところで、通常、高電位になるほど蓄電池の劣化が加速する。ここで、本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、電圧区分の内、最も電圧値の高い電圧区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化が判定される。すなわち、組電池の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つの単電池で代表させて判定することができる。その結果、蓄電池(組電池)の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明に係る蓄電池保全装置では、分類手段が、充電完了時の電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類することが好ましい。
この場合、充電完了時の電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかが分類される。そのため、充電完了時の電圧区分毎に、該電圧区分に属する単電池の劣化を統合的に判定することができる。また、組電池の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つの単電池で代表させて判定することができる。
本発明に係る蓄電池保全装置は、組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段により検出された所定の期間における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類手段と、積分値区分毎に、当該積分値区分に属する単電池の劣化を判定する劣化判定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る蓄電池保全方法は、組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出ステップと、電圧検出ステップにおいて検出された所定の期間における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類ステップと、積分値区分毎に、当該積分値区分に属する単電池の劣化を判定する劣化判定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、所定の期間(区間)における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかが分類され、積分値区分毎に、当該積分値区分に属する単電池の劣化が判定される。そのため、積分値区分毎に、該積分値区分に属する単電池の劣化を統合的に判定することができる。その結果、蓄電池の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明に係る蓄電池保全装置では、劣化判定手段が、上記積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
また、本発明に係る蓄電池保全方法では、劣化判定ステップにおいて、上記積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
ところで、通常、高電位状態に長時間おかれるほど蓄電池の劣化が加速する。ここで、本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化が判定される。すなわち、組電池の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つの単電池で代表させて判定することができる。その結果、蓄電池(組電池)の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明に係る蓄電池保全装置は、組電池を構成する複数の単電池それぞれの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出された所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類手段と、単電池それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数を取得する度数取得手段と、度数取得手段により取得された度数に基づいて、各単電池が属する温度区分を決定する区分決定手段と、温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る蓄電池保全方法は、組電池を構成する複数の単電池それぞれの温度を検出する温度検出ステップと、温度検出ステップにおいて検出された所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類ステップと、単電池それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数を取得する度数取得ステップと、度数取得ステップにおいて取得された度数に基づいて、各単電池が属する温度区分を決定する区分決定ステップと、温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定ステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分の内いずれの区分に属するかが分類され、単電池それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数が取得され、取得された度数に基づいて、各単電池が属する温度区分が決定される。そして、温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定された単電池の劣化が判定される。そのため、温度区分毎に、該温度区分に属する単電池の劣化を統合的に判定することができる。その結果、蓄電池の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明に係る蓄電池保全装置では、劣化判定手段が、温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
また、本発明に係る蓄電池保全方法では、劣化判定ステップにおいて、温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
ところで、通常、高温になるほど蓄電池の劣化が加速する。ここで、本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化が判定される。すなわち、組電池の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つの単電池で代表させて判定することができる。その結果、蓄電池(組電池)の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明に係る蓄電池保全装置では、劣化判定手段が、温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
また、本発明に係る蓄電池保全方法では、劣化判定ステップにおいて、温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化を判定することが好ましい。
ところで、通常、低温充電時には蓄電池の温度が低いほど異常劣化が進む(例えば、リチウムデンドライトの生成が促進される)。ここで、本発明に係る蓄電池保全装置、又は蓄電池保全方法によれば、温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化が判定される。すなわち、組電池の異常劣化(例えばリチウムデンドライトの生成)を、最も異常劣化が進んでいると推定される1つの単電池で代表させて判定することができる。その結果、保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池(組電池)の劣化状態を管理することが可能となる。
本発明によれば、蓄電池の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確に蓄電池(組電池及び該組電池を構成する単電池)の劣化状態を管理することが可能となる。
第1実施形態に係る蓄電池保全装置、及び該蓄電池保全装置が適用されたEMSの構成を示すブロック図である。 EMSを構成する蓄電システムのブロック図である。 蓄電システムを構成するバッテリモジュールのブロック図である。 単電池の充電完了時電圧を電圧区分毎に分類したときの一例を示す図である。 第1実施形態に係る蓄電池保全装置による蓄電池保全処理の処理手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る蓄電池保全装置、及び該蓄電池保全装置が適用されたEMSの構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る蓄電池保全装置、及び該蓄電池保全装置が適用されたEMSの構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係る蓄電池保全装置、及び該蓄電池保全装置が適用されたEMSの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を併せて用いて、第1実施形態に係る蓄電池保全装置1の構成について説明する。図1は、蓄電池保全装置1及び該蓄電池保全装置1が適用されたEMS(Energy Management system)20の構成を示すブロック図である。なお、ここでは、蓄電池保全装置1が、例えば事務所や工場等の高圧受電契約の電力需要者が保有するEMS20に適用された場合を例にして説明する。
蓄電池保全装置1は、主として、データサーバ10と、蓄電システムデマンド監視装置24と、蓄電システム26とから構成されている。データサーバ10は、保全センターに設置されており、複数のEMS20,20における蓄電システム26とデマンドの管理を行っている。データサーバ10は、演算処理を行うCPU、該CPUによって実行されるプログラムを記憶するHDDやROM、データを一時的に記憶するRAM、EMS20との間でデータを送受信する通信インターフェイスなどを備えて構成されている。
データサーバ10(保全センター)は、蓄電システム26の管理にあたって、該蓄電システム26に関するデータ受信、解析・状態分析、データベース化、状態情報の通報、異常警報の受信やその警報の対処などを行う。また、デマンド管理にあたって、デマンドに関するデータの受信、解析やデマンドの予測、管理パラメータの生成、制御値の送受信、警報の受信やその警報の対処などを行う。
さらに、データサーバ10(保全センター)は、EMS20で収集したデマンド電力・環境情報、電池情報等をデータベース化し、このデータベースの情報に基づいて判断される蓄電池(リチウムイオン電池)や各機器の劣化状態、異常状態等の予測や監視を行う。またこれらの情報をEMS20におけるデマンド制御装置25に送信してEMS20の需要者にその状態を表示するとともに、必要に応じて各機器の遠隔操作や緊急停止信号の送信や保全出動の判断を行う。
EMS20は、高圧受電設備21と、太陽光発電設備22と、設備機器23とを備えている。また、EMS20は、蓄電システムデマンド監視装置24と、デマンド制御装置25と、蓄電システム26とを備えている。なお、高圧受電設備21には、6.6kVの系統配線Lが接続されている。
高圧受電設備21は、EMS20を所有する需要者の構内に設置され、系統配線Lから供給される電気を受電し、降圧して設備機器23に供給する。太陽光発電設備22は、太陽電池およびパワーコンディショナを備えている。太陽光発電設備22では、太陽電池が発電する直流電力をパワーコンディショナによって交流電力に変換し、三相200V(または単相200V)配電系統に接続して設備機器23に電力を供給する。設備機器23は、需要者の建物内の空調、換気機器、工作機械、エレベータ等の照明やOA機器などである。これらの設備機器23には、温度や消費電力などの状態を検出する状態検出センサや設備機器を運転する際の制御装置などが設けられている。
蓄電システムデマンド監視装置24は、通信インターフェイスを備えており、例えば、蓄電システム26の電池状態、及び高圧受電設備21や設備機器23等の状態監視データを収集し、保全センターのデータサーバ10に送信する。また、データサーバ10から送信される情報を受信し、デマンド制御装置25に伝送する。
デマンド制御装置25は、各設備機器23および蓄電システム26の充放電の最適運転となるように組み込まれたアルゴリズムに基づく制御を行う。デマンド制御装置25は、制御対象となる設備機器23の状態検出センサや制御装置とのインターフェイスを備えている。さらには、蓄電システム26や蓄電システムデマンド監視装置24とのインターフェイスを備えている。デマンド制御装置25では、需要者における省エネルギー化、負荷標準化、およびピークカットを実現している。
蓄電システム26は、図2に示すように、バッテリパック31を備えている。バッテリパック31には、制御電源32、統合ECU(Energy Control Unit)33、およびジャンクション回路34が接続されている。また、ジャンクション回路34には、インバータ35が接続されている。
バッテリパック31は、BMU(Battery Management Unit)41および複数のバッテリモジュール42(特許請求の範囲に記載の組電池に相当)を備えている。また、バッテリモジュール42の間には、安全プラグ43が介在されている。また、バッテリパック31には、該バッテリパック31を冷却するための冷却システム44が設けられている。冷却システム44としては、空冷式のものと水冷式のものとのいずれを用いることもできる。
バッテリモジュール42は、図3に示すように、複数のセル(単電池:リチウムイオン電池)42A,42Aを有して構成されている。各セル42Aそれぞれには、該セル42の電圧を検出する電圧センサ51(特許請求の範囲に記載の電圧検出手段に相当)、および該セル42の温度を検出する温度センサ53(特許請求の範囲に記載の温度検出手段に相当)が設けられている。また、バッテリモジュール42は、系(バッテリモジュール42)に流れる電流値を検出する電流センサ52を有している。電圧センサ51、電流センサ52、および温度センサ53は、BMU41に接続されている。
BMU41は、電圧センサ51により検出された電圧値、電流センサ52により検出された電流値、及び、温度センサ53により検出された温度を所定の周期、例えば50〜100msec周期で読み込み、充放電禁止・許可・停止等の信号を統合ECU33に出力する。統合ECU33は、BMU41から出力された信号に基づいてジャンクション回路34(インバータ35)を制御する。
さらに、統合ECU33は、これらの電圧値、電流値、および温度等の情報を蓄電システムデマンド監視装置24に伝送する。蓄電システムデマンド監視装置24は、伝送されたこれらの情報を、例えば、電圧区分毎に分類・区分け等した後、データサーバ10に送信する。なお、詳細は後述する。データサーバ10は、受信した電圧区分毎の分類・区分け情報等に基づいて、蓄電システム26が有するバッテリモジュール42(セル42A)について、劣化しているか否かの判定などを行う。なお、本実施形態では、バッテリモジュール42(セル42A)が劣化しているか否かの判定を保全センターのデータサーバ10で行っているが、例えば、EMS20内における蓄電システムデマンド監視装置24などで行うようにすることもできる。
特に、蓄電システムデマンド監視装置24及びデータサーバ10は、バッテリモジュール42(セル42A)の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42(セル42A)の劣化状態を管理する機能を有している。そのため、蓄電システムデマンド監視装置24は、分類部241、度数取得部242、及び区分決定部243を機能的に備えている。また、データサーバ10は、劣化判定部101を機能的に備えている。蓄電システムデマンド監視装置24では、例えばHDD等に記憶されているプログラムがCPUで実行されることにより、分類部241、度数取得部242、及び区分決定部243の各機能が実現される。同様に、データサーバ10では、例えばHDD等に記憶されているプログラムがCPUで実行されることにより、劣化判定部101の機能が実現される。
分類部241は、電圧センサ51により検出された所定のタイミングにおける電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分(管理区分)(以下、単に「区分」ともいう)の内いずれの区分に属するかを分類する。より具体的には、分類部241は、例えば、充電完了時の電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類する(例えば、図4参照)。すなわち、分類部241は、特許請求の範囲に記載の分類手段として機能する。
ここで、例えば、各セル42A(単電池)にID(例えば1〜n)が付与されたバッテリモジュール42(組電池)において、満充電と定義するセル電圧を4.050(V)とすると、その電圧値到達時がバッテリモジュール42の充電完了となり、電流印加が停止されるが、その電圧に到達するセル42Aは1個(または数個)のセル42Aとなる。
そこで、図4に示されるように、充電完了電圧を、例えば、4つの電圧区分A〜D、すなわち、4.050(V)以上の区分A、4.050(V)未満4.040(V)以上の区分B、4.040(V)未満4.030(V)以上の区分C、4.030(V)未満4.020(V)以上の区分Dに分類する。
なお、本実施形態では10mV毎に区分A〜Dの4区分(グループ)に分類して管理したが、例えば、対象となるセル42A(単電池)の品質バラツキによっては、例えば、20mV毎に区分(グループ分け)してもよい。又は、区分の数(範囲)を増やして5区分(グループ)以上としてもよい。なお、分類部241によって分類された結果は、度数取得部242に出力される。
度数取得部242は、例えば、複数回、充電(充放電)が行われた場合に、セル42A(単電池)それぞれについて、各電圧区分A〜D毎に、当該各電圧区分A〜Dに分類された度数(回数)を取得する。すなわち、度数取得部242は、特許請求の範囲に記載の度数取得手段として機能する。なお、度数取得部242により取得された各電圧区分A〜Dに分類されたセル42Aそれぞれの度数(回数)は、区分決定部243に出力される。
区分決定部243は、度数取得部242により取得された度数に基づいて、各セル42A(単電池)それぞれが属する電圧区分を決定する。より具体的には、区分決定部243は、各セル42Aについて、度数が最も大きい電圧区分を、当該セル42Aが属する区分(電圧区分)として決定する。すなわち、区分決定部243は、特許請求の範囲に記載の区分決定手段として機能する。
ここで、例えば、充電が1000回行われた場合に、あるセル42Aの充電完了時の電圧が、4.050V(区分A)のときが800回であり、4.040以上4.050未満(区分B)のときが200回であったとした場合、このセル42Aは、4.050Vの区分(すなわち区分A)に分類される。なお、区分決定部243により決定された各セル42Aが属する区分、及びその度数などの情報は、劣化判定部101に出力される。
劣化判定部101は、電圧区分A〜D毎に、当該電圧区分A〜Dに属すると決定されたセル42Aの劣化を判定(定義)する。また、劣化判定部101は、電圧区分A〜Dの内、最も電圧値の高い電圧区分Aに属し、かつ最も度数が大きいセル42Aに基づいて、バッテリモジュール42の劣化を判定する。すなわち、劣化判定部101は、特許請求の範囲に記載の劣化判定手段として機能する。
ここで、充電完了電圧は、個々のセル42A固有の内部抵抗値との関係で、開放端子電圧+電流×内部抵抗値で表され、略全てのセル42Aがそれぞれ同様の充電完了電圧となることから、初期からセル42A個々の充電完了電圧を上記区分AからDに分類することができ、4区分(グループ)の寿命定義とすることで、全てのセル(単電池)データを取り扱うことなく寿命(すなわち、劣化の程度)を判定・管理することができる。
その際に、バッテリモジュール42(蓄電システム)の寿命判定や寿命推定は、区分Aの単電池のみで定義することができ、区分B、C、Dはそれぞれの代表的なセル42A(単電池)で定義すればよい。区分Aの寿命判定や寿命推定は、例えば、初期状態から取得している充電完了時の容量(Wh)の垂下特性を算出して、初期状態に対する比率から算出することができる。区分B、C、Dは、上記充電完了電圧値到達(4.050(V))までの所要時間を当該区分における代表的なセル42Aの充電状態データから推定して容量を定義することで、膨大な個々のセル42Aの状態情報データを取り扱うことなく寿命判定や寿命推定ができる。
なお、充電時の各セル42A(単電池)の温度が該セル42Aの内部抵抗に影響を及ぼすことから、予め各温度に対する補正係数を設定しておくことが好ましい。
次に、図5を参照しつつ、蓄電池保全装置1の動作について説明する。ここで、図5は、蓄電池保全装置1による蓄電池保全処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、主として、蓄電システムデマンド監視装置24及びデータサーバ10において、所定のタイミングで繰り返して実行される。
ステップS100(電圧検出ステップ)では、バッテリモジュール42(組電池)を構成する複数のセル42A(単電池)それぞれの電圧が検出されて読み込まれる。
続いて、ステップS102(分類ステップ)では、ステップS100において検出された所定のタイミング(例えば、充電完了時)における電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分A〜Dの内いずれの区分に属するかが分類される。なお、区分の分類方法については上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
続くテップS104(度数取得ステップ)では、セル42A(単電池)それぞれについて、各電圧区分A〜D毎に、当該各電圧区分A〜Dに分類された度数が取得される。
次に、ステップS106(区分決定ステップ)では、ステップS104において取得された度数に基づいて、各セル42Aが属する電圧区分が決定される。なお、電圧区分の決定の仕方については上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
そして、ステップS108(劣化判定ステップ)では、電圧区分A〜D毎に、当該電圧区分A〜D(特に区分A)に属すると決定されたセル42Aの劣化が判定(定義)される。また、ステップS108では、電圧区分A〜Dの内、最も電圧値の高い電圧区分Aに属し、かつ最も度数が大きいセル42Aに基づいて、バッテリモジュール42の劣化が判定される。なお、セル42Aの劣化判定(定義)、及びバッテリモジュール42の劣化判定の方法については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、充電完了時の電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかが分類され、セル42A(単電池)それぞれについて、各電圧区分毎に、当該各電圧区分に分類された度数が取得され、取得された度数に基づいて、各セル42Aが属する電圧区分が決定される。そして、充電完了時の電圧区分毎に、当該電圧区分に属すると決定されたセル42Aの劣化が判定される。そのため、全ての測定データを記憶等する必要がなく、また、電圧区分毎に、該電圧区分に属するセル42Aの劣化を統合的に判定することができる。その結果、バッテリモジュール42及び各セル42Aの保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42及び各セル42Aの劣化状態を管理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、電圧区分の内、最も電圧値の高い電圧区分に属し、かつ最も度数(回数)が大きいセル42A(単電池)に基づいて、バッテリモジュール42(組電池)の劣化が判定される。すなわち、バッテリモジュール42の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つのセル42Aで代表させて判定することができる。その結果、バッテリモジュール42の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42の劣化状態を管理することが可能となる。
(第2実施形態)
ところで、通常、蓄電池(リチウムイオン電池)は、高電位状態に長時間おかれるほど劣化が加速する。そこで、上述した第1実施形態では、セル42Aを充電完了時の電圧値で区分(グループ化)したが、電圧の積分値(電圧×時間、すなわち、高電位状態に置かれている時間)に応じて区分(グループ化)するようにしてもよい。
そこで、次に、図6を用いて、第2実施形態に係る蓄電池保全装置1Bの構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る蓄電池保全装置1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図6は、第2実施形態に係る蓄電池保全装置1B、及び該蓄電池保全装置1Bが適用されたEMS20Bの構成を示すブロック図である。なお、図6において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
蓄電池保全装置1Bは、EMS20に代えてEMS20Bを備えている点、及びデータサーバ10に代えてデータサーバ10Bを備えている点で、上述した蓄電池保全装置1と異なっている。EMS20Bは、蓄電システムデマンド監視装置24に代えて、蓄電システムデマンド監視装置24Bを備えており、この蓄電システムデマンド監視装置24Bは、分類部241に代えて分類部241Bを有している点、及び度数取得部242、区分決定部243を有していない点で上述した蓄電システムデマンド監視装置24と異なっている。また、データサーバ10Bは、劣化判定部101に代えて、劣化判定部101Bを有している点で上述したデータサーバ10と異なっている。その他の構成は、上述した蓄電池保全装置1と同一または同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
分類部241Bは、電圧センサ51により検出された所定の期間(区間)における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかを分類する。より具体的には、分類部241は、例えば、充電完了後の所定期間の電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかを分類する。すなわち、分類部241Bは、特許請求の範囲に記載の分類手段として機能する。なお、分類部241Bにより分類された結果は、劣化判定部101Bに出力される。
劣化判定部101Bは、積分値区分毎に、当該積分値区分に属するセル42A(単電池)の劣化を判定(定義)する。また、劣化判定部101Bは、積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、バッテリモジュール42(組電池)の劣化を判定する。すなわち、劣化判定部101は、特許請求の範囲に記載の劣化判定手段として機能する。なお、セル42Aの劣化判定(定義)、及びバッテリモジュール42の劣化判定の方法については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、検出された所定の期間(例えば、充電完了後の所定期間)における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかが分類され、積分値区分毎に、当該積分値区分に属するセル42A(単電池)の劣化が判定される。そのため、積分値区分毎に、該積分値区分に属するセル42Aの劣化を統合的に判定することができる。その結果、バッテリモジュール42及び各セル42Aの保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42及び各セル42Aの劣化状態を管理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、組電池の劣化が判定される。すなわち、バッテリモジュール42(組電池)の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つのセル42A(単電池)で代表させて判定することができる。その結果、バッテリモジュール42の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42の劣化状態を管理することが可能となる。
(第3実施形態)
ところで、通常、蓄電池(リチウムイオン電池)は、高温になるほど劣化が進む。そこで、上述した第1実施形態では、セル42Aを、充電完了時の電圧値で区分(グループ化)したが、温度(高温側)に応じて区分(グループ化)する構成としてもよい。
そこで、次に、図7を用いて、第3実施形態に係る蓄電池保全装置1Cの構成について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る蓄電池保全装置1と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図7は、第3実施形態に係る蓄電池保全装置1C及び該蓄電池保全装置1Cが適用されたEMS20Cの構成を示すブロック図である。なお、図7において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
蓄電池保全装置1Cは、EMS20に代えてEMS20Cを備えている点、及びデータサーバ10に代えてデータサーバ10Cを備えている点で、上述した蓄電池保全装置1と異なっている。EMS20Cは、蓄電システムデマンド監視装置24に代えて、蓄電システムデマンド監視装置24Cを備えており、この蓄電システムデマンド監視装置24Cは、分類部241、度数取得部242、区分決定部243に代えて、分類部241C、度数取得部242C、区分決定部243Cを有している点で上述した蓄電システムデマンド監視装置24と異なっている。また、データサーバ10Cは、劣化判定部101に代えて、劣化判定部101Cを有している点で上述したデータサーバ10と異なっている。その他の構成は、上述した蓄電池保全装置1と同一または同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
分類部241Cは、温度センサ53により検出された所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分(高温側管理区分)の内いずれの区分に属するかを分類する。より具体的には、分類部241Cは、例えば、充電完了時の温度が、予め複数設定されている所定の温度区分(例えば、40℃以上、40℃未満38℃以上、38℃未満36℃以上、36℃未満34℃以上など)の内いずれの区分に属するかを分類する。すなわち、分類部241Cは、特許請求の範囲に記載の分類手段として機能する。なお、分類部241Cによって分類された結果は、度数取得部242Cに出力される。
度数取得部242Cは、セル42A(単電池)それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数(回数)を取得する。すなわち、度数取得部242Cは、特許請求の範囲に記載の度数取得手段として機能する。なお、度数取得部242Cにより取得された度数は、区分決定部243Cに出力される。
区分決定部243Cは、度数取得部242Cにより取得された度数に基づいて、各セル42A(単電池)が属する温度区分を決定する。より具体的には、区分決定部243Cは、各セル42Aについて、度数が最も大きい温度区分を、当該セル42Aが属する区分(温度区分)として決定する。すなわち、区分決定部243Cは、特許請求の範囲に記載の区分決定手段として機能する。なお、区分の決定方法については上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。区分決定部243Cにより決定された各セル42Aが属する区分、及びその度数などの情報は、劣化判定部101Cに出力される。
劣化判定部101Cは、温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定されたセル42Aの劣化を判定(定義)する。また、劣化判定部101Cは、温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も度数が大きいセル42Aに基づいて、バッテリモジュール42(組電池)の劣化を判定する。すなわち、劣化判定部101Cは、特許請求の範囲に記載の劣化判定手段として機能する。なお、セル42Aの劣化判定、及びバッテリモジュール42の劣化判定の方法については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、所定のタイミング(例えば充電完了時)における温度が、予め複数設定されている所定の温度区分の内いずれの区分に属するかが分類され、セル42A(単電池)それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数(回数)が取得され、取得された度数に基づいて、各セル42Aの温度区分が決定される。そして、温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定されたセル42Aの劣化が判定される。そのため、温度区分毎に、該温度区分に属するセル42Aの劣化を統合的に判定することができる。その結果、バッテリモジュール42及び各セル42Aの保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42及び各セル42Aの劣化状態を管理することが可能となる。
また、本実施形態によれば、温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も度数が大きい単電池に基づいて、バッテリモジュール42(組電池)の劣化が判定される。すなわち、バッテリモジュール42の劣化を、最も劣化が進んでいると推定される1つのセル42Aで代表させて判定することができる。その結果、バッテリモジュール42の保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42の劣化状態を管理することが可能となる。
(第4実施形態)
ところで、通常、蓄電池(リチウムイオン電池)は、充電時における蓄電池の温度が低いほど異常劣化が進む(例えば、リチウムデンドライトの生成が促進される)。そこで、上述した第1実施形態では、セル42Aを、充電完了時の電圧値で区分(グループ化)したが、温度(低温側(例えば、15℃以下))に応じて区分(グループ化)する構成としてもよい。
そこで、次に、図8を用いて、第4実施形態に係る蓄電池保全装置1Dの構成について説明する。ここでは、上述した第3実施形態に係る蓄電池保全装置3と同一・同様な構成については説明を簡略化又は省略し、異なる点を主に説明する。図8は、第4実施形態に係る蓄電池保全装置1D、及び該蓄電池保全装置1Dが適用されたEMS20Dの構成を示すブロック図である。なお、図8において第3実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
蓄電池保全装置1Dは、EMS20Cに代えてEMS20Dを備えている点、及びデータサーバ10Cに代えてデータサーバ10Dを備えている点で、上述した蓄電池保全装置3と異なっている。EMS20Dは、蓄電システムデマンド監視装置24Cに代えて、蓄電システムデマンド監視装置24Dを備えており、この蓄電システムデマンド監視装置24Dは、分類部241Cに代えて分類部241Dを有している点で上述した蓄電システムデマンド監視装置24と異なっている。また、データサーバ10Dは、劣化判定部101Cに代えて、劣化判定部101Dを有している点で上述したデータサーバ10Cと異なっている。その他の構成は、上述した蓄電池保全装置3と同一または同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
分類部241Dは、温度センサ53により検出された所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分(低温側管理区分)の内いずれの区分に属するかを分類する。より具体的には、分類部241Dは、例えば、充電完了時の温度が、予め複数設定されている所定の温度区分(例えば、15℃未満、15℃以上17℃未満、17℃以上19℃未満、19℃以上21℃未満など)の内いずれの区分に属するかを分類する。
劣化判定部101Dは、温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定されたセル42A(単電池)の劣化を判定(定義)する。また、劣化判定部101Dは、温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も度数(回数)が大きいセル42Aに基づいて、バッテリモジュール42(組電池)の異常劣化(リチウムイオンデンドライトの析出)を判定する。
本実施形態によれば、温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も度数(回数)が大きいセル42A(単電池)に基づいて、バッテリモジュール42(組電池)の劣化が判定される。すなわち、バッテリモジュール42の異常劣化(リチウムデンドライトの生成)を、最も異常劣化が進んでいると推定される1つのセル42Aで代表させて判定することができる。その結果、保全(管理)に用いるデータ量を削減でき、かつ適確にバッテリモジュール42Aの劣化状態を管理することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をEMS20に用いられるバッテリモジュール42に適用したが、例えば、電気自動車やハイブリッド車に搭載されるバッテリモジュールに適用することもできる。
また、保全センターのデータサーバ10と、EMS20を構成する蓄電システムデマンド監視装置24との機能分担は、上記実施形態に限られることなく、求められる要件やコスト等により任意に変更してもよい。
また、上記実施形態では、セル42Aごとに温度を検出しているが、バッテリモジュール42ごとに温度を検出してもよい。
上記実施形態では、度数が最も多い区分をセル42A(単電池)の属する区分と決定したが、例えば、電圧値(区分)と度数との乗算値に応じて区分を決めてもよい。
なお、上述した第1〜第4実施形態に係る蓄電池の保線装置/保全方法は、単独で用いることもできるが、互いに組み合わせて用いてもよい。
1,1B,1C,1D 蓄電池保全装置
10,10B,10C,10D データサーバ
101,101B,101C,101D 劣化判定部
20,20B,20C,20D EMS
21 高圧受電設備
22 太陽光発電設備
23 設備機器
24,24B,24C,24D 蓄電システムデマンド監視装置
241,241B,241C,241D 分類部
242,242C 度数取得部
243,243C 区分決定部
25 デマンド制御装置
26 蓄電システム
31 バッテリパック
32 制御電源
33 統合ECU
34 ジャンクション回路
35 インバータ
41 BMU
42 バッテリモジュール
42A セル
43 安全プラグ
44 冷却システム
51 電圧センサ
52 電流センサ
53 温度センサ

Claims (15)

  1. 組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された所定のタイミングにおける電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類手段と、
    前記単電池それぞれについて、各電圧区分毎に、当該電圧区分に分類された度数を取得する度数取得手段と、
    前記度数取得手段により取得された度数に基づいて、各単電池が属する電圧区分を決定する区分決定手段と、
    前記電圧区分毎に、当該電圧区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする蓄電池保全装置。
  2. 前記劣化判定手段は、前記電圧区分の内、最も電圧値の高い電圧区分に属し、かつ最も前記度数が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池保全装置。
  3. 前記分類手段は、充電完了時の電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電池保全装置。
  4. 組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された所定の期間における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類手段と、
    前記積分値区分毎に、当該積分値区分に属する単電池の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする蓄電池保全装置。
  5. 前記劣化判定手段は、前記積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項4に記載の蓄電池保全装置。
  6. 電池を構成する複数の単電池それぞれの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類手段と、
    前記単電池それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数を取得する度数取得手段と、
    前記度数取得手段により取得された度数に基づいて、各単電池が属する温度区分を決定する区分決定手段と、
    前記温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする蓄電池保全装置。
  7. 前記劣化判定手段は、前記温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も前記度数が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項6に記載の蓄電池保全装置。
  8. 前記劣化判定手段は、前記温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も前記度数が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項6に記載の蓄電池保全装置。
  9. 組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出ステップと、
    前記電圧検出ステップにおいて検出された所定のタイミングにおける電圧が、予め複数設定されている所定の電圧区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類ステップと、
    前記単電池それぞれについて、各電圧区分毎に、当該各電圧区分に分類された度数を取得する度数取得ステップと、
    前記度数取得ステップにおいて取得された度数に基づいて、各単電池が属する電圧区分を決定する区分決定ステップと、
    前記電圧区分毎に、当該電圧区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定ステップと、を備えることを特徴とする蓄電池保全方法。
  10. 前記劣化判定ステップでは、前記電圧区分の内、最も電圧値の高い電圧区分に属し、かつ最も前記度数が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項9に記載の蓄電池保全方法。
  11. 組電池を構成する複数の単電池それぞれの電圧を検出する電圧検出ステップと、
    前記電圧検出ステップにおいて検出された所定の期間における電圧の積分値が、予め複数設定されている所定の積分値区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類ステップと、
    前記積分値区分毎に、当該積分値区分に属する単電池の劣化を判定する劣化判定ステップと、を備えることを特徴とする蓄電池保全方法。
  12. 前記劣化判定ステップでは、前記積分値区分の内、最も積分値の大きい積分値区分に属し、かつ最も積分値が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項11に記載の蓄電池保全方法。
  13. 電池を構成する複数の単電池それぞれの温度を検出する温度検出ステップと、
    前記温度検出ステップにおいて検出された所定のタイミングにおける温度が、予め複数設定されている所定の温度区分の内いずれの区分に属するかを分類する分類ステップと、
    前記単電池それぞれについて、各温度区分毎に、当該各温度区分に分類された度数を取得する度数取得ステップと、
    前記度数取得ステップにおいて取得された度数に基づいて、各単電池が属する温度区分を決定する区分決定ステップと、
    前記温度区分毎に、当該温度区分に属すると決定された単電池の劣化を判定する劣化判定ステップと、を備えることを特徴とする蓄電池保全方法。
  14. 前記劣化判定ステップでは、前記温度区分の内、最も温度の高い温度区分に属し、かつ最も前記度数が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項13に記載の蓄電池保全方法。
  15. 前記劣化判定ステップでは、前記温度区分の内、最も温度の低い温度区分に属し、かつ最も前記度数が大きい単電池に基づいて、前記組電池の劣化を判定することを特徴とする請求項13に記載の蓄電池保全方法。
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